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JP3570339B2 - 無線端末 - Google Patents

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JP3570339B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線を使用してインターネット等のネットワークに接続する無線端末に係わり、特に各種のファイルにアクセスする自動車電話等の携帯電話、PHS等の無線端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、PHS(Personal Handy phone System)等の無線端末はその手軽さから有線でネットワークに接続するコンピュータと同様に広く使用されており、最近ではインターネットにアクセスしてホームページ上の情報を受信したり、電子メールを交換することが日常的に行われるようになっている。
【0003】
このような無線端末を使用してネットワークを使用した場合のネットワーク使用料金としての課金については従来から2つの考え方のいずれかが採られている。1つはネットワークを介してデータが送受信されたときにそのデータ量に応じて課金するという考え方である。たとえばパケット通信でテキスト情報からなる論文等の所定の情報を1ページずつ読んでいるような場合には、ページが代わる度にデータがパケットとして送受信されるが、それ以外の場合にはネットワークに何ら負担をかけるものではない。そこでこのような場合には、送受信されるデータ量に応じて課金するのが合理的である。もう1つの考え方は、ネットワークに接続している時間に応じて課金を行うというものである。従来から電話等の課金に広く使用されており、単位時間当たりのデータの送受信量が大きいような場合には得になる。
【0004】
各ネットワークの管理者は、利用者との契約により、あるいは独自にいずれかの考え方に基づいた課金を行うようにしている。したがって、利用者はその利用の態様に応じてネットワークを選択することで経済的な通信を行うことができる。
【0005】
特開平10−190845号公報に記載した技術では、携帯端末が数種の移動通信網を介してサーバに接続される状況で、単位時間当たりの通信料等を管理するテーブルを用意するようにしている。そして、通信を開始する前にこのテーブルを用いて最小通信時間や最小通信料を見積もらせ、利用者がこれに応じて最適の移動通信網を決定して通信を開始できるようにしている。
【0006】
また、特開平11−313074号公報では、クライアント機とあるサーバ機の間でデータ通信を開始させて単位データの送信が終了した時点で他のサーバ機を使用した場合のスループット情報に基づいてこのサーバ機に回線を繋ぎ変えて最初からデータ通信を行う場合の要処理時間を計算するようにしている。そして、現在通信を行っているサーバ機以外のサーバ機を使用して最初からデータ通信をやり直した方が効率的な通信が行われると判断した場合には、後のサーバ機で通信をやり直すことにして、通信時間の短縮化を図るようにしている。
【0007】
しかしながら、これら2つの技術は、送受信する情報が1種類であることを前提としている。したがって、送受信する情報がそれぞれ異なる性格の幾つかのファイルで構成されているような場合にはうまく対応することができない。たとえばサーバ上のコンテンツ(ホームページ)にアクセスすると、そこにはHTML(Hypertext Markup Language)等で記述されたテキスト情報やJPEG(Joint Photographic Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)等の各種ファイルあるいはデータが存在する。メールを受信しようとしてもそこには同様に各種のファイルあるいはデータが添付されている場合がある。特開平11−113061号公報では、複数のデータが混在しているデータ通信を高速で行う工夫を行っている。
【0008】
図9はこの公報で開示された複数のデータを送受信する手法を表わしたものである。まず、通信先との間で通信路を確立してデータ通信状態となる(ステップS101)。この状態で、送信するデータを格納したデータ記憶手段の先頭にある通信の最初の対象となるデータの種類をデータ種類検出手段によって検出する(ステップS102)。そしてプロトコル選択手段によってそのデータに対応したプロトコルを選択し(ステップS103)、そのプロトコルを使用してそのデータについてデータ通信を行う(ステップS104)。この後、記憶手段に未送信のデータがあるかどうかをチェックして(ステップS105)、ある場合には(Y)、プロトコルの切り替えを前記した通信先に通知して(ステップS106)、次のデータについてその種類を検出し(ステップS102)、これに合ったプロトコルでデータ通信を行う(ステップS103、S104)。以下同様である。
