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JP3626175B1 - 靴用中敷パッドおよび靴 - Google Patents

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】 足の所定の部位を補助せしめるパッド部が、歩行時の足や靴の動的変化にも有利に追従変形されて、当該部位を効果的に補助せしめることによって、靴のフィッティング機能や歩行支援機能が有利に発揮され得る、新規な構造の靴用中敷パッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 前方底パッド部18と後方底パッド部20の間を第一の薄肉部28として湾曲可能とすると共に、両底パッド部18,20と内側及び外側の各横パッド部22,24の間を第二及び第三の薄肉部30,32としてそれぞれ湾曲可能とする。それによって、靴12の中底14に装着された状態下で、各中足骨46の略先端部における横アーチ48が前方底パッド部18によって補助されると共に、足根骨50における横アーチ56が後方底パッド部20によって補助され、更に脛側の中足骨46aと腓側の中足骨46bの両側面に対して内側及び外側横パッド部22,24が足幅方向両側からあてがわれるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、靴内部の底部(靴の中底)に載置されること等によって靴底の高さや靴内部の横幅寸法等が適宜に調節される靴用中敷パッドとその関連技術に係り、特に、使用に際して靴と足の一体感が好適に得られつつ、歩行支援が有利に為される靴用中敷パッドとその関連技術に関するものである。
従来から、靴の中底に載置される中敷が知られている。このような中敷においては、例えば、足の形状や大きさ等に対して靴の形状や大きさ等を合わせる、所謂シューフィッティングを目的として利用されていることが多い。また、通気性や消臭の機能,クッション機能等を付加した中敷も市販されている。
しかしながら、多くの中敷は、単に略一定の厚さ寸法のプレートを足型に成形したものに過ぎない。これでは、靴のフィッティングや歩行時の足のサポート等に対して、有効な効果が期待できない。
このような問題に鑑み、幾つかの機能性の高い中敷も提案されている。例えば、特開2000−287705号公報(特許文献1)や実開平6−24504号公報(特許文献2)等に示された中敷では、所定の箇所にパッドを設けて、外反母趾や内反小趾等によって突出した部位乃至は突出するおそれのある部位にあてがい、該部位の突出変形を拘束せしめることにより、外反母趾の矯正等が実現されるようになっている。
しかしながら、外反母趾によって突出した部位だけを局部的に押し付けるに過ぎないことから、これでは、圧力が突出部位だけに集中して歩行に苦痛を伴うおそれがある。また、外反母趾によって突出した部位を無理に押さえつけるだけでは、決して有効な治療にならなかった。
なお、本願の国内優先権主張の基となった特願2004−72864号の審査に際しては、特開平11−226042号公報(特許文献3)や実用新案登録第3049643号公報(特許文献4)が、引用された。これら特許文献2〜4には、中底に重ね合わされるプレート状の中敷であって、その厚さ寸法を、足指の付根から踵近くまでの略全体に亘って足裏の静的な形状に沿うようにして連続的に変化させた構造が開示されている。
しかしながら、特許文献2〜4に開示の中敷のように、単に足底の静的な形状に合わせただけでは、足を形成する多数本の骨を十分にサポートしつつ、動的な歩行という動きに際して有効な補助を実現することを果たし得ない。
特に、既製品で内部形状が限定された靴を、各個人によって千差万別の形状の足に対して合わせるフィッティングは、殆ど望むことができない。例えば、靴の長さのサイズは5mm刻みが一般的であり、特定デザインの靴では、各長さのサイズ毎に、幅寸法の異なる靴は1種類しか店頭にないことが多い。その場合に、靴底部に敷く中敷だけでフィッティングすることが、極めて乱暴であることは、容易に理解できる。
また、上記特許文献3や特許文献4に記載のように、全体として平坦で、平板上に静的に置いた足裏の形状に合わせて厚さを変化させただけの中敷では、既に異常変形等した足骨に対して治療的効果が殆ど望めない。また、単に靴底に敷くだけの中敷では、それを装着することで靴の深さ寸法が全体的に小さくなってしまい、特に足指先に上下方向の圧迫を生じたり、踵部分が靴から上方にはみ出してしまって踵に靴の開口周縁部が巧く引っ掛からなくなって、反対に靴が脱げ易くなるという問題がある。加えて、そのような静的な足裏形状に合わせただけの中敷では、動的な歩行に際して、変形する足裏の形状に追従し得ず、反対に歩きづらくなってしまうことさえあるであろうことも、想像に難くない。
加えて、特に女性用の靴、中でもハイヒール等を考えれば、中底自体が平坦でないことが多いことも理解できる。そのような場合に、前述の特許文献3,4に記載のように、全体として平坦な中敷が、必ずしも目的とする作用効果を発揮し得ないことも理解できるはずである。
また、本願の国内優先権主張の基となった特願2004−72864号の審査に際しては、実用新案登録第3058953号公報(特許文献5)も引用されている。この公報には、足の先端部分の下に敷く本体部に加えて足の先端部分の左右両側に重ね合わせられる両サイド部を一体的に設けることで、滑り止め機能を持たせた靴インナシートが開示されている。
