JP3896664B2 - Manufacturing method of fuel cell separator and fuel cell separator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用セパレータの製造方法並びに燃料電池用セパレータに関し、詳しくは、単セルを複数積層して構成する燃料電池において、隣接する単セル間に設けられ、電極との間で燃料ガス流路および酸化ガス流路を形成すると共に、燃料ガスと酸化ガスとを隔てる燃料電池用セパレータ、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃料電池用セパレータとしては、カーボン粉末を原材料とし、これに所定のバインダを加えたものを成形した後に焼成し、炭化および黒鉛化するものが知られている(例えば、特開平8−222241号公報等)。このようにカーボン材料を成形したものを焼成して炭化および黒鉛化する場合には、カーボン材料にバインダとして加えるフェノール樹脂などが、焼成の工程で水を発生するため、発生した水がセパレータ内に気泡を生じさせ、焼成されたセパレータのガス不透過性が損なわれてしまうおそれがある。したがって、通常は、セパレータのガス不透過性を確保するために、焼成したセパレータにさらにフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させて、生じた気泡を塞ぐ処理を行なっている。
【0003】
あるいは、セパレータを製造する他の方法として、黒鉛材料に対して所定量のフェノール樹脂をバインダとして混合したものを、樹脂が黒鉛化しない温度で加熱プレス成形する方法が提案されている(例えば、特開平60−246568号公報等)。このような構成とすれば、炭化や黒鉛化の工程が不要となるため製造工程を簡素化することができ、充分な導電性とガス不透過性を実現するセパレータを、容易に製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した2つの方法のうち、成形したカーボンを焼成して炭化および黒鉛化することによって燃料電池用セパレータを製造する場合には、この焼成の工程によって、カーボン部材全体に縮みが生じてしまう。従って通常は、原材料にバインダを加えたものをブロック状に成形してから焼成し、この焼成したブロック状のカーボン材から切り出しを行なって板状部材を得て、この板状部材に所定の機械加工を施して所望のセパレータ形状にしていた。この所望の形状に機械加工を施した部材に対して、上記した樹脂含浸の操作を行なうと、セパレータが完成する。このように、焼成の工程を含む製造方法を用いると、機械加工の工程を要するなど製造工程全体が複雑化するという不都合が生じ、これによって製造コストの上昇が引き起こされる。
【0005】
一方、黒鉛材料に熱硬化性樹脂から成るバインダを加え、樹脂が黒鉛化しない温度で加熱プレス成形することによって燃料電池用セパレータを製造する場合には、加熱プレス成形であるため所望の形状のセパレータを容易に製造することができるが、黒鉛材料にバインダを加えるため、そのバインダの影響で、セパレータの導電性が損なわれて抵抗が増大してしまうおそれがある。すなわち、導電性を有しないバインダの量が増えるに従って、セパレータ全体の導電性も低下してしまう。また、加熱プレス成形の際に、バインダがセパレータ表面に析出することがあり、このようなセパレータを用いて燃料電池を組み立てると、セパレータと電極との間の接触抵抗が大きくなってしまう。このような不都合を防止するために、加熱プレス成形後にセパレータ表面を削る処理を行ない、表面に析出したバインダを取り除く構成も考えられるが、このような構成にすると、各セパレータ毎に表面を削るための機械加工を要して製造工程が煩雑となり、簡便な加熱プレス成形の利点が損なわれてしまう。
【0006】
本発明は、こうした問題を解決し、簡便な製造方法によって、充分な導電性とガス不透過性とを備えるセパレータを製造することを目的としてなされ、そのため、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法および燃料電池用セパレータは次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、
(a)カーボンを少なくとも含む粉末からなる原材料を、所定の型内で加圧成形し、所定の形状を有するセパレータ部材を形成する工程と、
(b)前記工程(a)で形成した前記セパレータ部材に対して、所定の含浸剤を含浸させ、前記セパレータ部材において前記原材料を構成する前記粉末間に形成された空隙を、前記含浸剤で塞ぐ工程と
を備え、
前記加圧成形に供する前記粉末は、前記加圧成形時の圧力のもとでカーボンからなる粉末を加圧成形してカーボン部材を得たと仮定した場合に、該カーボン部材において前記カーボン粉末間に形成される空隙を塞ぐのに必要とする理論量よりも少ない量のバインダを、前記カーボン粉末にさらに加えた粉末であり、前記セパレータ部材から焼成を伴わないで燃料電池用セパレータを得ることを要旨とする。
【0008】
以上のように構成された本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、加圧成形によってセパレータ部材を形成し、このセパレータ部材からセパレータを得るため、機械加工によってブロックからセパレータの形状を切り出す製造方法に比べて、製造工程を簡素化することができる。また、セパレータ部材に含浸剤を含浸させて、セパレータ部材中に形成された空隙を塞ぐため、充分なガス不透過性を備えるセパレータを製造することができる。
【0009】
ここで、セパレータ部材に含浸させる含浸剤としては、例えば、燃料電池の運転温度で充分な耐熱性を有する熱硬化性樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂を用いる場合には、これを所定の溶媒中に分散させて、この液体中にセパレータ部材を浸漬してセパレータ部材中の空隙に含浸剤をしみ込ませ、このセパレータ部材を加熱して樹脂を熱硬化させればよい。また、熱可塑性樹脂であっても、燃料電池の運転温度範囲で融解しないものであれば、熱硬化性樹脂に代えて用いることが可能である。
【0011】
また、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、加圧成形という簡便な方法によってカーボンセパレータを製造することができ、機械加工や焼成といった煩雑な工程を行なう必要がない。また、上記した理論量よりも少ない量のバインダを用いるため、理論量以上のバインダを用いる場合のように、加圧成形の際に、加圧成形で形成されるセパレータ部材の表面にバインダがにじみ出して層を形成してしまうおそれがない。セパレータ部材の表面にこのようなバインダの層が形成されると、セパレータ部材から得られるセパレータの導電性が低下し、このセパレータを燃料電池に用いると、燃料電池内の接触抵抗が増大してしまう。また、加圧成形の際にバインダがにじみ出して層を形成すると、加圧成形後にセパレータ部材の離型性が悪くなる。さらに、にじみ出したバインダによって「バリ」が形成され、これを取り除くために製造工程が煩雑になる場合がある。
【0012】
また、理論量よりも少ない量のバインダを用いるため、加圧成形で形成されるセパレータ部材において、カーボン粉末同士が充分に密着することができる。したがって、カーボン粉末間にバインダの層が形成されてセパレータの導電性が低下してしまうことがない。さらに、バインダとして熱硬化性樹脂を用いる場合には、バインダ量が少ないことによって、熱硬化性樹脂を硬化させるのに要する時間がより短くなり、製造に要する時間が短くて済む。
【0013】
ここで、カーボン粉末に加えるバインダ量は、加圧成形によって得られる部材が、含浸の工程に耐えるだけの強度を有するようになる最小量以上であって、加圧成形時に、セパレータ部材の表面に非所望量のバインダがにじみ出てこない量として、適宜決定すればよい。このようなバインダ量の理論値は、カーボン粉末だけを加圧成形してカーボン部材を得たと仮定した場合に求められる量とするほかに、カーボン粉末に、さらに他の物質を加えた粉末を成形してカーボン部材を形成したと仮定した場合に求められる量としてもよい。すなわち、前記原材料として、カーボン粉末に対して、親水性物質など他の物質をさらに加えた粉末を用いるならば、この他の物質も加えた粉末を加圧成形してカーボン部材を得たと仮定した場合に、理論的に必要とするバインダ量に比べて少ない量として、実際に用いるバインダ量を設定すればよい。もとより、カーボン粉末に他の物質をさらに加える場合にも、他の物質の量が微量で影響が少ない場合には、カーボン粉末だけを用いた場合に求められる理論量を基にしても構わない。
【0023】
また、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、
(d)前記工程(b)で所定の含浸剤を含浸させた前記セパレータ部材を洗浄し、前記セパレータ部材表面に付着する前記含浸剤を洗い流す工程を
さらに備えることとしてもよい。
【0024】
このような燃料電池用セパレータの製造方法によれば、含浸剤を含浸させる工程でセパレータ部材表面に形成された含浸剤の層を、洗浄という簡便な方法によって取り除くため、導電性を悪化させる含浸剤の層を取り除くために製造工程が煩雑化することがない。ここで、洗浄の操作は、含浸剤が水溶性であれば、水または温水を用いて行なえばよく、水溶性でない含浸剤を用いる場合には、適宜、この含浸剤を溶解できる溶媒を選択して洗浄を行なえばよい。
【0025】
このような燃料電池用セパレータの製造方法において、
前記含浸剤は、アクリル樹脂を主成分とし、さらにエポキシ樹脂とエステルとを共重合させた水溶性の熱硬化性樹脂であることとしてもよい。このような樹脂は水溶性であるため、セパレータ部材に含浸させる操作によってセパレータ部材の表面に形成された含浸剤の層を、温水洗浄によって容易に洗い流すことができる。
【0026】
また、本発明の燃料電池用セパレータにおいて、
前記工程(a)において用いる所定の含浸剤は、親水性物質を含有することとしてもよい。
【0027】
このように親水性物質を含有する含浸剤を含浸させることによって、セパレータに所定の親水性を付与することができる。セパレータが親水性を付与されると、このセパレータを使用する燃料電池の内部において、セパレータ表面に設けられた凹凸構造によって形成されるガス流路内で、排水性が向上するという効果が得られる。すなわち、燃料電池では電気化学反応の進行に伴って生成水が生じ、この生成水がガス流路内に滞留して流路を塞ぐと不都合を生じるが、セパレータに親水性を付与することによってガス流路からの排水性が向上し、このような不都合を防止することができる。なお、上記含浸剤が備える親水性は、この含浸剤をセパレータ部材に含浸させることによって、セパレータ部材から得られるセパレータの接触角が40度以下となるような親水性を、セパレータ部材に対して付与できる程度であることが望ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。まず最初に、説明の便宜上、図3から図5を基にして、本発明の第1実施例であるセパレータの製造方法に基づいて製造したセパレータを備える燃料電池の構成および動作について説明し、続いて本発明の第1実施例であるセパレータの製造方法について説明することとする。
