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JP3675371B2 - 電圧レギュレータ - Google Patents

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JP3675371B2
JP3675371B2 JP2001194723A JP2001194723A JP3675371B2 JP 3675371 B2 JP3675371 B2 JP 3675371B2 JP 2001194723 A JP2001194723 A JP 2001194723A JP 2001194723 A JP2001194723 A JP 2001194723A JP 3675371 B2 JP3675371 B2 JP 3675371B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源入力端子に与えられる電圧を指令された電圧値に変換して電源出力端子から出力する電圧レギュレータに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、IC化された一般的な電圧レギュレータの電気的構成を示している。この図6において、電圧レギュレータ1は、MOSトランジスタQ1〜Q10からなるオペアンプ2、電源入力端子3と出力端子4との間に接続されたバイポーラトランジスタQ11とQ12、抵抗R1とR2とからなる電圧検出回路5、および差動増幅回路6の出力ノードN1(トランジスタQ10のゲート)と出力端子4との間に接続された位相補償回路7から構成されている。
【0003】
オペアンプ2は電源線8、9から制御電源電圧Vccの供給を受けて動作し、トランジスタQ1、Q2のゲートにはそれぞれ基準電圧Vref 、検出電圧Vdet が入力されている。位相補償回路7は、コンデンサC1と抵抗R3との直列回路により構成され、その容量値と抵抗値は、回路定数、出力端子4に接続される負荷の抵抗値と容量値などに基づいて決定されている。一例として、コンデンサC1の容量値は1000pF程度が必要とされる。
【0004】
電源入力端子3の電圧VBと制御電源電圧Vccとが0Vから立ち上がる時、出力電圧Voが目標電圧(=Vref ×(R1+R2)/R2)に達するまでの期間、トランジスタQ10のゲート電位はほぼ0Vとなる。これにより、トランジスタQ10、Q11がオンとなり、トランジスタQ12は十分なベース電流の供給を受けて飽和オン状態となる。その結果、出力電圧Voは電圧VBに追従して上昇する。
【0005】
出力電圧Voが上記目標電圧を超えると、検出電圧Vdet が基準電圧Vref よりも高くなるため、トランジスタQ9に流れる一定の電流は全てトランジスタQ1に流れ、トランジスタQ2、Q6に流れる電流は0となる。この時、トランジスタQ7、Q8にはトランジスタQ9に等しい電流が流れ、差動増幅回路6の出力ノードN1の電位は上昇する。
【0006】
しかし、出力ノードN1には位相補償用のコンデンサC1が接続されているため、出力ノードN1の電位が上昇する傾きは、トランジスタQ8のドレイン電流によるコンデンサC1への充電速度で定まる。従って、コンデンサC1の容量が大きい場合あるいはトランジスタQ9に流れる電流が小さい場合には、トランジスタQ10を速やかにオフすることができず、トランジスタQ12のオフが遅れ、出力電圧Voにオーバーシュートが発生する。
【0007】
このオーバーシュートは、例えば出力端子4に接続されたMOSトランジスタ回路にラッチアップを引き起こす原因となる。また、出力端子4に接続される負荷の容量値と抵抗値が大きい場合にあっては、一旦オーバーシュートが発生すると、出力電圧Voが上記目標電圧に戻るまでに長時間を要するため、負荷の安定動作の開始が遅れるという不都合も生じる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電源立ち上げ時におけるオーバーシュートを抑制した電圧レギュレータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した手段によれば、差動増幅回路は基準電圧と検出出力電圧とに基づいた電圧誤差信号を出力し、電源入力端子と電源出力端子との間に設けられた出力回路は、この電圧誤差信号に従って駆動される。このフィードバック制御により、出力電圧は目標値に等しく制御される。
