Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP3558780B2 - Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same - Google Patents

Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same Download PDF

Info

Publication number
JP3558780B2
JP3558780B2 JP11938896A JP11938896A JP3558780B2 JP 3558780 B2 JP3558780 B2 JP 3558780B2 JP 11938896 A JP11938896 A JP 11938896A JP 11938896 A JP11938896 A JP 11938896A JP 3558780 B2 JP3558780 B2 JP 3558780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
group
monomer
polymer
insulating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11938896A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JPH09302160A (en
Inventor
雅昭 池田
由香 梅島
Original Assignee
日本ポリオレフィン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本ポリオレフィン株式会社 filed Critical 日本ポリオレフィン株式会社
Priority to JP11938896A priority Critical patent/JP3558780B2/en
Publication of JPH09302160A publication Critical patent/JPH09302160A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3558780B2 publication Critical patent/JP3558780B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気絶縁材料用樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケ−ブルに関する。詳しくは、体積抵抗、絶縁破壊強度等の電気絶縁性に優れる樹脂組成物あるいは、架橋されても体積抵抗、絶縁破壊強度等の電気特性の低下を起こさない樹脂組成物およびその樹脂組成物やその架橋物からなる絶縁層を有する電線・ケ−ブル、大容量ケ−ブルあるいは直流ケ−ブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電線・ケ−ブルの絶縁材料としては、体積抵抗、破壊電圧が高く、誘電率、誘電正接が小さいことが基本的に要求され、一般的にはポリエチレンなどが使用されている。また大容量の送電用電力ケ−ブルなどにおいてはオイルを満たした絶縁材(OFと称す)が使用されているが、該OFは絶縁性能が良好であるものの、オイルが漏洩し、常にオイルの補給が必要であるという難点がある。近年においては、ポリエチレン等のポリオレフィンを架橋し、耐熱性や強度を増加させた架橋ポリエチレン等が使用されている。
【0003】
高圧電力ケ−ブルのもつ問題の一つに高圧送電中の電力損失があり、これを低減させることは重要な課題である。
この電力損失の低減を図る一つの手段は、絶縁材料の電気特性、特に体積抵抗を高めることにより達成することができる。
しかし、単純に室温あるいは一定温度で体積抵抗を高めても別なる問題を引き起こす。例えば、電力ケ−ブル絶縁体では、内部導体付近では電流によるジュ−ル熱で90℃となるが、外部導体付近では大気温となる。ここで温度上昇に伴い、著しく体積抵抗が低下する従来のポリエチレンでは、電流の流れている内部導体付近の体積抵抗が著しく低下するため、外部導体と絶縁体界面付近に電界の集中がおこり絶縁破壊強度が低下する。この現象は特に直流電力ケ−ブルで大きな問題となる。よって、体積抵抗の温度依存性を小さくすることが望まれる。
絶縁材料の高電圧特性を改良する方法として、低圧法ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフトする方法が提案されている(例えば、特開平2−10610号公報等)。しかし、高電圧ケ−ブル絶縁体として低圧法ポリエチレンを用いると、従来の電力ケ−ブルに比べて可とう性に劣るという問題点を有している。
また、特開平5−266723号公報には、密度0.92g/cmの低密度ポリエチレン100重量部と密度0.91−0.94g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンを0.5重量部以上20重量部以下ブレンドしてなる絶縁体が開示されている。
しかし、上記組成物は、温度依存性が大きいため内部導体付近での体積抵抗の改善効果は満足するものではない。
【0004】
ポリエチレン等のポリオレフィンを電線・ケ−ブルの絶縁体として用いる際は、耐熱性や機械的強度を増加するため架橋して使用されている。
架橋方法としては、電子線架橋法やパ−オキサイド等の化学架橋法などがあるが、電子線架橋法は設備が大規模となり、コスト高であるという問題点を有している。また、化学架橋法は経済的には安価であるものの、架橋剤が残り、その残渣が体積抵抗の低下や、水トリーを発生させるなどの問題が生じている。
一方、電気絶縁特性、水トリー等を改良する方法として、親水基を導入するために無水マレイン酸で変性したポリオレフィンをポリエチレンに導入した方法(特公平5−15007号公報)が提案されている。さらに架橋するポリオレフィンに予め二重結合を導入し架橋剤の添加量を減らし、電気絶縁性能の向上を図ろうという試みも行われている(特開平4−11646号公報)が、いずれも体積抵抗等の電気的絶縁性能と耐熱性の両者を十分に満足するものではない。
【0005】
一方、ポリオレフィンにカルボン酸系の化合物や芳香族系の化合物を電気絶縁特性を改良する目的で混合する技術が提案されている。例えば、ポリオレフィンにポリスチレンをグラフトしたことにより耐インパルス破壊強度を向上したもの(特公平2−165506号公報)、ポリエチレンにポリスチレンをブレンドすることによって耐インパルス破壊強度を改良するもの(特開昭63−301427号公報)、無水マレイン酸で変性したポリオレフィンをポリエチレンにブレンドすることにより絶縁特性を向上するもの(特開昭62−100909号公報)、ポリオレフィンに芳香族カルボン酸をブレンドして絶縁破壊特性を向上するもの(特開昭60−23904号公報)等が提案されている。
しかし、これらはいずれも実用的なレベルでの体積抵抗と絶縁破壊強度の両者を十分に向上させるに至っていない。また、架橋後の電気絶縁性能においても十分満足するものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、体積抵抗、絶縁破壊強度等の電気絶縁性能に優れる樹脂組成物、または架橋性に富み、架橋後においても体積抵抗、絶縁破壊強度等の電気絶縁性能に優れる樹脂組成物、ならびにその樹脂組成物もしくは架橋物で形成した材料、およびその材料からなる絶縁層を有する電線・ケ−ブル、大容量ケ−ブル、直流ケ−ブルを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる状況下において本発明者らは鋭意検討した結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明の請求項1は
(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下で、エチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られ、
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 2.00以下
を満足し、かつ電気的活性化エネルギーが0.4ev以下であるエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂成分中に、
(B)下記M1〜M6から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する単位を含み、かつその濃度がM1〜M5による場合は5×10−7〜5×10−3mol/(樹脂成分1g当たり)、M6による場合は0.8個以上のエチレン結合数/(樹脂成分の炭素数1000個当たり)であることを特徴とする電気絶縁材料用樹脂組成物である。
M1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマー
M2:ヒドロキシル基含有モノマー
M3:ニトロ基含有モノマー
M4:ニトリル基含有モノマー
M5:芳香族環含有モノマー
M6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマー
【0008】
請求項2記載の発明は、前記(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下でエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られるもので、
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm3
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 1.01〜1.2
(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピ−クが実質的に1個存在する
を満足するエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)であることを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁材料用樹脂組成物である。
【0009】
さらに、前記(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下でエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られるもので、
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm3
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 1.08〜2.00
(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピ−クが実質的に複数個存在する
(ヘ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRが次式
(i)d-0.008×logMFR≧0.93の場合
X<2.0
(ii)d-0.008×logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300-d+0.008×logMFR)2+2.0
を満足する
エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)であることを特徴とする電気絶縁材料用樹脂組成物が望ましい。
【0010】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第 IV 族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒は、下記H 1 〜H 5 からなる触媒であることが望ましい。
1 :一般式Me 1 1 p (OR 2 q 1 4 p-q で表される化合物(式中、Me 1 はZr、Ti、Hfを示し、R 1 及びR 2 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X 1 はハロゲン原子を示し、p及びqは各々0≦p<4、0≦ p+q ≦4の範囲を満たす整数である)。
2 :一般式Me 2 3 m (OR 4 n 2 z-m-n で表される化合物(式中、Me 2 は周期律表第I〜 III 族元素、R 3 およびR 4 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X 2 はハロゲン原子または水素原子(ただし、X 2 が水素原子の場合はMe 2 は周期律表第 III 族元素の場合に限る)を示し、zはMe 2 の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)。
3 :共役二重結合をもつ有機環状化合物。
4 :有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物。
5 :無機担体および/または粒子状ポリマー担体
【0012】
また、本発明の電気絶縁材料は、上記の電気絶縁材料用樹脂組成物を用いたものである。
または、上記電気絶縁材料用樹脂組成物を架橋したものである。
本発明の電線・ケ−ブルは、これらの電気絶縁材料を絶縁層としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明においては、(A)成分として、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下で、エチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られ、
下記(イ)〜(ニ)の要件
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 2.00以下
を満足し電気的活性化エネルギーが0.4eV以下のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体であって、図1に示されるような、連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において、実質的にピ−クが1個である重合体(A1)、あるいは図2に示されるような実質的にピ−クが複数個である重合体(A2)を包含するものである。
【0014】
上記本発明の(A)エチレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとは、炭素数3〜20の範囲、好ましくは炭素数3〜12の範囲のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンの含有量は通常30mol%以下、好ましくは20mol%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0015】
本発明の(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は(イ)0.86〜0.96g/cmの範囲、好ましくは0.90〜0.96g/cmの範囲であり、(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200g/10min、好ましくは0.1〜50g/10minの範囲である。密度が0.86g/cm以下のものであり、MFRが0.01g/10min未満では加工性が不良となり、200g/10minを超えると強度が弱いものとなる。
【0016】
一般にエチレン(共)重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパ−ミエイションクロマトグラフィ−(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比(Mw/Mn)を算出することにより求めることができ、本発明の(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合の(ハ)Mw/Mnは、1.5〜5.0の範囲である。
また、図1に示されるようなエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)においては、好ましくは1.5〜4.5、さらに好ましくは1.8〜3.5の範囲にあることが望ましい。
さらに、図2で示されるエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)においては、好ましくは1.5〜4.5、さらに好ましくは1.8〜4.0、さらに好ましくは2.0〜4.0の範囲にあることが望ましい。
上記(Mw/Mn)が1.5未満では成形加工性が劣り、5.0を超えるものは耐衝撃性が劣る。
【0017】
本発明の(A)エチレン(共)重合体の(ニ)組成分布パラメ−タ−(Cb)は2.00以下であり、中でも図1に示されるエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)においては、好ましくは1.01〜1.2、さらに好ましくは1.02〜1.18、より好ましくは1.03〜1.17の範囲にあることが望ましい。また、図2で示されるエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)においては、好ましくは1.08〜2.00、さらに好ましくは1.10〜1.80、より好ましくは1.15〜1.50の範囲にあることが望ましい。
組成分布パラメ−タ−(Cb)が、2.00より大きいと、成形品に高分子ゲルを生じる等の慮がある。
【0018】
本発明における組成分布パラメ−タ−(Cb)の測定法は次の通りである。
試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに試料濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液を、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し充満後0.1℃/minで25℃まで冷却し、試料をセライト表面に析出沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温しながら、各温度において、試料を溶解した溶液を採取する。この溶液を冷却後、メタノールで試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度における試料を得る。
この分別された試料の重量分率および分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を測定する。分岐度の測定は13C−NMRにより求める。
【0019】
このような方法で30℃から90℃で採取した各フラクションについては次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小二乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクションについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないのでこの補正は行わない。
【0020】
次ぎにそれぞれのフラクションの重量分率wを、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b−bi−1)で割って相対濃度cを求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメ−タ−Cbを算出する。
【数1】

Figure 0003558780
ここで、cとbはそれぞれj番目の区分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメ−タ−Cbは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0021】
なお、エチレン(共)重合体の組成分布を記述する方法は多くの提案がなされている。例えば特開昭60−88016号公報では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が下がり、市販の線状低密度ポリエチレンについて測定を行うと相関係数R2はかなり低く、値の精度は充分でない。このCw/Cnと本発明のCbとは、定義および測定方法が異なる。
【0022】
本発明の図2で示される(A2)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体については、(ホ)25℃におけるODCB可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRの関係は、dおよびMFRの値が、
d−0.008×logMFR≧0.93を満たす場合は、2重量%未満、好ましくは1重量%未満、
また、d−0.008×logMFR<0.93の場合は、
X<9.8×10×(0.9300−d+0.008×logMFR)+2.0、より好ましくは、
X<7.4×10×(0.9300−d+0.008×logMFR)+1.0、さらに好ましくは、
X<5.6×10×(0.9300−d+0.008×logMFR)+0.5 の関係を満足しているものが好ましい。
【0023】
上記25℃におけるODCB可溶分の量Xは、下記の方法により測定する。
試料0.5gを20mlのODCBにて135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テフロン製フィルタ−でろ過してろ液を採取する。このろ液を赤外分光器によりメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cmー1付近の吸収ピ−ク強度を測定し、あらかじめ作成した検量線によりろ液中の試料濃度を算出する。この値より、25℃におけるODCB可溶分を求める。
【0024】
該25℃におけるODCB可溶分は、エチレン(共)重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分の割合を示すものであり、耐熱性の低下や成形品表面のベタツキの原因をなるため少ないことが望ましい。ODCB可溶分の量は、コモノマーの含有量および平均分子量に影響される。従って、これらの指標である密度、MFRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすことは、エチレン(共)重合体全体に含まれているα−オレフィンが遍在していないことを示している。
【0025】
本発明の(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体は、前述したように(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)により求めた溶出温度−溶出量曲線において、図1に示されるようなピークが単数である(共)重合体(A1)と、図2で示されるような、ピークが実質的に複数個存在する共重合体(A2)の両者が包含されるものである。(A2)の(共)重合体において、この複数のピ−クのうち1つは、85℃から100℃の間に存在することが特に好ましい。このピークが存在することにより、成形体の耐熱性が向上するものとなる。
【0026】
本発明にかかわるTREFの測定方法は下記の通りである。試料に耐熱安定剤を加え、ODCBに試料濃度0.05重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入した後、0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温し、各温度において溶液に溶解可能な試料を順次溶出させる。この際、溶剤中の試料濃度はメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cmー1に対する吸収を赤外検出器で連続的に検出される。この濃度から、溶出温度−溶出量曲線を得ることができる。
TREF分析は極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出出来ない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0027】
本発明での前記特定のパラメ−タを満足する(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体の電気的活性化エネルギーは0.4eV以下である必要があり、好ましくは0.3eV以下であり、さらに好ましくは0.25eV以下である。0.4eVを超えると、イオンあるいは電子等の荷電担体の量あるいは移動性が、温度をあげることにより大きく増加することを示している。この値は従来のポリエチレン材料と比較して非常に小さい値であり、本発明のエチレン(共)重合体は、それに含まれる荷電担体の量と移動性が温度の影響を受けにくいという、特殊な構造をもつものと考えられる。
【0028】
活性化エネルギーとは、輸送現象の過程で速度定数の温度変化を表すアレニウスの式に含まれる定数の1つをいい、原系から遷移状態を経て生成系に移る過程で遷移状態と原系の状態とのエネルギー差に相当する。特に電気的活性化エネルギーとは、電流の温度依存性を示すアレニウスの式で用いられる。ここで電気的活性化エネルギーが小さいことは電流の温度依存性が小さいことを示す。
【0029】
本発明における電気的活性化エネルギーの測定方法は、次のとおりである。
電気的活性化エネルギーは、次式(アレニウスの式)より求めることができる。
I∝exp(−U/kT) (式2)
(U:電気的活性化エネルギー、k:ボルツマン定数、T:絶対温度)
上式に、室温(20℃)および90℃での電流値を代入することにより求めることができる。
【0030】
本発明の(A)エチレン(共)重合体のうち(A1)TREF曲線が単一ピ−クを示すエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と必要により助触媒、有機アルミニウム化合物、担体とを含む触媒の存在下にエチレンおよび炭素数3〜20のαーオレフィンとを共重合させることにより得られるものである。
【0031】
前記エチレン(共)重合体を製造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同志が互いに結合して環を形成してもよい。
【0032】
上記炭素数1〜10の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、secーブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2ーエチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のアラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基が好ましい。
置換シクロペンタジエニル基の好適なものとしては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基などが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジエニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適なものとして挙げられる。
【0033】
前記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙げられる。
【0034】
周期律表第IV族の遷移金属化合物においてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基などが挙げられる。
【0035】
これらの具体例としては以下のものがある。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノアルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロライドなどがある。
またモノシクロペンタジエニルチタノセンであるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0036】
置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキル、またペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0037】
ジルコノセン化合物としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジエンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロアルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそれらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペンタジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0038】
さらに他のメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0039】
本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属化合物の例として、下記一般式3で示されるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および遷移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【化1】
Figure 0003558780
式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表し、Zは−O−、−S−、−NR−、−PR−またはOR、SR、NR、PRからなる群から選ばれる2価中性リガンド、YはSiR、CR、SiRSiR、CRCR、CR=CR、SiRCR、BR、BRからなる群から選ばれる2価基を示す。
ただし、Rは水素または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、またはY、ZまたはYとZの双方からの2個またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものである。
Mは周期律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0040】
式3で表される化合物の例としては、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチレンエタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが挙げられる。
【0041】
本発明でいう助触媒としては、前記周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。
本発明において用いられる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0042】
また、触媒は無機または有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−MgO、SiO−Cr等が挙げられる。これらの中でもSiOおよびAlからなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。
【0043】
有機アルミニウム化合物として、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
【0044】
本発明の図2で示される(A2)エチレン(共)重合体の製造は、好ましくは以下のH1〜H5からなる触媒で重合することが望ましい。
H1:一般式Me11 p(OR2q1 4 p-qで表される化合物(式中、Me1はZr、Ti、Hfを示し、R1及びR2は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X1はハロゲン原子を示し、p及びqは各々0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たす整数である)。
H2:一般式Me23 m(OR4n2 z-m-nで表される化合物(式中、Me2は周期律表第I〜III族元素、R3およびR4は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X2はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2が水素原子の場合はMe2は周期律表第III族元素の場合に限る)を示し、zはMe2の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)。
H3:共役二重結合をもつ有機環状化合物。
H4:有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物。
H5:無機担体および/または粒子状ポリマ−担体を相互に接触させて得られる触媒である。
【0045】
以下、さらに詳説する。
上記触媒成分(H1)の一般式Me (OR 4ーp−qで表される化合物の式中、MeはZr、Ti、Hfを示す。これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性の優れるZrが含まれることが特に好ましい。RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。Xはフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。
【0046】
上記触媒成分(H1)の一般式で示される化合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロロジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノクロロジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙げられ、これらを2種以上混合して用いても差し支えない。
【0047】
上記触媒成分(H2)の一般式Me (OR zーm−nで表される化合物の式中、Meは周期律表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等である。RおよびRは各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。Xはフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子または水素原子を示すものである。ただし、Xが水素原子の場合はMeはホウ素、アルミニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合に限るものである。また、zはMeの価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0048】
上記触媒成分(H2)の一般式で示される化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウムなどの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げられる。
【0049】
上記触媒成分(H3)の共役二重結合をもつ有機環状化合物には、環状で共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはアラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれかにシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0050】
上記の好適な化合物としては、シクロペンタジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリールオキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用いられる。
【0051】
環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式で表示することができる。
SiR4−L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0052】
上記成分(H3)の有機環状炭化水素化合物の具体例は、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−インデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのような炭素数7〜24のシクロポリエンまたは置換シクロポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシクロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラン、トリスインデニルシランなどが挙げられる。
【0053】
触媒成分(H4)有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物とは、アルキルアルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムが得られ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個のAl−O−Al結合を含有する。また、変性有機アルミニウム化合物は線状でも環状でもいずれでもよい。
【0054】
有機アルミニウムと水との反応は通常不活性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
【0055】
触媒成分(H5)無機物担体および/または粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al2O、SiO−V、SiO−TiO、SiO−V、SiO−MgO、SiO−Cr等が挙げられる。これらの中でもSiOおよびAlからなる群から選択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好ましい。また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0056】
上記無機物担体および/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物などに接触処理させた後に成分(H5)として用いることもできる。
【0057】
本発明の(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラリ−重合法、溶液重合法等で製造され、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下で製造される。
重合条件は特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜70kg/cmG、好ましくは常圧〜20kg/cmGであり、高圧法の場合通常1500kg/cmG以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に限定されるものではない。
【0058】
本発明の樹脂成分は前記(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分として少なくとも(B)M1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマー、M2:ヒドロキシル基含有モノマー、M3:ニトロ基含有モノマー、M4:ニトリル基含有モノマー、M5:芳香族環含有モノマーの1種より由来するモノマー単位が樹脂成分1gあたりモノマー単位5×10ー7〜5×10−3mol存在するか、あるいはM6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマーにより、炭素数1000個あたり0.8個以上のエチレン結合が存在するかのいずれかが必要がある。
