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JP3829917B2 - Acetylene production apparatus and production method thereof - Google Patents

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JP3829917B2
JP3829917B2 JP2001158438A JP2001158438A JP3829917B2 JP 3829917 B2 JP3829917 B2 JP 3829917B2 JP 2001158438 A JP2001158438 A JP 2001158438A JP 2001158438 A JP2001158438 A JP 2001158438A JP 3829917 B2 JP3829917 B2 JP 3829917B2
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acetylene
water
generator
tower
dioxins
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伸一 黒谷
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水とカルシウムカーバイドを原料にして湿式精製法によってアセチレンを製造するに際し、その精製装置から排出される有害物質を含む排水を装置外に排出させず、効率的かつ安全にアセチレンを製造することができるアセチレンの製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
アセチレンは、溶解アセチレンとして圧縮酸素と併用することにより金属の溶接、切断、スカーフィング等の金属加工に用いられるほか、酢酸合成、合成樹脂、合成繊維、合成ゴムの原料及びレッペ反応による広範囲な有機化合物の合成や、合成アセチレンブラック、ガス増熱用燃料、金属アセチリドの原料等の用途に使用される基礎有機化学品製品の一つである。
【0003】
アセチレンの製造方法としては、水とカルシウムカーバイドを反応させて、消石灰とアセチレンを得るカーバイド法のほか、天然ガスを含む石油系炭化水素を原料とする蓄熱式熱分解法、部分燃焼法、完全燃焼法、電弧法等が既に知られている(13700の化学商品、化学工業日報社(2001))。
【0004】
このうち、カーバイド法は、原料となる水とカルシウムカーバイドが比較的安価に得られること、反応機構が単純で製造装置が安価に建設できること、及び製造条件が他の方法に比較して緩やかで高い温度を用いなくても済むこと等の利点があり、古典的な方法ながらアセチレンの製造方法として広く一般的に行われている。
【0005】
ここで、カーバイド法によるアセチレン発生器には、以下のような方式がある。
(1) 投入式発生器
水を入れたタンクの中にカルシウムカーバイドの塊を投入し、アセチレンを発生させる形式で、副生する消石灰と化学量論的に過剰分の水の混合物が発生し、泥乳状を呈する。
(2) 乾式発生器
投入式発生器より水の投入量を少なくして、粉末状の消石灰が排出されるように注水を加減する形式である。
(3) 浸漬式発生器
カルシウムカーバイドを入れた籠を水に浸す構造をもつものである。
(4) 注水式発生器
ガスを発生させるときに必要な水をカルシウムカーバイドに注ぐ構造をもつものである。
【0006】
以上のように、カーバイド法は、全て以下の反応式によって水(H2O)とカルシウムカーバイド(CaC2)を原料にアセチレン(C22)と消石灰(Ca(OH)2)を得る方法であって、カルシウムカーバイドの全量を効率よく消費しつくすためには、一方の原料である水を化学量論的に過剰に加えることが望ましいことは言うまでもない。
CaC2+2H2O→C22+Ca(OH)2
【0007】
故に、消石灰と水の混合物は、いかなる形式によっても発生し、副成物として処理されるか、有価原料として売却される等の処分が必要となる。
【0008】
ここで、カーバイド法で発生させた粗アセチレンは、原料の一つであるカルシウムカーバイドに含まれる不純物に由来する燐化水素や硫化水素等の物質を含み、これらの物質はアセチレンガスの主用途である金属加工や有機合成の際に不都合を及ぼすため、これらを除去するための精製装置の併設が必要となる。
【0009】
この精製装置には、当該粗アセチレンガスを塩素水と接触させて燐化水素及び硫化水素を取り除く清浄塔と、清浄塔の次に配され、清浄塔を経たガスと水酸化ナトリウム水溶液を接触させて塩素を取り除く洗浄塔を組み合わせる湿式精製法のほか、濃硫酸、塩化第二鉄、塩化銅、塩化水銀等を配合して珪藻土に含浸させたものと接触させる方法や、銅を含む触媒と接触させる方法が知られている(溶解アセチレンの消費に関する基準、高圧ガス保安協会(1971))。
【0010】
湿式精製法は、装置構造が単純で安価に制作可能な上、動作の確実性もあり、従来から多用されてきた方法であるが、清浄塔、洗浄塔及びそれらの付帯機器としてのポンプ、タンク等からの排水が発生することが欠点となり、近年は上記の湿式精製法以外の方法に置き換わりつつある。また、清浄塔から排出される排水(以下、「清浄塔排水」という)には、粗アセチレンガス中の有機物と塩素が反応して副成する有機塩素化合物も混入することがあり、特にポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン(Polychlorinated Dibenzo−p−Dioxins)、ポリクロロジベンゾフラン(Polychlorinated Dibenzofurans)、コプラナーポリクロロビフェニル(Coplanar−Polichlorinated Biphenyl)(以下、総称して「ダイオキシン類」という)が混入することが懸念されている。
【0011】
ダイオキシン類は、その有害性から、排水系に流出した場合、環境影響が甚大であり、かつ、排出にあたっては各種の規制が定められていることから(ダイオキシン類対策特別措置法、平成11年7月16日、法律第105号ほか)、このダイオキシン類の副成は、湿式精製法の欠点として挙げられるものである。
【0012】
この対策として、ダイオキシン類等の有害な有機塩素化合物を含む排水を処理し、無害化した後に排出することが求められるが、従来知られている処理方法では、焼却、熱分解、脱塩素化、活性炭吸着等の大規模な装置を必要とし、これらの複雑かつ高価な装置を付加することにより、カーバイド法と湿式精製法を組み合わせた簡便で安価であるアセチレン製造方法の利点を活かされなくなるため、ダイオキシン類の処理装置及び運転を簡便かつ安価にする方法が求められていた。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、清浄塔排水に含まれるダイオキシン類を効率よくかつ安価に無害化することが可能であるアセチレンの製造装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明は上記目的を達成するため鋭意検討した結果、清浄塔排水を発生器に供給される水の一部又は全部として使用することにより、清浄塔排水に含まれるダイオキシン類を効率よくかつ安価に無害化させることができることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0015】
