JP3844310B2 - 金属捕集剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は廃水、ゴミ焼却場における廃ガス、或いはゴミ焼却等で得られる煤塵、鉱山で得られる鉱滓、廃水処理に用いた汚泥、汚染された土壌等の金属を含む固体状廃棄物等の処理に用いられる金属捕集剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃水等に含まれる金属、特に人体に有害な水銀、カドミウム、亜鉛、鉛、銅、クロム等の重金属に対しては厳しい規制が設けられており、これまで廃水等に含まれる金属を除去するために種々の方法が検討されてきた。
【0003】
例えば廃水に消石灰、水酸化ナトリウム等のアルカリを投入して廃水中の金属を水酸化物とした後、高分子凝集剤によって凝集沈殿させる中和凝集沈殿法、或いはイオン交換法、電解浮上法、電気透析法、吸着法、逆浸透法等が知られている。
【0004】
しかしながら中和凝集沈殿法は大量の金属水酸化物のスラッジが発生し、このスラッジの脱水性が悪く、スラッジ容積が大きいためにスラッジ処理の際の作業性(例えば、運搬作業性等)が悪く、しかもスラッジの廃棄の仕方によっては、金属が河川、海水中に再溶出して二次公害を引き起こす等の問題もあった。また中和凝集沈殿法によって、廃水中の金属濃度を国の制定基準値以下まで除去することは容易ではなかった。
【0005】
一方、イオン交換法、電解浮上法、電気透析法、吸着法、逆浸透法等の方法も、金属の除去率や、操作性、ランニングコスト等に問題があり、一部の特種な廃水処理にしか利用されていなかった。このため、近年は上記の方法にかわって、金属捕集剤によって廃水中の金属を捕集除去する方法が広く利用されるようになっている。
【0006】
廃水処理に用いられる金属捕集剤としては、ジチオ酸基やジチオ酸塩基を官能基として有する化合物が知られている。本出願人は、金属を捕集して形成したフロックの沈降速度が速く、廃水処理を効率良く行うことができるものとして、先にエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンや、ポリエチレンイミン等のポリアミン類の窒素原子に、ジチオ酸基やジチオ酸塩基を結合せしめた構造の金属捕集剤や、この捕集剤を用いた廃水処理方法等を提案している(例えば、特開昭60−17128号、特開平2−81478号等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
金属捕集剤による廃水処理は、金属捕集剤を廃水に添加し、廃水中の金属を金属捕集剤が捕集して生成したフロックを沈殿させて除去することによって行われる。金属捕集剤は、一般に親水性に優れるもの程、金属捕集能に優れているが、金属捕集剤が金属を捕集して生成したフロックは親水性が低い程、沈殿し易い。このため金属捕集剤には、金属捕集前は親水性に優れ、金属捕集後には親水性が低下するような性状を有することが要求され、従来の金属捕集剤はこのような観点から開発されているのが現状である。
【0008】
金属捕集剤によって廃水処理する方法において、廃水中の金属を捕集して生成したフロックが微細であるとフロックの沈殿に長時間を要し、効率良い処理が行い得ない。このためフロックを凝集せしめて沈殿し易くする目的で凝集剤が併用されている。しかしながら凝集剤はフロックの親水性が高い程、フロック粒子と結合して凝集させる作用を発現するが、従来の金属捕集剤は金属を捕集して生成したフロックが低親水性となるような性状を有しているため、凝集剤を添加した効果が充分に発現されているとは言い難かった。また従来用いられている金属捕集剤は、合成原料を主体とするものであるため、安全性の上でも充分とは言い難かった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、従来の金属捕集剤とは概念を全く異にし、金属捕集前の親水性に優れるとともに、金属を捕集して生成したフロックの親水性が低下しないような性状を有し、しかも安全性に優れた金属捕集剤を提供することを目的とする。また本発明はこの金属捕集剤を用いて金属を含む廃水を処理する方法及び、金属を含む固体状廃棄物を処理する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明の金属捕集剤は、糖類に結合した、(1)式又は(2)式で示す基の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0011】
【化3】
(但し、Oは糖類の水酸基に由来の酸素原子、Mは水素又は炭素数1〜28のアルキル基、R1 は錯形成官能基、R3 は水素又は炭素数1〜18のアルキル基、nは1〜4の整数を示す。)
【0012】
【化4】
