JP3819997B2 - ネガ型画像記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷用版材やカラープルーフ、フォトレジスト及びカラーフィルターとして使用できる画像記録材料に関するものである。特にコンピュータ等のデジタル信号に基づいて赤外線レーザを走査することにより直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷用版材として使用可能なネガ型画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのデジタルデータから直接製版するシステムとしては、▲1▼電子写真法によるもの、▲2▼青色又は緑色を発光するレーザを用い露光する光重合系によるもの、▲3▼銀塩を感光性樹脂上に積層したもの、▲4▼銀塩拡散転写法によるもの等が提案されている。
【0003】
しかしながら、▲1▼の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。また、▲2▼の光重合系によるものでは、青色や緑色の光に対して高感度な版材を使用するため、明室での取扱いが難しくなる。▲3▼、▲4▼の方法では銀塩を使用するため、現像等の処理が煩雑になる、処理廃液中に銀が含まれる等の欠点がある。
【0004】
一方、近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、これらのレーザは非常に有用である。しかし、実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が760nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線レーザでは画像記録できない。このため、赤外線レーザで記録可能な材料が望まれている。
【0005】
このような赤外線レーザにて記録可能な画像記録材料として、米国特許(以下、適宜、USと記載する)第4,708,925号明細書には、オニウム塩、フェノール樹脂及び分光増感剤より成る記録材料が提案されている。しかしながら、この画像記録材料は、オニウム塩とフェノール樹脂により発現する、現像液に対する溶解抑止効果を利用したポジ型であり、本発明のようなネガ型ではない。
一方、ネガ型の画像記録材料として、特開平8−276558号公報には、光を吸収し熱を発生する物質、アルカリ可溶性樹脂、分子内に4〜8個のベンゼン核を有する特定のフェノール誘導体より成る記録材料が提案されている。しかしながら、この画像記録材料は、レーザ露光時の感度が不十分であった。
また、特開平7−20629号公報には、オニウム塩、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、及び赤外線吸収剤より成る記録材料が提案されている。しかしながら、この画像記録材料を用いた印刷用版材では、画像部の膜強度が不足しており、結果として印刷時の耐刷性が不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、さらにレーザに対して高感度で、記録された画像が膜強度に優れ、印刷時の耐久性が良好なネガ型画像記録材料を提供することである
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ネガ型画像記録材料の構成成分に着目し、鋭意検討した結果、以下の組み合わせにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、(A)ジアゾ樹脂と、(B)酸により架橋する化合物と、(C)赤外線吸収剤と、(D)バインダーポリマーとを含むネガ型画像記録材料において、(A)のジアゾ樹脂が、下記一般式(I)で示される構成単位を有し、かつ、分子量500以上のジアゾ樹脂であり、
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ、水素、ハロゲン、−COOH、−OPO3 H2 、−PO3 H2 、−SO3 H、−OH、置換基を有していても良い炭化水素基・置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリーロキシ基を表し、Yは、NR4 、OまたはSを示し、R4 は水素または炭化水素基を表す。また、、X- は、PF6 - 、BF4 - 、ClO4 - または置換基を有していてもよい炭化水素スルホン酸イオンを表す。)
【0011】
かつ、(B)の酸により架橋する化合物が、下記架橋性化合物群より選ばれる少なくとも一種であり、
(B−1)下記一般式(II) で表されるフェノール誘導体
(B−2)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物
(B−3)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物
(B−4)エポキシ化合物
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、Ar1 は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環を表す。R1 およびR2 は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素数12以下の炭化水素基を表す。R3 は、水素原子または炭素数12以下の炭化水素基を表す。mは、2〜4の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。)
かつ、(D)のバインダーポリマーが、前記ジアゾ樹脂および前記架橋性化合物と反応する部位を有するバインダーポリマーであることを特徴としたネガ型画像記録材料である。
【0014】
本発明においては、ジアゾ樹脂が光または熱により分解して、反応性の高いカルボカチオンが発生するとともに、酸が発生する。この樹脂中に発生した複数の反応性の高いカルボカチオンが、バインダーポリマーの反応部位に攻撃して、バインダーポリマーを架橋する一方、発生した酸により架橋性化合物が活性化され、架橋性化合物によるバインダーポリマーの架橋反応も進む。このように、ジアゾ樹脂と架橋性化合物とバインダーポリマーとが架橋により複雑に絡み合った構造を構成し、その結果、画像部の膜強度が著しく向上するものと考えられる。
【0015】
すなわち、本発明によれば、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、さらにレーザに対して高感度で、記録された画像が膜強度に優れ印刷時の耐久性が良好なネガ型画像記録材料が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
〔(A)ジアゾ樹脂 〕
本発明においてジアゾ樹脂とは、分子中にRN2 + X -の構造を2以上有するポリマーまたはオリゴマーをいい、光または熱により分解して、反応性の高いカルボカチオンが発生するとともに、酸が発生する。
本発明のジアゾ樹脂は、下記一般式(I)で示される構成単位を有する。下記一般式(I)で示される構成単位を有するジアゾ樹脂は、適度な熱分解特性を有するため、光または熱による分解性と画像記録材料の保存安定性が共に良好である。
【0017】
【化5】
【0018】
一般式(I)中、R1 、R2 、R3 はそれぞれ、水素、ハロゲン、−COOH、−OPO3 H2 、−PO3 H2 、−SO3 H、−OH、置換基を有していても良い炭化水素基・置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリーロキシ基を表す。
ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素が挙げられる。置換基を有していても良い炭化水素基は、炭素数15以下の炭化水素基が好ましく、置換基としては、−COOH、−OPO3 H2 、−SO3 H、−OHが好ましい。例えば、カルボキシメチル基、ヒドロキシメチル基、p−カルボキシメトキシフェニル基等が挙げられる。置換基を有していても良いアルコキシ基は、炭素数15以下のアルコキシ基が好ましく、置換基としては、−COOH、−OPO3 H2 、−SO3 H、−OHが好ましい。例えば、メトキシ基、ヘキシルオキシ基、カルボキシメトキシ基等が挙げられる。置換基を有していても良いアリーロキシ基は、炭素数15以下のアリーロキシ基が好ましく、置換基としては、−COOH、−OPO3 H2 、−SO3 H、−OHが好ましい。例えば、フェノキシ基、P−カルボキシメトキシフェノキシ基等が挙げられる。
