JP3804372B2 - 自動車のペダル支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の操作ペダルの支持構造に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の衝突(前突)時には、その衝突を回避するためにドライバがブレーキペダルを踏んで自動車を制動しているにも拘わらず、自動車が停止せずに衝突してしまうという、ブレーキペダルの踏込み状態での衝突が多いのが実情である。
【0003】
その場合、衝突に伴って車体前部が衝突エネルギーを吸収しながら潰れ、エンジンルーム内に配置されているエンジンが、その後側に位置するブレーキ装置のマスタシリンダを押しながら後退するが、このマスタシリンダに対し、ダッシュパネル後方に位置するブレーキペダルがオペレーティングロッドを介して連結されているので、マスタシリンダの後退移動に伴いオペレーティングロッドを介してプレーキペダルも押されて後退することとなる。その結果、衝突直前までブレーキペダルを踏んでいるドライバの足に衝突荷重が作用して大きなキックバックが生じ、そのドライバの膝に衝撃がかかるという問題がある。
【0004】
そこで、従来、このような問題に対処するために種々の対策が提案されている。例えば特開平9−216528号公報に示されるものでは、ダッシュパネルに固定されたペダルブラケットに回転リンクを車幅方向の固定軸を介して揺動可能に支持するとともに、この回転リンクに車幅方向の回転軸を介してブレーキペダルを連結支持し、回転リンクと車室内の車体側部材であるインパネメンバとの間に固定軸の上側を通るスプリングを掛け渡して、回転リンクを後回り方向に回動付勢し、インパネメンバに、衝突によりペダルブラケットとともに後退移動する回転リンクに当接する当接部を設け、衝突に伴ってペダルブラケットが後退移動したときにブレーキペダルの支持部材である回転リンクをインパネメンバの当接部に当接させて前回りに回動させながら脱落させることで、ブレーキペダル下端のペダル部が後退移動しないようにし、ドライバの膝にブレーキペダルからの衝突荷重が作用するのを防ぐようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のものでは、回転リンクを当接させる当接部材を別途、車室の車体側部材として設定する必要があり、また、回転リンクを付勢するようにスプリングを備えるなど構造が複雑でコスト的に高価なものとなるのは否めない。また、自動車の衝突時に回転リンクと当接部材とが的確に当接して、上記回転リンクが前回りに回動しながら脱落するという作動の信頼性に難がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダッシュパネルの後方に配置されるブレーキペダル等の操作ペダルの支持構造を改良することで、
自動車のペダル支持構造を、高強度で簡単且つ軽量である構造とするとともに、自動車の衝突時に操作ペダルが後方移動するのを可及的に防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、操作ペダルを枢着する第1ブラケットを、車室の車体側部材に固定せしめた第2ブラケットに離脱可能に連結して、自動車の衝突時に所定以上の衝突荷重がかかった場合、第1ブラケットと第2ブラケットとの連結を切り離して片持ち状態とするとともに、操作ペダルの上端を第2ブラケットの傾斜ガイド面に沿って下側に移動させることで第1ブラケットを曲げて操作ペダルの後退移動を防止するようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、自動車のダッシュパネル後方に配設された操作ペダルの支持構造であって、上記ダッシュパネルに固定された第1ブラケットと、上記第1ブラケットに揺動可能に枢着された上記操作ペダルと、車室の車体側部材に固定され、上記第1ブラケットの後部に所定以上の衝突荷重により離脱可能に連結された第2ブラケットとを備え、この第2ブラケットは、後部の上下中央に後側に開いた切欠凹部を有する略く字形状の部材からなっていて、その切欠凹部にボルトを挿通して締結することにより第1ブラケットの後部に連結されている。また、上記第2ブラケットは、自動車の衝突に伴って第2ブラケットからの離脱により片持ち状態となった第1ブラケットと共に後退する操作ペダルの上端に当接して該操作ペダルを下側に案内する傾斜ガイド面を下部に備えている。
