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JP4089375B2 - ミキシング方法、ミキシング装置およびプログラム - Google Patents

ミキシング方法、ミキシング装置およびプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カスケード接続に用いて好適なミキシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のオーディオ信号を処理・混合する機能を有するミキシング装置に他のミキシング装置をカスケード接続して使用することができる。その場合には、特許文献1にあるように、自機に直接入力されるオーディオ信号を遅延回路で遅延して、その遅延後の信号に自機のカスケード接続用専用端子から入力される他のミキシング装置からのカスケード信号を混合する。また、その混合した後の信号をカスケード信号として自機のカスケード接続用専用端子から他のミキシング装置に出力することもできる。
【0003】
【特許文献1】
特開平 7−015284号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の技術においては、カスケード接続用に専用端子を設けているので製造コストが上昇する問題点がある。また、カスケード接続を行わない使用者にとっては、該専用端子は不要なものである。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、カスケード接続用専用端子を設けることなくカスケード接続可能なミキシング装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載のミキシング装置にあっては、複数チャンネルの音声信号を入力する複数の入力端子(212,214,216,218)と、入力された音声信号に対して音量調節処理または遅延処理を施す入力調整部(230)と、入力された音声信号をミキシングするミキシングバス(260,262,264)と、ユーザの操作に基づいて、前記複数のチャンネルの一部に対して、他のミキシング装置から供給されるカスケード信号用のチャンネルである旨を設定する入力設定手段(図4 (a) )と、前記カスケード信号用に設定されたチャンネルに係る音声信号を、前記入力調整部を経由することなく前記ミキシングバスに供給するとともに、他のチャンネルに係る音声信号を前記入力調整部を経由して前記ミキシングバスに供給する入力信号割当手段(220)とを有することを特徴とする。
また、請求項2記載のミキシング装置にあっては、入力された音声信号をミキシングするミキシングバスと、複数チャンネルの音声信号を出力する複数の出力端子(272,274,276,278)と、前記ミキシングバスから出力された音声信号に対して音量調節処理または遅延処理を施す出力調整部(235)と、ユーザの操作に基づいて、前記複数のチャンネルの一部に対して、他のミキシング装置に対して供給されるカスケード信号用のチャンネルである旨を設定する出力設定手段(図4 (c) )と、前記カスケード信号用に設定されたチャンネルに対して、前記ミキシングバスの出力信号を、前記出力調整部を経由することなく供給するとともに、他のチャンネルに対して、前記ミキシングバスの出力信号を、前記出力調整部を経由して供給する出力信号割当手段(225)とを有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
1. 実施形態の構成
本発明の一実施形態であるミキシング装置のハードウェア構成を図1を参照して説明する。
図1において、10は入出力インターフェースであり、アナログ入力インターフェース、デジタル入力インターフェース、入力カードインターフェース、アナログ出力インターフェース、デジタル出力インターフェース、出力カードインターフェースの複数のインターフェースから構成され、オーディオ信号(音声信号や楽音信号を含む。)が入出力される。
【0007】
アナログ入力インターフェースにはA/D変換器が設けられており、アナログ出力インターフェースにはD/A変換器が設けられている。入力カードインターフェースおよび出力カードインターフェースは、入力カードあるいは出力カードがスロットに挿入される用に構成されている。アナログ入力インターフェースからはアナログ形式のオーディオ信号(アナログオーディオ信号)が入力され、デジタル入力インターフェースおよび入力カードインターフェースからはデジタル形式のオーディオ信号(デジタルオーディオ信号)が入力される。それらのオーディオ信号は音の発生源から直接入力される。さらに、各インターフェースには信号を入力する入力端子または信号を出力する出力端子が設けられている。それ故、複数の入力インターフェース(アナログ入力インターフェース、デジタル入力インターフェース、入力カードインターフェース)に設けられた複数の入力端子から複数系統のオーディオ信号が入力され、複数の出力インターフェース(アナログ出力インターフェース、デジタル出力インターフェース、出力カードインターフェース)に設けられた複数の出力端子から複数のオーディオ信号が出力される。
【0008】
