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JP3876886B2 - 面発光型半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザ装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、横モード、偏波面を制御することのできる垂直キャビティの面発光レーザに関する。
光通信、光コンピュータなどの光源として高密度化された半導体レーザアレイが必要となっている。半導体レーザアレイは複数の半導体レーザを適当なピッチで配列し各々独立に駆動制御して、発光させるものである。従来から広く用いられてきた端面発光型のレーザは、発光効率が高いという利点があったが、同一基板上では一次元の並列化しかできないため、多数の半導体レーザを集積化した半導体レーザアレイを形成するのは困難であった。これに対し、面発光レーザは基板に対して垂直方向に光を出射するため、同一基板上に二次元的に並列化することができ、高精度かつ高密度のマトリックスアレイを得ることができるという利点があり、有望視されている。
面発光レーザの一つである垂直共振器型の面発光レーザは、活性層とスペーサ層とからなる中間層と、前記中間層を挟みこむ上下2組の分布帰還型反射膜(Distributed Brug Reflactor)からなり、前記DBRで共振器を形成し、基板に対して垂直方向に光を出射する半導体レーザである。端面発光型レーザにおいては電場ベクトルがxy面内にあるTE(transverse electric mode)モード、磁場ベクトルがxy面内にあるTM(transverse magnetic mode)モードの間の導波損および反射率の差のような偏波決定要因があるが、面発光レーザではその向きは不確定である。面発光レーザの発光面の形状が点対称である場合、個々の素子でランダムな方向を規定して使用する場合が殆どであるため、面発光レーザにおいても偏波を制御することが応用上非常に重要である。
垂直共振器型面発光レーザにおいて、偏波を制御しようとする試みは幾つかの報告がある。例えば異方形状を有する電極により、異方的な利得を与える利得導波路型面発光レーザの例がある。2つ以上の分割された電極によって発振するレーザAとレーザBとを有し、レーザBへのオン、オフによって2つの偏波方向を任意に制御できるようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。その他では、特許文献2に示されているように、光出射部に矩形の高屈折率導波部を設け、その長辺に平行な偏波を通す試みがある。さらに、非特許文献1および、特許文献3では、ポスト形状を任意の一組のポスト側面が平行であり、かつその辺が最も長くなるようにポスト形を作成することで、偏波制御を行うものである。レーザは図4に示す通り、インジウムガリウム砒素(InGaAs)からなる三重量子井戸活性層をガリウム砒素/アルミニウム砒素からなるDBRでサンドイッチした典型的なVCSEL構造である。これに短軸が<110>方向となるように配置された矩形のフォトレジストマスクを形成した後、塩素ガスを用いた反応性イオンビームエッチングにより上部半導体多層反射膜の一部を除去していわゆるポスト形状を形成する。さらに電流狭窄のためこのポスト部の直下を除く活性層をプロトン注入により非活性化(高抵抗化)した後、所定の位置にアノードおよびカソード電極を形成して完成する。また光出射の方向はこの基板の裏面側である。
また、偏波面の制御を目的としたものではないが、面発光型レーザの低しきい値化を図るため分布帰還型反射膜中に自然酸化膜を導入し、電流狭窄をおこなった例が非特許文献2に示されている。このレーザもまた図5に示すように、InGaAsからなる三重量子井戸活性層をGaAs/AlAsからなるDBRでサンドイッチした典型的なVCSEL構造である。ただし、p型DBRはGaAs/AlAsの1ペアで、GaAsが上層に位置している、プロセスはまずフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とをつかってp型GaAs層を30若しくは60μm形の円形に加工する。続いて露出したp型AlAs層を475℃に加熱した炉の中で約3分間熱処理する。この時、炉の中には窒素をキャリアガスとし、95℃に保たれた水蒸気が導入されている。露出したAlAs層は横方向から徐々に酸化され、最終的には、酸化されずに残った2〜8μm角の領域が形成される。酸化された領域は酸化アルミニウム化合物となり、殆ど電流を通さないから電流狭窄が可能となる。また、面発光レーザのさらなる低しきい値化をはかるため、DBR中に自然酸化膜を複数層導入し電流狭窄をおこなった例が、非特許文献3に示されている。このレーザは図6に示すように、上下のDBRがGaAs/AlAsの積層膜で形成されており、前記DBRをエッチングしてポストを形成した後、露出したAlAs層すべてを400℃に加熱した炉の中で熱処理する。この時、炉の中には窒素をキャリアガスとし、80℃に保たれた水蒸気が導入されている。露出したAlAs層は横方向から徐々に酸化され、最終的には15〜20μm角の領域が酸化されずに残る。酸化された領域は、酸化アルミニウムの化合物となり、殆ど電流を通さないから電流狭窄が可能となる。表面最結合電流がより抑制され、70μAの低しきい値を実現している。
