JP3724841B2 - Thermal stabilization method for filtration membrane - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は非晶性芳香族ポリエーテルケトン(以下、PEKと略す。)濾過膜の熱安定化方法に関する。さらに詳しくは、耐熱性、耐薬品性、低溶出性に優れ、且つ高温での使用が可能で熱安定性に優れ、限外濾過膜や精密濾過膜として有用な結晶性PEK濾過膜を提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体等の電子工業用超純水、医療機器、医薬、食品用途等での濾過や滅菌等に高分子からなる分離膜が広く用いられており、その用途分野と使用量は拡大の傾向にある。その中で、耐熱性や耐薬品性の向上など次第に高度な膜性能が要求されてきている。例えば、半導体用超純水用途では、膜素材からイオン成分や有機物等の溶出が少なく、耐熱性、耐薬品性に優れた膜、また火力発電所や原子力発電所においては、100℃をこえる復水中のクラッド(主に鉄を主成分とする微粒子)を長時間安定的に除去可能な耐熱性に特に優れた膜等が求められている。
【0003】
一方、分離膜素材については、従来よりセルロースアセテート等のセルロース誘導体、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の高分子化合物が、限外濾過膜や精密濾過膜として広く用いられている。しかし、前述の如く膜性能への要求が高度化したために、これらの素材は低溶出性、耐薬品性及び耐熱性を満足できるものではなかった。
【0004】
さて、PEKは耐熱性、耐薬品性、低溶出性に極めて優れた樹脂として注目されており、相転法からなる分離膜への応用が試みられている。例えば、特開平2−237628号公報、及び特公平3−47889号公報には、PEK系樹脂の1つであるポリエーテルエーテルケトンのスルホン化物を材料とした分離膜が提案されている。しかしながら、スルホン化された膜は水中で膨潤するため、その使用範囲に限界があることが知られている(Macromolecules 89 p.18(1985)参照)。
【0005】
そこで、スルホン化されていないPEK膜も提案されている。例えば、特開平2−136229号公報、特開平3−174231号公報には、特定構造のPEK類を用いた濾過膜及びその製造法が記載されている。しかしながら、この膜は加熱処理等が行われておらず、耐熱レベルも例示されていない。
また、特開平3−56129号公報、及び特開平5−192550号公報には、部分的に結晶質のPEKからなる非対称膜及びその製造法が記載されている。この製造方法においては、PEK分離膜の結晶化度を増大させるための追加工程が記載されている。例えば、200℃の空気中での結晶化処理や、沸騰アセトン中または還流ジメチルアセトアミド中に浸漬した後にアセトンで洗浄処理を行い、かかる後に膜を乾燥する方法が例示されている。しかしながら、200℃の空気中で結晶化すると、膜の収縮と透水性の著しい低下が発生する。また、沸騰アセトンや還流ジメチルアセトアミド中で結晶化処理を行い、さらにかかる処理後に乾燥させる方法においても、同様に透水性の著しい低下が発生する。さらに、これらの膜を130℃以上の熱水濾過に用いると、熱安定性が劣るために経時的に透水量の大幅な低下が発生する。また、沸騰アセトン及び還流ジメチルアセトアミド中での結晶化方法では、結晶化中にアセトンやジメチルアセトアミドの沸騰により膜が変形し、得られる結晶性濾過膜の分画性が不安定である。
【0006】
従って、限外濾過膜や精密濾過膜として有用な透水性を有し、130℃以上の熱水や蒸気に長時間耐性を示し、且つ分画性の安定したPEKからなる結晶性濾過膜は未だ得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、耐熱性、耐薬品性、低溶出性、透水性に優れ、且つ130℃以上の熱水や蒸気に長時間接触させても透水性と分画性が変化しないPEK濾過膜の熱安定化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、非晶性PEK濾過膜を実際に濾過使用するまでの間、湿潤状態を保持させるとともに、特定の熱安定化溶媒の存在下で加熱処理を行うことにより、透水量の著しい低下がなく、高度に熱安定化した結晶性PEK濾過膜が得られることを見出した。また、本発明者らは、該加熱処理を行う前に、膜中の低沸点溶媒を除去することにより、分画性の優れる結晶性濾過膜を安定して得ることが可能であること、さらに、該加熱処理前に膜中に高分子化合物を含有させておくことにより、該加熱処理による透水性の低下を大幅に改善できることを見出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]非晶性芳香族ポリエーテルケトン濾過膜を、湿潤状態を保ちながら、溶解度パラメータ値が8以上17以下の熱安定化溶媒の存在下、非晶性芳香族ポリエーテルケトンのガラス転移点以上、融点以下の温度であって、かつ、180〜320℃の範囲の温度で加熱処理を行うことを特徴とする濾過膜の熱安定化方法。[2]加熱処理前に、膜中の低沸点溶媒を実質的に除去することを特徴とする[1]記載の熱安定化方法。
[3]熱安定化溶媒で置換することにより、膜中の低沸点溶媒を実質的に除去することを特徴とする[2]記載の熱安定化方法。
[4]加熱処理前に、膜中に高分子化合物を含有させることを特徴とする[1]記載の熱安定化方法。
[5]溶媒に高分子化合物を溶解し、該PEK濾過膜を浸漬することを特徴とする[4]記載の熱安定化方法。
[6]該熱安定化溶媒が、アルコール類及びエーテル類から選択される1つ以上の溶媒である[1]〜[5]いずれか記載の熱安定化方法。
[7]該高分子化合物が、ポリエチレングリコール(以下、PEGと略す。)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略す。)、ポリビニルピロリドン(以下、PVPと略す。)、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す。)である[4]、[5]いずれか記載の熱安定化方法。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で得られる熱安定化された結晶性PEK濾過膜は、実質的にスルホン化されておらず、湿潤状態において、特定の熱安定化溶媒下での加熱処理により結晶性を増大させているため、耐熱性、耐薬品性、耐熱水性、低溶出性に優れている。
【0011】
本発明でいう“実質的にスルホン化していない”とは、結晶性濾過膜のイオン交換容量が0〜0.50ミリ当量/gの範囲であることを意味する。0〜0.5ミリ当量/gのイオン交換容量とは、PEKの繰り返し単位の構造の違いにも左右されるが、該PEKのモノスルホン化されているフェニレン基を有する繰り返し単位が約20%以下であることを意味する。本発明においては、特に0〜0.1ミリ当量/gの範囲であることが好ましい。該イオン交換容量が0.5ミリ当量/gをこえる場合は、膜の結晶性が低下する傾向にあり、耐熱性、耐薬品性、膜強度が低下するため好ましくない。
【0012】
本発明で用いられるPEKは、下記式で表される繰り返し単位からなる。
−O−Ar−(O−Ar’−)n
(式中、Ar及びAr’は芳香族残基。Arは少なくとも1つのジアリールケトン結合を有する。Ar及びAr’は芳香族炭素原子を介してエーテル基に共有結合している。また、nは0、1または2である。)
本発明においては、Ar、Ar’が下記式で示される基であるPEKが好適に使用される。
【0013】
【化1】
【0014】
特に、本発明では下記一般式(1)〜(17)の繰り返し単位からなるPEKが好ましい。これらは、繰り返し単位の単独重合体であっても良いし、これら2つ以上の繰り返し単位を有する共重合体であっても良い。さらには、2種類以上の単独重合体または共重合体の混合物であっても良い。
【0015】
【化2】
【0016】
また、上記繰り返し単位を構成する芳香環の一部、又はすべての水素が、ハロゲン基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、フェノキシ基、フェニル基、ビフェニル基、アルキル基、及び下記式で表される官能基等によって置換されていても良い。
【0017】
【化3】
【0018】
また、本発明に用いられるPEKの末端は、通常、フェニル基、ハロゲン基、ビフェニル基、ニトリル基、ニトロ基、フェノキシ基、及び下記式で示される基等である。
【0019】
【化4】
【0020】
さらに、一般式(1)〜(17)で表される単独重合体又は共重合体の一部に、該重合体が持つ本来の特性を著しく低下させない範囲で、他の繰り返し単位を含んでいても良い。例えば、そのような共重合単位としては、下記に示されるもの等が挙げられる。
【0021】
【化5】
【0022】
本発明においては、特に一般式(1)〜(5)で表される繰り返し単位、すなわち順にPEK、PEEK、PEKK、PEEKK、PEKEKKと呼ばれるPEKが工業的に生産されており、入手が容易であるため膜素材として好適に用いられる。
本発明で用いられるPEKは既知の重合方法によって製造でき、その重合法は特に限定されない。例えば、フリーデルクラフト法が挙げられる。関連する重合法は、米国特許第3085205号、第3442857号、第3441538号及び第3668057号明細書、ドイツ特許出願公開第2206836号明細書及びJ.Poly.Soi.,741(1961)(米)に記載されている。また、重縮合法によっても製造できる。例えば、芳香族ジハロゲン化合物とジフェノール類をアルカリ塩の存在下で重合させる方法や、芳香族ジハロゲン化合物と炭酸塩とを重合させる等の方法がある。前者の重合法は、特公昭57−22938号公報、米国特許第4113699号明細書、特開昭54−90296号公報に記載されており、後者の重合法は特開昭62−85708号公報、特開昭62−85709号公報に記載されている。
【0023】
本発明で用いられるPEKの分子量は、通常、還元粘度で0.5〜3.0dl/gの範囲にある。なかでも、0.7〜2.5dl/gの範囲が好ましい。PEKの還元粘度が0.5dl/g未満では、得られる結晶性濾過膜の強度が低く、実用的ではない。また、還元粘度が3.0dl/gをこえると、製膜性が劣り、均一な結晶性濾過膜が得られない傾向にあるため好ましくない。
【0024】
本発明でいう還元粘度とは、濃度96〜99%の濃硫酸に、PEKを0.1%の濃度(PEKの重量(g)/濃硫酸の容量(dl))となるように溶解した希薄溶液を、オストワルド粘度管を用いて、25℃において測定した値をいう。本発明において、用いられるPEK、及び膜の還元粘度の測定は、濃度96〜99%の範囲にある濃硫酸をホールピペットで15ml採取し、それに150℃で10〜30時間真空乾燥を行ったPEKを15.0mg溶解し、均一に溶解した溶液に対して、25℃の恒温槽中で測定を行った。また、該測定には、濃硫酸だけの測定時間が約2分であるオストワルド粘度管を用いた。上記、還元粘度の測定において、濃硫酸によりスルホン化される構造を有するPEKを測定する場合には、濃硫酸に均一に溶解後、速やかに測定を行った。通常、PEKが濃硫酸によりスルホン化される場合、還元粘度測定用に調整した濃硫酸溶液を室温中で長時間、例えば2日以上、特に5日以上放置した場合、溶解直後と比較して僅かに異なった還元粘度が得られる傾向がある。
【0025】
以下、本発明に用いられるPEK膜の製造方法を、その最も一般的な方法である相転法を例として説明する。
相転法とは、Leob及びSourirajanにより開発された濾過膜の製造法である(Adv,Chem.Ser.38,117,1963参照)。具体的には、重合体を溶媒に均一に溶解した製膜原液を、所望の形状に成形し、ついで特定条件下で該重合体に対する非溶剤中で沈殿凝固させる方法である。
【0026】
本発明の場合には、PEK重合体とPEKを溶解できる非スルホン化性溶媒を主成分とする製膜原液を、所望の膜形状、例えば平膜状、管状、中空糸状、毛細管状に成形し、ついでPEKに対する非溶剤からなる凝固液中に浸漬し、沈殿凝固させて製膜を行う。
例えば、平膜状の場合、支持体上に製膜原液を塗布後、凝固液に浸漬する方法、もしくはスリット状のダイから製膜原液を押し出し、凝固液に浸漬する方法などがある。また、管状、中空糸状、毛細管状の場合には、製膜原液を同軸2重管からなるダイの外側の管状部分から押し出し、同時に該ダイの内側のノズルに内部凝固剤として非溶剤もしくは不活性ガス等を通し、凝固液に浸漬させて製膜できる。平膜状の場合、膜厚は通常5〜5000μm、中空糸状の場合、膜厚は5〜3000μm、内径は10〜5000μmの範囲が好適に用いられるがこの限りでない。
【0027】
製膜原液に用いられる非スルホン化性溶媒は、PEKを4重量%以上均一に溶解でき、PEKと実質的に化学反応せず、且つ製膜工程においてPEKを実質的にスルホン化しないものであればよい。例えば、硫酸、メタンスルホン酸、フロロメタンスルホン酸、ジフロロメタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、ジクロロメタンスルホン酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフロロ酢酸、液状フッ化水素、及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、硫酸が通常用いられる。しかしながら、硫酸でスルホン化されやすい構造のPEKの場合は、上記の内の硫酸以外の他の溶媒、または硫酸と上記の他の溶媒との混合物等が用いられる。また、硫酸を用いた場合、PEKを均一に溶解できる範囲であれば、15重量%までの水を含有していてもよい。
【0028】
本発明においては、上記非スルホン化性溶媒を用いることで、実質的にスルホン化されていないPEK濾過膜が得られる。
また、上記製膜原液中に、膜の孔径等の膜性能をコントロールする目的で、添加剤として無機化合物や低分子量有機化合物等が添加されていてもかまわない。例えば、無機化合物としては各種塩類、低分子量有機化合物としては下記化合物が使用できる。
【0029】
ジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、2,4’−ジフロロジフェニルスルホン、2,2’−ジフロロジフェニルスルホン、ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロベンゾフェノン、2,4’−ジフロロベンゾフェノン、2,2’ジフロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロテレフタロフェノン、2,4’−ジフロロテレフタロフェノン、4,4’−ジクロロテレフタロフェノン、2,4’−ジクロロテレフタロフェノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン、キサントン、テレフタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、ジメチルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメエルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジフェニルエーテル、トリエチレングリコールジフェニルエーテル、テトラエチレングリコールジフェニルエーテル、プロピレングリコールジフェニルエーテル、グリセリン。
【0030】
また、上記製膜原液の粘度や膜性能をコントロールする目的で、無機や有機の水溶性もしくは非水溶性の高分子化合物、オリゴマー等の増粘剤が添加されていてもかまわない。例えば、無機化合物としては超微粒子のシリカ等チクソトロピー性を付与するもの、また高分子化合物としてはPVP、PEG、PPG、PVA、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリスチレンスルホン酸及びその誘導体、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等もしくはこれらの混合物、又はこれらのオリゴマーが用いられる。
【0031】
本発明において、製膜原液は、各組成物が均一に溶解した状態であれば、その組成比は特に限定されない。通常、製膜原液100重量部中、PEK4〜30重量部、非スルホン化性溶媒30〜96重量部、添加剤0〜30重量部、増粘剤0〜70重量部の範囲である。
製膜原液を調整した後、所望の形状に成形するが、該成形前に製膜原液を脱気し、さらに不溶分等を除去することが好ましい。脱気とは、製膜原液中に拡散もしくは溶解した空気等の気体を除去することを意味し、脱気を行わないと膜厚の不均一化、さらにはピンホール等が生じやすい傾向にある。また、製膜原液中に高分子ゲル等の不溶分がある場合も、膜厚の不均一化、ピンホールの発生等が起こりやすく、しかもダイを用いて平膜状や中空糸状に成形する際、ダイに該不溶分が詰まり、安定した製膜がしにくい傾向にある。脱気は、一般的に減圧法、遠心分離法等により行われる。また、不溶分の除去は、通常、遠心分離法やフィルター等を用いた濾過法により行われる。
【0032】
一方、上記凝固液、及び中空糸状膜等に用いる内部凝固液は、PEKに対する非溶剤であればよく、特に制限はない。通常、水、希硫酸、酢酸、酢酸エステル、アルコール類、多価アルコール類、PEG水溶液等、及びこれらの混合物が用いられる。さらに、凝固液中に無機塩または塩基を添加しておいてもよい。例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が通常好適に用いられる。これら凝固液は膜の多孔度に関係し、濾過膜の透水量や分画性に大きい影響を与える。なかでも製膜原液に硫酸を用いた場合は、通常、凝固液として水または希硫酸が操作性の面から好適に用いられる。
【0033】
製膜工程において、製膜調整段階及び成形段階における製膜原液の温度、及び凝固段階における凝固液の温度は特に制限はないが、通常、2〜90℃の範囲にある。また、必要があれば延伸等がなされていてもよい。
本発明において、非晶性PEK膜は湿潤状態を保持させることが必須である。ここでいう湿潤状態とは、PEK濾過膜が洗浄溶媒、熱安定化溶媒、保存処理等に用いる溶媒等に濡れている状態をいう。さらに詳しくは、膜表面の孔及び膜表面から膜内部にかけてのボイド表面が、湿潤状態を形成させる溶媒により覆われている状態、または膜全体が完全に該溶媒に浸漬されている状態をいう。この状態は、PEK濾過膜の表面に該溶媒を塗布、噴霧、含浸、または該溶媒にPEK濾過膜を浸漬させることにより達成される。例えば、本発明においては、PEK濾過膜の多孔度、用いる溶媒の比重にも左右されるが、該膜の重量に対し0.5倍以上の重量、さらに望ましくは2倍以上の重量、さらに望ましくは10倍以上の重量の該溶媒によって均一に塗布、含浸、または浸漬されている状態が好ましい。PEK濾過膜が湿潤状態から逸脱すると、濾過使用の際に透水性の低下が発生し、熱安定性も悪い。
【0034】
次に、洗浄について説明する。凝固されたPEK濾過膜は、膜中に残留する非スルホン化性溶媒、添加剤、増粘剤、凝固液等を除去することが望ましい。一般的には、浸漬されているPEK濾過膜を凝固浴中から取り出し、膜表面に該凝固液が付着した状態のまま洗浄する。ただし、前記凝固段階において、後述する熱安定化及び実際の分離膜としての使用に際し、問題がない程度まで非スルホン化性溶媒、添加剤、及び増粘剤等がPEK濾過膜から除去されていれば、洗浄しなくてもかまわない。
【0035】
一般的な洗浄方法は、例えば室温〜水の沸点の範囲内の温度で、水性媒体または水を主体とする媒体を洗浄溶剤として用いて洗浄処理し、非スルホン化性溶媒等を除去する。通常、水もしくはアルカリ水が好ましく用いられる。PEK濾過膜の形状が管状、中空糸状、毛細管状の場合は、該膜の中空部に該洗浄溶媒を流通させることも有効である。
【0036】
上記洗浄を行った後もなお、該膜中に少量の非スルホン化性溶媒が残留する場合には、有機溶媒で洗浄することが望ましい。通常、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が用いられるがこの限りでない。該洗浄に用いる有機溶媒の温度は特に制限はないが、通常、室温〜120℃の範囲である。製膜時、水性媒体に不溶な増粘剤や添加剤を用いた場合も上記有機溶媒で洗浄除去することが望ましい。
【0037】
また、結晶性濾過膜の使用中に溶出しない程度であれば、増粘剤等が残留していてもかまわない。例えば該増粘剤にPVPを用いた時、PEK濾過膜を超微量の溶出も許されない用途に使用する場合は、洗浄後、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩の水溶液で分解除去洗浄してもよい。この場合、その塩素濃度、温度及び時間に特に制限はないが、通常、濃度100〜80000ppm、室温〜95℃の温度範囲、1〜500時間の範囲である。また、あらかじめエタノール等の水溶性有機溶媒に浸漬させ、PEK濾過膜を十分に親水化を行っておくことも有用である。
