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JP3756380B2 - 吸引・吐出装置 - Google Patents

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JP3756380B2
JP3756380B2 JP2000154096A JP2000154096A JP3756380B2 JP 3756380 B2 JP3756380 B2 JP 3756380B2 JP 2000154096 A JP2000154096 A JP 2000154096A JP 2000154096 A JP2000154096 A JP 2000154096A JP 3756380 B2 JP3756380 B2 JP 3756380B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一台の装置で吸引作業と吐出作業の両者を行なうことができる吸引・吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塵埃等を吸引する吸引作業と塵埃等を吹き飛ばす吐出作業の両者を実施可能な吸引・吐出装置としては、従来から種々の装置が開発されている(国際公開公報WO97/30620号等)。
上記公報に記載された装置では、本体ケーシングに吸引ノズルと、吐出ノズルの二本のノズルが取付けられ、また、本体ケーシング表面には吐出口と導入口が形成される。そして、本体ケーシングの内部には、上記吸引ノズルと吐出口とを連通する吸引流路と、上記吐出ノズルと導入口とを連通する吐出流路が形成される。
かかる装置において吸引作業を行う時には、吐出流路を遮断した状態で本体ケーシング内に設けたファンを回転させ、これにより吸引ノズル先端から塵埃等を含んだ空気を本体ケーシング内に吸引する。この吸引された塵埃等を含んだ空気は、吸引流路を通って吐出口から本体ケーシング外に吐出される。また、吐出作業を行う時には、吸引流路を遮断した状態でファンを回転させ、これにより、導入口から本体ケーシング内に空気を吸引する。この吸引された空気は、吐出流路を通って吐出ノズル先端から装置外に吐出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した吸引・吐出装置は、1台の装置で吸引作業と吐出作業の両者を行うことができるものの、本体ケーシングに吸引ノズルと吐出ノズルという2本のノズルを接続する必要があり、吸引・吐出装置が大型化するという問題があった。
このような問題を解決するためには、吸引ノズルと吐出ノズルを同一のノズルで兼用し、吸引作業時にはこの兼用したノズルから本体ケーシングに形成した吐出口に空気が流れるようにし、吐出作業時には本体ケーシングに形成した導入口からこの兼用したノズルに向かって空気が流れるよう切換えることが考えられる。しかしながら、このような方法では1本のノズルで吸引作業と吐出作業の両者を行うため、各作業に適した空気流速が得られないという問題が生じる。
すなわち、従来の装置のように2本のノズルを使用した場合、各ノズルの先端断面積を変えることにより各作業に適した空気流速を得ることが可能となるが、2本のノズルを1本のノズルで兼用しようとした場合、そのままではノズルの先端断面積が同一となり、吸引作業時の流速と吐出作業時の流速が同一となってしまうからである。
【0004】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸引ノズルと吐出ノズルを1本のノズルで兼用しても、各作業に適した流速を得ることができる吸引・吐出装置を実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の吸引・吐出装置は、本体と、その本体に基端が接続される一本の両用ノズルと、前記本体の内部で回転するファンを備え、前記ファンの回転により前記両用ノズルの先端から吸引して前記本体に形成した吐出口から吐出する吸引状態と、前記ファンの回転により前記本体に形成した導入口から導入して前記両用ノズルの先端から吐出する吐出状態とに切換え可能となっている。両用ノズルは、その内部に仕切り壁がなく単一の流路を形成しており、その両用ノズルの先端内壁面には、その内壁面に対して揺動可能に絞り部材が取り付けられている。絞り部材は、(1)吸引状態においては、両用ノズル内を先端側から基端側に流れる空気の力によって両用ノズルの先端断面積を吸引状態の断面積とする位置に保持され、(2)吐出状態においては、両用ノズル内を基端側から先端側に流れる空気の力によって両用ノズルの先端断面積を吐出状態の断面積とする位置に保持される。そして、絞り部材が吐出状態の位置に保持された状態では、絞り部材が両用ノズルの流路の一部を遮蔽すると共に両用ノズルの先端に向かって傾斜している。
