JP3800714B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、水銀ランプ等の始動時に高圧パルスを印加する必要のある高輝度高圧放電灯(HIDランプ)を点灯するための放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14にHIDランプ等を点灯させる放電灯点灯装置の一従来例を示す。図中、1は交流電源、L0はインダクタ、2は始動時に高圧パルスの印加を必要とする放電灯であり、交流電源1とインダクタL0と放電灯2とにより主点灯回路が構成されている。この放電灯点灯装置は、放電灯2を点灯させるための放電灯始動回路22を有しており、R6は抵抗、C6はコンデンサであり、交流電源1から抵抗R6を介してコンデンサC6に電荷が供給される。Q6は電圧応答性の例えばサイダックのようなスイッチング素子であり、コンデンサC6の充電電圧がスイッチング素子Q6のブレークオーバー電圧に達すると導通するようになっている。PTは低圧側巻線N1と高圧側巻線N2を有するパルストランスであり、コンデンサC6とスイッチング素子Q6と低圧側巻線N1とにより振動回路が構成されており、コンデンサC6に充電された電荷がスイッチング素子Q6の導通によりパルストランスPTの低圧側巻線N1を介してパルス状の電流として放出されるようになっている。つまり、抵抗R6を介して交流電源1からコンデンサC6に充電された電圧がスイッチング素子Q6のブレークオーバー電圧に達すると、スイッチング素子Q6がブレークオーバーして導通し、コンデンサC6に充電されていた電荷は、パルストランスPTの低圧側巻線N1を介してパルス状の電流として放出され、このパルス状の電流により低圧側巻線N1に発生した電圧は高圧側巻線N2に昇圧され、高圧パルスが発生し、この高圧パルスがコンデンサC2を介して交流電源1の電圧に重畳されて放電灯2に印加され、その結果、放電灯2は始動し、点灯状態に入る。放電灯2は点灯状態に入ると、電圧が低下し、主点灯回路により点灯状態を保持される。
【0003】
図14の電気回路における主要波形を図15に示す。同図(a)は交流電源1の電圧波形であって正弦波形を示している。同図(b)はコンデンサC6の両端電圧Vc6であって交流電源1のゼロ点から時間t1後にスイッチング素子Q6のブレークオーバー電圧に達してスイッチング素子Q6が導通することを表している。同図(c)はスイッチング素子Q6が導通した後にスイッチング素子Q6に流れるパルス電流I1を示しており、この波形は振動回路のコンデンサC6と低圧側巻線N1の定数でほぼ決定される共振周波数の減衰振動波形となっている。同図(d)はパルストランスPTの高圧側巻線N2に発生する電圧Vn2であり、低圧側巻線N1に発生した電圧が電磁誘導により高圧側巻線N2に昇圧されるので、高圧側巻線N2に発生する電圧Vn2としては減衰振動状の高圧パルスとなるのである。
【0004】
次に、主安定器が前述の銅鉄型の安定器ではなく、電子バラストである場合の一従来例を図16に示す。なお、同一の素子には同一の符号を付してある。これは交流電源1に接続された整流用のダイオードブリッジDBと、その整流出力を平滑する電解コンデンサC0とから成る直流電源部10により直流電源を生成し、この直流電源を用いて放電灯2を点灯させようとするものである。この電子回路においては、直流電源とスイッチング素子Q1とインダクタL1とコンデンサC2とスイッチング素子Q4とにより一方のチョッパ回路が構成され、直流電源とスイッチング素子Q3とコンデンサC2とインダクタL1とスイッチング素子Q2とにより他方のチョッパ回路が構成されており、スイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q3が高周波スイッチング動作を行うものである。また、ダイオードD1〜D4は回生用ダイオードである。ここで、スイッチング素子Q4がONで且つスイッチング素子Q2がOFFであると、スイッチング素子Q1の高周波スイッチングによりコンデンサC2の両端には略直流電圧が発生し、逆にスイッチング素子Q2がONで且つスイッチング素子Q4がOFFであると、スイッチング素子Q3の高周波スイッチングによりコンデンサC2の両端には前記の場合とは逆極性の略直流電圧が発生する。従って、スイッチング素子Q2とQ4とを一定の周波数で交互にON/OFFさせることにより、コンデンサC2の両端には、スイッチング素子Q2、Q4のON/OFFの周波数と同じ周波数の矩形波交流電圧が発生する。