JP3986396B2 - 同時録再の方法および情報記録再生装置 - Google Patents
同時録再の方法および情報記録再生装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のリアルタイム・データを同時に録再することが可能な情報記録媒体、同時録再の方法および情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セクタ構造を有する情報記録媒体としてハードディスクがある。近年、大容量化、マルチメディア化が進んでおり、パソコンから民生機器まで応用が進んでいる。
【0003】
以下、図面を参照しながら、従来のハードディスクでの同時録再を説明する。ハードディスクでは、予め記録再生領域のサイズをセクタよりも大きな単位に固定し、固定のブロック単位でアクセスを行なう。
【0004】
図2は、2つのリアルタイム・データを同時録再する同時録再モデルを示す。同時録再モデルは、情報記録媒体に対してリアルタイム・データを記録再生するピックアップ74と、第1のリアルタイム・データを符号化するエンコーダ70と、符号化された第1のリアルタイム・データをピックアップ74により記録する前に一時的に保持する記録バッファ72と、ピックアップ74により再生された第2のリアルタイム・データを一時的に保持する再生バッファ73と、再生バッファ73から転送された第2のリアルタイム・データを復号化するデコーダ71とを含む。
【0005】
図30は、記録バッファ72、再生バッファ73を用いて連続性を確保しながら2つのリアルタイム・データを同時録再する例を示す。この例では、第1のリアルタイム・データを情報記録媒体上の領域81、84に記録しながら、情報記録媒体上の領域83、85に記録された第2のリアルタイム・データを再生する。
【0006】
図30において、A81、A82、A83は、ピックアップ74がアクセスすべき領域間を移動する動作(アクセス動作)を示す。アクセス動作A81、A82、A83に必要な時間は、それぞれ、ピックアップ74が情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要な時間(すなわち、最大のアクセス時間Ta)であるとする。ピックアップ74と記録バッファ72との間のデータ転送レートおよびピックアップ74と再生バッファ73との間のデータ転送レートは、一定のVtであるとする。エンコーダ70と記録バッファ72との間のデータ転送レートおよびデコーダ71と再生バッファ73との間のデータ転送レートは、一定のVdであるとする。Vdは、記録再生されるデータが可変レートで圧縮されている場合には、その可変レートの最大値である。
【0007】
記録動作W81において、記録バッファ72に蓄積されたデータは全て領域81に記録される。その後、アクセス動作A81、再生動作R81およびアクセス動作A82の間に、記録バッファ72にはデータが蓄積される。記録動作W82において、記録バッファ72にに蓄積されたデータは全て領域84に記録される。その後、アクセス動作A83、再生動作R82および次のアクセス動作(図示せず)の間に、記録バッファ72にはデータが蓄積される。
【0008】
一方、記録動作W81およびアクセス動作A81の間に、再生バッファ73に蓄積されたデータは消費され、再生動作R81において、再生バッファ73にデータが蓄積される。その後、アクセス動作A82、記録動作W82およびアクセス動作A83の間に、再生バッファ73に蓄積されたデータは消費され、再生動作R82において、再生バッファ73にデータが蓄積される。
【0009】
このように、記録再生されるデータの転送レートが一定である場合には、記録バッファ72内のデータ量は記録状態と非記録状態との間でバランスされ、再生バッファ73内のデータ量も再生状態と非再生状態との間でバランスされる。また、第1のリアルタイム・データの記録と第2のリアルタイム・データの再生とが交互に行なわれるため、2つのリアルタイム・データの記録再生を連続して行なうことができる。
【0010】
図30で示す例は、データを記録再生可能な領域の最小サイズを示す条件にもなる。すなわち、記録再生する領域がディスク上のどの場所に存在するかの規定が出来ないために、記録領域と再生領域との間のアクセスは、回転待ちを含む最大アクセス時間で考える。
【0011】
図31は、可変レートのデータを記録再生した場合の記録バッファ72、再生バッファ73内のデータ量の推移を示した図である。記録動作W91、アクセス動作A91、再生動作R91、アクセス動作A92の終了時点で、記録バッファ72内に記録領域のサイズ以上のデータが蓄積されていない場合、記録レートが低ければ、記録するデータが途中で足りなくなるために、回転待ちを起こし、記録時間が増えてしまう。この場合、リアルタイム・データが記録されている次の領域にアクセスするアクセス動作A93を行い、再生動作R92を行なう。このように、固定サイズのブロック毎にデータを記録し、固定ブロック単位でアクセスを行なう場合には、2回のアクセス時間と1つの再生領域の再生時間に蓄積されるデータ量に固定ブロックのサイズを加えたものが、記録バッファ72に必要なバッファメモリのサイズとなる。また、逆に、再生バッファ73も記録バッファ72と同じサイズのバッファメモリが必要になる。
【0012】
ハードディスクの場合には、データの転送能力が高いため、固定ブロックのサイズを小さくできるとともにバッファメモリのサイズも小さくできる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような方式の同時録再を光ディスクへ適用する場合、光ディスクはデータの転送レートが低く、また、アクセス時間も大きいために、大きなバッファメモリが必要になるという課題があった。また、別の機器で記録されたディスクでも同時録再を行なうためには、互換性を確保しつつ、安定して同時録再を行なう必要があるという課題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、同時録再モデルに従って、複数のリアルタイム・データを情報記録媒体に同時に録再する方法であって、前記同時録再モデルは、前記情報記録媒体上の領域にアクセスするピックアップPと、リアルタイム・データDiを符号化する符号化モジュールEMiと、符号化されたリアルタイム・データDiを蓄積する記録バッファWBiと、前記情報記録媒体から読み出されたリアルタイム・データDjを蓄積する再生バッファRBjと、再生バッファRBjに蓄積されたリアルタイム・データDjを復号化する復号化モジュールDMjとを含み、前記方法は、前記情報記録媒体上のボリューム空間内の未割付け領域を検索し、前記ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付ける第一ステップと、記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを領域Aiに記録する記録動作Wiを実行する第二ステップと、リアルタイム・データDjが記録された領域Ajからリアルタイム・データDjを読み出す再生動作Rjを実行する第三ステップと、記録動作Wiを実行している間に、記録バッファWBiがエンプティか否かを判定し、記録バッファWBiがエンプティであると判定された場合には、記録動作Wiを他の記録動作または再生動作Rjに切り替え、記録バッファWBiがエンプティでないと判定された場合には、記録動作Wiを継続する第四ステップと、再生動作Rjを実行している間に、再生バッファRBjがフルか否かを判定し、再生バッファRBjがフルであると判定された場合には、再生動作Rjを他の再生動作または記録動作Wiに切り替え、再生バッファRBjがフルでないと判定された場合には、再生動作Rjを継続する第五ステップと、を包含し、記録される前記リアルタイム・データDiおよび再生される前記リアルタイム・データDjのうちの少なくとも一方は、可変レートでエンコードされるデータを含み、領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、前記多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作で、記録バッファWBiをエンプティにすることができるという条件を満たすように構成されており、領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作で、再生バッファRBjをフルにすることができるという条件を満たすように構成されており、ここで、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数であり、前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、前記第二〜第五ステップにおいて、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、に基づいて決められることを特徴とする。
【0015】
前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、前記第二〜第五ステップにおいて、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、が等しくなるように決めてもよい。
【0016】
2つのリアルタイム・データを同時録再する場合、前記第二〜第五ステップは、第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作、第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作の順に実行され、リアルタイム・データDi記録動作は前記第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作で構成され、リアルタイム・データDj再生動作は前記第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作、で構成されてもよい。
【0017】
領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、ここで、Y=2×n×Ta×Vd×Vt÷(Vt−n×Vd)、Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、Vdは、すべてのi、jに対して、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよび復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、ようにしてもよい。
【0018】
領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yi以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yj以上のサイズを有しており、ここで、Yi=(2×n×Ta×Vt×Vdi)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、Yj=(2×n×Ta×Vt×Vdj)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、Vdiは、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートを示し、Vdjは、復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、ようにしてもよい。
【0019】
領域Aiおよび領域Ajは、すべてのi、jに対して、前記情報記録媒体の半径38mmから58mmまでの領域に設けられていてもよい。
【0020】
本発明の情報記録再生装置は、同時録再モデルに従って、複数のリアルタイム・データを情報記録媒体に同時に録再する情報記録再生装置であって、前記同時録再モデルは、前記情報記録媒体上の領域にアクセスするピックアップPと、リアルタイム・データDiを符号化する符号化モジュールEMiと、符号化されたリアルタイム・データDiを蓄積する記録バッファWBiと、前記情報記録媒体から読み出されたリアルタイム・データDjを蓄積する再生バッファRBjと、再生バッファRBjに蓄積されたリアルタイム・データDjを復号化する復号化モジュールDMjとを含み、前記情報記録再生装置は、前記情報記録媒体上のボリューム空間内の未割付け領域を検索し、前記ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付ける第一手段と、記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを領域Aiに記録する記録動作Wiを実行する第二手段と、リアルタイム・データDjが記録された領域Ajからリアルタイム・データDjを読み出す再生動作Rjを実行する第三手段と、記録動作Wiを実行している間に、記録バッファWBiがエンプティか否かを判定し、記録バッファWBiがエンプティであると判定された場合には、記録動作Wiを他の記録動作Wiまたは再生動作Rjに切り替え、記録バッファWBiがエンプティでないと判定された場合には、記録動作Wiを継続する第四手段と、再生動作Rjを実行している間に、再生バッファRBjがフルか否かを判定し、再生バッファRBjがフルであると判定された場合には、再生動作Rjを他の再生動作Rjまたは記録動作Wiに切り替え、再生バッファRBjがフルでないと判定された場合には、再生動作Rjを継続する第五手段とを備え、記録される前記リアルタイム・データおよび再生される前記リアルタイム・データのうちの少なくとも一方は、可変レートでエンコードされるデータを含み、領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作で記録バッファWBiをエンプティにすることができるという条件を満たすように構成されており、領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作で再生バッファRBjをフルにすることができるという条件を満たすように構成されており、ここで、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数であり、前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、前記第二〜第五手段において、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、に基づいて決められることを特徴とする。
【0021】
前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、前記第二〜第五手段において、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、が等しくなるように決められることを特徴としてもよい。
