JP3965570B2 - 膜分離方法および膜分離装置洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は膜分離方法および膜分離装置洗浄方法に関し、特には、膜分離装置の高アルカリ洗浄頻度を低減するために物理洗浄を頻繁に実施するのに伴って膜分離装置の膜が破損してしまうのを回避することができる膜分離方法および膜分離装置洗浄方法に関する。つまり、本発明は物理洗浄とは異なる工程によって高アルカリ洗浄頻度を低減することができる膜分離方法および膜分離装置洗浄方法に関する。詳細には、本発明は、医薬、化粧品、食品等の製造プロセス、発酵プロセス等において利用可能な膜分離方法および膜分離装置洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、上述した医薬、化粧品、食品等の製造プロセス、醗酵プロセス等では、各種の原材料を使用し、特定の酵母や細菌等を利用して醗酵を行わせ、その醗酵液中の目的成分を抽出する工程で、中空糸膜のMFやUF膜が利用され、目的成分が膜によって分離される。目的成分の回収率を最大値にするために、醗酵液の菌体濃度を濾過不能にならない程度に濃縮し、その後、加水を行い、再度、濾過にて再濃縮する。
【0003】
この中空糸膜は、醗酵液により中空糸内面に醗酵液中の各種不溶解成分が濾過工程で付着し、それにより、濾過抵抗が上昇し、ついには濾過不能になってしまうおそれがある。そのため、濾過工程中には、濾過抵抗が一定値以上になったとき、あるいは、定期的に濾液による逆洗を行ったり、温水や水によるフラッシング等の物理洗浄を行って再度濾過工程を継続すること等が行われる。しかし、このような物理洗浄では、膜の分離性能を十分に回生することができないため、物理洗浄だけを実施していると、徐々に濾過抵抗は増大する。そこで、濾過抵抗が所定値以上になったところで薬剤による洗浄が行われている。
【0004】
従来、このような薬剤による洗浄では、フィルタをpH13以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する高アルカリ洗浄工程を含むフィルタ洗浄方法が知られている。この種のフィルタ洗浄方法の例としては、例えば特開2002−186918号公報に記載されたものがある。特開2002−186918号公報に記載されたフィルタ洗浄方法では、フィルタ内の異物が高アルカリ洗浄液によって分解せしめられ、次いで、フィルタが振動せしめられると共に、フィルタに対して液体あるいは気体が通過せしめられ、それにより、分解せしめられた異物がフィルタから除去されている。
【0005】
特開2002−186918号公報に記載された高アルカリ洗浄を膜分離装置に適用することが考えられる。特開2002−186918号公報に記載された高アルカリ洗浄を膜分離装置に適用することによっても、膜分離装置の膜を洗浄することができる。
【0006】
一方で、膜分離装置の膜に対して高アルカリ洗浄を実施した後には十分なリンスが必要なため、高アルカリ洗浄を頻繁に実施すると操作が煩雑になってしまう。また、高アルカリ洗浄を頻繁に実施すると膜分離装置の膜が劣化してしまうおそれがある。更に、高アルカリ洗浄を頻繁に実施するとコスト面で好ましくない。そのため、高アルカリ洗浄を膜分離装置に適用する場合には、高アルカリ洗浄の頻度をある程度低減する必要がある。特開2002−186918号公報には詳細に記載されていないが、従来から一般的に、高アルカリ洗浄の頻度を低減するためには、高アルカリ洗浄を実施する代わりに、逆洗やフラッシングなどの物理洗浄が実施されている。
【0007】
ところが、この物理洗浄を、あまりに頻繁に実施したり、あるいは、高圧状態において実施したりしてしまうと、膜が破損するおそれが生じてしまう。また、上述した通り、物理洗浄だけでは膜の濾過抵抗が徐々に増大していくが、ある濾過抵抗以上になった後に物理洗浄を実施すると中空糸膜が破損してしまうおそれが増大することが見出された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記問題点に鑑み、本発明は膜分離装置の高アルカリ洗浄頻度を低減するために物理洗浄を頻繁に実施するのに伴って膜分離装置の膜が破損してしまうのを回避することができる膜分離方法および膜分離装置洗浄方法を提供することを目的とする。つまり、本発明は物理洗浄とは異なる工程によって高アルカリ洗浄頻度を低減することができる膜分離方法および膜分離装置洗浄方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、被処理水を膜分離装置に供給し、透過液と濃縮液とに分離する分離工程と、
