JP4007642B2 - 携帯電話のデータ転送装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話のデータ転送装置に関し、特に、データ送受信機能を具備するデータ端末が接続可能であり、また、無線回線上に情報チャネル、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルを備えた携帯電話のデータ転送装置に関する。
【0002】
ノート型パーソナルコンピュータの小型化や、携帯型情報端末の普及などにより、携帯電話が、音声通話だけではなく、文字、データなどの情報転送の手段としても利用されるようになって来た。
【0003】
また、安価な携帯端末装置、使用料金の低下などにより、携帯電話の普及がめざましく、その使用方法もこれから多様化していくことが予想される。なかでも、携帯端末装置にデータ端末を接続し、データ端末間でデータ転送を行いたいという要求が大きく、より効率的なデータ転送方式の開発が期待されている。データ転送の中でも、特に、通話中において通話を継続したまま、効率的なデータ転送を行えることが期待される。音声通話中にデータ転送の要求が生じる場合としては、例えば、音声通話中に通信相手に自分の住所やメールアドレスを知らせたい、テキスト文書を送りそれを見ながら会話をしたい、携帯電話のメモリ中の電話番号を転送したい、などといったものがある。
【0004】
【従来の技術】
従来、携帯電話を用いたデータ転送時の機器構成は、データ端末の入出力ポートと携帯電話の入出力ポートを変換アダプタ(またはモバイルカード)を介して接続する構成が一般的である。データ端末と変換アダプタとの間はRS−232Cのインタフェースが介在する。
【0005】
携帯電話と基地局との間の無線区間では、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)が適用される。この標準規格によれば、TDMAフレーム構成の通信用のスロットに、112ビットの情報チャネルTCH(Traffic Channel) が2つ設けられ、通常これらの2つの情報チャネルTCHを使用して、符号化された音声の伝送が行われる。データ端末を携帯電話に接続して、データ転送を行う場合には、2つの情報チャネルTCHを転送データの伝送用に割り当てる。
【0006】
図25は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)にて規定される、電話通信と非電話通信(FAX,データ通信)との間の従来の切り替え手順を示したシーケンス図である。ここでは、携帯電話A1と携帯電話A2とが、基地局B1、交換機C1、交換機C2、基地局B2を介して接続されているものとして説明する。
【0007】
携帯電話A1,A2間の情報チャネルTCHを使用した音声通話中(D1)に、携帯電話A1から携帯電話A2へ向けてデータ転送の要求が生じた場合には、携帯電話A1から音声により相手に非電話通信切り替え操作を依頼し、相手携帯電話A2の動作モードを非電話通信モードに切り替える操作(D2)をしてもらう。切り替え操作を行われた携帯電話A2は、接続される網に対して、レイヤ3のCCメッセージであるINFO(FA)メッセージを送信し、通信モードの切り替え要求を行う(D3)。その後、網から、切り替え要求に対する応答を表すINFO(FI)メッセージが送られ(D4)、これを受信した携帯電話A2は、非電話通信モードとなり、データ転送が可能な状態となる。
【0008】
携帯電話A1は、相手携帯電話A2の動作モードが非電話通信モードに切り替わった後に、自携帯電話の動作モードを非電話通信モードに切り替えるべく、非電話通信切り替え操作(D5)を行う。その結果、手順D3,D4と同じ手順D6,D7が実施される。これにより、携帯電話A1,A2間が情報チャネルTCHを使用したデータ転送状態(D8)になる。
【0009】
次に、データ転送が終了した場合、携帯電話A1の動作モードを電話通信モードに切り替える操作(D9)が行われる。その結果、手順D3,D4と同じ手順D10,D11が実施される。その後、携帯電話A2の動作モードを電話通信モードに切り替える操作(D12)が行われる。その結果、手順D3,D4と同じ手順D13,D14が実施される。これにより、携帯電話A1,A2間が情報チャネルTCHを使用した音声通話状態(D15)に戻る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の装置では、転送すべきデータの量の多少に拘わらず、データ転送を2つの情報チャネル(TCH)を使用して行う。そのため、データ転送中に音声通話ができない不便さがあるばかりでなく、転送データ量が少ない場合でも、2つの情報チャネル(TCH)を占有してしまい、データの伝送効率がよくないという問題がある。
【0011】
また、音声通話中にデータ転送の要求が生じた場合には、音声通話中に、音声にてデータ転送を開始することを相手に対して通知し、相手側及び自側の通信モードを非電話通信モードに切り替えてデータ転送を開始する。そして、データ転送終了後、再度、音声通話を再開するには、電話通信モードへの切り戻しを行う。こうした一連の処理の中に人手に頼る部分が多くあるので、データ転送が確実に行われにくく、またデータ転送に時間が多くかかるという問題がある。
【0012】
また、従来の上記手順では、データ転送が終了したことを、携帯電話A1が相手携帯電話A2に対して確実に通知する手段がなく、そのため、携帯電話A2が、データ転送中に誤って音声通話への切り戻し操作を行う可能性や、データ転送が終了しているのも拘わらず、音声通話への切り戻し操作を長い時間に亘って行わない可能性がある。
【0013】
更に、従来の装置では、データ転送中は、音声通話ができないために、コールウェイティング、三者通話等の第2呼に対する付加サービスが利用できないといった問題もある。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、効率的で確実なデータ転送を実現し、また、音声通話への影響や付加サービスの使用制限を極力最小限としたデータ転送を実現する携帯電話のデータ転送装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために、図1に示すように、データ端末1より携帯電話2に入力された転送データのデータ量を測定する転送データ量測定手段2aと、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量を所定値と比較し、その比較結果に応じて、無線回線上に設定される高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するチャネル選択手段2bと、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出するデータ転送手段2cと、音声伝送を、データ転送手段2cによるデータ転送の有無に拘わらず、情報チャネルを使用して行う音声伝送手段2dとを、有することを特徴とする携帯電話のデータ転送装置が提供される。
【0016】
以上のような構成において、携帯電話2と基地局3との間の無線回線では、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)が適用される。この標準規格で規定されるTDMAフレーム構成の通信用のスロットを、図2を参照して説明する。
【0017】
図2は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)で規定される通信用のスロットの構成を示す図である。このスロットは、280ビットからなり、その中に、各112ビットのゾーン4,5と、15ビットのゾーン6とが設けられる。ゾーン4,5は、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCH(Fast Associated Control Channel) としてそれぞれ使用可能となっている。また、ゾーン6は、ハウスキーピングチャネルRCHまたは低速付随制御チャネルSACCH(Slow Associated Control Channel) として使用可能になっている。本発明では、ゾーン4を情報チャネルTCHとして常時使用して音声通話専用に使用し、ゾーン5を、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCHに使い分けるようにする。すなわち、データ転送を高速付随制御チャネルFACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を高速付随制御チャネルFACCHとして使用してデータ転送を行い、一方、データ転送を低速付随制御チャネルSACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を情報チャネルTCHとして使用して音声通話に用い、データ転送を、ゾーン6に設定した低速付随制御チャネルSACCHによって行う。
【0018】
図1に戻って、通常の音声通話の場合には、携帯電話2は、基地局3を介して交換機に接続され、音声伝送手段2dにより、回線網の先に接続された通常の電話器や携帯電話と通話を行う。ただし、この場合にはゾーン5が情報チャネルTCHに設定されて、ゾーン4の情報チャネルTCHと共に音声通話に用いられる。
【0019】
この通話中に、携帯電話2に接続されたデータ端末1から、回線網の先の、例えば携帯電話(図示せず)に接続されたデータ端末(図示せず)に、データを転送しようとする場合、転送データ量測定手段2aが、先ず、データ端末1より入力された転送データのデータ量を測定する。この測定されたデータ量を、チャネル選択手段2bが所定値と比較し、その比較結果に応じて、高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を選択する。データ転送手段2cは、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出する。このデータ転送の間にも、音声伝送は、音声伝送手段2dにより情報チャネルTCHを使用して行われる。
【0020】
このように、データ転送中にも音声通話が同時にできるようにするとともに、チャネル選択手段2bが高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を適切に選択し、これによりデータ転送が行われる。また、チャネル選択手段2bが低速付随制御チャネルを選択したときには、音声伝送手段2dが、音声伝送を情報チャネルTCH及び高速付随制御チャネルFACCHを使用して行う。従って、携帯電話2は効率的なデータ転送を実現し、また、音声通話への影響や付加サービスの使用制限を極力最小限としたデータ転送を実現する。
【0021】
なお、チャネル選択手段2bは、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量が所定値よりも多い場合には高速付随制御チャネルを選択し、少ない場合には低速付随制御チャネルを選択する。これにより、より効率的なデータ転送を実現することができる。
【0022】
また、チャネル選択手段2bは、こうした選択ではなく、次のような選択を行ってもよい。
本発明の携帯電話のデータ転送装置は、音声通話を監視して無音状態を検出する無音状態監視手段や、音声通話及びデータ転送のうちで優先すべき方を指定する優先指定情報を外部から受けて保存する保存手段を、更に備える。そして、チャネル選択手段2bが、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量だけでなく、無音状態監視手段による無音状態の検出や、保存手段に保存された優先指定情報に応じて、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態の原理構成を、図1を参照して説明する。本発明の実施の形態に係る携帯電話のデータ転送装置は、データ端末1より携帯電話2に入力された転送データのデータ量を測定する転送データ量測定手段2aと、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量を所定値と比較し、その比較結果に応じて、無線回線上に設定される高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するチャネル選択手段2bと、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出するデータ転送手段2cと、音声伝送を、データ転送手段2cによるデータ転送の有無に拘わらず、情報チャネルを使用して行う音声伝送手段2dとを備える。
【0024】
以上のような構成において、携帯電話2と基地局3との間の無線回線では、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)が適用される。この標準規格で規定されるTDMAフレーム構成の通信用のスロットを、図2を参照して説明する。
【0025】
