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JP3931459B2 - バンドおよびリスト装置 - Google Patents

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JP3931459B2 JP37144598A JP37144598A JP3931459B2 JP 3931459 B2 JP3931459 B2 JP 3931459B2 JP 37144598 A JP37144598 A JP 37144598A JP 37144598 A JP37144598 A JP 37144598A JP 3931459 B2 JP3931459 B2 JP 3931459B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腕時計、コンパス、水深計などに使用して有用なバンド、および、腕時計、コンパス、水深計などのバンドを備え、手首に装着されるリスト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腕時計バンドとして、近年、多種の材質の部材を組み合わせた複合材によるものが出回っており、例えば、軟質合成樹脂とナイロン等の繊維を組み合わせたもの、軟質合成樹脂と金属を組み合わせたもの等がある。
そして、軟質合成樹脂と金属との組み合わせの場合、金属部品を成形型内にセットしたまま樹脂を充填して成形するメタルインサート成形が一般的である。
また、軟質合成樹脂製のバンド本体に金属部品を両面接着テープ等で固定した時計バンドもある。
なお、最近では、色の異なる軟質合成樹脂を組み合わせた時計バンドもあり、例えば、バンド本体に形成した穴部に下面から飾り駒を圧入したり、また、ループ状の飾り部材にバンド本体を通し、そのループ状の飾り部材の突片部に設けた爪を、バンド本体に形成した溝に挿入した構造のものがある。
【0003】
また、従来、腕時計、コンパス、水深計などのバンドを備え、手首に装着されるリスト装置として、バンドやバンドに取付けられる飾り部材によって、本体ケースの一部を覆うことにより、本体ケースとバンドとの一体感を高めたデザインのものはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、メタルインサート成形の時計バンドの場合、金属部品を金型内に挟み込み固定して成形するため、例えば、アルマイト等、金属部に表面処理を施した金属を使用すると、その表面処理層にクラックが入る等の不具合があった。
また、軟質合成樹脂製のバンド本体に金属部品を両面接着テープ等で固定した時計バンドの場合、軟質合成樹脂として主に用いられるウレタンは接着され難く、その上、時計バンドがひねられた際には、金属部品が簡単に剥がれ落ちてしまう不具合もあった。
そして、色の異なる軟質合成樹脂を組み合わせた時計バンドの場合には、バンド本体の穴部と飾り駒との間に隙間が生じたり、飾り駒が外れる懸念もあり、また、溝から爪が抜けて飾り部材(特に、その突片部)がバンド本体からめくれ上がったりする等、見栄えが悪くなり、一体感が得られないものであった。
【0005】
本発明の課題は、軟質合成樹脂製のバンド本体に金属製や軟質合成樹脂製の飾り部材を組み合わせるバンドにおいて、比較的簡易な構造でバンド本体に飾り部材を確実に組み付けられ、金属製の飾り部材の場合は、メタルインサート成形によらずに確実な組付状態に保持し、また、軟質合成樹脂製の飾り部材の場合には、隙間やめくれ上がりのない二色成形風のような一体感が得られて、見栄えを良くすることである。
また、バンドやバンドに取付けられる飾り部材によって、本体ケースの一部を覆うことにより、リスト装置のデザインを、本体ケースとバンドとの一体感を高めたものにし、見栄えを良くすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、バンド(1)であって、一対の挿入部(例えば挿入孔23)が形成されるとともに、この一対の挿入部間に渡ってバンド裏面側に開口する凹部(24)を有するバンド本体(2)と、このバンド本体に対し前記一対の挿入部にバンド表面側から挿入された一対の挿入片(42)を有する飾り部材(4)と、前記バンド本体の前記バンド裏面側から前記凹部において前記飾り部材の前記一対の挿入片間に掛け渡された棒部材(8)と、前記凹部(24)内に収納され、前記棒部材(8)の周囲のうち、少なくとも一部を覆う覆い部材(9)とを備えた構成を特徴としている。例えば、覆い部材としては、硬質合成樹脂製が挙げられる。
例えば、バンド本体の時計ケースに対する取付部近傍に飾り部材が備えられる。バンド本体としては、例えば、軟質合成樹脂製が挙げられる。飾り部材としては、例えば、金属製が挙げられる。棒部材としては、例えば、バネ棒が挙げられる。一対の挿入部としては、例えば、バンド幅方向に離間するものが挙げられるが、その他でも例えば、バンドの長手方向に離間するものなど、形成される位置は適宜変更可能である。また、一対の挿入部はバンド表裏に貫通する挿通孔でも良いし、貫通しない凹部でも良い。
【0007】
このように、請求項1記載の発明によれば、バンド本体に形成された挿入部に、バンド表面側から、飾り部材の一対の挿入片を挿入する一方、バンド本体の一対の挿入孔間に渡ってバンド裏面側に開口する凹部において一対の挿入片間に棒部材を掛け渡したバンドであり、バンド本体に飾り部材の一対の挿入片を貫通して、その一対の挿入片間にバンド裏面側の凹部で棒部材を掛け渡すだけなので、比較的簡易な構造をもって、バンド本体に飾り部材を確実に組み付けできる。このために、バンド本体と飾り部材とを、メタルインサート成形によらずに確実な組付状態に保持でき、バンドとして見栄えが良くなる。
【0009】
また、請求項記載の発明によれば、棒部材の周囲のうち、少なくとも一部を覆う覆い部材を前記凹部内に収納したバンドなので、バンド裏面側の凹部内の棒部材の少なくとも一部を覆い部材により隠せる。
【0018】
また、請求項記載の発明は、バンド(31,61)であって、バンド表裏方向に貫通する貫通部(323,623)を有するバンド本体(32,62)と、このバンド本体の前記貫通部内に挿入され、一端部が前記バンド本体の一端側で係合し、他端部が前記バンド本体の他端側で係合された飾り部材(34,64)とを備え、前記バンド本体(32)は前記貫通部(323)とは別な位置に補助貫通部(326)を有し、前記飾り部材(34)は他端側に係合部(348)を有し、この係合部は前記補助貫通部と係合している構成を特徴としている。
【0019】
このように、請求項記載の発明によれば、バンド本体のバンド表裏方向の貫通部内に挿入した飾り部材が、一端部でバンド本体の一端側に係合し、他端部でバンド本体の他端側に係合したバンドであり、バンド本体の貫通穴に対し飾り部材を挿入して一端部と他端部で係合するだけなので、比較的簡易な構造をもって、バンド本体に飾り部材を確実に組み付けできる。こうして、バンド本体に飾り部材を備えながら、例えば、隙間やめくれ上がりのない二色成形風のような一体感が得られて、バンドとして見栄えが良くなる。
【0021】
また、請求項記載の発明によれば、バンド本体は、貫通部とは別な位置の補助貫通部において飾り部材の他端側の係合部を係合しているので、飾り部材の隙間発生またはめくれ上がりを確実に防止できる。
【0022】
請求項記載の発明は、バンド(31,61)であって、バンド表裏方向に貫通する貫通部(323,623)を有するバンド本体(32,62)と、このバンド本体の前記貫通部内に挿入され、一端部が前記バンド本体の一端側で係合し、他端部が前記バンド本体の他端側で係合された飾り部材(34,64)とを備え、前記飾り部材(64)は他端側に係合部(644)を有し、前記貫通部(623)のバンド裏面側には係合凹部又は係合凸部(例えば係合凹部624)が形成され、前記係合部は前記係合凹部又は係合凸部に係合された構成、を特徴としている。
【0023】
このように、請求項記載の発明によれば、バンド本体は、貫通部のバンド裏面側に形成された係合凹部又は係合凸部に、飾り部材の他端側の係合部を係合しているので、バンド本体の貫通部のバンド裏面側の係合凹部又は係合凸部において、貫通部にバンド表面側から挿入した飾り部材の係合部を係合して、飾り部材の隙間発生やめくれ上がりを確実に防止できる。
【0024】
請求項記載の発明は、リスト装置(例えば腕時計200)であって、本体ケース(201)と、この本体ケースに取付けられるとともに覆い部(例えば、飾り部材230に形成された覆い部310、およびバンド本体210,220に形成された覆い部281,281)が形成されたバンド(260,270:例えばバンドはバンド本体210,220に飾り部材230,230が取付けられたものである)と、を備え、前記本体ケースの一部が前記覆い部によって覆われていること、を特徴としている。