上記吸引・吐出装置では、両用ノズルの内壁面に対して絞り部材が揺動することで、両用ノズルの先端の断面積を、吸引作業を行うときは吸引状態のときの断面積に、吐出作業を行うときは吐出状態のときの断面積に切換える。したがって、吸引ノズルと吐出ノズルを兼用した1本の両用ノズルを使用しても、各作業に適した流速を得ることができる。
また、絞り部材は、吸引状態では両用ノズルの先端から基端側に流れる空気の力により吸引状態の位置に保持され、吐出状態では両用ノズルの基端から先端側に流れる空気の力により吐出状態の位置に保持される。したがって、作業者が特別な操作をしなくても、絞り部材を吸引状態の位置と吐出状態の位置とに切換えて保持することができる。
なお、絞り部材を吸引状態の位置と吐出状態の位置に保持するためには、例えば、絞り部材の回動を規制する規制部材(吸引側規制部材及び/又は吐出側規制部材)をノズル内壁面に設ければよい。これによって、簡易に絞り部材を所定のそれぞれの位置に保持することができる。
【0006】
請求項1記載の吸引・吐出装置において、絞り部材は、吸引状態においては両用ノズルの内壁面に当接して保持され、吐出状態においては両用ノズルの内壁面に設けた規制部材に当接して保持されることが好ましい
かかる構成によれば、両用ノズルの内壁面又は規制部材を利用して絞り部材を吸引状態の位置又は吐出状態の位置に保持するため、絞り部材は安定した状態でそれぞれの位置に保持される。
【0007】
なお、前記絞り部材は、前記両用ノズルの上側の内壁面に設けられることが好ましい。このような構成によれば、両用ノズル内に吸引した塵埃等が絞り部材に引っかかり難くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る吸引・吐出装置は、以下に説明する種々の形態で実施することができる。本発明の一実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1、図2に示す吸引・吐出装置は、本体100と、本体100に基端部7が接続される一本の両用ノズル6と、本体100の内部で動力部14(例えば、電動モータ等)によって回転するファン12を備える。
本体100の内部には、吸引側流路Wiと吐出側流路Woが形成され、ファン12が回転すると吸引側流路Wiからファン12内に空気が吸引され、ファン12内に吸引された空気は吐出側流路Woに吐出されるようになっている。また、本体100の表面には、本体100の内部に空気を導入する導入口10と、本体100の外部に空気を吐出する吐出口18が設けられる。
上述した本体100には、切換部材2が図1に示す位置と図2に示す位置との間で切換可能に収容されている。この切換部材2は、図1に示す位置(ファン12と導入口10との間を遮断する位置)においては、両用ノズル6と吸引側流路Wiとを連通し、かつ、吐出側流路Woと吐出口18を連通する。また、図2に示す位置(ファン12と吐出口18間を遮断する位置)においては、導入口10と吸引側流路Wiとを連通し、かつ、吐出側流路Woと両用ノズル6を連通する。
両用ノズル6の先端8には、絞り部材52が軸50を中心に揺動可能に設けられている。この絞り部材52は、両用ノズル6の先端を遮蔽しない位置〔基端部7側に揺動した位置(図1の状態)〕と、両用ノズル6の先端の一部を遮蔽する位置〔先端8側に揺動した位置(図2の状態)〕との間で揺動する。
【0010】
かかる構成を有する吸引・吐出装置において吸引作業を行う時は、図1に示すように、切換部材2が空気導入口10を遮断し、両用ノズル6と吸引側流路Wiを連通させ、さらに、吐出側流路Woと吐出口18を連通させる。また、両用ノズル6先端に設けた絞り部材52は、少なくとも吸引作業中は両用ノズル6の先端を遮蔽しない位置(図1に示す位置)に保持される。