従って、本発明は、下記のアセチレン製造装置とその製造方法を提供する。
(I)(i)原料として水とカルシウムカーバイドを投入し、アセチレンを発生させ、残査として消石灰と水の混合物を排出する形式のアセチレン発生器、
(ii)この発生器の後段に、発生器で発生したガスを次亜塩素酸化合物水溶液と接触させて不純物を取り除く清浄塔
を含むアセチレン製造装置において、上記清浄塔に接続されて清浄塔から排出される排水が流れる排水管を上記発生器に連結して、清浄塔から排出される排水を発生器に供給される水の一部又は全部として利用することを特徴とするアセチレン製造装置、
(II)更に、清浄塔において処理したアセチレンガスをアルカリ水溶液と接触させる洗浄塔を有する(I)記載のアセチレン製造装置、
(III)清浄塔から排出される排水中に含まれる物質が、ダイオキシン類、燐化合物、硫化物から選ばれる一種又はそれ以上の物質であることを特徴とする(I)又は(II)記載のアセチレン製造装置、
(IV)清浄塔において使用する次亜塩素酸化合物が、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カルシウムから選ばれる一種又はそれ以上の物質であることを特徴とする(I)乃至(III)のいずれか1記載のアセチレン製造装置。
(V)(i)アセチレン発生器において水とカルシウムカーバイドを反応させる工程、
(ii)発生したガスを次亜塩素酸化合物の水溶液に接触させる精製工程
を含むアセチレンの製造方法において、上記精製工程から排出される排水を発生器で使用される水の全部又は一部として利用することを特徴とするアセチレンの製造方法。
(VI)(ii)の精製工程の後に、更にアルカリ水溶液に接触させる精製工程を含む(V)記載のアセチレンの製造方法。
【0016】
本発明のアセチレン製造装置は、上述のようにその清浄塔から排出される排水が発生器に導かれ、原料の一つである水として再利用され、上記ダイオキシン類を含む排水が外部に排出されない構造をなしている。
【0017】
ここで、発生器からは、反応副成物たる消石灰と化学量論的に過剰に投入される水の残分が、混合した残査(以下、「消石灰スラリ」と称する)として排出される。本発明者は、本発明の構造をもつアセチレン発生器及び精製装置の操業に際し、各部の詳細かつ精密な物質収支を取得した結果、装置内でダイオキシン類が副成するとともに排水に混入することを確認し、それを発生器に導き、原料の一つである水として再利用することにより、この排水に含まれるダイオキシン類が発生器内で反応により無害化されるか消石灰スラリに吸着されて不溶出化されることにより、ダイオキシン類を含む排水が装置外部に排出されないことを発見したものである。
【0018】
すなわち、従来の湿式精製法においては、清浄塔排水は、公共用水域に排出されるに際し、残留する次亜塩素酸化合物や燐酸塩化合物等に対する処理として中和、沈降、濾過等を行うことが一般的であったが、近年、ダイオキシン類に関する知見が明らかとなり、ダイオキシン類が有害かつ難分解性の物質であることが知られるようになると、有機化合物であるアセチレンと次亜塩素酸化合物を接触させる湿式精製法においてもダイオキシン類が生成する疑いが持たれるに至った。
【0019】
この疑問に対する調査研究の結果、湿式精製法の清浄塔内部におけるダイオキシン類の副成を確認し、従来技術ではこのダイオキシン類を含む排水を安全に公共用水域に排出することが困難であることが判明した。従って、商業生産の継続のためには、ダイオキシン類をも処理できる処理装置を新たに設置するか、又はこの排水そのものを公共用水域に排出せず産業廃棄物として専門業者に処理委託するかのいずれかの選択を迫られることとなる。
【0020】
このうち、ダイオキシン類を無害化処理できる方法としては、凝集沈殿、清澄ろ過、膜ろ過、活性汚泥法、生物膜法、促進酸化法、触媒酸化法、超臨界水酸化法等の方法が知られている(公害防止の技術と法規ダイオキシン類編,公害防止の技術と法規編集委員会,丸善,(2000))。しかし、何れの方法も、ダイオキシン類の有害性、難分解性はもとより、処理目的物たるダイオキシン濃度がpg/l単位の極低濃度でしかないこと等から、装置が複雑化し設置費用が高価にならざるを得ない。また、その運転には高度な操業技術を要することは言うまでもない。
【0021】
一方、この排水そのものを産業廃棄物として専門業者に委託処理する方法は、新規の設備投資を伴わずとも商業生産が継続できる利点はあるが、委託相手先が上記ダイオキシン類の処理装置のほか、焼却、熱分解等の方法によって処理を行うので、発生元であるアセチレン製造側は、適正な運賃や処理実費を合算した高額な処理費用を支払わねばならない欠点がある。
【0022】
以上のように、従来知られている技術ではアセチレン湿式精製法で排出される排水を、安全で、しかも簡易かつ安価に処理できる装置及び方法は見い出されていなかった。
【0023】
これに対して、本発明のアセチレン製造装置は、清浄塔排水を発生器に供給して水として再利用することにより、この排水をなくすことができるだけでなく、排水中に含まれるダイオキシン類を発生器内部の反応又は消石灰スラリへの吸着により不溶出化させることで、無害化することができるものである。
【0024】
本発明は、その実施にあたり、上述の凝集沈殿、清澄ろ過、膜ろ過、活性汚泥法、生物膜法、促進酸化法、触媒酸化法、超臨界水酸化法等の方法のほか、燃焼、熱分解、脱塩素化、吸着、触媒分解、オゾン酸化等のダイオキシン類処理装置を導入する場合に比べ、コストが少なく済むことは無論のこと、その装置構成が既存施設の小改造で済むことから構造単純で運転管理も容易である。
【0025】
以下、本発明につき図面を参照して詳述する。
図1は、本発明のアセチレン製造装置の一例を示すもので、図中10はアセチレン発生器を示し、このアセチレン発生器10に水(H2O)1とカルシウムカーバイド(CaC2)2を投入して接触混合せしめることにより、アセチレン(C22)と消石灰(Ca(OH)2)を得る反応を利用してアセチレンガスを得るものである。この反応は次式によって表される。
CaC2+2H2O→C22+Ca(OH)2
この際、カルシウムカーバイドの全量を効率よく消費させ、消費し尽くす目的で、反応原料としての水を化学量論的に過剰になるように投入量を設定するのが一般的である。
【0026】
本発明の特徴は、水の一部又は全部を後述する清浄塔排水で賄い、不足する分だけの水を供給するものである。
【0027】
このアセチレン発生器10の底部には、副生する消石灰スラリ3を排出するための配管12が設けられており、消石灰スラリ3を貯蔵し、処理先へ送り出すためのピット(図示せず)に接続されている。なお、図中14は、冷却用外套であり、この中を冷却材4が流れて、上記アセチレン発生器10内で適切な温度(10〜80℃)に保持するようになっている。
