【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作機構と転舵機構とを分離し、操作機構と転舵機構とを電気的に連動して転舵輪を転舵する車両操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者が操作を行うための操作機構と転舵輪を転舵させるための転舵機構とを分離し、この2つの機構をSBW[Steer By Wire]制御によって電気的に連動させる車両操舵装置が開発されている。この車両操舵装置は、操作機構としてジョイスティック等の操作装置を備え、この操作装置の操作量に基づいて目標転舵角を設定し、この目標転舵角に応じて転舵機構によって転舵輪を転舵させている。この車両操舵装置の転舵制御では、操作量に応じて転舵輪の転舵角を比例制御しており、必要に応じてその比例係数を車速等の車両の挙動により変えている。また、この車両操舵装置は、操作機構に反力用モータを備え、運転者による操作装置への操作中に、反力用モータによって操作装置を介して運転者に反力を与え、車両の運転状態を操作装置に反映させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ジョイスティックのように操作量を十分に確保できないような操作装置において操作量と転舵角とを比例制御した場合、大きなゲイン(転舵角/操作量)を設定しなければならないので、操舵フィーリングに違和感を生じる。そこで、操舵フィーリングを向上させるために、車両の挙動に応じてゲインを変化させた場合、小さなゲインにより転舵角が不足したり、あるいは操作量が最大に近づいた付近で急に大きなゲインに変えなければならなかった。つまり、従来の車両操舵装置では、操作装置の操作位置に応じて転舵輪の転舵角を制御する位置制御なので、どうしてもゲインを大きくせざるをえなかった。
【0004】
そのため、このような位置制御においてゲインをできるだけ小さくするためには、操作装置での操作量を十分に確保しなければならない。しかし、運転者がジョイスティック等の操作装置を操作する場合、ドアアームレスト等の運転者の上腕を自然に置くことができる場所に操作装置を配置しなければ、操作性が低下する。このような場所に操作装置を配置した場合、車室内のレイアウト上、操作装置の左右方向の操作量を十分に確保することはできない。
【0005】
また、車両を定常円旋回する場合、運転者が操作装置に対して同じ操作量を維持するように操作し続けなければならない。しかし、前記したような車両操舵装置では操作装置から運転者に反力が作用するので、運転者に肉体的な負担が生じる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、少ない操作量かつ小さいゲインでも、運転者が望む転舵が可能な車両操舵装置を提供することにある。
【0008】
請求項1に係る車両操舵装置は、操作機構と転舵機構とを分離し、操作機構と転舵機構とを電気的に連動して転舵輪を転舵する車両操舵装置であって、運転席の近傍に設けられた操作装置と、車両の転舵輪を転舵するアクチュエータと、前記操作装置の操作量に前記アクチュエータの出力が対応するように前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備え、前記操作装置は、車両の前後左右方向に回動可能なジョイスティックであり、前記制御手段は、前記ジョイスティックの左右方向の操作により転舵輪の転舵方向を制御するとともに、前記ジョイスティックの前後方向の操作量により前記アクチュエータの出力を制御することを特徴とする。
この車両操舵装置によれば、ジョイスティックの左右方向の操作量としては、転舵輪の転舵方向のみ判別可能な操作量だけ確保すればよいので、非常に少ない操作量でよい。そのため、左右方向の操作スペースが非常に狭い場所でも操作装置を設置できる。
【0009】
また、請求項2に係る車両操舵装置は、操作機構と転舵機構とを分離し、操作機構と転舵機構とを電気的に連動して転舵輪を転舵する車両操舵装置であって、運転席の近傍に設けられた操作装置と、車両の転舵輪を転舵するアクチュエータと、前記操作装置の操作量に前記アクチュエータの出力が対応するように前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備え、前記操作装置は、車両の左右方向に回動可能なジョイスティックと、前記ジョイスティックに設けられ、車両の前後方向に回動可能なレバーとからなり、前記制御手段は、前記ジョイスティックの左右方向の操作により転舵輪の転舵方向を制御するとともに、前記レバーの前後方向の操作量により前記アクチュエータの出力を制御することを特徴とする。
この車両操舵装置によれば、ジョイスティックの左右方向の操作量としては、転舵輪の転舵方向のみ判別可能な操作量だけ確保すればよいので、非常に少ない操作量でよい。そのため、左右方向の操作スペースが非常に狭い場所でも操作装置を設置できる。
【0010】
さらに、請求項3に係る車両操舵装置は、前記請求項1または請求項2に係る車両操舵装置において、前記転舵輪を直進状態に戻すための戻し操作手段を備え、前記制御手段は、前記戻し操作手段が操作された場合には転舵輪の転舵方向を直進状態に戻すことを特徴とする。
この車両操舵装置によれば、戻し操作手段が操作された時には操作装置による転舵方向に関係なくラック軸を強制的に中立位置に戻して転舵輪を直進状態に戻すので、車庫入れ時等の車両が極低速あるいは停止の場合(転舵輪からラック軸に作用するセルフアライニングトルクが小さいかあるいは無い場合)でも、転舵輪を確実に直進状態に戻すことができる。
【0011】
なお、本発明では、前方は車両の進行方向であり、後方は車両の後退方向であり、左方は進行方向に向かって左方であり、右方は進行方向に向かって右方である。また、本発明では、操作されていない位置(定常位置)から前方または後方にしか回動しない操作装置やレバーも、前後方向に回動可能な操作装置やレバーに含む。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両操舵装置の実施の形態について説明する。
【0013】
本発明に係る車両操舵装置は、少ない操作量(狭いスペースに設置可能)と小さいゲイン(操舵フィーリングが良好)とを両立させるために、操作装置の操作量に応じて転舵輪を転舵するアクチュエータの出力を制御する構成とした。特に、この車両操舵装置は、左右方向の操作量を少なくするために、ジョイスティックの左右方向の操作により転舵輪の転舵方向を制御するとともに前後方向の操作量によりアクチュエータの出力を制御する構成、あるいはジョイスティックの左右方向の操作により転舵輪の転舵方向を制御するとともにジョイスティックに設けられるレバーの前後方向の操作量によりアクチュエータの出力を制御する構成とした。さらに、この車両操舵装置は、転舵輪を確実に直進状態に戻すために、戻し操作手段が操作された場合には転舵輪を直進状態に戻すように制御する構成とした。
【0014】
本実施の形態に係る車両操舵装置には、ジョイスティック(操作装置)の構成が異なる3つの実施の形態がある。第1の実施の形態(参考例)では、ジョイスティックの操作によってスロットル操作、ブレーキ操作および転舵操作が可能な運転操作装置に車両操舵装置が組み込まれており、ジョイスティックにおける前方への操作量がスロットル操作量であり、後方への操作量がブレーキ操作量であり、左右方向への操作量が転舵操作量であり、左右方向への操作が転舵方向である。第2の実施の形態では、ジョイスティックの操作によって転舵操作が可能な車両操舵装置であり、ジョイスティックにおける前方への操作量が転舵操作量であり、左右方向への操作が転舵方向である。第3の実施の形態では、ジョイスティックおよびジョイスティックに備えられるレバーの操作によって転舵操作が可能な車両操舵装置であり、レバーにおける後方への操作量が転舵操作量であり、ジョイスティックにおける左右方向への操作が転舵方向である。
【0015】
第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、車両操舵装置S1が運転操作装置Aに組み込まれているので、運転操作装置Aの全体構成およびその動作について説明する。まず、図1を参照して、運転操作装置Aの全体構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る車両操舵装置S1が組み込まれている運転操作装置Aの全体構成図である。
【0016】
運転操作装置Aは、ジョイスティック1、転舵操作量センサ2、加減速操作量センサ3、制御装置4、ステアリングモータ5、スロットルアクチュエータ6、ブレーキアクチュエータ7、転舵操作反力モータ8、加減速操作反力モータ9、ラックトルクセンサ10、スロットル開度センサ11、ブレーキ液圧センサ12、ヨーレートセンサ13、車速センサ14、ボールねじ機構30、ラック軸31、タイロッド32,32等から構成される。ちなみに、車両操舵装置S1は、ジョイスティック1、転舵操作量センサ2、制御装置4、ステアリングモータ5、転舵操作反力モータ8、ラックトルクセンサ10、ヨーレートセンサ13、車速センサ14、ボールねじ機構30、ラック軸31、タイロッド32,32等から構成される。
【0017】
ジョイスティック1(操作機構)の構成について説明する。
運転操作装置Aは、車両の加減速操作および転舵操作を行うためのジョイスティック1を備えている。そのために、ジョイスティック1は、車両の進行方向に対して前後方向への回動によって傾動する操作ができるとともに左右方向への回動によって傾動する操作ができるように傾動支持機構20に支持されている(図2、図3参照)。したがって、ジョイスティック1は、楕円運動を描くように操作することができる。また、傾動支持機構20は、ジョイスティック1を前後左右方向に傾動する操作に対して、その操作量が多くなればなるほど受動的にジョイスティック1を中立状態に復帰する力が大きく発生するような、バネ(弾性体)を用いた復帰機構21,22を有している(図2乃至図4参照)。
【0018】
ジョイスティック1を前後方向に傾動する操作は、ジョイスティック1の前後方向の操作を可能とする回転軸に備えられたポテンショメータ等からなる加減速操作量センサ3により、その操作量が電圧として検出(出力)されるようになっている。この操作量は、ジョイスティック1の中立状態を基準にして、後方に傾動する場合がブレーキ操作量であり、前方に傾動する場合がスロットル操作量である。そして、加減速操作量センサ3は、検出した電圧を加減速操作量信号STBとして制御装置4に送信する。ちなみに、このジョイスティック1を前後方向に傾動する操作が、車両への加減速操作となる。
【0019】
図7の(a)図を参照して、ジョイスティック1の前後方向の操作量に対する加減速操作量センサ3の出力の設定について説明する。図7の(a)図は、ジョイスティック1の前後方向の位置と加減速操作量センサ3の出力との関係図である。この図から判るように、加減速操作量センサ3は、ジョイスティック1を前方に傾動する操作を行うと出力を増加させ、後方に傾動する操作を行うと出力を低下させるように設定されている。そして、加減速操作量センサ3の出力は、基準値を上回る部分がスロットル操作量であり、基準値を下回る部分がブレーキ操作量である。したがって、加速操作および減速操作(制動操作)とも、ジョイスティック1を傾動する操作の度合いが大きくなればなるほど、加減速操作量センサ3で検出(出力)されるスロットル操作量およびブレーキ操作量も大きくなる。なお、スロットル操作量かブレーキ操作量かの判断は、後記する制御装置4の目標ブレーキ液圧設定部40および目標スロットル開度設定部47で判断される(図5参照)。
【0020】
また、ジョイスティック1を左右方向に傾動する操作も、ジョイスティック1の左右方向の操作を可能とする回転軸に備えられたポテンショメータ等からなる転舵操作量センサ2により、その操作量が電圧として検出(出力)されるようになっている。この場合の操作量も、ジョイスティック1の中立状態を基準にして、右方に傾動する場合が右方転舵操作量であり、左方に傾動する場合が左方転舵操作量である。そして、転舵操作量センサ2は、検出した電圧を転舵操作量信号SSRとして制御装置4に送信する。ちなみに、このジョイスティック1を左右方向に傾動する操作が、車両への転舵操作となり、転舵方向操作と転舵操作量操作を兼ねている。
【0021】
図7の(b)図を参照して、ジョイスティック1の左右方向の操作量に対する転舵操作量センサ2の出力の設定について説明する。図7の(b)図は、ジョイスティック1の左右方向の位置と転舵操作量センサ2の出力との関係図である。この図から判るように、転舵操作量センサ2は、ジョイスティック1を右方に傾動する操作を行うと出力を増加させ、左方に傾動する操作を行うと出力を低下させるように設定されている。そして、転舵操作量センサ2の出力は、基準値を上回る部分が右方転舵操作量であり、基準値を下回る部分が左方転舵操作量である。したがって、右方転舵操作および左方転舵操作は、ジョイスティック1を傾動する操作の度合いが大きくなればなるほど、転舵操作量センサ2で検出(出力)される右方転舵操作量および左方転舵操作量も大きくなる。ちなみに、右方転舵操作量および左方転舵操作量は、ラック軸31の目標ラックトルク(すなわち、ステアリングモータ5に供給する目標電流)を設定するための操作量であり、微妙な位置制御が必要な転舵角を設定するための操作量ではない。したがって、右方転舵操作量および左方転舵操作量の最大操作量は、ラック軸31の目標ラックトルク(ステアリングモータ5の出力)の大きさを数段階設定できる程度の少ない操作量でよい。ちなみに、転舵輪W,Wの転舵角は、転舵操作とその操作時間によって決まる。また、右方転舵操作量か左方転舵操作量かの判断(すなわち、転舵方向の判断)は、基準値に基づいて、後記する制御装置4の目標ラックトルク設定部52で判断される(図6参照)。
【0022】
図2乃至図4を参照して、ジョイスティック1と傾動支持機構20および復帰機構21,22との構成を詳細に説明する。なお、図2は、ジョイスティック1の傾動支持機構20の一部破断側面図である。図3は、ジョイスティック1の傾動支持機構20の一部破断平面図である。図4は、ジョイスティック1の復帰機構21,22の一部破断正面図である。
【0023】
ジョイスティック1は、車両の運転者が片手で操作できるように、右フロントドアのアームレストに配置されている。ジョイスティック1は、パイプ状のスティック本体1aの上端に操作グリップ1bが固定された構造を有し、スティック本体1aの下端部が傾動支持機構20を介して左右方向および前後方向に傾動自在に支持されている。なお、この傾動支持機構20は、スティック本体1aに外装されたブーツ1cによって覆われている(図1参照)。
【0024】
傾動支持機構20は、ジョイスティック1を左右の転舵方向に傾動操作自在に支持する機構として、スティック本体1aの下端部を前後方向に貫通してこれに固定された左右傾動用支持軸20aと、この左右傾動用支持軸20aの前後の両端部をベアリング20e,20eを介して回転自在に支持する傾動支持ベース20bとを備えている。この傾動支持ベース20bは、平面視において上方が開口した左右方向に長い概略長方形の枠状に形成されている。また、ジョイスティック1を傾動支持ベース20bとともに前後の加減速方向に傾動操作自在に支持する機構として、傾動支持ベース20bの左右の端部に同軸状に突設された一対の前後傾動用支持ピン20cと、この一対の前後傾動用支持ピン20cをベアリング20e,20eを介して回転自在に支持する固定支持ベース20dとを備えている。この固定支持ベース20dは、左右の両端部に側壁を有する上方が開口したコ字状に形成されている。
【0025】
さらに、ジョイスティック1のスティック本体1aと傾動支持機構20の傾動支持ベース20dとの間には、ジョイスティック1を左右の転舵操作方向の中立状態に復帰させる復帰機構21が設けられている。また、傾動支持機構20の傾動支持ベース20bと固定支持ベース20dとの間には、傾動支持ベース20bとともにジョイスティック1を前後の加減速操作方向の中立状態に復帰させる復帰機構22が設けられている。
【0026】
復帰機構21および復帰機構22は、略同様に構成されているため、その一方の復帰機構21について説明し、他方の復帰機構22については説明を省略する。この復帰機構21は、傾動支持ベース20bからスティック本体1aへ向けて左右傾動用支持軸20aと平行に突設された固定ピン21aと、スティック本体1aから傾動支持ベース20bへ向けて左右傾動用支持軸20aと平行に突設された回動ピン21bと、左右傾動用支持軸20aに巻装された巻バネ21cとで構成されている。固定ピン21aは、左右傾動用支持軸20aの軸心を通る鉛直線上に配置して左右傾動用支持軸20aの上方に配置されている。また、巻バネ21cは、その両端部を放射方向に折り曲げた係止部21dが固定ピン21aに交差状態で係止されている。一方、回動ピン21bは、スティック本体1aの傾動操作に応じて巻バネ21cの一対の係止部21dのいずれか一方を押動するように、交差状態の一対の係止部21dの間に挿入されている。そして、この回動ピン21bが一対の係止部21dに押動されて固定ピン21aの下方に位置すると、ジョイスティック1が略垂直に起立して左右の転舵操作方向の中立状態に停止するように構成されている。
【0027】
また、傾動支持機構20は、運転者によるジョイスティック1の操作に対して、ジョイスティック1の動きに反力を加える反力発生手段を有する(反力の方向および大きさについては後記する)。この反力発生手段は、ジョイスティック1の前後方向の回転軸の動きに反力を加える加減速操作反力モータ9、およびジョイスティック1の左右方向の回転軸の動きに反力を加える転舵操作反力モータ8を有する(図1参照)。加減速操作反力モータ9は、制御装置4が生成する加減速操作反力モータ駆動電圧RSBに基づいて駆動される。また、転舵操作反力モータ8は、制御装置4が生成する転舵操作反力モータ駆動電圧RSRに基づいて駆動される。なお、加減速操作反力モータ駆動電圧RSBおよび転舵操作反力モータ駆動電圧RSRの大きさおよび印加方向は制御装置4により設定されるが、この点は後記する。
【0028】
図1に戻って、運転操作装置Aにおけるブレーキ系の構成を説明する。
この車両のブレーキ系は、通常の車両と異なりブレーキペダルを有しない。その代わりに、ジョイスティック1がブレーキペダルの役割を有し、前記したように、中立状態のジョイスティック1を後方に傾動する操作を行うとブレーキが効くようになっている。
【0029】
また、この車両のブレーキ系は、エンジンの負圧等を利用するブレーキ倍力装置やマスタシリンダ等を有しない。その代わりに、トラクションコントロールシステム(TCS)やアンチブレーキロックシステム(ABS)のような、ブレーキ液圧発生用のポンプおよびブレーキ液圧制御用の比例電磁弁を有し、ポンプが発生したブレーキ液圧を、比例電磁弁を介してホイールシリンダに作用させるようになっている。なお、ブレーキアクチュエータ7は、前記した比例電磁弁に相当し、制御装置4が生成するブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAに基づいて駆動される。
【0030】
運転操作装置Aにおけるスロットル系の構成を説明する。
この車両のスロットル系は、通常の車両と異なりスロットルペダル(アクセルペダル)を有しない。その代わりに、ジョイスティック1がスロットルペダルの役割を有し、前記したように、中立状態のジョイスティック1を前方に傾動する操作を行うとスロットル弁が開くようになっている。
【0031】
この車両のスロットル弁は、弁駆動モータにより駆動される。なお、スロットルアクチュエータ6は、前記した弁駆動モータに相当し、制御装置4が生成するスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAに基づいて駆動される。
【0032】
運転操作装置Aにおける転舵系(転舵機構)の構成を説明する。
この車両の転舵系は、通常の車両と異なりステアリングホイールを有しない。その代わりに、ジョイスティック1がステアリングホイールの役割を有し、前記したように、中立状態のジョイスティック1を左方に傾動する操作を行うと、転舵輪W,Wが左方に転舵するようになっている。一方、中立状態のジョイスティック1を右方に傾動する操作を行うと転舵輪W,Wが右方に転舵するようになっている。このジョイスティック1の左右方向の操作では、操作量が大きいほど転舵輪W,Wの転舵速度が速くなり(ラックトルクが大きくなり)、操作時間が長くなるほど転舵輪W,Wの転舵角が大きくなる。
【0033】
また、この車両は、運転者の操舵力をラック軸31に伝達するステアリング軸やラックアンドピニオン機構等を有しない。その代わりに、ラック軸31を軸方向に動かすステアリングモータ(ステアリングアクチュエータ)5およびボールねじ機構30を有する。なお、ステアリングモータ5は車体フレームに対して固定され、ステアリングモータ5の回転運動をボールねじ機構30を介してラック軸31の直線運動に変換している。これにより、ステアリングモータ5が発生する回転トルクがラック軸31のラックトルク(ラック軸力)に変換され、ラック軸31に生じたラックトルクは、ラック軸31の端部のタイロッド32,32を介して転舵輪W,Wの転舵トルクへと変換される。なお、ステアリングモータ5は、制御装置4が生成するステアリングモータ駆動電圧DSMに基づいて駆動される。
【0034】
図1を参照して、運転操作装置Aを制御装置4で制御するために車両の各種情報を制御装置4に取り込むための他のセンサ10,11,12,13,14について説明する。ちなみに、運転操作装置Aに備えられる各種センサ10,11,12,13,14は、運転操作装置Aの専用のセンサでもよいし、他のシステムと共用するセンサでもよい。
【0035】
ラックトルクセンサ10は、ラック軸31の軸方向のひずみを測定し、このひずみからラックトルクの大きさと方向を検出している。そして、ラックトルクセンサ10は、ラックトルクの大きさと方向からなるラックトルク信号SRを制御装置4に送信している。
【0036】
スロットル開度センサ11は、スロットル弁の開度を検出し、このスロットル弁の開度からなるスロットル開度信号STを制御装置4に送信している。
【0037】
ブレーキ液圧センサ12は、ホイールシリンダのブレーキ液圧を検出し、このブレーキ液圧からなるブレーキ液圧信号SBを制御装置4に送信している。
【0038】
ヨーレートセンサ13は、車両の横方向の運動状態としてヨーレートを検出し、このヨーレートからなるヨーレート信号SYを制御装置4に送信している。
【0039】
車速センサ14は、車速を単位時間当たりのパルス数として検出し、検出したパルス数からなる車速信号SSを制御装置4に送信している。
【0040】
図5および図6を参照して、制御装置4の構成について説明する。図5は、制御装置4のブレーキ制御部4A、ブレーキ操作反力制御部4B、スロットル制御部4Cおよびスロットル操作反力制御部4Dの構成図である。図6は、制御装置4の転舵制御部4Eおよび転舵操作反力制御部4Fの構成図である。
【0041】
制御装置4は、ジョイスティック1の操作に基づいてステアリングモータ5、スロットルアクチュエータ6およびブレーキアクチュエータ7を制御するとともに、ジョイスティック1に操作反力を与えるために転舵操作反力モータ8および加減速操作反力モータ9を制御する。そのために、制御装置4は、図示しないRAM[Random Access Memory]、ROM[Read Only Memory]、CPU[Central Processing Unit]およびI/Oインターフェース等からなるマイクロコンピュータ(図示せず)や各種モータを駆動する駆動回路を備えており、ブレーキ制御部4A、ブレーキ操作反力制御部4B、スロットル制御部4C、スロットル操作反力制御部4D、転舵制御部4Eおよび転舵操作反力制御部4Fを有している。また、制御装置4は、取り込んだセンサ信号をディジタル信号に変換し、センサ信号をディジタル信号で取り扱っている。
【0042】
図5を参照して、ブレーキ制御部4Aについて説明する。
ブレーキ制御部4Aは、運転者によるジョイスティック1の加減速操作のブレーキ操作量に応じたブレーキ液圧をホイールシリンダに作用させる制御を行う。そのために、ブレーキ制御部4Aは、目標ブレーキ液圧設定部40、偏差演算部41、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42およびブレーキアクチュエータ駆動回路43を備えている。なお、ブレーキ制御部4Aのうち、ブレーキアクチュエータ駆動回路43を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0043】
目標ブレーキ液圧設定部40は、加減速操作量センサ3からの加減速操作量信号STBが入力され、目標ブレーキ液圧信号を偏差演算部41に出力する。目標ブレーキ液圧設定部40は、ブレーキ操作量に応じた加減速操作量信号STBに基づいてブレーキマップを検索し、ホイールシリンダに加えるべき目標ブレーキ液圧信号を設定する(図8の(a)図参照)。なお、ブレーキマップは、ブレーキ操作量が大きくなれば目標ブレーキ液圧も大きくなるように設定されている。ただし、加減速操作量信号STBとブレーキ操作量との関係は、加減速操作量センサ3の出力が小さいほどブレーキ操作量が大きくなるというものである(図7の(a)図参照)。したがって、ブレーキマップは、加減速操作量センサ3の出力が0から基準値まで増加するに従って、目標ブレーキ液圧が減少するように設定される(図8の(a)図参照)。図8の(a)図は、加減速操作量センサ3の出力と目標ブレーキ液圧との関係図である。
【0044】
偏差演算部41は、ブレーキ液圧センサ12からのブレーキ液圧信号SBおよび目標ブレーキ液圧設定部40からの目標ブレーキ液圧信号が入力され、偏差信号をブレーキアクチュエータ制御信号出力部42および目標ブレーキ操作反力設定部44に出力する。偏差演算部41は、目標ブレーキ液圧信号からブレーキ液圧信号SBを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0045】
ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42は、偏差演算部41からの偏差信号が入力され、ブレーキ制御信号をブレーキアクチュエータ駆動回路43に出力する。ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42は、PID[Proportional Integral Differential]コントローラおよびPWM[Pulse Width Modulation]信号発生部等を備えている。まず、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42は、偏差信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにブレーキアクチュエータ7に供給する電流値を示すPID制御信号を生成する。続いて、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42は、このPID制御信号に基づいて、ブレーキアクチュエータ7に供給する電流値に対応したPWM信号を生成し、ブレーキ制御信号とする。
【0046】
ブレーキアクチュエータ駆動回路43は、ブレーキアクチュエータ制御信号出力部42からのブレーキ制御信号が入力され、ブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に出力する。ブレーキアクチュエータ駆動回路43は、ブレーキ制御信号に基づいてブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAをブレーキアクチュエータ7に印加し、ブレーキアクチュエータ7を駆動する。そのために、ブレーキアクチュエータ駆動回路43は、各車輪毎に設けられた比例電磁弁に対応するように設けられた4つのFET[Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ]および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。そして、ブレーキアクチュエータ駆動回路43は、4つのFETの各ゲートにブレーキ制御信号が入力されると、このブレーキ制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、ブレーキアクチュエータ7にブレーキアクチュエータ駆動電圧DBAを印加する。すると、ブレーキアクチュエータ7には電流が流れてブレーキアクチュエータ7が駆動され(つまり、比例電磁弁が開閉駆動され)、ジョイスティック1のブレーキ操作量に応じてホイールシリンダのブレーキ液圧が制御される。
【0047】
図5を参照して、ブレーキ操作反力制御部4Bについて説明する。
ブレーキ操作反力制御部4Bは、運転者がジョイスティック1を後方に傾動する操作を行う際(つまり、ブレーキを効かせる操作を行う際)、加減速操作反力モータ9を駆動して能動的にブレーキ操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、ブレーキ操作反力制御部4Bは、目標ブレーキ操作反力設定部44、加減速操作反力モータ制御信号出力部45および加減速操作反力モータ駆動回路46を備えている。なお、ブレーキ操作反力制御部4Bのうち、加減速操作反力モータ駆動回路46を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0048】
目標ブレーキ操作反力設定部44は、偏差演算部41からの偏差信号が入力され、目標ブレーキ操作反力信号を加減速操作反力モータ制御信号出力部45に出力する。目標ブレーキ操作反力設定部44は、偏差信号に所定のゲインを乗じて目標ブレーキ操作反力信号を設定する。なお、目標ブレーキ操作反力設定部44は、偏差信号が「プラスの値」である場合には偏差信号に応じた目標ブレーキ操作反力信号を設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標ブレーキ操作反力信号をゼロに設定する。このように目標ブレーキ操作反力信号を設定するのは、ブレーキ力を増す場合(通常の車両におけるブレーキペダルを踏み増す場合)にのみブレーキ操作反力を生じさせるためである。このため、ブレーキ力を減じるようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1を中立状態に戻す操作を行う場合)には、ブレーキ操作反力(ジョイスティック1の動きの方向に反する力)は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標ブレーキ操作反力設定部44がジョイスティック1の戻りをアシストするように目標ブレーキ操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0049】
加減速操作反力モータ制御信号出力部45は、目標ブレーキ操作反力設定部44からの目標ブレーキ操作反力信号が入力され、ブレーキ操作反力制御信号を加減速操作反力モータ駆動回路46に出力する。加減速操作反力モータ制御信号出力部45は、PWM信号発生部等を備える。加減速操作反力モータ制御信号出力部45は、目標ブレーキ操作反力信号に基づいて、加減速操作反力モータ9に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、ブレーキ操作反力制御信号とする。
【0050】
加減速操作反力モータ駆動回路46は、加減速操作反力モータ制御信号出力部45からのブレーキ操作反力制御信号が入力され、加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に出力する。加減速操作反力モータ駆動回路46は、ブレーキ操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加し、加減速操作反力モータ9を駆動する。そのために、加減速操作反力モータ駆動回路46は、4つのFET(スイッチング素子)からなるブリッジ回路および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。加減速操作反力モータ駆動回路46は、4つのFETの各ゲートにブレーキ操作反力制御信号が入力されると、ブレーキ操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、加減速操作反力モータ9に加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを印加する。すると、加減速操作反力モータ9には電流が流れて加減速操作反力モータ9が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1のブレーキ操作反力が制御される。
【0051】
したがって、運転者がジョイスティック1によりホイールシリンダにおけるブレーキ液圧を増加する操作を行う際には、ジョイスティック1に対してブレーキ操作反力が与えられる。このブレーキ操作反力の大きさは、ジョイスティック1の傾動支持機構20における現在位置を基準にして、ジョイスティック1を大きくかつ素早く後方に傾動する操作をすればするほど、ジョイスティック1には大きなブレーキ操作反力が生じるようになる。
【0052】
図5を参照して、スロットル制御部4Cについて説明する。
スロットル制御部4Cは、運転者によるジョイスティック1の加減速操作のスロットル操作量に応じた開度になるように、スロットル弁を制御する。そのために、スロットル制御部4Cは、目標スロットル開度設定部47、偏差演算部48、スロットルアクチュエータ制御信号出力部49およびスロットルアクチュエータ駆動回路50を備えている。なお、スロットル制御部4Cのうち、スロットルアクチュエータ駆動回路50を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0053】
目標スロットル開度設定部47は、加減速操作量センサ3からの加減速操作量信号STBが入力され、目標スロットル開度信号を偏差演算部48に出力する。目標スロットル開度設定部47は、スロットル操作量に応じた加減速操作量信号STBに基づいてスロットルマップを検索し、目標スロットル開度信号を設定する(図8の(b)図参照)。なお、スロットルマップは、スロットル操作量が大きくなれば目標スロットル開度も大きくなるように設定されている。このため、スロットルマップは、加減速操作量センサ3の出力が基準値から増加するに従って、目標スロットル開度が増加するように設定される(図8の(b)図参照)。図8の(b)図は、加減速操作量センサ3の出力と目標スロットル開度との関係図である。
【0054】
偏差演算部48は、スロットル開度センサ11からのスロットル開度信号STおよび目標スロットル開度設定部47からの目標スロットル開度信号が入力され、偏差信号をスロットルアクチュエータ制御信号出力部49および目標スロットル操作反力設定部51に出力する。偏差演算部48は、目標スロットル開度信号からスロットル開度信号STを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0055】
スロットルアクチュエータ制御信号出力部49は、偏差演算部48からの偏差信号が入力され、スロットル制御信号をスロットルアクチュエータ駆動回路50に出力する。スロットルアクチュエータ制御信号出力部49は、PIDコントローラおよびPWM信号発生部等を備えている。まず、スロットルアクチュエータ制御信号出力部49は、偏差信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにスロットルアクチュエータ6に供給する電流の向きと電流値とを示すPID制御信号を生成する。続いて、スロットルアクチュエータ制御信号出力部49は、このPID制御信号に基づいて、スロットルアクチュエータ6に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、スロットル制御信号とする。
【0056】
スロットルアクチュエータ駆動回路50は、スロットルアクチュエータ制御信号出力部49からのスロットル制御信号が入力され、スロットルアクチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に出力する。スロットルアクチュエータ駆動回路50は、スロットル制御信号に基づいてスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAをスロットルアクチュエータ6に印加し、スロットルアクチュエータ6を駆動する。そのために、スロットルアクチュエータ駆動回路50は、4つのFET(スイッチング素子)からなるブリッジ回路および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。4つのFETの各ゲートにスロットル制御信号が入力されると、スロットル制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、スロットルアクチュエータ6にスロットルアクチュエータ駆動電圧DSAが印加される。すると、スロットルアクチュエータ6には電流が流れてスロットルアクチュエータ6が正転または逆転駆動され(つまり、弁駆動モータが駆動され)、ジョイスティック1のスロットル操作量に応じてスロットル弁の開度が制御される。
【0057】
図5を参照して、スロットル操作反力制御部4Dについて説明する。
スロットル操作反力制御部4Dは、運転者がジョイスティック1を前方に傾動する操作を行う際(つまり、エンジンの出力を増加する操作を行う際)、加減速操作反力モータ9を駆動して能動的にスロットル操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、スロットル操作反力制御部4Dは、目標スロットル操作反力設定部51、加減速操作反力モータ制御信号出力部45および加減速操作反力モータ駆動回路46を備えている。なお、スロットル操作反力制御部4Dのうち、加減速操作反力モータ駆動回路46を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。また、スロットル操作反力制御部4Dは、加減速操作反力モータ制御信号出力部45および加減速操作反力モータ駆動回路46を、ブレーキ操作反力制御部4Bと共用する構成である。
【0058】
目標スロットル操作反力設定部51は、偏差演算部48からの偏差信号が入力され、目標スロットル操作反力信号を加減速操作反力モータ制御信号出力部45に出力する。目標スロットル操作反力設定部51は、偏差信号に所定のゲインを乗じて目標スロットル操作反力信号を設定する。なお、この目標スロットル操作反力設定部51は、偏差信号が「プラスの値」である場合には偏差信号に応じた目標スロットル操作反力信号を設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標スロットル操作反力信号をゼロに設定する。このように目標スロットル操作反力信号を設定するのは、スロットルを増す場合(通常の車両におけるアクセルペダルを踏み増す場合)にのみスロットル操作反力を生じさせるためである。このため、スロットルを減じるようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1を中立状態に戻す操作を行う場合)には、スロットル操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標スロットル操作反力設定部51がジョイスティック1の戻りをアシストするように目標スロットル操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0059】
