JP3694146B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路により放電灯を高周波点灯させる放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は例えば従来の放電灯点灯装置の回路図である。図において、1は商用交流電源、2は整流回路、3は共振用インダクタ4および共振用コンデンサ5から構成される昇圧回路、6は平滑コンデンサ、7はインバータ、8はインバータ7を制御する制御回路、9は直流カット用コンデンサ、10はバラストコイル、11は放電灯、12は放電灯寿命末期検出手段、13は比較回路である。
【0003】
次に動作について説明する。
まず、放電灯11の点灯まで動作について説明する。
商用交流電源1から供給される交流電源は、整流回路2により全波整流される。その後、昇圧回路3における共振用インダクタ4と共振用コンデンサ5の共振作用により昇圧され、平滑コンデンサ6により平滑化されて、インバータ7の入力電源になる。
【0004】
インバータ7は制御回路8により駆動され、インバータ7内のスイッチング素子のオンオフにより高周波電流を出力する。この高周波電流は、直流カット用コンデンサ9、バラストコイル10を介して、放電灯11に供給され、放電灯11を点灯させる。ここで、バラストコイル10は、放電灯11へ流れる電流を制限するインダクタの機能を有する。
【0005】
次に、放電灯11の正常状態または寿命末期状態の検出に伴うインバータ7の駆動制御について説明する。
放電灯寿命末期検出手段12は、放電灯11が寿命末期になった場合に放電灯両端電圧が上昇するという特性を利用し、その電圧上昇を検出して、比較回路13へ入力する。比較回路13では、この放電灯寿命末期検出手段12の出力値と予め定めたしきい値とを比較し、その比較結果を制御回路8へ出力する。そこで、比較回路13のしきい値をV0とし、放電灯寿命末期検出手段12の出力値を放電灯11が正常のときにはV1、放電灯11が寿命末期のときにはV2とし、各値の関係はV1<V0<V2とする。
【0006】
これにより、比較回路13の出力は、放電灯11が正常のときは、ハイレベルとなり、放電灯11が寿命末期のときはローレベルとなる。制御回路8は比較回路13の出力によりインバータ7を制御する。すなわち、制御回路8は比較回路13からの出力がハイレベルであればインバータ7の駆動を継続し、ローレベルのときは駆動を停止する。従って、放電灯11が寿命末期になった場合には、インバータ7は駆動を停止することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の放電灯点灯装置では、放電灯11が寿命末期のときはこの寿命末期を検出しインバータ7の駆動を停止し対処できるが、何らかの障害で平滑コンデンサ6が過電圧となったときには、これを検知する手段がなく対処できず、特に図4のような昇圧型回路構成では、この過電圧により、平滑コンデンサ6が劣化し、またはインバータ7を構成するスイッチング素子が故障してしまうという問題点があった。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、放電灯が寿命末期になった場合や平滑コンデンサが過電圧になった場合でも、簡易な回路構成で対処できる放電灯点灯装置を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る放電灯点灯装置は、商用電源を全波整流する整流回路と、この整流回路の出力を平滑化する平滑コンデンサと、この平滑コンデンサからの入力電源を高周波電源に変換するインバータと、このインバータの駆動を制御する制御回路と、インバータからの高周波電源が供給される放電灯と、この放電灯の寿命末期を検出する寿命末期検出手段と、この寿命末期検出手段による寿命末期の検出の有無に応じた信号を出力する第1の比較回路と、平滑コンデンサの電圧を分圧する分圧比可変の分圧回路と、この分圧回路の分圧比を変えるスイッチング素子と、このスイッチング素子のON・OFF状態及び平滑コンデンサの過電圧状態の有無に応じた信号を出力する第2の比較回路と、を備え、第1の比較回路の出力部と第2の比較回路の出力部を接続してAND回路を構成し、この接続部からの出力を制御回路およびスイッチング素子へ入力して、放電灯が寿命末期になったとき又は平滑コンデンサが過電圧になったときには、商用電源が再びONされるまで、スイッチング素子のOFF状態を継続しインバータの駆動を停止させるものである。