【0025】
リスト装置としては、腕時計、コンパス、水深計などのバンドを備え、手首に装着して用いる装置をすべて含むものとする。
本体ケースの裏側には、裏蓋が取付けられていることがあるが、覆い部と本体ケースの間に裏蓋が介在した状態で、覆い部が本体ケースを覆うこととしても良い。
【0026】
請求項記載の発明によれば、本体ケースの一部が、バンドに形成された覆い部によって覆われているので、バンドの本体ケースに対する取り付け部分に生じる間隙を覆い部によって覆い隠すことができる。従って、本体ケースとバンドとの繋ぎ目を意識させず、本体ケースとバンドとの一体性が高いデザインのリスト装置とすることができ、リスト装置の一体感を得ることができる。
【0027】
請求項記載の発明は、リスト装置(例えば腕時計200)であって、本体ケース(201)と、この本体ケースに取付けられたバンド本体(210,220)と、このバンド本体に取付けられるとともに覆い部(310,310)が形成された飾り部材(230,230)と、を備えたバンドと、を備え、前記本体ケースの一部が前記覆い部によって覆われていること、を特徴としている。
【0028】
請求項記載の発明では請求項4記載の発明と同様に、リスト装置としては、腕時計、コンパス、水深計などのバンドを備え、手首に装着して用いる装置をすべて含むものとする。また同様に、本体ケースの裏側には、裏蓋が取付けられていることがあるが、覆い部と本体ケースの間に裏蓋が介在した状態で、覆い部が本体ケースを覆うこととしても良い。飾り部材とは、例えば、バンド本体の胴回りに外挿されることでバンド本体の周囲に取付けられる可撓性の材質により形成されたものや、バンド本体の片面あるいは両面に対して、接着・溶着等により固定されたものであっても良い。
【0029】
請求項記載の発明によれば、バンド本体には飾り部材が取り付けられているため、飾り部材によりバンド本体を装飾することができるとともに、この飾り部材に形成された覆い部が本体ケースの一部を覆っているので、バンド本体の本体ケースに対する取り付け部分に生じる間隙を覆い部によって覆い隠すことができる。従って、本体ケースとバンド本体との繋ぎ目を意識させず、本体ケースとバンド本体との一体性が高いデザインのリスト装置とすることができる。よって、リスト装置の一体感を得ることができる。
【0030】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明であって、前記飾り部材(230)は、前記バンド本体(210,220)に対してほぼ面一となっていること、を特徴としている。
【0031】
飾り部材をバンド本体に対してほぼ面一とするためには、飾り部材がバンド本体の胴回りに外挿されることでバンド本体の周囲に取付けられる可撓性の材質により形成されたものの場合には、バンド本体のうち、飾り部材が取り付けられる取付部を、飾り部材の厚み分だけ、他の部分より薄く(細く)形成することが挙げられる。
また、飾り部材がバンド本体の片面あるいは両面に対して、接着・溶着等により固定されたものの場合に、飾り部材をバンド本体に対してほぼ面一とするためには、バンド本体のうち飾り部材が取り付けられる取付部を、飾り部材の厚み分だけ他の部分より薄く形成するか、又は取付部を凹部とすることが挙げられる。
【0032】
請求項記載の発明によれば、前記飾り部材は、前記バンド本体に対してほぼ面一となっているので、飾り部材のバンド本体に対する一体感を増すことができる。また、飾り部材がバンド本体にフィットした構造とすることができ、飾り部材のバンド本体からのめくれあがりを防止できる。
【0033】
請求項記載の発明は、請求項又は記載のリスト装置であって、前記バンド本体(210,220)に形成された凸部(290,290)を、前記飾り部材(230,230)に形成された凹部又は孔部(例えば取付孔部300,300)に嵌入することで、前記飾り部材が前記バンド本体に対して位置決めされていること、を特徴としている。
【0034】
請求項記載の発明によれば、バンド本体に形成された凸部を飾り部材に形成された凹部又は孔部に嵌入することで、飾り部材がバンド本体に対して位置決めされているので、飾り部材のバンド本体に対するズレやガタツキを好適に防止することができる。
【0035】
請求項記載の発明は、請求項記載のリスト装置であって、前記バンド本体(210,220)に前記飾り部材(230,230)を取り付けた状態での、前記バンド本体の前記凸部(290,290)に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一に設定したこと、を特徴としている。
【0036】
バンド本体に対して外挿することでバンド本体に取付けられる飾り部材の場合、飾り部材を取り付けやすいように、飾り部材はバンド本体に比べて、より柔軟に撓ませることができる材質からなっている可能性がある。この場合に、請求項記載の要領で、飾り部材をバンド本体に取付け、さらにこのとき飾り部材がバンド本体に対してほぼ面一となるようにしても、凸部に対応する部分は、飾り部材よりも堅い材質のバンド本体の肉厚が厚いため、他の部分に比べて撓みにくくなる。従って、バンド(バンド本体に飾り部材を取り付けたもの)によりリスト装置を手首に装着したときの装着感に違和感が生じる可能性がある。バンドによるリスト装置の、より快適な装着感を得るためには、凸部に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一する必要がある。凸部に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一するためには、例えば、バンド本体の凸部の裏側に凹部を設けて、凸部に対応する部分のバンド本体の肉厚を薄く設定することが挙げられる。
【0037】
請求項記載の発明によれば、バンド本体に飾り部材を取り付けた状態での、バンド本体の凸部に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一に設定したので、違和感なくバンドによりリスト装置を手首に装着することができ、バンドによるリスト装置の装着感を快適なものにすることができる。
【0038】
請求項記載の発明は、請求項5、6、7又は記載のリスト装置であって、前記バンド本体(210,220)と前記飾り部材(230,230)との色が異なること、を特徴としている。
【0039】
請求項記載の発明によれば、バンド本体と、飾り部材との色が異なるので、バンド本体と飾り部材とが2色成型されたようなデザインとすることができる。
【0040】
請求項1記載の発明は、請求項からのいずれかに記載のリスト装置であって、前記覆い部(310,310)が、該覆い部の周囲の部分と、ほぼ面一となっていること、を特徴としている。
【0041】
請求項1記載の発明によれば、覆い部が、覆い部の周囲の部分とほぼ面一となっているので、覆い部と、覆い部の周囲の部分との境界を意識させないデザインとすることができる。従って、バンド又はバンド本体と本体ケースとの一体性を、より高めることができ、リスト装置の、より高い一体感を得ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るバンドの実施の各形態例を図1から図26に基づいて説明する。
【0043】
<第1の実施の形態例>
先ず、図1は本発明を適用した一例としての時計バンドの半体を示す平面図で、図2はその半体と組み合わされる他の半体を示した平面図である。
即ち、図1に示す時計バンドの半体1Aは、軟質合成樹脂製のバンド本体2がナイロン等の繊維3を囲んで一体成形してなるものであり、バンド本体2の図示しない時計ケースに対する取付ボス2aを備える幅広の取付部2bの表面に金属製で板状の飾り部材4が組み付けられている。
そして、バンド本体2の取付部2bと反対側の端部には、留め具5aを有するバックル5が取り付けられて、バンド本体2の中間bにはループ6が装着されている。
【0044】
また、図2に示す時計バンドの半体1Bは、図1の半体1Aと組み合わせて使用されるもので、同様に、軟質合成樹脂製のバンド本体2が繊維3を囲んで一体成形してなり、バンド本体2の取付ボス2aを備える幅広の取付部2bの表面に金属製で板状の飾り部材4が組み付けられている。
なお、バンド本体2により囲まれた繊維3には、多数の止め穴7,7,7,…が形成されている。
【0045】
次に、バンド本体2に対する金属製で板状の飾り部材4の組付方について説明するが、以下では、前述した半体1A及び半体1Bの何れも時計バンド1とする。
図3は本発明を適用した第1の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図であり、図4はその構造部の部品を分解して示した斜視図である。また、図5は棒部材(バネ棒)の内部構造を示した中央断面図である。