【0035】
本発明の第1実施例であるセパレータの製造方法に基づいて製造したセパレータを備える燃料電池は、構成単位である単セルを複数積層したスタック構造を有している。図3は、燃料電池の構成単位である単セル28の構成を例示する断面模式図、図4は、単セル28の構成を表わす分解斜視図、図5は、単セル28を積層したスタック構造14の外観を表わす斜視図である。
【0036】
本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。固体高分子型燃料電池は、湿潤状態で良好な導電性を示す固体高分子からなる膜を電解質層として備えている。このような燃料電池は、アノード側に水素を含有する燃料ガスの供給を受け、カソード側に酸素を含有する酸化ガスの供給を受けて、以下に示す電気化学反応を進行する。
【0037】
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0038】
(1)式はアノードにおける反応、(2)式はカソードにおける反応を表わし、燃料電池全体では(3)式に示す反応が進行する。このように、燃料電池は、燃料電池に供給される燃料が有する化学エネルギを直接電気エネルギに変換するものであり、エネルギ効率が非常に高い装置として知られている。燃料電池の構成単位である単セル28は、図3に示すように、電解質膜21と、アノード22およびカソード23と、セパレータ30a,30bとから構成されている。
【0039】
アノード22およびカソード23は、電解質膜21を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス拡散電極である。セパレータ30a,30bは、このサンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード22およびカソード23との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの流路を形成する。アノード22とセパレータ30aとの間には燃料ガス流路24Pが形成されており、カソード23とセパレータ30bとの間には酸化ガス流路25Pが形成されている。実際に燃料電池を組み立てるときには、上記単セル28を所定の枚数積層してスタック構造14を形成する。
【0040】
図3では、各セパレータ30a,30bの片面においてだけガス流路を成すリブが形成されているように表わされているが、実際の燃料電池では、図4に示すように、各セパレータ30a,30bは、その両方の面にそれぞれリブ54およびリブ55を形成している。セパレータ30a,30bのそれぞれの片面に形成されたリブ54は隣接するアノード22との間で燃料ガス流路24Pを形成し、セパレータ30の他面に形成されたリブ55は隣接する単セルが備えるカソード23との間で酸化ガス流路25Pを形成する。したがって、セパレータ30a,30bは、ガス拡散電極との間でガスの流路を形成すると共に、隣接する単セル間で燃料ガスと酸化ガスとの流れを分離する役割を果たしている。このように、セパレータ30a,30bは、実際に組み立てられる燃料電池では、形態上、あるいは働きの上で区別はなく、以後、セパレータ30と総称する。
【0041】
なお、各セパレータの表面に形成されたリブ54,55の形状は、ガス流路を形成してガス拡散電極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能であれば良い。本実施例では、各セパレータの表面に形成されたリブ54,55は平行に形成された複数の溝状の構造とした。図3では、単セル28の構成を模式的に表わすために、燃料ガス流路24Pと酸化ガス流路25Pとを平行に表わしたが、燃料電池を組み立てる際に実際に用いるセパレータ30では、各セパレータ30の両面で、リブ54とリブ55とがそれぞれ直交する方向となるように、リブ54,55を形成した。
【0042】
ここで、電解質膜21は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用した。電解質膜21の表面には、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金が塗布されている。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、この触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散させ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社、Nafion Solution)を適量添加してペースト化し、電解質膜21上にスクリーン印刷するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持したカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを作製し、このシートを電解質膜21上にプレスする構成も好適である。
【0043】
アノード22およびカソード23は、共に炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されている。なお、本実施例では、アノード22およびカソード23をカーボンクロスにより形成したが、炭素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルトにより形成する構成も好適である。
【0044】
セパレータ30は、カーボン材料を圧縮した成形カーボンにより形成されている。このセパレータ30の周辺部には、4つの穴構造が設けられている。燃料ガス流路34Pを形成するリブ54を連絡する燃料ガス孔50,51と、酸化ガス流路35Pを形成するリブ55連絡する酸化ガス孔52,53である。燃料電池を組み立てたときには、各セパレータ30が備える燃料ガス孔50,51は、燃料電池内部をその積層方向に貫通する燃料ガス供給マニホールド56および燃料ガス排出マニホールド57を形成する。また、各セパレータ30が備える酸化ガス孔52,53は、同じく燃料電池内部をその積層方向に貫通する酸化ガス供給マニホールド58および酸化ガス排出マニホールド59を形成する。
【0045】
以上説明した各部材を備える燃料電池を組み立てるときには、セパレータ30、アノード22、電解質膜21、カソード23、セパレータ30の順序で順次重ね合わせ、その両端にさらに集電板36,37、絶縁板38,39、エンドプレート40,41を配置して、図5に示すスタック構造14を完成する。集電板36,37にはそれぞれ出力端子36A,37Aが設けられており、燃料電池で生じた起電力を出力可能となっている。
【0046】
スタック構造14を構成するときの各部材の積層順序は上述した通りであるが、電解質膜21の周辺部には、セパレータ30と接する領域において所定のシール部材が設けられる。このシール部材は、各単セル内部から燃料ガスおよび酸化ガスが漏れ出すのを防ぐと共に、スタック構造14内において燃料ガスと酸化ガスとが混合してしまうのを防止する役割を果たす。
【0047】
エンドプレート40は、図5に示すように2つの穴構造を備えている。一つは燃料ガス孔42、もう一つは酸化ガス孔44である。エンドプレート40と隣接する絶縁板38および集電板36は、エンドプレート40が備える2つの穴構造と対応する位置に同様の2つの穴構造を形成している。この燃料ガス孔42は、セパレータ30の備える燃料ガス孔50の中央部に開口している。なお、燃料電池を動作させるときには、燃料ガス孔42と図示しない燃料供給装置とが接続され、水素リッチな燃料ガスが燃料電池内部に供給される。同様に、酸化ガス孔44は前記セパレータ30の備える酸化ガス孔52の中央部に対応する位置に形成されている。燃料電池を動作させるときには、この酸化ガス孔44と図示しない酸化ガス供給装置とが接続され、酸素を含有する酸化ガスが燃料電池内部に供給される。ここで、燃料ガス供給装置と酸化ガス供給装置は、それぞれのガスに対して所定量の加湿および加圧を行なって燃料電池に供給する装置である。
【0048】
また、エンドプレート41は、エンドプレート40とは異なる位置に2つの穴構造を備えている。絶縁板39、集電板37もまたエンドプレート41と同様の位置に、それぞれ2つの穴構造を形成している。エンドプレート41が備える穴構造の一つ燃料ガス孔43はセパレータ30の備える燃料ガス孔51の中央部に対応する位置に開口している。もう一つの穴構造である酸化ガス孔45はセパレータ30の備える酸化ガス孔53の中央部に対応する位置に開口している。燃料電池を動作させるときには、燃料ガス孔43には図示しない燃料ガス排出装置が接続され、酸化ガス孔45には図示しない酸化ガス排出装置が接続される。
【0049】
以上説明した各部材からなるスタック構造14は、その積層方向に所定の押圧力がかかった状態で保持され、燃料電池が完成する。スタック構造14を押圧する構成については、本発明の要部に直接対応するものではないため図示は省略した。スタック構造14を押圧しながら保持するには、スタック構造14をボルトとナットを用いて締め付ける構成としても良いし、あるいは所定の形状のスタック収納部材を用意して、このスタック収納部材の内部にスタック構造14を収納した上でスタック収納部材の両端部を折り曲げて、スタック構造14に押圧力を作用させる構成としても良い。
【0050】
次に、以上のような構成を備えた燃料電池における燃料ガスおよび酸化ガスの流れについて説明する。燃料ガスは、上記した所定の燃料ガス供給装置から、エンドプレート40に形成された燃料ガス孔42を経て燃料電池内部に導入される。燃料電池内部で燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールド56を介して各単セル28が備える燃料ガス流路24Pに供給され、各単セル28のアノード側で進行する電気化学反応に供される。燃料ガス流路24Pから排出された燃料ガスは、燃料ガス排出マニホールド57に集合してエンドプレート41の燃料ガス孔43に達し、この燃料ガス孔43から燃料電池の外部へ排出されて、所定の燃料ガス排出装置に導かれる。
【0051】
同様に酸化ガスは、上記した所定の酸化ガス供給装置から、エンドプレート40に形成された酸化ガス孔44を経て燃料電池内部に導入される。燃料電池内部で酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールド58を介して各単セル28が備える酸化ガス流路25Pに供給され、各単セル28のカソード側で進行する電気化学反応に供される。酸化ガス流路25Pから排出された酸化ガスは、酸化ガス排出マニホールド59に集合してエンドプレート41の酸化ガス孔45に達し、この酸化ガス孔45から上記所定の酸化ガス排出装置に排出される。
【0052】
次に、本発明の要部に対応するセパレータ30の製造方法について説明する。図1は本実施例のセパレータ30の製造工程を表わす説明図、図2は、図1に表わす工程のなかのプレス成形の様子を表わす説明図である。図1に示したセパレータ30の製造工程は、カーボン粉末にバインダを加えた原材料粉末を用いて、加熱プレスによって成形するというものであるが、原材料粉末に加えるバインダ量が少ないことと、加熱プレスの工程の後に、さらに、このプレス成形した部材に対して含浸剤を含浸させる工程を備えることを特徴としている。