【0010】
一般に、電圧レギュレータには位相補償回路が接続されており、電源立ち上げ時においては、この位相補償回路や各素子の遅れなどに起因して出力電圧にオーバーシュートが発生する。出力電圧に設定値以上のオーバーシュートが発生すると、オーバーシュート検出回路は電圧制限信号を出力し、出力遮断回路はこの電圧制限信号に応じて直ちに出力回路を電流遮断状態に制御する。これにより、電源入力端子から電源出力端子への電流供給が断たれ、出力電圧の上昇を停止することができる。
【0011】
この場合、上記設定値を当該電圧レギュレータに接続される負荷の電源定格に合致するように定めることにより、負荷に悪影響を及ぼすようなオーバーシュートの発生を防止することができる。
【0012】
また、オーバーシュート検出回路としてのコンパレータは、基準電圧と検出出力電圧とをオーバーシュートの設定値に対応したオフセット電圧の下で比較し、電圧制限信号を出力する。コンパレータは高速動作が可能であるため、コンパレータの動作遅延によるオーバーシュートの増大を防止することができる。
【0013】
さらに、差動増幅回路とコンパレータとは差動入力トランジスタを共通に用いた構成となっている。一般に、差動増幅回路とコンパレータとは製造ばらつきに起因するオフセット電圧を持っており、両者を別回路により構成した場合、両者のオフセット電圧の相対的なばらつきが大きくなる虞がある。そこで、出力電圧が目標値に一致している定常状態において、差動増幅回路とコンパレータのオフセット電圧との関係が反転する(コンパレータから電圧制限信号が出力される)ことがないように、コンパレータのオフセット電圧(オーバーシュートの設定値)を上記相対的なばらつきに応じてやや大きく定める必要がある。
【0014】
これに対し、本手段によれば差動増幅回路とコンパレータについて差動入力トランジスタにおける相対的なオフセット電圧を0にでき、両者の回路全体としての相対的なオフセット電圧を低減することができる。これにより、コンパレータのオフセット電圧をより小さく設定することができ、以てオーバーシュートの一層の低減が可能となる。
【0015】
請求項に記載した手段によれば、カレントミラー回路が第1、第2の能動負荷回路に対し第1および第2の差動入力トランジスタの出力電流に応じた電流を流すことにより、差動増幅回路およびコンパレータは、それぞれ差動入力トランジスタを共通化した状態で差動増幅動作および比較動作を行うことができる。
【0016】
請求項に記載した手段によれば、第1、第2の差動入力トランジスタの出力電流が、互いに異なるミラー比で折り返されて第2の能動負荷回路に流れるので、コンパレータはそのミラー比の差に応じたオフセット電圧を持つ。
【0017】
請求項に記載した手段によれば、コンパレータのカレントミラー回路のうちの少なくとも一方は、電流出力側のトランジスタのエミッタまたはソースに抵抗が接続されているので、その抵抗値および電流値によってミラー比が定まる。
【0018】
請求項に記載した手段によれば、第2の能動負荷回路が一対のカレントミラー回路に対しオフセット電流を持つことによりオフセット電圧が生成される。
【0019】
請求項に記載した手段によれば、第2の能動負荷回路を構成する一対のトランジスタにおいて、少なくとも一方のトランジスタのエミッタまたはソースに抵抗が接続されているので、その抵抗値と電流値とによってオフセット電流が定まる。
【0020】
請求項に記載した手段によれば、電源入力端子と電源出力端子との間に設けられた出力トランジスタは、電圧誤差信号に従って制御される。その結果、電源入力端子の電圧変動や電源出力端子に接続された負荷の変動にかかわらず、出力電圧が一定に制御される。また、出力遮断回路は遮断用トランジスタから構成されるため、電圧制限信号に応じて出力トランジスタを高速にオフ駆動できる。
【0021】
請求項に記載した手段によれば、駆動用トランジスタを介して出力トランジスタが駆動されるので、コンパレータおよび遮断用トランジスタの電流容量を下げることができる。また、実際の回路においては、差動増幅回路の出力ノードに駆動用トランジスタのベースまたはゲートおよび位相補償回路(コンデンサ)が接続される場合が多い。この場合、遮断用トランジスタは、電圧制限信号に応じて位相補償回路への充放電を行うことにより、駆動用トランジスタのベースまたはゲートの電位を速やかにオフ駆動電位とする。従って、電源立ち上げ時における出力電圧の整定時間が短くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1を参照しながら説明する。
