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JP3994828B2 - 弁装置及び液体噴射装置 - Google Patents

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JP3994828B2 JP2002255172A JP2002255172A JP3994828B2 JP 3994828 B2 JP3994828 B2 JP 3994828B2 JP 2002255172 A JP2002255172 A JP 2002255172A JP 2002255172 A JP2002255172 A JP 2002255172A JP 3994828 B2 JP3994828 B2 JP 3994828B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路を開閉する弁装置及び液体噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置が幅広い分野で使用されるようになっており、特に、インクを記録媒体に対して噴射させて印刷を行うインクジェット式記録装置が普及している。そして、このインクジェット式記録装置においては、インクカートリッジから記録ヘッドへとインクを供給するためのインク供給路において、インクに気泡等が混入してしまい、印刷の精度が低下してしまうという問題を抱えていた。
【0003】
そこで、この気泡を取り除くために、インク供給路の途中に流路バルブを設け、いわゆるチョーククリーニングを行うことがあった。すなわち、流路バルブによって、インク供給路の上流部分を閉塞しておいて、記録ヘッドをキャップによって封止しながら吸引ポンプで吸引し、インク供給路に大きな負圧を作成することにより気泡を膨張させ、この状態で流路バルブを一気に開放し、インクを勢いよく記録ヘッドから吸引ポンプを介して外部に排出して、インク内の気泡をインクとともに外部に排出するようになっていた。
【0004】
また、さらに、インクジェット式記録装置の高速化に伴う記録ヘッドの多ノズル化や、高画質化に伴う多色化により、クリーニングで発生するインクの廃液が増大していることが問題となっていた。そこで、前記流路バルブを各色のインク供給路毎に設け、クリーニングが必要な色以外のインク供給路を閉塞し、必要な色のノズル列のみを吸引する選択クリーニングが行われるようになっていた。これにより、クリーニングの必要な色のノズル列のみがクリーニングされるようになり、無駄なインクの廃液の発生量を減少させることが可能となっていた。
【0005】
そして、以上のような、チョーククリーニングや選択クリーニングに使用される流路バルブとしては、特開昭61−290284号公報に開示されたものが使用可能であった。この弁装置は、流路内に弁体と弁座とを備え、弁体をバネの付勢力によって弁座に圧接させることによって流路を閉じて、流体の流れを停止させるようになっていた。
【0006】
そして、この弁装置は、弁体の一端に永久磁石又は磁性体(例えば、鉄)を備えるとともに、流路外に電磁石を備えるようになっていた。そして、電磁石を通電することにより、弁体に、永久磁石の反発力又は磁性体の吸引力を発生させ、弁体をバネの付勢力に抗して移動させ、弁体と弁座とを離間させて、流路を開くようになっていた。従って、この弁装置は、電磁石の通電及び非通電により流路を開閉させることができ、手作業で開閉する場合に比較して、開閉の手間や制御を容易にすることができるようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の弁装置において、弁体に磁性体を備えた場合には、磁性体は、非通電の状態の電磁石に対して引きつけられることがなく、弁体は、バネの付勢力のみで弁座に押し付けられるようになっていた。これに対し、弁体に永久磁石を備える場合には、バネの付勢力に加えて、永久磁石と非通電状態の電磁石との間の吸引力によって、弁体と弁座とを当接させて流路を閉じるようになっていた。
【0008】
従って、弁体に永久磁石を使用した場合は、磁性体を使用する場合に比較して、電磁石と永久磁石との間の吸引力がある分、弁体をより確実に弁座に押し付けることが可能であり、バネの付勢力等が無くても、流路を確実に閉状態とすることができるようになっていた。すなわち、弁体に永久磁石を使用した方が、磁性体を使用する場合に比較して、流路の開閉をより確実に行うことができるという利点を有していた。
【0009】
しかし、上記の弁装置は、弁体を流路内に位置させる必要があり、弁装置をインクジェット式記録装置の流路バルブとして具体化する場合には、弁体をインク流路内に位置させる必要があった。従って、弁体は、インクによって劣化が生じないような耐インク性を有する材料で形成する必要があったが、弁体に永久磁石を設けた場合には、永久磁石の材料の選定が困難となることがあった。その結果、流路バルブの設計の自由度を低下させてしまうことがあった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、流路の開閉が確実であるとともに、設計の自由度の高い弁装置及び液体噴射装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、流体が移動する流路内に設けられている弁座と、前記弁座に向かう正方向及び離間する負方向に移動することにより、前記流路を開閉する磁性体と、前記流路外に設けられ、磁化されていない状態の前記磁性体を吸引して前記正方向又は前記負方向に移動させる永久磁石と、前記磁性体を前記永久磁石に対して反発するように磁化させて、前記磁性体を前記磁化されていない状態における移動方向と反対の方向に移動させる励磁コイルとを備え、該励磁コイルは、筒状をなすように巻回されており、前記励磁コイルの内周側には、前記弁座と前記磁性体と前記永久磁石とが前記励磁コイルの中心軸線と直交する方向に並んで配置されていることを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の弁装置において、前記磁性体を前記磁性体が磁化されている時の移動方向と反対方向に付勢する付勢手段を備えたことを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の弁装置において、前記弁座と前記磁性体との間に、前記磁性体の前記正方向及び前記負方向の移動により前記弁座に対して当接されたり離間されたりする弁体を設けたことを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の弁装置において、前記弁体は、弾性材料により形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の弁装置において、前記弁体は、前記磁性体との接触部分が少なくとも、半球、もしくは、円錐、円錐台形状であることを要旨とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁体は、前記磁性体に固着されていることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか1つに記載の弁装置において、前記弁体は、前記磁性体を前記磁性体が磁化されている時の移動方向と反対方向に付勢する付勢手段を一体に備えていることを要旨とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1つに記載の弁装置において、前記流路は、流路形成部材に形成された溝と、前記溝を封止するように前記流路形成部材に取り付けられているフィルム材とによって構成されており、前記フィルム材は、前記永久磁石と前記磁性体との間に位置していることを