加減速操作反力モータ制御信号出力部45は、目標スロットル操作反力設定部51からの目標スロットル操作反力信号が入力され、スロットル操作反力制御信号を加減速操作反力モータ駆動回路46に出力する。加減速操作反力モータ制御信号出力部45は、目標スロットル操作反力信号に基づいて、加減速操作反力モータ9に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、スロットル操作反力制御信号とする。
【0060】
加減速操作反力モータ駆動回路46は、加減速操作反力モータ制御信号出力部45からのスロットル操作反力制御信号が入力され、加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に出力する。加減速操作反力モータ駆動回路46は、スロットル操作反力制御信号に基づいて加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを加減速操作反力モータ9に印加し、加減速操作反力モータ9を駆動する。加減速操作反力モータ駆動回路46は、4つのFETの各ゲートにスロットル操作反力制御信号が入力されると、スロットル操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、加減速操作反力モータ9に加減速操作反力モータ駆動電圧RSBを印加する。すると、加減速操作反力モータ9には電流が流れて加減速操作反力モータ9が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1のスロットル操作反力が制御される。
【0061】
したがって、運転者がジョイスティック1によりスロットル開度を増加する操作を行う際には、ジョイスティック1に対してスロットル操作反力が与えられる。このスロットル操作反力の大きさは、ジョイスティック1の傾動支持機構20における現在位置を基準にして、ジョイスティック1を大きくかつ素早く前方に傾動する操作をすればするほど、ジョイスティック1には大きなスロットル操作反力が生じるようになる。
【0062】
図6を参照して、転舵制御部4Eについて説明する。
転舵制御部4Eは、運転者によるジョイスティック1への転舵操作量に応じてステアリングモータ5の出力を制御するとともにジョイスティック1への転舵操作に応じて転舵方向を判別してステアリングモータ5の回転方向を制御し、転舵輪W,Wを転舵する制御を行う。そのために、転舵制御部4Eは、目標ラックトルク設定部52、偏差演算部53、ステアリングモータ制御信号出力部54およびステアリングモータ駆動回路55を備えている。なお、転舵制御部4Eのうち、ステアリングモータ駆動回路55を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0063】
目標ラックトルク設定部52は、転舵操作量センサ2からの転舵操作量信号SSRおよび車速センサ14からの車速信号SSが入力され、目標ラックトルク信号を偏差演算部53に出力する。目標ラックトルク設定部52は、転舵操作量信号SSRに基づいて転舵方向(ラック軸31の移動方向、ステアリングモータ5の回転方向)を判定するとともに転舵操作量信号SSRおよび車速信号SSに基づいて転舵マップから目標ラックトルクを検索し、ラック軸31の移動方向と目標ラックトルクとからなる目標ラックトルク信号を設定する。目標ラックトルク信号においてラック軸31の移動方向は、目標ラックトルクに対するプラスとマイナスで表され、例えば、移動方向が左方向(転舵方向は右転舵)をプラスとし、右方向(転舵方向は左転舵)をマイナスとする。目標ラックトルク設定部52では、転舵操作量信号SSRが基準値を上回る場合(すなわち、右方転舵操作量の場合)には転舵方向を右転舵と判定し、ラック軸31の移動方向を左方向とするとともに、転舵操作量信号SSRが基準値を下回る場合(すなわち、左方転舵操作量の場合)には転舵方向を左転舵と判定し、ラック軸31の移動方向を右方向とする(図7の(b)図参照)。
【0064】
転舵マップは、車速に応じて複数設定され、いずれの転舵マップも転舵操作量(第1の実施の形態では、右方転舵操作量または左方転舵操作量)が大きくなれば転舵操作量に応じて目標ラックトルクを大きくするように設定されている。車速に応じて転舵マップが設定されるのは、路面反力の大きい低速の場合には目標ラックトルクとして大きな値(絶対値)を対応付け、走行時の安定性を確保するために高速の場合には目標ラックトルクとして小さい値(絶対値)が対応付けるためである。転舵操作量が大きくなれば目標ラックトルクを大きくするのは、運転者の意思に応じて、運転者が転舵輪W,Wを速く転舵した場合には転舵輪W,Wの転舵速度を速くするためのである。目標ラックトルク設定部52では、このような転舵マップから車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルクを検索する。
【0065】
本実施の形態では、図9に示すように、車速に応じてM1,M2,M3の3つの転舵マップが設定されている。図9は、転舵操作量センサの出力と目標ラックトルクとの関係図である。転舵マップM1は、低速時のマップであり、転舵操作量が第1所定量まで目標ラックトルクがゼロであり(不感帯)、第1所定量より大きくなると、大きな比例定数で転舵操作量に応じて目標ラックトルクを対応付けている。転舵マップM2は、中速時のマップであり、転舵操作量が第2所定量(>第1所定量)まで目標ラックトルクが0であり(不感帯)、第2所定量より大きくなると、転舵マップM1より小さな比例定数で転舵操作量に応じて目標ラックトルクを対応付けている。さらに、転舵マップM2は、運転者の緊急時の転舵操作に対応するために、所定転舵操作量より大きくなると、非常に大きな比例定数で目標ラックトルクを対応付けている。転舵マップM3は、高速時のマップであり、転舵操作量が第3所定量(>第2所定量)まで目標ラックトルクが0であり(不感帯)、第3所定量より大きくなると、転舵マップM2より小さな比例定数で転舵操作量に応じて目標ラックトルクを対応付けている。また、転舵マップM1,M2,M3のいずれの転舵マップでも、転舵操作量が最大の時には、転舵輪W,Wからのラック軸31への最大の反力より大きい目標ラックトルクを対応付けている。この転舵輪W,Wからの反力は、高速になるほど転舵輪W,Wが直進状態に戻ろうとするセルフアライニングトルクや停車時(微低速時)には路面摩擦力による反力等である。また、3つの転舵マップM1,M2,M3以外の車速における転舵マップは、3つの転舵マップM1,M2,M3から補完演算する。ただし、第1の実施の形態では、転舵操作量信号SSRと左方転舵操作量との関係は、転舵操作量センサ2の出力が基準値より小さいほど左方転舵操作量が大きくなるというものである(図7の(b)図参照)。したがって、第1の実施の形態では、転舵マップM1,M2,M3では、転舵操作量センサ2の出力が基準値から減少するに従って目標ラックトルクが大きくなり、転舵操作量センサ2の出力が基準値から増加するに従って目標ラックトルクが大きくするように設定されている。
【0066】
ちなみに、目標ラックトルク設定部52では、ジョイスティック1への転舵操作量に基づく目標ラックトルク(目標ラック軸力)を設定するだけであり、ラック軸31の位置(すなわち、転舵角W,Wの転舵角)を設定しない。ラック軸31の位置は、ラックトルクとそのラックトルクを発生させている時間(すなわち、ジョイスティック1への転舵操作時間)との積および転舵輪W,Wからラック軸31への反力によって決まる。ちなみに、ラックトルクに応じて転舵輪W,Wの転舵速度が変るが、その転舵速度の大きさは転舵輪W,Wからラック軸31への反力の作用を受けて変る。
【0067】
偏差演算部53は、ラックトルクセンサ10からのラックトルク信号SRおよび目標ラックトルク設定部52からの目標ラックトルク信号が入力され、偏差信号をステアリングモータ制御信号出力部54および目標転舵操作反力設定部56に出力する。偏差演算部53は、目標ラックトルク信号からラックトルク信号SRを減算し、その減算値を偏差信号とする。
【0068】
ステアリングモータ制御信号出力部54は、偏差演算部53からの偏差信号が入力され、ステアリング制御信号をステアリングモータ駆動回路55に出力する。ステアリングモータ制御信号出力部54は、PIDコントローラおよびPWM信号発生部等を備えている。まず、ステアリングモータ制御信号出力部54は、偏差信号にP(比例)、I(積分)およびD(微分)制御を行い、偏差を0に近づけるためにステアリングモータ5に供給する電流の向きと電流値とを示すPID制御信号を生成する。続いて、ステアリングモータ制御信号出力部54は、このPID制御信号に基づいて、ステアリングモータ5に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、ステアリング制御信号とする。
【0069】
ステアリングモータ駆動回路55は、ステアリングモータ制御信号出力部54からのステアリング制御信号が入力され、ステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に出力する。ステアリングモータ駆動回路55は、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加し、ステアリングモータ5を駆動する。そのために、ステアリングモータ駆動回路55は、4つのFET(スイッチング素子)からなるブリッジ回路および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。そして、ステアリングモータ駆動回路55は、4つのFETの各ゲートにステアリング制御信号が入力されると、ステアリング制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、ステアリングモータ5にステアリングモータ駆動電圧DSMを印加する。すると、ステアリングモータ5には電流が流れてステアリングモータ5が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1の転舵操作量に応じてラック軸31のトルク(軸力)が制御される。
【0070】
図6を参照して、転舵操作反力制御部4Fについて説明する。
転舵操作反力制御部4Fは、運転者がジョイスティック1を左右方向に傾動する操作を行う際(つまり、転舵操作を行う際)、転舵操作反力モータ8を駆動して能動的に転舵操作反力をジョイスティック1に作用させる制御を行う。そのために、転舵操作反力制御部4Fは、目標転舵操作反力設定部56、転舵操作反力モータ制御信号出力部57および転舵速操作反力モータ駆動回路58を備えている。なお、転舵操作反力制御部4Fのうち、転舵操作反力モータ駆動回路58を除いた部分は、制御装置4を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0071】
目標転舵操作反力設定部56は、転舵操作量センサ2からの転舵操作量信号SSR(右方転舵操作量または左方転舵操作量)、ヨーレートセンサ13からのヨーレート信号SYおよび偏差演算部53からの偏差信号が入力され、目標転舵操作反力信号を転舵操作反力モータ制御信号出力部57に出力する。目標転舵操作反力設定部56は、転舵操作量信号SSRに基づいて転舵操作反力の方向を判定するとともに転舵操作量信号SSRおよびヨーレート信号SYに基づいて転舵操作反力マップから目標転舵操作反力を検索し、転舵操作反力の方向と目標転舵操作反力とからなる目標転舵操作反力信号を設定する。このとき、目標転舵操作反力設定部56では、偏差信号に基づいて転舵操作反力をジョイスティック1に与えるか否かを判定している。まず、目標転舵操作反力設定部56では、転舵操作量信号SSRが基準値を上回る場合(すなわち、右方転舵操作量の場合)には転舵操作反力方向を右方操作に対する反力と判定するとともに、転舵操作量信号SSRが基準値を下回る場合(すなわち、左方転舵操作量の場合)には転舵操作反力方向を左方操作に対する反力と判定する(図7の(b)図参照)。
【0072】
転舵操作反力マップは、ヨーレートに応じて複数設定され、いずれの転舵操作反力マップも転舵操作量(第1の実施の形態では、右方転舵操作量または左方転舵操作量)が大きくなれば転舵操作量に応じて目標転舵操作反力を大きくするように設定されている。ヨーレートに応じて転舵操作反力マップが設定されるのは、車両状態として不安定なヨーレートが大きいほど転舵操作反力を大きくして運転者に転舵を抑えるように促すためである。転舵操作量が大きくなれば転舵操作反力を大きくするのは、転舵輪W,Wの転舵速度が速くなる転舵操作量が大きいほど運転者に転舵を抑えるように促すためである。
【0073】
本実施の形態では、図10に示すように、ヨーレートに応じてM4,M5,M6の3つの転舵操作反力マップが設定されている。図10は、転舵操作量センサの出力と目標転舵操作反力との関係図である。転舵操舵反力マップM4は、ヨーレートが大きい時のマップであり、大きな比例定数で転舵操作量に応じて目標転舵操作反力を対応付けている。転舵操舵反力マップM5は、ヨーレートが中程度の時のマップであり、転舵操作反力マップM4より小さな比例定数で転舵操作量に応じて目標転舵操作反力を対応付けている。転舵操舵反力マップM6は、ヨーレートが小さい時のマップであり、転舵操作反力マップM5より小さな比例定数で転舵操作量に応じて目標転舵操作反力を対応付けている。さらに、転舵操作反力マップM4,M5,M6は、運転者による急な転舵操作を抑制するために、所定量以上の転舵操作量に対して非常に大きな比例定数で目標転舵操作反力を対応付けている。また、3つの転舵操作反力マップM4,M5,M6以外のヨーレートにおける転舵操作反力マップは、3つの転舵マップM4,M5,M6から補完演算する。
【0074】
このように転舵操作量に応じて目標転舵操舵反力を設定するのは、転舵操作量を増すような操作が行われた場合に転舵操作反力を生じさせるためである。したがって、転舵操作量が0の場合(ジョイスティック1の左右位置が中立状態の場合)や転舵操作量を一定に保持する場合あるいは転舵操作量を減らす場合には、転舵操作反力は生じない。
【0075】
そして、目標転舵操作反力設定部56は、「右方操作」かつ偏差信号が「プラスの値」である場合には転舵操作反力マップで検索した目標転舵操作反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、「右方操作」かつ偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。このように目標転舵操作反力信号を設定するのは、ラックトルクを増す場合に転舵操作反力を生じさせるためである。このため、一定のラックトルクを保持する場合やラックトルクを減じるようなジョイスティック1の操作を行う場合(ジョイスティック1を中立側に戻す操作を行う場合)には、転舵操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標転舵操作反力設定部56ではジョイスティック1の戻りをアシストするように目標転舵操作反力信号を設定するようにしてもよい。一方、目標転舵操作反力設定部56は、「左方操作」かつ偏差信号が「マイナスの値」である場合には転舵操作反力マップで検索した目標転舵操作反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、「左方操作」かつ偏差信号が「ゼロおよびプラスの値」である場合には目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。ちなみに、偏差信号がプラスの値の場合は、目標転舵操作反力設定部56ではジョイスティック1の戻りをアシストするように目標転舵操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0076】
転舵操作反力モータ制御信号出力部57は、目標転舵操作反力設定部56からの目標転舵操作反力信号が入力され、転舵操作反力制御信号を転舵操作反力モータ駆動回路58に出力する。転舵操作反力モータ制御信号出力部57は、PWM信号発生部を備えている。転舵操作反力モータ制御信号出力部57は、目標転舵操作反力信号に基づいて、転舵操作反力モータ8に供給する電流の向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、転舵操作反力制御信号とする。
【0077】
転舵操作反力モータ駆動回路58は、転舵操作反力モータ制御信号出力部57からの転舵操作反力制御信号が入力され、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に出力する。転舵操作反力モータ駆動回路58は、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に印加し、転舵操作反力モータ8を駆動する。そのために、転舵操作反力モータ駆動回路58は、4つのFET(スイッチング素子)からなるブリッジ回路および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。転舵操作反力モータ駆動回路58は、4つのFETの各ゲートに転舵操作反力制御信号が入力されると、転舵操作反力制御信号に基づいて4つのFETがON/OFFし、転舵操作反力モータ8に転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを印加する。すると、転舵操作反力モータ8には電流が流れて転舵操作反力モータ8が正転または逆転駆動され、ジョイスティック1の転舵操作反力が制御される。
【0078】
したがって、運転者がジョイスティック1によりラックトルクを増加する操作を行う際には、ジョイスティック1に対して転舵操作反力が与えられる。この転舵操作反力の大きさは、右方転舵状態の場合は、ジョイスティック1の傾動支持機構20における中立位置を基準にしてジョイスティック1の右方への操作が大きいほどまたは/およびヨーレートが大きいほど、ジョイスティック1には大きな転舵操作反力が生じるようになる。一方、左方転舵状態の場合は、ジョイスティック1の傾動支持機構20における中立位置を基準にしてジョイスティック1を左方への操作が大きいほどまたは/およびヨーレートが大きいほど、ジョイスティック1には大きな転舵操作反力が生じるようになる。
【0079】
図1乃至図10を参照して、運転操作装置Aの動作うち本発明の特徴となる転舵動作について説明する。ここでは、交差点での右折時について説明する。
【0080】
車両の交差点での右折開始時には、運転者が、転舵輪W,Wを右方に転舵させるために、ジョイスティック1を右方に傾動する。このとき、ジョイスティック1の右方への操作量は、運転者が緩やかに転舵を行いたい場合には少量であり、運転者が素早い転舵を行いたい場合には多量である。すると、運転操作装置Aでは、転舵操作量センサ2がジョイスティック1での右方転舵操作量(基準値から増加)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置4に送信する。
【0081】
制御装置4では、車速信号SSおよび転舵操作量信号SSRに基づいて車速と右方転舵操作量に応じた目標ラックトルクとラック軸31の移動方向が左方向からなる目標ラックトルク信号を設定し、さらにこの目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとに基づいて偏差信号(プラス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。このとき、右方転舵操作量が大きいほどまたは/および車速が低速なほど、目標ラックトルクは大きい値となり、転舵輪W,Wの転舵速度が速くなる。そして、制御装置4では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じたラックトルクを発生し、左方に移動し始める。そして、ジョイスティック1での右方転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向に転舵し始める。このとき、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(路面摩擦力やセルフアライニングトルク等)により勝っているため、ラック軸31が左方に移動し、右転舵を始める。したがって、転舵の開始時には、転舵輪W,Wからの反力より大きなラック軸力を発生させるために、転舵角を減少する場合や転舵角を一定にする場合に比較してジョイスティック1に対して大きな操作量が必要となる。そして、時間経過とともに、ラック軸31の左方への移動量が増加し、転舵輪W,Wの転舵角が増大していく。
【0082】
また、制御装置4では、ヨーレート信号SY、転舵操作量信号SSRおよび偏差信号(プラス値)に基づいてヨーレートと右方転舵操作量に応じた目標転舵操作反力と転舵操作反力方向が右方操作に対する反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、さらに目標転舵操作反力信号に基づいて転舵操作反力制御信号を設定する。このとき、右方転舵操作量が大きいほどまたは/およびヨーレートが大きいほど、目標転舵操作反力は大きい値となり、ジョイスティック1の右方操作に対する反力が大きくなる。続いて、制御装置4では、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを発生させ、この転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ8に印加する。すると、転舵操作反力モータ8が駆動され、ジョイスティック1の右方向の操作に対して転舵操作反力が与えられる。
【0083】
車両の転舵中、運転者が、転舵輪W,Wの転舵角を一定にさせるために、ジョイスティック1を右方から中立側に少し戻し、転舵開始時よりもジョイスティック1に対する操作量を少なくする。すると、運転操作装置Aでは、転舵操作量センサ2がジョイスティック1での右方転舵操作量(転舵開始時よりも少ない操作量)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置4に送信する。
【0084】
前記した同様の制御により、制御装置4では、目標ラックトルク信号(転舵開始時よりも小さい目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(ゼロまたはマイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置4では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた転舵開始時よりも小さいラックトルクを発生する。このとき、ラックトルク(ラック軸力)と転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)とが釣り合い、ラック軸31の左方への移動位置が固定され、転舵輪W,Wの右回転方向の転舵角が一定となる。
【0085】
また、制御装置4では、目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとの偏差信号がゼロまたはマイナス値となるので、目標転舵操作反力信号にゼロを設定する。したがって、転舵操作反力モータ8には転舵操作反力モータ駆動電圧RSRが印加されないので、ジョイスティック1の右方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0086】
車両の転舵終了時には、運転者が、転舵輪W,Wを直進に戻すために、ジョイスティック1を右方から中立状態に戻す。すると、運転操作装置Aでは、転舵操作量センサ2がジョイスティック1での右方転舵操作量(減少→ゼロ)に対応する転舵操作量信号SSRを制御装置4に送信する。
【0087】
前記した同様の制御により、制御装置4では、目標ラックトルク信号(徐々に小さくなり、やがてゼロになる目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(マイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置4では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた徐々に小さくラックトルクを発生し、やがてラックトルクがゼロとなる。そのため、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)より小さくなり、ラック軸31の左方への移動位置から中立位置に移動し始め、転舵輪W,Wが直進状態に戻り始める。やがて、ラック軸31が中立位置に戻り、転舵輪W,Wが直進状態に戻る。
【0088】
また、前記した同様の制御により、制御装置4では、目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとの偏差信号がマイナス値となるので、目標転舵操作反力信号にゼロを設定する。したがって、転舵操作反力モータ8には転舵操作反力モータ駆動電圧RSRが印加されないので、ジョイスティック1の右方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0089】
この運転操作装置A(車両操舵装置S1)によれば、ジョイスティック1の左右方向への操作量に応じてステアリングモータ5の出力(ひいては、ラックトルク)を制御しているので、少ない操作量によって転舵輪W,Wを転舵することができる。そのため、フロントドアのアームレスト等の左右方向の操作スペースが限られた場所でも、ジョイスティック1を設置することができる。この運転操作装置A(車両操舵装置S1)によれば、ゲイン(ステアリングモータ5の出力/ジョイスティック1の左右方向の操作量)を小さくしても、操作時間を長くすることにより大きな転舵角を得ることができるので、操舵フィーリングが良好である。
【0090】
また、この運転操作装置A(車両操舵装置S1)によれば、ジョイスティック1の左右方向への操作量に応じてステアリングモータ5の出力を直接制御しているので、ジョイスティック1の操作量により転舵輪W,Wの転舵速度を変えることができる。そのため、高速道路や低速での交差点等の緩やかな転舵が必要な場合あるいは車庫入れやワインディングロード等の素早い転舵が必要な場合等、様々な運転状況に応じて転舵速度をコントロールすることができる。さらに、この運転操作装置A(車両操舵装置S1)によれば、従来のように正確な位置制御に必要であった高価なラック位置センサ等を必要としないので、従来よりコストダウンできる。また、この運転操作装置A(車両操舵装置S1)によれば、転舵角を一定に保持するような転舵操作が行われている時には、ジョイスティック1への操作に対して転舵操作反力を与えないので、運転者が定常円旋回等を楽に行うことができる。
【0091】
第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る車両操舵装置S1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図11を参照して、車両操舵装置S2の全体構成について説明する。図11は、第2の実施の形態に係る車両操舵装置S2の全体構成図である。
【0092】
車両操舵装置S2は、ジョイスティック61、転舵方向センサ62、転舵操作量センサ63、制御装置64、ステアリングモータ5、転舵操作反力モータ65、ラックトルクセンサ10、ヨーレートセンサ13、車速センサ14、ボールねじ機構30、ラック軸31、タイロッド32,32等から構成される。
なお、第2の実施の形態では、ジョイスティック61が特許請求の範囲に記載する操作装置に相当し(特に、請求項1に記載のジョイスティックに相当し)、制御装置64が特許請求の範囲に記載する制御手段に相当し、ステアリングモータ5が特許請求の範囲に記載するアクチュエータに相当する。
【0093】
ジョイスティック61(操作機構)の構成について説明する。
車両操舵装置S2は、車両の転舵操作を行うためのジョイスティック61を備えている。そのために、ジョイスティック61は、車両の進行方向に対して前方向への回動によって傾動する操作ができるとともに左右方向への回動によって傾動する操作ができるように傾動支持機構(図示せず)に支持されている。したがって、ジョイスティック61は、半楕円運動を描くように操作することができる。また、傾動支持機構は、ジョイスティック61を前方向に傾動する操作に対して、その操作量が多くなればなるほど受動的にジョイスティック61を中立状態に復帰する力が大きく発生するような、バネ(弾性体)を用いた復帰機構(図示せず)を有している。なお、傾動支持機構は、第1の実施の形態に係る傾動支持機構20と同様の構成であるが、後方への傾動するための機構を有していない。また、復帰機構も、第1の実施の形態に係る復帰機構21,22と同様の構成であるが、左右方向から中立状態および後方から中立状態への復帰するための機構を有していない。
【0094】
ジョイスティック61を前方向に傾動する操作は、ジョイスティック61の前方向の操作を可能とする回転軸に備えられたポテンショメータ等からなる転舵操作量センサ63により、その操作量が電圧として検出(出力)されるようになっている。この場合の操作量は、ジョイスティック61の中立状態を基準にして、前方に傾動する場合が転舵操作量である。そして、転舵操作量センサ63は、検出した電圧を転舵操作量信号SSRとして制御装置64に送信する。ちなみに、このジョイスティック61を前方向に傾動する操作が、車両への転舵操作のうち操作量操作となる。
【0095】
図13を参照して、ジョイスティック61の前方向の操作量に対する転舵操作量センサ63の出力の設定について説明する。図13は、ジョイスティック61の前方向の位置(前方向操作量)と転舵操作量センサ63の出力との関係図である。この図から判るように、転舵操作量センサ63は、ジョイスティック61を前方に傾動する操作を行うと出力を増加させるように設定される。したがって、前方操作量操作は、ジョイスティック61を傾動する操作の度合いが大きくなればなるほど、転舵操作量センサ63で検出(出力)される転舵操作量も大きくなる。転舵操作量は、転舵輪W,Wの目標転舵角を設定するのでなくラック軸31の目標ラックトルク(すなわち、ステアリングモータ5に供給する目標電流)を設定するためのものなので、微妙な調整が必要な転舵角を設定する操作量ではない。したがって、転舵操作量の最大操作量は、ラック軸31の目標ラックトルク(ステアリングモータ5の出力)の大きさを数段階設定できる程度の操作量でよい。ちなみに、転舵輪W,Wの転舵角は、転舵操作量操作および転舵方向操作とその操作時間によって決まる。
【0096】
ジョイスティック61を左右方向に傾動する操作は、ジョイスティック61の傾動支持機構内に設けられた2つの電気接点等からなる転舵方向センサ62により、その左右方向の操作に応じて所定電圧値として検出(出力)されるようになっている。そして、転舵方向センサ62は、ゼロ電圧または所定電圧値を転舵方向信号SSDとして制御装置64に送信する。ちなみに、このジョイスティック61を左右方向に傾動する操作が、車両への転舵操作のうち転舵方向操作となる。
【0097】
図14を参照して、ジョイスティック61の左右方向の傾動操作に対する転舵方向センサ62の出力の設定について説明する。図14は、ジョイスティック61の左右方向の位置(左右方向操作量)と転舵方向センサ62の出力との関係図である。この図から判るように、転舵方向センサ62は、ジョイスティック61を右方に所定操作量以上傾動する操作を行うと右方の電気接点が閉じてプラスの一定電圧(例えば、5V)を出力するとともに、左方に所定操作量以上傾動する操作を行うと左方の電気接点が閉じてマイナスの一定電圧(例えば、−5V)を出力するように設定されている。したがって、左右転舵方向操作は、ジョイスティック61を傾動する操作の度合いが所定操作量以上になると、転舵方向センサ62で転舵方向を検出する。また、転舵方向操作の最大操作量は、電気接点を確実に閉じることができる程度の操作量でよいので、非常に少ない操作量である。
【0098】
ジョイスティック61は、車両の運転者が片手で操作できるように、右フロントドアのアームレストに配置されている。ジョイスティック61は、パイプ状のスティック本体61aの上端に操作グリップ61bが固定された構造を有し、スティック本体61aの下端部が傾動支持機構(図示せず)を介して左右方向および前方向に傾動自在に支持されている。なお、この傾動支持機構は、スティック本体61aに外装されたブーツ61cによって覆われている。また、傾動支持機構は、運転者によるジョイスティック61の操作に対して、ジョイスティック61の動きに反力を加える反力発生手段を有する(反力の方向および大きさについては後記する)。この反力発生手段は、ジョイスティック61の前方向の回転軸の動きに反力を加える転舵操作反力モータ65を有する。転舵操作反力モータ65は、制御装置64が生成する転舵操作反力モータ駆動電圧RSRに基づいて駆動される。なお、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRの大きさおよび印加方向は制御装置64により設定されるが、この点は後記する。
【0099】
車両操舵装置S2における転舵系(転舵機構)の構成を説明する。
この車両の転舵系は、通常の車両と異なりステアリングホイールを有しない。その代わりに、ジョイスティック61がステアリングホイールの役割を有し、前記したように、中立状態のジョイスティック61を左方に傾動しかつ前方に傾動する操作を行うと、転舵輪W,Wが左方に転舵するようになっている。一方、中立状態のジョイスティック61を右方に傾動しかつ前方に傾動する操作を行うと転舵輪W,Wが右方に転舵するようになっている。このジョイスティック61の操作では、前方向への操作量が大きいほど転舵輪W,Wの転舵速度が速くなり(ラックトルクが大きくなり)、操作時間が長なるほど転舵輪W,Wの転舵角が大きくなる。
【0100】
また、この車両は、運転者の操舵力をラック軸31に伝達するステアリング軸やラックアンドピニオン機構等を有しない。その代わりに、ラック軸31を軸方向に動かすステアリングモータ(ステアリングアクチュエータ)5およびボールねじ機構30を有する。なお、ステアリングモータ5は車体フレームに対して固定され、ステアリングモータ5の回転運動をボールねじ機構30を介してラック軸31の直線運動に変換している。これにより、ステアリングモータ5が発生する回転トルクがラック軸31のラックトルク(ラック軸力)に変換され、ラック軸31に生じたラックトルクは、ラック軸31の端部のタイロッド32,32を介して転舵輪W,Wの転舵トルクへと変換される。なお、ステアリングモータ5は、制御装置64が生成するステアリングモータ駆動電圧DSMに基づいて駆動される。
【0101】
ちなみに、この車両は、通常の車両と同様にブレーキペダルを有しており、ブレーキペダルの踏み込みに応じてブレーキが効くようになっている。また、この車両は、通常の車両と同様にスロットルペダル(アクセルペダル)を有しており、スロットルペダルの踏み込みに応じてとスロットル弁が開くようになっている。
【0102】
車両操舵装置S2は、制御装置64で制御するために車両の各種情報を制御装置64に取り込むために、前記センサの他にラックトルクセンサ10、ヨーレートセンサ13および車速センサ14を有している。車両操舵装置S2に備えられる各種センサ10,13,14は、車両操舵装置S2の専用のセンサでもよいし、他のシステムと共用するセンサでもよい。
【0103】
図12を参照して、制御装置64の構成について説明する。図12は、制御装置64の転舵制御部64Aおよび転舵操作反力制御部64Bの構成図である。
【0104】
制御装置64は、ジョイスティック61の操作に基づいてステアリングモータ5を制御するとともに、ジョイスティック61に操作反力を与えるために転舵操作反力モータ65を制御する。そのために、制御装置64は、図示しないRAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェース等からなるマイクロコンピュータ(図示せず)や各種モータを駆動する駆動回路を備えており、転舵制御部64Aおよび転舵操作反力制御部64Bを有している。また、制御装置64は、取り込んだセンサ信号をディジタル信号に変換し、センサ信号をディジタル信号で取り扱っている。
【0105】
図12を参照して、転舵制御部64Aについて説明する。
転舵制御部64Aは、運転者によるジョイスティック61への転舵操作量に応じてステアリングモータ5の出力を制御するとともにジョイスティック61への転舵方向操作に応じて転舵方向を判別してステアリングモータ5の回転方向を制御し、転舵輪W,Wを転舵する制御を行う。そのために、転舵制御部64Aは、目標ラックトルク設定部66、偏差演算部53、ステアリングモータ制御信号出力部54およびステアリングモータ駆動回路55を備えている。なお、転舵制御部64Aのうち、ステアリングモータ駆動回路55を除いた部分は、制御装置64を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0106】
目標ラックトルク設定部66は、転舵方向センサ62からの転舵方向信号SSD、転舵操作量センサ63からの転舵操作量信号SSRおよび車速センサ14からの車速信号SSが入力され、目標ラックトルク信号を偏差演算部53に出力する。目標ラックトルク設定部66は、転舵方向信号SSDに基づいて転舵方向(ラック軸31の移動方向、ステアリングモータ5の回転方向)を判定するとともに転舵操作量信号SSRおよび車速信号SSに基づいて転舵マップから目標ラックトルクを検索し、ラック軸31の移動方向と目標ラックトルクとからなる目標ラックトルク信号を設定する。ラック軸31の移動方向は、目標ラックトルクに対するプラスとマイナスで表され、例えば、移動方向が左方向をプラスとし、右方向をマイナスとする。目標ラックトルク設定部66では、転舵方向信号SSDがプラスの一定電圧の場合には転舵方向を右転舵と判定し、ラック軸31の移動方向を左方向とするとともに、転舵操作量信号SSRがマイナスの一定電圧の場合には転舵方向を左転舵と判定し、ラック軸31の移動方向を右方向とする(図14参照)。転舵マップは第1の実施の形態と同様の転舵マップであり(図9参照)、目標ラックトルク設定部66では、転舵マップから車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルクを検索する。
【0107】