図1は、シリーズレギュレータ方式による電圧レギュレータの電気的構成を示している。この図1に示す電圧レギュレータ21は、例えば車両駆動用エンジンを制御する電子制御装置(ECU)内に設けられる電源ICとして構成されている。
【0023】
ICの電源入力端子22と23との間には制御電源電圧Vcc(例えば5V)が印加され、電源入力端子24と23との間には車載バッテリから電源電圧VB(例えば12V)が印加されるようになっている。また、当該ICに内蔵されたバンドギャップ基準電圧回路(図示せず)からノード25に対し、出力端子26(電源出力端子に相当)の電圧Voの目標電圧(例えば5V)を指令するための基準電圧Vref が与えられるようになっている。なお、本実施形態では制御電源電圧Vccと出力電圧Voとが等しいので、出力端子26と電源入力端子22とを接続し起動回路を設ける構成とすれば、制御電源電圧VccをIC外部から供給する必要がなくなる。
【0024】
IC内において、電源入力端子22、23にはそれぞれ電源線27、28が接続されている。電源線27と28との間には、トランジスタQ21〜Q28、QQ33、Q34からなるオペアンプ29と、トランジスタQ21〜Q24、Q29〜Q33、抵抗R21からなるコンパレータ30(オーバーシュート検出回路に相当)とが形成されている。トランジスタQ23〜Q26、Q29、Q30は同一サイズのNチャネル型MOSトランジスタで、トランジスタQ27、Q28、Q31、Q32は同一サイズのPチャネル型MOSトランジスタである。トランジスタQ21〜Q24とQ33はオペアンプ29とコンパレータ30とに共通に用いられている。
【0025】
オペアンプ29とコンパレータ30に共通の差動入力部を構成するトランジスタQ21、Q22(第1、第2の差動入力トランジスタに相当)の各ゲートには、それぞれ上述した基準電圧Vref 、後述する検出電圧Vdet (検出出力電圧に相当)が与えられている。トランジスタQ21、Q22の共通のソースは定電流回路として機能するトランジスタQ33を介して電源線27に接続されており、各ドレインはそれぞれトランジスタQ23、Q24を介して電源線28に接続されている。トランジスタQ33のゲートには一定のバイアス電位が与えられている。
【0026】
トランジスタQ23とQ25およびトランジスタQ24とQ26は、それぞれオペアンプ29の一部をなす一対のカレントミラー回路31、32を構成している。電源線27とトランジスタQ25との間、電源線27とトランジスタQ26との間には、それぞれ能動負荷33(第1の能動負荷回路に相当)を構成するトランジスタQ27、Q28が接続されている。これらトランジスタQ27、Q28のソース同士およびゲート同士は接続されている。トランジスタQ21〜Q28およびQ33は、オペアンプ29内の差動増幅回路34を構成しており、この差動増幅回路34の出力ノードN1はオペアンプ29内のトランジスタQ34(駆動用トランジスタに相当)のゲートに接続されている。
【0027】
一方、トランジスタQ23とQ29およびトランジスタQ24とQ30は、それぞれコンパレータ30の一部をなす一対カレントミラー回路35、36を構成している。トランジスタQ29のソースと電源線28との間には、オフセット電圧を生成するための抵抗R21が接続されている。電源線27とトランジスタQ29との間、電源線27とトランジスタQ30との間には、それぞれ能動負荷37(第2の能動負荷回路に相当)を構成するトランジスタQ31、Q32が接続されている。これらトランジスタQ31、Q32のソース同士およびゲート同士は接続されている。電源線27と上記差動増幅回路34の出力ノードN1との間にはトランジスタQ35(出力遮断回路、遮断用トランジスタに相当)のソース・ドレイン間が接続されており、コンパレータ30の出力ノードN2はトランジスタQ35のゲートに接続されている。
【0028】
電源入力端子24と出力端子26との間には、PNP形トランジスタQ36(出力回路、出力トランジスタに相当)のエミッタ・コレクタ間が接続されている。このトランジスタQ36のベース・エミッタ間には抵抗R22が接続されており、そのベースはNPN形トランジスタQ37のコレクタ・エミッタ間と抵抗R23とを介して電源線28に接続されている。
【0029】
