JP3670298B2 - スルホニウム化合物含有皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、抗アレルギー作用性スルホニウム化合物を含有する皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特公平3−70698号公報には一般式
【化3】
(式中、R1及びR2は低級アルキル基、R3は水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、低級アシルオキシ基、カルボキシエチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、R4は水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、フェノキシ基、低級アシルオキシ基又はベンゾイルオキシ基、nは1〜3の整数及びYは酸残基を各々示す)で表わされるスルホニウム化合物が抗アレルギー作用を示すことが記載されている。この公報においては、そのスルホニウム化合物の投与形態として、経口剤、注射剤、直腸坐薬及び吸入剤についての記載はあるものの、皮膚外用剤としての投与については、何ら記載されていない。皮膚外用剤は、前記の経口剤や注射剤、直腸坐薬及び吸入剤による全身投与法とは異なり、病巣のある局所の表皮を通じて薬物を送り込む投与法であるため、薬物の量が節減できることに加え、局所的な薬物濃度上昇に伴う薬効の増強と全身的な副作用の低減を図ることができる利点がある。しかし、皮膚吸収性の良い外用剤への製剤化には、著しい困難が伴ない、薬効物質であるスルホニウム化合物を水溶液状でワセリン等の油性物質に単に添加乳化させても、皮膚吸収性の良い外用剤を得ることはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記スルホニウム化合物を含む皮膚吸収性にすぐれた外用剤を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、(i)下記式
【化4】
で表されるスルホニウム化合物、(ii)常温で液状を示す水溶性有機溶媒、(iii)油性物質、(iv)pH3.5〜4.5の精製水及び(v)界面活性剤を含有し、該スルホニウム化合物の含有量が0.05〜20wt%の範囲にあることを特徴とするスルホニウム化合物含有皮膚外用剤が提供される。
また、本発明によれば、前記式で表されるスルホニウム化合物を、常温で液状を示す水溶性有機溶媒、pH3.5〜4.5の精製水、常温で液状を示す油性物質及び界面活性剤からなる混合液中に溶解させた溶液からなり、該スルホニウム化合物の含有量が0.05〜20wt%の範囲にあることを特徴とするスルホニウム化合物含有皮膚外用剤が提供される。
さらに、本発明によれば、前記式で表されるスルホニウム化合物を水溶性でかつ油溶性の有機溶媒に溶解させた溶液からなるA剤を、固体状油性物質と固体状界面活性剤の熱溶融混合物からなるB剤に添加混合した後、スルホニウム化合物を水、水溶性有機溶媒又は水と水溶性有機溶媒との混合液に溶解させた溶液からなるC剤を添加混合し、必要に応じ、水及び増粘剤を添加混合し、冷却することを特徴とするスルホニウム化合物含有皮膚外用剤の製造方法が提供される。
【0005】
本発明の外用剤は、その薬効物質として、前記式で示されるスルホニウム化合物(後記IPD−1151T)を含有する。該スルホニウム化合物の含有量は、全外用剤中、0.05〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%である。
【0006】
本発明の外用剤は、スルホニウム化合物に溶解性を示す水溶性有機溶媒を含有する。この有機溶媒は、水溶性であると同時に油溶性であることができる。このような有機溶媒には、アルコール、アルカノールアミン、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールの部分エステルのアルキレンオキシド付加物、アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、N−アルキルピロリドン、N,N−ジアルキルアセトアミド、ジアルキルイミダゾリジン、ジアルキルスルホキシド、炭酸アルキレン等が包含される。アルコールとしては、一価アルコール及び/又は多価アルコールが用いられる。一価アルコールとしては、エタノールや、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビット、マンニットの他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルキレングリコール、及びポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。多価アルコールは、アルキレングリコールとポリアルキレングリコールとの混合物の形で用いるのが好ましい。この多価アルコール混合物においては、ポリアルキルキレングリコールの割合は10〜25wt%、好ましくは15〜20wt%の範囲に規定するのがよい。アルカノールアミンとしては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン等が挙げられる。