【0009】
上記の構成によると、操作ペダルを枢着した第1ブラケットの前端下部はダッシュパネルに支持される一方、後部上端は第2ブラケットに連結され、この第2ブラケットは車室の車体側部材に固定されているので、通常時には操作ペダルは第2ブラケットと一体化された状態で第1ブラケットに支持されている。
【0010】
これに対し、自動車の衝突時に車体に所定以上の衝突荷重が作用すると、その衝突荷重によりエンジンが車体後方に押されてダッシュパネル、シリンダ等が後退移動し、このダッシュパネルに固定された第1ブラケットも後退して、第1ブラケットと第2ブラケットとの連結が離脱される。すなわち、第1ブラケットの後退移動に伴い、第1及び第2ブラケットの連結部にあるボルトが第2ブラケットの切欠凹部から後側に抜け出して、両ブラケットが連結部で離脱し、第1ブラケットはダッシュパネルのみにて支持された片持ち状態となる。このとき、第2ブラケットの下部には第1ブラケットに枢着されている操作ペダルの後退を案内する傾斜ガイド面が設けられているため、上記第1ブラケットが第2ブラケットから離脱して後退し始めると、その第1ブラケットに枢着されて該第1ブラケッ トと共に後退する操作ペダルの上端が傾斜ガイド面に当接し、その操作ペダルは傾斜ガイド面に沿って下側へ移動するように案内される。このため、第1ブラケットの後部がダッシュパネルの変形に伴い後退しながら下側に押されるので、第1ブラケット全体が折り曲げられるとともに、操作ペダルが第1ブラケットと同様の動きでは後退せずに下側へ移動するようになり、操作ペダルを踏んでいるドライバの膝に衝突荷重が作用するのを防止できる。加えて、第1ブラケットの後部は第2ブラケットの前端部に、略く字状の第2ブラケット後部の切欠凹部へ挿通されたボルトの締結によって離脱可能に連結されているので、衝突時の所定以上の衝突荷重によって確実に第1ブラケットと第2ブラケットとの連結を離脱させることができ、操作ペダルの下側への案内によってドライバの膝への衝撃を防ぐことができる。
【0011】
また、ダッシュパネルに第1ブラケットを固定し、この第1ブラケットに揺動可能に操作ペダルを枢着し、第1ブラケットの後部を車室の車体側部材に固定した第2ブラケットの前端部に連結するだけの構造であるので、操作ペダルが支持された回転リンクを車体側部材の当接部に当接させて回転させる従来の構造と比較すると、構造も極めて簡単になってコストダウンを図ることができる。
【0012】
請求項2の発明では、上記操作ペダルにシリンダ側のロッドを連結し、このシリンダ側のロッドの軸線方向と第2ブラケットのガイド面の傾斜方向とを略平行に設定する。
【0013】
上記の構成により、自動車の衝突時に第1ブラケットと第2ブラケットとの連結が離脱した後、操作ペダルの上端が第2ブラケットの傾斜ガイド面に当接して後退移動する際に、操作ペダルの上端がシリンダ側のロッドとほぼ一定の距離を保ったまま後退移動する。つまり、シリンダ側のロッドから操作ペダルに衝突荷重が作用したときに該操作ペダルに無理な荷重がかかることがなく、操作ペダルはスムーズに上記傾斜ガイド面に沿って後退移動するようになり、上記効果を確実に得ることができる。
【0014】
請求項3の発明では、上記自動車のペダル支持構造において、第1ブラケットの操作ペダル枢着部は、第1ブラケットのダッシュパネル取付部よりも車体上側に設けられている。こうすれば、操作ペダルの枢着部とダッシュパネル取付部との間に上下方向の大きなオフセット量を設けることができ、自動車の衝突時に操作ペダルのスムーズな下方移動を促して、第1ブラケットを曲がりやすくする。
【0015】
請求項4の発明では、上記自動車のペダル支持構造において、操作ペダルはブレーキペダルである。こうすると、上記発明の効果が有効に発揮される最適な操作ペダルが得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の全体構成を示し、1は自動車の車体の一部を構成するダッシュパネル1で、その前側(図で左側)には図外のエンジンが収容されるエンジンルームR1が、また後部(図で右側)には車室R2がそれぞれ区画形成され、このダッシュパネル1下部の後方、つまり車室R2内下部の前端部には、運転席(図示せず)に着座したドライバによって踏込み操作される操作ペダルとしてのブレーキペダル8が配設されている。
【0017】