【0059】
前記M1:カルボニル基およびカルボニル基誘導体含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸から誘導される不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステルから誘導される不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル単量体等を挙げることができる。
不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類を挙げることができる。不飽和カルボン酸エステルの具体的な例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の不飽和カルボン酸エステル類を挙げることができる。
【0060】
ビニルエステルの具体的な例としては、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニル等を挙げることができる。この中でも酢酸ビニルが好ましい。
【0061】
カルボニル基誘導体含有モノマーである酸無水物基含有モノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ハイミック酸、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、ジフェニル無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ジクロロ無水マレイン酸、フルオロ無水マレイン酸、ジフルオロ無水マレイン酸、ブロモ無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に好ましいものとして無水マレイン酸を挙げることができる。
【0062】
他のモノマーの例としては、一酸化炭素、メチルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、t−ブチルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、メチルプロペニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、シクロヘキシルビニルケトン等を挙げることができる。
【0063】
M2:ヒドロキシル基含有モノマーとしては、ビニルアルコール、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト等が挙げることができる。
【0064】
M3:ニトロ基含有モノマーとしては、2,4−ジニトロフェニルアクリレート、2−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、p−ニトロフェニルメタクリレート、m−ニトロフェニルメタクリレート、2,4−ジニトロフェニルメタクリレート、2,4,6−トリニトロフェニルメタクリレート等を挙げることができる
【0065】
M4:ニトリル基含有モノマーとしては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、ビニリデンシアニド、シナモニトリル、クロトノニトリル、α−フェニルクロトノニトリル、フマロニトリル、アリルアセトニトリル、2−ブテンニトリル、3−ブテンニトリル等を挙げることができる。
【0066】
M5:芳香族環含有モノマーとしては、単環もしくは多環の芳香族環を含む化合物であってエチレン結合を有するモノマーをいう。
該芳香族環含有モノマーは、好ましくは1〜3環を有する芳香族化合物で、具体的には、スチレンまたはその誘導体、アリルベンゼン、アリルビフェニル、メチルスチレン、安息香酸アリル、ビニルナフタレン、4−フェニル−1−ブテン、メタクリル酸ベンジル、1,1−ジフェニルエチレン、1−フェニル−1−トリルエチレン、1−フェニル−1−スチリルエタン、1−トリル−1−スチリルエタン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
本発明においてはその中でも、スチレンが電気的性能が良好で経済的であることから好ましい。
【0067】
これらM1〜M5のモノマーの量は、樹脂組成物1gあたり5×10−7〜5×10−3mol、好ましくは1×10ー6〜1×10−4molの範囲にあることが肝要である。特にM1〜M4のモノマーの場合は5×10−7mol未満であれば体積抵抗の改善効果が発揮されず、M5のモノマーの場合には絶縁破壊強度の改善効果が発揮されない。また、5×10−3molを超えると成形加工性が悪化し、また体積抵抗も低下するため好ましくない。
【0068】
前記モノマーM1〜M5の樹脂成分への導入方法は具体的には、以下の(C)あるいは(D)で示された方法により行われる。
(C):C1〜C3から選択された少なくとも1種の成分を樹脂成分とするか、あるいは樹脂成分に配合して用いる。
(C1)(A)成分である特定のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、
(C2)オレフィン系重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、
(C3)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、
(D):D1〜D6から選択された少なくとも1種の成分を樹脂成分に配合して用いる。
(D1)芳香族環を含有する重合体、
(D2)エチレン又はエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマー及び該M5:芳香族環含有モノマーとのランダム共重合体、
(D3)芳香族環を含有するエチレン系重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、
(D4)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体を該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、
(D5)(A)成分である特定のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、
(D6)(A)成分である特定のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体
【0069】
上記(C1)(A)成分である特定のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を該M1〜M4の少なくとも1種の官能基含有モノマーで変性したグラフト(共)重合体の具体例としては、無水マレイン酸、アクリル酸でグラフト変性した(A)特定のエチレン(共)重合体が挙げられる。
【0070】
上記(C2)オレフィン系重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフトオレフィン系重合体、(C3)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体の具体例としては、アクリル酸または無水マレイン酸で変性した線状低密度ポリエチレン、アクリル酸または無水マレイン酸で変性した高・中密度ポリエチレン、エチレンとアクリル酸または無水マレイン酸の共重合体、エチレンと一酸化炭素の共重合体、エチレン−メチルビニルケトン共重合体、エチレン−エチルビニルケトン共重合体、エチレン−メチルイソプロペニルケトン共重合体、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト共重合体、エチレン−2−ニトロスチレン共重合体、エチレン−m−ニトロスチレン共重合体、エチレン−p−ニトロフェニルメタクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリロニトリル共重合体、エチレン−アリルアセトニトリル共重合体、スチレンで変性した高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0071】
上記(D1)成分の芳香族環を含有する重合体とは、単環もしくは多環の芳香族環を含むモノマーからなる単独重合体、オレフィンとの共重合体あるいは官能基含有モノマーとの共重合体である。
該芳香族環含有モノマーは、好ましくは1〜3環を有する芳香族化合物で、具体的には、スチレンまたはその誘導体、アリルベンゼン、アリルビフェニル、メチルスチレン、安息香酸アリル、ビニルナフタレン、4−フェニル−1−ブテン、メタクリル酸ベンジル、1,1−ジフェニルエチレン、1−フェニル−1−トリルエチレン、1−フェニル−1−スチリルエタン、1−トリル−1−スチリルエタン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
芳香族環を含有する重合体の中では、ポリスチレン、エチレン−スチレンランダム共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体が最も好ましい。
【0072】
上記(D2)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5:芳香族環含有モノマーとのランダム共重合体の具体例としては、エチレン−スチレン−無水マレイン酸ランダム共重合体、エチレン−アリルベンゼン共重合体が挙げられる。
スチレン誘導体を含むモノマーの少なくとも一つとエチレンとの共重合体の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−α−メチルスチレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−スチレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−αメチルスチレン共重合体等を挙げることができる。
【0073】
上記(D3)芳香族環を含有するエチレン系重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体の具体例としては、無水マレイン酸変性エチレン−スチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−メタクリル酸ベンジル共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−アリルスチレン共重合体が挙げられる。
【0074】
上記(D4)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体を該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体の具体例としては、スチレン変性エチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
【0075】
上記(D5)(A)成分である特定のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体の具体例としては、スチレン変性した(A)特定エチレン(共)重合体が挙げられる。
【0076】
上記(D6)(A)成分である特定のエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマー及び該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体の具体例としては、無水マレイン酸及びスチレンで変性した(A)特定エチレン(共)重合体が挙げられる。
【0077】
本発明において、(D1)芳香族環を含有する重合体、(D2)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5:芳香族環含有モノマーとのランダム共重合体、(D3)芳香族環を含有するエチレン系重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、(D4)エチレンあるいはエチレンと他のオレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体を該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D5)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D6)(A)特定のエチレン(共)重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5:芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、から選択された少なくとも1種の(D)成分の配合量は、該組成物中の該芳香族環含有モノマーの量が樹脂組成物1gあたり5×10−7〜5×10−3mol、好ましくは1×10−6〜1×10−4molの範囲にあるように調整される。該モノマーの濃度が5×10−7mol未満の場合には絶縁破壊強度の改善効果が発揮されない。
【0078】
本発明のM6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマーの樹脂成分への導入方法は、以下の(E1)〜(E5)で示される1種の成分のいずれかを樹脂成分に混合する。
(E)E1〜E5から選択された少なくとも1種の成分
(E1)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体もしくはエチレンとの共重合体
(E2)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体もしくはエチレンとの共重合体を前記のM1〜M5の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、
(E3)エチレン結合2個以上を含有するモノマーと前記のM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、
(E4)エチレン結合2個以上を含有するモノマーとエチレンと前記のM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、
(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物、
【0079】
前記(E1)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体もしくはエチレンとの共重合体は、重合後エチレン結合が十分に存在することが必要である。該エチレン結合が存在することにより架橋処理を行う際に架橋効率が向上して架橋特性を十分に発揮できるものである。前記(E1)成分は平均分子量1000〜200000の液状・オリゴマ−からポリマ−等が使用できる。
【0080】
前記(E1)成分の第1であるエチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体としては、炭素数4〜10個までのジエン重合体である。該ジエンはエチレン結合が重合に関与する限り、環状、直鎖状のいずれでもよい。これらの中でも平均分子量1000〜200000程度のブタジエンオリゴマ−もしくはポリブタジエンが架橋後の電気絶縁性能と架橋効率が優れる点で最も好ましい。
該化合物を具体的に述べれば、ジエンとしては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、3−(2−プロペニル)−シクロペンテン、2−(シクロペンチル)−1,3−ブタジエンなどがあげられる。また、ジエンから重合されるトリエン、テトラエンを使用することも可能である。上記の内でも特に、架橋特性に優れることから1,3−ブタジエンの単独重合体が好ましく用いられる。
【0081】
前記(E1)成分の第2であるエチレンとエチレン結合2個以上を含有するモノマーとのランダム共重合体の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸アリル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの共重合体は2種以上を混合して使用してもよい。
【0082】
本発明の(E2)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体もしくはエチレンとの共重合体を前述したM1〜M5の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、(E3)エチレン結合2個以上を含有するモノマーと前述したM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、(E4)エチレン結合2個以上を含有するモノマーとエチレンと前述したM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体の具体例としては、アクリル酸または無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性エチレン−(メタ)アクリル酸アリル共重合体、無水マレイン酸変性エチレン−(メタ)アクリル酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの内では、無水マレイン酸変性液状ポリブタジエンが好ましい。
【0083】
本発明の(E5)成分であるエチレン結合2個以上を有する化合物の具体例としては、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト等に代表される多官能性メタクリレ−トモノマー類、トリアリルイソシアヌレ−ト、ジアリルフタレ−ト、ビニルブチラ−ト等に代表される多官能性ビニルモノマー類、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−エチレンビスマレイミドに代表されるビスマレイミド類、P−キノンジオキシム等のジオキシム類、ジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン−3−イン、ヘキサトリエン、ジビニルエ−テル、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物、アリルスチレン、2,6−ジアクリルフェノ−ル、ジアリルカルビノ−ルなどのジアリル化合物などが挙げられる。
【0084】
本発明において、(E1)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体もしくはエチレンとの共重合体、(E2)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体もしくはエチレンとの共重合体を前述したM1〜M5の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、(E3)エチレン結合2個以上を含有するモノマーと前述したM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、(E4)エチレン結合2個以上を含有するモノマーとエチレンと前述したM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物から選択された少なくとも1種のM6成分の配合量は、該樹脂組成物中の架橋前に存在するエチレン結合数が炭素数1000個あたり0.8個以上であるように調整される。該エチレン結合数は炭素数1000個あたり0.8〜4.0個の範囲であることが望ましい。これらエチレン結合は例えば高圧法低密度ポリエチレンなどではM6を配合しなくても一般的にかなりの数が存在している。従ってこれらのエチレン結合数はこれらの合計した数である。
【0085】
前記エチレン結合は架橋処理をする際に、架橋点として作用して架橋効率を改善する。また架橋の際、架橋剤の分解残さを主鎖中に取り込む。樹脂成分中に浮遊する架橋残さは熱と電界によりイオン分解し、電荷となり体積抵抗を低下させる要因となることから、この架橋残さを主鎖中に取り込むことでこれを妨げ体積抵抗を改善させる作用がある。
【0086】
前記エチレン結合が炭素数1000個あたり0.8未満である場合は架橋効率が向上せず、4.0個を超える場合は架橋が過度となり機械特性の悪化や加工性の低下をきたす。
また、これらのエチレン結合の中では、特に末端ビニル数が0.5〜3.0個の範囲であると架橋効率が上がり特に望ましい。
【0087】
前記(B)成分を導入するに当たり、グラフト変性(共)重合体を用いる場合のグラフト変性(共)重合体の製造方法は、該(共)重合体をラジカル開始剤の存在下に反応モノマーを押出機内で反応させる溶融法、あるいは溶液中で反応させる溶液法等でグラフト変性するものである。
【0088】
該ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、ジヒドロ芳香族、ジクミル化合物等が挙げられる。
前記有機過酸化物としては、例えば、ヒドロパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、t−ブチルクミルパ−オキサイド、ジアルキル(アリル)パ−オキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパ−オキサイド、ジプロピオニルパ−オキサイド、ジオクタノイルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド、パ−オキシ琥珀酸、パ−オキシケタ−ル、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、t−ブチルオキシアセテ−ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト等が好適に用いられる。
【0089】
ジヒドロ芳香族としては、ヒドロキノリンまたはその誘導体、ジヒドロフラン、1,2−ジヒドロベンゼン、1,2−ジヒドロナフタレン、9,10−ジヒドロフェナントレン等が挙げられる。
【0090】
ジクミル化合物としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジ(p−メチルフェニル)ブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジ(ブロモフェニル)ブタン等が例示され、特に2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンが好ましく用いられる。
【0091】
前記(A’)成分の他のポリオレフィンとは、前記特定の条件を満足する(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体とは異なるポリオレフィンであり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレンープロピレン共重合体ゴム(EPR)等が挙げられるが、中でも高圧ラジカル重合によるエチレン(共)重合体あるいは高・中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンあるいはこれらを2種以上配合したものが特に好ましい。
【0092】
前記の高圧ラジカル重合法によるエチレン(共)重合体とは、高圧ラジカル重合法による密度0.91〜0.94g/cmのエチレン単独重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・α、β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・不飽和不飽和ジカルボン酸、またはその無水物との共重合体、エチレン・α、β−不飽和カルボン酸エステル・不飽和ジカルボン酸、またはその無水物との共重合体等が挙げられる。
上記高圧ラジカル重合法による密度0.91〜0.94g/cmのエチレン単独重合体とは、公知の高圧法による低密度ポリエチレンである。
上記エチレン・ビニルエステル共重合体は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステルモノマーとの共重合体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体を挙げることができる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、酢酸ビニル0.5〜50重量%からなる共重合体が好ましい。
上記エチレン・α、β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・不飽和不飽和ジカルボン酸、またはその無水物との共重合体およびエチレン・α、β−不飽和カルボン酸エステル・不飽和ジカルボン酸またはその無水物との共重合体として高圧ラジカル重合法で製造されるエチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル・無水マレイン酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル・無水マレイン酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、(メタ)アクリル酸エステル0.5〜50重量%からなる共重合体が好ましい。
【0093】
前記高中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンとは密度が0.86〜0.97g/cmのエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体とは、チグラ−系、フィリップス型またはカミンスキ−系触媒を用い高中低圧法およびその他の公知の方法により得られるエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である。
重合に用いられる具体的なα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、とくに好ましいのは1−ブテンである。
エチレン共重合体中のα−オレフィン含有量は40mol%以下であることが好ましい。
【0094】
本発明の好ましい具体的な組合せ例を以下に示す。
〈1〉第1の好ましい例は、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には、無水マレイン酸変性(A)特定エチレン(共)重合体の組成物が挙げられる。
【0095】
〈2〉第2の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)(A’)他のポリオレフィンを該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体と、(C21)(A’)他のポリオレフィンを該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物である。
具体的には(A)特定のエチレン(共)重合体、無水マレイン酸変性(A)特定エチレン(共)重合体と、無水マレイン酸変性(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物、(A)特定のエチレン(共)重合体と無水マレイン酸変性(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物が挙げられる。
【0096】
〈3〉第3の好ましい例は、(A’)他のポリオレフィンと、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には、(A’)高圧法低密度ポリエチレンと無水マレイン酸で変性した(A)特定のエチレン(共)重合体の組成物が挙げられる。
【0097】
〈4〉第4の好ましい例は、(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィンと、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A1)エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(A)特定エチレン(共)重合体と、無水マレイン酸変性(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物、および(A1)エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレンと、無水マレイン酸変性(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物が挙げられる。
【0098】
〈5〉第5の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体と、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体をM1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には、(A)特定エチレン重合体と無水マレイン酸変性液状ポリブタジエンの組成物が挙げられる。
【0099】
〈6〉第6の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィンと、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体をM1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレンと、無水マレイン酸変性液状ポリブタジエンの組成物が挙げられる。
【0100】
〈7〉第7の好ましい例は、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(E11)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体の組成物であり、具体的には無水マレイン酸で変性した(A)特定エチレン(共)重合体と液状ポリブタジエンの組成物が挙げられる。
【0101】
〈8〉第8の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン、無水マレイン酸で変性した(A)特定エチレン(共)重合体と、無水マレイン酸で変性した(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、無水マレイン酸変性液状ポリブタジエンと、無水マレイン酸で変性した(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物が挙げられる。
【0102】
〈9〉第9の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレン、無水マレイン酸で変性した液状ポリブタジエン、無水マレイン酸で変性した(A)特定エチレン(共)重合体と、無水マレイン酸で変性した(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレン、無水マレイン酸で変性した液状ポリブタジエンと、無水マレイン酸で変性した(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物が挙げられる。
【0103】
〈10〉第10の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物および、(A)特定エチレン(共)重合体、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸で変性した(A)特定エチレン(共)重合体と、無水マレイン酸変性高圧法低密度ポリエチレンの組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、ジビニルベンゼンと、無水マレイン酸変性高圧法低密度ポリエチレンの組成物が挙げられる。
【0104】
〈11〉第11の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物からなる組成物、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物からなる組成物と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレン、ジビニルベンゼンと、(C11)無水マレイン酸で変性した(A)特定エチレン(共)重合体と、無水マレイン酸で変性した(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、(A’)高圧法低密度ポリエチレン、ジビニルベンゼンと、無水マレイン酸で変性した(A’)高圧法低密度ポリエチレンの組成物が挙げられる。
【0105】
〈12〉第12の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体と(D1)芳香族環を含有する重合体の組成物であり、具体的には、(A)特定エチレン(共)重合体と(D1)エチレン−スチレンランダム共重合体の組成物が挙げられる。
【0106】
〈13〉第13の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(D1)芳香族環を含有する重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、無水マレイン酸変性液状ポリブタジエンとエチレン−スチレンランダム共重合体の組成物が挙げられる。
【0107】
〈14〉第14の好ましい例は、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D1)芳香族環を含有する重合体、あるいはさらに、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には無水マレイン酸で変性した(A)特定エチレン(共)重合体とエチレン−スチレンランダム共重合体の組成物が挙げられる。
【0108】
〈15〉第15の好ましい例は、(A)特定エチレン(共)重合体、(D1)芳香族環を含有する重合体と(D31)芳香族環を含有するオレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には(A)特定エチレン(共)重合体、エチレン−スチレンランダム共重合体と無水マレイン酸変性エチレン−スチレン共重合体の組成物が挙げられる。
【0109】
本発明においては、電気絶縁材料として使用する場合においては上記樹脂組成物をそのまま用いても差し支えないが、特に耐熱性やより高い機械的強度を要求される場合には、架橋して用いることが望ましい。該架橋の方法は、特に限定されるものではなく、有機過酸化物等のラジカル発生剤の存在下で加熱したり、電子線架橋、シラン架橋等で行うことができるが、経済的に安価であることから有機過酸化物等のラジカル発生剤による方法が好ましい。この際に前記エチレン結合が樹脂成分中に存在していると架橋効率が上がり特に好ましいものである。
【0110】
該ラジカル発生剤としてはベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アゾビスイソブチロニトリル等の過酸化物、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジ(p−メチルフェニル)ブタン、2,3−ジエチル−2,3−ジ(ブロモフェニル)ブタン等が挙げられる。
これらの内でもジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシンなどを使用するのがよい。
上記、架橋剤は組成物の合計100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲で使用される。
【0111】
上記架橋においては、前記の(E1)〜(E5)から選ばれる少なくとも1種を所定量樹脂成分に配合した後、前記ラジカル発生剤を用いて架橋することが極めて効果的であり、架橋することによって前記耐熱性や高い機械的強度以外に体積抵抗等の電気絶縁性能も向上する。
上記架橋剤としては前記のモノマー(M1)〜(M5)を樹脂成分にグラフト変性する際に用いられるラジカル発生剤と同様のものが使用できる。この場合は、モノマー(M1)〜(M5)の少なくとも1種と(E1)〜(E5)から選ばれる少なくとも1種を樹脂成分に同時に配合し、ラジカル発生剤の存在下に加熱混合し、グラフトと同時に架橋処理を行うことも可能である。
【0112】
本発明の電気絶縁材料用樹脂組成物には、必要に応じて無機フィラ−、有機フィラ−、酸化防止剤、滑剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防止剤、光安定剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、核剤、顔料等を添加してもよい。
【0113】
本発明の電気絶縁材料用樹脂組成物は電線・ケ−ブル、コンデンサ−の絶縁材、X線発生装置等の高電圧部分の絶縁、配電用コ−ドなどの電気絶縁材料に使用される。
【0114】
本発明の電線・ケ−ブルは、前記電気絶縁材料用樹脂組成物または該樹脂組成物を架橋した絶縁層で構成された電線・ケ−ブルである。
上記電線・ケ−ブルの具体例としては、少なくとも導体を本発明の電気絶縁材料用樹脂組成物で被覆し絶縁層を構成した電線・ケ−ブルであり、必要に応じて、導体部分を集合線にしたり、導体と絶縁層の間に半導電層を設けることや、絶縁層の外部に難燃性の樹脂層を構成したりすることができる。
また、銅製の集合線からなるワイヤ−に導電性炭素または金属粉を加えた樹脂組成物を被覆して半導電層とし、その上に本発明の電気絶縁材料用樹脂組成物を被覆し絶縁層を構成し、更にそのうえに金属シ−トで被覆または半導電層を設け、最外部に難燃性樹脂や鼠忌避性樹脂を被覆してなるケ−ブル、銅製の単線に炭素または金属粉を加えた樹脂組成物を被覆して半導電層とし、その上に本発明の電気絶縁材料用樹脂組成物を被覆し絶縁層を構成し、更にそのうえに金属フィルム層を設け、かかる銅線被覆体を数本〜数十本組み合わせ最外部に難燃性樹脂や鼠忌避性樹脂を被覆してなるケ−ブル等が挙げられるが、本発明の電気絶縁材料用樹脂組成物は高圧の電気に対して特に効果が著しく、大容量ケ−ブル、直流ケ−ブルとして好適に使用される。
【0115】
本発明は、(A)特定のエチレン(共)重合体を含む組成物中に、エチレン結合および/または特定の官能基あるいは芳香族環含有モノマーを有する電気絶縁材料用樹脂組成物である。
該特定のエチレン(共)重合体を含むことにより体積抵抗の温度依存性を小さくすることが可能となる。
さらに該官能基は、トラップサイトとして作用し電荷の移動を妨げるため、これにより体積抵抗の向上をもたらすことが可能となる。
また芳香族環は、高エネルギーの電子を取り込み、電子のエネルギーを熱として放散させ、低エネルギーの電子として放出する効果(電子エネルギー吸収効果)を有する。これにより絶縁破壊のトリガ−となる電子のエネルギーを低下させ、絶縁破壊強度を向上させる。
エチレン結合は、架橋点として作用し架橋効率を改善する。また架橋の際、架橋剤の分解残渣を主鎖中に取り込む。バルク中に浮遊する架橋残渣は熱と電界によりイオン分解し、電荷となり体積抵抗を低下させる要因となることから、この架橋残渣を主鎖中に取り込むことでこれを妨げ体積抵抗を上昇させることができる。
これら効果を利用することで体積抵抗、破壊強度の向上、および架橋後の電気特性の悪化を妨げるばかりか、架橋前より飛躍的に体積抵抗、絶縁破壊強度を改善できるようになった。
【0116】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
後述する各種の材料について、電気特性、即ち、体積抵抗、インパルス破壊電界、水トリーについて試験した。
【0117】
(体積抵抗測定用試料の作製)
体積抵抗を測定する為の試料を次のようにして作製した。
ブレンド物はプラストミルで160℃、5分間練って作製した。ホットプレス加工により厚さ0.3mmのシ−トに成形した。
・未架橋試料はアルミシ−トに試料を挟み以下の条件で成形した。
1)試料を140℃で5分間予熱。
2)140℃、100kg/cmで5分間加圧。
3)加圧下で140℃から30℃まで5分間で冷却。
・架橋試料は以下の2種類のパ−オキサイドを用いて作製した。