これらの図3から図5において、前述と同様に、1は時計バンド、2は軟質合成樹脂製のバンド本体、2bは時計ケース側への取付部、4は金属製で板状の飾り部材であって、21は表面側凹部、22は周縁挿入溝、23は一対の挿入孔、24は裏面側凹部、25は隔壁部、41は周縁部、42は一対の挿入片、43は小穴、8は棒部材、8aは突部、8bは円筒部、8cは圧縮コイルバネ、9は覆い部材、9aは貫通部である。
【0046】
即ち、この実施の形態例では、軟質合成樹脂製のバンド本体2の時計ケース側への取付部2bの近傍において、図示のように、横長の略方形をなす表面側凹部21と、この表面側凹部21の周囲の周縁挿入溝22と、この周縁挿入溝22のバンド幅方向に離間してバンド表裏方向に貫通する一対の挿入孔(挿入部)23,23と、横に細長い裏面側凹部24とを形成している。なお、表面側凹部21と裏面側凹部24との間には隔壁部25が存在している。
そして、金属製で板状の飾り部材4は、バンド本体2の表面側凹部21に丁度納まるよう横長の略方形をなすもので、その全周の下方に折り曲げた周縁部41と、この周縁部41の左右から下方に突出する一対の挿入片42,42とを有している。なお、挿入片42には、小穴43が形成されている。
【0047】
さらに、突部8a,8aを円筒部8bの両端部に組み付けて、円筒部8b内に両端部の突部8a,8aを常時突出方向に付勢する圧縮コイルバネ8cを内蔵したバネ棒による棒部材8が用意されるとともに、この棒部材8を挿入する貫通部9aを有する角柱状の覆い部材9が用意される。
ここで、バネ棒による棒部材8は、飾り部材4の一対の挿入片42,42の両小穴43,43に突部8a,8aがそれぞれ挿入されるものである。
また、覆い部材9は、硬質合成樹脂製のもので、バンド本体2の横に細長い裏面側凹部24に丁度納まる角柱状をなしている。
【0048】
以上の部品は、図4に矢印を付して示したように、バンド本体2に対し飾り部材4を表面側から、周縁挿入溝22に周縁部41を挿入するとともに、挿入孔23,23に挿入片42,42をそれぞれ挿入して、表面側凹部21に飾り部材4の板面部を重ねる。
そして、同じく図4に矢印を付して示したように、角柱状の覆い部材9の貫通部9aに挿入したバネ棒による棒部材8の両端部の突部8a,8aを、バンド本体2に対し裏面側凹部24において、飾り部材4の挿入片42,42の小穴43,43にそれぞれ挿入する。この時、バンド本体2の横に細長い裏面側凹部24に角柱状の覆い部材9が丁度納まる。
【0049】
以上の通り、軟質合成樹脂製のバンド本体2に対し金属製の飾り部材4を、従来のようなメタルインサート成形によることなく、バネ棒による棒部材8で組み付けたことにより、金属製の飾り部材4をその表面処理への影響なくバンド本体2に確実に組み込める。
従って、金属製の飾り部材4として、デザイン上の自由度を高められる。
また、棒部材(バネ棒)8を角柱状の覆い部材9で覆って、この角柱状の覆い部材9をバンド本体2の裏面側凹部24に収納したことにより、バンド裏面側から棒部材8が見え難く、例えば、棒部材(バネ棒)8が腐食したとしても、外観上、目立たないものとなっている。
【0050】
<変形例>
図6は棒部材8及び覆い部材9の変形例を示した斜視図であり、この変形例では、図示のように、硬質合成樹脂製の覆い部材9をその中心に金属製のバネ棒による棒部材8を埋設した一体成形(メタルインサート成形)により角柱状に形成したものである。
このように、金属製の棒部材(バネ棒)8を硬質合成樹脂製の覆い部材9にインサート成形したものを用いても良い。
【0051】
なお、上記の第1の実施の形態例、およびその変形例では、一対の挿入部としてバンドを表裏に貫通する一対の挿入孔23,23を例示したが、一対の挿入部はバンドに形成された一対の凹部であってもよい。また、一対の挿入部(挿入孔23,23)がバンドの幅方向に離間して形成されたこととしたが、例えば、一対の挿入部がバンドの長手方向に離間して形成されるなど、一対の挿入部の互いの位置関係は適宜変更可能である。
【0052】
<第2の実施の形態例>
図7は本発明を適用した第2の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図であり、図8はその構造部の部品を分解して示した斜視図である。
これらの図7及び図8において、前述した第1の実施の形態例と同様に、1は時計バンド、2は軟質合成樹脂製のバンド本体、2bは時計ケース側への取付部、21は表面側凹部、22は周縁挿入溝、23は一対の挿入孔、24は裏面側凹部、25は隔壁部、4は金属製で板状の飾り部材、41は周縁部、42は一対の挿入片、43は小穴、8は棒部材、8aは突部であって、10は覆い部材、10aは端部屈曲片、10bは係合部(切欠リング状部)である。
【0053】
この第2の実施の形態例は、主に覆い部材10の構成について、第1の実施の形態例と相違するものであるため、以下では、相違点に絞って説明する。
即ち、覆い部材10は、図示のように、横に細長い板状のもので、その両端部の端部屈曲片10a,10aと、中間部の係合部である側面視C形状をなす左右一対の切欠リング状部10b,10bと、を一体形成してなる軟質合成樹脂製のものである。
なお、この細長い板状の覆い部材10の両端部の端部屈曲片10a,10a間の長さは、バネ棒による棒部材8の両端部の突部8a,8aを含む長さよりも長く設定されている。
また、バンド本体2の裏面側凹部24については、図示のように、第1の実施の形態例(図3参照)よりも横に長いものとなっている。
【0054】
以上のような覆い部材10を用いる場合は、先ず、バネ棒による棒部材8の両端部の突部8a,8aを、バンド本体2の裏面側凹部24において、飾り部材4の挿入片42,42の小穴43,43にそれぞれ挿入する。
その後、バンド本体2の裏面側凹部24において、図8に矢印を付して示したように、細長い板状の覆い部材10の左右一対の切欠リング状部10b,10bを、バネ棒による棒部材8の周囲にそれぞれ填め付ける。
これにより、裏面側凹部24に細長い板状の覆い部材10が両端部の端部屈曲片10a,10aごと丁度納まる。
【0055】
<第3の実施の形態例>
図9は本発明を適用した第3の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図であり、図10はその構造部の部品を分解して示した斜視図である。
これらの図9及び図10において、前述した第1の実施の形態例と同様に、1は時計バンド、2は軟質合成樹脂製のバンド本体、2bは時計ケース側への取付部、21は表面側凹部、22は周縁挿入溝、23は一対の挿入孔、24は裏面側凹部、25は隔壁部、4は金属製で板状の飾り部材、41は周縁部、42は一対の挿入片、43は小穴、8は棒部材、8aは突部であって、11は覆い部材、11aはスリットである。
【0056】
この第2の実施の形態例は、主に覆い部材11の構成について、第1の実施の形態例と相違するものであるため、以下では、相違点に絞って説明する。
即ち、覆い部材11は、図示のように、横に細長い円筒状のもので、その長さ方向に沿ってスリット10aが形成された軟質合成樹脂製のものである。
【0057】
このような覆い部材11を用いる場合は、前述した第2の実施の形態例と同様に、先ず、バネ棒による棒部材8の両端部の突部8a,8aを、バンド本体2の裏面側凹部24において、飾り部材4の挿入片42,42の小穴43,43にそれぞれ挿入する。
その後、バンド本体2の裏面側凹部24において、図10に矢印を付して示したように、細長い円筒状の覆い部材11をそのスリット10aの部分で押して開くことにより、バネ棒による棒部材8の周囲に填め付ける。
これにより、裏面側凹部24に細長い円筒状の覆い部材11が丁度納まる。
【0058】
<第4の実施の形態例>
図11は本発明を適用した第4の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図であり、図12はその構造部の部品を分解して示した斜視図である。
これらの図11及び図12において、前述した第1の実施の形態例と同様に、1は時計バンド、2は軟質合成樹脂製のバンド本体、2bは時計ケース側への取付部、21は表面側凹部、22は周縁挿入溝、4は金属製で板状の飾り部材、41は周縁部であって、12は両面接着テープ、13は保持部材、13aはフランジ部、26は貫通部、27は裏面側凹部である。
【0059】
この第4の実施の形態例では、図示のように、バンド本体2(取付部2b)に、表面側凹部21及びその周縁挿入溝22に加えて、その表面側凹部21においてバンド表裏方向に貫通する方形の貫通部26と、バンド裏面側において貫通部26を囲む方形の裏面側凹部27とを形成している。
なお、第1から第3の実施の形態例のような挿入孔23、横に細長い裏面側凹部24及び隔壁部25は設けていない。また、棒部材8及び覆い部材9,10,11も使用しない。