【0019】
Yは、NR4 、OまたはSを表し、R4 は水素または炭化水素基を表す。炭化水素基は、炭素数15以下の炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
X- は、PF6 - 、BF4 - 、ClO4 - または置換基を有していてもよい炭化水素スルホン酸イオンを表す。感度が高いという理由から、置換基を有していてもよい炭素数20以下のベンゼンスルホナート・ナフタレンスルホナートが好ましい。置換基としては、ハロゲン、メチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ベンゾイル基、ヒドロキシ基、メトキシ基等が挙げられる。
【0020】
具体的には、4−ジアゾジフェニルアミンまたは4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物のメシチレンスルホナート、ドデシルベンゼンスルホナート、ジ−t−ブチルナフタレンスルホナート、または、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホナート等が挙げられる。
【0021】
本発明のジアゾ樹脂は、重量平均分子量が500以上のものが好ましく、800以上のものがより好ましく、1000以上のものがさらに好ましい。重量平均分子量が500未満であると画像部の膜強度が不十分となる。
【0022】
これらのジアゾ樹脂の含有量は画像記録材料全固形分中に対して、1〜50重量%が好ましく、3〜35重量%がより好ましく、5〜25重量%がさらに好ましい。ジアゾ樹脂の含有量が、1重量%より少ないと画像が得られず、また50重量%より多いと印刷時非画像部に汚れを発生しやすくなる。
【0023】
また、これらのジアゾ樹脂は単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。ジアゾ樹脂を2種以上を併用すると感度の調節がし易くなる。
【0024】
〔(B)酸により架橋する化合物 〕
本発明では、酸により架橋する化合物(以下、適宜、「酸架橋剤」又は単に「架橋剤」と称する)として、(B−1)下記一般式(II)で表されるフェノール誘導体、(B−2)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物、(B−3)N−ヒドロキシメチル基を有する化合物、N−アルコキシメチル基を有する化合物、N−アシルオキシメチル基を有する化合物、(B−4)エポキシ化合物からなる化合物群から選ばれた少なくとも一種を使用する。これら化合物群の中でも、現像性が良く、かつ、感度が高い点で、(B−1)および(B−2)が好ましい。
以下に、(B−1)〜(B−4)について説明する。
【0025】
(B−1)下記一般式(II)で表されるフェノール誘導体
【0026】
【化6】
【0027】
一般式(II)中、Ar1 は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環を表す。原料の入手性から、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環が好ましい。また、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数12以下の炭化水素基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。感度が高いという理由で、Ar1 としては、置換基を有していないベンゼン環およびナフタレン環、または、ハロゲン原子、炭素数6個以下の炭化水素基、炭素数6以下のアルコキシ基、炭素数個以下のアルキルチオ基、ニトロ基等を置換基として有するベンゼン環およびナフタレン環が特に好ましい。
R1 およびR2 は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素数12以下の炭化水素基を表す。合成が容易であるという理由から、R1 およびR2 は、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。R3 は、水素原子または炭素数12以下の炭化水素基を表す。感度が高いという理由で、R3 は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等の炭素数7以下の炭化水素基であることが特に好ましい。mは、2〜4の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。
【0028】
本発明において好適に用いられる一般式(II)で表されるフェノール誘導体の具体例を以下に示す(架橋剤[KZ−a]〜[KZ−h])が、本発明はこれに制限されるものではない。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
これらのフェノール誘導体は、従来公知の方法により合成できる。例えば[KZ−a]は、フェノール、ホルムアルデヒドおよび、ジメチルアミンやモルホリン等の2級アミンを反応させ、トリ(ジアルキルアミノメチル)フェノールとし、次に無水酢酸と反応させ、さらに炭酸カリウム等の弱アルカリ存在下、エタノールと反応させることにより、下記反応式[1]に示す如き経路で合成することができる。
【0032】
反応式[1]
【化9】
【0033】
さらに、別の方法によっても合成できる。例えば[KZ−a]は、フェノールとホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを、KOH等のアルカリ存在下反応させ、2,4,6−トリヒドロキシメチルフェノールとし、引き続き硫酸等の酸存在下、エタノールと反応させることにより、下記反応式[2]に示す如き経路でも合成することができる。
【0034】
反応式[2]
【化10】
【0035】
これらのフェノール誘導体は単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらのフェノール誘導体を合成する際、フェノール誘導体同士が縮合して2量体や3量体等の不純物が副生成する場合があるが、これらの不純物を含有したまま用いても良い。しかし、保存時の安定性を低下させないよう、不純物は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。
【0036】
(B−2)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物
アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基、若しくはアルコキシメチル基でポリ置換されている芳香族化合物及び複素環化合物が挙げられる。但し、レゾール樹脂として知られるフェノール類とアルデヒド類とを塩基性条件下で重縮合させた樹脂状の化合物は含まない。
【0037】
アルコキシメチル基又はヒドロキシメチル基でポリ置換された芳香族化合物及び複素環化合物のなかでは、ヒドロキシ基に隣接する位置にアルコキシメチル基又はヒドロキシメチル基を有する化合物を好ましい例として挙げることができる。アルコキシメチル基の場合はアルコキシメチル基が炭素数18以下の化合物であることが好ましい。特に好ましい例として下記一般式(1)〜(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
前記各式中、L1 〜L8 はそれぞれ独立にメトキシメチル、エトキシメチル等のように炭素数18以下のアルコキシ基で置換されたアルコキシメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。これらは架橋効率が高く、耐刷性を向上させることができる点で好ましい。上記に例示された架橋性化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0041】
(B−3)N−ヒドロキシメチル基を有する化合物、N−アルコキシメチル基を有する化合物、N−アシルオキシメチル基を有する化合物