アセチレン発生器10の頂部には、アセチレン発生器10において発生させた粗アセチレンが流れる粗アセチレン配管16の一端が連結され、この粗アセチレン配管16の他端は、ダストセパレータ18及び冷却塔20を順次介して清浄塔22に連結されており、上記アセチレン発生器10からの粗アセチレンは、ダストセパレータ18にて随伴するダストが分離除去された後、冷却塔20にて水5によって5〜40℃程度まで冷却された後、上記清浄塔22に導入され、この清浄塔22内にて上記粗アセチレンガスが次亜塩素酸化合物水溶液(清浄液6)と接触して、粗アセチレンガス中の燐化水素等の不純物が除去されるものである。
【0028】
また、上記清浄塔22は、配管24により洗浄塔26と接続されており、上記清浄塔22において清浄処理されたアセチレンガスは、次いで洗浄塔26内において洗浄液(アルカリ水溶液)7と接触し、塩素等の不純物が除去される。
【0029】
ここで、次亜塩素酸化合物としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、これら次亜塩素酸化合物の該水溶液中における濃度は、有効塩素濃度として0.1〜0.2重量%とすることが好ましい。
【0030】
また、上記アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が挙げられ、その濃度は、水酸基イオン濃度として4〜20重量%とすることが好ましい。
なお、以上の工程は、公知の方法、条件に基づく常法によって行うことができる。
【0031】
このように、清浄塔22及び洗浄塔26を経て精製が終わったアセチレンガスは、精アセチレン8として次工程である貯蔵施設や使用先へと送気される。
【0032】
本装置においては、上記冷却塔20とアセチレン発生器10とが冷却塔排水管28によって連結され、粗アセチレンガスを冷却した後の排水が上記発生器10内に導入されてアセチレン製造用原料としての水として使用されると共に、上記清浄塔22とアセチレン発生器10とが清浄塔排水貯槽30を介して清浄塔排水管32によって連結され、これによって粗アセチレンガスを清浄処理した後の清浄塔排水(次亜塩素酸化合物水溶液排水)が上記清浄塔排水貯槽30に貯められた後、適宜量が上記アセチレン発生器10内に導入されて、原料水として利用されるようになっている。
なお、本発明のアセチレン製造装置を含む設備における好ましい物質収支は以下の表1の通りである。
【表1】

Figure 0003829917
ここで、上記清浄塔排水には、上述したように、粗アセチレン中に含まれる燐化水素由来の燐化合物を含むほか、次亜塩素酸化合物の過剰分やダイオキシン類等が含まれているものである。
【0033】
このうち、ダイオキシン類の挙動に着目した物質収支をみると、清浄液として予め製造された次亜塩素酸カルシウム水溶液に比して、清浄塔において使用され排出された使用後の清浄液(清浄塔排水)のダイオキシン類濃度が上昇し、清浄塔内部においてダイオキシン類が副生することが確認された。
【0034】
これに続けて、清浄塔排水を発生器において使用する水として再利用したところ、発生器から排出される消石灰スラリ3のダイオキシン類濃度は、清浄塔排水から発生器に供給された量に比して非常に低いものであることが確認された。発生器の他方の排出側は、上述のごとく精製装置に接続される粗アセチレンを送出する粗アセチレン配管16であり、ダイオキシン類の蒸気圧が2,3,7,8−四塩素化パラジオキシンで5.8×10-7Paと相当程度低く、気相部にはほとんど存在し得ないことから、粗アセチレンに同伴して発生器外に流出することは考えられない。
【0035】
従って、清浄塔排水中に存在し、発生器に供給されたダイオキシン類は、発生器内部で反応により他の物質に化学変化したか、又は消石灰スラリ中の固形物に強く吸着され、所定のダイオキシン類の分析方法によってしても溶出しない程度まで不溶出化したことが確認される。
【0036】
この発生器内の反応又は消石灰スラリへの吸着の詳細な原理や機構は、現在のところダイオキシン類の物理化学的挙動が解明され尽くしていないため不明であるが、このことは本発明が上述のカーバイド法によるアセチレン製造方法にとって、重要かつ深刻な課題である清浄塔排水中の有害物を排出させない方法として、有効であることを何ら否定するものではない。
【0037】
なお、本発明のアセチレン製造装置を用いてアセチレンを製造する場合、上述のような回分操作を例に述べているが、各原材料及び副資材を連続的に投入する連続操作を行うことも可能である。また、図1では説明の簡略のために主要なる構成機器及び配管のみを示しているが、実施例の装置において実際にはポンプ、ブロワ、貯槽、弁、補助配管、計器、制御機器等の補器類が付帯している。
【0038】
更にまた、上述のごとく、湿式精製法では精製塔のほか、発生器から発生するアセチレンを水と接触させて冷却する冷却塔や清浄塔の後段でアセチレンとアルカリ水溶液を接触させて精製を行う洗浄塔や、それらの付帯機器としてのポンプ、タンク等からの排水も発生するが、これらの排水を清浄塔排水と共に発生器に導き、原料である水として使用する事は、排水量の削減の方法として有効であり、本発明の効果を阻害するものではない。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0040】
[実施例1]
図1に示す構造のアセチレン製造装置を使用し、下記条件でアセチレンを発生させるとともに精製を実施した。
【0041】
(1) 装置概要
発生器:横置き円筒型、冷却用外套付き、鋼製
ダストセパレータ:竪置き円筒型、鋼製
冷却塔:スプレー塔式、鋼製ゴムライニング
清浄塔:磁性ラシヒリング充填塔式、鋼製ゴムライニング
洗浄塔:磁性ラシヒリング充填塔式、鋼製ゴムライニング
【0042】
(2) 原料及び副資材の使用量及び供給量
水投入量:280重量部/バッチ
清浄塔排水投入量:280重量部/バッチ
冷却塔排水:280重量部/バッチ
カルシウムカーバイド投入量:100重量部/バッチ
冷却塔の水供給量:150重量部/バッチ
アセチレン発生量:30重量部/バッチ
消石灰スラリ発生量(内、消石灰):920重量部/バッチ
※ 回分操作の一回分を“バッチ”と表記する
【0043】
(3) 副資材の組成
清浄液:次亜塩素酸カルシウムを水に溶解させ、有効塩素0.15重量%に調整し、塩酸によって水素イオン濃度指数7〜7.5としたもの
洗浄液:水酸化ナトリウムを水に溶解させ、10〜20重量%に調整したもの
【0044】
(4) 運転方法
所定量の水と清浄液を投入した発生器にカルシウムカーバイドを投入し、発生する粗アセチレンガスを冷却塔に導き、水と接触させて冷却する。
冷却塔で冷却された粗アセチレンガスを清浄塔に導き、清浄液と接触させて燐化水素等の不純物を除去する。冷却塔及び清浄塔から排出される排水は貯槽に導き、次回の発生作業の前に水とともに発生器に投入する。
清浄塔で処理したガスを更に必要に応じて洗浄塔に導き、洗浄液と接触させて清浄塔で混入する塩素を除去する。洗浄液は循環して使用し、所定の間隔で交換する。洗浄塔で処理したガスは精アセチレンガスとして貯蔵又は消費される。
【0045】
(5) 分析方法
排水の分析方法は、JIS K 0312 工業用水・工場排水中のダイオキシン類及びコプラナーPCBの測定方法を参考に分析した。
固形物の分析方法は、ダイオキシン類に係る底質調査暫定マニュアル(環境庁水質保全局、1998年7月)及びJIS K 0311 排ガス中のダイオキシン類及びコプラナーPCBの測定方法を参考に分析した。
