JP4043738B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは中間転写体のクリーニング手段を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転体からなる感光体を回転体からなる中間転写体に沿わせて複数個配列し、前記感光体上に形成した像を前記中間転写体に転写して重ね像を形成するようにした所謂タンデム型の画像形成装置が知られている。
【0003】
この種の画像形成装置に関しては、特開平10−254251号公報に開示された技術がある。この公報に開示された技術では、トナー画像を感光体から中間転写体に転写後、さらに中間転写体から記録媒体に転写後に中間転写体に残留しているトナーを中間転写体からブラシで除去するようにしているが、このブラシで除去できなかった分を、感光体から中間転写体に対する転写手段である1次転写手段のバイアス電界を利用して、感光体に移行(逆転写)させ感光体のクリーニング手段によって除去する技術が開示されている。
【0004】
この開示技術では、中間転写体から記録媒体に転写されずに中間転写体上に残留しているトナーを、(+)極性を印加したブラシでクリーニングを行い、クリーニングされずに残ったトナーを(+)に帯電させることで、この(+)帯電したトナーを1次転写手段の(+)電界で感光体側に逆転写させているのである。
【0005】
これに関わる技術として1次転写手段の手前で1次転写におけると同一極性にトナーを帯電させるバイアスローラや、チャージャーを使用することも報告されている。
【0006】
クリーニングされるトナーの帯電極性は混在している。転写されずに残ったトナーは、中間転写体から記録媒体へとトナー像を転写するための手段である2次転写手段による2次転写電界の影響を受けるため(+)極性に変化されたものや、(−)極性のままのトナーが混在し、また、ジャム時に記録紙上や中間転写体上にあるトナーや、画像調整用として非画像域に形成するトナーパターンなどは、感光体上で現像されたままの帯電極性である(−)極性の帯電量を略維持しているからである。
【0007】
従って、トナーの帯電している極性を利用してクリーニングする方式では、トナーが(+)或いは(−)の何れか一方の極性であれば(+)、(−)両者のトナーを効率よく除去することはできない。
【0008】
このため、中間転写体上での転写残留トナーのクリーニング条件に合わせることを行う。また、ジャム後の問題に対しては、一般的にはジャム後における中間転写体の回転時間を増やすことで対処している。しかし回転時間が増すとジャム処理後の待ち時間が増えてしまう。
【0009】
また、特開平11−24424号公報には、中間転写体に対する中間転写体クリーニング手段による中間転写体に対する接離時のショックによる画像ムラを生じさせないために、クリーニング手段の中間転写体への接離と、書き込みタイミングを制御する技術が開示されている。しかし、書き込みのタイミングをとることにより接離時のショックによる画像ムラの発生を防止することはできるが、書き込み間隔が長くなり、コピー速度が遅くなるおそれがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術における問題を解消することのできる画像形成装置を提供すること課題としたものである。
【0011】
請求項1記載の発明では、中間転写体に対する中間転写体クリーニング手段による中間転写体に対する接離時のショックを解消するため、中間転写体にクリーニング用の回転ブラシを常時接触するように構成し、そのようにしたときにベルト回転方向に対してブラシを逆回転させると中間転写体の回転を妨げる力が大きく作用して負荷変動が生じやすくなり、感光体の回転に影響を与えてバンディングの発生原因となり、また、逆に中間転写体の回転方向の順方向への回転は中間転写体の回転を進めて、感光体の回転を速め、同様にバンディングが発生するので、ブラシ回転による中間転写体負荷へ与える影響を低減させることでバンディングのない良好な画像を得ると共に、クリーニングされるトナーの帯電極性は混在していても(+)、(−)両者のトナーを効率よく除去することで中間転写体のクリーニングをより確実に行うことを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、以下の構成とした。
回転体からなる感光体上に形成した像を回転体からなる中間転写体に転写して重ね像を形成するように前記中間転写体上に前記感光体を含む画像形成手段を複数配列したタンデム型の画像形成装置において、
前記画像形成手段は前記感光体のまわりに、帯電装置、現像装置、1次転写装置、感光体クリーニング装置を備えると共に、前記感光体クリーニング装置で回収したトナーを現像装置へと戻すトナーリサイクル装置を備えており、
前記中間転写体に接触し、該中間転写体の回転方向に対して、各々順方向、逆方向に回転する対をなすクリーニング部材が設けられ、前記対をなすクリーニング部材中の1個には対をなす他のクリーニング部材とは異なる極性電圧が印加され、これら対をなすクリーニング部材よりも前記中間転写体の回転方向下流側には前記中間転写体を挟んで前記感光体に押し当てられバイアス電圧を印加する前記1次転写装置が設けられ、隣り合う前記1次転写装置間には、前記中間転写体のベース層に接触する導電性の補助ローラが配置されていて、該1次転写装置は前記対をなすクリーニング部材と協働して前記中間転写体のクリーニングを行なうと共に、前記クリーニング部材を通過したトナーを前記感光体に転写させ、かつ、前記対をなすクリーニング部材のそれぞれに印加される電圧の極性を切り換える極性切換手段を具備し、該極性切換手段は前記クリーニング部材のそれぞれに印加される電圧の極性を、切換えの前後で逆極性に切換えることした(請求項1)。
【0018】
【発明の実施の形態】