なお、入力インターフェースの何れかに、他のミキシング装置が接続され、そのミキシング装置からカスケード信号が入力される。それ故、入力されるオーディオ信号の何れかがカスケード信号である。したがって、複数の入力端子からは、カスケード接続により入力されるオーディオ信号と音の発生源から直接入力されるオーディオ信号とが入力される。かかる入力インターフェースの構成により、本ミキシング装置は、カスケード接続される複数のミキシング装置中の「後段」のミキシング装置になりうる。一方、アナログ出力インターフェースからはアナログオーディオ信号が出力され、デジタル出力インターフェースおよび出力カードインターフェースからはデジタルオーディオ信号が出力される。ここで、出力インターフェースの何れかに、他のミキシング装置を接続し、該ミキシング装置にカスケード信号を出力することも出来る。すなわち、本ミキシング装置はカスケード接続の前段のミキシング装置にもなり得る。
【0009】
20はDSPであり、入出力インターフェース10に接続され、各入力信号をデジタル信号処理する。30は操作部であり、各種スイッチ、ポインティングデバイスが設けられる。40は表示部であり、液晶表示パネルにより構成される。50はCPUであり、各部を制御する。60はRAMであり、ワークメモリとして使用される。70はROMであり、制御プログラムが記憶されている。なお、フラッシュメモリにより、各種パラメータが記憶される。80はバスラインであり、各部を接続する。以上の構成要素により、本実施形態のミキシング装置100が構成される。
【0010】
2. 実施形態のアルゴリズム構成
次に、DSP20やCPU50などによって実現されるミキシングアルゴリズムの構成を図2を参照して説明する。
図2において、212はアナログ入力インターフェースであり、A/D変換器を駆動し、16チャンネル分のアナログオーディオ信号をデジタルオーディオ信号に変換処理する。214はデジタル入力インターフェースであり、16チャンネル分のデジタルオーディオ信号を入力処理する。216および218は入力カードインターフェースであり、それぞれのカードインターフェースを介して16チャンネル分ずつのデジタルオーディオ信号が入力される。以上述べた構成要素212,214,216,218を総称して「入力インターフェース」と呼ぶ。
【0011】
220は入力割当器であり、入力インターフェース212,214,216,218から入力される複数のデジタルオーディオ信号(入力信号)のそれぞれを、事前設定に従い、入力演算器230およびカスケード入力用信号群282(265,267,269)に割り当てる。ここで、265はカスケードBUS入力信号束であり、8チャンネルのカスケード用BUS信号の集合である。267はカスケードSTEREO入力信号束であり、LチャンネルおよびRチャンネルのカスケード用STEREO信号である。269はカスケードAUX入力信号束であり、8チャンネルのカスケード用AUX(Auxiliary)信号の集合である。それ故、入力端子からのオーディオ信号の中から特にカスケード信号がカスケード用信号群282に割り当てられる。また、カスケード信号以外の信号は直接入力信号として扱われる。
【0012】
また、カスケード用信号群282において、242,244,246は減衰器であり、カスケード用の各入力信号を減衰する。252,254,256はスイッチであり、カスケード信号を混合するときにON、混合しないときにOFFに設定される。これらの減衰器242,244,246、スイッチ252,254,256は、それぞれ、18チャンネル分設けられる。
【0013】
一方、入力演算器230は、入力信号の最大入力数と同じ数(64個)だけ設けられ、それぞれに1つの入力信号が割り当てられる。それぞれの入力演算器は、割り当てられた入力信号に所定の演算を施して18個のミックスバス(260,262,264)へ出力する。ここで、260はBUSラインであり、8チャンネルの混合される信号の集合である。262はSTEREOラインであり、LチャンネルおよびRチャンネルの混合される信号の集合である。264はAUXラインであり、8チャンネルの混合される信号の集合であり、予備用に設けられる。したがって、ミックスバスの信号数は、カスケード用信号群282と同じであり、カスケード用信号群282の各信号は、ミックスバスにより入力演算器出力群284からの信号と混合される。
【0014】
ここで、1つの入力演算器の内部アルゴリズムを図3を参照して説明する。1つの入力演算器には、入力信号の特性を調整するための演算ユニットがミックスバスの数(18個)だけ設けられ、そのそれぞれがミックスバスの各チャンネルに接続されている。それぞれの演算ユニットはイコライザユニット232、遅延器234、スイッチ236、減衰器238を有し、入力演算器に割り当てられた入力信号の特性を個々に調製する。イコライザユニット232は入力信号(直接入力信号)に周波数特性を付与する。遅延器234は入力信号(直接入力信号)を一定時間だけ遅延させる。この一定時間とは、マイクなどの集音源と音発生源との距離により発生する音の遅れを解消するための第1の遅延時間と、マイクなどから直接取りこんだ音(直接入力信号)とカスケード接続により入力された音(カスケード入力信号)との間に発生する時間ずれ(位相差)を解消するための第2の遅延時間とを合計した時間である。すなわち、直接入力信号とカスケード入力信号との位相を合わせるため、該直接入力信号が遅延される。スイッチ236は入力信号をミックスバスに送信するか否かを切り換える。減衰器238は入力信号を減衰する。