【0022】
2つのリアルタイム・データを同時録再する場合、前記第二〜第五手段は、第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作、第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作を順に実行し、リアルタイム・データDi記録動作は前記第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作で構成され、リアルタイム・データDj再生動作は前記第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作、で構成されるようにしてもよい。
【0023】
領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、ここで、Y=2×n×Ta×Vd×Vt÷(Vt−n×Vd)、Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、Vdは、すべてのi、jに対して、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよび復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、ようにしてもよい。
【0024】
領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yi以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yj以上のサイズを有しており、ここで、Yi=(2×n×Ta×Vt×Vdi)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、Yj=(2×n×Ta×Vt×Vdj)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、Vdiは、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートを示し、Vdjは、復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、ようにしてもよい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0041】
(実施の形態1)
以下、同時録再のモデルに従って、複数のリアルタイム・データを同時に録再する方法を説明する。同時録再モデルは、記録バッファ72、再生バッファ73の2つのバッファを有するという点において、図2に示される同時録再モデルと同一である。ここで、リアルタイム・データとは、映像データおよび音声データのうちの少なくとも一方を含むデータをいう。情報記録媒体とは、光ディスクなどの任意のタイプの記録媒体をいう。
【0042】
図1は、リアルタイム・データA、Bを同時録再する場合における、同時録再モデルの記録バッファ72、再生バッファ73内のデータ量の推移を示す。
【0043】
図1に示される例では、リアルタイム・データAを情報記録媒体上の領域1、2、3、4に記録しながら、情報記録媒体上の領域5、6、7、8に記録されたリアルタイム・データBを再生する。ここで、領域1〜4は、リアルタイム・データAを記録する領域として割付けられた領域であり、領域5〜8は、リアルタイム・データBを記録する領域として割付けられた領域である。
【0044】
図1において、A1〜A7は、ピックアップ74がアクセスすべき領域間を移動する動作(アクセス動作)を示す。アクセス動作A1〜A7に必要な時間は、それぞれ、ピックアップ74が情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要な時間(すなわち、最大アクセス時間Ta)であるとする。記録バッファ72、再生バッファ73とピックアップ74との間のデータ転送レートは、一定のVtであるとする。エンコーダ70と記録バッファ72との間のデータ転送レートおよびデコーダ71と再生バッファ73との間のデータ転送レートは、一定のVdであるとする。Vdは、記録再生されるデータが可変レートで圧縮されている場合には、その可変レートの最大値である。
【0045】
記録動作W1において、記録バッファ72に蓄積されたリアルタイム・データAが領域1に記録される。領域1の終端において記録バッファ72はエンプティでないため、リアルタイム・データAの記録動作からリアルタイム・データBの再生動作への切り替えは発生しない。アクセス動作A1の後、記録動作W2において、記録バッファ72に蓄積されたリアルタイム・データAが領域2に記録される。
【0046】
記録動作W2を実行している間に、記録バッファ72がエンプティになる。その結果、リアルタイム・データAの記録動作からリアルタイム・データBの再生動作への切り替えが発生する(アクセス動作A2)。
【0047】
再生動作R1において、領域5からリアルタイム・データBが読み出され、再生バッファ73に蓄積される。領域5の終端において再生バッファ73はフルではないため、リアルタイム・データBの再生動作からリアルタイム・データAの記録動作への切り替えは発生しない。アクセス動作A3の後、再生動作R2において、領域6からリアルタイム・データBが読み出され、再生バッファ73に蓄積される。
【0048】
再生動作R2を実行している間に、再生バッファ73がフルになる。その結果、リアルタイム・データBの再生動作からリアルタイム・データAの記録動作への切り替えが発生する(アクセス動作A4)。
【0049】
このように、本発明の同時録再の方法は、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作とによって記録バッファ72をエンプティにすることができるという条件と、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作とによって再生バッファ73をフルにすることができるという条件との両方を満たすように設計されている。すなわち、同時録再の条件は、これらの2つの条件の両方を満たすことである。これにより、記録バッファ72、再生バッファ73をオーバーフローさせることなく、記録バッファ72、再生バッファ73をアンダーフローさせることなく、リアルタイム・データAを情報記録媒体に記録しつつ、情報記録媒体に記録されたリアルタイム・データBを再生することを保証することが可能になる。
【0050】
例えば、リアルタイム・データAを記録する領域として割付けられた少なくとも1つの記録領域のそれぞれがY以上のサイズを有し、かつ、リアルタイム・データBが記録された領域として割付けられた少なくとも1つの再生領域のそれぞれがY以上のサイズを有することにより、同時録再条件を満たすことができる。従って、同時録再条件を満たすためには、Y以上のサイズを有する少なくとも1つの未割付け領域を検索し、そのようにして検索された少なくとも1つの記録領域をリアルタイム・データAを記録する領域として割付けるようにすればよい。リアルタイム・データBを記録する領域についても同様である。
【0051】
図1に示される例では、領域1〜4のそれぞれがY以上のサイズを有し、かつ、領域5〜8のそれぞれがY以上のサイズを有することにより同時録再条件を満たすことができる。
【0052】
ここで、記録領域、再生領域の最小サイズYと、記録バッファ72、再生バッファ73に必要なバッファサイズBとは、以下の式に従って求められる。
【0053】
Y=4×Ta×Vd×Vt÷(Vt−2×Vd)
B=(4×Ta+Y÷Vt)×Vd
記録領域、再生領域の最小サイズYの式は、以下のようにして導かれる。
【0054】
リアルタイム・データAの記録動作において、記録バッファ72内のデータは、Vt−Vdで消費され、アクセス動作およびリアルタイム・データBの再生動作において、記録バッファ72内のデータは、Vdで蓄積される。記録動作W1、アクセス動作A1、記録動作W2の間に消費される記録バッファ72のデータ量と、アクセス動作A2、再生動作R1、アクセス動作A3、再生動作R2およびアクセス動作A4の間に蓄積される記録バッファ72のデータ量とは等しい。従って、2つのリアルタイム・データを同時録再する場合には、以下の式が成り立つ。
【0055】
Y÷Vt×(Vt−Vd)−Ta×Vd=(3×Ta+Y÷Vt)×Vd
この式を変形することにより、記録領域、再生領域の最小サイズYの式が得られる。
【0056】
なお、同時録再するリアルタイム・データの数がn(nは2以上の任意の整数)である場合には、同時録再モデルとして、m個のエンコーダと、m個の記録バッファと、(n−m)個のデコーダと、(n−m)個の再生バッファとを含む同時録再モデルが使用される。mは、m<nを満たす1以上の任意の整数である。この場合、アクセス動作の回数が同時録再するリアルタイム・データの数に比例するため、Y÷Vt×(Vt−Vd)−Ta×Vd=((2×n−1)×Ta+(n−1)×Y÷Vt)×Vdが成立する。従って、同時録再するリアルタイム・データの数がnである場合には、記録領域、再生領域の最小サイズYと、記録バッファ、再生バッファに必要なサイズBとは、以下の式に従って求められる。
【0057】
Y=2×n×Ta×Vd×Vt÷(Vt−n×Vd)
B=(2×n×Ta+(n−1)×Y/Vt)×Vd
なお、記録するリアルタイム・データの数と再生するリアルタイム・データの数とは異なっていてもよい。このように、記録動作は別の記録動作に切り替わってもよいし、再生動作に切り替わってもよい。同様に、再生動作は別の再生動作に切り替わってもよいし、記録動作に切り替わってもよい。記録または再生するデータの転送レートが最大レートであれば、n個のリアルタイム・データの記録または再生が行われればよく、その組み合わせに制限はないことは自明である。
【0058】
このように、2つのリアルタイム・データを同時録再する場合に、従来例との違いの1つは、アクセス動作の回数を4回にしたことである。本発明では、アクセス動作は、リアルタイム・データAの記録動作とリアルタイム・データBの再生動作とを切り替える場合と、リアルタイム・データA(または、リアルタイム・データB)を記録する領域として割付けられた少なくとも1つの領域のうちの1つから他の1つにアクセスする場合とに発生する。従って、本発明では、記録バッファ72がフルになってから記録バッファ72が次にフルになるまでに(または、再生バッファ73がエンプティになってから再生バッファ73が次にエンプティになるまでに)4回のアクセス動作が可能なモデルを定義している。これにより、記録バッファ、再生バッファ内のデータ量の推移に応じて動的に記録動作と再生動作とを切り替えることが可能になり、記録バッファ、再生バッファ内のデータ量の推移も安定して制御することが可能になる。すなわち、記録バッファ72のデータ量がフルに近くなった場合には、すぐにリアルタイム・データBの再生動作からリアルタイム・データAの記録動作に切り替えることにより、記録バッファ72内のデータ量を減少させることができる。また、再生バッファ73のデータ量がエンプティに近くなった場合には、すぐにリアルタイム・データAの記録動作をリアルタイム・データBの再生動作に切り替えることにより、再生バッファ73内のデータ量を増大させることができる。
【0059】
図3は、ECMA167規格で規定されたボリューム・ファイル構造により管理されるファイルが記録された情報記録媒体(光ディスク)の領域配置の一例を示す。
【0060】
図3において、W1〜W4は図1を参照して説明した記録動作を示し、R1〜R4は図1を参照して説明した再生動作を示し、A1〜A7は図1を参照して説明したアクセス動作を示す。
【0061】
図3の上側が光ディスクの内周側を示し、図3の下側が光ディスクの外周側を示している。ボリューム空間には、ボリューム構造領域11と、ファイル構造領域12とが割付けられている。ファイル構造領域12は、ボリューム空間内の未使用領域をセクタ単位に未割付け領域として登録しているスペースビットマップ21と、図7に示されるディレクトリ構造に対応するデータ構造(すなわち、ルートディレクトリのファイルエントリ22、FILE−Aのファイル識別記述子23、FILE−Bのファイル識別記述子24、FILE−Aのファイルエントリ25、FILE−Bのファイルエントリ26)とを含む。
【0062】
ECMA167規格では、ファイルのデータが記録された領域をエクステントと呼び、エクステントの位置情報をファイルエントリに登録している。また、ディレクトリ下のファイル毎に、ファイル識別記述子をファイル構造領域12に記録している。
【0063】
また、リアルタイム・データが記録された領域は、一般のデータが記録された領域と区別するために、リアルタイム・エクステントと呼ばれる。
【0064】
図3に示される例では、FILE−Aのリアルタイム・データを記録する領域として光ディスクの内周側にある記録領域13、14、15が割付けられており、FILE−Bのリアルタイム・データが記録された領域として再生領域16、17、18が割付けられている。なお、記録領域15と再生領域16とは、それらの領域間をアクセスするのに必要なアクセス時間が、光ディスクの最内周にある領域から最外周にある領域にアクセスするのに必要なアクセス時間に等しいくらい離れているものとする。
【0065】
記録領域13〜15のそれぞれは、上述した同時録再条件を満たすように、記録領域の最小サイズY以上のサイズを有している。再生領域16〜18のそれぞれは、上述した同時録再条件を満たすように、再生領域の最小サイズY以上のサイズを有している。これにより、例えば、リアルタイム・データが実際に記録された領域が記録領域の一部であっても、アクセス動作の後、次の記録領域にリアルタイム・データを記録することができるため、合計してY以上のサイズの領域にリアルタイム・データを記録することができる。また、図1を参照して説明した同時録再の条件では、アクセス動作に必要な時間(アクセス時間)を光ディスクの最内周にある領域から最外周にある領域にアクセスするのに必要なアクセス時間としているために、記録領域および再生領域が光ディスク上のどこに配置されても、同時録再を保証することができる。
【0066】
図4は、記録バッファ72、再生バッファ73内のデータ量の推移を示す。
【0067】
以下、図4を参照して、記録再生するデータのデータレートの変動と記録バッファ、再生バッファ内のデータ量の推移との関係を説明する。
【0068】
リアルタイム・データAを記録する領域として、記録領域30、31が割付けられており、リアルタイム・データBが記録された領域として、再生領域35、36が割付けられているとする。記録領域31は、領域32、領域33、領域34を含む。再生領域36は、領域37、領域38、領域39を含む。
【0069】