また、出力端子26と電源線28との間には抵抗R24とR25との直列回路からなる電圧検出回路38が接続されている。この電圧検出回路38は、出力電圧Voを分圧した検出電圧Vdet を出力する。なお、上記差動増幅回路34の出力ノードN1と出力端子26との間には、コンデンサC21と抵抗R26との直列回路からなる位相補償回路39が接続されている。
【0030】
次に、電圧レギュレータ21の動作について説明する。
まず、制御電源電圧Vccと電源電圧VBが与えられた後十分な時間が経過し、出力電圧Voが目標電圧に整定した定常状態の動作について説明する。この場合、オペアンプ29の差動増幅回路34は、出力ノードN1に対し、基準電圧Vref と検出電圧Vdet との差に応じた電圧誤差信号を出力する。この電圧誤差信号によりトランジスタQ34が駆動され、さらにトランジスタQ37を介してトランジスタQ36が駆動される。このフィードバック制御により、出力電圧Voは次の(1)式で示される目標電圧に制御される。
【0031】
目標電圧=Vref ×(R24+R25)/R25 …(1)
ただし、R24、R25はそれぞれ抵抗R24、R25の抵抗値
【0032】
この定常状態では、トランジスタQ21とQ22にはほぼ等しいドレイン電流が流れている。コンパレータ30のカレントミラー回路35には抵抗R21が付加されているため、能動負荷37においてトランジスタQ31のドレイン電流はトランジスタQ32のドレイン電流よりも小さくなる。その結果、コンパレータ30は出力ノードN2に対しHレベル(ほぼVccの電位)を出力し、トランジスタQ35はオフ状態に保持される。従って、コンパレータ30は、オペアンプ29による定電圧制御に何ら影響を及ぼさない。
【0033】
続いて、制御電源電圧Vccと電源電圧VBの立ち上げ時における過渡状態の動作について説明する。出力電圧Voが0Vから(1)式で示す目標電圧に達するまでの期間、出力ノードN1の電位はほぼ0Vとなり、トランジスタQ36は十分なベース電流の供給を受けて飽和オン状態となる。その結果、トランジスタQ36から出力端子26に接続された負荷(図示せず)の容量に対し充電電流が流れ、出力電圧Voは電源電圧VBに追従して上昇する。
【0034】
出力電圧Voが目標電圧を超えると、検出電圧Vdet が基準電圧Vref よりも高くなるため、出力ノードN1の電位が上昇する。しかし、出力ノードN1には位相補償回路39が接続されているため、出力ノードN1の電位上昇が遅れ、出力電圧Voにオーバーシュートが発生する。
【0035】
そして、出力電圧Voが目標電圧を超えて上昇し、コンパレータ30の持つオフセット電圧に相当するオーバーシュート電圧に達すると、能動負荷37においてトランジスタQ31のドレイン電流がトランジスタQ32のドレイン電流よりも大きくなり、コンパレータ30の出力はHレベルからLレベル(ほぼ0Vの電位)に反転する。このLレベルの信号が本発明でいう電圧制限信号に相当する。これにより、トランジスタQ35がオンとなり、位相補償回路39のコンデンサC21はトランジスタQ35のオン抵抗を介して急速に充電される。
【0036】
従って、トランジスタQ35のトランジスタサイズを、そのオン抵抗が十分に小さくなるように決めることにより、十分に短い時間でトランジスタQ34のゲート電位を上昇させてトランジスタQ36をオフ駆動することができる。その結果、出力電圧Voの上昇が停止し、オーバーシュートをコンパレータ30のオフセット電圧に相当する電圧に制限することができる。
【0037】
その後、出力電圧Voが上記オーバーシュート電圧よりも下がると、コンパレータ30の出力ノードN2は再びHレベルとなり、トランジスタQ35がオフしてオペアンプ29による定電圧制御が継続して行われる。この場合、位相補償回路39のコンデンサC21は、トランジスタQ35を介してほぼ定常電圧にまで充電されているため、出力電圧の整定時間が短くなる。
【0038】
本実施形態の電圧レギュレータ21によれば、出力端子26に接続される負荷の電源定格に合致するようにコンパレータ30のオフセット電圧を定めることにより、負荷に悪影響を及ぼすようなオーバーシュートの発生を防止することができる。例えば、負荷がMOSトランジスタ回路である場合、電源投入時におけるラッチアップの発生を確実に防止することができる。この場合、コンパレータ30は高速動作が可能であるため、コンパレータ30の動作遅延によりオーバーシュートが助長されることがない。
【0039】