(但し、Oは糖類の水酸基に由来の酸素原子、R 1 、R2は錯形成官能基を示し、R1、R2は同一であっても異なっていても良い。また、R3は水素又は炭素数1〜18のアルキル基、nは1〜4の整数を示す。)
【0013】
上記(1)式、(2)式においてR1 、R2 で示す錯形成官能基としては、カルボン酸基、リン酸基、アミノ酸基、イミノ酸基、酸ヒドラジド基、スルホン酸基、アミドキシム基、イミドキシム基、ジチオ酸基、チオ基等やこれらの基のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。
【0014】
本発明の金属捕集剤としては、1分子中に上記(1)式で示す基のみを有するもの、(2)式で示す基のみを有するもの、(1)式で示す基と(2)式で示す基の両方を有するものが挙げられ、これらは単独又は任意に混合して用いることができる。
【0015】
本発明の金属捕集剤のベースとなる糖類としては、単糖類、二糖類、多糖類が挙げられる。単糖類としては、例えばブドウ糖、グルコン酸、ソルビトール、サッカリン酸、グルクロン酸、マンノース、ガラクトース、フラクトース、D−アロース、アルトース、グロース、イドース、タロース等が挙げられる。二糖類としては、例えば麦芽糖、乳糖、ショ糖等が挙げられる。また多糖類としては、例えばデンプン、セルロース、ペクチン、アルギン酸等が挙げられる。
【0016】
また上記糖類にアルキル基、β−ヒドロキシアルキル基、アシル基、アルキルフェニル基、アルキル置換ヒドロキシアルキル基等を置換基として導入したものも使用することができる。更に硝酸等で処理した糖酸類、部分還元してカルボニル基を導入したものも使用できる。更にまた上記糖類にエポキシ化合物を反応させたものも使用できる。エポキシ化合物としては、エチレンオキシドや、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、1,2-エポキシアルカン等の炭素数1〜60のアルキレンオキシド類、スチレンオキシド等の芳香族オキシド類等が挙げられる。
【0017】
本発明の金属捕集剤を製造するには種々の方法があるが、(1)式、(2)式における錯形成官能基(R1 やR2 )がジチオ酸基である金属捕集剤は、例えばデンプン等の糖類にアクリロニトリルを付加した後、シアノ基をアミノ基に還元したものに、二硫化炭素を反応させることにより得られる。上記二硫化炭素を反応させた後、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム等のアルカリで処理するか、これらアルカリの存在下で二硫化炭素を反応させることにより、ジチオ酸基のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等を官能基とする金属捕集剤が得られる。上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が、アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が一般に用いられる。
【0018】
上記糖類にアクリロニトリルを付加する反応において、アクリロニトリルの代わりにアリルアミン又はジアリルアミンを用いることもでき、この場合にはシアノ基をアミノ基に還元する工程を省略できる。本発明の金属捕集剤は、糖類の水酸基に由来する酸素原子部分に、上記(1)式又は(2)式で示す基が導入された構造のものであり、1分子中に(1)式で示す基、(2)式で示す基のどちらか一方のみを有していても、両方の基を有していても良い。本発明の金属捕集剤は、上記(1)式、(2)式で示す基の少なくとも一方を、1分子中に少なくとも1個有することを必須とするものであるが、1分子中に含有される(1)式及び/又は(2)式の基の、ベースとなる糖類の元の水酸基の数に対する割合が、5%以上、特に好ましくは10%以上となることが好ましい。
【0019】
本発明の金属捕集剤は、工場やゴミ処理場等から排出される金属を含む廃水や、ゴミ焼却場、火力発電所等から排出される廃ガス中の金属の捕集除去、ゴミ焼却場においてゴミ焼却の際に発生する飛灰(集塵方法の違いによって、MC灰、EP灰、サイクロン灰、スクラバー灰、バッグフィルター灰等がある。)や残灰等の焼却灰、鉱山から排出される鉱滓、廃水処理場等における汚泥、或いは工場跡地等の汚染された土壌の如き金属を含む固体状廃棄物中の金属の固定化等の処理に利用することができる。
【0020】
本発明の金属捕集剤によって廃水を処理する方法としては、廃水中に本発明捕集剤と、必要に応じて凝集剤を添加し、金属捕集剤が廃水中の金属を捕集して生成したフロックを沈殿濾過して廃水から分離する方法が採用される。フロックを分離除去後の廃水は河川等に排出することが可能である。本発明の捕集剤で廃水処理する場合、金属捕集効果を高めるために、廃水のpHを3〜13程度に調整しておくことが好ましい。廃水のpHを調整するには、例えば塩酸、硫酸、硝酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリが使用される。