▲1▼架橋剤をジクミルパ−オキサイド(DCPと略記)とした場合
・架橋試料はあらかじめ120℃で試料100重量部に対しDCP2重量部を練り込んだ試料をテフロンシ−トに挟み以下の条件で成形した。
1)試料を120℃で5分間予熱。
2)120℃、100kg/cmで5分間加圧。
3)加圧下で120℃から30℃まで5分間で冷却、この時点でボイドを含んだ試料は除外する。
4)再び120℃で5分間予熱。
5)120℃、100kg/cmで5分間加圧。
6)加圧下で120℃から160℃まで昇温。
7)160℃、加圧下で30分間架橋。
8)加圧下で160℃から30℃まで5分間で冷却。
▲2▼架橋剤を2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン(PHと略記)とした場合
140℃で試料100重量部に対しPH1重量部を練り込んだ試料をテフロンシ−トに挟み以下の条件で成形した。
1)試料を140℃で5分間予熱。
2)140℃、100kg/cmで5分間加圧。
3)加圧下で140℃から30℃まで5分間で冷却、この時点でボイドを含んだ試料は除外する。
4)再び140℃で5分間予熱。
5)140℃、100kg/cmで5分間加圧。
6)加圧下で140℃から180℃まで昇温。
7)180℃、加圧下で30分間架橋。
8)加圧下で180℃から30℃まで5分間で冷却。
【0118】
(体積抵抗測定)
上記製造した各試料についての体積抵抗測定に使用した電極系は図3,4に示すようなもので、試料3の片側に、電流計と接続された円形の主電極1と、その主電極1の周囲に主電極1と離間した環状のガード電極2を設け、試料3の他方の側に、高圧電源と接続された高圧電極4を設けたものである。
各電極材料は、ステンレス鋼板であり試料3と接触する面はバフ研磨器により鏡面仕上げとした。
測定は、室温および90℃の窒素雰囲気下において行った。また測定は、試料を電極系に設置し、上、下電極間を5分間短絡し試料3表面に帯電した電荷を除去した後に行った。90℃で測定したものは、試料中が均一に90℃になるように7分間短絡した。
印加電圧は、電池による直流3300Vとした。測定器は、振動容量型電流計(アドバンテスト製 TR8411)を用いた。測定器と電極を結ぶケ−ブルは、パイプケ−ブルを用い、外来ノイズの除去を図った。この測定系では、室温で3×1017Ω、90℃で3×1016Ωまで安定して測定できた。試料3の厚さは、約0.3mmであり試料ごとに小数以下2桁まで測定して用いた。有効電極面積は19.6cmである。電流−時間特性の調査から、電圧印加後、吸収電流による電流減少がなくなり、安定して電流が測定できるのは10分後とした。よって、電圧印加10分後の電流値を測定値とするが、電流が10分を経過しても安定しない場合は、2分程度は安定するのを待ち測定し、それ以上のものは、測定から除去した。測定から得られた電流値をもとに体積抵抗を求めた。測定は10回行い、その平均値をデータとした。
【0119】
(破壊電圧測定)
破壊電圧測定には、図5に示す固定電極、いわゆるマッケオン電極を使用した。即ち、ポリメチルメタクリレート製の基板5の中央部に穿設された直径1/2インチの孔の中に直径が1/2インチのステンレス球からなる球型電極6,6を配置し、その球型電極6,6の間に、厚さ50μmで約8〜10mm角に切った試料7を挟んだ。試料7と電極6,6の周囲には脱気したエポキシ樹脂8を充填し硬化させた。
このようなマッケオン電極をシリコンオイルで満たされた容器に浸し、これを恒温槽にいれて90℃で測定をおこなった。破壊に用いた電圧波形は負極性、1.2/50μsのインパルス波形で、波形をオシロスコ−プで観察し、波頭で破壊したものをデ−タとして採用し、20点以上の平均値を取った。
【0120】
(水トリー測定)
水トリーの測定は図6に示すような装置を用いて行なった。すなわち、底部を試料9で構成した容器10を作製し、その容器10を接地電極12と接続された導電板11上に載置すると共に、各容器10内に水を容れた。そして、各容器10内の水に印加電極13を浸漬して電圧を印加することにより行なった。試験は、室温で30日間、10kV、10kHzの電圧とした。
印加終了後、水トリーについて染色して顕微鏡で観察し、評価した。表9〜15,17において、評価結果を次のように示した。
めだつもの :×
ややめだつもの :△
めだたないもの :○
【0121】
「材料」
(試料A1−3の重合)
(1)触媒の調製
窒素下で電磁誘導攪拌器付き500ml ナス型フラスコに精製トルエン150mlを加え、ついでビスインデニルジルコニウムジメチルのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)2.5mlとメチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)200mlを加え室温で1時間反応させた。次に、窒素下で攪拌機付1.5l三つ口フラスコに予め600℃で5時間焼成したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m/g)50gを加えたのち、前記溶液の全量を添加し、室温で時間攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性のよい粉末を得た。
【0122】
(2)重合
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cmGでエチレンとブテン−1の共重合を行った。系内のガス組成はブテン−1/エチレン モル比0.08、エチレン濃度60mol%とした。前記触媒を連続的に供給し系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。MFRの調製は系内の水素濃度を調製することにより行った。生成した重合体の物性を表1に示す。
【0123】
(試料A1−4の重合)
(1)触媒の調製
窒素下で電磁誘導攪拌器付き500ml ナス型フラスコに精製トルエン150mlを加え、ついでビスインデニルジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)2.5mlとメチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)180mlを加え室温で1時間反応させた。次に、窒素下で攪拌機付1.5l三つ口フラスコに予め600℃で5時間焼成したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m/g)50gを加えた後、前記溶液の全量を添加し、室温で時間攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性のよい粉末を得た。
【0124】
(2)重合
試料A1−3と同様の条件で重合を行なった。生成した重合体の物性を表1に示す。
【0125】
(試料A2−1の重合)
(1)触媒の調製
窒素下で電磁誘導攪拌器付き500ml ナス型フラスコに精製トルエン150mlを加え、ついでテトラプロポキシジルコニウム(Zr(On−Pr))0.60gとインデン1.0gを加え、室温下30分攪拌後、0℃に系を保持してトリイソブチルアルミニウム(AliBu)の3.2gを30分かけて滴下し、滴下終了後、系を室温にして24時間攪拌した。次にこの溶液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)200mlを加え室温で1時間反応させた。
別に、窒素下で攪拌機付1.5l三つ口フラスコに予め600℃で5時間焼成したシリカ(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300m/g)50gを加え、前記溶液の全量を添加し、室温で2時間攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性のよい粉末を得た。
【0126】
(2)重合
連続式の流動床気相法重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cmGでエチレンとブテン−1の共重合を行った。系内のガス組成はブテン−1/エチレン モル比0.08、エチレン濃度60mol%とした。前記触媒を連続的に供給し系内のガス組成を一定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行った。MFRの調製は系内の水素濃度を調製することにより行った。生成した重合体の物性を表1に示す。
【0127】
(試料A2−2の重合)
(A2−2)は、コモノマーを1−ヘキセンとして(A2−1)と同様の操作をおこなって重合した。共重合体の物性は表1に示した。
【0128】
(A’)成分:他のポリオレフィン
A’−1:高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LD)
[密度=0.919g/cm MI=1.0g/10min
商品名:ジェイレクスLD W2000、日本ポリオレフィン(株)製]
A’−2:線状低密度ポリエチレン(LL)
[密度=0.921g/cm MI=1.0g/10min
商品名:ジェイレクスLL AF3280、日本ポリオレフィン(株)製]
A’−3:ポリプロピレン(PP)
[密度=0.905g/cm MI=1.5g/10min
商品名:ジェイアロマ F120K、日本ポリオレフィン(株)製]
【0129】
【表1】
Figure 0003558780
【0130】
(C)成分
C1−1:無水マレイン酸変性エチレン(共)重合体
[試料A2−1の100重量部に対し無水マレイン酸0.75重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ−オキサイド)0.05重量部をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸押出機で230℃で反応をおこなった。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は 2.8×10−5molであった。]
C1−2:無水マレイン酸変性エチレン(共)重合体
[上記の方法と同様に試料A1−3に無水マレイン酸を反応させた。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は2.8×10−5molであった。]
C1−3:アクリル酸変性エチレン(共)重合体
[試料A2−1にアクリル酸およびジクミルパーオキサイドを配合した後、押出機を用い200℃で反応をおこし作製した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、アクリル酸含有量は3.7×10−6molであった。]
C2−1:無水マレイン酸変性高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
[試料A’1−1100重量部に対し無水マレイン酸0.75重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ−オキサイド)0.05重量部をヘンシェルミキサ−で予備混合した後、二軸押出機で230℃で反応をおこなった。赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は2.7×10−5molであった。]
C2−2:アクリル酸変性高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
[試料A’−1にアクリル酸およびジクミルパーオキサイドを配合した後、押出機を用い200℃で反応をおこし作製した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、アクリル酸含有量は3.4×10−6molであった。]
C3−1:エチレン−無水マレイン酸ランダム共重合体
[窒素置換された内容量3.8lの攪拌機付きオ−トクレ−ブ内に、n−ヘキサン380g、無水マレイン酸アセトン溶液11g(無水マレイン酸として0.11g)、および重合開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキサイド)を加え、ついでエチレンを1700g仕込んだ後、1600kgf/cm、温度190℃、重合時間1時間で重合させた。この重合によってエチレン−無水マレイン酸共重合体を得た。赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は1.6×10−3molであった。]
C3−2:エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体
[エチレンとビニルエステルを共重合させた後、加水分解し作製したエチレンビニルアルコ−ル共重合体。赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、アルコール基含有量は2.4×10−4molであった。]
C3−3:エチレン−ニトロスチレン共重合体
[上記と同様の方法で作製した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、ニトロ基含有量は2.4×10−4molであった。]
C3−4:エチレン−アクリロニトリル共重合体)
[上記と同様の方法で作製した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、ニトリル基含有量は2.3×10−4molであった。]
【0131】
(D)成分
D1−1:エチレン−スチレンランダム共重合体
[高圧ラジカル重合法により作製した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、スチレン含有量は1.6×10−3molであった。]
D1−2:ポリスチレン
D2−1:エチレン−スチレン−無水マレイン酸ランダム共重合体
[攪拌機付きオ−トクレ−ブ内に、スチレンモノマー、無水マレイン酸を導入し、エチレンを仕込んだ後で重合させた。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、スチレン含有量
1.2×10−3mol、無水マレイン酸含有量1.1×10−3molであった。]
D3−1:無水マレイン酸変性エチレン−スチレン共重合体
[高圧ラジカル重合法により製造したエチレン−スチレン共重合体にジクミルパ−オキサイドを使用し無水マレイン酸を反応させた。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、スチレン含有量1.5×10−3mol、無水マレイン酸含有量2.0×10−5molであった。]
D4−1:スチレン変性エチレン−無水マレイン酸ランダム共重合体
[高圧ラジカル重合法により製造したエチレン−無水マレイン酸重合体にジクミルパ−オキサイドを使用しスチレンを反応させた。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、スチレン含有量1.5×10−3mol、無水マレイン酸含有量1.6×10−3molであった。]
D5−1:スチレン変性エチレン(共)重合体
[試料A2−1にジクミルパ−オキサイドを使用してスチレンを反応させた。赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、スチレン含有量は 1.2×10−3molであった。]
D6−1:スチレン、無水マレイン酸変性エチレン(共)重合体
[試料A2−1にジクミルパ−オキサイドを使用してスチレン、無水マレイン酸を反応させた。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、スチレン含有量は
6.9×10−4mol、無水マレイン酸含有量1.9×10−5molであった。]
【0132】
(E)成分
E1−1:液状ポリブタジエン
[平均分子量3000 比重0.89g/cm、商品名:日石ポリブタジエンB−3000、日本石油化学(株)製]
E1−2:ブタジエン樹脂
[比重0 .89g/cm、商品名:JSR RB820、日本合成ゴム(株)製]
E1−3:液状ポリイソプレン
[平均分子量29000 740ポイズ/38℃、商品名:クラプレン LIR−30、クラレ(株)製]
E2−1:無水マレイン酸変性液状ポリブタジエン
[平均分子量2000 比重0.89g/cm、赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は1.4×10−3molであった。
商品名:日石ポリブタジエンM−2000、日本石油化学(株)製]
E2−2:アクリル酸変性液状ポリブタジエン
[平均分子量2000 比重0.91g/cm、赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、アクリル酸含有量は2.2×10−4molであった。
商品名:日石ポリブタジエンMAC−2000、日本石油化学(株)製]
E2−3:無水マレイン酸変性ブタジエン樹脂
[一軸押出機中で加熱変性した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含量は3.4×10−4molであった。]
E2−4:無水マレイン酸変性液状ポリイソプレン
[オ−トクレ−ブ中で加熱変性した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は2.9×10−4molであった。]
E3−1:無水マレイン酸変性ブタジエン共重合体
[オ−トクレ−ブ中で加熱変性した。
赤外分光分析で調べた結果、重合体1g中、無水マレイン酸含有量は9.0×10−5molであった。]
E4−1:エチレンとビニルエステルを共重合させた後、加水分解し作製したエチレンビニルアルコ−ル共重合体(1g中アルコ−ル残基1.1×10−3mol)とポリブタジエン(E1−2)との混合物。
E5−1:ジビニルベンゼン
【0133】
「実施例1〜79」「比較例1〜15」
(A)成分、(C)成分、(D)成分および(E)成分から選択された成分を表2〜8、16に示す割合で用い、必要により架橋を施した。
【0134】
〈1〉実施例1〜3は第1の好ましい例として前述した(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、具体的には試料C1−1、C1−2、C1−3である。
測定結果を表9に示す。体積抵抗、耐水トリー性が改善している。
【0135】
〈2〉実施例4〜16は、第2の好ましい例として前述した、(A)特定エチレン(共)重合体、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)(A’)他のポリオレフィンを該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体と、(C21)(A’)他のポリオレフィンを該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、具体的には試料A2-1、A2-2、C1-1〜C1-3、C2-1、C2-2を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表9,10中に示す。
〈2〉’また実施例17〜21は、(A)特定エチレン(共)重合体と(C3)オレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体からなる組成物、具体的には試料A2-1、C3-1〜C3-4を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表10中に示す。
体積抵抗、耐水トリー性が改善されている。
【0136】
〈3〉実施例22〜25は、第3の好ましい例として前述した、(A’)他のポリオレフィンと、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A’−1〜A’−3、C1−1、C1−3を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表10,11中に示す。
体積抵抗、耐水トリー性が改善されている。
【0137】
〈4〉実施例26〜29は、第4の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィンと、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物であり、具体的には試料A2−1、A2−2、A1−3、A’−1、C2−1、C2−2を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表11中に示す。
〈4〉’また実施例30〜34は、(A)他のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィンと(C3)オレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1、A1−3、A’−1、C3−1〜C3−4を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表11中に示す。
体積抵抗、耐水トリー性が改善されている。
【0138】
〈5〉実施例35〜38は、第5の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体と(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体をM1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A2-1、E2-1、E2-2を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表12中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ耐水トリー性が改善されている。
【0139】
〈6〉実施例39〜43は、第6の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィンと、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体をM1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1、A’−1、E2−1〜E2−4を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表12中に示す。
〈6〉’また実施例44〜47は、(A)特定のエチレン(共)重合体と(A’)他のポリオレフィンとに、(E3)エチレン結合2個以上を含有するモノマーと後述するM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体、あるいは(E4)エチレン結合2個以上を含有するモノマーとエチレンと後述するM1〜M5の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体のうち少なくとも1種からなる組成物、具体的には試料A2−1、A1−3、A’−1、A’−2、E2−1を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表12,13中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ耐水トリー性が改善されている。E2−1の割合を増すにつれ体積抵抗は上昇している。
【0140】
〈7〉実施例48は、第7の好ましい例として前述した、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(E11)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体からなる組成物、具体的には試料E1−1とC1−1からなる組成物である。
測定結果を表13中に示す。
〈7〉’また実施例49、50は、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体をM1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料E2−1と、C1−1あるいはC1−2を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表13中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ耐水トリー性が改善されている。
【0141】
〈8〉実施例51、52は、第8の好ましい例として前述した、(A)特定エチレン(共)重合体、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(C11)(A)特定エチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体の組成物、および(A)特定エチレン(共)重合体、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体であり、具体的には試料A2−1、E2−1、C1−1、C2−1を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表13中に示す。
〈8〉’また実施例53は、(A’)他のポリオレフィン、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A’−1、E2−1、C1−1からなる組成物である。
測定結果を表13中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ耐水トリー性が改善されている。
【0142】
〈9〉実施例54は、第9の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的にはA2−1、A’−1、E2−1、C2−1からなる組成物である。
測定結果を表13中に示す。
〈9〉’また実施例55〜58は、(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E11)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体と、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1、A1−3、A’−1、E1−1〜E1−3、C2−1を組み合わせてなる組成物である。
測定結果を表13,14中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ耐水トリー性が改善されている。
【0143】
〈10〉実施例59、60は、第10の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物と、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、または(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1とE5−1に、C1−1あるいはC2−1からなる組成物である。
測定結果を表14中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ破壊電界および耐水トリー性が改善されている。
【0144】
〈11〉実施例61は、第11の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(A’)他のポリオレフィン、(E5)エチレン結合2個以上を有する化合物からなる組成物、(C21)オレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1、A’−1、E5−1、C2−1からなる組成物である。
測定結果を表14中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ破壊電界および耐水トリー性が改善されている。
【0145】
〈12〉実施例62〜64は、第12の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体と(D1)芳香族環を含有する重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1と、D1−1あるいはD1−2からなる組成物である。
測定結果を表14中に示す。
体積抵抗、破壊電界、耐水トリー性が改善される。
【0146】
〈13〉実施例65は、第13の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(E21)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(D1)芳香族環を含有する重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1、E2−1、D1−1からなる組成物である。
測定結果を表14中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ破壊電界および耐水トリー性が改善されている。
【0147】
〈14〉実施例66は、第14の好ましい例として前述した、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D1)芳香族環を含有する重合体からなる組成物、具体的には試料C1−1とD1−1からなる組成物である。
測定結果を表14中に示す。
〈14〉’また実施例67は、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体と(D5)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料C1−1とD5−1からなる組成物である。
測定結果を表14中に示す。
体積抵抗、破壊電界、耐水トリー性が改善される。
【0148】
〈15〉実施例68は、第15の好ましい例として前述した、(A)特定のエチレン(共)重合体、(D1)芳香族環を含有する重合体と(D31)芳香族環を含有するオレフィン系重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1、D1−1、D3−1からなる組成物である。
測定結果を表15中に示す。
体積抵抗、破壊電界、耐水トリー性が改善される。
【0149】
実施例69〜73は、(A)特定のエチレン(共)重合体と、(D2)オレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5の芳香族環含有モノマーとのランダム共重合体、(D3)芳香族環を含有するオレフィン系重合体を該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーで変性したグラフト共重合体、(D4)オレフィンと該M1〜M4の少なくとも1種のモノマーとのランダム共重合体を該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D5)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D6)(A)特定のエチレン(共)重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、のうち少なくとも1種からなる組成物、具体的には試料A2−1と、D2−1〜D6−1のうち1種とからなる組成物である。
測定結果を表15中に示す。
体積抵抗、破壊電界、耐水トリー性が改善される。
【0150】
実施例74、75は、(D5)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、(D6)(A)特定のエチレン(共)重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、具体的には試料D5−1、D6−1である。測定結果を表15中に示す。
体積抵抗、破壊電界、耐水トリー性が改善される。
【0151】
実施例76、77は、(D5)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体、あるいは(D6)(A)特定のエチレン(共)重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体と、(E11)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体からなる組成物、具体的には試料E1−1と、D5−1あるいはD6−1からなる組成物である。
測定結果を表15中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、かつ破壊電界および耐水トリー性が改善されている。
【0152】
実施例78、79は、(A)特定のエチレン(共)重合体と(E11)エチレン結合2個以上を含有するモノマーからなる単独重合体、およびさらに(D1)芳香族環を含有する重合体からなる組成物、具体的には試料A2−1とE1−1、およびさらにD1−1からなる組成物である。
測定結果を表15中に示す。
架橋後も高い体積抵抗を有し、耐水トリー性も改善される。D1−1が加わることで破壊電界も改善される。
【0153】
比較例1〜5として、(A’)他のポリオレフィンの未架橋、架橋状態での測定結果を表17中に示す。
体積抵抗、破壊電界とも低く、耐水トリー性もよくない。
比較例6〜10として、(A)特定のエチレン(共)重合体の未架橋、架橋状態での測定結果を表17中に示す。
(A’)他のポリオレフィンよりはそれぞれの特性とも良いが、満足できるもではない。
比較例11〜13として、(A)特定のエチレン(共)重合体と(A’)他のポリオレフィンとのブレンド物の未架橋、架橋状態での測定結果を表17中に示す。
(A)特定のエチレン(共)重合体単独と同様(A’)他のポリオレフィンよりはそれぞれの特性とも良いが、満足できるもではない。
比較例14、15は、(A)特定のエチレン(共)重合体と、(C11)(A)特定のエチレン(共)重合体を該M1の官能基含有モノマーで変性したグラフト共重合体あるいは(D6)(A)特定のエチレン(共)重合体をM1〜M4の少なくとも1種のモノマーおよび該M5の芳香族環含有モノマーで変性したグラフト共重合体のブレンド物、具体的には試料A2−1とC1−1あるいはD6−1のブレンド物である。
測定結果を表17中に示す。
モノマーの含有量が組成物1gあたり5×10−7molより小さいため、体積抵抗、破壊電界、耐水トリー性とも改善されない。
【0154】
【表2】
Figure 0003558780
【表3】
Figure 0003558780
【表4】
Figure 0003558780
【表5】
Figure 0003558780
【表6】
Figure 0003558780
【表7】
Figure 0003558780
【表8】
Figure 0003558780
【0155】
【表9】
Figure 0003558780
【表10】
Figure 0003558780
【表11】
Figure 0003558780
【表12】
Figure 0003558780
【表13】
Figure 0003558780
【表14】
Figure 0003558780
【表15】
Figure 0003558780
【0156】
【表16】
Figure 0003558780
【表17】
Figure 0003558780
【0157】
「ケ−ブルの製造」
実施例4の組成物を用いて図7に示す構成のケーブルを製造し、その性能を評価した。図示したケ−ブルは、導電性金属の集合線からなる導電部材21上に、順に、内部半導電層22、絶縁樹脂組成物からなる被覆層23、外部半導電層24、アルミニュウム箔層25、無機系難燃剤入りポリオレフィンからなる保護層26が同心円状に積層されて概略構成されているものである。
このケーブルは、ケーブルとして良好な性能を示すものであった。
【0158】
【発明の効果】
本発明は、特定の条件を満足するエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を含む組成物中に、エチレン結合および/または特定のモノマーを有する電気絶縁材料用樹脂組成物であり、体積抵抗、絶縁破壊強度等の電気絶縁性能に優れ、または架橋性に富み、架橋後においても体積抵抗、絶縁破壊強度等の電気絶縁性能に優れる。さらに樹脂組成物ならびにその架橋物で形成した絶縁層を有する電線・ケ−ブル、大容量ケーブルあるいは直流ケーブルを提供するものである。
本発明は各種の電気用品、輸送機器、プラント、工場等で絶縁材として、または電線・ケ−ブルや直流ケ−ブルとして幅広く使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合体(A1)についての溶出温度−溶出量曲線のグラフである。
【図2】重合体(A2)についての溶出温度−溶出量曲線のグラフである。
【図3】体積抵抗測定用の電極系を示す平面図である。
【図4】体積抵抗測定用の電極系を示す断面図である。
【図5】破壊電圧試験の測定装置を示す断面図である。
【図6】水トリーの測定装置を示す側断面図である。
【図7】ケーブルを示す断面図である。
【符号の説明】
21 導電部材
22 内部半導電層
23 被覆層
24 外部半導電層
25 アルミニュウム箔層
26 保護層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition for an electrical insulating material and an electric wire / cable using the same. Specifically, a resin composition having excellent electrical insulation properties such as volume resistance and dielectric breakdown strength, or a resin composition which does not cause a decrease in electrical properties such as volume resistance and dielectric breakdown strength even when crosslinked, and a resin composition and a resin composition thereof The present invention relates to an electric wire / cable, a large-capacity cable or a DC cable having an insulating layer made of a crosslinked material.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as an insulating material for electric wires and cables, it is basically required that the volume resistance and the breakdown voltage are high, the dielectric constant and the dielectric loss tangent are small, and polyethylene is generally used. An insulating material (referred to as OF) filled with oil is used in a large-capacity power transmission cable, etc., although the OF has good insulating performance, oil leaks and oil is constantly leaked. The drawback is that replenishment is necessary. In recent years, crosslinked polyethylene or the like, which is obtained by crosslinking a polyolefin such as polyethylene to increase heat resistance and strength, has been used.