しかしながら、特許文献5に示されるインナシートは、ハイヒール等で足が靴内で前方にずれ落ちてしまうのを防止するためのものに過ぎず、広がった靴の幅を内部で狭めるために、両サイド部を設けたに過ぎない。従って、両サイド部は、足の先端のずれ落ちを防止することが出来るように、中足骨における脛側および腓側の中足点を両側から挟むようにして位置せしめられることとなる。これでは、外反母趾で最も突出する部分を集中的に外側から押さえ付けるのと同様となって、外力が集中的に作用して苦痛が生ぜしめられ易い。また、前方へのずれ落ちを防止するためには、脛側および腓側の中足点から足の前方を両サイド部で挟むようにすることが有効であると考えられるが、それでは、外反母趾等の異常をより進行させることになるおそれがある。
要するに、この特許文献5に記載のインナシートは、単にハイヒール等の傾斜した靴底において前方へのずれ落ちを防止するだけの目的しか有しておらず、それ故、靴のフィッティングや歩行時のサポートに関して、殆ど有効ではない。特に、当該インナシートの中央部にあっても、全体に略一定の厚さ寸法を有する単なる板状クッションを備えているに過ぎず、これでは歩行に際しての有効なサポート機能も到底発揮され得るものでなかったのである。
特開2000−287705号公報 実開平6−24504号公報 特開平11−226042号公報 実用新案登録第3049643号公報 実用新案登録第3058953号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、足の所定の部位を補助せしめるパッド部が、歩行時の足や靴の動的変化にも有利に追従変形されて、当該部位を効果的に補助せしめることによって、靴のフィッティング機能や歩行支援機能が有利に発揮され得る、新規な構造の靴用中敷パッドおよび靴を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、靴の中底に重ね合わされることによって使用される一枚の略シート状の靴用中敷パッドであって、(i)前部に位置して膨らんだ前方底パッド部と、(ii)後部に位置して膨らんだ後方底パッド部と、(iii)内側の側方に位置して膨らんで前後方向に延びる内側横パッド部と、(iv)外側の側方に位置して膨らんで前後方向に延びる外側横パッド部と、の四つのパッド部を弾性変形可能に設けて、該前方底パッド部と該後方底パッド部の間を第一の薄肉部として湾曲可能とすると共に、該前方底パッド部および該後方底パッド部と前記内側及び外側の各横パッド部の間を第二及び第三の薄肉部としてそれぞれ湾曲可能とすることにより、前記靴の中底に装着された状態下において、各中足骨の略先端部における横アーチが該前方底パッド部によって補助せしめられると共に、足根骨における横アーチが該後方底パッド部によって補助せしめられ、更に脛側の該中足骨と腓側の該中足骨の両側面に対して前記内側横パッド部と前記外側横パッド部が足幅方向両側からあてがわれるようにした靴用中敷パッドにある。
このような本態様に従う構造とされた靴用中敷パッドにおいては、膨らみ状の4つのパッド部が実質的に独立状態で設けられており、しかも、各パッド部とパッド部の間が薄肉部によって湾曲可能とされている。それ故、歩行時の動的な足裏形状の変化に良好に追従され得て、歩行のサポートが有効に為されると共に、ハイヒール等の底面の異形状にも対応可能とされる。
また、各中足骨の略先端部における横アーチや足根骨における横アーチが前後の底パッド部で補助されていることによって、歩行のサポート効果に加えて、健康への治療的効果も十分に期待される。思うに、足の衝撃吸収や歩行機能に関して、これら二つの横アーチをサポートすることが重要であることは、例えば「良いクツの基礎知識(改訂第11版)」日本靴総合研究会出版や実用新案登録第3049643号公報(特許文献4)等の本発明に関連する技術文献において、明確に指摘されているところであるからである。
すなわち、これら二つの横アーチを実質的に独立してサポートし得ることが、本発明の一つの大きな特徴といえる。これによって、ハイヒール等の特殊な形状の靴を用いて歩行するに際しても、足裏形状や靴の内部形状の動的変化に対して有利に追従変形しつつ、各横アーチが各底パッド部で補助せしめられることとなり、優れた歩行支援が実現可能となる。
しかも、内側横パッド部と外側横パッド部が脛側中足骨と腓側中足骨の両側面に対してあてがわれていることから、脛,腓、両側の各中足骨が、その長さ方向の広い範囲で各横パッド部にサポートせしめられることとなり、例えば脛側中足点(mt.t)や腓側中足点(mt.f)等の突出している部分だけに集中荷重が及ぼされることが抑えられる。従って、健常者は勿論、外反母趾の使用者等に対しても、足の突出部分が強く押さえ付けられることに起因する痛みや疲労が軽減されると共に、有効なサポートの力が各中足骨に安定して伝えられる。
さらに、前後の底パッド部による二つの横アーチの保持と、内外の横パッド部による足幅方向両側からの有効なサポート(押圧力)の作用によって、足が上下に厚く、即ち、有効アーチで中足骨部分の甲高さが大きくされる。これは、足の健康のためだけでなく、靴のフィッティングに関しても重要である。蓋し、足が、内外の横パッド部で足幅方向両側からホールドされるだけでなく、甲等を支持せしめる靴のアッパー部材と前後の底パッド部で上下方向両側からもホールドされることによって、靴内の略全体に亘って安定して保持されるからである。加えて、薄肉部で構成された各パッド部とパッド部の間が湾曲されることによって、足や靴の形状に対応させてパッド部を変位乃至は変形せしめることが可能となり、足が一層安定してホールドされる。これこそが、靴のフィッティング機能が有効に発揮される所以であり、本態様の靴用中敷パッドでは、かかる作用効果が、二つの横アーチを前後の底パッド部で補助せしめることや、脛, 腓、両側の中足骨に対して内外の横パッド部を足幅方向両側からあてがうこと、更には各パッド部とパッド部の間を湾曲可能とすることによって、初めて有効に達成され得ることとなった点に一つの大きな技術的特徴を有するのである。