JP3809375B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセスカートリッジを着脱自在な画像形成装置に関するものである。
【0002】
ここで、画像形成装置としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンター(例えば、LEDプリンター、レーザービームプリンター等)、電子写真ファクシミリ装置および電子写真ワードプロセッサー等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に対して着脱可能とするもの、あるいは、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするもの、あるいはさらに、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものをいう。
【0004】
【従来の技術】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、電子写真感光体および電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができ、格段に操作性を向上させることができる。そこで、このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0005】
また、この種のプロセスカートリッジ方式においては、例えば特開平9−179476号公報に記載されているように、画像形成装置本体に伝達するための情報を記憶するICメモリー等の記憶手段をプロセスカートリッジに搭載し、プロセスカートリッジを装置本体に装着した時に装置本体と情報をやりとりすることにより、プロセスカートリッジの使用状況等を装置本体の制御部に報知するものが提案されている。また、プロセスカートリッジに搭載された記憶手段に前記プロセスカートリッジのロット番号、画像形成装置の特性およびプロセス手段の特性などの情報を登録することで、画像形成装置本体あるいはプロセスカートリッジのメンテナンスを容易にし、さらに、記憶手段に記録された情報に応じて画像形成の制御を行い、最良の条件で画像形成が行われるようになってきた。
【0006】
このようなプロセスカートリッジ方式を採用した画像形成装置において、プロセスカートリッジに搭載された記憶手段と装置本体とを電気的に接続するための接続手段としては、コネクタやばね材による接点を用いて接続する接触式のもの、発光素子および受光素子を用いて通信するものや磁気コアを介したインダクタ誘導の磁気誘導による無線で通信する非接触式のものがある。これらの中で、ばね材による接点を用いる接触式の接続手段が、構成が簡単で、コスト的にも有利であり、通常一般に採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した接触式の接続手段を用いた従来技術においては、プロセスカートリッジの記憶手段と画像形成装置本体との電気的接続が次に説明するように不安定になることがあった。
【0008】
装置本体に装着されたプロセスカートリッジは、装置の動作開始時や動作停止時において、感光体ドラムを中心とする回転方向の動きと感光体ドラムのスラスト方向の動きが発生してしまう。通常、プロセスカートリッジに装置本体から駆動がかかっている状態で電気接点圧を確保するようにしているために、駆動がかかっている状態と駆動がかかっていない状態では、プロセスカートリッジの姿勢の変化が生じ、電気接点圧がばらつき、接続不良を引き起こし、プロセスカートリッジと装置本体の間で情報のやりとりをすることが困難であった。
【0009】
また、電気接続手段は、プロセスカートリッジの駆動時に生じるスラスト方向の動き等に充分に追従することができず、電気接点部が擦れてしまい、電気接点部の削れや変形による接点不良が発生する可能性があった。
【0010】
さらに、プロセスカートリッジ側の記憶手段接点部と本体側電気接続手段の間に多くの部品が介在するために、接点間の相対位置の位置決めが不正確になりやすいという問題があった。
【0011】
また、ユーザーがジャム処理(紙詰まり処理)等のためにカートリッジを取り出して装置本体内部にアクセスする際に、接点が触れやすい位置に存在している可能性があり、さらにユーザーの有する静電気によって本体側電気接点にトラブルが生じ、制御手段等が静電破壊される可能性があった。
【0012】
そこで、本発明は、前述した従来技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、プロセスカートリッジの有する記憶手段と画像形成装置本体との電気的接続を安定して行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とし、さらに、ユーザーがジャム処理等をする際の操作性を向上させるとともにユーザーの有する静電気によるトラブルの発生(制御部の静電破壊等)を抑えることができる画像形成装置を提供し、また、プロセスカートリッジの駆動時に生じるスラスト方向の動き等による電気接点部の削れや変形を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、プロセスカートリッジを着脱可能な、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、(i)移動可能に設けられた可動部材と、(ii)前記可動部材に設けられた本体電気接点と、(iii )電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、情報を記憶する記憶素子と、前記記憶素子と電気的に接続するカートリッジ電気接点であって、前記プロセスカートリッジを前記画像形成装置の装置本体に装着した際に、前記本体電気接点と電気的に接続する、前記カートリッジ枠体に設けられたカートリッジ電気接点と、前記カートリッジ枠体に設けられた当接部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する途中において、前記可動部材と当接して、前記カートリッジ電気接点と前記本体電気接点とが電気的に接続するように前記可動部材を移動させる、さらに、前記カートリッジ電気接点が前記本体電気接点と電気的に接続した後は、前記可動部材によって前記本体電気接点を前記カートリッジ電気接点に押圧するために前記可動部材を押圧する当接部と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着部材と、(iv)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
さらに、前記画像形成装置は、前記可動部材に移動可能に設けられた前記本体電気接点を支持する第2可動部材と、前記可動部材と、前記第2可動部材との間に設けられた、前記本体電気接点を前記カートリッジ電気接点に接触する方向に付勢する第2付勢手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、前記可動部材は、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する際に、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する装着方向とは交差する方向において、前記プロセスカートリッジに設けられたカートリッジガイド部と係合して、位置決めする本体ガイド部を有するものでもよい。