【0038】
さらに洗浄後、PEK濾過膜を水、アルコール、アルコール水溶液、ホルマリン等、及びこれらの混合物等の水性媒体中に浸漬した状態、またはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類、及びこれらの混合物や他の溶媒中に浸漬もしくは含浸した状態で、膜表面が乾燥されないように保存することが有効である。洗浄後、PEK濾過膜が乾燥すると、透水性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0039】
このようにして得られたPEK濾過膜は、結晶化度が通常15重量%未満の非晶性濾過膜であり、一般に耐熱性が低い。本発明は、該非晶性濾過膜に加熱処理を行って、結晶化度15重量%以上の高性能な結晶性PEK濾過膜を得る熱安定化方法を提供するものである。該方法はPEK濾過膜の結晶化度を高めるだけでなく、高度な熱安定性をも与えるものである。
【0040】
以下、本発明の熱安定化方法について説明する。本発明の熱安定化方法は、必要に応じた加熱前処理、及び加熱処理からなる。
本発明で用いられる非晶性PEK濾過膜の結晶化度は、15重量%未満であれば特に制限はない。好ましくは約10重量%以下、さらに好ましくは約5重量%以下である。熱安定化処理を行う前に、すでに15重量%以上の結晶化度を有している場合は、高度な熱安定性を付与することができない傾向にある。
【0041】
本発明の熱安定化処理により得られる結晶性PEK濾過膜の結晶化度は、15重量%以上、さらに高度な熱安定性を示す場合は25重量%以上である。かかる結晶化度は、Blundell及びOsbornにより報告されている広角X線回折法(Polymer、24.953(1983))により測定される。
本発明では、熱安定化溶媒の存在下、PEKのガラス転移点以上、融点以下の温度で、加熱処理を行う。加熱処理温度が上記範囲より低いと、得られる濾過膜は高温時での熱安定性が劣り、上記範囲よりも高いと、膜の溶融や激しい変形が発生する。好ましい加熱処理温度は、該ガラス転移点+20℃以上、該融点−20℃以下であり、特に好ましくは該ガラス転移点+50℃以上、該融点−50以下の範囲である。この特に好ましい加熱処理温度範囲は、用いるPEKの構造にも左右されるが、通常180〜320℃の範囲である。
【0042】
本発明におけるPEKのガラス転移点及び融点は、PEKを示差熱分析計(DSC)で10℃/分の昇温速度で測定した際に観測される温度を意味する。
本発明では、加熱処理中も常に膜の湿潤状態を保つことが必須である。
本発明において、熱安定化溶媒とは、加熱処理中、PEK濾過膜の湿潤状態を形成させるために用いる溶媒を意味する。
【0043】
本発明に用いられる熱安定化溶媒は、PEK濾過膜を溶解せず、加熱処理中に激しい分解等の劣化を発生しない安定な溶媒であればよく、特に限定されない。なかでも、溶解度パラメータ値が8以上17以下の溶媒が好ましい。さらに好ましくは8以上14以下、特に好ましくは9以上13以下の溶解度パラメータ値を有する溶媒である。溶解度パラメータ値が上記範囲からはずれた溶媒を用いた場合には、得られるPEK濾過膜の透水性が著しく低下し、前記用途分野に対し有効な分離膜として用いることができない。
【0044】
本発明で用いられる溶解度パラメータは、下記式
(溶解度パラメータ)=(△EV /V)1/2
で与えられる。ここで表される△EV はモル蒸発エネルギーであり、近似的には△H−RTである。△Hは蒸気熱、Rは気体定数、Tは絶対温度、そしてVは溶媒のモル体積である。
【0045】
溶解度パラメータは多くの科学文献、科学著書に記載されており、特に高分子データハンドブック基礎編(高分子学会編、培風館)には各溶媒ごとに整理した表が記載されており、本発明に適した熱安定化溶媒を決定することができる。他の文献としては、Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Dev.8,March 1969第2〜11頁、Chemical Reveiws,75(1975)731〜753頁、Encyclopedia of Chemical Technology,Second Edition,Suppplemental Volume(1971)889〜910頁等がある。
【0046】
下記に本発明で用いる熱安定化溶媒を例示する。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−エチルブタノール、n−オクタノール、エチルヘキサノール、1−ドデカノール、3,5,5,−トリメチルヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルイソブチルカルビノール、n−アミルアルコール、アリルアルコール、ラウリルアルコール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、n−ヘプタノール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2, 3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ネオフェニルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ペンタンジオール、グリセリン、PEG、PPG等のアルコール類。
【0047】
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、ジアセトンアルコールメチルエーテル、ジクロロエチルエーテル、ジフェニルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジフェニルエーテル、トリエチレングリコールジフェニルエーテル、テトラエチレングリコールジフェニルエーテル、プロピレングリコールジフェニルエーテル、メチル−2−ペンタンジオール1,3、メチル−2−ペンタンジオール−2,4、エチルヘキサンジオール−1,3等のエーテル類。
【0048】
1,4−ジオキサン、フラン、フルフラール、テトラヒドロフラン等のアセタール類。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸−sec−アミル、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸メチルアミル、ステアリン酸ブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸−n−ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸−n−アミル、ギ酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソブチル、酪酸−n−ブチル、酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸プロピル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸−n−ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソブチル酸メチル、イソブチル酸エチル、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、セバチン酸ジメチル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジブチル、セバチン酸ジオクチル、ブチロラクトン、カプロラクトン、メチルカプロラクトン、プロピオラクトン、ジオクチルフタレート等のエステル類。
【0049】
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルノニルケトン、シクロペンタノン、シクロブタンジオン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジアセトンアルコール、メシチルオキシド、アクロレイン、ベンゾフェノン、クロロベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、ジフロロベンゾフェノン、フロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジフロロテレフタロフェノン、ジクロロテレフタロフェノン、ジヒドロキシテレフタロフェノン等のケトン類。
【0050】
アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類。
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロナフタレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、シクロペンタン等の炭化水素類。
塩化メチル、塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、塩化エチル、塩化エチリデン、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ベンゼン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素。
【0051】
ギ酸、酢酸、酪酸、マレイン酸、プロピオン酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フェノール、m−クレゾール、ビスフェノールA等の脂肪酸及びフェノール類。
ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロオクタン、ニトロベンゼン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、エチレンジアミン、N,N−ジメチルニトロアミン、トリエチレンテトラミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、テトラメチルオキシアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、アニリン、ジメチルアニリン、アセトニトリル、クロロアセトニトリル、n−ブチロニトリル、ベンゾニトリル、カプロニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、マロノニトリル、n−バレロニトリル、キノリン、モルホリン、N−エチルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルモルホリン、α−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピペリジン、N−アセチルピペリジン、N,N−ジアセチルピペラジン、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、ε−カプロラクタム等の窒素化合物。
【0052】
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート等の炭酸エステル類。
メチルエチルスルホン、テトラメチレンスルホン、硫化ジメチル、二硫化炭素、メチルテトラメチレンスルホン、メチルプロピルスルホン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルテトラメチレンスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、チオフェン、ジプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフロロジフェニルスルホン、ジクロロジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルスルホン等の硫黄化合物。
【0053】
リン酸ジブチルフェニル、リン酸トリクレジル、亜リン酸トリフェニル、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン化合物、及びこれらの混合物等である。
前記熱安定化溶媒中でも、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、PEG、PPG、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、及びこれらの混合物が特に好ましい。なかでも、アルコール類、及びエーテル類から選択されることが好ましい。本発明において、熱安定化溶媒にPEG、PPGを用いる場合にはその分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で100〜2000であることが望ましい。
【0054】
上記熱安定化溶媒中、加熱処理温度で固体状の化合物は、該温度で液状の他の1種以上の熱安定化溶媒との溶液として用いられる。
本発明における加熱処理時間は特に制限はないが、5分間以上100時間以下が望ましく、さらに望ましくは30分間以上50時間以下、さらに望ましくは1時間以上10時間以下である。
【0055】
本発明における加熱処理方法は、PEK濾過膜を熱安定化溶媒に浸漬した湿潤状態の場合は、開放系及びオートクレーブ等を用いた密閉系において行うことができる。熱安定化溶媒を塗布や含浸させた湿潤状態の場合は、オーブン等を用いた開放系、またはオートクレーブ等を用いた密閉系で行うことができる。ただし開放系の場合は、加熱処理中に熱安定化溶媒の激しい気化等により該濾過膜の変形及び該膜の表面における損傷等が起こる場合があり、また、オーブン等を用いた開放系の場合は熱安定化溶媒の気化により該濾過膜が湿潤状態から逸脱する場合があるため、両者が発生しないように注意を払わなければならない。
【0056】
本発明の加熱処理を行う際、熱安定化溶媒の雰囲気は空気中でも窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス下でもかまわない。加熱処理中、熱安定化溶媒が雰囲気中の酸素等により熱劣化を起こし、その結果、PEK濾過膜の透水性、分画性等の性能を低下する場合には、前記不活性ガス下での加熱処理が好ましい。
本発明では、上記加熱処理の前に、必要に応じて濾過膜中の低沸点溶媒を実質的に除去することが好ましい。ここで低沸点溶媒とは、該製膜、洗浄及び洗浄直後に行った保存の際に用いた溶媒で製膜後のPEK濾過膜中に残存するものである。これらの低沸点溶媒は、通常、沸点が140℃以下の溶媒であり、有機溶媒系では、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン等、無機溶媒系は水、希硫酸、水酸化ナトリウム水溶液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液等である。本発明では、これらの低沸点溶媒を上記加熱処理の前に実質的に除去することが好ましい。加熱処理の段階で、膜中に上記低沸点溶媒が残留していると、加熱処理中に沸騰を起こし、膜の変形や膜表面にピンホール等が発生する原因となりやすく、分離性能が安定しない傾向にある。
【0057】
ここで低沸点溶媒を実質的に除去するとは、加熱処理中に膜表面から低沸点溶媒に由来する気泡が現れない状態にすることを意味する。該気泡は、上記加熱処理温度で低沸点溶媒が沸騰気化することによるものと推測される。
低沸点溶媒を実質的に除去する方法としては、湿潤状態から逸脱しない範囲であるならば特に制限はないが、加熱処理温度で沸騰しない高沸点溶媒で置換する方法が好ましい。なかでも、加熱処理を行う際に用いる熱安定化溶媒で置換することにより、実質的に膜中から低沸点溶媒を除去することが好ましい。この方法は特に制限はないが、塗布による含浸法、または熱安定化溶媒中に、低沸点溶媒が沸騰しない条件で膜を浸漬して置換することが好ましい。塗布又は浸漬する温度条件は、通常20〜140℃の範囲である。また、含浸もしくは浸漬時間は特に制限はないが、通常、5分以上100時間以下が望ましく、さらに望ましくは30分以上50時間以下である。また、浸漬法においては、該膜中に存在する低沸点溶媒が沸騰しない温度及び圧力の条件下では、例えばオートクレーブ等の密閉系で加圧下又は減圧下で行ってもよい。
【0058】
さらに、本発明においては、PEK濾過膜中の低沸点溶媒を熱安定化溶媒に置換した後、該膜に含浸した熱安定化溶媒が蒸発し、湿潤状態を逸脱しない範囲で、例えば乾燥機やオーブン等で膜内になお残存する低沸点溶媒を乾燥除去してもかまわない。
また本発明では、加熱処理の前に、必要に応じて膜中に高分子化合物を含有させることが好ましい。該濾過膜内に高分子化合物を含有させると、加熱処理前後で膜の透水性の変化が小さいことを本発明者らは見出した。
【0059】
該高分子化合物は、PEKのガラス転移点以上の温度、特に加熱処理温度で分解等を起こさず、化学的にPEK濾過膜に影響を与えず、さらに加熱処理後、溶剤等で膜から除去できるものであれば特に制限はない。例えば、PEG、PPG、PVP、PVA、セルロース及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン等、及びこれらの誘導体が用いられる。なかでも、PEG、PPG、PVP、PVAが好ましく用いられる。
【0060】
上記高分子化合物の分子量は特に制限はないが、通常、重量平均分子量で200〜1,000,000、特に200〜100,000の範囲のものが好適に用いられる。
本発明において、高分子化合物を膜中に含有させるとは、該濾過膜内部、特に膜表面の微細孔に高分子化合物が存在していることを意味する。高分子化合物の量は特に制限はないが、膜の多孔度、表面微細孔の孔径、さらには用いる高分子化合物の比重等にも左右されるが、通常、該濾過膜100重量部に対して、0.1〜300重量部の範囲である。
【0061】
本発明において、高分子化合物を含有させる方法としては、例えば、高分子化合物を溶解して膜を浸漬させる方法、液状高分子化合物に膜を浸漬させる方法、高分子化合物を溶解した溶液又は液状高分子化合物を膜に直接塗布もしくは噴霧させる方法、または高分子化合物のモノマー又はオリゴマーを膜に含浸させ、重合操作により該モノマー又はオリゴマーを高分子量化させる方法等が好適に用いられる。なかでも、高分子化合物を溶解した溶液もしくは液状の高分子化合物中に膜を浸漬させる方法が好ましく用いられる。特に、高分子化合物を溶解して膜を浸漬させる方法が、高分子化合物を粘性の低い状態で素速く膜内に均一に含有させることができるため、最も好ましい。
【0062】
また、上記方法において高分子化合物を含有させる場合、膜を浸漬させる温度は、高分子化合物が膜内に含浸することができ、高分子化合物を溶解した溶媒が沸騰せず、且つPEKのガラス転移点よりも低い温度であれば特に制限はない。通常、室温〜140℃の範囲で行われる。この際、膜中に低沸点溶媒が残存したために、膜表面から溶媒の気化等の沸騰が起こらないように注意を払わなければならない。高分子化合物を溶解した溶媒が沸騰したり、膜表面から低沸点溶媒による激しい気化が発生した場合は、膜の変形や膜表面にピンホール等が発生する可能性があり、分離性能の安定した結晶性濾過膜が得られない傾向にある。
【0063】
さらに、上記高分子化合物を膜中に含有させる雰囲気は、空気中でも、窒素等の不活性気体の存在下でも良い。また、膜内に気泡等が含まれている場合には、高分子化合物が膜内に浸入しにくいので、該気泡の除去するために減圧下又は加圧下で行うことも可能である。
また、上記高分子化合物を膜内に含有させる時間、例えば高分子化合物を膜に浸漬させる時間は、特に制限はなく、通常10秒〜50時間の範囲である。
【0064】
さらに、上記高分子化合物を溶解した溶液に膜を浸漬する方法において、高分子化合物を溶解する溶媒は、上記に示した熱安定化溶媒であることが望ましい。該溶媒として上記熱安定化溶媒以外を用いた場合は、加熱処理の際、膜内の溶媒を熱安定化溶媒に置換する工程が追加されるため、生産性の点で望ましくない。また、その濃度は特に制限はなく、通常、溶媒100重量部に対して、高分子化合物1〜1000重量部である。
【0065】
本発明では、上記高分子化合物を膜に含有させて、膜中の低沸点溶媒が実質的に除去された場合は、上記低沸点溶媒を除去する工程は省くことができる。また、高分子化合物を膜に含有させる際、膜の湿潤状態を逸脱してはならない。
次に、本発明の必要に応じた後処理工程について説明する。
本発明においての後処理工程には、加熱処理終了後、膜内に存在する熱安定化溶媒、高分子化合物等を除去する洗浄処理と、実際に濾過使用に至るまで湿潤状態を保持するための保存処理等がある。
【0066】