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項3〜7のいずれか1つに記載の弁装置において、前記流路は、流路形成部材に形成された溝と、前記溝を封止するように前記流路形成部材に取り付けられているフィルム材とによって構成されており、前記フィルム材は、前記磁性体と前記弁体との間に位置していることを要旨とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の弁装置において、前記磁性体は、前記フィルム材に対して部分的に接触する接触部を有していることを要旨とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の弁装置において、前記磁性体の一端の前記正方向及び前記負方向への移動を規制する規制手段を備えたことを要旨とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1つに記載の弁装置において、前記流体は、インクであることを要旨とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1つに記載の弁装置を液体噴射装置に備えたことを要旨とする。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の液体噴射装置において、前記弁装置は、液体噴射ヘッドに設けられているフィルタの上流側に配置されることを要旨とする。
【0023】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の液体噴射装置において、前記弁装置は、チョーククリーニング又は選択クリーニングに使用されることを要旨とする。
【0024】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、流路外に永久磁石を設け、この永久磁石によって磁性体を吸引して流路内の弁座に対して正方向又は負方向に移動させて弁装置を閉状態又は開状態とするようにした。また、磁性体を磁化させる励磁手段を設け、磁性体を永久磁石に対して反発するように磁化させて、磁性体を流路内の弁座に対して負方向又は正方向に移動させて弁装置を開状態又は閉状態とするようにした。
【0025】
従って、永久磁石と励磁手段とを使用して弁装置を開閉する場合に、永久磁石を流路外に設けるようにしたので、流体が永久磁石に対して与える影響を考慮する必要がなくなり、永久磁石の材料の選定を容易とすることができる。その結果、弁装置の設計の自由度を向上させることができる。また、弁装置を開いた状態又は閉じた状態とする時には、磁性体が永久磁石に吸引される力を利用するようにしているため、弁装置を開状態又は閉状態とするために電気等のエネルギーを使用する必要がないので、エネルギー効率を高めることができる。さらに、弁座の上流と下流との圧力差によって、磁性体が正方向又は負方向に移動して弁装置を閉じたり開いたりしてしまうことを防ぐことができる。
【0026】
また、弁座と磁性体と永久磁石とを、励磁コイルの内周側において同励磁コイルの中心軸線と直交する方向に並んで配置させるようにした。
従って、磁性体は、励磁コイルの内周側において同励磁コイルの中心軸線と直交する方向に移動するようになり、弁装置の励磁コイルの中心軸線方向のスペースを小さくすることができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、磁性体を、磁性体が磁化されている時の移動方向と反対方向に付勢する付勢手段を備えるようにした。従って、弁装置を開いた状態又は閉じた状態とするときには、磁性体を吸引する力に加えて、付勢手段による付勢力が加わるので、より確実に弁装置を開いた状態又は閉じた状態とすることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、弁座と磁性体との間に弁体を設け、磁性体の正方向及び負方向の移動により、弁体を弁座に対して当接させたり離間させたりするようにした。
【0029】
従って、弁装置を開閉する際には、磁性体が直接弁座に当接するのではなく、弁体が弁座に当接するようにしたので、弁座をより確実に封止するためには、弁体の材料のみを弁座のシールに好適な材料とすればよくなる。その結果、磁性体は、弁座のシールに好適な材料とする必要がないので、磁性体の材料の選定が容易となる。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、弁体を弾性材料により形成するようにした。
従って、弁装置を閉じる時に、弁座と弁体との密着性を高めることができ、より確実に弁装置を閉じることができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、弁体の磁性体との接触部分を、少なくとも、半球、もしくは、円錐、円錐台形状となるようにした。
従って、磁性体が、弁体に対して様々な方向から当接しても、接触部分が、少なくとも、半球、もしくは、円錐、円錐台形状となっているので、磁性体から弁体に加わる力を常に同じ位置に集中させることができる。そして、その力の集中する位置と、弁座の位置とを同じ位置とすることで、弁体を弁座に対して確実に当接させることができる。その結果、磁性体が弁体に対して様々な方向から当接しても、弁座と弁体とを確実に当接させて、弁装置を閉状態とすることができる。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、弁体と磁性体とを固着させるようにした。従って、磁性体から弁体への力の伝達をより安定させることができ、弁装置の開閉をより確実に行うことができる。また、弁体を付勢手段により付勢しなくても、磁性体とともに弁体が移動することで、安定して弁装置の開状態を保持することができ、部品点数を減少させ、構造を簡単にして生産性を高めることができる。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、付勢手段と弁体とが一体となるようにした。
従って、部品点数を減少させて構造を簡単にし、生産性を高めることができる。
【0034】
請求項8に記載の発明によれば、流路形成部材に形成されている溝を、フィルム材によって封止することによって流路を形成するようにし、永久磁石と磁性体との間にフィルム材が位置するようにした。
【0035】
従って、永久磁石と磁性体とがフィルム材を介して近接するように配置され、永久磁石と磁性体との距離を短くすることができる。その結果、磁性体を大きな吸引力で永久磁石によって吸引することができ、エネルギー効率を高めることができる。また、弁装置を生産するときに、磁性体等を流路形成部材の溝の内部に設置してからフィルム材を封止することで、簡単に磁性体等を流路内に位置させることができ、生産効率を高めることができる。
【0036】
請求項9に記載の発明によれば、流路形成部材に形成されている溝を、フィルム材によって封止することによって流路を形成するようにし、磁性体と弁体との間にフィルム材が位置するようにした。
【0037】
従って、磁性体を流路外に位置させることができ、流路内の流体が磁性体に与える影響を考慮する必要がなくなり、磁性体の材料の選定を容易とすることができる。その結果、弁装置の設計の自由度を向上させることができる。また、弁装置を生産するときに、弁体等を流路形成部材の溝の内部に設置してからフィルム材を封止することで、簡単に弁体等を流路内に位置させることができ、生産効率を高めることができる。
【0038】
請求項10に記載の発明によれば、磁性体は、弁装置を閉じる時には、フィルム材に対して部分的に接触する接触部によりフィルム材を正方向に押圧し、弁装置を閉状態とするようにした。
【0039】