特開平4ー242989号公報 特開平1ー265584号公報 特開平8ー181391号公報 「アプライドフィジクスレターズ(Appl.,Phys.,Lett.)」,第66巻,第8号,1995年,p.908−910, 「アプライドフィジクスレターズ(Appl.,Phys.,Lett.)」,第65巻,第1号,1994年,p.97−99, 「アイイーイーイー フォトニクス テクノロジー レターズ(IEEE,Photon.Technol.Lett.),第7巻,第11号,1995年,p.1234−1236,
しかしながら、特許文献1に示した利得導波型レーザにおいては、光の閉じこめが弱く光は発散しており、電極形状の変化で与えられる利得の異方性は非常に小さい。従って、偏波制御効果も小さいものと考えられる。またレーザAとレーザBの電極をL字型やT字型に配置したものは、偏光制御によってレーザビームが偏向するという欠点があり、十字型のものは偏向はしないものの、偏光制御のために2つのレーザにほぼ同等のしきい値以上の電流を流す必要があり、駆動電力が大きくなるという問題がある上、点対称になり易く、レーザビームを単一横モードに保ちにくいという問題がある。また、特許文献2に示される構造では、高屈折率導波部で効率よく光が閉じこめられるかは疑問であり、従って、導波制御効果も小さいと思われる。また、前述したアプライドフィジクスレターズに示された構造では,DBRの回折損失を利用して偏波面の制御をおこなったとしているが、発光に寄与しなかった電子・正孔再結合をはじめとする損失分は熱となって発生するため、ポスト部の体積が比較的小さいこの素子では放熱性が十分ではなく、光出力特性が制限を受ける。実際この論文の筆者等は短軸方向の形をこれ以上小さくしても電流しきい値は下がらないばかりか、かえって増加してしまったとしている。さらにこの構造ではプロトン注入時の制約から電流狭窄部のアパーチャ径をポスト部の径より小さくするのが難しいという問題に加え、活性領域とプロトン注入領域界面での非発光再結合も無視することができない。従って活性領域へのキャリアの注入効率が高くないため、低しきい値化には限界がある。
また、非特許文献1乃至3に示された例では、AlAs層の酸化速度は組成とドーピング濃度が決まれば一意的に決まるはずであるが、酸化速度のばらつきがある。AlAs層が酸化されてAlxyに変化する際に体積変化があり、この影響が酸化の活性化エネルギーに影響するのは自明のことであり、それによると思われる酸化速度のばらつきがあり、電流が通過する領域の径が不揃いになるという傾向があった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、光出力特性に特別の影響を与えることなく、偏波面制御を行うことのできる、面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
そこで本発明の特徴は、半導体基板上に下部半導体多層反射膜、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、少なくとも、光出射口方向に向かうに従ってxが次第に小さくなるように、順次AlxGa1-xAs層を、断続的に含むように形成された上部半導体多層反射膜とを順次積層する工程と、少なくとも下部スペーサ層に達するまでエッチングし、所望の形状の半導体柱を形成する工程と、前記断続的に形成されたAlxGa1-xAs層を、前記半導体柱の外壁から所望の深さまで酸化する選択酸化工程とを含み、少なくとも前記上部半導体多層反射膜が、光出射口方向に向かうに従って活性層からの出射光に対してその周囲の領域と反射率の異なる開口領域を有する反射膜層を断続的に含むように形成したことを特徴とする。
本発明によれば、高効率の電流狭窄効果を有するとともに、光導波路を形成すべく反射率を変化させる部位を有してなる、反射膜層が、光活性領域近傍から出射口まで断続的に設けられているため、均一で制御性よく、再現性の高い実効的導波路を形成することが可能となる。
また、前記反射率の異なる領域を、半導体基板に対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長辺とを有してなる矩形をなすように構成すれば、横モードを安定させながら偏波面を効率よく制御することができる。