まず、洗浄処理としては、熱安定化溶媒や高分子化合物を除去するために、両方に溶解能を有する溶媒を用いて洗浄することが望ましい。該溶媒としては、水またはアルコール類、ケトン類、エーテル類、アミド類等の有機溶媒が好適に使用できる。該洗浄処理の温度は特に制限はないが、通常、室温〜130℃で行われる。しかし、還流下等、洗浄に用いる溶媒が沸騰する条件下では、膜の変形、膜表面の損傷が起こりやすいので好ましくない。
【0067】
一方、保存処理としては、例えば熱安定化溶媒、ホルマリン、水又はこれらの混合物等に膜を浸漬したり、これらの液を膜中に含浸又は塗布した状態にすることが好ましい。
しかしながら、分離膜としての使用に問題のない溶媒を熱安定化溶媒として用いた場合は、上記保存処理を省いてもよい。例えば、これらの熱安定化溶媒は、分離膜としての使用分野にも左右されるが、グリセリン、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、テトラエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、PEG、PPG等、及びこれらの混合物等が挙げられるがこの限りではない。
【0068】
以上のように、非晶性PEK濾過膜を、湿潤状態を保持しながら、熱安定化溶媒を用いて特定条件で加熱処理を行うことにより、高度に熱安定化した結晶性濾過膜を得ることができる。また、加熱処理前に膜中の低沸点溶媒を実質的に除去することで、分画性等の品質の安定した膜を得ることができる。さらに、加熱処理前に膜中に高分子化合物を含有させることにより、結晶化による透水性の低下を改善できる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。
まず、膜の各物性の測定方法について述べる。
▲1▼ 透水量
(平膜状の場合)
プラスチックホルダー(アドバンテック東洋(株)製、PP−25)内に平膜を設置し、凝固液に接していた方の膜面に、25℃の蒸留水を1kg/cm2 の圧力で加えたとき、膜を透過してきた蒸留水の体積を20分間測定し、その値をリットル/m2 ・hr・kg/cm2 に換算して求めた。
(中空糸膜状の場合)
長さ30cmの中空糸膜単糸の膜内部に、25℃の蒸留水を1kg/cm2 の圧力で加えたとき、膜外部に透過してきた蒸留水の体積を20分間測定し、その値をリットル/m2 ・hr・kg/cm2 に換算して求めた。
▲2▼ デキストラン分子に対する阻止率(中空糸膜の分画性評価)
蒸留水中に、各種重量平均分子量のデキストラン(ファルマシア社製)を加え、0.5重量%の濃度になるように調製した溶液を原液とした。この原液を、中空糸膜内部に、25℃、線速1m/sec、平均濾過圧1kg/cm2 の圧力で加えたとき、膜外部に透過してきた濾液を10分間採取し、下式から求めた。
【0070】
阻止率(%)=(1−C/C0 )×100
(ただし、Cは採取した濾液濃度、C0 は原液濃度を表す。)
▲3▼ 広角X線回折(結晶化度)
マックサイエンス社製のX線回折装置MXP−18を用い、加速電圧50kv、加速電流200mA、Cuターゲットにより発生したX線をNiモノクロメータにより単色化して使用した。試料は膜の形状が中空糸膜状及び平膜状の場合は繊維試料台を用いて設置し、透過方式により測定を行った。試料より発生される散乱X線を12〜32゜まで走査し、1゜あたり50ポイントを採り、且つ1ポイントあたり1.2秒計量した。得られた回折像に対してBlundell及びOsbornにより報告されている方法(Polymer,24、P.953(1983))で結晶化度を求めた。
【0071】
【実施例1】
熱安定化溶媒として、ジエチレングリコールを用いた場合を例示する。
蒸留水で濃度調製した濃度88.0%の硫酸920.0gに、還元粘度0.96dl/gで式(1)の繰り返し単位からなるPEK(ガラス転移点151℃、融点373℃)80.0gを加え、減圧法により脱気しながら撹拌して、10時間溶解操作を行い、均一溶液としたものを製膜原液とした。同軸2重管型(チューブインオリフィス型)の中空糸製造用紡口から内部凝固剤として16℃の蒸留水を吐出させながら、16℃の該製膜原液を同時に吐出させた。該製膜原液は紡口より10cm下方に設けられた15℃の水浴中に浸漬し、凝固した後、12.6m/minの速度で巻き取られた。巻き取られた中空糸膜は、約40cmに切断され、60℃の蒸留水中に12時間、16℃のエタノール中に10時間浸漬して洗浄した。X線回折の測定の結果、得られたPEK中空糸膜は非晶質状態であった。
【0072】
得られた中空糸膜を、エタノール中から取り出した後、湿潤状態を保持させたまま、該中空糸の約5重量倍のジエチレングリコール中に浸漬し、開放系で約1時間かけて200℃に昇温、2時間200℃を保持して加熱処理を行い、約1時間かけて16℃まで冷却した。
その後、中空糸膜を乾燥させないように、60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄した後、15℃の蒸留水中に保存した。
【0073】
得られた中空糸膜は、内径0.55mm、外径0.98mm、透水量62リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。
さらに、この中空糸膜を、密閉系において130℃の蒸留水に15時間浸漬を行った後の透水量は、58リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であり、熱水による透水量の低下はほとんど見られなかった。
【0074】
また、さらに150℃の蒸留水に10時間浸漬を行った後の透水量は、56リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であり、透水量は変化しなかった。
【0075】
【実施例2】
熱安定化溶媒としてトリエチレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は、40リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、分子量1万のデキストラン排除率は91%であった。
【0076】
また、130℃の熱水処理後の透水量は34リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率は93%と、透水量、分画性ともほとんど変化しなかった。
【0077】
【実施例3】
熱安定化溶媒としてプロピレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は、46リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、分子量1万のデキストラン排除率は90%であった。
【0078】
また、130℃の熱水処理後の透水量は43リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率は93%と、透水量、分画性ともほとんど変化しなかった。
【0079】
【実施例4】
熱安定化溶媒としてトリエチレングリコールを用い、加熱処理時間を5時間とした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は、42リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、分子量1万のデキストラン排除率は91%であった。
【0080】
また、130℃の熱水処理後の透水量は42リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率は91%と、透水量、分画性ともほとんど変化しなかった。
さらに、150℃の熱水処理後の透水量は38リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率は94%であり、やはり透水量、分画性の低下は見られなかった。
【0081】
【実施例5】
熱安定化溶媒としてトリエチレングリコールを用い、加熱処理温度を280℃とした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は、41リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、分子量1万のデキストラン排除率は90%であった。
【0082】
また、130℃の熱水処理後の透水量は38リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率は94%と、透水量、分画性ともほとんど変化しなかった。
さらに、150℃の熱水処理後の透水量は38リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率は94%であり、やはり透水量、分画性の低下は見られなかった。
【0083】
【比較例1】
加熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は、240リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。
また、130℃の熱水処理後の透水量は12リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、激しく低下した。
【0084】
【比較例2】
実施例1と同様の方法で製膜した中空糸膜を、200℃のオーブン中において30分間加熱処理を行った。オーブンから取り出された中空糸膜は完全に乾燥しており、湿潤状態ではなかった。
得られた中空糸膜の透水量を測定を試みたところ、20分間の測定中、全く透水してこなかった。
【0085】
【比較例3】
湿潤状態においてPEKのガラス転移点より低い温度において加熱処理を行った場合を示す。熱安定化溶媒としてトリエチレングリコールを用い、加熱処理温度を130℃とした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は、69リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。
【0086】
また、130℃の熱水処理後の透水量は11リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、著しく低下した。
【0087】
【比較例4】
湿潤状態においてPEKのガラス転移点より低い温度において加熱処理を行い、乾燥処理を行った場合を示す。
実施例1と同様の方法で製膜した中空糸膜を、乾燥しないようにジメチルアセトアミドに浸漬し、30分間ジメチルアセトアミドを沸騰させて還流させた。その後、沸騰アセトンで2時間洗浄を行い、室温の空気中において10時間乾燥させた。
【0088】
得られた中空糸膜の透水量は21リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。
また、130℃の熱水処理後の透水量は4リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、大きく低下した。
さらに、150℃の熱水処理後の透水量は2リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、さらに低下が進んだ。
【0089】
【実施例6】
濃度98.0%の硫酸940.0gに、還元粘度1.30dl/gで式(1)の繰り返し単位からなるPEK(ガラス転位点151℃、融点371℃)60g、増粘剤として重量平均分子量1万のPVP75gを加え、実施例1と同様の溶解したものを製膜原液として用いて実施例1と同様に製膜した。
【0090】
洗浄後、中空糸膜を17℃、3000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に15時間浸漬した後、60℃の蒸留水に12時間、25℃のエタノール中に10時間浸漬して膜に残留するPVPを除去し、該膜を蒸留水中に保存した。
その後、実施例1と同様に加熱処理、及び洗浄処理を行った。
得られた中空糸膜は、内径0.70mm、外径1.05mm、透水量215リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。
【0091】
また、130℃の熱水処理後の透水量は208リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、ほとんど変化しなかった。
【0092】
【実施例7】
熱安定化溶媒としてトリエチレングリコールを用いた以外は、実施例6と同様に行った。
得られた中空糸膜の透水量は151リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、分子量1万のデキストラン排除率は77%であった。
【0093】
また、130℃の熱水処理後の透水量は149リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率78%と、透水量、分画性とも変化しなかった。
【0094】
【実施例8】
還元粘度1.1dl/gで式(5)の繰り返し単位からなるPEK(ガラス転位点170℃、融点381℃)、熱安定化溶媒にジプロピレングリコールを用い、かつ加熱処理温度を220℃とした以外は、実施例1と同様に行った。
得られた中空糸膜は、内径0.52mm、外径0.96mm、透水量54リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、分子量1万のデキストラン排除率は92%であった。
【0095】
また、130℃の熱水処理後の透水量は51リットル/m2 ・hr・kg/cm2 デキストラン排除率97%と、透水量、分画性とも変化しなかった。
また、150℃の熱水処理後の透水量は48リットル/m2 ・hr・kg/cm2 、デキストラン排除率96%と、透水量、分画性とも変化しなかった。
【0096】
【実施例9】
熱安定化溶媒としてジエチレングリコールを用いた平膜状の場合を例示する。蒸留水で濃度調製した濃度88%の硫酸46.0gに、還元粘度0.96dl/gで式(1)の繰り返し単位からなるPEK(ガラス転移点151℃、融点373℃)4.0gを加え、減圧法により脱気しながら撹拌して、10時間溶解操作を行い、均一溶液としたものを製膜原液とした。乾燥ガラス板上にアプリケーターを用いて液膜の厚さが100μmとなるように製膜原液を平膜状にキャストし、直ちに15℃の蒸留水中に該ガラス板とともに浸漬し、凝固させた。20分後、得られた膜を蒸留水中から取り出し、直ちに60℃の蒸留水中に12時間、さらに25℃のエタノール中に10時間浸漬して洗浄した。
【0097】
次に、得られた膜を、エタノール中から取り出した後、乾燥しないように直ちに15℃のジエチレングリコール中に浸漬し、1時間ごとに3回ジエチレングリコールを置換した。さらに、該膜をジエチレングリコールに浸漬させたまま、開放系で1時間かけて200℃に昇温、2時間200℃を保持して加熱処理を行い、約1時間かけて16℃まで冷却した。
【0098】
その後、膜を乾燥させないように、60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄した後、15℃の蒸留水中に保存した。
得られた平膜は、透水量82リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。また、130℃の熱水処理後の透水量は81リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、ほとんど変化しなかった。
【0099】
【実施例10】
熱安定化溶媒としてジプロピレングリコールを用いた以外は、実施例9と同様に行った。
得られた平膜は、透水量97リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。また、130℃の熱水処理後の透水量は92リットル/m2 ・hr・kg/cm2 と、ほとんど変化しなかった。
【0100】
【実施例11】
加熱処理前に膜中の低沸点溶媒を除去した場合を示す。
実施例1において、洗浄終了後で加熱処理前の中空糸膜を、該洗浄に用いたエタノール中から取り出した後、すぐに18℃のジエチレングリコールに浸漬し、約20分かけて90℃まで昇温した。
【0101】
1時間後に該中空糸膜を取り出し、別に用意した17℃のジエチレングリコールに浸漬し、開放系で約1時間かけて200℃に昇温し、2時間200℃を保持して加熱処理を行った後、約1時間かけて16℃まで冷却した。昇温中及び200℃での保持中、膜表面を目視観察した結果、膜表面からの気泡の発生は全く観測されなかった。
【0102】
かかる中空糸膜は、加熱処理後、乾燥しないように60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄後、15℃の蒸留水中に保存した。
得られた中空糸膜は、内径0.55mm、外径0.98mmであった。また、中空糸膜100本に対して、重量平均分子量が1万、4万、10万のデキストラン阻止率を測定した。その結果、100本の中空糸膜すべてが、重量平均分子量1万のデキストランに対して88〜95%、4万に対しては93〜96%、10万に対しては95〜99%の阻止率を示した。
【0103】
【実施例12】
濃度98.0%の硫酸940.0gに、還元粘度1.1dl/gで式(5)の繰り返し単位からなるPEK(ガラス転位点159℃、融点381℃)60g、さらに増粘剤として重量平均分子量1万のPVP75gを加え、実施例1と同様の溶解したものを製膜原液として用いて、実施例1と同様に製膜した。
【0104】
洗浄後、中空糸膜を17℃、5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に15時間浸漬した後、60℃の蒸留水に12時間、25℃のエタノール中に10時間浸漬して膜に残留するPVPを除去し、該膜を蒸留水中に保存した。
次に、該中空糸膜を90℃のトリエチレングリコールに1時間浸漬後、40℃の空気雰囲気下に20時間放置した。
【0105】
かかる後、中空糸膜を18℃のトリエチレングリコールに浸漬し、開放系で約1時間かけて200℃に昇温し、2時間200℃を保持して加熱処理を行い、約1時間かけて16℃まで冷却した。昇温中及び200℃での保持中、膜表面を目視観察した結果、膜表面からの気泡の発生は全く観測されなかった。
その後、膜を乾燥させないように、60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄した後、15℃の蒸留水中に保存した。
【0106】
得られた中空糸膜は、内径0.72mm、外径1.08mmであった。また、中空糸膜100本に対して、重量平均分子量が1万、4万、10万のデキストラン阻止率を測定した。その結果、100本の中空糸膜すべてが、重量平均分子量1万のデキストランに対して70〜78%、4万に対しては88〜94%、10万に対しては93〜99%の阻止率を示した。
【0107】
【比較例5】
実施例1と同様に製膜、洗浄を行って得られた中空糸膜を、17℃のジエチレングリコールに浸漬して、開放系で約1時間かけて200℃に昇温し、2時間200℃を保持して加熱処理を行い、約1時間かけて16℃まで冷却した。昇温中、150℃近傍において膜表面を目視観察した結果、数本の中空糸膜の膜表面からの微量ながら気泡の発生が観測された。
【0108】
次に、中空糸膜を乾燥させないように、60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄した後、15℃の蒸留水中に保存した。
得られた中空糸膜は、内径0.55mm、外径0.98mmであった。また、中空糸膜30本に対して、重量平均分子量が1万、4万、10万、100万のデキストラン阻止率を測定した。その結果、中空糸膜30本のうち27本が、重量平均分子量1万のデキストランに対して70〜78%、4万に対しては88〜94%、10万に対しては93〜99%、100万に対しては98〜99%の阻止率を示した。しかし、どの重量平均分子量のデキストランに対しても、その阻止率が15〜25%と、分画性能の劣る中空糸膜が3本混入していた。
【0109】
【比較例6】
実施例12の方法により製膜、洗浄された中空糸膜を、実施例2と同様の方法で次亜塩素酸ナトリウム水溶液による洗浄を行った後、60℃の蒸留水に12時間、25℃のエタノール中に10時間浸漬して膜に残留するPVPを除去し、該膜を室温の蒸留水中に保存した。
【0110】
次に、中空糸膜を18℃のトリエチレングリコールに浸漬し、開放系で約1時間かけて200℃に昇温し、2時間200℃を保持して加熱処理を行い、約1時間かけて16℃まで冷却した。昇温中、150℃近傍において膜表面を目視観察した結果、数本の中空糸膜の膜表面から微量ながら気泡の発生が観測された。
その後、乾燥させないように、60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄した後、15℃の蒸留水中に保存した。