【0020】
【作用】
本発明によれば、プロセスカートリッジの装着動作に伴って作動する可動部材により、プロセスカートリッジに設けられたカートリッジ電気接点と装置本体に設けられた本体電気接点との電気的接続を良好に行うことができ、プロセスカートリッジへの駆動の有無による姿勢変化や部品のバラツキによるカートリッジ電気接点の位置変化が生じてもこれらに関係なく、常に安定した電気的接続を可能にする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1の実施例)
本発明に基づいて構成されるプロセスカートリッジおよびプロセスカートリッジを着脱可能な画像形成装置について、次いで、プロセスカートリッジの記憶手段および装置本体側の電気接続手段について、図1ないし図7を参照して、説明する。なお、本実施例では、特に電子写真式のレーザービームプリンターを例にとって説明する。
【0023】
画像形成装置Aは、図1に示すように、光学系(スキャナ)1から画像情報に基づいたレーザー光像をドラム形状の電子写真感光体ドラム(以下、単に感光体ドラムともいう)7に照射してその感光層に潜像を形成し、この潜像を現像剤を用いて現像して現像剤像を形成する。
【0024】
そして、前記現像剤像の形成と同期して、記録紙、OHPシート、布等の記録媒体2は、記録媒体カセット3aからピックアップローラ3bや搬送ローラ対3c等により搬送される。プロセスカートリッジBとしてカートリッジ化された画像形成部において感光体ドラム7に形成した現像剤像を装置本体に設けた転写手段としての転写ローラ4に電圧印加することによって記録媒体2に転写する。そして、現像剤像を転写された記録媒体2はガイド板3dでガイドされて定着手段5へと搬送される。この定着手段5は、駆動ローラ5aおよびヒータ5bを内蔵する定着ローラ5cからなり、通過する記録媒体2に熱および圧力を印加して現像剤像を定着する。そして、現像剤像が定着された記録媒体2は、反転搬送径路を通して搬送され、排出ローラ対3eを介して機外の排出トレイ6へ排出される。
【0025】
プロセスカートリッジBは、感光体ドラム7と少なくとも1つのプロセス手段を備えたものである。ここで、プロセス手段としては、例えば、電子写真感光体を帯電させる帯電手段(8)、電子写真感光体に形成された潜像を現像する現像手段(10、10a、10b‥)、電子写真感光体表面に残留する現像剤をクリーニングするためのクリーニング手段(11、11a、11b‥)等がある(図3参照)。
【0026】
本実施例のプロセスカートリッジBは、図3に詳細に示すように構成されている。周面に感光層を有する感光体ドラム7を回転させ、その表面を帯電手段である帯電ローラ8への電圧印加によって一様に帯電する。次いで、光学系1からの画像情報光をプロセスカートリッジBに設けた露光開口部9を介して感光体ドラム7に露光して潜像を形成する。そして、この感光体ドラム7に形成された潜像を現像手段(10、10a、10b‥)によって現像剤を用いて現像する。
【0027】
現像手段(10、10a、10b‥)は、現像剤収納部10a内の現像剤を現像剤送り部材10bで送り出し、固定磁石を内蔵した現像ローラ10に付与させる。そして、現像ブレード10cによって摩擦帯電電荷を付与した現像剤層を現像ローラ10の表面に形成し、その現像剤を潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによって現像剤像を形成して可視像化する。
【0028】
そして、装置本体Aに設けられた転写ローラ4に現像剤像と逆極性の電圧を印加して現像剤像を記録媒体2に転写した後は、クリーニングブレード11によって感光体ドラム7に残留した現像剤を掻き落とし、掻き落とした現像剤を除去現像剤溜め11aへ集める。
【0029】
なお、前述した感光体ドラム7やプロセス手段(8、10、11‥)は、カートリッジ枠体12内に収納保持されている。カートリッジ枠体12は、現像剤を収容する現像剤収納部10aを形成する現像剤収納枠体12aと、現像ローラ10等を保持する現像装置枠体12bと、感光体ドラム7とクリーニング手段を保持しそして除去現像剤溜め11aを形成するクリーニング枠体12cとからなる。また、現像剤収納枠体12aと現像装置枠体12bを溶着等により一体化してこれをクリーニング枠体12cに揺動可能に結合してプロセスカートリッジBを構成している。
【0030】
プロセスカートリッジBは、装置本体Aに設けられたカートリッジ装着手段に対して着脱可能に装着される(図1、図5および図6参照)。そして、カートリッジ装着手段は、装置本体Aの筐体に対して軸14aを中心に開閉可能なカートリッジカバー(開閉カバー)14を開ける(図1や図2参照)ことによりアクセス可能な部位に設けられている。カートリッジカバー14を開放した状態でカートリッジ装着部位を斜視図で示す図5において、カートリッジ装着部位の左右両壁面15d、15e(なお、一方の壁面15eは不図示)にカートリッジ装着ガイド部材15が対向して取付けられている(図5には一方側のみを図示する)。そして、この左右の装着ガイド部材15は、それぞれ、プロセスカートリッジBを挿入するときのガイドとなるガイド部15a、15cと、ガイド部15aに連続して形成されプロセスカートリッジBを位置決めするためのカートリッジ位置決め部15bとを備えている。なお、ガイド部15cは、カートリッジ位置決め部15bの近傍付近においては下方に屈曲して配置されている。
【0031】
ガイド部15aは、プロセスカートリッジのカートリッジ枠体12のクリーニング枠体12cに形成されている長手方向両側に突出したボス12c1(図4参照)をガイドする。また、ガイド部15cは、カートリッジ枠体12のボス12c1の上方で同様に外方へ突出して設けられている長細形状の長手ガイド部12c2(図4参照)をガイドする。そして、ガイド部15aに連続するカートリッジ位置決め部15bには、カートリッジ枠体12のボス12c1が嵌合して、プロセスカートリッジBの装置本体Aに対する位置決めを行う。
【0032】
以上のように形成されたカートリッジ装着手段に対してプロセスカートリッジBを装着する際には、カートリッジカバー14を開放して、カートリッジ枠体12のボス12c1と長手ガイド部12c2をそれぞれガイド部15aとガイド部15cに沿って挿入する。そして、カートリッジ枠体12は各ガイド部15a、15cによりガイドされて、カートリッジ枠体12のボス12c1がカートリッジ位置決め部15bに嵌合して位置決めされる。なお、このとき、カートリッジ枠体12の長手ガイド部12c2はガイド部15cから離れた状態で位置付けられる。このようにして、プロセスカートリッジBは装置本体Aに位置決めされ(図6参照)、そして、カートリッジカバー14を閉じることによって、プロセスカートリッジBは装置本体Aに装着される。
【0033】
このようにプロセスカートリッジBがカートリッジ装着手段に装着されると、図6に示すように、プロセスカートリッジBに保持されている感光体ドラム7の端部に設けられたはす歯ギアG2は装置本体Aに設けられたはす歯ギアG1に噛合する。その後、はす歯ギアG1が(図6において反時計方向に)回転すると、はす歯ギアG2を介して感光体ドラム7が(図6において時計方向に)回転する。これによって、装置本体Aの駆動力がプロセスカートリッジBに伝えられる。
【0034】