ちなみに、目標ラックトルク設定部66では、ジョイスティック61への転舵操作量に基づくラックトルク(ラック軸31の軸力)を設定するだけであり、ラック軸31の位置(すなわち、転舵角W,Wの転舵角)を設定するものではない。ラック軸31の位置は、ラックトルクとそのラックトルクを発生させている時間(すなわち、ジョイスティック61への転舵操作時間)との積および転舵輪W,Wからラック軸31への反力によって決まる。ちなみに、ラックトルクに応じて転舵輪W,Wの転舵速度が変るが、その転舵速度の大きさは転舵輪W,Wからラック軸31への反力の作用を受けて変る。
【0108】
図12を参照して、転舵操作反力制御部64Bについて説明する。
転舵操作反力制御部64Bは、運転者がジョイスティック61を前方向に傾動する操作を行う際(つまり、転舵操作量操作を行う際)、転舵操作反力モータ65を駆動して能動的に転舵操作反力をジョイスティック61に作用させる制御を行う。そのために、転舵操作反力制御部64Bは、目標転舵操作反力設定部67、転舵操作反力モータ制御信号出力部68および転舵速操作反力モータ駆動回路69を備えている。なお、転舵操作反力制御部64Bのうち、転舵操作反力モータ駆動回路69を除いた部分は、制御装置64を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0109】
目標転舵操作反力設定部67は、転舵操作量センサ63からの転舵操作量信号SSR、ヨーレートセンサ13からのヨーレート信号SYおよび偏差演算部53からの偏差信号が入力され、目標転舵操作反力信号を転舵操作反力モータ制御信号出力部68に出力する。目標転舵操作反力設定部67は、転舵操作量信号SSRおよびヨーレート信号SYに基づいて転舵操作反力マップから目標転舵操作反力を検索し、目標転舵操作反力からなる目標転舵操作反力信号を設定する。このとき、目標転舵操作反力設定部67では、偏差信号に基づいて転舵操作反力をジョイスティック61に与えるか否かを判定している。転舵操作反力マップは第1の実施の形態と同様のマップであり(図10参照)、目標転舵操作反力設定部67では、転舵操作反力マップからヨーレートと転舵操作量に応じた目標転舵操作反力を検索する。ちなみに、転舵操作反力方向は、前方操作に対する反力のみである。
【0110】
そして、目標転舵操作反力設定部67は、偏差信号が「プラスの値」である場合には転舵操作反力マップで検索した目標転舵操作反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。このように目標転舵操作反力信号を設定するのは、ラックトルクを増す場合に転舵操作反力を生じさせるためである。このため、一定のラックトルクを保持する場合やラックトルクを減じるようなジョイスティック61の操作を行う場合(ジョイスティック61を中立側に戻す操作を行う場合)には、転舵操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標転舵操作反力設定部67ではジョイスティック61の戻りをアシストするように目標転舵操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0111】
転舵操作反力モータ制御信号出力部68は、目標転舵操作反力設定部67からの目標転舵操作反力信号が入力され、転舵操作反力制御信号を転舵操作反力モータ駆動回路69に出力する。転舵操作反力モータ制御信号出力部68は、PWM信号発生部を備えている。転舵操作反力モータ制御信号出力部68は、目標転舵操作反力信号に基づいて、転舵操作反力モータ65に供給する電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、転舵操作反力制御信号とする。ちなみに、ジョイスティック61に一方向にしか反力を与えないので、転舵操作反力モータ65に与える電流の向きは一方向である。
【0112】
転舵操作反力モータ駆動回路69は、転舵操作反力モータ制御信号出力部68からの転舵操作反力制御信号が入力され、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ65に出力する。転舵操作反力モータ駆動回路69は、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ65に印加し、転舵操作反力モータ65を駆動する。そのために、転舵操作反力モータ駆動回路69は、2つのFET(スイッチング素子)および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。転舵操作反力モータ駆動回路69は、2つのFETの各ゲートに転舵操作反力制御信号が入力されると、転舵操作反力制御信号に基づいて2つのFETがON/OFFし、転舵操作反力モータ65に転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを印加する。すると、転舵操作反力モータ65には電流が流れて転舵操作反力モータ65が正転駆動され、ジョイスティック61の転舵操作反力が制御される。
【0113】
したがって、運転者がジョイスティック61によりラックトルクを増加する操作を行う際には、ジョイスティック61に対して転舵操作反力が与えられる。この転舵操作反力の大きさは、ジョイスティック61の傾動支持機構における中立位置を基準にしてジョイスティック61の前方への操作が大きいほどまたは/およびヨーレートが大きいほど、ジョイスティック61には大きな転舵操作反力が生じるようになる。
【0114】
図9乃至図14を参照して、車両操舵装置S2の動作について説明する。ここでは、交差点での右折時について説明する。
【0115】
車両の交差点での右折転舵開始時には、運転者が、転舵輪W,Wを右方に転舵させるために、ジョイスティック61を右方に傾動するとともに前方に傾動する。このとき、ジョイスティック61の右方への操作量は、転舵方向センサ62で検出できる程度の極少量である(図14参照)。ジョイスティック61の前方への操作量は、運転者が緩やかに転舵を行いたい場合には少量であり、運転者が素早い転舵を行いたい場合には多量である。すると、車両操舵装置S2では、転舵方向センサ62がジョイスティック61での右方操作によって電気接点が閉じるのに応じてプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置64に送信するとともに、転舵操作量センサ63がジョイスティック61での前方操作量に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置64に送信する。
【0116】
制御装置64では、車速信号SS、転舵方向信号SSDおよび転舵操作量信号SSRに基づいて車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルクとラック軸31の移動方向が左方向からなる目標ラックトルク信号を設定し、さらにこの目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとに基づいて偏差信号(プラス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。このとき、転舵操作量が大きいほどまたは/および車速が低速なほど、目標ラックトルクは大きい値となり、転舵輪W,Wの転舵速度が速くなる。そして、制御装置64では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じたラックトルクを発生し、左方に移動し始める。そして、ジョイスティック61での転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向に転舵し始める。このとき、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(路面摩擦力やセルフアライニングトルク等)により勝っているため、ラック軸31が左方に移動し、右転舵を始める。したがって、転舵の開始時には、転舵輪W,Wからの反力より大きなラック軸力を発生はさせるために、転舵角を減少する場合や転舵角を一定にする場合に比較してジョイスティック61に対して大きな操作量が必要となる。そして、時間経過とともに、ラック軸31の左方への移動量が増加し、転舵輪W,Wの転舵角が増大していく。
【0117】
また、制御装置64では、ヨーレート信号SY、転舵操作量信号SSRおよび偏差信号(プラス値)に基づいてヨーレートと転舵操作量に応じた目標転舵操作反力と転舵操作反力方向が前方操作に対する反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、さらに目標転舵操作反力信号に基づいて転舵操作反力制御信号を設定する。続いて、制御装置64では、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを発生させ、この転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ65に印加する。すると、転舵操作反力モータ65が駆動され、ジョイスティック61の前方への操作に対して転舵操作反力が与えられる。
【0118】
車両の転舵中、運転者が、転舵輪W,Wの転舵角を一定にさせるために、ジョイスティック61を前方から中立側に少し戻し、転舵開始時よりもジョイスティック61に対する操作量を少なくする。ちなみに、運転者は、ジョイスティック61の右方への操作は維持している。すると、車両操舵装置S2では、転舵方向センサ62がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置64に送信するとともに、転舵操作量センサ63がジョイスティック61での転舵操作量(転舵開始時よりも少ない操作量)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置64に送信する。
【0119】
前記した同様の制御により、制御装置64では、目標ラックトルク信号(転舵開始時よりも小さい目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(ゼロまたはマイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置64では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた転舵開始時よりも小さいラックトルクを発生する。このとき、ラックトルク(ラック軸力)と転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)とが釣り合い、ラック軸31の左方への移動位置が固定され、転舵輪W,Wの右回転方向の転舵角が一定となる。
【0120】
また、制御装置64では、目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとの偏差信号がゼロまたはマイナス値となるので、目標転舵操作反力信号にゼロを設定する。したがって、転舵操作反力モータ65には転舵操作反力モータ駆動電圧RSRが印加されないので、ジョイスティック61の前方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0121】
車両の転舵終了時には、運転者が、転舵輪W,Wを直進に戻すために、ジョイスティック61を前方から中立状態に戻す。このとき、運転者は、ジョイスティック61の右方への操作を中立状態に戻してもよいし、戻さなくてもよい。すると、車両操舵装置S2では、転舵方向センサ62がプラスの一定電圧またはゼロの転舵方向信号SSDを制御装置64に送信するとともに、転舵操作量センサ63がジョイスティック61での転舵操作量(減少→ゼロ)に対応する転舵操作量信号SSRを制御装置64に送信する。
【0122】
前記した同様の制御により、制御装置64では、目標ラックトルク信号(徐々に小さくなり、やがてゼロになる目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(マイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置64では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた徐々に小さくラックトルクを発生し、やがてラックトルクがゼロとなる。そのため、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)より小さくなり、ラック軸31の左方への移動位置から中立位置に移動し始め、転舵輪W,Wが直進状態に戻り始める。やがて、ラック軸31が中立位置に戻り、転舵輪W,Wが直進状態に戻る。
【0123】
また、前記した同様の制御により、制御装置64では、目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとの偏差信号がマイナス値となるので、目標転舵操作反力信号にゼロを設定する。したがって、転舵操作反力モータ65には転舵操作反力モータ駆動電圧RSRが印加されないので、ジョイスティック61の前方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0124】
この車両操舵装置S2によれば、ジョイスティック61の前方向への操作量に応じてステアリングモータ5の出力(ひいては、ラックトルク)を制御しているので、少ない操作量によって転舵輪W,Wを転舵することができる。また、車両操舵装置S2によれば、ジョイスティック61の左右方向の操作を転舵方向のみの操作としたので、左右方向の最大操作量を非常に少なくできる。そのため、フロントドアのアームレスト等の左右方向の操作スペースが限られた場所でも、ジョイスティック61を設置することができる。さらに、この車両操舵装置S2によれば、ゲイン(ステアリングモータ5の出力/ジョイスティック61の前方の操作量)を小さくしても、操作時間を長くすることにより大きな転舵角を得ることができるので、操舵フィーリングが良好である。
【0125】
また、この車両操舵装置S2によれば、ジョイスティック61の前方への操作量に応じてステアリングモータ5の出力を直接制御しているので、ジョイスティック61の操作量により転舵輪W,Wの転舵速度を変えることができ、様々な運転状況に応じて転舵速度をコントロールすることができる。さらに、この車両操舵装置S2によれば、従来のように正確な位置制御に必要であった高価なラック位置センサ等を必要としないので、従来よりコストダウンできる。また、この車両操舵装置S2によれば、転舵角を一定に保持するような転舵操作が行われている時には、ジョイスティック61の前方への操作に対して転舵操作反力を与えないので、運転者が定常円旋回等を楽に行うことができる。
【0126】
第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、第1の実施の形態に係る車両操舵装置S1または第2の実施の形態に係る車両操舵装置S2と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図15を参照して、車両操舵装置S3の全体構成について説明する。図15は、第3の実施の形態に係る車両操舵装置S3の全体構成図である。
【0127】
車両操舵装置S3は、ジョイスティック71、転舵方向センサ72、転舵操作量センサ73、制御装置74、ステアリングモータ5、転舵操作反力モータ75、ラックトルクセンサ10、ヨーレートセンサ13、車速センサ14、中立スイッチセンサ15、ラック中立位置センサ16、ボールねじ機構30、ラック軸31、タイロッド32,32等から構成される。特に、ジョイスティック71には、転舵操作量レバー71dおよび中立スイッチ71eが装備されている。
なお、第3の実施の形態では、ジョイスティック71が特許請求の範囲に記載する操作装置に相当し(特に、請求項2に記載のジョイスティックに相当し)、転舵操作量レバー71dが特許請求の範囲に記載するレバーに相当し、中立スイッチ71eが特許請求の範囲に記載する戻し操作手段に相当し、制御装置74が特許請求の範囲に記載する制御手段に相当し、ステアリングモータ5が特許請求の範囲に記載するアクチュエータに相当する。
【0128】
ジョイスティック71(操作機構)の構成について説明する。
車両操舵装置S3は、車両の転舵操作を行うためのジョイスティック71を備えている。そのため、ジョイスティック71は、車両の進行方向に対して左右方向への回動によって傾動する操作ができるように傾動支持機構(図示せず)に支持されている。したがって、ジョイスティック71は、左右方向にのみ操作することができる。なお、傾動支持機構は、第1の実施の形態に係る傾動支持機構20と同様の構成であるが、前後方向に傾動するための機構は有していない。
【0129】
ジョイスティック71を左右方向に傾動する操作は、ジョイスティック71の傾動支持機構内に設けられた2つの電気接点等からなる転舵方向センサ72により、その左右方向の操作に応じて所定電圧値として検出(出力)されるようになっている。そして、転舵方向センサ72は、ゼロ電圧または所定電圧値を転舵方向信号SSDとして制御装置74に送信する。ジョイスティック71の左右方向の傾動操作に対する転舵方向センサ72の出力の設定については、第2の実施の形態と同様の設定なので、説明を省略する(図14参照)。ちなみに、このジョイスティック71を左右方向に傾動する操作が、車両への転舵操作のうち転舵方向操作となる。
【0130】
さらに、ジョイスティック71には、転舵操作量を操作するために、操作グリップ71bの左方面に、後方への回動可能な転舵操作量レバー71dが設けられている。転舵操作量レバー71dの回動軸には操作グリップ71bの内部に取り付けられたスプリング(図示せず)が連結されており、さらにスプリングにはワイヤ71fが連結されている。スプリングは、転舵操作量レバー71dを後方向に回動する操作に対して、その操作量が多くなればなるほど受動的に転舵操作量レバー71dを定常状態に復帰する力が大きく発生する。ワイヤ71fは、ジョイスティック71の下方に延び出しており、転舵操作量レバー71dを後方向に回動する操作に対して、その操作量が多くなればなるほどジョイスティック71の内部に引っ張られる。
【0131】
転舵操作量レバー71dを後方向に回動する操作は、ワイヤ71fに取り付けた転舵操作量センサ73により、操作量が電圧として検出(出力)されるようになっている。転舵操作量センサ73では、ワイヤ71fの引っ張られる量を検出しており、この引っ張られる量を操作量としている。この場合の操作量は、転舵操作量レバー71dの定常状態を基準にして、後方に回動する場合が転舵操作量である。そして、転舵操作量センサ73は、検出した電圧を転舵操作量信号SSRとして制御装置74に送信する。ちなみに、この転舵操作量レバー71dを後方向に傾動する操作が、車両への転舵操作のうち操作量操作となる。
【0132】
図17を参照して、転舵操作量レバー71dの後方向の操作量に対する転舵操作量センサ73の出力の設定について説明する。図17は、ジョイスティック71に備えられる転舵操作量レバー71dの後方向の位置(後方向操作量)と転舵操作量センサ73の出力との関係図である。この図から判るように、転舵操作量センサ73は、転舵操作量レバー71dを後方に回動する操作を行うと出力を増加させるように設定されている。したがって、転舵操作量レバー71dでの後方操作は、転舵操作量レバー71dを回動する操作の度合いが大きくなればなるほど、転舵操作量センサ73で検出(出力)される転舵操作量も大きくなる。転舵操作量は、転舵輪W,Wの目標転舵角を設定するのでなくラック軸31の目標ラックトルク(すなわち、ステアリングモータ5に供給する目標電流)を設定するためのものなので、微妙な調整が必要な転舵角を設定する操作量ではない。したがって、転舵操作量の最大操作量は、ラック軸31の目標ラックトルク(ステアリングモータ5のトルク)の大きさを数段階設定できる程度の操作量でよい。ちなみに、転舵輪W,Wの転舵角は、転舵操作量操作および転舵方向操作とその操作時間によって決まる。
【0133】
また、転舵操作量レバー71dには、運転者による転舵操作量レバー71dの操作に対して、転舵操作量レバー71dの動きに反力を加える反力発生手段を有する(反力の方向および大きさについては後記する)。この反力発生手段は、転舵操作量レバー71dの後方向への動きに反力を加える転舵操作反力モータ75を有する。転舵操作反力モータ75は、制御装置74が生成する転舵操作反力モータ駆動電圧RSRに基づいて駆動される。そして、転舵操作反力モータ75は、ワイヤ71fに連結されおり、その駆動力をワイヤ71fに作用させることによって反力を発生させている。なお、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRの大きさおよび印加方向は制御装置74により設定されるが、この点は後記する。
【0134】
さらに、ジョイスティック71には、転舵輪W,Wの強制的に直進状態に戻すために、操作グリップ71bの上面に、中立スイッチ71eが設けられている。中立スイッチ71eは、押しボタン式のスイッチであり、定常状態で押されると操作グリップ71b内に一部が押し込まれた状態となってONし、この押し込まれた状態で押されると定常状態に戻ってOFFする。中立スイッチ71eをONすると、車両操舵装置S3では、ラック軸31を中立位置に戻して、転舵輪W,Wを直進状態にする。直進状態に戻すときの転舵速度は、転舵操作量レバー71dで調整することができる。
【0135】
中立スイッチ71eのON/OFF操作は、中立スイッチ71eの下方に設けられた電気接点等からなる中立スイッチセンサ15により、押す操作に応じて所定電圧値として検出(出力)されるようになっている。中立スイッチセンサ15は、中立スイッチ71eが押し込まれた状態(ON)になると電気接点が閉じてプラスの一定電圧(例えば、5V)を出力し、定常状態になると電気接点が開いてゼロ電圧を出力するように設定されている。そして、中立スイッチセンサ15は、ゼロ電圧またはプラスの一定電圧を中立スイッチ信号SNSとして制御装置74に送信する。
【0136】
ジョイスティック71は、車両の運転者が片手で操作できるように、右フロントドアのアームレストに配置されている。ジョイスティック71は、パイプ状のスティック本体71aの上端に操作グリップ71bが固定された構造を有し、スティック本体71aの下端部が傾動支持機構(図示せず)を介して左右方向に傾動自在に支持されている。なお、この傾動支持機構は、スティック本体71aに外装されたブーツ71cによって覆われている。
【0137】
車両操舵装置S3における転舵系(転舵機構)の構成を説明する。
この車両の転舵系は、通常の車両と異なりステアリングホイールを有しない。その代わりに、ジョイスティック71がステアリングホイールの役割を有し、前記したように、中立状態のジョイスティック71を左方に傾動しかつ定常状態の転舵操作レバー71dを後方に回動する操作を行うと、転舵輪W,Wが左方に転舵するようになっている。一方、中立状態のジョイスティック71を右方に傾動しかつ定常状態の転舵操作レバー71dを後方に回動する操作を行うと転舵輪W,Wが右方に転舵するようになっている。このジョイスティック71の操作では、転舵操作レバー71dの後方向への操作量が大きいほど転舵輪W,Wの転舵速度が速くなり(ラックトルクが大きくなり)、操作時間が長なるほど転舵輪W,Wの転舵角が大きくなる。また、ジョイスティック71の中立スイッチ71eを押してONする操作を行うと、ジョイスティック71による転舵方向操作に関係なく、転舵輪W,Wが直進状態に戻るようになっている。
【0138】
また、この車両は、運転者の操舵力をラック軸31に伝達するステアリング軸やラックアンドピニオン機構等を有しない。その代わりに、ラック軸31を軸方向に動かすステアリングモータ(ステアリングアクチュエータ)5およびボールねじ機構30を有する。なお、ステアリングモータ5は車体フレームに対して固定され、ステアリングモータ5の回転運動をボールねじ機構30を介してラック軸31の直線運動に変換している。これにより、ステアリングモータ5が発生する回転トルクがラック軸31のラックトルク(軸力)に変換され、ラック軸31に生じたラックトルクは、ラック軸31の端部のタイロッド32,32を介して転舵輪W,Wの転舵トルクへと変換される。なお、ステアリングモータ5は、制御装置74が生成するステアリングモータ駆動電圧DSMに基づいて駆動される。
【0139】
ちなみに、この車両は、通常の車両と同様にブレーキペダルを有しており、ブレーキペダルの踏み込みに応じてブレーキが効くようになっている。また、この車両は、通常の車両と同様にスロットルペダル(アクセルペダル)を有しており、スロットルペダルの踏み込みに応じてとスロットル弁が開くようになっている。
【0140】
車両操舵装置S3は、制御装置74で制御するために車両の各種情報を制御装置74に取り込むために、前記センサの他にラックトルクセンサ10、ヨーレートセンサ13、車速センサ14およびラック中立位置センサ16を有している。ここでは、ラック中立位置センサ16についてのみ説明する。車両操舵装置S3に備えられる各種センサ10,13,14,16は、車両操舵装置S3の専用のセンサでもよいし、他のシステムと共用するセンサでもよい。
【0141】
ラック中立位置センサ16は、ラック軸31が中立位置か否かを検出し、中立位置の場合にプラスの一定電圧(例えば、5V)および中立位置でない場合にはゼロ電圧からなるラック中立位置信号SNを制御装置74に送信する。ラック中立位置センサ16は、例えば、電気接点等で構成される。
【0142】
図16を参照して、制御装置74の構成について説明する。図16は、制御装置74の転舵制御部74Aおよび転舵操作反力制御部74Bの構成図である。
【0143】
制御装置74は、ジョイスティック71(転舵操作量レバー71dおよび中立スイッチ71eを含む)の操作に基づいてステアリングモータ5を制御するとともに、転舵操作量レバー71dに操作反力を与えるために転舵操作反力モータ75を制御する。そのために、制御装置74は、図示しないRAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェース等からなるマイクロコンピュータ(図示せず)や各種モータを駆動する駆動回路を備えており、転舵制御部74Aおよび転舵操作反力制御部74Bを有している。また、制御装置74は、取り込んだセンサ信号をディジタル信号に変換し、センサ信号をディジタル信号で取り扱っている。
【0144】
図16を参照して、転舵制御部74Aについて説明する。
転舵制御部74Aは、運転者による転舵操作量レバー71dへの転舵操作量に応じてステアリングモータ5の出力を制御するとともにジョイスティック71への転舵方向操作に応じて転舵方向を判別してステアリングモータ5の回転方向を制御し、転舵輪W,Wを転舵する制御を行う。さらに、転舵制御部74Aは、運転者による中立スイッチ71eへのON操作に応じて、転舵輪W,Wを直進状態に戻す制御を行う。そのために、転舵制御部74Aは、目標ラックトルク設定部76、偏差演算部53、ステアリングモータ制御信号出力部54、転舵制御遮断部77およびステアリングモータ駆動回路55を備えている。なお、転舵制御部74Aのうち、ステアリングモータ駆動回路55を除いた部分は、制御装置64を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0145】
目標ラックトルク設定部76は、転舵方向センサ72からの転舵方向信号SSD、転舵操作量センサ73からの転舵操作量信号SSR、車速センサ14からの車速信号SSおよび中立スイッチセンサ15からの中立スイッチ信号SNSが入力され、目標ラックトルク信号を偏差演算部53に出力する。目標ラックトルク設定部76は、転舵方向信号SSDに基づいて転舵方向(ラック軸31の移動方向、ステアリングモータ5の回転方向)を判定するとともに転舵操作量信号SSRおよび車速信号SSに基づいて転舵マップから目標ラックトルクを検索し、ラック軸31の移動方向と目標ラックトルクとからなる目標ラックトルク信号を設定する。ラック軸31の移動方向は、目標ラックトルクに対するプラスとマイナスで表され、例えば、移動方向が左方向をプラスとし、右方向をマイナスとする。目標ラックトルク設定部76では、転舵方向信号SSDがプラスの一定電圧の場合には転舵方向を右転舵と判定し、ラック軸31の移動方向を左方向とするとともに、転舵操作量信号SSRがマイナスの一定電圧の場合には転舵方向を左転舵と判定し、ラック軸31の移動方向を右方向とする(図14参照)。転舵マップは第1の実施の形態と同様の転舵マップであり(図9参照)、目標ラックトルク設定部76では、転舵マップから車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルクを検索する。
【0146】
また、目標ラックトルク設定部76は、中立スイッチ信号SNSがプラスの一定電圧の場合(中立スイッチ71eがONの場合)、転舵輪W,Wを直進状態(ラック軸31を中立位置)に戻すために、直前の転舵方向信号SSDに基づいてラック軸31の移動方向を判定する。つまり、目標ラックトルク設定部76では、ラック軸31が中立位置に対して現在移動している方向から逆方向を移動方向とするために、直前の転舵方向信号SSDがプラスの一定電圧の場合にはラック軸31が中立位置から左方向に移動しているのでラック軸31の移動方向を右方向と判定し、直前の転舵方向信号SSDがマイナスの一定電圧の場合にはラック軸31が中立位置から右方向に移動しているのでラック軸31の移動方向を左方向と判定する。そして、目標ラックトルク設定部76は、この判定したラック軸31の移動方向と目標ラックトルクとからなる目標ラックトルク信号を設定する。このとき、目標ラックトルクは、前記と同様に、転舵操作量信号SSRおよび車速信号SSに基づいて転舵マップから検索されたものである。
【0147】
ちなみに、目標ラックトルク設定部76では、ジョイスティック71への転舵操作量に基づくラックトルク(ラック軸31の軸力)を設定するだけであり、ラック軸31の位置(すなわち、転舵角W,Wの転舵角)を設定するものではない。ラック軸31の位置は、ラックトルクとそのラックトルクを発生させている時間(すなわち、ジョイスティック71(転舵操作量レバー71dを含む)への転舵操作時間)との積および転舵輪W,Wからラック軸31への反力によって決まる。ちなみに、ラックトルクに応じて転舵輪W,Wの転舵速度が変るが、その転舵速度の大きさは転舵輪W,Wからラック軸31への反力の作用を受けて変る。
【0148】
転舵制御遮断部77は、中立スイッチセンサ15からの中立スイッチ信号SNS、ラック中立位置センサ16からのラック中立位置信号SNおよびステアリングモータ制御信号出力部54からのステアリング制御信号が入力され、ステアリング制御信号をステアリングモータ駆動回路55に出力する。転舵制御遮断部77は、中立スイッチ71eがONの場合、ラック軸31が中立位置になるとその状態を保持するために、ステアリングモータ5の駆動を停止する。そのために、転舵制御遮断部77は、中立スイッチ信号SNSがプラスの一定電圧の場合(中立スイッチ71eがONの場合)、ラック中立位置信号SNがゼロ電圧の時(ラック軸31が中立位置でない時)にはステアリング制御信号としてステアリングモータ制御信号出力部54からのステアリング制御信号をそのまま設定し、ラック中立位置信号SNがプラスの一定電圧の時(ラック軸31が中立位置の時)にはステアリング制御信号として全てオフ信号を設定する。また、転舵制御遮断部77は、中立スイッチ信号SNSがゼロ電圧の場合(中立スイッチ71eがOFFの場合)、ラック中立位置信号SNに関係なくステアリング制御信号としてステアリングモータ制御信号出力部54からのステアリング制御信号をそのまま設定する。
【0149】
図16を参照して、転舵操作反力制御部74Bについて説明する。
転舵操作反力制御部74Bは、運転者が転舵操作量レバー71dを後方向に回動する操作を行う際(つまり、転舵操作量操作を行う際)、転舵操作反力モータ75を駆動して能動的に転舵操作反力を転舵操作量レバー71dに作用させる制御を行う。そのために、転舵操作反力制御部74Bは、目標転舵操作反力設定部78、転舵操作反力モータ制御信号出力部79および転舵速操作反力モータ駆動回路80を備えている。なお、転舵操作反力制御部74Bのうち、転舵操作反力モータ駆動回路80を除いた部分は、制御装置64を構成するマイクロコンピュータにソフトウェア的に構成される。
【0150】
目標転舵操作反力設定部78は、転舵操作量センサ73からの転舵操作量信号SSR、ヨーレートセンサ13からのヨーレート信号SYおよび偏差演算部53からの偏差信号が入力され、目標転舵操作反力信号を転舵操作反力モータ制御信号出力部79に出力する。目標転舵操作反力設定部78は、転舵操作量信号SSRおよびヨーレート信号SYに基づいて転舵操作反力マップから目標転舵操作反力を検索し、目標転舵操作反力からなる目標転舵操作反力信号を設定する。このとき、目標転舵操作反力設定部78では、偏差信号に基づいて転舵操作反力を転舵操作量レバー71dに与えるか否かを判定している。転舵操作反力マップは第1の実施の形態と同様のマップであり(図10参照)、目標転舵操作反力設定部78では、転舵操作反力マップからヨーレートと転舵操作量に応じた目標転舵操作反力を検索する。ちなみに、転舵操作反力方向は、後方操作に対する反力のみである。
【0151】
そして、目標転舵操作反力設定部78は、偏差信号が「プラスの値」である場合には転舵操作反力マップで検索した目標転舵操作反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、偏差信号が「ゼロおよびマイナスの値」である場合には目標転舵操作反力信号をゼロに設定する。このように目標転舵操作反力信号を設定するのは、ラックトルクを増す場合に転舵操作反力を生じさせるためである。このため、一定のラックトルクを保持する場合やラックトルクを減じるような転舵操作量レバー71dの操作を行う場合(転舵操作量レバー71dを定常状態に戻す操作を行う場合)には、転舵操作反力は生じない。ちなみに、偏差信号がマイナスの値の場合は、目標転舵操作反力設定部78では転舵操作量レバー71dの戻りをアシストするように目標転舵操作反力信号を設定するようにしてもよい。
【0152】
転舵操作反力モータ制御信号出力部79は、目標転舵操作反力設定部78からの目標転舵操作反力信号が入力され、転舵操作反力制御信号を転舵操作反力モータ駆動回路80に出力する。転舵操作反力モータ制御信号出力部79は、PWM信号発生部を備えている。転舵操作反力モータ制御信号出力部79は、目標転舵操作反力信号に基づいて、転舵操作反力モータ75に供給する電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成し、転舵操作反力制御信号とする。ちなみに、転舵操作量レバー71dに一方向にしか反力を与えないので、転舵操作反力モータ75に与える電流の向きは一方向である。
【0153】
転舵操作反力モータ駆動回路80は、転舵操作反力モータ制御信号出力部79からの転舵操作反力制御信号が入力され、転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ75に出力する。転舵操作反力モータ駆動回路80は、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ75に印加し、転舵操作反力モータ75を駆動する。そのために、転舵操作反力モータ駆動回路80は、2つのFET(スイッチング素子)および電源電圧(12V)等で構成されている(図示せず)。転舵操作反力モータ駆動回路80は、2つのFETの各ゲートに転舵操作反力制御信号が入力されると、転舵操作反力制御信号に基づいて2つのFETがON/OFFし、転舵操作反力モータ75に転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを印加する。すると、転舵操作反力モータ75には電流が流れて転舵操作反力モータ75が正転駆動され、転舵操作量レバー71dの転舵操作反力が制御される。
【0154】
したがって、運転者が転舵操作量レバー71dによりラックトルクを増加する操作を行う際には、転舵操作量レバー71dに対して転舵操作反力が与えられる。この転舵操作反力の大きさは、転舵操作量レバー71dの定常状態を基準にして転舵操作量レバー71dの後方への操作が大きいほどまたは/およびヨーレートが大きいほど、転舵操作量レバー71dには大きな転舵操作反力が生じるようになる。
【0155】
図9、図10および図14〜図20を参照して、車両操舵装置S3の動作について説明する。ここでは、交差点での右折時、駐車中の右転舵時および右→左→直進のスラローム走行時について説明する。図18は、車両操舵装置S3による交差点で右折した場合のタイムチャートであり、(a)は転舵操作量レバー71dによる転舵操作量であり、(b)はジョイスティック71による転舵方向であり、(c)は転舵輪W,Wの転舵角である。図19は、車両操舵装置S3による駐車中に右転舵した場合のタイムチャートであり、(a)は転舵操作量レバー71dによる転舵操作量であり、(b)はジョイスティック71による転舵方向であり、(c)は中立スイッチ71eのON/OFFであり、(d)は転舵輪W,Wの転舵角である。図20は、車両操舵装置S3による右→左→直進のスラローム走行した場合のタイムチャートであり、(a)は転舵操作量レバー71dによる転舵操作量であり、(b)はジョイスティック71による転舵方向であり、(c)は転舵輪W,Wの転舵角である。
【0156】
まず、図18に示すタイムチャートに沿って、交差点での右折時の車両操舵装置S3の動作について説明する。
【0157】
車両の交差点での右折転舵開始時には、運転者が、転舵輪W,Wを右方に転舵させるために、ジョイスティック71を右方に傾動し(T1)、その後直ぐに、転舵操作量レバー71dを後方に回動し始め(T2)、操作量を増加していく(R1の操作領域)。このとき、ジョイスティック71の右方への操作量は、転舵方向センサ72で検出できる程度の極少量である(図14参照)。転舵操作量レバー71dの後方への操作量は、転舵開始直後には運転者が転舵角W,Wを早く増加するために急速に増加し、その後、転舵角W,Wを微妙に調整するために低速で増加する。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がジョイスティック71での右方操作によって電気接点が閉じるのに応じてプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dの後方操作量に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0158】