【0021】
本発明捕集剤による廃水処理方法において、生成したフロックが沈殿し易くするために必要により凝集剤を併用することができる。凝集剤としては、無機凝集剤及び/又は有機凝集剤が用いられる。無機凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化鉄、硫酸鉄、消石灰等が用いられる。また有機凝集剤としては、通常ポリアクリルアミド系の高分子凝集剤が用いれる。ポリアクリルアミド系の高分子凝集剤としては、アクリルアミド重合体、アクリルアミド・アクリル酸(塩)・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)共重合体、アクリルアミド・(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド重合体等の、ノニオン性、アニオン性、弱カチオン性重合体が使用される。
【0022】
廃ガス処理の方法としては、捕集剤を水に希釈して廃ガスに噴霧したり、捕集剤を水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム等の酸性ガス吸着剤粉末と混合し、この混合粉末を廃ガスに噴霧する等の方法が採用される。
【0023】
また固体状廃棄物の処理方法としては、固体状廃棄物表面に本発明の金属捕集剤またはその水溶液を散布し、金属捕集剤を固体廃棄物中に浸透させるか、本発明の金属捕集剤と必要により少量の水とを固体廃棄物に添加して混練する方法等が採用される。固体廃棄物の処理に際しても、必要に応じて酸性物質やアルカリ性物質を併用することが好ましい。金属を含む固体廃棄物を本発明の捕集剤で処理すると、固体物質中の金属が本発明の金属捕集剤によって強固に固定化され、固体物質中から溶離し難くなるため、処理後の固体廃棄物は地中に埋設して安全に処理することができる。
【0024】
上記した本発明の金属捕集剤を用いた廃水や廃ガス、固体状廃棄物の処理において、廃水や廃ガス、固体状廃棄物に本発明の金属捕集剤を添加する際に、硫化ナトリウム類を併用することができる。硫化ナトリウム類としては、一硫化ナトリウム、二硫化ナトリウム、三硫化ナトリウム、四硫化ナトリウム、五硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム等が挙げられるが、なかでも一硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウムが好ましい。これら硫化ナトリウム類は混合して用いることができる。金属捕集剤とともに硫化ナトリウム類を併用する場合、両者の混合比率は重量比で、金属捕集剤:硫化ナトリウム類=20:80〜95:5、特に40:60〜95:5が好ましい。金属捕集剤とともに硫化ナトリウム類を併用すると、更に金属捕集能、金属固定化能が高められる。
【0025】
また本発明の金属捕集剤により廃水や廃ガス、固体状廃棄物を処理する際に、本発明の金属捕集剤とともに、一般的に用いられている他の金属捕集剤と併用することもできる。
【0026】
本発明の金属捕集剤は、特に水銀、カドミウム、亜鉛、銅、クロム、砒素、金、銀、白金、バナジウム、セレン、アンチモン、タリウム等や、その化合物の捕集性能に優れ、本発明金属捕集剤は、これらを含む廃水、廃ガス、固体廃棄物の処理に特に好適である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、以下の実施例、比較例で使用した処理剤は、以下の通りである。
【0028】
・金属捕集剤A:麦芽糖の水酸基の酸素原子部分に導入された、(1)式で示す基(R1 :ジチオ酸基のナトリウム塩)を有する化合物(麦芽糖の水酸基に対する(1)式で示す基の置換率17%)
・金属捕集剤B:デンプンの水酸基の酸素原子部分に導入された、(1)式で示す基(R1 :メチルリン酸基のカリウム塩)を有する化合物(デンプンの水酸基に対する(1)式で示す基の置換率30%)
【0029】
・金属捕集剤C:ブドウ糖の水酸基の酸素原子部分に導入された、(2)式で示す基(R1 、R2 :ジチオ酸基のリチウム塩)を有する化合物(ブドウ糖の水酸基に対する(2)式で示す基の置換率67%)
・金属捕集剤D:アルギン酸の水酸基の酸素原子部分に導入された、(2)式で示す基(R1 、R2 :カルボン酸基のナトリウム塩)を有する化合物(アルギン酸の水酸基に対する(2)式で示す基の置換率46%)
【0030】
・金属捕集剤E:ガラクトースの水酸基の酸素原子部分に導入された、(1)式で示す基(R1 :メチルリン酸基のカルシウム塩)と、(2)式で示す基(メチルリン酸基のカルシウム塩)とを有する化合物((1)式の基:(2)式の基=90:10、ガラクトースの水酸基に対する(1)式と(2)式の基の合計の置換率98%)