【0111】
得られた中空糸膜は、内径0.72mm、外径1.08mmであった。また、中空糸膜30本に対して、重量平均分子量が1万、4万、10万、100万のデキストラン阻止率を測定した。その結果、中空糸膜30本のうち28本が、重量平均分子量1万のデキストランに対して70〜78%、4万に対しては88〜94%、10万に対しては93〜99%の阻止率を示した。しかし、どの重量平均分子量のデキストランに対しても、その阻止率が12〜32%と、分画性能の劣る中空糸膜が2本混入していた。
【0112】
【実施例13】
蒸留水で濃度調整した濃度88.0%の硫酸92.0gに、還元粘度0.96dl/gで式(1)の繰り返し単位からなるPEK(ガラス転移点151℃、融点373℃)8.0gを加え、減圧法により脱気しながら撹拌して、8時間溶解操作を行い、均一溶液としたものを製膜原液とした。乾燥ガラス板状にアプリケーターを用いて液膜の厚さが100μmとなるように製膜原液を平膜状にキャストし、直ちに22℃の蒸留水中に該ガラス板とともに浸漬し、凝固させた。20分後、得られた膜を蒸留水中から取り出し、直ちに40℃の蒸留水中に12時間、さらに23℃のエタノール中に10時間浸漬して洗浄した。
【0113】
得られた平膜は、X線回折測定の結果、非晶質状態であり、その透水量は480リットル/m2 ・hr・kg/cm2 であった。
次に、得られた平膜を、高分子量体としてPEG(重量平均分子量400)を濃度30重量%となるようにエタノールに溶解したものに6時間浸漬させた。かかる後に、膜を空気中で24時間乾燥させてエタノールを除去し、トリエチレングリコールに浸漬して、200℃で1時間熱安定化処理を行った。加熱処理中、膜表面からの気泡の発生は見受けられなかった。
【0114】
その後、膜をエタノール中に5時間、水中に5時間浸漬して、用いたPEG及びトリエチレングリコールを除去し、乾燥しないように水中に保存した。
得られた結晶性PEK濾過膜は、結晶化度24重量%、透水量298リットル/m2 ・hr・kg/cm2 で、透水量保持率は62%であった。
【0115】
【実施例14】
高分子量体として、重量平均分子量1000のPEG、熱安定化溶媒としてテトラエチレングリコールを用いた以外は、実施例13と同様に行った。
得られた結晶性PEK濾過膜の透水量保持率は75%であった。
【0116】
【比較例7】
PEGのエタノール溶液を用いる代わりにジエチレングリコールを用いた以外は実施例13と同様に行った。
得られた結晶性PEK濾過膜透水量保持率は32%であった。
【0117】
【比較例8】
PEGのエタノール溶液を用いる代わりにトリエチレングリコールを用い、かつ熱安定化溶媒にテトラエチレングリコールを用いた以外は実施例13と同様に行った。
得られた結晶性PEK濾過膜の透水量保持率は34%であった。
【0118】
【実施例15】
蒸留水で濃度調製した濃度87.8%の硫酸920.0gに、式(5)の繰り返し単位からなるPEK(BASF社製、A2000)80.0gを加え、減圧法により脱気しながら撹拌して、10時間溶解操作を行い、均一溶液としたものを製膜原液とした。同軸2重管型(チューブインオリフィス型)の中空糸製造用紡口から内部凝固剤として16℃の蒸留水を吐出させながら、16℃の該製膜原液を同時に吐出させた。該製膜原液は紡口より10cm下方に設けられた15℃の水浴中に浸漬し、凝固させた後、12.6m/minの速度で巻き取られた。巻き取られた中空糸膜は約40cmに切断され、60℃の蒸留水中に12時間、16℃のエタノール中に10時間浸漬することにより洗浄を行った。X線回折の測定の結果、得られた芳香族ポリエーテルケトン中空糸状半透膜は非晶質状態であった。
【0119】
得られた中空糸膜を、エタノール中から取り出した後、膜を乾燥させないように50℃のトリエチレングリコールに2時間浸漬して膜内の水やエタノール等の低沸点溶媒を除去した。ついで、濃度30重量%のPEG(重量平均分子量800)のトリエチレングリコール溶液に、100℃で6時間浸漬した。かかる後に、該中空糸膜をトリエチレングリコール中に浸漬し、開放系で約1時間かけて200℃に昇温し、2時間200℃を保持して加熱処理を行い、約1時間かけて16℃まで冷却した。
【0120】
次に、中空糸膜を乾燥しないように60℃の蒸留水に5時間、さらに50℃のエタノール中に1時間ごとにエタノールを置換しながら5時間浸漬して洗浄した後、15℃の蒸留水中保存した。
得られた中空糸膜は、内径0.55mm、外径0.98mm、結晶化度26重量%、透水量保持率73%であった。
【0121】
【実施例16】
高分子量体として重量平均分子量2000のPEG、熱安定化溶媒としてテトラエチレングリコールを用いた以外は、実施例15と同様に行った。
得られた結晶性PEK濾過膜の透水量保持率は82%であった。
【0122】
【比較例9】
実施例15で得られた非晶質状態の中空糸膜を、高分子化合物を含有させずに、空気雰囲気下、200℃のオーブン中で20分間加熱処理を行った。
得られた中空糸膜は、結晶化度が27%の結晶性濾過膜であった。また、この膜の透水量保持率は1%以下であった。
【0123】
【比較例10】
実施例15で得られた非晶質状態の中空糸膜を、高分子化合物を含有させずに、密閉系において、200℃の熱水中に2時間浸漬して加熱処理を行った。
得られた中空糸膜は、結晶化度が25%の結晶性濾過膜であった。また、この膜の透水量保持率は1%以下であった。
【0124】
【参考例1】
実施例15で得られた結晶性中空糸膜を用いて、密閉系において170℃の蒸留水に15時間浸漬した後の透水量の測定を行った結果、透水量の変化は見られなかった。
【0125】
【参考例2】
参考例1において170℃熱水浸漬試験を行った後の中空糸膜を、密閉系において200℃の蒸留水に10時間浸漬した後に透水量の測定を行った結果、透水量の変化は見られなかった。
【0126】
【発明の効果】
本発明の熱安定化方法を用いると、耐薬品性、低溶出性に優れ、且つ130℃以上の熱水や蒸気に長時間接触させた後も、透水性及び分画性が変化しない優れた性能を有する結晶性PEK濾過膜を得ることができる。この結晶性濾過膜は、高度な膜性能が要求される分野、例えば半導体等の電子工業用超純水、医薬、医療機器、食品用途等での濾過や滅菌、さらには火力発電所や原子力発電所における100℃をこえる復水の浄化等に好適に用いられる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a method for thermally stabilizing an amorphous aromatic polyether ketone (hereinafter abbreviated as PEK) filtration membrane. More specifically, the present invention provides a crystalline PEK filtration membrane that is excellent in heat resistance, chemical resistance, low elution, can be used at high temperature, has excellent thermal stability, and is useful as an ultrafiltration membrane or a microfiltration membrane. .
[0002]
[Prior art]
In recent years, separation membranes made of polymers have been widely used for filtration and sterilization in semiconductors and other ultra-pure water for electronic industries, medical equipment, pharmaceuticals, foods, etc. It is in. Among them, increasingly advanced film performance such as improvement in heat resistance and chemical resistance has been required. For example, in ultrapure water applications for semiconductors, there is little leaching of ionic components and organic substances from membrane materials, and membranes with excellent heat resistance and chemical resistance. In thermal power plants and nuclear power plants, the recovery temperature exceeds 100 ° C. There is a demand for a film having particularly excellent heat resistance that can stably remove long-term clad (mainly fine particles mainly composed of iron) in water.
[0003]
On the other hand, as for separation membrane materials, cellulose derivatives such as cellulose acetate, polyacrylonitrile resins, polyamide resins, polymethyl methacrylate resins, polysulfone resins, polyvinylidene fluoride resins, polyethylene resins, polycarbonate resins are conventionally used. Polymer compounds such as these are widely used as ultrafiltration membranes and microfiltration membranes. However, as the requirements for membrane performance have been advanced as described above, these materials cannot satisfy low elution, chemical resistance and heat resistance.
[0004]
Now, PEK is attracting attention as a resin that is extremely excellent in heat resistance, chemical resistance, and low elution, and has been attempted to be applied to a separation membrane comprising a phase inversion method. For example, JP-A-2-237628 and JP-B-3-47889 propose a separation membrane using a sulfonated product of polyetheretherketone, which is one of PEK-based resins. However, since sulfonated membranes swell in water, it is known that their range of use is limited (see Macromolecules 89 p. 18 (1985)).
[0005]
Thus, a non-sulfonated PEK membrane has also been proposed. For example, JP-A-2-136229 and JP-A-3-174231 describe a filtration membrane using PEKs having a specific structure and a method for producing the same. However, this film is not subjected to heat treatment and the heat resistance level is not exemplified.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-56129 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-192550 describe an asymmetric membrane partially made of crystalline PEK and a method for producing the same. In this manufacturing method, an additional step for increasing the crystallinity of the PEK separation membrane is described. For example, a method of crystallization in air at 200 ° C., a method of immersing in boiling acetone or refluxing dimethylacetamide, washing with acetone, and then drying the film is exemplified. However, when crystallized in air at 200 ° C., membrane shrinkage and a significant decrease in water permeability occur. Further, in a method in which crystallization treatment is performed in boiling acetone or refluxing dimethylacetamide and then dried after such treatment, the water permeability is also significantly reduced. Furthermore, when these membranes are used for hot water filtration at 130 ° C. or higher, the thermal stability is inferior, resulting in a significant decrease in water permeability over time. Further, in the crystallization method in boiling acetone and refluxing dimethylacetamide, the membrane is deformed by boiling of acetone or dimethylacetamide during crystallization, and the fractionation property of the resulting crystalline filtration membrane is unstable.
[0006]
Therefore, a crystalline filtration membrane made of PEK having water permeability useful as an ultrafiltration membrane or a microfiltration membrane, showing resistance to hot water or steam at 130 ° C. or higher for a long time, and having a stable fractionation property is still available. Not obtained.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems, is excellent in heat resistance, chemical resistance, low elution, and water permeability, and has water permeability and fractionability even when exposed to hot water or steam at 130 ° C. or higher for a long time. An object of the present invention is to provide a thermal stabilization method for a PEK filtration membrane that does not change.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the inventors of the present invention maintain a wet state until the amorphous PEK filtration membrane is actually used for filtration, and in the presence of a specific heat stabilizing solvent. It has been found that a highly heat-stabilized crystalline PEK filtration membrane can be obtained by performing the heat treatment without causing a significant decrease in the water permeability. In addition, the present inventors can stably obtain a crystalline filtration membrane having excellent fractionation by removing the low boiling point solvent in the membrane before performing the heat treatment, The present inventors have found that by containing a polymer compound in the film before the heat treatment, it is possible to significantly improve the decrease in water permeability due to the heat treatment.
[0009]
That is, the present invention is as follows.
[1] While maintaining an amorphous aromatic polyetherketone filtration membrane in a wet state,Solubility parameter value is 8 or more and 17 or lessIn the presence of a heat stabilizing solvent,A temperature not lower than the glass transition point of the amorphous aromatic polyether ketone and not higher than the melting point; andA heat stabilization method for a filtration membrane, wherein the heat treatment is performed at a temperature in the range of 180 to 320 ° C. [2] The heat stabilization method according to [1], wherein the low boiling point solvent in the film is substantially removed before the heat treatment.