前記膜分離装置をpH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する第一の洗浄工程と、を含む膜分離方法であって、
前記膜分離装置をpH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する第二の洗浄工程を更に含むことを特徴とする膜分離方法が提供される。
【0010】
請求項1に記載の膜分離方法では、被処理水を透過液と濃縮液とに分離する膜分離装置を洗浄する工程として、pH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する第一の洗浄工程の他に、pH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する第二の洗浄工程が含まれている。つまり、膜分離装置をpH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する第一の洗浄工程の頻度を低減するために、膜分離装置をpH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する第二の洗浄工程が設けられている。そのため、膜分離装置の高アルカリ洗浄頻度を低減するために物理洗浄を頻繁に実施するのに伴って膜分離装置の膜が破損してしまうのを回避することができる。具体的には、例えば被処理水を透過液と濃縮液とに分離する分離工程と、第一の洗浄工程または第二の洗浄工程とが交互に実施される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記第二の洗浄工程を5〜50回実施する毎に前記第一の洗浄工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の膜分離方法が提供される。
【0012】
請求項2に記載の膜分離方法では、膜分離装置をpH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する第二の洗浄工程が5〜50回実施される毎に、膜分離装置をpH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する第一の洗浄工程が実施される。そのため、第一の洗浄工程が過剰に実施されるのに伴って高アルカリ洗浄液のコストが嵩んだり、操作が煩雑になったりしてしまうのを回避しつつ、第一の洗浄工程の実施が不十分なために膜分離装置の洗浄が不十分になってしまうのを回避することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記低アルカリ洗浄液及び/又は前記高アルカリ洗浄液の温度が40〜80℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜分離方法が提供される。
【0014】
請求項3に記載の膜分離方法では、低アルカリ洗浄液及び/又は高アルカリ洗浄液の温度が40〜80℃とされる。好ましくは、低アルカリ洗浄液及び高アルカリ洗浄液の両者の温度が40〜80℃とされる。そのため、低アルカリ洗浄液及び高アルカリ洗浄液の温度がその他の温度域に設定された場合よりも、膜分離装置の洗浄効率を高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、前記高アルカリ洗浄液が界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜分離方法が提供される。
【0016】
請求項4に記載の膜分離方法では、高アルカリ洗浄液に界面活性剤が含まれている。そのため、高アルカリ洗浄液に界面活性剤が含まれていない場合よりも、膜分離装置の洗浄効率を高めることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、膜分離装置を高アルカリ洗浄液で洗浄する高アルカリ洗浄工程と、
前記高アルカリ洗浄工程の頻度を低減するための高アルカリ洗浄頻度低減工程と、を含む膜分離装置洗浄方法であって、
前記高アルカリ洗浄頻度低減工程が、前記膜分離装置を低アルカリ洗浄液で洗浄する低アルカリ洗浄工程を含むことを特徴とする膜分離装置洗浄方法が提供される。
【0018】