[1]本発明が適用される画像形成装置の例
電子写真法による画像形成装置では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきている。
【0019】
このようなカラーの画像形成装置には、1つの感光体のまわりに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置でトナーを付着して感光体上に合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を転写してシートにカラー画像を記録する、いわゆる1ドラム型のものと、並べて備える複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写してシートに合成カラー画像を記録する、いわゆるタンデム型のものとがある。
【0020】
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、1ドラム型は、感光体が1つであるから、比較的小型化でき、コストも低減できる利点はあるものの、1つの感光体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画像を形成するから、画像形成の高速化には限界がある欠点があり、タンデム型は、逆に大型化し、コスト高となる欠点はあるものの、画像形成の高速化が可能である利点がある。しかし、最近は、フルカラーもモノクロ並みのスピードが望まれることから、タンデム型の方が注目されてきている。
【0021】
タンデム型の電子写真装置には、各感光体上の画像を転写装置により、シート搬送ベルトで搬送するシートに順次転写する直接転写方式のものと、各感光体上の画像を1次転写装置によりいったん中間転写体に順次転写して後、その中間転写体上の画像を2次転写装置によりシートに一括転写する間接転写方式のものとがある。
【0022】
直接転写方式のものと間接転写方式のものとを比較すると、直接転写方式は、感光体を並べたタンデム型画像形成装置の上流側に給紙装置を、下流側に定着装置を配置しなければならず、大型化する欠点がある。これに対し、間接転写方式は、2次転写位置を比較的自由に設置することができるから、給紙装置および定着装置をタンデム型画像形成装置と重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0023】
また、直接転写方式は、大型化しないように定着装置をタンデム型画像形成装置に接近して配置することとなるから、シートがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置を配置することができず、シートの先端が定着装置に進入するときの衝撃とか定着装置を通過するときのシート搬送速度差とかで、定着装置が後端側の画像形成に影響を及ぼす欠点がある。これに対し、間接転写方式は、シートがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置を配置することができるから、定着装置がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0024】
このようなことから、最近は、タンデム型画像形成装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。本発明は、主として、間接転写方式に適用可能である。
【0025】
そして、この種のカラー画像形成装置では、1次転写後に感光体上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置で除去して感光体表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置で除去して中間転写体表面をクリーニングし、再度の画像転写に備えていた。
【0026】
以下、図面を参照しつつ、この発明を適用することのできるタンデム型間接転写方式の画像形成装置について説明する。図1において、符号100は複写機本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写機本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0027】
複写機本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。中間転写体10は、図2に示すように、ベース層11を、例えば厚さ150μmのフッ素樹脂や帆布などの伸びにくい材料でつくり、その上に厚さ150μmの弾性層12を設ける。弾性層12は、例えばフッ素ゴムやアクリロニトリル−ブタジェン共重合ゴムなどでつくる。その弾性層12の表面は、例えば厚さ5μmのフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層13で被ってなる。
【0028】
図1に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのうち第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設けている。
【0029】
3つのうちの第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。そのタンデム画像形成装置20の上には、図1に示すように、さらに露光装置21を設ける。
【0030】
中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
【0031】
2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0032】