[3] The heat stabilization method according to [2], wherein the low boiling point solvent in the film is substantially removed by substitution with a heat stabilization solvent.
[4] The thermal stabilization method according to [1], wherein a polymer compound is contained in the film before the heat treatment.
[5] The thermal stabilization method according to [4], wherein the polymer compound is dissolved in a solvent and the PEK filtration membrane is immersed.
[6] The heat stabilization method according to any one of [1] to [5], wherein the heat stabilization solvent is one or more solvents selected from alcohols and ethers.
[7] The polymer compound is polyethylene glycol (hereinafter abbreviated as PEG), polypropylene glycol (hereinafter abbreviated as PPG), polyvinyl pyrrolidone (hereinafter abbreviated as PVP), polyvinyl alcohol (hereinafter abbreviated as PVA). The thermal stabilization method according to any one of [4] and [5].
[0010]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The heat-stabilized crystalline PEK filtration membrane obtained in the present invention is substantially not sulfonated, and has increased crystallinity in a wet state by heat treatment under a specific heat-stabilized solvent. Therefore, it is excellent in heat resistance, chemical resistance, hot water resistance, and low elution.
[0011]
In the present invention, “substantially not sulfonated” means that the ion exchange capacity of the crystalline filtration membrane is in the range of 0 to 0.50 meq / g. The ion exchange capacity of 0 to 0.5 meq / g depends on the difference in the structure of the PEK repeating unit, but the PEK has about 20% of the repeating unit having a monosulfonated phenylene group. It means the following. In the present invention, it is particularly preferably in the range of 0 to 0.1 meq / g. When the ion exchange capacity exceeds 0.5 meq / g, the crystallinity of the film tends to decrease, and the heat resistance, chemical resistance, and film strength decrease, which is not preferable.
[0012]
PEK used in the present invention is composed of a repeating unit represented by the following formula.
-O-Ar- (O-Ar'-)n
(Wherein Ar and Ar ′ are aromatic residues; Ar has at least one diaryl ketone bond; Ar and Ar ′ are covalently bonded to the ether group via an aromatic carbon atom, and n is 0, 1 or 2.)
In the present invention, PEK in which Ar and Ar ′ are groups represented by the following formula is preferably used.
[0013]
[Chemical 1]
[0014]
In particular, in the present invention, PEK composed of repeating units of the following general formulas (1) to (17) is preferable. These may be a homopolymer of repeating units or a copolymer having two or more repeating units. Further, it may be a mixture of two or more homopolymers or copolymers.
[0015]
[Chemical 2]
[0016]
In addition, some or all of the aromatic rings constituting the above repeating unit are represented by the following formulas: halogen group, nitro group, nitrile group, amino group, phenoxy group, phenyl group, biphenyl group, alkyl group, and It may be substituted with a functional group or the like.
[0017]
[Chemical Formula 3]
[0018]
Further, the terminal of PEK used in the present invention is usually a phenyl group, a halogen group, a biphenyl group, a nitrile group, a nitro group, a phenoxy group, or a group represented by the following formula.
[0019]
[Formula 4]
[0020]
Further, the homopolymers or copolymers represented by the general formulas (1) to (17) contain other repeating units as long as the original properties of the polymer are not significantly deteriorated. Also good. Examples of such copolymer units include those shown below.
[0021]
[Chemical formula 5]
[0022]
In the present invention, in particular, the repeating units represented by the general formulas (1) to (5), that is, PEKs called PEK, PEEK, PEKK, PEEKK, and PEKEKK are produced industrially and are easily available. Therefore, it is suitably used as a membrane material.
The PEK used in the present invention can be produced by a known polymerization method, and the polymerization method is not particularly limited. An example is the Friedel Craft method. Related polymerization methods are described in U.S. Pat. Nos. 3,085,205, 3,442,857, 3,441,538 and 3,668,057, German Offenlegungsschrift 2,068,836 and J. Pat. Poly. Soi. , 741 (1961) (US). It can also be produced by a polycondensation method. For example, there are a method of polymerizing an aromatic dihalogen compound and diphenols in the presence of an alkali salt, and a method of polymerizing an aromatic dihalogen compound and a carbonate. The former polymerization method is described in JP-B-57-22938, US Pat. No. 4,113,699, and JP-A-54-90296, and the latter polymerization method is described in JP-A-62-85708, This is described in JP-A-62-85709.
[0023]
The molecular weight of PEK used in the present invention is usually in the range of 0.5 to 3.0 dl / g in terms of reduced viscosity. Especially, the range of 0.7-2.5 dl / g is preferable. When the reduced viscosity of PEK is less than 0.5 dl / g, the strength of the obtained crystalline filtration membrane is low, which is not practical. On the other hand, if the reduced viscosity exceeds 3.0 dl / g, the film-forming property is inferior, and a uniform crystalline filtration membrane tends not to be obtained.
[0024]
The reduced viscosity referred to in the present invention is a dilute solution in which PEK is dissolved in concentrated sulfuric acid having a concentration of 96 to 99% so as to have a concentration of 0.1% (weight of PEK (g) / volume of concentrated sulfuric acid (dl)). The value of the solution measured at 25 ° C. using an Ostwald viscosity tube. In the present invention, the PEK used and the reduced viscosity of the membrane were measured by collecting 15 ml of concentrated sulfuric acid having a concentration in the range of 96 to 99% with a whole pipette and vacuum drying it at 150 ° C. for 10 to 30 hours. 15.0 mg was dissolved, and the solution in which it was uniformly dissolved was measured in a thermostatic bath at 25 ° C. For the measurement, an Ostwald viscosity tube having a measurement time of only concentrated sulfuric acid of about 2 minutes was used. In the measurement of the reduced viscosity, when measuring PEK having a structure sulfonated by concentrated sulfuric acid, it was measured immediately after being uniformly dissolved in concentrated sulfuric acid. Usually, when PEK is sulfonated with concentrated sulfuric acid, when the concentrated sulfuric acid solution prepared for reducing viscosity measurement is left at room temperature for a long time, for example, 2 days or more, especially 5 days or more, it is slightly compared with immediately after dissolution. Tend to obtain different reduced viscosities.
[0025]
Hereinafter, a method for producing a PEK film used in the present invention will be described by taking a phase inversion method which is the most general method as an example.
The phase inversion method is a method for producing a filtration membrane developed by Leob and Sourairajan (see Adv, Chem. Ser. 38, 117, 1963). Specifically, a film-forming stock solution in which a polymer is uniformly dissolved in a solvent is formed into a desired shape, and then precipitated and solidified in a non-solvent for the polymer under specific conditions.
[0026]
In the case of the present invention, a film-forming stock solution mainly composed of a PEK polymer and a non-sulfonated solvent capable of dissolving PEK is formed into a desired film shape, for example, a flat film shape, a tubular shape, a hollow fiber shape, or a capillary shape. Then, the film is immersed in a coagulating liquid composed of a non-solvent for PEK and precipitated and solidified to form a film.
For example, in the case of a flat film, there are a method in which a film-forming stock solution is applied on a support and then immersed in a coagulating liquid, or a method in which the film-forming stock solution is extruded from a slit-shaped die and immersed in the coagulating liquid. In the case of tubular, hollow fiber, and capillary tubes, the membrane-forming stock solution is extruded from the tubular portion outside the die consisting of a coaxial double tube, and at the same time, a non-solvent or inert as an internal coagulant in the nozzle inside the die A film can be formed by passing gas or the like and dipping in a coagulation liquid. In the case of a flat membrane, the thickness is usually 5 to 5000 μm, and in the case of a hollow fiber shape, the thickness is preferably 5 to 3000 μm and the inner diameter is preferably 10 to 5000 μm.
[0027]
The non-sulfonated solvent used in the membrane forming stock solution can dissolve PEK uniformly in an amount of 4% by weight or more, does not substantially chemically react with PEK, and does not substantially sulfonate PEK in the film forming process. That's fine. Examples include sulfuric acid, methanesulfonic acid, fluoromethanesulfonic acid, difluoromethanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, dichloromethanesulfonic acid, dichloroacetic acid, trichloroacetic acid, trifluoroacetic acid, liquid hydrogen fluoride, and mixtures thereof. It is done. Of these, sulfuric acid is usually used. However, in the case of PEK having a structure that is easily sulfonated with sulfuric acid, a solvent other than the above-described sulfuric acid, or a mixture of sulfuric acid and the above-mentioned other solvent is used. When sulfuric acid is used, it may contain up to 15% by weight of water as long as PEK can be uniformly dissolved.
[0028]
In the present invention, a PEK filtration membrane that is not substantially sulfonated can be obtained by using the non-sulfonated solvent.
In addition, an inorganic compound, a low molecular weight organic compound, or the like may be added as an additive to the film forming stock solution for the purpose of controlling film performance such as the pore size of the film. For example, various salts can be used as the inorganic compound, and the following compounds can be used as the low molecular weight organic compound.
[0029]
Diphenylsulfone, 4,4′-dichlorodiphenylsulfone, 2,4′-dichlorodiphenylsulfone, 4,4′-difluorodiphenylsulfone, 2,4′-difluorodiphenylsulfone, 2,2′-difluorodiphenylsulfone Benzophenone, 4,4′-dichlorobenzophenone, 2,4′-dichlorobenzophenone, 4,4′-difluorobenzophenone, 2,4′-difluorobenzophenone, 2,2′difluorobenzophenone, 4,4′- Difluoroterephthalophenone, 2,4′-difluoroterephthalophenone, 4,4′-dichloroterephthalophenone, 2,4′-dichloroterephthalophenone, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide Dimethyl sulfoxide, N-methylpyrrolidone, xanthone, te Phthalic acid, isophthalic acid, salicylic acid, dimethyl carbonate, methylphenyl carbonate, diphenyl carbonate, diethyl carbonate, 1,4-butanediol, 1,3-butanediol, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol ,
Ethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, tetraethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol dimethyl ether, triethylene glycol dimethyl ether, tetraethylene glycol dimethyl ether, propylene glycol dimethyl ether, ethylene glycol mono Ethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, tetraethylene glycol monomel ether, propylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol dimethyl Ether, triethylene glycol diethyl ether, tetraethylene glycol dimethyl ether, propylene glycol diethyl ether, ethylene glycol monoisopropyl ether, diethylene glycol monoisopropyl ether, triethylene glycol monoisopropyl ether, tetraethylene glycol monoisopropyl ether, propylene glycol monoisopropyl ether, ethylene Glycol diisopropyl ether, diethylene glycol diisopropyl ether, triethylene glycol diisopropyl ether, tetraethylene glycol diisopropyl ether, propylene glycol diisopropyl ether, ethylene glycol monophenyl ether, diethylene glycol monophenyl ether , Triethylene glycol monophenyl ether, tetraethylene glycol monophenyl ether, propylene glycol monophenyl ether, ethylene glycol diphenyl ether, diethylene glycol diphenyl ether, triethylene glycol diphenyl ether, tetraethylene glycol diphenyl ether, propylene glycol diphenyl ether, glycerine.
[0030]
Further, for the purpose of controlling the viscosity and film performance of the film-forming stock solution, a thickener such as an inorganic or organic water-soluble or water-insoluble polymer compound or oligomer may be added. For example, as inorganic compounds, those imparting thixotropic properties such as ultrafine silica, and as polymer compounds, PVP, PEG, PPG, PVA, polyacrylic acid and derivatives thereof, polystyrene sulfonic acid and derivatives thereof, sulfonated polyethers Ether ketone, polyethersulfone, polysulfone, sulfonated polyethersulfone, polyetherimide, etc., or a mixture thereof, or an oligomer thereof is used.
[0031]
In the present invention, the composition ratio of the film-forming stock solution is not particularly limited as long as each composition is uniformly dissolved. Usually, in 100 parts by weight of the film-forming stock solution, PEK is 4 to 30 parts by weight, non-sulfonated solvent is 30 to 96 parts by weight, additive is 0 to 30 parts by weight, and thickener is 0 to 70 parts by weight.
After the film-forming stock solution is prepared, it is molded into a desired shape, but it is preferable to degas the film-forming stock solution and further remove insolubles before the molding. Degassing means removing gases such as air diffused or dissolved in the film forming stock solution. If degassing is not performed, the film thickness tends to become non-uniform, and pinholes tend to occur. . Also, when there is an insoluble component such as a polymer gel in the membrane forming stock solution, it is easy to cause non-uniform film thickness and pinholes, and when forming into a flat membrane or hollow fiber using a die. The insoluble matter is clogged in the die, and it tends to be difficult to form a stable film. Deaeration is generally performed by a decompression method, a centrifugal separation method, or the like. The insoluble matter is usually removed by a centrifugal separation method or a filtration method using a filter or the like.
[0032]
On the other hand, the coagulating liquid and the internal coagulating liquid used for the hollow fiber membrane and the like are not particularly limited as long as they are non-solvents for PEK. Usually, water, dilute sulfuric acid, acetic acid, acetate ester, alcohols, polyhydric alcohols, PEG aqueous solution, and the like, and mixtures thereof are used. Further, an inorganic salt or base may be added to the coagulation liquid. For example, lithium chloride, sodium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride, ammonium nitrate, lithium sulfate, magnesium perchlorate, sodium perchlorate, sodium hypochlorite, sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium carbonate, carbonic acid Sodium hydrogen, potassium carbonate, potassium hydrogen carbonate and the like are usually preferably used. These coagulation liquids are related to the porosity of the membrane and have a great influence on the water permeability and fractionation of the filtration membrane. In particular, when sulfuric acid is used as the film-forming stock solution, usually water or dilute sulfuric acid is preferably used as the coagulating liquid from the viewpoint of operability.
[0033]
In the film-forming process, the temperature of the film-forming stock solution in the film-forming adjustment stage and the forming stage and the temperature of the coagulating liquid in the coagulation stage are not particularly limited, but are usually in the range of 2 to 90 ° C. Further, if necessary, stretching or the like may be performed.
In the present invention, it is essential that the amorphous PEK film is kept wet. As used herein, the wet state refers to a state in which the PEK filtration membrane is wet with a cleaning solvent, a heat stabilizing solvent, a solvent used for storage processing, and the like. More specifically, it refers to a state in which the pores on the membrane surface and the void surface from the membrane surface to the inside of the membrane are covered with a solvent that forms a wet state, or the entire membrane is completely immersed in the solvent. This state is achieved by applying, spraying, impregnating, or immersing the PEK filtration membrane in the solvent on the surface of the PEK filtration membrane. For example, in the present invention, although it depends on the porosity of the PEK filtration membrane and the specific gravity of the solvent to be used, the weight is 0.5 times or more, more preferably 2 times or more the weight of the membrane. Is preferably applied, impregnated, or immersed in the solvent having a weight of 10 times or more. When the PEK filtration membrane deviates from the wet state, a decrease in water permeability occurs during filtration use, and thermal stability is poor.
[0034]
Next, cleaning will be described. The coagulated PEK filtration membrane desirably removes non-sulfonated solvents, additives, thickeners, coagulating liquid, and the like remaining in the membrane. In general, the immersed PEK filtration membrane is taken out of the coagulation bath and washed with the coagulation liquid attached to the membrane surface. However, in the coagulation step, non-sulfonated solvents, additives, thickeners, and the like are removed from the PEK filtration membrane to the extent that there is no problem when used as a thermal stabilization and actual separation membrane described later. If it does not have to be washed.
[0035]
A general washing method is, for example, a washing treatment using an aqueous medium or a medium mainly composed of water as a washing solvent at a temperature in the range of room temperature to the boiling point of water to remove the non-sulfonated solvent and the like. Usually, water or alkaline water is preferably used. When the shape of the PEK filtration membrane is tubular, hollow fiber, or capillary, it is also effective to distribute the cleaning solvent in the hollow portion of the membrane.
[0036]
If a small amount of non-sulfonated solvent remains in the membrane even after the above washing, washing with an organic solvent is desirable. Usually, methanol, ethanol, propanol, acetone, methyl ethyl ketone, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, dimethylformamide, dimethylacetamide, N-methyl-2-pyrrolidone and the like are used as the organic solvent, but not limited thereto. Although there is no restriction | limiting in particular in the temperature of the organic solvent used for this washing | cleaning, Usually, it is the range of room temperature-120 degreeC. Even when a thickener or additive that is insoluble in an aqueous medium is used at the time of film formation, it is desirable to remove it with the organic solvent.
[0037]
Further, a thickener or the like may remain as long as it does not elute during use of the crystalline filtration membrane. For example, when PVP is used as the thickener and the PEK filtration membrane is used for applications that do not allow ultra-elution, it is decomposed and removed with an aqueous solution of hypochlorite such as sodium hypochlorite after washing. You may wash. In this case, although there is no restriction | limiting in particular in the chlorine concentration, temperature, and time, Usually, it is a density | concentration of 100-80000 ppm, the temperature range of room temperature-95 degreeC, and the range of 1-500 hours. It is also useful to immerse in a water-soluble organic solvent such as ethanol in advance to fully hydrophilize the PEK filtration membrane.
[0038]
Further, after washing, the PEK filtration membrane is immersed in an aqueous medium such as water, alcohol, alcohol aqueous solution, formalin, and a mixture thereof, or ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, diethylene It is effective to store the membrane surface so as not to be dried in an impregnated or impregnated state in alcohols such as propylene glycol, tripropylene glycol, and glycerin, and mixtures thereof and other solvents. When the PEK filtration membrane is dried after washing, the water permeability tends to decrease, which is not preferable.
[0039]
The PEK filtration membrane thus obtained is an amorphous filtration membrane having a crystallinity of usually less than 15% by weight and generally has low heat resistance. The present invention provides a heat stabilization method for obtaining a high-performance crystalline PEK filtration membrane having a crystallinity of 15% by weight or more by subjecting the amorphous filtration membrane to a heat treatment. This method not only increases the crystallinity of the PEK filtration membrane but also provides a high degree of thermal stability.
[0040]
Hereinafter, the thermal stabilization method of the present invention will be described. The heat stabilization method of the present invention comprises a pre-heating treatment and a heat treatment as necessary.
The crystallinity of the amorphous PEK filtration membrane used in the present invention is not particularly limited as long as it is less than 15% by weight. Preferably it is about 10% by weight or less, more preferably about 5% by weight or less. If the crystallinity is already 15% by weight or more before performing the thermal stabilization treatment, high thermal stability tends not to be imparted.
[0041]
The degree of crystallinity of the crystalline PEK filtration membrane obtained by the heat stabilization treatment of the present invention is 15% by weight or more, and 25% by weight or more when it exhibits a higher degree of thermal stability. Such crystallinity is measured by the wide angle X-ray diffraction method (Polymer, 24.953 (1983)) reported by Blundell and Osborn.
In the present invention, heat treatment is performed at a temperature not lower than the melting point and not higher than the melting point of PEK in the presence of a heat stabilizing solvent. When the heat treatment temperature is lower than the above range, the obtained filtration membrane is inferior in thermal stability at a high temperature, and when it is higher than the above range, the membrane is melted or severely deformed. A preferable heat treatment temperature is the glass transition point + 20 ° C. or higher and the melting point −20 ° C. or lower, particularly preferably the glass transition point + 50 ° C. or higher and the melting point −50 or lower. This particularly preferable heat treatment temperature range is usually in the range of 180 to 320 ° C., although it depends on the structure of the PEK used.
[0042]
The glass transition point and melting point of PEK in the present invention mean temperatures observed when PEK is measured with a differential thermal analyzer (DSC) at a rate of temperature increase of 10 ° C./min.
In the present invention, it is essential to always keep the film wet during the heat treatment.
In the present invention, the heat stabilizing solvent means a solvent used for forming a wet state of the PEK filtration membrane during the heat treatment.
[0043]
The heat stabilizing solvent used in the present invention is not particularly limited as long as it is a stable solvent that does not dissolve the PEK filtration membrane and does not cause deterioration such as severe decomposition during the heat treatment. Among them, a solvent having a solubility parameter value of 8 or more and 17 or less is preferable. More preferably, the solvent has a solubility parameter value of 8 or more and 14 or less, and particularly preferably 9 or more and 13 or less. When a solvent whose solubility parameter value is out of the above range is used, the water permeability of the obtained PEK filtration membrane is remarkably lowered and cannot be used as an effective separation membrane for the above application fields.
[0044]
The solubility parameter used in the present invention has the following formula:
(Solubility parameter) = (△ EV/ V)1/2
Given in. △ E represented hereVIs the molar evaporation energy, approximately ΔH-RT. ΔH is steam heat, R is the gas constant, T is the absolute temperature, and V is the molar volume of the solvent.
[0045]
Solubility parameters are described in many scientific literatures and scientific books. In particular, the polymer data handbook basics (Science of Polymer Science, Bafukan) has a table arranged for each solvent and is suitable for the present invention. The heat-stabilized solvent can be determined. Other documents include Ind. Eng. Chem. Prod. Res. Dev. 8, March 1969, pages 2 to 11, Chemical Reviews, 75 (1975) pages 731 to 753, Encyclopedia of Chemical Technology, Second Edition, Supplemental Volume 9 pages (1971) and the like.
[0046]
The heat stabilization solvent used by this invention is illustrated below.
Methanol, ethanol, n-propanol, n-butanol, isobutanol, sec-butyl alcohol, t-butyl alcohol, n-pentanol, n-hexanol, 2-ethylbutanol, n-octanol, ethylhexanol, 1-dodecanol, 3,5,5-trimethylhexanol, cyclohexanol, methyl isobutyl carbinol, n-amyl alcohol, allyl alcohol, lauryl alcohol, benzyl alcohol, furfuryl alcohol, n-heptanol, 1,4-butanediol, 1,3 -Butanediol, 2,3-butanediol, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene Glycol, tetraethylene glycol, neo phenyl glycol, 1,5-pentanediol, 2,4-pentanediol, 2,5-pentanediol, alcohols such as glycerol, PEG, PPG.
[0047]
Dimethyl ether, diethyl ether, ethyl methyl ether, isopropyl ether, dipropyl ether, diisopropyl ether, butyl ether, dibenzyl ether, dihexyl ether, diamyl ether, ethyl isobutyl ether, methyl isobutyl ether, diacetone alcohol methyl ether, dichloroethyl ether, Diphenyl ether,
Ethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, tetraethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol dimethyl ether, diethylene glycol dimethyl ether, triethylene glycol dimethyl ether, tetraethylene glycol dimethyl ether, propylene glycol dimethyl ether, ethylene glycol mono Ethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, triethylene glycol monoethyl ether, tetraethylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol diethyl Ether, triethylene glycol diethyl ether, tetraethylene glycol diethyl ether, propylene glycol diethyl ether,
Ethylene glycol monoisopropyl ether, diethylene glycol monoisopropyl ether, triethylene glycol monoisopropyl ether, tetraethylene glycol monoisopropyl ether, propylene glycol monoisopropyl ether, ethylene glycol diisopropyl ether, diethylene glycol diisopropyl ether, triethylene glycol diisopropyl ether, tetraethylene glycol diisopropyl Ether, propylene glycol diisopropyl ether, ethylene glycol monophenyl ether, diethylene glycol monophenyl ether, triethylene glycol monophenyl ether, tetraethylene glycol monophenyl ether, propylene glycol monophenyl ether Ethylene glycol diphenyl ether, diethylene glycol diphenyl ether, triethylene glycol diphenyl ether, tetraethylene glycol diphenyl ether, propylene glycol diphenyl ether, methyl-2-pentanediol 1,3, methyl-2-pentanediol-2,4, ethylhexanediol-1, Ethers such as 3.
[0048]
Acetals such as 1,4-dioxane, furan, furfural and tetrahydrofuran.
Methyl acetate, ethyl acetate, acetic acid-n-propyl, isopropyl acetate, acetic acid-n-butyl, acetic acid isobutyl, acetic acid-sec-butyl, acetic acid-n-amyl, isoamyl acetate, acetic acid-sec-amyl, vinyl acetate, allyl acetate , Methyl amyl acetate, butyl stearate, methyl formate, ethyl formate, propyl formate, formate-n-butyl, isobutyl formate, n-amyl formate, isoamyl formate, methyl butyrate, ethyl butyrate, isobutyl butyrate, n-butyl butyrate, Propyl butyrate, isopropyl isobutyrate, methyl propionate, ethyl propionate, butyl propionate, propyl propionate, ethyl lactate, methyl lactate, lactate-n-butyl, methyl benzoate, ethyl benzoate, ethyl acrylate, methyl acrylate , Methyl methacrylate, ethyl methacrylate Butyl methacrylate, methyl isobutyrate, ethyl isobutyrate,
Dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dipropyl phthalate, dibutyl phthalate, dimethyl oxalate, diethyl oxalate, dimethyl sebacate, diethyl sebacate, dibutyl sebacate, dioctyl sebacate, butyrolactone, caprolactone, methyl caprolactone, propiolactone And esters such as dioctyl phthalate.
[0049]
Acetone, methyl ethyl ketone, methyl propyl ketone, methyl-n-butyl ketone, methyl amyl ketone, diethyl ketone, diisobutyl ketone, diisopropyl ketone, methyl isoamyl ketone, ethyl amyl ketone, methyl isobutyl ketone, methyl isopropyl ketone, methyl nonyl ketone, cyclopentanone , Cyclobutanedione, methylcyclohexanone, acetophenone, diacetone alcohol, mesityl oxide, acrolein, benzophenone, chlorobenzophenone, dichlorobenzophenone, difluorobenzophenone, fluorobenzophenone, hydroxybenzophenone, dihydroxybenzophenone, difluoroterephthalophenone, dichloroterephthalophenone And ketones such as dihydroxyterephthalophenone.
[0050]
Aldehydes such as acetaldehyde, benzaldehyde and butyraldehyde.
Hydrocarbons such as hexane, heptane, octane, cyclohexane, decane, methylcyclohexane, tetrahydronaphthalene, benzene, toluene, xylene, styrene, ethylbenzene, n-propylbenzene, and cyclopentane.
Halogenated hydrocarbons such as methyl chloride, methylene chloride, trichloromethane, carbon tetrachloride, ethyl chloride, ethylidene chloride, methyl iodide, ethyl iodide, benzene iodide, bromobenzene, chlorobenzene, dichlorobenzene, and trichlorobenzene.
[0051]
Fatty acids and phenols such as formic acid, acetic acid, butyric acid, maleic acid, propionic acid, acetic anhydride, propionic anhydride, succinic anhydride, maleic anhydride, acrylic acid, methacrylic acid, phenol, m-cresol, and bisphenol A.
Nitromethane, nitroethane, nitropropane, nitrooctane, nitrobenzene, methylamine, ethylamine, diethylamine, triethylamine, butylamine, dibutylamine, tributylamine, amylamine, ethylenediamine, N, N-dimethylnitroamine, triethylenetetramine, formamide, N-methyl Formamide, N-ethylformamide, methylacetamide, N-ethylacetamide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N, N-diethylacetamide, tetramethyloxyamide, hexamethylphosphoramide, aniline, dimethyl Aniline, acetonitrile, chloroacetonitrile, n-butyronitrile, benzonitrile, capronitrile, propionitrile, acrylo Tolyl, malononitrile, n-valeronitrile, quinoline, morpholine, N-ethylmorpholine, N-acetylmorpholine, N-formylmorpholine, α-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, pyridine, piperidine, N-acetylpiperidine, N -Nitrogen compounds such as formylpiperidine, N-acetylpiperidine, N, N-diacetylpiperazine, hydrazine, phenylhydrazine, ε-caprolactam.
[0052]
Carbonates such as dimethyl carbonate, diethyl carbonate, methyl ethyl carbonate, diphenyl carbonate, methyl phenyl carbonate, and ethyl phenyl carbonate.
Methyl ethyl sulfone, tetramethylene sulfone, dimethyl sulfide, carbon disulfide, methyl tetramethylene sulfone, methyl propyl sulfone, dimethyl sulfone, dimethyl sulfoxide, dimethyl tetramethylene sulfone, diethyl sulfone, sulfolane, thiophene, dipropyl sulfone, diphenyl sulfone, di Sulfur compounds such as fluorodiphenyl sulfone, dichlorodiphenyl sulfone, dihydroxydiphenyl sulfone.
[0053]
Phosphorus compounds such as dibutylphenyl phosphate, tricresyl phosphate, triphenyl phosphite, trimethyl hexamethyl phosphate, and mixtures thereof.
Among the heat-stabilized solvents, 1,4-butanediol, 1,3-butanediol, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene glycol, glycerin, PEG, PPG N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N-methyl-2-pyrrolidone, and mixtures thereof are particularly preferred. Especially, it is preferable to select from alcohols and ethers. In the present invention, when PEG or PPG is used as the heat stabilizing solvent, the molecular weight is not particularly limited, but is preferably 100 to 2000 in terms of weight average molecular weight.
[0054]
In the heat-stabilized solvent, the compound that is solid at the heat treatment temperature is used as a solution with one or more other heat-stabilized solvents that are liquid at the temperature.
The heat treatment time in the present invention is not particularly limited, but is preferably from 5 minutes to 100 hours, more preferably from 30 minutes to 50 hours, and even more preferably from 1 hour to 10 hours.
[0055]
The heat treatment method in the present invention can be performed in an open system and a closed system using an autoclave or the like in a wet state where a PEK filtration membrane is immersed in a heat stabilizing solvent. In the wet state where the heat stabilizing solvent is applied or impregnated, it can be carried out in an open system using an oven or the like, or a closed system using an autoclave or the like. However, in the case of an open system, deformation of the filtration membrane and damage on the surface of the membrane may occur due to intense vaporization of the heat stabilizing solvent during the heat treatment, and in the case of an open system using an oven or the like Since the filtration membrane may deviate from the wet state due to vaporization of the heat-stabilizing solvent, care must be taken so that neither occurs.
[0056]
When performing the heat treatment of the present invention, the atmosphere of the heat stabilizing solvent may be air or an inert gas such as nitrogen, argon, or helium. During the heat treatment, the heat-stabilized solvent causes thermal degradation due to oxygen in the atmosphere, and as a result, when the performance such as water permeability and fractionation of the PEK filtration membrane is lowered, Heat treatment is preferred.
In the present invention, it is preferable to substantially remove the low boiling point solvent in the filtration membrane as necessary before the heat treatment. Here, the low boiling point solvent is a solvent used in the film formation, washing, and storage performed immediately after washing, and remains in the PEK filtration membrane after film formation. These low-boiling solvents are usually solvents having a boiling point of 140 ° C. or lower. In organic solvent systems, methanol, ethanol, propanol, acetone, methyl ethyl ketone, etc., inorganic solvent systems are water, dilute sulfuric acid, aqueous sodium hydroxide, Sodium chlorite aqueous solution and the like. In the present invention, it is preferable that these low-boiling solvents are substantially removed before the heat treatment. If the low boiling point solvent remains in the membrane during the heat treatment stage, boiling will occur during the heat treatment, which may cause deformation of the membrane or pinholes on the membrane surface, resulting in unstable separation performance. There is a tendency.
[0057]
Here, substantially removing the low boiling point solvent means that bubbles derived from the low boiling point solvent do not appear from the film surface during the heat treatment. The bubbles are presumed to be due to the boiling of the low boiling point solvent at the above heat treatment temperature.