【0009】
また特開平11−32378号公報では、携帯電話と基地局との間に設けられた2チャネルの情報チャネルTCHを従来では、音声通信のみに使用したり、データ通信のみに使用していた点を改善する提案を行っている。この提案では、音声通信中にデータの通信を行う必要が生じた場合に転送データ量を測定するようにしている。そして、音声通信用に1チャンネルの情報チャネルTCHを常時確保した上で、測定したデータ量に基づいてデータ通信用のチャンネルを低速付随チャンネルあるいは高速付随チャンネルのうちから適当なものを選択するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが図9に示した特開平11−113061号公報に記載された技術では、通信網が確立した状態で通信するデータの種類を判別し、その種類に応じて通信先とプロトコルの切り替えを行っている。したがって、プロトコルの切り替えによってデータ通信がより効率的に行われるといった長所があるものの、確立した通信網の範囲内でしかデータの転送のやり方を選択することができず、選択した通信網が不適切なものである場合には効率的な通信を行うことができない。したがって、接続した通信網で効率的な通信を行えたとしても、他の通信網を使用したとすれば通信料金がより安くなる可能性があるという問題があった。
【0011】
特開平11−32378号公報に記載された技術もこの点は同様である。しかもこの技術では音声通信用に1チャネルの情報チャネルTCHを常時確保するようにしている。したがって、たとえばファイルの添付された電子メールを受信するように音声通信が必要ない場合であっても音声通信用に1チャネルが確保されるので、1つのチャネルが全くの空きチャネルとなってしまい、接続した通信網の効率的な活用を行うことができないという問題があった。
【0012】
そこで本発明の目的は、ネットワークを使用してデータの送受信を行うとき送受信の対象となるデータの種類に応じて通信網を適宜選択可能にした無線端末を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)付随して通信する付随データに関する情報を併記したメインデータを、予め定められた所定の通信路を選択して取得するメインデータ取得手段と、(ロ)このメインデータ取得手段によって取得したメインデータに併記された、次に通信する付随データのデータ量をその都度判別するデータ量判別手段と、(ハ)このデータ量判別手段の判別したデータ量を有する付随データそれぞれの通信に適する通信路を付随データの通信が可能な複数の通信路の中から順次判別する付随データ別通信路判別手段と、(ニ)この付随データ別通信路判別手段によって判別された通信路を付随データごとに選択しながらこれら付随データの通信を行う通信路選択手段とを無線端末に具備させる。
【0014】
すなわち請求項1記載の発明では、メインデータ取得手段の取得したメインデータに併記された付随データに関する情報から、次に通信する付随データのデータ量をその都度判別し、判別したデータ量を有する付随データそれぞれの通信に適する通信路を付随データの通信が可能な複数の通信路の中から順次判別する。そして、この付随データ別通信路判別手段によって判別された通信路を付随データごとに選択しながらこれら付随データの通信を行う。このように最初に取得したメインデータから付随データに関する情報を取得して付随データそれぞれについての通信路の判別に使用するので、それぞれの付随データの通信を適切な形態で行うことができる。
【0015】
請求項2記載の発明では、(イ)付随して通信する付随データに関する情報を併記し所定の記述言語で記述されたメインデータを、予め定められた所定の通信路を選択して取得するメインデータ取得手段と、(ロ)このメインデータ取得手段によって取得した付随データに関する情報から付随データそれぞれのデータ量を求めるデータ量判別手段と、(ハ)このデータ量判別手段の判別したデータ量を有する付随データそれぞれ通信に適する通信路を付随データの通信が可能な複数の通信路の中から順次判別する付随データ別通信路判別手段と、(ニ)この付随データ別通信路判別手段によって判別された通信路を付随データごとに選択しながらこれら付随データの受信を行う通信路選択手段とを無線端末に具備させる。
【0016】