図2は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)で規定される通信用のスロットの構成を示す図である。このスロットは、280ビットからなり、その中に、各112ビットのゾーン4,5と、15ビットのゾーン6とが設けられる。ゾーン4,5は、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCH(Fast Associated Control Channel) としてそれぞれ使用可能となっている。また、ゾーン6は、ハウスキーピングチャネルRCHまたは低速付随制御チャネルSACCH(Slow Associated Control Channel) として使用可能になっている。本発明では、ゾーン4を情報チャネルTCHとして常時使用して音声通話専用に使用し、ゾーン5を、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCHに使い分けるようにする。すなわち、データ転送を高速付随制御チャネルFACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を高速付随制御チャネルFACCHとして使用してデータ転送を行い、一方、データ転送を低速付随制御チャネルSACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を情報チャネルTCHとして使用して音声通話に用い、データ転送を、ゾーン6に設定した低速付随制御チャネルSACCHによって行う。
【0026】
図1に戻って、通常の音声通話の場合には、携帯電話2は、基地局3を介して交換機に接続され、音声伝送手段2dにより、回線網の先に接続された通常の電話器や携帯電話と通話を行う。ただし、この場合にはゾーン5が情報チャネルTCHに設定されて、ゾーン4の情報チャネルTCHと共に音声通話に用いられる。
【0027】
この通話中に、携帯電話2に接続されたデータ端末1から、回線網の先の、例えば携帯電話(図示せず)に接続されたデータ端末(図示せず)に、データを転送しようとする場合、転送データ量測定手段2aが、先ず、データ端末1より入力された転送データのデータ量を測定する。この測定されたデータ量を、チャネル選択手段2bが所定値と比較し、その比較結果に応じて、高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を選択する。データ転送手段2cは、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出する。このデータ転送の間にも、音声伝送は、音声伝送手段2dにより情報チャネルTCHを使用して行われる。
【0028】
このように、データ転送中にも音声通話が同時にできるようにするとともに、チャネル選択手段2bが高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を適切に選択し、これによりデータ転送が行われる。また、チャネル選択手段2bが低速付随制御チャネルを選択したときには、音声伝送手段2dが、音声伝送を情報チャネルTCH及び高速付随制御チャネルFACCHを使用して行う。従って、携帯電話2は効率的なデータ転送を実現し、また、音声通話への影響や付加サービスの使用制限を極力最小限としたデータ転送を実現する。
【0029】
なお、チャネル選択手段2bは、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量が所定値よりも多い場合には高速付随制御チャネルを選択し、少ない場合には低速付随制御チャネルを選択する。これにより、より効率的なデータ転送を実現することができる。
【0030】
また、チャネル選択手段2bは、こうした選択ではなく、次のような選択を行ってもよい。
本発明の携帯電話のデータ転送装置は、音声通話を監視して無音状態を検出する無音状態監視手段や、音声通話及びデータ転送のうちで優先すべき方を指定する優先指定情報を外部から受けて保存する保存手段を、更に備える。そして、チャネル選択手段2bが、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量だけでなく、無音状態監視手段による無音状態の検出や、保存手段に保存された優先指定情報に応じて、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するようにする。
【0031】
次に、本発明の実施の形態に係る携帯電話のデータ転送装置を詳しく説明する。
図3は、携帯電話の無線網を含んだ全体回線構成を例示する図である。図3の構成図において、回線網16に交換機15,17が接続されており、交換機15,17に基地局14,18がそれぞれ接続されている。基地局14には無線回線を介して携帯電話13が接続され、基地局18には無線回線を介して携帯電話19が接続される。携帯電話13には、アダプタ12を介してデータ端末11が接続される。携帯電話13及びデータ端末11にはそれぞれ入出力ポートが有り、それらの入出力ポートを介してアダプタ12と接続される。同様に、携帯電話19には、アダプタ20を介してデータ端末21が接続される。
【0032】
上記の構成において、データ端末11から送信された転送データは、携帯電話13にて、レイヤ3のCCメッセージであるUSER−INFOメッセージの中に設定される。そして、送信データ量、通話状態などに応じて、高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちのいずれかを使用して無線回線上に送信される。
【0033】
データ端末11からの転送データは、基地局14,交換機15,回線網16,交換機17,基地局18を経た後、再びUSER−INFOメッセージの中に設定されて、無線回線から携帯電話19へ送られる。携帯電話19は、上記とは逆の手順に従い、転送データをデータ端末21に送信する。なおもし、携帯電話19において、携帯電話13から受信したUSER−INFOメッセージの内容が、転送データではなく制御情報である場合には、通知された制御情報の内容に従って、携帯電話19の動作を決定する。
【0034】
図4は、携帯電話13の内部構成を示す図である。携帯電話19も携帯電話13と同じ内部構成となっている。
携帯電話13は、マイク13a、入出力ポート13b、音声検出部13c、CODEC13d、無線制御部13e、アンテナ13f、CPU13g、メモリ13h、表示操作部13i、液晶表示画面13j等から構成される。
【0035】
図5は、メモリ13hに格納されたプログラムをCPU13gが実行することで得られる諸機能をブロック化して示す図である。すなわち、主に表示制御部22,通信制御部23,端末インタフェース制御部24に分けられる。
【0036】
図4及び図5において、音声検出部13cは、マイク13aからの出力を監視して音声通話状態を検出し、音声通話状態を通信制御部23に通知する。
端末インタフェース制御部24は、携帯電話13とデータ端末11との間で行われるデータの送受信に関する制御を行ったり、受信データをメモリ13h内の蓄積エリアへ格納したり、蓄積エリアから読み出したり、また通信制御部23との間で行われるデータ送受信に関する制御を行ったりする。
【0037】
通信制御部23は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)にて規定される無線通信におけるレイヤ2、レイヤ3の制御を行い、携帯電話としての通信に関する動作及びサービスを実現する処理を行う。例えば、端末インタフェース制御部24から送られたデータのUSER−INFOメッセージへの設定を行ったり、音声検出部13cから通知された通話状態、端末インタフェース制御部24から通知されたデータ量、及びメモリ13hに設定されている優先識別情報に従い、送信チャネルを決定したり、また、通話終了後にデータ転送中であれば無通信監視を開始したりする。
【0038】
表示制御部22は、表示操作部13iから入力されたユーザ操作指示に従った制御を行ったり、画面表示などの携帯電話13の動作に関する制御を行う部分であり、例えば、ユーザ操作に対応した処理要求(データ転送開始など)の通信制御部23への通知、通信制御部23から通知された制御情報に従った携帯電話13の動作の決定等を行う。
【0039】
図6は、携帯電話13と携帯電話19との間で行われる通信の主なる手順を示すシーケンス図である。以下、この通信手順を、図中に示したステップ(S)番号と対応させながら説明する。
【0040】
音声通話中状態(S1)において、データ転送の要求が発生した場合には、携帯電話13の使用者により、データ転送開始要求操作(S2)が行われる。
データ転送を開始できる状態であれば、標準規格RCR−STD−27Dの規定に従い、ユーザ・ユーザ情報転送手順を開始し、FAC(サービス3要求)メッセージを携帯電話19に対して送信する。これに対して携帯電話19から受付応答のFAC(サービス3受付)メッセージが送信される(S3)。
【0041】
携帯電話13は、FAC(サービス3受付)メッセージを受信した場合、携帯電話19に対して転送開始要求を設定したUSER−INFOメッセージを作成し、送信する(S4)。USER−INFOメッセージを受信した携帯電話19は、USER−INFOメッセージの内容を解析し、メッセージが転送開始要求を示すものであれば、液晶表示画面13jに「テンソウカイシ」を表示する(S5)。
【0042】
その後、携帯電話19の使用者によりデータ転送受付を承諾する操作が行われると(S6)、携帯電話19は、携帯電話13に対して転送開始受付を応答するUSER−INFOメッセージを送信する(S7)。
【0043】
携帯電話13は、このUSER−INFOメッセージを受信すると、携帯電話19との間で一連のデータ転送手順を実行する(S8)。この詳細については、後述する。
【0044】
その後、携帯電話13に対してユーザ操作によりデータ転送の終了が通知された場合(S9)には、携帯電話13は、携帯電話19に対して転送終了を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(S10)。これを受けた携帯電話19は、液晶表示画面13jに「テンソウシュウリョウ」を表示する(S11)。
【0045】
そして、携帯電話19は、携帯電話13に対して転送終了応答を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(S12)。このUSER−INFOメッセージを受信した携帯電話13では、データ転送終了処理が行われ、電話通信状態に戻る(S13)。
【0046】
次に、携帯電話13,19で行われる具体的なデータ転送処理の内容を、図7以降を参照して説明する。
図7〜図14は、携帯電話13,19で行われるデータ転送の開始から終了まで処理を示すフローチャートである。そのうちで、図7〜図10は、データ送信側の携帯電話13の処理内容を示し、図11〜図14は、データ受信側の携帯電話19の処理内容を示す。以下では、データ転送の処理手順に沿って説明し、適宜、図7〜図14に示したステップ(S)番号を引用する。
【0047】
先ず、図7及び図11を参照して、図6に示すステップS1からステップS5までに相当する処理を説明する。
音声通話中状態において、データ転送の要求が発生すると、携帯電話13に対して、データ転送開始を要求するためのユーザ操作が行われる(図7のS21)。表示操作部13iからのユーザ操作が行われたことを、携帯電話13の表示制御部22が検出した場合には、表示制御部22は通信制御部23に対して、データ転送要求を通知する(図7のS22)。データ転送要求を受信した通信制御部23は、携帯電話13がデータ転送を開始できる状態(通話中)でない場合には、本通知を廃棄する(図7のS23)。データ転送を開始できる状態であれば、標準規格RCR−STD−27Dの規定に従い、ユーザ・ユーザ情報転送手順を開始して、受信待ちタイマによる計時をスタートさせる(図7のS24)とともに、FAC(サービス3要求)メッセージを携帯電話19に対して送信する(図7のS25)。
【0048】
着信側携帯電話19は、FAC(サービス3要求)メッセージを受信する(図11のS31)と、通信制御部が、ユーザ・ユーザ情報転送サービスを許容できるか否かを判別する。許容できるならば、受付応答のFAC(サービス3受付)メッセージを携帯電話13へ送る(図11のS32)。許容できないならば、FAC(サービス3受付拒否)メッセージを携帯電話13へ送る(図11のS33)と共に、FAC(サービス3要求)メッセージを廃棄する(図11のS34)。
【0049】
携帯電話19の通信制御部23は、携帯電話19からFAC(サービス3受付)メッセージを受信した場合には(図7のS26,S27)、携帯電話19に対して転送開始要求を設定したUSER−INFOメッセージを作成し、送信する(図7のS28)。また、FAC(サービス3受付拒否)メッセージを受信した場合(図7のS26,S27)、通信制御部23は、データ転送不可を示す情報を表示制御部22に通知する。表示制御部22は、その情報を液晶表示画面13jに表示する(図7のS30)。
【0050】
なお、網にてユーザ・ユーザ情報転送サービスを提供していない場合には、網からSTATメッセージが通知される(図7のS29)。通信制御部23は、STATメッセージに設定された、理由を示す情報を表示制御部22に通知する。表示制御部22は、その情報を液晶表示画面13jに表示する(図7のS30)。更になお、ステップS24(図7)でスタートされた受信待ちタイマが所定時間を計時完了(タイムアウト)してもFAC(サービス3受付)メッセージが携帯電話19から通知されない場合にも、通信制御部23は、データ転送不可を示す情報を表示制御部22に通知する。