【0007】
多価アルコールの部分エステルとしては、前記したような各種多価アルコールの高級脂肪族カルボン酸のモノエステル、例えばグリセリンのモノステアリン酸エステル、グリセリンのモノベヘン酸エステル、ポリエチレングリコールのモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールのモノステアリン酸エステル、ブチレングリコールのモノステアリン酸エステル、ソルビタンのモノオレイン酸エステル、ソルビタンのモノラウリン酸エステル、ソルビタンのモノパルミチン酸エステル、ソルビタンのモノステアリン酸エステル、ソルビタンのモノイソステアリン酸エステル等が挙げられる。
【0008】
また、多価アルコールの部分エステルのアルキレンオキシド付加物としては、グリセリンのモノステアリン酸エステルのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物や、ポリエチレングリコールのモノステアリン酸エステルのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物、プロピレングリコールのモノステアリン酸エステルのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールのモノステアリン酸エステルのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物、ブチレングリコールのモノステアリン酸エステルのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物、ソルビタンのモノ脂肪酸エステル(ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)のエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物、バチルアルコールのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、前記した一価又は多価アルコールのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物が挙げられる。
【0009】
前記したN−アルキルピロリドンとしては、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ブチルピロリドン等が挙げられ、N,N−ジアルキルアセトアミドとしては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジブチルアセトアミド等が挙げられ、ジアルキルスルホキシドとしては、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド等が挙げられ、炭酸アルキレンとしては、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン等が挙げられる。
【0010】
前記した水溶性有機溶媒は、水中に溶解したスルホニウム化合物の皮膚浸透性を向上させる作用を有するとともに、水中に溶解したスルホニウム化合物を油性物質中に均一に分散させる作用を示す。水溶性有機溶媒の配合量は、全外用剤に対し、1〜40重量%の割合である。また、これらの水溶性有機溶媒は、スルホニウム化合物1重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部の割合で用いるのがよい。
【0011】
本発明の外用剤は、常温で固体状(半固体状を含む)の油性物質を含有する。このような油性物質としては、脂肪酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、リン酸エステル、高級脂肪酸トリグリセライド、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、ワセリン、ラノリン、ミツロウ、アニオン性自己乳化型ワックス、非イオン性自己乳化型ワックス、還元ラノリン等が挙げられる。
【0012】
脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸ベヘニル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘン酸モノグリセライド、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0013】
芳香族カルボン酸エステルとしては、フタル酸ジステアリル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジベヘニル等が挙げられる。リン酸エステルとしては、ラウリルリン酸、ステアリルリン酸等が挙げられる。