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写装置22として、非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
【0033】
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
【0034】
このカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0035】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0036】
不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0037】
不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0038】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0039】
中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0040】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0041】
画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0042】
タンデム型画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図3に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、本例ではバイアスローラによる1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。感光体40は、図示例では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状の回転体であるが、無端ベルト状の回転体であってもよい。
【0043】
図示省略するが、少なくとも感光体40を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
【0044】
画像形成手段18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体40に接触して電圧を印加することによりその感光体40の帯電を行う。
【0045】
現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着させる攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移させる現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0046】
攪拌部66には、平行な2本のスクリュー68を設ける。現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0047】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。
【0048】
2成分現像剤を2本のスクリュ68―で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。穂切りされた現像剤は感光体に転移して潜像を可視化し残部は攪拌部66に戻される。
【0049】
現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0050】
ちなみに、図示例では、感光体40の線速を200mm/s、現像スリーブ65の線速を240mm/sとしている。感光体40の直径を50mm、現像スリーブ65の直径を18mmとして、現像工程が行われる。
【0051】
感光体40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体40の帯電(露光前)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるものである。
【0052】
次に、1次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0053】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を感光体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュー79を設ける。
【0054】
感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して接触してカウンタ方向に回転する電界ローラ77でバイアスを印加して取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュー79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、トナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。
【0055】
感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lbを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
【0056】
その後、現像装置61によりトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0057】