N−ヒドロキシメチル基を有する化合物、N−アルコキシメチル基を有する化合物またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物としては、欧州特許公開(以下、EP−Aと記載する)第0,133,216号、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号等明細書に開示された単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第0,212,482号明細書に開示されたアルコキシ置換化合物等が挙げられる。好ましい例としては、例えば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げられ、中でも保存時の安定性がよいという点から、N−アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
【0042】
(B−4)エポキシ化合物
エポキシ化合物としては、一つ以上のエポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができる。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられる。その他、米国特許第4,026,705号明細書、英国特許第1,539,192号明細書に記載され、使用されているエポキシ化合物を挙げることができる。
【0043】
本発明に用いるこれら架橋剤は画像記録材料全固形分に対し、5〜80重量%の割合で添加することが好ましく、10〜75重量%の割合で添加することがより好ましく、20〜70重量%の割合で添加することが特に好ましい。架橋性化合物の添加量が5重量%未満であると得られる平板印刷板材の感光層の耐久性が悪化し、また、80重量%を超えると保存時の安定性の観点から好ましくない。
【0044】
〔(C)赤外線吸収剤 〕
本発明の主な目的は、赤外線を発するレーザで画像記録可能な記録材料を提供することである。このためには、赤外線吸収剤を併用することが必要である。即ち、赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有しており、この際発生した熱により、ジアゾ樹脂が分解し、酸を発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmの赤外線を有効に吸収する染料又は顔料である。好ましくは、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。
【0045】
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0046】
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等の公報に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0047】
また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)公報記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号等の公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0048】
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0049】
これらの染料のうち、感度が高いという理由から、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が特に好ましい。
【0050】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0051】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。感度が高いという理由から、これらの顔料のうち、カーボンブラックが好ましい。
【0052】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等の反応性物質を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0053】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがより好ましく、0.1μm〜1μmの範囲にあることが特に好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満であると分散物の画像記録層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像記録層の均一性の点で好ましくない。
【0054】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0055】
これらの染料又は顔料は、画像記録材料全固形分に対し0.01〜50重量%の割合で添加するのが好ましく、0.1〜10重量%の割合で添加するのがより好ましい。染料の場合は0.5〜10重量%の割合で添加するのが特に好ましく、顔料の場合は1.0〜10重量%の割合で画像記録材料中に添加することができる。顔料又は染料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生する。
【0056】
これらの染料又は顔料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0057】
〔(D)バインダーポリマー 〕
本発明のバインダーポリマーは、前記ジアゾ樹脂および前記架橋性化合物と反応する部位を有するバインダーポリマーであり、(D−1)環内に不飽和結合を有する複素環基を有するポリマーまたは、(D−2)ヒドロキシ基またはシアノ基を有するポリマーを使用する。ポリマーおよび原料の入手性の点で、(D−2)のポリマーが好ましい。
以下、(D−1)および(D−2)について説明する。
【0058】
(D−1)環内に不飽和結合を有する複素環基を有するポリマー
本発明において複素環とは、環系を構成する原子の中に、炭素以外のヘテロ原子を1個以上含むものをいう。用いられるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、珪素原子が好ましい。このような複素環基を有するポリマーを用いることにより、本発明の優れた効果を得ることができるのは、複素環はローンペアを有するので、化学構造的に反応し易くなるためと考えられる。
【0059】
本発明において好適に用いられる環内に不飽和結合を有する複素環(以下、単に「複素環」という。)は、2個の共役二重結合をもった5員環、または3個の共役二重結合をもった6員環、及びこれら複素環が縮環した複素環である。これらの複素環は、芳香族性をもっているので、芳香族複素環と呼ばれる。さらに、特に好ましい複素環は、上記複素環にさらにベンゼン環やナフタレン環等の芳香族炭化水素環が縮環した複素環である。
本発明において好適に用いられる複素環としては例えば、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、フラザン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、シラベンゼン等の単環式複素環、及びインドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリジン、キノリン、イソキノリン、プリン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、キナゾリン、シンノリン、キノキサリン、フタラジン、プテリジン、カルバゾール、アクリジン、フェナントリジン、キサンテン、フェナジン、フェノチアジン等の縮合複素環が挙げられる。これらの複素環は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数20個以下の炭化水素基、炭素数20個以下のアルコキシ基、炭素数20個以下のアリールオキシ基、およびハロゲン原子が好ましい。
