JP3949922B2 - 熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種充填材が添加された熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は、軟質または硬質のフィルム、シート、床材、異形品等の様々な分野において広く用いられている。
これらは、目的の製品に応じて、押出し、カレンダ、ブロー、射出成形等の各種の方法が適用されて成形されるが、この場合、製品に応じた強度等の諸特性を発揮させるために、各種充填材が添加されている。充填材としては、例えば、衝撃強度改質剤、フィラー、難燃剤、顔料などや、増量を目的とした木粉、紙、繊維等が挙げられる。また、最近では、充填材として古紙、再生木粉等の再利用が検討されている。
【0003】
しかし、充填材による効果を大きく発揮させるためにこれを大量に添加すると、成形時に、樹脂の劣化物や樹脂中の充填材がダイのリップに付着する、いわゆる目ヤニや、樹脂組成物中の充填材が樹脂と接触している金属面に移行するプレートアウトが発生し、成形体表面の肌荒れや充填材傷(filler speck)が発生したり、衝撃強度が低下したりすることがある。特に、充填材の添加量が、熱可塑性樹脂100質量部に対して10質量部以上となると、これらの不具合が顕著となる。
このような問題を解決するために、ポリ塩化ビニル樹脂組成物については特公平6−62826号公報、特公平2−50137号公報等、ABS樹脂組成物については特開平9−208798号公報等、スチレン系樹脂組成物については特開平10−87928号公報等で、熱可塑性樹脂に配合する加工助剤について広く検討されており、樹脂のカレンダーロール離型性や滞留劣化はある程度改善されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に熱可塑性樹脂および/または再生熱可塑性樹脂の成形、特に、ゴム、再生木粉、古紙、難燃剤、顔料等の各種の充填材が含まれている熱可塑性樹脂組成物を押出成形、カレンダ成形、ブロー成形などで成形する場合の目ヤニやプレートアウトは、十分に抑制されていない。
このような目ヤニやプレートアウトが生じると、成形体の外観が悪化したり、その後の成形が不能になったりするおそれがあるので、一定時間毎に、成形作業を中断し、ダイリップの清掃をしなければならず、生産性を大きく低下させてしまう。目ヤニやプレートアウトに対しては、アクリル系外部滑剤、金属セッケンやワックス等の滑剤を熱可塑性樹脂に予め添加して抑制する方法もあるが、これらの添加効果は必ずしも十分ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体と、アクリル系高分子量重合体とを、熱可塑性樹脂に添加すると、充填材が配合されていても成形時に目ヤニやプレートアウトが発生しないことを見出した。そして、このような熱可塑性樹脂を使用すると、成形体表面の肌荒れ、充填材傷(filler speck)が生じず、衝撃強度が低下しない、外観に優れた成形体が得られることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系高分子量重合体(B)0.1〜400質量部と、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)と、充填材(D)20〜1900質量部とを配合する熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法であり、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)を、このポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中のポリテトラフルオロエチレン成分が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜200質量部となるように配合することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、熱可塑性樹脂(A)として種々の熱可塑性樹脂を使用できる。
例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂(SAN)等のスチレン系樹脂、ゴム強化したスチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂(ABS、ASA、SAS)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)およびその変性品、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)などポリアミド樹脂(PA)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、変性でんぷん、ポリヒドロキシ酪酸などの生分解性樹脂、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50質量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50質量%以下の例えば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸エステル、芳香族アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト重合体などが挙げられる。
なかでも、PP、HDPE,LDPE、LLDPE、PVC、PS、HIPS、AS、ABS、ASA、SAS、メタクリル樹脂、PC、PBT、PET、PBN、PEN、PCT、エチレン−プロピレンランダムまたはブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種が、汎用性が高く、安価であるという点で好ましい。さらにこれらの中では、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0007】