[0003]
One of the problems with high-voltage power cables is power loss during high-voltage transmission, and reducing this is an important issue.
One means for reducing this power loss can be achieved by increasing the electrical properties of the insulating material, particularly the volume resistance.
However, simply increasing the volume resistance at room temperature or at a constant temperature causes another problem. For example, in the case of a power cable insulator, the temperature near the inner conductor is 90 ° C. due to Joule heat due to current, but the temperature near the outer conductor is high. Here, in conventional polyethylene, whose volume resistance drops significantly with temperature rise, the volume resistance in the vicinity of the inner conductor through which the current is flowing drops significantly, so that an electric field concentrates near the interface between the outer conductor and the insulator, causing dielectric breakdown. Strength decreases. This phenomenon is a serious problem particularly in DC power cables. Therefore, it is desired to reduce the temperature dependence of the volume resistance.
As a method for improving the high voltage characteristics of the insulating material, a method of grafting maleic anhydride to low-pressure polyethylene has been proposed (for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2-10610). However, when low-pressure polyethylene is used as the high-voltage cable insulator, there is a problem that the flexibility is inferior to the conventional power cable.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-266723 discloses that the density is 0.92 g / cm.3100 parts by weight of low-density polyethylene and a density of 0.91-0.94 g / cm3An insulator obtained by blending 0.5 to 20 parts by weight of a linear low-density polyethylene is disclosed.
However, since the above composition has a large temperature dependency, the effect of improving the volume resistance near the internal conductor is not satisfactory.
[0004]
When a polyolefin such as polyethylene is used as an insulator for electric wires and cables, it is cross-linked to increase heat resistance and mechanical strength.
Examples of the crosslinking method include an electron beam crosslinking method and a chemical crosslinking method such as a peroxide. However, the electron beam crosslinking method has a problem that the equipment is large-scale and the cost is high. Further, although the chemical crosslinking method is economically inexpensive, a crosslinking agent remains, and the residue causes problems such as a decrease in volume resistance and generation of water trees.
On the other hand, as a method for improving the electrical insulation properties, water tree, and the like, a method has been proposed in which a polyolefin modified with maleic anhydride to introduce a hydrophilic group is introduced into polyethylene (Japanese Patent Publication No. 15007/1993). Further, attempts have been made to introduce a double bond into the cross-linked polyolefin in advance to reduce the amount of the cross-linking agent to improve the electrical insulation performance (Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-1646). It does not fully satisfy both electrical insulation performance and heat resistance.
[0005]
On the other hand, a technique has been proposed in which a carboxylic acid compound or an aromatic compound is mixed with a polyolefin for the purpose of improving electrical insulation properties. For example, a polyolefin grafted with polystyrene to improve the impulse fracture strength (Japanese Patent Publication No. 2-165506), and a polyethylene blended with polystyrene to improve the impulse fracture resistance (JP-A-63-163). No. 301427), a polyolefin modified with maleic anhydride is blended with polyethylene to improve the insulation properties (Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-100909), and a polyolefin is blended with an aromatic carboxylic acid to improve the dielectric breakdown properties. An improved one (JP-A-60-23904) has been proposed.
However, none of these have sufficiently improved both the volume resistance and the dielectric breakdown strength at practical levels. Also, the electrical insulation performance after crosslinking is not sufficiently satisfactory.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is a resin composition having excellent electrical insulation performance such as volume resistance and dielectric breakdown strength, or a resin composition having excellent electrical insulation performance such as volume resistance and dielectric breakdown strength, which is rich in crosslinkability, and even after crosslinking, and An object of the present invention is to provide an electric wire / cable, a large-capacity cable, and a DC cable each having a material formed of a resin composition or a crosslinked product, and an insulating layer made of the material.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
Under such circumstances, the present inventors have conducted intensive studies and, as a result, have accomplished the present invention. That is, claim 1 of the present invention
(A) ethylene or ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and at least one catalyst containing a transition metal compound of Group IV of the periodic table. Is obtained by (co) polymerizing
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cm3
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) Composition distribution parameter Cb 2.00 or less
And the resin component containing an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer having an electric activation energy of 0.4 ev or less,
(B) 5 × 10 when containing a unit derived from at least one monomer selected from the following M1 to M6 and having a concentration of M1 to M5:-7~ 5 × 10-3mol / (per 1 g of the resin component), and in the case of M6, the number of ethylene bonds is 0.8 or more / (per 1000 carbon atoms of the resin component).
M1: carbonyl group or carbonyl group derivative-containing monomer
M2: hydroxyl group-containing monomer
M3: Nitro group-containing monomer
M4: Nitrile group-containing monomer
M5: Aromatic ring-containing monomer
M6: Compound or monomer having two or more ethylene bonds
[0008]
In the invention according to claim 2, the (A) ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer contains a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and a transition metal compound belonging to Group IV of the periodic table. Which is obtained by (co) polymerizing ethylene or ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of at least one catalyst,
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cmThree
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) Composition distribution parameter Cb 1.01 to 1.2
(E) There is substantially one peak of the elution temperature-elution amount curve by the continuous heating elution fractionation method (TREF).
The resin composition for an electrical insulating material according to claim 1, wherein the resin composition is an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer (A1) satisfying the following.
[0009]
Further, (A) the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer comprises at least one catalyst comprising a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and a transition metal compound belonging to Group IV of the periodic table. Which is obtained by (co) polymerizing ethylene or ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cmThree
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) Composition distribution parameter Cb 1.08 to 2.00
(E) There are substantially a plurality of peaks of the elution temperature-elution amount curve by the continuous heating elution fractionation method (TREF).
(F) The amount X (% by weight), density d and MFR of the orthodichlorobenzene (ODCB) soluble matter at 25 ° C.
(i) When d-0.008 × logMFR ≧ 0.93
X <2.0
(ii) When d-0.008 x logMFR <0.93
X <9.8 × 10Three× (0.9300-d + 0.008 × logMFR)Two+2.0
Satisfy
A resin composition for an electrical insulating material, which is an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer (A2)Is desirable.
[0010]
Ligand having cyclopentadienyl skeleton and Periodic Table No. IV The at least one catalyst containing a group IV transition metal compound is 1 ~ H Five Preferably, the catalyst comprises:
H 1 : General formula Me 1 R 1 p (OR Two ) q X 1 4 - pq (Wherein Me is represented by the formula 1 Represents Zr, Ti, Hf, and R 1 And R Two Is a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, X 1 Represents a halogen atom, p and q are each 0 ≦ p <4, 0 ≦ p + q ≦ 4).
H Two : General formula Me Two R Three m (OR Four ) n X Two zmn (Wherein Me is represented by the formula Two Is the Periodic Table I ~ III Group element, R Three And R Four Is a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, X Two Is a halogen atom or a hydrogen atom (however, X Two When Me is a hydrogen atom, Two Is the periodic table III Group element), and z is Me Two Where m and n are integers satisfying the ranges of 0 ≦ m ≦ z and 0 ≦ n ≦ z, respectively, and 0 ≦ m + n ≦ z).
H Three : An organic cyclic compound having a conjugated double bond.
H Four : A modified organoaluminum compound containing an Al-O-Al bond obtained by reacting an organoaluminum compound with water.
H Five : Inorganic carrier and / or particulate polymer carrier
[0012]
Further, the electric insulating material of the present invention uses the resin composition for an electric insulating material described above.
Orthe aboveIt is obtained by crosslinking a resin composition for an electrical insulating material.
The electric wire / cable of the present invention uses such an electric insulating material as an insulating layer.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
In the present invention, in the presence of a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and at least one catalyst containing a transition metal compound belonging to Group IV of the periodic table as the component (A), ethylene or ethylene and carbon number Obtained by (co) polymerizing 3 to 20 α-olefins,
Requirements for (a) to (d) below
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cm3
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) Composition distribution parameter Cb 2.00 or less
Is an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer having an electric activation energy of 0.4 eV or less, which is determined by a continuous heating elution fractionation method (TREF) as shown in FIG. In the elution temperature-elution amount curve, the polymer (A1) having substantially one peak or the polymer (A2) having substantially plural peaks as shown in FIG. Is included.
[0014]
The (α) α-olefin of the ethylene / α-olefin copolymer of the present invention is in the range of 3 to 20 carbon atoms, preferably 3 to 12 carbon atoms, and specifically, propylene, 1-butene, 1-pentene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-decene, 1-dodecene, and the like. It is desirable that the content of these α-olefins is selected in the range of usually 30 mol% or less, preferably 20 mol% or less.
[0015]
The density of the (A) ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer of the present invention is (A) 0.86 to 0.96 g / cm.3, Preferably 0.90 to 0.96 g / cm3And (b) a melt flow rate (MFR) of 0.01 to 200 g / 10 min, preferably 0.1 to 50 g / 10 min. 0.86g / cm density3When the MFR is less than 0.01 g / 10 min, the workability becomes poor, and when the MFR exceeds 200 g / 10 min, the strength becomes weak.
[0016]
Generally, the molecular weight distribution (Mw / Mn) of an ethylene (co) polymer is determined by gel permeation chromatography (GPC) to determine the weight average molecular weight (Mw) and the number average molecular weight (Mn), and the ratio (Mw / Mn) Is calculated, and (c) Mw / Mn of (A) the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer of the present invention is in the range of 1.5 to 5.0.
In the case of the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer (A1) as shown in FIG. 1, the range is preferably 1.5 to 4.5, and more preferably 1.8 to 3.5. Is desirable.
Further, in the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer (A2) shown in FIG. 2, preferably 1.5 to 4.5, more preferably 1.8 to 4.0, and still more preferably. It is desirable to be in the range of 2.0 to 4.0.
If the above (Mw / Mn) is less than 1.5, the moldability will be poor, and if it exceeds 5.0, the impact resistance will be poor.
[0017]
The (D) composition distribution parameter (Cb) of the (A) ethylene (co) polymer of the present invention is 2.00 or less, and particularly, the ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer shown in FIG. In the polymer (A1), it is preferably in the range of 1.01 to 1.2, more preferably 1.02 to 1.18, and more preferably 1.03 to 1.17. In addition, in the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer (A2) shown in FIG. 2, preferably 1.08 to 2.00, more preferably 1.10 to 1.80, and still more preferably. It is desirable to be in the range of 1.15 to 1.50.
If the composition distribution parameter (Cb) is larger than 2.00, a polymer gel may be formed on a molded article.
[0018]
The method of measuring the composition distribution parameter (Cb) in the present invention is as follows.
A heat-resistant stabilizer is added to the sample, and the sample is heated and dissolved at 135 ° C. in ODCB so that the sample concentration becomes 0.2% by weight. The heated solution is transferred to a column filled with diatomaceous earth (Celite 545), filled and cooled to 25 ° C. at a rate of 0.1 ° C./min, and the sample is deposited on the celite surface. Next, a solution in which a sample is dissolved is collected at each temperature while the column temperature is raised stepwise to 120 ° C. in steps of 5 ° C. while flowing ODCB through this column at a constant flow rate. After cooling the solution, the sample is reprecipitated with methanol, filtered and dried to obtain samples at each elution temperature.
The weight fraction and the degree of branching (the number of branches per 1000 carbon atoms) of the separated sample are measured. The measurement of the degree of branchingThirteenDetermined by C-NMR.
[0019]
With respect to each fraction collected at 30 ° C. to 90 ° C. by such a method, the degree of branching is corrected as follows. That is, the degree of branching measured with respect to the elution temperature is plotted, and the correlation is approximated to a straight line by the least squares method to create a calibration curve. The correlation coefficient of this approximation is large enough. The value obtained from this calibration curve is defined as the degree of branching of each fraction. Note that, for a fraction collected at an elution temperature of 95 ° C. or higher, this correction is not performed because a linear relationship is not always established between the elution temperature and the degree of branching.
[0020]
Next, the weight fraction w of each fractioniWith the degree of branching b per 5 ° C. of elution temperaturei(B)i-Bi-1) Divided by the relative density ciIs obtained, and the relative concentration is plotted against the degree of branching to obtain a composition distribution curve. This composition distribution curve is divided by a certain width, and the composition distribution parameter Cb is calculated from the following equation.
(Equation 1)
Figure 0003558780
Where cjAnd bjIs the relative density and branching degree of the j-th section, respectively. The composition distribution parameter Cb is 1.0 when the composition of the sample is uniform, and the value increases as the composition distribution spreads.
[0021]
Many methods have been proposed for describing the composition distribution of the ethylene (co) polymer. For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 60-88016, numerical processing is performed on the assumption that the cumulative weight fraction has a specific distribution (log-normal distribution) with respect to the number of branches of each of the separated samples obtained by solvent separation of the sample. , The ratio between the weight average branching degree (Cw) and the number average branching degree (Cn). The accuracy of this approximate calculation decreases when the number of branches and the cumulative weight fraction of the sample deviate from the lognormal distribution, and when measurement is performed on a commercially available linear low-density polyethylene, the correlation coefficient R2 is considerably low, and the accuracy of the value is sufficiently high. Not. This Cw / Cn and Cb of the present invention have different definitions and measurement methods.
[0022]
As for (A2) the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer shown in FIG. 2 of the present invention, (e) the amount X (% by weight) of the ODCB-soluble component at 25 ° C., the density d and the MFR The relationship is that the values of d and MFR are
When d-0.008 × log MFR ≧ 0.93 is satisfied, less than 2% by weight, preferably less than 1% by weight;
When d−0.008 × log MFR <0.93,
X <9.8 × 103× (0.9300-d + 0.008 × log MFR)2+2.0, more preferably
X <7.4 × 103× (0.9300-d + 0.008 × log MFR)2+1.0, more preferably,
X <5.6 × 103× (0.9300-d + 0.008 × log MFR)2Those satisfying the relationship of +0.5 are preferred.
[0023]
The amount X of the ODCB-soluble component at 25 ° C. is measured by the following method.
0.5 g of the sample is heated at 135 ° C. for 2 hours with 20 ml of ODCB to completely dissolve the sample and then cooled to 25 ° C. After leaving this solution at 25 ° C. overnight, the solution is filtered through a Teflon filter to collect the filtrate. The filtrate was subjected to infrared spectroscopy to measure the asymmetric stretching vibration of methylene with a wave number of 2925 cm.-1The peak absorption intensity in the vicinity is measured, and the concentration of the sample in the filtrate is calculated from a calibration curve prepared in advance. From this value, the ODCB-soluble matter at 25 ° C. is determined.
[0024]
The ODCB-soluble component at 25 ° C. indicates the proportion of the high branching component and the low molecular weight component contained in the ethylene (co) polymer, and may cause a decrease in heat resistance and a stickiness on the surface of the molded product. Desirably less. The amount of ODCB solubles is affected by the comonomer content and average molecular weight. Therefore, the fact that the index, the MFR, and the amount of the ODCB-soluble component, which are indicators, satisfy the above relationship indicates that the α-olefin contained in the entire ethylene (co) polymer is not ubiquitous. ing.
[0025]
As described above, (A) the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer of the present invention has the elution temperature-elution amount curve (TREF) determined by (e) continuous heating elution fractionation method (TREF). And (A) a copolymer having a single peak as shown in FIG. 2 and a copolymer (A2) having substantially plural peaks as shown in FIG. It is. In the (co) polymer of (A2), it is particularly preferred that one of the plurality of peaks exists between 85 ° C and 100 ° C. The presence of this peak improves the heat resistance of the molded body.
[0026]
The method for measuring TREF according to the present invention is as follows. A heat-resistant stabilizer is added to the sample, and the sample is heated and dissolved at 135 ° C. in ODCB so as to have a sample concentration of 0.05% by weight. After injecting 5 ml of the heated solution into a column filled with glass beads, the solution is cooled to 25 ° C. at a cooling rate of 0.1 ° C./min, and the sample is deposited on the surface of the glass beads. Next, the column temperature is raised at a constant rate of 50 ° C./hr while flowing ODCB through the column at a constant flow rate, and samples that can be dissolved in the solution at each temperature are sequentially eluted. At this time, the sample concentration in the solvent was 2925 cm, the wave number of the asymmetric stretching vibration of methylene.-1Is continuously detected by an infrared detector. From this concentration, an elution temperature-elution amount curve can be obtained.
In the TREF analysis, a change in the elution rate with respect to a temperature change can be continuously analyzed with a very small amount of sample, so that relatively fine peaks that cannot be detected by the fractionation method can be detected.
[0027]
In the present invention, the electrical activation energy of the ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer (A) which satisfies the above specific parameters must be 0.4 eV or less, preferably 0.1 eV. 3 eV or less, more preferably 0.25 eV or less. When the temperature exceeds 0.4 eV, the amount or mobility of charge carriers such as ions or electrons significantly increases as the temperature is increased. This value is very small as compared with the conventional polyethylene material, and the ethylene (co) polymer of the present invention has a special property that the amount and mobility of the charge carrier contained therein are less affected by temperature. It is considered to have a structure.
[0028]
The activation energy is one of the constants included in the Arrhenius equation that expresses the temperature change of the rate constant in the process of transport phenomena. It corresponds to the energy difference from the state. In particular, the electrical activation energy is used in the Arrhenius equation showing the temperature dependence of current. Here, a small electrical activation energy indicates that the temperature dependence of the current is small.
[0029]
The method for measuring the electric activation energy in the present invention is as follows.
The electrical activation energy can be obtained from the following equation (Arrhenius equation).
I∝exp (−U / kT) (Equation 2)
(U: electrical activation energy, k: Boltzmann constant, T: absolute temperature)
It can be obtained by substituting the current values at room temperature (20 ° C.) and 90 ° C. into the above equation.
[0030]
Among the (A) ethylene (co) polymers of the present invention, the (A1) ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer whose TREF curve shows a single peak is a copolymer having a cyclopentadienyl skeleton. By copolymerizing ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of a transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand and, if necessary, a catalyst containing a cocatalyst, an organoaluminum compound and a carrier. It is obtained.
[0031]
The cyclopentadienyl skeleton of the transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton, which is a catalyst for producing the ethylene (co) polymer, is a cyclopentadienyl group, And substituted cyclopentadienyl groups. Examples of the substituted cyclopentadienyl group include a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, a silyl group, a silyl-substituted alkyl group, a silyl-substituted aryl group, a cyano group, a cyanoalkyl group, a cyanoaryl group, a halogen group, a haloalkyl group, and a halosilyl group. And a substituted cyclopentadienyl group having at least one substituent selected from groups and the like. The substituted cyclopentadienyl group may have two or more substituents, and the substituents may combine with each other to form a ring.
[0032]
Examples of the hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms include an alkyl group, a cycloalkyl group, an aryl group, an aralkyl group and the like. Specifically, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, Alkyl groups such as -butyl group, isobutyl group, sec-butyl group, t-butyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, 2-ethylhexyl group, decyl group; cycloalkyl groups such as cyclopentyl group and cycloalkyl group; And an aralkyl group such as a benzyl group and a neofuyl group. Among these, an alkyl group is preferable.
Preferred examples of the substituted cyclopentadienyl group include a methylcyclopentadienyl group, an ethylcyclopentadienyl group, an n-hexylcyclopentadienyl group, a 1,3-dimethylcyclopentadienyl group, a 1,3 Specific examples include -n-butylmethylcyclopentadienyl group and 1,3-n-propylmethylethylcyclopentadienyl group. As the substituted cyclopentadienyl group of the present invention, among these, a cyclopentadienyl group substituted by an alkyl group having 3 or more carbon atoms is preferable, and a 1,3-substituted cyclopentadienyl group is particularly preferable.
When the substituents, that is, the hydrocarbons are bonded to each other to form one or more rings, the substituted cyclopentadienyl group includes an indenyl group, a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms (such as an alkyl group), and the like. A substituted naphthyl group substituted with a substituent such as a substituted indenyl group, a naphthyl group, a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms (such as an alkyl group), a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms ( Preferred examples include a substituted fluorenyl group substituted with a substituent such as an alkyl group.
[0033]
Examples of the transition metal of the transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton include zirconium, titanium, and hafnium, with zirconium being particularly preferred.
The transition metal compound usually has 1 to 3 ligands having a cyclopentadienyl skeleton, and when having 2 or more ligands, they may be bonded to each other by a crosslinking group. In addition, examples of such a crosslinking group include an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms, an alkylsilanediyl group, and a silanediyl group.
[0034]
Typical examples of the ligand other than the ligand having a cyclopentadienyl skeleton in the transition metal compound of Group IV of the periodic table include hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms (alkyl group, Alkenyl group, aryl group, alkylaryl group, aralkyl group, polyenyl group, etc.), halogen, metaalkyl group, metaaryl group and the like.
[0035]
Specific examples of these are as follows. As dialkyl metallocenes, bis (cyclopentadienyl) titanium dimethyl, bis (cyclopentadienyl) titanium diphenyl, bis (cyclopentadienyl) zirconium dimethyl, bis (cyclopentadienyl) zirconium diphenyl, bis (cyclopentadienyl) ) Hafnium dimethyl, bis (cyclopentadienyl) hafnium diphenyl and the like. Examples of the monoalkyl metallocene include bis (cyclopentadienyl) titanium methyl chloride, bis (cyclopentadienyl) titanium phenyl chloride, bis (cyclopentadienyl) zirconium methyl chloride, and bis (cyclopentadienyl) zirconium phenyl chloride There is.
Further, monocyclopentadienyl titanocene such as pentamethylcyclopentadienyltitanium trichloride, pentaethylcyclopentadienyltitanium trichloride), and bis (pentamethylcyclopentadienyl) titanium diphenyl are exemplified.
[0036]
Examples of the substituted bis (cyclopentadienyl) titanium compound include bis (indenyl) titanium diphenyl or dichloride, bis (methylcyclopentadienyl) titanium diphenyl or dichloride, dialkyl, trialkyl, tetraalkyl, and pentaalkylcyclopentadienyl. Examples of the titanium compound include bis (1,2-dimethylcyclopentadienyl) titanium diphenyl or dichloride, bis (1,2-diethylcyclopentadienyl) titanium diphenyl or dichloride or other dihalide complex, silicon, amine or carbon linkage. Examples of the cyclopentadiene complex include dimethylsilyldicyclopentadienyltitaniumdiphenyl or dichloride, methylenedicyclopentadienyltitaniumdiphenyl. Eniru or dichloride, and other dihalide complexes.
[0037]
Examples of zirconocene compounds include pentamethylcyclopentadienyl zirconium trichloride, pentaethylcyclopentadienyl zirconium trichloride, bis (pentamethylcyclopentadienyl) zirconium diphenyl, and bis (ethylcyclopentadiene) as alkyl-substituted cyclopentadiene. Enyl) zirconium dimethyl, bis (methylcyclopentadienyl) zirconium dimethyl, bis (n-butylcyclopentadienyl) zirconium dimethyl, their haloalkyl or dihalide complexes, dialkyl, trialkyl, tetraalkyl or pentaalkylcyclopentadiene Bis (pentamethylcyclopentadienyl) zirconium dimethyl, bis (1,2-dimethylcyclopentadienyl) zirconium Dimethyl, and their dihalide complexes, silicon, and carbon-linked cyclopentadiene complexes include dimethylsilyldicyclopentadienyl zirconium dimethyl or dihalide, methylenedicyclopentadienyl zirconium dimethyl or dihalide, methylenedicyclopentadienyl zirconium dimethyl or Dihalide and the like.