この際に、プロセスカートリッジBには、感光体ドラム7と同軸上で両側面に設けられたボス12c1を中心として、感光体ドラム7の回転方向と同じく時計方向へ回転させようとする力が作用する。そして、クリーニング枠体12cの上面に設けられた当接凹部12c6(図4および図6)が装置本体Aに設けられた固設部材100(図6)と当接する。これによって、プロセスカートリッジBのクリーニング枠体12cの装置本体Aに対する位置が定まる。
【0035】
また、プロセスカートリッジBの長手方向(図6と直交する方向)については、装置本体Aに設けられたはす歯ギアG1と感光体ドラム7の端部のはす歯ギアG2との間でスラスト力が作用するために、プロセスカートリッジBをスラスト方向(感光体ドラム7のスラスト方向)に移動させようとする力が作用する。すなわち、図5において、プロセスカートリッジBに対して一方の壁面15dに向かう方向に力がかかる。これにより、プロセスカートリッジBのカートリッジ枠体12の側面と装置本体Aの壁面の間にはわずかな隙間が存在すると、プロセスカートリッジBに駆動がかかると、この駆動力によって、プロセスカートリッジBは、ボス12c1が壁面15dに突き当たるまでわずかにスラスト方向に移動する。また、逆に、プロセスカートリッジBに駆動がかかっていた状態から駆動力がかからない状態になると、それぞれの突き当て部にかかっていた力が働かなくなり、突き当て部から離れる方向にプロセスカートリッジBが移動する。このように、装置本体Aの稼動時と停止時ではプロセスカートリッジBの位置および姿勢が異なり、装置本体Aが駆動および停止動作をするたびにプロセスカートリッジBの位置が動くことになる。
【0036】
なお、前述したボス12c1は、感光体ドラム7の軸線と同軸線上にカートリッジ枠体12(のクリーニング枠体12c)の両側から外方に突出して設けられている突出部材である。この突出部材としては、感光体ドラム7をカートリッジ枠体12(クリーニング枠体12c)に支持するためのドラム軸部分がカートリッジ枠体12の外方へ突出したものであっても良いし、あるいは、カートリッジ枠体12(またはクリーニング枠体12c)の一部分が外方へ突出したものであっても良い。
【0037】
以上の駆動に関する説明においては、プロセスカートリッジへの駆動伝達手段をはす歯ギアとして説明してきたが、カップリング機構を用いて装置本体からプロセスカートリッジへ駆動を伝達する構成の場合も同様の動きをする。
【0038】
次に、プロセスカートリッジに搭載する記憶手段について図3および図4を用いて説明する。
【0039】
記憶手段(メモリ手段)20は、プロセスカートリッジBのカートリッジ枠体12の外面に取付けられ、特に、図3および図4に示すようにカートリッジ枠体12(クリーニング枠体12c)の上面に取付けられている。この記憶手段20は、図4に明瞭に示すように、具体的にはRAMやROM等の記憶素子であるメモリチップ20aとその両側の接点部21a、21bを基板22上に有するものであり、このメモリチップ20aに必要な情報(例えば、プロセスカートリッジのロット番号、プロセス条件などの初期値や使用状況、画像形成装置の特性やプロセス手段の特性など)を予め入力しておき、プロセスカートリッジBを装置本体Aに装着した時に装置本体側と情報をやり取りすることにより、プロセスカートリッジBの使用状況等の状態を装置本体Aの制御基板30に報知し、画像形成動作に役立てたり、操作者にプロセスカートリッジの状態を表示する等の目的のために使用される。また、メモリチップ20aには使用中でも書き込みができるので必要に応じて随時書込みが行われる。
【0040】
カートリッジ電気接点である接点部21a、21bは、メモリチップ20aに情報の読み書きをするために装置本体側の電気接点と接続するためのものであり、金メッキしたリン青銅板を基板22に実装したものである。
【0041】
また、プロセスカートリッジBのカートリッジ枠体12の上面において、記憶手段20に隣接してガイドピン23が設けられている(図4参照)。このガイドピン23は、プロセスカートリッジBを装置本体Aに装着する際に、後述する装置本体側の電気接続手段30のスラスト方向の位置を決めるために電気接続手段31のガイドリブ36と係合する位置に配置されている。
【0042】
次に、装置本体側に設けられた電気接続手段の構成について、図1、図2および図7を用いて説明する。
【0043】
電気接続手段31は、図1に示すように、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着された際にその記憶手段20に対向する位置に配設されている。電気接続手段31は、図7の(a)および(b)に図示するように、略L字状に形成された第1可動部材である回動アーム32と第2可動部材である接点ホルダ33とから構成される。回動アーム32は、接点ホルダ33を平行移動可能に保持する本体部分32aと下方に突出してプロセスカートリッジBの装着時にカートリッジ枠体12の先端部が当接するように配置された下方突出部分32bとが略L字状に形成されている。また、回動アーム32の本体部分32aの側方には、一対のガイドリブ36を下面側に形成されたガイド部分32cが一体的に設けられている。この一対のガイドリブ36は、プロセスカートリッジBに設けられているガイドピン(係合部)23をガイド案内して位置決めするためのものであり、ガイドピン23を確実に案内するようにガイドピン23が進入してくる方向が開いた形状をしている。そして、回動アーム32は、そのL字状の屈曲部分において、装置本体Aのフレーム部17に設けられた軸受け部材18に軸支された軸部材18aに回転可能にかつ軸方向(スラスト方向)に摺動可能に支持される。
【0044】
また、回動アーム32の本体部分32aに保持される接点ホルダ33には、図7の(b)に示すように、リン青銅の板ばね材に金メッキを施した電気接点部34a、34bがボス(図示せず)に圧入することによって組み付けられて形成され、また、電気接点部34a、34bの外側部に凸部33a、33bが形成されている。電気接点部34a、34bは、リード線(不図示)を介して制御基板30に接続されている。接点ホルダ33が記憶手段20に接触するとき、電気接点部34a、34bは記憶手段接点部21a、21bに接触し、凸部33a、33bはクリーニング枠体12cの上面部に当接するように構成されている。接点ホルダ33の上面(図7の(a)において)に形成されたボス33c、33dが回動アーム32の本体部分32aに設けられた穴に摺動可能に嵌合する構成とすることで、接点ホルダ33は本体部分32aに対して矢印aで示す方向へ平行移動可能に取付けられている。そして、接点ホルダ33と本体部分32aの間に第2付勢手段であるばね35が配置され、接点ホルダ33を矢印aで示す方向の突出する方向に付勢している。
【0045】
以上のように、電気接続手段31は、L字状の回動アーム32の屈曲部分において、装置本体Aのフレーム部17の軸受け部材18に軸支された軸部材18aに回転可能にかつ軸方向(スラスト方向)に摺動可能に支持されており、矢印bで示す方向へ回動可能であり、さらに、矢印cで示す方向に摺動可能である。また、回動アーム32は、装置本体Aとの間に配置されたばね38(図1および図2参照)によって、軸部材18aの回りを反時計方向に付勢されている。
【0046】
次に、プロセスカートリッジ装着時の記憶手段20と装置本体側の電気接続手段31との接続構成について説明する。
【0047】
プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない時には、図2に示すように、電気接続手段31の回動アーム32は、ばね38の付勢力によって軸部材18aを中心にして反時計方向に付勢されて静止している。これにより、回動アーム32の本体部分32aに保持される接点ホルダ33および本体電気接点である電気接点部34a、34bはフレーム部17の上方に退避した状態に保持されている。