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の前記態様1に係る靴用中敷パッドにおいて、前記前方底パッド部が最前方端縁部とされており、その使用時において、該前方底パッド部から前方に向かって5本の足指が突出せしめられて、それら5本の足指が前記靴の中底に直接に載るようになっていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドおいては、足指が収容される靴の先端部分が中敷によって狭められることがないことから、足指を不必要に圧迫することもない。また、足指が直接に靴の中底に載せられることから、歩行時に足指の蹴り出し動作に伴う力が中底に効率的に伝えられることとなり、歩行が一層有利に為されると共に、靴を履いた感覚も良好に保たれ得る。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の前記態様1又は2に係る靴用中敷パッドにおいて、前記後方底パッド部が最後方端縁部とされており、その使用時において、該後方底パッド部から後方に向かって踵が突出せしめられて、該踵が前記靴の中底に直接に載るようになっていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、踵が収容される靴の後端部における深さ寸法が中敷によって小さくされることがない。それ故、踵が靴の後端部の開口縁部に対して引っ掛かる状態が巧く維持され得ることとなり、中敷を装着することに起因して靴の脱げ出しが問題となるようなこともない。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係る靴用中敷パッドにおいて、前記前方底パッド部が、突出高さが略中央部分で最も大きくされた略ドーム形状を有しており、その使用時において、各中足骨の趾骨との接続部分の下方に位置せしめられるようになっていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、各中足骨の趾骨との接続部分が前方底パッド部で安定して支持せしめられることとなり、その結果、各中足骨の先端部における横アーチが一層効果的に補助される。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至4の何れかに係る靴用中敷パッドにおいて、前記後方底パッド部が、左右幅寸法に比して前後長さ寸法が大きい長手形状とされており、その使用時において、土踏まずの略全体に亘って位置せしめられるようになっていると共に、土踏まずのある内側部分が外側部分よりも高くされていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、後方底パッド部が、長手方向の広い範囲に亘って足根骨における横アーチを支持せしめる。また、土踏まずのある内側部分が外側部分よりも高くされていることに基づいて、後方底パッド部が土踏まず、延いては足根骨の横アーチに対してより安定してあてがわれる。それ故、当該横アーチが後方パッド部でより効果的に補助されることとなり、歩行支援の更なる向上が図られ得る。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至5の何れかに係る靴用中敷パッドにおいて、前記内側横パッド部の前方端縁部が、その使用時において、脛側中足点よりも後方に位置せしめられるようになっていると共に、前記外側横パッド部の前方端縁部が、その使用時において、腓側中足点よりも後方に位置せしめられるようになっていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、特に外反母趾等において顕著となる、足幅方向で最も突出する部分とされる脛側中足点や腓側中足点に対して、内外の横パッド部が押し付けられることが回避される。それ故、健常者は勿論、外反母趾の使用者であっても、横パッド部で中足点を圧迫せしめることに起因して惹起される痛み等が抑えられることとなり、その結果、より快適な歩行が実現されるのである。
(本発明の態様7)
本発明の態様7の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至5の何れかに係る靴用中敷パッドにおいて、前記内側および外側の横パッド部が、脛側及び腓側の各中足骨の略全長に亘ってあてがわれるようになっていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、横パッド部が各中足骨に対してより広範囲に亘ってあてがわれることとなり、各中足骨に対する荷重の集中が一層有利に抑えられる。
(本発明の態様8)
本発明の態様8の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至7の何れかに係る靴用中敷パッドにおいて、何れか一方の面が平坦面とされていると共に、他方の面に突出するようにして、前記前方底パッド部、前記後方底パッド部、前記内側横パッド部および前記外側横パッド部が、それぞれ形成されていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、例えば平坦面を中底に重ね合わせて載置せしめることによって、各パッド部が足に対して直接にあてがわれると共に、中底に安定して支持せしめられる。また、例えば各パッド部が突出した面を中底に重ね合わせて載置せしめることによって、各パッド部が平坦面を介して足にあてがわれることとなり、パッドにより足に及ぼされる押圧力を調整すること等が出来る。即ち、本態様によれば、使用条件や製作性等に応じて、パッド部を足に直接にまたは間接にあてがう態様が適宜に選択可能となる。
(本発明の態様9)
