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JP4086828B2 - 器具 - Google Patents

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JP4086828B2 JP2004274233A JP2004274233A JP4086828B2 JP 4086828 B2 JP4086828 B2 JP 4086828B2 JP 2004274233 A JP2004274233 A JP 2004274233A JP 2004274233 A JP2004274233 A JP 2004274233A JP 4086828 B2 JP4086828 B2 JP 4086828B2
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智昭 鈴木
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Description

本発明は、軸筒に保持される媒体の先端部を、不使用時にキャップで覆って保護することができる器具に関する。
従来、器具としての筆記具においては、媒体としての筆記体の先端部の保護のため、筆記媒体の乾燥を防止し、または、周囲を汚したりすることのないよう、不使用時は、筆記体の先端部を覆う必要があり、そのために、キャップを軸筒の先端部に着脱可能に装着する構成とすることが一般的に行われている。
しかしながら、従来のキャップでは、キャップを外すために両手を使わなければならず、その脱着操作が面倒であり、また、外したキャップを紛失するおそれもある。
そのため、キャップをなくしてノック操作で先端筆記部を出没させることができて、インクの漏出、乾燥及び逆流防止の機構を備えたキャップレス筆記具が提案されている(特許文献1参照。)。この特許文献1では、筆記具の本体内に筆記体の前部が貫通し得るガイドが前後移動可能でかつ一定以上の前進を規制するように設けられ、このガイドの先端に、内側面が弾性体よりなるシール蓋が開閉自在に設けられて、シール蓋に糸状部材が連結され、収納時において、該糸状部材がシール蓋を引張り、筆記体の先端をシール蓋の弾性体に密着させており、筆記体の前進時には、糸状部材の引張を緩めてシール蓋のシール状態を解除するようになっている。
特許第2714780号公報(第1欄、12行〜20行)
しかしながら、上記特許文献1に記載のものでは、本体内にシール蓋が開閉するためのスペースを設ける必要があるために、筆記体を前進させて本体の先端から突出させるまでのストローク長さが長くなるという問題がある。
本出願人らは、かかる問題を解決するべく、特願2003−99049号にて、筆記体のストロークを要することなく、筆記体の先端を保護する封止状態と筆記体の先端を解放した封止解除状態とに切替えることができる筆記具を提案している。
この筆記具では、軸筒に筆記体を保持させると共に筆記体の先端部を軸筒よりも前方に突出させ、軸筒内にスライド部材を軸方向に移動自在に設け、このスライド部材の先端部に前記筆記体の先端部を覆うことが可能な封止部材を連結すると共に、スライド部材に、軸筒の外部から操作可能で軸方向に移動可能な操作部を連結している。操作部を操作することにより、スライド部材及び封止部材が軸方向に移動すると共に回動して、封止部材が筆記体の先端を保護する封止状態と筆記体の先端を解放した封止解除状態とに切替えることができるようになっている。
本発明はさらに改良を加えて、封止部材であるキャップの着脱に際して、キャップの軸方向の移動と回転とを確実に行うようにすることができ、キャップが媒体の先端部を覆う状態と、キャップが媒体の先端部を露出させる状態とを簡単に切り替えることができるようにした器具を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、媒体を保持する軸筒と、媒体の先端部を覆うことが可能なキャップと、該キャップの着脱を行なうべく軸筒に対してノック可能に設けられたノック部材と、を備える器具において、キャップは回転変換機構を介してノック部材と連結されており、該回転変換機構は、前記ノック部材に連結されて軸筒内に設けられたスライド用軸孔内でスライド用軸孔に対して回転不能に且つ軸方向に移動可能となったノックカムと、該スライド用軸孔の内周面に設けられて前方に面して軸方向に傾斜したカム面を有するカム本体と、前記キャップと連結されてスライド用軸孔内でスライド用軸孔に対して軸方向に移動可能となった回転カムと、回転カムを後方へと付勢する弾性体と、を備え、ノックカムは、前方に面して軸方向に傾斜したカム面を有しており、回転カムは、ノックカム及びカム本体のカム面によって回転が誘導され、ノック部材の軸方向への1回のノックに応じて、キャップを前進させた後、キャップを軸方向に平行な軸を中心として回転させて、次いでキャップを後退させるものであり、ノック部材のノックごとに、キャップが媒体の先端部を覆う状態と、キャップが媒体の先端部を露出させる状態とが切り替え可能となったことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載のものにおいて、前記ノック部材の1回のノックに応じて、キャップが180度回転することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1または2に記載のものにおいて、前記軸筒の先端部に、キャップが媒体の先端部を露出させる状態において、キャップの少なくとも一部を収納する空洞部が設けられることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1項に記載のものにおいて、前記媒体が筆記体であることを特徴とする。
本発明によれば、キャップが媒体の先端部を覆っている状態でノック部材をノックすると、回転変換機構が、キャップを前進させた後、キャップを軸方向に平行な軸を中心として回転させて、次いでキャップを後退させるので、キャップは媒体の先端部から取り外されて媒体の先端部を露出させる状態とすることができる。反対にキャップが媒体の先端部を露出させている状態でノック部材をノックすると、回転変換機構がキャップを前進させた後、キャップを軸方向に平行な軸を中心として回転させて、次いでキャップを後退させるので、キャップは媒体の先端部に取り付けられて媒体の先端部を覆う状態とすることができる。こうして、ノック部材とキャップとの間に回転変換機構を設けることで、キャップの軸方向の移動と回転とを確実に行なわせしめて、切り替えを可能とすることができる。
1回のノックに応じてキャップが180度回転すれば、2回のノックでキャップが元の位置に戻ることができる。
好ましくは、軸筒の先端部に空洞部が設けられていると、媒体の先端部を露出させた状態にあってキャップを使用していないときに、該空洞部内にキャップの少なくとも一部を収納することができて、見栄えを良好にすることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る器具の縦断面図、図3及び図4はその全体図である。図において、器具は、媒体としてのレフィール12を保持する軸筒10と、レフィール12の先端部12aを保護するキャップ16と、キャップ16の着脱操作をするためのノック部材14と、を有する筆記具である。
媒体であり筆記体でもあるレフィール12は、この例では、軸筒10と別部品であるが、これに限るものではなく、筆記体と軸筒とが一体品で構成されていて、筆記体12を構成する部分が軸筒10を構成する部分に実質的に保持されているものであってもよい。また、図示の例では、軸筒10は一体品で構成されているが、複数部品から構成されるものであってもよい。
レフィール12は、この例では、フェルトペンであるが、器具としてのボールペン、万年筆、アイライナ、リップライナ、アイシャドウ等の文具用、化粧用等器具に適した任意の筆記媒体または塗付媒体とすることができ、媒体はその種類に適合した先端部12aを備えることができる。例えば、器具がボールペンの場合には、先端部12aはボールを備え、器具がフェルトペンの場合には、先端部12aはフェルト芯を備えている。
軸筒10は、レフィール12が収納されるメイン軸孔10bを備えており、その先端開口10aからレフィール12の先端部12aが前方に突出している。
また、軸筒10は、その内部にメイン軸孔10bと平行に軸方向に伸びるスライド用軸孔10cを備えており、該スライド用軸孔10c内を軸方向に移動可能にノック部材14が配設される。
ノック部材14の先端部はスライド用軸孔10cに挿入されたノックカム14aとなっており、ノック部材14の後端部は、軸筒10から露出したノック操作部14bとなっている。ノックカム14aとノック操作部14bとは別部品で構成することも可能である。ノック操作部14bは、軸筒10に対してノック可能となっており、このノックによりノックカム14aはスライド用軸孔10c内を軸方向に移動するようになっている。ノック操作部14bは、ノックスプリング15によって常時後方へと付勢されると共に、軸筒10からの後方への抜け止めがなされている。
軸筒10の先端部には、レフィール12の先端部12aが突出する先端開口10aと並んで、キャップ16が出入りする第2先端開口10dが形成されており、第2先端開口10dから軸筒10内にはキャップ16のキャップ本体16aを収納する空洞部10eが形成されている。