図4は、図1に示すカラー複写機の要部拡大図である。同図においては、タンデム画像形成装置20の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける各1次転写装置62の各符号の後に、それぞれブラックの場合はBKを、イエロ−の場合はYを、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して示す。
【0058】
なお、図4中符号74は、図1、図2では図示省略するが、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層11側に接触して設ける導電性の補助ローラである。この補助ローラ74は、転写時に各1次転写装置62(62BK、62Y、62M、62C)により印加するバイアスが、中抵抗のベース層11を介して隣りの各画像形成手段18(18BK、18Y、18M、18C)に流れ込むことを阻止するものである。
【0059】
トナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.01〜1.5[μm]の範囲である。色剤は、カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−、キナクリドン、カ−ミン等を上げることができる。帯電極性は、図示例では負帯電である。
【0060】
トナーの粒径は、重量平均径で4〜9μmが好ましく、特に好ましくは5〜8μmである。
【0061】
磁性粒子(キャリア)は、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。粒径は、10〜100μm、好ましくは30〜60μmの範囲が良好である。また、抵抗は、ダイナミック抵抗で104〜106Ωの範囲が最適である。ただし、測定方法は、磁石を内包したローラ(φ20;600RPM)に坦持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。トナーと磁性粒子(キャリア)との混合割合は磁性粒子100重量部に対しトナー0.5〜7.0重量部程度が適当である。
【0062】
[2]請求項に対応する例
図4に示すように、中間転写ベルト10をクリーニングするクリーニング装置17は、クリーニング部材として2つのブラシ形状の回転体を接触させている。これらの回転体はファーブラシ90、91からなる。それぞれのファーブラシ90、91には、バイアスを印加するようにしている。
【0063】
ファーブラシ90、91は同径で同じ程度の接触圧力で中間転写体10に接触している。中間転写体10の回転方向上、上流側のファーブラシ90は中間転写体10との接触部が中間転写体10の回転方向と逆向きに移動するように回転駆動される。つまり、中間転写体10の回転方向と同じ向き(時計回りの向き)に回転している。
【0064】
ファーブラシ91は中間転写体10との接触部が中間転写体10の回転方向と同じ向きに移動するように回転駆動される。つまり、中間転写体10の回転方向と逆向き(反時計回りの向き)に回転している。
【0065】
上流側のファーブラシ90については、中間転写体10の周面速度180mm/secに対して、ブラシの外周速度は234mm/sec(線速比:1.3)である。
【0066】
下流側のファーブラシ91は、回転方向が順方向(反時計回りの向き)に回転し、ブラシの外周速度は234mm/sec(線速比:1.3)で上流側のファーブラシ90と同一である。ファーブラシ91、90の径を同径としたとき、両者の回転速度は同速度にすれば、駆動伝達系を同じ比率のギヤ比で構成しまた駆動源を共有する構成とすることができるので好都合である。
【0067】
このように対をなすファーブラシ90、91の一方は順方向、他方は逆方向に回転するように構成することにより、順方向に回転するファーブラシ91は中間転写体10の回転を促進し、逆方向に回転するファーブラシ91は中間転写体10の回転を抑制するように機能し、これら両者の働きにより、中間転写体10の回転は安定する。
【0068】
つまり、クリーニングブラシ90、91は中間転写体10に対して、順逆に回転しているため、ベルトに対してトルクを高めることなく,ブラシ回転速度も低く設定でき,ブラシ駆動の負荷を低くすることができ、バンディング等の発生を防止することができ、ファーブラシ90、91に(+)、(−)の両極性を印加することで転写後の残留トナーや、ジャム後等におkるトナー除去を完全に行うことができるようなった。
【0069】
なお、本例のように構成せずに、クリーニング部材(ブラシ、ブレード、ローラなど)を単に中間転写体10に接触したままの状態とすると、中間転写体10の負荷に負荷が与えられ、負荷変動が生じやすく感光体の回転に影響を与え、バンディングの発生原因となる。
【0070】
これに対して、本例のように、対をなすファーブラシ90、91の一方を中間転写体の回転方向に対して順方向、他の一方を中間転写体の回転方向と逆向きに回転することにより、中間転写体10に対してトルクを高めることなく、中間転写体10の負荷変動をおさえて、感光体40の回転を安定させ、バンディングの発生を抑えることができるし、ファーブラシの回転速度も低く設定できることから駆動負荷の低くすることができる。
【0071】
特に、本例のように中間転写体10のまわりに複数の感光体40を具備して、カラー画像を形成する画像形成装置においては、各色についてそれぞれバンディングを抑制することができるので、良好なカラー画質の画像を得ることができる。
【0072】
中間転写体40に複数の感光体が当接するタンデム中間転写ベルト方式では、複数感光体が同時に当接し、中間転写体40と感光体のわずかな速度差が発生すること、感光体とベルト間で発生する静電力や、物理的摩擦力で負荷変動が発生しやすくなっていることなどから、仮に1方向にのみ回転するクリーニングブラシ設けられていて中間転写体10に当接すると、一層負荷変動が発生しやすく、バンディングという横帯状のムラを生ずるが、本例ではかかる点の解消を図ることができる。
【0073】