【0048】
そして、プロセスカートリッジBが装置本体Aのカートリッジ装着部位に装着される際に、プロセスカートリッジBが挿入されると、そのカートリッジ枠体12(クリーニング枠体12c)の先端部が回動アーム32の下方突出部分32bに当接し、プロセスカートリッジBのさらなる挿入に応じて下方突出部分32bが時計方向に押圧されることにより、電気接続手段31の回動アーム32はばね38の付勢力に抗して時計方向に回動する。そして、プロセスカートリッジBが所定のカートリッジ装着部位に装着されると、電気接続手段31の回動アーム32は、図1に示す位置で静止する。
【0049】
この電気接続手段31の回動アーム32の回動に際して、回動アーム32の本体部分32aに保持されている接点ホルダ33も同時に時計方向に移動する。そして、接点ホルダ33のばね材からなる電気接点部34a、34bがプロセスカートリッジBのカートリッジ電気接点である記憶手段接点部21a、21bに接触するとともに、接点ホルダ33に形成されている凸部33a、33bがクリーニング枠体12cの上面部に当接する。これにより、接点ホルダ33は図1に示す位置で静止する。ここで、接点ホルダ33を図中下方へ突出する方向に付勢するばね35のばね力は、電気接点部34a、34bのばね力の和に対して大きく設定されているため、接点ホルダ33の凸部33a、33bは、ばね35のばね力によって、クリーニング枠体12cに当接する。これにより、接点ホルダ33の凸部33a、33bがクリーニング枠体12cに直接当接するために、部品の公差による位置のずれが少なく、電気接点部34a、34bと記憶手段接点21a、21bの正確な位置精度と接点圧を得ることが可能である。
【0050】
また、プロセスカートリッジBの装着時において、プロセスカートリッジBの記憶手段20に隣接して設けられたガイドピン23がガイド部分32cの一対のガイドリブ36にガイドされて最終的に位置決めされる。このとき、接点ホルダ33は、回動アーム32とともに軸部材18aに沿って長手方向(矢印cで示す方向)に移動可能となっているため、接点ホルダ33はプロセスカートリッジBに追従して移動する。このため、長手方向(矢印cで示す方向)についても、電気接点部34a、34bと記憶手段接点部23a、23bを正確に位置決めすることができる。
【0051】
以上のように、本実施例によれば、カートリッジカバー14を開け、プロセスカートリッジBを取り外した時のようにプロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態では、装置本体側の電気接続手段31の電気接点部34a、34bは、装置本体Aのフレーム部17の上方に退避した位置にあるため、ユーザーに触れにくい。このため、ジャム処理等の理由でユーザーが装置本体Aの内部にアクセスする際の操作性を向上させるとともに、ユーザーの有する静電気によって、電気接点部34a、34b等にトラブルを生じることがない。
【0052】
また、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されて、装置本体に駆動がかかって、プロセスカートリッジB(カートリッジ枠体12)が移動する際に、接点ホルダ33はカートリッジ枠体12の回転方向と長手方向の両方について追従して動くために、駆動がかかっているかどうかに関係なく、常に安定した接点圧と位置精度を得ることができる。さらに、接点ホルダ33とカートリッジ枠体12が直接当接しているために、電気接点部34a、34bと記憶手段接点部21a、21bの正確な位置精度を得ることが可能である。
【0053】
上記のように装置本体Aの電気接続手段を構成することによって、プロセスカートリッジBの記憶手段20と装置本体Aとの電気的接続を安定させることができる。
【0054】
(第2の実施例)
次に、本発明の画像形成装置の第2の実施例を図8および図9を用いて説明する。本実施例は、記憶手段と電気的に接続する装置本体側の電気接続手段の構成が前述した第1の実施例と相違している。ここでは、前述した第1の実施例と相違する点についてのみを述べることにして、その他は省略する。なお、前述した第1の実施例と同様の部材には同一の符号を付して説明する。
【0055】
本実施例における電気接続手段41は、図8および図9に示すように、前述した第1の実施例と同様に、略L字状の形成された第1可動部材である回動アーム42と第2可動部材である接点ホルダ43とから構成され、この電気接続手段41は、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着された際にその記憶手段20に対向する位置に配設されている(図9参照)。
【0056】
回動アーム42は、接点ホルダ43を揺動可能に保持する本体部分42aと下方に突出してプロセスカートリッジBの装着時にカートリッジ枠体12の先端部が当接するように配置された下方突出部分42bとが略L字状に形成されている。また、回動アーム42の本体部分42aの側方には、図示しないけれども、前述した第1の実施例と同様に、ガイドピン23をガイド案内して嵌合するための一対のガイドリブを下面側に形成されたガイド部分が一体的に設けられている。そして、回動アーム42は、そのL字状の屈曲部分において、装置本体Aのフレーム部17に設けられた軸受け部材18に軸支された軸部材18aに回転可能にかつ軸方向(スラスト方向)に摺動可能に支持されている。
【0057】
また、接点ホルダ43は、略L字状の回動アーム42に対して回転軸43pを中心にして矢印dで示す方向へ回動可能に取付けられ、回動アーム42との間に配置されたばね45によって図8において時計方向に付勢されている。そして、接点ホルダ43の下面には、リン青銅の板ばね材に金メッキを施した電気接点部44a、44bが圧入することによって組み付けられて形成され、リード線(不図示)を介して制御基板30に接続されている。また、電気接点部44a、44bの外側部に、前述した第1の実施例と同様に、凸部(不図示)が形成されている。したがって、接点ホルダ43が記憶手段20に接触するとき、電気接点部44a、44bは記憶手段接点部21a、21bに接触し、凸部(不図示)はカートリッジ枠体12(クリーニング枠体12c)の上面部に当接するように構成されている。
【0058】
以上のように、電気接続手段41は、略L字状の回動アーム42の屈曲部分において、装置本体のフレーム部17の軸受け部材18に軸支された軸部材18aに回転可能にかつ軸方向(スラスト方向)に摺動可能に配設され、また、回動アーム42は、装置本体との間に配置されたばね48(図8および図9参照)によって、軸部材18aの回りを反時計方向に付勢されている。
【0059】
次に、装置本体A側の電気接続手段41と記憶手段20との接続構成について説明する。
【0060】
プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない時には、図8に示すように、電気接続手段41の回動アーム42は、ばね48の付勢力によって軸部材18aを中心にして反時計方向に付勢された位置で静止している。これにより、回動アーム42の本体部分42aに保持される接点ホルダ43および電気接点部44a、44bはフレーム部17の上方に退避した状態に保持されている。
【0061】