【0015】
入力演算器230による18チャンネルの出力信号の集合を、入力演算器出力群284といい、ミックスバス(260,262,264)の計18チャンネルの信号にそれぞれ伝達される。したがって、遅延された直接入力信号とカスケード信号とが18チャンネルのミックスバスのそれぞれにおいて混合される。これにより、18チャンネルの混合信号が生成される。ここで、カスケード用信号群282は、ミックスバスに伝達される。たとえば、カスケードBUS入力信号束265の第1チャンネルの信号は、BUSライン260の第1チャンネルに伝達される。さらに、288はカスケード出力群であり、カスケードBUS出力信号束290、カスケードSTEREO出力信号束292、カスケードAUX出力信号束294の集合である。ここで、290はカスケードBUS出力信号束であり、8チャンネルのカスケード用BUS信号の集合である。292はカスケードSTEREO出力信号束であり、LチャンネルおよびRチャンネルのカスケード用STEREO信号である。294はカスケードAUX出力信号束であり、8チャンネルのカスケード用AUX信号の集合である。
【0016】
235は出力演算器であり、その内部アルゴリズムは図3と同様に構成され、ミックスバス(260,262,264)の各信号を演算する。なお、出力演算器235は、ミックスバスの信号数に相当する18チャンネル分設けられる。ただし、イコライザユニット232、遅延器234、スイッチ236、減衰器238は各チャンネルについて1系統のみ使用され、混合処理が行われない。286は出力演算器出力群であり、ミックスバスの各信号が、出力演算器235によって演算された出力信号群である。
【0017】
272はアナログ出力インターフェースであり、D/A変換器により16チャンネルの出力処理を行う。274はデジタル出力インターフェースであり、16チャンネルの出力処理を行う。276,278は出力カードインターフェースであり、各カードに対して16チャンネルの出力処理を行う。これら構成要素272,274,276,278を総称して「出力インターフェース」と呼ぶ。225は出力割当器であり、出力演算器出力群286、カスケード出力群288から、事前設定に従い、任意の信号を選択して、各出力インターフェース272,274,276,278の各チャンネルの何れかに割り当てる。
【0018】
さらに本実施形態のミキシング装置100が、カスケード接続(縦続接続)される場合においては、前段のミキシング装置におけるカスケード出力が、ミキシング装置100における入力インターフェース212,214,216,218のいずれか入力端子を介して入力される。さらに、ミキシング装置100における出力インターフェース272,274,276,278のいずれかの出力端子からの出力信号が、後段のミキシング装置にカスケード入力される。それ故、18チャンネルの混合信号の何れかがカスケード信号として出力される。なお、デジタルミキシング装置のみならずアナログミキシング装置もカスケード接続され得る。
【0019】
3. 実施形態の動作
本実施形態の動作を図1および図2を参照して説明する。
3.1 設定操作
所定の操作が行われると、表示部40に入力設定画面が表示される。そして、入力インターフェース212,214,216,218において入力された各信号、ミキシングバス(BUSライン260、STEREOライン262、AUXライン264)の各チャンネルとの関係が設定される。特に、何れかの入力がカスケード接続される場合においては、図4(a)に示されるCASCADE_IN_PATCHの設定画面が表示され、カスケードBUS入力信号束265、カスケードSTEREO入力信号束267、カスケードAUX入力信号束269の各チャンネルについて該入力された各信号(カスケード入力信号)が割り当てられる。図4(a)において、左からカスケードBUS入力信号束265の第1チャンネル、…、第8チャンネルが設定され、次にカスケードSTEREO入力信号束267のLチャンネル、Rチャンネルが設定され、さらに、カスケードAUX入力信号束269の第1チャンネル、…、第8チャンネルが設定される。「C1−n」は、カード1の第nチャンネルの入力を表し、「C2−n」はカード2の第nチャンネルの入力を表す。なお、「NONE」は無入力を表し、ハッチングは、入力が有効であること(たとえば、カードが挿入されていること)を表している。
【0020】
図4(a)においては、カスケードBUS入力信号束265の第1チャンネルには第1入力カードインターフェース216の第1チャンネルが設定され、同様に、第2チャンネル以降、第8チャンネルまで第1入力カードインターフェース216が設定されていることを示している。さらに、カスケードAUX入力信号束269の第1チャンネルには第2入力カードインターフェース218の第1チャンネルが設定され、同様に、第2チャンネル以降、第8チャンネルまで第2入力カードインターフェース218が設定されていることを示している。なお、カスケードSTEREO入力信号束267には何も設定されていない。
【0021】