・金属捕集剤F:ショ糖の水酸基の酸素原子部分に導入された、(1)式で示す基(ジチオ酸基のアンモニウム塩))と、(2)式で示す基(ジチオ酸基のアンモニウム塩)とを有する化合物((1)式の基:(2)式の基=80:20、ショ糖の水酸基に対する(1)式と(2)式の基の合計の置換率83%)
【0031】
・金属捕集剤G:ジメチルアミンに二硫化炭素を反応させて得た、官能基としてジチオ酸基のナトリウム塩を1分子中に1個有する有する化合物
・金属捕集剤H:ジエチレントリアミンに二硫化炭素を反応させて得た、官能基としてジチオ酸基のナトリウム塩を1分子中に2個有する有する化合物
【0032】
実施例1〜6、比較例1〜2
水銀0.8mg/l、鉛6.9mg/l、ニッケル1.8mg/l、亜鉛10.4mg/lを含むpH=6.2の廃水1000mlに対し、表1に示す金属捕集剤の水溶液を、金属捕集剤が固型分として17mg添加されるように添加して10分間攪拌した。フロック除去後の廃水中に残存する金属イオン濃度を原子吸光分析法によって測定した結果を表1にあわせて示す。
【0033】
【表1】
【0034】
また生成したフロックからの金属の溶出試験を行った。フロックからの金属の溶出試験は、環境庁告示13号の方法に基いて行った。結果を表1にあわせて示す。
【0035】
実施例7〜12、比較例3〜4
鉛5680mg/kg、水銀554mg/kgを含有する、ゴミ焼却場から得た飛灰(EP灰)200gに、表2に示す金属捕集剤の水溶液を、金属捕集剤が固型分として2.2g添加されるように添加し、20分間充分混練した。上記のようにして処理した処理後の飛灰50gを、pH=5に調整した純水500ml中で、常温にて100分間振とうして未捕集金属の溶出試験を行った。水中に溶出した金属濃度を原子吸光分析法によって測定した結果を表2にあわせて示す。また金属捕集剤による処理を施していない未処理飛灰について上記と同様の試験を行った(参考例1)。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
実施例13〜18、比較例5〜6
クロム3970mg/kg、ニッケル5840mg/kg、鉄13540mg/kgを含有する、150gの鉱滓の表面に、表3に示す金属捕集剤(水溶液)を固型分の添加量が1.7gとなるように吹き付け、100分間放置した。上記のようにして処理した処理後の鉱滓50gを、pH=7に調整した純水500ml中で、常温にて60分間振とうして未捕集金属の溶出試験を行った。水中に溶出した金属濃度を原子吸光分析法によって測定した結果を表3に示す。また金属捕集剤による処理を施していない未処理鉱滓について上記と同様の試験を行った(参考例2)。結果を表3にあわせて示す。
【0038】
【表3】
【0039】
実施例19〜24、比較例7〜8
鉛356mg/kg、水銀73mg/kg、クロム565mg/kg、鉄7860mg/kgを含有する、500gの汚泥(含水率74%)の表面に、表4に示す金属捕集剤(水溶液)を、固型分の添加量が1.8gとなるように吹き付け、80分間放置した。上記のようにして処理した処理後の汚泥50gを、pH=6に調整した純水500ml中で、常温にて100分間振とうして未捕集金属の溶出試験を行った。水中に溶出した金属濃度を原子吸光分析法によって測定した結果を表4にあわせて示す。また金属捕集剤による処理を施していない未処理汚泥について上記と同様の試験を行った(参考例3)。結果を表4にあわせて示す。
【0040】
【表4】
【0041】
実施例25〜30、比較例9〜10
水銀0.9mg/Nm3 、ダストを3g/Nm3 含有する170℃の廃ガス(10570Nm3 /時間)に、表5に示す金属捕集剤の水溶液を、金属捕集剤が固型分として1.4mg/Nm3 の割合で供給されるように煙路中に噴霧し、廃ガス中の水銀と金属捕集剤とを反応させた後、バックフィルターにて捕集した。金属捕集剤を噴霧後の廃ガス中の水銀濃度を測定した結果を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【発明の効果】
本発明の金属捕集剤は、糖類の水酸基に由来する酸素原子部分に(1)式、(2)式で示す官能基を有し、この官能基中にはエーテル結合を有しているため、本発明の金属捕集剤で廃水を処理した場合、金属捕集剤が金属を捕集して生成してフロックは、従来の金属捕集剤を用いた場合のように親水性が低下せず、この結果、凝集剤を併用した場合、凝集剤によるフロック凝集作用が充分に発揮される。また本発明の金属捕集剤は天然物である糖類を原料としているため、安全性に優れる。更に本発明の金属捕集剤を、金属を含む固体状廃棄物の処理に利用した場合、固体状廃棄物中の金属確実に固定化することができる。
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