高級脂肪酸トリグリセライドとしては、植物油脂や動物油脂が包含される。このようなものとしては、水添ホホバ油、牛脂脂肪酸トリグリセライド、水添牛脂脂肪酸トリグリセライド、水添パーム油脂脂肪酸トリグリセライド等が挙げられる。
高級脂肪族アルコールとしては、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、エライジン酸等が挙げられる。
常温で固体状を示す油性物質の配合量は特に制約されず、所望される外用剤の形態に応じて適当な量を配合する。
【0014】
本発明の外用剤は、必要に応じ常温で液状を示す油性物質を含有する。このような油性物質としては、脂肪酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、リン酸エステル、高級脂肪酸トリグリセライド(油脂)、多価アルコールエステル、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、テルペンアルコール等が包含される。
脂肪酸エステルとしては、その全炭素数は8以上、好ましくは12以上のものが用いられる。脂肪酸エステルにおいて、そのアルコール成分は、一価又は多価アルコールであることができる。一価アルコールは、炭素数1〜22、好ましくは2〜18の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコールであることができる。また、その脂肪酸成分は、炭素数4〜22、好ましくは6〜18の直鎖状又は分岐鎖状の一価又は二価脂肪酸であることができる。これらの脂肪族アルコール及び脂肪酸は、不飽和結合を有していてもよい。脂肪酸エステルにおけるアルコール成分の具体例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、イソオクタノール、ミリスチルアルコール、ドデカノール、イソドデカノール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、2−オクチルドデカノール等が挙げられる。脂肪酸エステルにおける脂肪酸成分としては、酪酸、オクタン酸、ノナン酸、カプル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸、リノール酸、エルカ酸等の一価脂肪酸の他、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。好適な脂肪酸エステルとしては、例えば、エチルミリステート、イソプロピルミリステート、イソトリデシルミリステート、イソプロピルラウレート、イソプロピルカプリレート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルブチレート、アミルブチレート、オクチルブチレート等の一価脂肪酸エステルの他、コハク酸ジエチル、コハク酸ジイソプロピル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸デシルイソオクチル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジイソプロピル、アゼライン酸ジイソオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等が挙げられる。本発明においては、特に、炭素数が8以上の一価又は二価脂肪酸の低級アルコールエステルの使用が好ましい。
【0015】
芳香族カルボン酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、トリメリット酸トリイソデシル等が挙げられる。リン酸エステルとしては、リン酸トリオレイル、リン酸トリデシル等が挙げられる。
トリグリセライドとしては、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、オリーブ油等が挙げられる。多価アルコールエステルとしては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、オレイン酸モノグリセライド、カプリン酸トリグリセライド、ポリオキシエチレンソルビットモノラウレート等が挙げられる。高級脂肪酸としては、カプリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等が挙げられる。高級脂肪族アルコールとしては、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルドデカノール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等が挙げられる。テルペンアルコールとしては、ファルネソール、ボルネオール、メントール、パチュリアルコール、フィトール、ヒノキオール等が挙げられる。さらに、本発明の外用剤は、必要に応じ、スクワラン、テルペン、流動パラフィン等を含有することができる。
【0016】