[0038]
Still other metallocenes include bis (cyclopentadienyl) hafnium dichloride, bis (cyclopentadienyl) hafnium dimethyl, bis (cyclopentadienyl) vanadium dichloride, and the like.
[0039]
As an example of the transition metal compound belonging to Group IV of the periodic table of the present invention, a ligand having a cyclopentadienyl skeleton represented by the following general formula 3 and other ligands and transition metal atoms form a ring. What forms are also mentioned.
Embedded image
Figure 0003558780
In the formula, Cp represents a ligand having the cyclopentadienyl skeleton, X represents hydrogen, halogen, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an arylsilyl group, an aryloxy group, an alkoxy group, an amide group, a silyloxy group, or the like. And Z is -O-, -S-, -NR-, -PR- or OR, SR, NR2, PR2A divalent neutral ligand selected from the group consisting of2, CR2, SiR2SiR2, CR2CR2, CR = CR, SiR2CR2, BR2, BR.
Wherein R is hydrogen or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group, a silyl group, a halogenated alkyl group, a halogenated aryl group, or two or more R from Y, Z or both Y and Z; The groups form a fused ring system.
M represents a transition metal atom of Group IV of the periodic table.
[0040]
Examples of the compound represented by Formula 3 include (t-butylamido) (tetramethylcyclopentadienyl) -1,2-ethanediylzirconium dichloride and (t-butylamido) (tetramethylcyclopentadienyl) -1 , 2-ethanediyltitanium dichloride, (methylamide) (tetramethylcyclopentadienyl) -1,2-ethanediylzirconium dichloride, (methylamide) (tetramethylcyclopentadienyl) -1,2-ethanediyltitanium dichloride, (Ethylamide) (tetramethylcyclopentadienyl) methyleneethane dichloride, (t-butylamido) dimethyl (tetramethylcyclopentadienyl) silanetitanium dichloride, (t-butylamido) dimethyl (tetramethylcyclopentadienyl) cy Emissions zirconium dibenzyl, (benzylamide) dimethyl (tetramethylcyclopentadienyl) silane titanium dichloride, and the like (phenyl phosphine id) dimethyl (tetramethylcyclopentadienyl) silane titanium dichloride.
[0041]
The cocatalyst referred to in the present invention refers to a cocatalyst capable of effectively using the transition metal compound of Group IV of the periodic table as a polymerization catalyst or of balancing ionic charges in a catalytically activated state. .
Examples of the promoter used in the present invention include benzene-soluble aluminoxane, benzene-insoluble organic aluminum oxy compound, boron compound, lanthanoid salts such as lanthanum oxide, and tin oxide of the organic aluminum oxy compound. Of these, aluminoxanes are most preferred.
[0042]
Further, the catalyst may be used by being supported on a carrier of an inorganic or organic compound. Specifically, SiO2, Al2O3, MgO, ZrO2, TiO2, B2O3, CaO, ZnO, BaO, ThO2And mixtures thereof.2-Al2O3, SiO2-V2O5, SiO2-TiO2, SiO2-MgO, SiO2−Cr2O3And the like. Among them, SiO2And Al2O3The main component is preferably at least one component selected from the group consisting of:
[0043]
Examples of the organic aluminum compound include trialkyl aluminum such as triethyl aluminum and triisopropyl aluminum; dialkyl aluminum halide; alkyl aluminum sesquihalide; alkyl aluminum dihalide; alkyl aluminum hydride, organic aluminum alkoxide, and the like.
[0044]
In the production of the (A2) ethylene (co) polymer of the present invention shown in FIG.
H1: General formula Me1R1 p(ORTwo)qX1 Four pq(Wherein Me is represented by the formula1Represents Zr, Ti, Hf, and R1And RTwoIs a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, X1Represents a halogen atom, pas well asq is an integer satisfying the ranges of 0 ≦ p <4 and 0 ≦ p + q ≦ 4, respectively.
H2: General formula MeTwoRThree m(ORFour)nXTwo zmn(Wherein Me is represented by the formulaTwoIs a group I-III element of the periodic table, RThreeAnd RFourIs a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, XTwoIs a halogen atom or a hydrogen atom (however, XTwoWhen Me is a hydrogen atom,TwoDenotes a group III element of the periodic table), and z is MeTwoWhere m and n are integers satisfying the ranges of 0 ≦ m ≦ z and 0 ≦ n ≦ z, respectively, and 0 ≦ m + n ≦ z).
H3: an organic cyclic compound having a conjugated double bond.
H4: a modified organoaluminum compound containing an Al-O-Al bond obtained by reacting an organoaluminum compound with water.
H5: a catalyst obtained by bringing an inorganic carrier and / or a particulate polymer carrier into contact with each other.
[0045]
The details are described below.
The general formula Me of the catalyst component (H1)1R1 p(OR2)qX1 4-p-qIn the formula of the compound represented by1Represents Zr, Ti, and Hf. The type of these transition metals is not limited, and a plurality of them can be used. However, it is particularly preferable that the transition metal contains Zr which is excellent in weather resistance. R1And R2Each is a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, preferably 1 to 12 carbon atoms, more preferably 1 to 8 carbon atoms, and specifically, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group, etc. Alkyl groups; alkenyl groups such as vinyl group and allyl group; aryl groups such as phenyl group, tolyl group, xylyl group, mesityl group, indenyl group and naphthyl group; benzyl group, trityl group, phenethyl group, styryl group, benzhydryl group, And aralkyl groups such as a phenylbutyl group and a neofuyl group. These may have branches. X1Represents a halogen atom such as fluorine, iodine, chlorine and bromine.
[0046]
Examples of the compound represented by the general formula of the above catalyst component (H1) include tetramethyl zirconium, tetraethyl zirconium, tetrabenzyl zirconium, tetrapropoxy zirconium, tripropoxy monochloro rhodiconium, dipropoxy dichloro zirconium, tetrabutoxy zirconium, tribubutoxy monochloro Examples thereof include zirconium, dibutoxydichlorozirconium, tetrabutoxytitanium, and tetrabutoxyhafnium, and a mixture of two or more of these may be used.
[0047]
General formula Me of the above catalyst component (H2)2R3 m(OR4)nX2 zm-nIn the formula of the compound represented by2Represents an element in Groups I to III of the periodic table, such as lithium, sodium, potassium, magnesium, calcium, zinc, boron, and aluminum. R3And R4Is a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, preferably 1 to 12 carbon atoms, and more preferably 1 to 8 carbon atoms. Specific examples thereof include alkyl groups such as methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, and butyl group. Alkenyl groups such as vinyl group and allyl group; aryl groups such as phenyl group, tolyl group, xylyl group, mesityl group, indenyl group and naphthyl group; benzyl group, trityl group, phenethyl group, styryl group, benzhydryl group and phenyl An aralkyl group such as a butyl group and a neofuyl group is exemplified. These may have branches. X2Represents a halogen atom or a hydrogen atom such as fluorine, iodine, chlorine and bromine. Where X2When Me is a hydrogen atom,2Is limited to a group III element of the periodic table exemplified by boron, aluminum and the like. Z is Me2Where m and n are integers satisfying the ranges of 0 ≦ m ≦ z and 0 ≦ n ≦ z, respectively, and 0 ≦ m + n ≦ z.
[0048]
Examples of the compound represented by the general formula of the catalyst component (H2) include organic lithium compounds such as methyllithium and ethyllithium; organic magnesium compounds such as dimethylmagnesium, diethylmagnesium, methylmagnesium chloride and ethylmagnesium chloride; dimethylzinc Organic zinc compounds such as trimethylboron and triethylboron; trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, trihexylaluminum, tridecylaluminum, diethylaluminum chloride, ethylaluminum dichloride, ethylaluminum sesquichloride Aluminum, such as diethyl aluminum ethoxide, diethyl aluminum hydride Derivatives such compounds can be mentioned.
[0049]
The organic cyclic compound having a conjugated double bond of the catalyst component (H3) includes one or more rings having two or more, preferably 2 to 4, more preferably 2 to 3, conjugated double bonds. A cyclic hydrocarbon compound having 2 or more and having a total carbon number of 4 to 24, preferably 4 to 12; wherein the cyclic hydrocarbon compound is partially a hydrocarbon residue of 1 to 6 (typically, carbon A cyclic hydrocarbon compound substituted with an alkyl group or an aralkyl group of formulas 1 to 12); one or two rings having two or more conjugated double bonds, preferably two to four, more preferably two to three. An organosilicon compound having a cyclic hydrocarbon group having at least one and having a total carbon number of 4 to 24, preferably 4 to 12; a hydrocarbon residue or an alkali metal in which the cyclic hydrocarbon group is partially 1 to 6 With salt (sodium or lithium salt) It includes organic silicon compounds conversion. Particularly preferably, those having a cyclopentadiene structure in any of the molecules are desirable.
[0050]
Examples of suitable compounds include cyclopentadiene, indene, azulene, and alkyl, aryl, aralkyl, alkoxy or aryloxy derivatives thereof. Further, a compound obtained by bonding (crosslinking) these compounds via an alkylene group (the number of carbon atoms of which is usually 2 to 8, preferably 2 to 3) is also preferably used.
[0051]
The organosilicon compound having a cyclic hydrocarbon group can be represented by the following general formula.
ALSiR4-L
Here, A represents the cyclic hydrogen group exemplified by a cyclopentadienyl group, a substituted cyclopentadienyl group, an indenyl group, and a substituted indenyl group, and R represents a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group. An alkyl group such as a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, a butoxy group; an aryl group such as a phenyl group; an aryloxy group such as a phenoxy group; an aralkyl group such as a benzyl group; Represents 24 to 24, preferably 1 to 12 hydrocarbon residues or hydrogen, and L is 1 ≦ L ≦ 4, preferably 1 ≦ L ≦ 3.
[0052]
Specific examples of the organic cyclic hydrocarbon compound of the component (H3) include cyclopentadiene, methylcyclopentadiene, ethylcyclopentadiene, 1,3-dimethylcyclopentadiene, indene, 4-methyl-1-indene, and 4,7-dimethyl. C7-C24 cyclopolyene or substituted cyclopolyene such as indene, cycloheptatriene, methylcycloheptatriene, cyclooctatetraene, azulene, fluorene, methylfluorene, monocyclopentadienylsilane, biscyclopentadienyl Examples include silane, triscyclopentadienylsilane, monoindenylsilane, bisindenylsilane, and trisindenylsilane.
[0053]
Catalyst component (H4) A modified organoaluminum compound containing an Al—O—Al bond obtained by reacting an organoaluminum compound with water is obtained by reacting an alkylaluminum compound with water to form a modified aluminoxane usually called an aluminoxane. An organoaluminum is obtained, which usually contains 1 to 100, preferably 1 to 50 Al-O-Al bonds in the molecule. The modified organoaluminum compound may be linear or cyclic.
[0054]
The reaction between the organoaluminum and water is usually performed in an inert hydrocarbon. As the inert hydrocarbon, aliphatic, alicyclic, and aromatic hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, cyclohexane, benzene, toluene, and xylene are preferable.
The reaction ratio (water / Al molar ratio) between water and the organoaluminum compound is usually from 0.25 / 1 to 1.2 / 1, preferably from 0.5 / 1 to 1/1.
[0055]
The catalyst component (H5) inorganic carrier and / or particulate polymer carrier include carbonaceous materials, metals, metal oxides, metal chlorides, metal carbonates or mixtures thereof, thermoplastic resins, thermosetting resins and the like. . Suitable metals that can be used for the inorganic carrier include iron, aluminum, nickel and the like.
Specifically, SiO2, Al2O3, MgO, ZrO2, TiO2, B2O3, CaO, ZnO, BaO, ThO2And mixtures thereof.2-Al2O3, SiO2-V2O5, SiO2-TiO2, SiO2-V2O5, SiO2-MgO, SiO2−Cr2O3And the like. Among them, SiO2And Al2O3The main component is preferably at least one component selected from the group consisting of: In addition, as the organic compound, any of a thermoplastic resin and a thermosetting resin can be used. Specifically, particulate polyolefin, polyester, polyamide, polyvinyl chloride, polymethyl (meth) acrylate, polystyrene, poly Examples include norbornene, various natural polymers, and mixtures thereof.
[0056]
The above-mentioned inorganic carrier and / or particulate polymer carrier can be used as they are, but preferably, as a pretreatment, these carriers are contact-treated with an organoaluminum compound or a modified organoaluminum compound containing an Al-O-Al bond. After that, it can be used as the component (H5).
[0057]
The method for producing (A) the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer of the present invention comprises a gas phase polymerization method, a slurry polymerization method, and a solution polymerization method in which substantially no solvent is present in the presence of the catalyst. It is manufactured in a state where oxygen, water, etc. are substantially turned off, butane, aliphatic hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, cyclohexane, methylcyclohexane, etc. It is produced in the presence or absence of an inert hydrocarbon solvent exemplified by an alicyclic hydrocarbon.
The polymerization conditions are not particularly limited, but the polymerization temperature is usually 15 to 350 ° C., preferably 20 to 200 ° C., more preferably 50 to 110 ° C., and the polymerization pressure is usually normal pressure to 70 kg / cm in the case of the low and medium pressure method.2G, preferably normal pressure to 20 kg / cm2G, usually 1500 kg / cm for high pressure method2G or less is desirable. The polymerization time is usually from 3 minutes to 10 hours, preferably from 5 minutes to 5 hours in the case of the low and medium pressure method. In the case of the high-pressure method, it is usually 1 minute to 30 minutes, preferably 2 minutes to 20 minutes. In addition, the polymerization is not particularly limited to a one-stage polymerization method and a multi-stage polymerization method of two or more stages in which polymerization conditions such as a hydrogen concentration, a monomer concentration, a polymerization pressure, a polymerization temperature, and a catalyst are different from each other.
[0058]
The resin component of the present invention comprises (A) an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer as a main component and at least (B) M1: a monomer containing a carbonyl group or a carbonyl group derivative, M2: a monomer containing a hydroxyl group, M3 : Nitro group-containing monomer, M4: nitrile group-containing monomer, M5: monomer unit derived from one of aromatic ring-containing monomers, and 5 × 10 monomer units per 1 g of resin component-7~ 5 × 10-3mol or M6: a compound or monomer having two or more ethylene bonds requires that there be 0.8 or more ethylene bonds per 1000 carbon atoms.
[0059]
Specific examples of the M1: carbonyl group and carbonyl group derivative-containing monomer include unsaturated carboxylic acids derived from α, β-unsaturated carboxylic acids and unsaturated carboxylic acids derived from α, β-unsaturated carboxylic acid esters. Acid esters and vinyl ester monomers can be exemplified.
Specific examples of the unsaturated carboxylic acid include unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, fumaric acid, and itaconic acid. Specific examples of the unsaturated carboxylic acid ester include methyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl acrylate, ethyl methacrylate, propyl acrylate, propyl methacrylate, isopropyl acrylate, isopropyl methacrylate, and acrylate-n-. Butyl, n-butyl methacrylate, cyclohexyl acrylate, cyclohexyl methacrylate, lauryl acrylate, lauryl methacrylate, stearyl acrylate, stearyl methacrylate, monomethyl maleate, monoethyl maleate, diethyl maleate, fumarate And unsaturated carboxylic acid esters such as acid monomethyl ester, glycidyl acrylate and glycidyl methacrylate.
[0060]
Specific examples of vinyl esters include vinyl propionate, vinyl acetate, vinyl caproate, vinyl caprylate, vinyl laurate, vinyl stearate, and vinyl trifluoroacetate. Of these, vinyl acetate is preferred.
[0061]
Acid anhydride group-containing monomers that are carbonyl group derivative-containing monomers include maleic anhydride, itaconic anhydride, hymic anhydride, methyl maleic anhydride, dimethyl maleic anhydride, phenyl maleic anhydride, diphenyl maleic anhydride, and chloroanhydride. Maleic acid, dichloromaleic anhydride, fluoromaleic anhydride, difluoromaleic anhydride, bromomaleic anhydride, dibromomaleic anhydride and the like can be mentioned. Among these, maleic anhydride can be mentioned as a particularly preferable one.
[0062]
Examples of other monomers include carbon monoxide, methyl vinyl ketone, isopropenyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, phenyl vinyl ketone, t-butyl vinyl ketone, isopropyl vinyl ketone, methyl propenyl ketone, methyl isopropenyl ketone, cyclohexyl vinyl Ketones and the like can be mentioned.
[0063]
M2: Examples of the hydroxyl group-containing monomer include vinyl alcohol, 1-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, and hydroxyethyl (meth) acrylate.
[0064]
M3: As the nitro group-containing monomer, 2,4-dinitrophenyl acrylate, 2-nitrostyrene, m-nitrostyrene, o-nitrostyrene, p-nitrostyrene, p-nitrophenyl methacrylate, m-nitrophenyl methacrylate, , 4-dinitrophenyl methacrylate, 2,4,6-trinitrophenyl methacrylate and the like.
[0065]
M4: Examples of the nitrile group-containing monomer include acrylonitrile, methacrylonitrile, α-methoxyacrylonitrile, vinylidene cyanide, cinnamonitrile, crotononitrile, α-phenylcrotononitrile, fumaronitrile, allyl acetonitrile, 2-butenenitrile and 3-butene Nitriles and the like can be mentioned.
[0066]
M5: The aromatic ring-containing monomer refers to a monomer having a monocyclic or polycyclic aromatic ring and having an ethylene bond.
The aromatic ring-containing monomer is preferably an aromatic compound having 1 to 3 rings, and specifically, styrene or a derivative thereof, allylbenzene, allylbiphenyl, methylstyrene, allyl benzoate, vinylnaphthalene, 4-phenyl -1-butene, benzyl methacrylate, 1,1-diphenylethylene, 1-phenyl-1-tolylethylene, 1-phenyl-1-styrylethane, 1-tolyl-1-styrylethane, 2,4-diphenyl-1 -Butene, 2,4-diphenyl-1-pentene, 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene and the like.
In the present invention, among them, styrene is preferable because of its good electric performance and economical.
[0067]
The amount of these monomers M1 to M5 is 5 × 10 5 per 1 g of the resin composition.-7~ 5 × 10-3mol, preferably 1 × 10-6~ 1 × 10-4It is important to be in the mol range. Especially in the case of M1 to M4 monomers, 5 × 10-7If the amount is less than mol, the effect of improving the volume resistance is not exhibited, and if the monomer is M5, the effect of improving the dielectric breakdown strength is not exhibited. Also, 5 × 10-3If the amount exceeds mol, the moldability deteriorates and the volume resistance decreases, which is not preferable.
[0068]
The method for introducing the monomers M1 to M5 into the resin component is specifically performed by the method shown in the following (C) or (D).
(C): At least one component selected from C1 to C3 is used as a resin component, or is used by being mixed with the resin component.
(C1) a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer as the component (A) with at least one monomer of M1 to M4;
(C2) a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer with at least one monomer of M1 to M4;
(C3) a random copolymer of ethylene or ethylene and another olefin and at least one monomer of M1 to M4;
(D): At least one component selected from D1 to D6 is used by being mixed with a resin component.
(D1) a polymer containing an aromatic ring,
(D2) a random copolymer of ethylene or ethylene and another olefin and at least one of M1 to M4 monomers and the M5: aromatic ring-containing monomer;
(D3) a graft copolymer obtained by modifying an ethylene-based polymer containing an aromatic ring with at least one of M1 to M4 monomers;
(D4) a graft copolymer obtained by modifying a random copolymer of ethylene or ethylene with another olefin and at least one of the monomers M1 to M4 with the M5: aromatic ring-containing monomer;
(D5) a graft copolymer obtained by modifying the specific ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer as the component (A) with the M5: aromatic ring-containing monomer;
(D6) A graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer as the component (A) with at least one of M1 to M4 monomers and the M5: aromatic ring-containing monomer.
[0069]
Specific examples of the graft (co) polymer obtained by modifying the specific ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer as the component (C1) or (A) with at least one functional group-containing monomer of M1 to M4. Examples include (A) specific ethylene (co) polymers graft-modified with maleic anhydride and acrylic acid.
[0070]
(C2) a graft olefin polymer obtained by modifying the olefin polymer with at least one monomer of M1 to M4, (C3) ethylene or ethylene and another olefin, and at least one monomer of M1 to M4; Specific examples of the random copolymer of the linear low density polyethylene modified with acrylic acid or maleic anhydride, high and medium density polyethylene modified with acrylic acid or maleic anhydride, ethylene and acrylic acid or maleic anhydride Copolymer, copolymer of ethylene and carbon monoxide, ethylene-methyl vinyl ketone copolymer, ethylene-ethyl vinyl ketone copolymer, ethylene-methyl isopropenyl ketone copolymer, ethylene-hydroxyethyl (meth) acrylate Copolymer, ethylene-2-nitrostyrene copolymer, ethyl M-nitrostyrene copolymer, ethylene-p-nitrophenyl methacrylate copolymer, ethylene- (meth) acrylonitrile copolymer, ethylene-allylacetonitrile copolymer, high-pressure low-density polyethylene modified with styrene, etc. No.
[0071]
The aromatic ring-containing polymer of the component (D1) is a homopolymer composed of a monomer containing a monocyclic or polycyclic aromatic ring, a copolymer with an olefin, or a copolymer with a functional group-containing monomer. It is united.
The aromatic ring-containing monomer is preferably an aromatic compound having 1 to 3 rings, and specifically, styrene or a derivative thereof, allylbenzene, allylbiphenyl, methylstyrene, allyl benzoate, vinylnaphthalene, 4-phenyl -1-butene, benzyl methacrylate, 1,1-diphenylethylene, 1-phenyl-1-tolylethylene, 1-phenyl-1-styrylethane, 1-tolyl-1-styrylethane, 2,4-diphenyl-1 -Butene, 2,4-diphenyl-1-pentene, 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene and the like.
Among polymers containing an aromatic ring, polystyrene, ethylene-styrene random copolymer, and styrene-maleic anhydride copolymer are most preferred.
[0072]
Specific examples of the (D2) random copolymer of ethylene or ethylene and another olefin, at least one monomer of M1 to M4, and M5: an aromatic ring-containing monomer include ethylene-styrene-maleic anhydride. Examples include a random copolymer and an ethylene-allylbenzene copolymer.
Specific examples of the copolymer of at least one monomer containing a styrene derivative and ethylene include ethylene-vinyl acetate-styrene copolymer, ethylene-vinyl acetate-α-methylstyrene copolymer, ethylene-ethyl acrylate- Styrene copolymers, ethylene-ethyl acrylate-α-methylstyrene copolymers and the like can be mentioned.
[0073]
Specific examples of the graft copolymer (D3) obtained by modifying the aromatic polymer containing an aromatic ring with at least one of M1 to M4 monomers include maleic anhydride-modified ethylene-styrene copolymer, A maleic acid-modified ethylene-benzyl methacrylate copolymer and a maleic anhydride-modified ethylene-allyl styrene copolymer are exemplified.
[0074]
Specific examples of the graft copolymer (D4) in which a random copolymer of ethylene or ethylene and another olefin and at least one of the monomers M1 to M4 is modified with the M5: aromatic ring-containing monomer, A styrene-modified ethylene-maleic anhydride copolymer is exemplified.