プロセスカートリッジBが装着される際には、プロセスカートリッジBのクリーニング枠体12cの先端部が回動アーム42の下方突出部分42bに当接し、プロセスカートリッジBのさらなる挿入に応じて下方突出部分42bが時計方向に押圧されることにより、電気接続手段41の回動アーム42はばね48の付勢力に抗して時計方向に回動する。そして、プロセスカートリッジBが所定の装着部位に装着されると、電気接続手段41の回動アーム42は、図9に示す位置で静止する。この電気接続手段41の回動アーム42の回動に際して、回動アーム42の本体部分42aに保持されている接点ホルダ43も同時に時計方向に回動する。そして、接点ホルダ43のばね材からなる電気接点部44a、44bがプロセスカートリッジBの記憶手段20の接点部21a、21bに接触するとともに、接点ホルダ43に形成されている凸部(不図示)が前述した実施例と同様に、クリーニング枠体12cの上面部に当接する。ここで、接点ホルダ43を矢印d方向の突出する方向に付勢するばね45のばね力は、電気接点部44a、44bのばね力の和に対して大きく設定されているため、接点ホルダ43の凸部は、ばね45のばね力によって、クリーニング枠体12cに当接する。これにより、接点ホルダ43の凸部とクリーニング枠体12cが直接当接するために、部品の公差による位置のずれが少なく、電気接点部44a、44bと記憶手段接点21a、21bの正確な位置精度と接点圧を得ることが可能である。
【0062】
また、プロセスカートリッジBの装着時における電気接続手段の長手方向位置についても、前述した第1の実施例と同様に、電気接続手段はプロセスカートリッジBに追従して移動し、正確に位置決めすることができる。
【0063】
以上のように、本実施例においても、カートリッジカバー14を開け、プロセスカートリッジBを取り外した時のようにプロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態では、装置本体側の電気接点部44a、44bは、装置本体のフレーム部17の上方に退避した位置にあるため、ユーザーに触れにくい。このため、ジャム処理等の理由でユーザーが本体内部にアクセスする際の操作性を向上させるとともに、ユーザーの有する静電気によって、電気接点部44a、44b等にトラブルを生じることがない。
【0064】
また、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されて、装置本体に駆動がかかって、プロセスカートリッジB(カートリッジ枠体12)が移動する際に、接点ホルダ43がカートリッジ枠体12の回転方向と長手方向の両方について追従して動くために、駆動がかかっているかどうかに関係なく、常に安定した接点圧と位置精度を得ることができる。さらに、接点ホルダ43とクリーニング枠体12cが直接当接しているために、電気接点部44a、44bと記憶手段接点部21a、21bの正確な位置精度を得ることが可能である。
【0065】
上記のようにプロセスカートリッジおよび装置本体の電気接続手段を構成することによって、記憶手段20と装置本体との電気的接続を安定させることができる。
【0066】
(第3の実施例)
次に、本発明の画像形成装置の第3の実施例を図10および図11を用いて説明する。本実施例は、記憶手段と電気的に接続する装置本体側の電気接続手段の構成が前述した第1および第2の実施例と相違している。ここでは、前述した第1および第2の実施例と相違する点についてのみを述べることにして、その他は省略する。なお、前述した第1および第2の実施例と同様の部材には同一の符号を付して説明する。
【0067】
本実施例における電気接続手段51は、図10および図11に示すように、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着された際にその記憶手段20に対向する位置に配設されており、この電気接続手段51は、略L字状に形成された回動アーム52を有し、この回動アーム52は、リン青銅の板ばね材に金メッキを施した電気接点部54a、54bが組み付けられた本体部分52aと下方に突出してプロセスカートリッジBの装着時にカートリッジ枠体12の先端部が当接するように配置された下方突出部分52bとで形成されている。また、回動アーム52の本体部分52aの下面にはクリーニング枠体12cの上面に当接する凸部52cが形成されており、さらに、本体部分52aの側方には、図示しないけれども、前述した第1の実施例と同様に、ガイドピン25をガイド案内して嵌合するための一対のガイドリブを下面側に形成されたガイド部分が一体的に設けられている。
【0068】
回動アーム52は、さらに、そのL字状の屈曲部分に長穴52dが形成されており、この長穴52dを介して、装置本体のフレーム部17に設けられた軸受け部材18に軸支された軸部材18aに支持されており、矢印hで示す方向へスライド移動可能でかつ矢印gで示す方向へ回転可能になっている。また、回動アーム52は、装置本体Aとの間に配置されたばね58によって、軸部材18aの回りを反時計方向に付勢されている。したがって、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない時には、図10に示すように、回動アーム52は、軸部材18aに長穴52dの上端縁が接した状態で反時計方向に付勢され、図10に示す位置で静止する。これにより、電気接点部54a、54bは装置本体のフレーム部17の上方に退避した位置にある。
【0069】
ここで、プロセスカートリッジBが装着される際には、プロセスカートリッジBのクリーニング枠体12cの先端部が回動アーム52の下方突出部分52bに当接して、プロセスカートリッジBのさらなる挿入に応じて下方突出部分52bが時計方向に押圧されることにより、電気接続手段51の回動アーム52はばね58の付勢力に抗して時計方向に回動する。このため、プロセスカートリッジBが所定のカートリッジ装着部位に装着されると、回動アーム52は、図11に示す位置で静止する。また、回動アーム52の下面に形成されている凸部52cがクリーニング枠体12cの上面部に当接することで、回動アーム52は、回動方向の位置について、図11に示す位置に位置決めされて静止する。これによって、前述した第1および第2の実施例と同様に、電気接点部54a、54bと記憶手段接点21a、21b間の位置決めを正確に行うことができる。
【0070】
ここで、ばね58のばね力は、電気接点部54a、54bのばね力の和に対して大きく設定されているため、回動アーム52の凸部52cは、ばね58のばね力によって、クリーニング枠体12cに当接する。ここで、回動アーム52とクリーニング枠体12cが直接当接しているために、部品の公差による位置のずれが少なく、電気接点部54a、54bと記憶手段接点部21a、21bの正確な位置精度と接点圧を得ることが可能である。
【0071】
また、プロセスカートリッジBの装着時における電気接続手段の長手方向位置についても、前述した第1および第2の実施例と同様に、電気接続手段はプロセスカートリッジBに追従して移動し、正確に位置決めすることができる。
【0072】
以上のように、本実施例においても、カートリッジカバー14を開け、プロセスカートリッジBを取り外した時のようにプロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態では、装置本体側の電気接点部54a、54bは、装置本体のフレーム部17の上方に退避した位置にあるため、ユーザーに触れにくい。このため、ジャム処理等の理由でユーザーが本体内部にアクセスする際の操作性を向上させるとともに、ユーザーの有する静電気によって、電気接点部54a、54b等にトラブルを生じることがない。