したがって、運転スイッチをオンにしファン12を回転させると、矢印FIiに示すように両用ノズル6の先端8から塵埃等を含んだ空気が吸引され、この吸引された空気は、両用ノズル6から吸引側流路Wiに流れ、ファン12、吐出側流路Woを介して吐出口18から矢印FIoに示すように吐出される。
【0011】
吐出作業を行う時は、図2に示すように、切換部材2が導入口10を開放して導入口10と吸引側流路Wiを連通させると同時に、両用ノズル6と吸引側流路Wi間を遮断する。また、同時に切換部材2は、吐出側流路Woと両用ノズル6を連通させると同時に、吐出側流路Woと吐出口18間の連通を遮断する。また、両用ノズル6の先端に設けた絞り部材52は、少なくとも吐出作業中は両用ノズル6の先端8の一部を遮蔽する位置(図2に示す位置)で保持される。
この状態で運転スイッチをオンにしファン12を回転させると、矢印FOiに示すように導入口10から本体100内に空気が吸引される。この吸引された空気は、吸引側流路Wi、ファン12、吐出側流路Woを介して両用ノズル6に流れ、両用ノズル6の先端8から矢印FOoに示すように吐出される。
上述したことから明らかなように、吐出作業時においては、両用ノズル6の先端8の一部が絞り部材52により遮蔽され、その断面積が吸引作業時に比較して小さくされる。このため、両用ノズル6の先端から吐出される空気の流速は、吸引作業時に両用ノズル6内に吸引される空気の流速に比較して早くなる。
【0012】
次に、本発明の他の実施の形態に係る吸引・吐出装置を図3及び図4を参照して説明する。
図3及び図4に示す吸引・吐出装置も、図1及び図2に示す装置と同様、本体100の内部に収容した切換部材2により、吸引作業時と吐出作業時の空気流路を切換る等の基本的な構造については同一構造を備える。
しかしながら、図3及び図4に示す吸引・吐出装置においては、ノズル6の先端側に可動部6bを設け、この可動部6bを支点6a回りに回動可能とすることで、両用ノズル6の先端8の断面積を切換える点において相違する。
【0013】
すなわち、吸引作業時においては、可動部6bを図3に示す位置とし、両用ノズル6の先端8を絞らない形状とし、一方、吐出作業時においては、可動部6bを図4に示す位置とし、両用ノズル6の先端8を先細り形状とする。
このような吸引・吐出装置によっても、両用ノズル6の先端断面積(空気流速)を吸引作業時と吐出作業時で切換えることができる。
【0014】
【実施例】
以下、図1、図2に示した実施の形態を具現化した一実施例に係る吸引・吐出装置について、図5乃至図10を参照して詳細に説明する。図5は吸引作業時における吸引・吐出装置の内部状態を示す図であり、図6は吐出作業時における吸引・吐出装置の内部状態を示す図であり、図7は吸引作業時における両用ノズルの先端を拡大して示す図であり、図8は吐出作業時における両用ノズルの先端を拡大して示す図であり、図9は両用ノズルをその先端側から見た図であり、図10は両用ノズル6を収納した状態を示す図である。
吸引・吐出装置は、図5、6に示すように、一本の両用ノズル6が接続される本体ケーシング100を備える。本体ケーシング100の内部には、モータ14が固定されており、モータ14の出力軸にはファン12が固定されている。このファン12は硬質樹脂で成形されており、装置内に吸引した落ち葉等を粉砕する。なお、より高い粉砕強度が必要なときは、ファン12を鋼等の金属としても良い。
また、本体ケーシング100の内部には、両用ノズル6側から略直線状に伸びる流路102と、切換部材2を移動可能に収容する収容空間104と、ファン12を間に挟んで略U字型をなす吸引側流路Wiと吐出側流路Woが形成されている。
【0015】
本体ケーシング100の吸入側流路Wi側の表面には、導入口10が設けられる。この導入口10にはフィルタがセットされており、本体ケーシング100内部に導入される空気から異物を除去する。なお、本実施例においては、導入口10は本体ケーシング100の表面と同一面に形成されているが、ノズル形状となって本体ケーシング100の表面から突出しているものでもよい。