また、飾り部材4は、周縁部41に挿入片42を有していない。
【0060】
そして、バンド本体2の表面側凹部21の底面に対応する大きさの両面接着テープ12と、バンド本体2の貫通部26に対応する大きさでブロック状をなす保持部材13とが用意される。
この保持部材13は、硬質合成樹脂製のもので、貫通部26に対応するブロック状部の下部周囲に、方形の裏面側凹部27に対応する形状のフランジ部13aを有している。
【0061】
以上のような部品は、先ず、飾り部材4の板面部下面に両面接着テープ12を貼り付けておいてから、図12に矢印を付して示したように、バンド本体2に対し飾り部材4を表面側から、周縁挿入溝22に周縁部41を挿入して、表面側凹部21に飾り部材4の板面部を重ねる。この時、貫通部26の周囲において、両面接着テープ12の周縁部が表面側凹部21の底面に貼り付く。
そして、ブロック状の保持部材13を、同じく図12に矢印を付して示したように、バンド本体2の裏面側から、その貫通部26にブロック状部を填め込むと同時に、裏面側凹部27にフランジ部13aを填め込む。この時、保持部材13のブロック状部の上面が両面接着テープ12に貼り付く。
【0062】
以上の通り、軟質合成樹脂製のバンド本体2に対し金属製の飾り部材4を、両面接着テープ12を介し硬質合成樹脂製の保持部材13と接着して組み付けたことにより、金属製の飾り部材4との間に安定した接着力を確保できる。
また、互いに接着される飾り部材4と保持部材13とが、金属と硬質合成樹脂による剛体同士であり、バンド本体2の折り曲げやひねり等の力に対しても変形が少なくて有利である。
【0063】
<変形例>
図13は図11の構造部の変形例(1)を示した断面図であり、この変形例では、図示のように、硬質合成樹脂製の保持部材13を裏面側部材14と表面側部材15との上下二分割体により構成したものである。
即ち、裏面側部材14は、貫通部26の略下半部に対応する形状部の下部周囲に、方形の裏面側凹部27に対応する形状のフランジ部14aを有している。
また、表面側部材15は、貫通部26の略上半部に対応する形状部の周囲に、表面側凹部21における周縁挿入溝22と貫通部26との間に形成した内方挿入溝28に対応する下方に突出した形状の周縁部15aを有している。
【0064】
以上の部品において、先ず、飾り部材4の板面部下面に両面接着テープ12を介して保持部材13の表面側部材15を貼り付けておく。
そして、この表面側部材15が下部に一体に備えられた飾り部材4をバンド本体2に対し表面側から、貫通部26に表面側部材15を填め込むと同時に、その周縁部15aを内方挿入溝28に、さらに、その外側の周縁挿入溝22に飾り部材4の周縁部41をそれぞれ挿入する。
また、バンド本体2の裏面側から、その貫通部26に保持部材13の裏面側部材14を填め込むと同時に、そのフランジ部14aを裏面側凹部27に填め込む。
その後、保持部材13をなす裏面側部材14及び表面側部材15の互いの密着面を超音波溶着により接合して固定する。
【0065】
こうすれば、硬質合成樹脂製の保持部材13を構成する分割体による裏面側部材14と表面側部材15とで、貫通部26の周囲において、バンド本体2を挟み込むことができ、バンド本体2の折り曲げやひねり等の力が金属製の飾り部材4に伝わり難くなるため、飾り部材4のより安定した固定力を保持できる。
【0066】
図14は図11の構造部の変形例(1)を示した断面図であり、この変形例では、図示のように、貫通穴26において、ともに硬質合成樹脂製の飾り部材104と保持部材114とを溶着により一体化したものである。
即ち、飾り部材104は、表面側凹部21に対応する形状部の下面に、貫通部26の略上半部に対応する形状部を一体に有するとともに、このような貫通部26の略上半部に対応する形状部の外周に離間して、表面側凹部21における挿入溝29に対応する下方に突出した形状の挿入部141を有している。
また、保持部材114は、貫通部26の略下半部に対応する形状部の下部周囲に、裏面側凹部27に対応する形状のフランジ部114aを有している。
【0067】
以上の部品において、バンド本体2に対し表面側から、飾り部材104を貫通部26に填め込むと同時に、その挿入部141を挿入溝29に挿入する。
また、バンド本体2の裏面側から、その貫通部26に保持部材114を填め込むと同時に、そのフランジ部114aを裏面側凹部27に填め込む。
その後、飾り部材104と保持部材114の互いの密着面を超音波溶着により接合して固定する。
【0068】
こうすれば、ともに硬質合成樹脂製の飾り部材104と保持部材114とで、貫通部26の周囲において、バンド本体2を挟み込むことができ、飾り部材104と保持部材114とを一体化して、飾り部材104の安定した固定力を保持でき、バンド本体2の折り曲げやひねり等の力に対し強くできる。
【0069】
<第5の実施の形態例>
図15は本発明を適用した第5の実施の形態例を示すもので、時計バンドの半体の時計ケースに対する取付部を拡大して示した平面図であり、図16はその部分の中央縦断側面図である。そして、図17はバンド本体と飾り部材とを分解して組付方を示した斜視図である。
これらの図15から図17において、31は時計バンド、32は軟質合成樹脂製のバンド本体、32aは時計ケースに対する取付ボス、32bは時計ケース側への取付部、32cは取付ボス32aのねじ棒通し穴、321は首部、322は凹段面、323は貫通部、324は裏面側凹部、325は表面側連続部、326は補助貫通部、327は表面側凹部、328は係合片、34は軟質合成樹脂製の飾り部材、341はループ状部、342は表面部、343は挿入部、344は裏面側薄肉部、345は表面側凹部、346は延長部(先端挿入部)、347は表面側フランジ部、348は係合溝である。
【0070】
この実施の形態例では、図示のように、時計バンド31を構成する軟質合成樹脂製のバンド本体32は、図示しない時計ケース側への幅広の取付部32bにおいて、ねじ棒通し穴32cを有する端部の取付ボス32aの近傍を幅が細くて肉厚が薄くなった首部321と、この首部321から表面に連続する凹段面322と、この凹段面322に連続してバンド表裏方向に貫通する貫通部323とを形成している。
バンド本体32には、さらに、貫通部323に連続する裏面側凹部324と、この裏面側凹部324の存在による表面側連続部325と、裏面側凹部324に連続してバンド表裏方向に貫通する補助貫通部326とを形成している。この補助貫通部326は、表面側凹部327の内方に開口しており、この表面側凹部327において、表面側連続部325と対向する部分が係合片328となっている。
【0071】
そして、軟質合成樹脂製の飾り部材34が用意され、この軟質合成樹脂製の飾り部材34は、バンド本体32の首部321が挿入されるループ状部341と、このループ状部341から連続する表面部342と、この表面部342から裏面側に連続する挿入部343とを形成している。この挿入部343は、バンド本体32の貫通部323に対応する形状のものである。
さらに、飾り部材34には、挿入部343に連続する裏面側薄肉部344と、この裏面側薄肉部344の存在による表面側凹部345と、裏面側薄肉部344から表面側に連続する延長部である先端挿入部346とを形成している。この先端挿入部346は、バンド本体32の表面側凹部327に対応する表面側フランジ部347と、バンド本体32の係合片328に対応する係合溝348とを有している。
【0072】
以上の部品は、バンド本体32の首部321を飾り部材34のループ状部341に挿入してから、図17に矢印を付して示したように、飾り部材34の先端挿入部346を、バンド本体32に対し表面側から貫通部323に挿入した後、裏面側から補助貫通部326に挿入する。
そして、この補助貫通部326において、その係合片328に係合溝348を填め合わせる。
以上により、軟質合成樹脂製のバンド本体32に対する軟質合成樹脂製の飾り部材34の組み付けが完了する。この組付完了状態で、図示のように、貫通部323に挿入部343が丁度納まるとともに、補助貫通部326上の表面側凹部327に表面側フランジ部347が丁度納まっている。
【0073】
以上の通り、軟質合成樹脂製のバンド本体32に対し軟質合成樹脂製の飾り部材34を圧入方式をもって組み付けたことにより、バンド本体32と飾り部材34を異なる材料調色として、簡易に二色成形風の軟質合成樹脂製時計バンド31が得られる。
また、飾り部材34の挿入部343をバンド本体32に対し表面側から貫通部323に挿入するだけでなく、先端挿入部346を裏面側から挿入する補助貫通部326において、その係合片328に係合溝348を填め合わせたことにより、飾り部材34の隙間発生並びにめくれ上がりの防止が図られる。
【0074】
<第6の実施の形態例>