さらに、熱可塑性樹脂(A)には、再生樹脂材を単独または非再生樹脂材と併用して使用でき、再生樹脂材には、例えばバンパー、ドアトリム、インパネ内装材、外板などの自動車樹脂部品、PETボトルリサイクル品、テレビ、パソコン、プリンタなど家電製品の筐体などの樹脂部品が使用でき、特にリサイクル性の観点でポリオレフィン製の自動車バンパーなどが好ましい。
【0008】
また、熱可塑性樹脂(A)には、従来、充填材と熱可塑性樹脂の相溶性の改良に添加されているアルキル(メタ)アクリレートや、無水マレイン酸、アクリル酸、グリシジルメタクリレート等の有機酸などで変性された変性ポリオレフィン樹脂(E)を併用することができる。
アルキル(メタ)アクリレート系変性ポリオレフィン樹脂としてはエチレン−メチルメタクリレート、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−メチルアクリレート、エチレン−ブチルメタクリレート、エチレン−ヘキシルアクリレート、エチレン−ラウリルメタクリレート、エチレン−ステアリルアクリレートなどのエチレンと各種アクリル酸エステルまたは各種メタクリル酸エステルよりなるものであり、好ましくは99〜60質量%のエチレンと1〜40質量%のメチルメタクリレートとからなる共重合体であり、これらの1種もしくは2種以上のブレンド物が挙げられる。
有機酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、アクリル酸、メタクリル酸、テトラヒドロフタル酸、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどの変性用化合物で変性されたポリオレフィンがあげられ、変性前のポリオレフィンに対する導入された変性用化合物の量(変性量)は0.1〜60質量%である。
これら変性ポリオレフィン樹脂は単独または複数使用することができ、熱可塑性樹脂(A)中に0.1〜100質量%、好ましくは0.2〜30質量%含まれる。
【0009】
本発明に用いるアクリル系高分子量重合体(B)は、熱可塑性樹脂組成物の滑性を高めるために熱可塑性樹脂組成物に配合されるものであり、アクリル系単量体(b−1)を重合して得られる。このアクリル系単量体(b−1)には、アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルおよび/またはアクリル酸アルキルが含まれることが好ましい。
このようなメタクリル酸アルキルまたはアクリル酸アルキルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。一方、アルキル基の炭素数が19以上のメタクリル酸アルキルおよび/またはアクリル酸アルキルは、共重合反応し難くなる傾向がある。
また、アクリル系単量体(b−1)には、アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルおよび/またはアクリル酸アルキルと共重合可能なビニル系単量体が含まれていてもよい。このようなビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0010】
アクリル系単量体(b−1)中の、メタクリル酸アルキルおよび/またはアクリル酸アルキルと、これらと共重合可能なビニル系単量体との好ましい混合割合は、メタクリル酸アルキルが40〜95質量%、アクリル酸アルキルが5〜60質量%、ビニル系単量体が0〜30質量%である。アクリル系単量体(b−1)をこのような混合割合にすると、熱可塑性樹脂組成物の滑性がより高まり、成形時の目ヤニやプレートアウトの発生を効果的に抑制できる。
【0011】
アクリル系高分子量重合体(B)は、その還元粘度(η sp/C)が15以下であるものが好ましく、3以下であるものがより好ましい。還元粘度(η sp/C)が15を超えると、成形体の外観が悪化する傾向にある。なお、ここで還元粘度(η sp/C)とは、100mlのクロロホルム中に0.1gの重合体を溶解した溶液について、25℃で測定した値を意味する。
【0012】
アクリル系高分子量重合体(B)の製造方法としては、乳化重合法が最適であり、1段または多段で重合することができるが、滑性および分散性を両立させるためには2段または3段で重合することが好ましい。
乳化重合法で得られたアクリル系高分子量重合体(B)ラテックスを、酸または塩を用いた急速凝固法などで処理することによって、アクリル系高分子量重合体(B)を粉体として得ることができる。
得られたアクリル系高分子量重合体(B)は、粉体の状態でも熱可塑性樹脂組成物への使用に十分効果を発揮する。しかし、マトリクス樹脂である熱可塑性樹脂(A)は、ビーズ状粒子、またはペレット状の場合が多いので、マトリクス樹脂との混合時における分級を抑制するために、アクリル系高分子量重合体(B)を顆粒状粉体としておくことが好ましい。さらには、ペレット状粒子としておくことがより好ましい。
【0013】
顆粒状粉体にする手段としては、酸または塩による凝固中に溶剤を添加し、酸析して顆粒状にする溶剤法、酸または塩を用いて緩速条件で凝固させて酸析して顆粒状にする緩速凝固法、高温の気流中にラテックスを噴霧し、乾燥させて顆粒状粉体とするスプレードライ法等が挙げられる。
ペレット状粒子にする手段としては、押出機を用いる押出造粒法、ロールシートをカットしてキューブ状のペレットを得るロールペレット法、ペレット状の凹みの付いたブリケッティングロールによりペレット化する手段等が挙げられる。この場合、後の成形時の分散性を向上させるために、できるだけ緩く圧縮してペレット状にすることが好ましい。また、ペレット化は、転着剤を用いた造粒法で行ってもよい。転着剤には、一般的に使用されている流動パラフィン、DOP(ジオクチルフタレート)等を使用できる。転着剤の使用量は50質量%以下とすることが好ましい。
また、ペレット状粒子については、成形時の樹脂組成物中における分散性をさらに良好にするために、あらかじめ熱可塑性樹脂で希釈してペレット状に形成したものを使用してもよい。その場合、ペレット中、熱可塑性樹脂は70質量%以下としておくことが好ましく、より好ましくは30〜60質量%である。70質量%を超えると、ペレット中のアクリル系高分子量重合体(B)量が少なく、アクリル系高分子量重合体(B)あたりの生産性が低下するので好ましくない。なお、この希釈に使用する熱可塑性樹脂の種類は、成形時に樹脂組成物中に分散するものであればマトリクスの樹脂と同じ種類のものを使わなくてもよく、非極性成分からなる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0014】