請求項5に記載の膜分離装置洗浄方法では、膜分離装置を高アルカリ洗浄液で洗浄する高アルカリ洗浄工程の頻度を低減するために、膜分離装置を低アルカリ洗浄液で洗浄する低アルカリ洗浄工程が実施される。そのため、膜分離装置の高アルカリ洗浄頻度を低減するために物理洗浄を頻繁に実施するのに伴って膜分離装置の膜が破損してしまうのを回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は本発明の膜分離方法および膜分離装置洗浄方法を適用した醗酵プロセスでの膜分離装置の一実施形態の概略構成図である。図1において、1は原液、洗浄剤などを調整するための調整槽、2は原液(被処理水)を透過液と濃厚液(濃縮液)とに分離するための膜モジュールとしての濾過器である。3は透過液受槽、4は濃厚液受槽、5は濾過器2を洗浄するための洗浄剤Aを貯留している洗浄剤A貯槽、7は苛性ソーダを貯留している苛性ソーダ貯槽、8は濾過器2を洗浄するための洗浄剤Bを貯留している洗浄剤B貯槽である。P1〜P7はポンプである。
【0021】
図1に示す膜分離装置では、まず、濾過対象となる原液が調整槽1に受け入れられる。次いで、原液が循環ポンプP1によって調整槽1から濾過器2に供給され、濾過器2内のMF・UF膜によるクロスフロー濾過を受ける。そこで濾過された透過液は透過液受槽3に受け入れられ、次いで、移送ポンプP3によって次の精製工程(図示せず)に移送される。一方、濾過器2において濾過されなかったその他の液は調整槽1に戻される。詳細には、逆洗ポンプP2によって濾過器2の膜面の詰まりが除去され、膜間の差圧の上昇が抑えられる。但し、濾過器2の膜が逆洗によって破損してしまわないように、逆洗の頻度は抑えられている。
【0022】
上述した濾過工程(濃縮分離工程)は通常0.5〜10時間実施される。調整槽1に流入した原液がこのクロスフロー濾過により所定量濾過されるか、あるいは、濾過器2の膜間差圧が一定値以上になると、この濾過工程(濃縮分離工程)が終了され、次の工程が実施されるようになっている。
【0023】
次の工程では、循環原液中に目的物質がまだ含まれている場合に、回収率を上げるべく水や製造工程液が調整槽1に注入され、ダイアフィルトレーション濾過が実施される。このダイアフィルトレーション濾過工程も通常0.5〜10時間実施される。ダイアフィルトレーション濾過工程におけるポンプP1,P2の作動は、上述した濃縮分離工程におけるポンプP1,P2の作動と同様である。
【0024】
濃縮分離工程およびダイアフィルトレーション濾過工程において原液中の目的物質が所期量透過された濃厚液は、調整槽1及び濾過器2及び循環配管から濃厚液受槽4に移される。濃厚液は、移送ポンプP4により脱水工程、乾燥工程等の次の処理(図示せず)にかけられる。
【0025】
ダイアフィルトレーション濾過工程が終了すると、次いで、低アルカリ洗浄工程が実施される。低アルカリ洗浄工程においては、まず、調整槽1内の被処理液が、ポンプP1、濃厚液受槽4及びポンプP4を介して膜分離装置外に排出される。この排出工程は約5分程度実施される。次いで、調整槽1及び透過液受槽3に、洗浄ノズル(図示せず)で槽の内壁を洗浄しながら温水が注入され、透過液受槽3内の温水を用いて逆洗ポンプP2によって濾過器2の膜を逆洗する逆洗工程と、調整槽1内の温水が循環ポンプP1によって濾過器2に循環せしめられる順洗工程とを組み合わせた洗浄工程が実施される。この洗浄工程は2〜10分実施される。次いで、調整槽1内の温水がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。
【0026】
次いで、低アルカリ洗浄液による洗浄が実施される。具体的には、調整槽1に温水を貯留する際に、注入ポンプP7によって苛性ソーダ貯槽7から苛性ソーダが添加され、温水に苛性ソーダが添加された低アルカリ洗浄液のpH調整が行われ、pH9〜11に調整される。好ましくは、この低アルカリ洗浄液の温度が40〜80℃とされる。つまり、本実施形態では、物理洗浄が頻繁に実施される代わりに、この低アルカリ洗浄液による順洗もしくは逆洗が行われ、濾過器2の膜が洗浄される。この低アルカリ洗浄液の循環は、通常5〜60分実施され、好ましくは、10〜30分実施される。次いで、調整槽1中の低アルカリ洗浄液がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。上述した低アルカリ洗浄液の温度は、濾過器2の膜の材質、被処理液の種類などに応じて適宜設定される。例えば、膜として金属やセラミックが使用される場合には、低アルカリ洗浄液の温度が80℃程度の比較的高い温度に設定され、膜として有機膜が使用される場合には、低アルカリ洗浄液の温度が比較的低い温度に設定される。