図18は本発明を適用した第6の実施の形態例を示すもので、時計バンドの半体の時計ケースに対する取付部を拡大して示した平面図であり、図19はその部分の中央縦断側面図である。そして、図20はバンド本体と飾り部材とを分解して組付方を示した斜視図である。
これらの図18から図20において、61は時計バンド、62は軟質合成樹脂製のバンド本体、62aは時計ケースに対する取付ボス、62bは時計ケース側への取付部、62cは取付ボス62aのねじ棒通し穴、621は首部、622は表面側凹部、623は貫通部、624は裏面側係合凹部、64は軟質合成樹脂製の飾り部材、641はループ状部、642は表面側突出部、643は挿入部、644は係合片である。
【0075】
この実施の形態例では、図示のように、時計バンド61を構成する軟質合成樹脂製のバンド本体62は、図示しない時計ケース側への幅広の取付部62bにおいて、ねじ棒通し穴62cを有する端部の取付ボス62aの近傍を幅が細くて肉厚が薄くなった首部621と、この首部621から連続する中央の表面側凹部622と、この表面側凹部622に連続してバンド表裏方向に貫通する貫通部623とを形成している。
バンド本体62には、さらに、貫通部62に連続して裏面側係合凹部624を形成している。
【0076】
そして、軟質合成樹脂製の飾り部材64は、バンド本体62の首部621が挿入されるループ状部641と、このループ状部641から連続する中央の表面側突出部642と、この表面側突出部642から裏面側に連続する挿入部643とを形成している。
なお、表面側突出部642は、バンド本体62の表面側凹部622と対応する形状のものである。また、挿入部643は、バンド本体62の貫通部623に対応する形状のものである。
さらに、飾り部材64は、その挿入部642の先端に、バンド本体62の裏面側係合凹部624に対応する係合片644を有している。
【0077】
以上の部品は、バンド本体62の首部621を飾り部材64のループ状部641に挿入してから、図20に矢印を付して示したように、飾り部材64の挿入部643を、バンド本体62に対し表面側から貫通部623に挿入すると同時に、その裏面側係合凹部624に挿入部643先端の係合片644を填め合わせる。以上により、軟質合成樹脂製のバンド本体62に対する軟質合成樹脂製の飾り部材64の組み付けが完了する。この組付完了状態で、図示のように、貫通部623に挿入部643が丁度納まるとともに、貫通部623上の表面側凹部622に表面側突出部642が丁度納まっている。
【0078】
以上の通り、軟質合成樹脂製のバンド本体62に対し軟質合成樹脂製の飾り部材64を圧入方式をもって組み付けたことにより、前述した第5の実施の形態例と同様に、バンド本体62と飾り部材64を異なる材料調色として、簡易に二色成形風の軟質合成樹脂製時計バンド61が得られる。
また、飾り部材64の挿入部643をバンド本体62に対し表面側から貫通部623に挿入して、その裏面側係合凹部624に挿入部643先端の係合片644を填め合わせたことにより、前述した第5の実施の形態例と同様に、飾り部材64の隙間発生並びにめくれ上がりの防止が図られる。
【0079】
ところで、以上の第5及び第6の実施の形態例では、バンド本体32,62と飾り部材34,64を異なる材料調色として、簡易に二色成形風の軟質合成樹脂製時計バンド31,61を得るものとしたが、バンド本体と飾り部材の材料硬度を変えても良い。
このように、バンド本体と飾り部材の材料硬度を変えることにより、軟質合成樹脂製の時計バンドとして、腕への装着感向上、補強強度アップが得られる。
【0080】
なお、以上の実施の各形態例においては、繊維を囲んで一体成形した軟質合成樹脂製のバンド本体としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、単なる軟質合成樹脂製のバンド本体であっても良い。
また、各部品のデザイン等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0081】
【発明の実施の形態】
<第7の実施の形態例>
以下に、本発明に係る第7の実施の形態例を図21から図26に基づいて説明する。
図21は本発明を適用した一例としての腕時計を示す正面図、図22は図21の矢印B−B線に沿った断面図、図23は本体ケースに取付けられるバンド本体を示す図であり、このうち(A)は平面図、(B)は裏側の平面図、(C)は(A)の矢印c方向から見た図、(D)は(A)の矢印D−D線に沿って拡大した断面図、(E)は(A)の要部拡大図である。図24は飾り部材を示す図であり、このうち(A)は平面図、(B)は(A)の矢印G−G線に沿った断面図、(C)は(A)を斜め下側から見上げた斜視図、(D)は裏側の平面図(一部省略)、(E)は(B)の矢印H方向から見た図、(F)は(B)の矢印I方向から見た図である。図25は本体ケースに取付けられる他のバンド本体を示す図であり、このうち(A)は平面図、(B)は裏側の平面図、(C)は(A)の矢印E方向から見た拡大図、(D)は(A)の矢印F−F線に沿って拡大した断面図である。図26はバンド本体への飾り部材の取付けを示す斜視図である。
【0082】
先ず、図21および図22に基づいて、腕時計200の概略構成について説明する。図21および図22に示されるように、腕時計200の本体ケース201の上部には開口部205が形成されており、この開口部205には時計ガラス206が固定されている。時計ガラス206および開口部205を介して腕時計200の正面から視認可能な位置に、時刻等の情報を表示する表示部250が設けられている。本体ケース201の上面には、本体ケース201を正面側からの衝撃から保護するベゼル204が取付けられている。また、本体ケース201の裏側には、Oリング242を介して裏蓋207が取付けられ、本体ケース201の内部に収納された内部機器類(図示省略)が保護されている。
【0083】
これら内部機器類には、表示部250に表示される情報を表示する液晶表示装置、液晶表示装置に表示される情報の情報処理等を行う回路基板、液晶表示装置のバックライトとして機能する発光パネル、これらおよび他の内部機器類に電力を供給する電池等が含まれる。
【0084】
本体ケース201の上面には、発光パネルの発光等の各種操作を行うための押しボタン203,203が設けられている。これら、押しボタン203,203は、スイッチ部材202,202を介して本体ケース201に対して取付けられている。図22に示されるように、これら押しボタン203,203の裏面側にはそれぞれスイッチ部材202,202の一端が埋設されており、これらスイッチ部材202,202の他端側は、本体ケース201を貫通して本体ケース201の内周側に臨んだ状態となっている。押しボタン203,203を押圧操作すると、スイッチ部材202,202の周囲に配設されたコイルスプリング等(図示省略)の弾性力に抗して押しボタン203,203が沈み込み、スイッチ部材202,202の他端側が本体ケース201の内部に設けられた図示しないスイッチ機構に作用して、所定の電気的信号が発生するようになっている。逆に、押しボタン203,203への押圧力を解除すると、コイルスプリングの弾性力により押しボタン203,203が元の位置に復帰する。
さらに、本体ケース201の側部は、押圧操作により時刻の設定等の各種操作を行うための押しボタン251,251,…が、押しボタン203,203と同様の機構により設けられている。
【0085】
本体ケース201の一端にはバンド取付部208が形成されており、このバンド取付部208には、本発明に係るバンド260が取付けられている。
また、本体ケース201の他端にはバンド取付部209が形成されており、このバンド取付部209には、本発明に係るバンド270が取付けられている。
ここで、バンド260は、バンド本体210に本発明に係る飾り部材230を取り付けたものであり、バンド270はバンド本体220に飾り部材230を取り付けたものである。
腕時計200は、以上のように概略構成されている。
【0086】
本実施の形態例は、バンド260,270(バンド本体210,220、又は、バンド本体210,220および飾り部材230,230)により、本体ケース201の一部を覆うことにより、本体ケース201とバンド260,270との一体感を高め、腕時計200のデザインを一体性のあるものにすることを主な目的とするものである。
【0087】
以下に、本発明に係る主要な構成要素の詳細な構造について説明する。
先ず、本体ケース201のバンド取付部208の上部には、突出部201aが形成されている。この突出部201aは、バンド260を本体ケース210に取り付けた状態では、バンド本体210の後述する取付ボス211と、飾り部材230の後述する覆い部310とにより挟持されるとともに、腕時計200の正面側からの外観では、覆い部310により覆われた状態となる部分である。
一方、本体ケース201のバンド取付部209の上部には、突出部201aと同様の突出部201bが形成されている。