前記した常温で液状を示す油性物質は、水中に溶解したスルホニウム化合物の皮膚浸透性を向上させる作用を有するとともに、有機溶媒と混合し、水中に溶解したスルホニウム化合物を固体状油性物質中に均一に分散させる作用を示す。常温で液状を示す油性物質の配合量は、全外用剤に対し、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合である。
【0017】
本発明の外用剤には、炭化水素系テルペンを好ましく配合することができる。このものとしては、例えば、リモネン、ミルセン、ピネン、サピネン等が挙げられる。これらのテルペンは、スルホニウム化合物の特異な臭気を著しく弱める効果を有するとともに、スルホニウム化合物の皮膚吸収性を向上させる効果も示す。炭化水素系テルペンの配合量は、外用剤中、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。
【0018】
本発明の外用剤は、前記成分の他、必要に応じ、さらに、充填剤、増粘剤、着色剤、芳香剤、水、流動パラフィン、スクアラン、乳化安定剤、殺菌剤、防カビ剤等を含有することができる。充填剤としては、有機系及び無機系の微粉末が用いられる。この充填剤の粒径は、通常、0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmである。充填剤の好適な例としては、シリカ、アルミナ、チナニア、樹脂粉末ケイ酸塩粉末、クレー粉末、セピオライト粉末、モンモリロナイト粉末、含フッ素マイカ粉末、ヒドロキシプロピルセルロース粉末等が挙げられる。増粘剤としては、各種の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0019】
本発明の外用剤は界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性の各種界面活性剤が使用可能であるが、皮膚に対する低刺激性の点から、非イオン性界面活性剤が有利に用いられる。非イオン性界面活性剤としては、エチレンオキシド系界面活性剤、ポリヒドロキシ系界面活性剤、高分子系界面活性剤等が包含される。エチレンオキシド系界面活性剤としては、例えば、高級アルコールのエチレンオキシド付加物、高級脂肪酸のエチレンオキシド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、脂肪酸アミンのエチレンオキシド付加物、脂肪酸アミドのエチレンオキシド付加物、多価アルコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体等が挙げられる。ポリヒドロキシ系界面活性剤としては、例えば、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、エタノールアミンの脂肪酸アミド及びそれらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。本発明においては、特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンモノ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル等が有利に使用される。これらの界面活性剤は、単独又は混合物の形で用いられる。
界面活性剤の配合量は特に制約されず、所望される外用薬剤の性状に応じて適当な量を配合する。
【0020】
本発明の外用剤は、精製水を含有する。この精製水は、そのpHを3.5〜4.5の範囲に調整する。精製水のpHがこの範囲を逸脱すると、スルホニウム化合物の安定性が損われ、外用剤の薬効が減少する。精製水のpH調整は、pH緩衝液、例えばリン酸緩衝液により行うことができる。精製水の配合量は、所望する外用剤の性状に応じて決められ、特に制約されるものではない。
【0021】
本発明の外用剤は、軟膏やクリーム、ローション等の各種の形態において適用され、その製品の形態に応じて、その組成を適当に調節する。
本発明の外用剤を非エマルジョンタイプの軟膏状混合物の形態で適用する場合、次の成分組成であることが好ましい。
(1)スルホニウム化合物
0.05〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%
(2)有機溶媒
1〜40wt%、好ましくは2〜20wt%
(3)油性物質
20〜80wt%、好ましくは20〜60wt%
(4)界面活性剤
20〜80wt%、好ましくは40〜70wt%
(5)充填剤
0〜15wt%、好ましくは5〜10wt%
(6)精製水
1〜10wt%、好ましくは1〜5wt%
【0022】