アクリル系高分子量重合体(B)の配合割合は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜400質量部である。アクリル系高分子量重合体(B)が0.1質量部未満では、熱可塑性樹脂組成物の滑性が十分に向上せず、400質量部を超えると、成形体の表面にブツが生じ、外観が悪化する。より好ましくは、アクリル系高分子量重合体(B)の配合割合は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.5〜360質量部である。なお、アクリル系高分子量重合体(B)をあらかじめ熱可塑性樹脂で希釈し、ペレット状などに成形して使用する場合には、希釈に使用した熱可塑性樹脂の量を熱可塑性樹脂(A)の一部として計算する。
【0015】
本発明で用いられるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子、好ましくは粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、有機系重合体とからなるもので、本発明においては、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中でポリテトラフルオロエチレンが10μmを超えた凝集体となっていない。
一般に使用されるポリテトラフルオロエチレンファインパウダーは、粒子分散液の状態から粉体として回収する工程で、通常100μm以上の凝集体となってしまうために、熱可塑性樹脂に均一に分散させることが困難である。一方、本発明で使用するポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、有機系重合体との混合粉体であり、ポリテトラフルオロエチレンが単独で粒子径10μmを超えるドメインを形成していないため、熱可塑性樹脂、特にスチレン系樹脂に対する分散性がきわめて優れている。そのため、本発明の熱可塑性樹脂組成物、特にスチレン樹脂組成物では、ポリテトラフルオロエチレンが樹脂中で効率よく繊維化しており、種々の成形性が優れる上に、表面性にも優れるものとなる。
本発明で使用されるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中に占めるポリテトラフルオロエチレンの含有割合は、0.1〜90質量%であるものが好ましい。より好ましくは20〜60質量%である。
【0016】
このようなポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化する方法、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で有機系重合体を構成する単量体(c−1)を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化する方法、あるいは粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体(c−2)を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化する方法で得ることができる。
なお、凝固により粉体化する方法においては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に、ラテックスを投入する。
【0017】
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)の製造に用いられる、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いた乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマーを重合させることにより得られる。
なお、乳化重合の際には、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。これら共重合成分の使用量は、テトラフルオロエチレンに対して10質量%以下であることが好ましい。
ポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液の市販原料としては、旭ICIフロロポリマー社製のフルオンAD−1、AD−936、ダイキン工業社製のポリフロンD−1、D−2、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン(登録商標)30J等を代表例として挙げることができる。
【0018】
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)を構成する有機系重合体としては特に制限されるものではないが、熱可塑性樹脂に配合する際の分散性の観点から各々の樹脂との親和性が高いものであることが好ましい。
有機系重合体を生成するための単量体(c−1)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。
【0019】
これらは、単独であるいは2種以上混合して用いることができるが、例えば、マトリクス樹脂である熱可塑性樹脂(A)として、スチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などを使用する場合には、親和性の観点から、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体を単量体(c−1)に使用することが好ましい。さらに、特に好ましいものとして、スチレン、ブチルアクリレート、アクリロニトリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体を10質量%以上含有する単量体(c−1)を挙げることができる。
【0020】