そして、この矩形波交流電圧を放電灯始動回路22に供給しているので、放電灯2が安定に点灯されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べてきた放電灯始動回路22の回路方式では、パルストランスPTの低圧側巻線N1に印加される電圧はコンデンサC6に蓄積された電圧であり、かつスイッチング素子Q6のブレークオーバー電圧以下にしか設定できない。これは放電灯始動回路22に印加される矩形波交流電圧以下であることを意味する。ところが放電灯2が始動するのに必要とされる高圧パルス電圧が非常に高い場合、上記回路方式では高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1に印加される電圧には制限があるため、高圧側巻線N2の巻数を増やさなければならず、高圧パルストランスPTの大型化につながってしまう。また、低圧側巻線N1に印加される電圧を上げるには放電灯始動回路22の入力電圧、つまり矩形波交流電圧を高くしなければならず、スイッチング素子Q1〜Q4及びダイオードD1〜D4として耐圧の高い素子を必要とし、これらの素子の大型化そしてコスト上昇につながってしまう。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、放電灯始動回路を大型化せず、回路内の部品のストレスを低減し、且つ放電灯を確実に始動できる放電灯点灯装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、上記の課題を解決するために、図1に示すように、少なくとも始動時に高圧パルスの印加を必要とする放電灯2と、高圧パルス発生用の変圧器PTの高圧側巻線N2とが閉回路内に存在し、直流電源10と少なくとも1つのスイッチング素子Q1〜Q4とダイオードD1〜D4と第1のインダクタL1と第1のコンデンサC2を含み、放電灯2に矩形波交流電力を供給するインバータ回路部を具備し、始動時に高圧パルスを発生する放電灯始動回路22を具備する放電灯点灯装置において、前記インバータ回路部は、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路と、第3及び第4のスイッチング素子Q3,Q4の直列回路とが直流電源に並列接続され、各スイッチング素子Q1〜Q4にはダイオードD1〜D4が逆並列接続され、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2の接続点と第3及び第4のスイッチング素子Q3,Q4の接続点の間に、第1のインダクタL1と第1のコンデンサC2の直列回路が接続されて、第1のコンデンサC2の両端がインバータ回路部の出力端となり、この出力端に放電灯2と高圧パルス発生用の変圧器PTの高圧側巻線の直列回路が接続され、前記放電灯始動回路22は少なくとも1つの電圧応答型スイッチング素子Q6と第2のインダクタL2と第2のコンデンサC6と高圧パルス発生用の変圧器PTの低圧側巻線N1とで構成される直列回路がインバータ回路部の出力端に接続され、前記電圧応答型スイッチング素子Q6には抵抗R6が並列に接続されており、出力極性の反転時に第1及び第2のコンデンサC2,C6の充電電圧の和により、電圧応答型スイッチング素子Q6をONさせて放電灯2に高圧パルスを印加することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1に第1の実施例を示す。本実施例は放電灯始動回路22においてコンデンサC6とC2の充電電圧の和でスイッチング素子Q6をONさせ、高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1に従来のほぼ2倍の電圧を印加できるようにしたものである。
【0009】