【0088】
次ぎに、バンド本体210は、例えば、軟質合成樹脂等の可撓性の材質からなっており、図23に示されるように、バンド本体210の一端側にはバンド本体210を本体ケース201に取付けるための取付ボス211が形成されている。取付ボス211には、取付ボス211を側方から貫通する取付孔212が形成されている。この取付孔212に、バネ棒213(図22参照)を挿通して、本体ケース201にバンド本体210を取付けることができるようになっている。
また、取付ボス211の下側には、本体ケース201側に突出する覆い部281が形成されている。バンド本体210を本体ケース201に取り付けた状態では、この覆い部281が本体ケース201の裏側に取付けられた裏蓋207の一部を介して、本体ケース201の一部を下側から覆うようになっている。
【0089】
さらに、バンド本体210には、取付ボス211に隣接して、バンド本体210に飾り部材230を取付けるための取付部214が形成されている。
この取付部214は、後に詳述する飾り部材230の肉厚の分だけバンド本体210の他の部分よりも薄く、かつ、細く設定されている。これは、取付部214に飾り部材230を外挿したときに、飾り部材230がバンド本体210,220に対してほぼ面一となるようにするためである。
この取付部214の表側には、飾り部材230をバンド本体210に対して位置決めするための凸部290が形成されている。一方、この凸部290に対応する取付部214の裏側には、凹部295が形成されており、凸部290が形成された部分の取付部214の厚みが他の部分と比べて厚くならないように設定されている。
【0090】
また、バンド本体210の取付部214の表面側の、バンド本体210の長手方向における両端には、それぞれ段付部215,216,216が形成されている。取付部214の裏面側の、前記長手方向における両端には、それぞれ段付部217,218が形成されている。また、取付部214の側部には、段付部215および段付部217を連続的にする段付部219,219が形成されている。
これら段付部215,216,216,217,218,219は、バンド本体210に取付けられた飾り部材230をバンド本体210に対して位置決めして、飾り部材230のバンド本体210の長手方向におけるズレやガタツキを防止するためのものである。
【0091】
バンド本体210の長手方向に沿っては、バンド本体210を表裏に貫通する止め穴400,400,…がそれぞれ位置を違えて形成されている。これら止め穴400,400,…は、後に詳述するバンド本体220に取付けられた後述するバックル5の止め具5aを挿入するためのものである。
【0092】
図25に示されるように、バンド本体220は、バンド本体210と同様に軟質合成樹脂等の可撓性の材質からなっており、バンド本体220には、バンド本体210と同様に取付ボス211および取付部214が形成されている。これら取付ボス211および取付部214の構成要素はバンド本体210のものと同一であるので、同一の符号を付し、その説明を省略する。
バンド本体220は、その他の部分でバンド本体210と異なっており、バンド本体210の一端側には、例えば図1に示されるような止め具5aを有するバックル5を取付けるための取付部221が形成されている。この取付部221には取付孔222が形成され、この取付孔222に対して、バックル5が取付けられている(取り付けた状態の図示は省略)。
また、バンド本体220には、図1に示されるようなループ6が外挿されている。
【0093】
次ぎに、飾り部材230は、軟質合成樹脂等の可撓性の材質からなっている。また、飾り部材230は、弾性変形させつつ本体ケース210,220に対して外挿して取付けるものであるため、本体ケース210,220よりも容易に柔軟に撓ませることができるものであることが望ましい。さらに、飾り部材230は、バンド本体210,220と、色違いであることが望ましい。
【0094】
図24に示されるように、飾り部材230には本発明に係る覆い部310が形成されている。この覆い部310は、飾り部材230をバンド本体210,220に取り付けた状態で、バンド本体210,220を本体ケース201に対して取り付けたときに、本体ケース201に形成された突出部201a,201bを覆うものである。
【0095】
また、飾り部材230には、飾り部材230をバンド本体210,220の取付部214に外挿して取付けるための取付孔231が形成されている。
飾り部材230の表面側には、バンド本体210,220の取付部214の凸部290が嵌入されることで、飾り部材230をバンド本体210,220に対して位置決めするための取付孔部(孔部)300が形成されている。ここで、凸部290を取付孔部300に嵌入した状態では、飾り部材230の表面側の取付孔部300の周囲の部分と、凸部290の上面が、ほぼ面一となるように設定されている。
【0096】
飾り部材230をバンド本体210,220の取付部214に取り付けたときに、バンド本体210,220の長手方向における端面となる部分のうち、端面235はバンド本体210,220の取付部214の段付部215に当接するようになっている。同様に、端面236,236は段付部216,216と当接し、端面237は段付部217と当接し、端面238は段付部218と当接し、端面239は段付部219と当接するようになっている。ただし、ここで、各端面235,236,236,237,238,239と、段付部215,216,216,217,218,219とが当接すると表現したが、実際は、わずかな間隙(遊び)が生じていてもよい。
【0097】
また、飾り部材230をバンド本体210,220の取付部214に取り付けたときには、飾り部材230がバンド本体210,220に対してほぼ面一となるように、飾り部材230の肉厚が設定されている。よって、取付部214に飾り部材230を外挿したときに、飾り部材230がバンド本体210,220に対してほぼ面一となるようになっている。
このように、飾り部材230は、バンド本体210,220の取付部214に対して、フィットした状態で取付けることができるようになっている。
【0098】
このような飾り部材230の、上記のようなバンド本体210への取付けは、以下のようにして行う。
図26に示されるように、バンド本体210の一端側から同図の矢印の方向に飾り部材230の取付孔231を外挿し、飾り部材230を弾性変形させながらバンド本体210の凸部290を飾り部材230の取付孔部300に嵌入させる。これにより、凸部290と取付孔部300との嵌合によって飾り部材230がバンド本体210に対して位置決めされる。
【0099】
また、この状態では、飾り部材230の端面235はバンド本体210,220の取付部214の段付部215に当接し、端面236,236は段付部216,216に当接し、端面237は段付部217に当接し、端面238は段付部218に当接し、端面239は段付部219と当接する。従って、これら端面235,236,236,237,238,239と、段付部215,216,216,217,218,219との当接によっても、飾り部材230がバンド本体210に対して位置決めされる。
【0100】
さらに、バンド本体210の取付部214が、飾り部材230の肉厚の分だけ薄く、かつ、細く設定されており、しかも、飾り部材230の表面側の取付孔部300の周囲の部分と、バンド本体210の凸部290の上面とが、ほぼ面一となるように設定されているので、飾り部材230がバンド本体210に対してほぼ面一となる。
【0101】
バンド本体220に対する飾り部材230の取付も同様であり、同様に飾り部材230がバンド本体220に対して位置決めされ、同様に飾り部材230がバンド本体220に対してほぼ面一となる。
【0102】
次ぎに、バンド本体210,220(バンド260,270)の本体ケース201に対する取付けについて説明する。
先ず、上記のように飾り部材230が取付けられたバンド本体210の取付ボス211の取付孔212にバネ棒213を挿通し、このバネ棒213を支点としてバンド本体210が回動自在な状態で、バンド本体210(バンド260)を本体ケース201のバンド取付部208に取付ける。
この状態において、本体ケース201の突出部201aは飾り部材230の覆い部310により覆われるとともに、本体ケース201の裏側に取付けられた裏蓋207の端部を介して、本体ケース201の一部がバンド本体の取付ボス211の下側に形成された覆い部281により覆われる。
【0103】
バンド本体220(バンド270)の本体ケース201のバンド取付部209に対する取付けも同様であり、バンド本体220をバンド取付部209に取り付けた状態において本体ケース201の突出部201bが飾り部材230の覆い部310により覆われるとともに、本体ケース201の裏側に取付けられた裏蓋207の端部が、バンド本体の取付ボス211の下側に形成された覆い部281により覆われる。