【0051】
転送不可を受信した表示制御部22は、携帯電話13の液晶表示画面13jにデータ転送不可を示すメッセージを表示するが、メッセージ表示に連動して、規定音を鳴動するようにしてもよい。
【0052】
携帯電話13からのUSER−INFOメッセージを受信(図11のS35)した携帯電話19の通信制御部は、USER−INFOメッセージの内容を解析し、このメッセージが転送開始要求を示すものであれば、表示制御部に対してデータ転送開始要求を通知する。この通知に従い、液晶表示画面に「テンソウカイシ」が表示される(図11のS36)。
【0053】
次に、図12,図8,図9,図13を参照して、図6に示すステップS6からステップS8までに相当する処理を説明する。
携帯電話19の液晶表示画面の表示を見た携帯電話19の使用者が、データ転送受付操作(図12のS41)を行ったとする。これを契機として、携帯電話19の通信制御部は、端末インタフェース部に対してデータ転送開始準備の要求を送る(図12のS42)と共に、転送開始要求の受付を応答したUSER−INFOメッセージを携帯電話13に対して送信する(図12のS43)。
【0054】
携帯電話13において、転送開始要求受付を応答したUSER−INFOメッセージを携帯電話19から受信した場合には(図8のS44)、データ入力要求を端末インタフェース制御部24に送信する(図8のS45)。データ入力要求を受信した端末インタフェース制御部24は、アダプタ12に対してデータ転送要求を送信する(図8のS46)。アダプタ12は、インタフェースRS−232Cの規定に従い、データ端末11からのデータの入力を開始する(図8のS47)。データ端末11からアダプタ12を介して端末インタフェース制御部24に入力されたデータは、メモリ13h内の格納領域に格納される。端末インタフェース制御部24は、データが転送された旨を通信制御部23に対して通知する(図8のS48)。
【0055】
データが転送された旨を通知された通信制御部23は、転送データを設定したUSER−INFOメッセージを作成し、携帯電話19に対して送信することになるが、この際、転送データに対して送信通番を設定する(図8のS49)と同時に、メモリ13h内の格納領域に格納されたデータ量を規定値と比較する。データ量が規定値以上であれば、通信制御部23は高速付随チャネルFACCHを選択し(図8のS50)、規定値以下であれば低速付随チャネルSACCHを選択し(図8のS51)、選択されたチャネルを使用して、データ転送を開始する(図8のS52)。それと同時に、転送受付待ちタイマによる計時をスタートさせる(図8のS53)。規定値は携帯電話固有の情報として携帯電話内のROMに格納されており、電源オン時にROMよりメモリ13h内に展開される。
【0056】
なお、高速付随チャネルFACCH及び低速付随チャネルSACCHのうちの一方を選択する方法は、図16を参照して後述する方法によってもよい。
転送データを設定したUSER−INFOメッセージを受信(図13のS54)した携帯電話19の通信制御部は、USER−INFOメッセージ内の転送データに設定されている送信通番と、それに対応する受信通番とを比較する。その結果、一致している場合には、転送データを端末インタフェース制御部に対して送信し(図13のS55)、端末インタフェース制御部は、アダプタ20を介してデータ端末21に対して、転送データを送信する。転送データがデータ端末21まで届いたことを通知された通信制御部は、転送データ受付を設定したUSER−INFOメッセージを携帯電話13に対して送信する(図13のS56)。この転送データ受付には受信通番(=送信通番)と同じ通番を設定しておく。なお上記での比較の結果、通番不一致の場合には、受信した転送データを廃棄する(図13のS57)。
【0057】
転送データ受付が設定されたUSER−INFOメッセージを受信(図9のS58)した携帯電話13の通信制御部23は、転送データ受付に設定されている通番と、保持している送信通番を比較する。一致している場合には図8のステップS45へ進んで、次データの読み込みを行い、不一致の場合には図9のステップS59へ進む。ステップS59では、再送実行回数をカウントする再送カウンタのカウント値をインクリメントする。
【0058】
また、図9のステップS53でスタートさせた転送受付待ちタイマが所定時間を計時完了しても、転送データ受付が設定されたUSER−INFOメッセージが受信されない場合にも、再送カウンタのカウント値をインクリメントする(図9のS59)。再送カウンタのカウント値が所定値に達した場合には、データ転送の終了処理を行う(図9のS60)。ここでは呼切断は行わない。一方、再送カウンタのカウント値が所定値に達していない場合には、前回送信データの再送を行う(図9のS61)。
【0059】
上記に示す以外の誤り制御は、標準規格RCR−STD−27Dに規定されるレイヤ2の制御により行われる。
次に、図10,図14を参照して、図6に示すステップS9からステップS13までに相当する処理を説明する。
【0060】
携帯電話13の表示操作部13iに対してユーザ操作によりデータ転送の終了が通知された場合には(図10のS71)、表示制御部22より通信制御部23に対してデータ転送終了が通知される(図10のS72)。表示制御部22からデータ転送終了を通知された通信制御部23は、端末インタフェース制御部24に対してデータ転送終了を通知し(図10のS73)、端末インタフェース制御部24は、データ端末11からのデータの読み込み処理の停止をアダプタ12に通知する(図10のS74)。アダプタ12は流入規制をインタフェースRS−232Cの規定に従い行う。
【0061】
上記処理完了後、処理終了応答を受けた通信制御部23は、携帯電話19に対して、転送終了を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図10のS75)。
【0062】
転送終了を通知された携帯電話19の通信制御部は、端末インタフェース制御部、表示制御部に対して転送終了をそれぞれ通知した(図14のS76,S77)後、携帯電話13に対して転送終了応答を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図14のS78)。
【0063】
転送終了を通知された端末インタフェース制御部、表示制御部は、携帯電話13内での処理と同様にしてデータ転送終了処理を行う。この結果、通常は電話通信モードに戻る。
【0064】
電波断などにより、通信を継続できない状態になった場合や、呼切断を要求するDISCメッセージを携帯電話13から受信した場合には、データ転送の終了処理を行った後、呼切断処理を行う。これについては、図17及び図18を参照して後述する。
【0065】
図15は、USER−INFOメッセージのフォーマットを示す図である。各行8ビットからなり、第3行目の「メッセージ種別」欄にコード「00100000」を設定することにより、このフォーマットがUSER−INFOメッセージであることが規定される。
【0066】
図16は、図8のステップS50,S51で示した送信チャネルの決定方法とは別の送信チャネル決定方法を示す図である。
すなわち、携帯電話13において、予め表示操作部13iに対して行われたユーザのファンクション操作により、優先識別情報が表示制御部22を介してメモリ13h内の優先識別領域に格納される(S81)。優先識別情報は、音声通話とデータ転送とのいずれを優先するかを示す情報である。
【0067】
また、携帯電話13内の音声検出部13cが、公知の手段(受信レベル測定など)により、音声通話の無音状態を監視している。音声検出部13cは、無音状態であることを検出すると通信制御部23に対して無音状態であることを通知し(S82)、通信制御部23は、「無音状態」をメモリ13h内の音声通話状態領域に格納する。音声検出部13cが音声を検出した場合には、メモリ13h内の音声通話状態領域に「音声通話中」が設定される。
【0068】
通信制御部23は、メモリ13h内の音声通話状態領域を参照し(S83)、「無音状態」が格納されていれば、高速付随チャネルFACCHを使用して、USER−INFOメッセージを送信するように無線制御部13eに対して通知する(S84)。
【0069】
音声通話状態領域に「音声通話中」が設定されている場合には、端末インタフェース制御部24から通知された転送データ量、およびメモリ13h内の優先識別領域に格納された優先識別情報(S85)を参照して送信チャネルを決定する。すなわち、優先識別情報でデータ転送が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以上である場合には、高速付随制御チャネルFACCHを選択する(S86)。優先識別情報でデータ転送が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以下である場合には、低速付随制御チャネルSACCHを選択する(S87)。優先識別情報で音声通話が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以下である場合には、高速付随制御チャネルFACCHを選択する(S88)。優先識別情報で音声通話が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以上であ
る場合には、低速付随制御チャネルSACCHを選択する(S89)。
【0070】
こうして選択された送信チャネルを使用して、USER−INFOメッセージを送信するように、通信制御部23は無線制御部13eに通知する。
次に、データ転送状態から通信終了へ至る処理を、図17及び図18を参照して詳しく説明する。
【0071】
図17及び図18は無通信監視手順を示す図であり、図17はその前半を、図18はその後半を示す。
音声通話とデータ転送とを同時実行中(S91)に、携帯電話13の表示操作部13iに対してユーザ操作(オンフックなど)が行われると、それを検出した表示制御部22が通信制御部23に対して、そのユーザ操作を通知する(S92)。
【0072】
オンフックを通知された通信制御部23は、現在の状態に応じて、データ転送中であれば、表示制御部22に対してデータ転送中であることを通知する(S93)と共に、監視タイマによる計時をスタートさせる(S94)。一方、データ転送中でなければ、通常の終話処理を行う(S95)。データ転送中であることを通知された表示制御部22は、液晶表示画面13jに対して「データ テンソウチュウデス」という表示を行わせる。この時、同時に警告音を鳴動するようにしてもよい。
【0073】
監視タイマは、通信制御部23に端末インタフェース制御部24よりデータ転送が通知された場合(S96)、または、携帯電話19より、USER−INFOメッセージを受信し、このメッセージがデータ転送に関連するメッセージであると分析された場合(S97)に、再設定される。なお、表示操作部13iに対して、ユーザ操作(オフフックなど)が行われたことを表示制御部22から通知された場合には解除される。
【0074】
監視タイマがタイムアウトした場合には、携帯電話13の通信制御部23は、携帯電話19との間で、DISCメッセージ、RELメッセージ、REL−COMPメッセージを送受信して終話処理を行う(S98)。RELメッセージは呼解放メッセージであり、REL−COMPメッセージは呼解放完了メッセージである。
【0075】
なお自動電源オフが予め設定されていれば、終話処理の後、携帯電話13の通信制御部23は表示制御部22に対して、自動電源オフを通知する。自動電源オフを通知された表示制御部22は通常の手順により携帯電話13の電源をオフにする。自動電源オフは、後述のように制御情報として設定されるものであり、ユーザによるファンクション操作によって設定される。
【0076】
携帯電話19においても、無通信監視中状態においてDISCメッセージを受信した通信制御部は終話処理を行い、自動電源オフが予め設定されていれば、携帯電話13と同様の手順により、携帯電話19の電源をオフにする。
【0077】
次に、転送データの受信側において受信処理ができなくなって送信側にデータ転送の送信を規制してほしい場合に行われる流入規制処理を、図19〜図22を参照して説明する。
【0078】
図19は、携帯電話13,19相互間で行われる流入規制のシーケンス図であり、図20は、転送データ受信側の携帯電話19で行われる規制処理を示すフローチャートであり、図21は、転送データ送信側の携帯電話13で行われる規制開始処理を示すフローチャートであり、図22は、転送データ送信側の携帯電話13で行われる規制解除処理を示すフローチャートである。以下、図19〜図22に示されるステップ(S)番号を適宜参照しながら説明する。
【0079】
携帯電話13からの転送データを受信(図19のS101、図20のS111)した携帯電話19において、端末インタフェース制御部が、通信制御部より受信した転送データをメモリ内の格納領域に格納する。その際に、前回受信した転送データの出力処理が完了していない場合には、監視タイマによる計時をスタートさせる(図19のS102、図20のS112)と同時に、携帯電話13に対して規制を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図19のS103、図20のS113)。転送データの出力処理が完了していれば次の転送データを受信する(図20のS114)。