次に、入力演算器230およびカスケード用信号群282における減衰量の設定、および、ミキシングの設定が行われる。特に、カスケード接続においては、図4(b)に示されるCASCADE_IN_ATTENUATIONの設定画面が表示され、減衰量の設定がされ、あるいは、スイッチの設定がされる。図4(b)において、左からカスケードBUS入力信号束265の第1チャンネル、…、第8チャンネルの減衰量が設定され、次にカスケードSTEREO入力信号束267のLチャンネル、Rチャンネルの減衰量が設定され、さらに、カスケードAUX入力信号束269の第1チャンネル,…,第8チャンネルの減衰量が設定される。なお、「ON」はスイッチ252,…,252,254,…,254,256,…,256のON状態を表し、「OFF」はOFF状態を表している。
【0022】
カスケードBUS入力信号束265の第1チャンネルは「−96dB」の減衰量に設定され、スイッチはONにされ、カスケードBUS入力信号束265の第8チャンネルは減衰量「0dB」であり、減衰されないが、スイッチはOFFに設定されている。カスケードSTEREO入力信号束267も、減衰量「0dB」に設定され、減衰されないが、スイッチ254はOFFに設定されている。また、カスケードAUX入力信号束269の第1チャンネルは「−96dB」の減衰量に設定され、スイッチはOFFに設定され、第8チャンネルは減衰量「−48dB」に設定され、スイッチはONに設定されている。
【0023】
次に、出力演算器出力群286およびカスケード出力群288の出力への割当設定画面が表示される。特に、カスケード接続においては、図4(c)に示されるCASCADE_OUT_PATCHの設定画面が表示される。図において、左からカスケードBUS出力信号束290の第1チャンネル,…,第8チャンネルの出力が設定され、次にカスケードSTEREO出力信号束292のLチャンネル、Rチャンネルの出力が設定され、さらに、カスケードAUX出力信号束294の第1チャンネル,…,第8チャンネルの出力が設定される。ここで、「C1−n」は、第1出力カードインターフェースの第nチャンネル、「D−n」はデジタル出力インターフェースの第nチャンネル、「NONE」は無接続を表す。
【0024】
カスケードBUS出力信号束290の第1チャンネルは第1出力カードインターフェースの第1チャンネルに設定され、同様に第2チャンネル以降第8チャンネルまで第1出力カードインターフェースに設定される。さらに、カスケードSTEREO出力信号束292のL出力は、デジタル出力インターフェースの第1チャンネルに設定され、R出力は、デジタル出力インターフェースの第2チャンネルに設定される。なお、カスケードAUX出力信号束294の第1チャンネルから第8チャンネルまでは出力設定されない。
【0025】
3.2 ミキシング動作
ミキシング動作は、DSP20によって処理される。入力割当器220によって、入力割当画面の設定に従い、入力インターフェース212,214,216,218における各入力信号が、入力演算器230の各入力信号(直接入力信号)あるいはカスケード用信号群282の各入力信号(カスケード入力信号)に割り当てられる。入力インターフェースの何れかにカスケード入力信号が入力され、他の入力インターフェースに直接入力信号が入力される。
【0026】
入力演算器230においては、直接入力信号の各チャンネル毎にイコライザユニット232,…,232により周波数特性が付与され、減衰器238,…,238により減衰される。また、遅延器234,…,234においては、集音源(たとえばマイク)と音発生源との距離により発生する音の遅れを解消するための第1の遅延時間と、直接入力信号とカスケード入力信号との間に発生する時間ずれを解消するための第2の遅延時間とを合計した時間が設定される。ここで、カスケード接続による遅延時間の補正は、カスケード用信号群282と入力演算器出力群284との位相差を合わせるため(同期を取るため)に行われる。具体的に、カスケード前段にミキシング装置100が用いられ、その接続が入力カードおよび出力カードで行われる場合においては、以下の遅延時間にデフォルトで設定されることが望ましい。すなわち、後段における入力カードインターフェースならびに前段における入力割当器、出力演算器、出力割当器および出力カードインターフェースによる遅延時間の合計に等しい遅延時間に設定される。そして、事前設定に従い、入力演算器230における各チャンネルの出力信号がミックスバス(BUSライン260,STEREOライン262,AUXライン264)に出力され、設定された減衰量により混合される。
【0027】
一方、カスケード用信号群282の各信号(カスケード入力信号)は、減衰器242,…,242,244,…,244,246,…,246を用いてチャンネル毎に減衰され、さらに、スイッチ252,…,252,254,…,254,256,…,256を用いてチャンネル毎にON/OFF制御され、入力演算器230の出力信号と共に、18チャンネルのミックスバス(260,262,264)の中で混合される。
【0028】