また、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)の製造に使用されるエチレン性不飽和結合を有する単量体(c−2)としては、芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体などが挙げられる。
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン成分が0.1〜200質量部になるように配合される。ポリテトラフルオロエチレン成分が0.1質量部未満では、熱可塑性樹脂組成物を成形する際に目ヤニやプレートアウトが発生し、外観不良となりやすい。また、成形体表面の肌荒れが発生し、衝撃強度が低下してしまう。また、ポリテトラフルオロエチレン成分が200質量部を超えると、熱可塑性樹脂組成物の溶融時におけるゴム弾性が高くなりすぎて表面外観が悪化する場合がある。
【0021】
本発明で使用される充填材(D)において、物性の向上効果、増量効果を目的とするものには、金属粉、酸化物、水酸化物、珪酸または珪酸塩、炭酸塩、炭化珪素、植物性繊維、動物性繊維、合成繊維などが挙げられ、これらの具体的な代表例としては、アルミニウム粉、銅粉、鉄粉、アルミナ、天然木材、紙、炭酸カルシウム、タルク、硝子繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、クレー、ゼオライト、アセテート粉、絹粉、アラミド繊維、アゾジカルボンアミド、グラファイト、および再生充填材材料などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
充填材(D)に使用される再生充填材材料としては籾殻、フスマ、米糠、とうもろこし屑、芋ガラ、脱脂大豆、胡桃殻、ココナッツヤシ殻、スソコ、バガス、などの農産廃棄物、焼酎などの蒸留酒の蒸留粕、ビール麦芽粕、ワインブドウ粕、酒粕、醤油粕などの醸造粕、茶滓、コーヒー滓、柑橘絞り滓などの飲料工場からの各種滓、オカラ,クロレラなどの食品加工廃棄物、牡蛎殻などの貝殻、海老や蟹の甲羅などの水産廃棄物、おが屑、廃ほだ木、樹皮、伐採竹、木造家屋の解体などで発生する廃木材などの木質系廃棄物、古紙や製紙業から発生する廃パルプ、紙片などの廃棄物が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0022】
また、充填材(D)に使用される難燃剤としては、酸化アンチモン、燐酸チタン、臭化ビニル、塩素化パラフィン、デカブロモジフェニール、デカブロモフェノールオキサイド、TBAエポキシオリゴマー、TBAポリカーボネートオリゴマー、TPP、リン酸エステル、ヘキサブロモベンゼン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられ、これらも単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、充填材(D)に使用される顔料としては、チタンホワイト、チタンイエロー、ベンガラ、コバルトブルー、カーボンブラックなどが挙げられ、これらも単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
また、本発明においては充填材(D)に発泡剤を使用することができ、その代表例としては、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤などが挙げられる。無機発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素など、揮発性発泡剤としてはプロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。分解型発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリリル、重炭酸ナトリウムなどを用いることができる。これらの発泡剤は適宜混合して用いることができる。
また、発泡剤を使用する場合には、熱可塑性樹脂組成物の溶融混練物中に、更に気泡調整剤を添加しても良い。気泡調整剤としてはタルク、シリカなどの無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウムあるいは重炭酸ナトリウムとの反応混合物、クエン酸などがあげられる。
【0024】
これらの充填材(D)は、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して20〜1900質量部の範囲で配合される。充填材(D)が20質量部未満では、成形性の改良効果が低下する傾向にあり、1900質量部を超えると、外観が悪化する傾向にある。
【0025】
なお、熱可塑性樹脂組成物には必要に応じて種々の添加剤を添加できる。
例えば、安定剤としてはペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}などのフェノール系安定剤、トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどの燐系安定剤、ジラウロイルジプロピオネートなどの硫黄系安定剤などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、その他にも本発明の目的を損なわない範囲で、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤、トリス(ミックスド、モノおよびジニルフェニル)ホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイトなどのフォスファイト系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートジアステリアルチオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6)−テトラメチル−4−ピペリジニル)などの光安定剤、ヒドロキシルアルキルアミン、スルホン酸塩などの帯電防止剤、エチレンビスステアリルアミド、金属石鹸などの滑剤などの各種添加剤を適宜配合して、さらに望ましい物性、特性に調節することができる。
【0026】