【0060】
本発明の複素環基を有するポリマーにおいて、複素環基は、ポリマーの主鎖を構成する成分としてポリマー中に導入されていても良いが、画像の膜強度が高いという理由から、ポリマーの側鎖としてペンダント状に結合している方が好ましい。この場合、複素環基は、ポリマー主鎖に直接結合していてもよいが、やはり画像部の膜強度が高いという理由から、適当な連結鎖を介してペンダント状に結合している方が好ましい。好ましい連結鎖としては、例えば、エステル結合、カルボン酸アミド結合、スルホン酸アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合及び、これらの結合を含有していてもよい炭素数20以下の有機基等を挙げることができる。また、ポリマー主鎖としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアセタール等の主鎖であるビニル重合体、ポリエステル、及びポリウレタン等が挙げられるが、入手性・経済性からビニル重合体であることが好ましい。
【0061】
本発明の複素環基を有するポリマーとしては、下記の一般式(III )で表される構造を含有するポリマーを好適に用いることができる。
【0062】
【化13】
【0063】
一般式(III)中、R1 は水素原子またはメチル基を表す。L1 は単結合、エステル結合、カルボン酸アミド結合、スルホン酸アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合またはこれらの結合を含有していてもよい炭素数20以下の2価の有機基を表す。また、Aは複素環を表す。
【0064】
一般式(III)で表される構造を有するポリマーは、対応する一般式(IV) で表されるモノマーを用い、従来公知の方法によりラジカル重合することにより得られる。なお、一般式(IV) 中、一般式(III)の符号と同符号のものについては同じ基を表す。
【0065】
【化14】
【0066】
一般式(III)で表される構造を有するポリマーのうち、本発明において特に好適に用いられるものは、下記一般式(V)〜(VII)で表される構造を有するポリマーである。
【0067】
【化15】
【0068】
一般式(V)〜(VII)中、R1 は水素原子またはメチル基を表す。L1 は単結合、エステル結合、カルボン酸アミド結合、スルホン酸アミド結合、エーテル結合、チオエーテル結合またはこれらの結合を含有していてもよい炭素数20以下の2価の有機基を表す。R2 、R3 、R4 、R5 、R6 及びR7 は同じでも異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数20以下の有機基を示し、該有機基中には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子のヘテロ原子を含んでいてもよい。またR2 とR3 、R4 とR5 及びR6 とR7 が、それぞれ一緒になって縮環した環を形成していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数10以下のアルコキシ基、または炭素数10以下のアリールオキシ基が好ましい。
【0069】
X1 およびX2 は同じでも異なっていてもよく、窒素原子またはC−R8 を表す。R8 は水素原子又は炭素数20以下の炭化水素基を表す。X3 はN−R9 、酸素原子または硫黄原子を表す。R9 は水素原子又は炭素数20以下の炭化水素基を表す。X4 は、窒素原子またはC−R10を表す。R10は水素原子又は炭素数20以下の炭化水素基を表す。X5 はN−R11、酸素原子または硫黄原子を表す。R11は水素原子又は炭素数20以下の炭化水素基を表す。X6 は窒素原子またはC−R12を表す。R12は水素原子又は炭素数20以下の炭化水素基を表す。
【0070】
一般式(V)〜(VII)で表される構造を有するポリマーは、対応する一般式(VIII)〜(X)で表されるモノマーを用い、従来公知の方法によりラジカル重合することにより得られる。なお、一般式(VIII)〜(X)中、一般式(V)〜(VII)の符号と同符号のものについては同じ基を表す。
【0071】
【化16】
【0072】
本発明の複素環基を有するポリマーにおいて、好適に用いられる一般式(VIII)〜(X)で表されるモノマーの例を以下に挙げる。
尚、式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、Y1 は酸素原子またはNHを表す。またnは1〜20の整数を表す。
【0073】
【化17】
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】
【化23】
【0080】
【化24】
【0081】
これらのモノマーの内、例えば(VIII−3)の様にベンゼン環が一つ縮環したものは、縮環してないものに比べ画像部の膜強度が良好であり、かつベンゼン環が2つ縮環したものに比べ感光層塗布液への溶解性が良好であるため、特に好ましい。
【0082】
本発明では、合成が容易であるという点から、一般式(VIII)〜(X)で表されるモノマーの少なくともいずれか一つをラジカル重合することにより得られるポリマーを使用することが好ましく、一般式(VIII)〜(X)で表されるモノマーの一種のみを用いた単独重合体や2種以上を用いた共重合体の双方を使用することができる。
【0083】
本発明の複素環基を有するポリマーとして、さらに好適に使用されるポリマーは、一般式(VIII)〜(X)で表されるモノマーの少なくともいずれか一つと、カルボン酸等の酸性基を有するモノマーとを、ラジカル重合することにより得られる共重合体である。ポリマーに酸性基を導入することは、水又はアルカリ性水溶液による現像性が向上するため好ましい。酸性基としては、例えば、−COOH、−CONHCO−、−CONHSO2 −、−SO2 NH−、フェノール性OH等が挙げられる。ただし、一般式(VII )〜(IX)で表されるモノマーの構造中に、これらの酸性基がすでに含有されている場合は、他の酸性基を有するモノマーとの共重合体とする必要はない。
【0084】
このような酸性基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、N−(2−カルボキシエチル)アクリルアミド、N−(2−カルボキシエチル)メタクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド、カルボキシスチレン、マレイミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N−(クロロフェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(クロロフェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(メチルスルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(メチルスルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(トリルスルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−[(クロロフェニルスルファモイル)フェニル]アクリルアミド、N−[(クロロフェニルスルファモイル)フェニル]メタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(ヒドロキシナフチル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシナフチル)メタクリルアミド等が挙げられる。
【0085】
また、酸性基ではないが、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のアルカリ金属塩、テトラアルキルアンモニウム塩、3−スルホプロピルアクリレートのカリウム塩等の強酸の塩を含有するモノマーは、水に対する溶解性を向上でき、結果として画像記録材料の水性現像液に対する現像性を向上できるので、共重合体の構成成分として好ましい。
【0086】