従って、磁性体がフィルム材に接触する面積を小さくしたので、フィルム材を変形させることが容易となり、フィルム材を介して弁装置を閉状態にすることが容易となる。
請求項11に記載の発明によれば、規制手段を設けて、磁性体の一端が正方向及び負方向へ移動しないようにした。従って、磁性体は、励磁コイルにより磁化されたりされなかったりすることで、規制手段によって規制された一端を中心に回動するようになる。その結果、磁性体の移動が安定し、弁装置の開閉をより確実に行うことができる。
【0040】
請求項12に記載の発明によれば、流体をインクとするようにした。従って、インク流路の開閉の制御において、請求項1〜11のいずれかの作用効果を得ることができる。
【0041】
請求項13に記載の発明によれば、液体噴射装置に弁装置を備えるようにした。従って、インク流路の開閉を確実にして液体噴射装置の設計の自由度を高くすることができる。
【0042】
請求項14に記載の発明によれば、弁装置を液体噴射装置の液体噴射ヘッドに設けられているフィルタの上流側に配置するようにした。従って、液体噴射装置において、液体噴射ヘッドのフィルタ上に溜まった気泡を排出させるためのクリーニングを効果的に行うことができる。
【0043】
請求項15に記載の発明によれば、弁装置を、液体噴射装置のチョーククリーニング又は選択クリーニングに使用するようにした。従って、弁装置を閉じた状態で、記録ヘッドのノズル側から吸引を行い、高負圧状態でバルブを開けるチョーククリーニング、又は複数色の色ノズルのうち必要なもののみクリーニングを行う選択クリーニングを効果的に行うことができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0045】
図1は、本実施形態におけるインクジェットプリンタの概念図である。図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェットプリンタ11は、インクカートリッジ12のインクを、インク供給チューブ13を介してキャリッジ14に設けられた弁装置としての流路バルブ15に供給し、流路バルブ15から液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド16に移送して印刷を行うものである。
【0046】
詳しくは、記録ヘッド16は、インク滴を吐出すノズル開口(図示しない)を備えており、記録紙等の印刷媒体にインク滴を吐出すことにより画像や文字等の印刷データの記録を行う。なお、本実施形態のインクジェットプリンタ11は、A0判等の大判の記録紙に印刷可能なプリンタであり、インク消費量が多いため、多量のインクを貯留する必要がある。従って、多量のインクを貯留したインクカートリッジをキャリッジ上に搭載させると、キャリッジが重くなり、キャリッジ駆動モータに過大な負荷がかかってしまう。このため、本実施形態では、インクカートリッジ12をキャリッジ14上に搭載させない構成としている。
【0047】
なお、近年、キャリッジ上にインクカートリッジを搭載しないプリンタとして、オフキャリッジにすることによってインクカートリッジのレイアウトに自由度を持たせた、小型化、薄型化されたプリンタが使用されるようになっている。従って、本実施形態では、大判の記録紙に印刷を行うプリンタに具体化するようにしたが、小型化、薄型化されたこれらのプリンタに具体化するようにしてもよい。
【0048】
インクカートリッジ12は、インクジェットプリンタ11の本体側に配置されたインクカートリッジホルダ17内に収容されている。インクカートリッジ12の内部には、インクパック18が設けられており、インクパック18内にはインクが充填されている。
【0049】
インクパック18の一側には針装着部19が形成されており、インクカートリッジホルダ17に設けられた針20が針装着部19に装着するように構成されている。針20はインク供給チューブ13の一側と接続されており、流路バルブ15に対してインクを供給できるようになっている。
【0050】
インク供給チューブ13は、例えば、ポリエチレン等の可撓性部材により形成されている。また、インク供給チューブ13は、耐薬品性に優れたポリエチレン系樹脂等の可撓性部材による内装に、気密遮断性に優れた塩化ビニルや金属膜等を外装として覆った二重構造であってもよい。
【0051】
キャリッジ14は、記録紙の幅方向(主走査方向)と同方向に配置されたガイド部材(図示しない)に沿って、往復動可能に取り付けられている。キャリッジ14は、樹脂材料によって成形されている。そして、キャリッジ14には、前記流路バルブ15が取り付けられている。流路バルブ15は、インク供給チューブ13から記録ヘッド16に供給されるインクの流路を開閉するためのものである。流路バルブ15の詳細については後述する。
【0052】
キャリッジ14の下面には記録ヘッド16が設けられており、流路バルブ15からインクが供給されるようになっている。また、記録ヘッド16は、図示しないフィルタ、インク供給管、圧電振動子、流路ユニット及びノズル開口等を備えている。記録ヘッド16は圧電振動子によって圧力室を膨張・収縮させることにより、流路バルブ15から供給されたインクをノズル開口からインク滴として吐出させるものである。
【0053】
また、記録ヘッド16の下方には、キャップ22が設けられている。キャップ22は、有底状に形成されており、その上部開口が記録ヘッド16をキャッピングするようになっている。キャップ22は、インクジェットプリンタ11の非印刷領域に配置されており、非記録時に記録ヘッド16のノズル開口を閉じることにより、インクの水分蒸発を防止するようになっている。
【0054】
さらに、キャップ22の底部は、吸引チューブ23に連通されており、吸引チューブ23の途中には吸引ポンプ24が配設されている。そして、キャップ22が記録ヘッド16のノズル開口を閉じた状態で、吸引ポンプ24を駆動させることで、記録ヘッド16からキャップ22側へインクを強制的に吸引する、いわゆるクリーニング動作が行われるようになっている。そして、吸引ポンプ24により吸引されたインクは、廃液回収ボックス25に回収される。廃液回収ボックス25内には、複数層のスポンジ26が設けられており、回収されたインクを貯蔵するようになっている。
【0055】
なお、図1では1色のインクについてのみの構成を示しているが、インクジェットプリンタ11は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロ、ブラック等の複数のインクに対応した構成となっている。従って、前記インクカートリッジ12、インク供給チューブ13、流路バルブ15及び記録ヘッド16等はインク数ごとに設けられる。
【0056】
次に、流路バルブ15について説明する。
図2に示すように、流路バルブ15は、流路ハウジング33と、同流路ハウジング33の内部に設けられている弁座34、弾性体35及び磁性体36と、流路ハウジング33の外部に設けられている磁性体駆動部37とを備える。そして、流路ハウジング33は、流路形成部材39とフィルム材41とによって構成され、キャリッジ14に固定されている。
【0057】
流路形成部材39は、例えばポリプロピレン又はポリエチレン等の樹脂材料によって成型されており、上面からは略直方体状の溝としてのインク室42が凹設されている。そして、インク室42の底面42aには、第1の開口部43が形成されているとともに、インク室42の右側の内壁面42bには、第2の開口部44が形成されている。
【0058】
また、流路形成部材39には、前記第1の開口部43を基端として左側方向へと向かう第1のインク流路45が貫通形成されており、その図示しない終端部は、前記インク供給チューブ13(図1参照)と接続されている。さらに、流路形成部材39には、前記第2の開口部44を基端として右側方向へと向かう第2のインク流路46が貫通形成されており、その図示しない終端部は、前記記録ヘッド16(図1参照)と接続されている。