リアルタイム・データAの記録動作において、記録バッファ72に転送されるデータのレートが最大レートの場合には、記録動作W11、アクセス動作A11、記録動作W13を行った結果、時刻t24で記録バッファ72がエンプティになる。記録バッファ72に転送されるデータのレートが最大レートより小さい場合には、エンコーダ70から記録バッファ72に転送されるデータが少ないために、記録動作W11、アクセス動作A11、記録動作W12を行った結果、時刻t24より早い時刻t23で記録バッファ72がエンプティになる。すなわち、エンコーダ70から記録バッファ72へのデータ転送レートが小さい場合には、早い時刻で記録バッファ72がエンプティになる。時刻t23において、リアルタイム・データAの記録動作をリアルタイム・データBの再生動作に切り替えた場合には、次の記録動作に切り替わるまでの時間が、3回のアクセス動作に必要な時間と2つの再生領域からデータを再生する2回の再生動作に必要な時間との合計以下であるために、記録バッファ72がオーバフローすることがない。また、次の記録動作において、最大レートのデータを記録しなければならないとしても、同時録再の条件から求められたYのサイズを有する領域にそのデータを記録することができる。
【0070】
他方、リアルタイム・データBの再生動作においても、再生バッファ73から転送されるデータのレートが最大レートの場合には、一回の再生動作でYのサイズの領域からデータを読み出すことができる。再生バッファ73から転送されるデータのレートが最大レートの場合には、再生動作R11、アクセス動作A14、再生動作R13を行った結果、時刻t29で再生バッファ73がフルになる。再生バッファ73から転送されるデータのレートが最大レートより小さい場合には、再生バッファ73からデコーダ71に転送されるデータが少ないために、再生動作R11、アクセス動作A14、再生動作R12を行った結果、時刻t29より早い時刻t28で再生バッファ73がフルになる。すなわち、再生バッファ73からデコーダ71へのデータ転送レートが小さい場合には、早い時刻で再生バッファ73がフルになる。時刻t28において、リアルタイム・データBの再生動作をリアルタイム・データAの記録動作に切り替えた場合には、次の再生動作に切り替わるまでの時間が、3回のアクセス動作に必要な時間と2つの記録領域にデータを記録する2回の記録動作に必要な時間との合計以下であるために、再生バッファ73がアンダーフローすることがない。また、次の再生動作において、最大レートのデータを再生しなければならないとしても、同時録再の条件から求められたYのサイズを有する領域からそのデータを再生することができる。
【0071】
次に、図3、図5、図6を用いて、本発明の実施の形態の情報記録再生装置と同時録再の方法を説明する。
【0072】
図5は、本発明の実施の形態の情報記録再生装置の構成を示す。
【0073】
情報記録再生装置は、システム制御部501と、I/Oバス521と、光ディスクドライブ531と、記録モードの指定や同時録再の開始を指示する入力手段532と、TV放送を受信するチューナ535と、チューナ535で選曲されたオーディオビデオ信号を符号化するエンコーダ533と、オーディオビデオデータを復号化するデコーダ534と、オーディオビデオ信号を再生するTV536とを含む。
【0074】
システム制御部501は、例えば、マイコンとメモリとによって実現される。システム制御部501に含まれる各手段は、例えば、マイコンが各種のプログラムを実行することによって実現される。システム制御部501に含まれる各メモリは、例えば、単一のメモリの領域を用途ごとに使い分けることによって実現される。
【0075】
録再切替手段502は、記録動作と再生動作とをバッファメモリ内のデータ量をチェックしながら切り替える。未割付け領域検索手段503は、ボリューム空間内の未割付け領域から同時録再の条件を満足する領域を検索する。ファイル構造処理手段504は、ファイル構造領域12からデータを読み出し、ファイル構造を解析する。データ記録手段505は、光ディスクドライブ531にデータの記録を指示する。データ再生手段506は、光ディスクドライブ531にデータの再生を指示する。
【0076】
割付け領域用メモリ507は、未割付け領域検索手段503で検索された記録可能領域の位置情報を一時的に保持する。ファイル構造用メモリ508は、ファイル構造領域12から読み出したデータを一旦バッファメモリ上に保持するためのものである。ビットマップ用メモリ509は、スペースビットマップ21より読み出したデータを保持することにより、ディスクへのアクセスを減らすためのものである。記録バッファメモリ510と再生バッファメモリ511とは、それぞれ、同時録再のモデルの記録バッファ72と再生バッファ73とに対応しており、同時録再の条件で算出したサイズ以上のバッファメモリを持つ。
【0077】
図6は、同時録再の方法の手順を示す。このような方法は、例えば、プログラムの形式でシステム制御部501内のメモリに格納され得る。そのようなプログラムは、例えば、システム制御部501内のマイコンによって実行され得る。
【0078】
ユーザは、入力手段532を用いて、同時記録の指示を情報記録再生装置に入力する。同時記録の指示に従って、記録するデータの最大データレートに応じた記録領域の最小サイズYが決定される。記録領域の最小サイズYの求め方は、図1を参照して説明したとおりである(Y=4×Ta×Vd×Vt÷(Vt−2×Vd))。また、映画などの特定の番組を記録する場合には、ユーザが記録時間を設定する。このようにして、記録パラメータが決定される(ステップS601)。
【0079】
未割付け領域検索手段503は、記録するリアルタイム・データ毎に、ステップS601で求められた記録領域の最小サイズY以上のサイズを有する未割付け領域を、ビットマップ用メモリ509に保持されたデータをもとに検索する。ユーザが記録時間を指定した場合には、未割付け領域のサイズの合計が最大レートと記録時間の積以上になるまで、ボリューム空間内の未割付け領域を検索し、ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データを記録する領域として割付ける(ステップS602)。従って、リアルタイム・データを記録する領域として割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、Y以上のサイズを有していることになる。これにより、同時録再条件を満たすことが可能になる。
【0080】
図3では、リアルタイム・データAを記録する領域として、記録領域13、14、15が割付けられている。記録領域13〜15のそれぞれは、Y以上のサイズを有している。記録領域13〜15の位置情報が、割付け領域用メモリ507に格納される。
【0081】
データ記録手段505は、記録バッファメモリ510に蓄積されたリアルタイム・データAを光ディスクに記録するように光ディスクドライブ531に指示するとともに、記録するリアルタイム・データAを光ディスクドライブ531に転送する(ステップS603)。
【0082】
図3では、記録動作W1において記録領域13の一部にリアルタイム・データAが記録される。後述するステップS605で記録動作を継続するように判定された場合には、アクセス動作A1の後、記録動作W2において記録領域14の先頭からリアルタイム・データAが記録される。
【0083】
なお、図3では、記録領域13の途中からリアルタイム・データAを記録する例を示しているが、記録領域13から記録を開始する場合には、記録領域13の先頭からリアルタイム・データAを記録するようにしてもよい。
【0084】
録再切替手段502は、ユーザが、入力手段532を用いて、記録又は再生の終了の指示を情報記録再生装置に入力した場合には、記録動作又は再生動作を終了する(ステップS604)。
【0085】
録再切替手段502は、記録バッファメモリ510がエンプティか否かを判定し、記録バッファメモリ510がエンプティであると判定された場合には、リアルタイム・データAの記録動作をリアルタイム・データBの再生動作に切り替え、記録バッファメモリ510がエンプティでないと判定された場合には、リアルタイム・データAの記録動作を継続する(ステップS605)。
【0086】
図3では、記録動作W2において記録バッファメモリ510がエンプティになるため、リアルタイム・データAの記録動作からリアルタイム・データBの再生動作への切り替えが発生する。その結果、アクセス動作A2の後、再生動作R1において再生領域17の一部からリアルタイム・データBが読み出される。再生領域の途中から再生するのは、編集処理により、再生順番が変わったためである。
【0087】
なお、再生領域17の先頭から再生を開始してもよい。この場合、再生領域17のサイズがY以上のため、再生領域16へのアクセス動作A3は発生せずに、記録動作に切り替わる。
【0088】
データ再生手段506は、リアルタイム・データBを光ディスクから再生するように光ディスクドライブ531に指示するとともに、再生するリアルタイム・データBを再生バッファメモリ511に転送する(ステップS606)。
【0089】
録再切替手段502は、再生バッファメモリ511がフルであるか否かを判定し、再生バッファメモリ511がフルであると判定された場合には、リアルタイム・データBの再生動作をリアルタイム・データAの記録動作に切り替え、再生バッファメモリ511がフルでないと判定された場合には、リアルタイム・データBの再生動作を継続する(ステップS607)。
【0090】
図3では、再生動作R2において再生バッファメモリ511がフルになるため、リアルタイム・データBの再生動作からリアルタイム・データAの記録動作への切り替えが発生する。その結果、アクセス動作A4の後、記録動作W3において記録領域14の残りの領域にリアルタイム・データAが記録される。
【0091】
すべてのデータの記録が終了した場合には、ファイル構造処理手段504は、リアルタイム・データが記録された領域をリアルタイム・エクステントとして管理するために、ファイル構造領域12の中にファイルエントリを記録する(ステップS608)。
【0092】
このように、記録バッファメモリ、再生バッファメモリ内のデータの蓄積状態をチェックしながら、リアルタイム・データAの記録動作とリアルタイム・データBの再生動作とが切り替えられる。
【0093】
なお、n個のリアルタイム・データを同時録再する場合には、情報記録媒体上の領域にアクセスするピックアップPと、リアルタイム・データDiを符号化する符号化モジュールEMiと、符号化されたリアルタイム・データDiを蓄積する記録バッファWBiと、情報記録媒体から読み出されたリアルタイム・データDjを蓄積する再生バッファRBjと、再生バッファRBjに蓄積されたリアルタイム・データDjを復号化する復号化モジュールDMjとを含む同時録再モデル(以下、「n−同時録再モデル」という)が使用される。この場合には、上述した各ステップにおいて以下の動作を行うようにすればよい。
【0094】
ステップS602:未割付け領域検索手段503は、情報記録媒体上のボリューム空間内の未割付け領域を検索し、ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付ける。
【0095】
ステップS603:光ディスクドライブ531は、データ記録手段505からの記録指示に従って、記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを領域Aiに記録する記録動作Wiを実行する。
【0096】
ステップS605:録再切替手段502は、記録動作Wiを実行している間に、記録バッファWBiがエンプティか否かを判定し、記録バッファWBiがエンプティであると判定された場合には、記録動作Wiを他の記録動作Wiまたは再生動作Rjに切り替え、記録バッファWBiがエンプティでないと判定された場合には、記録動作Wiを継続する。
【0097】
ステップS606:光ディスクドライブ531は、データ再生手段506からの再生指示に従って、リアルタイム・データDjが記録された領域Ajからリアルタイム・データDjを読み出す再生動作Rjを実行する。
【0098】
ステップS607:録再切替手段502は、再生動作Rjを実行している間に、再生バッファRBjがフルか否かを判定し、再生バッファRBjがフルであると判定された場合には、再生動作Rjを他の再生動作Rjまたは記録動作Wiに切り替え、再生バッファRBjがフルでないと判定された場合には、再生動作Rjを継続する。
【0099】
図6では2つのリアルタイム・データを同時録再する方法を示したので、記録動作と再生動作とが交互に切り替わることを説明したが、n個のリアルタイム・データを同時録再する場合には、nが奇数であってもよく、記録するリアルタイム・データの数と再生するリアルタイム・データの数とが異なっていてもよい。このため、記録動作から別の記録動作に切り替わってもよく、再生動作から別の再生動作に切り替わってもよい。
【0100】
ここで、領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作で記録バッファWBiをエンプティにすることができるという条件を満たすように構成されている。また、領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作で再生バッファRBjをフルにすることができるという条件を満たすように構成されている。これらの2つの条件の両方を満たすことが同時録再の条件を満たすことである。
【0101】
例えば、領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有し、かつ、領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有することにより、同時録再の条件を満たすことができる。記録領域、再生領域の最小サイズYの求め方は、図1を参照して説明したとおりである。
【0102】
Y=2×n×Ta×Vd×Vt÷(Vt−n×Vd)
Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示す。
【0103】
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す。
【0104】
Vdは、すべてのi、jに対して、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよび復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す。
【0105】
なお、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数である。
【0106】