すなわち請求項2記載の発明では、メインデータ取得手段の取得したメインデータに併記された付随データに関する情報から付随データのデータ量を求め、これを基にして付随データそれぞれの通信に適する通信路を付随データの通信が可能な複数の通信路の中から判別し、判別された通信路を付随データごとに選択しながらこれら付随データの通信を行うようにしている。このように最初に取得したメインデータを基にして付随データのデータ量を求め、データ量に応じて付随データそれぞれの通信路を選択するので、付随データの受信を適切な形態で行うことができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の無線端末で、付随データ別通信路判別手段は通信料金が最も低額の通信路を選択することを特徴としている。
【0018】
すなわち請求項3記載の発明では、付随データ別通信路判別手段は通信料金が最も低額の通信路を選択することで、通信に要するコストの低減を図っている。
【0019】
請求項4記載の発明では、請求項1または請求項2記載の無線端末で、メインデータはコンテンツを表示する記述言語で記述されており、付随データは画像、映像等のコンテンツの各種構成ファイルであることを特徴としている。
【0020】
すなわち請求項4記載の発明では、ホームページのようにたとえばメインデータがHTML(Hypertext Markup Language)等で記述されており、付随データはJPEG(Joint Photographic Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)等のファイルで構成されている場合を示している。
【0021】
請求項5記載の発明では、請求項1または請求項2記載の無線端末で、メインデータは電子メールの本文を表わしたデータであり、付随データは画像、映像等の各種添付ファイルであることを特徴としている。
【0022】
すなわち請求項5記載の発明では、メインデータが電子メール本文の場合を扱っている。
【0023】
請求項6記載の発明では、請求項1または請求項2記載の無線端末で、付随データ別通信路判別手段は通信時間が短時間で行われる方の通信路を選択することを特徴としている。
【0024】
すなわち請求項6記載の発明では、付随データ別通信路判別手段が短時間で通信が行われる方を選択することを示している。これとは別に、経済的に通信が行われる方や、信頼性が高い方を選択する手法も存在する。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例における無線端末としての携帯無線端末の構成を表わしたものである。この携帯無線端末201は空中線を介してデータの送受信を行うためのアンテナ202を備えている。送受信器203はアンテナ202を介して受信した受信データを復調したり、送信データを変調してアンテナ202から出力させるようになっている。通信制御部204は、パケット通信と回線交換データ通信それぞれのプロトコルを処理するようになっている。ブラウザ処理部205は図示しないCPU(中央処理装置)を備えている。ブラウザ処理部205は、通信制御部204の他にメモリ206、表示部207、操作部208および回線選択部209と接続されており、メモリ206に格納されたプログラムを実行することによって制御の中枢的な機能を果たすようになっている。ここで表示部207は液晶ディスプレイからなり、文字や画像を表示できるようになっている。操作部208はダイアルを行ったり各種の入力を行うためのキーを複数配置して構成されている。回線選択部209は、無線ネットワークへこの携帯無線端末201を接続する際の通信路を選択する機能を備えている。
【0028】
図2は本実施例の携帯無線端末を使用した通信システムの概要を表わしたものである。本実施例の携帯無線端末201は、基地局221を介してインターネット網222上のWWW(world wide web)サーバ223に接続できるようになっている。本実施例で基地局221は、パケット通信ゲートウェイ225と回線交換ゲートウェイ226の2つのゲートウェイを備えている。ここでパケット通信ゲートウェイ225はインターネット網222とパケット通信用の通信路227を介して接続され、WWWサーバ223との間でパケット通信を行うことでデータの送受信を行うために設けられている。これに対して回線交換ゲートウェイ226は、公衆網228に接続され、インターネット接続業者としてのインターネットプロバイダ229を介してインターネット網222に接続されてWWWサーバ223との間で通信を行うようになっている。
【0029】