一方、本体ケーシング100の吐出側流路Wo側の表面には、吐出ノズル16が設けられ、その吐出ノズル16の先端には吐出口18が形成される。この吐出ノズル16には、集塵袋20の筒部22が着脱自在に取付けられる。集塵袋20と本体ケーシング100とは、筒部22の内面と吐出ノズル16の外面によって気密に保たれた状態で、筒部22のつめによって固定される。また、集塵袋20にはフック24、28が設けられており、これらフック24、28がそれぞれ両用ノズル6に設けられた鉤部26、本体ケーシング100に設けられた鉤部30に掛止することによって、集塵袋20は確実に本体ケーシング100に保持される。
【0016】
また、本体ケーシング100には、ハンドル32が設けられており、このハンドル32にはモータ14をON‐OFFするための運転スイッチ34が設けられている。なお、本実施例においては、ハンドル32に運転スイッチ34が設けられているが、運転スイッチ34の位置はこれに限らず、他の場所に設けるものであってもよい。
【0017】
さらに、本体ケーシング100の内部(収容空間104)には、筒状の切換部材2がピン4によって揺動可能に収容されている。この切換部材2は、図5に示される吸引作業時には、その外壁によって導入口10を遮断するとともに吐出側流路Woを吐出口18に連通し、また、その内部空間によって吸入側流路Wiと両用ノズル6を連通する。また、図6に示す吐出作業時には、切換部材2の外壁が導入口10から離れることで吸入側通路Wiと導入口10を連通し、また、切換部材2の外壁によって吸入側流路Wiと両用ノズル6間を遮断するとともに吐出側流路Woと吐出口18とを遮断し、さらに、切換部材2の内部空間により吐出側流路Woと両用ノズル6を連通させる。
なお、上述した切換部材2は、図10に示す本体ケーシング100に設けた操作部材Sを矢印44に示すように動かすことによって、ピン4を支点として揺動し、図5に示す位置と図6に示す位置との間で切換え可能となっている。
【0018】
次に、上述したように構成される本体ケーシング100に接続される両用ノズル6について説明する。
両用ノズル6は、図5、図10に示すように、その基端部7が回転軸40によって本体ケーシング100に揺動可能に取付けられている。この両用ノズル6は、本体ケーシング100に設けられたノズル留め(図示省略)により本体ケーシング100に固定され、図5等に示すように、本体ケーシング100内に形成された流路102と両用ノズル6とを連通する。また、両用ノズル6の先端8近傍の外壁にはタイヤ42が回転可能に取付けられており、吸引作業・吐出作業時において作業の効率化を図っている。
【0019】
さらに、両用ノズル6の先端8の近傍には、図7〜図9に良く示されるように、その内壁面に規制部材54が固設されており、この規制部材54に対してシャッタ52(絞り部材)が揺動可能に取付けられている。
規制部材54は、図9に示すように両用ノズル6の左右の内壁面にそれぞれ設けられ、また、図7及び図8に示すように上側の壁面から下側の壁面に向かうにしたがって先端8側に近づくよう傾斜して設けられる。この左右の壁面に設けられた規制部材54の下端には、図9に示すように突出部54a、54bが設けられている。
上述した規制部材54の上端には、軸50a、50bによりシャッタ52が揺動可能に取付けられている。このシャッタ52は、図5及び図7に示す状態(吸引作業時)においては、両用ノズル6を先端8から基端部7に向かって流れる空気の圧力によって図7に示す矢印の方向に回動し、両用ノズル6の上側の内壁面に当接する。また、図6及び図8に示す状態(吐出作業時)においては、シャッタ52は、両用ノズル6を基端部7から先端8に向かって流れる空気の力によって図8に示す矢印の方向に回動し、規制部材54の突出部54a、54bに当接することで、その位置に保持される。
したがって、吸引作業時においてはシャッタ52が両用ノズル6の開口部を殆ど遮蔽せず、両用ノズル6の先端開口面積は両用ノズル6の開口部と略同一となる。また、吐出作業時においてはシャッタ52が両用ノズル6の開口部を一部遮蔽するため、両用ノズル6の先端開口面積は吸引作業時に比較して小さくなる。
上述したことから明らかなように、本実施例の吸引・吐出装置では、吸引作業時に最適な流速を得られるよう両用ノズル6の開口部の面積が決められており、また、吐出作業時に最適な流速を得られるようシャッタ52で両用ノズル6の開口部を遮蔽する面積(規制部材54の角度等)が決められている。
【0020】