以下、この回路方式の動作について、図2の波形図を用いて説明する。スイッチング素子Q1〜Q4は、図のように対角方向に並ぶ素子Q1とQ4及びQ2とQ3がペアとなって低周波動作と共に高周波でスイッチングしている。これにより放電灯始動回路22に入力される矩形波交流電圧は図中で示したようになる。ここで、コンデンサC2は放電灯始動回路22の入力端に並列に接続されているので、コンデンサC2に印加される電圧Vc2は矩形波交流電圧と同じである。一方、コンデンサC6は高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1、抵抗R6、インダクタL2を介して充放電を繰返し、図中のVc6のような波形となる。次に、スイッチング素子Q6に印加される電圧は、コンデンサC6とC2の電圧の和となるが、矩形波の安定時にはコンデンサC6とC2の極性が逆であるため|Vc2|−|Vc6|となり、スイッチング素子Q6のブレ−クオーバー電圧には達せず、スイッチング素子Q6はONしない。ところが、矩形波電圧の極性が反転すると、コンデンサC2の電圧Vc2もほぼ同時に反転するため、このときスイッチング素子Q6には図のような|Vc2|+|Vc6|の電圧Vsが印加され、スイッチング素子Q6のブレークオーバー電圧に達してスイッチング素子Q6をONさせる。これにより高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1にはパルス電流が流れ、高圧側巻線N2に図のように高圧パルス電圧を発生させることができる。以上述べたような回路方式では、矩形波電圧のほぼ2倍の電圧を高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1に印加することが出来るので、前述の回路方式に比べて高圧パルストランスPTを小型化できる。
【0010】
尚、本実施例においては、点灯部をフルブリッジ回路で構成したが、この点灯部を実施例2で述べるような降圧チョッパ回路部と極性反転回路部で構成してもよい。また同様に、実施例3で述べるようなハーフブリッジ回路で構成してもよい。
【0011】
(実施例2)
図3に第2の実施例を示す。本実施例は実施例1のフルブリッジ回路を降圧チョッパ回路部20と極性反転回路部21に分けて構成したものである。図4に各スイッチング素子Q1〜Q5の動作及びランプ電流波形を示す。以下、この回路の動作について簡単に説明する。
【0012】
点灯部は降圧チョッパ回路部20と極性反転回路部21と放電灯始動回路22とからなっている。降圧チョッパ回路部20はスイッチング素子Q5とダイオードD5とインダクタL1とコンデンサC1とからなり、スイッチング素子Q5のON時には、コンデンサC0からインダクタL1を介してコンデンサC1に電流を流し、スイッチング素子Q5のOFF時には、ダイオードD5を介してインダクタL1の蓄積エネルギーをコンデンサC1に放出するように構成している。スイッチング素子Q5のパルス幅あるいはスイッチング周波数を制御することにより、コンデンサC1の電圧、つまり、ランプ電圧を制御することができる。
【0013】
次に、極性反転回路部21はスイッチング素子Q1〜Q4からなり、フルブリッジ回路を構成している。この極性反転回路部21は各スイッチング素子Q1〜Q4が図4に示すような動作を行い、放電灯2に図示の矩形波交流電力を供給している。以上の構成により、本実施例においても実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0014】
(実施例3)
図5に第3の実施例を示す。本実施例は点灯部を図示したようなハーフブリッジ回路にて構成したものである。また、図6は図中のスイッチング素子Q1,Q2のON/OFF動作及びランプ電流波形を示したものである。以下、この回路について説明する。スイッチング素子Q1、Q2はそれぞれ図6に示すような高周波スイッチングを繰り返す。つまり、図3の回路におけるスイッチング素子Q5とQ1〜Q4を兼用したものである。また、スイッチング素子Q1が高周波スイッチングしているサイクルにおいては、OFF時にインダクタL1のエネルギーはダイオードD2を介してコンデンサC4に帰還され、スイッチング素子Q2が高周波スイッチングしているサイクルにおいては、OFF時にインダクタL1のエネルギーはダイオードD1を介してコンデンサC3に帰還される。つまり、ダイオードD1、D2は図3の回路におけるダイオードD5の機能を果たしているものである。
【0015】
本実施例は、スイッチング素子Q1、Q2に例えばFETのようなダイオード内蔵型の素子を用いれば、ダイオードD1、D2はこのダイオードで兼用することができ、スイッチング素子とダイオードの使用個数は2個となり、コストダウン、小型化という面で有利である。
【0016】
(実施例4)