図3は本実施例の無線端末を使用してインターネット上のホームページ(コンテンツ)をアクセスして所望のページをダウンロードする場合の処理の流れを表わしたものである。この処理の前提として、携帯無線端末201は図2に示した基地局221に登録されており初期的にパケット通信網に接続されている。携帯無線端末201のユーザは、アクセスしようとするホームページのURL(Uniform Resource Locator)をその操作部208から入力する(ステップS241)。すると、携帯無線端末201のブラウザ処理部205の前記したCPUはこの入力されたURLを通信制御部204を介して送受信器203に出力する。送受信器203は入力されたURLを変調し、アンテナ202からHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)のリクエスト(GET URL HTTP/1.0)として基地局221に向けて送信する(ステップS242)。
【0030】
携帯無線端末201から送出されたこのリクエストは、基地局221のパケット通信ゲートウェイ225に入力され、パケット通信用の通信路227を介してインターネット網222に送出され、該当するURLを有するWWWサーバ223がこれを受け取る(ステップS243)。リクエストを受けたWWWサーバ223はそのURLを記述するHTMLデータをインターネット網222に送出し、パケットデータとしてパケット通信用の通信路227を介して基地局221に送られる(ステップS244)。
【0031】
図4は、このときWWWサーバから基地局へ送出されるHTMLデータの構成の一部を表わしたものである。HTMLデータ261は、ヘッダ262とHTML本文263とに分けられる。これらは記述言語として比較的データ量の少ない情報で構成されている。すなわちHTMLは埋め込み言語の1種であり、言語の指示やタグを挿入したドキュメントとして構成されている。ホームページ上に現われる静止画、動画等の画像あるいは音声等のマルチメディアデータはHTMLドキュメントとは別のものであり、それぞれ参照用のタグがHTML本文263中に埋め込まれるようになっている。たとえば図4に示した“SAMPLE.JPEG”は、JPEGと呼ばれるファイル形式の画像データであり、これは別のファイルとしてWWWサーバ223の所定の記憶領域に格納されている。HTMLドキュメントでは、このようなファイルの種別と名称を規定しており、別にこれらのファイルをダウンロードして統合することでホームページの該当するページが表示されたり、そのページで音声が出力されることになる。ユーザが所望のURLを指定して該当のコンテンツを指定した最初の段階では、図4に示したようなヘッダ262とHTML本文263からなるHTMLデータ261が携帯無線端末201に送出されるだけであり、タグによって参照されている画像等のファイルはまだ携帯無線端末201に送出されないことになる。
【0032】
図4に示すようなHTMLデータ261を受け取った携帯無線端末201は、ブラウザ処理部205内の前記したCPUがこの構文を解析する。この解析の結果として作成された表示イメージデータは表示部207に送られて表示される。この例では“SAMPLE.JPEG”の表示領域がまだ空白の枠になった状態で、テキスト情報のみがディスプレイとしての表示部207に表示されることになる。
【0033】
図5は、ブラウザ処理部内のCPUがタグによって参照されたファイルを取得する処理の流れを表わしたものである。CPUはタグで示されたファイルの中の次に取得しようとするものについてWWWサーバ223に対してそのサイズを要求する(ステップS271)。この要求に対してWWWサーバ223から返答があると(ステップS272:Y)、この返答によって通知されたサイズの該当するファイルを取得するのに要する課金額をパケット通信によるものと回線交換接続によるものとの2つの料金体系で個別に算出する(ステップS273)。パケット通信によるものについてはパケットの数等のデータ量で課金額の算出が行われる。回線交換接続によるものの場合には、インターネットプロバイダ229を介してインターネット網222に接続する時間を加味して、通知されたデータ量のデータを取得する時間と時間当たりの料金を基にして課金額が算出される。時間帯あるいは曜日によってデータの転送量が異なるような場合には、ファイルを取得する時間帯や曜日について過去に求めた統計を使用して計算を行えばよい。同一日の比較的近い時間帯でインターネット網222にアクセスしているような場合には、その値を参考にしてデータの取得に要する時間を計算し、これを基にして課金額を算出してもよい。同一のホームページの各種ファイルを取得する場合には、2番目以降のファイルについてこの手法を採用することができる。
【0034】