【0059】
フィルム材41は、流路形成部材39の上面に対してインク室42の開口を覆うようにして熱溶着され、インク室42を封止している。従って、流路は、第1のインク流路45、インク室42、第2のインク流路46によって構成される。そして、インク供給チューブ13から第1のインク流路45に供給されたインクは、第1の開口部43からインク室42に流入した後に、第2の開口部44を経て第2のインク流路46に流入し、記録ヘッド16に供給されるようになっている。
【0060】
なお、前記フィルム材41は、複数の材質からなる層によって形成されており、例えば、ポリエチレン層、ガスバリア層及びナイロン層から形成されている。従って、フィルム材41は耐ガスバリア性の高い材質が使用されている。そして、フィルム材41はその厚さが例えば0.1mm程度に形成されており、磁気抵抗を極力小さくしている。また、フィルム材41は、その大きさによってはインク室42の容積を減少させる方向と増加させる方向に変形可能であり、フィルム材41の弾性変形によるコンプライアンスによって、インク室42内におけるインクの圧力変動を吸収することが可能となっている。
【0061】
弁座34は、前記インク室42の底面42aにおいて、前記第1の開口部43を囲うようにして突設されており、環状形状を有している。そして、本実施形態では、弁座34は、流路形成部材39に対して一体形成されている。
【0062】
弾性体35は、図2及び図3に示すように、略長方形の板状の形状を有しており、その平面方向の大きさは、インク室42よりも若干小さな大きさとなっている。そして、弾性体35は、例えば、フッ素ゴム、硬質シリコンゴム、ブチルゴム、エラストマー、CRゴム、NBRゴム又はウレタンゴムといった、弾性材料によって形成されている。そして、弾性体35は、中央部分の弁体48と、弁体48を上方向に付勢する付勢手段としての付勢部49とによって構成されている。
【0063】
弁体48は、上方に向かってその平面方向の面積が小さくなるような略円錐台形状となっており、その上面は、接触部分としての磁性体当接部51となっているとともに、下面は弁座当接部52となっている。なお、これら磁性体当接部51と弁座当接部52とはともに円形で同心円となるように位置している。
【0064】
付勢部49は、左右一対の支持部49aと、その左右一対の同支持部49aをその上部で連結する薄い板状の薄肉部49bとによって構成されている。そして、前記弁体48は、薄肉部49bの中央に一体形成されており、支持部49aの移動を規制した状態で弁体48を下方に押圧すると、薄肉部49bが弾性変形して弁体48が下方に移動するようになっている。また、この状態から、弁体48の押圧をやめると、薄肉部49bの弾性復帰により、弁体48は上方に移動するようになっている。
【0065】
そして、以上のように構成されている弾性体35は、前記左右一対の支持部49aをインク室42の底面42aに当接させた状態でインク室42内に収容されている。そしてこのとき、弾性体35の弁座当接部52と、弁座34とは上下方向に重なるような位置関係となっている。
【0066】
そして、弾性体35は、弾性体35に対して外部から何も力が加わっていない状態では、薄肉部49bが、インク室42の底面42aと平行に位置して、弁座当接部52と弁座34とは離間した状態となるように配置されている。また、磁性体当接部51に対して上方から下方への力が加わった状態では、弾性体35の薄肉部49bが弾性変形し、弁体48の弁座当接部52と弁座34とが当接して、前記第1の開口部43を閉塞するようになっている。
【0067】
磁性体36は、磁場内で磁化される材料、例えば、電磁ステンレス等によって形成されており、直方体形状を有している。そしてその平面方向の大きさは、前記弾性体35とほぼ同じ大きさとなっており、磁性体36は、前記インク室42内において、前記弾性体35とフィルム材41とに挟まれるようにして収容されている。また磁性体36の上下方向の厚みは、前記弾性体35が変形していない状態で、その上面がフィルム材41に当接するとともに、その下面が磁性体当接部51に当接するような厚みとなっている。
【0068】
磁性体駆動部37は、永久磁石53、ボビン54、励磁コイルとしてのコイル55によって構成されている。永久磁石53は、前記磁性体36とほぼ同等の大きさ及び形状を有しており、その一方の面53aが、前記フィルム材41に対してインク室42の外側から接している。すなわち、永久磁石53は、フィルム材41を挟んで前記磁性体36と対峙している。そして、永久磁石53は、インク室42の内部ではなく、外部に配置されているため、インクと接触することがないようになっている。従って、永久磁石53の材料としては、インクによる劣化等を考慮した材料を使用する必要がなく、材料の選定の自由度が高くなっている。
【0069】
なお、永久磁石53は、図2の左側(インク供給チューブ13側)の端部である左端部53lがN極に、図2の右側(記録ヘッド16側)の端部である右端部53rがS極となるように常に磁化されている。
【0070】
ボビン54は、断面が四角形状の枠体となるような筒形状を有しており、PA(ポリアミド)等の樹脂により形成されている。そして、その中心軸を水平方向にした状態で、ボビン54の内側には、前記流路ハウジング33と永久磁石53とが内嵌されている。なお、流路ハウジング33と永久磁石53とは、ボビン54の中心軸線と直交する方向に、前記弁座34、弁体48、磁性体36、永久磁石53が順に並ぶようにしてボビン54に内嵌されている。
【0071】
また、ボビン54の外周面には中心軸線を中心としてコイル55が巻回されている。そして、この状態でコイル55に通電することにより、ボビン54の内部に磁場が発生するようになっており、流路ハウジング33の内部に収納されている磁性体36を磁化させることが可能となっている。なお、コイル55の巻線方向及び電流の向きは、磁性体36がコイル55の通電により磁化されたときに、図2の左側(インク供給チューブ13側)の端部である左端部36lがN極に、図2の右側(記録ヘッド16側)の端部である右端部36rがS極となるような方向となっている。
【0072】
そして、以上のように構成された流路バルブ15は、コイル55に通電させない状態では、磁性体36がフィルム材41を挟んで対峙する永久磁石53に負方向としての図2の上方に引きつけられた状態となる。従って、弾性体35には、磁性体36からの押圧力が加わっていない状態となり、弁体48の弁座当接部52と弁座34とは離間した状態となる。そして、第1のインク流路45とインク室42とが連通した状態となり、流路バルブ15は開いた状態となる(図2参照)。
【0073】
また、図4に示すように、コイル55に通電させると、ボビン54の内側に磁場が発生し、磁性体36の左端部36lがN極に、右端部36rがS極に磁化される。その結果、磁性体36と永久磁石53とのそれぞれの左端部36l,53lと、右端部36r,53rが、同じ磁極を有するようになり、お互い反発し合う状態となる。そして、磁性体36は、正方向としての下方に向かって平行移動し、弾性体35の弁体48の磁性体当接部51には、磁性体36から下方への押圧力が加わるようになる。その結果、弾性体35の薄肉部49bが弾性変形して弁座当接部52と弁座34とが当接し、第1の開口部43を閉塞するようになる。そして、第1のインク流路45とインク室42とが連通しない状態となり、流路バルブ15が閉じた状態となる。
【0074】
以上のように、コイル55の通電を行ったり停止したりすることにより、磁性体36がコイルの中心軸線に対して直交する方向に移動し、弾性体35の弁体48の弁座当接部52を弁座34に対して当接させたり、離間させたりすることができ、流路バルブ15を開閉することができる。