図7に第4の実施例を示す。前述の実施例1には次のような問題が存在する。それは極性反転する際に対角方向に並ぶペアのスイッチング素子のうち、まず高電位側のスイッチング素子Q1やQ3が先にOFFして、その後、その低電位側のスイッチング素子Q2やQ4がONして、その後、反対側の低電位側のスイッチング素子Q4やQ2がOFFして、その後、その高電位側のスイッチング素子Q3やQ1がONするような動作をする場合に発生する。今、例えばスイッチング素子Q1とQ4がONしていたとする。次に、極性反転のためにスイッチング素子Q1がOFFし、スイッチング素子Q2がONしたとすると、このとき、低電位側のスイッチング素子Q2とQ4が両方共ONしているため、ブリッジ回路の低電位側に閉ループが形成される。この閉ループ内においてコンデンサC6、インダクタL2及びインダクタL2に含まれる浮遊容量、スイッチング素子Q6の寄生容量、高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1、インダクタL1によるLCの共振振動により、スイッチング素子Q6の両端に図8に示すようなリンギング電圧が印加されてしまう。通常、この回路方式においては、スイッチング素子Q6のブレークオーバー電圧Vboを、
|Vc6|<Vbo<|Vc2|+|Vc6|
となるように設定し、矩形波電圧が極性反転したときにだけスイッチング素子Q6がONするようにしている。ところが、図8のようなリンギング電圧がスイッチング素子Q6に印加されてしまうと、この時点でスイッチング素子Q6がONしてしまい、コンデンサC6の電荷が放電されてしまう。これでは高圧パルストランスPTの低圧側巻線N1に印加される電圧はVc2だけであり、本来の|Vc2|+|Vc6|よりも低く、高圧パルス電圧のピーク値を減少させてしまう。
【0017】
そこで、本実施例ではインダクタL2と並列にコンデンサC7を接続することにより、極性反転時に低電位側のスイッチング素子が同時にONしてもスイッチング素子Q6の両端に異常なリンギング電圧が印加されるのを防止し、所定の高圧パルス電圧を発生できるようにしたものである。これはリンギング電圧の共振周波数の一部にインダクタL2の浮遊容量が含まれていることに着目し、インダクタL2と並列にコンデンサC7を接続して共振周波数を低減したものである(図9参照)。
【0018】
なお、本実施例では点灯部をフルブリッジ回路で説明したが、図10のような降圧チョッパ回路部20と極性反転回路部21を組み合わせた構成でも同じ効果を得ることができる。
【0019】
以上の実施例においては、放電灯点灯装置の一部についてのみ言及し、全体の詳細回路図については触れなかったが、例えばこれを実際の放電灯点灯装置に当てはめると、以下のようになる。
【0020】
(実施例5)
図11〜図13に本発明を製品として具体化した点灯装置を一例として示す。図11は電源入力部、図12は力率改善部、図13は点灯回路部であり、各図は点J1〜J8において接続されている。
【0021】
図11に示す電源入力部では、端子TM1,TM2に接続された交流電源1から、ヒューズFS、サーマルプロテクタTP、低抵抗R4、並びフィルタ回路を介して整流回路DBの交流入力端子に接続されており、整流回路DBの直流出力端子には、コンデンサC9が接続されている。このコンデンサC9は小容量のものであり、実際の平滑動作は後段の力率改善部の昇圧チョッパ回路により行われる。フィルタ回路は、サージ電圧吸収用のZNR(酸化亜鉛非線形抵抗)、コイルL5、L6、及びコンデンサCx、Cy、C8、C81、C82を含み、コンデンサC81,C82の直列回路の中点はコンデンサC83を介して端子TM5に接続され、端子TM5は大地(アース)に接続されている。
【0022】
図12に示す力率改善部は、インダクタL7とスイッチング素子Q7及びダイオードD7を含む昇圧チョッパ回路よりなり、点J1から整流回路DBの全波整流出力を受けて、点J2に接続された電解コンデンサC0(図13)に昇圧された平滑な直流電圧を得るものである。昇圧チョッパ回路のスイッチング素子Q7は昇圧チョッパ制御回路4のドライブ出力から抵抗R71,R72を介して駆動され、その電流は抵抗R73により検出される。また、インダクタL7に流れる電流は、2次巻線に接続された抵抗R74を介して検出される。さらに、点J2に生じる出力電圧は抵抗R8,R9を介して検出され、点J1の入力電圧は抵抗R91,R92を介して検出される。昇圧チョッパ制御回路4の動作電源Vcc1は、電源投入時には抵抗R93,R94を介して点J1から供給されるが、スイッチング素子Q7のスイッチング動作が開始すると、インダクタL7の2次巻線出力をダイオードD71,D72で整流し、抵抗R7を介してコンデンサC71に得られた直流電圧がダイオードD73を介して供給される。このコンデンサC71に得られる直流電圧は、三端子型の電圧レギュレータIC1により定電圧化されて、点灯回路部制御回路5の動作電源Vccとなる。点灯回路部制御回路5は、図13に示す点灯回路部より点J3〜J5を介してゼロ電流検出、過電流検出、ランプ電圧検出を行うと共に、点J6〜J8を介して矩形波ドライブ及び降圧チョッパドライブ信号を出力している。
