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JP3885681B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アッパーベントダクトやリアベントダクト等の追加ダクトを有する車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用空調装置においては、空調ユニット(ヒーター&クーリングユニット)で生成した空調風をベント口、デフ口、フット口などの開口部から流出し、空調ダクトを介してベント吹出口、デフ吹出口、フット吹出口などに導くようにしている。このような車両用空調装置にリアベントダクトを追加したものが、例えば特開平6−92135号公報に開示されている。この公報記載の装置では、ベントダクトからリアベントダクトを分岐し、ベントダクトからの空気をリアベントダクトを介してリヤベント吹出口に導く。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしなら、上記のようにベントダクトからリヤベントダクトを分岐して設けたのでは、ベント吹出口とリヤベント吹出口の双方から送風する際に、ベント吹出口からの吹出風量が著しく減少し、前席乗員の空調快適性が損なわれる。
【0004】
本発明の目的は、追加ダクトを設けた場合に各吹出口からの吹出風量の減少を抑制することができる車両用空調装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用空調装置は、空調風を生成する空調ユニットと、空調ユニットのベント口に接続し、空調ユニットからの空調風を車両前席側のベント吹出口に導くベントダクトと、空調ユニットのデフ口に接続し、空調ユニットからの空調風をデフ吹出口に導くデフダクトと、デフダクトから分岐し、空調ユニットからデフダクトに導かれた空調風を所定の追加吹出口に導く追加ダクトと、空調ユニットからデフダクトに導かれた空調風を、デフ吹出口または追加吹出口に択一的に導く切換手段と、空調モードを選択する手段とを備え、切換手段が、デフ吹出口を含む空調モードが選択されたときに、空調ユニットからの空調風をデフ吹出口から送風し、デフ吹出口を含まない空調モードが選択されたときに、空調ユニットからの空調風を追加吹出口から送風可能となるように切り換えられることにより上述した目的を達成する。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、デフダクトから分岐して追加ダクトを設けるようにしたので、ベント吹出口と追加吹出口の双方から送風する際に、空調ユニットからの空気はデフ口とベント口からそれぞれ流出する。その結果、空調風の吹出の通気抵抗が減少し、各吹出口からの吹出風量の減少を抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第1の実施の形態−
以下、図1〜図4を参照して本発明による車両用空調装置の第1の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態では、追加ダクトとしてアッパーベントダクトを用いる。
図1は、第1の実施の形態に係わる空調ユニット(ヒーター&クーリングユニットともいう)100の側方断面図であり、図2は斜視図である。空調ユニット100は車室内前方のインストルメントパネル内の下方に設けられた狭小空間に配設される。したがって、空調ユニット100はコンパクトな形状とする必要がある。
【0008】
空調ユニット100を形成するケース1の車幅方向一側面には空気導入口2が設けられ、ブロアファン3の回転により空気導入口2からケース1内に空気が吸い込まれる。なお、図示は省略するがブロアファン3の上流側には内外気切換ドアが設けられ、内外気切換ドアの切換に応じてケース1内に内気または外気が吸い込まれる。
【0009】
ブロアファン3の下方にはエバポレータ4が縦置きに配設されている。ケース1内に吸い込まれた空気は、渦巻き状の空気通路5を介して車両前側からエバポレータ4に導かれ、エバポレータ4を通過する。エバポレータ4を通過した空気はエバポレータ4内を流れる冷媒と熱交換され、冷風とされる。エバポレータ4の後方にはヒータコア6が配設され、ヒータコア6の前面には回動軸7aを支点に回動可能にエアミックスドア7が設けられている。エバポレータ4を通過した冷風はエアミックスドア7の開度に応じてヒータコア6を通過またはバイパスする。ヒータコア6を通過した空気はヒータコア6内を流れる温水と熱交換され、温風とされる。この温風とヒータコア6をバイパスした冷風は、ヒータコア6の上方のエアミックスチャンバ8で混合され、空調風が生成される。
【0010】
エアミックスチャンバ8を形成するケース1の車幅方向両側面にはフット口11がそれぞれ開口されている。エアミックスチャンバ8上方のケース上端部には車幅方向中央にデフ口12が開口され、デフ口12の車幅方向両側には一対のベント口13がそれぞれ開口されている。フット口11およびベント口13には回動可能なフットダンパ21およびベントダンパ22がそれぞれ設けられ、このダンパ21,22の回動によってフット口11およびベント口13がそれぞれ開閉される。