なお、予め割り当てた領域に対し、スキップ記録を行なってもよい。スキップ記録とは、予め検出された欠陥セクタ又はデータの記録中に検出された欠陥セクタを避けて記録する方法である。例えば、スキップ記録の動作を示す図8において、記録する前に領域40内には欠陥セクタが検出されておらず、記録時に欠陥領域41と42と43が検出されたとする。この場合、欠陥領域を避けて記録するために、欠陥領域に記録しようとしたデータは欠陥領域の次の領域に記録する。図8の例では、データはスキップ記録SW1、SW2、SW3、SW4の順番で記録される。スキップ記録は、アクセス時間が小さいためにセクタ単位ではなく、ECCブロック単位で欠陥領域を含む領域を回避しながらスキップ記録を行なっても良い。ECCブロックのサイズがEとすると、ECCブロック単位のスキップ記録においてECCブロックのアクセス時間は、E÷Vtとなる。同時録再において、機器間の互換性を確保する場合には、スキップするECCブロックの数に制限をかけてもよい。例えば、スキップ記録においてスキップ可能な領域の比率をeとする。図1に示した同時録再の条件において、スキップ記録を適用する場合には、記録領域の最小サイズをYeとして、Ye×(1−e)の領域に記録又は再生が行なわれ、Ye×eの領域はスキップされるために、アクセスのみが行なわれる。特定の比率以内とした場合のスキップ記録を考慮した同時録再の条件は、Ye×(1−e)÷Vt×(Vt−Vd)−Ta×Vd−Ye×e÷Vt×Vd=(3×Ta+Ye×(1−e)÷Vt)×Vd+Ye×e÷Vt×Vdとなり、Ye=4×Ta×Vd×Vt÷(Vt−e×Vt−2×Vd)となる。この場合に必要なバッファサイズBeは、Be=(4×Ta+Ye×(1−e)÷Vt)×Vd+2×Ye×e÷Vt×Vdとなる。
【0107】
なお、セクタ単位の記録ではなくECCブロック単位の記録を行なってもよい。
【0108】
なお、図示していないが、予め決めたバッファ内の閾値をバッファがエンプティと判定する値と決めて、この値を下回れば、バッファがエンプティであると判断おり、予め決めたバッファ内の閾値をバッファがフルと判定する値と決めて、この値を上回れば、バッファがフルであると判断しており、このため、バッファメモリのサイズは、最小の読み出し、書き込み単位のマージンまたは回転待ち分のマージンをもっても良い。
【0109】
なお、記録と再生が最適なタイミングで切替わるために、記録再生中にエラーが発生して、一定の期間、記録再生が出来ない状態になっても、定常状態への引き込みが早い。
【0110】
なお、図2における図はモデルであり、エンコーダやデコーダは必ずしも必要ない。ストリーマのようなデジタル信号のみを扱うシステムでは、エンコーダやデコーダを持たないが、本発明をストリーマに適用することで、途切れなくAVデータを転送できるという効果が得られる。
【0111】
(実施の形態2)
リアルタイム・データの転送レートが異なる場合の実施例について説明する。実施の形態1では、転送レートが同じとして、同時録再の条件を説明した。本実施の形態では、転送レートの高いデータと転送レートの低いデータに対し同時録再の条件を定めることで、小さな連続空き領域にも転送レートの低いデータを記録することが出来、さらに、バッファメモリも小さく出来る。
【0112】
図9は、転送レートの高いリアルタイム・データAを再生し、転送レートの低いリアルタイム・データBを記録する2つのリアルタイム・データの記録動作と再生動作とアクセス動作とを示す。同時録再モデルは、実施の形態1で説明した図2に示されるものと同一である。同時録再動作時における記録バッファ、再生バッファ内のデータ量の推移は、実施の形態1で説明したので、割愛する。
【0113】
図10はディスク上の記録領域、再生領域のレイアウトであり、左側がディスクの内周側、右側がディスクの外周側を表している。図10では、再生領域111、112、113は、リアルタイム・データAが記録された領域として割付けられた領域であり、記録領域114、115、116は、リアルタイム・データBを記録する領域として割付けられた領域である。リアルタイム・データAは、実際には、再生領域111の部分101、再生領域112の部分102、103、再生領域113の104から再生される。リアルタイム・データBは、実際には、記録領域114の部分105、記録領域115の部分106、107、記録領域116の部分108に記録される。
【0114】
図9において、A21〜A27は、ピックアップ74がアクセスすべき領域間を移動する動作(アクセス動作)を示す。アクセス動作A21〜A27に必要な時間は、それぞれ、ピックアップ74がディスクの最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要な時間(すなわち、最大アクセス時間Ta)であるとする。記録バッファ72、再生バッファ73とピックアップ74との間のデータ転送レートは、一定のVtであるとする。エンコーダ70と記録バッファ72との間のデータ転送レートは、可変レートの最大値であるVd1であるとし、デコーダ71と再生バッファ73との間のデータ転送レートは、可変レートの最大値であるVd2であるとする。
【0115】
再生動作R21において、領域101からリアルタイム・データAが読み出される。アクセス動作A21の後、再生動作R22において、領域102からリアルタイム・データAが読み出される。その後、リアルタイム・データAの再生動作からリアルタイム・データBの記録動作への切り替えが発生する(アクセス動作A22)。
【0116】
記録動作W21において、リアルタイム・データBが領域105に記録される。アクセス動作A23の後、記録動作W22において、リアルタイム・データBが領域106に記録される。その後、リアルタイム・データBの記録動作からリアルタイム・データAの再生動作への切り替えが発生する(アクセス動作A24)。
【0117】
このように本発明の同時録再の方法は、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作とによって記録動作から再生動作への切り替えが発生し、かつ、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作とによって再生動作から記録動作への切り替えが発生という同時録再の条件を満たすように設計されている。
【0118】
リアルタイム・データAの再生動作において、再生バッファ73内のデータは、Vt−Vd1で蓄積され、アクセス動作およびリアルタイム・データBの記録動作において、再生バッファ73内のデータはVd1で消費される。再生動作R21、アクセス動作A21および再生動作R22の間に蓄積される再生バッファ73のデータ量と、アクセス動作A22、記録動作W21、アクセス動作A23、記録動作W22およびアクセス動作A24の間に消費される再生バッファ73のデータ量とは等しい。従って、リアルタイム・データAが記録された領域として割付けられた少なくとも1つの再生領域の最小サイズをY1、リアルタイム・データBを記録する領域として割付けれた少なくとも1つの記録領域の最小サイズをY2とすると、以下の式が成り立つ。
【0119】
Y1÷Vt×(Vt−Vd1)=(4Ta+Y2÷Vt)×Vd1
Y2÷Vt×(Vt−Vd2)=(4Ta+Y1÷Vt)×Vd2
この式を変形することにより、再生領域の最小サイズY1、記録領域の最小サイズY2の式が得られる。
【0120】
Y1=(4Ta×Vt×Vd1)÷(Vt−Vd1−Vd2)
Y2=(4Ta×Vt×Vd2)÷(Vt−Vd1−Vd2)
リアルタイム・データAが記録された領域として割付けられた少なくとも1つの再生領域のそれぞれがY1以上のサイズを有し、かつ、リアルタイム・データBを記録する領域として割付けれた少なくとも1つの記録領域のそれぞれがY2以上のサイズを有することにより、異なるデータ転送レートの2つのリアルタイム・データを欠落なく記録再生するための同時録再の条件を満たすことができる。
【0121】
再生バッファ73に必要なバッファサイズB1と、記録バッファ72に必要なバッファサイズB2とは、以下の式に従って求められる。
【0122】
B1=(4Ta+Y2÷Vt)Vd1
B2=(4Ta+Y1÷Vt)Vd2
このように、Vd1>Vd2とすれば、Y2およびB2は、それぞれ、Y1およびB1より小さく出来る。
【0123】
リアルタイム・データの同時録再が可能なようにはじめにリアルタイム・データAを記録するときに、あらかじめ記録再生するデータの最大転送レートがわかっていれば、上記の同時録再条件を満たすサイズより大きな連続空き領域を記録領域に割り付けることでデータの記録が可能になる。
【0124】
このように、実施の形態1の図6で説明した記録再生方法において、未割付け領域の探索で同時録再の条件の式を変えることで、本実施の形態の同時録再が出来る。
【0125】
また、記録する直前まで転送レートがわからなければ、はじめに記録するリアルタイム・データAはその転送レートの最大値、将来、リアルタイム・データAを再生しながら記録するリアルタイム・データBの転送レートはシステムで許される最大値として、リアルタイム・データAを記録するときに、その記録領域は同時録再の条件を満たすように検索することが出来る。リアルタイム・データBのデータを記録する場合は、その転送レートがわかるので、最適なサイズの記録領域を検索できる。
【0126】
なお、情報記録再生装置の構成は、記録バッファメモリ、再生バッファメモリのサイズを除いて、実施の形態1で説明した構成と同じである。記録動作と再生動作とを切り替えるアルゴリズムは実施の形態1で説明したものと同じである。すなわち、記録バッファメモリがエンプティになれば、記録動作を再生動作に切り替え、再生バッファメモリがフルになれば、再生動作を記録動作に切り替える。
【0127】
本発明はオーディオデータをMPEGで圧縮されたAVデータに後から追加記録する場合にも適用可能である。後からアフレコするオーディオデータの転送レートを予め設定することで、MPEGデータの再生領域の最小サイズを求めることが出来る。アフレコする場合には、既に記録されたMPEGデータを再生しながら、タイミングを見計らってオーディオデータを記録することが出来る。
【0128】
さらに、以下で説明するように、リアルタイム・データの数を増やして同時録再の条件を定めることで、アフレコするオーディオデータのチャンネルを2つにすることも出来る。例えば、MPEGデータで始めに記録を行い、BGMとナレーションをそれぞれ独立して記録することも出来る。
【0129】
図11は、異なるデータ転送レートの3つのリアルタイム・データの記録動作と再生動作とアクセス動作とを示す。図9と同様に、R31〜R38は再生動作、W31〜W42は記録動作、A31〜A40はアクセス動作、121〜128はリアルタイム・データが実際に読み出される再生領域の部分、129〜132はリアルタイム・データが実際に記録される記録領域の部分を示している。図11に基づいて、2つのリアルタイム・データを同時録再する場合と同様に、3つのリアルタイム・データを同時録再するための条件を求めると、
Y1=(6Ta×Vt×Vd1)÷(Vt−Vd1−Vd2−Vd3)
Y2=(6Ta×Vt×Vd2)÷(Vt−Vd1−Vd2−Vd3)
Y3=(6Ta×Vt×Vd3)÷(Vt−Vd1−Vd2−Vd3)
B1=(6Ta+Y2÷Vt+Y3÷Vt)Vd1
B2=(6Ta+Y3÷Vt+Y1÷Vt)Vd2
B3=(6Ta+Y1÷Vt+Y2÷Vt)Vd3
となる。ここで、Y、Vd、Bはそれぞれ、再生領域または記録領域の最小サイズ、再生または記録するデータの転送レート、再生バッファまたは記録バッファのバッファサイズを示し、添え字は、再生または記録するリアルタイム・データの番号を示す。
【0130】
さらに、n個のリアルタイム・データを同時録再する場合には、上述した「n−同時録再モデル」が使用される。リアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの記録領域のそれぞれの最小サイズYiと、リアルタイム・データDiを蓄積する記録バッファWBiのサイズBiと、リアルタイム・データDjが記録された領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの再生領域のそれぞれの最小サイズYjと、リアルタイム・データDjを蓄積する再生バッファWBjのサイズBjとは、以下の式に従って求められる。
【0131】
Yi=(2×n×Ta×Vt×Vdi)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、
Yj=(2×n×Ta×Vt×Vdj)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、
Bi={2×n×Ta+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yi÷Vt)Vdi
Bj={2×n×Ta+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yj÷Vt)Vdj
Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示す。
【0132】
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す。
【0133】
Vdiは、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートを示す。
【0134】
Vdjは、復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す。
【0135】
なお、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数である。
【0136】
なお、上記の同時録再の条件は、各リアルタイム・データの転送レートが同じ場合(すなわち、Vd1=Vd2=・・・=Vdnの場合)にも適用可能である。
【0137】
(実施の形態3)
リアルタイム・データの転送レートが異なり、固定の転送レートのリアルタイム・データの同時録再の場合の実施例について説明する。デジタルビデオカメラに用いられているDVフォーマットのデータでは、MPEGのように可変レートのデータではなく固定の転送レートである。固定レートのリアルタイム・データの場合には、最適な記録再生領域のサイズを決めることが出来れば記録再生領域単位で再生動作と記録動作を切換えることが出来、切換え動作を簡単化できるとともに、記録再生領域のサイズを小さくすることが出来る。
【0138】
図28は、2つのリアルタイム・データの同時録再を行う記録領域のレイアウトを示す図である。図に示すように各記録領域のサイズは記録するデータの種類毎に異なる固定のサイズで記録さている。
【0139】
図12は、異なるデータ転送レートの2つのリアルタイム・データの記録動作と再生動作とアクセスの動作とを示す。図9と同様に、R51〜R52は再生動作、W51〜W52は記録動作、A51〜A53はアクセス動作、151〜152は再生領域、153〜154は記録領域を示している。固定レートであるので再生動作と記録動作との切り替えは領域単位で行うことが出来る。従って、1つの再生領域からの再生が完了した時点で、再生動作を記録動作に切り替えることが出来、1つの記録領域への記録が完了した時点で、記録動作を再生動作に切り替えることが出来る。