【0023】
図13に示す点灯回路部は、降圧チョッパ回路部20を備え、電解コンデンサC0に得られた点J2の直流電圧をスイッチング素子Q5とダイオードD5及びインダクタL1の作用により、任意の直流電圧に降圧して、コンデンサC1にランプ電圧を得ている。コンデンサC1に得られたランプ電圧は、抵抗R2,R3及び点J5を介して検出されている。また、インダクタL1に流れる電流は、抵抗R5、点J3を介して検出されており、降圧チョッパ回路部20に流れる電流は、抵抗R53、点J4を介して検出されている。降圧チョッパ回路部20のスイッチング素子Q5は、点J8に供給されるドライブ信号により、トランスT5と抵抗R51,R52を介して駆動されている。
【0024】
次に、極性反転回路部は、4個のスイッチング素子Q1〜Q4で構成されたフルブリッジ回路であり、各スイッチング素子Q1〜Q4は汎用のドライバ回路IC2,IC3により、抵抗R11,R12;R21,R22;R31,R32;R41,R42を介して駆動される。矩形波ドライブのための信号は、点J6,J7を介して供給されている。また、各ドライバ回路IC2,IC3の動作電源としては、上述の定電圧Vccが供給されている。さらに、高電位側のスイッチング素子Q1,Q3を駆動するためのコンデンサC11,C12;C31,C32は、抵抗R13とダイオードD11,D31を介して定電圧Vccから充電される。フルブリッジ回路の出力には、イグナイタ回路22のパルストランスPTを介して放電灯2が接続されている。放電灯2は、例えば、ANSI規格のM98(70W)又はM130(35W)であり、その発光管はセラミック発光管である。TM3,TM4は放電灯2を接続するための端子である。なお、コンデンサC2は図示していないが、パルストランスPTの両端間に存在する容量あるいはランプ電圧を規定するコンデンサC1がパルス印加のための閉回路を構成する。もちろん、個別部品としてコンデンサC2を接続しても良いことは言うまでも無い。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも始動時に高圧パルスを必要とする放電灯と高圧パルス発生用の変圧器の高圧側巻線とが閉回路内に存在する放電灯始動回路を含む放電灯点灯装置において、放電灯の始動に必要な高圧パルスのピーク値を維持でき、且つ放電灯始動回路内の各電子部品のストレスを低減した、簡単で小型な放電灯点灯装置を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の回路図である。
【図2】 本発明の第1実施例の動作波形図である。
【図3】 本発明の第2実施例の回路図である。
【図4】 本発明の第2実施例の動作波形図である。
【図5】 本発明の第3実施例の回路図である。
【図6】 本発明の第3実施例の動作波形図である。
【図7】 本発明の第4実施例の回路図である。
【図8】 本発明の第4実施例が解決しようとする課題を説明するための動作波形図である。
【図9】 本発明の第4実施例の動作波形図である。
【図10】 本発明の第4実施例の一変形例を示す回路図である。
【図11】 本発明を製品として具体化した点灯装置の電源入力部の回路図である。
【図12】 本発明を製品として具体化した点灯装置の力率改善部の回路図である。
【図13】 本発明を製品として具体化した点灯装置の点灯回路部の回路図である。
【図14】 第1の従来例の回路図である。
【図15】 第1の従来例の動作波形図である。
【図16】 第2の従来例の回路図である。
【符号の説明】
2 高圧放電灯
22 放電灯始動回路
C2 コンデンサ
C6 コンデンサ
R6 抵抗
Q6 スイッチング素子
L2 インダクタ
PT パルストランス
Claims (8)