【0080】
監視タイマのタイムアウト(図20のS115)にて、メモリ内の格納領域を参照し(図19のS104)、格納領域が空き状態となっていれば、携帯電話13に対して、規制解除を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図19のS105、図20のS116)。監視タイマのタイムアウト時に、メモリ内の格納領域が空き状態となっていない場合には、監視タイマによる計時を再スタートさせる(図19のS106、図20のS117)。
【0081】
規制が設定されたUSER−INFOメッセージを受信(図21のS118)した携帯電話13の通信制御部23は、端末インタフェース制御部24に対して流入規制を通知する(図21のS119)。流入規制を受信した端末インタフェース制御部24は、データ端末11からの情報の読み込みを中止する。
【0082】
また、規制解除が設定されたUSER−INFOメッセージを受信(図22のS120)した携帯電話13の通信制御部23は、端末インタフェース制御部24に対して、流入規制解除を送信する(図22のS121)。流入規制解除を受信した端末インタフェース制御部24は、データの読み込みを再開する。
【0083】
データ端末11からのデータの読み込みの規制/規制解除は、端末インタフェース制御部24からアダプタ12に通知される。
次に、制御情報の転送手順について説明する。
【0084】
図6にステップS2及びステップS9で示したユーザ操作を行うときに、鳴動パターン、音量レベル、液晶画面表示メッセージ、自動電源オフ、バイブレータ機能、処理優先度等を、必要に応じて設定することができる。
【0085】
携帯電話13において、表示操作部13iに対してユーザ操作により、上記の携帯電話の動作が設定される。表示制御部22が、その動作を制御情報に変換し、通信制御部23に対して通知する。
【0086】
制御情報を通知された通信制御部23は、図15で示すUSER−INFOメッセージのフォーマットの「制御情報/転送データ」欄に、通知された制御情報を設定し、携帯電話19に対して送信する。
【0087】
携帯電話19内の通信制御部は、通知された制御情報を表示制御部に対して通知する。表示制御部は、通知された制御情報に従って、携帯電話の動作を決定する。
【0088】
制御情報の設定がない場合には、携帯電話の動作に関する処理は行わず、液晶表示画面に「ジョウホウ テンソウ カイシ」を表示する。同時に、警告音を鳴動するようにしてもよい。
【0089】
なお、携帯電話19に対して携帯電話の動作に関する制限条件(音量オフなど)が設定され、かつ、制御情報内に設定される処理優先度が「最優先」ではない場合には、制限条件に関する制御情報は無効として廃棄する。
【0090】
次に、携帯電話13,19相互間で行われる認証の手順について、図23及び図24を参照して説明する。
図23及び図24は、認証手順を示すフローチャートであり、図23はその前半を、図24はその後半を示す。
【0091】
本発明の実施の形態では、上述のように相手の携帯電話の動作をリモートにて指定することができる。これに伴い、指定を発信する携帯電話側のユーザの操作誤り等により、相手携帯電話の誤動作を招く可能性がある。これを防止するために、以下に示す認証処理を行う。
【0092】
携帯電話13において、自動電源オフ、音量レベル設定などの誤動作を招く危険性がある制御情報の入力操作が行われた場合には、表示制御部22は、その制御情報により示されている動作が、予め指定されている許容動作であることを確認(S131)した上で、確認コードの入力を促す表示を液晶表示画面13jに表示する(S132)。
【0093】
この表示を見たユーザが確認コードを入力した場合、入力された確認コードが携帯電話13に予め登録されているコードと一致するか否かを判定し、一致しない場合には、ユーザ操作を無視する(S133)。一致している場合には、前述の制御情報の転送手順に従って制御情報を携帯電話19に対して送信する(S134)。
【0094】
携帯電話19の通信制御部は制御情報を受信し(S135)、その制御情報を表示制御部へ送る。携帯電話19のメモリ内には許容テーブルが設けられており、この許容テーブルには、許容される通信相手の加入者番号が登録されている。表示制御部は、制御情報を送ってきた携帯電話の加入者番号がメモリ内の許容テーブルに登録されているかを確認する。登録されていれば、制御情報で指定されている動作を行い(S136)、登録されていない場合には、通知された制御情報を無視する(S137)。
【0095】
なお、上記のような、制御情報を送ってきた携帯電話の加入者番号がメモリ内の許容テーブルに登録されているかを確認する方法に代わって、制御情報を送ってきた携帯電話の加入者番号が許容できるものであるか否か、或いは制御情報で指定された動作が許容できるものであるか否かを、ユーザ操作によって確認するようにしてもよい(S138)。
【0096】
以上説明した実施の形態では、携帯電話どうしの間でデータ転送を行っているが、本発明は、両方が携帯電話であることに限定されるものではなく、一方だけが携帯電話でありさえすれば、他方は通常の有線回線電話であってもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、音声通話用に情報チャネルTCHを常時1つ確保した上で、データ転送用のチャネルを確保する。しかも、データ転送用のチャネルとして、転送データ量に基づき、低速付随チャネルSACCH及び高速付随チャネルFACCHのうちから適切な方を選択するようにしている。或いは、転送データ量、音声通話とデータ転送のうちの優先順位、及び音声通話状態(無通信状態)に基づき、データ転送用のチャネルとして、低速付随チャネルSACCH及び高速付随チャネルFACCHのうちから適切な方を選択するようにしている。
【0098】
すなわち、情報チャネルTCH2つをデータ転送に占有することなく、しかも、転送データ量等に基づき、低速付随チャネルSACCH及び高速付随チャネルFACCHのうちから適切な方を選択して、これを送信チャネルに使用するようにしている。しかも、データ転送用に低速付随チャネルSACCHが選択されているときには、高速付随チャネルFACCHを音声通話用に使用する。これにより、効率的なデータ転送が実現する。また、音声通話の専用チャネルが常時確保されるので、音声通話時にしか使用できない付加サービス(コ−ルウェイティング、三者通話等)もデータ転送中に使用可能となる。
【0099】
また、非電話通信モードから電話通信モードに切り戻す時に、データ転送状態を監視し、データ転送が確実に完了した段階で、自動的に切り戻すようにしている。従って、データ転送が行われている最中に誤って切り戻しを行ってしまうことや、データ転送が完了しているのに、それを知らずに放置しておくようなことを防止できる。
【0100】
また、転送データの受信側の携帯電話が、転送データの一時的な送信規制を送信側携帯電話に要求し、送信側携帯電話がそれに応じて送信規制を行うようにする。これにより、受信側の携帯電話でのデータ欠落を防止し、確実なデータ転送が実現する。
【0101】
更に、制御情報を使用して、相手側携帯電話の動作をリモート操作することが可能となるため、携帯電話の幅広い利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)で規定される通信用のスロットの構成を示す図である。
【図3】携帯電話の無線網を含んだ全体回線構成を例示する図である。
【図4】携帯電話の内部構成を示す図である。
【図5】メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することで得られる諸機能をブロック化して示す図である。
【図6】携帯電話と携帯電話との間で行われる通信の主なる手順を示すシーケンス図である。
【図7】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第1部分を示すフローチャートである。
【図8】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第2部分を示すフローチャートである。
【図9】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第3部分を示すフローチャートである。
【図10】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第4部分を示すフローチャートである。
【図11】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第1部分を示すフローチャートである。
【図12】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第2部分を示すフローチャートである。
【図13】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第3部分を示すフローチャートである。
【図14】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第4部分を示すフローチャートである。
【図15】USER−INFOメッセージのフォーマットを示す図である。
【図16】図8のステップS50,S51で示した送信チャネルの決定方法とは別の送信チャネル決定方法を示す図である。
【図17】無通信監視手順の前半を示す図である。
【図18】無通信監視手順の後半を示す図である。
【図19】携帯電話相互間で行われる流入規制のシーケンス図である。
【図20】転送データ受信側の携帯電話で行われる規制処理を示すフローチャートである。
【図21】転送データ送信側の携帯電話で行われる規制開始処理を示すフローチャートである。
【図22】転送データ送信側の携帯電話で行われる規制解除処理を示すフローチャートである。
【図23】認証手順の前半を示すフローチャートである。
【図24】認証手順の後半を示すフローチャートである。
【図25】ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)にて規定される、電話通信と非電話通信との間の従来の切り替え手順を示したシーケンス図である。
【符号の説明】
1 データ端末
2 携帯電話
2a 転送データ量測定手段
2b チャネル選択手段
2c データ転送手段
2d 音声伝送手段
3 基地局
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話のデータ転送装置に関し、特に、データ送受信機能を具備するデータ端末が接続可能であり、また、無線回線上に情報チャネル、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルを備えた携帯電話のデータ転送装置に関する。
【0002】
ノート型パーソナルコンピュータの小型化や、携帯型情報端末の普及などにより、携帯電話が、音声通話だけではなく、文字、データなどの情報転送の手段としても利用されるようになって来た。
【0003】
また、安価な携帯端末装置、使用料金の低下などにより、携帯電話の普及がめざましく、その使用方法もこれから多様化していくことが予想される。なかでも、携帯端末装置にデータ端末を接続し、データ端末間でデータ転送を行いたいという要求が大きく、より効率的なデータ転送方式の開発が期待されている。データ転送の中でも、特に、通話中において通話を継続したまま、効率的なデータ転送を行えることが期待される。音声通話中にデータ転送の要求が生じる場合としては、例えば、音声通話中に通信相手に自分の住所やメールアドレスを知らせたい、テキスト文書を送りそれを見ながら会話をしたい、携帯電話のメモリ中の電話番号を転送したい、などといったものがある。
【0004】
【従来の技術】
従来、携帯電話を用いたデータ転送時の機器構成は、データ端末の入出力ポートと携帯電話の入出力ポートを変換アダプタ(またはモバイルカード)を介して接続する構成が一般的である。データ端末と変換アダプタとの間はRS−232Cのインタフェースが介在する。
【0005】
携帯電話と基地局との間の無線区間では、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)が適用される。この標準規格によれば、TDMAフレーム構成の通信用のスロットに、112ビットの情報チャネルTCH(Traffic Channel) が2つ設けられ、通常これらの2つの情報チャネルTCHを使用して、符号化された音声の伝送が行われる。データ端末を携帯電話に接続して、データ転送を行う場合には、2つの情報チャネルTCHを転送データの伝送用に割り当てる。
【0006】
図25は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)にて規定される、電話通信と非電話通信(FAX,データ通信)との間の従来の切り替え手順を示したシーケンス図である。ここでは、携帯電話A1と携帯電話A2とが、基地局B1、交換機C1、交換機C2、基地局B2を介して接続されているものとして説明する。
【0007】