【0104】
従って、バンド本体210,220(バンド260,270)の本体ケース201に対する取り付け部分に生じる間隙を飾り部材230の覆い部310、および、バンド本体210,220の取付ボス211の下側に形成された覆い部281,281によって覆い隠すことができる。
【0105】
また、バンド本体210,220(バンド260,270)を本体ケース201に対して取り付けた状態においては、図2に示されるように、飾り部材230,230の覆い部310,310、および、バンド本体210,220の覆い部281,281が、これら覆い部310,310,281,281の周囲の部分とほぼ面一となる。
【0106】
以上のような構成の第7の実施の形態例によれば、バンド本体210,220(バンド260,270)の本体ケースに対する取り付け部分に生じる間隙を飾り部材230の覆い部310、および、バンド本体210,220の取付ボス211の下側に形成された覆い部281,281によって覆い隠すことができる。
よって、本体ケース201とバンド260,270との繋ぎ目を意識させず、本体ケース201とバンド260,270との一体性が高いデザインの腕時計200(リスト装置)とすることができ、腕時計200の一体感を得ることができる。
さらに、バンド本体210,220には飾り部材230,230が取り付けられているため、飾り部材230,230によりバンド本体210,220を装飾することができる。
【0107】
また、バンド本体210,220の取付部214が、飾り部材230,230の肉厚の分だけ薄く、かつ、細く設定されており、しかも、飾り部材230,230の表面側の取付孔部300,300の周囲の部分と、バンド本体210,220の凸部290,290の上面が、ほぼ面一となるように設定されていることにより、飾り部材230,230がバンド本体210.220に対してほぼ面一となっている。
よって、飾り部材230,230のバンド本体に対する一体感を増すことができ、腕時計200を、より一体性の高いデザインとすることができるとともに、飾り部材230,230をバンド本体210,220に対してフィットさせることができ、飾り部材230,230のバンド本体210,220に対するめくれを防止することができる。
【0108】
さらに、飾り部材230,230に形成された取付孔部(孔部)300に、バンド本体210,220の取付部214,214に形成された凸部290,290を嵌入させることで、飾り部材230,230がバンド本体210,220に対して位置決めされているので、飾り部材230,230のバンド本体210,220に対するズレやガタツキを好適に防止することができる。
【0109】
加えて、バンド本体210,220の取付部214,214の凸部290に対応する部分の裏側には、凹部295,295が形成されており、凸部290,290が形成された部分の取付部214,214の厚みが他の部分と比べて極端に厚くならないように設定されているので、バンド本体210,220に飾り部材230,230を取り付けた状態での、バンド本体210,220の凸部290,290に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一にできる。
従って、違和感なくバンド260,270により腕時計200を手首に装着することができ、バンド260,270による腕時計200の装着感を快適なものにすることができる。
【0110】
また、バンド本体210,220と飾り部材230,230との色を異なるものとすることによって、バンド本体210,220と飾り部材230,230とが2色成型されたようなデザインとすることができる。
【0111】
さらに、飾り部230,230の覆い部310,310、およびバンド本体210,220の取付ボス211,211の覆い部281,281が、これら各覆い部310,310,281,281の周囲の部分と、ほぼ面一となっているので、覆い部310,310,281,281と、覆い部310,310,281,281の周囲の部分との境界を意識させないデザインとすることができる。従って、バンド本体210,220(バンド260,270)と本体ケース201との一体性を、より高めることができ、腕時計200の、より高い一体感を得ることができる。
【0112】
なお、上記の第7の実施の形態例では、リスト装置として、腕時計を例示して説明したが、リスト装置としては、その他でも、コンパス、水深計などのバンドを備え、手首に装着して用いる装置であればよい。
また、バンド本体210,220に飾り部材230,230を取付ける例を示したが、飾り部材は必ずしも必要ではなく、飾り部材を用いない場合には、バンド本体に覆い部を形成し、この覆い部により本体ケースの一部を覆う構成とすればよい。
さらに、本体ケース201に突出部201a,201bを形成し、これら突出部201a,201bをバンド本体210,220の取付ボス211,211と飾り部材230,230の覆い部310,310との間に介在させることとしたが、これら突出部201a,201bは必ずしも必要なものではない。
また、バンド本体210,220の凸部290を飾り部材230の取付孔部300に嵌入させるタイプとしたが、飾り部材230に凹部を形成して、この凹部に嵌入させても良い。
加えて、飾り部材230,230を、バンド本体210,220の胴回りに対して外挿することにより、飾り部材230,230をバンド本体210,220に取付ける例を示したが、飾り部材としては、バンド本体に対して接着、あるいは溶着等により取付けるものとしても良い。この場合、飾り部材およびバンド本体の具体的な形状は適宜変更するものとする。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0113】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係るバンドによれば、バンド本体に飾り部材の一対の挿入片を貫通して、その一対の挿入片間にバンド裏面側の凹部で棒部材を掛け渡したため、比較的簡易な構造をもって、バンド本体に飾り部材を確実に組み付けることができる。こうして、バンド本体と飾り部材とを、メタルインサート成形によらずに確実な組付状態に保持することができ、従って、バンドとして見栄えを良くすることができる。
請求項1記載の発明に係るバンドによれば、そればかりでなく、バンド裏面側の凹部内の棒部材の少なくとも一部を覆い部材により隠すことができるといった利点が得られる。
【0119】
また、請求項記載の発明に係るバンドによれば、バンド本体の貫通穴に対し飾り部材を挿入して一端部と他端部で係合したため、比較的簡易な構造をもって、バンド本体に飾り部材を確実に組み付けることができる。こうして、バンド本体に飾り部材を備えながら、例えば、隙間やめくれ上がりのない二色成形風のような一体感を得ることができ、従って、バンドとして見栄えを良くすることができる。
【0120】
請求項記載の発明に係るバンドによれば、そればかりでなく、バンド本体の貫通部とは別な位置の補助貫通部において飾り部材の他端側の係合部を係合したため、飾り部材の隙間発生やめくれ上がりを確実に防止することができるといった利点が得られる。
【0121】
請求項記載の発明に係るバンドによれば、バンド本体の貫通部のバンド裏面側の係合凹部又は係合凸部において、貫通部にバンド表面側から挿入した飾り部材の係合部を係合したため、飾り部材の隙間発生やめくれ上がりを確実に防止することができるといった利点が得られる。
【0122】
請求項記載の発明に係るリスト装置によれば、本体ケースの一部が、バンドに形成された覆い部によって覆われているので、本体ケースとバンドとの繋ぎ目を意識させず、本体ケースとバンドとの一体性が高いデザインのリスト装置とすることができ、リスト装置の一体感を得ることができる。
【0123】
請求項記載の発明に係るリスト装置によれば、バンド本体には飾り部材が取り付けられているため、飾り部材によりバンド本体を装飾することができるとともに、この飾り部材に形成された覆い部が本体ケースの一部を覆っているので、本体ケースとバンド本体との繋ぎ目を意識させず、本体ケースとバンド本体との一体性が高いデザインのリスト装置とすることができる。よって、リスト装置の一体感を得ることができる。
【0124】
請求項記載の発明に係るリスト装置によれば、前記飾り部材は、前記バンド本体に対してほぼ面一となっているので、飾り部材のバンド本体に対する一体感を増すことができる。
【0125】
請求項記載の発明に係るリスト装置によれば、バンド本体に形成された凸部を飾り部材に形成された凹部又は孔部に嵌入することで、飾り部材がバンド本体に対して位置決めされているので、飾り部材のバンド本体に対するズレやガタツキを好適に防止することができる。
【0126】