これら上記した必須成分および所望により加えた任意成分を所定量、すなわち、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系高分子量重合体(B)0.1〜400質量部と、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)をこのポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中のポリテトラフルオロエチレン成分が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜200質量部となるように配合し、また、充填材(D)20〜1900質量部を配合し、ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の通常の混練機で混練することにより、熱可塑性樹脂組成物を調製できる。この場合、特に、熱可塑性樹脂(A)の一部とアクリル系高分子量重合体(B)とポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)を含有するマスターぺレットをあらかじめ製造し、ついで、残りの熱可塑性樹脂と充填材(D)とをこのマスターペレットに混合することにより、各成分の分散性がより優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。得られた熱可塑性樹脂組成物は、適宜ペレット状にされる。
【0027】
熱可塑性樹脂組成物は、様々な成形方法に適用でき、射出成形、カレンダー成形、ブロー成形、押出成形、熱成形、発泡成形、溶融紡糸などを挙げることができる。また、成形体としても、射出成形品、シート、フィルム、中空成形体、パイプ、角棒、異形品、熱成形体、発泡体、繊維などを挙げることができるが、特に押出成形において、より目ヤニやプレートアウトを抑制でき、得られる押出成形体は、成形体表面の肌荒れ、充填材傷(filler speck)などがなく、衝撃強度も低下しない、成形体外観にも優れたものとなる。
押出成形は、一般的な押出製造設備を使用することができ、単軸押出機、パラレル二軸押出機、コニカル二軸押出機などを例示できる。また、押出機先端に設けられるダイは、一般に使用されているものをなんら制限なく用いることができる。
このように、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系高分子量重合体(B)0.1〜400質量部と、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)をこのポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中のポリテトラフルオロエチレン成分が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜200質量部となるように配合し、また、充填材(D)20〜1900質量部を配合した熱可塑性樹脂組成物を成形することにより、充填材(D)が配合されていても成形時に目ヤニやプレートアウトが発生せず、成形体表面の肌荒れ、充填材傷(filler speck)が生じず、かつ、衝撃強度が低下しない、成形体外観に優れた成形体が得られ、成形性を改良することができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、例中の「部」は質量部を示す。
[参考例1:アクリル系高分子量重合体(B−1)]
攪拌機および還流冷却器付き反応器に、イオン交換水280部、アルケニルコハク酸カリウム1.5部、過硫酸アンモニウム2部、メチルメタクリレート25部、n−オクチルメルカプタン0.05部を仕込み、容器内を窒素で置換した後、攪拌下、65℃に昇温し、2時間加熱攪拌した。
続いて、n−ブチルメタクリレート25部、n−ブチルアクリレート25部、n−オクチルメルカプタンが0.5部の混合物を1時間かけて滴下し、添加終了後、さらに2時間攪拌した。
その後、この反応系に、メチルメタクリレート25部、n−オクチルメルカプタン0.03部の混合物を30分かけて添加し、さらに2時間攪拌し、重合を終了し、共重合体粒子分散液(以下、P−3と称する)を得た。このアクリル系高分子量重合体の還元粘度(η sp/C)は0.8であった。
【0029】
ついで、攪拌機の付いた反応器に、イオン交換水600部、硫酸3部仕込み、50℃に加温し、攪拌しながら5分かけて上記調製したP−3を投入した。投入後、95℃に昇温し、5分間保持した後、濾過、洗浄、乾燥し、アクリル系高分子量重合体(B−1)を得た。
【0030】
[参考例2:アクリル系高分子量重合体(B−2)]
攪拌機および還流冷却器付き反応器に、イオン交換水280部、アルケニルコハク酸カリウムを1.5部、過硫酸アンモニウム2部、メチルメタクリレート92部、n−ブチルアクリレートが8部、n−オクチルメルカプタンを0.03部を仕込み、容器内を窒素で置換した後、攪拌下、65℃に昇温し、4時間加熱攪拌し、重合を終了し、共重合体粒子分散液(以下、P−4と称する)を得た。このアクリル系高分子量重合体の還元粘度(η sp/C)は8.0であった。
【0031】
ついで、攪拌機の付いた反応器に、イオン交換水600部、硫酸3部仕込み、50℃に加温し、攪拌しながら5分かけて上記調製したP−4を投入した。投入後、95℃に昇温し、5分間保持した後、濾過、洗浄、乾燥し、アクリル系高分子量重合体(B−2)を得た。
【0032】
[参考例3:ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−1)]
撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに、蒸留水190部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、スチレン100部、クメンヒドロパーオキシド0.5部を仕込み、窒素気流下に40℃に昇温した。次いで、硫酸鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット塩0.24部、蒸留水10部の混合液を加えラジカル重合させた。発熱が終了した後、系内の温度を40℃で1時間保持して重合を完了させ、スチレン重合体粒子分散液(以下、P−1と称する)を得た。