なお、本実施例の吸引・吐出装置では、両用ノズル6が回転軸40で本体ケーシング100に折りたたみ可能に支持されているため、装置不使用時又は店頭での展示時においては、図10に示すように集塵袋20を本体ケーシング100から取外し、かつ、両用ノズル6を折りたたんだ状態とすることができる。したがって、装置不使用時等においては、両用ノズル6を収納状態にすることで両用ノズル6が邪魔にならず、省スペース化を図ることができる。
ただし、両用ノズル6は、本実施例の構造に限られることなく、本体ケーシング100に対して脱着可能な構造としても良いし、あるいは、両用ノズル6の基端部7が本体ケーシング100に着脱不能(固定的)に接続されていてもよい。さらには両用ノズルはジャバラ状のものとしてもよい。
【0021】
ここまで本実施例における吸引・吐出装置の構成を説明してきた。以下、吸引・吐出装置により吸引作業、吐出作業を行うときの作用を説明する。
吸引作業を行うためには、まず、本体ケーシング100に集塵袋20をセットし、また、操作部材Sを図10に示す実線位置にセットすることで、切換部材2を図5に示す位置にセットする。したがって、吸引作業時においては、図5に示すように、切換部材2が導入口10を塞ぎ、かつ、両用ノズル6と吸入側流路Wiとを連通し、また、吐出側流路Woと吐出ノズル16とを連通する。すなわち、両用ノズル6の先端8から吸入側流路Wi、ファン12、吐出側流路Wo、吐出ノズル16を経て集塵袋20に導かれる一本の流路が形成される。
【0022】
したがって、この状態で運転スイッチ34を操作してモータ14をONすると、ファン12が回転し両用ノズル6の先端8から両用ノズル6内に塵埃等を含んだ空気が吸引される。両用ノズル6内に吸引された空気は、吸引側流路Wiを通ってファン12に流れ、ファン12から吐出側流路Woに吐出され吐出口18から集塵袋20内に吐出される。
このとき、導入口10が切換部材2の外壁により塞がれているため、導入口10から本体ケーシング100内に空気が侵入することはなく、吸引力が低下することが防止される。また、両用ノズル6の先端8に設けたシャッタ52は、図7に示すように、両用ノズル6の先端8から基端部7側に向かって流れる空気の力により基端部7側に回動し、両用ノズル6の内壁面に当接した位置で保持される。したがって、シャッタ52により両用ノズル6の先端8が遮蔽されることは無い。
【0023】
吸引作業後は、集塵袋20のフック24、28を鉤部26、鉤部30からそれぞれ外して集塵袋20を本体ケーシング100から離脱し、集塵袋20内に蓄積された塵埃等を捨てることができる。この際、吐出ノズル16又は筒部22には図示されていない蓋機構が備えられているので、集塵袋20を本体ケーシング100から取外しても塵埃等が集塵袋20又は本体ケーシング100から飛散しない。
また、運転スイッチ34をOFFしてモータ14を停止すると、シャッタ52には両用ノズル6内を流れる空気から作用する力が無くなるため、重力により両用ノズル6の先端8側に回動し図8に示す状態となる。このため、たとえ吸引作業中にシャッタ52に塵埃等が引っ掛っていたとしても、この塵埃はモータ14を停止すると重力により落下し、両用ノズル6の先端8から排出される。
なお、上述した吸引作業では集塵袋20内に塵埃等を集めたが、吐出ノズル16にホース等を繋げて、外部の集塵タンク等に吸引作業中の塵埃等を送ることもできる。
【0024】
次に、吐出作業時での吸引・吐出装置の作用を説明する。
吐出作業を行うためには、操作部材Sを図10に示す二点鎖線位置にセットすることで、切換部材2を図6に示す位置にセットする。したがって、吐出作業時においては、図6に示すように、切換部材2の外壁が導入口10から離れることによって吸引側流路Wiは導入口10と連通し、また切換部材2の外壁によって吸引側流路Wiと両用ノズル6間が遮断される。また、切換部材2は、その外壁によって吐出側流路Woと吐出口18間とを遮断し、かつ、吐出側流路Woは切換部材2を介して両用ノズル6に連通する。すなわち、導入口10から吸入側流路Wi、ファン12、吐出側流路Wo、切換部材2、両用ノズル6を経て外部に流れる一本の流路が形成される。
【0025】
したがって、この状態で運転スイッチ34を操作してモータ14をONするとファン12が回転し、導入口10から吸引側流路Wi内に空気が吸引される。吸引側流路Wi内に吸引された空気は、ファン12、吐出側流路Wo、切換部材2を介して両用ノズル6側に流れ、両用ノズル6の先端8から吐出される。