【0027】
次いで、温水による順洗もしくは逆洗が行われ、膜分離装置中に残留するアルカリが排除され、透過液への影響が排除される。この温水循環工程は2〜10分実施される。次いで、循環せしめられた温水がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。本実施形態では、温水循環工程およびその温水の排出工程が実施されているが、被処理液のpH緩衝能が高い場合に適用される他の実施形態では、これらの工程を省略することも可能である。
【0028】
上述した濃縮分離工程、ダイアフィルトレーション濾過工程および低アルカリ洗浄工程が5〜50回(10〜100時間)繰り返し実施される。
【0029】
上述した濃縮分離工程、ダイアフィルトレーション濾過工程および低アルカリ洗浄工程を繰り返しても濾過器2の膜間差圧が上昇し、濾過性に悪影響を与えるようになった段階あるいは定期的に、後述する高アルカリ洗浄工程が実施される。
【0030】
具体的には、高アルカリ洗浄工程は、上述したダイアフィルトレーション濾過工程に引き続いて実施される。高アルカリ洗浄工程においては、まず、調整槽1内の被処理液がポンプP1、濃厚液受槽4及びポンプP4を介して膜分離装置外に排出される。この排出工程は約5分程度実施される。次いで、調整槽1及び透過液受槽3には、洗浄ノズル(図示せず)で槽の内壁を洗浄しながら温水が注入され、透過液受槽3内の温水を用いて逆洗ポンプP2によって濾過器2内の膜を逆洗する逆洗工程と、調整槽1内の温水が循環ポンプP1によって濾過器2に循環せしめられる順洗工程とを組み合わせた洗浄工程が実施される。この洗浄工程は2〜10分実施される。次いで、調整槽1内の温水がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。
【0031】
次いで、高アルカリ洗浄液による洗浄が実施される。具体的には、苛性ソーダや界面活性剤(好ましくは陰イオン性界面活性剤)、EDTA、キレート剤、酸化剤(NaOClなど)等のタンパクや油脂分等の有機物膜汚染を除去するのに有効な成分を含むアルカリ洗浄剤A(例えばNaOH、KOH)が、移送ポンプP5によって洗浄剤A貯槽5から調整槽1に必要量添加され、pH11以上、好ましくはpH12〜14、特に好ましくはpH13〜14の濃度の高アルカリ洗浄液になるように温水で希釈される。好ましくは、高アルカリ洗浄液の温度は40〜80℃とされる。この高アルカリ洗浄液が、循環ポンプP1によって濾過器2と調整槽1との間を循環せしめられ、洗浄が行われる。この高アルカリ洗浄液の循環は、通常5〜60分実施され、好ましくは10〜30分実施される。次いで、調整槽1中の高アルカリ洗浄液がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。上述した高アルカリ洗浄液の温度は、濾過器2の膜の材質、被処理液の種類などに応じて適宜設定される。例えば、膜として金属やセラミックが使用される場合には、高アルカリ洗浄液の温度が80℃程度の比較的高い温度に設定され、膜として有機膜が使用される場合には、高アルカリ洗浄液の温度が比較的低い温度に設定される。
【0032】
上述した高アルカリ洗浄工程は10〜120分実施される。高アルカリ洗浄工程に次いで、後述する酸化剤洗浄工程が実施される。
【0033】
酸化剤洗浄工程においては、まず、調整槽1内の被処理液がポンプP1、濃厚液受槽4及びポンプP4を介して膜分離装置外に排出される。この排出工程は約5分程度実施される。次いで、調整槽1及び透過液受槽3には、洗浄ノズル(図示せず)で槽の内壁を洗浄しながら温水が注入され、透過液受槽3内の温水を用いて逆洗ポンプP2によって濾過器2内の膜を逆洗する逆洗工程と、調整槽1内の温水が循環ポンプP1によって濾過器2に循環せしめられる順洗工程とを組み合わせた洗浄工程が実施される。この洗浄工程は2〜10分実施される。次いで、調整槽1内の温水がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。
【0034】
次いで、後述する酸化剤による洗浄が実施される。具体的には、次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を主成分とした洗浄剤Bが洗浄剤Aと同様に希釈され、循環せしめられて洗浄が行われる。この酸化剤の循環は、通常5〜60分実施され、好ましくは10〜30分実施される。次いで、調整槽1中の酸化剤がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。