制御装置74では、車速信号SS、転舵方向信号SSDおよび転舵操作量信号SSRに基づいて車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルクとラック軸31の移動方向が左方向からなる目標ラックトルク信号を設定し、さらにこの目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとに基づいて偏差信号(プラス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。このとき、転舵操作量が大きいほどまたは/および車速が低速なほど、目標ラックトルクは大きい値となり、転舵輪W,Wの転舵速度が速くなる。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じたラックトルクを発生し、左方に移動し始める。そして、転舵操作量レバー71dでの転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向に転舵し始める(T3)。このとき、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(路面摩擦力やセルフアライニングトルク等)により勝っているため、ラック軸31が左方に移動し、右転舵を始める。したがって、転舵の開始時には、転舵輪W,Wからの反力より大きなラック軸力を発生はさせるために、転舵角を減少する場合や転舵角を一定にする場合に比較して転舵操作量レバー71dに対して大きな操作量が必要となる。そして、時間経過とともに、ラック軸31の左方への移動量が増加し、転舵輪W,Wの転舵角が増大していく(T4)。
【0159】
また、制御装置74では、ヨーレート信号SY、転舵操作量信号SSRおよび偏差信号(プラス値)に基づいてヨーレートと転舵操作量に応じた目標転舵操作反力と転舵操作反力方向が転舵操作量レバー71dの後方操作に対する反力からなる目標転舵操作反力信号を設定し、さらに目標転舵操作反力信号に基づいて転舵操作反力制御信号を設定する。続いて、制御装置74では、転舵操作反力制御信号に基づいて転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを発生させ、この転舵操作反力モータ駆動電圧RSRを転舵操作反力モータ75に印加する。すると、転舵操作反力モータ75が駆動され、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられる。
【0160】
車両の転舵中、運転者が、転舵輪W,Wの転舵角を一定にさせるために、転舵操作量レバー71dを後方から定常状態側に少し戻し(T5)、転舵開始時よりも転舵操作量レバー71dに対する操作量を少なくし一定量に保持する(R2の操作領域)。ちなみに、運転者は、ジョイスティック71の右方への操作は維持している。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(転舵開始時よりも少ない操作量)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0161】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号(転舵開始時よりも小さい目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(ゼロまたはマイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた転舵開始時よりも小さいラックトルクを発生する。このとき、ラックトルク(ラック軸力)と転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)とが釣り合い、ラック軸31の左方への移動位置が固定され、転舵輪W,Wの右回転方向の転舵角が一定となる(T6)。
【0162】
また、制御装置74では、目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとの偏差信号がゼロまたはマイナス値となるので、目標転舵操作反力信号にゼロを設定する。したがって、転舵操作反力モータ75には転舵操作反力モータ駆動電圧RSRが印加されないので、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0163】
車両の転舵終了時には、運転者が、転舵輪W,Wを直進に戻すために、転舵操作量レバー71dを定常状態側に戻し始め(T7)、最終的に転舵操作量レバー71dを定常状態に戻す(R3の操作領域)。このとき、運転者は、ジョイスティック71の右方への操作を維持している。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(減少→ゼロ)に対応する転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0164】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号(徐々に小さくなり、やがてゼロになる目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(マイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた徐々に小さくラックトルクを発生し、やがてラックトルクがゼロとなる。そのため、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)より小さくなり、ラック軸31の左方への移動位置から中立位置に移動し始め、転舵輪W,Wが直進状態に戻り始める(T8)。やがて、ラック軸31が中立位置に戻り、転舵輪W,Wが直進状態に戻る(T9)。その後、運転者が、ジョイスティック71を右方から中立状態に戻す(T10)。
【0165】
また、前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとの偏差信号がマイナス値となるので、目標転舵操作反力信号にゼロを設定する。したがって、転舵操作反力モータ75には転舵操作反力モータ駆動電圧RSRが印加されないので、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0166】
次に、図19に示すタイムチャートに沿って、駐車中の右転舵時の車両操舵装置S3の動作について説明する。
【0167】
車両の駐車中の右転舵開始時には、運転者が、転舵輪W,Wを右方に転舵させるために、ジョイスティック71を右方に傾動し(T11)、その後直ぐに、転舵操作量レバー71dを後方に回動し始め(T12)、操作量を増加していく(R11の操作領域)。このとき、ジョイスティック71の右方への操作量は、転舵方向センサ72で検出できる程度の極少量である(図14参照)。転舵操作量レバー71dの後方への操作量は、運転者が素早い転舵を行いたいかつ車両が停止か極低速等で路面摩擦力が大きいので転舵輪W,Wからの反力に打ち勝つために多量である。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dの後方操作量に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0168】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号を設定し、さらに偏差信号(プラス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。このとき、転舵操作量が大きくかつ車速がゼロか極低速なので、目標ラックトルクは大きい値となり、転舵輪W,Wの転舵速度が速くなる(なお、路面摩擦力が大きいとあまり速くない)。そして、制御装置74では、ステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じたラックトルクを発生し、左方に移動し始める。そして、転舵操作量レバー71dでの転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向に転舵し始める(T13)。このとき、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(主に、路面摩擦力)により勝っているため、ラック軸31が左方に移動し、右転舵を始める。そして、時間経過とともに、ラック軸31の左方への移動量が増加し、転舵輪W,Wの転舵角が増大していく(T14)。
【0169】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられる。
【0170】
車両の転舵中、運転者が、転舵輪W,Wの転舵角を一定にさせるために、転舵操作量レバー71dを後方から定常状態側に少し戻し(T15)、転舵開始時よりも転舵操作量レバー71dに対する操作量を少なくし一定量に保持する(R12の操作領域)。ちなみに、運転者は、ジョイスティック71の右方への操作は維持している。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(転舵開始時よりも少ない操作量)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0171】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号(転舵開始時よりも小さい目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(ゼロまたはマイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた転舵開始時よりも小さいラックトルクを発生する。このとき、ラックトルク(ラック軸力)と転舵輪W,Wからラック軸31への反力(主に、路面摩擦力)とが釣り合い、ラック軸31の左方への移動位置が固定され、転舵輪W,Wの右回転方向の転舵角が一定となる(T16)。
【0172】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0173】
駐車時等の車両の停止や極低速時に転舵した場合には、車両にはセルフアライニングトルクが発生しないので、転舵操作量レバー71dを定常状態に戻す操作だけでは転舵輪W,Wが直進状態に戻らない。ちなみに、車両が高速になるほどセルフアライニングトルクが大きくなるため、転舵操作量レバー71dを定常状態に戻す操作を行うと、セルフアライニングトルクが転舵操作量に応じて減少していくラックトルクより大きくなり、転舵輪W,Wが直進状態に戻る。
【0174】
そこで、車両の転舵終了時には、運転者は、転舵輪W,Wを直進に戻すために、まず、ジョイスティック71を右方から中立状態に戻し(T17)、続いて、中立スイッチ71eを押すとともに(T18)、転舵操作量レバー71dを定常状態側に戻し始め(T19)、最終的に転舵操作量レバー71dを定常状態に戻す(R13の操作領域)。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がゼロ電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信し、続いて、中立スイッチセンサ15がプラスの一定電圧の中立スイッチ信号SNSを制御装置74に送信するとともに転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(減少→ゼロ)に対応する転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0175】
制御装置74では、車速信号SS、中立スイッチ信号SNS、転舵方向信号SSDおよび転舵操作量信号SSRに基づいて車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルク(徐々に小さくなり、やがてゼロになる目標ラックトルク)とラック軸31の移動方向が右方向からなる目標ラックトルク信号を設定し、さらにこの目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとに基づいて偏差信号(マイナス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。このとき、ラック軸31の移動方向が右方向は、中立位置より左方に位置しているラック軸31を強制的に中立位置に戻すための方向である。そして、制御装置74では、ラック中立位置信号SNがゼロ電圧の間はステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じたラックトルクを発生し、右方に移動し始める。そして、転舵操作量レバー71dでの転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向から直進状態に戻り始める(T20)。このとき、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(主に、路面摩擦力)により勝っているため、ラック軸31の左方への移動位置から中立位置に移動し始め、転舵輪W,Wが直進状態に戻り始める。やがて、ラック軸31が中立位置に戻り、転舵輪W,Wが直進状態に戻る(T21)。
【0176】
さらに、制御装置74では、ラック中立位置信号SNがプラスの一定電圧になったことを検出すると、全てオフ信号からなるステアリング制御信号を設定し、ステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加しない。そのため、ラック軸31は、ラックトルクを発生しないので、中立位置に保持される。そして、転舵輪W,Wも、直進状態が保持される。一方、運転者は、転舵輪W,Wが直進状態に戻ると、中立スイッチ71eを再度押してオフする(T22)。
【0177】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0178】
次に、図20に示すタイムチャートに沿って、右→左→直進のスラローム走行時の車両操舵装置S3の動作について説明する。
【0179】
まず、車両の右転舵開始時には、運転者が、転舵輪W,Wを右方に転舵させるために、ジョイスティック71を右方に傾動し(T31)、その後直ぐに、転舵操作量レバー71dを後方に回動し始め(T32)、操作量を増加していく(R31の操作領域)。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dの後方操作量に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0180】
制御装置74では、車速信号SS、転舵方向信号SSDおよび転舵操作量信号SSRに基づいて車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルクとラック軸31の移動方向が左方向からなる目標ラックトルク信号を設定し、さらにこの目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとに基づいて偏差信号(プラス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じたラックトルクを発生し、左方に移動し始める。そして、転舵操作量レバー71dでの転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向に転舵し始める(T33)。さらに、時間経過とともに、ラック軸31の左方への移動量が増加し、転舵輪W,Wの転舵角が増大していく(T34)。
【0181】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられる。
【0182】
車両の右転舵中、運転者が、転舵輪W,Wの転舵角を一定にさせるために、転舵操作量レバー71dを後方から定常状態側に少し戻し(T35)、転舵開始時よりも転舵操作量レバー71dに対する操作量を少なくし一定量に保持する(R32の操作領域)。ちなみに、運転者は、ジョイスティック71の右方への操作は維持している。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がプラスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(転舵開始時よりも少ない操作量)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0183】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号(転舵開始時よりも小さい一定の目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(ゼロまたはマイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた転舵開始時よりも小さい一定のラックトルクを発生し、ラック軸31の左方への移動位置が固定され、転舵輪W,Wの右回転方向の転舵角が一定となる(T36)。
【0184】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0185】
次に、車両の右転舵に連続して左転舵開始時には、運転者が、転舵輪W,Wを右方から急速に左方に転舵させるために、ジョイスティック71を左方に傾動するとともに(T37)、転舵操作量レバー71dを後方への操作量を急激に増加し始め(T38)、一時的に最大操作量まで増加し、その後に急激に減少する(R33の操作領域)。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がマイナスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dの後方操作量に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0186】
制御装置74では、車速信号SS、転舵方向信号SSDおよび転舵操作量信号SSRに基づいて車速と転舵操作量に応じた目標ラックトルク(急激に増減)とラック軸31の移動方向が右方向からなる目標ラックトルク信号を設定し、さらにこの目標ラックトルク信号とラックトルク信号SRとに基づいて偏差信号(プラス値またはマイナス値)を演算し、この偏差信号に基づいてステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、最大操作量まで増加する過程では、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じた急激に大きくなるラックトルクを発生し、中立位置の左方の位置から右方に急速に移動し始め、中立位置を通過する。続いて、最大操作量から減少する過程では、ラック軸31が目標ラックトルク信号に応じた急激に小さくなるラックトルクを発生し、中立位置から右方に移動を続ける。このとき、転舵操作量レバー71dでの転舵操作量と車速に応じた転舵速度で転舵輪W,Wが右回転方向の転舵角から直進状態を経て左回転方向に急速に転舵する(T40)。
【0187】
また、前記と同様の制御により、車両操舵装置S3では、最大操作量まで増加する過程では転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられ、最大操作量から減少する過程では転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0188】
車両の左転舵中、運転者が、転舵輪W,Wの転舵角を一定にさせるために、転舵操作量レバー71dを後方から定常状態側に戻し(T41)、転舵操作量レバー71dに対する操作量を少なくし一定量に保持する(R34の操作領域)。ちなみに、運転者は、ジョイスティック71の左方への操作は維持している。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がマイナスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(転舵開始時よりも少ない一定の操作量)に応じた転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0189】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号(転舵開始時よりも小さい一定の目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(ゼロまたはマイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた一定のラックトルクを発生し、ラック軸31の右方への移動位置が固定され、転舵輪W,Wの左回転方向の転舵角が一定となる(T42)。
【0190】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0191】
車両の左転舵から直進に戻す時には、運転者が、転舵輪W,Wを直進に戻すために、転舵操作量レバー71dを定常状態側に戻し始め(T43)、最終的に転舵操作量レバー71dを定常状態に戻す(R35の操作領域)。このとき、運転者は、ジョイスティック71の左方への操作を維持している。すると、車両操舵装置S3では、転舵方向センサ72がマイナスの一定電圧の転舵方向信号SSDを制御装置74に送信するとともに、転舵操作量センサ73が転舵操作量レバー71dでの転舵操作量(減少→ゼロ)に対応する転舵操作量信号SSRを制御装置74に送信する。
【0192】
前記した同様の制御により、制御装置74では、目標ラックトルク信号(徐々に小さくなり、やがてゼロになる目標ラックトルク)を設定し、さらに偏差信号(マイナス値)を演算し、ステアリング制御信号を設定する。そして、制御装置74では、ステアリング制御信号に基づいてステアリングモータ駆動電圧DSMを発生させ、このステアリングモータ駆動電圧DSMをステアリングモータ5に印加する。すると、ラック軸31では、目標ラックトルク信号に応じた徐々に小さくラックトルクを発生し、やがてラックトルクがゼロとなる。そのため、ラックトルク(ラック軸力)が転舵輪W,Wからラック軸31への反力(セルフアライニングトルク等)より小さくなり、ラック軸31の右方への移動位置から中立位置に移動し始め、転舵輪W,Wが直進状態に戻り始める(T44)。やがて、ラック軸31が中立位置に戻り、転舵輪W,Wが直進状態に戻る(T45)。その後、運転者が、ジョイスティック71を左方から中立状態に戻す(T46)。
【0193】
また、前記した同様の制御により、車両操舵装置S3では、転舵操作量レバー71dの後方への操作に対して転舵操作反力が与えられない。
【0194】
この車両操舵装置S3によれば、転舵操作量レバー71dの後方向への操作量に応じてステアリングモータ5の出力(ひいては、ラックトルク)を制御しているので、少ない操作量によって転舵輪W,Wを転舵することができる。また、車両操舵装置S3によれば、ジョイスティック71の左右方向の操作を転舵方向のみの操作としたので、左右方向の最大操作量を非常に少なくできる。そのため、フロントドアのアームレスト等の左右方向の操作スペースが限られた場所でも、ジョイスティック71を設置することができる。さらに、この車両操舵装置S3によれば、ゲイン(ステアリングモータ5の出力/転舵操作量レバー71dの後方の操作量)を小さくしても、操作時間を長くすることにより大きな転舵角を得ることができるので、操舵フィーリングが良好である。
【0195】
また、この車両操舵装置S3によれば、転舵操作量レバー71dの後方への操作量に応じてステアリングモータ5の出力を直接制御しているので、転舵操作量レバー71dの操作量により転舵輪W,Wの転舵速度を変えることができ、様々な運転状況に応じて転舵速度をコントロールすることができる。さらに、この車両操舵装置S3によれば、従来のように正確な位置制御に必要であった高価なラック位置センサ等を必要としないので、従来よりコストダウンできる。また、この車両操舵装置S3によれば、転舵角を一定に保持するような転舵操作が行われている時には、転舵操作量レバーの後方への操作に対して転舵操作反力を与えないので、運転者が定常円旋回等を楽に行うことができる。
【0196】
さらに、この車両操舵装置S3によれば、中立スイッチ71eを設けたので、駐車時等の停止時や極低速時の転舵においてセルフアライニングトルクが発生しない場合でも、転舵輪W,Wを確実に直進状態に戻すことができる。
【0197】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前記の実施の形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では操作装置として傾動(回動)可能なジョイスティックとしたが、スライド量や自転量を操作量とする操作装置等の他の操作装置でもよい。
また、本実施の形態ではラック軸のラックトルクを検出し、このラックトルクによりフィードバッグ制御を行う構成としたが、ステアリングモータに流れる電流を検出し、このモータ電流によりフィードバック制御を行うように構成してもよいし、また、フィードフォワード制御を行うように構成してもよい。
また、本実施の形態では第3の実施の形態に係るジョイスティックにのみ中立スイッチを設ける構成としたが、第1乃至第2の実施の形態に係るジョイスティックにも中立スイッチを設ける構成としてもよい。
また、本実施の形態では車速に応じて転舵マップを設定し、ヨーレートに応じて転舵操作反力マップを設定したが、転舵マップをヨーレート等の他の車両挙動情報に応じて設定してもよいし、転舵操作反力マップを車速等の他の車両挙動情報に応じて設定してもよい。また、転舵マップ(または転舵操作反力マップ)を車速(またはヨーレート)に応じて3つ設定したが、さらに詳細に、車速(またはヨーレート)に応じて4つ以上転舵マップ(または転舵操作反力マップ)を設定してもよいし、1つまたは2つの転舵マップ(または転舵操作反力マップ)でもよい。
また、本実施の形態では右フロントドアのアームレストにジョイスティックを設ける構成としたが、センタコンソール等の他の場所に設けてもよい。
【0199】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る車両操舵装置は、ジョイスティックの左右方向の操作量としては、転舵輪の転舵方向のみ判別可能な操作量だけ確保すればよいので、左右方向の操作スペースが非常に狭い場所でも操作装置を設置できる。
【0200】
本発明の請求項2に係る車両操舵装置は、ジョイスティックの左右方向の操作量としては、転舵輪の転舵方向のみ判別可能な操作量だけ確保すればよいので、左右方向の操作スペースが非常に狭い場所でも操作装置を設置できる。
【0201】
本発明の請求項3に係る車両操舵装置は、戻し操作手段が操作された時には転舵輪を直進状態に戻すので、車庫入れ時等の車両が極低速や停止状態でも転舵輪を確実に直進状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態(参考例)に係る車両操舵装置が組み込まれている運転操作装置の全体構成図である。
【図2】図1のジョイスティックの傾動支持機構の一部破断側面図である。
【図3】図1のジョイスティックの傾動支持機構の一部破断平面図である。
【図4】図1のジョイスティックの復帰機構の一部破断正面図である。
【図5】図1の制御装置のブレーキ制御部、ブレーキ操作反力制御部、スロットル制御部およびスロットル操作反力制御部の構成図である。
【図6】図1の制御装置の転舵制御部および転舵操作反力制御部の構成図である。
【図7】図1のジョイスティックの操作量と各操作量センサの出力との関係図であり、(a)はジョイスティックの前後方向の位置(前後方向操作量)と加減速操作量センサの出力との関係図であり、(b)はジョイスティックの左右方向の位置(左右方向操作量)と転舵操作量センサの出力との関係図である。
【図8】図1の加減速操作量センサの出力と各目標制御量との関係図であり、(a)は加減速操作量センサの出力と目標ブレーキ液圧との関係図であり、(b)は加減速操作量センサの出力と目標スロットル開度との関係図である。
【図9】本実施の形態に係る転舵操作量センサの出力と目標ラックトルクとの関係図である。
【図10】本実施の形態に係る転舵操作量センサの出力と目標転舵操作反力との関係図である。
【図11】第2の実施の形態に係る車両操舵装置の全体構成図である。
【図12】図11の制御装置の転舵制御部および転舵操作反力制御部の構成図である。
【図13】図11のジョイスティックの前方向の位置(前方向操作量)と転舵操作量センサの出力との関係図である。
【図14】図11のジョイスティックの左右方向の位置(左右方向操作量)と転舵方向センサの出力との関係図である。
【図15】第3の実施の形態に係る車両操舵装置の全体構成図である。
【図16】図15の制御装置の転舵制御部および転舵操作反力制御部の構成図である。
【図17】図15のジョイスティックに備えられる転舵操作量レバーの後方向の位置(後方向操作量)と転舵操作量センサの出力との関係図である。
【図18】図15の車両操舵装置による交差点で右折した場合のタイムチャートであり、(a)は転舵操作量レバーによる転舵操作量であり、(b)はジョイスティックによる転舵方向であり、(c)は転舵輪の転舵角である。
【図19】図15の車両操舵装置による駐車中に右転舵した場合のタイムチャートであり、(a)は転舵操作量レバーによる転舵操作量であり、(b)はジョイスティックによる転舵方向であり、(c)は中立スイッチのON/OFFであり、(d)は転舵輪の転舵角である。
【図20】図15の車両操舵装置による右→左→直進のスラローム走行した場合のタイムチャートであり、(a)は転舵操作量レバーによる転舵操作量であり、(b)はジョイスティックによる転舵方向であり、(c)は転舵輪の転舵角である。
【符号の説明】
1,61,71・・・ジョイスティック(操作装置)
4,64,74・・・制御装置(制御手段)
4E,64A,74A・・・転舵制御部
4F,64B,74B・・・転舵操作反力制御部
5・・・ステアリングモータ(アクチュエータ)
71d・・・転舵操作量レバー(レバー)
71e・・・中立スイッチ(戻し操作手段)
S1,S2,S3・・・車両操舵装置
W・・・転舵輪[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle steering apparatus that separates an operation mechanism and a steering mechanism and steers a steered wheel by electrically interlocking the operation mechanism and the steering mechanism.
[0002]
[Prior art]
Developed a vehicle steering system that separates the operating mechanism for the driver to operate and the steering mechanism for turning the steered wheels, and electrically connects these two mechanisms by SBW [Steer By Wire] control. Has been. This vehicle steering device includes an operation device such as a joystick as an operation mechanism, sets a target turning angle based on the operation amount of the operation device, and turns the steered wheels by the turning mechanism according to the target turning angle. It is rudder. In the steering control of the vehicle steering apparatus, the steering angle of the steered wheels is proportionally controlled according to the operation amount, and the proportionality coefficient is changed according to the behavior of the vehicle such as the vehicle speed as necessary. In addition, the vehicle steering device includes a reaction force motor in the operation mechanism, and applies a reaction force to the driver via the operation device by the reaction force motor during the operation of the operation device by the driver. The state is reflected on the operation device.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the operation amount and the turning angle are proportionally controlled in an operation device such as a joystick that cannot sufficiently secure the operation amount, a large gain (steering angle / operation amount) must be set. Feeling uncomfortable. Therefore, when the gain is changed according to the behavior of the vehicle in order to improve the steering feeling, the steering angle becomes insufficient due to the small gain, or the gain suddenly becomes large near the maximum operation amount. I had to change. That is, in the conventional vehicle steering apparatus, since the position control is to control the turning angle of the steered wheels in accordance with the operation position of the operation apparatus, the gain has to be increased.
[0004]
Therefore, in order to make the gain as small as possible in such position control, it is necessary to secure a sufficient amount of operation with the operating device. However, when the driver operates an operating device such as a joystick, the operability is degraded unless the operating device is arranged in a place where the driver's upper arm such as a door armrest can be naturally placed. When the operating device is arranged in such a place, a sufficient amount of operation in the left-right direction of the operating device cannot be ensured due to the layout of the passenger compartment.
[0005]
Further, when the vehicle turns in a steady circle, the driver must keep operating the operation device so as to maintain the same operation amount. However, in the vehicle steering apparatus as described above, a reaction force acts on the driver from the operation device, so that a physical burden is generated on the driver.
[0006]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a vehicle steering apparatus capable of turning desired by a driver with a small operation amount and a small gain.
[0008]
Claim 1The vehicle steering apparatus according toA vehicle steering device that separates the operation mechanism and the steering mechanism, and steers the steered wheels by electrically interlocking the operation mechanism and the steering mechanism, the operation device provided in the vicinity of the driver seat; An actuator that steers a steered wheel of a vehicle, and a control unit that controls the actuator so that an output of the actuator corresponds to an operation amount of the operation device.The operating device is a joystick that can be rotated in the front-rear and left-right directions of the vehicle, and the control means controls the turning direction of the steered wheels by operating the joystick in the left-right direction, and the front-rear direction of the joystick. The output of the actuator is controlled by an operation amount.