【0075】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、インク室42の外部に永久磁石53を設け、この永久磁石53によってインク室42内部の磁性体36を吸引して、磁性体36を上方に位置させて弁体48が弁座34から離間するようにし、流路バルブ15を開状態とするようにした。そして、コイル55に通電させて磁性体36を永久磁石53に対して反発するように磁化させて、磁性体36を下方に移動させて弁体48が弁座34に当接させるようにし、流路バルブ15を閉状態とするようにした。
【0076】
従って、永久磁石53とコイル55とを使用して流路バルブ15を開閉する場合に、永久磁石53をインク室42の外部に設けるようにしたので、インクが永久磁石53に対して与える影響を考慮する必要がなくなり、永久磁石53の材料の選定を容易とすることができる。その結果、流路バルブ15の設計の自由度を向上させることができる。
【0077】
(2)上記第1の実施形態では、流路バルブ15を開いた状態とする時には、磁性体36が永久磁石53に吸引される力を利用するようにしているため、流路バルブ15を開いた状態とするために電気等のエネルギーを使用する必要がないので、エネルギー効率を高めることができる。さらに、弁座34の上流と下流との圧力差によって磁性体36が、弁座34の方向に移動することを、永久磁石53による吸引力により防いで、流路バルブ15を閉じないようにすることができる。
【0078】
(3)上記第1の実施形態では、コイル55に通電することにより磁性体36を永久磁石53に対して反発させ、磁性体36を弁座34の方向に移動させて流路バルブ15を閉じるようにした。
【0079】
従って、インクジェット式記録装置におけるチョーククリーニングや選択クリーニングのように、流路バルブを閉状態とする時間が開状態とする時間に比較して短いものに適用する場合に、コイル55への通電の時間を短くすることができるので、エネルギー効率を高めることができる。
【0080】
(4)上記第1の実施形態では、弁座34、弁体48、磁性体36、永久磁石53とを、コイル55の中心軸線と直交する方向に並んで配置させるようにした。
【0081】
従って、磁性体36は、コイル55の中心軸線と直交する方向に移動するようになり、流路バルブ15のコイル55の中心軸線方向のスペースを小さくすることができる。
【0082】
(5)上記第1の実施形態では、弁座34と磁性体36との間に弁体48を設け、磁性体36の上下方向の移動により、弁体48を弁座34に対して当接させたり離間させたりするようにした。
【0083】
従って、流路バルブ15を開閉する際には、磁性体36が直接弁座34に当接するのではなく、弁体48が弁座34に当接するようにしたので、弁座34をより確実に封止するためには、弁体48の材料のみを弁座34のシールに好適な材料とすれば良くなる。その結果、磁性体36は、弁座34のシールに好適な材料とする必要がないので、磁性体36の材料の選定が容易になる。
【0084】
(6)上記第1の実施形態では、弁体48を弾性材料により形成するようにした。従って、流路バルブ15を閉じるときに、弁座34と弁体48との密着性を高めることができ、より確実に流路バルブ15を閉じることができる。
【0085】
(7)上記第1の実施形態では、弁体48と付勢部49とを一体となるようにした。従って、部品点数を減少させて構造を簡単にし、流路バルブ15の生産性を高めることができる。
【0086】
(8)上記第1の実施形態では、弁体48を、円錐台形状となるようにした。従って、磁性体36が弁体48に対して様々な方向から当接しても、弁体48が円錐台形状となっているので、磁性体36から弁体48加わる力を常に同じ位置に集中させることができる。そして、その力の集中する位置と、弁体48が弁座34に当接する位置とを同じ位置とすることで、弁体48を弁座34に対して確実に当接させることができる。その結果、磁性体36が弁体48に対して様々な方向から当接しても、弁座34と弁体48とを確実に当接させて、流路バルブ15を閉状態とすることができる。
【0087】
(9)上記第1の実施形態では、インク室42を、フィルム材41にて封止するようにし、永久磁石53と磁性体36との間にフィルム材41が位置するようにした。
【0088】
従って、永久磁石53と磁性体36とがフィルム材41を介して近接するように配置され、永久磁石53と磁性体36との距離を短くすることができる。その結果、磁性体36を大きな吸引力で永久磁石53によって吸引することができ、エネルギー効率を高めることができる。また、流路バルブ15を生産するときに、磁性体36や弾性体35等をインク室42内に設けた後にフィルム材41にてインク室42を封止することで、簡単に磁性体36や弾性体35をインク流路内に設けることができ、生産効率を高めることができる。
【0089】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の流路バルブ15の弾性体35、磁性体36、流路形成部材39の構造を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0090】
図5に示すように、本実施形態における流路バルブ15の流路形成部材39は、インク室42の底面42aに、第1の突起61と規制手段を構成する第2の突起62とを備えている。そして、第2の突起62とインク室42の右側内壁面との間に、収容空間63が形成されている。
【0091】
弾性体64は、第1の実施形態の弾性体35と同様に弾性材料によって形成されており、弁体65と付勢手段としての付勢部66とによって構成されている。そして、弁体65は、その上面が半球状となっており、接触部分としての磁性体当接部65aとなっている。また、その下面は平面状の円形となっており、弁座当接部65bとなっている。付勢部66は、前記弁体65の右側に位置している支持部66aと、同支持部66aと弁体65とを連結する薄い板状の薄肉部66bとによって構成されている。また、支持部66aには、上下方向に嵌合孔67が貫通形成されている。
【0092】
そして、以上のように構成された弾性体64は、前記支持部66aの嵌合孔67に前記インク室42の第1の突起61を嵌合させ、支持部66aの下面をインク室42の底面42aに当接させるようにしてインク室42内に収容されている。従って、弾性体64の磁性体当接部65aと弁座当接部65bとは、前記支持部66aによって片持支持された状態となっている。また、この状態で、前記弁座当接部65bとインク室42の弁座34とは、上下方向に重なるような位置関係となっている。
【0093】
従って、弾性体64は、この状態で弁体65を下方に押圧すると、薄肉部66bが弾性変形して弁体65が下方に移動し、弁座当接部65bと弁座34とが当接して、前記第1の開口部43を閉塞するようになっている。また、弁体65の下方への押圧をやめると、薄肉部66bの弾性復帰により、弁体65は上方に移動するようになり、弁座当接部65bと弁座34とが離間した状態となって、第1の開口部43を開いた状態とするようになっている。
【0094】
磁性体68は、第1の実施形態における磁性体36と同様に、磁場内で磁化される材料で形成され、直方体形状を有しているが、本実施形態では、その右端部に、下方に向かって屈曲させたような形状の規制手段を構成する屈曲部68aを有している。そして、磁性体68は、インク室42内において、前記フィルム材41と、弾性体64との間に位置するようにして収容されている。また、磁性体68の屈曲部68aは、インク室42の前記収容空間63内に位置するようになっている。
【0095】
そして、磁性体68は、この状態でコイル55が通電されることにより、ボビン54の内部に磁場が発生すると、図5の左側(インク供給チューブ13側)の端部である左端部68lがN極に、図5の右側(記録ヘッド16側)の端部である右端部68rがS極に磁化されるようになっている。