携帯電話A1,A2間の情報チャネルTCHを使用した音声通話中(D1)に、携帯電話A1から携帯電話A2へ向けてデータ転送の要求が生じた場合には、携帯電話A1から音声により相手に非電話通信切り替え操作を依頼し、相手携帯電話A2の動作モードを非電話通信モードに切り替える操作(D2)をしてもらう。切り替え操作を行われた携帯電話A2は、接続される網に対して、レイヤ3のCCメッセージであるINFO(FA)メッセージを送信し、通信モードの切り替え要求を行う(D3)。その後、網から、切り替え要求に対する応答を表すINFO(FI)メッセージが送られ(D4)、これを受信した携帯電話A2は、非電話通信モードとなり、データ転送が可能な状態となる。
【0008】
携帯電話A1は、相手携帯電話A2の動作モードが非電話通信モードに切り替わった後に、自携帯電話の動作モードを非電話通信モードに切り替えるべく、非電話通信切り替え操作(D5)を行う。その結果、手順D3,D4と同じ手順D6,D7が実施される。これにより、携帯電話A1,A2間が情報チャネルTCHを使用したデータ転送状態(D8)になる。
【0009】
次に、データ転送が終了した場合、携帯電話A1の動作モードを電話通信モードに切り替える操作(D9)が行われる。その結果、手順D3,D4と同じ手順D10,D11が実施される。その後、携帯電話A2の動作モードを電話通信モードに切り替える操作(D12)が行われる。その結果、手順D3,D4と同じ手順D13,D14が実施される。これにより、携帯電話A1,A2間が情報チャネルTCHを使用した音声通話状態(D15)に戻る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の装置では、転送すべきデータの量の多少に拘わらず、データ転送を2つの情報チャネル(TCH)を使用して行う。そのため、データ転送中に音声通話ができない不便さがあるばかりでなく、転送データ量が少ない場合でも、2つの情報チャネル(TCH)を占有してしまい、データの伝送効率がよくないという問題がある。
【0011】
また、音声通話中にデータ転送の要求が生じた場合には、音声通話中に、音声にてデータ転送を開始することを相手に対して通知し、相手側及び自側の通信モードを非電話通信モードに切り替えてデータ転送を開始する。そして、データ転送終了後、再度、音声通話を再開するには、電話通信モードへの切り戻しを行う。こうした一連の処理の中に人手に頼る部分が多くあるので、データ転送が確実に行われにくく、またデータ転送に時間が多くかかるという問題がある。
【0012】
また、従来の上記手順では、データ転送が終了したことを、携帯電話A1が相手携帯電話A2に対して確実に通知する手段がなく、そのため、携帯電話A2が、データ転送中に誤って音声通話への切り戻し操作を行う可能性や、データ転送が終了しているのも拘わらず、音声通話への切り戻し操作を長い時間に亘って行わない可能性がある。
【0013】
更に、従来の装置では、データ転送中は、音声通話ができないために、コールウェイティング、三者通話等の第2呼に対する付加サービスが利用できないといった問題もある。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、効率的で確実なデータ転送を実現し、また、音声通話への影響や付加サービスの使用制限を極力最小限としたデータ転送を実現する携帯電話のデータ転送装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために、図1に示すように、データ端末1より携帯電話2に入力された転送データのデータ量を測定する転送データ量測定手段2aと、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量を所定値と比較し、その比較結果に応じて、無線回線上に設定される高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するチャネル選択手段2bと、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出するデータ転送手段2cと、音声伝送を、データ転送手段2cによるデータ転送の有無に拘わらず、情報チャネルを使用して行う音声伝送手段2dとを、有することを特徴とする携帯電話のデータ転送装置が提供される。
【0016】
以上のような構成において、携帯電話2と基地局3との間の無線回線では、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)が適用される。この標準規格で規定されるTDMAフレーム構成の通信用のスロットを、図2を参照して説明する。
【0017】
図2は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)で規定される通信用のスロットの構成を示す図である。このスロットは、280ビットからなり、その中に、各112ビットのゾーン4,5と、15ビットのゾーン6とが設けられる。ゾーン4,5は、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCH(Fast Associated Control Channel) としてそれぞれ使用可能となっている。また、ゾーン6は、ハウスキーピングチャネルRCHまたは低速付随制御チャネルSACCH(Slow Associated Control Channel) として使用可能になっている。本発明では、ゾーン4を情報チャネルTCHとして常時使用して音声通話専用に使用し、ゾーン5を、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCHに使い分けるようにする。すなわち、データ転送を高速付随制御チャネルFACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を高速付随制御チャネルFACCHとして使用してデータ転送を行い、一方、データ転送を低速付随制御チャネルSACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を情報チャネルTCHとして使用して音声通話に用い、データ転送を、ゾーン6に設定した低速付随制御チャネルSACCHによって行う。
【0018】
図1に戻って、通常の音声通話の場合には、携帯電話2は、基地局3を介して交換機に接続され、音声伝送手段2dにより、回線網の先に接続された通常の電話器や携帯電話と通話を行う。ただし、この場合にはゾーン5が情報チャネルTCHに設定されて、ゾーン4の情報チャネルTCHと共に音声通話に用いられる。
【0019】
この通話中に、携帯電話2に接続されたデータ端末1から、回線網の先の、例えば携帯電話(図示せず)に接続されたデータ端末(図示せず)に、データを転送しようとする場合、転送データ量測定手段2aが、先ず、データ端末1より入力された転送データのデータ量を測定する。この測定されたデータ量を、チャネル選択手段2bが所定値と比較し、その比較結果に応じて、高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を選択する。データ転送手段2cは、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出する。このデータ転送の間にも、音声伝送は、音声伝送手段2dにより情報チャネルTCHを使用して行われる。
【0020】
このように、データ転送中にも音声通話が同時にできるようにするとともに、チャネル選択手段2bが高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を適切に選択し、これによりデータ転送が行われる。また、チャネル選択手段2bが低速付随制御チャネルを選択したときには、音声伝送手段2dが、音声伝送を情報チャネルTCH及び高速付随制御チャネルFACCHを使用して行う。従って、携帯電話2は効率的なデータ転送を実現し、また、音声通話への影響や付加サービスの使用制限を極力最小限としたデータ転送を実現する。
【0021】
なお、チャネル選択手段2bは、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量が所定値よりも多い場合には高速付随制御チャネルを選択し、少ない場合には低速付随制御チャネルを選択する。これにより、より効率的なデータ転送を実現することができる。
【0022】
また、チャネル選択手段2bは、こうした選択ではなく、次のような選択を行ってもよい。
本発明の携帯電話のデータ転送装置は、音声通話を監視して無音状態を検出する無音状態監視手段や、音声通話及びデータ転送のうちで優先すべき方を指定する優先指定情報を外部から受けて保存する保存手段を、更に備える。そして、チャネル選択手段2bが、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量だけでなく、無音状態監視手段による無音状態の検出や、保存手段に保存された優先指定情報に応じて、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態の原理構成を、図1を参照して説明する。本発明の実施の形態に係る携帯電話のデータ転送装置は、データ端末1より携帯電話2に入力された転送データのデータ量を測定する転送データ量測定手段2aと、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量を所定値と比較し、その比較結果に応じて、無線回線上に設定される高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するチャネル選択手段2bと、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出するデータ転送手段2cと、音声伝送を、データ転送手段2cによるデータ転送の有無に拘わらず、情報チャネルを使用して行う音声伝送手段2dとを備える。
【0024】
以上のような構成において、携帯電話2と基地局3との間の無線回線では、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)が適用される。この標準規格で規定されるTDMAフレーム構成の通信用のスロットを、図2を参照して説明する。
【0025】
図2は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)で規定される通信用のスロットの構成を示す図である。このスロットは、280ビットからなり、その中に、各112ビットのゾーン4,5と、15ビットのゾーン6とが設けられる。ゾーン4,5は、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCH(Fast Associated Control Channel) としてそれぞれ使用可能となっている。また、ゾーン6は、ハウスキーピングチャネルRCHまたは低速付随制御チャネルSACCH(Slow Associated Control Channel) として使用可能になっている。本発明では、ゾーン4を情報チャネルTCHとして常時使用して音声通話専用に使用し、ゾーン5を、情報チャネルTCHまたは高速付随制御チャネルFACCHに使い分けるようにする。すなわち、データ転送を高速付随制御チャネルFACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を高速付随制御チャネルFACCHとして使用してデータ転送を行い、一方、データ転送を低速付随制御チャネルSACCHで行うように決定された場合には、ゾーン5を情報チャネルTCHとして使用して音声通話に用い、データ転送を、ゾーン6に設定した低速付随制御チャネルSACCHによって行う。
【0026】
図1に戻って、通常の音声通話の場合には、携帯電話2は、基地局3を介して交換機に接続され、音声伝送手段2dにより、回線網の先に接続された通常の電話器や携帯電話と通話を行う。ただし、この場合にはゾーン5が情報チャネルTCHに設定されて、ゾーン4の情報チャネルTCHと共に音声通話に用いられる。
【0027】
この通話中に、携帯電話2に接続されたデータ端末1から、回線網の先の、例えば携帯電話(図示せず)に接続されたデータ端末(図示せず)に、データを転送しようとする場合、転送データ量測定手段2aが、先ず、データ端末1より入力された転送データのデータ量を測定する。この測定されたデータ量を、チャネル選択手段2bが所定値と比較し、その比較結果に応じて、高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を選択する。データ転送手段2cは、チャネル選択手段2bで選択されたチャネルを使用して、データ端末1より入力された転送データを無線回線へ送出する。このデータ転送の間にも、音声伝送は、音声伝送手段2dにより情報チャネルTCHを使用して行われる。
【0028】
このように、データ転送中にも音声通話が同時にできるようにするとともに、チャネル選択手段2bが高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちの一方を適切に選択し、これによりデータ転送が行われる。また、チャネル選択手段2bが低速付随制御チャネルを選択したときには、音声伝送手段2dが、音声伝送を情報チャネルTCH及び高速付随制御チャネルFACCHを使用して行う。従って、携帯電話2は効率的なデータ転送を実現し、また、音声通話への影響や付加サービスの使用制限を極力最小限としたデータ転送を実現する。