According to this vehicle steering apparatus, as the operation amount in the left-right direction of the joystick, it is sufficient to ensure only an operation amount that can discriminate only the turning direction of the steered wheels. Therefore, the operation device can be installed even in a place where the operation space in the left-right direction is very narrow.
[0009]
Also,Claim 2The vehicle steering apparatus according toA vehicle steering device that separates the operation mechanism and the steering mechanism, and steers the steered wheels by electrically interlocking the operation mechanism and the steering mechanism, the operation device provided in the vicinity of the driver seat; An actuator that steers a steered wheel of a vehicle, and a control unit that controls the actuator so that an output of the actuator corresponds to an operation amount of the operation device.The operation device includes a joystick that can be rotated in the left-right direction of the vehicle, and a lever that is provided on the joystick and can be rotated in the front-rear direction of the vehicle, and the control means can be operated in the left-right direction of the joystick. To control the turning direction of the steered wheels and to control the output of the actuator by the operation amount of the lever in the front-rear direction.
According to this vehicle steering apparatus, as the operation amount in the left-right direction of the joystick, it is sufficient to ensure only an operation amount that can discriminate only the turning direction of the steered wheels. Therefore, the operation device can be installed even in a place where the operation space in the left-right direction is very narrow.
[0010]
further,Claim 3The vehicle steering apparatus according toClaim 1 or claim 2The vehicle steering apparatus includes a return operation unit for returning the steered wheel to a straight traveling state, and the control unit returns the steered wheel to a straight traveling state when the return operation unit is operated. It is characterized by.
According to this vehicle steering device, when the return operation means is operated, the rack shaft is forcibly returned to the neutral position regardless of the steering direction by the operation device and the steered wheels are returned to the straight traveling state. Even when the vehicle is extremely low speed or stopped (when the self-aligning torque acting on the rack shaft from the steered wheels is small or absent), the steered wheels can be reliably returned to the straight traveling state.
[0011]
In the present invention, the front is the traveling direction of the vehicle, the rear is the backward direction of the vehicle, the left is the left in the traveling direction, and the right is the right in the traveling direction. In the present invention, an operating device or lever that can only rotate forward or backward from an unoperated position (steady position) is also included in the operating device or lever that can rotate in the front-rear direction.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a vehicle steering apparatus according to the present invention will be described with reference to the drawings.
[0013]
The vehicle steering device according to the present invention steers the steered wheels according to the operation amount of the operation device in order to achieve both a small operation amount (can be installed in a narrow space) and a small gain (good steering feeling). The actuator output is controlled. In particular, the vehicle steering apparatus is configured to control the turning direction of the steered wheels by operating the joystick in the left-right direction and to control the output of the actuator by the operation amount in the front-rear direction in order to reduce the operation amount in the left-right direction. Alternatively, the steering direction of the steered wheels is controlled by operation of the joystick in the left-right direction, and the output of the actuator is controlled by the amount of operation in the front-rear direction of the lever provided on the joystick. Further, the vehicle steering apparatus is configured to control the steered wheels to return to the straight travel state when the return operation means is operated in order to reliably return the steered wheels to the straight travel state.
[0014]
The vehicle steering device according to the present embodiment includes three embodiments having different configurations of a joystick (operation device). First embodiment(Reference example)The vehicle steering device is incorporated in the driving operation device that can perform throttle operation, brake operation and steering operation by operating the joystick, and the forward operation amount of the joystick is the throttle operation amount, and the backward operation amount Is the brake operation amount, the operation amount in the left-right direction is the steering operation amount, and the operation in the left-right direction is the steering direction. The second embodiment is a vehicle steering apparatus that can be steered by operating a joystick. The forward operation amount on the joystick is the steering operation amount, and the left-right operation is the steering direction. . In the third embodiment, a joystick and a joystickIThe steering operation amount is a vehicle steering device that can be steered by the operation of a lever provided in the rack. The rearward operation amount of the lever is a steering operation amount, and the left-right operation of the joystick is the steering direction.
[0015]
A first embodiment will be described. In the first embodiment, since the vehicle steering device S1 is incorporated in the driving operation device A, the overall configuration and operation of the driving operation device A will be described. First, the overall configuration of the driving operation device A will be described with reference to FIG. FIG. 1 is an overall configuration diagram of a driving operation device A in which the vehicle steering device S1 according to the first embodiment is incorporated.
[0016]
The driving operation device A includes a joystick 1, a steering operation amount sensor 2, an acceleration / deceleration operation amount sensor 3, a control device 4, a steering motor 5, a throttle actuator 6, a brake actuator 7, a steering operation reaction force motor 8, and an acceleration / deceleration operation. A reaction force motor 9, a rack torque sensor 10, a throttle opening sensor 11, a brake fluid pressure sensor 12, a yaw rate sensor 13, a vehicle speed sensor 14, a ball screw mechanism 30, a rack shaft 31, tie rods 32, 32, and the like are included. Incidentally, the vehicle steering device S1 includes a joystick 1, a steering operation amount sensor 2, a control device 4, a steering motor 5, a steering operation reaction force motor 8, a rack torque sensor 10, a yaw rate sensor 13, a vehicle speed sensor 14, and a ball screw mechanism. 30, rack shaft 31, tie rods 32, 32, etc.The
[0017]
The configuration of the joystick 1 (operation mechanism) will be described.
The driving operation device A includes a joystick 1 for performing acceleration / deceleration operation and steering operation of the vehicle. For this purpose, the joystick 1 is supported by the tilt support mechanism 20 so that it can be tilted by rotating in the front-rear direction with respect to the traveling direction of the vehicle and can be tilted by rotating in the left-right direction. (See FIGS. 2 and 3). Therefore, the joystick 1 can be operated to draw an elliptical motion. Further, the tilting support mechanism 20 is a spring that generates a greater force for passively returning the joystick 1 to the neutral state as the operation amount increases with respect to the operation of tilting the joystick 1 in the front-rear and left-right directions. It has return mechanisms 21 and 22 using (elastic body) (see FIGS. 2 to 4).
[0018]
The operation of tilting the joystick 1 in the front-rear direction is detected (output) by the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 including a potentiometer or the like provided on the rotary shaft that enables the operation of the joystick 1 in the front-rear direction. It has come to be. The operation amount is a brake operation amount when tilting backward with reference to the neutral state of the joystick 1 and a throttle operation amount when tilting forward. The acceleration / deceleration operation amount sensor 3 transmits the detected voltage to the control device 4 as an acceleration / deceleration operation amount signal STB. Incidentally, the operation of tilting the joystick 1 in the front-rear direction is an acceleration / deceleration operation for the vehicle.
[0019]
The setting of the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 with respect to the operation amount in the front-rear direction of the joystick 1 will be described with reference to FIG. FIG. 7A is a relationship diagram between the position of the joystick 1 in the front-rear direction and the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3. As can be seen from this figure, the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 is set to increase the output when performing an operation of tilting the joystick 1 forward and to decrease the output when performing an operation of tilting backward. In the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3, a portion exceeding the reference value is a throttle operation amount, and a portion below the reference value is a brake operation amount. Therefore, both the acceleration operation and the deceleration operation (braking operation), the greater the degree of operation for tilting the joystick 1, the greater the throttle operation amount and the brake operation amount detected (output) by the acceleration / deceleration operation amount sensor 3. . Whether the throttle operation amount or the brake operation amount is determined is determined by a target brake hydraulic pressure setting unit 40 and a target throttle opening setting unit 47 of the control device 4 described later (see FIG. 5).
[0020]
Further, the operation of tilting the joystick 1 in the left-right direction is also detected as a voltage by the steering operation amount sensor 2 including a potentiometer or the like provided on the rotating shaft that enables the left-right operation of the joystick 1 ( Output). The operation amount in this case is also a right steering operation amount when tilting to the right with respect to the neutral state of the joystick 1, and a left steering operation amount when tilting to the left. Then, the turning operation amount sensor 2 transmits the detected voltage to the control device 4 as a turning operation amount signal SSR. Incidentally, the operation of tilting the joystick 1 in the left-right direction is a steering operation to the vehicle, and serves both as a steering direction operation and a steering operation amount operation.
[0021]
With reference to FIG. 7B, setting of the output of the steering operation amount sensor 2 with respect to the operation amount of the joystick 1 in the left-right direction will be described. FIG. 7B is a relationship diagram between the position of the joystick 1 in the left-right direction and the output of the steering operation amount sensor 2. As can be seen from this figure, the steering operation amount sensor 2 is set to increase the output when the joystick 1 is tilted to the right and to decrease the output when the tilt is moved to the left. Yes. And as for the output of the steering operation amount sensor 2, the part exceeding the reference value is the rightward steering operation amount, and the part below the reference value is the leftward steering operation amount. Therefore, in the right turning operation and the left turning operation, as the degree of the operation of tilting the joystick 1 increases, the right turning operation amount and the left detected by the turning operation amount sensor 2 are increased. The amount of steering operation is also increased. Incidentally, the rightward steering operation amount and the leftward steering operation amount are operation amounts for setting the target rack torque of the rack shaft 31 (that is, the target current supplied to the steering motor 5), and delicate position control is performed. This is not the amount of operation for setting the required turning angle. Accordingly, the maximum operation amount of the right turning operation amount and the left turning operation amount may be an operation amount that is small enough to set the magnitude of the target rack torque (output of the steering motor 5) of the rack shaft 31 in several steps. . Incidentally, the turning angle of the steered wheels W and W is determined by the turning operation and the operation time. Further, determination of whether the steering operation amount is rightward or leftward (that is, determination of the steering direction) is determined by a target rack torque setting unit 52 of the control device 4 to be described later based on a reference value. (See FIG. 6).
[0022]
With reference to FIG. 2 thru | or FIG. 4, the structure of the joystick 1, the tilting support mechanism 20, and the return mechanisms 21 and 22 is demonstrated in detail. FIG. 2 is a partially broken side view of the tilting support mechanism 20 of the joystick 1. FIG. 3 is a partially broken plan view of the tilt support mechanism 20 of the joystick 1. FIG. 4 is a partially broken front view of the return mechanisms 21 and 22 of the joystick 1.
[0023]
The joystick 1 is disposed on the armrest of the right front door so that the driver of the vehicle can operate with one hand. The joystick 1 has a structure in which an operation grip 1b is fixed to the upper end of a pipe-shaped stick main body 1a, and the lower end of the stick main body 1a is supported via a tilt support mechanism 20 so as to be tiltable in the left-right direction and the front-rear direction. ing. The tilt support mechanism 20 is covered with a boot 1c that is externally mounted on the stick body 1a (see FIG. 1).
[0024]
The tilt support mechanism 20 is a mechanism that supports the joystick 1 so as to be tiltable in the left and right steering directions, and penetrates the lower end portion of the stick main body 1a in the front-rear direction and is fixed to the left-right tilt support shaft 20a. There is provided a tilt support base 20b that rotatably supports both front and rear ends of the left / right tilt support shaft 20a via bearings 20e and 20e. The tilting support base 20b is formed in a substantially rectangular frame shape that is long in the left-right direction with the top opened in plan view. Further, as a mechanism for supporting the joystick 1 together with the tilt support base 20b so as to be tiltable in the front-rear acceleration / deceleration direction, a pair of front and rear tilt support pins 20c projecting coaxially at the left and right ends of the tilt support base 20b. And a fixed support base 20d that rotatably supports the pair of front and rear tilt support pins 20c via bearings 20e and 20e. The fixed support base 20d is formed in a U-shape with an upper opening having side walls at both left and right ends.
[0025]
Further, a return mechanism 21 is provided between the stick body 1a of the joystick 1 and the tilt support base 20d of the tilt support mechanism 20 to return the joystick 1 to the neutral state in the left and right steering operation direction. Also, a return mechanism 22 is provided between the tilt support base 20b and the fixed support base 20d of the tilt support mechanism 20 to return the joystick 1 to the neutral state in the front / rear acceleration / deceleration operation direction together with the tilt support base 20b. .
[0026]
Since the return mechanism 21 and the return mechanism 22 are configured in substantially the same manner, one of the return mechanisms 21 will be described, and the description of the other return mechanism 22 will be omitted. The return mechanism 21 includes a fixed pin 21a protruding in parallel with the left / right tilt support shaft 20a from the tilt support base 20b toward the stick body 1a, and a left / right tilt support from the stick body 1a toward the tilt support base 20b. The rotating pin 21b is provided so as to project parallel to the shaft 20a, and a winding spring 21c wound around the left / right tilting support shaft 20a. The fixing pin 21a is disposed on a vertical line passing through the axis of the left / right tilt support shaft 20a and is disposed above the left / right tilt support shaft 20a. Further, the winding spring 21c has a locking portion 21d that is bent at both ends in the radial direction and locked to the fixing pin 21a in an intersecting state. On the other hand, the rotation pin 21b is interposed between the pair of locking portions 21d in the crossing state so as to push one of the pair of locking portions 21d of the winding spring 21c according to the tilting operation of the stick body 1a. Has been inserted. When the pivot pin 21b is pushed by the pair of locking portions 21d and is positioned below the fixed pin 21a, the joystick 1 stands up substantially vertically and stops in the neutral state in the left and right steering operation direction. It is configured.
[0027]
Further, the tilt support mechanism 20 has a reaction force generating means for applying a reaction force to the movement of the joystick 1 in response to the operation of the joystick 1 by the driver (the direction and magnitude of the reaction force will be described later). The reaction force generation means includes an acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 that applies a reaction force to the movement of the joystick 1 in the front-rear direction and a steering operation reaction that applies a reaction force to the movement of the joystick 1 in the left-right direction. It has a force motor 8 (see FIG. 1). The acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 is driven based on the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive voltage RSB generated by the control device 4. The steering operation reaction force motor 8 is driven based on the steering operation reaction force motor drive voltage RSR generated by the control device 4. In addition, although the magnitude | size and application direction of acceleration / deceleration operation reaction force motor drive voltage RSB and steering operation reaction force motor drive voltage RSR are set by the control apparatus 4, this point is mentioned later.
[0028]
Returning to FIG. 1, the configuration of the brake system in the driving operation device A will be described.
Unlike a normal vehicle, the brake system of this vehicle does not have a brake pedal. Instead, the joystick 1 functions as a brake pedal, and as described above, the brake is effective when an operation of tilting the neutral joystick 1 backward is performed.
[0029]
Further, the brake system of this vehicle does not have a brake booster that uses the negative pressure of the engine, a master cylinder, or the like. Instead, it has a pump for generating brake fluid pressure and a proportional solenoid valve for controlling brake fluid pressure, such as a traction control system (TCS) and an anti-brake lock system (ABS). Is applied to the wheel cylinder via a proportional solenoid valve. The brake actuator 7 corresponds to the proportional solenoid valve described above, and is driven based on the brake actuator drive voltage DBA generated by the control device 4.
[0030]
The configuration of the throttle system in the driving operation device A will be described.
Unlike a normal vehicle, the throttle system of this vehicle does not have a throttle pedal (accelerator pedal). Instead, the joystick 1 has the role of a throttle pedal, and as described above, the throttle valve is opened when the neutral joystick 1 is tilted forward.
[0031]
The throttle valve of this vehicle is driven by a valve drive motor. The throttle actuator 6 corresponds to the valve drive motor described above, and is driven based on the throttle actuator drive voltage DSA generated by the control device 4.
[0032]
The structure of the steering system (steering mechanism) in the driving operation device A will be described.
The steering system of this vehicle does not have a steering wheel unlike a normal vehicle. Instead, the joystick 1 has the role of a steering wheel, and as described above, when the neutral joystick 1 is tilted to the left, the steered wheels W and W are steered to the left. It has become. On the other hand, when an operation of tilting the neutral joystick 1 to the right is performed, the steered wheels W and W are steered to the right. In the operation of the joystick 1 in the left-right direction, the steered wheels W, W are steered faster (the rack torque is larger) as the operation amount is larger, and the steered angles of the steered wheels W, W are larger as the operation time is longer. growing.
[0033]
Further, this vehicle does not have a steering shaft or a rack and pinion mechanism that transmits the steering force of the driver to the rack shaft 31. Instead, a steering motor (steering actuator) 5 that moves the rack shaft 31 in the axial direction and a ball screw mechanism 30 are provided. The steering motor 5 is fixed to the vehicle body frame, and the rotational motion of the steering motor 5 is converted into the linear motion of the rack shaft 31 via the ball screw mechanism 30. Thereby, the rotational torque generated by the steering motor 5 is converted into the rack torque (rack axial force) of the rack shaft 31, and the rack torque generated in the rack shaft 31 is transmitted through the tie rods 32 and 32 at the end of the rack shaft 31. Thus, it is converted into the turning torque of the steered wheels W, W. The steering motor 5 is driven based on a steering motor drive voltage DSM generated by the control device 4.
[0034]
With reference to FIG. 1, another sensor 10, 11, 12, 13, 14 for taking various information of the vehicle into the control device 4 in order to control the driving operation device A with the control device 4 will be described. Incidentally, the various sensors 10, 11, 12, 13, and 14 provided in the driving operation device A may be dedicated sensors for the driving operation device A, or may be sensors that are shared with other systems.
[0035]
The rack torque sensor 10 measures the strain in the axial direction of the rack shaft 31 and detects the magnitude and direction of the rack torque from the strain. The rack torque sensor 10 transmits a rack torque signal SR including the magnitude and direction of the rack torque to the control device 4.
[0036]
The throttle opening sensor 11 detects the opening of the throttle valve and transmits a throttle opening signal ST including the opening of the throttle valve to the control device 4.
[0037]
The brake fluid pressure sensor 12 detects the brake fluid pressure of the wheel cylinder and transmits a brake fluid pressure signal SB composed of this brake fluid pressure to the control device 4.
[0038]
The yaw rate sensor 13 detects the yaw rate as the lateral movement state of the vehicle, and transmits a yaw rate signal SY composed of this yaw rate to the control device 4.
[0039]
The vehicle speed sensor 14 detects the vehicle speed as the number of pulses per unit time, and transmits a vehicle speed signal SS including the detected number of pulses to the control device 4.
[0040]
The configuration of the control device 4 will be described with reference to FIGS. 5 and 6. FIG. 5 is a configuration diagram of the brake control unit 4A, the brake operation reaction force control unit 4B, the throttle control unit 4C, and the throttle operation reaction force control unit 4D of the control device 4. FIG. 6 is a configuration diagram of the steering control unit 4E and the steering operation reaction force control unit 4F of the control device 4.
[0041]
The control device 4 controls the steering motor 5, the throttle actuator 6, and the brake actuator 7 based on the operation of the joystick 1, and turns the steering operation reaction force motor 8 and the acceleration / deceleration operation reaction to apply an operation reaction force to the joystick 1. The force motor 9 is controlled. For this purpose, the control device 4 drives a microcomputer (not shown) and various motors including a RAM [Random Access Memory], a ROM [Read Only Memory], a CPU [Central Processing Unit] and an I / O interface (not shown). And a brake control unit 4A, a brake operation reaction force control unit 4B, a throttle control unit 4C, a throttle operation reaction force control unit 4D, a steering control unit 4E, and a steering operation reaction force control unit 4F. is doing. The control device 4 converts the acquired sensor signal into a digital signal, and handles the sensor signal as a digital signal.The
[0042]
The brake control unit 4A will be described with reference to FIG.
The brake control unit 4A performs control to cause the brake fluid pressure corresponding to the brake operation amount of the acceleration / deceleration operation of the joystick 1 by the driver to act on the wheel cylinder. Therefore, the brake control unit 4A includes a target brake hydraulic pressure setting unit 40, a deviation calculation unit 41, a brake actuator control signal output unit 42, and a brake actuator drive circuit 43. Note that a portion of the brake control unit 4 </ b> A excluding the brake actuator drive circuit 43 is configured by software in a microcomputer configuring the control device 4.
[0043]
The target brake hydraulic pressure setting unit 40 receives the acceleration / deceleration operation amount signal STB from the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 and outputs the target brake hydraulic pressure signal to the deviation calculating unit 41. The target brake fluid pressure setting unit 40 searches the brake map based on the acceleration / deceleration operation amount signal STB corresponding to the brake operation amount, and sets a target brake fluid pressure signal to be applied to the wheel cylinder ((a) of FIG. 8). (See figure). The brake map is set so that the target brake fluid pressure increases as the brake operation amount increases. However, the relationship between the acceleration / deceleration operation amount signal STB and the brake operation amount is such that the smaller the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 is, the larger the brake operation amount is (see FIG. 7A). Therefore, the brake map is set so that the target brake fluid pressure decreases as the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 increases from 0 to the reference value (see FIG. 8A). FIG. 8A is a relationship diagram between the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 and the target brake fluid pressure.
[0044]
The deviation calculation unit 41 receives the brake hydraulic pressure signal SB from the brake hydraulic pressure sensor 12 and the target brake hydraulic pressure signal from the target brake hydraulic pressure setting unit 40, and outputs the deviation signal to the brake actuator control signal output unit 42 and the target brake. Output to the operation reaction force setting unit 44. The deviation calculator 41 subtracts the brake fluid pressure signal SB from the target brake fluid pressure signal, and uses the subtracted value as a deviation signal.
[0045]
The brake actuator control signal output unit 42 receives the deviation signal from the deviation calculation unit 41 and outputs the brake control signal to the brake actuator drive circuit 43. The brake actuator control signal output unit 42 includes a PID [Proportional Integral Differential] controller, a PWM [Pulse Width Modulation] signal generator, and the like. First, the brake actuator control signal output unit 42 performs P (proportional), I (integral) and D (differential) control on the deviation signal, and indicates a current value supplied to the brake actuator 7 in order to bring the deviation close to zero. Generate a control signal. Subsequently, the brake actuator control signal output unit 42 generates a PWM signal corresponding to the current value supplied to the brake actuator 7 based on the PID control signal, and sets it as a brake control signal.
[0046]
The brake actuator drive circuit 43 receives the brake control signal from the brake actuator control signal output unit 42 and outputs the brake actuator drive voltage DBA to the brake actuator 7. The brake actuator drive circuit 43 applies the brake actuator drive voltage DBA to the brake actuator 7 based on the brake control signal, and drives the brake actuator 7. For this purpose, the brake actuator drive circuit 43 is composed of four FETs (Field Effect Transistors) provided to correspond to the proportional solenoid valves provided for each wheel, a power supply voltage (12 V), and the like. (Not shown). When a brake control signal is input to each gate of the four FETs, the brake actuator drive circuit 43 turns on / off the four FETs based on the brake control signal, and the brake actuator 7 receives the brake actuator drive voltage DBA. Apply. Then, a current flows through the brake actuator 7 to drive the brake actuator 7 (that is, the proportional solenoid valve is driven to open and close), and the brake fluid pressure of the wheel cylinder is controlled in accordance with the brake operation amount of the joystick 1.
[0047]
The brake operation reaction force control unit 4B will be described with reference to FIG.
The brake operation reaction force control unit 4B actively drives the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 when the driver performs an operation of tilting the joystick 1 backward (that is, when performing an operation of applying a brake). Control is performed to apply a brake operation reaction force to the joystick 1. Therefore, the brake operation reaction force control unit 4B includes a target brake operation reaction force setting unit 44, an acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45, and an acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46. In the brake operation reaction force control unit 4 </ b> B, the portion excluding the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 is configured by software in a microcomputer constituting the control device 4.
[0048]
The target brake operation reaction force setting unit 44 receives the deviation signal from the deviation calculation unit 41 and outputs the target brake operation reaction force signal to the acceleration / deceleration operation reaction motor control signal output unit 45. The target brake operation reaction force setting unit 44 sets a target brake operation reaction force signal by multiplying the deviation signal by a predetermined gain. The target brake operation reaction force setting unit 44 sets a target brake operation reaction force signal corresponding to the deviation signal when the deviation signal is “positive value”, and the deviation signal is “zero and negative values”. If it is, the target brake operation reaction force signal is set to zero. The target brake operation reaction force signal is set in this manner because the brake operation reaction force is generated only when the brake force is increased (when the brake pedal is increased in a normal vehicle). For this reason, when the operation of the joystick 1 that reduces the braking force is performed (when the operation of returning the joystick 1 to the neutral state) is performed, the brake operation reaction force (force that opposes the direction of movement of the joystick 1) does not occur. . Incidentally, when the deviation signal is a negative value, the target brake operation reaction force signal may be set so that the target brake operation reaction force setting unit 44 assists the return of the joystick 1.
[0049]
The acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45 receives the target brake operation reaction force signal from the target brake operation reaction force setting unit 44 and sends the brake operation reaction force control signal to the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46. Output. The acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45 includes a PWM signal generation unit and the like. The acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45 generates a PWM signal, an ON signal, and an OFF signal corresponding to the direction and current value of the current supplied to the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 based on the target brake operation reaction force signal. Is generated as a brake operation reaction force control signal.
[0050]
The acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 receives the brake operation reaction force control signal from the acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45, and generates the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive voltage RSB. Output to 9. The acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 applies the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive voltage RSB to the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 based on the brake operation reaction force control signal, and drives the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9. To do. For this purpose, the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 includes a bridge circuit including four FETs (switching elements), a power supply voltage (12 V), and the like (not shown). When a brake operation reaction force control signal is input to each gate of the four FETs, the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 turns on / off the four FETs based on the brake operation reaction force control signal. An acceleration / deceleration reaction reaction motor drive voltage RSB is applied to the operation reaction force motor 9. Then, an electric current flows through the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 so that the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 is driven forward or reversely, and the brake operation reaction force of the joystick 1 is controlled.
[0051]
Therefore, when the driver performs an operation to increase the brake fluid pressure in the wheel cylinder by using the joystick 1, a brake operation reaction force is applied to the joystick 1. The magnitude of this brake operation reaction force is such that the greater the joystick 1 is tilted backwards, the larger the joystick 1 is, the larger the brake operation reaction is. Power is generated.
[0052]
The throttle control unit 4C will be described with reference to FIG.
The throttle control unit 4C controls the throttle valve so that the opening degree is in accordance with the throttle operation amount of the acceleration / deceleration operation of the joystick 1 by the driver. For this purpose, the throttle control unit 4C includes a target throttle opening setting unit 47, a deviation calculation unit 48, a throttle actuator control signal output unit 49, and a throttle actuator drive circuit 50. The portion of the throttle control unit 4C excluding the throttle actuator drive circuit 50 is configured by software in a microcomputer that constitutes the control device 4.
[0053]
The target throttle opening setting unit 47 receives the acceleration / deceleration operation amount signal STB from the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 and outputs the target throttle opening signal to the deviation calculation unit 48. The target throttle opening setting unit 47 searches the throttle map based on the acceleration / deceleration operation amount signal STB corresponding to the throttle operation amount, and sets the target throttle opening signal (see FIG. 8B). The throttle map is set so that the target throttle opening increases as the throttle operation amount increases. Therefore, the throttle map is set so that the target throttle opening increases as the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 increases from the reference value (see FIG. 8B). FIG. 8B is a relationship diagram between the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor 3 and the target throttle opening.
[0054]
The deviation calculation unit 48 receives the throttle opening signal ST from the throttle opening sensor 11 and the target throttle opening signal from the target throttle opening setting unit 47, and uses the deviation signal as a throttle actuator control signal output unit 49 and a target throttle. Output to the operation reaction force setting unit 51. The deviation calculator 48 subtracts the throttle opening signal ST from the target throttle opening signal, and uses the subtracted value as a deviation signal.
[0055]
The throttle actuator control signal output unit 49 receives the deviation signal from the deviation calculation unit 48 and outputs the throttle control signal to the throttle actuator drive circuit 50. The throttle actuator control signal output unit 49 includes a PID controller, a PWM signal generation unit, and the like. First, the throttle actuator control signal output unit 49 performs P (proportional), I (integral) and D (differential) control on the deviation signal, and the direction and current of the current supplied to the throttle actuator 6 in order to bring the deviation close to zero. A PID control signal indicating the value is generated. Subsequently, the throttle actuator control signal output unit 49 generates a PWM signal, an ON signal, and an OFF signal corresponding to the direction and current value of the current supplied to the throttle actuator 6 based on the PID control signal, and the throttle control signal And
[0056]
The throttle actuator drive circuit 50 receives the throttle control signal from the throttle actuator control signal output unit 49 and outputs the throttle actuator drive voltage DSA to the throttle actuator 6. The throttle actuator drive circuit 50 applies the throttle actuator drive voltage DSA to the throttle actuator 6 based on the throttle control signal to drive the throttle actuator 6. For this purpose, the throttle actuator drive circuit 50 includes a bridge circuit including four FETs (switching elements), a power supply voltage (12 V), and the like (not shown). When a throttle control signal is input to each gate of the four FETs, the four FETs are turned on / off based on the throttle control signal, and the throttle actuator driving voltage DSA is applied to the throttle actuator 6. Then, a current flows through the throttle actuator 6 so that the throttle actuator 6 is driven forward or reverse (that is, the valve drive motor is driven), and the opening degree of the throttle valve is controlled according to the throttle operation amount of the joystick 1. .
[0057]
The throttle operation reaction force control unit 4D will be described with reference to FIG.
The throttle operation reaction force control unit 4D is activated by driving the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 when the driver performs an operation of tilting the joystick 1 forward (that is, when performing an operation of increasing the output of the engine). In effect, control is performed so that the throttle operation reaction force acts on the joystick 1. Therefore, the throttle operation reaction force control unit 4D includes a target throttle operation reaction force setting unit 51, an acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45, and an acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46. In the throttle operation reaction force control unit 4D, the part excluding the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 is configured by software in a microcomputer constituting the control device 4. The throttle operation reaction force control unit 4D is configured to share the acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45 and the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 with the brake operation reaction force control unit 4B.
[0058]
The target throttle operation reaction force setting unit 51 receives the deviation signal from the deviation calculation unit 48 and outputs the target throttle operation reaction force signal to the acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45. The target throttle operation reaction force setting unit 51 sets a target throttle operation reaction force signal by multiplying the deviation signal by a predetermined gain. The target throttle operation reaction force setting unit 51 sets a target throttle operation reaction force signal corresponding to the deviation signal when the deviation signal is “positive value”, and the deviation signal is “zero and negative values”. ”, The target throttle operation reaction force signal is set to zero. The target throttle operation reaction force signal is set in this way because the throttle operation reaction force is generated only when the throttle is increased (when the accelerator pedal is increased in a normal vehicle). Therefore, when the joystick 1 is operated to reduce the throttle (when the joystick 1 is returned to the neutral state), the throttle operation reaction force does not occur. Incidentally, when the deviation signal is a negative value, the target throttle operation reaction force signal may be set so that the target throttle operation reaction force setting unit 51 assists the return of the joystick 1.