【0096】
従って、以上のように構成された流路バルブ15は、コイル55に通電させない状態では、磁性体68がフィルム材41を挟んで対峙する永久磁石53に正方向としての図5の上方に引きつけられた状態となる。従って、弾性体64には、磁性体68からの押圧力が加わっていない状態となり、弾性体64の弁座当接部65bと弁座34とは離間した状態となる。そして、第1のインク流路45とインク室42とが連通した状態となり、流路バルブ15は開いた状態となる(図5参照)。
【0097】
また、図6に示すように、コイル55に通電させると、ボビン54の内側に磁場が発生し、磁性体68の左端部68lがN極に、右端部68rがS極に磁化される。その結果、磁性体68と永久磁石53とのそれぞれの左端部53l,68lと、右端部53r,68rとが、同じ磁極を有するようになり、お互い反発し合う状態となる。すると、磁性体68の下面が第2の突起62に当接するようになり、この当接部分69を支点として磁性体68が正方向としての下方に回転する。そして、磁性体68の左端部68lの下面が前記弾性体64の磁性体当接部65aと当接し、磁性体当接部65aに、下方への押圧力が加わるようになる。その結果、弾性体64が弾性変形して弁座当接部65bと弁座34とが当接し、第1の開口部43を閉塞するようになる。そして、第1のインク流路45とインク室42とが連通しない状態となり、流路バルブ15が閉じた状態となる。
【0098】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(7)及び(9)と同様の各効果が得られるとともに、以下のような効果を得ることができる。
(10)上記第2の実施形態では、弁体65の上面を、半球状となるようにした。従って、磁性体68が弁体65に対して様々な方向から当接しても、弁体65が半球状となっているので、磁性体68から弁体65加わる力を常に同じ位置に集中させることができる。そして、その力の集中する位置と、弁体65が弁座34に当接する位置とを同じ位置とすることで、弁体65を弁座34に対して確実に当接させることができる。その結果、磁性体68が弁体65に対して様々な方向から当接しても、弁座34と弁体65とを確実に当接させて、流路バルブ15を閉状態とすることができる。
【0099】
(11)上記第2の実施形態では、流路ハウジング33のインク室42に第2の突起62を設けるとともに、磁性体68に屈曲部68aを設け、屈曲部68aの下面と第2の突起62との当接部分69により、磁性体68の右端部68rが下方へ移動しないようにした。従って、磁性体68は、コイル55の通電及び非通電により、当接部分69を中心に回動しながら、弁体65を弁座34に当接させたり離間させたりするようになる。その結果、磁性体68の移動が安定し、流路バルブ15の開閉をより確実に行うことができる。
【0100】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態の流路バルブ15の磁性体36と流路形成部材39との構造や配置を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0101】
図7に示すように、本実施形態における流路バルブ15は、磁性体71がインク室42の外部に位置するようになっており、流路形成部材39のインク室42の高さが、第1の実施形態に比較して低くなっている。詳しくは、インク室42に弾性体35を収容させたときに、弾性変形していない状態の弾性体35の弁体48の磁性体当接部51が、フィルム材41に当接するとともに、弾性体35の左右一対の支持部49aがインク室42の底面42aに当接するような高さとなっている。また、流路形成部材39の第2の開口部44は、第1の実施形態においては、インク室42の右側の内壁面42bに設けていたが、本実施形態では、インク室42の底面42aに設けている。
【0102】
磁性体71は、第1の実施形態における磁性体36と同様に、磁場内で磁化される材料で形成され、略直方体形状を有しているが、本実施形態では、その中央部分には、下方に向かって突出するように屈曲した形状の接触部としてのフィルム材当接部72を備えている。そして、磁性体71は、永久磁石53とフィルム材41との間に位置している。
【0103】
また、磁性体71は、この状態でコイル55が通電されることにより、ボビン54の内部に磁場が発生すると、図7の左側(インク供給チューブ13側)の端部である左端部71lがN極に、図7の右側(記録ヘッド16側)の端部である右端部71rがS極に磁化されるようになっている。
【0104】
従って、以上のように構成された流路バルブ15は、コイル55に通電させない状態では、磁性体71が隣接する永久磁石53に負方向としての図7の上方に引きつけられた状態となる。従って、弾性体35には、磁性体71からの押圧力が加わっていない状態となり、弾性体35の弁座当接部52と弁座34とは離間した状態となる。そして、第1のインク流路45とインク室42とが連通した状態となり、流路バルブ15は開いた状態となる(図7参照)。
【0105】
また、図8に示すように、コイル55に通電させると、ボビン54の内側に磁場が発生し、磁性体71の左端部71lがN極に、右端部71rがS極に磁化される。その結果、磁性体71と永久磁石53とのそれぞれの左端部53l,71lと、右端部53r,71rとが、同じ磁極を有するようになり、お互い反発し合う状態となる。すると、磁性体71のフィルム材当接部72の下面がフィルム材41を正方向としての下方へ押圧するようになる。その結果、フィルム材41を介して弾性体35の磁性体当接部51が下方に押圧され、弾性体35の薄肉部49bが弾性変形して弁座当接部52と弁座34とが当接するようになる。そして、第1の開口部43が閉塞され、第1のインク流路45とインク室42とが連通しない状態となり、流路バルブ15が閉じた状態となる。
【0106】
上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(8)と同様の各効果が得られるとともに、以下のような効果を得ることができる。
(12)上記第3の実施形態では、インク室42を、フィルム材41にて封止するようにし、磁性体71と弁体48との間にフィルム材41が位置するようにした。
【0107】
従って、磁性体71をインク室42の外部に位置させることができ、インク室42内のインクが磁性体71に与える影響を考慮する必要がなくなり、磁性体71の材料の選定を容易とすることができる。その結果、流路バルブ15の設計の自由度を向上させることができる。また、流路バルブ15を生産するときに、弾性体35等をインク室42内に設けた後にフィルム材41にてインク室42を封止することで、簡単に弾性体35をインク流路内に設けることができ、生産効率を高めることができる。
【0108】
(13)上記第3の実施形態では、磁性体71は、流路バルブ15を閉じる時には、フィルム材41に対して部分的に接触するフィルム材当接部72によりフィルム材41を下方に押圧するようにした。従って、磁性体71がフィルム材41に当接する面積が小さくなっているので、フィルム材41をフィルム材当接部72による押圧により容易に変形させることができ、フィルム材41を介して弁体48を下方に押圧して、弁座34に当接させることができる。
【0109】
(第4の実施形態)
以下、本発明を具体化した第4の実施形態を図9及び図10に従って説明する。なお、第4の実施形態は、第1の実施形態の流路バルブ15の弾性体35、磁性体36、磁性体駆動部37、流路形成部材39の構造や配置を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0110】