【0053】
まず、セパレータ30の製造方法を説明するのに先だって、原燃料粉末に加えるバインダ量の基準となる必要理論バインダ量について説明する。図6は、成形圧力と圧粉体嵩密度との関係を表わす説明図である。図6において、横軸は、成形のためにプレスする際に原材料粉末に加える圧力を表わす。縦軸は、圧粉体嵩密度を表わすが、これは、バインダを加えずにカーボン粉末のみを横軸に示す圧力でプレス成形し、それによってできあがった部材の理論密度を、カーボン結晶の密度を100として、相対的に表わした値である。このような理論密度の値は、上記粉体のみをプレス成形してできた部材の、体積および重さから求められる密度と、カーボン結晶の密度とを比較することで求めることができる。図6のグラフは、プレス成形時の圧力について、異なる5点において圧粉体嵩密度を測定して作成した。
【0054】
このようにカーボン粉末をプレス成形すると、カーボン粉末中の各カーボン粒子同士が圧着されるが、これによって、プレス成形で得られる部材では、プレス時の圧力に応じた大きさの空隙が各カーボン粒子間に形成される。この空隙の大きさは、プレス時の圧力が高くなるほど小さくなる。したがって、プレス時の圧力が高くなるほど、プレス成形で得られる部材の密度は高くなり、この部材の気密性(ガス不透過性)が向上する。
【0055】
図6において測定を行なった5点には、かっこ内に理論必要バインダ量を付した。この理論必要バインダ量とは、上記のようにして求めた理論密度から、カーボン粉末のみをプレス成形してできた各部材における空隙量(加圧成形で得られた部材中で、カーボン粉末の各粒子間に形成された空隙の総量)を計算し、後述するバインダを用いてこの空隙を埋めるのに必要なバインダの重量を、カーボン粉末の重量に対する割合で表わしたものである。カーボン粉末にバインダを加えて加熱プレス成形によって成形カーボン部材を製造する場合には、理想的には、この理論必要バインダ量に相当するバインダを加えれば、全く空隙の無い成形カーボン部材が製造可能ということになる。従来は、実際に加熱プレス成形を行なう際には、プレス成形に用いる金型の形状などによって、プレス面内で圧力にむらが生じたりするため、充分に空隙が塞がれた成形カーボンを得るために、上記理論必要バインダ量を超える量のバインダを、カーボン粉末に加えてプレス成形を行なっていた。
【0056】
次に、図1に基づいて、セパレータ30の製造方法を説明する。セパレータ30を製造するには、まず原材料粉末の調製を行なう(ステップS100)。この原材料粉末の調製は、カーボン粉末である鱗片状天然黒鉛粉末と、有機溶媒であるメチルエチルケトン(MEK)で希釈したバインダとを均一に混合してスラリ化し、これを乾燥した後に粉砕して行なった。ここで、バインダとしては熱硬化性樹脂および硬化促進剤を用い、加えるバインダ量は、後述する加熱プレス成形の工程で選択する成形圧力において、図6に基づいてこの成形圧力に対応して求められる理論バインダ量よりも、少ない量とした。
【0057】
ステップS100の原材料粉末の調製時にカーボン粉末に加えるバインダ量は、上記したように理論バインダ量よりも少ない量であって、プレス成形と共に行なう加熱によってバインダを構成する熱硬化性樹脂が一旦軟化する際に、バインダがカーボン粉末間に充分に広がって、プレス成形によって得られる部材の強度が最低限確保される量として定める。プレス成形によって得られる部材の強度は、その後の工程(含浸剤を含浸させる処理)に充分に耐えられることが必要である。
【0058】
さらに、このようなカーボン粉末に加えるバインダ量は、加熱プレス成形の際に熱硬化性樹脂を熱硬化させるのに要する時間にも影響する。カーボン粉末に加えるバインダ量が多くなるほど、バインダを構成する熱硬化性樹脂を熱硬化させるのに要する時間が長くなるため、加熱プレス成形に要する時間が長くなり、それによって、セパレータの製造工程全体が要する時間も長くなってしまう。また、カーボン粉末に加えるバインダ量が多くなると、加熱プレス成形の際に、加熱によって軟化したバインダが、プレス成形によって形成される部材の表面にしみ出し、その結果製造されるセパレータ表面に部分的にバインダの層が形成されてしまう。さらに、カーボン粉末に加えるバインダ量が多い場合には、加熱プレス成形の工程で、プレス成形を行なう金型において、この金型を構成する部材間に軟化したバインダが入り込み、プレス成形された部材に「バリ」が形成される。このような「バリ」が生じた場合には、プレス成形後にさらにこの「バリ」を取り除く工程を要することになる。また、バインダは所定の接着性を有しているため、バインダ量が多く、プレス成形によって形成される部材の表面にバインダがしみ出す場合には、この部材をプレス成形の金型から取り出すときの離型性が悪化してしまう。
【0059】
バインダ量を増やしたときに生じうる上記した不都合を考慮すると、カーボン粉末に加えるバインダ量は、図6から求められる理論バインダ量の50〜80%とすることが好ましい。本実施例では、上記バインダ量は、成形時の面圧が0.5ton/cm2 であるときに必要なバインダ量(カーボン粉末の10%)の60%(カーボン粉末の6%)とした。
【0060】
また、熱硬化性樹脂は、所定の温度に加熱することによって熱硬化反応を起こす樹脂であり、カーボン粉末を主要な材料とするセパレータ30に対して所定の硬度を与えると共に、カーボン粉末を互いに結着させる役割を果たす。バインダとして用いることができる熱硬化性樹脂としては、加熱時に熱硬化反応を起こし、燃料電池の運転温度および燃料電池に供給するガスの各成分に対して安定であれば良い。たとえば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を用いることができる。セパレータ30において充分な結着性および強度を実現するために、上記熱硬化性樹脂から複数のものを選択して組み合わせて用いることとしても良い。本実施例では、熱硬化性樹脂として、エポキシ当量が214グラム当量であるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、OH当量が103グラム当量であるノボラック型エポキシ樹脂とを用い、さらに、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、イミダゾール化合物をエポキシ樹脂に対して0.5%の割合で加えた。このような構成のバインダを、有機溶媒(MEK)で希釈し、カーボン粉末に対して上記した割合で加えた。
【0061】
上記ステップS100では、カーボン粉末とバインダとを混合して作製したスラリを、乾燥させた後に粉砕して原材料粉末を調製したが、スプレードライヤ装置などを用いて、乾燥と造粒を同時に行なってもよい。また、原材料粉末を均一に混合可能であれば、上記した湿式混練に代えて、樹脂が硬化しない程度の温度(室温から100℃程度)において、溶媒を用いることなく原材料粉末を混合する乾式混練を行なってもよい。
【0062】
ここで、上記した原材料の調整時には各材料は粉末のものを用いたが、これらの各材料は、既述した湿式混練や乾式混練によって、許容できる程度に均一に混合可能な形状であればよい。充分な均一さに混合するためには、上記原材料は、1〜300μm程度の粒子からなることが好ましい。
【0063】
このようにして調製した原材料粉末を、所定形状の金型に投入する(ステップS110)。原燃料粉末を金型60内に投入した様子を、図2(A)に模式的に示す。この金型60は、これを用いて原燃料粉末をプレス成形することによって、図4に示した形状のセパレータ30を形成可能となる凹凸形状を内面に有するものである。ここで、面圧0.5ton/cm2 、180℃にてプレスすることで、図4に示したセパレータ30と同様の形状を有するセパレータ部材が得られる(ステップS120)。なお、プレス時の面圧は、製造されるセパレータ30が充分な強度を有するならば、異なる値としてもよく、選択した面圧に応じて、既述したバインダ量を適宜調節すればよい。ステップS120で得たセパレータ部材が有するバインダの量は、既述したように、理論的に必要とされるバインダ量よりも少ないため(本実施例ではカーボン粉末の6%)、このセパレータ部材の理論密度は92%程度であり、ガス不透過性が不十分な状態となっている。
【0064】
上記ステップS120のプレス成形時に、金型を180℃で加熱することによって、バインダを構成する熱硬化性樹脂が溶解すると共に熱硬化反応が起こり、プレス成形と同時に、セパレータ部材に所定の強度を与えることができる。ここで、プレス成形時の加熱温度は、上記した樹脂の溶解および熱硬化反応がおこる条件であればよく、例えば、140〜220℃の温度範囲で1〜30分間という範囲の中で適宜決定することができる。あるいは、熱硬化性樹脂が溶解するものの熱硬化反応は起こさない温度範囲(80〜100℃)でプレス成形を行なった後に、成形されたセパレータ部材を所定の加熱炉内で140〜220℃で30〜600分間加熱することによって熱硬化性樹脂の熱硬化を行なうこととしても良い。この場合には、プレス成形時に熱硬化性樹脂を溶解させることによって、カーボン粉末間に熱硬化性樹脂を行き渡らせて充分な結着性を得ることができる。また、プレス時には熱硬化反応を完了させる必要がないためプレス工程の時間を短縮することができ、また、熱硬化反応は後でまとめて行なうことができるため、多量のセパレータを製造する場合に有利となる。この熱硬化反応のために行なう加熱は、選択した熱硬化性樹脂が熱硬化可能であって、熱硬化性樹脂等の構成材料が劣化しない温度範囲および加熱時間であれば良い。
【0065】
上記したプレス成形を行なうときに、上記金型内の空気が原材料粉末中に取り込まれてプレスが行なわれると、成形されたセパレータ部材内に空気が残留してセパレータ部材内に気泡が形成されることがある。セパレータ部材は、後述する含浸剤の含浸の工程によって充分なガス不透過性が付与されるが、局所的に非所望の気泡が形成されてしまうのを防ぐために、プレス成形時には上記金型内を10torr以下に排気しておき、セパレータ部材内に空気が残留するのを防ぐ構成としてもよい。
【0066】
ステップS130の加熱プレス成形の工程で得たセパレータ部材は、既述したようにガス不透過性が不十分であるため、次に、このセパレータ部材を含浸剤に含浸させて、セパレータ部材を構成するカーボン粉末間の空隙をこの含浸剤で塞ぎ、セパレータ部材に充分なガス不透過性を付与する(ステップS130)。このステップS130では、含浸剤として、後述する洗浄の工程でセパレータ部材の表面から容易に洗い流すことができると共に、後述する乾燥の工程で熱硬化させることができ、セパレータに所定の親水性を付与することができる(含浸剤を含浸させたセパレータは、接触角が40℃以下となる親水性を示すようになる)熱硬化性樹脂を用いる。例えば、アクリル樹脂を主成分として、さらにエポキシ樹脂とエステル樹脂とを共重合させた有機系の樹脂や、珪酸塩系複合無機ポリマー(珪素樹脂)などを用いることができる。これらの含浸剤で満たされた含浸タンクに、上記セパレータ部材を真空下(20torr以下の減圧下)で浸漬し、引き続き加圧含浸(圧力5atm以上)を行う。