【0140】
なお、情報記録再生装置の構成は、未割付け領域検索手段503の動作と録再切替手段502の動作とが異なる点を除いて、図5に示される情報記録再生装置の構成と同じである。
【0141】
図27は、同時録再の方法の手順を示す。このような方法は、例えば、プログラムの形式でシステム制御部501内のメモリに格納され得る。そのようなプログラムは、例えば、システム制御部501内のマイコンによって実行され得る。
【0142】
図27に示される同時録再の手順は、未割付け領域の探索ステップ(S701)における同時録再の条件式が異なる点と、記録動作と再生動作とを切り替える条件(S702、S703)が異なる点を除いて、実施の形態1(図6)に示される同時録再の手順と同一である。
【0143】
ステップS701では、未割付け領域検索手段503は、Y1(または、Y2)のサイズを有する未割付け領域を検索し、そのようにして検索された少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データBを記録する領域として割付ける。記録領域のサイズY1(または、Y2)の求め方は後述する。
【0144】
ステップS702では、録再切替手段502は、リアルタイム・データBの記録動作において、リアルタイム・データBが、リアルタイム・データBを記録する領域として割付けられた少なくとも1つの記録領域の終端まで記録されたか否かを判定し、リアルタイム・データBがその記録領域の終端まで記録されたと判定された場合には、リアルタイム・データBの記録動作をリアルタイム・データAの再生動作に切り替え、リアルタイム・データBがその記録領域の終端まで記録されていないと判定された場合には、リアルタイム・データBの記録動作を継続する。
【0145】
ステップS703では、録再切替手段502は、リアルタイム・データAの再生動作において、リアルタイム・データAが、リアルタイム・データAが記録された領域として割付けられた少なくとも1つの再生領域の終端まで読み出されたか否かを判定し、リアルタイム・データAがその記録領域の終端まで読み出されたと判定された場合には、リアルタイム・データAの再生動作をリアルタイム・データBの記録動作に切り替え、リアルタイム・データAがその記録領域の終端まで読み出されていないと判定された場合には、リアルタイム・データAの再生動作を継続する。
【0146】
再生動作R51の間に蓄積される再生バッファ73のデータ量と、アクセス動作A51、記録動作W51、アクセス動作A52の間に消費される再生バッファ73のデータ量とは等しい。従って、リアルタイム・データAが記録された領域として割付けられた少なくとも1つの再生領域のサイズをY1、リアルタイム・データBを記録する領域として割付けられた少なくとも1つの記録領域のサイズをY2とすると、以下の式が成り立つ。
【0147】
Y1÷Vt×(Vt−Vd1)=(2Ta+Y2÷Vt)×Vd1
Y2÷Vt×(Vt−Vd2)=(2Ta+Y1÷Vt)×Vd2
この式を変形することにより、再生領域のサイズY1、記録領域のサイズY2の式が得られる。
【0148】
Y1=(2Ta×Vt×Vd1)÷(Vt−Vd1−Vd2)
Y2=(2Ta×Vt×Vd2)÷(Vt−Vd1−Vd2)
再生バッファ73に必要なバッファサイズB1と、記録バッファ72に必要なバッファサイズB2とは、以下の式に従って求められる。
【0149】
B1=(2Ta+Y2÷Vt)Vd1
B2=(2Ta+Y1÷Vt)Vd2
このように、記録レートが異なることを利用して、固定レートのリアルタイム・データに対して同時録再の条件を設定することにより、レートの低いデータでは、より小さな記録領域にリアルタイム・データを記録可能になり、ディスク上の空き領域を有効に利用できるようになる。
【0150】
また、同様な考察で、3つのリアルタイム・データを同時録再する場合を考えると、記録動作と再生動作とアクセス動作を示す図は、図13となり、同時録再の条件を求めると、
Y1=(3Ta×Vt×Vd1)÷(Vt−Vd1−Vd2−Vd3)
Y2=(3Ta×Vt×Vd2)÷(Vt−Vd1−Vd2−Vd3)
Y3=(3Ta×Vt×Vd3)÷(Vt−Vd1−Vd2−Vd3)
B1=(3Ta+Y2÷Vt+Y3÷Vt)Vd1
B2=(3Ta+Y3÷Vt+Y1÷Vt)Vd2
B3=(3Ta+Y1÷Vt+Y2÷Vt)Vd3
となる。
【0151】
さらに、n個のリアルタイム・データを同時録再する場合には、上述した「n−同時録再モデル」が使用される。この場合には、図27に示されるステップS701、S603、S606、S702、S703において以下の動作を行うようにすればよい。
【0152】
ステップS701:未割付け領域検索手段503は、情報記録媒体上のボリューム空間の未割付け領域を検索し、ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付ける。
【0153】
ステップS603:光ディスクドライブ531は、データ記録手段505からの記録指示に従って、記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを領域Aiに記録する記録動作Wiを実行する。
【0154】
ステップS702:録再切替手段502は、記録動作Wiにおいて、リアルタイム・データDiが、領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの記録領域のうちの1つの終端まで記録されたか否かを判定し、リアルタイム・データDiがその記録領域の終端まで記録されたと判定された場合には、記録動作Wiを他の記録動作Wiまたは再生動作Wjに切り替え、リアルタイム・データDiがその記録領域の終端まで記録されていないと判定された場合には、記録動作Wiを継続する。
【0155】
ステップS606:光ディスクドライブ531は、データ再生手段506からの再生指示に従って、リアルタイム・データDjが記録された領域Ajからリアルタイム・データDjを読み出す再生動作Rjを実行する。
【0156】
ステップS703:録再切替手段502は、再生動作Rjにおいて、リアルタイム・データDjが、領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの再生領域のうちの1つの終端まで読み出されたか否かを判定し、リアルタイム・データDjがその再生領域の終端まで読み出されたと判定された場合には、再生動作Rjを他の再生動作Rjまたは記録動作Wiに切り替え、リアルタイム・データDjがその再生領域の終端まで読み出されていないと判定された場合には、再生動作Wjを継続する。
【0157】
図27では2つのリアルタイム・データを同時録再する方法を示したので、記録動作と再生動作とが交互に切り替わることを説明したが、n個のリアルタイム・データを同時録再する場合には、nが奇数であってもよく、記録するリアルタイム・データの数と再生するリアルタイム・データの数とが異なっていてもよい。このため、記録動作から別の記録動作に切り替わってもよく、再生動作から別の再生動作に切り替わってもよい。
【0158】
ここで、領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれは、記録動作および再生動作の切り替えに伴うn回のアクセス動作と(m−1)回の記録動作と(n−m)回の再生動作との間に記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを1回の記録動作で記録することができるという条件を満たすように構成されており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれは、1回の再生動作の間に再生バッファRBjに蓄積されたリアルタイム・データDjを再生動作および記録動作の切り替えに伴うn回のアクセス動作と(n−m−1)回の再生動作とm回の記録動作との間に消費することができるという条件を満たすように構成されている。これらの2つの条件の両方を満たすことが同時録再の条件を満たすことである。
【0159】
例えば、リアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの記録領域のそれぞれが、Yiのサイズを有し、かつ、リアルタイム・データDjを再生する領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの再生領域のそれぞれが、Yjのサイズを有することにより、同時録再の条件を満たすことができる。
【0160】
記録領域のサイズYi、再生領域のサイズYj、記録バッファWBiのサイズBi、再生バッファRBjのサイズBjは、以下の式に従って求められる。
【0161】
Yi=(n×Ta×Vt×Vdi)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}
Yj=(n×Ta×Vt×Vdj)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}
Bi={n×Ta+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yi÷Vt}Vdi
Bj={n×Ta+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yj÷Vt}Vdj
Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示す。
【0162】
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す。
【0163】
Vdiは、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートを示す。
【0164】
Vdjは、復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す。
【0165】
なお、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数である。
【0166】
次に、ディスクを記録再生するドライブのアクセス性能について説明する。図14は、目標のトラックのセクタまでアクセスする場合のドライブのアクセス時間の内訳を示す図である。アクセスする距離が大きい時には、ピックアップが移動し粗シークの分だけアクセス時間がかかる。データを記録する場合、CLV方式(線速度一定方式)のディスクでは、アクセスする半径位置によってディスクの回転数を変えなければならないので、ディスクを回転しているスピンドルモータの回転を加速または減速して所定の回転数に合わせるためにスピンドルロック時間がかかる。ディスクの回転数がロックすればアドレス検索が可能になるのでピックアップの光学系を主に使って複数のトラック単位でマルチジャンプを行い目的のトラックへアクセスするためのファインシーク分のアクセス時間がかかる。その後、所定のセクタが来るまで回転待ちをすることで、記録または再生が可能になる。アクセスする距離がファインシークの範囲内であれば、アクセス時間はファインシークと回転待ち時間となり、ディスク容量の1/3のアクセスであれば、その分のスピンドルロック時間と粗シーク時間をアクセス時間とすることが出来る。
【0167】
このように、ドライブのアクセス性能を予め調べて決めておくことで、同時録再における各エクステント間のアクセス時間はフルシークではなくドライブのアクセス性能から求められるアクセス時間を使うことが出来る。このことにより、同時録再条件において、フルシーク時間より小さな値を使うことが出来るので、より小さな連続記録領域に記録することが出来る。また、編集時にエクステントが短くなっても連続再生可能と判定出来る場合が増える。
【0168】
図26は、3つのリアルタイム・データの同時記録時のアクセスと記録領域のレイアウトを示す図である。例えば、記録領域128と記録領域129とがディスク最内周側にある領域と最外周にある領域との距離ほど離れていれば、アクセス動作A40、A34、A36に必要な時間は、フルシークのアクセス時間にほぼ等しく、記録領域122と記録領域121とが100トラック程度の距離ほど離れていれば、アクセス動作A31に必要な時間は、ファインシークのアクセス時間にほぼ等しい。
【0169】
図6に示される同時録再の方法において、アクセス時間(第1のアクセス時間または第2のアクセス時間)の見積もりは、未割付け領域の検索ステップS602において行われる。図27に示される同時録再の方法において、アクセス時間の見積もりは、未割付け領域の検索ステップS701において行われる。アクセス時間の見積もりは、未割付け領域検索手段503(図5)によって行われる。
【0170】
よって、実施の形態2で説明した同時録再の条件は、アクセス時間の見積もりを考慮すると、以下のようになる。
【0171】
Yi={2×(T1+・・・+Tn)×Vt×Vdi}÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}
Yj={2×(T1+・・・+Tn)×Vt×Vdj}÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}
Bi={2×(T1+・・・+Tn)+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yi÷Vt}Vdi
Bj={2×(T1+・・・+Tn)+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yj÷Vt}Vdj
ここで、Tkは、第1のアクセス時間または第2のアクセス時間を示す。第1のアクセス時間とは、ピックアップPが領域Akから領域Alにアクセスするのに必要なアクセス時間をいう。第2のアクセス時間とは、領域Akとして割付けられた少なくとも1つの領域のうちの1つから他の1つにアクセスするのに必要なアクセス時間をいう。k、lは1以上n以下の任意の整数であり、k≠lである。
【0172】
なお、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数である。
【0173】
なお、上記の同時録再の条件は、各リアルタイム・データの転送レートが同じ場合(すなわち、Vd1=Vd2=・・・=Vdnの場合)にも適用可能である。
【0174】
また、実施の形態3で説明した同時録再の条件は、アクセス時間の見積もりを考慮すると、以下のようになる。
【0175】
Yi={(T1+・・・+Tn)×Vt×Vdi}÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}