【0029】
なお、チャネル選択手段2bは、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量が所定値よりも多い場合には高速付随制御チャネルを選択し、少ない場合には低速付随制御チャネルを選択する。これにより、より効率的なデータ転送を実現することができる。
【0030】
また、チャネル選択手段2bは、こうした選択ではなく、次のような選択を行ってもよい。
本発明の携帯電話のデータ転送装置は、音声通話を監視して無音状態を検出する無音状態監視手段や、音声通話及びデータ転送のうちで優先すべき方を指定する優先指定情報を外部から受けて保存する保存手段を、更に備える。そして、チャネル選択手段2bが、転送データ量測定手段2aで測定されたデータ量だけでなく、無音状態監視手段による無音状態の検出や、保存手段に保存された優先指定情報に応じて、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するようにする。
【0031】
次に、本発明の実施の形態に係る携帯電話のデータ転送装置を詳しく説明する。
図3は、携帯電話の無線網を含んだ全体回線構成を例示する図である。図3の構成図において、回線網16に交換機15,17が接続されており、交換機15,17に基地局14,18がそれぞれ接続されている。基地局14には無線回線を介して携帯電話13が接続され、基地局18には無線回線を介して携帯電話19が接続される。携帯電話13には、アダプタ12を介してデータ端末11が接続される。携帯電話13及びデータ端末11にはそれぞれ入出力ポートが有り、それらの入出力ポートを介してアダプタ12と接続される。同様に、携帯電話19には、アダプタ20を介してデータ端末21が接続される。
【0032】
上記の構成において、データ端末11から送信された転送データは、携帯電話13にて、レイヤ3のCCメッセージであるUSER−INFOメッセージの中に設定される。そして、送信データ量、通話状態などに応じて、高速付随制御チャネルFACCH及び低速付随制御チャネルSACCHのうちのいずれかを使用して無線回線上に送信される。
【0033】
データ端末11からの転送データは、基地局14,交換機15,回線網16,交換機17,基地局18を経た後、再びUSER−INFOメッセージの中に設定されて、無線回線から携帯電話19へ送られる。携帯電話19は、上記とは逆の手順に従い、転送データをデータ端末21に送信する。なおもし、携帯電話19において、携帯電話13から受信したUSER−INFOメッセージの内容が、転送データではなく制御情報である場合には、通知された制御情報の内容に従って、携帯電話19の動作を決定する。
【0034】
図4は、携帯電話13の内部構成を示す図である。携帯電話19も携帯電話13と同じ内部構成となっている。
携帯電話13は、マイク13a、入出力ポート13b、音声検出部13c、CODEC13d、無線制御部13e、アンテナ13f、CPU13g、メモリ13h、表示操作部13i、液晶表示画面13j等から構成される。
【0035】
図5は、メモリ13hに格納されたプログラムをCPU13gが実行することで得られる諸機能をブロック化して示す図である。すなわち、主に表示制御部22,通信制御部23,端末インタフェース制御部24に分けられる。
【0036】
図4及び図5において、音声検出部13cは、マイク13aからの出力を監視して音声通話状態を検出し、音声通話状態を通信制御部23に通知する。
端末インタフェース制御部24は、携帯電話13とデータ端末11との間で行われるデータの送受信に関する制御を行ったり、受信データをメモリ13h内の蓄積エリアへ格納したり、蓄積エリアから読み出したり、また通信制御部23との間で行われるデータ送受信に関する制御を行ったりする。
【0037】
通信制御部23は、ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)にて規定される無線通信におけるレイヤ2、レイヤ3の制御を行い、携帯電話としての通信に関する動作及びサービスを実現する処理を行う。例えば、端末インタフェース制御部24から送られたデータのUSER−INFOメッセージへの設定を行ったり、音声検出部13cから通知された通話状態、端末インタフェース制御部24から通知されたデータ量、及びメモリ13hに設定されている優先識別情報に従い、送信チャネルを決定したり、また、通話終了後にデータ転送中であれば無通信監視を開始したりする。
【0038】
表示制御部22は、表示操作部13iから入力されたユーザ操作指示に従った制御を行ったり、画面表示などの携帯電話13の動作に関する制御を行う部分であり、例えば、ユーザ操作に対応した処理要求(データ転送開始など)の通信制御部23への通知、通信制御部23から通知された制御情報に従った携帯電話13の動作の決定等を行う。
【0039】
図6は、携帯電話13と携帯電話19との間で行われる通信の主なる手順を示すシーケンス図である。以下、この通信手順を、図中に示したステップ(S)番号と対応させながら説明する。
【0040】
音声通話中状態(S1)において、データ転送の要求が発生した場合には、携帯電話13の使用者により、データ転送開始要求操作(S2)が行われる。
データ転送を開始できる状態であれば、標準規格RCR−STD−27Dの規定に従い、ユーザ・ユーザ情報転送手順を開始し、FAC(サービス3要求)メッセージを携帯電話19に対して送信する。これに対して携帯電話19から受付応答のFAC(サービス3受付)メッセージが送信される(S3)。
【0041】
携帯電話13は、FAC(サービス3受付)メッセージを受信した場合、携帯電話19に対して転送開始要求を設定したUSER−INFOメッセージを作成し、送信する(S4)。USER−INFOメッセージを受信した携帯電話19は、USER−INFOメッセージの内容を解析し、メッセージが転送開始要求を示すものであれば、液晶表示画面13jに「テンソウカイシ」を表示する(S5)。
【0042】
その後、携帯電話19の使用者によりデータ転送受付を承諾する操作が行われると(S6)、携帯電話19は、携帯電話13に対して転送開始受付を応答するUSER−INFOメッセージを送信する(S7)。
【0043】
携帯電話13は、このUSER−INFOメッセージを受信すると、携帯電話19との間で一連のデータ転送手順を実行する(S8)。この詳細については、後述する。
【0044】
その後、携帯電話13に対してユーザ操作によりデータ転送の終了が通知された場合(S9)には、携帯電話13は、携帯電話19に対して転送終了を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(S10)。これを受けた携帯電話19は、液晶表示画面13jに「テンソウシュウリョウ」を表示する(S11)。
【0045】
そして、携帯電話19は、携帯電話13に対して転送終了応答を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(S12)。このUSER−INFOメッセージを受信した携帯電話13では、データ転送終了処理が行われ、電話通信状態に戻る(S13)。
【0046】
次に、携帯電話13,19で行われる具体的なデータ転送処理の内容を、図7以降を参照して説明する。
図7〜図14は、携帯電話13,19で行われるデータ転送の開始から終了まで処理を示すフローチャートである。そのうちで、図7〜図10は、データ送信側の携帯電話13の処理内容を示し、図11〜図14は、データ受信側の携帯電話19の処理内容を示す。以下では、データ転送の処理手順に沿って説明し、適宜、図7〜図14に示したステップ(S)番号を引用する。
【0047】
先ず、図7及び図11を参照して、図6に示すステップS1からステップS5までに相当する処理を説明する。
音声通話中状態において、データ転送の要求が発生すると、携帯電話13に対して、データ転送開始を要求するためのユーザ操作が行われる(図7のS21)。表示操作部13iからのユーザ操作が行われたことを、携帯電話13の表示制御部22が検出した場合には、表示制御部22は通信制御部23に対して、データ転送要求を通知する(図7のS22)。データ転送要求を受信した通信制御部23は、携帯電話13がデータ転送を開始できる状態(通話中)でない場合には、本通知を廃棄する(図7のS23)。データ転送を開始できる状態であれば、標準規格RCR−STD−27Dの規定に従い、ユーザ・ユーザ情報転送手順を開始して、受信待ちタイマによる計時をスタートさせる(図7のS24)とともに、FAC(サービス3要求)メッセージを携帯電話19に対して送信する(図7のS25)。
【0048】
着信側携帯電話19は、FAC(サービス3要求)メッセージを受信する(図11のS31)と、通信制御部が、ユーザ・ユーザ情報転送サービスを許容できるか否かを判別する。許容できるならば、受付応答のFAC(サービス3受付)メッセージを携帯電話13へ送る(図11のS32)。許容できないならば、FAC(サービス3受付拒否)メッセージを携帯電話13へ送る(図11のS33)と共に、FAC(サービス3要求)メッセージを廃棄する(図11のS34)。
【0049】
携帯電話19の通信制御部23は、携帯電話19からFAC(サービス3受付)メッセージを受信した場合には(図7のS26,S27)、携帯電話19に対して転送開始要求を設定したUSER−INFOメッセージを作成し、送信する(図7のS28)。また、FAC(サービス3受付拒否)メッセージを受信した場合(図7のS26,S27)、通信制御部23は、データ転送不可を示す情報を表示制御部22に通知する。表示制御部22は、その情報を液晶表示画面13jに表示する(図7のS30)。
【0050】
なお、網にてユーザ・ユーザ情報転送サービスを提供していない場合には、網からSTATメッセージが通知される(図7のS29)。通信制御部23は、STATメッセージに設定された、理由を示す情報を表示制御部22に通知する。表示制御部22は、その情報を液晶表示画面13jに表示する(図7のS30)。更になお、ステップS24(図7)でスタートされた受信待ちタイマが所定時間を計時完了(タイムアウト)してもFAC(サービス3受付)メッセージが携帯電話19から通知されない場合にも、通信制御部23は、データ転送不可を示す情報を表示制御部22に通知する。
【0051】
転送不可を受信した表示制御部22は、携帯電話13の液晶表示画面13jにデータ転送不可を示すメッセージを表示するが、メッセージ表示に連動して、規定音を鳴動するようにしてもよい。
【0052】
携帯電話13からのUSER−INFOメッセージを受信(図11のS35)した携帯電話19の通信制御部は、USER−INFOメッセージの内容を解析し、このメッセージが転送開始要求を示すものであれば、表示制御部に対してデータ転送開始要求を通知する。この通知に従い、液晶表示画面に「テンソウカイシ」が表示される(図11のS36)。
【0053】
次に、図12,図8,図9,図13を参照して、図6に示すステップS6からステップS8までに相当する処理を説明する。
携帯電話19の液晶表示画面の表示を見た携帯電話19の使用者が、データ転送受付操作(図12のS41)を行ったとする。これを契機として、携帯電話19の通信制御部は、端末インタフェース部に対してデータ転送開始準備の要求を送る(図12のS42)と共に、転送開始要求の受付を応答したUSER−INFOメッセージを携帯電話13に対して送信する(図12のS43)。
【0054】
携帯電話13において、転送開始要求受付を応答したUSER−INFOメッセージを携帯電話19から受信した場合には(図8のS44)、データ入力要求を端末インタフェース制御部24に送信する(図8のS45)。データ入力要求を受信した端末インタフェース制御部24は、アダプタ12に対してデータ転送要求を送信する(図8のS46)。アダプタ12は、インタフェースRS−232Cの規定に従い、データ端末11からのデータの入力を開始する(図8のS47)。データ端末11からアダプタ12を介して端末インタフェース制御部24に入力されたデータは、メモリ13h内の格納領域に格納される。端末インタフェース制御部24は、データが転送された旨を通信制御部23に対して通知する(図8のS48)。
【0055】
データが転送された旨を通知された通信制御部23は、転送データを設定したUSER−INFOメッセージを作成し、携帯電話19に対して送信することになるが、この際、転送データに対して送信通番を設定する(図8のS49)と同時に、メモリ13h内の格納領域に格納されたデータ量を規定値と比較する。データ量が規定値以上であれば、通信制御部23は高速付随チャネルFACCHを選択し(図8のS50)、規定値以下であれば低速付随チャネルSACCHを選択し(図8のS51)、選択されたチャネルを使用して、データ転送を開始する(図8のS52)。それと同時に、転送受付待ちタイマによる計時をスタートさせる(図8のS53)。規定値は携帯電話固有の情報として携帯電話内のROMに格納されており、電源オン時にROMよりメモリ13h内に展開される。
【0056】
なお、高速付随チャネルFACCH及び低速付随チャネルSACCHのうちの一方を選択する方法は、図16を参照して後述する方法によってもよい。