【0067】
次に、このように含浸剤を含浸させたセパレータ部材を温水洗浄して、セパレータ部材の表面に付着する含浸剤を洗い流す(ステップS140)。さらに、この表面を洗浄したセパレータ部材を、100〜150℃で乾燥させ、含浸剤である熱硬化性樹脂を熱硬化させて(ステップS150)、充分なガス不透過性を有するセパレータ30を完成させる。
【0068】
以上説明したように製造したセパレータ30を用いて燃料電池を組み立て、その電流−電圧特性を調べた結果を図7に示す。図7では、比較例として、従来知られる技術に従って作製した黒鉛化カーボンと、従来知られる技術に従って作製した成形カーボンからなるセパレータをそれぞれ用いた燃料電池における電流−電圧特性も合わせて示した。ここで、従来知られる技術に従って作製した黒鉛化カーボンからなるセパレータとは、カーボン粉末とフェノール樹脂とを混練して成形したものを焼成して黒鉛化し、機械加工を施して所定の形状とした後に、樹脂を含浸させてガス不透過性を確保したものである。また、従来知られる技術に従って作製した成形カーボンからなるセパレータとは、カーボン粉末に、熱硬化性樹脂からなる充分量のバインダを加えて混練した後に、加熱プレス成形を行なって製造したものである。すなわち、上記実施例と同様の条件で加熱プレス成形を行なう際に、成形カーボンの空隙を埋めるのに必要な理論バインダ量(カーボン粉末量の10%)を超える量(具体的にはカーボン粉末量の14%)のバインダを用いて製造したセパレータである。
【0069】
図7に示すように、本実施例のセパレータ30を用いて組み立てた燃料電池は、従来知られる黒鉛化カーボンからなるセパレータを用いて組み立てた燃料電池と、ほぼ同等の電流−電圧特性を示すと共に、従来知られる成形カーボンからなるセパレータを用いて組み立てた燃料電池に比べて優れた電池特性を示した。すなわち、出力電流値が大きくなっても、充分に高い出力電圧を維持することができた。ここで、従来知られる成形カーボンからなるセパレータを用いて組み立てた燃料電池の電池特性が劣っているのは、加熱プレスによって成形する際に、成形されたセパレータの表面に加熱によって溶解したバインダがしみ出し、セパレータ表面にバインダの層が形成されてしまうことによる。熱硬化性樹脂からなるバインダは導電性を有しないため、このようなセパレータを用いて燃料電池を組み立てると、燃料電池の内部抵抗が増大し、出力電流値が大きいときの出力電圧を充分に確保することが困難となる。
【0070】
以上説明した本実施例のセパレータの製造方法によれば、焼成の工程を行なうことなく、加熱プレス成形によってセパレータ部材を作製しているため、焼成体から所定の形状を切り出すための機械加工の工程が不要となって、製造工程を簡素化することができると共に製造コストを抑えることができる。また、加熱プレス成形の工程の後に、セパレータ部材に含浸剤を含浸させる処理を行なうため、充分にガス不透過性が確保されて、強度も充分であるセパレータを製造することができる。
【0071】
また、本実施例のセパレータの製造方法では、加熱プレス成形に供する原材料中に加えるバインダ量は、プレス成形によってカーボン粒子間に形成される空隙を、完全に塞ぐために理論的に必要とされるバインダ量よりも少ないため、以下に示す効果を奏する。第1に、バインダを構成する熱硬化性樹脂を熱硬化させるのに要する時間がより短くて済み、加熱プレス成形を行なう時間を短くすることができる。第2に、セパレータを構成するカーボン粉末間に過剰のバインダが介在しないため、セパレータの導電性を充分に確保することができる。既述した理論バインダ量を超える量のバインダをカーボン粉末に加えて加熱プレス成形を行なうと、過剰量のバインダがカーボン粉末間でバインダの層を形成してしまい、カーボン粉末同士が接触せず導電性が損なわれる場合がある。上記したようにバインダ量が少ない場合には、カーボン粉末同士が充分に接触した状態でプレス成形されるため、良好な導電性を確保することができる。
【0072】
第3に、加熱プレス成形の際に、セパレータ部材の表面に過剰のバインダがしみ出すことがないため、このようなセパレータを用いて燃料電池を組み立てた場合に、燃料電池の内部抵抗が上昇してしまうことがなく、充分な電流−電圧特性を示す燃料電池を得ることができる。従来のように、理論バインダ量を超える量のバインダを混合したカーボン粉末を加熱プレス成形する場合には、セパレータ表面にバインダの層が形成されるおそれがあり、このようなセパレータを組み込んだ燃料電池では、燃料電池の内部抵抗が上昇して電池性能が低下してしまう。このような事態を避けるためには、セパレータの製造工程で、セパレータの表面にしみ出したバインダの層を削り取る工程をさらに加える必要があった。
【0073】
さらに、本実施例のセパレータの製造方法では、加熱プレス成形によって製造したセパレータ部材に含浸させる含浸剤として、温水洗浄で容易に洗い流すことができる樹脂を用いているため、温水洗浄という簡便な操作によって、セパレータを積層したときに生じる接触抵抗が増大してしまうのを容易に抑えることができる。セパレータ表面に形成された含浸剤の層を、温水洗浄によって容易に洗い流すことができるため、セパレータの表面を削り取るといった、煩雑な機械的な処理を施す必要がない。
【0074】
また、本実施例のセパレータの製造方法では、加熱プレス成形によって製造したセパレータ部材に含浸させる含浸剤として、親水性の樹脂を用いたため、製造したセパレータに所定の親水性を付与することができる。このようなセパレータを用いて燃料電池を組み立てると、燃料電池内のガス流路における排水性を向上させることができ、燃料電池内のガス流路が、電池反応で生じる生成水などによって塞がれてしまうという不都合が起こるのを防止することができる。燃料電池では、既述した(1)式ないし(3)式に示した電気化学反応が進行するが、このとき、(2)式に示したように、カソード側には生成水が生じる。ガス流路を形成する凹凸を表面に形成するセパレータが親水性を有する場合には、生じた生成水は、この親水性を有するガス流路壁面に導かれて排出されるため、生成水が水滴となってガス流路内に留まり、ガス流路を塞いでしまうのを防ぐことができる。
【0075】
なお、上記第1実施例では、セパレータ30の原材料として用いるカーボン粉末は鱗片状天然黒鉛粉末を用いたが、他種のカーボン粉末を用いることとしてもよい。鱗片状天然黒鉛粉末の他に、例えば、カーボンブラックや熱膨張黒鉛などを用いることができ、コストなどの条件を考慮して適宜選択すればよい。
【0076】
上記第1実施例では、セパレータの原材料としてカーボン粉末を用い、このカーボン粉末にバインダを加えて加熱プレス成形して得たセパレータ部材に、含浸剤を含浸させてセパレータを製造したが、セパレータの原材料として金属材料を用いる場合にも、同様の製造方法を適用することができる。通常は、金属材料によってセパレータを製造する場合には、金属ブロックから所定の形状の部材を切り出すなどの方法を用いるが、金属粉末を原材料として、この金属粉末をプレス成形して第1実施例と同様にセパレータ部材を作製し、セパレータ部材にさらに含浸剤を含浸させてセパレータを製造することができる。このような方法を第2実施例として以下に示す。
【0077】
図8は、第2実施例のセパレータ130の製造工程を表わす説明図である。セパレータ130は、第1実施例のセパレータ30と同様の形状を有し、既述した燃料電池に組み込まれて用いられるが、金属粉末を原材料としていることを特徴とする。セパレータ130を製造するには、まず原材料粉末の調製を行なう(ステップS200)。第2実施例では、原材料粉末として、チタン粉末の各チタン粒子をスズめっきして得られる金属粉末を調製した。なお、原材料粉末として用いる金属粉末において、その粉末基材としては、燃料電池の動作条件(供給されるガスや温度)で安定な金属であればよく、例えば、チタン,ニッケル,クロム,ステンレス等を選択することができる。セパレータをカーボンではなく金属で製造する場合には、一般的には、セパレータに充分な耐腐食性を付与する目的で、金属の表面を、特に安定性の高い金属でさらにコートする。本実施例では、原材料粉末として用いる金属粉末の各粒子に対してめっきを施した。めっきに用いる金属としては、例えば、チタン,ニッケル,窒化チタン,窒化クロム,金,炭素,スズなどを用いることができ、燃料電池に要求される耐久性やコスト等を考慮して適宜選択すればよい。なお、このステップS200で調製した金属粉末の粒径は、数十μmとした。
【0078】
このようにして調製した原材料粉末を、所定形状の金型に投入する(ステップS210)。この原材料粉末を金型に投入する工程は、第1実施例において図1に示したステップS210と同様の工程であり、用いた金型は、図2(A)に示した金型60と同様の金型である。所定形状の金型内に原燃料粉末を投入した後、所定の面圧でプレスを行なうと、図4に示したセパレータ30と同様の形状を有する金属製のセパレータ部材が得られる(ステップS220)。なお、プレス時の面圧は、プレス成形で得られるセパレータ部材から最終的に製造されるセパレータ130が、充分な強度を有するようになる圧力として設定する。また、プレス成形時の温度は、室温としても差し支えないが、100℃程度にまで加熱して、原材料粉末の流動性を高めることとしてもよい。本実施例では、0.5ton/cm2 、80℃の条件でプレス成形を行なった。
【0079】
次に、ステップS220のプレス成形で得たセパレータ部材を焼結する(ステップS225)。この焼結の処理を行なうことによって、セパレータ部材の導電性と強度とが向上する。なお、焼結の処理を行なわないセパレータ部材の導電性および強度が、燃料電池に組み込むセパレータとして充分であるならば、このステップS225の工程は行なわないこととしてもよい。ステップS225で焼結を行なったセパレータ部材は、空隙率(内部に形成された空隙総量の、セパレータ部材体積に対する割合)が20%程度となっており、セパレータとしてはガス不透過性が不十分な状態となっている。
【0080】
ステップS225のプレス成形の工程で得たセパレータ部材は、既述したようにガス不透過性が不十分であるため、次に、第1実施例と同様に、このセパレータ部材を含浸剤に含浸させて、セパレータ部材を構成するカーボン粉末間の空隙をこの含浸剤で塞ぎ、セパレータ部材に充分なガス不透過性を付与する。セパレータ部材に含浸剤を含浸させ、セパレータ表面を洗浄し、含浸剤を乾燥・硬化させるステップS230からステップS250までの工程は、図1をもとに第1実施例で説明したステップS130から図ステップS150までと同様の工程であるため、詳しい説明は省略する。ステップS130からステップS150までと同様の工程を行なって、セパレータ部材内の空隙を含浸剤で塞いで、充分なガス不透過性を有するセパレータ130を完成させる。
【0081】
以上説明したように製造した第2実施例のセパレータ130を用いて燃料電池を組み立て、その電流−電圧特性を調べた結果を、第1実施例の結果と併せて図7に示す。図7に示すように、第2実施例のセパレータ130を用いて組み立てた燃料電池は、従来知られる成形カーボンからなるセパレータを用いて組み立てた燃料電池よりも優れた、充分な電池特性を示した。すなわち、出力電流値が大きくなっても、充分に高い出力電圧を維持することができた。
【0082】