【0011】
各ベント口13にはベントダクト14の一端がそれぞれ接続され、ベントダクト14の他端はインストルメントパネル中央部のセンターベント吹出口14aにそれぞれ接続されている。各ベントダクト14の側面にはサイドベント口15がそれぞれ開口され、サイドベント口15は図示しないダクトを介し、インストルメントパネル両端部のサイドベント吹出口にそれぞれ連通している。なお、センターベント吹出口14aおよびサイドベント吹出口には、手動操作によって開閉可能なシャットバルブがそれぞれ設けられている。
【0012】
各フット口11は図示しないダクトを介し、前席乗員の足下近傍に設けられたフット吹出口にそれぞれ連通している。デフ口12にはデフダクト16の一端が接続され、デフダクト16の他端はフロントウインド下端部近傍のデフ吹出口16aに接続されている。デフダクト16の途中にはアッパーベント口17が開口され、このアッパーベント口17を介し、アッパーベントダクト18がデフダクト16から分岐して設けられている。アッパーベントダクト18の先端は、デフ吹出口16aとベント吹出口14aの間のインストルメントパネルの上面中央部に設けられたアッパーベント吹出口18aに接続されている。
【0013】
アッパーベントダクト18の分岐部には切換ダンパ23が設けられている。切換ダンパ23は後述する選択スイッチ31の操作に応じてa位置またはb位置に回動され、この回動によってアッパーベント口17またはデフダクト通路25のいずれか一方が開放され、他方が遮断される。アッパーベントダクト18の途中には回動可能な開閉ダンパ24が設けられている。開閉ダンパ24は選択スイッチ31の操作に応じて回動され、この回動によってアッパーベントダクト通路26を開放または遮断する。
【0014】
図3は、空調指令用コントロールパネル30の一部を示す図である。コントロールパネル30には吹出モードを選択するプッシュ式の選択スイッチ31と目標空調温度を設定する温度設定レバー32がそれぞれ設けられている。選択スイッチ31は、ベントモードを選択するベントスイッチ31aと、バイレベルモードを選択するバイレベルスイッチ31bと、フットモードを選択するフットスイッチ31cと、デフフットモードを選択するデフフットスイッチ31dと、デフモードを選択するデフスイッチ31eと、アッパーベントモードを選択するアッパーベントスイッチ31fとを有する。
【0015】
アッパーベントモードは、後述するようにベントモードが選択されているとき、バイレベルモードが選択されているとき、またはフットモードが選択されているときにのみ選択可能である。この選択可能状態を表示するため、ベントスイッチ31aとバイレベルスイッチ31bとフットスイッチ31cは、それぞれ図示のようにアッパーベントスイッチ31fに線31gで結ばれている。なお、アッパーベントスイッチ31f以外のスイッチ31a〜31eは択一的に操作され、スイッチ31a〜31eのいずれか1つが操作されるとそのスイッチのみがオンされ、残りはオフされる。図示は省略するが、コントロールパネル30にはエアコンのオンオフを指令するエアコンスイッチ、内外気切換ドアの切換を指令する内外気切換スイッチ、ブロアファンの速度を指令するファンスイッチ等も設けらている。
【0016】
選択スイッチ31と温度設定レバー32からの信号は空調用コントローラ40に入力される。コントローラ40は、温度設定レバー32からの信号に基づいてエアミックスドア駆動用アクチュエータ41に制御信号を出力するとともに、選択スイッチ32からの信号に基づいてフットダンパ駆動用アクチュエータ42、ベントダンパ駆動用アクチュエータ43、切換ダンパ駆動用アクチュエータ44、開閉ダンパ駆動用アクチュエータ45にそれぞれ制御信号を出力する。これにより温度設定レバー32の操作に応じてエアミックスドア7が回動されるとともに、選択スイッチ31の操作に応じて以下のようにダンパ21〜24が回動される。
【0017】
図4は、空調コントローラ40で実行されるダンパ制御に係わる処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1で選択スイッチ31からの信号を読み込む。次いで、ステップS2で選択スイッチ31の操作を判定する。
【0018】
ベントスイッチ31aがオンと判定されるとステップS3に進み、アクチュエータ42に制御信号を出力してフット口11を閉じるとともに、ステップS4でアクチュエータ43に制御信号を出力してベント口13を開放する。ステップS2でバイレベルスイッチ31bがオンと判定されるとステップS5に進み、アクチュエータ42に制御信号を出力してフット口11を開放するとともに、ステップS6でアクチュエータ43に制御信号を出力してベント口13を開放する。ステップS2でフットスイッチ31cがオンと判定されるとステップS7に進み、アクチュエータ42に制御信号を出力してフット口11を開放するとともに、ステップS8でアクチュエータ43に制御信号を出力してベント口13を閉じる。なお、ステップS5のダンパ21によるフット口11の開度はステップS7で設定されるフット口11の開度よりも小さい。また、ステップS6のダンパ22によるベント口13の開度はステップS4で設定されるベント口13の開度よりも小さい。