さらに、これら酸性基を有するモノマー及び塩を含有するモノマー以外の従来公知のモノマーを、必要に応じて用いて共重合させてもよい。このような他の公知のモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、及びアクリロニトリル等が挙げられる。
【0087】
これらを用いた共重合体中に含まれる一般式(V)〜(VII)で表される構成単位の割合は、20〜100重量%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜95重量%である。20重量%より小さいと画像部の膜強度が低下する。
【0088】
本発明の複素環基を有するポリマーを合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0089】
本発明の複素環基を有するポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が使用できる。
【0090】
(D−2)ヒドロキシ基またはシアノ基を有するポリマー
本発明では、ヒドロキシ基またはシアノ基を有するポリマーとして、(D−2−1)側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー、(D−2−2)ノボラック樹脂、または(D−2−3)その他のアルカリ可溶性ポリマーを使用する。
(D−2−1)〜(D−2−3)の説明を以下に表す。
【0091】
(D−2−1)側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー
本発明において、ヒドロキシアリール基とは−OH基が1個以上結合したアリール基を表す。アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等を挙げることができるが、入手の容易さ及び物性の観点から、フェニル基あるいはナフチル基が好ましい。従って、ヒドロキシアリール基としては、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、トリヒドロキシフェニル基、テトラヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基等が好ましい。これらのヒドロキシアリール基は、さらに、ハロゲン原子、炭素数20個以下の炭化水素基、炭素数20個以下のアルコキシ基及び炭素数20個以下のアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。これらのヒドロキシアリール基は、ポリマーの側鎖としてペンダント状にポリマー主鎖へ結合しているが、主鎖との間に連結基を有していても良い。
【0092】
本発明において好適に用いられる、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーは、下記一般式(XI)で表される構成単位を含有するポリマーである。
【0093】
【化25】
【0094】
(式中、R1 は水素原子またはメチル基を表す。R2 およびR3 は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数10個以下の炭化水素基、炭素数10個以下のアルコキシ基又は、炭素数10個以下のアリールオキシ基を表す。また、R2 とR3 が結合して、縮環したベンゼン環やシクロヘキサン環を形成していても良いpは1〜4の整数を表す。q及びrはそれぞれ0〜3の整数を表す。)
【0095】
一般式(XI)で表される構成単位の内、本発明において好適に用いられる具体的な構成単位の例を以下に挙げる。
【0096】
【化26】
【0097】
このポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。例えば、ヒドロキシ基を酢酸エステルあるいはt−ブチルエーテルとして保護された、対応するスチレン誘導体をラジカル重合もしくはアニオン重合しポリマーとした後、脱保護することにより得られる。
【0098】
本発明の側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーは、一般式(XI)で表される構成単位のみから成るホモポリマーであっても良いが、他の構成単位をも含む共重合体であっても良い。
好適に用いられる他の構成単位としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーより導入される構成単位が挙げられる。
【0099】
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、が挙げられる。
【0100】
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
【0101】
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0102】
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0103】
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
【0104】
これらのモノマーのうち特に好適に使用されるのは、現像性が良好であり、さらに膜形成性がよいという理由から、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類及び、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルである。
【0105】
これらを用いた共重合体中に含まれる一般式(XI)で表される構成単位の割合は、5〜100重量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜100重量%である。5重量%より小さいと画像部の膜強度が低下する。
【0106】
(D−2−2)ノボラック樹脂
本発明で使用されるノボラック樹脂は、一般にフェノール化合物とアルデヒド類を、酸触媒下等の反応条件下で反応させることにより得られる。有用なフェノール化合物としては、フェノール、アルキル、アリール等で置換された置換フェノール類、クレゾール類、キシレノール類、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられる。アルデヒド類としてはパラホルムアルデヒド、フルフラール、ヘキサメチレンテトラミン等も使用されるが主にホルムアルデヒドが用いられる。
【0107】
具体的には、フェノールノボラック樹脂、m−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールノボラック樹脂、フェノール/クレゾールノボラック樹脂、エチルフェノールノボラック樹脂、フェニルフェノールノボラック樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、p−tert−アミルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック樹脂を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。本発明で使用されるノボラック樹脂は単独で、または数種類の混合物として任意に選択し用いることができる。
【0108】
(D−2−3)その他のアルカリ可溶性ポリマー
本発明では、その他のアルカリ可溶性ポリマーとして、ヒドロキシル基またはシアノ基とを含むモノマーを重合して得られるアクリル樹脂を使用する。
【0109】
具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、o−、m−またはp−シアノフェニル(メタ)アクリレート、o−、m−またはp−シアノフェニル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0110】
また、本発明で使用されるバインダーポリマーの重量平均分子量は好ましくは4000以上であり、さらに好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量は好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは2000〜25万の範囲である。4000未満だと画像部の膜強度が低下し、30万を超えると現像性が低下する。