以上説明した第2実施例のセパレータの製造方法によれば、第1実施例のセパレータの製造方法と同様に、以下のような効果を得ることができる。すなわち、プレス成形によってセパレータ部材を作製しているため、所定の形状を切り出すための機械加工の工程が不要となって、製造工程を簡素化することができると共に製造コストを抑えることができる。また、プレス成形の工程の後に、セパレータ部材に含浸剤を含浸させる処理を行なうため、充分なガス不透過性を備えるセパレータを製造することができる。さらに、セパレータ部材に含浸させる含浸剤として、温水洗浄で容易に洗い流すことができる樹脂を用いているため、温水洗浄という簡便な操作によって、セパレータを積層したときに生じる接触抵抗が増大してしまうのを容易に抑えることができる。セパレータ表面に形成された含浸剤の層を、温水洗浄によって容易に洗い流すことができるため、セパレータの表面を削り取るといった、煩雑な機械的な処理を施す必要がない。また、セパレータ部材に含浸させる含浸剤が親水性を有する樹脂であるため、製造されるセパレータに所定の親水性を付与することができる。したがって、このようなセパレータを用いて燃料電池を組み立てると、燃料電池内のガス流路における排水性を向上させることができ、燃料電池内のガス流路が、電池反応で生じる生成水などによって塞がれてしまうという不都合が起こるのを防止することができる。
【0083】
さらに、第2実施例のセパレータの製造方法によれば、金属粉末からなる原材料をプレス加工して成形しているため、金属ブロックから所定の形状の部材を切り出す場合に比べて、金属製セパレータを製造する際の形状の自由度が高くなるという利点を有する。したがって、機械加工によって切り出しを行なう場合に比べて、製造工程が簡素化できることに加え、燃料電池におけるガス流路を形成するためにセパレータ表面に設ける凹凸形状などを、さらに自由な形状に設計することが可能となる。また、金属粉末をプレス成形することによって、セパレータ中で、金属粉末間に空隙が生じるため、金属ブロックから所定の形状を切り出して製造した金属セパレータに比べて、セパレータの重量が軽くなる。したがって、セパレータを用いて組み立てた燃料電池全体の重さも軽くすることができ、特に、移動用電源として用いる燃料電池を製造する際には有利となる。
【0084】
また、セパレータ130の原材料は、個々の金属粉末がめっきされているため、セパレータ全体の耐腐食性を向上させることができるという効果を奏する。すなわち、経時的な劣化や、燃料電池の動作中にセパレータに加わる外力によって、セパレータの表層の一部が損なわれることがあっても、セパレータを構成する金属粉末中の個々の粒子がめっきされているため、耐腐食性が低下してしまうことがない。これに対し、金属ブロックから所定の形状の部材を切り出して製造したセパレータでは、通常はその表面にめっきを施して耐腐食性を向上させるが、このような場合には、セパレータの表面のみにめっき層が形成されているため、充分な耐腐食性を実現することが難しい。すなわち、上記した劣化や外力によって、この表層のめっき層の一部が損なわれると、セパレータ内部を保護する効果が失われ、セパレータの耐腐食性が低下してしまう。
【0085】
なお、既述した実施例では、セパレータ30およびセパレータ130を備える燃料電池は固体高分子型燃料電池としたが、製造されたセパレータが燃料電池の使用環境に耐えるならば、本発明に基づくセパレータを他種の燃料電池に適用しても構わない。
【0086】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のセパレータ30の製造工程を表わす説明図である。
【図2】加圧成形によってセパレータ30を製造する様子を表わす説明図である。
【図3】単セル28の構成を表わす断面模式図である。
【図4】燃料電池の構成を表わす分解斜視図である。
【図5】単セル28を積層したスタック構造14の外観を表わす斜視図である。
【図6】成形圧力と圧粉体嵩密度との関係を表わす説明図である。
【図7】セパレータ30を用いて組み立てた燃料電池の電流−電圧特性を表わす説明図である。
【図8】第2実施例のセパレータ130の製造工程を表わす説明図である。
【符号の説明】
14…スタック構造
21…電解質膜
22…アノード
23…カソード
30a,30b…セパレータ
24P…燃料ガス流路
25P…酸化ガス流路
28…単セル
30…セパレータ
34P…燃料ガス流路
35P…酸化ガス流路
36,37…集電板
36A,37A…出力端子
38,39…絶縁板
40,41…エンドプレート
42…燃料ガス孔
43…燃料ガス孔
44…酸化ガス孔
45…酸化ガス孔
50,51…燃料ガス孔
52,53…酸化ガス孔
54,55…リブ
56…燃料ガス供給マニホールド
57…燃料ガス排出マニホールド
58…酸化ガス供給マニホールド
59…酸化ガス排出マニホールド
60…金型
130…セパレータ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a fuel cell separator and a fuel cell separator, and more specifically, in a fuel cell configured by stacking a plurality of single cells, the fuel gas is provided between adjacent single cells and between the electrodes. The present invention relates to a fuel cell separator that forms a flow path and an oxidizing gas flow path and separates the fuel gas from the oxidizing gas, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of fuel cell separator, a carbon powder is used as a raw material, and a material obtained by adding a predetermined binder to the carbon powder is molded, and then fired, carbonized, and graphitized (for example, Japanese Patent Laid-Open No. Hei. No. 8-222241). In the case of firing and carbonizing and graphitizing a molded carbon material in this way, the phenol resin added as a binder to the carbon material generates water in the firing process, so the generated water is contained in the separator. There is a possibility that bubbles are generated and the gas impermeability of the fired separator is impaired. Therefore, normally, in order to ensure the gas impermeability of the separator, the fired separator is further impregnated with a thermosetting resin such as a phenol resin to block the generated bubbles.
[0003]
Alternatively, as another method for manufacturing a separator, a method in which a graphite material mixed with a predetermined amount of a phenol resin as a binder is subjected to hot press molding at a temperature at which the resin does not graphitize (for example, a special method). Kaihei 60-246568). With such a configuration, since the carbonization and graphitization steps are not required, the manufacturing process can be simplified, and a separator that realizes sufficient conductivity and gas impermeability can be easily manufactured. it can.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described two methods, when the fuel cell separator is manufactured by firing, carbonizing and graphitizing the molded carbon, the firing process causes shrinkage of the entire carbon member. . Therefore, usually, a raw material added with a binder is formed into a block shape, fired, cut out from the fired block-shaped carbon material to obtain a plate-like member, and a predetermined machine is attached to the plate-like member. Processing was performed to obtain a desired separator shape. When the above-described resin impregnation operation is performed on the member that has been machined into the desired shape, the separator is completed. As described above, when a manufacturing method including a firing process is used, there is a disadvantage that the entire manufacturing process becomes complicated, for example, a machining process is required, thereby causing an increase in manufacturing cost.