本発明の態様9の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至8の何れかに係る靴用中敷パッドにおいて、使用に際して前記靴の中底に重ね合わせられる方の面において、該靴の内面に対して固定的に位置決めするための固定手段が設けられていることにある。
本態様に従う構造とされた中敷パッドにおいては、装着状態が安定とされることに基づいて、各パッド部が足の目的とする位置により安定してあてがわれることとなり、歩行支援やフィッティングの更なる向上が図られ得る。なお、固定手段としては、特に限定されるものでなく、例えば粘着テープや接着剤等の他、中敷パッドを中底等に固着せしめる公知の固定手段が採用される。
(靴に関する本発明)
靴に関する本発明の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至9の何れかに係る靴用中敷パッドを内部に取り付けた靴にある。
このような本発明に従う構造とされた靴においては、当該靴用中敷パッドが取り付けられることによって、各パッド部とパッド部の間が湾曲されることに基づいて、靴の内部形状に応じてパッドを容易に変形せしめることが可能となる。それによって、各パッド部が目的とする位置に有利に配置される。また、各パッド部で前述の二つの横アーチや各足根骨等が、それぞれ、独立して補助されると共に、足裏形状や靴の内部形状の動的変化に際しても、それらが有利に補助される点に大きな技術的特徴を有する。
従って、本発明に従う構造とされた靴においては、前述の如き本発明に従う構造とされた中敷による効果が、何れも、有効に発揮され得ることとなり、静的な足裏形状に対応させた形状の中敷を単に配設したに過ぎない従来構造の靴では到底達成され得ない程に、優れたアーチ構造の補助機能や靴のフィッティング機能が達成され得るのである。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた靴用中敷パッドにおいては、相互に実質的に独立した状態で4つのパッド部が設けられた特徴的な構成を備えている。そして、前後の底パッド部で二つの横アーチが補助されていると共に、内外の横パッド部で脛, 腓、両側の中足骨が足幅方向両側から支持されている。また、各パッド部とパッド部の間が薄肉部で湾曲可能とされている。その結果、歩行の際に、各パッド部が、靴や足の動的変化に追従するように変位乃至は変形されて、歩行支援に重要な部位とされる二つの横アーチや中足骨が効果的に補助される。それ故、靴のフィッティングや歩行支援が有利に実現され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜4には、本発明の一実施形態としてのインソール10が示されている。このインソール10は、靴としてのハイヒール12の中底14に載置されることによって(図6等参照)、例えば靴底の高さ寸法や靴の内幅寸法等を適宜に調整するようになっている。なお、図1に示されるインソール10は、右足用である。左足用のインソールは、右足用のインソール10を鏡に写したような左右対称の形状とされているから、その説明は省略する。
より詳細には、インソール10は、薄肉の板状を呈している。その材料は、特に限定されるものでなく、例えばエチレン酢酸ビニル樹脂やエラストマ樹脂、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂材や天然ゴム等の天然樹脂材、コルク材、発泡樹脂等のスポンジ材等が、単体で或いはそれらの複数が適宜に組み合わされた複合材として採用される。即ち、本発明のインソール10には、従来から中敷に適用されている公知の各種材料が採用可能であり、特に、或る程度の弾性を有するものが好適に採用される。また、インソール10は、弾性に加えて可撓性を有するものが採用されて、湾曲乃至は屈曲等が可能とされている。
そして、かかるインソール10は、本体シート部16や前方底パッド部18、後方底パッド部20、内側横パッド部22、外側横パッド部24を含んで構成されている。
本体シート部16は、薄肉の平坦なシート形状とされている。特に本実施形態では、その平面形状が、略矩形状乃至は略楕円形状とされていると共に、幅方向両側には、幅方向外方に突出するサイド部26,26が、それぞれ、一体形成されている。かかるサイド部26の形状や大きさ、位置等は、特に限定されるものでないが、本実施形態では、本体シート部16の前後方向(図1中の上下方向に相当する長手方向)の中間部分から後方(図1中、下方)の端部にかけて長手状に延びる略矩形平板形状を呈している。そして、本体シート部16の前方部分と後方部分には、前方底パッド部18と後方底パッド部20が固設されている。
前方底パッド部18は、略円板形状を有していると共に、外周部分が厚さ方向一方(図2,3中、下)から他方(図2,3中、上)に向かって円錐状に径寸法が次第に小さくなるテーパ状とされている。換言すると、前方底パッド部18は、突出高さが中央部分で最も大きくされた略円形のドーム状とされている。
後方底パッド部20は、左右幅寸法に比して前後の長さ寸法が大きい長手状の略矩形平板形状を有している。また、後方底パッド部20の外周部分が、高さ方向一方(図2, 3中、上)から他方(図2,3中、下)に向かって高さ寸法が次第に小さくされている。それによって、後方底パッド部20の中央部分の高さ寸法が、その外周部分の高さ寸法よりも大きくされている。なお、該外周部分の傾斜の勾配が、前方底パッド部18の外周部分の傾斜の勾配と略同じとされている。また、後方底パッド部20の中央部分における突出高さが、前方底パッド部18の中央部分のそれと略同じとされている。
特に本実施形態では、前方底パッド部18と後方底パッド部20が、周上の一箇所で、幅方向(図1中の左右方向)に直線的に延びる谷状の連結部分によって一体的に連結されている。即ち、これら前後の底パッド部18,20が、一体形成されており、全体として平坦な幅広の略杓文字形状を呈している。