すなわち、上記ダッシュパネル1には下側に向かって前側に傾斜する傾斜面部1aが形成され、この傾斜面部1aの後面には第1ブラケット2がボルト部材3,3,…により固定されている。この第1ブラケット2は、ダッシュパネル1の傾斜面部1aにそれと平行にかつ傾斜面部1aから所定間隔をあけた状態で取り付けられる矩形板状の固定部2aと、この固定部2aから後側上方に向かって延びる断面略コ字形状の支持部2bとを備え、この支持部2bの後端上部は、ボルト4により後述の第2ブラケット5と連結されている。また、固定部2aの中心部には後述のオペレーティングロッド11が挿通される開口(図示せず)が形成されている。
【0018】
上記第1ブラケット2の支持部2bにおける上端部近傍の縦壁部間には左右方向(自動車の車幅方向)に延びるペダル支持軸9が掛け渡され、このペダル支持軸9には上記ブレーキペダル8の上端部が鉛直面に沿って揺動可能に支持されている。このブレーキペダル8は細長い板状のもので、その下端部にはドライバが足を載せて踏み込むペダル部8aが設けられている。
【0019】
また、上記第1ブラケット2においてペダル支持軸9が掛け渡される操作ペダル枢着部9aは、第1ブラケット2のダッシュパネル1への取付部である固定部2aの上端部よりも車体上側に設けられている。
【0020】
さらに、上記ペダル支持軸9の囲りには付勢手段としてのコイルばね10が配置支持され、このコイルばね10の一端部は第1ブラケット2における支持部2bの縦壁部に、また他端部はブレーキペダル8にそれぞれ係合されており、このコイルばね10により常時、ブレーキペダル8をペダル部8aが車体後方に向かう方向、つまり図1で反時計回り方向に回動付勢している。尚、コイルばね10以外の付勢手段を用いることができるのは勿論である。
【0021】
上記ブレーキペダル8の中間部つまり上下中央部よりも上側寄りには、エンジンルームR1の後端部に位置する、ブレーキ装置のマスタシリンダ(図示せず)にマスタバック12(倍力装置)を介して駆動連結されるオペレーティングロッド11(シリンダ側のロッド)が連結されている。このオペレーティングロッド11は、第1ブラケット2における固定部2aの開口と、ダッシュパネル1の傾斜面部1aに貫通形成した開口(図示せず)とを通ってエンジンルームR1後端部のマスタバック12に連結されており、ブレーキペダル8のペダル部8aを踏み込んでブレーキペダル8を図1で時計回り方向に回動させたときに、オペレーティングロッド11を前側に押してマスタバック12を作動させ、そのマスタバック12によりマスタシリンダに対する押圧力を増大させながらマスタシリンダによりブレーキをかけるようになっている。
【0022】
上記第1ブラケット2後方の車室R2前端部には、車体の一部を成す車幅方向に延びる車体側部材としてインパネメンバ7が配置されている。このインパネメンバ7は自動車の衝突時(前突時)に車室R2の乗員のスペースを確保するために後退移動しない構造のもので、その前端下部には第2ブラケット5が後端上部にてボルト6を用いて締結固定されている。
【0023】
そして、上記第2ブラケット5は、後端部の上下中央に後側に開いた切欠凹部5bを有する略く字形状の部材からなるもので、その切欠凹部5bに上記ボルト4が挿通されており、このボルト4の締結により第2ブラケット5が第1ブラケット2の後部に連結され、所定以上の後向きの衝突荷重が第1ブラケット2に作用したときに、第1ブラケット2と一体のボルト4が第2ブラケット5の切欠凹部5bから抜け出して、第2ブラケット5から第1ブラケット2が離脱可能となっている。第2ブラケット5の下部には傾斜ガイド面5aが形成されている。この傾斜ガイド面5aは、車体後方に向かって下方へ向かうように傾斜し、通常時にはブレーキペダル8の上端と当接していないが、自動車の衝突時にブレーキペダル8の上端と当接してブレーキペダル8を下側に案内する。
【0024】
よって、ブレーキペダル8を枢着した第1ブラケット2の前端部はダッシュパネル1に固定され、第1ブラケット2の後端上部は車室の車体側部材であるインパネメンバ7に固定した第2ブラケット5に連結されていて、ブレーキペダル8は第1及び第2ブラケット2,5を介してダッシュパネル1及びインパネメンバ7に支持される構造となっている。
【0025】
上記シリンダ側のロッドであるオペレーティングロッド11は、ダッシュパネル1の傾斜面部1aと直交するように、従って、後側に向かって下側に向かうように傾斜している。尚、L1は上記第2ブラケット5の傾斜ガイド面5aの傾斜方向、L2はマスタシリンダ側のオペレーティングロッド11の軸線方向である。