【0073】
また、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されて、装置本体に駆動がかかって、プロセスカートリッジB(カートリッジ枠体12)が移動する際に、回動アーム52がカートリッジ枠体12の回転方向と長手方向について追従して動くために、駆動がかかっているかどうかに関係なく、常に安定した接点圧を得ることができる。さらに、回動アーム52とクリーニング枠体12cが直接当接しているために、電気接点部54a、54bとカートリッジ電気接点21a、21bの正確な位置精度を得ることが可能である。
【0074】
さらに、本実施例においては、電気接続手段51を回動アーム単独で構成しているため部品点数が少なく、コストの点で有利である。
【0075】
上記のようにプロセスカートリッジおよび装置本体の電気接続手段を構成することによって、記憶手段20と装置本体との電気的接続を安定させることができる。
【0076】
(第4の実施例)
次に、本発明の画像形成装置の第4の実施例を図12ないし図15を用いて説明する。本実施例は、記憶手段と電気的に接続する装置本体側の電気接続手段の構成が前述した実施例と相違している。ここでは、前述した実施例と相違する点についてのみを述べることにして、その他は省略する。なお、前述した第1ないし第3の実施例と同様の部材には同一の符号を付して説明する。
【0077】
本実施例におけるプロセスカートリッジBには、図15に示すように、カートリッジ枠体12の外面、特に、クリーニング枠体12cの上面、に記憶手段20が取付けられており、記憶手段20は、前述した実施例と同様に、メモリチップ20aとその両側の接点部21a、21bを基板22上に有するものである。そして、記憶手段20に隣接してガイドピン23が設けられている。このガイドピン23は、プロセスカートリッジBを装置本体Aに装着する際に、装置本体側の電気接続手段61のスラスト方向の位置を決めるために電気接続手段61のガイドリブ66と係合する位置に配置されている。
【0078】
次に、装置本体側に設けられた電気接続手段の構成について、図12ないし図14を用いて説明する。
【0079】
プロセスカートリッジBに配置された記憶手段20に対する情報を読み書きするための電気接続手段61は、図12に示すように、プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着された際にその記憶手段20に対向する位置に配設されている。電気接続手段61は、図14に示すように記憶手段接点部21a、21bと接触して情報の通信を行うためのばね材からなる電気接点部63a、63bと、プロセスカートリッジBに設けられているガイドピン23をガイド案内して位置決めするための一対のガイドリブ66を下面に有する接点ホルダ62を備え、接点ホルダ62の一端縁およびガイドリブ66の一端縁部にはプロセスカートリッジBの装着を確実に行うためにテーパ部62aが形成されている。
【0080】
さらに、接点ホルダ62は、装置本体Aのフレーム部17に設けられた軸受け部材18に矢印jで示す方向に回転可能に軸支される軸部材62bも具備している。この軸部材62bはさらに軸受け部材18に対して矢印kで示すスラスト方向に移動可能で、プロセスカートリッジBが装置本体に装着されたときのスラスト方向へのガタよりも長い長さであり、スラスト方向の移動により軸部材62bが軸受け部材18から抜け落ちることはない。
【0081】
接点ホルダ62とフレーム部17との間に圧縮ばね68が配置されていて、接点ホルダ62はフレーム部17から離れる方向(軸部材62bを中心にして時計方向)に付勢されている。このとき接点ホルダ62の回転止め部(不図示)とフレーム部17が当接することにより、ある位置以上は接点ホルダ62が回転しないようになっている。
【0082】
次に、プロセスカートリッジ装着時の記憶手段20と装置本体側の電気接続手段61との接続構成について説明する。
【0083】
電気接続手段61の接点ホルダ62は、プロセスカートリッジBが装着されていないときは図12に示すような状態にある。この状態からプロセスカートリッジBを装着すると、プロセスカートリッジBのカートリッジ枠体12の先端部が接点ホルダ62のテーパ部62aに当接して、接点ホルダ62は軸部材62bを中心にして圧縮ばね68のばね力に抗して反時計方向に回転する。その後、図13に示すように、接点ホルダ62のばね材からなる電気接点部63a、63bは記憶手段接点部21a、21bと適切な接触圧をもって当接するように位置する。このときカートリッジ枠体12のガイドピン23は、図14に示すように、一対のガイドリブ66の溝に位置することになる。
【0084】
この状態で装置本体Aに駆動がかかりプロセスカートリッジBがスラスト方向に移動すると、カートリッジ枠体12のガイドピン23と一対のガイドリブ66がスラスト方向に嵌合しているので、カートリッジ枠体12の移動に伴って接点ホルダ62の軸部材62bが軸受部18に対してスライドし、接点ホルダ62がスラスト方向に移動して、記憶手段接点部21a、21bと電気接点部63a、63bは一体的にスラスト方向に移動することになる。これにより、記憶手段接点部21a、21bと電気接点部63a、63bはスラスト方向に擦れることがない。
【0085】
また、装置本体Aに駆動がかからなくなったときは、プロセスカートリッジBは前記とは逆方向にスラスト移動することになるが、その場合も同様に記憶手段接点部21a、21bと電気接点部63a、63bは一体的に動くことになる。
【0086】
以上のように、記憶手段20とガイドピン23を有するプロセスカートリッジBを装置本体Aに装着した際に、プロセスカートリッジBに対してスラスト方向に位置決めされる一対のガイドリブ66を有する接点ホルダ62を装置本体Aに配置することによって、プロセスカートリッジBのスラスト方向の移動と同時に接点ホルダ62も一体的に移動し、記憶手段20や電気接点部63a、63bの削れや変形などが起こらず電気的接続を安定させることができる。
【0087】
(第5の実施例)
次に、本発明の画像形成装置の第5の実施例を図16ないし図19を用いて説明する。本実施例は、プロセスカートリッジの記憶手段と電気的に接続する装置本体側の電気接続手段の構成が前述した実施例と相違している。ここでは、前述した実施例と相違する点について述べることにし、その他は省略する。なお、前述した第1ないし第4の実施例と同様の部材には同一の符号を付して説明する。
【0088】
本実施例におけるプロセスカートリッジBには、図19に示すように、カートリッジ枠体12の外面、特に、クリーニング枠体12cの上面、に記憶手段20が取付けられており、記憶手段20は、前述した実施例と同様に、メモリチップ20aとその両側の接点部21a、21bを基板22上に有するものである。そして、記憶手段20に隣接して記憶手段20を中心に対称な位置に磁石がくっつくための金属プレート24a、24bが配置されている。この金属プレート24a、24bは金属面が剥き出しになっていてもよいが、磁石がひっつく程度に別の部材で覆われていてもよい。また、プロセスカートリッジBを装置本体に装着する際、電気接続手段に当接してこれを押すための2個の押出しリブ25a、25bが形成されている。
【0089】
次に、装置本体側に設けられた電気接続手段の構成について、図16ないし図18を用いて説明する。
【0090】