[0059]
The acceleration / deceleration reaction reaction motor control signal output unit 45 receives the target throttle operation reaction force signal from the target throttle operation reaction force setting unit 51, and sends the throttle operation reaction force control signal to the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46. Output. Based on the target throttle operation reaction force signal, the acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45 outputs a PWM signal, an ON signal, and an OFF signal corresponding to the direction and current value of the current supplied to the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9. Is generated as a throttle operation reaction force control signal.
[0060]
The acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 receives the throttle operation reaction force control signal from the acceleration / deceleration operation reaction force motor control signal output unit 45, and generates the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive voltage RSB. Output to 9. The acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 applies the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive voltage RSB to the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 based on the throttle operation reaction force control signal, and drives the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9. To do. When the throttle operation reaction force control signal is input to the gates of the four FETs, the acceleration / deceleration operation reaction force motor drive circuit 46 turns on / off the four FETs based on the throttle operation reaction force control signals. An acceleration / deceleration reaction reaction motor drive voltage RSB is applied to the operation reaction force motor 9. Then, an electric current flows through the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9, and the acceleration / deceleration operation reaction force motor 9 is driven to rotate forward or backward, and the throttle operation reaction force of the joystick 1 is controlled.
[0061]
Therefore, when the driver performs an operation of increasing the throttle opening with the joystick 1, a throttle operation reaction force is applied to the joystick 1. The magnitude of the throttle operation reaction force is such that the greater the joystick 1 is tilted forward, the larger the joystick 1 is, the larger the throttle operation reaction is. Power is generated.
[0062]
The steering control unit 4E will be described with reference to FIG.
The steering control unit 4E controls the output of the steering motor 5 according to the amount of steering operation to the joystick 1 by the driver, and determines the steering direction according to the steering operation to the joystick 1 to determine the steering motor 5 The rotation direction is controlled, and the steered wheels W and W are steered. For this purpose, the turning control unit 4E includes a target rack torque setting unit 52, a deviation calculation unit 53, a steering motor control signal output unit 54, and a steering motor drive circuit 55. In addition, the part except steering motor drive circuit 55 among steering control part 4E is comprised by the microcomputer which comprises the control apparatus 4 by software.
[0063]
The target rack torque setting unit 52 receives the steering operation amount signal SSR from the steering operation amount sensor 2 and the vehicle speed signal SS from the vehicle speed sensor 14, and outputs the target rack torque signal to the deviation calculation unit 53. The target rack torque setting unit 52 determines the turning direction (the movement direction of the rack shaft 31 and the rotation direction of the steering motor 5) based on the turning operation amount signal SSR and uses the turning operation amount signal SSR and the vehicle speed signal SS. Based on this, the target rack torque is searched from the steering map, and a target rack torque signal composed of the moving direction of the rack shaft 31 and the target rack torque is set. In the target rack torque signal, the movement direction of the rack shaft 31 is expressed by plus and minus with respect to the target rack torque. For example, the movement direction is positive when the left direction (the steered direction is steered to the right) and right (the steered direction). Left steering) is negative. In the target rack torque setting unit 52, when the turning operation amount signal SSR exceeds the reference value (that is, in the case of the right turning operation amount), the turning direction is determined to be right turning, and the rack shaft 31 is moved. When the direction is the left direction and the steering operation amount signal SSR is below the reference value (that is, in the case of the left steering operation amount), the steering direction is determined to be left steering, and the rack shaft 31 is moved. The direction is the right direction (see FIG. 7B).
[0064]
A plurality of steering maps are set according to the vehicle speed, and any of the steering maps has a large steering operation amount (right steering operation amount or left steering operation amount in the first embodiment). The target rack torque is set to increase according to the steering operation amount. The steering map is set according to the vehicle speed. When the road reaction force is low, the steering map is associated with a large value (absolute value) as the target rack torque, and high speed is required to ensure stability during driving. In this case, the target rack torque is associated with a small value (absolute value). If the steering operation amount increases, the target rack torque is increased if the driver steers the steered wheels W, W quickly according to the driver's intention. It is for speeding up. The target rack torque setting unit 52 searches for the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the steering operation amount from such a steering map.
[0065]
In the present embodiment, as shown in FIG. 9, three steering maps M1, M2, and M3 are set according to the vehicle speed. FIG. 9 is a relationship diagram between the output of the steering operation amount sensor and the target rack torque. The steered map M1 is a map at a low speed, the steered operation amount is zero until the first predetermined amount (dead zone), and when the steered operation amount becomes larger than the first predetermined amount, the steered operation amount is a large proportional constant. Accordingly, the target rack torque is associated. The steered map M2 is a map at a medium speed, and when the steered operation amount is a second predetermined amount (> first predetermined amount) and the target rack torque is 0 (dead zone) and becomes larger than the second predetermined amount, The target rack torque is associated with the steering operation amount with a proportional constant smaller than that of the steering map M1. Further, the steering map M2 associates the target rack torque with a very large proportional constant when the steering map M2 becomes larger than the predetermined steering operation amount in order to cope with the driver's emergency steering operation. The steered map M3 is a map at a high speed. When the target rack torque is 0 (dead zone) until the steered operation amount reaches the third predetermined amount (> the second predetermined amount), The target rack torque is associated with the steering operation amount with a proportional constant smaller than that of the rudder map M2. In any of the steering maps M1, M2, and M3, when the steering operation amount is maximum, a target rack torque that is larger than the maximum reaction force from the steered wheels W and W to the rack shaft 31 is supported. Attached. The reaction force from the steered wheels W, W is a self-aligning torque that causes the steered wheels W, W to return straight as the speed increases, or a reaction force due to road friction when the vehicle is stopped (at a very low speed). . Further, the steering maps at vehicle speeds other than the three steering maps M1, M2, and M3 are complementarily calculated from the three steering maps M1, M2, and M3. However, in the first embodiment, the relationship between the turning operation amount signal SSR and the left turning operation amount is such that the left turning operation amount increases as the output of the turning operation amount sensor 2 is smaller than the reference value. (See FIG. 7B). Therefore, in the first embodiment, in the steering maps M1, M2, and M3, the target rack torque increases as the output of the steering operation amount sensor 2 decreases from the reference value, and the output of the steering operation amount sensor 2 increases. The target rack torque is set to increase as the value increases from the reference value.
[0066]
Incidentally, the target rack torque setting unit 52 only sets the target rack torque (target rack axial force) based on the steering operation amount to the joystick 1, and the position of the rack shaft 31 (that is, the turning angles W, W). Do not set the steering angle. The position of the rack shaft 31 is determined by the product of the rack torque and the time during which the rack torque is generated (that is, the time for turning the joystick 1) and the reaction force from the steered wheels W, W to the rack shaft 31. . Incidentally, the turning speed of the steered wheels W and W changes according to the rack torque, but the magnitude of the steered speed changes under the action of the reaction force from the steered wheels W and W to the rack shaft 31.
[0067]
The deviation calculation unit 53 receives the rack torque signal SR from the rack torque sensor 10 and the target rack torque signal from the target rack torque setting unit 52, and uses the deviation signal as the steering motor control signal output unit 54 and the target turning operation reaction force. Output to the setting unit 56. Deviation calculation unit 53 subtracts rack torque signal SR from the target rack torque signal, and uses the subtracted value as a deviation signal.
[0068]
The steering motor control signal output unit 54 receives the deviation signal from the deviation calculation unit 53 and outputs the steering control signal to the steering motor drive circuit 55. The steering motor control signal output unit 54 includes a PID controller, a PWM signal generation unit, and the like. First, the steering motor control signal output unit 54 performs P (proportional), I (integral) and D (differential) control on the deviation signal, and the direction and current of the current supplied to the steering motor 5 to bring the deviation close to zero. A PID control signal indicating the value is generated. Subsequently, the steering motor control signal output unit 54 generates a PWM signal, an ON signal, and an OFF signal corresponding to the direction and current value of the current supplied to the steering motor 5 based on the PID control signal, and generates a steering control signal. And
[0069]
The steering motor drive circuit 55 receives the steering control signal from the steering motor control signal output unit 54 and outputs a steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. The steering motor drive circuit 55 applies the steering motor drive voltage DSM to the steering motor 5 based on the steering control signal, and drives the steering motor 5. For this purpose, the steering motor drive circuit 55 includes a bridge circuit including four FETs (switching elements), a power supply voltage (12 V), and the like (not shown). When the steering control signal is input to each gate of the four FETs, the steering motor driving circuit 55 turns on / off the four FETs based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Apply. Then, a current flows through the steering motor 5 so that the steering motor 5 is driven to rotate forward or backward, and the torque (axial force) of the rack shaft 31 is controlled in accordance with the steering operation amount of the joystick 1.
[0070]
The steering operation reaction force control unit 4F will be described with reference to FIG.
The steering operation reaction force control unit 4F actively drives the steering operation reaction force motor 8 when the driver performs an operation of tilting the joystick 1 in the left-right direction (that is, when performing a steering operation). Control to apply the steering operation reaction force to the joystick 1 is performed. For this purpose, the turning operation reaction force control unit 4F includes a target turning operation reaction force setting unit 56, a turning operation reaction force motor control signal output unit 57, and a turning speed operation reaction force motor drive circuit 58. In addition, the part except the steering operation reaction force motor drive circuit 58 among the steering operation reaction force control part 4F is comprised by the microcomputer which comprises the control apparatus 4 by software.
[0071]
The target turning operation reaction force setting unit 56 includes a turning operation amount signal SSR (right turning operation amount or left turning operation amount) from the turning operation amount sensor 2, a yaw rate signal SY from the yaw rate sensor 13, and The deviation signal from the deviation calculator 53 is input, and the target turning operation reaction force signal is output to the turning operation reaction force motor control signal output unit 57. The target turning operation reaction force setting unit 56 determines the direction of the turning operation reaction force based on the turning operation amount signal SSR, and at the same time, determines the direction of the turning operation reaction force SSR and the yaw rate signal SY. The target steering operation reaction force is searched from the above, and a target steering operation reaction force signal composed of the direction of the steering operation reaction force and the target steering operation reaction force is set. At this time, the target steering operation reaction force setting unit 56 determines whether or not to apply the steering operation reaction force to the joystick 1 based on the deviation signal. First, in the target turning operation reaction force setting unit 56, when the turning operation amount signal SSR exceeds the reference value (that is, in the case of the right turning operation amount), the turning operation reaction force direction is set to the right operation. When the turning operation amount signal SSR is lower than the reference value (that is, in the case of the left turning operation amount), the turning operation reaction force direction is determined as the reaction force with respect to the left operation. (See FIG. 7B).
[0072]
A plurality of steering operation reaction force maps are set in accordance with the yaw rate, and any of the steering operation reaction force maps has a steering operation amount (in the first embodiment, a right steering operation amount or a left steering operation). The amount is set so that the target turning operation reaction force is increased in accordance with the turning operation amount. The reason why the steering operation reaction force map is set according to the yaw rate is to increase the steering operation reaction force as the unstable yaw rate as the vehicle state increases and to encourage the driver to suppress the steering. The reason for increasing the steering operation reaction force when the steering operation amount increases is to encourage the driver to suppress the steering as the steering operation amount that increases the steering speed of the steered wheels W and W increases. is there.
[0073]
In the present embodiment, as shown in FIG. 10, three steering operation reaction force maps M4, M5, and M6 are set according to the yaw rate. FIG. 10 is a relationship diagram between the output of the steering operation amount sensor and the target steering operation reaction force. The steered steering reaction force map M4 is a map when the yaw rate is large, and the target steered operation reaction force is associated with the steered operation amount with a large proportional constant. The steered steering reaction force map M5 is a map when the yaw rate is medium, and the target steered operation reaction force is associated with the steered operation amount with a smaller proportional constant than the steered operation reaction force map M4. . The steered steering reaction force map M6 is a map when the yaw rate is small, and the target steered operation reaction force is associated with the steered operation amount with a smaller proportional constant than the steered operation reaction force map M5. Furthermore, the steering operation reaction force maps M4, M5, and M6 are designed so that the target steering operation is performed with a very large proportional constant with respect to the steering operation amount of a predetermined amount or more in order to suppress a sudden steering operation by the driver. The reaction force is associated. Further, the steering operation reaction force maps at yaw rates other than the three steering operation reaction force maps M4, M5, and M6 are complementarily calculated from the three steering maps M4, M5, and M6.
[0074]
The reason why the target steering reaction force is set according to the steering operation amount is to cause a steering operation reaction force when an operation that increases the steering operation amount is performed. Therefore, when the steering operation amount is 0 (when the left and right positions of the joystick 1 are in a neutral state), when the steering operation amount is kept constant, or when the steering operation amount is reduced, the steering operation reaction force is Does not occur.
[0075]
Then, the target steering operation reaction force setting unit 56, when “right operation” and the deviation signal is “positive value”, the target steering operation reaction force searched by the steering operation reaction force map is used. The turning operation reaction force signal is set, and when the “right operation” and the deviation signal are “zero and negative values”, the target turning operation reaction force signal is set to zero. The reason why the target turning operation reaction force signal is set in this manner is to cause a turning operation reaction force when the rack torque is increased. Therefore, when a constant rack torque is maintained or when the joystick 1 is operated so as to reduce the rack torque (when the joystick 1 is returned to the neutral side), no steering operation reaction force is generated. Incidentally, when the deviation signal is a negative value, the target turning operation reaction force setting unit 56 may set the target turning operation reaction force signal so as to assist the return of the joystick 1. On the other hand, the target steering operation reaction force setting unit 56, when “left operation” and the deviation signal is “negative value”, the target steering operation reaction force retrieved from the steering operation reaction force map is set. A steering operation reaction force signal is set, and when the "left operation" and the deviation signal are "zero and positive values", the target steering operation reaction force signal is set to zero. Incidentally, when the deviation signal is a positive value, the target turning operation reaction force setting unit 56 may set the target turning operation reaction force signal so as to assist the return of the joystick 1.
[0076]
The steering operation reaction force motor control signal output unit 57 receives the target steering operation reaction force signal from the target steering operation reaction force setting unit 56 and drives the steering operation reaction force control signal to drive the steering operation reaction force motor. Output to the circuit 58. The steering operation reaction force motor control signal output unit 57 includes a PWM signal generation unit. The turning operation reaction force motor control signal output unit 57 is based on the target turning operation reaction force signal, the PWM signal corresponding to the direction and current value of the current supplied to the turning operation reaction force motor 8, the on signal, the off signal A signal is generated and used as a steering operation reaction force control signal.
[0077]
The turning operation reaction force motor drive circuit 58 receives the turning operation reaction force control signal from the turning operation reaction force motor control signal output unit 57 and converts the turning operation reaction force motor drive voltage RSR into the turning operation reaction force. Output to the motor 8. The turning operation reaction force motor drive circuit 58 applies the turning operation reaction force motor drive voltage RSR to the turning operation reaction force motor 8 based on the turning operation reaction force control signal. To drive. Therefore, the steering operation reaction force motor drive circuit 58 includes a bridge circuit including four FETs (switching elements), a power supply voltage (12 V), and the like (not shown). When the steering operation reaction force control signal is input to the gates of the four FETs, the turning operation reaction force motor drive circuit 58 turns on / off the four FETs based on the steering operation reaction force control signal, A steering operation reaction force motor drive voltage RSR is applied to the steering operation reaction force motor 8. Then, an electric current flows through the steering operation reaction force motor 8 so that the steering operation reaction force motor 8 is rotated forward or reversely, and the steering operation reaction force of the joystick 1 is controlled.
[0078]
Therefore, when the driver performs an operation to increase the rack torque with the joystick 1, a steering operation reaction force is applied to the joystick 1. The magnitude of this steering operation reaction force is such that, in the rightward steering state, the greater the operation to the right of the joystick 1 relative to the neutral position in the tilting support mechanism 20 of the joystick 1, or / and the yaw rate. A larger steering operation reaction force is generated in the joystick 1 as it is larger. On the other hand, in the case of the left-turning state, the greater the operation to the left of the joystick 1 and / or the greater the yaw rate with respect to the neutral position in the tilting support mechanism 20 of the joystick 1, the greater the joystick 1 will turn. Rudder operation reaction force is generated.
[0079]
With reference to FIG. 1 thru | or FIG. 10, the turning operation | movement used as the characteristic of this invention among the operation | movement of the driving operation apparatus A is demonstrated. Here, a description will be given of a right turn at an intersection.
[0080]
At the start of a right turn at the intersection of the vehicle, the driver tilts the joystick 1 to the right in order to steer the steered wheels W, W to the right. At this time, the amount of operation of the joystick 1 to the right is small when the driver wants to turn gently, and large when the driver wants to turn quickly. Then, in the driving operation device A, the turning operation amount sensor 2 transmits a turning operation amount signal SSR corresponding to the right turning operation amount (increase from the reference value) with the joystick 1 to the control device 4.
[0081]
The control device 4 sets a target rack torque signal corresponding to the vehicle speed and the rightward steering operation amount based on the vehicle speed signal SS and the steering operation amount signal SSR and a target rack torque signal in which the moving direction of the rack shaft 31 is leftward. Further, a deviation signal (plus value) is calculated based on the target rack torque signal and the rack torque signal SR, and a steering control signal is set based on the deviation signal. At this time, the larger the right steering operation amount and / or the lower the vehicle speed, the larger the target rack torque, and the faster the steered wheels W and W are steered. Then, the control device 4 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque corresponding to the target rack torque signal and starts to move to the left. Then, the steered wheels W and W start to steer in the right rotation direction at the steer speed corresponding to the right steer operation amount with the joystick 1 and the vehicle speed. At this time, since the rack torque (rack shaft force) is won by the reaction force (road friction force, self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, the rack shaft 31 moves to the left. Start turning right. Therefore, at the start of turning, in order to generate a rack axial force larger than the reaction force from the steered wheels W, W, the joystick 1 is compared with a case where the turning angle is reduced or the turning angle is made constant. However, a large operation amount is required. As the time elapses, the amount of leftward movement of the rack shaft 31 increases, and the steered angles of the steered wheels W and W increase.
[0082]
Further, in the control device 4, the target turning operation reaction force and the turning operation reaction force according to the yaw rate and the right turning operation amount based on the yaw rate signal SY, the turning operation amount signal SSR, and the deviation signal (plus value). A target steering operation reaction force signal whose direction is a reaction force with respect to the rightward operation is set, and a steering operation reaction force control signal is set based on the target steering operation reaction force signal. At this time, the larger the rightward steering operation amount and / or the higher the yaw rate, the larger the target steering operation reaction force, and the greater the reaction force to the right operation of the joystick 1. Subsequently, in the control device 4, a steering operation reaction force motor drive voltage RSR is generated based on the steering operation reaction force control signal, and this steering operation reaction force motor drive voltage RSR is supplied to the steering operation reaction force motor 8. Apply. Then, the steering operation reaction force motor 8 is driven, and a steering operation reaction force is given to the operation of the joystick 1 in the right direction.
[0083]
During the turning of the vehicle, the driver returns the joystick 1 slightly from the right to the neutral side in order to make the turning angle of the steered wheels W, W constant, and the amount of operation with respect to the joystick 1 is greater than at the start of turning. Reduce. Then, in the driving operation device A, the turning operation amount sensor 2 sends a turning operation amount signal SSR to the control device 4 according to the right turning operation amount with the joystick 1 (an operation amount smaller than that at the start of turning). Send.
[0084]
By the same control as described above, the control device 4 sets a target rack torque signal (a target rack torque smaller than that at the start of steering), calculates a deviation signal (zero or negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 4 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque smaller than that at the start of turning according to the target rack torque signal. At this time, the rack torque (rack shaft force) and the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31 are balanced, and the position of the rack shaft 31 to move to the left is fixed. The turning angle of the steering wheels W, W in the clockwise direction is constant.
[0085]
Further, in the control device 4, since the deviation signal between the target rack torque signal and the rack torque signal SR is zero or a negative value, the target turning operation reaction force signal is set to zero. Therefore, since the steering operation reaction force motor drive voltage RSR is not applied to the steering operation reaction force motor 8, no steering operation reaction force is applied to the rightward operation of the joystick 1.
[0086]
At the end of turning of the vehicle, the driver returns the joystick 1 from the right to the neutral state in order to return the steered wheels W, W to straight ahead. Then, in the driving operation device A, the turning operation amount sensor 2 transmits a turning operation amount signal SSR corresponding to the right turning operation amount (decrease → zero) with the joystick 1 to the control device 4.
[0087]
By the same control as described above, the control device 4 sets a target rack torque signal (a target rack torque that gradually decreases and eventually becomes zero), calculates a deviation signal (a negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 4 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a small rack torque according to the target rack torque signal, and the rack torque eventually becomes zero. Therefore, the rack torque (rack axial force) becomes smaller than the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, and the rack shaft 31 moves from the leftward movement position to the neutral position. At first, the steered wheels W and W begin to return straight. Eventually, the rack shaft 31 returns to the neutral position, and the steered wheels W, W return to the straight traveling state.
[0088]
Further, by the same control as described above, the control device 4 sets the target steering operation reaction force signal to zero because the deviation signal between the target rack torque signal and the rack torque signal SR becomes a negative value. Therefore, since the steering operation reaction force motor drive voltage RSR is not applied to the steering operation reaction force motor 8, no steering operation reaction force is applied to the rightward operation of the joystick 1.
[0089]
According to this driving operation device A (vehicle steering device S1), the output (and hence the rack torque) of the steering motor 5 is controlled in accordance with the operation amount of the joystick 1 in the left-right direction. The steered wheels W can be steered. Therefore, the joystick 1 can be installed even in a place where the left and right operation space such as the armrest of the front door is limited. According to this driving operation device A (vehicle steering device S1), even if the gain (the output of the steering motor 5 / the amount of operation of the joystick 1 in the left-right direction) is reduced, a large turning angle can be obtained by extending the operation time. Since it can be obtained, the steering feeling is good.
[0090]
Further, according to the driving operation device A (vehicle steering device S1), since the output of the steering motor 5 is directly controlled according to the operation amount of the joystick 1 in the left-right direction, the steered wheels are controlled by the operation amount of the joystick 1. The steering speed of W and W can be changed. Therefore, the steering speed should be controlled according to various driving situations, such as when a gentle steering such as an expressway or low-speed intersection is required, or when a quick steering such as garage entry or winding road is required. Can do. Further, according to the driving operation device A (vehicle steering device S1), since an expensive rack position sensor or the like necessary for accurate position control as in the prior art is not required, the cost can be reduced as compared with the prior art. Further, according to the driving operation device A (vehicle steering device S1), when a turning operation is performed so as to keep the turning angle constant, the turning operation reaction force is applied to the operation on the joystick 1. Therefore, the driver can easily perform steady circular turning and the like.
[0091]
A second embodiment will be described. In the second embodiment, components similar to those of the vehicle steering apparatus S1 according to the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted. First, the overall configuration of the vehicle steering device S2 will be described with reference to FIG. FIG. 11 is an overall configuration diagram of the vehicle steering apparatus S2 according to the second embodiment.
[0092]
The vehicle steering device S2 includes a joystick 61, a turning direction sensor 62, a turning operation amount sensor 63, a control device 64, a steering motor 5, a turning operation reaction force motor 65, a rack torque sensor 10, a yaw rate sensor 13, and a vehicle speed sensor 14. And a ball screw mechanism 30, a rack shaft 31, tie rods 32, 32, and the like.
In the second embodiment, the joystick 61 corresponds to the operating device described in the claims (in particular,Claim 1The control device 64 corresponds to the control means described in the claims, and the steering motor 5 corresponds to the actuator described in the claims.
[0093]
The configuration of the joystick 61 (operation mechanism) will be described.
The vehicle steering device S2 includes a joystick 61 for performing a steering operation of the vehicle. For this purpose, the joystick 61 can be operated to tilt by a forward rotation with respect to the traveling direction of the vehicle and at the same time a tilt support mechanism (not shown) so that it can be tilted by a left-right rotation. It is supported. Therefore, the joystick 61 can be operated to draw a semi-elliptical motion. Further, the tilt support mechanism is a spring (elasticity) that generates more force to passively return the joystick 61 to the neutral state as the operation amount increases with respect to the operation of tilting the joystick 61 forward. A return mechanism (not shown) using a body. The tilt support mechanism has the same configuration as the tilt support mechanism 20 according to the first embodiment, but does not have a mechanism for tilting backward. The return mechanism has the same configuration as the return mechanisms 21 and 22 according to the first embodiment, but does not have a mechanism for returning from the left-right direction to the neutral state and from the rear to the neutral state.
[0094]
The operation of tilting the joystick 61 in the forward direction is detected (output) as a voltage by the turning operation amount sensor 63 including a potentiometer or the like provided on the rotary shaft that enables the forward operation of the joystick 61. It has come to be. The operation amount in this case is the steering operation amount when tilting forward with reference to the neutral state of the joystick 61. Then, the turning operation amount sensor 63 transmits the detected voltage to the control device 64 as a turning operation amount signal SSR. Incidentally, the operation of tilting the joystick 61 forward is the operation amount operation of the steering operation to the vehicle.
[0095]
With reference to FIG. 13, setting of the output of the steering operation amount sensor 63 for the operation amount in the forward direction of the joystick 61 will be described. FIG. 13 is a relationship diagram between the forward position (forward operation amount) of the joystick 61 and the output of the steering operation amount sensor 63. As can be seen from this figure, the steering operation amount sensor 63 is set to increase the output when an operation of tilting the joystick 61 forward is performed. Therefore, in the forward operation amount operation, the steered operation amount detected (output) by the steered operation amount sensor 63 increases as the degree of the operation of tilting the joystick 61 increases. Since the steered operation amount is for setting the target rack torque of the rack shaft 31 (that is, the target current to be supplied to the steering motor 5) instead of setting the target steered angle of the steered wheels W, W, it is delicate. It is not the amount of operation that sets the turning angle that requires adjustment. Accordingly, the maximum operation amount of the steering operation amount may be an operation amount that can set the target rack torque (output of the steering motor 5) of the rack shaft 31 in several steps. Incidentally, the turning angle of the steered wheels W and W is determined by the steered operation amount operation, the steered direction operation, and the operation time thereof.
[0096]
The operation of tilting the joystick 61 in the left-right direction is detected as a predetermined voltage value according to the operation in the left-right direction by the steering direction sensor 62 including two electrical contacts provided in the tilt support mechanism of the joystick 61 ( Output). And the steering direction sensor 62 transmits zero voltage or a predetermined voltage value to the control apparatus 64 as a steering direction signal SSD. Incidentally, the operation of tilting the joystick 61 in the left-right direction is the steering direction operation of the steering operation to the vehicle.
[0097]
With reference to FIG. 14, the setting of the output of the steering direction sensor 62 with respect to the tilting operation of the joystick 61 in the left-right direction will be described. FIG. 14 is a relationship diagram between the position of the joystick 61 in the left-right direction (the amount of operation in the left-right direction) and the output of the steering direction sensor 62. As can be seen from this figure, when the steering direction sensor 62 is operated to tilt the joystick 61 to the right by a predetermined operation amount or more, the right electrical contact is closed and a positive constant voltage (for example, 5 V) is output. At the same time, when an operation that tilts to the left by a predetermined operation amount or more is performed, the left electrical contact is closed and a constant negative voltage (for example, −5 V) is output. Therefore, in the left / right turning direction operation, the turning direction sensor 62 detects the turning direction when the degree of the operation of tilting the joystick 61 becomes a predetermined operation amount or more. Further, the maximum operation amount of the steering direction operation may be an operation amount that can reliably close the electrical contact, and is therefore a very small operation amount.
[0098]
The joystick 61 is disposed on the armrest of the right front door so that the driver of the vehicle can operate with one hand. The joystick 61 has a structure in which an operation grip 61b is fixed to the upper end of a pipe-shaped stick main body 61a, and the lower end of the stick main body 61a tilts left and right and forward via a tilt support mechanism (not shown). It is supported freely. The tilt support mechanism is covered with a boot 61c that is externally mounted on the stick body 61a. Further, the tilting support mechanism has a reaction force generating means for applying a reaction force to the movement of the joystick 61 in response to the operation of the joystick 61 by the driver (the direction and magnitude of the reaction force will be described later). This reaction force generating means has a steering operation reaction force motor 65 that applies a reaction force to the movement of the rotary shaft in the forward direction of the joystick 61. The steering operation reaction force motor 65 is driven based on the steering operation reaction force motor drive voltage RSR generated by the control device 64. In addition, although the magnitude | size and application direction of steering operation reaction force motor drive voltage RSR are set by the control apparatus 64, this point is mentioned later.
[0099]
A configuration of a steering system (steering mechanism) in the vehicle steering device S2 will be described.
The steering system of this vehicle does not have a steering wheel unlike a normal vehicle. Instead, the joystick 61 serves as a steering wheel. As described above, when the neutral joystick 61 is tilted to the left and tilted forward, the steered wheels W and W are moved to the left. It comes to steer. On the other hand, when the neutral joystick 61 is tilted rightward and tilted forward, the steered wheels W and W are steered rightward. In the operation of the joystick 61, the steered speed of the steered wheels W, W increases as the amount of operation in the forward direction increases (the rack torque increases), and the steered angle of the steered wheels W, W increases as the operation time increases. Becomes larger.
[0100]
Further, this vehicle does not have a steering shaft or a rack and pinion mechanism that transmits the steering force of the driver to the rack shaft 31. Instead, a steering motor (steering actuator) 5 that moves the rack shaft 31 in the axial direction and a ball screw mechanism 30 are provided. The steering motor 5 is fixed to the vehicle body frame, and the rotational motion of the steering motor 5 is converted into the linear motion of the rack shaft 31 via the ball screw mechanism 30. Thereby, the rotational torque generated by the steering motor 5 is converted into the rack torque (rack axial force) of the rack shaft 31, and the rack torque generated in the rack shaft 31 is transmitted through the tie rods 32 and 32 at the end of the rack shaft 31. Thus, it is converted into the turning torque of the steered wheels W, W. The steering motor 5 is driven based on a steering motor drive voltage DSM generated by the control device 64.
[0101]
Incidentally, this vehicle has a brake pedal as in the case of a normal vehicle, and the brake is effective in response to depression of the brake pedal. In addition, this vehicle has a throttle pedal (accelerator pedal) as in a normal vehicle, and the throttle valve opens in response to depression of the throttle pedal.
[0102]
The vehicle steering device S2 includes a rack torque sensor 10, a yaw rate sensor 13, and a vehicle speed sensor 14 in addition to the sensors described above, in order to capture various types of vehicle information into the control device 64 for control by the control device 64. The various sensors 10, 13, and 14 provided in the vehicle steering device S2 may be dedicated sensors for the vehicle steering device S2, or may be sensors that are shared with other systems.
[0103]
With reference to FIG. 12, the structure of the control apparatus 64 is demonstrated. FIG. 12 is a configuration diagram of the steering control unit 64A and the steering operation reaction force control unit 64B of the control device 64.