前記非エマルジョンタイプの軟膏状混合物からなる外用剤において、油性物質としては、固体状油性物質又は固体状油性物質と液体状油性物質との混合物が用いられる。この外用剤の場合は常温固体状の界面活性剤及び/又は油性物質を20〜80wt%、好ましくは40〜70wt%程度含有させることが必要である。この場合の固体状油性物質としては、前記した各種のものが挙げられる。また、固体状界面活性剤としては、モノステアリン酸POE(5)グリセリル、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、モノステアリン酸POE(40)グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリスステアリン酸テトラグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグルセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリスステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、トリスステアリン酸POE(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン、ヘキサステアリン酸POE(6)ソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、モノステアリン酸PEG(4EO)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油等のポリエチレン硬化ヒマシ油、POE(2)セチルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(30)フィトステロール等のポリオキシエチレンフィトステロール、POE(25)フィトスタノール等のポリオキシエチレンフィトスタノール、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POE(30)オクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、POE(40)ラノリンアルコール、POE(10)ラノリンアルコール等のポリオキシエチレンラノリンアルコール、POE(6)ソルビットミツロウ、POE(20)ソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ジPOE(10)アルキルエーテルリン酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。なお、これらの固体状界面活性剤は、いずれも油性物質として兼用することができる。
前記外用剤は、スルホニウム化合物を精製水と有機溶媒との混合液に溶解させた溶液と、加熱溶融させた油性物質と界面活性剤との混合溶融液とを混合し、次いで、必要に応じて、充填剤を添加し、均一に混合し、冷却することにより調製することができる。
【0023】
本発明の外用剤をエマルジョンタイプの軟膏状混合物の形態で適用する場合、次の成分組成であることが好ましい。
(1)スルホニウム化合物
0.05〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%
(2)有機溶媒
1〜40wt%、好ましくは2〜20wt%
(3)油性物質
60〜90wt%、好ましくは75〜85wt%
(4)界面活性剤
1〜20wt%、好ましくは2〜10wt%
(5)充填剤
0〜15wt%、好ましくは5〜10wt%
(6)精製水
1〜10wt%、好ましくは2〜5wt%
【0024】
前記外用剤において、油性物質としては、常温で固体状のもの又は常温で固体状のものと常温で液体状のものとの混合物が用いられる。界面活性剤としては、HLBが2〜15、好ましくは3〜12のものが用いられる。
前記外用剤は、スルホニウム化合物を水と有機溶媒の混合液に溶解させた溶液を、加温下において、油性物質と界面活性剤との溶融混合液中に撹拌下で徐々に添加し、必要に応じ充填剤を混合し、得られた混合物を冷却することにより調製することができる。
【0025】
本発明の外用剤をエマルジョンタイプのクリーム状混合物の形態で適用する場合、次の成分組成であることが好ましい。
(1)スルホニウム化合物
0.05〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%
(2)有機溶媒
1〜40wt%、好ましくは2〜20wt%
(3)油性物質
10〜40wt%、好ましくは2〜20wt%
(4)界面活性剤
10〜35wt%、好ましくは15〜30wt%
(5)増粘剤(水溶性高分子)
0〜5wt%、好ましくは0.05〜2wt%
(6)精製水
30〜75wt%、好ましくは40〜60wt%
(7)充填剤
0〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%
【0026】
前記の外用剤を製造するには、前記成分(1)、(2)、(6)を加温下で混合して混合物Aを作る。一方、前記成分(3)、(4)を加温下で混合して溶融混合物Bを作る。次に、混合物Aを加温下において、撹拌下、溶融混合物Bに徐々に加えた後、必要に応じての成分(5)及び(7)を添加混合し冷却する。この場合の外用剤は、油/水型及び水/油型のエマルジョンであることができる。油/水型の場合、界面活性剤としては、HLB9〜18を有する界面活性剤が好ましく使用され、水/油型の場合、HLB2〜8を有する界面活性剤が好ましく使用される。油性物質としては常温で固体状のもの又は常温で固体状のものと常温で液体状のものとの混合物が用いられる。増粘剤としては、水溶性高分子、例えば、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キトサン、ポリビニルアルコール、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0027】