図6は、WWWサーバからのファイルのサイズについて返答の一例を表わしたものである。この返答文265の中の“Content−Length:122326”の部分266がファイルのサイズを示している。この例ではそのファイルのサイズが122326(バイト)であることが示されている。
【0035】
該当するファイルのサイズを基にして2つの料金体系で課金額をそれぞれ計算し、その結果を比較してパケット通信の方が低額であると判別された場合には(ステップS274:Y)、現在のパケット通信のままで該当するファイルの取得を要求する(ステップS275)。そしてこのファイルの受信が終了したら(ステップS276:Y)、そのコンテンツについて取得すべき残りのファイルがなくなったかどうか判別し(ステップS277)、まだ残りのファイルが存在する場合には(N)、再びステップS271に戻って次のファイルの取得のためにそのサイズの通知を要求することになる。そのコンテンツについてのすべてのファイルを取得してしまった場合には(ステップS277:Y)、処理を終了させる(エンド)。
【0036】
一方、ステップS274でパケット通信の方が低額ではない、すなわち回線交換接続の方が料金的に得であると判別された場合には(N)、基地局221は回線交換接続を行う(ステップS278)。ただし、パケット通信の方は回線交換接続を行っている間、データの受信を行わないので課金されることがないので、データを受信しない状態に保持しておく。この段階で回線交換ゲートウェイ226は、公衆網228に接続され、インターネットプロバイダ229を介してインターネット網222に接続されてWWWサーバ223に該当するファイルの送信を要求する(ステップS279)。CPUはファイルの受信完了を監視しており、受信が終了すると(ステップS280:Y)、回線交換接続を一旦終了して(ステップS281:Y)、ステップS277に進む。以下同様である。
【0037】
図3に戻って以上の処理を説明する。基地局221はWWWサーバ223からURLを記述するHTMLデータを受信するとこれを無線で携帯無線端末201に送出する(ステップS245)。この結果、ユーザはまだJPEG等のファイルが再現されていない状態のホームページをブラウザで見ることができる(ステップS246)。この状態で携帯無線端末201側では図4に示したHTML本文263中の“SAMPLE.JPEG”のファイルサイズの要求を出力する(ステップS247)。この要求は基地局221のパケット通信ゲートウェイ225からパケット通信用の通信路227を介してインターネット網222に送出され、WWWサーバ223に到達する(ステップS248)。WWWサーバ223はこれに対して“SAMPLE.JPEG”のファイルサイズを応答する(ステップS249、S250)。携帯無線端末201は得られたサイズ情報を基にして、その“SAMPLE.JPEG”のファイルをパケット通信で取得するか回線交換データ通信で取得するかの判断を行う。
【0038】
パケット通信の方が経済的であると判断した場合には、携帯無線端末201からパケット通信ゲートウェイ225を経てWWWサーバ223に対して“SAMPLE.JPEG”のファイルの取得が要求される(ステップS251、S252)。これに対して、回線交換データ通信の方が経済的であると判断した場合には、携帯無線端末201から回線交換ゲートウェイ226を経て、公衆網228、インターネットプロバイダ229経由でWWWサーバ223に対して“SAMPLE.JPEG”のファイルの取得が要求されることになる(ステップS253〜S255)。
【0039】
発明の変形可能性
【0040】
図7は本発明の変形例における無線端末の構成を表わしたものである。この図7で先の実施例の図1と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この変形例の無線端末201Aでは新たにパケット通信スループット計算部301が設けられている。パケット通信スループット計算部301は、先の実施例でHTMLデータ261を取得したときの取得に要する時間と取得したデータ量からパケット通信における処理時間(スループット)を計算するようにしている。パケット通信を行う場合に網への接続端末が増加すると、1つの端末当たりの帯域が減って、スループットが減少するという事態が発生する。このため、この変形例では課金額だけでパケット通信を選択せずに、短い時間でデータを利用できる通信路の方を選択するようにしている。
【0041】