図9に示すように、本実施形態における流路バルブ15の流路形成部材39は、インク室42の底面42aの右側に、第3の突起75を備えている。そして、第3の突起75には、その上面から半球状の規制手段を構成する凹部76が形成されている。また、磁性体77は、第1の実施形態における磁性体36と同様に、磁場内で磁化される材料で形成され、略直方体形状を有しているが、本実施形態では、その右端部に、下方に向かって突出するようにして半球状の規制手段を構成する凸部78が備えられている。さらに、磁性体77には、その右端部に上方に向かって突出するようにして突出部79が備えられている。
【0111】
そして、磁性体77は、インク室42内において前記凹部76に凸部78を嵌合させるとともに、前記突出部79を前記フィルム材41に当接させた状態で収容されている。従って、磁性体77は、インク室42内において、半球状の凸部78を支点としてピボット運動をすることが可能となっている。また、本実施形態における弁体81は、第1実施形態における弾性体35と同様にして、弾性材料によって形成されているとともに略直方体形状を有しており、磁性体77の下面に固着されている。
【0112】
そして、弁体81は、インク室42の弁座34に対して、上下方向にほぼ重なるような位置関係を有している。従って、磁性体77が前記凸部78を支点としてフィルム材41の方向に移動すると弁体81と弁座34とが離間し、磁性体77が前記凸部78を支点として弁座34の方向に移動すると、弁体81と弁座34とが当接して、前記第1の開口部43を閉塞するようになっている。
【0113】
磁性体駆動部83の永久磁石84は、前記磁性体77よりも幅方向に小さな直方体形状を有しており、本実施形態では、ボビン54の内部ではなく、ボビン54の左側に隣接するようにして設けられている。そして、永久磁石84は、前記フィルム材41を挟んで磁性体77の左側の端部である左端部77lと対峙するようになっている。従って、磁性体77のその他の部分については、フィルム材41を挟んで、ボビン54と対峙するようになっている。また、永久磁石84は、図9の上側の端部である上端部84tがS極に、図9の下側の端部である下端部84bがN極となるように常に磁化されている。
【0114】
そして、磁性体77は、この状態でコイル55が通電されることにより、ボビン54の内部に磁場が発生すると、左端部77lがN極に、図9の右側(記録ヘッド16側)の端部である右端部77rがS極に磁化されるようになっている。
【0115】
従って、以上のように構成された流路バルブ15は、コイル55に通電させない状態では、磁性体77の左端部77lが永久磁石84に負方向としての図9の上方に引きつけられた状態となり、磁性体77が凸部78を支点としてフィルム材41の方向に移動する。従って、弁体81と弁座34とは離間した状態となる。そして、第1のインク流路45とインク室42とが連通した状態となり、流路バルブ15は開いた状態となる(図9参照)。
【0116】
また、図10に示すように、コイル55に通電させると、ボビン54の内側に磁場が発生し、磁性体77の左端部77lと永久磁石84の下端部84bとが同じ磁極を有するようになり、反発し合う状態となる。すると、磁性体77が凸部78を支点として正方向としての弁座34の方向に回転する。従って、弁体81と弁座34とは当接した状態となる。そして、第1の開口部43が閉塞され、第1のインク流路45とインク室42とが連通しない状態となり、流路バルブ15が閉じた状態となる。
【0117】
上記第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)及び(9)と同様の各効果が得られるとともに、以下のような特徴を得ることができる。
(14)上記第4の実施形態では、流路形成部材39のインク室42に第3の突起75を設けるとともに、磁性体77に凸部78を設け、第3の突起75の凹部76に凸部78を嵌合させることにより、磁性体77を、凸部78を支点としてピボット運動するようにした。従って、磁性体77は、コイル55の通電及び非通電により、凸部78を中心に回動しながら、弁体81を弁座34に当接させたり離間させたりするようになる。その結果、磁性体77の移動が安定し、流路バルブ15の開閉をより確実に行うことができる。
【0118】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1〜第4の実施形態では、第1のインク流路45とインク供給チューブ13とを接続し、第2のインク流路46と記録ヘッド16とを接続するようにしたが、第1のインク流路45と記録ヘッド16とを接続し、第2のインク流路46とインク供給チューブ13とを接続するようにしてもよい。
【0119】
・上記第1〜第4の実施形態では、磁性体36,68,71,77と弁座34との間に弁体48,65,81を設けるようにしたが、設けないようにしてもよい。そして、この場合には、磁性体36,68,71,77が直接、あるいは、フィルム材41を介して、弁座34に対して当接又は離間して流路バルブ15を開閉するようにしてもよい。
【0120】
・上記第1〜第4の実施形態では、弁体48,65,81を、それぞれ弾性材料により形成するようにしたが、弾性材料以外の材料により形成するようにしてもよい。
【0121】
・上記第1〜第3の実施形態では、弾性体35,64はそれぞれ、付勢手段としての付勢部49,66を弁体48,65と一体となるようにして設けるようにしたが、別体となるようにしてもよい。そして、別体となるようにした場合には、その他の付勢手段、例えば、コイルスプリング等によって弁体48,65を弁座34から離間する方向に付勢するようにしてもよい。
【0122】
・上記第1〜第4の実施形態では、弁体48,65,81の形状を、円錐台形状、半球形状、直方体形状として説明したが、磁性体36,68,71,77の移動によって弁座34に対して当接または離間して流路バルブ15を開閉可能な形状であれば、形状は特に限定されない。
【0123】
・上記第1〜第4の実施形態では、弁座34は、流路形成部材39に対して一体となるようにして形成するようにしたが、別体として形成するようにしてもよい。また、別体とする場合には、弁体48,65,81との密着性が高くなるような材料、例えば、弾性材料等によって形成するようにしてもよい。
【0124】
・上記第1及び第3実施形態では、弁体48は、磁性体36及びフィルム材41に対して固着されないようにした。これを、固着されるようにしてもよい。そして、固着した場合には、弾性体35は、弁体48のみで構成されるようにし、付勢部49を設けないようにしてもよい。
【0125】
・上記第1〜第4の実施形態では、インク室42は、流路形成部材39にフィルム材41を溶着することにより形成するようにしたが、流路形成部材39のみでインク室42を形成するようにしてもよい。
【0126】
・上記第1〜第4の実施形態では、上方から順に、永久磁石53,84、磁性体36,68,71,77、弁座34が並ぶように設けたが、磁性体36,68,71,77、弁座34,永久磁石53,84の順に設けるようにしてもよい。このようにすれば、磁性体36,68,71,77は、コイル55が通電されていない状態では、永久磁石53に引きつけられて正方向としての下方に移動することにより流路バルブ15を閉じた状態とすることができる。また、磁性体36,68,71,77が励磁されて永久磁石53に反発して、負方向としての上方に移動することにより流路バルブ15を開いた状態とすることができる。そして、この結果、流路バルブ15を閉じた状態とすることの方が、開いておく時間に比べて長いインクジェットプリンタ11において、高い節電効果を得ることができる。
【0127】