[0005]
On the other hand, when a fuel cell separator is manufactured by adding a binder made of a thermosetting resin to a graphite material and performing heat press molding at a temperature at which the resin does not graphitize, the separator has a desired shape because of heat press molding. However, since a binder is added to the graphite material, the conductivity of the separator may be impaired due to the influence of the binder, and the resistance may increase. That is, as the amount of binder having no conductivity increases, the conductivity of the entire separator also decreases. In addition, during hot press molding, a binder may be deposited on the separator surface. When a fuel cell is assembled using such a separator, the contact resistance between the separator and the electrode increases. In order to prevent such inconvenience, a configuration in which the surface of the separator is shaved after hot press molding to remove the binder deposited on the surface is conceivable. However, in this configuration, the surface is shaved for each separator. Therefore, the manufacturing process becomes complicated and the advantages of simple hot press molding are impaired.
[0006]
The present invention has been made to solve such problems and to produce a separator having sufficient conductivity and gas impermeability by a simple production method. Therefore, the method for producing a fuel cell separator of the present invention is provided. The fuel cell separator has the following configuration.
[0007]
[Means for solving the problems and their functions and effects]
The method for producing a fuel cell separator of the present invention comprises:
(A)carbonA step of forming a separator member having a predetermined shape by pressure-molding a raw material made of powder containing at least in a predetermined mold;
(B) The separator member formed in the step (a) is impregnated with a predetermined impregnating agent, and the gap formed between the powders constituting the raw material in the separator member is closed with the impregnating agent. Process and
With,
Assuming that the powder to be subjected to the pressure molding is obtained by pressure-molding a powder made of carbon under the pressure during the pressure molding, a carbon member is obtained between the carbon powders in the carbon member. A powder obtained by further adding a binder in an amount less than the theoretical amount required to close the formed gap, to the carbon powder,From the separator memberWithout firingThe gist is to obtain a fuel cell separator.
[0008]
According to the method for manufacturing a fuel cell separator of the present invention configured as described above, a separator member is formed by pressure molding, and a separator is obtained from the separator member. Therefore, the shape of the separator is cut out from the block by machining. Compared with the manufacturing method, the manufacturing process can be simplified. Further, since the separator member is impregnated with the impregnating agent to close the gap formed in the separator member, a separator having sufficient gas impermeability can be manufactured.
[0009]
Here, as the impregnating agent impregnated in the separator member, for example, a thermosetting resin having sufficient heat resistance at the operating temperature of the fuel cell can be used. When using a thermosetting resin, disperse it in a predetermined solvent, immerse the separator member in this liquid, soak the impregnating agent in the voids in the separator member, and heat the separator member. What is necessary is just to thermoset resin. Moreover, even if it is a thermoplastic resin, if it does not melt | dissolve in the operating temperature range of a fuel cell, it can replace with a thermosetting resin and can be used.
[0011]
Further, according to the method for manufacturing a fuel cell separator of the present invention,The carbon separator can be produced by a simple method called pressure molding, and there is no need to perform complicated steps such as machining and firing. In addition, since the binder is used in an amount smaller than the theoretical amount described above, the binder oozes out on the surface of the separator member formed by pressure molding during pressure molding, as in the case of using a binder larger than the theoretical amount. And there is no risk of forming a layer. When such a binder layer is formed on the surface of the separator member, the conductivity of the separator obtained from the separator member decreases, and when this separator is used in a fuel cell, the contact resistance in the fuel cell increases. . In addition, if the binder oozes out during pressure molding to form a layer, the releasability of the separator member becomes worse after pressure molding. Furthermore, the “burr” is formed by the oozed binder, and the manufacturing process may be complicated to remove this.
[0012]
In addition, since a smaller amount of the binder than the theoretical amount is used, the carbon powders can sufficiently adhere to each other in the separator member formed by pressure molding. Therefore, a binder layer is not formed between the carbon powders, and the conductivity of the separator is not lowered. Further, when a thermosetting resin is used as the binder, the amount of the binder is small, so that the time required for curing the thermosetting resin is shortened, and the time required for the production can be shortened.
[0013]
Here, the amount of the binder to be added to the carbon powder is not less than the minimum amount at which the member obtained by pressure molding has a strength sufficient to withstand the impregnation process. What is necessary is just to determine suitably as an amount which an undesired amount of binder does not ooze out. The theoretical value of the binder amount is the amount required when it is assumed that a carbon member is obtained by press-molding only carbon powder. In addition, the powder obtained by adding other substances to the carbon powder is molded. Then, it may be an amount required when it is assumed that the carbon member is formed. That is, if a powder obtained by further adding other substances such as a hydrophilic substance to the carbon powder is used as the raw material, it is assumed that a carbon member is obtained by pressure molding the powder containing the other substance. In this case, the binder amount actually used may be set as a smaller amount than the theoretically required binder amount. Of course, when another substance is further added to the carbon powder, if the amount of the other substance is small and the influence is small, the theoretical quantity required when only the carbon powder is used may be used.
[0023]
In addition, the method for producing the fuel cell separator of the present invention includes:
(D) washing the separator member impregnated with the predetermined impregnating agent in the step (b), and washing away the impregnating agent adhering to the surface of the separator member;
Further, it may be provided.
[0024]
According to such a method for manufacturing a separator for a fuel cell, the impregnating agent that deteriorates conductivity is removed because the layer of the impregnating agent formed on the surface of the separator member in the step of impregnating the impregnating agent is removed by a simple method of washing. The manufacturing process is not complicated to remove the layer. Here, the washing operation may be performed using water or warm water if the impregnating agent is water-soluble. When using a non-water-soluble impregnating agent, a solvent capable of dissolving the impregnating agent is appropriately selected. Can be washed.
[0025]
In the manufacturing method of such a fuel cell separator,
The impregnating agent may be a water-soluble thermosetting resin in which an acrylic resin is a main component and an epoxy resin and an ester are copolymerized. Since such a resin is water-soluble, the layer of the impregnating agent formed on the surface of the separator member by the operation of impregnating the separator member can be easily washed away by washing with warm water.
[0026]
In the fuel cell separator of the present invention,
The predetermined impregnating agent used in the step (a) may contain a hydrophilic substance.
[0027]
Thus, by impregnating the impregnating agent containing a hydrophilic substance, predetermined | prescribed hydrophilic property can be provided to a separator. When the separator is imparted with hydrophilicity, the effect of improving drainage can be obtained in the gas flow path formed by the concavo-convex structure provided on the separator surface inside the fuel cell using the separator. That is, in the fuel cell, generated water is generated as the electrochemical reaction proceeds, and this generated water is inconvenient if it stays in the gas flow path and closes the flow path. The drainage from the flow path is improved, and such inconvenience can be prevented. The hydrophilicity of the impregnating agent is imparted to the separator member by impregnating the separator member with the impregnating agent so that the contact angle of the separator obtained from the separator member is 40 degrees or less. It is desirable that it is possible.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In order to further clarify the configuration and operation of the present invention described above, embodiments of the present invention will be described based on examples. First, for convenience of explanation, the configuration and operation of a fuel cell including a separator manufactured based on the separator manufacturing method according to the first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The separator manufacturing method according to the first embodiment of the present invention will be described.
[0035]
A fuel cell including a separator manufactured according to the separator manufacturing method according to the first embodiment of the present invention has a stack structure in which a plurality of single cells as constituent units are stacked. 3 is a schematic cross-sectional view illustrating the configuration of a
[0036]
The fuel cell of this example is a polymer electrolyte fuel cell. A polymer electrolyte fuel cell includes a membrane made of a solid polymer exhibiting good conductivity in a wet state as an electrolyte layer. Such fuel cells areanodeThe fuel gas containing hydrogen is supplied on the side,CathodeIn response to the supply of an oxidizing gas containing oxygen on the side, the following electrochemical reaction proceeds.
[0037]
H2 → 2H++ 2e- ... (1)
(1/2) O2+ 2H++ 2e- → H2O ... (2)
H2+ (1/2) O2 → H2O ... (3)
[0038]
Equation (1) isanodeThe reaction in (2) isCathodeThe reaction shown in the equation (3) proceeds in the entire fuel cell. As described above, the fuel cell directly converts chemical energy contained in the fuel supplied to the fuel cell into electric energy, and is known as a device having very high energy efficiency. As shown in FIG. 3, the
[0039]
The
[0040]
In FIG. 3, the ribs that form the gas flow paths are formed only on one side of each
[0041]
The
[0042]
Here, the
[0043]
Both the
[0044]
The
[0045]
When assembling a fuel cell including the above-described members, the
[0046]
The stacking order of the respective members when configuring the
[0047]
The
[0048]
Further, the
[0049]
The
[0050]
Next, the flow of the fuel gas and the oxidizing gas in the fuel cell having the above configuration will be described. The fuel gas is introduced into the fuel cell from the predetermined fuel gas supply device described above through the
[0051]
Similarly, the oxidizing gas is introduced from the predetermined oxidizing gas supply device described above into the fuel cell through the oxidizing gas hole 44 formed in the
[0052]
Next, the manufacturing method of the
[0053]
First, before explaining the manufacturing method of the
[0054]
When carbon powder is press-molded in this way, the carbon particles in the carbon powder are pressure-bonded to each other. With this, in the member obtained by press molding, a void having a size corresponding to the pressure at the time of pressing is each carbon particle. Formed between. The size of the gap decreases as the pressure during pressing increases. Therefore, the higher the pressure during pressing, the higher the density of the member obtained by press molding, and the air tightness (gas impermeability) of this member is improved.