スチレン重合体粒子分散液(P−1)の固形分濃度は33.3質量%で、粒子径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は96nmであった。
一方、ポリテトラフルオロエチレン系粒子分散液として旭ICIフロロポリマー社製「フルオンAD936」を用いた。「フルオンAD936」の固形分濃度は63.0質量%であり、ポリテトラフルオロエチレン100部に対して5部のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを含むものである。「フルオンAD936」の粒子径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は290nmであった。
833部の「フルオンAD936」に蒸留水1167部を添加し、固形分濃度が26.2質量%のポリテトラフルオロエチレン粒子分散液(F−1)を得た。
ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液(F−1)は25質量%のポリテトラフルオロエチレン粒子と1.2質量%のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを含むものである。
160部のF−1(ポリテトラフルオロエチレン40部)と181.8部のP−1(ポリスチレン60部)とを撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下に室温で1時間撹拌した。その後、系内を80℃に昇温し、1時間保持した。一連の操作を通じて固形物の分離は見られず、均一な粒子分散液を得た。粒子分散液の固形分濃度は29.3質量%、粒子径分布は比較的ブロードで重量平均粒子径は168nmであった。
この粒子分散液341.8部を塩化カルシウム5部を含む85℃の熱水700部に投入し、固形分を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−1)98部を得た。
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−1)を250℃でプレス成形機により短冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたものを無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。ポリテトラフルオロエチレンは暗部として観察されるが、10μmを超える凝集体は観測されなかった。
【0033】
[参考例4:ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−2)]
ドデシルメタクリレート75部とメチルメタクリレート25部の混合液にアゾビスジメチルバレロニトリル0.1部を溶解させた。これにドシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.0部と蒸留水300部の混合液を添加し、ホモミキサーにて10000rpmで4分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cm2 の圧力で2回通し、安定なドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート予備分散液を得た。これを撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下で内温を80℃にて3時間撹拌してラジカル重合させ、ドデシルメタクリレート/メチルメタタクリレート共重合体粒子分散液(以下、P−2と称する)を得た。
P−2の固形分濃度は25.1質量%で、粒子径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は198nmであった。
上記参考例1で用いたF−1を160部(ポリテトラフルオロエチレン40部)と159.4部のP−2(ドデシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体40部)とを撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口、滴下ロートを備えたセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下に室温で1時間撹拌した。その後、系内を80℃に昇温し、硫酸鉄0.005部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット塩0.24部、蒸留水10部の混合液を加えた後、メチルメタクリレート20部とターシャリーブチルパーオキシド0.1部の混合液を30分かけて滴下し、滴下終了後、内温を80℃で1時間保持してラジカル重合を完了させた。一連の操作を通じて固形分の分離は見られず、均一な粒子分散液を得た。粒子分散液の固形分濃度は28.5質量%で、粒子径分布は比較的ブロードで重量平均粒子径は248nmであった。
この粒子分散液349.7部を塩化カルシウム5部を含む75℃の熱水600部に投入し、固形分を分離させ、濾過、乾燥してポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−2)97部を得た。
乾燥したポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−2)を220℃でプレス成形機により短冊状に賦形した後、ミクロトームで超薄切片としたものを無染色のまま透過型電子顕微鏡で観察した。ポリテトラフルオロエチレンは暗部として観測されるが、10μmを超える凝集体は観察されなかった。
【0034】
[参考例5:ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体のマスターバッチ(M−1)]