前記のクリーム状混合物からなる外用剤を好ましく製造するには、成分(1)のスルホニウム化合物を成分(2)の水溶性でかつ油溶性の有機溶媒に溶解させた溶液からなるA剤を、成分(3)の固体状油性物質又は固体状油性物質と液体状油性物質と成分(4)の固体状界面活性剤との熱溶融混合物からなるB剤に添加混合した後、スルホニウム化合物を水、水溶性有機溶媒又は水と水溶性有機溶媒の混合液に溶解させた溶液からなるC剤を添加混合する。これらの混合工程においては、常温で固体状油性物質と常温で固体状界面活性剤との熱溶融液の温度を、それらの物質の融点以上に保持し、それらの物質が固体として析出しないように注意する。次に、前記のようにして得られた混合液に、必要に応じ、成分(6)の水及び成分(5)の増粘剤を添加混合し、必要に応じ、成分(7)の充填剤を添加混合した後、冷却する。この場合、成分(5)の増粘剤は成分(6)の水の添加後に添加するのが好ましいが、成分(6)の水にあらかじめ溶解させて、水と同時に添加することができる。また、成分(6)の水には他の水溶性物質、例えば、製品の安定化剤としてのオキシベンゾン(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の紫外線吸収剤や、保湿剤としての尿素や多価アルコールをあらかじめ溶解させることもできる。水中に添加するこれらの物質の添加量は、全外用剤中、5〜20wt%、好ましくは5〜10wt%の範囲にするのがよい。また、成分(6)の水は、そのpHを3.5〜4.5の範囲に保持するのが好ましく、このようなpH調節された水として、リン酸緩衝液の使用が好ましい。
【0028】
前記したA剤は、その油溶性向上のために、高級脂肪族アルコール及びテルペンアルコールの中から選ばれる少なくとも1種の油溶性の液状油性物質を含有するのが好ましい。またC剤はその水溶性向上のために、低級脂肪族アルコール及び多価アルコールの中から選ばれる少なくとも1種を含有するのが好ましい。A剤とB剤の合計量は、全外用剤中、2〜40wt%、好ましくは10〜30wt%である。また、A剤とB剤の合計量に対するA剤の割合は、20〜80wt%、好ましくは30〜60wt%である。
前記のようにして得られるクリーム状混合物からなる外用剤においては、そのスルホニウム化合物含有量を3wt%以上、特に5wt%以上に高めても、そのスルホニウム化合物は、有機溶媒に溶解した状態で全混合物中に均一にかつ安定した状態で分散し、皮膚吸収されやすい状態に保持される。
【0029】
本発明の外用剤を溶液タイプのローションの形態で適用する場合、次の成分組成であることが好ましい。
(1)スルホニウム化合物
0.01〜20wt%、好ましくは0.5〜10wt%
(2)有機溶媒
2〜40wt%、好ましくは10〜30wt%
(3)液状油性物質
0〜30wt%、好ましくは0〜20wt%
(4)界面活性剤
0.1〜20wt%、好ましくは0.5〜7wt%
(5)水
1〜60wt%、好ましくは5〜40wt%
(6)増粘剤
0〜5wt%、好ましくは0.05〜1wt%
【0030】
前記外用剤は、成分(1)のスルホニウム化合物を、成分(2)の有機溶媒と成分(5)の水との混合液に溶解させて溶液とし、この溶液に対し、成分(3)、成分(4)、成分(6)を添加混合することによって得ることができる。このローションタイプのものは、そのまま液体ローションとして適用し得る他、液化天然ガス等の噴射剤とともにエアゾール缶に充填し、エアゾール型のローションとして使用することもできる。増粘剤としては、有機溶媒及び/又は水に溶解し得る高分子が用いられる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の外用剤の投与に当っては、外用剤を直接的に1日数回例えば1〜3回患部に塗布するか、あるいはパッチ、プラスター、パップ等の形態に加工し、これを同様に1日数回患部に適用することができる。適用回数は該当する疾患の重篤度により適宜増減することができる。
本発明の外用剤においては、スルホニウム化合物が液状の水及び有機溶媒との混合物の形で油性物質中に均一に分散している。従って、本発明の外用薬剤は、高い皮膚浸透性を有し、これを病巣部の皮膚に塗るだけで、アレルギー性の皮膚疾患に対してすぐれた治療効果を発揮する。また、本発明の外用剤は、皮膚刺激性のないあるいは皮膚刺激性の低いものであり、安全性の点でも非常にすぐれている。
本発明の外用剤は、それに含まれるスルホニウム化合物の薬理作用に基づく、各種の薬効を示すものである。この薬効には、抗アレルギー作用の他、生体の免疫能を亢進する作用、免疫調節作用、消炎鎮痛作用、感染防御作用、制癌作用等の各種の薬効が包含される。