転送データを設定したUSER−INFOメッセージを受信(図13のS54)した携帯電話19の通信制御部は、USER−INFOメッセージ内の転送データに設定されている送信通番と、それに対応する受信通番とを比較する。その結果、一致している場合には、転送データを端末インタフェース制御部に対して送信し(図13のS55)、端末インタフェース制御部は、アダプタ20を介してデータ端末21に対して、転送データを送信する。転送データがデータ端末21まで届いたことを通知された通信制御部は、転送データ受付を設定したUSER−INFOメッセージを携帯電話13に対して送信する(図13のS56)。この転送データ受付には受信通番(=送信通番)と同じ通番を設定しておく。なお上記での比較の結果、通番不一致の場合には、受信した転送データを廃棄する(図13のS57)。
【0057】
転送データ受付が設定されたUSER−INFOメッセージを受信(図9のS58)した携帯電話13の通信制御部23は、転送データ受付に設定されている通番と、保持している送信通番を比較する。一致している場合には図8のステップS45へ進んで、次データの読み込みを行い、不一致の場合には図9のステップS59へ進む。ステップS59では、再送実行回数をカウントする再送カウンタのカウント値をインクリメントする。
【0058】
また、図9のステップS53でスタートさせた転送受付待ちタイマが所定時間を計時完了しても、転送データ受付が設定されたUSER−INFOメッセージが受信されない場合にも、再送カウンタのカウント値をインクリメントする(図9のS59)。再送カウンタのカウント値が所定値に達した場合には、データ転送の終了処理を行う(図9のS60)。ここでは呼切断は行わない。一方、再送カウンタのカウント値が所定値に達していない場合には、前回送信データの再送を行う(図9のS61)。
【0059】
上記に示す以外の誤り制御は、標準規格RCR−STD−27Dに規定されるレイヤ2の制御により行われる。
次に、図10,図14を参照して、図6に示すステップS9からステップS13までに相当する処理を説明する。
【0060】
携帯電話13の表示操作部13iに対してユーザ操作によりデータ転送の終了が通知された場合には(図10のS71)、表示制御部22より通信制御部23に対してデータ転送終了が通知される(図10のS72)。表示制御部22からデータ転送終了を通知された通信制御部23は、端末インタフェース制御部24に対してデータ転送終了を通知し(図10のS73)、端末インタフェース制御部24は、データ端末11からのデータの読み込み処理の停止をアダプタ12に通知する(図10のS74)。アダプタ12は流入規制をインタフェースRS−232Cの規定に従い行う。
【0061】
上記処理完了後、処理終了応答を受けた通信制御部23は、携帯電話19に対して、転送終了を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図10のS75)。
【0062】
転送終了を通知された携帯電話19の通信制御部は、端末インタフェース制御部、表示制御部に対して転送終了をそれぞれ通知した(図14のS76,S77)後、携帯電話13に対して転送終了応答を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図14のS78)。
【0063】
転送終了を通知された端末インタフェース制御部、表示制御部は、携帯電話13内での処理と同様にしてデータ転送終了処理を行う。この結果、通常は電話通信モードに戻る。
【0064】
電波断などにより、通信を継続できない状態になった場合や、呼切断を要求するDISCメッセージを携帯電話13から受信した場合には、データ転送の終了処理を行った後、呼切断処理を行う。これについては、図17及び図18を参照して後述する。
【0065】
図15は、USER−INFOメッセージのフォーマットを示す図である。各行8ビットからなり、第3行目の「メッセージ種別」欄にコード「00100000」を設定することにより、このフォーマットがUSER−INFOメッセージであることが規定される。
【0066】
図16は、図8のステップS50,S51で示した送信チャネルの決定方法とは別の送信チャネル決定方法を示す図である。
すなわち、携帯電話13において、予め表示操作部13iに対して行われたユーザのファンクション操作により、優先識別情報が表示制御部22を介してメモリ13h内の優先識別領域に格納される(S81)。優先識別情報は、音声通話とデータ転送とのいずれを優先するかを示す情報である。
【0067】
また、携帯電話13内の音声検出部13cが、公知の手段(受信レベル測定など)により、音声通話の無音状態を監視している。音声検出部13cは、無音状態であることを検出すると通信制御部23に対して無音状態であることを通知し(S82)、通信制御部23は、「無音状態」をメモリ13h内の音声通話状態領域に格納する。音声検出部13cが音声を検出した場合には、メモリ13h内の音声通話状態領域に「音声通話中」が設定される。
【0068】
通信制御部23は、メモリ13h内の音声通話状態領域を参照し(S83)、「無音状態」が格納されていれば、高速付随チャネルFACCHを使用して、USER−INFOメッセージを送信するように無線制御部13eに対して通知する(S84)。
【0069】
音声通話状態領域に「音声通話中」が設定されている場合には、端末インタフェース制御部24から通知された転送データ量、およびメモリ13h内の優先識別領域に格納された優先識別情報(S85)を参照して送信チャネルを決定する。すなわち、優先識別情報でデータ転送が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以上である場合には、高速付随制御チャネルFACCHを選択する(S86)。優先識別情報でデータ転送が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以下である場合には、低速付随制御チャネルSACCHを選択する(S87)。優先識別情報で音声通話が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以下である場合には、高速付随制御チャネルFACCHを選択する(S88)。優先識別情報で音声通話が指定されており、かつ、転送データ量が規定値以上であ
る場合には、低速付随制御チャネルSACCHを選択する(S89)。
【0070】
こうして選択された送信チャネルを使用して、USER−INFOメッセージを送信するように、通信制御部23は無線制御部13eに通知する。
次に、データ転送状態から通信終了へ至る処理を、図17及び図18を参照して詳しく説明する。
【0071】
図17及び図18は無通信監視手順を示す図であり、図17はその前半を、図18はその後半を示す。
音声通話とデータ転送とを同時実行中(S91)に、携帯電話13の表示操作部13iに対してユーザ操作(オンフックなど)が行われると、それを検出した表示制御部22が通信制御部23に対して、そのユーザ操作を通知する(S92)。
【0072】
オンフックを通知された通信制御部23は、現在の状態に応じて、データ転送中であれば、表示制御部22に対してデータ転送中であることを通知する(S93)と共に、監視タイマによる計時をスタートさせる(S94)。一方、データ転送中でなければ、通常の終話処理を行う(S95)。データ転送中であることを通知された表示制御部22は、液晶表示画面13jに対して「データ テンソウチュウデス」という表示を行わせる。この時、同時に警告音を鳴動するようにしてもよい。
【0073】
監視タイマは、通信制御部23に端末インタフェース制御部24よりデータ転送が通知された場合(S96)、または、携帯電話19より、USER−INFOメッセージを受信し、このメッセージがデータ転送に関連するメッセージであると分析された場合(S97)に、再設定される。なお、表示操作部13iに対して、ユーザ操作(オフフックなど)が行われたことを表示制御部22から通知された場合には解除される。
【0074】
監視タイマがタイムアウトした場合には、携帯電話13の通信制御部23は、携帯電話19との間で、DISCメッセージ、RELメッセージ、REL−COMPメッセージを送受信して終話処理を行う(S98)。RELメッセージは呼解放メッセージであり、REL−COMPメッセージは呼解放完了メッセージである。
【0075】
なお自動電源オフが予め設定されていれば、終話処理の後、携帯電話13の通信制御部23は表示制御部22に対して、自動電源オフを通知する。自動電源オフを通知された表示制御部22は通常の手順により携帯電話13の電源をオフにする。自動電源オフは、後述のように制御情報として設定されるものであり、ユーザによるファンクション操作によって設定される。
【0076】
携帯電話19においても、無通信監視中状態においてDISCメッセージを受信した通信制御部は終話処理を行い、自動電源オフが予め設定されていれば、携帯電話13と同様の手順により、携帯電話19の電源をオフにする。
【0077】
次に、転送データの受信側において受信処理ができなくなって送信側にデータ転送の送信を規制してほしい場合に行われる流入規制処理を、図19〜図22を参照して説明する。
【0078】
図19は、携帯電話13,19相互間で行われる流入規制のシーケンス図であり、図20は、転送データ受信側の携帯電話19で行われる規制処理を示すフローチャートであり、図21は、転送データ送信側の携帯電話13で行われる規制開始処理を示すフローチャートであり、図22は、転送データ送信側の携帯電話13で行われる規制解除処理を示すフローチャートである。以下、図19〜図22に示されるステップ(S)番号を適宜参照しながら説明する。
【0079】
携帯電話13からの転送データを受信(図19のS101、図20のS111)した携帯電話19において、端末インタフェース制御部が、通信制御部より受信した転送データをメモリ内の格納領域に格納する。その際に、前回受信した転送データの出力処理が完了していない場合には、監視タイマによる計時をスタートさせる(図19のS102、図20のS112)と同時に、携帯電話13に対して規制を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図19のS103、図20のS113)。転送データの出力処理が完了していれば次の転送データを受信する(図20のS114)。
【0080】
監視タイマのタイムアウト(図20のS115)にて、メモリ内の格納領域を参照し(図19のS104)、格納領域が空き状態となっていれば、携帯電話13に対して、規制解除を設定したUSER−INFOメッセージを送信する(図19のS105、図20のS116)。監視タイマのタイムアウト時に、メモリ内の格納領域が空き状態となっていない場合には、監視タイマによる計時を再スタートさせる(図19のS106、図20のS117)。
【0081】
規制が設定されたUSER−INFOメッセージを受信(図21のS118)した携帯電話13の通信制御部23は、端末インタフェース制御部24に対して流入規制を通知する(図21のS119)。流入規制を受信した端末インタフェース制御部24は、データ端末11からの情報の読み込みを中止する。
【0082】
また、規制解除が設定されたUSER−INFOメッセージを受信(図22のS120)した携帯電話13の通信制御部23は、端末インタフェース制御部24に対して、流入規制解除を送信する(図22のS121)。流入規制解除を受信した端末インタフェース制御部24は、データの読み込みを再開する。
【0083】
データ端末11からのデータの読み込みの規制/規制解除は、端末インタフェース制御部24からアダプタ12に通知される。
次に、制御情報の転送手順について説明する。
【0084】
図6にステップS2及びステップS9で示したユーザ操作を行うときに、鳴動パターン、音量レベル、液晶画面表示メッセージ、自動電源オフ、バイブレータ機能、処理優先度等を、必要に応じて設定することができる。
【0085】
携帯電話13において、表示操作部13iに対してユーザ操作により、上記の携帯電話の動作が設定される。表示制御部22が、その動作を制御情報に変換し、通信制御部23に対して通知する。
【0086】
制御情報を通知された通信制御部23は、図15で示すUSER−INFOメッセージのフォーマットの「制御情報/転送データ」欄に、通知された制御情報を設定し、携帯電話19に対して送信する。
【0087】
携帯電話19内の通信制御部は、通知された制御情報を表示制御部に対して通知する。表示制御部は、通知された制御情報に従って、携帯電話の動作を決定する。
【0088】
制御情報の設定がない場合には、携帯電話の動作に関する処理は行わず、液晶表示画面に「ジョウホウ テンソウ カイシ」を表示する。同時に、警告音を鳴動するようにしてもよい。
【0089】
なお、携帯電話19に対して携帯電話の動作に関する制限条件(音量オフなど)が設定され、かつ、制御情報内に設定される処理優先度が「最優先」ではない場合には、制限条件に関する制御情報は無効として廃棄する。
【0090】
次に、携帯電話13,19相互間で行われる認証の手順について、図23及び図24を参照して説明する。
図23及び図24は、認証手順を示すフローチャートであり、図23はその前半を、図24はその後半を示す。
【0091】