- 少なくとも始動時に高圧パルスの印加を必要とする放電灯と、高圧パルス発生用の変圧器の高圧側巻線とが閉回路内に存在し、直流電源と少なくとも1つのスイッチング素子とダイオードと第1のインダクタと第1のコンデンサを含み、放電灯に矩形波交流電力を供給するインバータ回路部を具備し、始動時に高圧パルスを発生する放電灯始動回路を具備する放電灯点灯装置において、前記インバータ回路部は、第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、第3及び第4のスイッチング素子の直列回路とが直流電源に並列接続され、各スイッチング素子にはダイオードが逆並列接続され、第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点の間に、第1のインダクタと第1のコンデンサの直列回路が接続されて、第1のコンデンサの両端がインバータ回路部の出力端となり、この出力端に放電灯と高圧パルス発生用の変圧器の高圧側巻線の直列回路が接続され、前記放電灯始動回路は少なくとも1つの電圧応答型スイッチング素子と第2のインダクタと第2のコンデンサと高圧パルス発生用の変圧器の低圧側巻線とで構成される直列回路がインバータ回路部の出力端に接続され、前記電圧応答型スイッチング素子には抵抗が並列に接続されており、出力極性の反転時に第1及び第2のコンデンサの充電電圧の和により、電圧応答型スイッチング素子をONさせて放電灯に高圧パルスを印加することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項1において、第3及び第4のスイッチング素子をそれぞれ第3及び第4のコンデンサに置き換えたことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 少なくとも始動時に高圧パルスの印加を必要とする放電灯と、高圧パルス発生用の変圧器の高圧側巻線とが閉回路内に存在し、直流電源と少なくとも1つのスイッチング素子とダイオードと第1のインダクタと第1のコンデンサを含み、放電灯に矩形波交流電力を供給するインバータ回路部を具備し、始動時に高圧パルスを発生する放電灯始動回路を具備する放電灯点灯装置において、前記インバータ回路部は、第1のスイッチング素子と第1のインダクタと第1のコンデンサの直列回路を直流電源に接続され、第1のインダクタと第1のコンデンサの直列回路に回生用のダイオードが接続され、第1のスイッチング素子のスイッチングにより直流電源の電圧を放電灯が必要とする電圧に変換して第1のコンデンサに充電する降圧チョッパ回路部と、4つのスイッチング素子から成り第1のコンデンサの電圧を極性反転させて矩形波交流電圧を出力する極性反転回路部とを含んで構成され、極性反転回路部の出力端がインバータ回路部の出力端となり、この出力端に放電灯と高圧パルス発生用の変圧器の高圧側巻線の直列回路が接続され、前記放電灯始動回路は少なくとも1つの電圧応答型スイッチング素子と第2のインダクタと第2のコンデンサと高圧パルス発生用の変圧器の低圧側巻線とで構成される直列回路がインバータ回路部の出力端に接続され、前記電圧応答型スイッチング素子には抵抗が並列に接続されており、出力極性の反転時に第1及び第2のコンデンサの充電電圧の和により、電圧応答型スイッチング素子をONさせて放電灯に高圧パルスを印加することを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項3に記載の放電灯点灯装置であって、極性反転時に極性反転回路部の低電位側の2つのスイッチング素子が同時にONするものにおいて、放電灯始動回路内の第2のインダクタと並列に第3のコンデンサを接続したことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 放電灯は高圧放電灯であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
- 高圧放電灯はメタルハライドランプであることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 高圧放電灯はANSI規格のM98(70W)又はM130(35W)であることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 高圧放電灯の発光管はセラミック発光管であることを特徴とする請求項7記載の放電灯点灯装置。
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