回転駆動され各ファーブラシ90、91には、それぞれバイアスローラとしての金属ローラ92、93が接触させられていて連れ回りするようにしてあり、ブラシに付いたトナーを電界により回収するようにしている。これらの金属ローラ92、93には、それぞれブレード96、97の先端を押し当てて金属ローラ92、93上に回収された被クリーニング物を除去するようにしている。これらのブレードで掻き落とされたトナーは図示しない回収パイプを介して排出される。
【0074】
また、各ファーブラシ90、91にはバイアス用の高圧電源が接続されてバイアスを印加するようにしてある。本例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、中間転写ベルト10の回転方向上、ファーブラシ90の下流側のファーブラシ91に当接して回転する金属ローラ93には電源95から(+)電圧を印加するようにしている。
【0075】
こうして、金属ローラ92、93のみに電圧を印加し中間転写体10に電流が流れることで電圧降下を生じさせる。「金属ローラ92、93」〜「導電性のファーブラシ90、91」〜「中間転写体10」の各々に電位差が生じ、トナーの移動が発生することになる。金属ローラ92、93にではなく、ファーブラシ90、91にバイアスを印加することも勿論可能である。
【0076】
例えば、電源94に−700Vを印加したときファーブラシ90は−500Vの電位となる。電源95に+800V印加したときファーブラシ91は+450Vの電位となる。
【0077】
上記電位差により中間転写体10からファーブラシ90、91さらに、ファーブラシ90、91から金属ローラ92、93にトナーは移動する。(−)極性が印加されたファーブラシ90で除去されなかったトナーは、ファーブラシ90を通過後に(−)極性となり、(+)極性が印加されたファーブラシ91で除去される。
【0078】
さらに、ファーブラシ91で除去されなかったトナーは、ファーブラシ91を通過後に(+)に帯電され、ローラからなる1次転写装置62BK、62Y、62M、62Cにより(+)極性が印加され、感光体40Cに移動し感光体クリーニング63Cで回収され、図示しない排出コイルにより回収容器に回収される。
【0079】
このように、これらクリーニング部材としてのファーブラシ90、91よりも中間転写体10の回転方向下流側に設けたバイアス電圧印加の1次転写装置62Cと協働して中間転写体10のクリーニングをより確実に行なうことができる。
【0080】
本例はクリーニング部材としてファーブラシ90、91を使用したが、これらファーブラシ90、91に代えて導電性ヒドリンゴムローラをそれぞれ設け、こらにバイアスを印加するようにする例もある。
【0081】
図5に示す例はファーブラシ90に代えて導電性ヒドリンゴムローラ105を設けたものであり、ブレード101を直接当てることができる。図4に示した電源94に代えて電源102を設けて導電性ヒドリンゴムローラ105にバイアスをかけ、電源95に代えて電源103を設けて金属93にバイアス電圧を印加している。なお、導電性ヒドリンゴムローラ105は中間転写体10に対して順方向の回転、ファーブラシ91は逆向きの回転としている。
【0082】
中間転写体のクリーニング手段としてファーブラシを使用するファーブラシクリーニングに使用されるブラシ材料は、コストが安くなることからポリプロピレンやレーヨン等絶縁性材料が使用されるが、物理的なひっかき力でトナーを除去させるため、一般的にブラシ回転数は高くする必要がある。通常、感光体との線速比は3以上とされる。
【0083】
中間転写体10のクリーニング手段として絶縁性ブラシを使用すると上述したようにブラシを高速回転させねばならず、ブラシの駆動負荷や中間転写体10へ当接による中間転写体の駆動に大きな負荷を与えてしまい、写真等均一な画像を要求される中間転写体使用の特にカラー画像形成における高画質画像の形成が困難となる。
【0084】
そこで、本例では、ブラシ形状のクリーニング部材を構成するファーブラシ90、91を中抵抗繊維とすることで、中間転写体10に対する物理的なひっかき力に加えて静電的な力を利用可能とし、この静電的な力を利用してトナーを除去することとし、比較的低回転でファーブラシを回転させ、ブラシ回転に因る中間転写体10の負荷を低減させることができバンディングの無い良好な画像を得ることができた。
【0085】
導電性のファーブラシは接地されるか、バイアス電圧を印加して使用されるかであるが、トナーを除去するために静電吸着力が作用するため、比較的低い回転速度で使用することができる。
【0086】
しかし、1×104Ω未満では、帯電した像担持体(中間転写体)表面とブラシ先端間で放電を生じ,局部的帯電ムラとなりやすく、制御異常が生じやすい。ブラシににバイアス電圧を印加するときは電流が多量に流れるため、高圧電源容量を大きくする必要があり、高湿時には電流過多になる。逆に、1×108Ωを超えると電流が流れにくくなり、印加電圧も高くなってしまい、何れにしてもクリーニングに必要なブラシ先端と像担持体(中間転写体)間の電界が得られづらくなる。よって、ファーブラシの抵抗値は1×104Ω〜1×108Ωの中抵抗繊維を使用するとよい。
【0087】
本例ではファーブラシ91、92として上記の中抵抗の繊維を用いた。ブラシはカーボンブラック分散アクリル繊維(SA7:東レ製)を用いた。繊維太さは6.5D/F、10万本/inch2を用い,直径10mmの金属芯金に巻き付け、直径20mmのブラシとした。ブラシ生布は導電処理を行い芯金と導通をとっている。ブラシは電圧が印加されるため、機械本体に対して電気的に浮かしている。
【0088】
こうして製作されたファーブラシ90、91は1×105Ωの抵抗をもっている。抵抗の測定は、幅10mmの電極をブラシに1mm食い込ませ、芯金と電極間に100Vを印加して行ない、10秒後の測定値を抵抗値とした。