本発明の実施の形態では、上述のように相手の携帯電話の動作をリモートにて指定することができる。これに伴い、指定を発信する携帯電話側のユーザの操作誤り等により、相手携帯電話の誤動作を招く可能性がある。これを防止するために、以下に示す認証処理を行う。
【0092】
携帯電話13において、自動電源オフ、音量レベル設定などの誤動作を招く危険性がある制御情報の入力操作が行われた場合には、表示制御部22は、その制御情報により示されている動作が、予め指定されている許容動作であることを確認(S131)した上で、確認コードの入力を促す表示を液晶表示画面13jに表示する(S132)。
【0093】
この表示を見たユーザが確認コードを入力した場合、入力された確認コードが携帯電話13に予め登録されているコードと一致するか否かを判定し、一致しない場合には、ユーザ操作を無視する(S133)。一致している場合には、前述の制御情報の転送手順に従って制御情報を携帯電話19に対して送信する(S134)。
【0094】
携帯電話19の通信制御部は制御情報を受信し(S135)、その制御情報を表示制御部へ送る。携帯電話19のメモリ内には許容テーブルが設けられており、この許容テーブルには、許容される通信相手の加入者番号が登録されている。表示制御部は、制御情報を送ってきた携帯電話の加入者番号がメモリ内の許容テーブルに登録されているかを確認する。登録されていれば、制御情報で指定されている動作を行い(S136)、登録されていない場合には、通知された制御情報を無視する(S137)。
【0095】
なお、上記のような、制御情報を送ってきた携帯電話の加入者番号がメモリ内の許容テーブルに登録されているかを確認する方法に代わって、制御情報を送ってきた携帯電話の加入者番号が許容できるものであるか否か、或いは制御情報で指定された動作が許容できるものであるか否かを、ユーザ操作によって確認するようにしてもよい(S138)。
【0096】
以上説明した実施の形態では、携帯電話どうしの間でデータ転送を行っているが、本発明は、両方が携帯電話であることに限定されるものではなく、一方だけが携帯電話でありさえすれば、他方は通常の有線回線電話であってもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、音声通話用に情報チャネルTCHを常時1つ確保した上で、データ転送用のチャネルを確保する。しかも、データ転送用のチャネルとして、転送データ量に基づき、低速付随チャネルSACCH及び高速付随チャネルFACCHのうちから適切な方を選択するようにしている。或いは、転送データ量、音声通話とデータ転送のうちの優先順位、及び音声通話状態(無通信状態)に基づき、データ転送用のチャネルとして、低速付随チャネルSACCH及び高速付随チャネルFACCHのうちから適切な方を選択するようにしている。
【0098】
すなわち、情報チャネルTCH2つをデータ転送に占有することなく、しかも、転送データ量等に基づき、低速付随チャネルSACCH及び高速付随チャネルFACCHのうちから適切な方を選択して、これを送信チャネルに使用するようにしている。しかも、データ転送用に低速付随チャネルSACCHが選択されているときには、高速付随チャネルFACCHを音声通話用に使用する。これにより、効率的なデータ転送が実現する。また、音声通話の専用チャネルが常時確保されるので、音声通話時にしか使用できない付加サービス(コ−ルウェイティング、三者通話等)もデータ転送中に使用可能となる。
【0099】
また、非電話通信モードから電話通信モードに切り戻す時に、データ転送状態を監視し、データ転送が確実に完了した段階で、自動的に切り戻すようにしている。従って、データ転送が行われている最中に誤って切り戻しを行ってしまうことや、データ転送が完了しているのに、それを知らずに放置しておくようなことを防止できる。
【0100】
また、転送データの受信側の携帯電話が、転送データの一時的な送信規制を送信側携帯電話に要求し、送信側携帯電話がそれに応じて送信規制を行うようにする。これにより、受信側の携帯電話でのデータ欠落を防止し、確実なデータ転送が実現する。
【0101】
更に、制御情報を使用して、相手側携帯電話の動作をリモート操作することが可能となるため、携帯電話の幅広い利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)で規定される通信用のスロットの構成を示す図である。
【図3】携帯電話の無線網を含んだ全体回線構成を例示する図である。
【図4】携帯電話の内部構成を示す図である。
【図5】メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することで得られる諸機能をブロック化して示す図である。
【図6】携帯電話と携帯電話との間で行われる通信の主なる手順を示すシーケンス図である。
【図7】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第1部分を示すフローチャートである。
【図8】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第2部分を示すフローチャートである。
【図9】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第3部分を示すフローチャートである。
【図10】データ送信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第4部分を示すフローチャートである。
【図11】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第1部分を示すフローチャートである。
【図12】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第2部分を示すフローチャートである。
【図13】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第3部分を示すフローチャートである。
【図14】データ受信側の携帯電話で行われるデータ転送処理の第4部分を示すフローチャートである。
【図15】USER−INFOメッセージのフォーマットを示す図である。
【図16】図8のステップS50,S51で示した送信チャネルの決定方法とは別の送信チャネル決定方法を示す図である。
【図17】無通信監視手順の前半を示す図である。
【図18】無通信監視手順の後半を示す図である。
【図19】携帯電話相互間で行われる流入規制のシーケンス図である。
【図20】転送データ受信側の携帯電話で行われる規制処理を示すフローチャートである。
【図21】転送データ送信側の携帯電話で行われる規制開始処理を示すフローチャートである。
【図22】転送データ送信側の携帯電話で行われる規制解除処理を示すフローチャートである。
【図23】認証手順の前半を示すフローチャートである。
【図24】認証手順の後半を示すフローチャートである。
【図25】ディジタル方式自動車電話システムの標準規格(RCR−STD−27D)にて規定される、電話通信と非電話通信との間の従来の切り替え手順を示したシーケンス図である。
【符号の説明】
1 データ端末
2 携帯電話
2a 転送データ量測定手段
2b チャネル選択手段
2c データ転送手段
2d 音声伝送手段
3 基地局
Claims (12)
- データ送受信機能を具備するデータ端末が接続可能であり、また、無線回線上に情報チャネル、高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルを備えた携帯電話のデータ転送装置において、
前記データ端末より入力された転送データのデータ量を測定する転送データ量測定手段と、
前記転送データ量測定手段で測定されたデータ量を所定値と比較し、当該比較結果に応じて、前記高速付随制御チャネル及び低速付随制御チャネルのうちの一方を選択するチャネル選択手段と、
前記チャネル選択手段で選択されたチャネルを使用して、前記データ端末より入力された転送データを無線回線へ送出するデータ転送手段と、
音声伝送を、前記データ転送手段によるデータ転送の有無に拘わらず、前記情報チャネルを使用して行う音声伝送手段と、
を有することを特徴とする携帯電話のデータ転送装置。 - 前記音声伝送手段は、前記チャネル選択手段が前記低速付随制御チャネルを選択したときには、音声伝送を前記情報チャネル及び前記高速付随制御チャネルを使用して行うことを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。
- 前記チャネル選択手段は、前記測定されたデータ量が前記所定値よりも多い場合には高速付随制御チャネルを選択し、少ない場合には低速付随制御チャネルを選択することを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。
- 音声通話を監視して無音状態を検出する無音状態監視手段を、更に有し、
前記チャネル選択手段は、前記無音状態監視手段が無音状態を検出していれば、高速付随制御チャネルを選択することを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 音声通話及びデータ転送のうちで優先すべき方を指定する優先指定情報を外部から受けて保存する保存手段を、更に有し、
前記チャネル選択手段は、前記無音状態監視手段が無音状態を検出しておらず、前記保存手段に保存された優先指定情報が音声通話であり、かつ、前記測定されたデータ量が前記所定値よりも多い場合には、低速付随制御チャネルを選択し、前記無音状態監視手段が無音状態を検出しておらず、前記保存手段に保存された優先指定情報が音声通話であり、かつ、前記測定されたデータ量が前記所定値よりも少ない場合には、高速付随制御チャネルを選択し、前記無音状態監視手段が無音状態を検出しておらず、前記保存手段に保存された優先指定情報がデータ転送であり、かつ、前記測定されたデータ量が前記所定値よりも多い場合には、高速付随制御チャネルを選択し、前記無音状態監視手段が無音状態を検出しておらず、前記保存手段に保存された優先指定情報がデータ転送であり、かつ、前記測定されたデータ量が前記所定値よりも少ない場合には、低速付随制御チャネルを選択することを特徴とする請求項4記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 転送されたデータを一時的に格納する格納手段と、
前記格納手段の格納状態を監視し、格納に必要なリソースの確保が行えない場合に、データ転送元装置に対して送信規制を要求する送信規制要求手段と、
データ転送先装置から送信規制を要求されたとき、データの転送を一時的に規制する規制手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 音声通話終了後、データ通信の実行状態を監視するデータ通信監視手段と、
前記データ通信監視手段によって、データ通信が所定時間に亘って実行されていないことが検出されたときに、呼接続の解放を自動的に行う呼接続解放手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 音声通話終了後、データ通信の実行状態を監視するデータ通信監視手段と、
前記データ通信監視手段によって、データ通信が所定時間に亘って実行されていないことが検出されたときに、携帯電話の電源を自動的に切断する電源切断手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。 - データ転送先装置の動作を制御する制御信号を外部から受けてデータ転送先装置に送出する制御信号送出手段と、
データ転送元装置から送られた制御信号に従い、自携帯電話を動作させる動作制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 前記制御信号送出手段が制御信号を送出する前に、確認コードの入力を促す表示を行う確認入力表示手段と、
前記確認入力表示手段により促された結果、外部から入力された確認コードを照合し、適正であることを確認したときに、前記制御信号送出手段が制御信号を送出することを許可する許可手段と、
を有することを特徴とする請求項9記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 前記動作制御手段が自携帯電話を動作させる前に、制御信号に付随する相手確認コードを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された相手確認コードが、予め登録されたテーブルに存在するか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段により確認されたときに、前記動作制御手段が自携帯電話を動作させることを許可する許可手段と、
を有することを特徴とする請求項9記載の携帯電話のデータ転送装置。 - 前記動作制御手段が制御信号に従い自携帯電話を動作させてよいか否かに関する許容情報を、外部から受ける許容情報受信手段と、
前記許容情報受信手段で受けた許容情報に従い、前記動作制御手段の動作を制御する動作制御手段と、
を有することを特徴とする請求項9記載の携帯電話のデータ転送装置。
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