【0111】
本発明で使用されるバインダーポリマーは単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマーは、画像記録材料全固形分に対し20〜95重量%、好ましくは40〜90重量%の割合で画像記録材料中に添加される。添加量が20重量%未満の場合は、画像形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が95重量%を超える場合は、画像形成されない。
【0112】
〔その他の成分〕
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)、アイゼンスピロンブルーC−RH(保土ヶ谷化学(株)製)等、及び特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。
【0113】
これらの染料を添加することにより、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすくなるため、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合である。
【0114】
また、本発明における画像記録材料中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号等の公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号等の公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
【0115】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0116】
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
【0117】
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像記録材料中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0118】
さらに、本発明の画像記録材料中には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0119】
本発明の画像記録材料では、通常上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
【0120】
これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷用版材についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録膜の皮膜特性は低下する。
【0121】
本発明における画像記録材料には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全画像記録材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0122】
〔支持体〕
本発明の画像記録材料を塗布可能な支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0123】
好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板、及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、さらにアルミニウムがラミネート又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は総量で10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0124】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸若しくは硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
【0125】
このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0126】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には、電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
【0127】
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0128】
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明で使用可能な親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号等の明細書に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に、特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号等の明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。
【0129】
本発明の画像記録材料を塗布する前に、必要に応じて支持体上に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類;置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸;置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸等の有機リン酸;置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸;グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類;及びトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。また、ジアゾニウム化合物を下塗りすることも好ましい。有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2 が適当である。
【0130】
以上のようにして、本発明の画像記録材料を用いた平版印刷用版材を作成することができる。この平版印刷用版材は、赤外線レーザーで記録できる。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。本発明においては、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーにより画像露光されることが好ましい。
【0131】
本発明においては、露光後すぐに現像処理を行ってもよいが、露光工程と現像工程の間に加熱処理を行ってもよい。加熱処理をする場合その条件は、60℃〜150℃の範囲内で5秒〜5分間行うことが好ましい。加熱方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、パネルヒーターやセラミックヒーターにより記録材料と接触しつつ加熱する方法、及びランプや温風による非接触の加熱方法等が挙げられる。この加熱処理により、レーザー照射時、記録に必要なレーザーエネルギーを減少させることができる。
【0132】
必要に応じて加熱処理を行った後、本発明の画像記録材料は、好ましくは、水又はアルカリ性水溶液にて現像される。
【0133】
アルカリ性水溶液を用いる場合、本発明の画像記録材料の現像液及び補充液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられる。
【0134】
これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現像液の一例は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特開昭54−62004号、特公昭57−7427号等の公報に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0135】