【0035】
次いで、温水による順洗もしくは逆洗が行われ、膜分離装置中に残留する酸化剤が排除され、透過液への影響が排除される。この温水循環工程は2〜10分実施される。次いで、循環せしめられた温水がポンプP1によって排水として排出される。この排出工程は約5分程度実施される。
【0036】
上述した酸化剤洗浄工程は10〜120分実施される。
【0037】
つまり、本実施形態では、濾過器2の膜を洗浄する工程として、pH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する高アルカリ洗浄工程の他に、pH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する低アルカリ洗浄工程が含まれている。つまり、濾過器2の膜をpH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する高アルカリ洗浄工程の頻度を低減するために、膜分離装置をpH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する低アルカリ洗浄工程が設けられている。
【0038】
詳細には、本実施形態では、低アルカリ洗浄工程が5〜50回実施される毎に、高アルカリ洗浄工程および酸化剤洗浄工程が実施される。また、高アルカリ洗浄工程を実施する頻度を低減するために、低アルカリ洗浄工程が実施され、それにより、逆洗やフラッシングなどの物理洗浄の頻度が抑制されている。
【0039】
本実施形態では、上述したように高アルカリ洗浄工程に次いで酸化剤洗浄工程が実施されているが、他の実施形態では、酸化剤洗浄工程を省略することも可能である。その場合には、調整槽1中の高アルカリ洗浄液がポンプP1によって排水として排出されるのに次いで、温水による順洗もしくは逆洗が行われ、膜分離装置中に残留するアルカリが排除され、透過液への影響が排除される。次いで、循環せしめられた温水がポンプP1によって排水として排出される。
【0040】
また、本実施形態では、上述したようにダイアフィルトレーション濾過工程が実施されているが、用水処理や排水処理を目的とする他の実施形態においては、上述したダイアフィルトレーション濾過工程は実施されない。
【0041】
また、本実施形態では、上述した濃縮分離工程およびダイアフィルトレーション濾過工程と逆洗やフラッシングなどの物理洗浄とが併用されていないが、他の実施形態では、濾過器2の膜が破損しない程度でそれらを併用することも可能である。この実施形態においても、低アルカリ洗浄工程が実施されるため、物理洗浄を弱い条件(低圧、頻度少)で実施することにより、濾過器2の膜の劣化を抑制することができる。物理洗浄としては、例えば透過液受槽3内の透過液をポンプP2によって濾過器2の膜の透過液側に供給することが可能である。
【0042】
また、本実施形態では、洗浄剤A貯槽5などが調整槽1を介して濾過器2と連絡せしめられているが、他の実施形態では、濾過器2と直接連絡せしめられた洗浄タンクを別個に設け、その洗浄タンクと濾過器2との間で薬剤を循環させて濾過器2を洗浄することも可能である。その場合には、濃縮分離工程とダイアフィルトレーション濾過工程との間に低アルカリ洗浄工程を実施することも可能である。つまり、低アルカリ洗浄工程中に濃厚液を排出することなく調整槽1に貯留することも可能である。
【0043】
また、本実施形態では、低アルカリ洗浄液および高アルカリ洗浄液がポンプP1によって循環せしめられているが、他の実施形態では、ポンプP1とは別個のポンプを設け、そのポンプによって低アルカリ洗浄液および高アルカリ洗浄液を循環させることも可能である。
【0044】
また、本実施形態では、高アルカリ洗浄工程に次いで酸化剤洗浄工程が実施されているが、他の実施形態では、上述した酸化剤洗浄工程に加えて、あるいは、その代わりにクエン酸などの酸性洗浄剤による洗浄工程を実施することも可能である。
【0045】
上述したように、本実施形態によれば、低アルカリ洗浄工程において少量の苛性ソーダが温水に添加されて濾過器2の膜が洗浄され、その後、温水によって膜分離装置全体が洗浄されてアルカリ成分が除去される。そのため、醗酵液の目的成分にアルカリ成分が混入するのを阻止しつつ、濾過器2の膜の破損を減少させることができる。
【0046】