【0019】
次いで、ステップS9でアクチュエータ44に制御信号を出力して切換ダンパ23を位置a側に切り換えてデフダクト通路25を閉じ、アッパーベント口17を開放する。次のステップS10ではアッパーベントスイッチ31fがオンか否かを判定する。スイッチオンと判定されるとステップS11に進み、アクチュエータ45に制御信号を出力してアッパーベントダクト通路26を開放する。スイッチオフと判定されるとステップS12に進み、アクチュエータ45に制御信号を出力してアッパーベントダクト通路26を閉じる。
【0020】
一方、ステップS2でデフフットスイッチ31dがオンと判定されるとステップS13に進み、アクチュエータ42に制御信号を出力してフット口11を開放するとともに、ステップS14でアクチュエータ43に制御信号を出力してベント口13を閉じる。また、ステップS2でデフスイッチ31eがオンと判定されるとステップS15に進み、アクチュエータ42に制御信号を出力してフット口11を閉じるとともに、ステップS14でベント口13を閉じる。次いで、ステップS16でアクチュエータ44に制御信号を出力して切換ダンパ23を位置b側に切り換え、デフダクト通路25を開放し、アッパーベント17口を閉じる。次いで、ステップS12でアッパーベントダクト通路26を閉じる。
【0021】
次に、本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置の特徴的な動作について説明する。
温度設定レバー32を操作すると、その操作量に応じてアクチュエータ41が駆動され、エアミックスドア7が回動される。これによりヒータコア6を通過、バイパスする空気の割合が変更され、空調風の温度が調整される。このとき例えばベントスイッチ31aが操作され、アッパーベントスイッチ31fが非操作では、ベント口13が開放され、デフダクト通路25およびアッパーベントダクト通路26はそれぞれ閉じられる(ステップS4,ステップS9,ステップS12)。これにより空調ユニット100で生成された空調風はベントダクト14を介してセンターベント吹出口14aに導かれるとともに、サイドベント口15を介してサイドベント吹出口に導かれ、乗員の上半身に向かって送風される。
【0022】
また、バイレベルスイッチ31bが操作され、アッパーベントスイッチ31fが非操作では、フット口11,ベント口13がそれぞれ開放され、デフダクト通路25およびアッパーベントダクト通路26はそれぞれ閉じられる(ステップS5,ステップS6,ステップS9,ステップS12)。これによりセンターベント吹出口14a,サイドベント吹出口およびフット吹出口にそれぞれ空調風が導かれ、乗員の上半身と足下に向かって送風される。さらに、フットスイッチ31cが操作され、アッパーベントスイッチ31fが非操作では、フット口11が開放され、デフダクト通路25およびアッパーベントダクト通路26はそれぞれ閉じられる(ステップS7,ステップS9,ステップS12)。これにより空調風はフット吹出口に導かれ、乗員の足下に向かって送風される。
【0023】
ベントスイッチ31aが操作されている状態でアッパーベントスイッチ31fが操作されると、アッパーベント通路26が開放される(ステップS11)。これにより空調ユニット100で生成された空調風は、センターベント吹出口14aおよびサイドベント吹出口に加えて、デフダクト16、アッパーベントダクト18を介してアッパーベント吹出口18aにも導かれ、車内の上後方に向けて送風される。アッパーベント吹出口18aから吹き出された空調風は車内上方を通って後席側に達し、車室内全体の温度を素早く調整することができる。
【0024】
この場合、空調ユニット100からの空調風はそれぞれベント口13およびデフ口12を流出する。そして、互いに独立したダクト14およびダクト16,18を介してベント吹出口14aとアッパーベント吹出口18aに導かれる。したがって、ベントダクト14からアッパーベントダクト18を分岐させ、空調ユニット100からの空調風をベント口13のみから流出させる場合に比べて、通気抵抗が減少し、その分だけ風量増加を図ることができる。これにより追加ダクトとしてアッパーベントダクト18を設けた場合に、ベント吹出口14aからの吹出風量の減少を抑制することができる。
【0025】
また、ベントダクト14からアッパーベントダクト18を分岐させないので、アッパーベント吹出口18aからの送風の有無に拘わらず、センターベント吹出口14aとサイドベント吹出口との風量バランスを一定に保つことができる。なお、バイレベルスイッチ31b、フットスイッチ31cのいずれかが操作されている状態でアッパーベントスイッチ31fが操作された場合も、同様にアッパーベント通路26が開放される(ステップS11)。バイレベルモード時にも通気抵抗が減少するので、ベント吹出口14aからの吹出風量の減少を抑制することができる。
【0026】