また、前方底パッド部18と後方底パッド部20が、互いに谷状の連結部分で一体的に連結されている(図2参照)ことによって、前方底パッド部18と後方底パッド部20の間が、全長に亘って薄肉化せしめられた第一の薄肉部28として構成されている。そして、第一の薄肉部28が、その谷線に沿って屈曲乃至は湾曲状に曲がり易くされている。
また、前方底パッド部18が、本体シート部16の前方(図1中、上)部分に重ね合わせられている。更に、後方底パッド部20が、一対のサイド部26,26の間に位置せしめられた本体シート部16の後方(図1中、下)部分に重ね合わせられている。そして、これら前後の底パッド部18,20の本体シート部16に重ね合わせられた面と本体シート部16の前後の底パッド部18,20に重ね合わせられた面が、相互に接着剤等で固着されている。また、第一の薄肉部28が固着せしめられた本体シート部16の中間部分が、サイド部26の前方端部よりも前方に位置せしめられていると共に、第一の薄肉部28の湾曲と一体的に湾曲されるようになっている。
また、一方(図1中、左)のサイド部26aには、内側横パッド部22が固設されていると共に、他方(図1中、右)のサイド部26bには、外側横パッド部24が固設されている。これら内外の横パッド部22,24は、何れも、略前後方向(図1中の上下方向)に延びる、底パッド部18,20よりも幅狭の矩形状を呈している。そして、各横パッド部22,24の一方(図4中、下)の面が、本体シート部16のサイド部26の略全体に亘って重ね合わされて、接着剤等で固着されている。
その結果、内側横パッド部22と外側横パッド部24が、前方底パッド部18および後方底パッド部20を挟んで幅方向で離隔して位置せしめられている。また、各横パッド部22,24において前後の底パッド部18,20に向かう面を除く外周部分が、厚さ方向一方(図4中、上)から他方(図4中、下)に向かって高さ寸法が次第に小さくされている。また、内側横パッド部22や外側横パッド部24の厚さ寸法(突出高さ)が、前方底パッド部18や後方底パッド部20と略同じにされている。
また、内側横パッド部22と前後の底パッド部18,20の間が、薄肉の本体シート部16で連結されている。これにより、前後の底パッド部18,20の内側(図1中の左側)を略前後方向に延びるようにして、湾曲可能な第二の薄肉部30が構成されている。更に、外側横パッド部24と前後の底パッド部18,20の間が、薄肉の本体シート部16で連結されている。これにより、前後の底パッド部18,20の外側(図1中の右側)を略前後方向に延びるようにして、湾曲可能な第三の薄肉部32が構成されている。
そして、例えば図5にも示されているように、第二の薄肉部30や第三の薄肉部32が、各横パッド部22,24の突出側の面において谷状となるように湾曲乃至は屈曲せしめられることにより、各横パッド部22,24が、前後の底パッド部18,20の配設面から上方に向かって立ち上がるように変位せしめられるようになっている。
また、上述の説明からも明らかなように、本体シート部16とサイド部26a,26bは、その一方の面(図2〜5中の下面)が平坦面34とされている一方、他方の面(図2〜5中の上面)に対して、前後の底パッド部18,20や内外の横パッド部22,24が重ね合わされて固着されている。
このような構造とされたインソール10は、例えば図6〜9に示されているように、ハイヒール12に装着される。このハイヒール12は、周知のものであり、踵が載る後端部にヒール36を有しており、足のつま先が載る前方から踵が載る後方に行くに従って次第に高くなるように傾斜した中底14を備えている。なお、中底14の下面には、本底38が重ね合わされて固着されている。更に、足指や甲、踵等を全周に亘って覆うアッパー40が、中底14乃至は本底38の外周縁部から立ち上がって設けられている。そして、中底14とアッパー40で囲まれた部分に、足が挿入される収容領域42が形成されている。
このハイヒール12には、前述のインソール10が、アッパー40の開口部から収容領域42に差し入れられて、その前方底パッド部18がハイヒール12の前方に向けられるようにして装着されている。かかる装着状態下では、変形容易な第一の薄肉部28が谷状に湾曲されることにより、湾曲した中底14の形状に沿うようにして、本体シート部16の下面(平坦面34)が中底14の表面に重ね合わされて位置決めされている。
また、第二の薄肉部30が、足の甲内側を覆うアッパー40の形状に略対応して谷状に湾曲されており、サイド部26aの平坦面34がアッパー40の内面に略重ね合わされるようにして配設されている。更に、第三の薄肉部32が、足の甲外側を覆うアッパー40の形状に略対応して谷状に湾曲されており、サイド部26bの平坦面34がアッパー40の内面に略重ね合わされるようにして配設されている。
これにより、前後底パッド部18,20や内外横パッド部22,24が、中底14やアッパー40によって構成された靴内面によって支持されており、かかる靴内面から収容領域42に向かって突出せしめられている。
なお、本実施形態では、インソール10が、第一、第二および第三の薄肉部28,30,32の可撓性と弾性を利用してハイヒール12の内面に重ね合わされた状態で形状保持および位置決めされて装着されるようになっている。しかし、必要に応じて、平坦面34がハイヒール12の内面に対して接着剤や粘着テープ等の固定手段を用いて固着されることによって、靴の内面に位置決めされるようになっていても良い。