また、オペアンプ29の差動増幅回路34とコンパレータ30とは差動入力部を構成するトランジスタQ21、Q22を共通に用いた構成となっている。一般に、差動増幅回路34とコンパレータ30とは製造ばらつきに起因するオフセット電圧を持っており、両者を別回路により構成した場合(第2の実施形態を参照)、両者のオフセット電圧の相対的なばらつきが大きくなる虞がある。この場合には、出力電圧Voが目標電圧に一致した定常状態において、差動増幅回路34とコンパレータ30のオフセット電圧の関係が反転する(コンパレータ30から電圧制限信号が出力される)ことがないように、コンパレータ30のオフセット電圧を上記相対的なばらつきに応じて大きく定める必要がある。
【0040】
これに対し、本実施形態によれば差動増幅回路34とコンパレータ30についてトランジスタQ21、Q22における相対的なオフセット電圧を0にできるので、両者の回路全体としての相対的なオフセット電圧を低減することができる。これにより、抵抗R21の抵抗値を下げてコンパレータ30のオフセット電圧つまりオーバーシュート電圧の設定値をより小さく設定することが可能となり、安定した定電圧制御を維持しつつオーバーシュートの一層の低減を図ることが可能となる。
【0041】
2は、本発明に関連する実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図である。この図2において、図1と同一構成部分には同一符号を付して示している。電圧レギュレータ40は、オペアンプ29とコンパレータ41とが別回路により構成されている。コンパレータ41の非反転入力端子、反転入力端子にはそれぞれ基準電圧Vref 、検出電圧Vdet が与えられており、出力端子はトランジスタQ35のゲートに接続されている。コンパレータ41は、反転入力端子の電圧が非反転入力端子の電圧よりも所定電圧だけ高い電圧条件の下で出力電圧が反転するようなオフセット電圧を有している。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の動作により、出力電圧Voのオーバーシュート電圧をコンパレータ41のオフセット電圧に相当する電圧に制限することができる。
【0042】
(第の実施形態)
図3は、本発明の第の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図である。この図3に示す電圧レギュレータ42は、図1に示す電圧レギュレータ21に対し、トランジスタQ36の駆動部の構成が異なっている。その他の構成部分は同一であって、図3において図1と同一符号を付して示している。
【0043】
この図3において、トランジスタQ36のエミッタは電源線27に接続されている。トランジスタQ34のドレインと電源線28との間には、トランジスタQ34の負荷として機能するトランジスタQ38が接続されている。トランジスタQ38のゲートには一定のバイアス電位が与えられており、これらトランジスタQ34、Q38により反転増幅回路43が構成されている。
【0044】
トランジスタQ36のベースと電源線28との間には、抵抗R27とオープンドレインの回路形態を持つトランジスタQ39とが直列に接続されている。このトランジスタQ39は、トランジスタQ36にベース電流を供給するためのもので、そのゲートは上記反転増幅回路43の出力ノードN3に接続されている。また、電源線27とトランジスタQ36のベースとの間には、トランジスタQ35と同様の機能を持つトランジスタQ40(出力遮断回路、遮断用トランジスタに相当)が接続されており、そのゲートはコンパレータ30の出力ノードN2に接続されている。
【0045】
次に、電圧レギュレータ42の動作について説明する。
まず、出力電圧Voが目標電圧に一致した定常状態においては、トランジスタQ35、Q40がオフしている。この時、オペアンプ29からの電圧誤差信号は、反転増幅回路43で反転された後トランジスタQ39のゲートに与えられ、トランジスタQ39はこのゲート電圧に従ってトランジスタQ36を駆動する。このフィードバック制御により、出力電圧Voは上述した(1)式で示す目標電圧に制御される。
【0046】