一方、デフフットスイッチ31dが操作されると、アッパーベントスイッチ31fの操作に拘わらず、フット口11およびデフダクト通路25がそれぞれ開放され、ベント口13とアッパーベントダクト通路26が閉じられる(ステップS13,ステップS14,ステップS16,ステップS12)。これにより空調ユニット100からの空調風はフット吹出口とデフ吹出口16aにそれぞれ導かれ、乗員の足下およびフロントウインドに向かってそれぞれ送風される。また、デフスイッチ31eが操作されると、アッパーベントスイッチ31fの操作に拘わらず、デフダクト通路25が開放され、ベント口13とアッパーベントダクト通路26が閉じられる(ステップS15,ステップS14,ステップS16,ステップS12)。これにより空調ユニット100からの空調風はデフ吹出口16aのみに導かれ、フロントウインドに向かって送風される。このようにデフ吹出口16aを含むモードが選択されたときは、アッパーベントスイッチ31fの操作に拘わらずアッパーベントダクト通路26が常に閉じられるので、アッパーベント吹出口18aからの送風が阻止され、デフ吹出口16aやフット吹出口からの吹出風量の減少が抑えられる。
【0027】
以上説明した本実施の形態によれば以下のような効果を奏する。
(1) アッパーベントダクト18をデフダクト16から分岐して設けるようにしたので、ベントモード時にアッパーベントスイッチ31fが操作されると、空調ユニット100からの空調風はデフ口12とベント口13からそれぞれ流出する。これにより空調風の吹出通気抵抗が減少し、ベント吹出口14aからの吹出風量の減少を抑制することができる。
(2) デフダクト16にアッパーベント口17を設け、アッパーベント口17を介してアッパーベントダクト18をデフダクト16に接続するので、エアミックスチャンバ8に新たに送風用の開口部を設ける必要がなく、空調ユニット100自体を小型化することができる。
(3) アッパーベントダクト18の分岐部に切換ダンパ23を設け、切換ダンパ23の切換によりデフダクト通路25またはアッパーベント口17を択一的に開放するようにしたので、デフ吹出口16aから空気を送風するときはアッパーベント吹出口18aからの送風が阻止され、デフ吹出口16aからの吹出風量の減少を抑えることができる。
(4) デフダクト通路25とアッパーベント口17の開閉を一枚の切換ダンパ23で行うので、部品点数を低減することができるとともに、ダンパ23が故障した場合であってもいずれかの吹出口16a,18aに確実に送風することができる。
(5) インストルメントパネル上面にアッパーベント吹出口18aを設け、デフダクト16からの空調風をアッパーベントダクト18を介してアッパーベント吹出口18aに導くようにしたので、アッパーベントダクト18の形状を複雑にする必要がなく、アッパーベントダクト18の取り回しが容易である。また、アッパーベント吹出口18aからの送風により車内全体の温度を早期に調整することができる。
(6) デフ口12に開閉用ダンパを設けずに、デフ口12を常時開放するので、通気抵抗損失を小さくすることができる。
(7) アッパーベントダクト通路26内に開閉ダンパ24を設けるので、切換ダンパ23によりアッパーベント口17が開放された場合であってもアッパーベント吹出口18aからの送風を禁止することができる。
(8) コントロールパネル30上のアッパーベントスイッチ31fとスイッチ31a〜31cを線31gで結び、アッパーベントスイッチ31fの操作が可能なスイッチの組合せを視覚的に報知(表示)するようにしたので、乗員は有効なスイッチ操作を誤ることなく行うことができる。
【0028】
−第2の実施の形態−
第1の実施の形態では、追加ダクトとしてアッパーベントダクト18を用いたが、第2の実施の形態では、リヤベントダクト52を用いる。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係わる空調ユニット200の側方断面図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主に説明する。
【0029】
図5に示すように、デフダクト16の後面にはリヤベント口51が開口され、このリヤベント口51を介し、リヤベントダクト52がデフダクト16から分岐して設けられている。リヤベントダクト52はフロアの下部を車両後方側に向かって延設され、その先端は、センターコンソールの後部に設けられたリヤベント吹出口52aに接続されている。
【0030】
リヤベントダクト52の分岐部には切換ダンパ53が設けられ、リヤベントダクト52の途中には開閉ダンパ54が設けられている。切換ダンパ53は、第1の実施の形態と同様、選択スイッチ31の操作に応じて回動される。すなわちベント、バイレベル、およびフットスイッチ31a〜31cが択一的に操作されると切換ダンパ53はa位置に切り換えられ、デフフットおよびデフスイッチ31d,31eが択一的に操作されると切換ダンパ53はb位置に切り換えられる。これにより空調ユニット200からの空調風はデフダクト通路25またはリヤベントダクト通路55に択一的に導かれる。
【0031】