【0089】
ファーブラシ90、91に対するバイアス印加の条件は前記2−1項で述べたとおりである。因みに、評価環境を室温10°C、相対湿度15%から室温27°C、相対湿度80%まで変化させても,良好なクリーニングを行うことができ、地汚れ,残像等のクリーニング不良の発生を防止できた。
【0090】
本例はクリーニング部材としてファーブラシ90、91を使用したが、これらファーブラシ90、91に代えて導電性ヒドリンゴムローラにバイアスを印加するようにする例もある。かかるローラ抵抗は金属平板にローラを乗せ、2kg/cm2の圧力をかけた状態で500Vを印加して10秒後の測定値を抵抗値とする。1×105Ωのゴムローラを使用して良好な結果を得た。
【0091】
着色画像を形成する着色粉体(トナー)に,少なくともワックスを含有することで、定着にシリコーンオイルを用いないオイルレス定着を行うことが可能となる。かかるオイルレス定着は、定着ローラにシリコーンオイルを塗布しないので、コピーの加筆、消去性が良くなり、ランニングコスト向上、機械搬送時のオイル洩れ配慮の不要、オイル補充の手間が省けるなど、さまざまのメリットがある。
【0092】
しかし、使用されるワックスはトナー表面に部分的に分布することになり、流動度が低下(悪化)する。
【0093】
トナーの流動度が低下(悪化)すると感光体から中間転写体に対する1次転写、中間転写体から最終の記録媒体紙に対する2次転写、における各転写圧によりトナー像は凝縮され、画像の一部が転写されない、所謂文字の中抜け現象が発生する。
【0094】
また、ワックス成分は成膜しやすく、画像形成中に感光体や中間転写体のクリーニング等により摺擦され、これら像担持体表面に薄層化して所謂フィルミィングが発生しやすくなる。フィルミィングが発生すると画像ムラなど異常画像が発生する。
【0095】
そこで、本例では、中間転写体10として少なくとも1層の弾性層を有するものを使用することとして中抜け現象を防止した。中間転写体として少なくとも1層は弾性ベルトを使用することで,感光体40から中間転写体10及び中間転写体10から最終の記録媒体へのトナー像転写時、トナー像に応じて弾性層を有する中間転写体を使用した場合には流動度の低いトナー像の部位でも、弾性により中間転写体のベルト部にへこみを生じるため、中抜けが生じにくくなる。
【0096】
ここで、文字の中抜け現象とトナーの流動度との関係について説明する。中間転写体として弾性層を有しない従来の構成では、文字の中抜けが発生する原因はトナー像が凝集することによると考えられる。トナーの流動度が低いときには、感光体から中間転写体、中間転写体から転写紙(最終転写体)への転写時においてトナー像は一体的に移動する。このため、中間転写体と転写紙について、付着力の強い方にトナー像は残る。
【0097】
一般的には、転写時に転写圧を受けている中間転写体とトナーとの付着力が強く、トナーは中間転写体側に残り易くなっている。ライン画像は像の中央付近のトナー量が多いため、流動度の低いトナーではこの中央部分での凝集力が強くなり、この中央部のみ中間転写体側にトナーが残ることによる中抜け現象が発生する。そして、このような中抜け現象は転写電界では改善されない。
【0098】
しかし、中間転写体として弾性層を有するベルトを使用すると、弾性層がトナー像(トナー層)に対して弾性により伸びてへこむため、トナーに対して過剰な圧力が作用しなくなり、トナー像(トナー層)は中抜けしないで転写されるようになる。
【0099】
一方、トナーの流動度を変化させるために、一般的にシリカなどの添加剤を添加することが行なわれる。しかし、シリカなどは帯電能力が高いため、現像剤としての帯電量を変化させたり、環境変動により、帯電量変動を生じさせて画像むらなど画像変動を生じ易くなる。
【0100】
中抜け、トナーの流動度、帯電量、中間転写体に弾性層を含ませること、などの相互の関係は次のようになる。
トナーにワックスを添加することにより、トナーの流動度は低下する。流動度が低下することにより、転写圧がかかるとトナー画像(中間転写体上に積層状態で形成された原稿に対応したトナー像)は凝集される。この凝集された状態というのは、例えば、さらさらな粉も力を入れて握ることで固まってさらさらの粉に戻らないような状態になる現象に似ている。
【0101】
流動度が低下したトナーの改善にはシリカなどの添加剤を入れる。このシリカがトナー間に介在することによりトナー同士の凝集が防止され、流動性が高くなるように改善される。
【0102】
しかし、流動度を高くするように改善するために添加する添加剤の量が多くなると、今度はトナーの帯電量が変化し易くなる。また、トナーから離間した添加剤は感光体表面に付着して点々状に成長して画像に出易くなり、画質を損なう。
【0103】
この点、中間転写体として少なくも1層に弾性層を有するベルトを使用することで、中間転写体として弾性層を含まない従来の樹脂ベルトにおいて使用されているトナーよりも流動度の低いトナーを使用しても、前記説明のように該トナー部が凹み、中抜けのない画像を得ることができる。従って、トナーに添加する添加剤を少なくすることができ、帯電量が変化し易くなるのを回避できる。
【0104】
本例では、トナーにワックスを含有したものを使用し、かつ、中間転写体として少なくとも1層が弾性層を有するものを使用して、画像形成を行ない、文字の中抜け、2色文字(R(赤)、G(緑)、B(青)の中の2つの組み合わせ)のニジミを評価した。ニジミは流動度の高いトナーについて転写時にトナー飛散が生ずることにより生じるのであり、流動度が高くなる生じ難く、中抜けと逆の傾向を示す。そこで、中抜けとニジミの両方について画質を損なわない程度におさめ得る流動度をどの程度の値とするか、その流動度に対応するシリカの含有比率をどのような値に設定するとよいかの指針が必要となる。そのため、実験を行なった。
【0105】