このようにしてインソール10を装着せしめたハイヒール12においては、その収容領域42に足44が入れられた際に、各中足骨46の略先端部における横アーチとしての前部中足骨アーチ48が、前方底パッド部18で補助されるようになっている。即ち、各中足骨46の略先端部の下側には、前方底パッド部18が位置せしめられており、この前方底パッド部18の上に載るようにして前部中足骨アーチ48が位置せしめられるようになっている。その結果、前部中足骨アーチ48が正しいアーチ形状となるように、前方底パッド部18で下方からサポートされて、足の横アーチが有効に保たれ得るのである。
また、足根骨50の一部を構成する3つの楔状骨52や立方骨54における横アーチとしての横断アーチ56が、後方底パッド部20に補助されるようになっている。即ち、楔状骨52や立方骨54の略先端部の下側には、各中足骨46の後端部から延び出すようにして後方底パッド部20が位置せしめられており、この後方底パッド部20の上に載るようにして横断アーチ56が位置せしめられるようになっている。その結果、横断アーチ56が正しいアーチ形状となるように、後方底パッド部20で下方からサポートされて、足の横アーチが有効に保たれ得るのである。
そして、これら前部中足骨アーチ48と横断アーチ56のアーチ形状が前後の底パッブ部18,20で保持されることにより、足の本来の機能が有効に発揮され得て、衝撃吸収や体重移動などが正常に行われることとなり、足の健康に寄与し得ることとなる。しかも、二つのアーチ48,56のアーチ形状が積極的に保持されることにより、左右水平方向に広がった不健康な足も甲高さが十分に確保され得ることとなる。その結果、靴の収容領域42に差し入れられた足44が、その甲部において、靴の中底14とアッパー40によって上下両側から巧く挟まれるようにして保持され得ることとなる。このように、足が、足幅方向だけでなく上下の高さ方向でも靴内面で保持されることにより、足の下面と甲面を含む周囲を全周に亘って取り巻くようにして靴の内面にフィットせしめられることとなって、足の良好な健康状態を保ちつつ、靴への優れたフィッティングが実現されて、例えば歩行時における足の靴内での不快なバタツキ等も効果的に抑えることが出来るのである。
さらに、脛側の中足骨46aの側面には、前後方向の中間部分から後方にかけて内側横パッド部22があてがわれるようになっている。また、腓側の中足骨46bの側面にも、前後方向の中間部分から後方にかけて外側横パッド部24があてがわれるようになっている。即ち、収容領域42に足44が入れられた際、内側横パッド部22の前方(図7中、上)の端縁部が、脛側中足点58よりも実質的に後方(図7中、下)に位置せしめられるようになっていると共に、外側横パッド部24の前方の端縁部が、腓側中足点60よりも実質的に後方に位置せしめられるようになっている。
これにより、足の両側が内外の横パッド部22,24でサポートされて、上述の前部中足骨アーチ48と横断アーチ56のアーチ形状が、一層有利に保持され得るようになっている。また、靴の構造上、どうしても足44と靴内面の間に隙間が出来易い、靴内の収容領域42における前後方向中間部分(略土踏まずの部分)の左右両側の下隅部に対して、内外の横パッド部22,24が充填されるようになることから、足の靴内面に対するフィッテングの更なる向上が図られ得る。これにより、靴を履いた感覚が大幅に向上されると共に、歩行時における靴内での足の前後方向への無駄な動きが効果的に抑えられるのである。
また、特に本実施形態では、前方底パッド部18がインソール10の最前方端縁部に形成されている。これにより、収容領域42に足44が入れられた際に、前方底パッド部18の先端縁部から、5本の足指62が突出せしめられて、それら5本の足指62が中底14に直接に載置されるようになっている。
さらに、後方底パッド部20がインソール10の最後方端縁部とされている。これにより、収容領域42に足44が入れられた際に、後方底パッド部20の後端縁部から後方(図6中、右)に向かって踵64が突出せしめられて、踵64が中底14に直接に載置されるようになっている。
更にまた、前方底パッド部18は、収容領域42に足44が入れられた際に、前述の如く、各中足骨46と各趾骨66の接続部分の下方(図6中、下)に位置せしめられるようになっている。また、後方底パッド部20は、収容領域42に足44が入れられた際に、前述の如く、土踏まず64の略全体に亘って位置せしめられるようになっている。更に、後方底パッド部20の中央部分が、土踏まず68の内側部分と足高方向(図6中、上下)で対向位置せしめられるようになっていると共に、後方底パッド部20の外周部分が、土踏まず68の外側部分と足高方向で対向位置せしめられるようになっている。
従って、上述の如き構造とされたインソール10においては、ハイヒール12に装着されることにより、収容領域42の高さ寸法(所謂、靴底の高さ寸法)や幅寸法(所謂、靴の内幅寸法)を適宜に調整することが出来る。また、当該インソール10においては、吸湿性能や脱臭性能、緩衝性能等の特定の機能を有する材料で形成されることにより、使用に際して、特定の作用効果が発揮されるインソールとしても利用され得る。
また、本実施形態では、前部中足骨アーチ48が前方底パッド部18に、横断アーチ56が後方底パッド部20に、それぞれ、独立して補助されていることによって、前述の如く、歩行のサポート効果や健康への治療的効果が有利に発揮され得る。
また、脛側中足骨46aと腓側中足骨46bの両側面に対して、前後方向に延びる内側横パッド部22と外側横パッド部24が足幅方向両側からあてがわれることによって、足44が靴内部に安定して支持せしめられる。しかも、中足骨46が局部的に圧迫がせしめられることが回避されることから、足44に肉刺や胼胝等が生ぜしめられることが抑えられると共に、外反母趾の足等における突出した部位や魚の目等を強く押さえつけることが回避される。