【0011】
さらに、放電灯の装着を検出する放電灯装着検出手段と、この放電灯装着検出手段による装着検出の有無に応じた信号を出力する第3の比較回路と、を備え、第3の比較回路の出力を第2の比較回路および制御回路へ入力して、放電灯を外すことにより、スイッチング素子をON状態とし、放電灯を装着することにより前記インバータの駆動停止を解除させるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である放電灯点灯装置の回路図である。図において、従来例と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。14は平滑コンデンサ6の過電圧を検出する分圧回路、15、16および17は抵抗、18は例えばトランジスタからなるスイッチング素子、19は比較回路である。
なお、比較回路13、比較回路19は、それぞれ第1の比較回路、第2の比較回路を示す。
【0013】
分圧回路14は、スイッチング素子18がONのときは抵抗15、抵抗16及び抵抗17により平滑コンデンサ6の電圧を分圧し、スイッチング素子18がOFFのときは抵抗15及び抵抗16により平滑コンデンサ6の電圧を分圧し、その分圧値を比較回路19へ入力するものである。
【0014】
また、分圧回路14及び比較回路19において、比較回路19のしきい値をV10とし、平滑コンデンサ6の電圧が正常であり、かつスイッチング素子18がON状態であるのときの分圧回路14の分圧値をV11、平滑コンデンサ6が過電圧であるときの分圧回路14の分圧値をV12、平滑コンデンサ6の電圧が正常であり、かつスイッチング素子18がOFFのときの分圧回路14の分圧値をV13とした場合に、各値の関係がV11<V10<V12、V13になるように抵抗15、抵抗16及び抵抗17並びにしきい値V10を設定する。
【0015】
従って、平滑コンデンサ6の電圧が正常なときには比較回路19の出力値がハイレベルとなり、平滑コンデンサ6が過電圧になったときには出力値がローレベルとなり、平滑コンデンサ6の電圧が正常、かつスイッチング素子18がOFFのときには出力値がローレベルとなる。
【0016】
さらに、比較回路13及び比較回路19の各々の出力部を接続し、この接続部からの出力は制御回路8及びスイッチング素子18のベースへ入力される。比較回路13及び比較回路19は両者の出力部を接続することによってAND回路を構成することになる。すなわち、比較回路13及び比較回路19の出力がともにハイレベルである場合には、制御回路8へハイレベルの出力値が入力され、かつ、スイッチング素子18がONされることになる。
【0017】
次に、動作について説明する。
まず、放電灯11が正常であり、かつ平滑コンデンサ6の電圧が正常である場合について説明する。
比較回路13の出力値は従来例と同様にハイレベルとなり、比較回路19の出力値は上記設定によりハイレベルとなるため、制御回路8はハイレベルの出力値が入力されることによりインバータの駆動を継続し、かつスイッチング素子18はハイレベルの出力値がベースへ入力されることによりON状態を維持する。これにより、放電灯11は点灯を継続することになる。
【0018】
次に、平滑コンデンサ6が過電圧となった場合について説明する。
比較回路19の出力値は上記の設定よりローレベルとなる。ここで、制御回路8では比較回路13及び比較回路19の出力の両方がハイレベルであれば動作を継続し、両者の少なくとも一方がローレベルであれば、インバータ7の動作を停止するため、この場合には制御回路8はインバータ7の動作を停止する。
【0019】
また、分圧回路14では比較回路13及び比較回路19の出力の両方がハイレベルであれば、スイッチング素子18のON状態を維持し、両者の少なくとも一方がローレベルであればスイッチング素子18がOFFとなるため、この平滑コンデンサ6が過電圧の場合には分圧回路14ではスイッチング素子18がOFFとなる。
【0020】
次に、放電灯11が寿命末期となった場合について説明する。
比較回路13の出力値は従来例と同様にローレベルとなるため、制御回路8はインバータ7の動作を停止する。
【0021】
従って、分圧回路14、比較回路13及び比較回路19はラッチ回路を構成し、スイッチング素子18は一度OFFされると、商用交流電源1がOFFとなるまでOFF状態を継続することとなる。また、スイッチング素子18がOFFであれば、制御回路8への入力もローレベルを維持することとなり、インバータ7の停止状態を維持することとなる。