濾過器2の膜の破損の原因は、膜製造時の製品不良によるものと膜使用状況によるものとに大別される。膜製造時の製品不良は、製膜時のボイドが中空糸に存在し、圧力がかかった際にボイド部分が破損するものであり、初期運転時に発見される。一方、膜使用時の破損は、主として中空糸の支持部の付根部分が通液や洗浄時に振動し、その繰り返しによるせん断応力によって破損を起こすものであり、有機素材による中空糸では避けられないものである。
【0047】
膜使用時の破損の原因を詳細に調査した結果、濾過工程での膜間差圧が一定値以上になる場合での膜破損件数と一定値以下の場合の膜破損件数とに大きな差があることが本発明者によって見出された。そこで、本実施形態では、一定量の濾過処理をした後、逆洗および湯洗による洗浄工程に苛性ソーダの添加を行い、低アルカリ洗浄の洗浄水のpHを9〜11、好ましくは10〜11にし、低アルカリ洗浄の洗浄水の温度を40〜80℃、好ましくは50〜70℃にする。それにより、毎回の膜間差圧を一定値以下にし、濾過工程中の逆洗や洗浄工程中の逆洗による中空糸膜の振動によるせん断応力破損を減少させることができる。その結果、膜破損を減少させ、膜補修費や交換費を低減させることができる。更に、高アルカリ洗浄に用いる膜洗浄剤の使用量を減少させ、ランニングコストを低減させることができる。
【0048】
すなわち、医薬・食品プロセスは、蛋白質、脂質などの有機物を多く含むため、医薬・食品プロセスにおける膜濾過では、膜の汚染が激しい。膜の汚染が進むと、濾過速度の低下、目的物の阻止率の上昇など、膜性能に様々な障害が生じてしまう。膜の汚染の進行を抑える方法としては、逆洗による物理的な方法、薬品洗浄による化学的な方法、あるいは、それらの組み合わせがある。逆洗を頻繁に行うと中空糸の糸切れなどの膜破損の原因になってしまい、高アルカリ洗浄のような薬品洗浄を頻繁に行うと膜が化学的に劣化したり、排水負荷量が増大したりしてしまう。
【0049】
そこで、上述したように低アルカリ洗浄を実施することにより、逆洗のような物理洗浄の頻度を低減すると共に、高アルカリ洗浄の頻度を低減することができる。それにより、濾過器2の膜汚染の進行を抑え、安定した濾過を継続することができる。詳細には、医薬・食品プロセスでの膜汚染の主原因が膜面への蛋白質の付着である点に鑑み、低アルカリ洗浄を実施することにより、付着した蛋白質を除去する。これにより、膜汚染を抑えることができ、逆洗のような物理洗浄を最小限に減らすことができる。また、医薬・食品プロセスの濾過対象液には緩衝作用があるため、低アルカリ洗浄液で洗浄した後には、水すすぎをすることなく低アルカリ洗浄液を排出しただけで濾過対象液の濾過を行っても、濾液のpHは変動しない。すなわち、低アルカリ洗浄を実施しても、高アルカリ洗浄を実施した後や洗剤で洗った後のような徹底的なすすぎは必要ない。
【0050】
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0051】
(実施例1)
中空糸モジュール(5インチ(12.5cm)径、6m2)を10本装着した膜分離装置を用いて、醗酵液(pH5.2、アミノ酸生産菌2%含有)の菌体分離を行った。醗酵液2,000Lを膜分離装置・循環タンクに入れ、菌体を濃縮分離して、濾液中にアミノ酸を回収した。初期の醗酵液を1,000Lまで濃縮した後、定容量加水を実施した。全量で4,000Lの加水を行い、4,000Lの濾液を回収した。濾液は、循環流量2,000L/min、1次側の圧力0.2MPa、2次側の圧力0.0MPa、温度40℃で行った。
【0052】
濃縮残分をドレインした後、循環タンクに60℃の温水1,000Lを入れ、装置系内および中空糸1次側を循環洗浄した。洗浄時間は5分とした。洗浄水をドレインした後、pH10、60℃の希苛性ソーダ含有温水1,000Lを循環タンクに入れ、同様に循環洗浄した。洗浄時間は20分とした。洗浄水をドレインした後、再度、醗酵液を同様に装置に投入し、濾過を実施した。
【0053】
濾過終了後、同様に洗浄した。濾過、洗浄を15回繰り返し、醗酵液全量80,000Lを処理した後、CIP(cleaning in place,解体せずにそのまま通液洗浄すること)洗浄を行った。CIP洗浄は、アルカリ性洗剤(pH13、60℃)1,000Lで80分洗った後、次亜塩素酸ソーダ(100ppm)1,000Lで20分洗い、その後、1次側と2次側とを合計4,000Lの水で洗った。醗酵液2,000L処理を1バッチとして、15バッチ運転中の平均Flux(L/m2/Hr)の変化を図2に示す。なお、CIP洗浄終了後の水Flux(膜間差圧0.1MPa、25℃換算)は1,020L/m2/Hrであった。