キャップ16は、その先端部に前記キャップ本体16aを有すると共に、キャップ本体16aから後方へ伸びて、前記スライド用軸孔10c内を軸方向に移動可能な棒状部16bを有している。キャップ本体16aは、レフィール12の先端部12aを覆う位置と、レフィール12の先端部12aを露出させる位置との間で移動可能であり、露出させる位置にあるときには、前記空洞部10e内に収納されるようになっている。キャップ本体16aと棒状部16bとは別部品で構成することも可能である。
キャップ16の棒状部16bの後端部は、スライド用軸孔10c内を軸方向に移動可能となった回転カム17の先端部に形成された受穴17dに挿入されており、キャップ16は回転カム17と一体的に連結されている。また、キャップ16の棒状部16bの外周面には、リターンスプリング18が巻回されており、リターンスプリング18は、スライド用軸孔10c内に固定されたガイド19と回転カム17の先端との間に介挿されており、回転カム17及びキャップ16を常時後方へと付勢している。
また、軸筒10の後端部には、メイン軸孔10bの後端を閉塞する尾栓20が取り付けられている。尾栓20を適宜取り外し可能としてレフィール12をメイン軸孔10bの後端から挿入可能としてレフィール12を交換可能とすると良い。
上記キャップ16とノック部材14とは、回転カム17、スライド用軸孔10cに形成されたカム本体10f、ノックカム14a及び弾性体であるリターンスプリング18とから構成される回転変換機構または回転カム機構22を介して連結される。以下、この回転変換機構22の構成について説明する。
スライド用軸孔10cの内周面にはカム本体10fが形成される。カム本体10fには、図5(b)の展開図で示したように、180度ごとに山10f1、10f1が形成され、2つの山10f1、10f1の間は、谷となる縦溝10f2、10f2となっている。また、山10f1、10f1の先端は、前方に面して軸方向に対して傾斜したカム面10f3、10f3となっている。
ノックカム14aの先端部には、図7の展開図で示したように、その外周面に180度ごとに突起14a1、14a1が形成されており、さらに先端面は、180度ごとに軸方向に対して傾斜した2種類のカム面14a2、14a3が形成されている。カム面14a2は緩斜面、カム面14a3は急斜面となっており、両者は前方に面し且つ互いに反対向きの傾斜となっている。突起14a1、14a1は、前記カム本体10fの縦溝10f2、10f2内にスライド可能に嵌入されており、これによって、ノックカム14aはスライド用軸孔10cに対して相対回転不能に且つ軸方向移動可能となっている。
回転カム17は、図8に示したように、先端が拡径された鍔部17aとなっており、鍔部17aよりも後方の外周面には、2本の縦リブ17b、17bが180度間隔で形成されている。この縦リブ17b、17bは、カム本体10fの縦溝10f2、10f2内にスライド可能に嵌入される。そして、その縦リブ17b、17bの後端面は、カム面17c、17cとなっている。回転カム17は、スライド用軸孔10cに対して軸方向移動可能に且つ、縦リブ17b、17bがカム本体10fの縦溝10f2、10f2から脱出して前方にあるときにスライド用軸孔10cに対して相対回転可能となっている。
以上のように構成される筆記具の作用を説明する。
非筆記時には、レフィール12の先端部12aを保護するために、キャップ16のキャップ本体16aがレフィール12の先端部12aを覆っている。この状態から筆記するために、ノック操作部14bをノックすると、ノックカム14aがスライド用軸穴10cを前進して、その先端が回転カム17の後端部に当接して、回転カム17を前進させる(図9(a))。
回転カム17の縦リブ17b、17bがカム本体10の縦溝10f2、10f2を脱出するとリターンスプリング18の付勢力によりこの後退と共に回転カム17のカム面17c、17cがノックカム14aのカム面14a2、14a2に沿ってスライドして、回転カム17は回転する(図9(b))。さらに、ノック操作部14bのノック力を解除すると、カム本体10fのカム溝10f2、10f2に沿ってカム面17c、17cがスライドして(図9(c))、回転カム17が180度回転した後、縦リブ17b、17bがカム本体10の前回と180度異なる縦溝10f2、10f2内に嵌入し、後退する。
以上の回転カム17の前進、180度回転、後退の運動に伴い、キャップ16も前進して、キャップ本体16がレフィール12の先端部12aよりも前進し、棒状部16bを回転中心として180度回転し、後退して、先端開口10dを通り空洞部10eへと収納される。これによって、レフィール12の先端部12aが露出して、筆記することができるようになる。