図8は、この変形例におけるファイルの取得の際の処理の流れを表わしたものである。まずパケット通信スループット計算部301は図4に示したHTMLデータ261のデータ量とこれを取得した際の所要時間とから、直前に行われたパケット通信のスループットを計算する(ステップS321)。次に図5のステップS271で説明したと同様に取得するファイルのサイズをWWWサーバ223に対して要求する(ステップS322)。これに対して、WWWサーバ223がそのファイルのサイズを返答してきたら、ステップS321で計算したスループットを用いて、該当するファイルがパケット通信で取得される時間Pを予測する(ステップS323)。次にパケット通信スループット計算部301はブラウザ処理部205等のなるべく近い過去あるいは同じ時間帯に処理した回線交換接続の結果を参照して、そのサイズのファイルが回線交換接続で取得される処理時間Cを予測する(ステップS324)。この後、パケット通信スループット計算部301は2つの値P、Cの大小関係を比較する(ステップS325)。
【0042】
この結果、値Cの方が大きいと判断されたとき(N)、すなわちパケット通信による方がそのパケットを取得する時間が少ないと判断された場合には、パケット通信ゲートウェイ225を使用してパケット通信でそのファイルをWWWサーバ223から取得する(ステップS326)。取得が完了したら(ステップS327:Y)、該当するコンテンツを再現するためのファイルをすべて取得したかどうかの判別が行われ(ステップS328)、残りのファイルがある場合には(N)、ステップS322に進んで次のファイルについての取得処理を開始する。これに対して、すべてのファイルの取得が終了した場合には(ステップS328:Y)、付随するファイルの取得処理を終了させる(エンド)。
【0043】
一方、ステップS325で値Pの方が大きいか値Cと等しいと判断された場合には(Y)、ステップS278で説明したと同様に回線交換接続を行う(ステップS329)。ただし、パケット通信の方は回線交換接続を行っている間、データの受信を行わないので課金されることがないので、データを受信しない状態に保持しておく。この段階で回線交換ゲートウェイ226は、公衆網228に接続され、インターネットプロバイダ229を介してインターネット網222に接続されてWWWサーバ223に該当するファイルの送信を要求する(ステップS330)。前記したCPUはファイルの受信完了を監視しており、受信が終了すると(ステップS331:Y)、回線交換接続を一旦終了して(ステップS332)、ステップS328に進む。以下同様である。
【0044】
なお、以上説明した実施例あるいは変形例では回線交換データ通信でファイルが取得される場合には、1つのファイルの取得が完了するとダイアルアップ接続を切断することにした。1つのHTML本文263を基に複数のファイルの取得が予定されるような場合には、回線の切断を次に取得するファイルがパケット通信によるものであることを確認した後で行うようにしてもよい。また、この例では取得するファイルのサイズをファイル別に1つずつ要求することにしたが、取得するファイルが複数の場合には、これらのファイルのサイズを一度に要求し、ファイル別のサイズのリストを作成して、それぞれのファイルの取得をどちらの料金体系で行うかをまとめて計算するようにしてもよい。この場合には、回線交換接続を行うファイルを連続して要求して取得することができ、回線をそのたびに切断したり接続する無駄を省いて料金を更に低額にすることができる。
【0045】
また、実施例および変形例ではホームページ(コンテンツ)に関するデータの取得について説明したが、たとえば各種のファイルを添付した電子メールの取得についても本発明を同様に適用することができる。すなわち、この場合にもメインデータとしてのメール本文を取得して付随データの取得を行うときにそのデータ形式やデータのサイズ等を考慮して通信路を選択するようにすればよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、メインデータ取得手段の取得したメインデータに併記された付随データに関する情報から付随データのデータ量を判別し、これらのデータ量を基にして通信に適する通信路を判別し、これにより付随データごとに通信路を選択しながら付随データの通信を行うようにしたので、付随データそれぞれの通信を適切な形態で行うことができる。また、メインデータに併記された付随データに関する情報を使用するので、付随データの通信に必要なデータの取得が容易である。
【0047】
また請求項2記載の発明によれば、メインデータ取得手段の取得したメインデータに併記された付随データに関する情報から付随データそれぞれのデータ量を求め、これを基にしてそれぞれの付随データの通信に適する通信路を判別し、判別された通信路を選択して付随データごとに通信路を選択しながら付随データの受信を行うようにしたので、それぞれの付随データの通信を適切な形態で行うことができる。また、メインデータに併記された付随データに関する情報から付随データのデータ量を求めるので、付随データの通信に必要なデータの取得が容易である。