さらにこの導波路は発光部と同等の大きさの光の伝搬空間を維持して出射口まで導くため、低しきい値で、活性層からの光の偏波面の安定性が高められる。また発生する熱を比較的体積の大きいメサ構造部に放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたって光出力特性を劣化させることなく、偏波面を安定化することが可能となる。
さらにまた、光閉じこめ層のアパーチャー径を活性領域から離れるに従って大きくなるようにしているため、光効率の電流狭窄効果を得ることができるとともに、発光部からの光の伝搬空間の平面的な大きさが急激に広がることなく、徐々に上側に開いている形の導波路がDBR内に均一性よく形成され、低しきい値で活性層からの光の偏波面の安定性を高めることが可能となる。
また、これらの光閉じこめ層は、AlAsあるいはAlGaAs層の選択酸化によって容易に形成されるが、酸化による体積変化が大きく、膜厚の厚い層を形成する場合、歪が発生したり、アパーチャー径の寸法精度が低下したりする虞があるが、薄い層を離間して多層に配設し、これを酸化すればよいため、酸化による体積変化に起因する歪の問題もない。また、離間して多層の光閉じこめ層が形成されているため、効果についても、連続的に形成されている状態に近いものとなる。
さらに、これらの光閉じこめ層で形成される導波路が異方的となるように配置されているため、導波路の中で導波路断面の長辺で決まる0次のTEモードが最初に支配的になり、この時、導波路断面の短辺と平行な偏波を効率よく得ることができる。すなわち、電流注入領域内でもっとも距離の短い方向に偏波を制御することができることになる。
また、光の閉じこめ状態が強いほど出射ビームの広がり角が大きくなるので、互いにアパーチャー径の広がる複数の(酸化アルミニウム層からなる)絶縁性の光閉じこめ層によって電流分布を制御するのみならず、発光部からの光の伝搬空間の平面的な大きさが急激に広がらないような上側に開いている形の導波路がDBR内に制御性よく形成されているため、低しきい値で、活性層からの光の横モードおよび偏波面をより安定化することができる。
このように、本発明によれば、偏波面を安定化させることができる。またその方法は簡便で再現性が高く、レーザ特性を劣化させるおそれもない。
また本発明では、通常の水蒸気を用いた選択酸化において、AlxGa1-xAs層はアルミニウム含有量すなわちxが大きくなるほど、酸化速度は増し、酸化されずに残るアパーチャ径は、光出射口方向に向かうに従って次第に大きくなる。従って極めて容易に、上記構成が形成可能となる。
本発明によれば、均一で制御性よく、再現性の高い実効的導波路を形成することが可能となる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1の実施例の面発光型半導体レーザ装置の上面図、その断面図である。
この面発光型半導体レーザ装置は、p型のAl0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7Asからなる上部多層反射膜8のAl0.9Ga0.1As層が入るべき領域にAlAs層7が飛び飛びの周期で挿入され、このAlAs層7が中心部を残して半導体柱の周囲から選択的に酸化され、電流狭窄機能を具備した光閉じこめ層6と化し、上部多層反射膜8中に断続的な光閉じこめ層を具備したことを特徴とする。すなわち、このレーザ装置は、n型ガリウムヒ素(GaAs)基板1上に形成されたn型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As下部半導体多層反射膜2と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる下部スペーサ層3と、アンドープのAl0.11Ga0.89量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁層とからなる量子井戸活性層4と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる上部スペーサ層5と、p型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As上部半導体多層反射膜8と、p型GaAsコンタクト層9とが順次積層せしめられ、活性層4に到達する深さまで、エッチングがなされポスト13を構成している。そして表面にはCr/Auからなるp側電極10が円形の枠状をなすように形成されるとともに、基板裏面にはAu−Ge/Auからなるn側電極11が形成されている。