一方、制御電源電圧Vccの立ち上げ時における過渡状態において出力電圧Voが目標電圧を超えると、オペアンプ29の出力ノードN1の電位が上昇する。そして、出力電圧Voがコンパレータ30の持つオフセット電圧に相当するオーバーシュート電圧に達すると、トランジスタQ35、Q40がオンとなり、トランジスタQ34がオフとなる。これによりトランジスタQ39はそのゲート電位がほぼ0Vに低下してオフとなり、一方でトランジスタQ40がオンとなるため、トランジスタQ36のベースが電源線27の電位付近まで上昇する。その結果、トランジスタQ36は、そのベース電流が0となりオフとなる。
【0047】
本実施形態によっても、コンパレータ30とトランジスタQ35、Q40の動作により、出力電圧Voのオーバーシュート電圧をコンパレータ30のオフセット電圧に相当する電圧に制限することができる。なお、バイポーラトランジスタQ36に替えてMOSトランジスタを用いても良い。この場合には、BiCMOSプロセスに替えてMOSプロセスを採用することができる。
【0048】
(第の実施形態)
図4は、本発明の第の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図である。この図4に示す電圧レギュレータ44は、駆動用トランジスタを省くことにより出力部の構成を簡単化したものである。すなわち、電源線27と出力端子26との間にはMOSトランジスタQ41(出力回路、出力トランジスタに相当)が接続されており、そのゲートは直接オペアンプ29の出力ノードN1に接続されている。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の動作により、出力電圧Voのオーバーシュート電圧を制限することができる。
【0049】
5は、本発明に関連する実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図である。この図5に示す電圧レギュレータ45は、図4に示す電圧レギュレータ44に対し、オペアンプ29とコンパレータ41とを別回路により構成した点が異なっている。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の動作により、出力電圧Voのオーバーシュート電圧をコンパレータ41のオフセット電圧に相当する電圧に制限することができる。
【0050】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
カレントミラー回路35において、トランジスタQ23とQ29のトランジスタサイズを変えることにより、オフセット電圧に相当するミラー比を設定しても良い。また、カレントミラー回路35ではなく、カレントミラー回路36におけるトランジスタQ24とQ30のトランジスタサイズを変えたりソースに抵抗を接続しても良い。さらに、トランジスタQ31とQ32のトランジスタサイズを変えたりソースに抵抗を接続することにより能動負荷37にオフセット電流を設定し、コンパレータ30にオフセット電圧を持たせるように構成しても良い。
【0051】
出力トランジスタQ36、Q41に出力遮断回路としての遮断用トランジスタを直列に接続し、コンパレータ30、41から電圧制限信号が出力されていない時には遮断用トランジスタを十分なオン状態とし、電圧制限信号が出力されている時には遮断用トランジスタをオフ状態とするように構成しても良い。
【0052】
差動入力トランジスタとしてPチャネル型のMOSトランジスタQ21、Q22を用いたが、これに替えてNチャネル型のMOSトランジスタを使用し、それに合わせて他のトランジスタの導電型を変更した回路としても良い。
オペアンプ29、コンパレータ30、トランジスタQ35などはMOSトランジスタにより構成したが、バイポーラトランジスタにより構成しても良い。
本発明はシリーズレギュレータ方式に限らずシャントレギュレータ方式の電圧レギュレータにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図
【図2】 本発明に関連する実施形態を示す図1相当図
【図3】 本発明の第の実施形態を示す図1相当図
【図4】 本発明の第の実施形態を示す図1相当図
【図5】 本発明に関連する実施形態を示す図1相当図
【図6】従来技術を示す図1相当図
【符号の説明】
21、40、42、44、45は電圧レギュレータ、22、24は電源入力端子、26は出力端子(電源出力端子)、30、41はコンパレータ(オーバーシュート検出回路)、31、32、35、36はカレントミラー回路、33は能動負荷(第1の能動負荷回路)、34は差動増幅回路、37は能動負荷(第2の能動負荷回路)、38は電圧検出回路、Q21はトランジスタ(第1の差動入力トランジスタ)、Q22はトランジスタ(第2の差動入力トランジスタ)、Q34はトランジスタ(駆動用トランジスタ)、Q35、Q40はトランジスタ(出力遮断回路、遮断用トランジスタ)、Q36、Q41はトランジスタ(出力回路、出力トランジスタ)である。