さらに、前方底パッド部18と後方底パッド部20の間や前後の底パッド部18,20と内側横パッド部22の間、前後の底パッド部18,20と外側横パッド部24の間が、それぞれ、各薄肉部28,30,32で湾曲等可能とされている。従って、各薄肉部28,30,32を湾曲等せしめることにより、前方底パッド部18や後方底パッド部20の中底14に対する取付角度や内側横パッド部22や外側横パッド部24のアッパー40に対する取付角度等を適宜に調整することによって、本実施形態のハイヒール12の如き特殊な形状の靴に対しても各パッド部18,20,22,24が安定して支持される。加えて、各個人で相違する足の形状にも有利に対応することが可能となる。
更にまた、第二の薄肉部30や第三の薄肉部32の弾性等に基づいて、内側横パッド部22や外側横パッド部24がアッパー40等に支持されるようになっていることから、それら横パッド部22,24でアッパー40の開口部が無理矢理に押し広げられたり、内幅寸法が必要以上に大きくされたりすることが回避される。故に、靴のフィット感が向上されて、歩行時や走行時における靴脱げや、踵の抜け出し等の問題が効果的に防止される。
更にまた、歩行時等において、足44の形状やハイヒール12の内部形状が動的に変化されるに際しても、各パッド部間の湾曲によって、各パッド部18,20,22, 24が有利に追従して変形して、足44のサポート機能を発揮し続け得る。
また、本実施形態では、使用に際して、5本の足指62が前方底パッド部18から前方に向かって突出せしめられて、中底14に直接に載置されるようになっていると共に、踵64が後方底パッド部20から後方に向かって突出せしめられて、中底14に直接に載置されるようになっている。その結果、中底14を介して、踵64の外側を安定して着地させると共に、各足指62を強く蹴り出すことが可能であることから、所謂あおり歩行等と称される正常歩行のサポートに有利に寄与し得る。なお、あおり歩行とは、先ず足44の踵64の外側を着地させ、次いで小指の付け根(小趾球)、親指の付け根横幅(母趾球またはボール部)の順に着地させた後に、第一, 第二及び第三の足指62で足指62の付け根の関節(中足趾節関節)を屈曲させながら蹴り出す歩き方をいう。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでない。例えば、前記実施形態では、前方底パッド部18と後方底パッド部20が一体形成されていると共に、前後の底パッド部18,20と内側および外側横パッド部22,24が、それぞれ、別体形成されていたが、それらは製作性や各パッド等に要求される特性などに応じて適宜に設計変更されるものである。
具体的には、例えば、前方底パッド部18と後方パッド部20を別体形成したり、前後の底パッド部18,20と内側および外側横パッド部22,24を一体形成することも可能である。
また、前記実施形態のインソール10では、本体シート部16とサイド部26を有する薄肉の可撓性シートが、パッド部18,20,22,24と別体に形成されて、それらパッド部18,20,22,24が可撓性シートの表面に接着等で固着されていたが、かかる可撓性シートを、パッド部18,20,22,24の何れかと、或いは全てと、一体形成しても良い。
さらに、前記実施形態においては、内側横パッド部22や外側横パッド部24における各前方端縁部が、脛側中足点58や腓側中足点60よりも後方に位置せしめられるようになっていたが、当該中足点58,60の位置或いはそれらよりも前方に位置せしめられるようにしても良い。そこにおいて、内側および外側の横パッド部22,24が、脛側及び腓側の各中足骨46a,46bの略全長に亘ってあてがわれるようにしても良い。
また、前方底パッド部18や後方底パッド部20、内側横パッド部22、外側横パッド部24における大きさや形状、構造等の形態は、使用条件や製作性等に応じて適宜に設定変更されるものであって、例示の如き形態に限定されるものでないことは勿論である。
さらに、前記実施形態では、本体シート部16の平坦面34が下面とされて中底14の表面に直接に載置されると共に、サイド部26の平坦面34が下面とされてアッパー40の内面に直接に重ね合わされることによって、各パッド部18,20,22,24が収容領域42に向かって突出せしめられて、足44の表面に直接的にあてがわれるようになっていたが、これに限定されるものでない。具体的には、例えば図10〜12にも示されているように、前記実施形態とは表裏を反対にして、インソール10を裏返してハイヒール12に装着することも可能である。
すなわち、このようにインソール10を裏返して使用することにより、各パッド部18,20,22,24が平坦面34(本体シート部16およびサイド部26)を介して間接的に足44にあてがわれることとなる。しかし、本体シート部16とサイド部26からなる薄肉シートが可撓性であることから、各パッド部18,20,22,24による凹凸が、略そのままに、かかる薄肉シートを介してハイヒール12の収容領域42に発現されることとなる。それ故、それらの凹凸によって、前記実施形態と同様な作用効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
しかも、このようにインソール10を表裏反対に使用することにより、靴の内面を見た場合に、各パッド部18,20,22,24を直接に見ることが出来ないことから、靴の内部の外観を大きく損なうようなこともない。足を入れて靴を履いた場合にだけ、体重が作用することによって、各パッド部18,20,22,24に沿って本体シート部16やサイド部26が変形して、各パッド部18,20,22,24に対応した凹凸が、インソール10の表面に発現せしめられることとなるのである。
加えて、前記実施形態では、本発明に従う構造とされたインソール10を装着した女性用のハイヒールについて説明したが、本発明に従うインソール10や本発明に従う靴は、限定されることなく各種の靴の用途に適用され得る。具体的には、男性用の靴やスポーツシューズ,ウォーキングシューズは勿論、サンダルやヘップなど、各種の履物に対して適用可能であり、本発明における「靴」が、そのような履物を実質的に等価物として範疇に含むことは言うまでもない。