請求項記載の発明に係るリスト装置によれば、バンド本体に飾り部材を取り付けた状態での、バンド本体の凸部に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一に設定したので、バンドによるリスト装置の装着感を快適なものにすることができる。
【0127】
請求項記載の発明に係るリスト装置によれば、バンド本体と飾り部材との色が異なるので、バンド本体と飾り部材とが2色成型されたようなデザインとすることができる。
【0128】
請求項1記載の発明に係るリスト装置によれば、覆い部が、覆い部の周囲の部分とほぼ面一となっているので、覆い部と、覆い部の周囲の部分との境界を意識させないデザインとすることができる。従って、バンド又はバンド本体と本体ケースとの一体性を、より高めることができ、リスト装置の、より高い一体感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての時計バンドの半体を示す平面図である。
【図2】図1の時計バンドの半体と組み合わされる他の半体を示した平面図である。
【図3】本発明を適用した第1の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図である。
【図4】図3の構造部の部品を分解して示した斜視図である。
【図5】棒部材(バネ棒)の内部構造を示した中央断面図である。
【図6】棒部材及び覆い部材の変形例を示した斜視図である。
【図7】本発明を適用した第2の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図である。
【図8】図7の構造部の部品を分解して示した斜視図である。
【図9】本発明を適用した第3の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図である。
【図10】図9の構造部の部品を分解して示した斜視図である。
【図11】本発明を適用した第4の実施の形態例を示すもので、図1及び図2の矢印A−A線に沿って拡大して示した断面図である。
【図12】図11の構造部の部品を分解して示した斜視図である。
【図13】図11の構造部の変形例(1)を示した断面図である。
【図14】図11の構造部の変形例(1)を示した断面図である。
【図15】本発明を適用した第5の実施の形態例を示すもので、時計バンドの半体の時計ケースに対する取付部を拡大して示した平面図である。
【図16】図15の部分の中央縦断側面図である。
【図17】バンド本体と飾り部材とを分解して組付方を示した斜視図である。
【図18】本発明を適用した第6の実施の形態例を示すもので、時計バンドの半体の時計ケースに対する取付部を拡大して示した平面図である。
【図19】図18の部分の中央縦断側面図である。
【図20】バンド本体と飾り部材とを分解して組付方を示した斜視図である。
【図21】本発明を適用した一例としての腕時計を示す正面図である。
【図22】図21の矢印B−B線に沿った断面図である。
【図23】本体ケースに取付けられるバンド本体を示す図であり、このうち(A)は平面図、(B)は裏側の平面図、(C)は(A)の矢印c方向から見た図、(D)は(A)の矢印D−D線に沿って拡大した断面図、(E)は(A)の要部拡大図である。
【図24】飾り部材を示す図であり、このうち(A)は平面図、(B)は(A)の矢印G−G線に沿った断面図、(C)は(A)を斜め下側から見上げた斜視図、(D)は裏側の平面図(一部省略)、(E)は(B)の矢印H方向から見た図、(F)は(B)の矢印I方向から見た図である。
【図25】本体ケースに取付けられる他のバンド本体を示す図であり、このうち(A)は平面図、(B)は裏側の平面図、(C)は(A)の矢印E方向から見た拡大図、(D)は(A)の矢印F−F線に沿って拡大した断面図である。
【図26】バンド本体への飾り部材の取付けを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 バンド
2 軟質合成樹脂製のバンド本体
2a 時計ケース側への取付部
21 表面側凹部
22 周縁挿入溝
23 一対の挿入部(一対の挿入孔)
24 細長い裏面側凹部
25 隔壁部
26 貫通部
27 方形の裏面側凹部
28 内方挿入溝
29 挿入溝
4 金属製の飾り部材
41 周縁部
42 一対の挿入片
43 小穴
8 棒部材
8a 突部
9 覆い部材
9a 貫通部
10 覆い部材
10a 端部屈曲片
10b 係合部(切欠リング状部)
11 覆い部材
11a スリット
12 両面接着テープ
13 保持部材
13a フランジ部
14 裏面側部材
14a フランジ部
15 表面側部材
15a 周縁部
104 硬質合成樹脂製の飾り部材
141 挿入部
114 硬質合成樹脂製の保持部材
114a フランジ部
31 バンド
32 軟質合成樹脂製のバンド本体
32b 時計ケース側への取付部
321 首部
322 凹段面
323 貫通部
324 裏面側凹部
325 表面側連続部
326 補助貫通部
327 表面側凹部
328 係合片
34 軟質合成樹脂製の飾り部材
341 ループ状部
342 表面部
343 挿入部
344 裏面側薄肉部
345 表面側凹部
346 延長部(先端挿入部)
347 表面側フランジ部
348 係合溝
61 バンド
62 軟質合成樹脂製のバンド本体
62b 時計ケース側への取付部
621 首部
622 表面側凹部
623 貫通部
624 裏面側係合凹部
64 軟質合成樹脂製の飾り部材
641 ループ状部
642 表面側突出部
643 挿入部
644 係合片
200 リスト装置(腕時計)
201 本体ケース
207 裏蓋
210 バンド本体
220 バンド本体
230 飾り部材
231 取付孔
260 バンド
270 バンド
281 覆い部
290 凸部
295 凹部
300 孔部(取付孔部)
310 覆い部

Claims (10)

  1. 一対の挿入部が離間して形成されるとともに、この一対の挿入部間に渡ってバンド裏面側に開口する凹部を有するバンド本体と、
    このバンド本体に対し前記一対の挿入部にバンド表面側から挿入された一対の挿入片を有する飾り部材と、
    前記バンド本体の前記バンド裏面側から前記凹部において前記飾り部材の前記一対の挿入片間に掛け渡された棒部材
    前記凹部内に収納され、前記棒部材の周囲のうち、少なくとも一部を覆う覆い部材と、
    を備えたことを特徴とするバンド。
  2. バンド表裏方向に貫通する貫通部を有するバンド本体と、
    このバンド本体の前記貫通部内に挿入され、一端部が前記バンド本体の一端側で係合し、他端部が前記バンド本体の他端側で係合された飾り部材とを備え、
    前記バンド本体は前記貫通部とは別な位置に補助貫通部を有し、前記飾り部材は他端側に係合部を有し、この係合部は前記補助貫通部と係合していることを特徴とするバンド。
  3. バンド表裏方向に貫通する貫通部を有するバンド本体と、
    このバンド本体の前記貫通部内に挿入され、一端部が前記バンド本体の一端側で係合し、他端部が前記バンド本体の他端側で係合された飾り部材とを備え、
    前記飾り部材は他端側に係合部を有し、前記貫通部のバンド裏面側には係合凹部又は係合凸部が形成され、前記係合部は前記係合凹部又は係合凸部に係合されたことを特徴とするバンド。
  4. 本体ケースと、
    この本体ケースに取付けられるとともに覆い部が形成されたバンドとを備え、
    前記本体ケースの一部が前記覆い部によって覆われていることを特徴とするリスト装置。
  5. 本体ケースと、
    この本体ケースに取付けられたバンド本体、このバンド本体に取付けられるとともに覆い部が形成された飾り部材を有するバンドとを備え、
    前記本体ケースの一部が前記覆い部によって覆われていることを特徴とするリスト装置。
  6. 前記飾り部材は、前記バンド本体に対してほぼ面一となっていることを特徴とする請求項記載のリスト装置。
  7. 前記バンド本体に形成された凸部を、前記飾り部材に形成された凹部又は孔部に嵌入することで、前記飾り部材が前記バンド本体に対して位置決めされていることを特徴とする請求項又は記載のリスト装置。
  8. 前記バンド本体に前記飾り部材を取り付けた状態での、前記バンド本体の前記凸部に対応する部分の撓み易さを、該部分の周辺の撓み易さと略同一に設定したことを特徴とする請求項記載のリスト装置。
  9. 前記バンド本体と前記飾り部材との色が異なることを特徴とする請求項5、6、7又は記載のリスト装置。
  10. 前記覆い部が、該覆い部の周囲の部分とほぼ面一となっていることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載のリスト装置。
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