Yj={(T1+・・・+Tn)×Vt×Vdj}÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}
Bi={(T1+・・・+Tn)+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yi÷Vt}Vdi
Bj={(T1+・・・+Tn)+(Y1+Y2+・・・+Yn)÷Vt−Yj÷Vt}Vdj
ここで、Tkは、ピックアップPが領域Akから領域Alにアクセスするのに必要なアクセス時間を示す。k、lは1以上n以下の任意の整数であり、k≠lである。
【0176】
なお、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数である。
【0177】
なお、上記の同時録再の条件は、各リアルタイム・データの転送レートが同じ場合(すなわち、Vd1=Vd2=・・・=Vdnの場合)にも適用可能である。
【0178】
次に、フルシーク時間を制限することでディスクの利用効率や編集性を向上する方法について説明する。図15はドライブのスピンドルモータの回転数差とアクセス時間の関係を示す図であり、
TRQ=(N1−N2)・J/(dt・Kj)
とする前提において、アクセス時間Taccは、
Tacc=(スピンドルロック時間)+(回転待ち時間)+定数
=(N1−N2)×J÷(TRQ×KJ)+Trev+定数
≒A×dN+B
ここで、A、B:定数、dN:回転数差(=N1−N2)、dt:スピンドルロック時間、J:ディスクのイナーシャ、Kj:換算定数、N1:アクセス前の回転数、N2:アクセス後の回転数、Trev:回転待ち時間、TRQ:モーターのトルクとし、ディスク回転数差とアクセス時間の関係からアクセス性能モデルを設定したものである。図14で説明したようにピックアップを目標トラック近傍に移動させる場合に、粗シークとスピンドルモータの回転数変化が必要である。光ディスク用ドライブで用いられるスピンドルモータの性能では、アクセスタイムはスピンドル回転数変化が支配的になる。そこで、スピンドルロック時間が回転数の差に比例する事に注目して、アクセス時間を上記のように定式化することができる。さらに、回転待ち時間Trevがスピンドルロック時間に比べて十分に小さい場合は省略することができ、アクセスタイムTaccは、ディスクの回転数差dNに対して線形的に推定することができる。
【0179】
また、ディスクの回転数並びに回転数差は、ピックアップの初期位置、目標位置がわかると、ディスクの線速度との関係から一意に求めることができる。
アクセス前のアドレスをA1、アクセス後のアドレスをA2とし、その半径位置を、それぞれ、r1、r2とし、アドレスが0の場所での半径位置をr0とすると、アドレスは、帯状の面積に比例するので、Cを定数として、
A1=C・(π・r1・r1−π・r0・r0)
A2=C・(π・r2・r2−π・r0・r0)
となり、あるアドレスでの回転数はその半径に反比例するから、A1、A2の回転数をN1、N2、Dを定数として、
N1=D/r1
N2=D/r2
となるので、上記の関係式を用いる事で、アドレスから回転数を求める事が出来る。
【0180】
図16は、ディスクの半径位置と回転数の関係を示す図であり、直径12cm、容量25GB、読出しレート72Mbpsのディスクにおける例を示している。半径位置と回転数の積が一定であることから、半径方向に同じ長さの距離でアクセスした場合、外周側では内周側よりも回転数差が小さくなるのでアクセス時間が短くなる。ボリューム空間は半径24mmから58mmまでの領域で、フルシーク時間は回転数差2270rpmに比例する。AVデータを記録する領域を半径38mmから58mmまでの領域とすると、アクセス時間は、回転数差840rpmに比例するので、約2.7分の1になる。図29に示すように、半径24mmから58mmまでの領域のワーストアクセス時間が1000msecの場合、半径38mmから58mmまでの範囲に記録領域を設ければ、ワーストのアクセス時間が370msecとなる。なお、半径38mmから58mmまでの領域の容量は、約3割減の17GBとなり、容量に対する要求が強くなければ、AVデータの記録領域を外周側に、高速アクセスゾーンとして設定することで、アクセス時間が大幅に小さく出来、同時録再の条件における必要な連続記録領域のサイズも、これに比例して小さくすることが出来る。よって、アフレコや追っかけ再生等を行う場合には、高速アクセスゾーンを設定することでエクステントが短くなっても連続的に同時録再を行える場合が増える。
【0181】
上記の特性を利用した記録を行う場合、高速アクセスゾーンを設定したディスクと設定しないディスクでクラス分けしてもよい。高速アクセスゾーンを設定した場合は、クラス1、しない場合はクラス0としてどのクラスかを示す情報をリードイン領域またはボリューム空間に記録しても良い。また、高速アクセスゾーン内での最大のアクセス時間を更に、クラスの情報と共に記録して良い。このようにすることで、そのディスクが異なる機器に挿入されてもクラスに関する情報を知ることが出来るので、機器間の互換性が向上する。
【0182】
また、25GBの光ディスクをVTRのような民生用のビデオレコーダに利用する場合に、記録時間は10時間という長時間記録が可能になり、留守録だけでなく、素材編集など様々な用途を1枚のディスクで行うことが出来る様になる。このような場合に、高速アクセスゾーンを複数設定することで記録後の編集性能を確保することが出来る様になる。
【0183】
また、2層ディスクにおいて、1層目と2層目の記録面において半径位置が同じ位置になるようにそれぞれの面でゾーンを設け、これらの2つのゾーンから構成される高速アクセスゾーンを設定することで、1層のディスクにおいて高速アクセスゾーンを設けることにより、容量減が課題となるが、2層ディスクでは解消される。なお、1層目と2層目の記録面の半径位置は物理的な交差があるために、正確に同じ半径位置とすることが出来ないが、1層目と2層目のそれぞれの記録面を切替えてアクセスする時間は、ピックアップのフォーカス切替え時間と回転待ち時間程度のため、一般にファインシークよりも小さく層間の切り替え時間は、高速アクセスゾーン内の最内周から最外周間をアクセスする時間に対して十分小さい。
【0184】
なお、n個のリアルタイム・データを同時録再する場合において、すべてのi、jに対して、リアルタイム・データDiを記録する領域Aiおよびリアルタイム・データDjを再生する領域Ajを情報記録媒体の外周部(例えば、高速アクセスゾーン内)に設けるようにしてもよい。これにより、アクセス時間を短縮することができる。
【0185】
(実施の形態4)
実施の形態1、2、3では、同時録再を実現する上での基本的な発明内容を説明した。本実施の形態では、アフレコに関して3つの具体例を用いて同時録再を実際的に適用した場合の例を説明する。本実施の形態で説明するアフレコは、予め記録されたビデオデータとオーディオデータを再生しながら新しいオーディオデータを記録する場所を確認し、オリジナルのオーディオに新しいオーディオをかぶせて記録する方法について説明している。なお、オーディオデータとビデオデータが1つのMPEGストリームとして記録されるのではなく、それぞれが、別々の領域に記録される場合については、オーディオデータとビデオデータが2つのリアルタイム・データであるとみなすことが出来、実施の形態1、2、3で説明した方法を用いて、同時記録が出来る。
【0186】
図17、18、19は、オーディオデータとビデオデータとがミックスしてエンコードされたデータが記録されたディスクに対してアフレコを行う場合の記録方法と再生方法について説明する。なお、アフレコ時に記録するオーディオデータは予め確保された記録領域に記録するものとする。また、この例では、MPEGデータやDVのデータのようにオーディオデータとビデオデータとがミックスしてエンコードされたデータをAVM(Audio Video Mix Data)と呼ぶことにする。図17は、AVMデータとアフレコ用データのディスク上の配置を示す図である。後でアフレコが可能なように所定の周期毎にアフレコ用のオーディオデータの記録領域を確保する(記録領域180、182、184、190、192)。記録領域の181、183、185、187、189、191は、AVMデータが記録された領域を示している。AVMの添え字は、AVM0からAVMp+3で示される添え字は、データの順番を示している。
【0187】
アフレコでは、AVMデータを再生しながらオーディオデータを記録する。AVMデータの再生は一旦バッファにデータを蓄積して再生するので、ピックアップは先行してデータをディスクから読み出す必要がある。このため、AVMデータの直後にアフレコ用のオーディオデータを記録することが出来ない。本発明では、再生時のバッファが少なくなるように、アフレコ用の記録領域をAVMデータの記録領域の前に確保する。こうすることで、再生開始は、オーディオを読出し、次にビデオを読出した直後に可能になるので、再生バッファのサイズも小さく出来る。ビデオを先に読み出す場合は、ビデオをデータを一旦読み出し、オーディオデータの読出しが開始された後でないと再生開始が出来ない。また、ビデオデータから読み始めるのではなく、オーディオデータから読み始める理由は、出画可能になるまでの時間が短くなるためである。AVMデータはアフレコ用のオーディオデータよりデータレートが高いため、先にAVMデータの記録領域を読み出した場合には、アフレコ用の記録領域にアクセスしなければ、出画が出来ない。逆に、オーディオデータから読み出せば、データサイズの小さいアフレコ用の記録領域を読み出し、AVM用の記録領域へアクセス後、出画が出来る。
【0188】
再生開始位置は、記録領域181内に設定され、オーディオとビデオのアフレコ開始位置はそれぞれ記録領域182と183に設定されており、アフレコ終了位置は、記録領域190、191内に設定され、再生終了位置は、記録領域193内に設定される。
【0189】
図18は、図17で説明した記録領域に対し、アフレコ時のアクセスの順番を示している。記録時は、AVMを読み出した後、手前に設定されたアフレコ用の記録領域にデータを記録するのはタイミング的に難しいので、1AVMさかのぼって対応するアフレコデータを記録する点に特徴がある。たとえば、AVM2を再生した後、1AVMさかのぼり、AVM1に対応するアフレコデータをAVM1の前に設定された記録領域に記録する。このように、AVMを読み出した後に、既に読み出した異なるAVMに対応するアフレコ用のオーディオデータを記録することで、同時録再を行うことができる。
【0190】
ここで、Pは完全な形で連続して読み出される連続領域の個数(P>=0)、Tpr1AVは、再生開始位置からAVM0を読み出す正味の時間を示している。P回繰り返しの意味は、例えば、P=3の場合、P回繰り返しの範囲に、A2、AVM2、A3、AVM3、A4、AVM4が存在することを示すものである。なお、スキップ記録のところで説明したように、AVM0の記録領域にa個の欠陥ECCブロックがあれば、1ECCブロックを読み出す時間をTsとしてa×TsがTpr1AVに加えて必要となる。Tf1、Tf2、Tfj、Tfjは各記録領域間のアクセス時間で、ファインシーク程度の範囲のアクセスを示している。Tpr2AVは、AVM1の記録領域でアフレコの開始位置までを読み出す時間、TinAVは、アフレコの開始位置からAVM1記録領域の最後までを読み出す時間、ToutAVは、AVMの記録領域のうちでアフレコの終了位置までを読み出す時間を示している。TcAは、アフレコ用のオーディオの記録領域を読み出す正味の時間、TcAVは、AVMの記録領域を読み出す正味の時間、TinAは、アフレコ用の記録領域のうちアフレコ開始位置からデータを読み出す時間、ToutAはアフレコ用の記録領域のうちアフレコ終了位置までデータを読み出す時間を示している。Tpo1AVはアフレコ終了位置が設定された記録領域でアフレコ終了位置以降のデータを読み出す時間。Tpo2AVは再生終了位置が設定された記録領域内で、再生終了位置までのデータを読み出す時間を示している。なお、a、bはそれぞれ、AVMの記録領域、アフレコ用の記録領域内でスキップするECCブロックの数を示している。
【0191】
図示されたアクセス順番でアフレコが可能かどうかの同時録再の条件を考える。ディスク上に記録されたリアルタイム・データのデータサイズは、そのデータの読み出しが開始されてからそのデータの次の記録領域へアクセスするまでの時間とそのデータのデータレートの積よりも大きければ、再生バッファがエンプティになることはない。このことから、
Y/Vd=>Tpr1AV+Tf1+TcAV+Tf2+TcAV+2*Tfj+TinA+(P−1)*(TcAV+TcA+2*Tfj)+TcAV+2*Tfj+TcA+Tpo2AV+(P+1)*(a+b)*Ts+3*a*Ts
また、
Y=(Tpr1AV+(P+2)*TcAV+Tpo2AV)*Vt
TinAV*Vt*(VdA/Vd)=TinA*Vt、 ToutAV*Vt*(VdA/Vd) = ToutA*Vt、
TcAV*Vt*(VdA/Vd)=TcA*Vt、TcAV=Tpr2AV+TinAV=ToutAV+Tpo1AV
ここで、Yは、図17において、再生開始から再生終了までの区間に記録されているAVMのデータサイズであり、Vdは、AVMについて復号化モジュールと再生バッファとの間の転送レート、VdAはアフレコ用オーディオデータについて符号化モジュールと記録バッファとの間の転送レート、VtはピックアップPがディスクからデータを読み出すデータ転送レートである。
よって、
Y/Vd=>(Tf1+Tf2+(P+1)*2*Tfj+(P+1)*(a+b)*Ts+3*a*Ts−(Tpr1AV+Tpr2AV+ToutAV+Tpo1AV+Tpo2AV)*VdA/Vd)*Vt/(Vt−Vd−VdA)となる。
また、AVMを読み出し、アフレコ用オーディオの記録領域へアクセスし、アフレコ用オーディオを記録し、次のAVMの記録領域へアクセスするまでのアフレコの1サイクルについて考えると、
Y’/Vd=>TcAV+2*Tfj+TcA+(a+b)*Ts
Y’=TcAV*Vt
ここで、Y’は1つのAVMの記録領域のサイズであり、例えば、領域187のサイズである。
よって、
Y’/Vd=>(2*Tfj+(a+b)*Ts)*Vt/(Vt−Vd−VdA)
また、再生開始位置が記録領域181の途中に設定されるので、この影響も考慮するため、再生開始からTf2までを考えると、
Y’’/Vd=>Tpr1AV+Tf1+TcAV+Tf2+2*a*Ts
Y’’=(Tpr1AV+TcAV)*Vt
よって、
Y’’/Vd => (Tf1+Tf2+2*a*Ts)*Vt/(Vt−Vd)
となり上記の式が全て満足されればアフレコが可能といえる。
【0192】
なお、左辺がY’/Vdで示される式が満たされなければ、P回の繰り返しの範囲で同時録再ができないことがわかる。このように、どこのアクセスで同時録再ができなくなるかを調べるために、所定の区間毎に式を設定する。
【0193】