ここでn型下部半導体多層反射膜2は、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.7Ga0.3AsGaAs層とをそれぞれ膜厚λ/(4nr)(λ:発振波長,nr:媒質の屈折率)で約40.5周期積層することによって形成されたもので、シリコン濃度は 2×1018cm-3である。下部スペーサ層は、アンドープのAl0.6Ga0.4As層から構成され、また、量子井戸活性層は、 アンドープのAl0.11Ga0.89量子井戸層(膜厚8nm×3)とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁層(膜厚5nm×4)との組み合わせ、上部スペーサ層は アンドープAl0.6Ga0.4Asから構成されており、膜厚は全体でλ/nrの整数倍とする。上部半導体多層反射膜8の最下層はp型のAlAs層7となっており、Al0.9Ga0.1As層が入るべき領域にAlAs層7が飛び飛びの周期で挿入され、膜厚λ/(4nr)で、カーボン濃度は 3×1018cm-3である。また、上部半導体多層反射膜8は、 p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.7Ga0.3AsGaAs層とをそれぞれ膜厚 λ/(4nr) (λ:発振波長,nr:屈折率)で交互に30周期積層することによって形成されたもので、カーボン濃度は3×1018cm-3である。最後にp型コンタクト層9は膜厚5nmで、カーボン濃度は1×1020cm-3である。
次にこの面発光半導体レーザの製造工程について説明する。
まず、有機金属気相成長(MOCVD)法により、シリコンドープのn型GaAs(100)基板1上に、n型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As下部半導体多層反射膜2と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる下部スペーサ層3と、アンドープのAl0.11Ga0.89量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁層とからなる量子井戸活性層4と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる上部スペーサ層5と、Al0.9Ga0.1As層が入るべき領域にAlAs層7が飛び飛びの周期で挿入されたp型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As上部半導体多層反射膜8と、p型GaAsコンタクト層9とを積層する。
そしてフォトリソグラフィーにより結晶成長層上にレジストマスクを形成し、三塩化ホウ素と塩素ガスをエッチングガスとしてもちいた、反応性イオンエッチングにより、活性層4の表面までエッチングし、直径20μm程度のポスト(半導体柱)13を形成する。
この後、水蒸気下で420℃10分の熱処理を行い、断続的に形成されたAlAs層7は酸化されAl23層6と化す。この時半導体多層反射膜の他の層の酸化速度はAlAsに比べて著しく遅く殆ど酸化しないと考えてよい。
次に、必要に応じてポリイミド膜などを塗布し、半導体柱の周りを埋め、表面の平坦化をはかった後、電極を形成する。
ここで、上部半導体多層反射膜8の周期数を下部半導体多層反射膜2の周期数よりも少なくしているのは、反射率に差をつけて出射光を基板上面から取り出すためである。ドーパントの種類についてはここで用いたものに限定されることなく、n型であればセレン、p型であれば亜鉛やマグネシウムなどを用いることも可能である。周期については光の取り出し方向を基板表面側、裏面側のいずれに取るかで決定され、周期が増えるにつれて反射率は高くなる。上部DBR8とp側電極9との間にSiO,SiN、SiON、ポリイミド等の層間絶縁膜を挿入して、p側電極9と上部半導体多層反射膜8との絶縁をはかるようにしてもよい。 電流経路12はAlAs層7を選択酸化により高抵抗化することで形成され、平面的には円形であり、立体的には円柱となるまた、n型DBRにも同様に、光閉じこめ層を形成してもよい。ここでは、発振波長λ:780nmのレーザ光を取り出すように設計した。
この構成によれば、偏波面を制御するために反射率を変化させる領域を活性領域近傍から出射口まで断続的に設けたことにより、高効率の電流狭窄効果に供すると共に、偏波面を制御するために形成される反射率変化領域の大きさを高精度に制御することができ、実効的な導波路が効率よく形成される。また、前記導波路は、発光部と同等の大きさの光の伝搬空間を維持して光を出射口まで導くので低しきい値で活性層からの光の横モード、偏波面の安定性が高められる。また、発生する熱を比較的体積の大きい半導体柱を形成するDBR8に放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたって光出力特性を劣化させることなく光の横モード、偏波面を安定化することが可能となる。
なお、各半導体層は有機金属気相成長法、分子線エピタキシー(MBE)法などによって形成すれば良い。