【0022】
よって、放電灯11が寿命末期となったとき又は平滑コンデンサ6が過電圧になったときには、商用交流電源1が再びONされるまでは、スイッチング素子18のOFF状態を継続しインバータ7を停止させることにより、平滑コンデンサ6の劣化、またはインバータ7を構成するスイッチング素子の故障を防止することができる。
【0023】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2である放電灯点灯装置の回路図である。図において、上記実施の形態1および従来例と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。図において、20は放電灯装着検出手段、21は比較回路、22は抵抗であり、放電灯装着検出手段20の出力結果は、比較回路21に入力され、比較回路21の出力部は、抵抗22を介して分圧回路14の出力側に接続され、比較回路19へ入力される。
なお、比較回路21は請求項2記載の第3の比較回路を示す。
【0024】
この回路構成は、比較回路21のローレベル出力と抵抗22により分圧回路14の分圧比を変えるものであり、抵抗22は、抵抗17と同等の抵抗値のものとする。また、放電灯装着検出手段20が放電灯11が正常に装着されていると検出した場合には比較回路21の出力値がハイレベルとなり、未装着であると検出した場合にはローレベルとなるように、放電灯装着検出手段20の出力値および比較回路21でのしきい値を設定する。
【0025】
次に動作について説明する。
放電灯11が正常に点灯されている場合の動作については、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
放電灯11が寿命末期となった場合又は平滑コンデンサ6が過電圧となった場合の動作については、上記実施の形態1と同様にインバータ7の停止状態がラッチされる。
【0026】
ここで、このインバータ7の停止状態がラッチされた時に、放電灯11を外した場合について説明する。
比較回路21の出力は上記設定によりローレベルとなり、分圧比は抵抗15、抵抗16及び抵抗22により決まることとなり、比較回路19の出力はハイレベルとなる。また、比較回路13の出力がハイレベルとなる。よって、比較回路13及び比較回路19のハイレベル出力を受けて、スイッチング素子18はONとなり、制御回路8はインバータ7の駆動を再開することになる。
【0027】
よって、放電灯11が寿命末期となり、または平滑コンデンサ6が過電圧になることにより、スイッチング素子18のOFF状態を継続しインバータ7を停止した場合には、放電灯11を外すことにより、ラッチを解除し、スイッチング素子18をONしインバータ7を駆動させることができる。
なお、商用交流電源1をOFFした場合でも、ラッチを解除し、スイッチング素子18をONしインバータ7を駆動させることができる。
【0028】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3である放電灯点灯装置の回路図である。図において、上記実施の形態1、2および従来例と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。図において、比較回路21の出力を制御回路8へ直接入力する経路を設ける。これにより、制御回路8は、比較回路13、19及び21の出力が全てハイレベルとなったときにインバータ7の動作を開始するものとする。
なお、比較回路21は請求項3記載の第3の比較回路を示す。
【0029】
次に動作について説明する。
放電灯11が正常に点灯されている場合の動作については、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
放電灯11が寿命末期となった場合又は平滑コンデンサ6が過電圧となった場合の動作については、上記実施の形態1と同様にインバータ7の停止状態がラッチされる。
【0030】
ここで、このインバータ7の停止状態がラッチされた時に、放電灯11を外した場合について説明する。
比較回路13及び比較回路19がハイレベルとなり、スイッチング素子18のラッチが解除される。しかしながら、放電灯11が未装着であるため、比較回路21の出力がローレベルであり、インバータ7は停止状態のままである。その後、新たに放電灯11が装着されることにより、比較回路21がハイレベルとなり、これにより制御回路8はインバータ7の動作を再開する。
【0031】