【0026】
次に、上記実施形態の作用について説明する。自動車が衝突しない通常の状態では、図1に実線にて示すように、第1ブラケット2の前端がダッシュパネル1に固定される一方、後端上部は、車室の車体側部材であるインパネメンバ7に固定した第2ブラケット5にボルト4を介して一体的に連結され、この第1ブラケット2の後部にブレーキペダル8が揺動可能に枢着されているため、自動車の制動時にドライバがブレーキペダル8を踏み操作すると、通常と同様の動作が行われる。すなわち、ブレーキペダル8の踏み操作に伴ってオペレーティングロッド11が前進移動するとともに、そのオペレーティングロッド11の押圧力がマスタバック12で増大されてマスタシリンダに伝達され、このマスタシリンダからのブレーキ圧が各車輪のホイールシリンダ(図示せず)に伝達されて自動車が制動される。
【0027】
これに対して、上記のようにドライバがブレーキペダル8を踏み込んだ制動状態のまま自動車が衝突(前突)すると、車体前部が潰れながら後退するために、エンジンルームR1内のエンジンが後退し、このエンジンに押されてマスタシリンダ、マスタバック12及びオペレーティングロッド11が後退移動し、このオペレーティングロッド11に一体的に連結されているブレーキペダル8も後退し始める。また、所定以上の衝突荷重を受けてダッシュパネル1も後退し、このダッシュパネル1に固定されている第1ブラケット2が後退する。このとき、第2ブラケット5は、自動車の衝突時に車室R2内の乗員のスペースを確保するために後退移動せず停止したままとなる車体側部材であるインパネメンバ7に固定されているので、後退しない。このため、上記第1ブラケット2の後退移動に伴い、両ブラケット2,5の連結部にあるボルト4が第2ブラケット5の切欠凹部5bから後側に抜け出して、両ブラケット2,5が連結部で離脱し、第1ブラケット2はダッシュパネル1のみにて支持された片持ち状態となる。
【0028】
上記第1ブラケット2の第2ブラケット5からの離脱後も第1ブラケット2は引き続き後退するので、この第1ブラケット2に枢着されてそれとともに後退するブレーキペダル8の上端は、第2ブラケット5下部の傾斜ガイド面5aに当接し、この傾斜ガイド面5aに沿って後退移動しながら下側へ押されるので第1ブラケット2全体が下側に折り曲げられながら後退してゆくとともに、ブレーキペダル8の上端が傾斜ガイド面5aに沿って下側に移動する。その結果、図1に仮想線にて示す如く、ダッシュパネル1及び第1ブラケット2が大きく後退移動しても、ブレーキペダル8にあっては同様の動きで後退しなくなる。それ故、ドライバのフットスペースが大に確保されて、ブレーキペダル8を踏んでいるドライバの膝に衝突荷重が作用するのを回避することができる。
【0029】
そのとき、上記第2ブラケット5の傾斜ガイド面5aの傾斜方向L1をマスタシリンダ側のオペレーティングロッド11の軸線方向L2と略平行に設定してもよい。こうすると、自動車の衝突時にブレーキペダル8の上端が第2ブラケット5の傾斜ガイド面5aに当接しながら後退する際に、ブレーキペダル8の上端がオペレーティングロッド11とほぼ一定の距離を保ったまま後退移動する。つまり、オペレーティングロッド11からブレーキペダル8に衝突荷重が作用したときに該ブレーキペダル8に無理な荷重がかかることがなく、ブレーキペダル8の上端はスムーズに第2ブラケット5に設けた傾斜ガイド面5aに沿って後退移動するようになり、自動車の衝突時にブレーキペダル8の後方移動を抑制することができる。
【0030】
さらに、第1ブラケット2のブレーキペダル8の枢着部9aは、第1ブラケット2のダッシュパネル取付部の上端よりも車体上側に設けられている構造となっている。こうすれば、ブレーキペダル8の枢着部9aとダッシュパネル取付部の上端との間に上下方向の大きなオフセット量を設けることができ、自動車の衝突時にブレーキペダル8のスムーズな下方移動を促して、第1ブラケット2を下側へ折り曲げやすくすることができる。
【0031】
そして、この実施形態においては、第1ブラケット2の前端がダッシュパネル1に固定され、この第1ブラケット2の後端上部が車体のインパネメンバ7に固定した第2ブラケット5と連結され、衝突時に所定以上の荷重がかかった場合に、上記両ブラケット2,5間の連結が離脱する構造であるので、ブレーキペダルが支持された回転リンクをインパネメンバの当接部に当接させて回転させる従来の構造に比べ衝突時の作動信頼性は高い。しかも、上記従来の構造に比べ、本実施形態の構造は極めて簡単なため、コスト面においても有利を得ることができる。