Claims (8)

  1. 電源入力端子に与えられる電圧を指令された電圧値に変換して電源出力端子から出力する電圧レギュレータにおいて、
    出力電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記出力電圧の目標値を指令する基準電圧と前記電圧検出回路により検出された検出出力電圧とに基づいて電圧誤差信号を出力する差動増幅回路と、
    前記電源入力端子と前記電源出力端子との間に設けられ前記電圧誤差信号に従って駆動される出力回路と、
    前記基準電圧と前記検出出力電圧とを比較し、前記出力電圧に設定値以上のオーバーシュートが発生した場合に電圧制限信号を出力するもので、前記設定値に対応したオフセット電圧を有するコンパレータにより構成されているオーバーシュート検出回路と、
    前記電圧制限信号に応じて前記出力回路を電流遮断状態に制御する出力遮断回路とを備え
    前記差動増幅回路と前記コンパレータとは、前記基準電圧が入力される第1の差動入力トランジスタと前記検出出力電圧が入力される第2の差動入力トランジスタとを共通に用いて構成されていることを特徴とする電圧レギュレータ。
  2. 前記差動増幅回路は、
    前記第1および第2の差動入力トランジスタと、
    これら第1および第2の差動入力トランジスタに対して設けられた第1の能動負荷回路と、
    この第1の能動負荷回路に対し前記第1および第2の差動入力トランジスタの出力電流に応じた電流を流す一対のカレントミラー回路とから構成され、
    前記コンパレータは、
    前記第1および第2の差動入力トランジスタと、
    これら第1および第2の差動入力トランジスタに対して設けられた第2の能動負荷回路と、
    この第2の能動負荷回路に対し前記第1および第2の差動入力トランジスタの出力電流に応じた電流を流す一対のカレントミラー回路とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の電圧レギュレータ。
  3. 前記コンパレータの一対のカレントミラー回路を構成する各カレントミラー回路は、前記オフセット電圧に相当する互いに異なるミラー比を持つように構成されていることを特徴とする請求項2記載の電圧レギュレータ。
  4. 前記コンパレータの一対のカレントミラー回路を構成する各カレントミラー回路は、それぞれベースまたはゲートが共通に接続された電流入力側および電流出力側のトランジスタから構成されており、
    これらカレントミラー回路のうち少なくとも一方は、前記電流出力側のトランジスタのエミッタまたはソースに抵抗が接続されていることを特徴とする請求項3記載の電圧レギュレータ。
  5. 前記第2の能動負荷回路は、前記コンパレータの一対のカレントミラー回路に対し、前記オフセット電圧に相当するオフセット電流を持つように構成されていることを特徴とする請求項2記載の電圧レギュレータ。
  6. 前記第2の能動負荷回路は、ベースまたはゲートが共通に接続された一対のトランジスタから構成されており、
    この一対のトランジスタにおける少なくとも一方のトランジスタのエミッタまたはソースに抵抗が接続されていることを特徴とする請求項5記載の電圧レギュレータ。
  7. 前記出力回路は出力トランジスタから構成され、
    前記出力遮断回路は、前記電圧制限信号に応じて前記出力トランジスタをオフ駆動する遮断用トランジスタから構成されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の電圧レギュレータ。
  8. 前記電圧誤差信号に従って前記出力トランジスタを駆動する駆動用ト ランジスタを備え、
    前記遮断用トランジスタは、前記電圧制限信号に応じて前記駆動用トランジスタのベースまたはゲートにオフ駆動信号を与えるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の電圧レギュレータ。
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