なお、ダイオキシン類の濃度には、各同族体及び異性体濃度を相対的な毒性の強さを表す毒性等価係数で換算して得られた数値を用い、この毒性等価係数にはWHO−TEF[WHO/ICPS,1997]を適用した。
【0046】
(6) 物質収支
表2に物質収支を示す。
【表2】
Figure 0003829917
表2に示すように、清浄液には次亜塩素酸カルシウムに由来するダイオキシン類が含まれているが、清浄塔から排出される排水に比べ少量であり、清浄塔内部での粗アセチレンガスと清浄液の接触によりダイオキシン類が副成することが明らかである。この排水は循環使用されず、次回の発生器への水供給の際に使用されるため、発生器へ供給される清浄塔からの排水は、毎回同程度のダイオキシン類を含む。
発生器からの出口は気相部であるダストセパレータへ接続される配管のほか、スラリピットに消石灰スラリを排出する液相部の配管の2系統があるが、ダイオキシン類はその蒸気圧が低いため、気相部にはほとんど移行せず、ほぼ全量が液相部に含まれる。液相部の消石灰スラリを分析したところ、ダイオキシン類濃度が非常に低かった。
【0047】
(7) 結論
清浄塔排水から相当濃度のダイオキシン類が検出されたことより、清浄塔内部におけるダイオキシン類の副成が確認された。
また、発生器に相当程度のダイオキシン類が供給されたにも拘らず、消石灰スラリからは非常に低濃度のダイオキシン類が検出されたに留まったことより、発生器内部における反応においてダイオキシン類が無害化されるか、又は消石灰スラリ中に強く吸着されて上記分析方法では検出不可能となるほどに不溶出化することが確認された。
一方、清浄塔排水を無処理で流出させるようなことは勿論、中和処理に代表されるようなダイオキシン類を処理できない処理方法で公共用水域等の一般環境に流出させた場合、その有害性や環境影響が甚大であることは明らかである。
また、上述した通り、ダイオキシン類を処理するための従来技術による装置を導入する場合、その複雑で高価な装置の付加が、カーバイド法と湿式精製法の利点である簡便で安価なることを阻害するものであることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、カーバイド法によるアセチレンの製造において湿式精製を行う際、その精製装置から排出される有害物質を含む排水を設備の外部に排出することなく、安価かつ安全に処理することが可能である。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアセチレン製造装置を含む設備の概略を記した工程流れ図である。
【符号の説明】
1. 水
2. カルシウムカーバイド
3. 消石灰スラリ
4. 冷却材
5. 水
6. 清浄液(次亜塩素酸化合物水溶液)
7. 洗浄液(アルカリ水溶液)
8. 精アセチレン
10. アセチレン発生器
12. 配管
14. 冷却用外套
16. 粗アセチレン配管
18. ダストセパレータ
20. 冷却塔
22. 清浄塔
24. 配管
26. 洗浄塔
28. 冷却塔排水管
30. 清浄塔排水貯槽
32. 清浄塔排水[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention produces acetylene efficiently and safely without producing wastewater containing harmful substances discharged from the purification device when producing acetylene by wet purification using water and calcium carbide as raw materials. The present invention relates to an acetylene manufacturing apparatus and a manufacturing method.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
Acetylene is used as a dissolved acetylene in combination with compressed oxygen for metal processing such as welding, cutting, and scarfing of metals, as well as a wide range of organic materials by synthesis of acetic acid, synthetic resin, synthetic fiber, synthetic rubber, and Reppe reaction. It is one of basic organic chemical products used for compound synthesis, synthetic acetylene black, fuel for gas heating, and raw materials for metal acetylide.
[0003]
The acetylene production method includes a carbide method in which water and calcium carbide are reacted to obtain slaked lime and acetylene, as well as a regenerative pyrolysis method using petroleum hydrocarbons including natural gas, a partial combustion method, and a complete combustion method. Method, electric arc method, and the like are already known (13700 chemical products, Chemical Industry Daily (2001)).
[0004]
Among these, the carbide method is that water and calcium carbide as raw materials can be obtained relatively inexpensively, the reaction mechanism is simple and the production apparatus can be constructed at low cost, and the production conditions are moderate and high compared to other methods. There is an advantage that it is not necessary to use temperature, and it is widely used as a method for producing acetylene while being a classic method.
[0005]
Here, the acetylene generator by the carbide method has the following methods.
(1) Input type generator A mixture of calcium carbide in a tank containing water to generate acetylene, which produces a mixture of slaked lime and a stoichiometric excess of water. It exhibits a muddy milk shape.
(2) The amount of water injection is less than that of a dry-type generator, and water injection is adjusted so that powdered slaked lime is discharged.
(3) Immersion generator A structure that immerses the cocoon containing calcium carbide in water.
(4) It has a structure that pours the water necessary for generating water injection type generator gas into calcium carbide.
[0006]
As described above, the carbide method is a method for obtaining acetylene (C 2 H 2 ) and slaked lime (Ca (OH) 2 ) from water (H 2 O) and calcium carbide (CaC 2 ) as raw materials by the following reaction formulas. In order to efficiently consume all the amount of calcium carbide, it is needless to say that it is desirable to add one raw material of water in a stoichiometric excess.
CaC 2 + 2H 2 O → C 2 H 2 + Ca (OH) 2
[0007]
Therefore, the mixture of slaked lime and water is generated in any form, and it is necessary to dispose of it as a by-product or sold as a valuable raw material.
[0008]
Here, the crude acetylene generated by the carbide method includes substances such as hydrogen phosphide and hydrogen sulfide derived from impurities contained in calcium carbide, which is one of the raw materials, and these substances are the main uses of acetylene gas. Since some metal processing and organic synthesis are inconvenient, it is necessary to provide a refining apparatus for removing them.
[0009]
In this purification apparatus, the crude acetylene gas is brought into contact with chlorine water to remove hydrogen phosphide and hydrogen sulfide, and the purifier is placed next to the clean tower, and the gas passed through the clean tower is brought into contact with an aqueous sodium hydroxide solution. In addition to wet purification methods that combine cleaning towers to remove chlorine, contact with diatomaceous earth impregnated with concentrated sulfuric acid, ferric chloride, copper chloride, mercury chloride, etc., or contact with catalysts containing copper Is known (standard for consumption of dissolved acetylene, High Pressure Gas Safety Association (1971)).
[0010]
The wet refining method is a method that is simple and can be produced at low cost, and also has certainty of operation and has been widely used in the past, but it is a clean tower, washing tower, and pumps and tanks as their auxiliary equipment However, in recent years, it has been replaced with a method other than the above-described wet refining method. In addition, wastewater discharged from the cleaning tower (hereinafter referred to as “cleaning tower wastewater”) may contain organic chlorine compounds that are formed by reaction of chlorine with organic substances in the crude acetylene gas. Dibenzo-para-dioxins (polychlorinated dibenzofurans), coplanar polychlorinated biphenyls (hereinafter collectively referred to as oxy) Has been.
[0011]
Dioxins, because of their harmful effects, have a significant environmental impact when discharged into the drainage system, and various regulations have been established for their discharge (Dioxin Measures Special Measures Law, July 1999) On the 16th of May, Law No. 105, etc.), this by-product of dioxins is mentioned as a disadvantage of the wet refining method.
[0012]
As a countermeasure, wastewater containing harmful organic chlorine compounds such as dioxins is treated and detoxified, and then discharged, but conventionally known treatment methods are incineration, thermal decomposition, dechlorination, Because a large-scale device such as activated carbon adsorption is required and these complicated and expensive devices are added, the advantage of the simple and inexpensive acetylene production method combining the carbide method and the wet purification method cannot be utilized. There has been a demand for a simple and inexpensive method for treating and operating dioxins.
[0013]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object thereof is to provide an acetylene production apparatus and a production method thereof capable of detoxifying dioxins contained in clean tower drainage efficiently and inexpensively. To do.
[0014]
Means for Solving the Problem and Embodiment of the Invention
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present invention uses dilutin contained in the clean tower drain efficiently and inexpensively by using the clean tower drain as part or all of the water supplied to the generator. It has been found that it can be rendered harmless and has led to the present invention.
[0015]
Therefore, this invention provides the following acetylene manufacturing apparatus and its manufacturing method.
(I) (i) An acetylene generator of a type that inputs water and calcium carbide as raw materials, generates acetylene, and discharges a mixture of slaked lime and water as a residue,
(Ii) In an acetylene production apparatus including a cleaning tower that removes impurities by bringing gas generated in the generator into contact with a hypochlorous acid compound aqueous solution at a subsequent stage of the generator, the gas is discharged from the cleaning tower connected to the cleaning tower. An acetylene production apparatus characterized in that the drainage pipe through which the wastewater flows is connected to the generator, and the wastewater discharged from the cleaning tower is used as part or all of the water supplied to the generator,
(II) The acetylene production apparatus according to (I), further comprising a washing tower for bringing the acetylene gas treated in the cleaning tower into contact with an alkaline aqueous solution,
(III) The substance contained in the waste water discharged from the cleaning tower is one or more substances selected from dioxins, phosphorus compounds, and sulfides. (I) or (II) Acetylene production equipment,
(IV) The hypochlorous acid compound used in the cleaning tower is one or more substances selected from sodium hypochlorite, potassium hypochlorite, magnesium hypochlorite, and calcium hypochlorite. The acetylene production apparatus according to any one of (I) to (III).
(V) (i) reacting water and calcium carbide in an acetylene generator;
(Ii) In the method for producing acetylene, which includes a purification step in which the generated gas is brought into contact with an aqueous solution of a hypochlorous acid compound, waste water discharged from the purification step is used as all or part of the water used in the generator. A method for producing acetylene, comprising:
(VI) The method for producing acetylene according to (V), further comprising a purification step of contacting with an alkaline aqueous solution after the purification step of (ii).
[0016]
In the acetylene production apparatus of the present invention, as described above, the waste water discharged from the clean tower is guided to the generator and reused as water as one of the raw materials, and the waste water containing the dioxins is not discharged to the outside. It has a structure.
[0017]
Here, the slaked lime which is a reaction by-product and the water stoichiometrically added excessively are discharged from the generator as a mixed residue (hereinafter referred to as “slaked lime slurry”). As a result of obtaining a detailed and precise material balance of each part during the operation of the acetylene generator and the purification apparatus having the structure of the present invention, the present inventor has found that dioxins are by-produced in the apparatus and mixed into the waste water. By confirming it, guiding it to the generator, and reusing it as water, which is one of the raw materials, the dioxins contained in this wastewater are rendered harmless by the reaction in the generator or adsorbed by the slaked lime slurry, It was discovered that the waste water containing dioxins is not discharged outside the device by being eluted.
[0018]
That is, in the conventional wet refining method, when the waste water from the cleaning tower is discharged into public water bodies, it can be neutralized, settled, filtered, etc. as a treatment for the remaining hypochlorous acid compound or phosphate compound. In recent years, knowledge about dioxins has become clear, and when dioxins are known to be harmful and hardly decomposable substances, organic compounds such as acetylene and hypochlorous acid compounds are contacted. Even in the wet refining method, there is a suspicion that dioxins are generated.
[0019]
As a result of investigation and research on this question, it was confirmed that dioxins byproducts were generated inside the purification tower of the wet refining method, and it was difficult for the conventional technology to safely discharge wastewater containing dioxins into public water bodies. found. Therefore, in order to continue commercial production, whether to install a new treatment device that can treat dioxins, or do not discharge the wastewater itself into the public water area, but outsource it to a specialist as industrial waste. You will be forced to choose either one.
[0020]
Among these, methods capable of detoxifying dioxins include coagulation sedimentation, clarification filtration, membrane filtration, activated sludge method, biofilm method, accelerated oxidation method, catalytic oxidation method, supercritical water oxidation method and the like. (Pollution Prevention Technology and Regulations Dioxins, Pollution Prevention Technology and Regulations Editorial Committee, Maruzen, (2000)). However, in both methods, the dioxins are not only harmful and hardly decomposable, but the concentration of dioxins, which are the object of treatment, is only a very low concentration of pg / l. I have to be. In addition, it goes without saying that the operation requires advanced operation techniques.
[0021]
On the other hand, the method of entrusting this wastewater to industrial contractors as industrial waste has the advantage that commercial production can be continued without any new capital investment, but in addition to the above dioxin treatment equipment, Since processing is performed by methods such as incineration and thermal decomposition, the acetylene production side, which is the source, has the disadvantage of having to pay high processing costs, including the appropriate freight and processing costs.
[0022]
As described above, a conventionally known technique has not found an apparatus and a method that can safely, easily and inexpensively treat wastewater discharged by the acetylene wet refining method.
[0023]
On the other hand, the acetylene production apparatus of the present invention not only can eliminate this waste water by supplying the clean tower waste water to the generator and reuse it as water, but also generates dioxins contained in the waste water. It can be rendered harmless by making it non-eluting by reaction inside the vessel or adsorption to slaked lime slurry.
[0024]
In carrying out the present invention, in addition to the above-described coagulation sedimentation, clarification filtration, membrane filtration, activated sludge method, biofilm method, accelerated oxidation method, catalytic oxidation method, supercritical water oxidation method, etc., combustion, thermal decomposition Compared to the introduction of dioxin treatment equipment such as dechlorination, adsorption, catalytic decomposition, and ozone oxidation, it is of course possible to reduce the cost, and the construction of the equipment is simple because it requires a small modification of the existing facility. Operation management is also easy.
[0025]
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 shows an example of an acetylene production apparatus according to the present invention. In the figure, reference numeral 10 denotes an acetylene generator, and water (H 2 O) 1 and calcium carbide (CaC 2 ) 2 are charged into the acetylene generator 10. Then, acetylene gas is obtained by utilizing a reaction to obtain acetylene (C 2 H 2 ) and slaked lime (Ca (OH) 2 ) by contact mixing. This reaction is represented by the following equation:
CaC 2 + 2H 2 O → C 2 H 2 + Ca (OH) 2
At this time, for the purpose of efficiently consuming and exhausting the whole amount of calcium carbide, it is common to set the input amount so that water as a reaction raw material becomes stoichiometrically excessive.
[0026]
The feature of the present invention is that a part or all of the water is covered by a cleaning tower drainage to be described later and only a shortage of water is supplied.
[0027]
A pipe 12 for discharging the by-product slaked lime slurry 3 is provided at the bottom of the acetylene generator 10 and is connected to a pit (not shown) for storing the slaked lime slurry 3 and sending it to a processing destination. Has been. In the figure, reference numeral 14 denotes a cooling mantle, in which the coolant 4 flows and is maintained at an appropriate temperature (10 to 80 ° C.) in the acetylene generator 10.
One end of a coarse acetylene pipe 16 through which the crude acetylene generated in the acetylene generator 10 flows is connected to the top of the acetylene generator 10, and the other end of the coarse acetylene pipe 16 sequentially connects the dust separator 18 and the cooling tower 20. The crude acetylene from the acetylene generator 10 is separated from the accompanying acetylene by the dust separator 18 and removed by the water 5 in the cooling tower 20 at about 5 to 40 ° C. After cooling to the clean tower 22, the crude acetylene gas comes into contact with the hypochlorous acid compound aqueous solution (clean liquid 6) in the clean tower 22, and hydrogen phosphide in the crude acetylene gas is introduced. Such impurities are removed.
[0028]
The cleaning tower 22 is connected to a cleaning tower 26 by a pipe 24, and the acetylene gas cleaned in the cleaning tower 22 then comes into contact with the cleaning liquid (alkaline aqueous solution) 7 in the cleaning tower 26, and chlorine Etc. are removed.
[0029]
Here, examples of the hypochlorous acid compound include sodium hypochlorite, potassium hypochlorite, magnesium hypochlorite, calcium hypochlorite, etc., and these hypochlorous acid compounds in the aqueous solution. The concentration is preferably 0.1 to 0.2% by weight as the effective chlorine concentration.
[0030]
Examples of the alkaline aqueous solution include aqueous solutions of sodium hydroxide and potassium hydroxide, and the concentration is preferably 4 to 20% by weight as the hydroxyl ion concentration.
In addition, the above process can be performed by the conventional method based on a well-known method and conditions.
[0031]
As described above, the acetylene gas that has been purified through the cleaning tower 22 and the cleaning tower 26 is sent to the storage facility or the use destination as the next process as the purified acetylene 8.
[0032]
In this apparatus, the cooling tower 20 and the acetylene generator 10 are connected by a cooling tower drain pipe 28, and the waste water after cooling the crude acetylene gas is introduced into the generator 10 as a raw material for producing acetylene. The cleaning tower drain and the acetylene generator 10 are connected by a cleaning tower drain pipe 32 via a cleaning tower drain storage tank 30 and used to clean the crude acetylene gas. After the hypochlorous acid compound aqueous solution wastewater) is stored in the clean tower drainage storage tank 30, an appropriate amount is introduced into the acetylene generator 10 and used as raw water.
In addition, the preferable mass balance in the installation containing the acetylene manufacturing apparatus of this invention is as Table 1 below.
[Table 1]
Figure 0003829917
Here, as described above, the clean tower drainage contains a phosphorus compound derived from hydrogen phosphide contained in the crude acetylene, and also contains an excess of a hypochlorous acid compound, dioxins, and the like. It is.
[0033]
Among these, the material balance focusing on the behavior of dioxins is compared with the calcium hypochlorite aqueous solution manufactured in advance as the cleaning liquid. It was confirmed that the concentration of dioxins in the wastewater) increased and dioxins were by-produced inside the clean tower.
[0034]
Following this, when the wastewater from the clean tower was reused as water to be used in the generator, the dioxin concentration of the slaked lime slurry 3 discharged from the generator was higher than the amount supplied from the clean tower wastewater to the generator. It was confirmed that it was very low. The other discharge side of the generator is a crude acetylene pipe 16 for sending crude acetylene connected to the purification apparatus as described above, and the vapor pressure of dioxins is 2,3,7,8-tetrachlorinated pararadixin. Since it is very low as 5.8 × 10 −7 Pa and hardly exists in the gas phase portion, it cannot be considered that it flows out of the generator accompanying the crude acetylene.
[0035]
Therefore, the dioxins present in the clean tower wastewater and supplied to the generator have been chemically changed to other substances by reaction inside the generator, or are strongly adsorbed by the solid matter in the slaked lime slurry, and the predetermined dioxin It is confirmed that it was not eluted even to the extent that it does not elute even by the analysis method of the kind.
[0036]
The detailed principle and mechanism of the reaction in the generator or the adsorption to the slaked lime slurry are unknown at present because the physicochemical behavior of dioxins has not been completely elucidated. For the acetylene production method by the carbide method, it is not denied that the method is effective as a method that does not discharge harmful substances in the waste water from the cleaning tower, which is an important and serious problem.
[0037]
In addition, when manufacturing acetylene using the acetylene manufacturing apparatus of the present invention, the batch operation as described above is described as an example, but it is also possible to perform a continuous operation in which raw materials and auxiliary materials are continuously added. is there. Further, in FIG. 1, only the main components and piping are shown for the sake of simplicity of explanation, but in the apparatus of the embodiment, in practice, it is necessary to supplement pumps, blowers, storage tanks, valves, auxiliary piping, instruments, control devices, and the like. It comes with equipment.
[0038]
Furthermore, as described above, in the wet refining method, in addition to the purification tower, the acetylene generated from the generator is brought into contact with water and cooled, and the cleaning is performed by bringing the acetylene and the aqueous alkali solution into contact with each other after the cooling tower or the cleaning tower. Drainage from towers, pumps and tanks as ancillary equipment, etc. is also generated, but these wastewaters are led to the generator together with the clean tower wastewater and used as raw material water as a method of reducing the amount of wastewater. It is effective and does not inhibit the effect of the present invention.
[0039]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[0040]
[Example 1]
Using the acetylene production apparatus having the structure shown in FIG. 1, acetylene was generated and purified under the following conditions.
[0041]
(1) Outline of equipment Generator: Horizontally mounted cylindrical type, with cooling jacket, Steel dust separator: Vertically mounted cylindrical type, Steel cooling tower: Spray tower type, Steel rubber-lined cleaning tower: Magnetic Raschig ring packed tower type, Steel rubber lining cleaning tower: magnetic Raschig ring packed tower type, steel rubber lining [0042]
(2) Amount of raw materials and auxiliary materials used and supplied Amount of water input: 280 parts by weight / batch clean tower wastewater input: 280 parts by weight / batch cooling tower wastewater: 280 parts by weight / batch calcium carbide input amount: 100 parts by weight / Water supply amount of batch cooling tower: 150 parts by weight / Batch acetylene generation amount: 30 parts by weight / Batch slaked lime slurry generation amount (including slaked lime): 920 parts by weight / batch * One batch operation is expressed as "batch" [0043]
(3) Composition cleaning liquid of auxiliary material: calcium hypochlorite dissolved in water, adjusted to 0.15% by weight of effective chlorine, and adjusted to hydrogen ion concentration index 7-7.5 with hydrochloric acid Cleaning liquid: hydroxylation Sodium is dissolved in water and adjusted to 10 to 20% by weight.
(4) Operation method Calcium carbide is charged into a generator charged with a predetermined amount of water and cleaning liquid, and the generated crude acetylene gas is guided to a cooling tower and brought into contact with water for cooling.
The crude acetylene gas cooled in the cooling tower is guided to the cleaning tower and brought into contact with the cleaning liquid to remove impurities such as hydrogen phosphide. Waste water discharged from the cooling tower and the cleaning tower is led to a storage tank and put into the generator together with water before the next generation work.
If necessary, the gas treated in the cleaning tower is guided to the cleaning tower, and brought into contact with the cleaning liquid to remove chlorine mixed in the cleaning tower. The cleaning liquid is circulated and used at predetermined intervals. The gas treated in the washing tower is stored or consumed as purified acetylene gas.
[0045]
(5) Analytical method The analytical method of wastewater was analyzed with reference to the measurement method of dioxins and coplanar PCB in JIS K 0312 industrial water and industrial wastewater.
The analysis method of the solid matter was analyzed with reference to the provisional manual for dioxin bottom sediment investigation (Environment Agency, Water Quality Preservation Bureau, July 1998) and the measurement method of dioxins and coplanar PCB in JIS K 0311 exhaust gas.
For the concentration of dioxins, a numerical value obtained by converting the concentration of each homologue and isomer with a toxicity equivalent coefficient representing the strength of relative toxicity is used, and the toxicity equivalent coefficient is WHO-TEF [ WHO / ICPS, 1997] was applied.
[0046]
(6) Material balance Table 2 shows the material balance.
[Table 2]
Figure 0003829917
As shown in Table 2, the cleaning liquid contains dioxins derived from calcium hypochlorite, but the amount is smaller than the waste water discharged from the cleaning tower, and the crude acetylene gas inside the cleaning tower and It is clear that dioxins are by-produced by contact with the cleaning liquid. Since this waste water is not circulated and used for the next water supply to the generator, the waste water from the clean tower supplied to the generator contains the same amount of dioxins every time.
In addition to the pipe connected to the dust separator, which is the gas phase part, the outlet from the generator has two lines, the liquid phase part that discharges slaked lime slurry to the slurry pit, but dioxins have low vapor pressure, Almost no amount is transferred to the gas phase portion, and almost the entire amount is contained in the liquid phase portion. When the slaked lime slurry in the liquid phase part was analyzed, the concentration of dioxins was very low.
[0047]
(7) Conclusion Dioxins of a considerable concentration were detected from the waste water from the clean tower, confirming that dioxins were by-produced inside the clean tower.
In addition, despite the fact that a considerable amount of dioxins were supplied to the generator, dioxins were harmless in the reaction inside the generator because only a very low concentration of dioxins was detected from the slaked lime slurry. It was confirmed that it was absorbed into the slaked lime slurry, and was so eluted that it could not be detected by the above analytical method.
On the other hand, if the wastewater from the clean tower is discharged without treatment, it is harmful if it is discharged into a general environment such as public waters by a treatment method that cannot treat dioxins such as neutralization. It is clear that the environmental impact is enormous.
Further, as described above, when a conventional apparatus for treating dioxins is introduced, the addition of a complicated and expensive apparatus inhibits the simple and inexpensive advantage that is an advantage of the carbide method and the wet purification method. It goes without saying that it is a thing.
[0048]
【The invention's effect】
According to the present invention, when wet refining is performed in the production of acetylene by the carbide method, wastewater containing harmful substances discharged from the refining device can be treated inexpensively and safely without being discharged outside the facility. It is.
[0049]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process flow diagram showing an outline of equipment including an acetylene production apparatus of the present invention.
[Explanation of symbols]
1. Water 2. 2. Calcium carbide 3. Slaked lime slurry 4. Coolant Water 6. Cleaner (hypochlorous acid compound aqueous solution)
7). Cleaning liquid (alkaline aqueous solution)
8). Fine acetylene10. Acetylene generator 12. Piping 14. Cooling jacket 16. Crude acetylene piping 18. Dust separator 20. Cooling tower 22. Clean tower 24. Piping 26. Washing tower 28. Cooling tower drain pipe 30. Clean tower drainage storage tank 32. Clean tower drain

Claims (6)

(i)原料として水とカルシウムカーバイドを投入し、アセチレンを発生させ、残査として消石灰と水の混合物を排出する形式のアセチレン発生器、
(ii)この発生器の後段に、発生器で発生したガスを次亜塩素酸化合物水溶液と接触させて不純物を取り除く清浄塔
を含むアセチレン製造装置において、上記清浄塔に接続されて清浄塔から排出される排水が流れる排水管を上記発生器に連結して、清浄塔から排出される排水を発生器に供給される水の一部又は全部として利用することを特徴とするアセチレン製造装置。
(I) An acetylene generator of a type that inputs water and calcium carbide as raw materials, generates acetylene, and discharges a mixture of slaked lime and water as a residue,
(Ii) In an acetylene production apparatus including a cleaning tower that removes impurities by bringing gas generated in the generator into contact with a hypochlorous acid compound aqueous solution at a subsequent stage of the generator, the gas is discharged from the cleaning tower connected to the cleaning tower. The acetylene manufacturing apparatus characterized by connecting the drainage pipe | tube with which the waste_water | drain which is drained flows to the said generator, and using the waste_water | drain discharged | emitted from a clean tower as a part or all of the water supplied to a generator.
更に、清浄塔において処理したアセチレンガスをアルカリ水溶液と接触させる洗浄塔を有する請求項1記載のアセチレン製造装置。Furthermore, the acetylene manufacturing apparatus of Claim 1 which has a washing tower which contacts the acetylene gas processed in the cleaning tower with alkaline aqueous solution. 清浄塔から排出される排水中に含まれる物質が、ダイオキシン類、燐化合物、硫化物から選ばれる一種又はそれ以上の物質であることを特徴とする請求項1又は2記載のアセチレン製造装置。The acetylene production apparatus according to claim 1 or 2, wherein the substance contained in the waste water discharged from the cleaning tower is one or more substances selected from dioxins, phosphorus compounds, and sulfides. 清浄塔において使用する次亜塩素酸化合物が、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カルシウムから選ばれる一種又はそれ以上の物質であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のアセチレン製造装置。The hypochlorous acid compound used in the clean tower is one or more substances selected from sodium hypochlorite, potassium hypochlorite, magnesium hypochlorite, and calcium hypochlorite, The acetylene production apparatus according to any one of claims 1 to 3. (i)アセチレン発生器において水とカルシウムカーバイドを反応させる工程、
(ii)発生したガスを次亜塩素酸化合物の水溶液に接触させる精製工程
を含むアセチレンの製造方法において、上記精製工程から排出される排水を発生器で使用される水の全部又は一部として利用することを特徴とするアセチレンの製造方法。
(I) reacting water and calcium carbide in an acetylene generator;
(Ii) In the method for producing acetylene, which includes a purification step in which the generated gas is brought into contact with an aqueous solution of a hypochlorous acid compound, waste water discharged from the purification step is used as all or part of the water used in the generator. A method for producing acetylene, comprising:
(ii)の精製工程の後に、更にアルカリ水溶液に接触させる精製工程を含む請求項5記載のアセチレンの製造方法。The method for producing acetylene according to claim 5, further comprising a purification step of contacting with an alkaline aqueous solution after the purification step of (ii).
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