直鎖状ホモポリプロピレンペレット(日本ポリケム社製「EA7」、MFR:1.2g/10分)75部に対して上記参考例4で得たポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−2)を25部配合してハンドブレンドした後、二軸押出機(Werner&Pfleiderer社製「ZSK30」)を用いて、バレル温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ペレット状に賦形し、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体のマスターバッチ(以下、M−1と称する)を得た。
【0035】
なお、上記各参考例において固形分濃度等の測定は下記の方法によった。
(1)固形分濃度:粒子分散液を170℃で30分間乾燥して求めた。
(2)粒子径分布、重量平均粒子径:粒子分散液を水で希釈したものを試料液として、動的光散乱法(大塚電子(株)製「ELS800」、温度25℃、散乱角90度)により測定した。
(3)還元粘度(η sp/C):100mlのクロロホルム中に0.1gの重合体を溶解した溶液について、25℃で測定し求めた。
【0036】
[実施例1〜26、比較例1〜21]
下記のポリプロピレンに、上記参考例で得たアクリル系高分子量重合体(B−1〜2)、およびポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−1〜2)またはマスターペレット(M−1)と充填材を表1〜2に示す割合(部)で配合し、下記成形機、条件にて押出成形を行い、熱可塑性樹脂組成物の成形体を製造した。
その成形体について、目ヤニの発生、成形体中の外観、プレートアウトの発生に関し下記のようにして評価を実施して結果を表1〜4に示した。
なお、表1〜4中、CD−123は、有機重合体で処理されていない市販の粉末状ポリテトラフルオロエチレン(旭ICIフロロポリマーズ社製「フルオンCD123」分子量:1200万)を示す。
【0037】
ポリプロピレン:日本ポリケム社製「ノバテックPP」
「BC06C」:MFR;60g/10分
「BC03C」:MFR;30g/10分
「FY−6C」:MFR;2.4g/10分
押出成形機:IKG社製
スクリュー径:φ50mm単軸押出機、回転数50rpm
ダイス形状:幅80mm、厚み3mm
【0038】
〔目ヤニの発生〕
目ヤニが発生するまでの時間を測定した。
〔成形体の外観〕
シートの外観を肉眼で下記の基準で判定した。
○:良好
×:肌荒れ、または、ささくれ有
〔プレートアウト〕
2ロールミルを用い、成形中のロール表面を目視にて観察した。
○:プレートアウト無
△:ロール表面が多少汚れた
×:ロール表面が非常に汚れた
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
[実施例27〜52、比較例22〜42]
下記のポリエチレンに、上記参考例で得たアクリル系高分子量重合体(B−1〜2)、およびテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−1〜2)またはマスターペレット(M−1)と充填材を表3〜4に示す割合で配合し、上記実施例1と同様に、前記の成形機、条件を用いて熱可塑性樹脂成形体を製造した。
その成形体について、目ヤニの発生、成形体中の外観、プレートアウトの発生に関し評価を実施して結果を表5〜8に示した。
なお、表5〜8中、CD−123は、有機重合体で処理されていない市販の粉末状ポリテトラフルオロエチレン(旭ICIフロロポリマーズ社製「フルオンCD123」分子量:1200万)を示す。
【0044】
ポリエチレン:日本ポリケム社製「ノバテック」
「HD HY540」(HDPE):MFR;1.0g/10分
「LD LJ801N」(LDPE):MFR;30g/10分
「UE 320」(LLDPE):MFR;0.7g/10分
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
[実施例53〜75、比較例43〜60]
下記の熱可塑性樹脂に、上記参考例で得たアクリル系高分子量重合体(B−1〜2)、およびテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−1〜2)またはマスターペレット(M−1)と充填材を表9〜12に示す割合で配合し、上記実施例1と同様に、前記の成形機、条件を用いて熱可塑性樹脂成形体を製造した。
その成形体について、目ヤニの発生、成形体中の外観、プレートアウトの発生に関し評価を実施して結果を表9〜12に示した。
なお、表9〜12中、CD−123は、有機重合体で処理されていない市販の粉末状ポリテトラフルオロエチレン(旭ICIフロロポリマーズ社製「フルオンCD123」分子量:1200万)を示す。
【0050】
熱可塑性樹脂:
メタロセンポリエチレン:日本ポリケム社製「カーネル」
「KS 240」(PE):MFR;2.2g/10分
ポリ塩化ビニル:信越ポリマー社製「シンエツ塩ビコンパウンド」
「EX 282E」(PVC)
ポリスチレン:A&Mスチレン社製
「SC001」(PS):MFR;3.7g/10分
耐衝撃性ポリスチレン:日本ポリスチレン社製
「H450K」(HIPS)
ポリ−1−ブテン:三井石油化学社製「ビューロン」
「P5040B」:MFR;0.4g/10分
アクリロニトリルとスチレンの共重合体:旭化成工業社製「スタイラック」
「AS783」(AS):MFR;9.0g/10分
ゴム強化したアクリロニトリルとスチレンの共重合体(ABS,ASA,SAS):三菱レイヨン社製「ダイヤペットABS」
「SW−3」(ABS):MFR;0.4g/10分
メタクリル樹脂:三菱レイヨン社製「アクリペット」
「VH」(MMA): MFR;0.4g/10分
ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチック社製「ノバレックス」
「7030A」(PC):MFR;3.5g/10分
ポリエチレンテレフタレート:三菱レイヨン社製「ダイヤナイト」
「PA−200」(PET)
ポリブチレンテレフタレート:三菱レイヨン社製「タフペット」
「N−1000」(PBT)
ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン:三井石油化学社製
「MX001」(PMP):MFR;26g/10分
エチレン酢ビ共重合体:日本ポリケム「ノバテックEVA」
「LV260」:MFR;8.5g/10分