中間転写体は前記図2で説明したように1層が弾性層からなるものを使用し、トナーは後述の製造法により製造したものを使用した。
トナーは上記実施例中のトナー製造条件に従い、カルナウバワックス、シリカの添加量を変化させた。
下記表に従って製造したトナーを使用して,リコー製 imagioColor3100を使用してコピー画像評価を行った。原稿はR(赤)、G(緑)、B(青)、Bk(黒)の適宜文字原稿を作成しプリンター出力を行った。
【0106】
【表1】
【0107】
上記表1において、○印しは良好、△は概ね良好、×は不良の評価である。上記表1の評価結果からからわかるように、トナーの流動度としては、(7.7)、(8.5)、(9.5)、(14.3)が文字の中抜け及びニジミについて許容できる評価を得ている。表1では、流動度が7.7〜14.3であるが、発明者による実験データの評価では流動度8〜15において良好と判断された。よって、ワックスを有する着色粉体の流動性を8〜15のものを使用することで、トナーの帯電量の変動が少なくなり安定した画像を得ることができ、中抜けも許容できたといえる。
【0108】
なお、参考として中間転写体に樹脂ベルトを使用して同評価を行ったところ、わずかではあるが文字の中抜けが発生した。
【0109】
[トナーの製造例]
結着樹脂
ポリエステル樹脂(テレフタル酸、フマル酸、ポリオキシプロピレン−(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリメリット酸から合成されたポリエステル樹脂、Tg:62℃、軟化点:106℃)→100部
着色剤
イエロートナー用顔料(ジスアゾイエロー顔料:C.I.Pigment Yellow 17)→7.0部
マゼンタトナー用顔料(キナクリドン系マゼンタ顔料:C.I.PigmentRed 122)→7.0部
シアントナー用顔料(銅フタロシアニンブルー顔料:C.I.Pigment Blue 15:3)→3.5部
ブラックトナー用顔料(カーボンブラック:C.I.Pigment Black 7)→6.0部
帯電制御剤
サリチル酸誘導体亜鉛塩→2.5部
離型剤
カルナウバワックス(融点:85℃)→(5)部又は0部(前記表1に対応)
上記原材料を、ヘンシェルミキサーにて混合したのち、110℃に設定した2軸混練機にて溶融混練した。混練物を水冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて母体粒子を得た。
【0110】
更に、
上記母体粒子→100部
添加剤
シリカ(ヘキサメチルジシラザン表面処理品、平均一次粒子径:0.01μm)→(0.4〜0.85)部(前記表1に対応)
チタニア(イソブチルトリメトキシシラン表面処理品、平均一次粒子径:0.015μm)→1.0部
をヘンシェルミキサーにて混合を行い、その後、さらに目開き100μmの篩により風篩を行い、製造例のトナー(重量平均径:6.8μm)を得た。
【0111】
ここで、トナーの粒度分布は種々の方法で測定可能であるが、本例においてはコールターマルチサイザーを用いて行なった。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIIe型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機社製)及びパーソナルコンピュータを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製した。
【0112】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。
【0113】
さらに、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIe型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。
【0114】
流動度については、以下の方法で各トナーについて測定した。
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用い、目開き150μm(例えば篩a)、75μm(例えば篩b)、及び45μm(例えば篩c)の各篩を記載順に上からa、b、cの順に上下方向に重なるように並べ、目開き150μmの篩aに2gの被検トナーを投入して、振幅1mm、5Hzで30秒間、振動を与え振動後における各篩a、b、c上のトナー重量を測定した。
【0115】
次に、これら各篩上の重量測定値、つまり、篩a上にあるトナー重量測定値をa'とすればこのa'に0.3を掛け、同様に篩b上にあるトナー重量測定値b'には0.3を掛け、また、篩c上にあるトナー重量測定値c'には0.1の各重み付けの定数を掛け、これらの各積の総和を全体重量2gで割り、百分率で表した。各種トナーについて上記の評価を行なった。
【0116】
中間転写体クリーニング装置17で除去するトナーは、(+)、(−)の各極性に帯電したものが混在する。そこで、これらのいずれの極性に帯電しているトナーについても除去できるように本例では、対をなすクリーニング部材のそれぞれに印加される電圧の極性を切り換える極性切換手段を具備することとした。
【0117】
前記図4の変形例を示した図6において、金属ローラ92と電源94との間にスイッチ98、金属ローラ93と電源95との間にスイッチ99をそれぞれ設けた。スイッチ98については、実線で示すように電源94の(−)極を金属ローラ92に接続する状態と、破線で示すように電源94の(−)極を金属ローラ93に接続する状態とを切り換えることができる。
【0118】
同様に、スイッチ99については、実線で示すように電源95の(+)極を金属ローラ92に接続する状態と、破線で示すように電源95の(+)極を金属ローラ92に接続する状態とを切り換えることができる。
【0119】