【0048】
更に請求項6記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の無線端末で、付随データ別通信路判別手段は通信時間が短時間で行われる方の通信路を選択することを特徴としているので、回線の状況にかかわらず必要なデータを短時間に取得することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における無線端末としての携帯無線端末の構成を表わしたブロック図である。
【図2】本実施例の携帯無線端末を使用した通信システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図3】本実施例の無線端末を使用してインターネット上のホームページをアクセスして所望のページをダウンロードする場合の処理の流れを表わした説明図である。
【図4】本実施例でWWWサーバから基地局へ送出されるHTMLデータの構成の一部を表わした説明図である。
【図5】本実施例でブラウザ処理部内のCPUがタグによって参照されたファイルを取得する処理の流れを表わした流れ図である。
【図6】本実施例でWWWサーバからのファイルのサイズについて返答の一例を表わした説明図である。
【図7】本発明の変形例における無線端末の構成を表わしたブロック図である。
【図8】変形例におけるファイルの取得の際の処理の流れを表わした流れ図である。
【図9】複数のデータを送受信する従来の手法を表わした流れ図である。
【符号の説明】
201、201A 携帯無線端末
204 通信制御部
205 ブラウザ処理部
209、209A 回線選択部
222 インターネット網
223 WWW(world wide web)サーバ
225 パケット通信ゲートウェイ
226 回線交換ゲートウェイ
228 公衆網
229 インターネットプロバイダ
263 HTML本文
265 返答文
301 パケット通信スループット計算部

Claims (6)

  1. 付随して通信する付随データに関する情報を併記したメインデータを、予め定められた所定の通信路を選択して取得するメインデータ取得手段と、
    このメインデータ取得手段によって取得したメインデータに併記された、次に通信する付随データのデータ量をその都度判別するデータ量判別手段と、
    このデータ量判別手段の判別したデータ量を有する付随データそれぞれの通信に適する通信路を付随データの通信が可能な複数の通信路の中から順次判別する付随データ別通信路判別手段と、
    この付随データ別通信路判別手段によって判別された通信路を付随データごとに選択しながらこれら付随データの通信を行う通信路選択手段
    とを具備することを特徴とする無線端末。
  2. 付随して通信する付随データに関する情報を併記し所定の記述言語で記述されたメインデータを、予め定められた所定の通信路を選択して取得するメインデータ取得手段と、
    このメインデータ取得手段によって取得した前記付随データに関する情報から付随データそれぞれのデータ量を求めるデータ量判別手段と、
    このデータ量判別手段の判別したデータ量を有する付随データそれぞれ通信に適する通信路を付随データの通信が可能な複数の通信路の中から順次判別する付随データ別通信路判別手段と、
    この付随データ別通信路判別手段によって判別された通信路を付随データごとに選択しながらこれら付随データの受信を行う通信路選択手段
    とを具備することを特徴とする無線端末。
  3. 前記付随データ別通信路判別手段は通信料金が最も低額の通信路を選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線端末。
  4. 前記メインデータはコンテンツを表示する記述言語で記述されており、付随データは画像、映像等のコンテンツの各種構成ファイルであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線端末。
  5. 前記メインデータは電子メールの本文を表わしたデータであり、付随データは画像、映像等の各種添付ファイルであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線端末。
  6. 前記付随データ別通信路判別手段は通信時間が短時間で行われる方の通信路を選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線端末。
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