JP3761745B2 - ファスナーバッグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、易開封性および再封性を有すかつ自動充填包装機へも適用できるファスナーバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、包装袋に開封容易性と再密封性の両機能が同時に要求されることが多くなっており、特に、内容物の充填と包装を同時に行う自動充填包装分野において、開封と再封の両機能を備えたファスナーバッグが求められている。
【0003】
開封と再封の両機能を備えたファスナーバッグとして、2枚の包材を重ね合わせ、その周縁部をヒートシールした袋状容器の一方の包材の内面にファスナー装置の雄型ファスナー部材を取り付け、他方の包材の内面にファスナー装置の雌型ファスナー部材を取り付け、雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の嵌合および解除により容器の開封および再封を行うようにしたものは知られている。
【0004】
また、ファスナーバッグに開封容易性を付与するために、袋状容器を構成する包材に易開封機能を備えた材料を選定したり、袋状容器に直接傷を付けたり、包材にフィラメントを付着する等の手段が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記ファスナーバッグは、袋状容器に開封容易性と再密封性の両機能を付与することはできるものの、袋状容器が2枚の包材を重ね合わせてヒートシールすることで形成されているため、ファスナーバッグを形成する製袋工程や充填と同時に包装を行う充填包装工程において、その作業が複雑化し、特に、自動充填包装においては、装置の複雑化、作業の煩雑化が生じ、実用作業を行う上で問題が大きい。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、易開封性および再封性を有すかつ自動充填包装機による自動充填ができるファスナーバッグを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のファスナーバッグは、1枚の包材を側縁同士を突き合わせて形成される突き合わせ部にヒートシールして突き合わせヒートシール部が形成された袋状容器と、この袋状容器の前記面の内面に取り付けられたファスナー装置とを有し、上記ファスナー装置は、分離した雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材を有し、雄型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の突き合わせヒートシール部から一側に離れた位置に配置し、雌型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の突き合わせヒートシール部から他側に離れた雄型ファスナー部材に嵌合可能の位置に配置し、袋状容器の前記面の内面の雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の間に袋状容器の一端から他端まで延びるカットテープを固着して構成される。
【0008】
本発明のファスナーバッグは、1枚の包材を側縁同士を突き合わせて形成される突き合わせ部にヒートシールして突き合わせヒートシール部が形成された袋状容器と、この袋状容器の突き合わせヒートシール部を設けた側の面の突き合わせヒートシール部から一側に離れた位置に取り付けられたファスナー装置とを有し、上記ファスナー装置は、分離した雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材を有し、雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材は、嵌合可能に間隔を置いて配置され、袋状容器の前記面の内面の雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の間に袋状容器の一端から他端まで延びるカットテープを固着して構成される。
【0009】
本発明のファスナーバッグは、1枚の包材を側縁同士を重ね合わせて形成される重ね合わせ部にヒートシールして重ね合わせヒートシール部が形成された袋状容器と、この袋状容器の重ね合わせヒートシール部を設けた面の内面に取り付けられたファスナー装置とを有し、上記ファスナー装置は、分離した雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材を有し、雄型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の重ね合わせヒートシール部から一側に離れた位置に配置し、雌型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の重ね合わせヒートシール部から他側に離れた雄型ファスナー部材に嵌合可能の位置に配置し、袋状容器の前記面の内面の雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の間に袋状容器の一端から他端まで延びるカットテープを固着して構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明によるファスナーバッグを示し、このファスナーバッグ1は、袋状容器2と、この袋状容器2の内面に溶着手段または接着手段により固着されたファスナー装置3とから構成されている。
【0011】
上記袋状容器2は、図1および図2に示すように、矩形状に裁断した包材を側縁4a,4b同士が背面側で突き合わされるように折り曲げ成形し、側縁4a,4b同士をヒートシールして背シール部5を有する筒状体を形成し、この筒状体の上端および下端をヒートシールして上端ヒートシール部6および下端ヒートシール部7を形成することにより作られる。上記包材は、好ましくはラミネートフィルムであるが単体のフィルムであってもよい。
【0012】