このようにして作製された面発光型半導体レーザ装置の動作は、以下に示すごとくである。ここで、p側電極10から注入されたキャリアの通路は断続的に形成された酸化アルミニウム層(反射率変化領域)で規定されており、量子井戸層に注入されたキャリアは電子−正孔再結合により光を放出し、この光は上部と下部の半導体多層反射膜によって反射され、利得が損失を上回ったところでレーザ発振を生ずる。このとき断続的に形成された反射率変化領域で囲まれた領域に導かれ、発振レーザ光は基板表面に設けられた、p側電極10の窓部から出射される。
なお、ポストの形状およびアパーチャの形状、各電極の形状および大きさについても、これに限定されることなく、適宜変更可能である。
例えば本発明の第2の実施例として図2に示すように、ポストを四角柱で構成し、アパーチャを、短軸と長軸との比が5:6から1:6の矩形となるようにしてもよい。これにより、より良好に偏波制御を行うことが可能となる。図2は本発明の第2の実施例の面発光型半導体レーザ装置の上面図、そのX軸方向断面図およびY軸方向断面図である。
次に本発明の第3の実施例の面発光型半導体レーザ装置について、図面を参照しつつ説明する。図3は本発明の第3の実施例の面発光型半導体レーザ装置の上面図、そのX軸方向断面図およびY軸方向断面図である。
前記第1および第2の実施例では、断続的に形成された酸化アルミニウム層(反射率変化領域)のアパーチャー径は、一定にしたが、この例では図3に示すように、光出射方向に向かって次第に広がるように形成したことを特徴とする。他の構成については、前記第1および第2の実施例とまったく同様に形成されている。
この面発光型半導体レーザ装置は、p型のAl0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7Asからなる上部多層反射膜28のAl0.9Ga0.1As層が入るべき領域にAlxGa1-xAs(x=0.96〜1)層27が飛び飛びの周期で挿入され、このAlxGa1-xAs層27が中心部を残して半導体柱の周囲から選択的に酸化され、電流狭窄機能を具備した光閉じこめ層26と化し、上部多層反射膜8中に断続的な光閉じこめ層を具備したことを特徴とする。ここでAlxGa1-xAs(x=0.96〜1)層27は、光出射口方向に向かうに従ってxは次第に小さくなり、アパーチャ径は、光出射口方向に向かうに従って次第に大きくなっている。
すなわち、このレーザ装置は、n型ガリウムヒ素(GaAs)基板21上に形成されたn型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As下部半導体多層反射膜22と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる下部スペーサ層23と、アンドープのAl0.11Ga0.89量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁層とからなる量子井戸活性層24と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる上部スペーサ層25と、p型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As上部半導体多層反射膜28と、p型GaAsコンタクト層29とが順次積層せしめられ、活性層24に到達する深さまで、エッチングがなされポスト33を構成している。そして表面にはCr/Auからなるp側電極30が矩形の枠状をなすように形成されるとともに、基板裏面にはAu−Ge/Auからなるn側電極31が形成されている。
ここでAlxGa1-xAs(x=0.96〜1)層27は、光出射口方向に向かうに従ってxは次第に小さくなるように形成されており、これに選択酸化が施されアパーチャを残して酸化アルミニウム層が形成される。この方法では、通常の水蒸気を用いた選択酸化により、アルミニウム含有量すなわちxが大きくなるほど、酸化速度は増し、酸化されずに残るアパーチャ径は、光出射口方向に向かうに従って次第に大きくなっている。実際には短軸と長軸との比が5:6から1:6の矩形である。そして、立体的には上側に開いている型となる。
ここでn型下部半導体多層反射膜22、下部スペーサ層23、量子井戸活性層24、上部スペーサ層25、上部半導体多層反射膜28は、前記第1および第2の実施例と同様の組成を有している。
ここでも、発振波長λ:780nmのレーザ光を取り出すように設計した。この構成によれば、偏波面を制御するために反射率を変化させる領域を活性領域近傍から出射口まで断続的に設けたことにより、高効率の電流狭窄効果に供すると共に、偏波面を制御するために形成される反射率変化領域の大きさを高精度に制御することができ、実効的な導波路が効率よく形成される。また、前記導波路は、発光部からの光の伝搬空間の平面的な大きさが急激に広がることなく徐々にDBR8内で上に向かって開いている導波路がDBR内に均一性よく形成され、低しきい値で、活性層からの光の横モード、偏波面の安定性を高めることができる。また、発生する熱を比較的体積の大きい半導体柱を形成するDBR8に放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたって光出力特性を劣化させることなく光の横モード、偏波面を安定化することが可能となる。