そして、混合された各信号が出力演算器235に入力され、各信号毎に、周波数特性が付与され、ゲイン調整等がされる。そして、出力演算器出力群286の各信号として出力される。さらに出力割当器225により、カスケード出力群288の各信号(カスケード出力信号)および出力演算器出力群286の各信号(直接出力信号)が、出力インターフェース272,274,276,278の各信号の何れかに割り当てられる。その結果、出力インターフェース272,274,276,278の何れかからカスケード出力信号が出力端子を介して出力され、他の出力インターフェースから該直接出力信号が出力端子を介して出力される。
【0029】
4. 変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能であり、全て本発明の範疇に含まれる。
(1)上記実施形態は、マイクなどの集音源と音発生源との距離により発生する音の遅れを解消するための第1の遅延時間と、マイクなどから取りこんだ音(直接入力信号)とカスケード接続により入力された音(カスケード入力信号)との間に発生する時間ずれを解消するための第2の遅延時間とを合計した時間の設定を入力演算器230の中で行っていたが、第2の遅延時間の設定をカスケード用信号群284の中で行い、第1の遅延時間の設定を入力演算器230の中で行うことも可能である。
(2)上記実施形態は、ROM70に格納されたプログラムによってミキシング方法を実行したが、パーソナルコンピュータ上で動作するアプリケーションプログラムによっても実行することが出来る。アプリケーションプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記憶媒体に格納して頒布し、あるいは電気通信回線を通じて頒布してもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る構成によれば、カスケード接続専用入力端子を設けることなく、複数の入力端子の一部をカスケード接続用に設定することが出来る。
また、請求項に係る構成によれば、カスケード接続専用出力端子を設けることなく、出力信号の一部をカスケード接続用に設定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のハードウェア構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態のミキシングアルゴリズムの構成図である。
【図3】 入出力演算器の構成図である。
【図4】 カスケード接続入力設定画面である。
【符号の説明】
10…入出力インターフェース(入力端子,出力端子)、20…DSP、30…操作部、40…表示部、50…CPU、60…RAM、70…ROM、80…バスライン、100…ミキシング装置、212…アナログ入力インターフェース、214…デジタル入力インターフェース、216,218…入力カードインターフェース、220…入力割当器、230…入力演算器(入力演算過程)、232…イコライザユニット、234…遅延器(遅延過程)、235…出力演算器、238,242,244,246…減衰器、236,252,254,256…スイッチ、260…BUSライン、262…STEREOライン、264…AUXライン、265…カスケードBUS入力信号束、267…カスケードSTEREO入力信号束、269…カスケードAUX入力信号束、272…アナログ出力インターフェース、274…デジタル出力インターフェース、276,278…出力カードインターフェース、282…カスケード用信号群、284…入力演算器出力群、286…出力演算器出力群、288…カスケード出力群、290…カスケードBUS出力信号束、292…カスケードSTEREO出力信号束、294…カスケードAUX出力信号束

Claims (2)

  1. 複数チャンネルの音声信号を入力する複数の入力端子と、
    入力された音声信号に対して音量調節処理または遅延処理を施す入力調整部と、
    入力された音声信号をミキシングするミキシングバスと、
    ユーザの操作に基づいて、前記複数のチャンネルの一部に対して、他のミキシング装置から供給されるカスケード信号用のチャンネルである旨を設定する入力設定手段と、
    前記カスケード信号用に設定されたチャンネルに係る音声信号を、前記入力調整部を経由することなく前記ミキシングバスに供給するとともに、他のチャンネルに係る音声信号を前記入力調整部を経由して前記ミキシングバスに供給する入力信号割当手段と
    を有することを特徴とするミキシング装置
  2. 入力された音声信号をミキシングするミキシングバスと、
    複数チャンネルの音声信号を出力する複数の出力端子と、
    前記ミキシングバスから出力された音声信号に対して音量調節処理または遅延処理を施す出力調整部と、
    ユーザの操作に基づいて、前記複数のチャンネルの一部に対して、他のミキシング装置に対して供給されるカスケード信号用のチャンネルである旨を設定する出力設定手段と、
    前記カスケード信号用に設定されたチャンネルに対して、前記ミキシングバスの出力信号を、前記出力調整部を経由することなく供給するとともに、他のチャンネルに対して、前記ミキシングバスの出力信号を、前記出力調整部を経由して供給する出力信号割当手段と
    を有することを特徴とするミキシング装置
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