図19は、アフレコ後にデータを再生確認する場合のアクセスの順番を示している。再生時は、アフレコ用のデータがAVMの記録領域の手前にあるためにアクセスが発生せずにデータを読み出すことが出来る。オーディオとビデオそれぞれの再生条件は、
YV/VdV=>Tpr1AV+Tf1+TinA+TcAV+P*(TcAV+TcA)+ToutA+Tf2+TcAV+Tf3+Tpo2AV+(P+2)*(a+b)*Ts+2*a*Ts
YV=(Tpr1AV+(P+2)*TcAV+Tpo2AV)*Vt*(VdV/Vd)
YA/VdA=>Tpr1AV+Tf1+TinA+TcAV+P*(TcAV+TcA)+ToutA+Tf2+TcAV+Tf3+Tpo2AV+(P+2)*(a+b)*Ts+2*a*Ts
YA=(Tpr1AV+Tpr2AV+Tpo1AV+Tpo2AV)*Vt*(VdA/Vd)+(TinA+P*TcA+ToutA)*Vt
TinAV*Vt*(VdA/Vd)=TinA*Vt、
ToutAV*Vt*(VdA/Vd)=ToutA*Vt
TcAV*Vt*(VdA/Vd)=TcA*Vt
TcAV=Tpr2AV+TinAV=ToutAV+Tpo1AV
よって、
YV/VdV=>(Tf1+Tf2+Tf3+(P+2)*(a+b)*Ts+2*a*Ts−(Tpr1AV+Tpr2AV+Tpo1AV+TpoAV2)*VdA/Vd)*Vt/(Vt−VdA)
アフレコ用オーディオデータの読み出しとAVMの読み出しとをアフレコの1サイクルとしてビデオの再生条件は、
YV’/VdV=>TcA+TcAV+(a+b)*Ts
YV’=TcAV*Vt*(VdV/Vd)
よって、
Y’/Vd=>((a+b)*Ts)*Vt/(Vt−Vd−VdA)
となり、記録条件より緩い。
【0194】
次に、2番目の例として、アフレコ時に記録するオーディオデータはAVMデータとは離れた別の記録領域に記録される場合の記録方法と再生方法について図20、21、22を用いて説明する。
【0195】
図20は、AVMデータとアフレコ用データのディスク上の配置を示す図である。AVMデータは連続して記録され(記録領域200、201、202、203、204、205)、アフレコ用データはAVMデータとは別の離れた領域に記録される(記録領域206、207、208、209)。
【0196】
再生開始位置は、記録領域200内に設定され、オーディオとビデオのアフレコ開始位置はそれぞれ記録領域201と206に設定されており、アフレコ終了位置は、記録領域204、209内に設定され、再生終了位置は、記録領域205内に設定される。
【0197】
図21は、図20で説明した記録領域に対し、アフレコ時のアクセスの順番を示している。記録時は、前で説明したように、1AVMさかのぼって対応するアフレコデータを記録する点に特徴がある。前の説明では、AVMデータの記録領域とアフレコ用の記録領域が近くに配置されていたのでこの領域間のアクセス時間は小さかったが、この場合には大きくなり、必要な記録領域のサイズも大きくなる。しかしながら、アフレコ用の記録領域の配置に自由度がある。このため、記録したアフレコデータの上書きをすることなく、古いデータをのこしたまま、新たな領域に新しいアフレコ用のデータを記録できる。
【0198】
図示されたアクセス順番でアフレコが可能かどうかの同時録再の条件を考える。
【0199】
ここで、Ta1やTa2やTaiやTajはiとjを添え字として、ドライブのアクセス性能から決まるそれぞれの領域間のアクセス時間を示しており、フルシークの領域に近いアクセスを示している。
アフレコ時の同時録再に関するビデオの条件は、
Y/Vd=>Tpr1AV+2*TcAV+Ta1+TinA+(P−1)*(TcAV+TcA+Taj+Tai)+Ta2+TcAV+Ta3+TcA+Ta4+Tpo2AV+(P+1)*(a+b)*Ts+3*a*Ts
Y=(Tpr1AV+(P+2)*TcAV+Tpo2AV)*Vt
TinAV*Vt*(VdA/Vd)=TinA*Vt
ToutAV*Vt*(VdA/Vd)=ToutA*Vt
TcAV*Vt*(VdA/Vd)=TcA*Vt
TcAV=Tpr2AV+TinAV=ToutAV+Tpo1AV
ここで、図21のP回繰り返しの意味は、2<=j=<Pとして、例えば、P=3の場合、P回繰り返しの範囲に、AVM2、A1、AVM3、A2、AVM4、A3が存在することを示すものである。
よって、
Y/Vd=>Ta1+Ta2+(P−1)*(Taj+Tai)+Ta3+Ta4+(P+1)*(a+b)*Ts+3*a*Ts−(Tpr1AV+Tpr2AV+ToutAV+Tpo1AV+Tpo2AV)*VdA/Vd)*Vt/(Vt−Vd−VdA)
また、AVMj+1の読み出しと、Ajへのアクセスと、Ajの記録と、AVMj+2へのアクセスとを1サイクルとして、アフレコの1サイクルについて考えると、
Y’/Vd=>TcAV+Taj+TcA+Tai+(a+b)*Ts
Y’=TcAV*Vt
よって、
Y’/Vd=>(Taj+Tai+(a+b)*Ts)*Vt/(Vt−Vd−VdA)
さらに、再生開始位置からTaiまでの範囲で考えると、
Y’’/Vd=>Tpr1AV+2*TcAV+Ta1+TinA+Tai+3*a*Ts+b*Ts
Y’’=(Tpr1AV+2*TcAV)*Vt
よって、
Y’’/Vd=>(Ta1+TinA+Tai+3*a*Ts+b*Ts)*Vt/(Vt−Vd)
となり、上記の左辺が、Y/VdとY’/VdとY’’/Vdである3つの条件式が全て満たされれば、アフレコが可能になる。
【0200】
図22は、アフレコ後にデータを再生確認する場合のアクセスの順番を示している。再生時は、アフレコ用のデータがAVMの記録領域と離れているためにアクセスが発生する。
アフレコ時のビデオの条件は、
YV/VdV=>(Tpr1AV+Ta1+TinA+Ta2+TcV+P*(TcA+Taj+TcAV+Taj)+Ta3+ToutA+Ta4+TcAV+Tpo2AV+(P+2)*(a+b)*Ts+2*a*Ts)
YV=(Tpr1AV+Tpr2AV+TinAV+P*TcAV+TcAV+Tpo2AV)*Vt*(VdV/Vd)
また、アフレコのデータを再生する時のオーディオの条件
YA/VdA=>(Tpr1AV+Ta1+TinA+Ta2+TcV+P*(TcA+Taj+TcAV+Taj)+Ta3+ToutA+Ta4+TcAV+Tpo2AV+(P+2)*(a+b)*Ts+2*a*Ts)
YA=(Tpr1AV+Tpr2AV+Tpo1AV+Tpo2AV)*Vt*(VdA/Vd)+(TinA+P*TcA+ToutA)*Vt
TinAV*Vt*(VdA/Vd)=TinA*Vt
ToutAV*Vt*(VdA/Vd)=ToutA*Vt
TcAV*Vt*(VdA/Vd)=TcA*Vt
TcAV=Tpr2AV+TinAV=ToutAV+Tpo1AV
よって、
YV/VdV=>(Ta1+Ta2+2*P*Taj+Ta3+Ta4+(P+2)*(a+b)*Ts+2*a*Ts−(Tpr1AV+Tpr2AV+ToutAV+Tpo1AV+Tpo2AV)*VdA/Vd)*Vt/(Vt−Vd−VdA)
また、再生開始位置からTa2までの範囲でのビデオに関する条件は
(Tpr1AV*Vt*(VdV/Vd))/VdV=>(Tpr1AV+Ta1+TinA+Ta2+(a+b)*Ts)
よって、
(Tpr1AV*Vt*(VdV/Vd))/VdV=>(TinAV+Ta1+Ta2+(a+b)*Ts)*Vt/(Vt−Vd)
また、プリロールからA&Vjの直前までのビデオの条件は、
YV’/VdV=>(Tpr1AV+Ta1+TinA+Ta2+TcAV+Taj+TcA+Taj+2*(a+b)*Ts)
YV’=(Tpr1AV+TcAV)*Vt*(VdV/Vd)
よって、
YV’/VdV=>(Ta1+Ta2+2*Taj+2*(a+b)*Ts+TinA−Tpr1A)*Vt/(Vt−Vd−VdA)
となる。
【0201】
記録とのちがいは、対応するオーディオデータを読み出してから、AVMを読み出す点であるが、アフレコの1サイクルと、AjとAVMjを読み出す1サイクルとを比べると、Tajが異なるのみであり、Tajがすべて同じであれば条件は同じである。
【0202】
次に、3番目の例として、オーディオデータとビデオデータがそれぞれ符号化され、異なる領域に記録され、アフレコ時に記録するオーディオデータもビデオデータと離れた別の記録領域に記録される場合の記録方法と再生方法について図23、24、25を用いて説明する。
【0203】
図23は、ビデオデータとオーディオデータとアフレコ用データのディスク上の配置を示す図である。ビデオデータとオーディオデータは所定の周期で交互に別の領域に記録される。(ビデオデータの記録領域は210、212、214、216、218、220、オーディオデータの記録領域は211、213、215、217、219、221)、アフレコ用データはこれらのデータとは別の離れた領域に記録される(記録領域222、223、224、225)。
【0204】
オーディオとビデオの再生開始位置は、それぞれ、記録領域211、210内に設定され、オーディオとビデオのアフレコ開始位置はそれぞれ記録領域213と212に設定されており、アフレコ終了位置は、記録領域219、218内に設定され、再生終了位置は、それぞれ、記録領域221、220内に設定される。さらに、アフレコ用データのアフレコ開始位置と終了位置は記録領域222と225に設定される。
【0205】
このように、アフレコの記録時には、記録領域210〜211のうち再生開始から再生終了までが読み出され、アフレコ開始から終了までのオーディオデータAiに対し、新たなオーディオデータが加えられて、新たな領域222〜225に記録される。この場合、既に記録されたオーディオデータとビデオデータの2つのリアルタイム・データを再生しながら、アフレコ用オーディオデータを記録する同時録再となる。
【0206】
図24は、図23で説明した記録領域に対し、アフレコ時のアクセスの順番と記録領域からの読み出し時間または記録領域への記録時間またはアクセス時間を示している。記録時は、やはり、前で説明したように、1ビデオデータ分さかのぼって対応するアフレコデータを記録する点に特徴がある。前の説明では、ビデオデータとオーディオデータがAVMデータとして記録されていたためにビデオデータとオーディオデータ間のアクセスがなかったが、この例では、独立に記録されるためアクセスが必要となっている。しかしながら、オーディオデータの記録領域の配置に自由度がある。このため、オーディオデータを上書きすることなく、古いデータをのこしたまま、新たな領域にオーディオデータを記録できる。また、同様にアフレコ用データも何回も新たに記録できるメリットがある。
【0207】
図示されたアクセス順番でアフレコが可能かどうかの同時録再の条件を考える。
アフレコ時の同時録再に関するビデオの条件は、
YV/VdV=>Tpr1A+Tpr1V+Tf1+2*(TcA+TcV+2Tfj)+2*Taj+TinA+(P−1)*(TcV+2*TcA+Tfj+2*Taji)+TcA+Tfj+TcV+Taj+TcA+Taj+Tpo2A+Tf2+Tpo2V+(P+1)*(a+b)*Ts+3*a*Ts
ここで、図24のP回繰り返しの意味は、2<=j=<Pとして、例えば、P=3の場合、P回繰り返しの範囲に、A2、V2、B1、A3、V3、B2、A4、V4、B3が存在することを示す。
YV=(Tpr1V+(P+2)*TcV+Tpo2V)*Vt
TinV*VdA=TinA*VdV
ToutV*VdA=ToutA*VdV
TcV*VdA=TcA*VdV
TcV=Tpr2V+TinV=ToutV+Tpo1V
TcA=Tpr2A+TinA=ToutA+Tpo1A
よって、
YV/VdV=>(Tf1+Tf2+(P+5)*Tfj+(2*P+2)Taj+(P+1)*(a+b)*Ts+3*a*Ts−Tpr1A−Tpri2A−ToutA−Tpo1A−Tpo2A)*Vt/(Vt−VdV−2*VdA)
また、Aj+1の読み出しと、Vj+1へのアクセスと、Vj+1の読み出しと、Bjへのアクセスと、Bjの記録と、次のAj+2へのアクセスまでを1サイクルとして、アフレコの1サイクルについて考えると、
YV’/VdV=>TcA+Tfj+TcV+2*Taj+TcA+(a+2*b)*Ts
YV’=TcV*Vt
よって、Y’/Vd=>(Tfj+2*Taj+(a+2*b)*Ts)*Vt/(Vt−VdV−2*VdA)
さらに、再生開始位置からVj+1の直前までの範囲で考えると、
YV’’/VdV=>Tpr1A+Tpr1V+Tf1+2*(TcA+TcV+2Tfj)+2*Taj+TinA+TcA+Tfj+3*a*Ts+5*b*Ts
YV’’=(Tpr1V+2*TcV)*Vt
よって、YV’’/Vd=>(TinA+TcA+2*Taj+Tf1+5*Tfj+3*a*Ts+5*b*Ts)*Vt/(Vt−VdV−VdA)
となり、以上の3つの条件式を満たすサイズ以上でオーディオデータ、ビデオデータ、アフレコ用データのそれぞれの記録領域のサイズを決めれば、同時録再が可能になる。
【0208】
なお、アフレコ用データはオーディオデータビデオデータと別の離れた領域に記録される例で説明したが、ビデオデータを記録するときに予め領域を確保するように記録し、ビデオデータ、オーディオデータ、アフレコ用データの順で交互に記録領域を配置しても良い。この場合には、予め領域が確保されるのでアフレコをしない場合には他の用途に使用することが困難であるが、アフレコ用データへのアクセス時間が短くなるので同時録再の条件が緩和される。
【0209】
図25は、アフレコ後にデータを再生確認する場合のアクセスの順番を示している。記録においては、Ajを読み出してからBjを記録する必要があったが、再生確認では、AjへのアクセスとAjの読み出しが不要になるため、記録条件より緩い。
【0210】
【発明の効果】
本発明によれば、記録と再生の切替えタイミングをバッファメモリに蓄積されたデータ量に応じて切替えるために、記録バッファはエンプティに近い状態を保つように制御され、再生バッファはフルに近い状態を保つように制御される。このため、ピックアップより所定の期間データが読み出せない等の状態が発生しても、同時録再を安定して行なうことが出来る。記録と再生の切替タイミングが適切に切替えられることから、少ないバッファメモリで同時録再を実現できる。また、データが記録される領域が4回のアクセスを考慮した最小サイズ以上になるようにデータを割付けることにより、他の機器で記録されたディスクであっても同時録再を確実に行なうことができる。
【0211】
また、記録再生するデータの転送レートの違いを利用して最適な同時録再の条件を設定することにより、転送レートの低いデータがより小さな記録領域に記録可能になり、ディスクの利用効率が上がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の情報記録媒体における同時録再の条件を示す図
【図2】同時録再を実現するモデルを示す図
【図3】本発明の実施の形態1の情報記録媒体におけるディスク上のアクセスを示すレイアウト図