[0075]
Specific examples of the graft copolymer obtained by modifying the specific ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer (D5) (A) component with the M5: aromatic ring-containing monomer are styrene-modified. (A) Specific ethylene (co) polymer.
[0076]
(D6) A graft copolymer obtained by modifying the specific ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer as the component (A) with at least one of M1 to M4 monomers and the M5: aromatic ring-containing monomer. Specific examples of the coalescence include (A) a specific ethylene (co) polymer modified with maleic anhydride and styrene.
[0077]
In the present invention, (D1) a polymer containing an aromatic ring, (D2) a random copolymer of ethylene or ethylene and another olefin, at least one monomer of M1 to M4, and M5: an aromatic ring-containing monomer. A polymer, (D3) a graft copolymer obtained by modifying an ethylene polymer containing an aromatic ring with at least one monomer of M1 to M4, (D4) ethylene or ethylene and another olefin and M1 to M4 M5: a graft copolymer obtained by modifying a random copolymer with at least one monomer with an aromatic ring-containing monomer; (D5) (A) a specific ethylene (co) polymer; A graft copolymer modified with a contained monomer, (D6) (A) a specific ethylene (co) polymer obtained by converting at least one monomer of M1 to M4 and M5: aromatic The amount of at least one component (D) is selected graft copolymer modified with containing monomer, from the aromatic ring amount containing monomer resin composition 1g per 5 × 10 in the composition-7~ 5 × 10-3mol, preferably 1 × 10-6~ 1 × 10-4It is adjusted to be in the range of mol. When the concentration of the monomer is 5 × 10-7When the amount is less than mol, the effect of improving the dielectric breakdown strength is not exhibited.
[0078]
In the method of introducing the compound or monomer having two or more M6 ethylene bonds into the resin component of the present invention, any one of the following components (E1) to (E5) is mixed with the resin component.
(E) at least one component selected from E1 to E5
(E1) Homopolymer consisting of monomer containing two or more ethylene bonds or copolymer with ethylene
(E2) a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer of a monomer containing two or more ethylene bonds or a copolymer with ethylene with at least one of M1 to M5 monomers;
(E3) a random copolymer of a monomer containing two or more ethylene bonds and at least one of M1 to M5 monomers,
(E4) a random copolymer of a monomer containing two or more ethylene bonds, ethylene and at least one of M1 to M5,
(E5) a compound having two or more ethylene bonds,
[0079]
(E1) The homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds or a copolymer with ethylene needs to have sufficient ethylene bonds after polymerization. Due to the presence of the ethylene bond, the crosslinking efficiency is improved when the crosslinking treatment is performed, and the crosslinking properties can be sufficiently exhibited. The component (E1) may be a liquid or oligomer having an average molecular weight of 1,000 to 200,000, or a polymer.
[0080]
The homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds, which is the first component (E1), is a diene polymer having 4 to 10 carbon atoms. The diene may be cyclic or linear as long as the ethylene bond is involved in the polymerization. Among these, butadiene oligomers or polybutadienes having an average molecular weight of about 1,000 to 200,000 are most preferred in that they have excellent electrical insulation performance and crosslinking efficiency after crosslinking.
To describe the compound specifically, as the diene, 1,3-butadiene, 1,3-pentadiene, 1,4-pentadiene, 2-methyl-1,3-butadiene, 1,3-hexadiene, 1,4 -Hexadiene, 1,5-hexadiene, 2,4-hexadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 2-ethyl-1,3-butadiene, 1,3-heptadiene, 1,4-heptadiene, -(2-propenyl) -cyclopentene, 2- (cyclopentyl) -1,3-butadiene and the like. It is also possible to use a triene or tetraene polymerized from a diene. Among these, a homopolymer of 1,3-butadiene is particularly preferably used because of its excellent crosslinking properties.
[0081]
Specific examples of the random copolymer of ethylene, which is the second component (E1), and a monomer containing two or more ethylene bonds include ethylene-allyl (meth) acrylate copolymer and ethylene- (meth) acrylate. And vinyl acrylate copolymer. These copolymers may be used as a mixture of two or more kinds.
[0082]
(E2) a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer comprising a monomer containing two or more ethylene bonds or a copolymer with ethylene with at least one of M1 to M5 monomers described above, (E4) a random copolymer of a monomer containing two or more ethylene bonds and at least one monomer of M1 to M5 described above, and (E4) a monomer containing two or more ethylene bonds and ethylene and at least one of M1 to M5 described above. Specific examples of the random copolymer with one kind of monomer include acrylic acid or maleic anhydride-modified polybutadiene, maleic anhydride-modified ethylene- (meth) acrylate allyl copolymer, and maleic anhydride-modified ethylene- (meth) Vinyl acrylate copolymer, maleic anhydride-butadiene copolymer, ethylene-butadiene-maleic anhydride Ynoic acid copolymer, and the like. Of these, maleic anhydride-modified liquid polybutadiene is preferred.
[0083]
Specific examples of the compound having two or more ethylene bonds which are the component (E5) of the present invention are represented by trimethylolpropane trimethacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, diethylene glycol dimethacrylate, and the like. Multifunctional vinyl monomers represented by polyfunctional methacrylate monomers, triallyl isocyanurate, diallyl phthalate, vinyl butyrate, N, N'-m-phenylenebismaleimide, N, N'- Bismaleimides represented by ethylene bismaleimide; dioximes such as P-quinone dioxime; divinylbenzene, divinyl compounds such as 1,5-hexadiene-3-yne, hexatriene, divinyl ether and divinyl sulfone; allyl styrene , 2,6-diacrylphenol, diallyl carb - such as diallyl compounds such as Le, and the like.
[0084]
In the present invention, (E1) a homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds or a copolymer with ethylene, and (E2) a homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds or a copolymer of ethylene. A graft copolymer obtained by modifying a copolymer with at least one monomer of M1 to M5 described above, and (E3) a random copolymer of a monomer containing two or more ethylene bonds and at least one monomer of M1 to M5 described above. Copolymers, (E4) random copolymers of a monomer containing two or more ethylene bonds with ethylene and at least one of M1 to M5 monomers described above, and (E5) a compound having two or more ethylene bonds The amount of the at least one M6 component is such that the number of ethylene bonds present before crosslinking in the resin composition is 100 carbon atoms. It is adjusted to be 0.8 or more per number. The number of ethylene bonds is desirably in the range of 0.8 to 4.0 per 1,000 carbon atoms. For example, in the case of high-pressure low-density polyethylene or the like, a large number of these ethylene bonds are generally present without blending M6. Therefore, the number of these ethylene bonds is the total number of these.
[0085]
The ethylene bond acts as a cross-linking point during the cross-linking treatment to improve the cross-linking efficiency. At the time of crosslinking, the decomposition residue of the crosslinking agent is incorporated into the main chain. The cross-linking residue floating in the resin component is ion-decomposed by heat and electric field and becomes a charge, which causes a reduction in volume resistance. There is.
[0086]
If the number of the ethylene bonds is less than 0.8 per 1000 carbon atoms, the crosslinking efficiency is not improved.
Among these ethylene bonds, it is particularly desirable that the number of vinyl terminals be in the range of 0.5 to 3.0, because the crosslinking efficiency is increased.
[0087]
In introducing the component (B), a method for producing a graft-modified (co) polymer in the case of using a graft-modified (co) polymer comprises reacting the (co) polymer with a reactive monomer in the presence of a radical initiator. Graft modification is performed by a melting method in which the reaction is performed in an extruder or a solution method in which the reaction is performed in a solution.
[0088]
Examples of the radical initiator include organic peroxides, dihydroaromatics, dicumyl compounds and the like.
Examples of the organic peroxide include hydroperoxide, dicumylperoxide, t-butylcumylperoxide, dialkyl (allyl) peroxide, diisopropylbenzene hydroperoxide, dipropionylperoxide, dioctanoylperoxide, and benzoylperoxide. -Oxide, peroxysuccinic acid, peroxyketal, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t -Butylperoxy) hexine, t-butyloxyacetate, t-butylperoxyisobutyrate, and the like are preferably used.
[0089]
Examples of the dihydroaromatic include hydroquinoline or a derivative thereof, dihydrofuran, 1,2-dihydrobenzene, 1,2-dihydronaphthalene, and 9,10-dihydrophenanthrene.
[0090]
Examples of the dicumyl compound include 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane, 2,3-diethyl-2,3-diphenylbutane, 2,3-diethyl-2,3-di (p-methylphenyl) butane, Examples thereof include 2,3-diethyl-2,3-di (bromophenyl) butane, and in particular, 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane is preferably used.
[0091]
The other polyolefin of the component (A ′) is a polyolefin different from the ethylene homopolymer or the ethylene / α-olefin copolymer (A) satisfying the specific conditions, and is a polyethylene, polypropylene, polybutene, or polypentene. , Poly-4-methyl-1-pentene, ethylene-propylene copolymer rubber (EPR), and the like. Among them, ethylene (co) polymer, high / medium density polyethylene, linear low density polyethylene, A combination of two or more of these is particularly preferred.
[0092]
The ethylene (co) polymer obtained by the high-pressure radical polymerization method refers to a density of 0.91 to 0.94 g / cm by the high-pressure radical polymerization method.3Ethylene homopolymer, ethylene-vinyl ester copolymer, ethylene-α, β-unsaturated carboxylic acid ester copolymer, ethylene-unsaturated dicarboxylic acid, or a copolymer thereof with an anhydride thereof, ethylene α, β-unsaturated carboxylic acid esters / unsaturated dicarboxylic acids, and copolymers thereof with anhydrides thereof.
Density 0.91-0.94 g / cm by the high pressure radical polymerization method3The ethylene homopolymer is a low-density polyethylene obtained by a known high-pressure method.
The above-mentioned ethylene / vinyl ester copolymer is a vinyl propionate, vinyl acetate, vinyl caproate, vinyl caprylate, vinyl laurate, vinyl stearate, vinyl trifluoroacetate containing ethylene as a main component produced by a high-pressure radical polymerization method. And a vinyl ester monomer. Of these, particularly preferred are ethylene / vinyl acetate copolymers. That is, a copolymer composed of 50 to 99.5% by weight of ethylene and 0.5 to 50% by weight of vinyl acetate is preferable.
The above-mentioned ethylene / α, β-unsaturated carboxylic acid ester copolymer, ethylene / unsaturated unsaturated dicarboxylic acid or a copolymer thereof with an anhydride thereof and ethylene / α, β-unsaturated carboxylic acid ester / unsaturated dicarboxylic acid Ethylene / (meth) acrylate copolymer, ethylene / (meth) acrylate copolymer, ethylene / (meth) acrylic acid copolymer produced by high-pressure radical polymerization as a copolymer with an acid or its anhydride Methyl / maleic anhydride copolymer, ethylene / ethyl (meth) acrylate / maleic anhydride copolymer, ethylene / maleic anhydride copolymer and the like can be mentioned. That is, a copolymer comprising 50 to 99.5% by weight of ethylene and 0.5 to 50% by weight of (meth) acrylate is preferred.
[0093]
The high-medium density polyethylene and the linear low density polyethylene have a density of 0.86 to 0.97 g / cm.3Of ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer refers to an ethylene homopolymer, ethylene and carbon obtained by a high-medium-low pressure method and other known methods using a Ziegler-type, Phillips-type or Kaminski-type catalyst. It is a copolymer with α-olefins of Formulas 3 to 12.
Specific α-olefins used for polymerization include propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, 1-dodecene, and the like. Of these, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene and 1-octene are preferred, and 1-butene is particularly preferred.
The α-olefin content in the ethylene copolymer is preferably 40 mol% or less.
[0094]
Preferred specific combinations of the present invention are shown below.
<1> A first preferred example is a composition of (C11) (A) a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1. A maleic anhydride-modified (A) specific ethylene (co) polymer composition may be used.
[0095]
<2> A second preferred example includes (A) a specific ethylene (co) polymer, (C11) a graft copolymer obtained by modifying the (A) specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1. , (C21) (A ′) a graft copolymer composition obtained by modifying another polyolefin with the functional group-containing monomer of M1, (A) a specific ethylene (co) polymer, and (C21) (A ′) It is a graft copolymer composition obtained by modifying another polyolefin with the functional group-containing monomer of M1.
Specifically, a composition of (A) a specific ethylene (co) polymer, maleic anhydride-modified (A) specific ethylene (co) polymer, and maleic anhydride-modified (A ′) high-pressure low-density polyethylene, A) A specific ethylene (co) polymer and maleic anhydride-modified (A ′) high-pressure low-density polyethylene composition may be mentioned.
[0096]
<3> A third preferred example is a composition of (A ') another polyolefin and (C11) a graft copolymer obtained by modifying (A) a specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer. Specific examples thereof include (A ′) a composition of (A) a specific ethylene (co) polymer modified with a high-pressure method low-density polyethylene and maleic anhydride.
[0097]
<4> A fourth preferred example is that (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ') another polyolefin, (C11) (A) a specific ethylene (co) polymer, A composition of a graft copolymer modified with a containing monomer, a composition of (C21) a graft copolymer modified with an olefin-based polymer with the functional group-containing monomer of M1, and (A) a specific ethylene (co) polymer; (A ′) A composition of another polyolefin and a graft copolymer obtained by modifying the (C21) olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1, specifically, (A1) an ethylene (co) polymer (A ′) a high-pressure low-density polyethylene, a composition of maleic anhydride-modified (A) specific ethylene (co) polymer and maleic anhydride-modified (A ′) high-pressure low-density polyethylene, and (A1) ethylene ( Co) polymerization , (A ') and the high-pressure low-density polyethylene, maleic anhydride modified (A') composition of the high-pressure low-density polyethylene.
[0098]
<5> A fifth preferred example is a graft obtained by modifying a homopolymer comprising (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds with a functional group-containing monomer of M1. It is a copolymer composition, specifically, a composition of (A) a specific ethylene polymer and a maleic anhydride-modified liquid polybutadiene.
[0099]
<6> A sixth preferred example is that a homopolymer of (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds is used as the homopolymer of M1. It is a composition of a graft copolymer modified with a functional group-containing monomer, specifically, (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) a high-pressure low-density polyethylene, and a maleic anhydride-modified liquid polybutadiene. Compositions.
[0100]
<7> A seventh preferred example includes (C11) a graft copolymer obtained by modifying the (A) specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1, and (E11) a graft copolymer containing two or more ethylene bonds. The composition is a homopolymer composed of the following monomers, specifically, a composition of (A) a specific ethylene (co) polymer modified with maleic anhydride and liquid polybutadiene.
[0101]
<8> An eighth preferred example is a graft obtained by modifying (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds with the M1 functional group-containing monomer. A copolymer, (C11) (A) a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer, and (C21) an olefin polymer using the M1 functional group-containing monomer. A modified graft copolymer composition, and a homopolymer comprising (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds were modified with the functional group-containing monomer of M1. It is a composition of a graft copolymer and a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer (C21) with the functional group-containing monomer of M1. Specifically, (A) a specific ethylene (co) polymer , Maleic anhydride-modified liquid polybutadiene, a composition of (A) a specific ethylene (co) polymer modified with maleic anhydride, and (A ′) a high-pressure low-density polyethylene modified with maleic anhydride, and (A) Specific ethylene (co) polymers, maleic anhydride-modified liquid polybutadiene, and maleic anhydride-modified (A ′) high-pressure low-density polyethylene compositions may be mentioned.
[0102]
<9> A ninth preferred example is that a homopolymer comprising (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds is used as the homopolymer of the M1. A graft copolymer modified with a functional group-containing monomer, (C11) a graft copolymer obtained by modifying (A) a specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer, and (C21) an olefin-based polymer. A composition of a graft copolymer modified with the functional group-containing monomer of M1, (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds. And a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer of the above with the M1 functional group-containing monomer and a graft copolymer obtained by modifying the (C21) olefin polymer with the M1 functional group-containing monomer (A) Specific ethylene (co) polymer, (A ′) high-pressure low-density polyethylene, liquid polybutadiene modified with maleic anhydride, and (A) modified with maleic anhydride A composition of (A ′) a high-pressure low-density polyethylene modified with a specific ethylene (co) polymer and maleic anhydride, and (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) a high-pressure low-density polyethylene, Examples of the composition include a liquid polybutadiene modified with maleic anhydride and a high-pressure low-density polyethylene (A ′) modified with maleic anhydride.
[0103]
<10> A tenth preferred example is (A) a specific ethylene (co) polymer, (E5) a compound having two or more ethylene bonds, (C11) (A) a specific ethylene (co) polymer of the M1 A composition of a graft copolymer modified with a functional group-containing monomer, a composition of (C21) a graft copolymer of an olefin polymer modified with the functional group-containing monomer of M1, and (A) a specific ethylene (co) polymer , (E5) a compound having two or more ethylene bonds and (C21) a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1. A composition of (A) a specific ethylene (co) polymer modified with an ethylene (co) polymer, divinylbenzene, and maleic anhydride, and a maleic anhydride-modified high-pressure low-density polyethylene; Ren (co) polymer, and divinyl benzene, compositions of maleic anhydride-modified high pressure process low density polyethylene.
[0104]
<11> An eleventh preferred example includes (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ') another polyolefin, (E5) a composition comprising a compound having two or more ethylene bonds, (C11) (A A) a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer, and a graft copolymer obtained by modifying a (C21) olefin polymer with the M1 functional group-containing monomer A composition comprising (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, (E5) a compound having two or more ethylene bonds, and (C21) an olefin-based polymer A composition of a graft copolymer modified with a group-containing monomer, specifically (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) a high-pressure low-density polyethylene, divinylbenzene, and (C11 (A) a specific ethylene (co) polymer modified with maleic anhydride, (A ′) a high-pressure low-density polyethylene modified with maleic anhydride, and (A) a specific ethylene (co) polymer, A ') a high-pressure low-density polyethylene, a composition of divinylbenzene, and (A') a high-pressure low-density polyethylene modified with maleic anhydride.
[0105]
<12> A twelfth preferred example is a composition of (A) a specific ethylene (co) polymer and (D1) a polymer containing an aromatic ring. Specifically, (A) a specific ethylene (co) polymer And (D1) a random copolymer of ethylene and styrene.
[0106]
<13> A thirteenth preferred example is a graft obtained by modifying (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds with the M1 functional group-containing monomer. It is a composition of a copolymer and (D1) a polymer containing an aromatic ring. Specifically, (A) a specific ethylene (co) polymer, a maleic anhydride-modified liquid polybutadiene and an ethylene-styrene random copolymer Coalescing compositions.
[0107]
<14> A fourteenth preferred example is (C11) a graft copolymer obtained by modifying the (A) specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1, and (D1) a polymer containing an aromatic ring. Or (C21) a graft copolymer composition obtained by modifying an olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1, specifically, (A) a specific ethylene (co) modified with maleic anhydride. Examples of the composition include a polymer and an ethylene-styrene random copolymer.
[0108]
<15> A fifteenth preferred example is (A) a specific ethylene (co) polymer, (D1) a polymer containing an aromatic ring and (D31) an olefin polymer containing an aromatic ring in the M1. It is a composition of a graft copolymer modified with a functional group-containing monomer. Specifically, (A) a specific ethylene (co) polymer, an ethylene-styrene random copolymer and a maleic anhydride-modified ethylene-styrene copolymer The composition of is mentioned.
[0109]
In the present invention, when used as an electrical insulating material, the above resin composition may be used as it is, but in particular, when heat resistance or higher mechanical strength is required, it may be used by crosslinking. desirable. The method of crosslinking is not particularly limited, and can be heated in the presence of a radical generator such as an organic peroxide, or can be performed by electron beam crosslinking, silane crosslinking, or the like. For this reason, a method using a radical generator such as an organic peroxide is preferable. In this case, the presence of the ethylene bond in the resin component is particularly preferable because the crosslinking efficiency increases.
[0110]
Examples of the radical generator include benzoyl peroxide, lauryl peroxide, dicumyl peroxide, t-butyl hydroperoxide, α, α-bis (t-butylperoxydiisopropyl) benzene, di-t-butyl peroxide, Such as 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexyne, azobisisobutyronitrile, etc. Oxide, 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane, 2,3-diethyl-2,3-diphenylbutane, 2,3-diethyl-2,3-di (p-methylphenyl) butane, 2, 3-diethyl-2,3-di (bromophenyl) butane and the like.
Among them, dicumyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexyne It is better to use such as.
The crosslinking agent is used in an amount of 0.01 to 5 parts by weight, preferably 0.1 to 3 parts by weight, based on 100 parts by weight of the total composition.
[0111]
In the cross-linking, after at least one selected from the above (E1) to (E5) is blended in a predetermined amount into the resin component, cross-linking using the radical generator is extremely effective. Thereby, in addition to the heat resistance and the high mechanical strength, the electric insulation performance such as volume resistance is also improved.
As the cross-linking agent, those similar to the radical generator used when the above-mentioned monomers (M1) to (M5) are graft-modified to the resin component can be used. In this case, at least one kind of the monomers (M1) to (M5) and at least one kind selected from (E1) to (E5) are simultaneously mixed with the resin component, and the mixture is heated and mixed in the presence of a radical generator, and grafted. At the same time, a crosslinking treatment can be performed.
[0112]
The resin composition for an electrical insulating material of the present invention may contain an inorganic filler, an organic filler, an antioxidant, a lubricant, an organic or inorganic pigment, an ultraviolet ray inhibitor, a light stabilizer, a dispersant, Inhibitors, neutralizers, plasticizers, nucleating agents, pigments and the like may be added.
[0113]
The resin composition for an electrical insulating material according to the present invention is used for an electrical insulating material such as an insulating material for electric wires and cables, a capacitor, an insulation for a high voltage portion such as an X-ray generator, and a power distribution code.
[0114]
The electric wire / cable of the present invention is an electric wire / cable composed of the resin composition for an electrical insulating material or an insulating layer obtained by crosslinking the resin composition.
A specific example of the electric wire / cable is an electric wire / cable in which at least a conductor is coated with the resin composition for an electrical insulating material of the present invention to form an insulating layer. A wire may be provided, a semiconductive layer may be provided between the conductor and the insulating layer, or a flame-retardant resin layer may be provided outside the insulating layer.
Further, a wire made of a copper collective wire is coated with a resin composition obtained by adding conductive carbon or metal powder to form a semiconductive layer, on which a resin composition for an electrical insulating material of the present invention is coated. And a metal sheet or a semiconductive layer provided thereon, and a cable coated with a flame-retardant resin or a rat repellent resin on the outermost layer, or a single wire made of copper and carbon or metal powder added. The resin composition for an electrical insulating material of the present invention to form an insulating layer, and further provide a metal film layer thereon. A cable in which a flame-retardant resin or a mouse repellent resin is coated on the outermost part of a combination of several to several tens of cords, and the like are mentioned. The resin composition for an electrical insulating material of the present invention is particularly suitable for high-voltage electricity. The effect is remarkable, and it is suitable for use as a large capacity cable or DC cable. It is.
[0115]
The present invention is a resin composition for an electric insulating material having an ethylene bond and / or a specific functional group-containing or aromatic ring-containing monomer in a composition containing (A) a specific ethylene (co) polymer.