透明性袋状容器2をラミネートフィルムの包材で成形する場合、包材は、厚さ20〜50ミクロンの2軸延伸ポリプロピレンフィルムと厚さ20〜60ミクロンの無延伸ポリプロピレンフィルムを厚さ2〜3ミクロンのドライ接着層によりラミネートしたラミネートフィルムや、厚さ9〜25ミクロンのポリエステルフィルムと厚さ25〜120ミクロンの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを厚さ2〜3ミクロンのドライ接着層によりラミネートしたラミネートフィルムや、厚さ9〜20ミクロンの2軸延伸ナイロンフィルムと厚さ25〜120ミクロンのポリエチレンフィルムを厚さ2〜3ミクロンのドライ接着層によりラミネートしたラミネートフィルムが適当である。
上記包材は、接着剤としてドライ接着層を用いたが、ドライ接着層を厚さ12〜20ミクロンのポリエチレン押出し層とすることもできる。
【0013】
不透明性袋状容器2をラミネートフィルムの包材で成形する場合、包材は、厚さ9〜25ミクロンのポリエステルフィルムと厚さ6〜30ミクロンのアルミニウム箔と厚さ25〜120ミクロンの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを厚さ2〜3ミクロンのドライ接着層によりラミネートしたラミネートフィルムや、厚さ9〜25ミクロンのポリエステルフィルムと厚さ12ミクロンのアルミ蒸着ポリエステルフィルムと厚さ20〜60ミクロンの無延伸ポリプロピレンフィルムを厚さ2〜3ミクロンのドライ接着層によりラミネートしたラミネートフィルムが適当である。
上記包材は、接着剤としてドライ接着層を用いたが、ドライ接着層を厚さ12〜20ミクロンのポリエチレン押出し層とすることもできる。
【0014】
上記ファスナー装置3は、図2に示すように、互いに分離した雄型ファスナー部材8と雌型ファスナー部材9から構成され、雄型ファスナー部材8の基部8aが袋状容器2の背シール部5の一側に固着され、雌型ファスナー部材9の基部9aが袋状容器2の背シール部5の他側に固着されている。
【0015】
上記雄型ファスナー部材8および雌型ファスナー部材9は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの共重合体のようなオレフィン系樹脂材料を押出成形手段により連続的に成形される。雄型ファスナー部材8および雌型ファスナー部材9の嵌合部は、図2では1つであるが、必要に応じて2つ以上てあってもよい。
【0016】
上記袋状容器2の内面で雄型ファスナー部材8の基部8aと袋状容器2の背シール部5の間にカットテープ10が固着されている。このカットテープ10は袋状容器2を開封するための引き裂き容易手段として作用する。カットテープ10に長手方向に延びる2つの切り込み線を設け、カットテープ10の2つの切り込み線により形成される片を引き裂き容易手段として利用することもできる。
上記カットテープ10は、幅が3〜15mであり、袋状容器2の雄型ファスナー部材8と雌型ファスナー部材9の間で袋状容器2の上端ヒートシール部6から下端ヒートシール部7まで連続して延びている。上端ヒートシール部6および下端ヒートシール部7の少なくとも一方には、カットテープ10の端部に対応して図示しない略3角形の切欠き線が形成されている。この切欠き線はヒートシール部の一部を切り離してカットテープ把持部を形成する。この把持部はカットテープ10の端部に一体的に結合されている。
【0017】
上記カットテープ10は、図3に示すように、直鎖状低密度ポリエチレン層11と、ポリエステル層12と、イージーピール層13との3層構造である。イージーピール層13は、たとえば塩素化ポリプロピンやEVA、あるいはホットメルト層で形成され、剥離強度が200g/cm程度になるように設定されている。 また、袋状容器2の包材は、その切断強度をカットテープ10のイージーピール層13の剥離強度より高く設定されている。
【0018】
上記カットテープ10は、低密度ポリエチレン層とポリエステル層と低密度ポリエチレン層とイージーピール層との4層構造、直鎖状低密度ポリエチレン層とポリエステル層と直鎖状低密度ポリエチレン層とイージーピール層との4層構造、、超低密度ポリエチレン層とポリエステル層と超低密度ポリエチレン層とイージーピール層との4層構造、キャストポリプロピレン層とポリエステル層とキャストポリプロピレン層とイージーピール層との4層構造であってもよい。
【0019】
つぎに、ファスナーバッグ1の製造方法を説明する。
図1に示す袋状容器2の包材として、自動充填包装機に適用できるように、連続長のラミネートフィルムを袋状容器2の幅と背シール部5の長さの合計長さの2倍の長さに裁断した包材が用いられる。
【0020】
包材は側縁4a,4b同士が突き合わされるように折り曲げ成形されて筒状体を形成する。ついで、連続長のファスナー装置3およびカットテープ10が筒状体の内部に供給される。この場合、ファスナー装置3は雄型ファスナー部材8と雌型ファスナー部材9を互いに嵌合した状態で供給される。
【0021】
ファスナー装置3の雄型ファスナー部材8は、筒状体の突き合わされた側縁4a,4bの一側に配置され、ファスナー装置3の雌型ファスナー部材9は、筒状体の突き合わされた側縁4a,4bの他側に配置される。
また、カットテープ10は、雄型ファスナー部材8の基部8aと雌型ファスナー部材9の基部9aとの間に配置される。カットテープ10は、筒状体の一端から他端まで連続して延びるように配置される。
【0022】
つぎに、筒状体の突き合わせた側縁4a,4b同士は、ヒートシール加工されて背シール部5を形成する。これと同時に、雄型ファスナー部材8の基部8aと雌型ファスナー部材9の基部9aおよびカットテープ10は、筒状体の内面に溶着手段または接着手段により固着される。これにより、内面にファスナー装置3とカットテープ10を固着した両端開口の筒状体が形成される。カットテープ10の上面に位置するイージーピール層13は雌型ファスナー部材9の基部9aに接着される。
【0023】
つぎに、ファスナー装置3とカットテープ10を固着した両端開口の筒状体は、下端がヒートシール加工されて下端ヒートシール部6を形成する。そして、上端開口の袋状容器2の内部に上端開口部を通して内容物が充填される。内容物が充填された筒状体は、上端開口端をヒートシール加工することで上端ヒートシール部6を形成する。内容物が充填された袋状容器2は、上端ヒートシール部6とこれに続く包材との間で切断される。
【0024】
ファスナーバッグ1を開封して内容物を取り出すには、まず、上端ヒートシール部6または下端ヒートシール部7を切欠き線に沿って切断してヒートシール部から分離されるカットテープ把持部を形成する。
【0025】
ついで、カットテープ把持部を指で挟持し、カットテープ把持部をファスナーバッグ1の面から離れる方向に引き上げる。これにより、カットテープ把持部は、ヒートシール部から分離する。カットテープ把持部をそのままファスナーバッグ1の面から離れる方向に引き上げると、カットテープ把持部にカットテープ10の端部が結合されているので、カットテープ10が袋状容器2の雄型ファスナー部材8の基部8aと雌型ファスナー部材9の基部9aとの間の部分を切断する。これにより、ファスナーバッグ1が開封され、この開封部を介して内容物を取り出すことができる。
内容物を取り出した後、雄型ファスナー部材8と雌型ファスナー部材9を嵌合することで、ファスナーバッグ1内に残る内容物を密封することができる。
【0026】
図4は本発明の他の実施の形態のファスナーバッグ1aを示し、このファスナーバッグ1aは、図2に示すファスナーバッグ1と比較すると、袋状容器2の構成は同じであるが、ファスナー装置3aの取付け位置が相違している。
すなわち、上記ファスナーバッグ1aは、図2に示すファスナーバッグ1の袋状容器2の内面の背シール部5の一側にファスナー装置3aの雄型ファスナー部材8aと雌型ファスナー部材9aを並列配置している。
これにより、ファスナーバッグ1aは、背シール部5から離れた位置で開封されることになる。
【0027】
図5は本発明の他の実施の形態のファスナーバッグ1bを示し、このファスナーバッグ1bは、図2に示すファスナーバッグ1と比較すると、ファスナー装置3の配置は同様であるが、袋状容器2が合掌貼り型袋状容器2であるか封筒貼り型袋状容器2bであるかにおいて相違している。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、袋状容器を1枚の包材で形成し、袋状容器の一面にファスナー装置を配置し、袋状容器の内面にカットテープを設けたことで、開封および再封が可能でかつ特殊な装置を必要としない一般の自動充填包装機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるファスナーバッグの背面図。
【図2】図1に示すファスナーバッグの拡大断面図。
【図3】カットテープの構成を示す図。
【図4】本発明によるファスナーバッグの他の実施の形態の背面図。
【図5】本発明によるファスナーバッグの他の実施の形態を示す図。
【符号の説明】
1 ファスナーバッグ
2 袋状容器
2a,2b 袋状容器
3 ファスナー装置
5 背シール部
8 雄型ファスナー部材
9 雌型ファスナー部材
10 カットテープ
Claims (4)
- 1枚の包材を側縁同士を突き合わせて形成される突き合わせ部にヒートシールして突き合わせヒートシール部が形成された袋状容器と、この袋状容器の突き合わせヒートシール部を設けた側の面の内面に取り付けられたファスナー装置とを有し、上記ファスナー装置は、分離した雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材を有し、雄型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の突き合わせヒートシール部から一側に離れた位置に配置し、雌型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の突き合わせヒートシール部から他側に離れた雄型ファスナー部材に嵌合可能の位置に配置し、袋状容器の前記面の内面の雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の間に袋状容器の一端から他端まで延びるカットテープを固着したことを特徴とするファスナーバッグ。
- 1枚の包材を側縁同士を突き合わせて形成される突き合わせ部にヒートシールして突き合わせヒートシール部が形成された袋状容器と、この袋状容器の突き合わせヒートシール部を設けた側の面の突き合わせヒートシール部から一側に離れた位置に取り付けられたファスナー装置とを有し、上記ファスナー装置は、分離した雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材を有し、雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材は、嵌合可能に間隔を置いて配置され、袋状容器の前記面の内面の雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の間に袋状容器の一端から他端まで延びるカットテープを固着したことを特徴とするファスナーバッグ。
- 1枚の包材を側縁同士を重ね合わせて形成される重ね合わせ部にヒートシールして重ね合わせヒートシール部が形成された袋状容器と、この袋状容器の重ね合わせヒートシール部を設けた面の内面に取り付けられたファスナー装置とを有し、上記ファスナー装置は、分離した雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材を有し、雄型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の重ね合わせヒートシール部から一側に離れた位置に配置し、雌型ファスナー部材を袋状容器の前記面の内面の重ね合わせヒートシール部から他側に離れた雄型ファスナー部材に嵌合可能の位置に配置し、袋状容器の前記面の内面の雄型ファスナー部材と雌型ファスナー部材の間に袋状容器の一端から他端まで延びるカットテープを固着したことを特徴とするファスナーバッグ。
- カットテープはイージーピール層を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のファスナーバッグ。
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