[0055]
The theoretically required binder amount is given in parentheses at the five points measured in FIG. This theoretically required binder amount is the amount of voids (parts obtained by pressure molding) in each member made by press-molding only carbon powder from the theoretical density obtained as described above.MaterialThe total amount of voids formed between each particle of the carbon powder is calculated, and the weight of the binder necessary to fill the voids with a binder described later is expressed as a percentage of the weight of the carbon powder. It is. When a molded carbon member is produced by hot press molding with a binder added to the carbon powder, ideally, a molded carbon member having no voids can be produced by adding a binder corresponding to the theoretically required binder amount. It will be. Conventionally, when heat press molding is actually performed, pressure unevenness occurs in the press surface depending on the shape of the mold used for press molding, etc., so that molded carbon with sufficiently closed gaps is obtained. For this reason, an amount of the binder exceeding the theoretically required amount of binder is added to the carbon powder to perform press molding.
[0056]
Next, the manufacturing method of the
[0057]
The amount of binder added to the carbon powder at the time of preparing the raw material powder in step S100 is smaller than the theoretical binder amount as described above, and when the thermosetting resin constituting the binder is once softened by heating performed together with press molding. In addition, the amount is determined such that the binder is sufficiently spread between the carbon powders and the strength of the member obtained by press molding is ensured to a minimum. The strength of the member obtained by press molding needs to be able to sufficiently withstand the subsequent steps (treatment of impregnating the impregnating agent).
[0058]
Furthermore, the amount of the binder added to such carbon powder also affects the time required for thermosetting the thermosetting resin during hot press molding. As the amount of the binder added to the carbon powder increases, the time required for thermosetting the thermosetting resin constituting the binder becomes longer, so the time required for hot press molding becomes longer. The time required will also be longer. In addition, when the amount of the binder added to the carbon powder increases, the binder softened by heating oozes out on the surface of the member formed by press molding during the hot press molding, and as a result, partially on the separator surface produced as a result. A binder layer is formed. Further, when the amount of binder added to the carbon powder is large, in the hot press molding process, in the mold for press molding, the softened binder enters between the members constituting the mold, and the press molded member A “burr” is formed. When such “burrs” occur, a process of removing these “burrs” after press molding is required. In addition, since the binder has a predetermined adhesiveness, the amount of the binder is large, and when the binder oozes out on the surface of the member formed by press molding, the binder is removed from the press molding die. Release properties will deteriorate.
[0059]
Considering the above-mentioned disadvantages that may occur when the binder amount is increased, the binder amount added to the carbon powder is preferably 50 to 80% of the theoretical binder amount obtained from FIG. In this embodiment, the amount of the binder is such that the surface pressure during molding is 0.5 ton / cm.2The amount of binder required (10% of carbon powder) was 60% (6% of carbon powder).
[0060]
The thermosetting resin is a resin that undergoes a thermosetting reaction when heated to a predetermined temperature, gives a predetermined hardness to the
[0061]
In step S100, the slurry prepared by mixing the carbon powder and the binder was dried and then pulverized to prepare the raw material powder. However, drying and granulation may be performed simultaneously using a spray dryer or the like. Good. In addition, if the raw material powder can be mixed uniformly, instead of the above-described wet kneading, dry kneading in which the raw material powder is mixed without using a solvent at a temperature that does not cure the resin (room temperature to about 100 ° C.). You may do it.
[0062]
Here, at the time of adjusting the raw materials described above, the materials used were powders, but these materials only have to be in a shape that can be mixed uniformly to an acceptable level by the above-described wet kneading or dry kneading. . In order to mix with sufficient uniformity, the raw material is preferably composed of particles of about 1 to 300 μm.
[0063]
The raw material powder thus prepared is put into a mold having a predetermined shape (step S110). FIG. 2A schematically shows a state in which the raw fuel powder is put into the
[0064]
During the press molding in step S120, the mold is heated at 180 ° C., so that the thermosetting resin constituting the binder is dissolved and a thermosetting reaction occurs, and at the same time as the press molding, a predetermined strength is given to the separator member. be able to. Here, the heating temperature at the time of press molding should just be the conditions which the above-mentioned resin melt | dissolution and thermosetting reaction occur, for example, determines suitably in the range of 1 to 30 minutes in the temperature range of 140-220 degreeC. be able to. Alternatively, after the press molding is performed in a temperature range (80 to 100 ° C.) in which the thermosetting resin dissolves but does not cause a thermosetting reaction, the molded separator member is placed in a predetermined heating furnace at 140 to 220 ° C. for 30. Thermosetting of the thermosetting resin may be performed by heating for ~ 600 minutes. In this case, by dissolving the thermosetting resin at the time of press molding, the thermosetting resin can be spread between the carbon powders to obtain sufficient binding properties. In addition, it is not necessary to complete the thermosetting reaction at the time of pressing, so the time of the pressing process can be shortened, and the thermosetting reaction can be performed collectively later, which is advantageous when manufacturing a large amount of separators. It becomes. The heating for the thermosetting reaction may be performed within a temperature range and a heating time in which the selected thermosetting resin can be thermoset and the constituent materials such as the thermosetting resin are not deteriorated.
[0065]
When performing the above-described press molding, if the air in the mold is taken into the raw material powder and the press is performed, the air remains in the molded separator member and bubbles are formed in the separator member. Sometimes. The separator member is provided with sufficient gas impermeability by the impregnating step described later, but in order to prevent the formation of undesired bubbles locally, A configuration may be adopted in which the air is exhausted to 10 torr or less to prevent air from remaining in the separator member.
[0066]
Since the separator member obtained in the hot press molding step of step S130 is insufficient in gas impermeability as described above, the separator member is then impregnated with an impregnating agent to constitute the separator member. The gap between the carbon powders is closed with this impregnating agent, and sufficient gas impermeability is imparted to the separator member (step S130). In this step S130, as the impregnating agent, it can be easily washed off from the surface of the separator member in a cleaning process described later, and can be thermally cured in a drying process described later, thereby imparting a predetermined hydrophilicity to the separator. (The separator impregnated with the impregnating agent uses a thermosetting resin that exhibits hydrophilicity with a contact angle of 40 ° C. or lower). For example, an organic resin obtained by copolymerizing an acrylic resin as a main component and further an epoxy resin and an ester resin, a silicate-based composite inorganic polymer (silicon resin), or the like can be used. The separator member is immersed in an impregnation tank filled with these impregnation agents under vacuum (under a reduced pressure of 20 torr or less), followed by pressure impregnation (pressure of 5 atm or more).
[0067]
Next, the separator member impregnated with the impregnating agent is washed with warm water to wash away the impregnating agent adhering to the surface of the separator member (step S140). Further, the separator member whose surface has been cleaned is dried at 100 to 150 ° C., and the thermosetting resin as the impregnating agent is thermoset (step S150), thereby completing the
[0068]
FIG. 7 shows the result of assembling the fuel cell using the
[0069]
As shown in FIG. 7, the fuel cell assembled using the
[0070]
According to the separator manufacturing method of the present embodiment described above, since the separator member is produced by hot press molding without performing the firing step, the machining step for cutting out a predetermined shape from the fired body Becomes unnecessary, the manufacturing process can be simplified and the manufacturing cost can be reduced. In addition, since the separator member is impregnated with the impregnating agent after the hot press molding step, a separator with sufficient gas impermeability and sufficient strength can be manufactured.
[0071]
Further, in the separator manufacturing method of this example, the amount of binder added to the raw material used for hot press molding is the binder that is theoretically required to completely close the voids formed between the carbon particles by press molding. Since it is less than the amount, the following effects are obtained. First, the time required for thermosetting the thermosetting resin constituting the binder can be shortened, and the time for hot press molding can be shortened. Second, since no excessive binder is interposed between the carbon powders constituting the separator, the conductivity of the separator can be sufficiently ensured. If the amount of binder that exceeds the theoretical binder amount described above is added to the carbon powder and subjected to hot press molding, an excessive amount of binder will form a binder layer between the carbon powders, and the carbon powders will not contact each other and become conductive. May be impaired. As described above, when the amount of the binder is small, press molding is performed in a state where the carbon powders are sufficiently in contact with each other, so that good conductivity can be ensured.
[0072]
Third, since excessive binder does not ooze out on the surface of the separator member during hot press molding, the internal resistance of the fuel cell increases when a fuel cell is assembled using such a separator. Thus, a fuel cell exhibiting sufficient current-voltage characteristics can be obtained. When carbon powder mixed with a binder exceeding the theoretical binder amount is hot-press molded as in the past, a binder layer may be formed on the separator surface, and a fuel cell incorporating such a separator Then, the internal resistance of the fuel cell increases and the cell performance decreases. In order to avoid such a situation, it was necessary to further add a step of scraping off the binder layer that oozes out on the surface of the separator in the manufacturing process of the separator.
[0073]
Further, in the separator manufacturing method of the present embodiment, as the impregnating agent impregnated into the separator member manufactured by hot press molding, a resin that can be easily washed away by hot water cleaning is used. It is possible to easily suppress an increase in contact resistance that occurs when the separators are stacked. Since the layer of the impregnating agent formed on the separator surface can be easily washed away by warm water washing, it is not necessary to perform a complicated mechanical treatment such as scraping the surface of the separator.
[0074]
Moreover, in the manufacturing method of the separator of a present Example, since hydrophilic resin was used as the impregnating agent which impregnates the separator member manufactured by hot press molding, predetermined hydrophilicity can be provided to the manufactured separator. When a fuel cell is assembled using such a separator, drainage in the gas flow path in the fuel cell can be improved, and the gas flow path in the fuel cell is blocked by generated water generated by the cell reaction. It is possible to prevent the inconvenience of being generated. In the fuel cell, the electrochemical reaction shown in the above-described formulas (1) to (3) proceeds. At this time, as shown in the formula (2),CathodeProduct water is produced on the side. When the separator that forms the irregularities forming the gas flow path has a hydrophilic property, the generated water is guided and discharged to the wall surface of the gas flow channel having the hydrophilicity. Thus, it is possible to prevent the gas flow path from being blocked and blocked.