キャップ16がレフィール12の先端部12aを露出している時のキャップ16の後退位置は、キャップ本体16aの後端が軸筒10の先端開口10dに当接するか、または回転カム17の鍔部17aがカム本体10の山10f1、10f1に当接するかすることで決まる。キャップ16は、その一部が空洞部10e内に収納されるために、筆記時にキャップ16が邪魔になることはなく、見栄えも良好にすることができる。
筆記が終了して、再びノック操作部14bをノックすると、先と同じようにノックカム14a、カム本体10f、回転カム17の協働により、回転カム17の前進、180度回転、後退の運動がなされ、キャップ16が第2先端開口10dを通り空洞部10eから前進して、棒状部16bを回転中心として180度回転し、後退して、レフィール12の先端部12aを覆う。
また、キャップ16がレフィール12の先端部12aを覆っている時のキャップ16の後退位置は、キャップ本体16aが軸筒10の先端開口10aに当接するか、またはレフィール12の先端部12aに当接することにより、決まる。
以上のように、この実施形態によると、回転変換機構22により、ノック操作部14のノックの度に、キャップ16がレフィール12の先端部12aを覆う状態と、先端部12aを露出させる状態とにキャップ16を切り替えることができ、その切り替えの際に、キャップ16が180度ずつ回転しており、確実にその切り替え動作を行なうことができる。
本発明の実施形態に係る器具の全体縦断面図であり、キャップが媒体の先端部を覆っている状態を表す。 図1の器具の全体縦断面図であり、キャップが媒体の先端部を露出させた状態を表す。 図1の器具の全体図であり、キャップが媒体の先端部を覆っている状態を表す。 図1の器具の全体図であり、キャップが媒体の先端部を露出させた状態を表す。 (a)は図1の器具の軸筒の縦断面図であり、(b)はカム本体の展開図である。 (a)は図1の器具のノック部材の平面図、(b)は側面図、(c)は(a)図のc−c線に沿って見た一部の断面図である。 ノック部材のノックカムの先端部の展開図である。 (a)は図1の器具の回転カムの側面図、(b)は平面図、(c)は(a)図のc−c線に沿って見た断面図、(d)は(b)図のd矢視図である。 (a)〜(c)は回転変換機構の動作を表す図である。
符号の説明
10 軸筒
10c スライド用軸孔
10e 空洞部
10f カム本体
10f3 カム面
12 レフィール(媒体,筆記体)
14 ノック部材
14a ノックカム
14a2 カム面
16 キャップ
17 回転カム
18 リターンスプリング(弾性体)
22 回転変換機構

Claims (4)

  1. 媒体を保持する軸筒と、媒体の先端部を覆うことが可能なキャップと、該キャップの着脱を行なうべく軸筒に対してノック可能に設けられたノック部材と、を備える器具において、
    キャップは回転変換機構を介してノック部材と連結されており、
    前記回転変換機構は、前記ノック部材に連結されて軸筒内に設けられたスライド用軸孔内でスライド用軸孔に対して回転不能に且つ軸方向に移動可能となったノックカムと、該スライド用軸孔の内周面に設けられて前方に面して軸方向に傾斜したカム面を有するカム本体と、前記キャップと連結されてスライド用軸孔内でスライド用軸孔に対して軸方向に移動可能となった回転カムと、回転カムを後方へと付勢する弾性体と、を備え、ノックカムは、前方に面して軸方向に傾斜したカム面を有しており、回転カムは、ノックカム及びカム本体のカム面によって回転が誘導され、ノック部材の軸方向への1回のノックに応じて、キャップを前進させた後、キャップを軸方向に平行な軸を中心として回転させて、次いでキャップを後退させるものであり、
    ノック部材のノックごとに、キャップが媒体の先端部を覆う状態と、キャップが媒体の先端部を露出させる状態とが切り替え可能となったことを特徴とする器具。
  2. 前記ノック部材の1回のノックに応じて、キャップが180度回転することを特徴とする請求項1記載の器具。
  3. 前記軸筒の先端部には、キャップが媒体の先端部を露出させる状態において、キャップの少なくとも一部を収納する空洞部が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の器具。
  4. 前記媒体が筆記体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の器具。
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