本実施例における電気接続手段71は、図18の(a)および(b)に示すように、記憶手段接点部21a、21bと接して情報の通信を行うためのばね材からなる電気接点部73a、73bを形成する接点ホルダ72と、接点ホルダ72に当接してこれを分離可能に保持するホルダ保持部材80とから構成されている。
【0091】
接点ホルダ72は、その下面中央部に下面に平行な面74aとその面74aからプロセスカートリッジBが装着してくる側に向けて上方に傾斜したテーパ面74bとで構成される中央凹部74が形成され、このテーパ面74bに一対のばね材からなる電気接点部73a、73bが配置されている。中央凹部74の両側に位置する下面が、プロセスカートリッジBのカートリッジ枠体12(12c)の上面に当接しうるように形成された平坦な接合面75であり、その接合面75には、カートリッジ枠体12(12c)の上面に配置された金属プレート24a、24bに対応する位置に磁石76a、76bを内蔵している。また、接合面75と直交する面でプロセスカートリッジBが装着してくる側の面をホルダ押出し面77とし、そのホルダ押出し面77にはホルダ保持部材80を吸着するための磁石78a、78bが内蔵されている。接点ホルダ72からは装置本体の制御部(不図示)と電気的通信を行うためのリード線79(図16および図17参照)が接続されている。
【0092】
一方、接点ホルダ72を分離可能に保持するホルダ保持部材80は、接点ホルダ72のホルダ押出し面77に対向してこのホルダ押出し面77の磁石78a、78bに吸着される被当接面81と、接点ホルダ72の中央凹部74に挿入されて接点ホルダ72を支持するように形成されたコ字状の支持部82で構成されている。被当接面81の幅方向の長さは接点ホルダ72の幅よりも狭くなっている。このホルダ保持部材80は全体が金属で構成されていてもよいし、磁石78a、78bと当接する部分だけに金属材を組み込む構成でもよい。
【0093】
以上のように構成される電気接続手段71は、図16および図17に示すように、プロセスカートリッジBを装着するカートリッジ装着部位の上方のフレーム部17に取付けられ、電気接続手段71のホルダ保持部材80は、カートリッジ装着部位よりプロセスカートリッジBが装着してくる側にやや偏倚した部位に取付けられている。プロセスカートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態では、図16および図18の(b)に示すように、接点ホルダ72は、中央凹部74にホルダ保持部材80のコ字状の支持部82が挿入され、磁石78a、78bが被当接面81に当接して、ホルダ保持部材80に吸着保持されている。
【0094】
プロセスカートリッジを装置本体に装着する際に、電気接続手段71は図16および図18の(b)に示す状態にあり、接点ホルダ72のホルダ押出し面77の両側端部がホルダ保持部材80の被当接面81からはみ出して露出した状態にある。この状態でプロセスカートリッジBを装着すると、プロセスカートリッジBの押出しリブ25a、25bが接点ホルダ72のホルダ押出し面77の両側端部に当接してこれを押圧し、接点ホルダ72の磁石78a、78bを被当接面81から引き離すように押圧することになる。これと同時に、プロセスカートリッジBに配置されている金属プレート24a、24bが接点ホルダ72の接合面75と対向する位置にくるので、磁石78a、78bが被当接面81から引き離されると同時に接合面75に内蔵されている磁石76a、76bがプロセスカートリッジBの金属プレート24a、24bを吸着し、接点ホルダ72はプロセスカートリッジBの上面に吸着保持されることになる(図17参照)。
【0095】
このとき、接点ホルダ72は、装置本体Aとリード線79のみでつながれており、装置本体Aに対してフレキシブルに動くことができる。このように、接点ホルダ72は、プロセスカートリッジBと一体化され、プロセスカートリッジBのスラスト方向の動きに対して一体的に動くので、電気接点部73a、73bと記憶手段接点部21a、21bが擦れることがなく、電気接点部73a、73bと記憶手段接点部21a、21bの削れや変形を防ぐことができる。
【0096】
また、プロセスカートリッジBを装置本体Aから抜き出す場合は、接点ホルダ72の中央凹部74とホルダ保持部材80のコ字状支持部82がプロセスカートリッジBの着脱方向に対して直線状に位置するので、プロセスカートリッジBの抜き出し動作に伴って、ホルダ保持部材80のコ字状支持部82は、中央凹部74のテーパ面74bから面74aに接するようになり、接点ホルダ72はプロセスカートリッジBから剥がされる方向に力を受ける。それと同時に接点ホルダ72は被当接面81の方に移動するので、磁石78a、78bと被当接面81が近づくことになる。この状態からさらにプロセスカートリッジBを抜き出すと、図16および図18の(b)に示すように磁石78a、78bと被当接面81がくっついた状態になり、接点ホルダ72はプロセスカートリッジBから離れてホルダ保持部材80に保持されるようになる。
【0097】
前述した本実施例では、接点ホルダ72とホルダ保持部材80、および接点ホルダ72とプロセスカートリッジBの接合方法を磁石と金属で構成したが、可撓性部材を用いて、スナップフィット構造などの手段を用いて接点ホルダを保持するようにしてもよい。
【0098】
以上のように、本実施例によれば、装置本体側の電気接続手段の電気接点部を、プロセスカートリッジの装着時には、プロセスカートリッジに一体的に結合させることができ、プロセスカートリッジへの駆動の有無による姿勢変化やスラスト方向の動きが生じても、プロセスカートリッジの記憶手段と装置本体の電気接続手段との電気的接続を常に良好に安定して行うことができる。
【0099】
以上説明したように、本実施例によれば、プロセスカートリッジに設けられたカートリッジ電気接点と装置本体に設けられた本体電気接点との電気的接続を良好に行うことができる。特に、プロセスカートリッジへの駆動の有無による姿勢変化や部品のバラツキによるカートリッジ電気接点の位置変化が生じてもこれらに関係なく、常に安定した電気的接続を可能にする。
装置本体側の本体電気接点をプロセスカートリッジのカートリッジ電気接点に追従させることにより、安定した接点圧を維持させることができ、さらに、プロセスカートリッジのスラスト方向の動きによる電気接点部の擦れをなくすることができ、電気接点部の削れや変形をなくし、電気的接続を確実に行える状態を維持することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プロセスカートリッジに設けられたカートリッジ電気接点と装置本体に設けられた本体電気接点との電気的接続を良好に行うことができる。特に、プロセスカートリッジへの駆動の有無による姿勢変化や部品のバラツキによるカートリッジ電気接点の位置変化が生じてもこれらに関係なく、本体電気接点を有する可動部材がカートリッジ枠体に追従して動くために常に安定した電気的接続を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の第1実施例の構成を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の第1実施例の要部を拡大して示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着していない状態を示す。
【図3】 本発明の画像形成装置の第1実施例におけるプロセスカートリッジの断面図である。