よって、放電灯11が寿命末期となり、または平滑コンデンサ6が過電圧になることにより、スイッチング素子18のOFF状態を継続しインバータ7を停止した場合には、放電灯11を外すことにより、スイッチング素子18をONし、新たに放電灯11が装着されることにより、インバータ7を駆動させることができる。
【0032】
なお、抵抗22の抵抗値は、抵抗17の抵抗値と同等であることが設計の便宜上望ましいが、上記の動作を満足する範囲であれば、他の値を設定してもよい。
【0033】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0034】
第1の比較回路の出力部と第2の比較回路の出力部を接続してAND回路を構成し、この接続部からの出力を制御回路およびスイッチング素子へ入力して、放電灯が寿命末期になったとき又は平滑コンデンサが過電圧になったときには、商用電源が再びONされるまで、スイッチング素子のOFF状態を継続しインバータの駆動を停止させるので、放電灯が寿命末期になった場合や平滑コンデンサが過電圧になった場合でも、スイッチング素子とインバータのラッチ状態にすることができる簡易な回路構成の放電灯点灯装置が得られる。
【0036】
さらに、放電灯の装着を検出する放電灯装着検出手段と、この放電灯装着検出手段による装着検出の有無に応じた信号を出力する第3の比較回路と、を備え、第3の比較回路の出力を第2の比較回路および制御回路へ入力して、放電灯を外すことにより、スイッチング素子をON状態とし、放電灯を装着することにより前記インバータの駆動停止を解除させるので、放電灯が寿命末期になった場合や平滑コンデンサが過電圧になった場合でも、放電灯を交換することによりインバータのラッチ状態を解除できる簡易な回路構成の放電灯点灯装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す放電灯点灯装置の回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す放電灯点灯装置の回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す放電灯点灯装置の回路図である。
【図4】 従来例の放電灯点灯装置の回路図である。
【符号の説明】
1 商用交流電源、 2 整流回路、 6 平滑コンデンサ、 7 インバータ、 8 制御回路、 11 放電灯、 12 放電灯寿命末期検出手段、 13 比較回路、 14 分圧回路、 18 スイッチング素子、 19 比較回路、 20 放電灯装着検出手段、 21 比較回路。
Claims (2)
- 商用電源を全波整流する整流回路と、
この整流回路の出力を平滑化する平滑コンデンサと、
この平滑コンデンサからの入力電源を高周波電源に変換するインバータと、
このインバータの駆動を制御する制御回路と、
前記インバータからの高周波電源が供給される放電灯と、
この放電灯の寿命末期を検出する寿命末期検出手段と、
この寿命末期検出手段による寿命末期の検出の有無に応じた信号を出力する第1の比較回路と、
前記平滑コンデンサの電圧を分圧する分圧比可変の分圧回路と、
この分圧回路の分圧比を変えるスイッチング素子と、
このスイッチング素子のON・OFF状態及び前記平滑コンデンサの過電圧状態の有無に応じた信号を出力する第2の比較回路と、
を備え、
前記第1の比較回路の出力部と前記第2の比較回路の出力部を接続してAND回路を構成し、この接続部からの出力を前記制御回路および前記スイッチング素子へ入力して、前記放電灯が寿命末期になったとき又は前記平滑コンデンサが過電圧になったときには、商用電源が再びONされるまで、前記スイッチング素子のOFF状態を継続し前記インバータの駆動を停止させることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 前記放電灯の装着を検出する放電灯装着検出手段と、
この放電灯装着検出手段による装着検出の有無に応じた信号を出力する第3の比較回路と、
を備え、
前記第3の比較回路の出力を前記第2の比較回路および前記制御回路へ入力して、前記放電灯を外すことにより、前記スイッチング素子をON状態とし、前記放電灯を装着することにより前記インバータの駆動停止を解除させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
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