【0032】
尚、上記実施形態では、操作ペダルをブレーキペダル8としているが、本発明は、自動車のダッシュパネル1後方に揺動可能に配設され、かつシリンダ側のロッド11が連結された操作ペダルであれば適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した如く、請求項1の発明によると、自動車のダッシュパネルに固定された第1ブラケットと、この第1ブラケットに揺動可能に枢着された操作ペダルと、車室の車体側部材に固定され、第1ブラケットの後部に所定以上の衝突荷重により離脱可能に連結された第2ブラケットとを備え、この第2ブラケットは、後部の上下中央に後側に開いた切欠凹部を有する略く字形状の部材からなり、その切欠凹部に挿通するボルトの締結により第1ブラケットの後部に連結されており、第2ブラケットに自動車の衝突に伴って第2ブラケットからの離脱により片持ち状態となった第1ブラケットと共に後退する操作ペダルの上端に当接して操作ペダルを下側に案内する傾斜ガイド面を下部に設けたことにより、極めて簡単で信頼性の高い構造としつつ、衝突時に操作ペダルが後退移動してドライバのフットスペースを減少させることを確実に防止し、ドライバの膝に対する衝突荷重の作用を回避することができる。
【0034】
請求項2の発明では、操作ペダルに連結されたシリンダ側のロッドの軸線方向と第2ブラケットのガイド面の傾斜方向とを略平行に設定した。また、請求項3の発明では、第1ブラケットの操作ペダル枢着部を、第1ブラケットのダッシュパネル取付部よりも車体上側に設けた。これらの発明によれば、自動車の衝突時に、第1ブラケットを下側へ折り曲げつつ操作ペダルの上端を第2ブラケットの傾斜ガイド面に沿ってスムーズに下側へ移動させることができ、衝突時の操作ペダルの後方移動を確実に防止することができる。
【0035】
請求項4の発明によると、上記操作ペダルはブレーキペダルとしたことにより、上記発明の効果が有効に発揮される最適な操作ペダルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るペダル支持構造の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル
2 第1ブラケット
5 第2ブラケット
5a 傾斜ガイド面
5b 切欠凹部
7 インパネメンバ(車体側部材)
8 操作ペダル
9 ペダル支持軸
9a 操作ペダルの枢着部
11 オペレーティングロッド(シリンダ側のロッド)
12 マスタバック
R1 エンジンルーム
R2 車室
L1 傾斜ガイド面の傾斜方向
L2 シリンダ側のロッドの軸線方向
Claims (4)
- 自動車のダッシュパネル後方に配設された操作ペダルの支持構造であって、
上記ダッシュパネルに固定された第1ブラケットと、
上記第1ブラケットに揺動可能に枢着された上記操作ペダルと、
車室の車体側部材に固定され、上記第1ブラケットの後部に所定以上の衝突荷重により離脱可能に連結された第2ブラケットとを備え、
上記第2ブラケットは、後部の上下中央に後側に開いた切欠凹部を有する略く字形状の部材からなっていて、上記切欠凹部にボルトを挿通して締結することにより第1ブラケットの後部に連結されており、
上記第2ブラケットは、自動車の衝突に伴って第2ブラケットからの離脱により片持ち状態となった第1ブラケットと共に後退する操作ペダルの上端に当接して該操作ペダルを下側に案内する傾斜ガイド面を下部に備えていることを特徴とする自動車のペダル支持構造。 - 請求項1の自動車のペダル支持構造において、
操作ペダルにはシリンダ側のロッドが連結されており、
上記シリンダ側のロッドの軸線方向と第2ブラケットのガイド面の傾斜方向とは略平行に設定されていることを特徴とする自動車のペダル支持構造。 - 請求項1又は2の自動車のペダル支持構造において、
第1ブラケットの操作ペダル枢着部は、第1ブラケットのダッシュパネル取付部よりも車体上側に設けられていることを特徴とする自動車のペダル支持構造。 - 請求項1〜3のいずれか1つの自動車のペダル支持構造において、
操作ペダルはブレーキペダルであることを特徴とする自動車のペダル支持構造。
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