[0075]
In the first embodiment, the carbon powder used as the raw material of the
[0076]
In the first embodiment, carbon powder was used as a raw material for the separator, and a separator was manufactured by impregnating a separator member obtained by adding a binder to the carbon powder and hot press molding. The same manufacturing method can be applied to the case where a metal material is used. Usually, when a separator is manufactured from a metal material, a method of cutting a member having a predetermined shape from a metal block is used. However, the metal powder is used as a raw material and the metal powder is press-molded to form the first embodiment. Similarly, a separator member can be produced, and the separator member can be further impregnated with an impregnating agent to produce a separator. Such a method will be described below as a second embodiment.
[0077]
FIG. 8 is an explanatory view showing a manufacturing process of the separator 130 of the second embodiment. The separator 130 has the same shape as the
[0078]
The raw material powder thus prepared is put into a mold having a predetermined shape (step S210). The step of putting the raw material powder into the mold is the same as the step S210 shown in FIG. 1 in the first embodiment, and the used mold is the same as the
[0079]
Next, the separator member obtained by the press molding in step S220 is sintered (step S225). By performing the sintering process, the conductivity and strength of the separator member are improved. If the separator member not subjected to the sintering process has sufficient conductivity and strength as a separator to be incorporated into the fuel cell, the step S225 may be omitted. The separator member sintered in step S225 has a porosity (ratio of the total amount of voids formed therein to the separator member volume) of about 20%, and the gas impermeability is insufficient as a separator. It is in a state.
[0080]
Since the separator member obtained in the press molding step of step S225 has insufficient gas impermeability as described above, the separator member is then impregnated with an impregnating agent as in the first embodiment. Thus, the gap between the carbon powders constituting the separator member is closed with this impregnating agent, and sufficient gas impermeability is imparted to the separator member. Steps S230 to S250 in which the separator member is impregnated with the impregnating agent, the surface of the separator is cleaned, and the impregnating agent is dried and cured are the steps from step S130 described in the first embodiment based on FIG. Since the process is the same as that up to S150, detailed description is omitted. The same process as step S130 to step S150 is performed to close the voids in the separator member with the impregnating agent, thereby completing the separator 130 having sufficient gas impermeability.
[0081]
FIG. 7 shows the result of assembling the fuel cell using the separator 130 of the second embodiment manufactured as described above and examining the current-voltage characteristics together with the result of the first embodiment. As shown in FIG. 7, the fuel cell assembled using the separator 130 of the second example showed sufficient battery characteristics superior to the fuel cell assembled using the conventionally known separator made of molded carbon. . That is, even when the output current value is increased, a sufficiently high output voltage can be maintained.
[0082]
According to the separator manufacturing method of the second embodiment described above, the following effects can be obtained in the same manner as the separator manufacturing method of the first embodiment. That is, since the separator member is produced by press molding, a machining process for cutting out a predetermined shape is not necessary, and the manufacturing process can be simplified and the manufacturing cost can be suppressed. Moreover, since the separator member is impregnated with the impregnating agent after the press molding step, a separator having sufficient gas impermeability can be manufactured. Furthermore, as the impregnating agent to be impregnated into the separator member, a resin that can be easily washed away by hot water washing is used, so that a contact resistance generated when the separators are stacked increases by a simple operation of hot water washing. Can be easily suppressed. Since the layer of the impregnating agent formed on the separator surface can be easily washed away by warm water washing, it is not necessary to perform a complicated mechanical treatment such as scraping the surface of the separator. Moreover, since the impregnating agent impregnated in the separator member is a hydrophilic resin, a predetermined hydrophilicity can be imparted to the manufactured separator. Therefore, when a fuel cell is assembled using such a separator, drainage performance in the gas flow path in the fuel cell can be improved, and the gas flow path in the fuel cell is blocked by generated water generated by the cell reaction. It is possible to prevent the inconvenience of peeling off.
[0083]
Furthermore, according to the separator manufacturing method of the second embodiment, the raw material made of metal powderTheSince it is formed by pressing, it has the advantage that the degree of freedom in shape when manufacturing a metal separator is higher than when a member having a predetermined shape is cut out from a metal block. Therefore, in addition to simplifying the manufacturing process compared to the case of cutting out by machining, the uneven shape provided on the separator surface to form the gas flow path in the fuel cell should be designed to have a more free shape. Is possible. In addition, by press-molding the metal powder, voids are generated between the metal powders in the separator, so that the weight of the separator is reduced compared to a metal separator manufactured by cutting a predetermined shape from a metal block. Therefore, the weight of the whole fuel cell assembled using the separator can be reduced, and this is particularly advantageous when manufacturing a fuel cell used as a power source for movement.
[0084]
Moreover, since the raw material of the separator 130 is plated with individual metal powders, there is an effect that the corrosion resistance of the entire separator can be improved. That is, even if a part of the surface layer of the separator is damaged due to deterioration over time or external force applied to the separator during operation of the fuel cell, the individual particles in the metal powder constituting the separator are plated. Therefore, the corrosion resistance does not deteriorate. In contrast, in a separator manufactured by cutting out a member of a predetermined shape from a metal block, the surface is usually plated to improve corrosion resistance. In such a case, plating is applied only to the surface of the separator. Since the layer is formed, it is difficult to realize sufficient corrosion resistance. That is, if a part of the surface plating layer is damaged due to the above-described deterioration or external force, the effect of protecting the inside of the separator is lost, and the corrosion resistance of the separator is lowered.
[0085]
In the embodiment described above, the fuel cell including the
[0086]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to these embodiments, and it is needless to say that the present invention can be implemented in various modes without departing from the gist of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram illustrating a manufacturing process of a
FIG. 2 is an explanatory view showing a state in which a
3 is a schematic cross-sectional view showing the configuration of a
FIG. 4 is an exploded perspective view showing a configuration of a fuel cell.
FIG. 5 is a perspective view showing an appearance of a
FIG. 6 is an explanatory diagram showing the relationship between molding pressure and green compact bulk density.
7 is an explanatory diagram showing current-voltage characteristics of a fuel cell assembled using a
FIG. 8 is an explanatory view showing a manufacturing process of the separator 130 of the second embodiment.
[Explanation of symbols]
14 ... Stack structure
21 ... electrolyte membrane
22 ... Anode
23 ... Cathode
30a, 30b ... separator
24P ... Fuel gas flow path
25P ... Oxidizing gas flow path
28 ... Single cell
30 ... Separator
34P ... Fuel gas flow path
35P ... oxidizing gas flow path
36, 37 ... current collector
36A, 37A ... Output terminal
38, 39 ... Insulating plate
40, 41 ... End plate
42 ... Fuel gas hole
43 ... Fuel gas hole
44 ... Oxidizing gas hole
45 ... Oxidizing gas hole
50, 51 ... Fuel gas hole
52, 53 ... oxidizing gas hole
54, 55 ... ribs
56 ... Fuel gas supply manifold
57 ... Fuel gas discharge manifold
58 ... Oxidizing gas supply manifold
59 ... Oxidizing gas discharge manifold
60 ... Mold
130 ... Separator
Claims (4)
(a)カーボンを少なくとも含む粉末からなる原材料を、所定の型内で加圧成形し、所定の形状を有するセパレータ部材を形成する工程と、
(b)前記工程(a)で形成した前記セパレータ部材に対して、所定の含浸剤を含浸させ、前記セパレータ部材において前記原材料を構成する前記粉末間に形成された空隙を、前記含浸剤で塞ぐ工程と
を備え、
前記加圧成形に供する前記粉末は、前記加圧成形時の圧力のもとでカーボンからなる粉末を加圧成形してカーボン部材を得たと仮定した場合に、該カーボン部材において前記カーボン粉末間に形成される空隙を塞ぐのに必要とする理論量よりも少ない量のバインダを、前記カーボン粉末にさらに加えた粉末であり、前記セパレータ部材から焼成を伴わないで燃料電池用セパレータを得るセパレータの製造方法。A method for producing a separator for a fuel cell, comprising:
(A) A step of forming a separator member having a predetermined shape by pressure-molding a raw material made of powder containing at least carbon in a predetermined mold;
(B) The separator member formed in the step (a) is impregnated with a predetermined impregnating agent, and the gap formed between the powders constituting the raw material in the separator member is closed with the impregnating agent. and a step,
Assuming that the powder to be subjected to the pressure molding is obtained by pressure-molding a powder made of carbon under the pressure during the pressure molding, a carbon member is obtained between the carbon powders in the carbon member. Manufacture of a separator, which is a powder obtained by further adding to the carbon powder a binder less than the theoretical amount required to close the formed gap, and obtaining a fuel cell separator without firing from the separator member Method.
(c)前記工程(b)で所定の含浸剤を含浸させた前記セパレータ部材を洗浄し、前記セパレータ部材表面に付着する前記含浸剤を洗い流す工程を
さらに備える燃料電池用セパレータの製造方法。A method of manufacturing a separator for fuel cell according to claim 1 Symbol placement,
( C ) A method for producing a fuel cell separator, further comprising the step of washing the separator member impregnated with a predetermined impregnating agent in the step (b) and washing away the impregnating agent adhering to the surface of the separator member.
請求項2記載の燃料電池用セパレータの製造方法。The method for producing a fuel cell separator according to claim 2 , wherein the impregnating agent is a water-soluble thermosetting resin containing an acrylic resin as a main component and further copolymerizing an epoxy resin and an ester.
前記工程(a)において用いる所定の含浸剤は、親水性物質を含有する
燃料電池用セパレータの製造方法。A method for producing a fuel cell separator according to any one of claims 1 to 3 ,
The predetermined impregnating agent used in the step (a) contains a hydrophilic substance. A method for producing a separator for a fuel cell.
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