JP3700281B2 - Driving force control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動力を制御する装置に係り、特に、エンジンブレーキ時の制御に特徴を有する駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば積雪路や氷結路等の路面摩擦係数(μ)が小さい低摩擦路では、スロットルを急に戻してエンジンブレーキをかけた場合に、車体速度に対して駆動輪の回転速度が大きく低下するので、駆動輪がロックされて大きくスリップすることがある。
【0003】
この対策として、駆動輪の車輪速度の減少量が基準値を超え、かつブレーキペダルによる制動力が0又は小さく実質的にエンジンブレーキが主となる場合に、エンジン出力トルクを増大させることにより駆動輪を回転させて、駆動輪のロックの発生を防止する技術が提案されている(特開昭62−295762号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した技術では、駆動輪にスリップ状態が表れてからエンジン出力トルクを増大しているので、エンジン内の機構の慣性による遅れやエンジンから駆動輪に至る駆動系の慣性による遅れ等により、実際に駆動輪の回転速度を増加させる制御のタイミングが遅れることがあった。そのため、駆動輪にロックが発生して、走行安定性が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、制御の遅れによる車輪のロックの発生を防止して、走行安定性を確保できる駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、調整状態検出手段によって、スロットル開度、スロットル開度の変化速度、アクセル開度、及びアクセル開度の変化速度のいずれかの指標を、所定の基準値と比較することにより、エンジンにて発生する駆動力を調整するための駆動力調整手段の状態を検出し、この検出結果に基づき、条件判定手段によって、エンジンブレーキが作用する条件が満たされたと判断された場合には、駆動力制御手段によって、駆動力調整手段を駆動して駆動力を増加させる制御を行う。
【0007】
つまり、従来では、エンジンブレーキによって駆動輪にスリップ状態が発生したことを検出してから、エンジン出力トルクを増加して駆動力を増大させているので、駆動輪のロックを防止する制御が遅れることがあるが、本発明では、例えばスロットルの状態等からエンジンブレーキが作用する状態であることを検出するので、スリップ状態が発生する前に駆動力を増加する制御を開始することができる。そのため、駆動輪がロックする前に、駆動輪の回転速度を増加させることができるので、駆動輪のロックの発生を未然に防止することができる。よって、積雪路や氷結路等の低摩擦路においても、充分な走行安定性を確保することができる。
【0009】
また、本発明では、例えば下記の場合に、エンジンブレーキが作用する条件が満たされたと判断することができる。
【0010】
(1)スロットル開度が基準値以下の例えば全閉状態を示す0の様に、小さくなった場合。
(2)スロットル開度の変化速度が負の値(閉方向)で且つその絶対値が大きな場合、例えばスロットル弁が急速に閉じられることを示す場合。
【0011】
(3)アクセル開度(例えばアクセルペダルの踏込量)が基準値以下の例えばアクセルが完全に戻されたことを示す0の様に、小さくなった場合。
(4)アクセル開度の変化速度が負の値(閉方向)で且つその絶対値が大きな場合、例えばアクセルペダルが急速に戻されることを示す場合。
【0012】
請求項2の発明では、調整状態検出手段によって、吸気圧、吸気圧の変化速度、吸入空気量、吸入空気量の変化速度、又はアイドルスイッチにより、間接的に、エンジンにて発生する駆動力を調整するための駆動力調整手段の状態を検出し、この検出結果に基づき、条件判定手段によって、エンジンブレーキが作用する条件が満たされたと判断された場合には、駆動力制御手段によって、駆動力調整手段を駆動して駆動力を増加させる制御を行う。
つまり、従来では、エンジンブレーキによって駆動輪にスリップ状態が発生したことを検出してから、エンジン出力トルクを増加して駆動力を増大させているので、駆動輪のロックを防止する制御が遅れることがあるが、本発明では、例えば吸気圧の状態等からエンジンブレーキが作用する状態であることを検出するので、スリップ状態が発生する前に駆動力を増加する制御を開始することができる。そのため、駆動輪がロックする前に、駆動輪の回転速度を増加させることができるので、駆動輪のロックの発生を未然に防止することができる。よって、積雪路や氷結路等の低摩擦路においても、充分な走行安定性を確保することができる。
また、本発明では、例えば下記の場合に、エンジンブレーキが作用する条件が満たされたと判断することができる。
【0013】
(1)吸気圧により吸入空気量を求めるエンジンのときには、吸気圧が基準値以下の少ない場合。
(2)吸気圧により吸入空気量を求めるエンジンのときには、吸気圧の変化速度が例えばスロットルが閉じられる状態を示す値の場合。
【0014】
(3)例えばエアフロメータにより吸入空気量を求めるエンジンのときには、吸入空気量が基準値以下の少ない場合。
(4)例えばエアフロメータにより吸入空気量を求めるエンジンのときには、吸入空気量の変化速度が例えばスロットルが閉じられる状態を示す値の場合。
【0015】
(5)アイドルスイッチが、例えばアクセルペダルが戻されたことを示すオンの状態の場合。
請求項3の発明では、駆動力調整手段として、スロットル(詳しくはスロットル弁)やアクセル(例えばアクセルペダル)を採用できる。
請求項4の発明では、スロットル開度を増加させて、吸入空気量を増加させることにより、エンジン出力を増大させる。これにより、駆動輪の回転速度を増加させて、エンジンブレーキが作用する際の駆動輪のロックを防止することができる。
【0016】
請求項5の発明では、スロットルが全閉とされた場合に、スロットルを所定量開くことにより、駆動力を増加させる。これにより、駆動輪を回転させて、エンジンブレーキが作用する際の駆動輪のロックを防止することができる。
請求項6の発明では、スロットル開度を増加する制御を行なう場合に、スロットル開度の初期値を、例えばスロットル開度やアクセル開度の変化速度等の駆動力調整手段の状態に応じて設定する。
【0017】
例えば急速にアクセルが戻された場合には、エンジンブレーキの効き始めるタイミングが早く、また大きくエンジン出力トルクが落込み、その回復が遅れる。そこで、本発明では、例えばアクセルの戻し状態を検出し、それに応じて、例えばアクセルの戻し速度が大きな場合には、スロットル開度の初期値を大きくする様に設定する。これにより、エンジン出力トルクの大きな落込みを防止することができるので、駆動輪のロックを防ぐことができる。
【0018】
請求項7の発明では、スロットル開度を増加する制御は、エンジン出力トルクが0に対応するスロットル開度に至ってから所定期間待機した後に実行する。
つまり、エンジンブレーキを効かせるためにアクセルを戻す操作を実行しても、エンジン出力トルクが低下してからその駆動力が車輪に到達するまでには、各機構の慣性等による遅れがある。また、あまり早くスロットルを戻す制御を行なうと、エンジンブレーキがそれほど効かない前にエンジン出力トルクが増加してしまい、充分な減速感が得られない。よって、本発明の様に、アクセルが戻されてから実際にエンジンブレーキがかけられるまで所定時間待機してから、スロットル開度を増加する制御を行なうと、充分な減速感が得られるとともに、駆動輪のロックも防止することができる。
【0019】
請求項8の発明では、燃料供給量を増加させてエンジン出力を増大させる。これにより、駆動輪の回転速度を増加させて、エンジンブレーキが作用する際の駆動輪のロックを防止することができる。
請求項9の発明では、駆動力制御手段による制御は、路面状態に応じて実行される。
【0020】
例えば積雪路や氷結路等の低摩擦路では、車輪ロックが生じ易いが、例えば走行中の車輪の回転状態等により低摩擦路と判断された場合(例えば通常のアクセル操作やブレーキ操作の場合におけるスリップ率が大の場合)に、エンジンブレーキを作用させる様な時には、その路面状態に応じて駆動力を増加する制御の開始タイミングや駆動力の大きさ(例えば初期値)等を調節することにより、低摩擦路においても、駆動輪のロックを好適に防止することができる。例えば路面摩擦係数が小さい場合ほど、駆動力を増加する制御の開始タイミングを早める様にしたり、駆動力制御におけるスロットル開度の初期値を大きくする様にしてもよい。
【0021】
尚、上述した請求項1〜9の発明は、エンジンブレーキをかける操作が、運転者のアクセル操作による操作の場合や、エンジンブレーキを自動でかける場合、例えば自動ブレーキの様にスロットルを自動で戻して積極的に制動をかける場合や、自動スロットル制御の様にエンジン出力を低減するためにスロットルを自動で戻し、それによってエンジンブレーキがかかる場合に適用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の例(実施例)について、図面を参照しつつ説明する。
a)まず、本実施例の駆動力制御装置の全体構成について説明する。
【0023】
図1に示す様に、本実施例は、内燃機関2を動力源とするフロントエンジン・リヤドライブ(FR)方式の車両について適用されるものである。
図1に示すごとく、内燃機関2の吸気通路4には、吸入空気の脈動を抑えるサージタンク4aが形成され、その上流には、スロットル駆動モータ10により開閉されるスロットルバルブ12が設けられている。このスロットルバルブ12はアクセルペダル6によって直接開閉されるものではなく、いわゆるリンクレススロットルである。
【0024】
アクセルペダル6及びスロットルバルブ12には、それぞれの開度を検出するアクセル開度センサ14及びスロットル開度センサ16が設けられ、またアクセルペダル6には、アクセルペダル6が戻されたことを検出するアイドルスイッチ15が設けられ、これら各センサ及びスイッチからの検出信号は駆動力制御回路20に入力される。
【0025】
内燃機関2へ燃料を供給する燃料噴射弁24は、公知の内燃機関制御回路26からの燃料噴射指令に基づき作動する。燃料噴射指令は、内燃機関2の運転状態に適合して決定されるもので、サージタンク4aの圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ28をはじめとする各種センサからの情報を、内燃機関制御回路26の燃料噴射指令プログラムに基づき処理することで作成される。尚、前記吸気圧から吸入空気量が算出される。
【0026】
前記駆動力制御回路20は、後に詳述する駆動力制御等を行うものであり、この駆動力制御回路20には、上述のアクセル開度センサ14、スロットル開度センサ16、アイドルスイッチ15の他に、エンジン回転速度センサ30、従動輪速度センサ32FL,32FR、駆動輪速度センサ40、及びギア位置センサ42からの検出信号も入力される。そして、この駆動力制御回路20は、これらの入力信号に基づいてスロットル駆動モータ10を駆動し、スロットルバルブ12の開度を制御する処理を実行している。
【0027】
ここで、前記エンジン回転速度センサ30は、内燃機関2のクランク軸2aの回転速度(回転数)を検出するものであり、内燃機関制御回路26による燃料噴射指令の作成にも利用される。
従動輪速度センサ32FL,32FRは、左右従動輪(前輪)22FL,22FRの回転速度をそれぞれ検出するためのセンサであり、その検出信号は、例えば車両の車体速度の推定等に利用される。
【0028】
駆動輪速度センサ40は、左右駆動輪22RL,22RRの平均回転速度(駆動輪速度)を検出するためのセンサで、クランク軸2aの回転をプロペラシャフト34及びディファレンシャルギヤ36を介して左右駆動輪22RL,22RRに伝達する変速機38の出力軸に設けられる。
【0029】
ギア位置センサ42は、ギヤ位置を検出するためのものであり、駆動輪速度センサ40と同様に変速機38に備えられている。
尚、前記構成以外に、例えば各々の車輪22FL,22FR,22RL,22RR(22と総称する)に、各ホイールシリンダ51FL,51FR,51RL,51RR(51と総称する)の圧力を制御して制動を加える制動力制御装置50等が設けられている。
【0030】
b)次に、本実施例の駆動力制御装置によって行われる駆動力の制御について説明する。
本実施例では、エンジンブレーキが作用する際に、駆動輪のロックを防止するために、エンジン出力トルクをアップして駆動力を増大させ、それにより駆動輪の回転速度を増加させる制御(以下駆動力制御と記す)を行う。
【0031】
(1)まず、図2のフローチャートに基づいて駆動力制御処理について説明する。 ステップ100にて、各種のセンサからの信号を入力する。
続くステップ110では、エンジンブレーキ(E/Gブレーキ)をかけるための操作が開始されたか否かを、例えばスロットル開度センサ16からの信号に基づき、スロットルバルブ12が戻し方向(閉じる方向)に動作しているか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ120に進み、一方否定判断されるとステップ240に進む。
【0032】
ステップ240では、エンジンブレーキをかけるための操作が開始されておらず、よって、駆動力制御を行わないので、駆動力制御を示すフラグFactをリセット(0に設定)し、一旦本処理を終了する。
一方、ステップ120では、エンジンブレーキをかけるための操作が開始されているので、スロットル開度センサ16からの信号により得られたスロットル開度θの変化速度、即ちスロットル速度dθを求める。尚、スロットル速度dθは、スロットルバルブ12が戻される場合には、負の値となる。
【0033】
続くステップ130では、前回の処理にて既に駆動力制御が開始されているか否かを、前記フラグFactがセット(1に設定)されているか否かによって判定する。ここで肯定判断されるとステップ170に進み、一方否定判断されるとステップ140に進む。
【0034】
ステップ140では、今回初めて駆動力制御を行うので、マップmap1を用いて、スロットル速度dθからスロットル開度θの初期値θ1を求める。この初期値θ1とは、図3に示す様に、エンジンブレーキ中におけるスロットルバルブ12の全閉の状態から、最初にスロットルバルブ12を大きく開くための開度である。
【0035】
前記マップmap1とは、例えば図4に示す様に、スロットル速度dθの絶対値が大であるほどスロットル開度θの初期値θ1が大きくなる様に設定されたマップである。このマップmap1により、スロットル速度dθの絶対値が第1の基準値Kθaの絶対値以下の場合は、初期値θ1は0に設定され、スロットル速度dθの絶対値が第1の基準値Kθaの絶対値から第2の基準値Kθbの絶対値の間は、初期値θ1はスロットル速度dθの絶対値に比例して設定され、スロットル速度dθの絶対値が第2の基準値Kθbの絶対値以上の場合は、初期値θ1は所定値θbに設定される。
【0036】
続くステップ150では、スロットル速度dθ(減速度の場合は負の値)が第1の基準値Kθa(負の値)より小さい値か否か、即ちスロットルバルブ12が急速に(全閉状態に向かって)戻されているか否かを判定する。つまり、厳密ではないが、実質的にエンジンブレーキ中であると見なしてよいか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ160に進み、一方否定判断されるとステップ170に進む。
【0037】
ステップ160では、スロットル速度dθの減速度の程度が大きく、実質的にエンジンブレーキ中であると判断されるので、つまり、駆動力制御を実行する条件が満たされたと判断されるので、駆動力制御の実行を示すフラグFactをセットし、ステップ170に進む。
【0038】
ステップ170では、フラグFactがセットされているか否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ180に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
ステップ180では、エンジン回転速度センサ40及びギア位置センサ42による検出結果に基づき、マップmap2を用いて、エンジン回転速度(回転数)Ne及びギア位置Gpから、エンジン出力トルクTEが0となるスロットル開度θ0を求める。ここで、エンジン出力トルクTEが0となるスロットル開度θ0、即ち実際にエンジンブレーキがかかるスロットル開度θ0(以下0トルク開度θ0と記す)を求めるのは、後にこの0トルク開度θ0を、駆動力制御を開始するタイミングの判断基準として使用するためである。
【0039】
尚、0トルク開度θ0となっても、実際には慣性等による制御のずれがあるので、即座にエンジンブレーキの作用が駆動輪に加わるわけでもないが、0トルク開度θ0がエンジン出力トルクTEの0に対応しているので、この状態(又は0トルク開度θ0以下の状態)が所定時間以上継続すれば、エンジン出力トルクTEの0の状態が駆動輪に伝わり、エンジンブレーキが効くことになる。
【0040】
前記マップmap2は、各ギヤ比Gp毎に用意されるものであり、例えば図5に(あるギヤ比に関するマップを)示す様に、エンジン回転数Neとエンジン出力トルクTEとスロットル開度θとの関係を示す。従って、このマップmap2を用いれば、あるギヤ比Gpにおいて、あるエンジン回転数Ne0からエンジン出力トルクTEが0となるスロットル開度θを求めることができるので、このスロットル開度θを0トルク開度θ0として設定する。
【0041】
続くステップ190では、スロットル開度センサ16から得られた現在のスロットル開度THが、前記0トルク開度θ0より小であるか否かを判定する。即ち、実際のスロットル開度THが、エンジンブレーキをかけることができる0トルク開度θ0より小さく、現在エンジンブレーキをかける様に操作されている状態であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ200に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0042】
ステップ200では、タイマtDをインクリメントする。このタイマtDとは、スロットル開度THが0トルク開度θ0になってから駆動力制御を開始するまでの時間をカウントするためのものである。
続くステップ210では、タイマtDが判定値KTを上回るか否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ220に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。この判定値KTとは、慣性等によるエンジン出力の応答遅れ時間を見込んだ値であり、実際にエンジンブレーキによる充分な減速感が得られてから駆動力制御を開始することができる様な値とされている。
【0043】
ステップ220では、前記判定値KTの時間だけ待機し、実際に駆動力制御を開始するタイミングに至ったので、前記スロットル開度θの初期値θ1を目標スロットル開度THθに設定する。これにより、スロットル開度θは初期値θ1に制御されることになる。
【0044】
続くステップ230では、初期値θ1に減衰定数K1(0<K1<1)をかけて、初期値θ1を更新し、一旦本処理を終了する。つまり、この処理により、初期値θ1は徐々に減少するので、次回の前記ステップ220の処理によって設定される目標スロットル開度THθも、図3に示す様に徐々に減少することになる。
【0045】
(2)次に、上述した制御による動作を、図3に基づいて、従来と対比して説明する。尚、図3では、本実施例の場合を実線で示し、従来の駆動力の制御の場合を一点鎖線で示し、駆動力の制御を行わない場合を破線で示した。
従来では、時点t0からスロットルバルブ12が戻され、時点t5にてスリップが大きくなって制御開始基準を満たすと、スロットル開度θを増加させている。これによって、慣性等による遅れ時間D2の後に、駆動輪速度が回復しているが、その制御は、図の斜線で示す駆動輪速度が大きく低減する不安定な領域に至ってから開始されるので、充分な走行安定性を確保できない。尚、全く制御を行わない場合は、一層不安定になる。
【0046】
それに対して本実施例では、時点t0から、(スロットル速度dθが負によって示される)スロットルバルブ12を戻す動作が始められ、そのスロットル速度dθの絶対値が基準値Kθの絶対値より大きなことが検出された場合には、駆動力制御を行なうための処理を開始する。
【0047】
つまり、まず、スロットル速度dθに応じて、駆動力制御の開始時におけるスロットル開度θの初期値θ1を求める。次に、実際のスロットル開度THをチェックして、実際のスロットル開度THが、時点t1にて0トルク開度θ0に至った時に、駆動力制御を開始するまでのカウントを開始する。
【0048】
その後、時点t2にて、実際のスロットル開度THが全閉となった後に、時点t3にて、カウンタtDの値が(エンジンブレーキによる減速感を得るために設定される)遅れ時間である判定値KTに至ると、スロットル開度θを初期値θ1の大きな値に設定する。
【0049】
これにより、エンジンから駆動輪に至るまでの機構の慣性等による遅れ時間D1の後に、この初期値θ1のスロットル開度θに応じたエンジン出力トルクTEが駆動輪に伝えられるので、時点t4から駆動輪の回転速度が上昇する。そのため、駆動輪のスリップが低減するので、駆動輪がロックに至ることを防止することができる。
【0050】
つまり、本実施例では、従来の様に、駆動輪にスリップが発生してから駆動力を増大させるのではなく、例えばスロットルバルブ12の動作(即ちスロットル速度dθ)から、エンジンブレーキが作用する状態であることを検出し、その場合には、スロットル開度θを大きくしてエンジン出力トルクTEを増大させて、駆動力を増加させている。そのため、スリップが大きくなる前に、駆動輪の回転速度が増加する(図3に示す様に回復する)ので、駆動輪のロックを防止することができる。その結果、充分な走行安定性を確保することができる。
【0051】
また、本実施例では、実際のスロットル開度THが0トルク開度θ0に達してから、駆動力制御の開始を所定時間KT待機している。つまり、スロットル操作によるエンジン出力トルクTEの低下が、実際の駆動輪に伝達されるまで、駆動力制御の開始を遅らせている。そのため、エンジンブレーキによる充分な減速を実現することができる。
【0052】
更に、本実施例では、駆動力制御におけるスロットル開度θの初期値θ1を、スロットル速度dθに応じて設定している。具体的には、スロットル速度dθが大きな場合には、初期値θ1が大きくなる様に設定している。そのため、駆動輪速度が大きく落ち込むことを防止できるので、その点からも駆動輪のロックを防止することができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態につき説明したが、本発明はこれに限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々なる形態にて実施できることはもちろんである。
(1)前記実施例では、スロットル速度によって、エンジンブレーキ中であると判断したが、それ以外に、例えば下記(1) 〜 (4)の方法によりエンジンブレーキ中であると判断してもよい。
【0054】
(1)スロットルバルブが閉方向に操作され、ある基準値以下(例えば全閉状態)となった場合に、エンジンブレーキ中であると判定してもよい。
(2)アクセル開度センサからの信号に基づいて、アクセルペダルが戻し方向に操作され、ある基準値以下(例えば踏込量0)となった場合に、エンジンブレーキ中であると判定してもよい。
【0055】
(3)アクセル開度センサからの信号に基づいて、アクセルペダルが戻される速度が基準値以上となった場合に、エンジンブレーキ中であると判定してもよい。
(4)アイドルスイッチは、アクセルペダルが戻された時(スロットルバルブが全閉の時)にオンとなるので、アイドルスイッチがオンとなった場合に、エンジンブレーキ中であると判断してもよい。
【0056】
(5)また、スロットル開度(又はその変化速度)やアクセル開度(又はその変化速度)を直接に検出するのではなく、スロットルやアクセル操作に応じて吸気圧や吸入空気量などが変化するので、例えば吸気圧(又はその変化速度)や吸入空気量(又はその変化速度)に応じて、エンジンブレーキ中であるか否かの判定を行なってもよい。
【0057】
(2)例えば前記実施例では、アクセルペダルが戻されてエンジンブレーキがかけられた場合を例に挙げたが、それ以外に、本発明は、自動的にエンジンブレーキがかけられた場合に適用できる。例えば、スロットルを自動的に戻してブレーキをかける制御(自動ブレーキ制御、自動スロットル制御)を行う場合に適用できる。
【0058】
(3)また、前記実施例の駆動力制御に、更に路面μを加味した制御を行ってよい。その場合には、例えば路面μが小さな場合には、すぐに大きなスリップが発生する可能性があるので、駆動輪制御を開始するタイミングを早める様にしてもよい。また、駆動輪速度の大きな落込みを防止するために、スロットル開度の初期値を大きくする様にしてもよい。
【0059】
(5)更に、前記駆動力制御を、上述したスロットルの調節による制御とともに(又はスロットルの調節による制御に代えて)、燃料供給量を増加させる制御によって実行してもよい。
(6)前記実施例では、FR車を例に挙げて説明したが、FF車についても同様な駆動輪制御を行なって、走行安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の駆動力制御装置の概略構成図である。
【図2】 駆動力制御処理を示すフローチャートである。
【図3】 駆動力制御による動作を示す説明図である。
【図4】 スロットル速度と初期値との関係を示すmap1のグラフである。
【図5】 エンジン回転数とエンジン出力トルクとの関係を示すmap2のグラフである。
【符号の説明】
2…内燃機関、 6…アクセルペダル、
10…スロットル駆動モータ、 12…スロットルバルブ、
14…アクセル開度センサ、 15…アイドルスイッチ、
16…スロットル開度センサ、 20…駆動力制御回路、
26…内燃機関制御回路、 30…エンジン回転速度センサ、
32FR,32FL…従動輪速度センサ、40…駆動輪速度センサ、
42…ギア位置センサ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a device for controlling driving force, and more particularly to a driving force control device characterized by control during engine braking.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, on low-friction roads with a small road surface friction coefficient (μ), such as snowy roads and icy roads, when the engine is braked with the throttle suddenly returned, the rotational speed of the drive wheels is higher than the vehicle speed. Since the driving force is lowered, the driving wheel may be locked and slip greatly.
[0003]
As a countermeasure, when the reduction amount of the wheel speed of the drive wheel exceeds the reference value and the braking force by the brake pedal is 0 or small and the engine brake is mainly used, the drive wheel is increased by increasing the engine output torque. Has been proposed (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-295762).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described technology, since the engine output torque is increased after the slip state appears in the drive wheels, the delay due to the inertia of the mechanism in the engine, the delay due to the inertia of the drive system from the engine to the drive wheel, etc. Actually, the control timing for increasing the rotational speed of the drive wheels may be delayed. For this reason, there is a problem that the driving wheel is locked and the running stability is lowered.
[0005]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a driving force control device that can prevent the wheel from being locked due to a delay in control and ensure traveling stability.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In the first aspect of the invention, the adjustment state detecting means compares any one of the throttle opening, the throttle opening changing speed, the accelerator opening, and the accelerator opening changing speed with a predetermined reference value. To detect the state of the driving force adjusting means for adjusting the driving force generated in the engine, and based on the detection result, the condition determining means determines that the condition for operating the engine brake is satisfied. Performs a control to increase the driving force by driving the driving force adjusting means by the driving force control means.
[0007]
In other words, conventionally, since the engine output torque is increased to increase the driving force after detecting that the slip state has occurred in the driving wheel due to the engine brake, the control for preventing the driving wheel from being locked is delayed. However, in the present invention, for example, it is detected from the state of the throttle that the engine brake is applied, so that it is possible to start the control for increasing the driving force before the slip state occurs. Therefore, since the rotational speed of the drive wheel can be increased before the drive wheel is locked, it is possible to prevent the drive wheel from being locked. Therefore, sufficient running stability can be ensured even on a low friction road such as a snowy road or an icy road.
[0009]
Further, in the present invention, for example, in the following case, it can be determined that the condition for the engine brake to be applied is satisfied.
[0010]
(1) The throttle opening is smaller than the reference value, for example, 0 indicating a fully closed state.
(2) When the change rate of the throttle opening is negative (in the closing direction) and the absolute value is large, for example, indicating that the throttle valve is closed rapidly.
[0011]
(3) When the accelerator opening (for example, the amount of depression of the accelerator pedal) is smaller than a reference value, for example, 0, which indicates that the accelerator has been completely returned.
(4) When the change rate of the accelerator opening is a negative value (in the closing direction) and the absolute value is large, for example, indicating that the accelerator pedal is returned rapidly.
[0012]
In the invention of
In other words, conventionally, since the engine output torque is increased to increase the driving force after detecting that the slip state has occurred in the driving wheel due to the engine brake, the control for preventing the driving wheel from being locked is delayed. However, in the present invention, for example, it is detected from the intake pressure state that the engine brake is applied, so that it is possible to start the control to increase the driving force before the slip state occurs. Therefore, since the rotational speed of the drive wheel can be increased before the drive wheel is locked, it is possible to prevent the drive wheel from being locked. Therefore, sufficient running stability can be ensured even on a low friction road such as a snowy road or an icy road.
Further, in the present invention, for example, in the following case, it can be determined that the condition for the engine brake to be applied is satisfied.
[0013]
(1) In the case of an engine that obtains the intake air amount from the intake pressure, when the intake pressure is less than the reference value.
(2) When the engine obtains the intake air amount from the intake pressure, the change speed of the intake pressure is, for example, a value indicating a state in which the throttle is closed.
[0014]
(3) For example, in the case of an engine that obtains the amount of intake air using an air flow meter, the amount of intake air is less than a reference value.
(4) For example, in the case of an engine that obtains the intake air amount using an air flow meter, the change rate of the intake air amount is, for example, a value indicating a state in which the throttle is closed.
[0015]
(5) When the idle switch is in an ON state, for example, indicating that the accelerator pedal has been returned.
In the invention of claim 3, a throttle (specifically, a throttle valve) or an accelerator (for example, an accelerator pedal) can be adopted as the driving force adjusting means.
In the invention of
[0016]
In the fifth aspect of the invention, when the throttle is fully closed, the driving force is increased by opening the throttle by a predetermined amount. As a result, the drive wheels can be rotated to prevent the drive wheels from being locked when the engine brake is applied.
In the sixth aspect of the invention, when the control for increasing the throttle opening is performed, the initial value of the throttle opening is set according to the state of the driving force adjusting means such as the throttle opening or the changing speed of the accelerator opening. To do.
[0017]
For example, if the accelerator is quickly returned, the engine brake will begin to work quickly, the engine output torque will drop significantly, and the recovery will be delayed. Therefore, in the present invention, for example, the return state of the accelerator is detected, and accordingly, for example, when the return speed of the accelerator is large, the initial value of the throttle opening is set to be large. As a result, a large drop in engine output torque can be prevented, so that the driving wheels can be prevented from being locked.
[0018]
According to the seventh aspect of the present invention, the control for increasing the throttle opening is executed after waiting for a predetermined period after the engine output torque reaches the throttle opening corresponding to zero.
That is, even if the operation of returning the accelerator to execute the engine brake is executed, there is a delay due to the inertia of each mechanism until the driving force reaches the wheel after the engine output torque is reduced. Further, if the control for returning the throttle is performed too quickly, the engine output torque increases before the engine brake is not effective so that a sufficient feeling of deceleration cannot be obtained. Therefore, as in the present invention, if the control is performed to increase the throttle opening after waiting for a predetermined time from when the accelerator is returned until the engine brake is actually applied, a sufficient feeling of deceleration is obtained and driving is performed. Ring locking can also be prevented.
[0019]
According to the invention of claim 8 , the engine output is increased by increasing the fuel supply amount. Thereby, the rotational speed of the drive wheel can be increased, and the lock of the drive wheel when the engine brake is applied can be prevented.
According to the ninth aspect of the invention, the control by the driving force control means is executed according to the road surface condition.
[0020]
For example, a wheel lock is likely to occur on a low friction road such as a snowy road or an icy road, but when it is determined to be a low friction road due to, for example, the rotation state of a running wheel (for example, in the case of a normal accelerator operation or brake operation) When the engine brake is applied when the slip ratio is large), by adjusting the start timing of the control to increase the driving force according to the road surface condition, the magnitude of the driving force (for example, the initial value), etc. Even in the low friction path, it is possible to suitably prevent the driving wheels from being locked. For example, as the road surface friction coefficient is smaller, the start timing of the control for increasing the driving force may be advanced, or the initial value of the throttle opening in the driving force control may be increased.
[0021]
In the inventions of
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an example (example) of an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
a) First, the overall configuration of the driving force control apparatus of this embodiment will be described.
[0023]
As shown in FIG. 1, the present embodiment is applied to a front engine / rear drive (FR) type vehicle using an
As shown in FIG. 1, a
[0024]
The accelerator pedal 6 and the
[0025]
A
[0026]
The driving
[0027]
Here, the engine
The driven wheel speed sensors 32FL and 32FR are sensors for detecting the rotational speeds of the left and right driven wheels (front wheels) 22FL and 22FR, respectively, and the detection signals are used for estimating the vehicle body speed of the vehicle, for example.
[0028]
The drive
[0029]
The
In addition to the above-described configuration, for example, each wheel 22FL, 22FR, 22RL, 22RR (generally referred to as 22) is controlled to control the pressure of each wheel cylinder 51FL, 51FR, 51RL, 51RR (generally referred to as 51) to perform braking. An applied braking
[0030]
b) Next, the driving force control performed by the driving force control apparatus of this embodiment will be described.
In this embodiment, when the engine brake is applied, in order to prevent the driving wheel from being locked, the engine output torque is increased to increase the driving force, thereby increasing the rotational speed of the driving wheel (hereinafter referred to as driving). (Referred to as force control).
[0031]
(1) First, the driving force control process will be described based on the flowchart of FIG. In
In the
[0032]
In
On the other hand, in
[0033]
In the
[0034]
In
[0035]
For example, as shown in FIG. 4, the map map1 is a map set so that the initial value θ1 of the throttle opening θ increases as the absolute value of the throttle speed dθ increases. According to this map map1, when the absolute value of the throttle speed dθ is equal to or smaller than the absolute value of the first reference value Kθa, the initial value θ1 is set to 0, and the absolute value of the throttle speed dθ is the absolute value of the first reference value Kθa. Between the absolute value of the second reference value Kθb and the initial value θ1 is set in proportion to the absolute value of the throttle speed dθ, and the absolute value of the throttle speed dθ is greater than or equal to the absolute value of the second reference value Kθb. In this case, the initial value θ1 is set to a predetermined value θb.
[0036]
In the
[0037]
In
[0038]
In
In
[0039]
Even when the 0 torque opening θ0 is reached, there is actually a control shift due to inertia or the like, so the engine braking action is not immediately applied to the drive wheels, but the 0 torque opening θ0 is the engine output torque. Since this corresponds to 0 of TE, if this state (or 0 torque opening θ0 or less) continues for a predetermined time or longer, the 0 state of engine output torque TE is transmitted to the drive wheels, and the engine brake is effective. become.
[0040]
The map map2 is prepared for each gear ratio Gp. For example, as shown in FIG. 5 (a map relating to a certain gear ratio), the engine map Ne, the engine output torque TE, and the throttle opening θ are shown in FIG. Show the relationship. Therefore, if this map map2 is used, the throttle opening θ at which the engine output torque TE becomes 0 can be obtained from a certain engine speed Ne0 at a certain gear ratio Gp. Set as θ0.
[0041]
In the
[0042]
In
In the
[0043]
In
[0044]
In the
[0045]
(2) Next, the operation by the above-described control will be described based on FIG. In FIG. 3, the case of the present embodiment is indicated by a solid line, the case of conventional driving force control is indicated by a one-dot chain line, and the case of not performing driving force control is indicated by a broken line.
Conventionally, when the
[0046]
On the other hand, in this embodiment, the operation of returning the throttle valve 12 (indicated by the negative throttle speed dθ) is started from the time point t0, and the absolute value of the throttle speed dθ is larger than the absolute value of the reference value Kθ. If detected, the process for controlling the driving force is started.
[0047]
That is, first, an initial value θ1 of the throttle opening θ at the start of the driving force control is obtained according to the throttle speed dθ. Next, the actual throttle opening TH is checked, and when the actual throttle opening TH reaches the zero torque opening θ0 at the time t1, counting is started until the driving force control is started.
[0048]
Thereafter, after the actual throttle opening TH is fully closed at time t2, determination is made that the value of the counter tD is a delay time (set to obtain a feeling of deceleration by engine braking) at time t3. When the value KT is reached, the throttle opening θ is set to a large value of the initial value θ1.
[0049]
Thus, after the delay time D1 due to the inertia of the mechanism from the engine to the driving wheel, the engine output torque TE corresponding to the throttle opening θ of the initial value θ1 is transmitted to the driving wheel, so that the driving is started from time t4. The rotation speed of the wheel increases. Therefore, since the slip of the drive wheel is reduced, it is possible to prevent the drive wheel from being locked.
[0050]
That is, in the present embodiment, the driving force is not increased after the slip occurs in the driving wheel as in the conventional case, but the engine brake is applied from the operation of the throttle valve 12 (that is, the throttle speed dθ), for example. In this case, the throttle opening θ is increased to increase the engine output torque TE, thereby increasing the driving force. Therefore, before the slip increases, the rotational speed of the drive wheel increases (recovers as shown in FIG. 3), so that the lock of the drive wheel can be prevented. As a result, sufficient running stability can be ensured.
[0051]
In this embodiment, after the actual throttle opening TH reaches the 0 torque opening θ0, the driving force control is waited for the predetermined time KT for a predetermined time. That is, the start of the driving force control is delayed until the decrease in the engine output torque TE due to the throttle operation is transmitted to the actual driving wheels. Therefore, sufficient deceleration by the engine brake can be realized.
[0052]
Further, in this embodiment, the initial value θ1 of the throttle opening θ in the driving force control is set according to the throttle speed dθ. Specifically, when the throttle speed dθ is large, the initial value θ1 is set to be large. Therefore, it is possible to prevent the driving wheel speed from being greatly lowered, and from this point, it is possible to prevent the driving wheel from being locked.
[0053]
The embodiments of the present invention have been described above. However, the present invention is not limited thereto, and it is needless to say that the present invention can be implemented in various forms without departing from the scope of the invention.
(1) In the above-described embodiment, it is determined that the engine is being braked based on the throttle speed. Alternatively, it may be determined that the engine is being braked by, for example, the following methods (1) to (4) .
[0054]
(1) It may be determined that the engine is being braked when the throttle valve is operated in the closing direction and is below a certain reference value (for example, fully closed).
(2) Based on the signal from the accelerator opening sensor, it may be determined that the engine is being braked when the accelerator pedal is operated in the return direction and is below a certain reference value (for example, the depression amount is 0). .
[0055]
(3) Based on the signal from the accelerator opening sensor, it may be determined that the engine is being braked when the speed at which the accelerator pedal is returned is equal to or higher than a reference value.
(4) Since the idle switch is turned on when the accelerator pedal is returned (when the throttle valve is fully closed), it may be determined that the engine is being braked when the idle switch is turned on. .
[0056]
(5) Also, instead of directly detecting the throttle opening (or its changing speed) or accelerator opening (or its changing speed), the intake pressure, intake air amount, etc. change according to the throttle or accelerator operation. Therefore, for example, it may be determined whether or not the engine is being braked according to the intake pressure (or the change speed thereof) or the intake air amount (or the change speed thereof).
[0057]
(2) For example, in the above-described embodiment, the case where the accelerator pedal is returned and the engine brake is applied is given as an example. However, the present invention can be applied to the case where the engine brake is automatically applied. . For example, the present invention can be applied to a case where control (automatic brake control, automatic throttle control) for automatically returning the throttle and applying a brake is performed.
[0058]
(3) Further, in addition to the driving force control of the above-described embodiment, control may be performed in consideration of the road surface μ. In that case, for example, when the road surface μ is small, there is a possibility that a large slip may occur immediately, so the timing for starting the drive wheel control may be advanced. Further, the initial value of the throttle opening may be increased in order to prevent a large drop in the drive wheel speed.
[0059]
(5) Further, the driving force control may be executed by the control for increasing the fuel supply amount in addition to the control by adjusting the throttle described above (or in place of the control by adjusting the throttle).
(6) In the above embodiment, the FR vehicle has been described as an example. However, the same driving wheel control can be performed for the FF vehicle to ensure running stability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a driving force control apparatus according to the present embodiment.
FIG. 2 is a flowchart showing a driving force control process.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing an operation based on driving force control.
FIG. 4 is a graph of map1 showing a relationship between a throttle speed and an initial value.
FIG. 5 is a
[Explanation of symbols]
2 ... Internal combustion engine, 6 ... Accelerator pedal,
10 ... Throttle drive motor, 12 ... Throttle valve,
14 ... accelerator opening sensor, 15 ... idle switch,
16 ... throttle opening sensor, 20 ... driving force control circuit,
26 ... Internal combustion engine control circuit, 30 ... Engine rotation speed sensor,
32FR, 32FL ... driven wheel speed sensor, 40 ... driving wheel speed sensor,
42 ... Gear position sensor
Claims (9)
該エンジンにて発生する駆動力を調整するための駆動力調整手段と、
スロットル開度、スロットル開度の変化速度、アクセル開度、及びアクセル開度の変化速度のいずれかの指標を、所定の基準値と比較することにより、前記駆動力調整手段の状態を検出する調整状態検出手段と、
該調整状態検出手段の検出結果に基づいて、エンジンブレーキが作用する条件が満たされたか否かを判定する条件判定手段と、
該条件判定手段によって、前記エンジンブレーキが作用する条件が満たされたと判断された場合には、前記駆動力調整手段を駆動して前記駆動力を増加させる制御を行う駆動力制御手段と、
を備えたことを特徴とする駆動力制御装置。An engine for generating a driving force transmitted to the driving wheels of the vehicle;
Driving force adjusting means for adjusting the driving force generated by the engine;
Adjustment that detects the state of the driving force adjusting means by comparing any one of the throttle opening, the throttle opening changing speed, the accelerator opening, and the accelerator opening changing speed with a predetermined reference value. State detection means;
Condition determining means for determining whether or not a condition for operating the engine brake is satisfied based on a detection result of the adjustment state detecting means;
A driving force control means for controlling the driving force to be increased by driving the driving force adjusting means when the condition determining means determines that the condition for the engine brake to be applied is satisfied;
A driving force control apparatus comprising:
該エンジンにて発生する駆動力を調整するための駆動力調整手段と、 Driving force adjusting means for adjusting the driving force generated by the engine;
吸気圧、吸気圧の変化速度、吸入空気量、吸入空気量の変化速度、又はアイドルスイッチにより、間接的に前記駆動力調整手段の状態を検出する調整状態検出手段と、 An adjustment state detection means for indirectly detecting the state of the driving force adjustment means by an intake pressure, a change speed of the intake pressure, an intake air amount, a change speed of the intake air amount, or an idle switch;
該調整状態検出手段の検出結果に基づいて、エンジンブレーキが作用する条件が満たされたか否かを判定する条件判定手段と、 Condition determining means for determining whether or not a condition for operating the engine brake is satisfied based on a detection result of the adjustment state detecting means;
該条件判定手段によって、前記エンジンブレーキが作用する条件が満たされたと判断された場合には、前記駆動力調整手段を駆動して前記駆動力を増加させる制御を行う駆動力制御手段と、 A driving force control means for controlling the driving force to be increased by driving the driving force adjusting means when the condition determining means determines that the condition for the engine brake to be applied is satisfied;
を備えたことを特徴とする駆動力制御装置。 A driving force control apparatus comprising:
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