2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル
還元粘度(ηsp/c)=0.59dl/g
(PPE)
ポリカプロアミド:東レ株式会社製
「CM1017」(PA6)
ポリヘキサメチレンアジパミド:東レ株式会社製
「CM3001N」(PA66)
ポリ乳酸系樹脂:株式会社島津製作所製
「ラクティ9400」(生分解性樹脂)
リサイクルPP:ポリプロピレンを主成分とした自動車バンパーを粉砕、ペレット状にした物を用いた。
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
[実施例76〜81、比較例61〜66]
ポリプロピレン「日本ポリケム社製ノバテックPPFY−6C」に、下記変性オレフィン樹脂、上記参考例で得たアクリル系高分子量重合体(B−1)、およびポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C−2)と充填材(D)を表13に示す割合(部)で配合し、上記実施例1と同様の成形機、条件にて押出成形を行い、熱可塑性樹脂組成物の成形体を製造した。
その成形体について、目ヤニの発生、成形体中の
無水マレイン酸変性PP: 「三洋化成製ユーメックス1010」
アクリレート変性ポリエチレン: 「住友化学社製アクリフトWD201」
【0056】
【表13】
【0057】
外観、プレートアウトの発生に関し上記実施例1と同様にして評価した。その結果を表13に示した。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン系樹脂などの種々の熱可塑性樹脂に、充填材を添加した場合でも、成形時に生じる目ヤニやプレートアウトを防止できる。よって、連続成形性が向上し生産性に優れるとともに、外観の良好な成形体を製造することができる。
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系高分子量重合体(B)0.1〜400質量部と、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)と、充填材(D)20〜1900質量部とを配合する熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法であり、
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)を、このポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中のポリテトラフルオロエチレン成分が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜200質量部となるように配合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。 - 請求項1記載の熱可塑性樹脂(A)が、変性ポリオレフィン樹脂(E)を0.1〜100質量%含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。
- アクリル系高分子量重合体(B)は、アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルおよび/またはアクリル酸アルキルを含むアクリル系単量体(b−1)から構成され、かつ、100mlのクロロホルム中に0.1gを溶解した溶液の25℃における還元粘度(η sp/C)が15以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。
- ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、粒子径が10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、有機系重合体とからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。
- ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。
- ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液の存在下で有機系重合体を構成する単量体(c−1)を重合し、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。
- ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体(c−2)を乳化重合し、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の成形性改良方法。
- 熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、アクリル系高分子量重合体(B)0.1〜400質量部と、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)と、充填材(D)20〜1900質量部が配合され、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、このポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)中のポリテトラフルオロエチレン成分が、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜200質量部となるように配合されている熱可塑性樹脂組成物の製造方法であり、
一部の熱可塑性樹脂(A)とアクリル系高分子量重合体(B)とポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)を含有するマスターぺレットを製造し、ついで、残りの熱可塑性樹脂(A)と充填材(D)とをこのマスターペレットに混合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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