なおBB軸方向に沿った偏波を得たい場合には、p側電極をAA軸方向に長くした矩形形状をなすように形成すればよい。
なお、この例では、BB軸方向の電流分布が狭くなるように構成されているためBB軸方向に偏波した光を得ることができる。
なお、前記実施例では、量子井戸活性層を構成する材料としてGaAs/AlGaAs系半導体を用いたが、これに限定されることなく、例えば量子井戸活性層にGaAs/InGaAs系あるいは、InP/InGaAsP系半導体を用いることも可能である。なお、本発明の構成要件を満足する範囲内で他の方法によっても実現可能であることはいうまでもない。
以上説明してきたように、本発明によれば、高効率の電流狭窄効果を有するとともに、光導波路を形成すべく反射率を変化させる部位を有してなる、反射膜層が、光活性領域近傍から出射口まで断続的に設けられているため、均一で制御性よく、再現性の高い実効的導波路を形成することが可能となる。
また、前記反射率の異なる領域を、半導体基板に対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長辺とを有してなる矩形をなすように構成すれば、横モードを安定させながら偏波面を効率よく制御することができる。
さらにこの導波路は発光部と同等の大きさの光の伝搬空間を維持して出射口まで導くため、低しきい値で、活性層からの光の偏波面の安定性が高められる。また発生する熱を比較的体積の大きいメサ構造部に放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたって光出力特性を劣化させることなく、偏波面を安定化することが可能となる。
さらにまた、光閉じこめ層のアパーチャー径を活性領域から離れるに従って大きくなるようにしているため、低抵抗で高効率の電流狭窄効果を得ることができるとともに、発光部からの光の伝搬空間の平面的な大きさが急激に広がることなく、徐々に上側に開いている形の導波路がDBR内に均一性よく形成され、低しきい値で活性層からの光の偏波面の安定性を高めることが可能となる。
本発明の第1の実施例の面発光型半導体レーザ装置を示す図 本発明の第2の実施例の面発光型半導体レーザ装置を示す図 本発明の第3の実施例の面発光型半導体レーザ装置を示す図 従来例の面発光型半導体レーザ装置を示す図 従来例の実施例の面発光型半導体レーザ装置を示す図 従来例の実施例の面発光型半導体レーザ装置を示す図
符号の説明
1 n型ガリウムひ素(GaAs)基板
2 n型下部半導体多層反射膜
3 下部スペーサ層
4 活性層
5 上部スペーサ層
6 AlAs層
8 上部半導体多層反射膜
9 p型GaAsコンタクト層
10 p側電極
11 n側電極
12 電流通路
13 ポスト
21 n型ガリウムひ素(GaAs)基板
22 n型下部半導体多層反射膜
23 下部スペーサ層
24 活性層
25 上部スペーサ層
26 AlxGa1-xAs層
28 上部半導体多層反射膜
29 p型GaAsコンタクト層
30 p側電極
31 n側電極
32 電流通路
33 ポスト

Claims (2)

  1. 下部半導体多層反射膜、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、光出射口方向に向かうに従ってxが次第に小さくなるようにAlxGa1-xAs層を断続的に配設した上部半導体多層反射膜とを半導体基板上に順次積層する工程と、
    前記AlxGa1-xAs層が断面に露呈する半導体柱を形成する工程と、
    前記半導体柱の断面または周囲から露呈する前記AlxGa1-xAs層に水蒸気を含むガスを接触させて、該AlxGa1-xAs層の一部を酸化する酸化工程と
    有し、
    前記酸化工程は、前記半導体柱の周囲から露呈する前記Al x Ga 1-x As層を酸化させて、該Al x Ga 1-x As層に前記活性層からの出射光に対して反射率が異なる領域を形成する
    ことを特徴とする面発光型半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 前記反射率の異なる領域は、半導体基板に対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長辺とを有してなる矩形をなすように構成したことを特徴とする請求項1記載の面発光レーザ装置の製造方法。
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