また、前記実施形態では、ハイヒール12から明確に独立してインソール10が形成されていたが、ハイヒール12の製造工程においてインソール10を一体的に装着することも可能である。その際には、例えば、インソール10の本体シート部16とサイド部26からなる薄肉シートを、ハイヒール12の中底14で構成しても良い。その場合には、中底14の表面に各パッド部18,20,22,24を貼着等する他、中底14と本底38の間に各パッド部18,20,22,24を挟み込んで埋め込むようにしても良い。或いは、中底14乃至はアッパー40に対して各パッド部18,20,22,24を一体的に形成しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのインソールを示す平面説明図である。 図1におけるII−II断面図である。 図1におけるIII −III 断面図である。 図1におけるIV−IV断面図である。 図1におけるインソールの一つの動的形態を示す横断面説明図であって、図4に対応する図である。 図1におけるインソールをハイヒールに装着した状態をモデル的に示す縦断面説明図である。 図6におけるインソールの装着状態においてハイヒールのアッパーを除いた状態を示す平面説明図である。 図7におけるVIII−VIII断面図である。 図7におけるIX−IX断面図である。 図1におけるインソールを前記実施形態と異なる装着形態でハイヒールに装着せしめた状態をモデル的に示す縦断面説明図であり、図6に対応する図である。 図10におけるインソールの装着状態を示す横断面説明図であって、図8に対応する図である。 図10におけるインソールの装着状態を示す横断面説明図であって、図9に対応する図である。
符号の説明
10 インソール
12 ハイヒール
14 中底
18 前方底パッド部
20 後方底パッド部
22 内側横パッド部
24 外側横パッド部
28 第一の薄肉部
30 第二の薄肉部
32 第三の薄肉部
46 中足骨
46a 脛側中足骨
46b 腓側中足骨
48 前部中足骨アーチ
50 足根骨
56 横断アーチ

Claims (10)

  1. 靴の中底に重ね合わされることによって使用される一枚の略シート状の靴用中敷パッドであって、
    (i)前部に位置して膨らんだ前方底パッド部と、(ii)後部に位置して膨らんだ後方底パッド部と、(iii)内側の側方に位置して膨らんで前後方向に延びる内側横パッド部と、(iv)外側の側方に位置して膨らんで前後方向に延びる外側横パッド部と、の四つのパッド部を弾性変形可能に設けて、
    該前方底パッド部と該後方底パッド部の間を第一の薄肉部として湾曲可能とすると共に、該前方底パッド部および該後方底パッド部と前記内側及び外側の各横パッド部の間を第二及び第三の薄肉部としてそれぞれ湾曲可能とすることにより、
    前記靴の中底に装着された状態下において、各中足骨の略先端部における横アーチが該前方底パッド部によって補助せしめられると共に、足根骨における横アーチが該後方底パッド部によって補助せしめられ、更に脛側の該中足骨と腓側の該中足骨の両側面に対して前記内側横パッド部と前記外側横パッド部が足幅方向両側からあてがわれるようにしたことを特徴とする靴用中敷パッド。
  2. 前記前方底パッド部が最前方端縁部とされており、その使用時において、該前方底パッド部から前方に向かって5本の足指が突出せしめられて、それら5本の足指が前記靴の中底に直接に載るようになっている請求項1に記載の靴用中敷パッド。
  3. 前記後方底パッド部が最後方端縁部とされており、その使用時において、該後方底パッド部から後方に向かって踵が突出せしめられて、該踵が前記靴の中底に直接に載るようになっている請求項1又は2に記載の靴用中敷パッド。
  4. 前記前方底パッド部が、突出高さが略中央部分で最も大きくされた略ドーム形状を有しており、その使用時において、各中足骨の趾骨との接続部分の下方に位置せしめられるようになっている請求項1乃至3の何れかに記載の靴用中敷パッド。
  5. 前記後方底パッド部が、左右幅寸法に比して前後長さ寸法が大きい長手形状とされており、その使用時において、土踏まずの略全体に亘って位置せしめられるようになっていると共に、土踏まずのある内側部分が外側部分よりも高くされている請求項1乃至4の何れかに記載の靴用中敷パッド。
  6. 前記内側横パッド部の前方端縁部が、その使用時において、脛側中足点よりも後方に位置せしめられるようになっていると共に、前記外側横パッド部の前方端縁部が、その使用時において、腓側中足点よりも後方に位置せしめられるようになっている請求項1乃至5の何れかに記載の靴用中敷パッド。
  7. 前記内側および外側の横パッド部が、脛側及び腓側の各中足骨の略全長に亘ってあてがわれるようになっている請求項1乃至5の何れかに記載の靴用中敷パッド。
  8. 何れか一方の面が平坦面とされていると共に、他方の面に突出するようにして、前記前方底パッド部、前記後方底パッド部、前記内側横パッド部および前記外側横パッド部が、それぞれ形成されている請求項1乃至7の何れかに記載の靴用中敷パッド。
  9. 使用に際して前記靴の中底に重ね合わせられる方の面において、該靴の内面に対して固定的に位置決めするための固定手段が設けられている請求項1乃至8の何れかに記載の靴用中敷パッド。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の靴用中敷パッドを内部に取り付けたことを特徴とする靴。
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