[0104]
The control device 64 controls the steering motor 5 based on the operation of the joystick 61 and also controls the steering operation reaction force motor 65 in order to apply an operation reaction force to the joystick 61. For this purpose, the control device 64 includes a microcomputer (not shown) including a RAM, a ROM, a CPU, an I / O interface, and the like (not shown) and a drive circuit that drives various motors. A rudder operation reaction force control unit 64B is provided. The control device 64 converts the acquired sensor signal into a digital signal, and handles the sensor signal as a digital signal.
[0105]
The steering control unit 64A will be described with reference to FIG.
The steering control unit 64A controls the output of the steering motor 5 in accordance with the amount of steering operation to the joystick 61 by the driver and discriminates the steering direction in accordance with the steering direction operation to the joystick 61. 5 is controlled so that the steered wheels W and W are steered. For this purpose, the steering control unit 64A includes a target rack torque setting unit 66, a deviation calculation unit 53, a steering motor control signal output unit 54, and a steering motor drive circuit 55. Note that a portion of the steering control unit 64 </ b> A excluding the steering motor drive circuit 55 is configured by software in a microcomputer configuring the control device 64.
[0106]
The target rack torque setting unit 66 receives the steering direction signal SSD from the steering direction sensor 62, the steering operation amount signal SSR from the steering operation amount sensor 63, and the vehicle speed signal SS from the vehicle speed sensor 14, and receives the target rack. The torque signal is output to the deviation calculator 53. The target rack torque setting unit 66 determines the steering direction (the movement direction of the rack shaft 31 and the rotation direction of the steering motor 5) based on the steering direction signal SSD and based on the steering operation amount signal SSR and the vehicle speed signal SS. The target rack torque is retrieved from the steering map, and a target rack torque signal composed of the moving direction of the rack shaft 31 and the target rack torque is set. The movement direction of the rack shaft 31 is represented by plus and minus with respect to the target rack torque. For example, the movement direction is positive when the left direction is positive and negative when the right direction is negative. The target rack torque setting unit 66 determines that the turning direction is right turning when the turning direction signal SSD is a positive constant voltage, sets the moving direction of the rack shaft 31 to the left, and the amount of turning operation. When the signal SSR is a negative constant voltage, the turning direction is determined to be left turning, and the movement direction of the rack shaft 31 is set to the right direction (see FIG. 14). The steered map is a steered map similar to that of the first embodiment (see FIG. 9), and the target rack torque setting unit 66 searches the steered map for the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the steered operation amount. To do.
[0107]
Incidentally, the target rack torque setting unit 66 only sets the rack torque (axial force of the rack shaft 31) based on the steering operation amount to the joystick 61, and the position of the rack shaft 31 (that is, the turning angle W, It does not set the steering angle of W). The position of the rack shaft 31 is determined by the product of the rack torque and the time during which the rack torque is generated (that is, the time for turning operation to the joystick 61) and the reaction force from the steered wheels W, W to the rack shaft 31. . Incidentally, the turning speed of the steered wheels W and W changes according to the rack torque, but the magnitude of the steered speed changes under the action of the reaction force from the steered wheels W and W to the rack shaft 31.
[0108]
The steering operation reaction force control unit 64B will be described with reference to FIG.
The steering operation reaction force control unit 64B is activated by driving the steering operation reaction force motor 65 when the driver performs an operation of tilting the joystick 61 forward (that is, when performing a steering operation amount operation). Thus, control is performed to apply the steering operation reaction force to the joystick 61. For this purpose, the turning operation reaction force control unit 64B includes a target turning operation reaction force setting unit 67, a turning operation reaction force motor control signal output unit 68, and a turning speed operation reaction force motor drive circuit 69. In the steering operation reaction force control unit 64 </ b> B, a portion excluding the steering operation reaction force motor drive circuit 69 is configured by software in a microcomputer configuring the control device 64.
[0109]
The target turning operation reaction force setting unit 67 receives the turning operation amount signal SSR from the turning operation amount sensor 63, the yaw rate signal SY from the yaw rate sensor 13, and the deviation signal from the deviation calculation unit 53, and the target turning operation. The operation reaction force signal is output to the steering operation reaction force motor control signal output unit 68. The target turning operation reaction force setting unit 67 retrieves the target turning operation reaction force from the turning operation reaction force map on the basis of the turning operation amount signal SSR and the yaw rate signal SY, and a target consisting of the target turning operation reaction force. Set the steering operation reaction force signal. At this time, the target turning operation reaction force setting unit 67 determines whether or not to apply the turning operation reaction force to the joystick 61 based on the deviation signal. The steering operation reaction force map is the same map as that of the first embodiment (see FIG. 10), and the target steering operation reaction force setting unit 67 converts the yaw rate and the steering operation amount from the steering operation reaction force map. The target turning operation reaction force according to the search is searched. Incidentally, the steering operation reaction force direction is only the reaction force with respect to the forward operation.
[0110]
Then, when the deviation signal is “a positive value”, the target turning operation reaction force setting unit 67 sets a target turning operation reaction force signal including the target turning operation reaction force retrieved from the turning operation reaction force map. When the deviation signal is “zero and negative values”, the target turning operation reaction force signal is set to zero. The reason why the target turning operation reaction force signal is set in this manner is to cause a turning operation reaction force when the rack torque is increased. For this reason, when a certain rack torque is maintained or when the joystick 61 is operated so as to reduce the rack torque (when the joystick 61 is returned to the neutral side), no steering operation reaction force is generated. Incidentally, when the deviation signal is a negative value, the target turning operation reaction force setting unit 67 may set the target turning operation reaction force signal so as to assist the return of the joystick 61.
[0111]
The steering operation reaction force motor control signal output unit 68 receives the target steering operation reaction force signal from the target turning operation reaction force setting unit 67 and drives the steering operation reaction force control signal to drive the steering operation reaction force motor. Output to the circuit 69. The steering operation reaction force motor control signal output unit 68 includes a PWM signal generation unit. The steering operation reaction force motor control signal output unit 68 generates a PWM signal, an ON signal, and an OFF signal corresponding to the current value supplied to the steering operation reaction force motor 65 based on the target steering operation reaction force signal. The steering operation reaction force control signal is used. Incidentally, since the reaction force is applied to the joystick 61 only in one direction, the direction of the current applied to the turning operation reaction force motor 65 is one direction.
[0112]
The steered operation reaction force motor drive circuit 69 receives the steered operation reaction force control signal from the steered operation reaction force motor control signal output unit 68, and converts the steered operation reaction force motor drive voltage RSR into the steered operation reaction force motor force RSR. Output to the motor 65. The steered operation reaction force motor drive circuit 69 applies the steered operation reaction force motor drive voltage RSR to the steered operation reaction force motor 65 based on the steered operation reaction force control signal. To drive. Therefore, the steering operation reaction force motor drive circuit 69 is composed of two FETs (switching elements), a power supply voltage (12 V), and the like (not shown). When the steering operation reaction force control signal is input to the gates of the two FETs, the steering operation reaction force motor drive circuit 69 turns the two FETs on and off based on the steering operation reaction force control signal. A steering operation reaction force motor drive voltage RSR is applied to the steering operation reaction force motor 65. Then, an electric current flows through the steering operation reaction force motor 65 so that the steering operation reaction force motor 65 is driven forward, and the steering operation reaction force of the joystick 61 is controlled.
[0113]
Therefore, when the driver performs an operation to increase the rack torque with the joystick 61, a steering operation reaction force is applied to the joystick 61. The magnitude of this steering operation reaction force is such that the greater the forward operation of the joystick 61 and / or the greater the yaw rate, the greater the steered operation of the joystick 61 relative to the neutral position in the tilt support mechanism of the joystick 61. Reaction force will be generated.
[0114]
The operation of the vehicle steering device S2 will be described with reference to FIGS. Here, a description will be given of a right turn at an intersection.
[0115]
When starting to turn right at the intersection of the vehicle, the driver tilts the joystick 61 to the right and to the front to steer the steered wheels W and W to the right. At this time, the amount of operation of the joystick 61 to the right is an extremely small amount that can be detected by the steering direction sensor 62 (see FIG. 14). The amount of forward operation of the joystick 61 is small when the driver wants to turn gently, and large when the driver wants to turn quickly. Then, in the vehicle steering device S2, the steering direction sensor 62 transmits a steering direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 64 in accordance with the closing of the electrical contact by the right operation with the joystick 61, and at the same time, The steering operation amount sensor 63 transmits a steering operation amount signal SSR corresponding to the forward operation amount with the joystick 61 to the control device 64.
[0116]
In the control device 64, a target rack in which the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the steering operation amount based on the vehicle speed signal SS, the steering direction signal SSD, and the steering operation amount signal SSR and the moving direction of the rack shaft 31 are leftward. A torque signal is set, a deviation signal (plus value) is calculated based on the target rack torque signal and the rack torque signal SR, and a steering control signal is set based on the deviation signal. At this time, the larger the turning operation amount or / and the lower the vehicle speed, the larger the target rack torque and the faster the turning speed of the steered wheels W and W. Then, the control device 64 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque corresponding to the target rack torque signal and starts to move to the left. Then, the steered wheels W and W start to steer in the clockwise direction at the steered speed corresponding to the steered operation amount and the vehicle speed with the joystick 61. At this time, since the rack torque (rack shaft force) is won by the reaction force (road friction force, self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, the rack shaft 31 moves to the left. Start turning right. Therefore, at the start of turning, in order to generate a rack axial force larger than the reaction force from the steered wheels W, W, the joystick is compared with a case where the turning angle is decreased or the turning angle is made constant. A large operation amount is required for 61. As the time elapses, the amount of leftward movement of the rack shaft 31 increases, and the steered angles of the steered wheels W and W increase.
[0117]
Further, in the control device 64, the target turning operation reaction force and the turning operation reaction force direction corresponding to the yaw rate and the turning operation amount are determined based on the yaw rate signal SY, the turning operation amount signal SSR, and the deviation signal (plus value). A target turning operation reaction force signal composed of a reaction force with respect to the forward operation is set, and a turning operation reaction force control signal is set based on the target turning operation reaction force signal. Subsequently, the control device 64 generates a steering operation reaction force motor drive voltage RSR based on the steering operation reaction force control signal, and this steering operation reaction force motor drive voltage RSR is supplied to the steering operation reaction force motor 65. Apply. Then, the steering operation reaction force motor 65 is driven, and a steering operation reaction force is applied to the forward operation of the joystick 61.
[0118]
During the turning of the vehicle, the driver returns the joystick 61 slightly from the front to the neutral side so that the turning angle of the steered wheels W and W is constant, and the amount of operation with respect to the joystick 61 is less than at the start of turning. To do. Incidentally, the driver maintains the operation of the joystick 61 to the right. Then, in the vehicle steering device S2, the turning direction sensor 62 transmits a turning direction signal SSD with a positive constant voltage to the control device 64, and the turning operation amount sensor 63 uses the turning operation amount (turning amount) with the joystick 61. A steering operation amount signal SSR corresponding to an operation amount smaller than that at the start of steering is transmitted to the control device 64.
[0119]
Through the same control as described above, the control device 64 sets a target rack torque signal (a target rack torque smaller than that at the start of turning), calculates a deviation signal (zero or negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 64 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque smaller than that at the start of turning according to the target rack torque signal. At this time, the rack torque (rack shaft force) and the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31 are balanced, and the position of the rack shaft 31 to move to the left is fixed. The turning angle of the steering wheels W, W in the clockwise direction is constant.
[0120]
Further, in the control device 64, since the deviation signal between the target rack torque signal and the rack torque signal SR is zero or a negative value, the target turning operation reaction force signal is set to zero. Accordingly, since the steering operation reaction force motor drive voltage RSR is not applied to the steering operation reaction force motor 65, no steering operation reaction force is applied to the forward operation of the joystick 61.
[0121]
At the end of turning of the vehicle, the driver returns the joystick 61 from the front to the neutral state in order to return the steered wheels W, W to straight ahead. At this time, the driver may return the operation of the joystick 61 to the right to the neutral state or may not return it. Then, in the vehicle steering device S2, the steering direction sensor 62 transmits a positive constant voltage or a zero steering direction signal SSD to the control device 64, and the steering operation amount sensor 63 uses the joystick 61 for the amount of steering operation. A steering operation amount signal SSR corresponding to (decrease → zero) is transmitted to the control device 64.
[0122]
By the same control as described above, the control device 64 sets a target rack torque signal (a target rack torque that gradually decreases and eventually becomes zero), calculates a deviation signal (a negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 64 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a small rack torque according to the target rack torque signal, and the rack torque eventually becomes zero. Therefore, the rack torque (rack axial force) becomes smaller than the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, and the rack shaft 31 moves from the leftward movement position to the neutral position. At first, the steered wheels W and W begin to return straight. Eventually, the rack shaft 31 returns to the neutral position, and the steered wheels W, W return to the straight traveling state.
[0123]
Further, by the same control as described above, the control device 64 sets the target turning operation reaction force signal to zero because the deviation signal between the target rack torque signal and the rack torque signal SR becomes a negative value. Accordingly, since the steering operation reaction force motor drive voltage RSR is not applied to the steering operation reaction force motor 65, no steering operation reaction force is applied to the forward operation of the joystick 61.
[0124]
According to this vehicle steering device S2, since the output (and hence the rack torque) of the steering motor 5 is controlled in accordance with the amount of operation of the joystick 61 in the forward direction, the steered wheels W and W are rotated with a small amount of operation. You can steer. Further, according to the vehicle steering device S2, since the operation in the left-right direction of the joystick 61 is performed only in the steering direction, the maximum amount of operation in the left-right direction can be greatly reduced. Therefore, the joystick 61 can be installed even in a place where the left and right operation space such as the armrest of the front door is limited. Furthermore, according to this vehicle steering device S2, even if the gain (output of the steering motor 5 / operation amount in front of the joystick 61) is reduced, a large turning angle can be obtained by extending the operation time. Steering feeling is good.
[0125]
Further, according to this vehicle steering device S2, the output of the steering motor 5 is directly controlled in accordance with the amount of operation of the joystick 61 forward, so that the turning speed of the steered wheels W, W is controlled by the amount of operation of the joystick 61. The steering speed can be controlled according to various driving situations. Furthermore, according to this vehicle steering device S2, since an expensive rack position sensor or the like necessary for accurate position control as in the prior art is not required, the cost can be reduced as compared with the prior art. Further, according to this vehicle steering device S2, when a steering operation is performed to keep the steering angle constant, no steering operation reaction force is applied to the forward operation of the joystick 61. The driver can easily perform steady circle turning and the like.
[0126]
A third embodiment will be described. In the third embodiment, the same components as those in the vehicle steering device S1 according to the first embodiment or the vehicle steering device S2 according to the second embodiment will be denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be given. Is omitted. First, the overall configuration of the vehicle steering device S3 will be described with reference to FIG. FIG. 15 is an overall configuration diagram of a vehicle steering apparatus S3 according to the third embodiment.
[0127]
The vehicle steering device S3 includes a joystick 71, a turning direction sensor 72, a turning operation amount sensor 73, a control device 74, a steering motor 5, a turning operation reaction force motor 75, a rack torque sensor 10, a yaw rate sensor 13, and a vehicle speed sensor 14. , A neutral switch sensor 15, a rack neutral position sensor 16, a ball screw mechanism 30, a rack shaft 31, tie rods 32, 32, and the like. In particular, the joystick 71 is equipped with a steering operation amount lever 71d and a neutral switch 71e.
In the third embodiment, the joystick 71 corresponds to the operating device described in the claims (in particular,Claim 2The steering operation amount lever 71d corresponds to the lever described in the claims, the neutral switch 71e corresponds to the return operation means described in the claims, and the control device 74 includes the control device 74. It corresponds to the control means described in the claims, and the steering motor 5 corresponds to the actuator described in the claims.
[0128]
The configuration of the joystick 71 (operation mechanism) will be described.
The vehicle steering device S3 includes a joystick 71 for performing a steering operation of the vehicle. Therefore, the joystick 71 is supported by a tilt support mechanism (not shown) so that an operation of tilting by turning in the left-right direction with respect to the traveling direction of the vehicle can be performed. Therefore, the joystick 71 can be operated only in the left-right direction. The tilt support mechanism has the same configuration as the tilt support mechanism 20 according to the first embodiment, but does not have a mechanism for tilting in the front-rear direction.
[0129]
The operation of tilting the joystick 71 in the left-right direction is detected as a predetermined voltage value according to the operation in the left-right direction by the steering direction sensor 72 including two electric contacts provided in the tilt support mechanism of the joystick 71 ( Output). Then, the turning direction sensor 72 transmits a zero voltage or a predetermined voltage value to the control device 74 as a turning direction signal SSD. Since the setting of the output of the steering direction sensor 72 for the tilting operation of the joystick 71 in the left-right direction is the same as that of the second embodiment, the description thereof is omitted (see FIG. 14). Incidentally, the operation of tilting the joystick 71 in the left-right direction is the steering direction operation of the steering operation to the vehicle.
[0130]
Further, the joystick 71 is provided with a turning operation amount lever 71d that can be rotated backward on the left side of the operation grip 71b in order to operate the turning operation amount. A spring (not shown) attached to the inside of the operation grip 71b is connected to the turning shaft of the steering operation amount lever 71d, and a wire 71f is connected to the spring. With respect to the operation of rotating the steering operation amount lever 71d in the backward direction, the spring generates a force that passively returns the steering operation amount lever 71d to the steady state as the operation amount increases. The wire 71f extends below the joystick 71, and is pulled into the joystick 71 as the operation amount increases with respect to the operation of rotating the steering operation amount lever 71d in the backward direction.
[0131]
The operation of rotating the steering operation amount lever 71d in the backward direction is detected (output) as a voltage by a steering operation amount sensor 73 attached to the wire 71f. The steered operation amount sensor 73 detects the amount by which the wire 71f is pulled, and uses this pulled amount as the operation amount. The operation amount in this case is the steering operation amount when the steering operation amount lever 71d is rotated backward with reference to the steady state of the steering operation amount lever 71d. Then, the turning operation amount sensor 73 transmits the detected voltage to the control device 74 as a turning operation amount signal SSR. Incidentally, the operation of tilting the steering operation amount lever 71d in the backward direction is the operation amount operation of the steering operation to the vehicle.
[0132]
With reference to FIG. 17, the setting of the output of the steering operation amount sensor 73 with respect to the backward operation amount of the steering operation amount lever 71d will be described. FIG. 17 is a relationship diagram between the rearward position (rearward operation amount) of the steering operation amount lever 71 d provided in the joystick 71 and the output of the steering operation amount sensor 73. As can be seen from this figure, the steering operation amount sensor 73 is set to increase the output when the steering operation amount lever 71d is rotated backward. Accordingly, in the rear operation with the steering operation amount lever 71d, the steering operation amount detected (output) by the steering operation amount sensor 73 is increased as the degree of the operation for rotating the steering operation amount lever 71d is increased. Also grows. Since the steered operation amount is for setting the target rack torque of the rack shaft 31 (that is, the target current to be supplied to the steering motor 5) instead of setting the target steered angle of the steered wheels W, W, it is delicate. It is not the amount of operation that sets the turning angle that requires adjustment. Therefore, the maximum operation amount of the steering operation amount may be an operation amount that can set the target rack torque (torque of the steering motor 5) of the rack shaft 31 in several steps. Incidentally, the turning angle of the steered wheels W and W is determined by the steered operation amount operation, the steered direction operation, and the operation time thereof.
[0133]
Further, the steering operation amount lever 71d has reaction force generating means for applying a reaction force to the movement of the steering operation amount lever 71d in response to the operation of the steering operation amount lever 71d by the driver (direction of reaction force). And size will be described later). The reaction force generating means includes a steering operation reaction force motor 75 that applies a reaction force to the backward movement of the steering operation amount lever 71d. The turning operation reaction force motor 75 is driven based on the turning operation reaction force motor drive voltage RSR generated by the control device 74. The steering operation reaction force motor 75 is connected to the wire 71f and generates a reaction force by applying the driving force to the wire 71f. The magnitude and application direction of the steering operation reaction force motor drive voltage RSR are set by the control device 74, which will be described later.
[0134]
Further, the joystick 71 is provided with a neutral switch 71e on the upper surface of the operation grip 71b in order to forcibly return the steered wheels W, W to the straight traveling state. The neutral switch 71e is a push button type switch, and when pressed in a steady state, a part of the operation grip 71b is pressed and is turned on. When pressed in the pressed state, the switch returns to a steady state. Turn off. When the neutral switch 71e is turned on, the vehicle steering device S3 returns the rack shaft 31 to the neutral position and puts the steered wheels W and W in a straight traveling state. The turning speed when returning to the straight traveling state can be adjusted by the turning operation amount lever 71d.
[0135]
The ON / OFF operation of the neutral switch 71e is detected (output) as a predetermined voltage value in response to the pressing operation by the neutral switch sensor 15 including an electrical contact provided below the neutral switch 71e. . The neutral switch sensor 15 closes the electrical contact when the neutral switch 71e is pushed in (ON) and outputs a positive constant voltage (for example, 5V), and opens the electrical contact and outputs zero voltage when the steady state is reached. It is set to be. Then, the neutral switch sensor 15 transmits zero voltage or a positive constant voltage to the control device 74 as a neutral switch signal SNS.
[0136]
The joystick 71 is disposed on the armrest of the right front door so that the driver of the vehicle can operate with one hand. The joystick 71 has a structure in which an operation grip 71b is fixed to the upper end of a pipe-shaped stick main body 71a, and the lower end of the stick main body 71a is supported to be tiltable in the left-right direction via a tilt support mechanism (not shown). Has been. The tilt support mechanism is covered with a boot 71c that is externally mounted on the stick body 71a.
[0137]
A configuration of a steering system (steering mechanism) in the vehicle steering device S3 will be described.
The steering system of this vehicle does not have a steering wheel unlike a normal vehicle. Instead, the joystick 71 has the role of a steering wheel. As described above, when the neutral joystick 71 is tilted to the left and the steering operation lever 71d in the steady state is rotated rearward. The steered wheels W and W are steered leftward. On the other hand, when the joystick 71 in the neutral state is tilted to the right and the steering operation lever 71d in the steady state is rotated backward, the steered wheels W and W are steered to the right. In the operation of the joystick 71, the steered wheels W and W are steered faster (the rack torque becomes larger) as the operation amount of the steer operation lever 71d in the backward direction is larger, and the steered wheels W are longer as the operation time is longer. , W turning angle is increased. Further, when an operation of turning on the neutral switch 71e of the joystick 71 is performed, the steered wheels W and W are returned to the straight traveling state regardless of the steered direction operation by the joystick 71.
[0138]
Further, this vehicle does not have a steering shaft or a rack and pinion mechanism that transmits the steering force of the driver to the rack shaft 31. Instead, a steering motor (steering actuator) 5 that moves the rack shaft 31 in the axial direction and a ball screw mechanism 30 are provided. The steering motor 5 is fixed to the vehicle body frame, and the rotational motion of the steering motor 5 is converted into the linear motion of the rack shaft 31 via the ball screw mechanism 30. Thereby, the rotational torque generated by the steering motor 5 is converted into the rack torque (axial force) of the rack shaft 31, and the rack torque generated in the rack shaft 31 is transmitted via the tie rods 32 and 32 at the end of the rack shaft 31. It is converted into the turning torque of the steered wheels W, W. The steering motor 5 is driven based on a steering motor drive voltage DSM generated by the control device 74.
[0139]
Incidentally, this vehicle has a brake pedal as in the case of a normal vehicle, and the brake is effective in response to depression of the brake pedal. In addition, this vehicle has a throttle pedal (accelerator pedal) as in a normal vehicle, and the throttle valve opens in response to depression of the throttle pedal.
[0140]
In addition to the sensors described above, the vehicle steering device S3 includes a rack torque sensor 10, a yaw rate sensor 13, a vehicle speed sensor 14, and a rack neutral position sensor 16 in order to take in various information about the vehicle to be controlled by the control device 74. have. Only the rack neutral position sensor 16 will be described here. The various sensors 10, 13, 14, and 16 provided in the vehicle steering device S3 may be dedicated sensors for the vehicle steering device S3 or may be sensors that are shared with other systems.
[0141]
The rack neutral position sensor 16 detects whether or not the rack shaft 31 is in the neutral position. The rack neutral position signal SN is composed of a positive constant voltage (for example, 5 V) in the neutral position and zero voltage in the non-neutral position. Is transmitted to the control device 74. The rack neutral position sensor 16 is constituted by, for example, an electrical contact.
[0142]
The configuration of the control device 74 will be described with reference to FIG. FIG. 16 is a configuration diagram of the steering control unit 74A and the steering operation reaction force control unit 74B of the control device 74.
[0143]
The control device 74 controls the steering motor 5 on the basis of the operation of the joystick 71 (including the steering operation amount lever 71d and the neutral switch 71e) and steers to give an operation reaction force to the steering operation amount lever 71d. The operation reaction force motor 75 is controlled. For this purpose, the control device 74 includes a microcomputer (not shown) including a RAM, a ROM, a CPU and an I / O interface (not shown) and drive circuits for driving various motors. A rudder operation reaction force control unit 74B is provided. The control device 74 converts the acquired sensor signal into a digital signal, and handles the sensor signal as a digital signal.
[0144]
The steering control unit 74A will be described with reference to FIG.
The turning control unit 74A controls the output of the steering motor 5 according to the turning operation amount to the turning operation amount lever 71d by the driver and discriminates the turning direction according to the turning direction operation to the joystick 71. Then, the rotation direction of the steering motor 5 is controlled, and the steered wheels W and W are steered. Further, the turning control unit 74A performs control for returning the steered wheels W and W to a straight traveling state in response to an ON operation to the neutral switch 71e by the driver. For this purpose, the steering control unit 74A includes a target rack torque setting unit 76, a deviation calculation unit 53, a steering motor control signal output unit 54, a steering control cutoff unit 77, and a steering motor drive circuit 55. Note that a portion of the steering control unit 74 </ b> A excluding the steering motor drive circuit 55 is configured by software in a microcomputer configuring the control device 64.
[0145]
The target rack torque setting unit 76 includes a turning direction signal SSD from the turning direction sensor 72, a turning operation amount signal SSR from the turning operation amount sensor 73, a vehicle speed signal SS from the vehicle speed sensor 14, and the neutral switch sensor 15. The neutral switch signal SNS is input, and the target rack torque signal is output to the deviation calculator 53. The target rack torque setting unit 76 determines the steering direction (the movement direction of the rack shaft 31 and the rotation direction of the steering motor 5) based on the steering direction signal SSD, and based on the steering operation amount signal SSR and the vehicle speed signal SS. The target rack torque is retrieved from the steering map, and a target rack torque signal composed of the moving direction of the rack shaft 31 and the target rack torque is set. The movement direction of the rack shaft 31 is represented by plus and minus with respect to the target rack torque. For example, the movement direction is positive when the left direction is positive and negative when the right direction is negative. The target rack torque setting unit 76 determines that the turning direction is right turning when the turning direction signal SSD is a positive constant voltage, sets the moving direction of the rack shaft 31 to the left, and the amount of turning operation. When the signal SSR is a negative constant voltage, the turning direction is determined to be left turning, and the movement direction of the rack shaft 31 is set to the right direction (see FIG. 14). The steered map is a steered map similar to that of the first embodiment (see FIG. 9), and the target rack torque setting unit 76 searches the steered map for the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the steered operation amount. To do.
[0146]
Further, when the neutral switch signal SNS is a positive constant voltage (when the neutral switch 71e is ON), the target rack torque setting unit 76 returns the steered wheels W and W to the straight traveling state (the rack shaft 31 is in the neutral position). Further, the moving direction of the rack shaft 31 is determined based on the immediately preceding steering direction signal SSD. That is, in the target rack torque setting unit 76, when the rack shaft 31 is in the direction of movement from the direction in which the rack shaft 31 is currently moving to the moving direction, the immediately preceding turning direction signal SSD is a positive constant voltage. Since the rack shaft 31 is moved leftward from the neutral position, the movement direction of the rack shaft 31 is determined to be rightward. When the immediately preceding steering direction signal SSD is a negative constant voltage, the rack shaft 31 is Since it is moving rightward from the neutral position, the moving direction of the rack shaft 31 is determined as the leftward direction. Then, the target rack torque setting unit 76 sets a target rack torque signal composed of the determined movement direction of the rack shaft 31 and the target rack torque. At this time, the target rack torque is retrieved from the steering map based on the steering operation amount signal SSR and the vehicle speed signal SS, as described above.
[0147]
Incidentally, the target rack torque setting unit 76 only sets the rack torque (axial force of the rack shaft 31) based on the steering operation amount to the joystick 71, and the position of the rack shaft 31 (that is, the turning angle W, It does not set the steering angle of W). The position of the rack shaft 31 is the product of the rack torque and the time during which the rack torque is generated (that is, the turning operation time to the joystick 71 (including the turning operation amount lever 71d)) and the steered wheels W, W. To the rack shaft 31. Incidentally, the turning speed of the steered wheels W and W changes according to the rack torque, but the magnitude of the steered speed changes under the action of the reaction force from the steered wheels W and W to the rack shaft 31.
[0148]
The steering control cutoff unit 77 receives the neutral switch signal SNS from the neutral switch sensor 15, the rack neutral position signal SN from the rack neutral position sensor 16, and the steering control signal from the steering motor control signal output unit 54, and steering control is performed. The signal is output to the steering motor drive circuit 55. When the neutral switch 71e is ON, the turning control cutoff unit 77 stops driving the steering motor 5 in order to maintain the state when the rack shaft 31 is in the neutral position. Therefore, when the neutral switch signal SNS is a positive constant voltage (when the neutral switch 71e is ON), the steering control cutoff unit 77 is when the rack neutral position signal SN is zero voltage (the rack shaft 31 is not in the neutral position). When the rack neutral position signal SN is a positive positive voltage (when the rack shaft 31 is in the neutral position), the steering control signal from the steering motor control signal output unit 54 is set as it is. All off signals are set as control signals. Further, when the neutral switch signal SNS is zero voltage (when the neutral switch 71e is OFF), the steering control cutoff unit 77 outputs a steering control signal from the steering motor control signal output unit 54 regardless of the rack neutral position signal SN. The steering control signal is set as it is.
[0149]
The steering operation reaction force control unit 74B will be described with reference to FIG.
The steered operation reaction force control unit 74B performs a steered operation reaction force motor 75 when the driver performs an operation of rotating the steered operation amount lever 71d backward (that is, when performing a steered operation amount operation). To control the steering operation reaction force to act on the steering operation amount lever 71d actively. Therefore, the turning operation reaction force control unit 74B includes a target turning operation reaction force setting unit 78, a turning operation reaction force motor control signal output unit 79, and a turning speed operation reaction force motor drive circuit 80. In addition, the part except steering operation reaction force motor drive circuit 80 among steering operation reaction force control parts 74B is comprised by the microcomputer which comprises the control apparatus 64 like software.