【0054】
(比較例1)
実施例1と同様の装置で、実施例1と同様の醗酵液を同様に膜濾過した。バッチ処理間の洗浄で、実施例1でpH10の希苛性ソーダ温水で洗った代わりに、2次側からの逆洗を10回行った。1回の逆洗水は150Lで、逆洗時の1次側の圧力0.0MPa、2次側の圧力0.3MPaであった。15バッチ運転中の平均Fluxの変化を図2に示す。なお、15バッチ運転終了後、実施例1と同様の方法でCIP洗浄を行った。CIP洗浄の水Flux(膜間差圧0.1MPa、25℃換算)は980L/m2/Hrであった。
【0055】
(比較例2)
実施例1と同様の装置で、実施例1と同様の醗酵液を同様に膜濾過した。バッチ処理間の洗浄で、実施例1ではpH10の希苛性ソーダ温水で洗った代わりに、pH13のアルカリ洗剤1,000Lで洗浄した。洗浄後のアルカリ洗剤を除去するために、アルカリ洗剤液をドレインした後、1次側と2次側とを合計4,000Lの温水で洗った。15バッチ運転中の平均Fluxの変化を図2に示す。なお、15バッチ運転終了後、実施例1と同様の方法でCIP洗浄を行ったところ、CIP洗浄後の水Flux(膜間差圧0.1MPa、25℃換算)は1,020L/m2/Hrであった。
【0056】
実施例1、比較例1、比較例2の運転において、1バッチの排水量および15バッチの運転を1RUNとして、50RUN運転中の中空糸の糸切れ本数を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例1の方法が、Fluxの安定化、排水量、膜破損において優れている。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、膜分離装置の高アルカリ洗浄頻度を低減するために物理洗浄を頻繁に実施するのに伴って膜分離装置の膜が破損してしまうのを回避することができる。
【0060】
請求項2に記載の発明によれば、第一の洗浄工程が過剰に実施されるのに伴って高アルカリ洗浄液のコストが嵩んだり、操作が煩雑になったりしてしまうのを回避しつつ、第一の洗浄工程の実施が不十分なために膜分離装置の洗浄が不十分になってしまうのを回避することができる。
【0061】
請求項3に記載の発明によれば、低アルカリ洗浄液及び高アルカリ洗浄液の温度がその他の温度域に設定された場合よりも、膜分離装置の洗浄効率を高めることができる。
【0062】
請求項4に記載の発明によれば、高アルカリ洗浄液に界面活性剤が含まれていない場合よりも、膜分離装置の洗浄効率を高めることができる。
【0063】
請求項5に記載の発明によれば、膜分離装置の高アルカリ洗浄頻度を低減するために物理洗浄を頻繁に実施するのに伴って膜分離装置の膜が破損してしまうのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜分離方法および膜分離装置洗浄方法を適用した膜分離装置の一実施形態の概略構成図である。
【図2】運転中のFlux変化を示した図である。
Claims (5)
- 被処理水を膜分離装置に供給し、透過液と濃縮液とに分離する分離工程と、
前記膜分離装置をpH11以上の高アルカリ洗浄液で洗浄する第一の洗浄工程と、を含む膜分離方法であって、
前記膜分離装置をpH9〜11の低アルカリ洗浄液で洗浄する第二の洗浄工程を更に含むことを特徴とする膜分離方法。 - 前記第二の洗浄工程を5〜50回実施する毎に前記第一の洗浄工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の膜分離方法。
- 前記低アルカリ洗浄液及び/又は前記高アルカリ洗浄液の温度が40〜80℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜分離方法。
- 前記高アルカリ洗浄液が界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜分離方法。
- 膜分離装置を高アルカリ洗浄液で洗浄する高アルカリ洗浄工程と、
前記高アルカリ洗浄工程の頻度を低減するための高アルカリ洗浄頻度低減工程と、を含む膜分離装置洗浄方法であって、
前記高アルカリ洗浄頻度低減工程が、前記膜分離装置を低アルカリ洗浄液で洗浄する低アルカリ洗浄工程を含むことを特徴とする膜分離装置洗浄方法。
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