【図4】本発明の実施の形態1の情報記録媒体における同時録再の切替え動作を示す図
【図5】本発明の実施の形態1の情報記録再生装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態1の同時録再方法を示すフローチャート
【図7】記録されるデータのディレクトリ構造を示す図
【図8】スキップ記録の動作を示す図
【図9】本発明の実施の形態2の2つのリアルタイム・データの同時録再時の記録再生とアクセスの動作を示す図
【図10】本発明の実施の形態2のディスク上の再生領域と記録領域のレイアウトを示す図
【図11】本発明の実施の形態2の3つのリアルタイム・データの同時録再時の記録再生とアクセスの動作を示す図
【図12】本発明の実施の形態3の2つのリアルタイム・データの同時録再時の記録再生とアクセスの動作を示す図
【図13】本発明の実施の形態3の3つのリアルタイム・データの同時録再時の記録再生とアクセスの動作を示す図
【図14】本発明の実施の形態3のアクセス時間の内訳を示す図
【図15】本発明の実施の形態3のディスクの回転数差とアクセス時間の関係を示す図
【図16】本発明の実施の形態3のディスクの半径位置と回転数差の関係を示す図
【図17】本発明の実施の形態4のAVMデータとアフレコ用データが交互に記録される場合の記録領域の配置を示す図
【図18】本発明の実施の形態4のAVMデータとアフレコ用データが交互に記録される場合のアフレコ時の記録再生のアクセス動作を示す図
【図19】本発明の実施の形態4のAVMデータとアフレコ用データが交互に記録される場合のアフレコ後の再生のアクセス動作を示す図
【図20】本発明の実施の形態4のAVMデータとアフレコ用データが離れて記録される場合の記録領域の配置を示す図
【図21】本発明の実施の形態4のAVMデータとアフレコ用データが離れて記録される場合のアフレコ時の記録再生のアクセス動作を示す図
【図22】本発明の実施の形態4のAVMデータとアフレコ用データが離れて記録される場合のアフレコ後の再生のアクセス動作を示す図
【図23】本発明の実施の形態4のオーディオデータとビデオデータとアフレコ用データが別々の領域に記録される場合の記録領域の配置を示す図
【図24】本発明の実施の形態4のオーディオデータとビデオデータとアフレコ用データが別々の領域に記録される場合のアフレコ時の記録再生のアクセス動作を示す図
【図25】本発明の実施の形態4のオーディオデータとビデオデータとアフレコ用データが別々の領域に記録される場合のアフレコ後の再生のアクセス動作を示す図
【図26】本発明の実施の形態3の3つのリアルタイム・データの同時記録時のアクセスと記録領域のレイアウトを示す図
【図27】本発明の実施の形態3の同時録再方法を示すフローチャート
【図28】本発明の実施の形態3の2つのリアルタイム・データの同時録再を行う記録領域のレイアウトを示す図
【図29】本発明の実施の形態3のディスク上のアクセス領域とその領域内でのフルシークにかかるアクセス時間を示す図
【図30】従来の同時録再の条件を示す図
【図31】従来の同時録再の動作を示す図
Claims (11)
- 同時録再モデルに従って、複数のリアルタイム・データを情報記録媒体に同時に録再する方法であって、
前記同時録再モデルは、前記情報記録媒体上の領域にアクセスするピックアップPと、リアルタイム・データDiを符号化する符号化モジュールEMiと、符号化されたリアルタイム・データDiを蓄積する記録バッファWBiと、前記情報記録媒体から読み出されたリアルタイム・データDjを蓄積する再生バッファRBjと、再生バッファRBjに蓄積されたリアルタイム・データDjを復号化する復号化モジュールDMjとを含み、
前記方法は、
前記情報記録媒体上のボリューム空間内の未割付け領域を検索し、前記ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付ける第一ステップと、
記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを領域Aiに記録する記録動作Wiを実行する第二ステップと、
リアルタイム・データDjが記録された領域Ajからリアルタイム・データDjを読み出す再生動作Rjを実行する第三ステップと、
記録動作Wiを実行している間に、記録バッファWBiがエンプティか否かを判定し、記録バッファWBiがエンプティであると判定された場合には、記録動作Wiを他の記録動作または再生動作Rjに切り替え、記録バッファWBiがエンプティでないと判定された場合には、記録動作Wiを継続する第四ステップと、
再生動作Rjを実行している間に、再生バッファRBjがフルか否かを判定し、再生バッファRBjがフルであると判定された場合には、再生動作Rjを他の再生動作または記録動作Wiに切り替え、再生バッファRBjがフルでないと判定された場合には、再生動作Rjを継続する第五ステップと、
を包含し、
記録される前記リアルタイム・データDiおよび再生される前記リアルタイム・データDjのうちの少なくとも一方は、可変レートでエンコードされるデータを含み、
領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、前記多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作で、記録バッファWBiをエンプティにすることができるという条件を満たすように構成されており、
領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作で、再生バッファRBjをフルにすることができるという条件を満たすように構成されており、
ここで、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数であり、
前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、前記第二〜第五ステップにおいて、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、に基づいて決められる、
方法。 - 前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、前記第二〜第五ステップにおいて、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、が等しくなるように決められる、請求項1記載の方法。
- 2つのリアルタイム・データを同時録再する場合、前記第二〜第五ス テップは、第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作、第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作の順に実行され、リアルタイム・データDi記録動作は前記第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作で構成され、リアルタイム・データDj再生動作は前記第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作、で構成される、請求項2記載の方法。
- 領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、
ここで、
Y=2×n×Ta×Vd×Vt÷(Vt−n×Vd)、
Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、
Vdは、すべてのi、jに対して、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよび復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yi以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yj以上のサイズを有しており、
ここで、
Yi=(2×n×Ta×Vt×Vdi)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、
Yj=(2×n×Ta×Vt×Vdj)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、
Vdiは、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートを示し、
Vdjは、復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 領域Aiおよび領域Ajは、すべてのi、jに対して、前記情報記録媒体の半径38mmから58mmまでの領域に設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 同時録再モデルに従って、複数のリアルタイム・データを情報記録媒体に同時に録再する情報記録再生装置であって、
前記同時録再モデルは、前記情報記録媒体上の領域にアクセスするピックアップPと、リアルタイム・データDiを符号化する符号化モジュールEMiと、符号化されたリアルタイム・データDiを蓄積する記録バッファWBiと、前記情報記録媒体から読み出されたリアルタイム・データDjを蓄積する再生バッファRBjと、再生バッファRBjに蓄積されたリアルタイム・データDjを復号化する復号化モジュールDMjとを含み、
前記情報記録再生装置は、
前記情報記録媒体上のボリューム空間内の未割付け領域を検索し、前記ボリューム空間内の少なくとも1つの未割付け領域をリアルタイム・データDiを記録する領域Aiとして割付ける第一手段と、
記録バッファWBiに蓄積されたリアルタイム・データDiを領域Aiに記録する記録動作Wiを実行する第二手段と、
リアルタイム・データDjが記録された領域Ajからリアルタイム・データDjを読み出す再生動作Rjを実行する第三手段と、
記録動作Wiを実行している間に、記録バッファWBiがエンプティか否かを判定し、記録バッファWBiがエンプティであると判定された場合には、記録動作Wiを他の記録動作Wiまたは再生動作Rjに切り替え、記録バッファWBiがエンプティでないと判定された場合には、記録動作Wiを継続する第四手段と、
再生動作Rjを実行している間に、再生バッファRBjがフルか否かを判定し、再生バッファRBjがフルであると判定された場合には、再生動作Rjを他の再生動作Rjまたは記録動作Wiに切り替え、再生バッファRBjがフルでないと判定された場合には、再生動作Rjを継続する第五手段と
を備え、
記録される前記リアルタイム・データおよび再生される前記リアルタイム・データのうちの少なくとも一方は、可変レートでエンコードされるデータを含み、
領域Aiとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の記録動作で記録バッファWBiをエンプティにすることができるという条件を満たすように構成されており、
領域Ajとして割付けられた少なくとも1つの領域のそれぞれは、多くとも1回のアクセス動作と多くとも2回の再生動作で再生バッファRBjをフルにすることができるという条件を満たすように構成されており、
ここで、iは1以上m以下の任意の整数であり、jはm+1以上n以下の任意の整数であり、mはm<nを満たす1以上の任意の整数であり、nは同時録再する複数のリアルタイム・データの数を示す2以上の任意の整数であり、
前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、
前記第二〜第五手段において、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、に基づいて決められる、
情報記録再生装置。 - 前記領域Aiとして割り付けられた領域の最小サイズは、前記リアルタイム・データDiのデータレートが最大のとき、
前記第二〜第五手段において、1回のアクセス動作と2回の記録動作よりなるリアルタイム・データDi記録動作が実行されるときに消費される記録バッファWBiのデータ量と、他のアクセス動作と再生動作を含むリアルタイム・データDj再生動作が実行されるときに記録バッファWBiに蓄積されるデータ量と、が等しくなるように決められる、請求項7記載の情報記録再生装置。 - 2つのリアルタイム・データを同時録再する場合、前記第二〜第五手段は、第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作、第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作を順に実行し、リアルタイム・データDi記録動作は前記第一記録動作、第一アクセス動作、第二記録動作で構成され、リアルタイム・データDj再生動作は前記第二アクセス動作、第一再生動作、第三アクセス動作、第二再生動作、第四アクセス動作、で構成される、請求項8載の情報記録再生装置。
- 領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Y以上のサイズを有しており、
ここで、
Y=2×n×Ta×Vd×Vt÷(Vt−n×Vd)、
Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、
Vdは、すべてのi、jに対して、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよび復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、請求項7〜9のいずれかに記載の情報記録再生装置。 - 領域Aiとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yi以上のサイズを有しており、領域Ajとして割付けられた前記少なくとも1つの領域のそれぞれが、Yj以上のサイズを有しており、
ここで、
Yi=(2×n×Ta×Vt×Vdi)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、
Yj=(2×n×Ta×Vt×Vdj)÷{Vt−(Vd1+Vd2+・・・+Vdn)}、Taは、ピックアップPが前記情報記録媒体の最内周にある領域と最外周にある領域との間をアクセスするのに必要なアクセス時間を示し、
Vtは、ピックアップPと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートおよびピックアップPと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示し、
Vdiは、符号化モジュールEMiと記録バッファWBiとの間のデータ転送レートを示し、
Vdjは、復号化モジュールDMjと再生バッファRBjとの間のデータ転送レートを示す、請求項7〜9のいずれかに記載の情報記録再生装置。
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