[0150]
The target turning operation reaction force setting unit 78 receives the turning operation amount signal SSR from the turning operation amount sensor 73, the yaw rate signal SY from the yaw rate sensor 13, and the deviation signal from the deviation calculation unit 53, and the target turning operation. The operation reaction force signal is output to the steering operation reaction force motor control signal output unit 79. The target turning operation reaction force setting unit 78 retrieves the target turning operation reaction force from the turning operation reaction force map based on the turning operation amount signal SSR and the yaw rate signal SY, and a target consisting of the target turning operation reaction force. Set the steering operation reaction force signal. At this time, the target turning operation reaction force setting unit 78 determines whether or not to give the turning operation reaction force to the turning operation amount lever 71d based on the deviation signal. The steering operation reaction force map is the same map as that in the first embodiment (see FIG. 10), and the target steering operation reaction force setting unit 78 converts the yaw rate and the steering operation amount from the steering operation reaction force map. The target turning operation reaction force according to the search is searched. Incidentally, the steering operation reaction force direction is only the reaction force for the backward operation.
[0151]
Then, when the deviation signal is “a positive value”, the target turning operation reaction force setting unit 78 has a target turning operation reaction force signal composed of the target turning operation reaction force searched in the turning operation reaction force map. When the deviation signal is “zero and negative values”, the target turning operation reaction force signal is set to zero. The reason why the target turning operation reaction force signal is set in this manner is to cause a turning operation reaction force when the rack torque is increased. Therefore, when maintaining a constant rack torque or when operating the steering operation amount lever 71d to reduce the rack torque (when performing an operation to return the steering operation amount lever 71d to a steady state), There is no rudder operation reaction force. Incidentally, when the deviation signal is a negative value, the target turning operation reaction force setting unit 78 may set the target turning operation reaction force signal so as to assist the return of the turning operation amount lever 71d. .
[0152]
The steering operation reaction force motor control signal output unit 79 receives the target turning operation reaction force signal from the target turning operation reaction force setting unit 78 and drives the steering operation reaction force control signal to drive the steering operation reaction force motor. Output to the circuit 80. The steering operation reaction force motor control signal output unit 79 includes a PWM signal generation unit. The turning operation reaction motor control signal output unit 79 generates a PWM signal, an on signal, and an off signal corresponding to the current value supplied to the turning operation reaction force motor 75 based on the target turning operation reaction force signal. The steering operation reaction force control signal is used. Incidentally, since the reaction force is applied to the steering operation amount lever 71d only in one direction, the direction of the current applied to the steering operation reaction force motor 75 is one direction.
[0153]
The turning operation reaction force motor drive circuit 80 receives the turning operation reaction force control signal from the turning operation reaction force motor control signal output unit 79 and converts the turning operation reaction force motor drive voltage RSR into the turning operation reaction force. Output to the motor 75. The turning operation reaction force motor drive circuit 80 applies the turning operation reaction force motor drive voltage RSR to the turning operation reaction force motor 75 based on the turning operation reaction force control signal. To drive. For this purpose, the steering operation reaction force motor drive circuit 80 includes two FETs (switching elements), a power supply voltage (12 V), and the like (not shown). When the steering operation reaction force control signal is input to the gates of the two FETs, the two operation FETs are turned ON / OFF based on the steering operation reaction force control signal. A steering operation reaction force motor drive voltage RSR is applied to the steering operation reaction force motor 75. Then, an electric current flows through the steering operation reaction force motor 75, the steering operation reaction force motor 75 is driven forward, and the steering operation reaction force of the steering operation amount lever 71d is controlled.
[0154]
Therefore, when the driver performs an operation of increasing the rack torque by the steering operation amount lever 71d, a steering operation reaction force is applied to the steering operation amount lever 71d. The magnitude of this steering operation reaction force is such that the greater the backward operation of the steering operation amount lever 71d and / or the greater the yaw rate, the greater the steering operation amount based on the steady state of the steering operation amount lever 71d. A large steering operation reaction force is generated in the lever 71d.
[0155]
The operation of the vehicle steering device S3 will be described with reference to FIG. 9, FIG. 10, and FIGS. Here, a description will be given of a right turn at an intersection, a right steering while parked, and a right-to-left-to-straight slalom traveling. FIG. 18 is a time chart when turning right at the intersection by the vehicle steering device S3. (A) is a steering operation amount by the steering operation amount lever 71d, and (b) is a steering direction by the joystick 71. , (C) is the turning angle of the steered wheels W, W. FIG. 19 is a time chart when the vehicle is steered to the right during parking by the vehicle steering device S3. (A) is a steered operation amount by the steered operation amount lever 71d, and (b) is steered by the joystick 71. (C) is ON / OFF of the neutral switch 71e, and (d) is the turning angle of the steered wheels W, W. FIGS. 20A and 20B are time charts when the vehicle steering apparatus S3 travels right → left → straightly, and FIG. 20A shows the steering operation amount by the steering operation lever 71d, and FIG. 20B shows the joystick 71. It is a turning direction, and (c) is a turning angle of the steered wheels W and W.
[0156]
First, the operation of the vehicle steering device S3 at the time of a right turn at an intersection will be described along the time chart shown in FIG.
[0157]
At the start of turning to the right at the intersection of the vehicle, the driver tilts the joystick 71 to the right (T1) in order to steer the steered wheels W, W to the right (T1), and immediately thereafter, the steering operation amount lever 71d starts to rotate backward (T2), and the operation amount increases (operation region of R1). At this time, the amount of operation of the joystick 71 to the right is an extremely small amount that can be detected by the steering direction sensor 72 (see FIG. 14). The amount of operation to the rear of the turning operation amount lever 71d increases rapidly immediately after the start of turning so that the driver can quickly increase the turning angles W and W, and then the turning angles W and W are subtly increased. Increase at low speed to adjust to. Then, in the vehicle steering device S3, the steering direction sensor 72 transmits a steering direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74 in accordance with the right contact of the joystick 71 and the electrical contact is closed. The steering operation amount sensor 73 transmits a steering operation amount signal SSR corresponding to the rear operation amount of the steering operation amount lever 71d to the control device 74.
[0158]
In the control device 74, a target rack in which the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the steering operation amount based on the vehicle speed signal SS, the steering direction signal SSD, and the steering operation amount signal SSR and the moving direction of the rack shaft 31 are leftward. A torque signal is set, a deviation signal (plus value) is calculated based on the target rack torque signal and the rack torque signal SR, and a steering control signal is set based on the deviation signal. At this time, the larger the turning operation amount or / and the lower the vehicle speed, the larger the target rack torque and the faster the turning speed of the steered wheels W and W. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque corresponding to the target rack torque signal and starts to move to the left. Then, the steered wheels W and W begin to steer in the clockwise direction at a steered speed corresponding to the steered operation amount at the steered operation amount lever 71d and the vehicle speed (T3). At this time, since the rack torque (rack shaft force) is won by the reaction force (road friction force, self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, the rack shaft 31 moves to the left. Start turning right. Therefore, at the start of turning, in order to generate a rack axial force that is larger than the reaction force from the steered wheels W, W, the wheel is turned as compared with the case where the turning angle is reduced or the turning angle is made constant. A large operation amount is required for the rudder operation amount lever 71d. As the time elapses, the amount of leftward movement of the rack shaft 31 increases, and the steered angles of the steered wheels W and W increase (T4).
[0159]
Further, in the control device 74, the target turning operation reaction force and the turning operation reaction force direction corresponding to the yaw rate and the turning operation amount are determined based on the yaw rate signal SY, the turning operation amount signal SSR, and the deviation signal (plus value). A target turning operation reaction force signal composed of a reaction force with respect to the backward operation of the turning operation amount lever 71d is set, and a turning operation reaction force control signal is set based on the target turning operation reaction force signal. Subsequently, the control device 74 generates a steering operation reaction force motor drive voltage RSR based on the steering operation reaction force control signal, and this steering operation reaction force motor drive voltage RSR is supplied to the steering operation reaction force motor 75. Apply. Then, the steering operation reaction force motor 75 is driven, and a steering operation reaction force is applied to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0160]
During the turning of the vehicle, the driver slightly returns the steering operation amount lever 71d from the rear to the steady state side in order to make the turning angle of the steered wheels W, W constant (T5). Also, the operation amount with respect to the steering operation amount lever 71d is reduced and held at a constant amount (operation region of R2). Incidentally, the driver maintains the operation of the joystick 71 to the right. Then, in the vehicle steering device S3, the turning direction sensor 72 transmits a turning direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74, and the turning operation amount sensor 73 turns the turning at the turning operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the operation amount (operation amount smaller than that at the start of steering) is transmitted to the control device 74.
[0161]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal (a target rack torque smaller than that at the start of steering), calculates a deviation signal (zero or negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque smaller than that at the start of turning according to the target rack torque signal. At this time, the rack torque (rack shaft force) and the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31 are balanced, and the position of the rack shaft 31 to move to the left is fixed. The turning angle of the steering wheels W, W in the clockwise direction is constant (T6).
[0162]
Further, in the control device 74, since the deviation signal between the target rack torque signal and the rack torque signal SR is zero or a negative value, the target steering operation reaction force signal is set to zero. Accordingly, since the steering operation reaction force motor drive voltage RSR is not applied to the steering operation reaction force motor 75, no steering operation reaction force is applied to the operation of the rearward of the steering operation amount lever 71d.
[0163]
At the end of turning of the vehicle, the driver starts to return the steered operation amount lever 71d to the steady state side to return the steered wheels W and W to straight travel (T7), and finally turns the steered operation amount lever 71d. Return to the steady state (operation region of R3). At this time, the driver maintains the operation of the joystick 71 to the right. Then, in the vehicle steering device S3, the turning direction sensor 72 transmits a turning direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74, and the turning operation amount sensor 73 turns the turning at the turning operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the operation amount (decrease → zero) is transmitted to the control device 74.
[0164]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal (a target rack torque that gradually decreases and eventually becomes zero), calculates a deviation signal (a negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a small rack torque according to the target rack torque signal, and the rack torque eventually becomes zero. Therefore, the rack torque (rack axial force) becomes smaller than the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, and the rack shaft 31 moves from the leftward movement position to the neutral position. At first, the steered wheels W, W begin to return straight (T8). Eventually, the rack shaft 31 returns to the neutral position, and the steered wheels W, W return to the straight traveling state (T9). Thereafter, the driver returns the joystick 71 to the neutral state from the right side (T10).
[0165]
Further, by the same control as described above, the control device 74 sets the target turning operation reaction force signal to zero because the deviation signal between the target rack torque signal and the rack torque signal SR becomes a negative value. Accordingly, since the steering operation reaction force motor drive voltage RSR is not applied to the steering operation reaction force motor 75, no steering operation reaction force is applied to the operation of the rearward of the steering operation amount lever 71d.
[0166]
Next, the operation of the vehicle steering device S3 at the time of right steering while parked will be described along the time chart shown in FIG.
[0167]
At the start of turning right while the vehicle is parked, the driver tilts the joystick 71 to the right in order to turn the steered wheels W, W to the right (T11). 71d starts to rotate backward (T12), and the operation amount increases (operation region of R11). At this time, the amount of operation of the joystick 71 to the right is an extremely small amount that can be detected by the steering direction sensor 72 (see FIG. 14). The amount of operation to the rear of the steered operation amount lever 71d is to overcome the reaction force from the steered wheels W and W because the driver wants to steer quickly and the road surface friction force is great when the vehicle is stopped or at extremely low speed. In large quantities. Then, in the vehicle steering device S3, the steering direction sensor 72 transmits a steering direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74, and the steering operation amount sensor 73 is a rear operation amount of the steering operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the control signal is transmitted to the control device 74.
[0168]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal, calculates a deviation signal (plus value), and sets a steering control signal based on the deviation signal. At this time, since the steering operation amount is large and the vehicle speed is zero or extremely low, the target rack torque becomes a large value and the steered speed of the steered wheels W and W becomes faster (note that the road surface friction force is not so fast). ). In the control device 74, the steering motor drive voltage DSM is applied to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque corresponding to the target rack torque signal and starts to move to the left. Then, the steered wheels W and W start to steer in the clockwise direction at the steered speed according to the steered operation amount and the vehicle speed at the steered operation amount lever 71d (T13). At this time, since the rack torque (rack shaft force) is won by the reaction force (mainly road surface friction force) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, the rack shaft 31 moves to the left and turns right. Start the rudder. As the time elapses, the amount of leftward movement of the rack shaft 31 increases, and the steered angles of the steered wheels W and W increase (T14).
[0169]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, a steering operation reaction force is applied to an operation to the rear of the steering operation amount lever 71d.
[0170]
During turning of the vehicle, the driver returns the turning operation amount lever 71d slightly from the rear to the steady state side (T15) in order to make the turning angle of the steered wheels W, W constant, and from the start of turning. Also, the operation amount with respect to the steering operation amount lever 71d is decreased and held at a constant amount (operation region of R12). Incidentally, the driver maintains the operation of the joystick 71 to the right. Then, in the vehicle steering device S3, the turning direction sensor 72 transmits a turning direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74, and the turning operation amount sensor 73 turns the turning at the turning operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the operation amount (operation amount smaller than that at the start of steering) is transmitted to the control device 74.
[0171]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal (a target rack torque smaller than that at the start of steering), calculates a deviation signal (zero or negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque smaller than that at the start of turning according to the target rack torque signal. At this time, the rack torque (rack axial force) and the reaction force (mainly road surface frictional force) from the steered wheels W and W to the rack shaft 31 are balanced, and the position of the rack shaft 31 to move to the left is fixed. The turning angle of the steered wheels W, W in the clockwise direction is constant (T16).
[0172]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, the steering operation reaction force is not applied to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0173]
Since the vehicle does not generate self-aligning torque when the vehicle is stopped or parked at a very low speed such as when parked, the steered wheels W and W can be changed only by returning the steered operation amount lever 71d to the steady state. Do not return straight. Incidentally, since the self-aligning torque increases as the vehicle speed increases, the rack torque that the self-aligning torque decreases according to the steering operation amount when the steering operation amount lever 71d is returned to the steady state. It becomes larger and the steered wheels W, W return to the straight traveling state.
[0174]
Therefore, at the end of turning of the vehicle, the driver first returns the joystick 71 from the right to the neutral state (T17) and then presses the neutral switch 71e in order to return the steered wheels W, W to straight travel. (T18), the steering operation amount lever 71d starts to return to the steady state side (T19), and finally the steering operation amount lever 71d returns to the steady state (operation region of R13). Then, in the vehicle steering device S3, the steering direction sensor 72 transmits a steering direction signal SSD with zero voltage to the control device 74, and then the neutral switch sensor 15 controls the neutral switch signal SNS with a positive constant voltage. The steering operation amount sensor 73 transmits to the control device 74 a steering operation amount signal SSR corresponding to the steering operation amount (decrease → zero) at the steering operation amount lever 71d.
[0175]
In the control device 74, the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the turning operation amount signal SSR is gradually reduced to zero based on the vehicle speed signal SS, the neutral switch signal SNS, the turning direction signal SSD, and the turning operation amount signal SSR. Target rack torque) and a target rack torque signal in which the moving direction of the rack shaft 31 is rightward, and further, a deviation signal (minus value) is calculated based on the target rack torque signal and the rack torque signal SR. A steering control signal is set based on this deviation signal. At this time, the right direction of the movement direction of the rack shaft 31 is a direction for forcibly returning the rack shaft 31 located to the left of the neutral position to the neutral position. The controller 74 generates the steering motor drive voltage DSM based on the steering control signal while the rack neutral position signal SN is zero voltage, and applies the steering motor drive voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque corresponding to the target rack torque signal and starts to move to the right. Then, the steered wheels W and W start to return straight from the right rotation direction at the steered speed corresponding to the steered operation amount at the steered operation amount lever 71d and the vehicle speed (T20). At this time, since the rack torque (rack axial force) is won by the reaction force (mainly road surface frictional force) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, the rack shaft 31 is neutral from the moving position to the left. The steered wheels W and W begin to return to the straight traveling state. Eventually, the rack shaft 31 returns to the neutral position, and the steered wheels W, W return to the straight traveling state (T21).
[0176]
Further, when the control device 74 detects that the rack neutral position signal SN has become a positive constant voltage, the control device 74 sets a steering control signal consisting of all off signals and does not apply the steering motor drive voltage DSM to the steering motor 5. Therefore, the rack shaft 31 does not generate rack torque and is held in the neutral position. The steered wheels W and W are also kept in the straight traveling state. On the other hand, when the steered wheels W and W return to the straight traveling state, the driver pushes the neutral switch 71e again to turn it off (T22).
[0177]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, the steering operation reaction force is not applied to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0178]
Next, the operation of the vehicle steering device S3 during right-to-left-to-straight slalom traveling will be described along the time chart shown in FIG.
[0179]
First, at the start of turning the vehicle to the right, the driver tilts the joystick 71 to the right in order to steer the steered wheels W, W to the right (T31), and immediately thereafter, the steered operation amount lever 71d. Starts to rotate backward (T32), and the operation amount increases (operation region of R31). Then, in the vehicle steering device S3, the steering direction sensor 72 transmits a steering direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74, and the steering operation amount sensor 73 is a rear operation amount of the steering operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the control signal is transmitted to the control device 74.
[0180]
In the control device 74, a target rack in which the target rack torque corresponding to the vehicle speed and the steering operation amount based on the vehicle speed signal SS, the steering direction signal SSD, and the steering operation amount signal SSR and the moving direction of the rack shaft 31 are leftward. A torque signal is set, a deviation signal (plus value) is calculated based on the target rack torque signal and the rack torque signal SR, and a steering control signal is set based on the deviation signal. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a rack torque corresponding to the target rack torque signal and starts to move to the left. Then, the steered wheels W and W start to steer in the clockwise direction at the steered speed according to the steered operation amount at the steered operation amount lever 71d and the vehicle speed (T33). Furthermore, with the passage of time, the amount of movement of the rack shaft 31 to the left increases, and the turning angles of the steered wheels W and W increase (T34).
[0181]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, a steering operation reaction force is applied to an operation to the rear of the steering operation amount lever 71d.
[0182]
During the turning of the vehicle to the right, the driver slightly turns the steering operation amount lever 71d from the rear to the steady state side in order to make the turning angle of the steered wheels W, W constant (T35). The amount of operation with respect to the steering operation amount lever 71d is reduced to a certain amount (operation region of R32). Incidentally, the driver maintains the operation of the joystick 71 to the right. Then, in the vehicle steering device S3, the turning direction sensor 72 transmits a turning direction signal SSD having a positive constant voltage to the control device 74, and the turning operation amount sensor 73 turns the turning at the turning operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the operation amount (operation amount smaller than that at the start of steering) is transmitted to the control device 74.
[0183]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal (a constant target rack torque smaller than that at the start of turning), calculates a deviation signal (zero or negative value), and outputs a steering control signal. Set. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a constant rack torque smaller than that at the start of turning according to the target rack torque signal, the position of the rack shaft 31 moving to the left is fixed, and the right sides of the steered wheels W and W are fixed. The turning angle in the rotation direction is constant (T36).
[0184]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, the steering operation reaction force is not applied to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0185]
Next, at the time of starting the left turning continuously to the right turning of the vehicle, the driver tilts the joystick 71 to the left in order to turn the steered wheels W, W rapidly from the right to the left. At the same time (T37), the steering operation amount lever 71d starts to rapidly increase the operation amount to the rear (T38), temporarily increases to the maximum operation amount, and then decreases rapidly (operation region of R33). Then, in the vehicle steering device S3, the steered direction sensor 72 transmits a steered direction signal SSD having a negative constant voltage to the control device 74, and the steered operation amount sensor 73 operates the rear operation amount of the steered operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the control signal is transmitted to the control device 74.
[0186]
In the control device 74, the target rack torque (abrupt increase / decrease) corresponding to the vehicle speed and the steering operation amount and the movement direction of the rack shaft 31 are set to the right based on the vehicle speed signal SS, the steering direction signal SSD, and the steering operation amount signal SSR. A target rack torque signal consisting of a direction is set, a deviation signal (plus value or minus value) is calculated based on the target rack torque signal and the rack torque signal SR, and a steering control signal is set based on the deviation signal. To do. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, in the process of increasing to the maximum operation amount, the rack shaft 31 generates a rack torque that suddenly increases according to the target rack torque signal, and starts to move rapidly from the left position of the neutral position to the right position. Go through position. Subsequently, in the process of decreasing from the maximum operation amount, the rack shaft 31 generates a rack torque that rapidly decreases according to the target rack torque signal, and continues to move rightward from the neutral position. At this time, the steered wheels W, W are steered rapidly in the counterclockwise direction from the steered angle in the clockwise direction at the steered speed according to the steered operation amount at the steered operation amount lever 71d and the vehicle speed. (T40).
[0187]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, in the process of increasing to the maximum operation amount, the steering operation reaction force is given to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d. In the process of decreasing, the steering operation reaction force is not applied to the backward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0188]
During left turning of the vehicle, the driver returns the steered operation amount lever 71d from the rear to the steady state side (T41) in order to make the steered angle of the steered wheels W, W constant, and the steered operation amount lever. The operation amount with respect to 71d is reduced and held at a constant amount (operation region of R34). Incidentally, the driver maintains the operation of the joystick 71 to the left. Then, in the vehicle steering device S3, the turning direction sensor 72 transmits a turning direction signal SSD having a negative constant voltage to the control device 74, and the turning operation amount sensor 73 turns the turning at the turning operation amount lever 71d. A turning operation amount signal SSR corresponding to the operation amount (a constant operation amount smaller than that at the start of turning) is transmitted to the control device 74.
[0189]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal (a constant target rack torque smaller than that at the start of turning), calculates a deviation signal (zero or negative value), and outputs a steering control signal. Set. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a constant rack torque according to the target rack torque signal, the position of the rack shaft 31 to move to the right is fixed, and the turning angle of the steered wheels W, W in the counterclockwise rotation direction is increased. It becomes constant (T42).
[0190]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, the steering operation reaction force is not applied to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0191]
When returning straight from the left turning of the vehicle, the driver starts to return the steered operation amount lever 71d to the steady state side to return the steered wheels W and W to straight travel (T43), and finally the steer operation. The amount lever 71d is returned to the steady state (operation region of R35). At this time, the driver maintains the operation of the joystick 71 to the left. Then, in the vehicle steering device S3, the turning direction sensor 72 transmits a turning direction signal SSD having a negative constant voltage to the control device 74, and the turning operation amount sensor 73 turns the turning at the turning operation amount lever 71d. A steering operation amount signal SSR corresponding to the operation amount (decrease → zero) is transmitted to the control device 74.
[0192]
By the same control as described above, the control device 74 sets a target rack torque signal (a target rack torque that gradually decreases and eventually becomes zero), calculates a deviation signal (a negative value), and sets a steering control signal. To do. Then, the control device 74 generates a steering motor driving voltage DSM based on the steering control signal, and applies the steering motor driving voltage DSM to the steering motor 5. Then, the rack shaft 31 generates a small rack torque according to the target rack torque signal, and the rack torque eventually becomes zero. Therefore, the rack torque (rack axial force) becomes smaller than the reaction force (self-aligning torque, etc.) from the steered wheels W, W to the rack shaft 31, and the rack shaft 31 moves from the rightward movement position to the neutral position. At first, the steered wheels W, W start to return straight (T44). Eventually, the rack shaft 31 returns to the neutral position, and the steered wheels W, W return to the straight traveling state (T45). Thereafter, the driver returns the joystick 71 from the left to the neutral state (T46).
[0193]
Further, by the same control as described above, in the vehicle steering device S3, the steering operation reaction force is not applied to the rearward operation of the steering operation amount lever 71d.
[0194]
According to this vehicle steering device S3, since the output (and hence the rack torque) of the steering motor 5 is controlled in accordance with the backward operation amount of the steering operation amount lever 71d, the steered wheel W is reduced with a small operation amount. , W can be steered. Further, according to the vehicle steering device S3, since the operation in the left-right direction of the joystick 71 is performed only in the steering direction, the maximum operation amount in the left-right direction can be greatly reduced. Therefore, the joystick 71 can be installed even in a place where the left and right operation space such as the armrest of the front door is limited. Furthermore, according to this vehicle steering device S3, even if the gain (the output of the steering motor 5 / the operation amount behind the steering operation amount lever 71d) is reduced, a large turning angle is obtained by extending the operation time. Therefore, the steering feeling is good.
[0195]
Further, according to this vehicle steering device S3, since the output of the steering motor 5 is directly controlled in accordance with the operation amount of the steering operation amount lever 71d to the rear, the vehicle operation is controlled by the operation amount of the steering operation amount lever 71d. The steered speed of the steered wheels W, W can be changed, and the steered speed can be controlled according to various driving situations. Furthermore, according to the vehicle steering device S3, since an expensive rack position sensor or the like that is necessary for accurate position control as in the prior art is not required, the cost can be reduced as compared with the prior art. Further, according to this vehicle steering device S3, when a steering operation is performed to keep the steering angle constant, the steering operation reaction force is applied to the rearward operation of the steering operation amount lever. Since it is not given, the driver can easily perform steady circle turning and the like.
[0196]
Further, according to this vehicle steering device S3, since the neutral switch 71e is provided, the steered wheels W and W are surely secured even when no self-aligning torque is generated in the case of parking or the like when the vehicle is stopped or at extremely low speeds. It is possible to return to the straight state.
[0197]
As mentioned above, although embodiment of this invention was described, this invention is implemented in various forms, without being limited to the said embodiment.
For example, although the joystick that can be tilted (rotated) is used as the operation device in the present embodiment, other operation devices such as an operation device that uses the slide amount or the rotation amount as the operation amount may be used.
In this embodiment, the rack torque of the rack shaft is detected and the feedback control is performed based on the rack torque. However, the current flowing through the steering motor is detected and the feedback control is performed based on the motor current. Alternatively, feedforward control may be performed.
In the present embodiment, the neutral switch is provided only for the joystick according to the third embodiment. However, the neutral switch may also be provided for the joystick according to the first to second embodiments.
In this embodiment, a steering map is set according to the vehicle speed and a steering operation reaction force map is set according to the yaw rate. However, the steering map is set according to other vehicle behavior information such as the yaw rate. Alternatively, the steering operation reaction force map may be set according to other vehicle behavior information such as the vehicle speed. Also, although three steering maps (or steering operation reaction force maps) are set according to the vehicle speed (or yaw rate), more specifically, four or more steering maps (or steering maps) according to the vehicle speed (or yaw rate) are set. (Steering operation reaction force map) may be set, or one or two steering operation reaction maps (or steering operation reaction force maps) may be used.
In the present embodiment, the joystick is provided on the armrest of the right front door. However, the joystick may be provided at another location such as a center console.
[0199]
【The invention's effect】
Of the present inventionClaim 1In the vehicle steering apparatus according to the present invention, as the operation amount in the left-right direction of the joystick, it is only necessary to secure an operation amount that can be discriminated only in the steering direction of the steered wheels. Can be installed.
[0200]
Of the present inventionClaim 2In the vehicle steering apparatus according to the present invention, as the operation amount in the left-right direction of the joystick, it is only necessary to secure an operation amount that can be discriminated only in the steering direction of the steered wheels. Can be installed.
[0201]
Of the present inventionClaim 3Since the vehicle steering apparatus according to the present invention returns the steered wheels to the straight traveling state when the return operation means is operated, the steered wheels can be reliably returned to the straight traveling state even when the vehicle is at a very low speed or stopped, such as when entering the garage.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a first embodiment.(Reference example)1 is an overall configuration diagram of a driving operation device in which the vehicle steering device according to FIG.
2 is a partially broken side view of the tilt support mechanism of the joystick of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a partially broken plan view of the tilt support mechanism of the joystick of FIG. 1;
4 is a partially cutaway front view of the joystick return mechanism of FIG. 1; FIG.
5 is a configuration diagram of a brake control unit, a brake operation reaction force control unit, a throttle control unit, and a throttle operation reaction force control unit of the control device of FIG. 1;
6 is a configuration diagram of a steering control unit and a steering operation reaction force control unit of the control device of FIG. 1;
7 is a relationship diagram between the operation amount of the joystick in FIG. 1 and the output of each operation amount sensor; FIG. 7A shows the position of the joystick in the front-rear direction (operation amount in the front-rear direction) and the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor; (B) is a relationship diagram between the position of the joystick in the left-right direction (the amount of operation in the left-right direction) and the output of the steering operation amount sensor.
8 is a relationship diagram between the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor and each target control amount in FIG. 1, and (a) is a relationship diagram between the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor and the target brake fluid pressure; b) is a relationship diagram between the output of the acceleration / deceleration operation amount sensor and the target throttle opening.
FIG. 9 is a relationship diagram between an output of a steering operation amount sensor and a target rack torque according to the present embodiment.
FIG. 10 is a relationship diagram between an output of a steering operation amount sensor and a target steering operation reaction force according to the present embodiment.
FIG. 11 is an overall configuration diagram of a vehicle steering apparatus according to a second embodiment.
12 is a configuration diagram of a steering control unit and a steering operation reaction force control unit of the control device of FIG. 11;
13 is a relationship diagram between the forward position (forward operation amount) of the joystick of FIG. 11 and the output of the steering operation amount sensor.
14 is a diagram showing the relationship between the position of the joystick in the left-right direction (the amount of operation in the left-right direction) of FIG. 11 and the output of the steering direction sensor.
FIG. 15 is an overall configuration diagram of a vehicle steering apparatus according to a third embodiment.
16 is a configuration diagram of a steering control unit and a steering operation reaction force control unit of the control device of FIG. 15;
17 is a relationship diagram between a rearward position (reverse operation amount) of a steering operation amount lever provided in the joystick of FIG. 15 and an output of a steering operation amount sensor.
18 is a time chart when turning right at an intersection by the vehicle steering apparatus of FIG. 15, where (a) is a steering operation amount by a steering operation amount lever, and (b) is a steering direction by a joystick. , (C) is the turning angle of the steered wheels.
FIGS. 19A and 19B are time charts when the vehicle is steered to the right during parking by the vehicle steering apparatus of FIG. 15, FIG. 19A is a steering operation amount by a steering operation amount lever, and FIG. 19B is a steering by a joystick. (C) is the ON / OFF of the neutral switch, and (d) is the turning angle of the steered wheels.
20 is a time chart when the vehicle travels from right to left to straight forward by the vehicle steering apparatus of FIG. 15, where (a) is a steering operation amount by a steering operation amount lever and (b) is a joystick. The turning direction, and (c) is the turning angle of the steered wheels.
[Explanation of symbols]
1, 61, 71 ... Joystick (operating device)
4, 64, 74 ... Control device (control means)
4E, 64A, 74A ... Steering control unit
4F, 64B, 74B ... Steering operation reaction force control unit
5 ... Steering motor (actuator)
71d ... Steering operation amount lever (lever)
71e ... Neutral switch (returning means)
S1, S2, S3 ... Vehicle steering device
W: Steering wheel