電気的な操作により、スイッチ98、99の上記切換が同時に行なわれ、これらは切換スイッチを構成している。これにより、金属ローラ90、91は適宜、印加される電圧の極性が切り換えの前後で逆極性に切り換えられる。スイッチ98、99からなる切換スイッチは極性切換手段の一例である。
【0120】
バイアス印加のタイミングの一例を図7に示す。
コピー動作中に、ジャムが発生すると機械は停止する。ドアーを開き、搬送経路の用紙を除去してドア―を閉じると「ドアー閉信号」が発生し、「メインモータ」が回転を開始してジャム処理後の動作が行なわれる。
【0121】
2次転写クラッチの「オン」信号により、中間転写体を感光体から離間させる。離間後、メインモータが動作を開始し、中間転写体に印されたマークをセンサで検知し、定間隔で「マーク信号」を出力する。同時に図6に示した切換スイッチが破線の状態に切り換えられることにより、ファーブラシ90には(+)のバイアス、ファーブラシ91には(−)のバイアス電圧が印加される。
【0122】
ジャム時に中間転写体上に残った(−)極性のトナーをファーブラシ90に(+)極性を印加し効率よく除去する。除去されずに残ったトナーは(+)傾向の極性となり、(−)のバイアス電圧が印加されているファーブラシ91で除去される。
【0123】
ここで除去されずに残ったトナーは、中間転写体たるベルトの内側から(+)の「1次転写バイアス」が印加されることで中間転写体の表面側は(−)に帯電し、このため、1次転写装置62を通過するときには(−)電荷をもつ。このトナーがつぎに中間転写体クリーニング装置17部に到来するまでの間に切換スイッチが実線の状態に切換られる。これにより(−)極性に切り換えられたブラシ90により中間転写体上のトナーはさらに(−)帯電され、(+)極性に切り換えられたブラシ91で確実に除去される。
【0124】
こうして中間転写体クリーニング装置17を通過したトナーは(+)極に帯電されており、(+)極の1次転写装置62で感光体40へ転写され、感光体クリーニング装置63で回収されることとなり、中間転写体10への残留の可能性は極めて少なくなっている。
【0125】
なお、中間転写体クリーニング装置として仮に通常使用されているクリーニングブレードを使用した場合には、クリーニングブレードが弾性層を含むことにより弾性を有する中間転写体に対して喰い込み状態となるため、中間転写体を駆動する際に駆動トルクが大きくなったり、表層部にクリーニングによる擦れ、引っ掻き傷が発生し易くなる。しかし、本例のように、中間転写体クリーニング装置17として回転するクリーニング部材を使用した構成ではこのような不都合は生じない。
【0126】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、ブラシ回転による中間転写体負荷へ与える影響を低減させることでバンディングのない良好な画像を得ると共に中間転写体をクリーニングするクリーニング部材を通過したトナーを感光体に転写させ、さらに感光体クリーニング装置で回収してトナーリサイクル装置を介して現像装置へ戻すことにより再利用を図ることができ、中間転写体のクリーニングをより確実に行ない、かつ、転写時に各1次転写装置により印加するバイアスが隣の各画像形成手段に流れ込むのを阻止することができると共に極性転換手段の電気的操作によりクリーニングされるトナーの帯電極性は混在していても(+)、(−)両者のトナーを効率よく除去することで中間転写体のクリーニングをより完全に行なうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明にかかる中間転写体の断面図である。
【図3】本発明にかかる画像形成装置の要部断面図である。
【図4】本発明にかかる画像形成装置の要部断面図である。
【図5】本発明にかかる中間転写体クリーニング装置の一例を示した図である。
【図6】本発明にかかる中間転写体クリーニング装置の一例を示した図である。
【図7】クリーニング部材の極性切り換えのタイミングを示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 中間転写体
62 一次転写装置
74 補助ローラ
90、91 ファーブラシ
98、99 (極性転換手段の一例としての)スイッチ
Claims (1)
- 回転体からなる感光体上に形成した像を回転体からなる中間転写体に転写して重ね像を形成するように前記中間転写体上に前記感光体を含む画像形成手段を複数配列したタンデム型の画像形成装置において、
前記画像形成手段は前記感光体のまわりに、帯電装置、現像装置、1次転写装置、感光体クリーニング装置を備えると共に、前記感光体クリーニング装置で回収したトナーを現像装置へと戻すトナーリサイクル装置を備えており、
前記中間転写体に接触し、該中間転写体の回転方向に対して、各々順方向、逆方向に回転する対をなすクリーニング部材が設けられ、前記対をなすクリーニング部材中の1個には対をなす他のクリーニング部材とは異なる極性電圧が印加され、これら対をなすクリーニング部材よりも前記中間転写体の回転方向下流側には前記中間転写体を挟んで前記感光体に押し当てられバイアス電圧を印加する前記1次転写装置が設けられ、隣り合う前記1次転写装置間には、前記中間転写体のベース層に接触する導電性の補助ローラが配置されていて、該1次転写装置は前記対をなすクリーニング部材と協働して前記中間転写体のクリーニングを行なうと共に、前記クリーニング部材を通過したトナーを前記感光体に転写させ、かつ、前記対をなすクリーニング部材のそれぞれに印加される電圧の極性を切り換える極性切換手段を具備し、該極性切換手段は前記クリーニング部材のそれぞれに印加される電圧の極性を、切換えの前後で逆極性に切換えることを特徴とする画像形成装置。
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