図示は省略するが、第2の実施の形態の空調ユニット200を使用する場合、コントロールパネル30にはアッパーベントスイッチ31fの代わりにリヤベントスイッチが設けられ、このリヤベントスイッチの操作に応じて第1の実施の形態と同様、開閉ダンパ54が回動される。すなわち、スイッチ31a〜31cが操作された状態でリヤベントスイッチが操作されると、開閉ダンパ54の回動によりリヤベント通路55が開放される。スイッチ31d,31eが操作された状態ではリヤベントスイッチの操作に拘わらずリヤベント通路55が常に遮断される。
【0032】
このように第2の実施の形態では、リヤベントダクト52をデフダクト16から分岐して設けるようにしたので、ベントモード時にリヤベントスイッチが操作されると、空調ユニット200からの空調風はデフ口12とベント口13からそれぞれ流出する。これにより空調風の吹出通気抵抗が減少し、ベント吹出口から14aの吹出風量の減少を抑制することができる。また、空調ユニット200のエアミックスチャンバ8にリヤベント口を設ける必要がなく、空調ユニット200を小型化することができる。デフダクト16の後面にリヤベント口51を、センターコンソールの後部にリヤベント吹出口52aをそれぞれ設け、両者をリヤベントダクト52を介して接続するので、リヤベントダクト52の取り回しも容易である。
【0033】
本発明による車両用空調装置は、上述した実施の形態に限定されることなく種々の変更が可能である。上記実施の形態では、アッパーベントダクト18とリヤベントダクト52を追加ダクトして用いたが、他のダクトを追加ダクトとして用いてもよい。切換ダンパ53により切換手段を、開閉ダンパ24,54により遮断手段を構成したが、切換ダンパ53の代わりにデフダクト通路25内に開閉可能なダンパを設け、このダンパとダクト通路26,55内の開閉ダンパ24,54により切換手段を構成してもよい。フットダンパ21およびベント口開閉手段としてのベントダンパ22の駆動は、上記実施の形態に限定されない。本発明は、エアミックスドア開度や吹出口の選択を手動設定するマニュアルエアコンおよび自動設定するオートエアコンの双方に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置を構成する空調ユニットの側方断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置を構成する空調ユニットの斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置のコントトールパネルを示す図。
【図4】第1の実施の形態に係わる空調用コントローラでの処理の一例を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わる車両用空調装置を構成する空調ユニットの側方断面図。
【符号の説明】
100 空調ユニット 12 デフ口
13 ベント口 14 ベントダクト
14a ベント吹出口 16 デフダクト
16a デフ吹出口 17 アッパーベント口
18 アッパーベントダクト 18a アッパーベント吹出口
22 ベントダンパ 23 切換ダンパ
24 開閉ダンパ 40 空調用コントローラ
51 リヤベント口 52 リヤベントダクト
52a リヤベント吹出口 53 切換ダンパ
54 開閉ダンパ

Claims (5)

  1. 空調風を生成する空調ユニットと、
    前記空調ユニットのベント口に接続し、前記空調ユニットからの空調風を車両前席側のベント吹出口に導くベントダクトと、
    前記空調ユニットのデフ口に接続し、前記空調ユニットからの空調風をデフ吹出口に導くデフダクトと、
    前記デフダクトから分岐し、前記空調ユニットからデフダクトに導かれた空調風を所定の追加吹出口に導く追加ダクトと
    前記空調ユニットから前記デフダクトに導かれた空調風を、前記デフ吹出口または追加吹出口に択一的に導く切換手段と、
    空調モードを選択する手段とを備え、
    前記切換手段は、前記デフ吹出口を含む空調モードが選択されたときに、前記空調ユニットからの空調風を前記デフ吹出口から送風し、前記デフ吹出口を含まない空調モードが選択されたときに、前記空調ユニットからの空調風を前記追加吹出口から送風可能となるように切り換えられることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記追加ダクトの経路を遮断する遮断手段を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    前記追加吹出口は、インストルメントパネル上面に設けられ、車両後席乗員へ送風するためのアッパーベント吹出口であることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    前記追加吹出口は、車両後席側に設けられるリヤベント吹出口であることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の車両用空調装置において、
    空調モードに応じて前記ベント口を開閉するベント口開閉手段を備え、前記デフ口は空調モードに拘わらず常時開放されることを特徴とする車両用空調装置。
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