【図4】 本発明の画像形成装置の第1実施例におけるプロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図5】 本発明の画像形成装置の第1実施例におけるカートリッジ装着部位を示す概略的な斜視図である。
【図6】 本発明の画像形成装置の第1実施例におけるカートリッジ装着部位においてプロセスカートリッジの受ける力を説明するための概略図である。
【図7】 本発明の画像形成装置の第1実施例における電気接続手段を示す図であり、(a)は全体の斜視図、(b)は電気接続手段の接点ホルダの斜視図である。
【図8】 本発明の画像形成装置の第2実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着していない状態を示す。
【図9】 本発明の画像形成装置の第2実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着している状態を示す。
【図10】 本発明の画像形成装置の第3実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着していない状態を示す。
【図11】 本発明の画像形成装置の第3実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着している状態を示す。
【図12】 本発明の画像形成装置の第4実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着していない状態を示す。
【図13】 本発明の画像形成装置の第4実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着している状態を示す。
【図14】 本発明の画像形成装置の第4実施例における電気接続手段を示す斜視図である。
【図15】 本発明の画像形成装置の第4実施例におけるプロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図16】 本発明の画像形成装置の第5実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着していない状態を示す。
【図17】 本発明の画像形成装置の第5実施例を示す構成図であり、プロセスカートリッジを装着している状態を示す。
【図18】 本発明の画像形成装置の第5実施例における電気接続手段を示す図であり、(a)は接点ホルダがホルダ保持部材から分離した状態の電気接続手段の斜視図、(b)は接点ホルダがホルダ保持部材に吸着保持されている状態の電気接続手段の斜視図である。
【図19】 本発明の画像形成装置の第5実施例におけるプロセスカートリッジの外観斜視図である。
【符号の説明】
A 画像形成装置
B プロセスカートリッジ
1 光学系
2 記録媒体
3a 記録媒体カセット
3b ピックアップローラ
3c 搬送ローラ対
3d ガイド板
3e 排出ローラ対
4 転写ローラ
5 定着手段
6 排出トレイ
7 感光体ドラム
8 帯電ローラ
10 現像ローラ
10a 現像剤収納部
10c 現像ブレード
11 クリーニングブレード
11a 除去現像剤溜め
12 カートリッジ枠体
12a 現像剤収納枠体
12b 現像装置枠体
12c クリーニング枠体
12c1 ボス
12c2 長手ガイド部
14 カートリッジカバー
15 装着ガイド部材
15a、15c ガイド部
15b カートリッジ位置決め部
17 フレーム部
18 軸受け部材
18a 軸部材
20 記憶手段
20a メモリチップ
21a、21b (記憶手段)接点部
22 基板
23 ガイドピン
24a、24b 金属プレート
25a、25b 押出しリブ
30 制御基板
31;41;51 電気接続手段
32;42;52 回動アーム
32a;42a;52a 本体部分
32b;42b;52b 下方突出部分
32c ガイド部分
33;43 接点ホルダ
33a、33b 凸部
33c、33d ボス
34a、34b;44a、44b;54a、54b 電気接点部
35;45 ばね
36 ガイドリブ
38;48;58 ばね
43p 回転軸
52c 凸部
52d 長穴
61 電気接続手段
62 接点ホルダ
62a テーパ部
62b 軸部材
63a、63b 電気接点部
66 ガイドリブ
68 ばね
71 電気接続手段
72 接点ホルダ
73a、73b 電気接点部
74 中央凹部
75 接合面
76a、76b 磁石
77 ホルダ押出し面
78a、78b 磁石
80 ホルダ保持部材
81 被当接面
82 支持部
Claims (5)
- プロセスカートリッジを着脱可能な、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
(i)移動可能に設けられた可動部材と、
(ii)前記可動部材に設けられた本体電気接点と、
(iii )電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、
カートリッジ枠体と、
情報を記憶する記憶素子と、
前記記憶素子と電気的に接続するカートリッジ電気接点であって、前記プロセスカートリッジを前記画像形成装置の装置本体に装着した際に、前記本体電気接点と電気的に接続する、前記カートリッジ枠体に設けられたカートリッジ電気接点と、
前記カートリッジ枠体に設けられた当接部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する途中において、前記可動部材と当接して、前記カートリッジ電気接点と前記本体電気接点とが電気的に接続するように前記可動部材を移動させる、さらに、前記カートリッジ電気接点が前記本体電気接点と電気的に接続した後は、前記可動部材によって前記本体電気接点を前記カートリッジ電気接点に押圧するために前記可動部材を押圧する当接部と、
を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着部材と、
(iv)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記可動部材は、前記装置本体に対して、スライド移動及び回転移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- さらに、前記画像形成装置は、
前記可動部材と、前記装置本体との間に、前記本体電気接点を前記カートリッジ電気接点から離間する方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 - さらに、前記画像形成装置は、
前記可動部材に移動可能に設けられた前記本体電気接点を支持する第2可動部材と、
前記可動部材と、前記第2可動部材との間に設けられた、前記本体電気接点を前記カートリッジ電気接点に接触する方向に付勢する第2付勢手段と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記可動部材は、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する際に、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する装着方向とは交差する方向において、前記プロセスカートリッジに設けられたカートリッジガイド部と係合して、位置決めする本体ガイド部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
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