The method for substantially removing the low boiling point solvent is not particularly limited as long as it does not deviate from the wet state, but a method of replacing with a high boiling point solvent that does not boil at the heat treatment temperature is preferable. Especially, it is preferable to remove a low boiling-point solvent from a film | membrane substantially by substituting with the heat stabilization solvent used when heat-processing. Although this method is not particularly limited, it is preferable to replace the film by immersing the film in an impregnation method by coating or in a heat-stabilizing solvent under conditions where the low-boiling solvent does not boil. The temperature conditions for coating or dipping are usually in the range of 20 to 140 ° C. Further, the impregnation or immersion time is not particularly limited, but is usually preferably from 5 minutes to 100 hours, more preferably from 30 minutes to 50 hours. In addition, the immersion method may be performed under pressure or reduced pressure in a closed system such as an autoclave under conditions of temperature and pressure at which the low boiling point solvent present in the film does not boil.
[0058]
Furthermore, in the present invention, after replacing the low boiling point solvent in the PEK filtration membrane with the heat stabilizing solvent, the heat stabilizing solvent impregnated in the membrane evaporates and does not deviate from the wet state. The low boiling point solvent still remaining in the film may be removed by drying in an oven or the like.
In the present invention, it is preferable that a polymer compound is contained in the film as necessary before the heat treatment. The present inventors have found that when a polymer compound is contained in the filtration membrane, the change in water permeability of the membrane is small before and after the heat treatment.
[0059]
The polymer compound does not decompose at a temperature above the glass transition temperature of PEK, particularly at the heat treatment temperature, does not chemically affect the PEK filtration membrane, and can be removed from the membrane with a solvent after the heat treatment. If it is a thing, there will be no restriction | limiting in particular. For example, PEG, PPG, PVP, PVA, cellulose and derivatives thereof, polyethylene, polypropylene, polyester, polyacrylonitrile, polymethyl methacrylate, polystyrene, polycarbonate, ethylene-vinyl alcohol copolymer, polyamide, polyarylate, polysulfone, polyethersulfone , Polyetherimide, sulfonated polyetheretherketone, sulfonated polyethersulfone and the like, and derivatives thereof. Of these, PEG, PPG, PVP, and PVA are preferably used.
[0060]
Although there is no restriction | limiting in particular in the molecular weight of the said high molecular compound, Usually, the thing of the range of 200-1,000,000 in a weight average molecular weight, especially 200-100,000 is used suitably.
In the present invention, the inclusion of the polymer compound in the membrane means that the polymer compound is present in the filtration membrane, particularly in the micropores on the membrane surface. The amount of the polymer compound is not particularly limited, but depends on the porosity of the membrane, the pore diameter of the surface micropores, and the specific gravity of the polymer compound to be used, but is usually based on 100 parts by weight of the filtration membrane. 0.1 to 300 parts by weight.
[0061]
In the present invention, examples of the method for containing the polymer compound include a method in which the polymer compound is dissolved and the film is immersed, a method in which the film is immersed in the liquid polymer compound, a solution in which the polymer compound is dissolved, A method in which a molecular compound is directly applied or sprayed on a film, or a method in which a monomer or oligomer of a polymer compound is impregnated in a film and the monomer or oligomer is polymerized by a polymerization operation is preferably used. In particular, a method of immersing the film in a solution in which the polymer compound is dissolved or a liquid polymer compound is preferably used. In particular, the method of dissolving the polymer compound and immersing the film is most preferable because the polymer compound can be rapidly and uniformly contained in the film in a low viscosity state.
[0062]
When the polymer compound is contained in the above method, the temperature at which the membrane is immersed is such that the polymer compound can be impregnated in the membrane, the solvent in which the polymer compound is dissolved does not boil, and the glass transition of PEK There is no particular limitation as long as the temperature is lower than the point. Usually, it is carried out in the range of room temperature to 140 ° C. At this time, care must be taken not to cause boiling such as evaporation of the solvent from the film surface because the low boiling point solvent remains in the film. If the solvent in which the polymer compound is dissolved boils or if the vaporization from the low boiling point solvent occurs from the membrane surface, the membrane may be deformed or pinholes may occur on the membrane surface, resulting in stable separation performance. There is a tendency that a crystalline filtration membrane cannot be obtained.
[0063]
Furthermore, the atmosphere in which the polymer compound is contained in the film may be in air or in the presence of an inert gas such as nitrogen. In addition, when bubbles or the like are contained in the film, the polymer compound is difficult to enter the film, and therefore, it is possible to carry out under reduced pressure or under pressure in order to remove the bubbles.
Further, the time for containing the polymer compound in the film, for example, the time for immersing the polymer compound in the film is not particularly limited, and is usually in the range of 10 seconds to 50 hours.
[0064]
Further, in the method of immersing the film in the solution in which the polymer compound is dissolved, it is desirable that the solvent for dissolving the polymer compound is the heat stabilizing solvent described above. When a solvent other than the above-mentioned heat-stabilized solvent is used as the solvent, a step of replacing the solvent in the film with the heat-stabilized solvent is added during the heat treatment, which is not desirable in terms of productivity. The concentration is not particularly limited, and is usually 1 to 1000 parts by weight of the polymer compound with respect to 100 parts by weight of the solvent.
[0065]
In the present invention, when the polymer compound is contained in the membrane and the low boiling point solvent in the membrane is substantially removed, the step of removing the low boiling point solvent can be omitted. In addition, when the polymer compound is contained in the film, it must not deviate from the wet state of the film.
Next, post-processing steps according to the necessity of the present invention will be described.
In the post-treatment step in the present invention, after completion of the heat treatment, a washing treatment for removing the heat-stabilized solvent, polymer compound, etc. present in the membrane, and for maintaining the wet state until the actual use of filtration. There is a preservation process.
[0066]
First, as the washing treatment, it is desirable to wash using a solvent having solubility in both in order to remove the heat-stabilized solvent and the polymer compound. As the solvent, water or organic solvents such as alcohols, ketones, ethers and amides can be preferably used. The temperature of the washing treatment is not particularly limited, but is usually performed at room temperature to 130 ° C. However, it is not preferable that the solvent used for washing boils under reflux or the like because the film is easily deformed and the film surface is damaged.
[0067]
On the other hand, as the preservation treatment, for example, it is preferable to immerse the membrane in a heat stabilizing solvent, formalin, water or a mixture thereof, or to impregnate or apply these liquids in the membrane.
However, when a solvent that is not problematic for use as a separation membrane is used as the heat stabilizing solvent, the above storage treatment may be omitted. For example, these heat-stabilized solvents depend on the field of use as a separation membrane, but glycerin, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol. , Dipropylene glycol, tripropylene glycol, PEG, PPG and the like, and mixtures thereof are not limited thereto.
[0068]
As described above, a highly heat-stabilized crystalline filter membrane can be obtained by performing heat treatment on a non-crystalline PEK filter membrane under specific conditions using a heat-stabilized solvent while maintaining a wet state. Can do. In addition, by substantially removing the low boiling point solvent in the film before the heat treatment, a film having a stable quality such as fractionation can be obtained. Furthermore, the deterioration of water permeability due to crystallization can be improved by including a polymer compound in the film before the heat treatment.
[0069]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
First, a method for measuring each physical property of the film will be described.
▲ 1 ▼ Water permeability
(If flat)
A flat membrane was placed in a plastic holder (PP-25 manufactured by Advantech Toyo Co., Ltd.), and 1 kg / cm of distilled water at 25 ° C was applied to the membrane surface that was in contact with the coagulation liquid.2The volume of distilled water permeating through the membrane was measured for 20 minutes when the pressure was applied at a pressure of liter / m.2・ Hr ・ kg / cm2It was calculated in terms of
(For hollow fiber membrane)
1 kg / cm of distilled water at 25 ° C. inside the hollow fiber membrane single yarn of 30 cm in length2The volume of distilled water that has permeated outside the membrane is measured for 20 minutes when the pressure is2・ Hr ・ kg / cm2It was calculated in terms of
(2) Blocking rate against dextran molecules (Evaluation of fractionation of hollow fiber membrane)
A solution prepared by adding dextran (manufactured by Pharmacia) of various weight average molecular weights in distilled water to a concentration of 0.5% by weight was used as a stock solution. This stock solution is placed inside the hollow fiber membrane at 25 ° C., a linear velocity of 1 m / sec, and an average filtration pressure of 1 kg / cm.2The filtrate that permeated to the outside of the membrane was collected for 10 minutes and determined from the following equation.
[0070]
Blocking rate (%) = (1−C / C0) × 100
(Where C is the collected filtrate concentration, C0Represents the stock solution concentration. )
(3) Wide angle X-ray diffraction (crystallinity)
An X-ray diffractometer MXP-18 manufactured by Mac Science Co., Ltd. was used, and an X-ray generated by an acceleration voltage of 50 kv, an acceleration current of 200 mA, and a Cu target was monochromatized using a Ni monochromator. When the membrane was hollow fiber membrane or flat membrane, the sample was placed using a fiber sample stage and measured by the transmission method. The scattered X-rays generated from the sample were scanned from 12 to 32 °, 50 points were taken per degree, and the measurement was performed for 1.2 seconds per point. The crystallinity of the obtained diffraction image was determined by the method reported by Blendell and Osborn (Polymer, 24, P. 953 (1983)).
[0071]
[Example 1]
The case where diethylene glycol is used as the heat stabilizing solvent is exemplified.
80.0 g of PEK (glass transition point 151 ° C., melting point 373 ° C.) having a reduced viscosity of 0.96 dl / g and repeating units of the formula (1) in 920.0 g of sulfuric acid having a concentration of 88.0% prepared with distilled water Was added, and the mixture was stirred for 10 hours while degassing by depressurization, and a uniform solution was obtained as a film forming stock solution. While the distilled water at 16 ° C. was discharged as an internal coagulant from a coaxial double tube type (tube-in-orifice type) hollow fiber production nozzle, the film forming stock solution at 16 ° C. was simultaneously discharged. The film-forming stock solution was immersed in a 15 ° C. water bath provided 10 cm below the spinning nozzle and solidified, and then wound up at a speed of 12.6 m / min. The wound hollow fiber membrane was cut to about 40 cm and washed by immersing it in distilled water at 60 ° C. for 12 hours and in ethanol at 16 ° C. for 10 hours. As a result of the X-ray diffraction measurement, the obtained PEK hollow fiber membrane was in an amorphous state.
[0072]
The obtained hollow fiber membrane was taken out from ethanol and immersed in diethylene glycol about 5 times by weight of the hollow fiber while keeping the wet state, and the temperature was raised to 200 ° C. over about 1 hour in an open system. The heat treatment was performed while maintaining the temperature at 200 ° C. for 2 hours, and the mixture was cooled to 16 ° C. over about 1 hour.
Thereafter, so as not to dry the hollow fiber membrane, it was washed by immersing it in distilled water at 60 ° C. for 5 hours, and further substituting ethanol in ethanol at 50 ° C. every hour for 5 hours, and then in distilled water at 15 ° C. Saved in.
[0073]
The obtained hollow fiber membrane has an inner diameter of 0.55 mm, an outer diameter of 0.98 mm, and a water permeability of 62 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met.
Further, the water permeability after the hollow fiber membrane was immersed in distilled water at 130 ° C. for 15 hours in a closed system was 58 liters / m 2.2・ Hr ・ kg / cm2Thus, almost no decrease in water permeability due to hot water was observed.
[0074]
Further, the water permeability after immersion in distilled water at 150 ° C. for 10 hours was 56 liter / m.2・ Hr ・ kg / cm2The water permeability was not changed.
[0075]
[Example 2]
The same procedure as in Example 1 was performed except that triethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The water permeability of the obtained hollow fiber membrane is 40 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate with a molecular weight of 10,000 was 91%.
[0076]
The water permeability after the hot water treatment at 130 ° C is 34 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 93%, and the water permeability and the fractionation property were hardly changed.
[0077]
[Example 3]
The same procedure as in Example 1 was performed except that propylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The water permeability of the obtained hollow fiber membrane is 46 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate with a molecular weight of 10,000 was 90%.
[0078]
Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 43 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 93%, and the water permeability and the fractionation property were hardly changed.
[0079]
[Example 4]
The same procedure as in Example 1 was performed except that triethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent and the heat treatment time was 5 hours.
The resulting hollow fiber membrane has a water permeability of 42 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate with a molecular weight of 10,000 was 91%.
[0080]
Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 42 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 91%, and both the water permeability and the fractionation property were hardly changed.
Furthermore, the water permeability after hot water treatment at 150 ° C is 38 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 94%, and no decrease in water permeability and fractionability was observed.
[0081]
[Example 5]
The same procedure as in Example 1 was performed except that triethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent and the heat treatment temperature was 280 ° C.
The resulting hollow fiber membrane has a water permeability of 41 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate with a molecular weight of 10,000 was 90%.
[0082]
Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 38 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 94%, and the water permeability and the fractionation were almost unchanged.
Furthermore, the water permeability after hot water treatment at 150 ° C is 38 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 94%, and no decrease in water permeability and fractionability was observed.
[0083]
[Comparative Example 1]
It carried out similarly to Example 1 except not having heat-processed.
The water permeability of the obtained hollow fiber membrane is 240 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met.
Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 12 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2It declined violently.
[0084]
[Comparative Example 2]
The hollow fiber membrane formed by the same method as in Example 1 was heat-treated in an oven at 200 ° C. for 30 minutes. The hollow fiber membrane removed from the oven was completely dry and was not wet.
When an attempt was made to measure the water permeation amount of the obtained hollow fiber membrane, no water permeation occurred during the measurement for 20 minutes.
[0085]
[Comparative Example 3]
The case where heat treatment is performed at a temperature lower than the glass transition point of PEK in a wet state is shown. The same procedure as in Example 1 was performed except that triethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent and the heat treatment temperature was 130 ° C.
The resulting hollow fiber membrane has a water permeability of 69 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met.
[0086]
Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 11 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2And remarkably decreased.
[0087]
[Comparative Example 4]
The case where a heat treatment is performed at a temperature lower than the glass transition point of PEK in a wet state and a dry treatment is performed is shown.
The hollow fiber membrane formed by the same method as in Example 1 was immersed in dimethylacetamide so as not to be dried, and dimethylacetamide was boiled and refluxed for 30 minutes. Then, it was washed with boiling acetone for 2 hours, and dried in air at room temperature for 10 hours.
[0088]
The resulting hollow fiber membrane has a water permeability of 21 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met.
The water permeability after hot water treatment at 130 ° C is 4 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2That was a big drop.
Furthermore, the water permeability after hot water treatment at 150 ° C is 2 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The decline further progressed.
[0089]
[Example 6]
940.0 g of sulfuric acid with a concentration of 98.0%, 60 g of PEK (glass transition point 151 ° C., melting point 371 ° C.) consisting of repeating units of formula (1) with a reduced viscosity of 1.30 dl / g, weight average molecular weight as thickener Ten thousand PVP (75 g) was added, and the same dissolved material as in Example 1 was used as a film-forming stock solution to form a film in the same manner as in Example 1.
[0090]
After washing, the hollow fiber membrane is immersed in an aqueous solution of 3000 ppm sodium hypochlorite at 17 ° C. for 15 hours, then immersed in distilled water at 60 ° C. for 12 hours and in ethanol at 25 ° C. for 10 hours to remain in the membrane. And the membrane was stored in distilled water.
Thereafter, heat treatment and cleaning treatment were performed in the same manner as in Example 1.
The obtained hollow fiber membrane has an inner diameter of 0.70 mm, an outer diameter of 1.05 mm, and a water permeability of 215 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met.
[0091]
The water permeability after hot water treatment at 130 ° C is 208 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2And there was little change.
[0092]
[Example 7]
The same procedure as in Example 6 was performed except that triethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The water permeability of the obtained hollow fiber membrane is 151 liter / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate with a molecular weight of 10,000 was 77%.
[0093]
Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 149 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 78%, and the water permeability and fractionability did not change.
[0094]
[Example 8]
PEK composed of repeating units of formula (5) with a reduced viscosity of 1.1 dl / g (glass transition point 170 ° C., melting point 381 ° C.), dipropylene glycol was used as the heat stabilizing solvent, and the heat treatment temperature was 220 ° C. Except for this, the same procedure as in Example 1 was performed.
The obtained hollow fiber membrane has an inner diameter of 0.52 mm, an outer diameter of 0.96 mm, and a water permeability of 54 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate with a molecular weight of 10,000 was 92%.
[0095]
The water permeability after the hot water treatment at 130 ° C is 51 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 97%, and the water permeability and fractionation did not change.
The water permeability after hot water treatment at 150 ° C is 48 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2The dextran exclusion rate was 96%, and the water permeability and fractionability did not change.
[0096]
[Example 9]
A case of a flat film using diethylene glycol as the heat stabilizing solvent is illustrated. 4.0 g of PEK (glass transition point 151 ° C., melting point 373 ° C.) having a reduced viscosity of 0.96 dl / g and a repeating unit of formula (1) was added to 46.0 g of 88% sulfuric acid prepared with distilled water. The solution was stirred for 10 minutes while deaerated by a vacuum method, and dissolved for 10 hours to obtain a uniform solution. A film-forming stock solution was cast into a flat film using an applicator on a dry glass plate so that the thickness of the liquid film was 100 μm, and immediately immersed in distilled water at 15 ° C. together with the glass plate to be solidified. After 20 minutes, the obtained membrane was taken out of distilled water and immediately immersed in distilled water at 60 ° C. for 12 hours and further immersed in ethanol at 25 ° C. for 10 hours for washing.
[0097]
Next, after the obtained film was taken out from ethanol, it was immediately immersed in diethylene glycol at 15 ° C. so as not to be dried, and the diethylene glycol was replaced three times every hour. Further, while the membrane was immersed in diethylene glycol, the film was heated to 200 ° C. over 1 hour in an open system and heated at 200 ° C. for 2 hours, and then cooled to 16 ° C. over about 1 hour.
[0098]
After that, so as not to dry the membrane, it was washed by immersing it in distilled water at 60 ° C for 5 hours, and further replacing ethanol in ethanol at 50 ° C every hour for 5 hours, and then stored in distilled water at 15 ° C. did.
The obtained flat membrane has a water permeability of 82 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met. Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 81 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2And there was little change.
[0099]
[Example 10]
The same procedure as in Example 9 was performed except that dipropylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The obtained flat membrane has a water permeability of 97 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met. Moreover, the water permeability after the hot water treatment at 130 ° C. is 92 liters / m.2・ Hr ・ kg / cm2And there was little change.
[0100]
Example 11
The case where the low boiling point solvent in a film | membrane is removed before heat processing is shown.
In Example 1, the hollow fiber membrane after completion of washing and before heat treatment was taken out from the ethanol used for washing, and immediately immersed in diethylene glycol at 18 ° C., and the temperature was raised to 90 ° C. over about 20 minutes. did.
[0101]
After 1 hour, the hollow fiber membrane was taken out, immersed in 17 ° C. diethylene glycol prepared separately, heated to 200 ° C. over about 1 hour in an open system, and heated at 200 ° C. for 2 hours. And cooled to 16 ° C. over about 1 hour. As a result of visual observation of the film surface during temperature rise and during holding at 200 ° C., generation of bubbles from the film surface was not observed at all.
[0102]
After the heat treatment, the hollow fiber membrane is washed by immersing it in distilled water at 60 ° C. for 5 hours and further substituting the ethanol in ethanol at 50 ° C. for 5 hours every hour so as not to dry, and then at 15 ° C. Stored in distilled water.
The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 0.55 mm and an outer diameter of 0.98 mm. Moreover, the dextran blocking rate with a weight average molecular weight of 10,000, 40,000, and 100,000 was measured with respect to 100 hollow fiber membranes. As a result, all 100 hollow fiber membranes were 88 to 95% for dextran having a weight average molecular weight of 10,000, 93 to 96% for 40,000, and 95 to 99% for 100,000. Showed the rate.
[0103]
Example 12
940.0 g of sulfuric acid having a concentration of 98.0%, 60 g of PEK (glass transition point 159 ° C., melting point 381 ° C.) having a reduced viscosity of 1.1 dl / g and a repeating unit of formula (5), and a weight average as a thickener 75 g of PVP having a molecular weight of 10,000 was added, and the same dissolved solution as in Example 1 was used as a film forming stock solution to form a film in the same manner as in Example 1.
[0104]
After washing, the hollow fiber membrane was immersed in an aqueous solution of sodium hypochlorite at 17 ° C. and 5000 ppm for 15 hours, then immersed in distilled water at 60 ° C. for 12 hours and in ethanol at 25 ° C. for 10 hours to remain in the membrane. And the membrane was stored in distilled water.
Next, the hollow fiber membrane was immersed in 90 ° C. triethylene glycol for 1 hour and then left in an air atmosphere at 40 ° C. for 20 hours.
[0105]
Thereafter, the hollow fiber membrane is immersed in 18 ° C. triethylene glycol, heated to 200 ° C. over about 1 hour in an open system, and heated for 2 hours while maintaining 200 ° C., over about 1 hour. Cooled to 16 ° C. As a result of visual observation of the film surface during temperature rise and during holding at 200 ° C., generation of bubbles from the film surface was not observed at all.
After that, so as not to dry the membrane, it was washed by immersing it in distilled water at 60 ° C for 5 hours, and further replacing ethanol in ethanol at 50 ° C every hour for 5 hours, and then stored in distilled water at 15 ° C. did.
[0106]
The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 0.72 mm and an outer diameter of 1.08 mm. Moreover, the dextran blocking rate with a weight average molecular weight of 10,000, 40,000, and 100,000 was measured with respect to 100 hollow fiber membranes. As a result, all of the 100 hollow fiber membranes were 70-78% for dextran with a weight average molecular weight of 10,000, 88-94% for 40,000, and 93-99% for 100,000. Showed the rate.
[0107]
[Comparative Example 5]
A hollow fiber membrane obtained by membrane formation and washing in the same manner as in Example 1 was immersed in diethylene glycol at 17 ° C., heated to 200 ° C. over about 1 hour in an open system, and 200 ° C. for 2 hours. The heat treatment was performed while holding, and the mixture was cooled to 16 ° C over about 1 hour. As a result of visual observation of the membrane surface in the vicinity of 150 ° C. during the temperature rise, the generation of bubbles was observed from a few hollow fiber membranes from the membrane surface.
[0108]
Next, in order to prevent the hollow fiber membrane from being dried, it was washed by immersing in distilled water at 60 ° C. for 5 hours and further by immersing it in ethanol at 50 ° C. every hour for 5 hours, followed by distillation at 15 ° C. Stored in water.
The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 0.55 mm and an outer diameter of 0.98 mm. Moreover, the dextran blocking rate with a weight average molecular weight of 10,000, 40,000, and 1 million was measured with respect to 30 hollow fiber membranes. As a result, 27 out of 30 hollow fiber membranes were 70 to 78% for dextran having a weight average molecular weight of 10,000, 88 to 94% for 40,000, and 93 to 99% for 100,000. , Against 1 million, showed a rejection rate of 98-99%. However, for any weight average molecular weight dextran, three hollow fiber membranes with a blocking rate of 15 to 25% and inferior fractionation performance were mixed.
[0109]
[Comparative Example 6]
The hollow fiber membrane formed and washed by the method of Example 12 was washed with an aqueous sodium hypochlorite solution in the same manner as in Example 2, and then in distilled water at 60 ° C. for 12 hours at 25 ° C. The PVP remaining on the membrane was removed by immersion in ethanol for 10 hours, and the membrane was stored in distilled water at room temperature.
[0110]
Next, the hollow fiber membrane is immersed in 18 ° C. triethylene glycol, heated to 200 ° C. over about 1 hour in an open system, heated at 200 ° C. for 2 hours, and heated for about 1 hour. Cooled to 16 ° C. As a result of visual observation of the membrane surface in the vicinity of 150 ° C. during the temperature rise, generation of bubbles was observed from the membrane surfaces of several hollow fiber membranes although a trace amount was observed.
Thereafter, to prevent drying, the sample was immersed in 60 ° C. distilled water for 5 hours, and further immersed in ethanol at 50 ° C. every hour for 5 hours for washing, and then stored in 15 ° C. distilled water.
[0111]
The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 0.72 mm and an outer diameter of 1.08 mm. Moreover, the dextran blocking rate with a weight average molecular weight of 10,000, 40,000, and 1 million was measured with respect to 30 hollow fiber membranes. As a result, 28 of 30 hollow fiber membranes are 70 to 78% for dextran having a weight average molecular weight of 10,000, 88 to 94% for 40,000, and 93 to 99% for 100,000. Showed the rejection rate. However, for any dextran having any weight average molecular weight, two hollow fiber membranes having a blocking rate of 12 to 32% and inferior fractionation performance were mixed.
[0112]
Example 13
PEK (glass transition point 151 ° C., melting point 373 ° C.) 8.0 g containing 92.0 g of sulfuric acid having a concentration of 88.0% adjusted with distilled water and a reduced viscosity of 0.96 dl / g and a repeating unit of the formula (1) Was added, and the mixture was stirred for 8 hours while degassing by depressurization, followed by dissolving for 8 hours to obtain a homogeneous solution. The film-forming stock solution was cast into a flat film shape using an applicator in a dry glass plate shape so that the thickness of the liquid film was 100 μm, and immediately immersed in distilled water at 22 ° C. together with the glass plate to be solidified. After 20 minutes, the obtained membrane was taken out of the distilled water and immediately immersed in distilled water at 40 ° C. for 12 hours and further immersed in ethanol at 23 ° C. for 10 hours for washing.
[0113]
The obtained flat membrane was in an amorphous state as a result of X-ray diffraction measurement, and its water permeability was 480 liter / m.2・ Hr ・ kg / cm2Met.
Next, the obtained flat membrane was immersed for 6 hours in a high molecular weight polymer in which PEG (weight average molecular weight 400) was dissolved in ethanol so as to have a concentration of 30% by weight. Thereafter, the membrane was dried in air for 24 hours to remove ethanol, immersed in triethylene glycol, and subjected to heat stabilization treatment at 200 ° C. for 1 hour. During the heat treatment, generation of bubbles from the film surface was not observed.
[0114]
Thereafter, the membrane was immersed in ethanol for 5 hours and in water for 5 hours to remove the used PEG and triethylene glycol, and stored in water to prevent drying.
The obtained crystalline PEK filtration membrane has a crystallinity of 24% by weight and a water permeability of 298 l / m.2・ Hr ・ kg / cm2The water permeability retention rate was 62%.
[0115]
Example 14
The same procedure as in Example 13 was performed except that PEG having a weight average molecular weight of 1000 was used as the high molecular weight product and tetraethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The water permeability retention rate of the obtained crystalline PEK filtration membrane was 75%.
[0116]
[Comparative Example 7]
The same operation as in Example 13 was performed except that diethylene glycol was used instead of the ethanol solution of PEG.
The obtained crystalline PEK filtration membrane water permeability retention rate was 32%.
[0117]
[Comparative Example 8]
The same procedure as in Example 13 was carried out except that triethylene glycol was used instead of the ethanol solution of PEG and tetraethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The water permeability retention rate of the obtained crystalline PEK filtration membrane was 34%.
[0118]
Example 15
80.0 g of PEK (BASF, A2000) consisting of repeating units of formula (5) is added to 920.0 g of sulfuric acid with a concentration of 87.8% prepared with distilled water, and the mixture is stirred while degassing by a vacuum method. Then, a dissolution operation was performed for 10 hours to obtain a uniform solution as a film forming stock solution. While the distilled water at 16 ° C. was discharged as an internal coagulant from a coaxial double tube type (tube-in-orifice type) hollow fiber production nozzle, the film forming stock solution at 16 ° C. was simultaneously discharged. The film-forming stock solution was immersed in a 15 ° C. water bath provided 10 cm below the spinning nozzle and solidified, and then wound up at a speed of 12.6 m / min. The wound hollow fiber membrane was cut to about 40 cm and washed by immersing it in distilled water at 60 ° C. for 12 hours and in ethanol at 16 ° C. for 10 hours. As a result of the X-ray diffraction measurement, the obtained aromatic polyetherketone hollow fiber-like semipermeable membrane was in an amorphous state.
[0119]
The obtained hollow fiber membrane was taken out from ethanol, and then immersed in triethylene glycol at 50 ° C. for 2 hours so as not to dry the membrane, thereby removing low-boiling solvents such as water and ethanol in the membrane. Subsequently, it was immersed in a triethylene glycol solution of PEG (weight average molecular weight 800) having a concentration of 30% by weight at 100 ° C. for 6 hours. Thereafter, the hollow fiber membrane is immersed in triethylene glycol, heated to 200 ° C. over about 1 hour in an open system, heated at 200 ° C. for 2 hours, and heated for 16 hours over about 1 hour. Cooled to ° C.
[0120]
Next, so as not to dry the hollow fiber membrane, it was washed by immersing in distilled water at 60 ° C. for 5 hours, and further substituting ethanol in ethanol at 50 ° C. every hour for 5 hours, and then in distilled water at 15 ° C. saved.
The obtained hollow fiber membrane had an inner diameter of 0.55 mm, an outer diameter of 0.98 mm, a crystallinity of 26% by weight, and a water permeability retention rate of 73%.
[0121]
Example 16
The same procedure as in Example 15 was performed except that PEG having a weight average molecular weight of 2000 was used as the high molecular weight product and tetraethylene glycol was used as the heat stabilizing solvent.
The water permeability retention rate of the obtained crystalline PEK filtration membrane was 82%.
[0122]
[Comparative Example 9]
The amorphous hollow fiber membrane obtained in Example 15 was heat-treated in an oven at 200 ° C. for 20 minutes in an air atmosphere without containing a polymer compound.
The obtained hollow fiber membrane was a crystalline filtration membrane having a crystallinity of 27%. Further, the water permeability retention rate of this membrane was 1% or less.
[0123]
[Comparative Example 10]
The amorphous hollow fiber membrane obtained in Example 15 was heat-treated by being immersed in hot water at 200 ° C. for 2 hours in a closed system without containing a polymer compound.
The obtained hollow fiber membrane was a crystalline filtration membrane having a crystallinity of 25%. Further, the water permeability retention rate of this membrane was 1% or less.
[0124]
[Reference Example 1]
Using the crystalline hollow fiber membrane obtained in Example 15, the water permeation amount was measured after being immersed in distilled water at 170 ° C. for 15 hours in a closed system. As a result, no change in the water permeation amount was observed.
[0125]
[Reference Example 2]
As a result of measuring the water permeation amount after immersing the hollow fiber membrane after performing the 170 ° C. hot water immersion test in Reference Example 1 in 200 ° C. distilled water in a closed system, a change in the water permeation amount was observed. There wasn't.
[0126]
【The invention's effect】
Using the heat stabilization method of the present invention, the chemical resistance and the low elution property are excellent, and the water permeability and the fractionation property do not change even after contact with hot water or steam at 130 ° C. or higher for a long time. A crystalline PEK filtration membrane having performance can be obtained. This crystalline filtration membrane is used in fields where high membrane performance is required, such as ultrapure water for electronic industries such as semiconductors, pharmaceuticals, medical equipment, food applications, etc., as well as thermal power plants and nuclear power generation. It is preferably used for purification of condensate exceeding 100 ° C.
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