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JP3938474B2 - 機械式変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチペダルを備え、車速に対応した最適ギア段を選択して変速制御を行う機械式変速機の制御装置に関し、特にその発進時の制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の出願人は、クラッチペダルを備え、電子制御により自動的に変速操作を行う、商用車用の半自動変速機(セミオートマチックトランスミッション)の変速制御装置について、実開平6−8825号公報にその技術を開示している。
この技術は、図3に示すように、クラッチペダル6を備えており、制御装置10Aは、クラッチペダル6が踏まれたのを検出してシフトタワー7からの信号に基づき機械式クラッチ2およびシフト装置4を電子制御し、機械式変速機3の変速操作を行うものである。 ここで、係る従来技術においては、発進時のクラッチ操作については自動化されていなかった。
【0003】
この発進時の自動化に関しては、種々の運転条件においても、運転者の意図に沿って、安全且つ確実に発進されなければならない。
しかし、例えば、低速段ギアでクラッチ断の発進待機状態において、車両が完全停止の状態ではなく下り坂などで転動している状態で発進動作が行われると、クラッチの接続によって駆動(エンジン)側が許容回転数を越えたオーバーラン状態となる恐れがある。
そして、係るオーバーラン状態は、「運転者の意図に沿って、安全且つ確実に発進」するという、発進時の自動化の趣旨に反する結果となりかねない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、機械式変速機の自動制御装置による発進時の制御において、車両が完全停止の状態でない場合においても安全かつ確実に発進できるように制御できる機械式変速機の制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、制御装置10に走行車速を検出する車速検出手段11とアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段12とクラッチのストロークを検出するクラッチストローク検出手段13と変速機のギア位置を検出するギア位置検出手段14とシフトレバーの操作を検出するシフトレバー操作検出手段15とが接続され、かつ車速に応じた最適ギア段を指示する最適ギア段マップ10aを有しており、検出された走行車速、アクセル開度、クラッチストローク、ギア位置、およびシフトレバー操作の各信号から最適ギア段を選択して変速制御手段4に出力し変速制御を行うクラッチペダル5を備えた機械式変速機3のの制御装置10において、前記制御装置10は、ギア位置検出手段14による低速段ギアの検出とクラッチストローク検出手段13によるクラッチ断の検出とによって発進待機状態にあることを判断し、この場合さらに車速検出手段11によって車速を検出しその検出車速が所定車速以上であれば変速制御手段4に出力してギアをニュートラルとし、そしてアクセル開度検出手段12の検出開度が所定開度以上であるか、またはシフトレバー操作検出手段15が操作要求を検出したかの何れかの場合に、前記最適ギア段マップ10aを参照して最適ギア段を選択し変速制御手段4に出力して変速制御を行う機能を有する。
【0007】
また、前記所定値以上の車速は、クラッチの接続を行うと駆動(エンジン)側の回転数が許容値を越えるような車速を所定値とするのが好ましい。
【0008】
本発明によれば、低速段ギアでクラッチ断の発進待機状態において、車両が完全停止の状態ではなく、例えば下り坂などで転動している状態で発進動作が行われた場合でも、ギアがニュートラル位置に操作されてオーバーランの状態になることがない。そして、運転者が、アクセルペダルを踏むか、ギアシフト操作をするかいずれかの通常の運転操作を行えば、そのときの車速の最適ギア段が選択され、発進制御が行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1には、本発明による制御装置10の発進時の最適ギア選択制御手段の構成を示すブロック図が示されている。
【0010】
制御装置であるコントロールユニット10は、車速に応じた最適ギア段を指示する最適ギア段マップ10aを有しており、走行車速を検出する車速検出手段11、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ(アクスル開度検出検出手段)12、およびクラッチのストロークを検出するクラッチストローク検出手段13がそれぞれ接続されている。さらに、変速機の変速段位置を検出するギア位置検出手段14、およびシフトレバーの操作を検出するシフトレバー操作検出手段15が接続されており、これらの各検出手段11〜15から検出信号が入力されている。
そして、コントロールユニット10の出力側は、変速制御手段4に接続されており、前記各検出手段11〜15からの入力信号に基づいて最適ギア段を選択し、変速制御手段4に出力して変速機の変速制御を行うように構成されている。
【0011】
次に、図2のフローチャートを参照してコントロールユニット10による発進時のギア段選択制御の態様を説明する。
まず、ステップS1においてギア位置検出手段14、およびクラッチストローク検出手段13の検出信号から発進状態、すなわちギアが低速段でクラッチ断の状態であるか否か判断する。Noであれば、そのままとし、YesであればステップS2に進む。
【0012】
ステップS2では、車速検出手段11の検出信号により所定車速以上か否か判断する。Noであれば、そのままとし、YesであればステップS3に進み、変速制御手段4に出力してギアをニュートラルにする。
【0013】
そして、ステップS4において、アクセル開度センサ12の信号から所定アクセル開度以上か否か判断する。Yesであれば、ステップS6に進み、Noであれば、ステップS5に進んで、シフトレバー操作要求がある否かシフトレバー操作検出手段15からの信号で判断し、Noであれば、ステップS4に戻る。そして、YesであればステップS6に進む。
【0014】
ステップS6では、最適ギア段マップ10aを参照して車速に対応した」最適ギア段の選択を行い、このギア段選択制御を終了する。
なお、このギア段選択以降の制御は、従来のセミオートマチックトランスミッションの自動制御技術により行われる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成され、クラッチペダルを有するセミオートマチックトランスミッションにおいて、発進待機状態で、車両が完全停止状態でなく、下り坂などで転動しているような状態で発進動作が行われた場合でも、オーバーランの状態になることがなく、運転者が、通常の運転操作を行えば、その車速に対応する最適ギア段が選択されて発進制御を行われ、発進時のクラッチ自動制御に対する問題点が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明による制御のフローチャート図。
【図3】従来の変速機御装置の全体構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1・・・エンジン
2・・・クラッチ
3・・・変速機
4・・・シフト装置(変速制御手段)
5・・・アクセルペダル
6・・・クラッチペダル
7・・・シフトタワー
10・・・コントロールユニット(制御装置)
11・・・車速検出手段
12・・・アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
13・・・クラッチストローク検出手段
14・・・ギア位置検出手段

Claims (1)

  1. 制御装置(10)に走行車速を検出する車速検出手段(11)とアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段(12)とクラッチのストロークを検出するクラッチストローク検出手段(13)と変速機のギア位置を検出するギア位置検出手段(14)とシフトレバーの操作を検出するシフトレバー操作検出手段(15)とが接続され、かつ車速に応じた最適ギア段を指示する最適ギア段マップ(10a)を有しており、検出された走行車速、アクセル開度、クラッチストローク、ギア位置、およびシフトレバー操作の各信号から最適ギア段を選択して変速制御手段(4)に出力して変速制御を行うクラッチペダル(5)を備えた機械式変速機(3)の制御装置(10)において、前記制御装置(10)は、ギア位置検出手段(14)による低速段ギアの検出とクラッチストローク検出手段(13)によるクラッチ断の検出とによって発進待機状態にあることを判断し、この場合さらに車速検出手段(11)によって車速を検出しその検出車速が所定車速以上であれば変速制御手段(4)に出力してギアをニュートラルとし、そしてアクセル開度検出手段(12)の検出開度が所定開度以上であるか、またはシフトレバー操作検出手段(15)が操作要求を検出したかの何れかの場合に、前記最適ギア段マップ(10a)を参照して最適ギア段を選択し変速制御手段(4)に出力して変速制御を行う機能を有することを特徴とする機械式変速機の制御装置。
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