【0032】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下において示す部及び%はいずれも重量基準である。
実施例1
(1)IPD−1151T 0.5部
(2)ブチレングリコール 5部
(3)メチルパラベン 0.1部
(4)精製水(リン酸緩衝液、pH3.5〜4.5) 52部
(5)カルボキシビニルポリマー 0.1部
(6)ミリスチン酸イソプロピル 4.0部
(7)ミリスチン酸イソトリデシル 5.0部
(8)セバシン酸ジエチル 3.0部
(9)ベヘニルアルコール 3.0部
(10)スクワレン 3.0部
(11)オリーブ油 7.0部
(12)鯨ロウ 5.0部
(13)モノステアリン酸POE(5)グリセリル 2.0部
(14)モノステアリン酸ソルビタン 2.0部
(15)ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル 0.2部
(16)ステアリン酸PEG(40) 2.0部
(17)ファルネソール 1.0部
(18)ステアリン酸 5.0部
(19)プロピルパラベン 0.1部
【0033】
前記成分(1)〜(5)を70℃以下の加温下で均一に混合して溶液状の混合物Aを調製した。
一方、前記成分(6)〜(19)を60℃で加温して均一に混合して混合物Bを調製した。
次に、混合物Bを加温下で激しく撹拌しながら、これに混合物Aを少しづつ加えて乳化する。混合物Aを加え終わったら、加温を停止し、全体を放置し、冷却し、クリーム状製品を得る。
【0034】
実施例2
(1)IPD−1151T 5部
(2)ブチレングリコール 120部
(3)精製水(リン酸緩衝液、pH約4.5) 374部
(4)メチルパラベン 1部
(5)ミリスチン酸イソプロピル 40部
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 30部
(7)スクワレン 30部
(8)白色ワセリン 300部
(9)ステアリルアルコール 50部
(10)POE(60)硬化ヒマシ油 40部
(11)モノステアリン酸グリセリル 10部
【0035】
前記成分(1)〜(4)を70℃以下の加温下で均一に混合して溶液状の混合物Aを調製した。
一方、前記成分(5)〜(11)を60℃で加温して均一に混合して混合物Bを調製した。
次に、混合物Bを加温下で激しく撹拌しながら、これに混合物Aを少しづつ加えて乳化する。混合物Aを加え終わったら、加温を停止し、全体を放置し、冷却し、クリーム状製品を得る。
【0036】
【0037】
前記成分(1)〜(4)を70℃以下の加温下で均一に混合して溶液状の混合物Aを調製した。
一方、前記成分(5)〜(8)を60℃の加温下で均一に混合して混合物Bを調製した。
次に、混合物Bを加温下で激しく撹拌しながら、これに混合物Aを少しづつ加える。混合物Aを加え終わったら、加温を停止し、全体を放冷して、軟膏状製品を得る。
【0038】
実施例4
(1)IPD−1151T 0.5部
(2)ポリエチレングリコール(分子量400) 3.0部
(3)精製水(リン酸緩衝液、pH約4.5) 5.0部
(4)イソプレングリコール 4.0部
(5)ブチレングリコール 3.0部
(6)カルボキシセルロース 0.7部
(7)モノステアリン酸POE(5)グリセリル 0.5部
(8)モノオレイン酸POE(20)ソルビタン 1.0部
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 3.0部
(10)ステアリルアルコール 2.0部
(11)白色ワセリン 77.1部
(12)メチルパラベン 0.1部
(13)プロピルパラベン 0.1部
【0039】
前記成分(1)〜(5)を70℃以下の加温下で均一に混合して溶液状の混合物Aを調製した。
一方、前記成分(6)〜(12)を60℃の加温下で均一に混合して混合物Bを調製した。
次に、混合物Bを加温下で激しく撹拌しながら、これに混合物Aを少しづつ加える。混合物Aを加え終わったら、加温を停止し、全体を放冷して、軟膏状製品を得る。
【0040】
実施例5
(1)IPD−1151T 0.5部
(2)ポリエチレングリコール(分子量400) 3.0部
(3)精製水(リン酸緩衝液、pH約4.5) 5.0部
(4)イソプレングリコール 4.0部
(5)ブチレングリコール 3.0部
(6)カルボキシセルロース 0.7部
(7)モノステアリン酸POE(5)グリセリル 0.5部
(8)モノオレイン酸POE(20)ソルビタン 1.0部
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 3.0部
(10)ステアリルアルコール 2.0部
(11)アジピン酸ジイソプロピル 2.0部
(12)白色ワセリン 74.6部
(13)セバシン酸ジエチル 0.5部
(14)メチルパラベン 0.1部
(15)プロピルパラベン 0.1部
【0041】
前記成分(1)〜(5)を70℃以下の加温下で均一に混合して溶液状の混合物Aを調製した。
一方、前記成分(6)〜(15)を60℃の加温下で均一に混合して混合物Bを調製した。
次に、混合物Bを加温下で激しく撹拌しながら、これに混合物Aを少しづつ加える。混合物Aを加え終わったら、加温を停止し、全体を放冷して、軟膏状製品を得る。
【0042】
実施例6
(1)IPD−1151T 0.5部
(2)炭酸プロピレン 0.3部
(3)炭酸エチレン 0.7部
(4)ブチレングリコール 1.0部
(5)精製水(リン酸緩衝液、pH約3.0) 1.0部
(6)白色ワセリン 90.5部
(7)モノステアリン酸ソルビタン 2.0部
(8)モノステアリン酸PEG(40EO) 0.5部
(9)ステアリルアルコール 2.0部
【0043】
前記成分(1)〜(5)を70℃以下の加温下で均一に混合して溶液状の混合物Aを調製した。
一方、前記成分(6)〜(9)を60℃の加温下で均一に混合して混合物Bを調製した。
次に、混合物Bを加温下で激しく撹拌しながら、これに混合物Aを少しづつ加える。混合物Aを加え終わったら、加温を停止し、全体を放冷して、軟膏状製品を得る。
【0044】
実施例7
(A剤)
(1)IPO−1151T 0.2部
(2)炭酸プロピレン 1.0部
(B剤)
(3)アジピン酸ジブチル 3.0部
(4)セバシン酸ジエチル 2.0部
(5)ミリスチン酸イソプロピル 2.0部
(6)セタノール 3.0部
(7)パルミチン酸セチル 4.0部
(8)ステアリン酸 5.0部
(9)マカデミアナッツ油 5.0部
(10)スクワレン 3.0部
(11)モノステアリン酸POE(5)グリセリル 2.0部
(12)ステアリン酸PEG(40EO) 2.0部
(13)モノステアリン酸ソルビタン 2.0部
(14)プロピルパラベン 0.1部
(C剤)
(15)IPD−1151T 0.3部
(16)プロピレングリコール 2.0部
(17)精製水(リン酸緩衝液)(pH3.5〜4.5) 60.8部
(18)メチルパラベン 0.1部
(19)尿素 2.0部
(D剤)
(20)カルボキビニールポリマー 0.5部
【0045】
成分(3)〜(14)を80℃で溶解混合した後65℃に冷却してB剤を作り、このB剤に対して、成分(1)〜(2)を60℃で溶解混合して得たA剤を添加混合した後、成分(15)〜(19)を60℃で溶解混合して得たC剤を添加混合し、最後に成分(20)からなるD剤を添加混合し、全体を冷却してクリーム状製品を得た。
【0046】
なお、前記実施例において示したIPD−1151Tは、下記式で表わされるスルホニウム化合物である。
【化2】
【0047】
実施例7
体幹(前胸部、腹部)に、著しい掻痒を伴なう紅褐色小丘疹があり、一部掻破による出血が見られ、また両肘関接節屈側に苔癬化局面のある年令8才の男子に対して、実施例1で得たクリーム状製品を、1日2回の塗擦で、毎日続けると、2〜3日目から紅褐色小丘疹の消退とともに、掻痒の低下が認められ、1週間後には、やや乾燥した皮膚面が見られるようになり、皮膚面の改善効果が認められた。
【0048】
実施例8
アトピー性皮膚炎を有する5才男子の肩部及び背部に対して、実施例1で得たクリーム状製品を1日2回の塗擦で毎日続けると、2日目よりその皮膚炎の改善効果が認められた。また、皮膚の性状は改善され、乾燥、落屑が軽快した。
【0049】
実施例9
アトピー性皮膚炎を有する3才男子に対し、実施例1で得たクリーム状製品を1日2回の塗擦で毎日続けると、2〜3日目から、皮膚炎の改善効果が認められた。また、皮膚の性状は改善され、乾燥、落屑が軽快した。
なお、この患者は、以前より、キンダベート及びリンデロンVGを使用していたが、本発明製品は、それらと同様以上の効果を示すことが確認できた。
Claims (6)
- 有機溶媒が、アルコール、アルカノールアミン、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールの部分エステルのアルキレンオキシド付加物、アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、N−アルキルピロリドン、N,N−ジアルキルアセトアミド、ジアルキルイミダゾリジン、ジアルキルスルホキシド、及び炭酸アルキレンの中から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1の皮膚外用剤。
- 固体状油性物質を含有する軟膏状混合物からなる請求項1又は2の皮膚外用剤。
- 固体状油性物質を含有するクリーム状混合物からなる請求項1又は2の皮膚外用剤。
- 有機溶媒が、アルコール、アルカノールアミン、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールの部分エステルのアルキレンオキシド付加物、アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、N−アルキルピロリドン、N,N−ジアルキルアセトアミド、ジアルキルイミダゾリジン、ジアルキルスルホキシド、及び炭酸アルキレンの中から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項5の皮膚外用剤。
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