このとき、両用ノズル6の先端8に設けたシャッタ52は、図8に示すように、両用ノズル6の基端部7側から先端8に向かって流れる空気の圧力により先端8側に回動し、規制部材54に当接した位置で保持される。したがって、シャッタ52により両用ノズル6の先端8の一部が遮蔽されるため、吸引作業時に比較して両用ノズル6から吐出される空気の流速は早くなる。
【0026】
上述したことから明らかなように、本実施例に係る吸引・吐出装置では、両用ノズル6の先端8にシャッタ52を設け、このシャッタ52により両用ノズル6の先端を遮蔽する状態(吐出作業)と、遮蔽しない状態(吸引作業)とに切換えることにより、各作業に適した流速を得ることができる。
【0027】
さらに、吐出作業時においては、集塵袋20を本体ケーシング100から取り外して吐出作業を行うことができ、装置自体がコンパクトで軽量となるため作業が容易となる。この際、切換部材2により吐出側流路Woと吐出ノズル16とが遮断されているため、空気が吐出ノズル16から吐出することはない。
【0028】
以上、本発明を具現化した一実施例について説明したが、本発明は上述した実施の形態及び実施例に限られることなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0029】
例えば、上述した実施例においては、シャッタ52(絞り部材)を両用ノズルに対して揺動可能にした機構であったが、本発明はこのような機構に限られず、例えば、絞り部材を両用ノズルの軸心と垂直な方向にスライドするような機構としても良い。このような機構によっても、両用ノズル6の先端の一部を遮蔽する面積を切換えることができ、各作業に適した流速を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係る吸引・吐出装置の吸引作業時の模式図
【図2】図1に示す吸引・吐出装置の吐出作業時の模式図
【図3】他の実施の形態に係る吸引・吐出装置の吸引作業時の模式図
【図4】図3に示す吸引・吐出装置の吐出作業時の模式図
【図5】実施例の吸引・吐出装置の吸引作業時の断面図
【図6】実施例の吸引・吐出装置の吐出作業時の断面図
【図7】吸引作業時における両用ノズルの先端を拡大して示す図
【図8】吐出作業時における両用ノズルの先端を拡大して示す図
【図9】両用ノズルをその先端側から見た図
【図10】両用ノズルを収納した状態を示す図
【符号の説明】
2・・切換部材
4・・ピン
6・・両用ノズル
10・・導入口
12・・ファン
18・・吐出口
40・・回転軸
50・・軸
52・・シャッタ(絞り部材)
54・・規制部材

Claims (2)

  1. 本体と、その本体に基端が接続される一本の両用ノズルと、本体の内部で回転するファンを備え、ファンの回転により両用ノズルの先端から吸引して本体に形成した吐出口から吐出する吸引状態と、ファンの回転により本体に形成した導入口から導入して両用ノズルの先端から吐出する吐出状態とに切換え可能な吸引・吐出装置において、
    両用ノズルは、その内部に仕切り壁がなく単一の流路を形成しており、
    その両用ノズルの先端内壁面には、その内壁面に対して揺動可能に絞り部材が取り付けられており、
    その絞り部材は、(1)吸引状態においては、両用ノズル内を先端側から基端側に流れる空気の力によって両用ノズルの先端断面積を吸引状態の断面積とする位置に保持され、(2)吐出状態においては、両用ノズル内を基端側から先端側に流れる空気の力によって両用ノズルの先端断面積を吐出状態の断面積とする位置に保持され、
    絞り部材が吐出状態の位置に保持された状態では、絞り部材が両用ノズルの流路の一部を遮蔽すると共に両用ノズルの先端に向かって傾斜していることを特徴とする吸引・吐出装置。
  2. 絞り部材は、吸引状態においては両用ノズルの内壁面に当接して保持され、吐出状態においては両用ノズルの内壁面に設けた規制部材に当接して保持されることを特徴とする請求項1に記載の吸引・吐出装置。
JP2000154096A 2000-05-25 2000-05-25 吸引・吐出装置 Expired - Fee Related JP3756380B2 (ja)

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