By including the specific ethylene (co) polymer, the temperature dependence of the volume resistance can be reduced.
Further, the functional group acts as a trap site and prevents the transfer of electric charge, thereby making it possible to improve the volume resistance.
The aromatic ring has the effect of taking in high-energy electrons, dissipating the energy of the electrons as heat, and releasing them as low-energy electrons (electron energy absorption effect). As a result, the energy of electrons that trigger dielectric breakdown is reduced, and the dielectric breakdown strength is improved.
The ethylene bond acts as a crosslinking point and improves the crosslinking efficiency. At the time of cross-linking, the decomposition residue of the cross-linking agent is incorporated into the main chain. The cross-linking residue floating in the bulk is ion-decomposed by heat and electric field and becomes a charge, which causes a reduction in volume resistance.Therefore, it is possible to prevent this by taking this cross-linking residue into the main chain and increase the volume resistance. it can.
By utilizing these effects, not only the improvement of the volume resistance and the breaking strength and the deterioration of the electrical properties after the crosslinking are prevented, but also the volume resistance and the dielectric breakdown strength can be remarkably improved than before the crosslinking.
[0116]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail by way of examples, but the present invention is not limited thereto.
Various materials described below were tested for electrical properties, ie, volume resistance, impulse breakdown electric field, and water tree.
[0117]
(Preparation of sample for volume resistance measurement)
A sample for measuring the volume resistance was prepared as follows.
The blend was kneaded with a plast mill at 160 ° C. for 5 minutes. The sheet was formed into a sheet having a thickness of 0.3 mm by hot pressing.
The uncrosslinked sample was molded under the following conditions with the sample sandwiched between aluminum sheets.
1) Preheat sample at 140 ° C for 5 minutes.
2) 140 ° C, 100 kg / cm2Press for 5 minutes.
3) Cool under pressure from 140 ° C to 30 ° C in 5 minutes.
A crosslinked sample was prepared using the following two types of peroxides.
(1) When the cross-linking agent is dicumyl peroxide (abbreviated as DCP)
A crosslinked sample was prepared by kneading 2 parts by weight of DCP with respect to 100 parts by weight of a sample at 120 ° C. in advance and sandwiching the sample in a Teflon sheet under the following conditions.
1) Preheat sample at 120 ° C for 5 minutes.
2) 120 ° C, 100 kg / cm2Press for 5 minutes.
3) Cool under pressure from 120 ° C. to 30 ° C. in 5 minutes, at which point voided samples are excluded.
4) Preheat again at 120 ° C for 5 minutes.
5) 120 ° C, 100 kg / cm2Press for 5 minutes.
6) Temperature rise from 120 ° C to 160 ° C under pressure.
7) Crosslinking under pressure at 160 ° C for 30 minutes.
8) Cool under pressure from 160 ° C to 30 ° C in 5 minutes.
{Circle around (2)} When the crosslinking agent is 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexyne (abbreviated as PH)
A sample prepared by mixing 1 part by weight of PH with respect to 100 parts by weight of a sample at 140 ° C. was sandwiched between Teflon sheets and molded under the following conditions.
1) Preheat sample at 140 ° C for 5 minutes.
2) 140 ° C, 100 kg / cm2Press for 5 minutes.
3) Cool under pressure from 140 ° C. to 30 ° C. in 5 minutes, at which point voided samples are excluded.
4) Preheat again at 140 ° C for 5 minutes.
5) 140 ° C, 100 kg / cm2Press for 5 minutes.
6) Raise the temperature from 140 ° C to 180 ° C under pressure.
7) Crosslinking at 180 ° C. under pressure for 30 minutes.
8) Cool under pressure from 180 ° C. to 30 ° C. in 5 minutes.
[0118]
(Volume resistance measurement)
The electrode system used for measuring the volume resistance of each of the manufactured samples is as shown in FIGS. 3 and 4, and a circular main electrode 1 connected to an ammeter and the main electrode 1 Is provided with an annular guard electrode 2 spaced apart from the main electrode 1 and a high-voltage electrode 4 connected to a high-voltage power supply on the other side of the sample 3.
Each electrode material was a stainless steel plate, and the surface in contact with the sample 3 was mirror-finished by a buff polisher.
The measurement was performed at room temperature and at 90 ° C. in a nitrogen atmosphere. The measurement was performed after the sample was placed on the electrode system, and the upper and lower electrodes were short-circuited for 5 minutes to remove the electric charge charged on the surface of the sample 3. The sample measured at 90 ° C. was short-circuited for 7 minutes so that the temperature in the sample was uniformly 90 ° C.
The applied voltage was 3300 V DC by a battery. As a measuring device, a vibration capacitance type ammeter (TR8411 manufactured by Advantest) was used. The cable connecting the measuring instrument and the electrodes used a pipe cable to remove extraneous noise. In this measurement system, 3 × 1017Ω, 3 × 10 at 90 ° C.16Measurement was stable up to Ω. The thickness of the sample 3 was about 0.3 mm, and each sample was measured to two decimal places or less and used. Effective electrode area is 19.6cm2It is. From the investigation of the current-time characteristics, it was found that after the voltage application, the current was not reduced by the absorption current, and the current could be measured stably after 10 minutes. Therefore, the current value after 10 minutes of voltage application is used as the measured value. If the current is not stable even after 10 minutes, wait for about 2 minutes to stabilize, and if it is longer, measure. Removed from The volume resistance was determined based on the current value obtained from the measurement. The measurement was performed 10 times, and the average value was used as data.
[0119]
(Breakdown voltage measurement)
For the measurement of the breakdown voltage, a fixed electrode shown in FIG. 5, a so-called Mackeon electrode was used. That is, spherical electrodes 6 and 6 made of a stainless steel ball having a diameter of 1/2 inch are arranged in a hole having a diameter of 1/2 inch drilled at the center of a substrate 5 made of polymethyl methacrylate. A sample 7 having a thickness of 50 μm and cut into about 8 to 10 mm square was sandwiched between the mold electrodes 6 and 6. The degassed epoxy resin 8 was filled around the sample 7 and the electrodes 6 and 6 and cured.
Such a MacKeon electrode was immersed in a container filled with silicone oil, placed in a thermostat, and measured at 90 ° C. The voltage waveform used for the destruction was a negative polarity, 1.2 / 50 μs impulse waveform. The waveform was observed with an oscilloscope, and the waveform destroyed at the wave front was adopted as data, and the average value of 20 points or more was obtained. Was.
[0120]
(Water tree measurement)
The measurement of the water tree was performed using an apparatus as shown in FIG. That is, a container 10 having a bottom portion made of the sample 9 was prepared, the container 10 was placed on the conductive plate 11 connected to the ground electrode 12, and water was contained in each container 10. And it carried out by immersing the application electrode 13 in the water in each container 10 and applying a voltage. The test was performed at a voltage of 10 kV and 10 kHz at room temperature for 30 days.
After the application, the water tree was stained, observed with a microscope, and evaluated. In Tables 9 to 15, 17, the evaluation results are shown as follows.
What you get : ×
Something to stop: △
Insignificant : ○
[0121]
"material"
(Polymerization of sample A1-3)
(1) Preparation of catalyst
150 ml of purified toluene was added to a 500 ml eggplant-shaped flask with an electromagnetic induction stirrer under nitrogen, and then 2.5 ml of a toluene solution of bisindenyl zirconium dimethyl (concentration 1 mmol / ml) and a toluene solution of methylalumoxane (concentration 1 mmol / ml) 200 ml was added and reacted at room temperature for 1 hour. Next, silica (made by Fuji Devison, grade # 952, surface area 300 m) previously calcined at 600 ° C. for 5 hours in a 1.5-liter three-necked flask equipped with a stirrer under nitrogen.2/ G) After adding 50 g, the whole amount of the solution was added, and the mixture was stirred at room temperature for an hour. Then, the solvent was removed by nitrogen blowing to obtain a powder having good fluidity.
[0122]
(2) polymerization
Using a continuous fluidized bed gas phase polymerization apparatus, polymerization temperature 70 ° C, total pressure 20kgf / cm2G copolymerized ethylene and butene-1. The gas composition in the system was a butene-1 / ethylene molar ratio of 0.08 and an ethylene concentration of 60 mol%. In order to continuously supply the catalyst and keep the gas composition in the system constant, polymerization was performed while each gas was continuously supplied. The MFR was prepared by adjusting the hydrogen concentration in the system. Table 1 shows the physical properties of the produced polymer.
[0123]
(Polymerization of sample A1-4)
(1) Preparation of catalyst
150 ml of purified toluene was added to a 500 ml eggplant type flask equipped with an electromagnetic induction stirrer under nitrogen, and then 2.5 ml of a toluene solution of bisindenyl zirconium dichloride (concentration 1 mmol / ml) and a toluene solution of methylalumoxane (concentration 1 mmol / ml) 180 ml was added and reacted at room temperature for 1 hour. Next, silica (made by Fuji Devison, grade # 952, surface area 300 m) previously calcined at 600 ° C. for 5 hours in a 1.5-liter three-necked flask equipped with a stirrer under nitrogen.2/ G) After adding 50 g, the entire amount of the solution was added, and the mixture was stirred at room temperature for an hour. Then, the solvent was removed by nitrogen blowing to obtain a powder having good fluidity.
[0124]
(2) polymerization
Polymerization was performed under the same conditions as in Sample A1-3. Table 1 shows the physical properties of the produced polymer.
[0125]
(Polymerization of sample A2-1)
(1) Preparation of catalyst
150 ml of purified toluene was added to a 500 ml eggplant type flask equipped with an electromagnetic induction stirrer under nitrogen, and then tetrapropoxyzirconium (Zr (On-Pr)) was added.4) And 1.0 g of indene were added, and the mixture was stirred at room temperature for 30 minutes.3) Was added dropwise over 30 minutes, and after completion of the addition, the system was brought to room temperature and stirred for 24 hours. Next, 200 ml of a toluene solution of methylalumoxane (concentration: 1 mmol / ml) was added to the solution, and reacted at room temperature for 1 hour.
Separately, silica (made by Fuji Devison, grade # 952, surface area: 300 m) previously fired at 600 ° C. for 5 hours in a 1.5-liter three-necked flask equipped with a stirrer under nitrogen.2/ G) 50 g was added, and the whole amount of the solution was added, followed by stirring at room temperature for 2 hours. Then, the solvent was removed by nitrogen blowing to obtain a powder having good fluidity.
[0126]
(2) polymerization
Using a continuous fluidized bed gas phase polymerization apparatus, polymerization temperature 70 ° C, total pressure 20kgf / cm2G copolymerized ethylene and butene-1. The gas composition in the system was a butene-1 / ethylene molar ratio of 0.08 and an ethylene concentration of 60 mol%. In order to continuously supply the catalyst and keep the gas composition in the system constant, polymerization was performed while each gas was continuously supplied. The MFR was prepared by adjusting the hydrogen concentration in the system. Table 1 shows the physical properties of the produced polymer.
[0127]
(Polymerization of sample A2-2)
(A2-2) was polymerized by performing the same operation as (A2-1) using 1-hexene as a comonomer. The physical properties of the copolymer are shown in Table 1.
[0128]
Component (A '): Other polyolefin
A'-1: High pressure radical method low density polyethylene (LD)
[Density = 0.919 g / cm3  MI = 1.0g / 10min
Product name: J-LEX LD W2000, manufactured by Nippon Polyolefin Co., Ltd.]
A'-2: Linear low density polyethylene (LL)
[Density = 0.921 g / cm3  MI = 1.0g / 10min
Trade name: J-LEX LL AF3280, manufactured by Nippon Polyolefin Co., Ltd.]
A'-3: Polypropylene (PP)
[Density = 0.905 g / cm3  MI = 1.5g / 10min
Product name: J-Aroma F120K, manufactured by Nippon Polyolefin Co., Ltd.]
[0129]
[Table 1]
Figure 0003558780
[0130]
(C) component
C1-1: Maleic anhydride-modified ethylene (co) polymer
[0.75 parts by weight of maleic anhydride and 0.05 parts by weight of 2,5-dimethyl-2,5-di (tert-butyl peroxide) were premixed with a Henschel mixer with respect to 100 parts by weight of sample A2-1. Thereafter, the reaction was carried out at 230 ° C. using a twin screw extruder.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 2.8 × 10-5mol. ]
C1-2: maleic anhydride-modified ethylene (co) polymer
[Maleic anhydride was reacted with Sample A1-3 in the same manner as described above.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 2.8 × 10-5mol. ]
C1-3: Acrylic acid-modified ethylene (co) polymer
[Sample A2-1 was prepared by mixing acrylic acid and dicumyl peroxide and then reacting at 200 ° C. using an extruder.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of acrylic acid in 1 g of the polymer was 3.7 × 10-6mol. ]
C2-1: Maleic anhydride modified high pressure radical method low density polyethylene
[Sample A'1-1100 parts by weight, 0.75 parts by weight of maleic anhydride and 0.05 parts by weight of 2,5-dimethyl-2,5-di (tert-butyl peroxide) were premixed with a Henschel mixer. After that, the reaction was carried out at 230 ° C. using a twin-screw extruder. As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 2.7 × 10-5mol. ]
C2-2: Acrylic acid modified high pressure radical method low density polyethylene
[Sample A'-1 was prepared by mixing acrylic acid and dicumyl peroxide and then reacting at 200 ° C. using an extruder.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of acrylic acid in 1 g of the polymer was 3.4 × 10-6mol. ]
C3-1: Ethylene-maleic anhydride random copolymer
[380 g of n-hexane, 11 g of maleic anhydride / acetone solution (0.11 g as maleic anhydride), and 2,5 as a polymerization initiator were placed in a 3.8-liter autoclave equipped with a stirrer and purged with nitrogen. -Dimethyl-2,5-di (tert-butyl peroxide) was added, and then 1700 g of ethylene was charged, and then 1600 kgf / cm2The polymerization was performed at a temperature of 190 ° C. for a polymerization time of 1 hour. By this polymerization, an ethylene-maleic anhydride copolymer was obtained. As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 1.6 × 10 6-3mol. ]
C3-2: Ethylene-vinyl alcohol copolymer
[Ethylene vinyl alcohol copolymer produced by copolymerizing ethylene and vinyl ester and then hydrolyzing. As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of alcohol group in 1 g of the polymer was 2.4 × 10-4mol. ]
C3-3: Ethylene-nitrostyrene copolymer
[Prepared in the same manner as above.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of nitro group in 1 g of the polymer was 2.4 × 10-4mol. ]
C3-4: ethylene-acrylonitrile copolymer)
[Prepared in the same manner as above.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of nitrile group in 1 g of the polymer was 2.3 × 10-4mol. ]
[0131]
(D) component
D1-1: Ethylene-styrene random copolymer
[Prepared by a high-pressure radical polymerization method.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the styrene content in 1.6 g of the polymer was 1.6 × 10 6-3mol. ]
D1-2: polystyrene
D2-1: Random copolymer of ethylene-styrene-maleic anhydride
[A styrene monomer and maleic anhydride were introduced into an autoclave equipped with a stirrer, and ethylene was charged, followed by polymerization.
As a result of examination by infrared spectroscopy, styrene content in 1 g of polymer
1.2 × 10-3mol, maleic anhydride content 1.1 × 10-3mol. ]
D3-1: Maleic anhydride-modified ethylene-styrene copolymer
[Ethylene-styrene copolymer produced by high pressure radical polymerization was reacted with maleic anhydride using dicumyl peroxide.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the styrene content was 1.5 × 10-3mol, maleic anhydride content 2.0 × 10-5mol. ]
D4-1: Styrene-modified ethylene-maleic anhydride random copolymer
[Styrene was reacted with an ethylene-maleic anhydride polymer produced by a high-pressure radical polymerization method using dicumyl peroxide.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the styrene content was 1.5 × 10-3mol, maleic anhydride content 1.6 × 10-3mol. ]
D5-1: Styrene-modified ethylene (co) polymer
[Sample A2-1 was reacted with styrene using dicumyl peroxide. As a result of examination by infrared spectroscopy, the styrene content was 1.2 × 10-3mol. ]
D6-1: Styrene, maleic anhydride-modified ethylene (co) polymer
[Sample A2-1 was reacted with styrene and maleic anhydride using dicumyl peroxide.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the styrene content in 1 g of the polymer was
6.9 × 10-4mol, maleic anhydride content 1.9 × 10-5mol. ]
[0132]
(E) component
E1-1: Liquid polybutadiene
[Average molecular weight 3000 Specific gravity 0.89 g / cm3, Trade name: Nisseki polybutadiene B-3000, manufactured by Nippon Petrochemical Co., Ltd.]
E1-2: Butadiene resin
[Specific gravity 0. 89g / cm3, Trade name: JSR RB820, manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd.]
E1-3: Liquid polyisoprene
[Average molecular weight 29000 740 poise / 38 ° C., trade name: Claprene LIR-30, manufactured by Kuraray Co., Ltd.]
E2-1: Maleic anhydride-modified liquid polybutadiene
[Average molecular weight 2000 Specific gravity 0.89 g / cm3As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 1.4 × 10 4-3mol.
Product name: Nisseki polybutadiene M-2000, manufactured by Nippon Petrochemical Co., Ltd.
E2-2: Acrylic acid-modified liquid polybutadiene
[Average molecular weight 2000 Specific gravity 0.91 g / cm3As a result of examination by infrared spectroscopy, the acrylic acid content was 2.2 × 10-4mol.
Product name: Nisseki polybutadiene MAC-2000, manufactured by Nippon Petrochemical Co., Ltd.]
E2-3: maleic anhydride-modified butadiene resin
[They were denatured by heating in a single screw extruder.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 3.4 × 10 4-4mol. ]
E2-4: Maleic anhydride-modified liquid polyisoprene
[They were denatured by heating in an autoclave.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 2.9 × 10-4mol. ]
E3-1: Maleic anhydride-modified butadiene copolymer
[They were denatured by heating in an autoclave.
As a result of examination by infrared spectroscopy, the content of maleic anhydride in 1 g of the polymer was 9.0 × 10 9-5mol. ]
E4-1: Ethylene vinyl alcohol copolymer produced by copolymerizing ethylene and vinyl ester and then hydrolyzing (1.1 x 10 alcohol residues in 1 g)-3mol) and polybutadiene (E1-2).
E5-1: Divinylbenzene
[0133]
"Examples 1 to 79" "Comparative Examples 1 to 15"
Components selected from component (A), component (C), component (D) and component (E) were used in proportions shown in Tables 2 to 8 and 16, and crosslinked as necessary.
[0134]
<1> Examples 1 to 3 are graft copolymers obtained by modifying the above-mentioned (C11) (A) specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer as a first preferred example, specifically, Samples C1-1, C1-2, and C1-3.
Table 9 shows the measurement results. Improved volume resistance and water tree resistance.
[0135]
<2> Examples 4 to16Are (A) a specific ethylene (co) polymer described above as a second preferred example, and (C11) a graft copolymer obtained by modifying the (A) specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer. (C21) (A ') a graft copolymer composition obtained by modifying another polyolefin with the M1 functional group-containing monomer; (A) a specific ethylene (co) polymer; and (C21) (A') A) a graft copolymer composition obtained by modifying another polyolefin with the M1 functional group-containing monomer, specifically, samples A2-1, A2-2, C1-1 to C1-3, C2-1, and C2- The composition is a combination of the two.
The measurement results are shown in Tables 9 and 10.
<2> ′ Examples 17 to 21 are compositions comprising (A) a random copolymer of a specific ethylene (co) polymer, (C3) olefin, and at least one of M1 to M4 monomers. More specifically, the composition is a combination of Samples A2-1 and C3-1 to C3-4.
Table 10 shows the measurement results.
Volume resistance and water tree resistance are improved.
[0136]
<3> In Examples 22 to 25, the (A ′) other polyolefin and the (C11) (A) specific ethylene (co) polymer described above as a third preferred example were combined with the functional group-containing monomer of M1. And a composition comprising a combination of samples A′-1 to A′-3, C1-1, and C1-3.
The measurement results are shown in Tables 10 and 11.
Volume resistance and water tree resistance are improved.
[0137]
<4> In Examples 26 to 29, (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ') another polyolefin, (C11) and (A) a specific ethylene (co) A) a graft copolymer obtained by modifying a polymer with the M1 functional group-containing monomer; (C21) a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer with the M1 functional group-containing monomer; A composition of a specific ethylene (co) polymer, (A ') another polyolefin, and a graft copolymer obtained by modifying the (C21) olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1. It is a composition formed by combining samples A2-1, A2-2, A1-3, A'-1, C2-1, and C2-2.
The measurement results are shown in Table 11.
<4> ′ In Examples 30 to 34, (A) another ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, (C3) olefin, and at least one monomer of M1 to M4 were randomly selected. It is a composition comprising a copolymer, specifically, a composition comprising a combination of samples A2-1, A1-3, A'-1, and C3-1 to C3-4.
The measurement results are shown in Table 11.
Volume resistance and water tree resistance are improved.
[0138]
<5> Example 35 to38Is obtained by modifying a homopolymer comprising (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds with a functional group-containing monomer of M1 described above as a fifth preferred example. The composition is composed of a graft copolymer, specifically, a composition obtained by combining samples A2-1, E2-1, and E2-2.
Table 12 shows the measurement results.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved water tree resistance.
[0139]
<6> Examples 39 to 43 contain (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E21) two or more ethylene bonds as described above as the sixth preferred example. A composition comprising a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer composed of a monomer to be formed with a functional group-containing monomer of M1, specifically, samples A2-1, A'-1, and E2-1 to E2-4 in combination. Composition.
Table 12 shows the measurement results.
<6> ′ In Examples 44 to 47, (A) a specific ethylene (co) polymer and (A ′) another polyolefin, (E3) a monomer containing two or more ethylene bonds, and M1 described below. And (E4) a random copolymer of a monomer containing two or more ethylene bonds, ethylene and at least one of M1 to M5 monomers described below. A composition comprising at least one kind, specifically, a composition obtained by combining samples A2-1, A1-3, A'-1, A'-2, and E2-1.
The measurement results are shown in Tables 12 and 13.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved water tree resistance. The volume resistance increases as the ratio of E2-1 increases.
[0140]
<7> In Example 48, the graft copolymer obtained by modifying the (C11) (A) specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1 described above as the seventh preferred example, and (E11 A) a composition comprising a homopolymer comprising a monomer containing two or more ethylene bonds, specifically a composition comprising samples E1-1 and C1-1.
Table 13 shows the measurement results.
<7> 'In Examples 49 and 50, the (C11) (A) graft copolymer obtained by modifying the specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer and (E21) two or more ethylene bonds Consisting of a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer consisting of a monomer containing the same with a functional group-containing monomer of M1, specifically, a composition obtained by combining sample E2-1 with C1-1 or C1-2 Things.
Table 13 shows the measurement results.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved water tree resistance.
[0141]
<8> In Examples 51 and 52, the homopolymer composed of (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds was used as the eighth preferred example. A graft copolymer modified with a functional group-containing monomer of (C11) (A), a graft copolymer modified of a specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1, and (C21) an olefin-based polymer A graft copolymer composition obtained by modifying the above with the functional group-containing monomer of M1, (A) a specific ethylene (co) polymer, and (E21) a homopolymer comprising a monomer containing two or more ethylene bonds. A graft copolymer modified with a functional group-containing monomer of M1 and a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer (C21) with a functional group-containing monomer of M1. A2-1, E2-1, C1-1, a composition comprising a combination of C2-1.