さらに、自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷用版材を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
【0136】
現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。好ましい有機溶剤としてはベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはその誘導体、又はポリプロピレングリコール若しくはその誘導体等の添加も好ましい。
【0137】
さらに、現像液及び補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸または亜硫酸水素酸のナトリウム塩およびカリウム塩等の無機塩系還元剤、さらに有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
【0138】
このような界面活性剤、有機溶剤及び還元剤等を含有する現像液としては、例えば、特開昭51−77401号公報に記載されている、ベンジルアルコール、アニオン性界面活性剤、アルカリ剤及び水からなる現像液組成物、特開昭53−44202号公報に記載されている、ベンジルアルコール、アニオン性界面活性剤、及び水溶性亜硫酸塩を含む水性溶液からなる現像液組成物、特開昭55−155355号公報に記載されている、水に対する溶解度が常温において10重量%以下である有機溶剤、アルカリ剤、及び水を含有する現像液組成物等が挙げられ、本発明においても好適に使用される。
【0139】
以上記述した現像液及び補充液を用いて現像処理された印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷用版材として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0140】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
【0141】
また、実質的に未使用の処理液で処理する、いわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0142】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
【0143】
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2 (乾燥重量)が適当である。
【0144】
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー「BP−1300」)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0145】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来より行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
【0146】
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0147】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ジアゾ樹脂[DZ−1]の合成
2−メトキシ−4−フェニルアミノベンゼンジアゾニウムの硫酸塩と、パラホルムアルデヒドを、酸性条件下で縮重合させポリマー化した。さらに、対イオンを硫酸イオンから、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸イオンへ変更し、ジアゾ樹脂[DZ−1]とした。ピラゾロン処理を施した後、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は3000であった。(測定条件 カラム:「TSKgel」GMH/G4000H/G3000H/2000H(東ソー(株)製)、溶媒:テトラヒドロフラン)
【0148】
ジアゾ樹脂[DZ−2]の合成
2−メトキシ−4−フェニルアミノベンゼンジアゾニウムの硫酸塩と、4、4`−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテルを、酸性条件下で縮重合させポリマー化した。さらに、対イオンを硫酸イオンから、メシチレンスルホン酸イオンへ変更し、ジアゾ樹脂[DZ−2]とした。ピラゾロン処理を施した後、GPCにより測定した重量平均分子量は7000であった。(測定条件 カラム:「TSKgel」GMH/G4000H/G3000H/2000H(東ソー(株)製)、溶媒:テトラヒドロフラン)
【0149】
ジアゾ樹脂[DZ−3]の合成
2−メトキシ−4−フェニルアミノベンゼンジアゾニウムの硫酸塩とフェノキシ酢酸、およびパラホルムアルデヒドを、酸性条件下で縮重合させポリマー化した。さらに、対イオンを硫酸イオンから、ジブチルナフタレンスルホン酸イオンへ変更し、ジアゾ樹脂[DZ−3]とした。ピラゾロン処理を施した後、GPCにより測定した重量平均分子量は5000であった。(測定条件 カラム:「TSKgel」GMH/G4000H/G3000H/2000H(東ソー(株)製)、溶媒:テトラヒドロフラン)
ジアゾ樹脂[DZ−1]〜[DZ−3]の構造を以下に示す。
【0150】
【化27】
【0151】
バインダーポリマー[BP−1]
バインダーポリマー[BP−1]として、ポリ−p−ヒドロキシスチレン(商品名「マルカ リンカーM S−4P」:丸善石油化学(株)製)を用いた。
【0152】
バインダーポリマー[BP−2]の合成
m−クレゾールとホルマリンを、酸触媒下縮重合し、重量平均分子量3000のノボラック樹脂を得、[BP−2]とした。
【0153】
バインダーポリマー[BP−3]の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(40モル%)、アクリロニトリル(20モル%)、ベンジルメタクリレート(30モル%)、およびメタクリル酸(10モル%)を、1−メトキシ−2−プロパノールを溶媒とし、アゾ系重合開始剤(商品名「V−601」:和光純薬工業(株)製)を用いてラジカル重合し、水で再沈して、ポリマー[BP−3]を得た。GPCにより測定した重量平均分子量は120000(ポリヒドロキシスチレン標準)であった。
【0154】
バインダーポリマー[BP−4]の合成
3−(2−ヒドロキシエチル)インドールとメタクリル酸無水物を塩基性条件下反応させ、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)インドールを合成した。引き続き、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)インドール(80モル%)とアクリル酸(20モル%)を、
1−メトキシ―2―プロパノールを溶媒とし、アゾ系重合開始剤(商品名「V−601」:和光純薬工業(株)製)を用いてラジカル重合し、水で再沈して、ポリマー[BP−4]を得た。GPCにより測定した重量平均分子量は90000(ポリヒドロキシスチレン標準)であった。
バインダーポリマー[BP−1]〜[BP−4]の構造を以下に示す。
【0155】
【化28】
【0156】
架橋剤[KZ−1]の合成
1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]―4―[α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンを、水酸化カリウム水溶液中で、ホルマリンと反応させた。反応溶液を硫酸で酸性とし晶析させ、さらにメタノールから再結晶することにより、下記構造の架橋剤[KZ−1]を得た。逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)により純度を測定したところ、92%であった。(測定条件 カラム:「Shimpac」CLC−ODS(島津製作所(株)製)、溶媒:メタノール/水=60/40→90/10)
【0157】
【化29】
【0158】
架橋剤[KZ−2]の合成
o−クレゾールを、水酸化カリウム水溶液中で、パラホルムアルデヒドと反応させた。反応溶液を硫酸で酸性とし晶析させ、さらにカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記構造の架橋剤[KZ−2]を得た。逆相HPLCにより純度を測定したところ、96%であった。(測定条件 カラム:「Shimpac」CLC−ODS(島津製作所(株)製)、溶媒:アセトニトリル/水=70/30)
【0159】
【化30】
【0160】
(実施例1〜4)
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、さらに2%HNO3 水溶液に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの板を7%H2 SO4 水溶液を電解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗乾燥した。次にこのアルミニウム板に下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は10mg/m2 であった。
【0161】
下塗り液
β−アラニン 0.1g
フェニルホスホン酸 0.05g
メタノール 40g
純水 60g
【0162】
次に、下記組成の溶液[P]を調整し、この溶液を、上記の下塗り済みのアルミニウム板に塗布し、100℃で1分間乾燥してネガ型平版印刷用版材[P−1]〜[P−4]を得た。乾燥後の重量は1.5g/m2 であった。
【0163】
溶液[P]
ジアゾ樹脂 0.3g
架橋剤 0.5g
バインダーポリマー 1.5g
赤外線吸収剤[IK−1] 0.07g
着色剤 0.035g
(商品名「AIZEN SPILON BLUE C-RH」:保土ヶ谷化学(株)製)
ジピコリン酸 0.05g
フッ素系界面活性剤 0.01g
(商品名「メガファックF−177」:大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 12g
メチルアルコール 10g
1−メトキシ−2−プロパノール 5g
水 1g
【0164】
溶液[P−1]〜[P−4]に用いたジアゾ樹脂、架橋剤およびバインダーポリマーを表1に示す。また、赤外線吸収剤[IK−1]の構造を以下に示す。
【0165】
【化31】
【0166】
得られたネガ型平版印刷用版材[P−1]〜[P−4]を、波長820〜850nm程度の赤外線を発する半導体レーザで走査露光した。露光後、パネルヒーターにて、110℃で30秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液「DP−4」(1:8の水希釈液)にて現像し、ガム引きをした。これらの平版印刷版を、ハイデルKOR−Z機(ハイデルベルク社製)で印刷し、得られた良好な印刷物の枚数を観察した。結果を表1に示す。いずれも良好な印刷物が、印刷初期から8万枚以上まで得られた。
【0167】
【表1】
【0168】
(比較例1)
実施例1で用いた溶液[P−1]において、ジアゾ樹脂の代わりに、下記の構造を有する化合物[HR−1]を用い、溶液[Q−1]を調整した。この溶液を、実施例1で用いた下塗り済みのアルミニウム板に塗布し、100℃で1分間乾燥してネガ型平版印刷用版材[Q−1]を得た。乾燥後の重量は1.5g/m2 であった。得られた平版印刷用版材[Q−1]を、実施例1と同様に画像形成し、印刷した。この際得られた良好な印刷物の枚数を観察したが、良好な印刷物は、印刷初期から4万枚までしか得られなかった。
【0169】
【化32】
【0170】
(実施例5、6)
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、さらに2%HNO3 水溶液に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの板を7%H2 SO4 水溶液を電解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設けた。その後、70℃の珪酸ソーダ2.5%水溶液に1分間浸漬後、水洗乾燥した。
【0171】
次に、下記組成の溶液[R]を調整し、この溶液を、上記のアルミニウム板に塗布し、100℃で1分間乾燥してネガ型平版印刷用版材[R−1]、[R−2]を得た。乾燥後の重量は1.5g/m2 であった。
【0172】
溶液[R]
ジアゾ樹脂 0.3g
架橋剤 0.5g
バインダーポリマー 1.5g
赤外線吸収剤[IK−1] 0.07g
着色剤 0.035g
(商品名「「AIZEN SPILON BLUE C-RH」:保土ヶ谷化学(株)製)
ジピコリン酸 0.05g
フッ素系界面活性剤 0.01g
(商品名「メガファックF−177」:大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 12g
メチルアルコール 10g
1−メトキシ−2−プロパノール 5g
水 1g
【0173】
溶液[R−1]、[R−2]に用いたジアゾ樹脂、架橋剤およびバインダーポリマーを表2に示す。
【0174】
得られたネガ型平版印刷用版材[R−1]、[R−2]を、波長820〜850nm程度の赤外線を発する半導体レーザで走査露光した。露光後、パネルヒーターにて、110℃で30秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液「DN−3C」(1:1の水希釈液)にて現像し、ガム引きをした。これらの平版印刷版を、ハイデルKOR−Z機(ハイデルベルク社製)で印刷し、得られた良好な印刷物の枚数を観察した。結果を表2に示す。いずれも良好な印刷物が、印刷初期から10万枚以上まで得られた。
【0175】
【表2】
【0176】
(比較例2)
実施例5で用いた溶液[R−1]において、ジアゾ樹脂の代わりに、前述の化合物[HR−1]を用い、溶液[S−1]を調整した。この溶液を、実施例5で用いたアルミニウム板に塗布し、100℃で1分間乾燥してネガ型平版印刷用版材[S−1]を得た。乾燥後の重量は1.5g/m2 であった。得られた平版印刷用版材[S−1]を、実施例5と同様に画像形成し、印刷した。この際得られた良好な印刷物の枚数を観察したが、良好な印刷物は、印刷初期から5万枚までしか得られなかった。
【0177】
実施例1〜6及び比較例1、2より、本発明のネガ型画像記録材料を用いた平版印刷用版材は、印刷時の耐刷性に優れていることがわかる。
【0178】
【発明の効果】
本発明によれば、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、さらにレーザに対して高感度で、記録された画像が膜強度に優れ印刷時の耐久性が良好なネガ型画像記録材料を提供することができる。
Claims (1)
- (A)ジアゾ樹脂と、(B)酸により架橋する化合物と、(C)赤外線吸収剤と、(D)バインダーポリマーとを含むネガ型画像記録材料において、
(A)のジアゾ樹脂が、下記一般式(I)で示される構成単位を有し、かつ、分子量500以上のジアゾ樹脂であり、
かつ、(B)の酸により架橋する化合物が、下記架橋性化合物群より選ばれる少なくとも一種であり、
(B−1)下記一般式(II) で表されるフェノール誘導体
(B−2)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物
(B−3)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物
(B−4)エポキシ化合物
かつ、(D)のバインダーポリマーが、前記ジアゾ樹脂および前記架橋性化合物と反応する部位を有するバインダーポリマーであることを特徴としたネガ型画像記録材料。
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JP2000314961A (ja) | 1999-04-28 | 2000-11-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | ネガ型画像記録材料 |
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1997
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