・上記第1〜第4の実施形態では、流路バルブ15を、インクカートリッジ12がキャリッジ14に搭載されていないインクジェットプリンタ11に使用するようにしたが、インクカートリッジ12をキャリッジ14に搭載するインクジェットプリンタ11に使用するようにしてもよい。
【0128】
・上記第1〜第4の実施形態においては、流路バルブ15を、キャリッジ14に固定するようにしたが、流路バルブ15を、インク供給チューブ13のキャリッジ14の動作により可動しない部分からインクカートリッジ12までのインク供給路の任意の位置に配置してもよい。
【0129】
・上記第1〜第4の実施形態においては、流路バルブ15を、記録ヘッド16のフィルタの上流側に配置するようにしたが、下流側に配置するようにしてもよい。
【0130】
・上記第1〜第4の実施形態では、弁装置として、インクジェットプリンタ11のチョーククリーニングに使用するに流路バルブ15に具体化して説明したが、選択クリーニングに使用する弁装置として具体化するようにしてもよい。また、液体噴射装置として、インクを吐出しするインクジェットプリンタ11について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体噴射装置以外の装置に使用する弁装置に応用してもよい。また、流体もインクに限られず、他の流体に応用してもよい。
【0131】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1〜16に記載の発明によれば、流体が永久磁石に与える影響を考慮する必要がなくなり、弁装置の設計の自由度を向上させることができる。また、弁装置を開状態とする時には、磁性体が永久磁石に吸引する力を利用するため電気等のエネルギーが不要となり、エネルギー効率を高めることができる。
【0132】
加えて、請求項3及び5,6,9,12に記載の発明によれば、弁装置を確実に開閉することができる。
加えて、請求項4及び11に記載の発明によれば、磁性体の材料の選定が容易となり弁装置の設計の自由度を向上させることができる。
【0133】
加えて、請求項7、8,10,11に記載の発明によれば、生産性を高めることができる。
加えて、請求項10に記載の発明によれば、磁性体を永久磁石によって大きな吸引力で吸引することができ、エネルギー効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるインクジェットプリンタの概念図。
【図2】同じく、流路バルブの部分断面図。
【図3】同じく、流路バルブの部分分解平面図。
【図4】同じく、流路バルブの動作の説明図。
【図5】第2の実施形態における流路バルブの部分断面図。
【図6】同じく、流路バルブの動作の説明図。
【図7】第3の実施形態における流路バルブの部分断面図。
【図8】同じく、流路バルブの動作の説明図。
【図9】第4の実施形態における流路バルブの部分断面図。
【図10】同じく、流路バルブの動作の説明図。
【符号の説明】
11 液体噴射装置としてのインクジェットプリンタ
15 弁装置としての流路バルブ
16 液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド
34 弁座
36,68,71,77 磁性体
39 流路形成部材
41 フィルム材
42 溝としてのインク室
45 流路を構成する第1のインク流路
46 流路を構成する第2のインク流路
48,65,81 弁体
49,66 付勢手段としての付勢部
51,65a 接触部分としての磁性体当接部
53,84 永久磁石
55 励磁コイルとしてのコイル
62 規制手段を構成する第2の突起
68a 規制手段を構成する屈曲部
72 接触部としてのフィルム材当接部
76 規制手段を構成する凹部
78 規制手段を構成する凸部

Claims (15)

  1. 流体が移動する流路内に設けられている弁座と、
    前記弁座に向かう正方向及び離間する負方向に移動することにより、前記流路を開閉する磁性体と、
    前記流路外に設けられ、磁化されていない状態の前記磁性体を吸引して前記正方向又は前記負方向に移動させる永久磁石と、
    前記磁性体を前記永久磁石に対して反発するように磁化させて、前記磁性体を前記磁化されていない状態における移動方向と反対の方向に移動させる励磁コイルと
    を備え、
    該励磁コイルは、筒状をなすように巻回されており、前記励磁コイルの内周側には、前記弁座と前記磁性体と前記永久磁石とが前記励磁コイルの中心軸線と直交する方向に並んで配置されていることを特徴とする弁装置。
  2. 請求項1に記載の弁装置において、
    前記磁性体を前記磁性体が磁化されている時の移動方向と反対方向に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする弁装置。
  3. 請求項1又は2に記載の弁装置において、
    前記弁座と前記磁性体との間に、前記磁性体の前記正方向及び前記負方向の移動により前記弁座に対して当接されたり離間されたりする弁体を設けたことを特徴とする弁装置。
  4. 請求項3に記載の弁装置において、
    前記弁体は、弾性材料により形成されていることを特徴とする弁装置。
  5. 請求項3又は4に記載の弁装置において、
    前記弁体は、前記磁性体との接触部分が少なくとも、半球、もしくは、円錐、円錐台形状であることを特徴とする弁装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記弁体は、前記磁性体に固着されていることを特徴とする弁装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記弁体は、前記磁性体を前記磁性体が磁化されている時の移動方向と反対方向に付勢する付勢手段を一体に備えていることを特徴とする弁装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記流路は、流路形成部材に形成された溝と、前記溝を封止するように前記流路形成部材に取り付けられているフィルム材とによって構成されており、
    前記フィルム材は、前記永久磁石と前記磁性体との間に位置していることを特徴とする弁装置。
  9. 請求項3〜7のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記流路は、流路形成部材に形成された溝と、前記溝を封止するように前記流路形成部材に取り付けられているフィルム材とによって構成されており、
    前記フィルム材は、前記磁性体と前記弁体との間に位置していることを特徴とする弁装置。
  10. 請求項9に記載の弁装置において、
    前記磁性体は、前記フィルム材に対して部分的に接触する接触部を有していることを特徴とする弁装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記磁性体の一端の前記正方向及び前記負方向への移動を規制する規制手段を備えたことを特徴とする弁装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の弁装置において、
    前記流体は、インクであることを特徴とする弁装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の弁装置を備えた液体噴射装置。
  14. 請求項13に記載の液体噴射装置において、
    前記弁装置は、液体噴射ヘッドに設けられているフィルタの上流側に配置されることを特徴とする液体噴射装置。
  15. 請求項13又は14に記載の液体噴射装置において、
    前記弁装置は、チョーククリーニング又は選択クリーニングに使用されることを特徴とする液体噴射装置。
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