Table 13 shows the measurement results.
<8> ′ In Example 53, a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer composed of (A ′) another polyolefin and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds with the functional group-containing monomer of M1 was used. And (C11) a composition comprising a graft copolymer obtained by modifying (A) a specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1, specifically, samples A′-1, E2-1, It is a composition consisting of C1-1.
Table 13 shows the measurement results.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved water tree resistance.
[0142]
<9> Example 54 is based on (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds described above as a ninth preferred example. A composition comprising a graft copolymer obtained by modifying a homopolymer of the above with the functional group-containing monomer of M1 and a graft copolymer obtained by modifying a (C21) olefin-based polymer with the functional group-containing monomer of M1. Is a composition comprising A2-1, A'-1, E2-1 and C2-1.
Table 13 shows the measurement results.
<9> ′ Examples 55 to 58 are (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E11) a homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds. , (C21) a composition comprising a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1, specifically, samples A2-1, A1-3, A'-1, and E1-1. It is a composition obtained by combining E1-3 and C2-1.
The measurement results are shown in Tables 13 and 14.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved water tree resistance.
[0143]
<10> In Examples 59 and 60, (A) a specific ethylene (co) polymer, (E5) a compound having two or more ethylene bonds, and (C11) (A) A composition comprising a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1, or a graft copolymer obtained by modifying a (C21) olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1 This is a composition comprising C1-1 or C2-1 in a sample, specifically, samples A2-1 and E5-1.
The measurement results are shown in Table 14.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved breakdown electric field and water tree resistance.
[0144]
<11> Example 61 is composed of (A) a specific ethylene (co) polymer, (A ′) another polyolefin, and (E5) a compound having two or more ethylene bonds as described in the eleventh preferred example. A composition, a composition comprising a graft copolymer obtained by modifying the (C21) olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1, specifically, samples A2-1, A'-1, E5-1, C2- The composition comprises:
The measurement results are shown in Table 14.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved breakdown electric field and water tree resistance.
[0145]
<12> In Examples 62 to 64, the composition comprising (A) a specific ethylene (co) polymer and (D1) a polymer containing an aromatic ring described above as a twelfth preferred example, specifically, Is a composition comprising sample A2-1 and D1-1 or D1-2.
The measurement results are shown in Table 14.
The volume resistance, breakdown electric field, and water tree resistance are improved.
[0146]
<13> In Example 65, the homopolymer of (A) a specific ethylene (co) polymer and (E21) a monomer containing two or more ethylene bonds described above as the thirteenth preferred example was used as the M1 A composition comprising a graft copolymer modified with a functional group-containing monomer and a polymer containing an aromatic ring (D1), specifically a composition comprising samples A2-1, E2-1 and D1-1 is there.
The measurement results are shown in Table 14.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved breakdown electric field and water tree resistance.
[0147]
<14> Example 66 is a graft copolymer obtained by modifying the (C11) (A) specific ethylene (co) polymer with the M1 functional group-containing monomer described above as a fourteenth preferred example, (D1) The composition is a composition comprising a polymer containing an aromatic ring, specifically, a composition comprising samples C1-1 and D1-1.
The measurement results are shown in Table 14.
<14> ′ In addition, Example 67 is characterized in that a graft copolymer obtained by modifying the (C11) (A) specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1 and the (D5) (A) specific ethylene ( The composition is a composition comprising a graft copolymer obtained by modifying the (co) polymer with the aromatic ring-containing monomer of M5, specifically, a composition comprising samples C1-1 and D5-1.
The measurement results are shown in Table 14.
The volume resistance, breakdown electric field, and water tree resistance are improved.
[0148]
<15> In Example 68, (A) a specific ethylene (co) polymer, (D1) a polymer containing an aromatic ring and (D31) containing an aromatic ring described above as a fifteenth preferred example A composition comprising a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer with the functional group-containing monomer of M1, specifically, a composition comprising samples A2-1, D1-1, and D3-1.
Table 15 shows the measurement results.
The volume resistance, breakdown electric field, and water tree resistance are improved.
[0149]
Examples 69 to 73 are a random copolymer of (A) a specific ethylene (co) polymer, (D2) an olefin, at least one monomer of M1 to M4, and an aromatic ring-containing monomer of M5. (D3) a graft copolymer obtained by modifying an olefin polymer containing an aromatic ring with at least one monomer of M1 to M4, and (D4) a olefin polymer and at least one monomer of M1 to M4. A graft copolymer obtained by modifying a random copolymer with the aromatic ring-containing monomer of M5; and (D5) (A) a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene (co) polymer with the aromatic ring-containing monomer of M5. A graft copolymer obtained by modifying (D6) (A) a specific ethylene (co) polymer with at least one monomer of M1 to M4 and an aromatic ring-containing monomer of M5. Both compositions comprising one, in particular a sample A2-1, a composition comprising one kind of D2-1~D6-1.
Table 15 shows the measurement results.
The volume resistance, breakdown electric field, and water tree resistance are improved.
[0150]
Examples 74 and 75 are (D5) (A) a graft copolymer obtained by modifying a specific ethylene (co) polymer with the M5 aromatic ring-containing monomer, (D6) (A) a specific ethylene (co) A graft copolymer obtained by modifying a polymer with at least one monomer of M1 to M4 and an aromatic ring-containing monomer of M5, specifically, samples D5-1 and D6-1. Table 15 shows the measurement results.
The volume resistance, breakdown electric field, and water tree resistance are improved.
[0151]
In Examples 76 and 77, a graft copolymer obtained by modifying the (D5) (A) specific ethylene (co) polymer with the aromatic ring-containing monomer of M5, or (D6) (A) a specific ethylene (co) A) a graft copolymer obtained by modifying a polymer with at least one monomer of M1 to M4 and an aromatic ring-containing monomer of M5, and (E11) a homopolymer composed of a monomer containing two or more ethylene bonds. A composition, specifically, a composition comprising sample E1-1 and D5-1 or D6-1.
Table 15 shows the measurement results.
It has high volume resistance even after crosslinking, and has improved breakdown electric field and water tree resistance.
[0152]
Examples 78 and 79 are (A) a homopolymer composed of a specific ethylene (co) polymer and (E11) a monomer containing two or more ethylene bonds, and (D1) a polymer containing an aromatic ring. , Specifically, a composition comprising Samples A2-1 and E1-1, and further D1-1.
Table 15 shows the measurement results.
Even after crosslinking, it has high volume resistance and improved water tree resistance. The addition of D1-1 also improves the breakdown electric field.
[0153]
As Comparative Examples 1 to 5, (A ') Table 17 shows the measurement results of other polyolefins in an uncrosslinked and crosslinked state.
Both volume resistance and breakdown electric field are low, and water tree resistance is not good.
As Comparative Examples 6 to 10, (A) Table 17 shows the measurement results of the specific ethylene (co) polymer in an uncrosslinked and crosslinked state.
(A ') Although the properties are better than other polyolefins, they are not satisfactory.
As Comparative Examples 11 to 13, Table 17 shows the measurement results of the blend of (A) a specific ethylene (co) polymer and (A ') another polyolefin in an uncrosslinked or crosslinked state.
(A) Like the specific ethylene (co) polymer alone, (A ') has better properties than other polyolefins, but is not satisfactory.
Comparative Examples 14 and 15 are (A) a specific ethylene (co) polymer and (C11) a graft copolymer obtained by modifying the (A) specific ethylene (co) polymer with the functional group-containing monomer of M1 or (D6) (A) A blend of a specific ethylene (co) polymer modified with at least one monomer of M1 to M4 and an aromatic ring-containing monomer of M5, specifically, sample A2 -1 and C1-1 or D6-1.
Table 17 shows the measurement results.
The content of the monomer is 5 × 10 per 1 g of the composition.-7Since it is smaller than mol, the volume resistance, breakdown electric field, and water tree resistance are not improved.
[0154]
[Table 2]
Figure 0003558780
[Table 3]
Figure 0003558780
[Table 4]
Figure 0003558780
[Table 5]
Figure 0003558780
[Table 6]
Figure 0003558780
[Table 7]
Figure 0003558780
[Table 8]
Figure 0003558780
[0155]
[Table 9]
Figure 0003558780
[Table 10]
Figure 0003558780
[Table 11]
Figure 0003558780
[Table 12]
Figure 0003558780
[Table 13]
Figure 0003558780
[Table 14]
Figure 0003558780
[Table 15]
Figure 0003558780
[0156]
[Table 16]
Figure 0003558780
[Table 17]
Figure 0003558780
[0157]
"Manufacturing of cables"
Using the composition of Example 4, a cable having the structure shown in FIG. 7 was manufactured, and its performance was evaluated. The cable shown in FIG. 1 includes an inner semiconductive layer 22, a coating layer 23 made of an insulating resin composition, an outer semiconductive layer 24, an aluminum foil layer 25, The protective layer 26 made of a polyolefin containing an inorganic flame retardant is roughly concentrically laminated.
This cable showed good performance as a cable.
[0158]
【The invention's effect】
The present invention is a resin composition for an electrical insulating material having an ethylene bond and / or a specific monomer in a composition containing an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer satisfying specific conditions, It has excellent electrical insulation performance such as volume resistance and dielectric breakdown strength, or has excellent cross-linking properties, and has excellent electrical insulation performance such as volume resistance and dielectric breakdown strength even after crosslinking. It is another object of the present invention to provide an electric wire / cable, a large capacity cable or a DC cable having an insulating layer formed of a resin composition and a crosslinked product thereof.
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention can be widely used as an insulating material in various electric appliances, transportation equipment, plants, factories, and the like, or as an electric wire / cable or DC cable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph of an elution temperature-elution amount curve for a polymer (A1).
FIG. 2 is a graph of an elution temperature-elution amount curve for a polymer (A2).
FIG. 3 is a plan view showing an electrode system for measuring volume resistance.
FIG. 4 is a sectional view showing an electrode system for measuring volume resistance.
FIG. 5 is a sectional view showing a measuring device for a breakdown voltage test.
FIG. 6 is a side sectional view showing a water tree measuring device.
FIG. 7 is a sectional view showing a cable.
[Explanation of symbols]
21 Conductive members
22 Internal semiconductive layer
23 Coating layer
24 External semiconductive layer
25 Aluminum foil layer
26 Protective layer

Claims (16)

(A)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下で、エチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られ、
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm3
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 2.00以下
を満足し、かつ電気的活性化エネルギーが0.4ev以下であるエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂成分中に、
(B)下記M1〜M6から選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来する単位を含み、かつその濃度がM1〜M5による場合は5×10-7〜5×10-3mol/(樹脂成分1g当たり)、M6による場合は0.8個以上のエチレン結合数/(樹脂成分の炭素数1000個当たり)であることを特徴とする電気絶縁材料用樹脂組成物。
M1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマー
M2:ヒドロキシル基含有モノマー
M3:ニトロ基含有モノマー
M4:ニトリル基含有モノマー
M5:芳香族環含有モノマー
M6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマー
(但し、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体を除く)
(A) ethylene or ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and at least one catalyst containing a transition metal compound of Group IV of the periodic table. Is obtained by (co) polymerizing
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cm 3
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) In a resin component containing an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer satisfying a composition distribution parameter Cb of 2.00 or less and having an electric activation energy of 0.4 ev or less,
(B) When containing a unit derived from at least one kind of monomer selected from the following M1 to M6 and having a concentration of M1 to M5, 5 × 10 −7 to 5 × 10 −3 mol / (per 1 g of the resin component) ), When M6, the number of ethylene bonds is 0.8 or more / (per 1000 carbon atoms in the resin component).
M1: carbonyl group or carbonyl group derivative-containing monomer M2: hydroxyl group-containing monomer M3: nitro group-containing monomer M4: nitrile group-containing monomer M5: aromatic ring-containing monomer M6: compound or monomer having two or more ethylene bonds
(However, excluding ethylene-propylene-diene terpolymer)
前記(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下でエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られるもので、
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm3
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 1.01〜1.2
(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピ−クが実質的に1個存在するを満足するエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A1)であることを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。
The above (A) ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer is prepared in the presence of at least one catalyst containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and a transition metal compound belonging to Group IV of the periodic table. Which is obtained by (co) polymerizing ethylene or ethylene with an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms,
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cm 3
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) Composition distribution parameter Cb 1.01 to 1.2
(E) Ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer (A1) which satisfies that there is substantially one peak of the elution temperature-elution amount curve by the continuous heating elution fractionation method (TREF). The resin composition for an electrical insulating material according to claim 1, wherein
前記(A)エチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下でエチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより得られるもので、
(イ)密度 0.86〜0.96g/cm3
(ロ)メルトフローレート(MFR)0.01〜200 g/10min
(ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜5.0
(ニ)組成分布パラメーターCb 1.08〜2.00
(ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピ−クが実質的に複数個存在する
(ヘ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の量X(重量%)と密度dおよびMFRが次式
(i)d-0.008×logMFR≧0.93の場合
X<2.0
(ii)d-0.008×logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300-d+0.008×logMFR)2+2.0
を満足するエチレン単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体(A2)であることを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。
The above (A) ethylene homopolymer or ethylene / α-olefin copolymer is prepared in the presence of at least one catalyst containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton and a transition metal compound belonging to Group IV of the periodic table. Which is obtained by (co) polymerizing ethylene or ethylene with an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms,
(A) Density 0.86 to 0.96 g / cm 3
(B) Melt flow rate (MFR) 0.01 to 200 g / 10 min
(C) Molecular weight distribution (Mw / Mn) 1.5 to 5.0
(D) Composition distribution parameter Cb 1.08 to 2.00
(E) There are substantially a plurality of peaks in an elution temperature-elution amount curve by a continuous temperature eluted fractionation method (TREF). %), Density d and MFR are given by
(i) When d-0.008 × log MFR ≧ 0.93, X <2.0
(ii) When d-0.008 × log MFR <0.93 X <9.8 × 10 3 × (0.9300-d + 0.008 × log MFR) 2 +2.0
The resin composition for an electrically insulating material according to claim 1, wherein the resin composition is an ethylene homopolymer or an ethylene / α-olefin copolymer (A2) satisfying the following.
前記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子と周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む少なくとも1種の触媒が、下記のH1〜H5からなる触媒であることを特徴とする請求項3に記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。
H1:一般式Me11 p(OR2q1 4 p-qで表される化合物(式中、Me1はZr、Ti、Hfを示し、R1及びR2は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X1はハロゲン原子を示し、p、qおよびrは各々0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たすを整数である)。
H2:一般式Me23 m(OR4n2 z-m-nで表される化合物(式中、Me2は周期律表第I〜III族元素、R3およびR4は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X2はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2が水素原子の場合はMe2は周期律表第III族元素の場合に限る)を示し、zはMe2の価数を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)。
H3:共役二重結合をもつ有機環状化合物。
H4:有機アルミニウム化合物と水との反応によって得られるAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物。
H5:無機担体および/または粒子状ポリマ−担体
4. The catalyst according to claim 3, wherein the at least one catalyst containing the ligand having a cyclopentadienyl skeleton and the transition metal compound of Group IV of the periodic table is a catalyst comprising the following H1 to H5. The resin composition for an electrical insulating material according to the above.
H1: General formula Me 1 R 1 p (OR 2 ) q X 1 4 over the compound represented by pq (wherein, Me 1 represents Zr, Ti, and Hf, R 1 and R 2 are each 1 to carbon atoms A hydrocarbon group of 24, X 1 represents a halogen atom, and p, q and r are each an integer satisfying the ranges of 0 ≦ p <4 and 0 ≦ p + q ≦ 4).
H2: a compound represented by the general formula Me 2 R 3 m (OR 4 ) n X 2 zmn (where Me 2 is an element of Groups I to III of the periodic table, and R 3 and R 4 each have 1 to 1 carbon atoms) 24 represents a hydrocarbon group, X 2 represents a halogen atom or a hydrogen atom (however, when X 2 is a hydrogen atom, Me 2 is limited to a Group III element of the periodic table), and z is the valence of Me 2 And m and n are integers that satisfy the ranges of 0 ≦ m ≦ z and 0 ≦ n ≦ z, respectively, and 0 ≦ m + n ≦ z).
H3: an organic cyclic compound having a conjugated double bond.
H4: a modified organoaluminum compound containing an Al-O-Al bond obtained by reacting an organoaluminum compound with water.
H5: inorganic carrier and / or particulate polymer carrier
前記樹脂成分は、(A)成分を2重量%以上と、(A’)他のポリオレフィンを98重量%以下よりなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。The said resin component consists of 2 weight% or more of (A) component, and 98 weight% or less of (A ') other polyolefin, The thing for electrical insulation materials in any one of Claims 1-4 characterized by the above-mentioned. Resin composition. 前記(A’)他のポリオレフィンが、高圧ラジカル重合によるエチレン(共)重合体、高・中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。The (A ') other polyolefin is at least one selected from an ethylene (co) polymer obtained by high-pressure radical polymerization, high / medium density polyethylene, and linear low density polyethylene. 5. The resin composition for an electrical insulating material according to any one of 5 . 前記樹脂成分中に、M6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマーと、M1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。The electricity according to any one of claims 1 to 6 , wherein the resin component contains M6: a compound or monomer having two or more ethylene bonds, and M1: a carbonyl group or a carbonyl group derivative-containing monomer. Resin composition for insulating material. 前記樹脂成分中に、M6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマーと、M5:芳香族環含有モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。During the resin component, M6: a compound or monomer having ethylenic bonds two or more, M5: for electrical insulating material according to any one of claims 1 to 6, characterized in that it contains an aromatic ring-containing monomer Resin composition. 前記樹脂成分中に、M1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマーと、M5:芳香族環含有モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。The resin composition for an electrical insulating material according to any one of claims 1 to 6 , wherein the resin component contains M1: a monomer containing a carbonyl group or a carbonyl group derivative, and M5: a monomer containing an aromatic ring. object. 前記樹脂成分中に、M6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマーと、M1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマーと、M5:芳香族環含有モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。2. The resin component contains M6: a compound or monomer having two or more ethylene bonds, M1: a carbonyl group or a carbonyl group derivative-containing monomer, and M5: an aromatic ring-containing monomer. 7. The resin composition for an electrical insulating material according to any one of items 6 to 6 . 前記樹脂成分中に導入するM6:エチレン結合2個以上を有する化合物またはモノマーとして、液状ポリブタジエン、エチレン−(メタ)アクリル酸アリル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸ビニル共重合体の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8、10のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。M6 to be introduced into the resin component: at least one of liquid polybutadiene, ethylene-allyl (meth) acrylate copolymer, and ethylene- (meth) acrylate copolymer as a compound or monomer having two or more ethylene bonds. The resin composition for an electrical insulating material according to any one of claims 1 to 8 , wherein the resin composition is a seed. 前記樹脂成分中に導入するM1:カルボニル基またはカルボニル基誘導体含有モノマーとして、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7、9、10のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。The introduction into the resin component M1: as a carbonyl group or carbonyl group derivative containing monomer, either maleic anhydride, according to claim 1 7, 9, 10, characterized in that at least one (meth) acrylic acid The resin composition for an electrical insulating material according to any one of the above. 前記樹脂成分中に、M5:芳香族環含有モノマーを導入するにあたり、ポリスチレン、エチレン−スチレンのランダム共重合体または芳香族環含有モノマーでグラフト変性したオレフィン系重合体を用いることを特徴とする請求項1〜6、8〜10のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物。When introducing the M5: aromatic ring-containing monomer into the resin component, a polystyrene, a random copolymer of ethylene-styrene, or an olefin polymer graft-modified with an aromatic ring-containing monomer is used. Item 11. The resin composition for an electrical insulating material according to any one of Items 1 to 6 , 8 to 10 . 前記請求項1〜13のいずれかに記載の電気絶縁材料用樹脂組成物を用いたことを特徴とする電気絶縁材料。An electrical insulating material using the resin composition for an electrical insulating material according to any one of claims 1 to 13 . 前記請求項14に記載の電気絶縁材料用樹脂組成物を架橋したことを特徴とする電気絶縁材料。An electrical insulating material obtained by crosslinking the resin composition for an electrical insulating material according to claim 14 . 前記請求項14または15に記載の電気絶縁材料を絶縁層とした電線・ケ−ブル。An electric wire or cable comprising the electric insulating material according to claim 14 or 15 as an insulating layer.
JP11938896A 1996-05-14 1996-05-14 Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same Expired - Fee Related JP3558780B2 (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11938896A JP3558780B2 (en) 1996-05-14 1996-05-14 Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11938896A JP3558780B2 (en) 1996-05-14 1996-05-14 Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09302160A JPH09302160A (en) 1997-11-25
JP3558780B2 true JP3558780B2 (en) 2004-08-25

Family

ID=14760272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11938896A Expired - Fee Related JP3558780B2 (en) 1996-05-14 1996-05-14 Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3558780B2 (en)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ID28457A (en) 1998-09-16 2001-05-24 Japan Polyolefins Co Ltd RESIN MATERIALS FOR ELECTRICAL ISOLATION MATERIALS, ELECTRIC ISOLATION MATERIALS, AND ELECTRICAL WIRE AND SAME CABLE USE
CN1286897C (en) 2001-03-28 2006-11-29 日本聚烯烃株式会社 Adhesive resin composition and multilayer structure made with same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09302160A (en) 1997-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3685996B2 (en) Resin material for electrical insulation, electrical insulation material, and electric wire / cable using the same
US6423808B1 (en) Ethylene-α-olefin copolymer and composition, and film, laminate and electrical insulating material comprising same
US20110045295A1 (en) Adhesive polymer composition
JP2005534802A (en) Silane crosslinkable polyethylene
JP3558780B2 (en) Resin composition for electric insulating material, electric insulating material, and electric wire / cable using the same
CN102292356B (en) Medium voltage cable sheath comprising an olefin-based polymer
JP3872140B2 (en) Packaging material with excellent antistatic properties
JP2000090743A (en) Electric insulating material and electric wire/cable using the same
JP3345737B2 (en) Electrical insulation and power cable using the same
JPH10310667A (en) Resin composition for electrical insulation material, electrical insulation material and electric wire and cable insulated therewith
JP3710543B2 (en) Agricultural film
JP3366157B2 (en) Electrical insulation and power cable using the same
JP3660066B2 (en) Method for producing polyethylene composition with improved melt tension
JP4902059B2 (en) Cover material for wire protection
JPH11106601A (en) Water cross-linked mold and production of the same
JP3364388B2 (en) Flame retardant resin composition
JP3953652B2 (en) Modified resin powder
JP3364389B2 (en) Flame retardant resin composition
JPH1036580A (en) Thermoplastic elastomer resin composition
JP3663772B2 (en) Electrical insulator composition, electric wire coating material and electric wire
JP3704395B2 (en) Twist packaging film
CN114829495A (en) Oil-extended EPDM in moisture-cured blends
JPH1036579A (en) Thermoplastic elastomer resin composition
JP2005023323A (en) ETHYLENE-alpha-OLEFIN COPOLYMER
JP2003312727A (en) Cover film for use with electronic component carrier tape

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees