JP3551469B2 - 新規ポリペプチド化合物及びその塩 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は新規ポリペプチド化合物及びその塩に関する。さらに詳しくはこの発明は抗菌活性(特に抗真菌活性)、β−1,3−グルカン合成に対する阻止活性を有し、さらに人体や動物のニューモシスティスカリニ(Pneumocystis carinii)感染症(例えばカリニ肺炎)の治療や予防に有用であると期待されている新規ポリペプチド化合物及びその塩、それを製造する方法に関するものである。
従って、この発明のひとつの目的は種々の病原菌に対して高い活性を有し、さらに人体や動物のニューモシスティスカリニ感染症(例えばカリニ肺炎)の治療または予防にとって有用であると期待される新規ポリペプチド化合物及びその塩を提供する事である。
【0002】
この発明の他の目的のひとつは前記のポリペプチド化合物及びその塩の製造法を提供する事である。
この発明のさらなる他の目的のひとつは活性成分としてポリペプチド化合物及びその塩を含有する抗菌剤を提供することである。
【0003】
【発明の構成】
この発明の目的とするポリペプチド化合物は新規であり,次の一般式[I]によって表される。
[式中、R1は水素、
R2はアシル基、
R3はヒドロキシ基またはアシルオキシ基、
R4はヒドロキシ基またはヒドロキシスルホニルオキシ基、
R5は水素または適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基、および
R6は水素、ヒドロキシ基またはアシル(低級)アルキルチオ基をそれぞれ意味する。]
【0004】
この発明のポリペプチド化合物[I]は下記反応式に従って製造することができる。
製造法1
【0005】
製造法 2
【0006】
製造法 3
【0007】
製造法 4
【0008】
製造法 5
【0009】
[式中、R1, R2, R3, R4, R5 および R6 はそれぞれ前と同じ意味、
R3 a はアシルオキシ基、
R4 a はヒドロキシスルホニルオキシ基、
R5 a は適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基、
R6 a はヒドロキシ基、またはアシル(低級)アルキルチオ基、
R6 b はアシル(低級)アルキルチオ基、
R6 c はヒドロキシ基をそれぞれ意味する。]
【0010】
化合物(I)の好適な塩は慣用の無毒性のモノまたはジ塩であって、金属塩、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩等)等、有機酸付加塩(例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)
無機酸付加塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、りん酸塩等)、アミノ酸(例えばアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等)との塩等が挙げられる。
【0011】
この明細書の以上および以下の記載において、この発明の範囲内に包含される種々の定義の好適な例および説明を以下詳細に説明する。
「低級」とは、特に指示がなければ、炭素原子1ないし6個好ましくは炭素原子1ないし4個を意味するものとする。
「高級」とは、特に指示がなければ、炭素原子7ないし20個、好ましくは炭素原子7ないし15個、さらに好ましくは炭素原子7ないし10個を意味するものとする。
【0012】
好適な「アシル基」および「アシルオキシ基」の「アシル」部分としては、カルボン酸、炭酸、カルバミン酸、スルホン酸等から誘導される脂肪族アシル基、芳香族アシル基、複素環式アシル、および芳香族基または複素環式基で置換された脂肪族アシル基等が挙げられる。
【0013】
前記「アシル」部分の好適な例を以下に示す:
ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等);ヒドロキシ、後述の高級アルコキシ、後述のアリール等のような適当な置換基を1個以上(好ましくは1〜3個)有していてもよいアリ−ル(例えばフェニル、ナフチル、アントリル等);後述の低級アルコキシ;アミノ;保護されたアミノ、好ましくは低級アルコキシカルボニルアミノ(例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、第三級ブトキシカルボニルアミノ、ペンチルオキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ等)等のようなアシルアミノ;ジ(低級)アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、N−メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、N−プロピルブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ等);低級アルコキシイミノ(例えば、メトキシイミノ、エトキシイミノ、プロポキシイミノ、ブトキシイミノ、第三級ブトキシイミノ、ペンチルオキシイミノ、ヘキシルオキシイミノ等);後述の高級アルコキシ等のような適当な置換基を1個以上(さらに好ましくは1〜3個)有していてもよいフェニル(低級)アルコキシイミノ(例えば、ベンジルオキシイミノ、フェネチルオキシイミノ、ベンズヒドリルオキシイミノ等)のようなアル(低級)アルコキシイミノ;高級アルキル(例えば、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7−ジメチルオクチル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、3−メチル−10−エチルドデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等)等のような適当な置換基を1個以上(より好ましくは1〜3個)有していてもよい複素環チオ、好ましくはピリジルチオ;アミノ、前述の保護されたアミノ、前述の高級アルキル等のような適当な置換基を1個以上(さらに好ましくは1〜3個)有していてもよい複素環基(例えば、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等)等;等のような適当な置換基を1個以上(さらに好ましくは1〜3個)有していてもよい低級アルカノイル[例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ピバロイル等];
【0014】
高級アルカノイル[例えばヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ラウロイル、トリデカノイル、ミリストイル、ペンタデカノイル、パルミトイル、10,12−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、ステアノイル、ノナデカノイル、イコサノイル等];
【0015】
後述の高級アルコキシ等のような置換基を1個以上(さらに好ましくは1〜3個)有していてもよい前述のアリ−ルのような適当な置換基を1個以上(さらに好ましくは1〜3個)有していてもよい低級アルケノイル[例えばアクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル、3−ペンテノイル、5−ヘキセノイル等];高級アルケノイル[例えば、4−ヘプテノイル、3−オクテノイル、3,6−デカジエノイル、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエノイル、4,10−ヘプタデカジエノイル等];
低級アルコキシカルボニル[例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等];
高級アルコキシカルボニル[例えば、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、トリデシルオキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、3−メチル−10−エチルドデシルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル、ヘプタデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、ノナデシルオキシカルボニル、イコシルオキシカルボニル等];
アリ−ルオキシカルボニル[例えば,フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等];
【0016】
アリ−ルグリオキシロイル[例えば,フェニルグリオキシロイル、ナフチルグリオキシロイル等];
ニトロまたは低級アルコキシを有していてもよいフェニル(低級)アルコキシカルボニルのような置換基を1個以上有していてもよいアル(低級)アルコキシカルボニル[例えばベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル等];
低級アルキルスルホニル[例えば、メシル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ペンチルスルホニル、ブチルスルホニル等];
【0017】
後述の低級アルキルまたは高級アルコキシ等のような置換基を1個以上(好ましくは1〜3個)有していてもよいアリールスルホニル[、例えばフェニルスルホニル、トシル、ナフチルスルホニル等];
フェニル(低級)アルキルスルホニル等のようなアル(低級)アルキルスルホニル[例えばベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル、ベンズヒドリルスルホニル等];
【0018】
前述のハロゲン;低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等);前述の高級アルキル;前述の低級アルコキシ、前述のハロゲン、前述のアリール等のような適当な置換基を1個以上(好ましくは1〜10個)有していてもよい低級アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、4−メチルペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等);前述のハロゲンのような適当な置換基を1個以上(好ましくは1〜17個)有していてもよい高級アルコキシ(例えば、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、3−メチル−10−エチルドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、ノナデシルオキシ、イコシルオキシ等);高級アルケニルオキシ(例えば、3−ヘプテニルオキシ、7−オクテニルオキシ、2,6−オクタジエニルオキシ、5−ノネニルオキシ、1−デセニルオキシ、3,7−ジメチル−6−オクテニルオキシ、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルオキシ、8−ウンデセニルオキシ、3,6,8−ドデカトリエニルオキシ、5−トリデセニルオキシ、7−テトラデセニルオキシ、1,8−ペンタデカジエニルオキシ、15−ヘキサデセニルオキシ、11−ヘプタデセニルオキシ、7−オクタデセニルオキシ、10−ノナデセニルオキシ、18−イコセニルオキシ等);カルボキシ;前述の高級アルコキシのような適当な置換基を1個以上(好ましくは1〜3)有していてもよい前述のアリ−ル;前述の高級アルコキシのような適当な置換基を1個以上(好ましくは1〜3個)有していてもよいアリ−ルオキシ(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ、アントリルオキシ等)、等のような適当な置換基を1個以上(好ましくは1〜5個)有していてもよい;等;等のような置換基を1個以上(好ましくは1〜5個)有していてもよいアロイル[例えば、ベンゾイル、ナフトイル、アントリルカルボニル等]等が挙げられる。
【0019】
このように定義される「アシル基」の好ましい例としては1個以上(好ましくは1〜5)のi)低級アルコキシ、ii)高級アルコキシまたはiii)1個以上(好ましくは1〜3)の低級アルコキシまたは高級アルコキシを有していてもよいアリール基のようなアロイル基が挙げられ;その中でさらに好ましい例としては、それぞれが低級アルコキシ、高級アルコキシおよび1〜3個の高級アルコキシを有していてもよいフェニルからなる基から選ばれた1〜3個の適当な置換基を有していてもよいベンゾイル基またはナフトイル基が挙げられ、更になお好ましい例としては1〜3個の(C7〜C16)のアルコキシを有していてもよいベンゾイル基、1〜3個の(C5〜C16)のアルコキシを有していてもよいフェニル基;または1〜3個の(C7〜C16)のアルコキシを有していてもよいナフトイル基であり、そして最も好ましい例は4−オクチルオキシベンゾイル、4−(4−ヘプチルオキシフェニル)ベンゾイル、6−ヘプチルオキシ−2−ナフトイルおよび6−オクチルオキシ−2−ナフトイル、4−(4−ペンチルオキシフェニル)ベンゾイル、4−(4−ノニルオキシフェニル)ベンゾイル、4−(4−メチルペンチルオキシフェニル)ベンゾイル、6−(4−メチルペンチルオキシ)−2−ナフトイル、6−ヘキシルオキシ−2−ナフトイル、4−(4−ヘキシルオキシフェニル)ベンゾイル;そして他の好ましい例としては前記高級アルカノイル基が挙げられ、その中でさらに好ましい例としては、(C5〜C17)のアルカノイル基が挙げられ、最も好ましい例としてはパルミトイル基が挙げられる。
【0020】
好適な「アシルオキシ基」としては低級アルカノイルオキシ基が挙げられる。「アシル(低級)アルキルチオ基」の好適な「アシル」部分としては、カルボキシ基;またはエステル化されたカルボキシ基[例えば低級アルコキシカルボニル(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等)等]のような保護されたカルボキシ基;その中でさらに好ましい例としては、カルボキシ基が挙げられる。
【0021】
「アシル(低級)アルキルチオ基」の好適な「(低級)アルキル」部分としては、後述の「適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル」部分として例示したような基が挙げられる。
【0022】
「適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基」の好適な「低級アルキル」部分としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等のような直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1ないし6のアルカンの残基を意味し、その好ましい例としてはC1 −C4 アルキル基が、さらに好ましい例としてはメチル基が挙げられる。
【0023】
上記「低級アルキル基」は、ヒドロキシ、アシル(例えばカルボキシ、保護されたカルボキシ{例えば低級アルコキシカルボニル(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等}等)、ジ(低級)アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチルエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N−t−ブチルブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ等)、環の部分にほかの異種原子を有していてよい環状のアミノ(例えば1−ピロリジニル、ピペリジノ、1−ピペラジニル、モルホリノ、1−ピリジル、ジヒドロピリジン−1−イル 等)等のような置換基を1個以上(好ましくは1〜3個)有していてもよい。
【0024】
「適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基」の好適な例としては、ヒドロキシとカルボキシを有する低級アルキル、ジ(低級)アルキルアミノを有する低級アルキル;およびそして環状アミノを有する低級アルキルが挙げられ、それらの中でさらに好ましい例としては、ヒドロキシ及びカルボキシを有する(C1〜C4)アルキル;ジ(C1〜C4)アルキルアミノを有する(C1〜C4)アルキル;ピペリジノを有する(C1〜C4)アルキルが挙げられ、そして最も好ましい例は1−ヒドロキシ−1−カルボキシメチル、ジメチルアミノメチルおよびピペリジノメチルである。
【0025】
化合物(I)の実施態様について以下説明する。
(1)化合物(I)の好ましい例としては、
R1が水素、
R2がi)低級アルコキシ、ii)高級アルコキシおよびiii)1個以上の低級アルコキシまたは高級アルコキシを有していてもよいアリール基から選ばれた1個以上の適当な置換基を有していてもよいアロイル基;または高級アルカノイル基;
R3がヒドロキシ基またはアシルオキシ基、
R4がヒドロキシ基またはヒドロキシスルホニルオキシ基、
R5が水素またはヒドロキシ、アシル、ジ(低級)アルキルアミノおよび環状のアミノからなる基から選ばれた適当な置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基、
R6が水素、ヒドロキシ基またはアシル(低級)アルキルチオ基である化合物が挙げられる。
【0026】
(2)化合物(I)の更に好ましい例としては、
R2 がそれぞれが低級アルコキシ;高級アルコキシ;および1〜3個の高級アルコキシを有していてもよいフェニルからなる基から選ばれた1〜3個の適当な置換基を有していてもよいベンゾイルもしくはナフトイル基、
R3 がヒドロキシ基、
R5が水素、
R6が水素またはヒドロキシ基、
R1およびR4がそれぞれ前と同じ意味の基である化合物が挙げられる。
【0027】
(3)化合物(I)の更になお好ましい例としては、
R2がアルコキシを有するベンゾイル基、アルコキシを有するフェニルを有するベンゾイル基、低級アルコキシを有するナフトイル基、または高級アルコキシを有するナフトイル基、
R6が水素、
R1,R3,R4およびR5がそれぞれ前と同じ意味の基である化合物が挙げられる。
【0028】
(4) 化合物(I)のなお更に好ましい例としては、
i)R2が高級アルコキシを有するベンゾイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6 がそれぞれ(3)と同じ意味の基である化合物、または
ii)R2が高級アルコキシを有するフェニルを有するベンゾイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6がそれぞれ(3)と同じ意味の基である化合物、または
iii)R2 が低級アルコキシを有するナフトイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6 がそれぞれ(3)と同じ意味の基である化合物、または
iv)R2 が高級アルコキシを有するナフトイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6がそれぞれ(3)と同じ意味の基である化合物が挙げられる。
【0029】
(5)化合物(I)の他の更になお好ましい例としては、
R1が水素、
R2が高級アルコキシを有するベンゾイル基、
高級アルコキシを有するフェニルを有するベンゾイル基、
低級アルコキシを有するナフトイル基、
高級アルコキシを有するナフトイル基、
R3がヒドロキシ基、
R4がヒドロキシ基またはヒドロキシスルホニルオキシ基、
R5が水素、
R6がヒドロキシ基である化合物が挙げられる。
【0030】
(6)化合物(I)の他のなお更に好ましい例としては、
i)R2が高級アルコキシを有するベンゾイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6がそれぞれ(5)と同じ意味の基であ る化合物、または
ii)R2が高級アルコキシを有するフェニルを有するベンゾイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6がそれぞれ(5)と同じ意味の基である化合物、または
iii)R2が低級アルコキシを有するナフトイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6 がそれぞれ(5)と同じ意味の基である化合物、または
iv)R2 が高級アルコキシを有するナフトイル基、
R1、R3、R4 、R5およびR6がそれぞれ(5)と同じ意味の基である化合物が挙げられる。
【0031】
この発明の目的化合物[I]またはその塩の製造方法を以下詳細に説明する。
製造法 1
目的化合物(I)またはその塩は、化合物(II)またはその塩を還元反応に付すことによって製造することができる。
化合物(II)の好適な塩としては 化合物(I)の塩について例示したのと同じものが挙げられる。
【0032】
この反応は、常法すなわち化学還元および接触還元により行われる
化学還元に用いる好適な還元剤としては、金属(例えば錫、亜鉛、鉄等)または金属化合物(例えば塩化クロム、酢酸クロム等)と有機酸あるいは無機酸[例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸,アルミニウムハイドライド化合物(例えばリチウムアルミニウムハイドライド、リチウムハイドライドトリ−t−ブトキシアルミネート、等)、ボロハイドライド化合物(例えばハイドライナトリウムボロハイドライド、ナトリウムシアノボロハイドライド、等)のようなハイドライド移動試薬等]の組み合わせを挙げることができる。
【0033】
接触還元に使用される好適な触媒としては、白金触媒(例えば白金板、白金海綿、白金黒、コロイド白金、酸化白金、白金線等)、パラジウム触媒(例えばパラジウム海綿、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム−炭素、コロイドパラジウム、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム−炭酸バリウム等)、ニッケル触媒(例えば還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネ−ニッケル等)、コバルト触媒(例えば還元コバルト、ラネ−コバルト等)、鉄触媒(例えば還元鉄、ラネ−鉄等)、銅触媒(例えば還元銅、ラネ−銅、ウルマン銅等)等を挙げることができる。
【0034】
還元は通常、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば水、アルコール(例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノール等)、酢酸、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、またはそれらの混合物等の溶媒中で行われる
還元の反応温度は特に限定されないが、通常、冷却ないし加温下に反応が行われる。
R6 aの「ヒドロキシ基」が反応中、「水素」に還元されることがあるがこの場合も又この発明の範囲内に含まれる。
【0035】
製造法 2
目的化合物(Ib)またはその塩は、化合物(Ia)またはその塩を還元反応に付すことにより製造することができる。
この反応は、製造法1で述べたものと実質的に同じ方法で行うことができるので、反応方法および反応条件(例えば溶媒、反応温度等)は製造法1の説明を援用できる。
【0036】
製造法 3
目的化合物(Id)またはその塩は、化合物(Ic)またはその塩をアルキル化反応に付すことによって、製造することができる。
この反応で用いられる好適なアルキル化剤としては、
1)1個以上(好ましくは1〜3)の「1個以上の適当な置換基を有していてもよい低級アルキル基」の置換基として例示したような適当な置換基を有していてもよい低級アルカナル(例えば ホルムアルデヒド、エタナル、プロパナル、ブタナル、t−ブタナル、ペンタナル、ヘキサナル等)、
【0037】
2)式
[式中R6とR7はそれぞれ前記例示の低級アルキル]で示される化合物、
【0038】
3)式
(式中、
式:
で示される基は環の部分にほかのヘテロ原子を有していてもよい環状アミニウム基(例えばピイルロリジニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、モルホリニウ等)等が挙げられる。
【0039】
反応は通常、水、アルコ−ル(例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノール等)、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトンのような慣用の溶媒または反応に悪影響を及ぼさないその他のあらゆる溶媒中で行われる。
反応温度は特に限定されず、通常冷却下ないし加温下で行われる。
【0040】
製造法4
目的化合物[If]またはその塩は化合物[Ie]またはその塩をアシル(低級)アルキルチオールとの置換反応に付すことにより製造する事ができる。
反応は、通常、水、アルコール(例えばメタノール、エタノール等)、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、ジオキサン、ジエチルエーテルのような溶媒中、またはそれらの混合物中で行なわれるが、反応に、悪影響を及ぼさない溶媒いであれば、そのほかのあらゆる溶媒意中で行う事ができる。
反応温度は特に限定されず、通常冷却下ないし加熱下で行われる。
反応は、通常、酸(ルイス酸も含む)の存在下で行う事が好ましい。
【0041】
好適な酸としては、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酸、トリフルオロ酢酸(等)および無機酸[例えば、塩酸、臭化水素酸、、硫酸、塩化水素、臭化水素、ハロゲン化亜鉛(例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛等)、等]等が挙げられる。
液状の酸および/または出発化合物も溶媒として用いる事ができる。
【0042】
製造法 5
目的化合物(Ih)またはその塩は、化合物(Ig)またはその塩をアシル化反応に付すことによって、製造することができる。
このアシル化反応で使用される好適なアシル化剤としては、式:R3 b−OH[III][式中R3 b は低級アルカノイル]で示される慣用のアシル化剤またはその反応性誘導体もしくはその塩が挙げられる。
【0043】
化合物[III]の好適な「低級アルカノイル」としては、前述の「低級アルカノイルオキシ」の「低級アルカノイル」部分と同様のものが挙げられる。
【0044】
化合物[III]のカルボキシ基における好適な反応性誘導体としては酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミド、活性化エステル等が挙げられる。その好適な例としては、酸塩化物;酸アジド;置換されたリン酸(例えばジアルキルりん酸、フェニルりん酸、ジフェニルりん酸、ジベンジルりん酸、ハロゲン化りん酸等)、ジアルキル亜りん酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、スルホン酸(例えばメタンスルホン酸等)、アルキル炭酸、脂肪族カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、2−エチル酪酸またはトリクロロ酢酸等)または芳香族カルボン酸(例えば安息香酸等)のような酸との混合酸無水物;対称酸無水物(例えば無水酢酸等);イミダゾール、4−置換イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリアゾール、テトラゾールまたは1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールとの活性化アミド;活性化エステル(例えばシアノメチルエステル、メトキシメチルエステル、ジメチルイミノメチル[(CH3)2N+=CH−]エステル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロフェニルチオエステル、p−クレジルチオエステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリジルエステル、ピペリジルエステル、8−キノリルチオエステル等)、もしくはN−ヒドロキシ化合物(例えばN,N−ジメチルヒドロキシルアミン、1−ヒドロキシ−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシ−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール等)とのエステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体は、使用すべき化合物[III]の種類によって、これらの中から適宜選択することができる。
【0045】
化合物[III]およびその反応誘導体の好適な塩としては、化合物(I)の塩について例示したものと同じものを挙げることができる。
【0046】
反応は、通常、水、アルコール(例えばメタノール、エタノール等)、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンのような慣用の溶媒または反応に悪影響を及ぼさないその他のあらゆる有機溶媒中で行われる。これらの慣用の溶媒は水と混合して用いてもよい。
【0047】
化合物[III]を遊離酸またはその塩の形でこの反応に使用する場合、反応を、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N′−モルホリノエチルカルボジイミド;N−シクロヘキシル−N′−(4−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド;N,N′−ジエチルカルボジイミド、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド;N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;N,N′−カルボニルビス−(2−メチルイミダゾール);ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシルイミン;ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミン;エトキシアセチレン;1−アルコキシ−1−クロロエチレン;亜りん酸トリアルキル;ポリリン酸エチル;ポリリン酸イソプロピル;オキシ塩化リン(塩化ホスホリル);三塩化リン;塩化チオニル;塩化オキサリル;例えばクロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル等のハロギ酸低級アルキル;トリフェニルホスフィン;2−エチル−7−ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩;2−エチル−5−(m−スルホフェニル)イソオキサゾリウムヒドロキシド分子内塩;1−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール;N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、オキシ塩化リン等との反応によって調整したいわゆるビルスマイヤー試薬のような慣用の縮合剤の存在下に行うことが望ましい。
【0048】
反応はまた、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、トリ(低級)アルキルアミン(例えばトリエチルアミン等)、ピリジン、ジ(低級)アルキルアミノピリジン(例えば4−ジメチルアミノピリジン等)、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミン等のような無機または有機塩基の存在下に行うことが望ましい。
反応温度は特に限定されず、通常、冷却下ないし加温下で行われる。
【0049】
出発化合物[II]はヨーロッパ特許EP0462531A2号公報で開示された発酵及び合成法、およびこの明細書に記載した製造法により製造することができる。
上記の発酵方法で使用される菌株コレオフォマ(Coleophoma) sp.F−11899は第FERM BP−2635号として1989年10月26日付で工業技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号 郵便番号305)に寄託されている。
【0050】
この発明のポリペプチド化合物(I)の有用性を示す為に代表的化合物の生物学的デ−タを以下に示す。
試験A(抗菌活性)
後述する実施例19の主化合物(Major Compound)の試験管内抗菌活性を下記寒天平板倍数希釈法により測定した。
試験方法
各試験菌株を2%グルコ−スを含むサブロ−・ブロス(Sabouraud broth)中一夜培養してその1白金耳(生菌数105個/ml)を、各濃度段階の化合物(I)を含むイ−ストニトロゲンベ−スデクストロ−ズ寒天(YNBD寒天)に接種し、30℃で24時間インキュベ−トした後、最小発育阻止濃度(MIC)をμg/mlで表した。
試験結果
上記試験結果から明らかなようにこの発明のポリペプチド化合物(I)は抗菌活性(特に抗真菌活性)を有する。
【0051】
この発明の抗菌剤は直腸投与、肺吸入(鼻腔または口からの吸入)、鼻への投与、目への投与、外用投与(局所投与)、経口投与、非経口投与(皮下、静脈、筋肉注射)に適した有機、無機担体または賦形剤と混合して、ポリペプチド化合物(I)とその塩を有効物質として含有する常用の医薬製剤例えば固体状、半固体状、液状の形で使用することができる。
有効成分は常用無毒で医薬として許容される担体と混合して適当な剤形、例えば錠剤、ペレット、トロ−チ、カプセル剤、坐剤、軟膏、エアゾル剤、吸入用粉末、または溶液、エマルジョン、懸濁液などのような形として使用すればよい。必要に応じて上記製剤中に補助剤、安定化剤、濃糊化剤および着色剤並びに香料を使用してもよい。
【0052】
この抗菌剤中に含有されるポリペプチド化合物(I)とその塩の量は疾患の過程と状態に対して所望の抗菌効果を発揮するのに十分な量である
この抗菌剤を人に適用する場合、静脈内注射、筋肉注射、肺への吸入、経口投与の方法でなされることが好ましい。このポリペプチド化合物(I)の投与量は、処置すべき患者の年齢、疾患の程度等の条件によって変化する。一般的には、静脈注射の場合ポリペプチド化合物1日投与量約0.01〜20mg/kg、筋肉注射の場合ポリペプチド化合物1日投与量約0.1〜20mg/kg、経口投与の場合ポリペプチド化合物1日投与量約0.5〜50mg/kg、を感染症治療、または予防に使用すればよい。
【0053】
特にニューモシスティスカリニ感染症の治療や予防の場合には、次の事に注意する。
吸入による投与の為には、この発明の化合物は圧縮された容器からのエアゾルスプレイ、またはネブライザ−の形で用いられるのが便利である。
この化合物は粉末として形成され用いられてよい。その粉末抗菌剤は吸入用粉末の吸入器の助けを借りて吸入しても良い。望ましい吸入方法は、目盛り付きの吸入エアゾ−ル等によってするもので、化合物のフルオロカ−ボンやハイドロカ−ボンのような好適な推進剤中懸濁液、または溶液として形成されていても良い。
【0054】
肺や気管支を直接的に治療することの方が望ましいという理由があるためエアゾル投与の方がむしろ好ましい投与法である。
特に耳やそのほかの体腔にまで感染が広がってしまったような場合には吸入もまた望ましい方法である。
他には非経口投与として点滴による静脈投与が用いられる。
【0055】
以下、製造例と実施例に従ってこの発明をさらに詳細に説明する。
製造例 1
メチルトリクロロシラン(0.82ml)のアセトニトリル溶液中に氷冷下に1−エトキシメチルピペリジン(1g)を加え、同温で5分間攪拌する。ジエチルエ−テルを加え、生成する沈殿物を濾取し、乾燥して、1−メチレンピペリジニウムクロリド(0.88g)を得る。
IR (Nujol) : 3100, 2700, 1420, 1110, 920 cm−1
EI−MS : e/z = 133 (M+)
【0056】
製造例 2
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1.04g)の10%の水酸化ナトリウム水溶液(4.44ml)とジメチルスルホキシド(18ml)の混合物中溶液を80℃で半時間攪拌する。ヘプチルブロミド(0.872ml)を加え、60℃で5時間攪拌する。反応混合物を、水(50ml)に入れ、混合物を濃塩酸で、pH3に調整する。生成する沈殿物を濾取し、乾燥して6−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸(1.39g)を得る。
IR(Nujol) : 1660, 1620, 1210cm−1
NMR(DMSO−d6,δ) : 0.88(3H, t, J=6.6Hz), 1.2−1.6(8H, m), 1.7−1.9(2H, m), 4.10(2H, t, J=6.5Hz), 7.18(1H, dd, J=8.9Hz 及び 2.4Hz), 7.35(1H, d, J=2.4Hz), 7.79 (1H, d, J=8.6Hz), 7.9−8.1(2H, m), 8.45(1H, s)
【0057】
製造例 3
製造例2と同様にして下記化合物を得る。
4−(4−ペンチルオキシフェニル)安息香酸
IR(KBr) : 1678, 1605, 1200, 833 cm−1
【0058】
製造例 4
製造例2と同様にして下記化合物を得る。
4−(4−ノニルオキシフェニル)安息香酸
IR(Nujol) : 1686, 1604, 1203, 837 cm−1
【0059】
製造例 5
製造例2と同様にして下記化合物を得る。
6−(4−メチルペンチルオキシ)−2−ナフトエ酸
IR(KBr) : 1674, 1624, 1292, 1213 cm−1
NMR (CDCl3, δ) : 0.64(6H,d,J=6.6Hz),1.3−1.5(2H,m), 1.65(1H,m), 1.78−2.0(2H,m), 4.08(2H,t,J=6.6Hz), 7.15(1H,d,J=2.3Hz), 7.21(1H,dd,J=2.3 及び 8.9Hz), 7.76(1H,d,J=8.7Hz), 7.87(1H,d,J=8.9Hz), 8.08(1H,dd,J=2.3 及び 8.7Hz), 8.63(1H,s)
【0060】
製造例 6
N−ヒドロキシスクシンイミド(0.56g)と6−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸(1.39g)の塩化メチレン(42ml)中けん濁液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(1.21g)を加え、室温で3時間攪拌する。反応混合物を、水(100ml)に入れる。有機層を分取し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、硫酸マグネシウムを濾去し、濾液の溶媒を減圧下で留去して、6−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸スクシンイミド(1.48g)を得る。
IR(Nujol) : 1760, 1740, 1620cm−1
NMR(CDCl3, δ) : 0.91(3H, t, J=6.6Hz), 1.2−1.6(8H, m), 1.7−2.0(2H, m), 2.93(4H, s), 4.10(2H, t, J=6.5Hz), 7.1−7.3(2H, m), 7.77(1H, d, J=8.6Hz), 7.84(1H, d, J=8.6Hz), 8.03(1H, dd, J=8.9Hz 及び 2.4Hz), 8.65(1H, s)
【0061】
製造例 7
製造例6と同様にして下記化合物を得る。
1−[4−(4−ペンチルオキシフェニル)ベンゾイル]1H−ベンゾトリアゾール−3−オキシド
IR(KBr) : 1776, 1605, 1194, 985 cm−1
NMR (CDCl3, δ) : 0.96(3H,t,J=7.0Hz),1.3−1.6(4H,m), 1.84(2H,quint,J=6.8Hz), 4.03(2H,t,J=6.5Hz), 7.03(2H,d,J=8.7Hz), 7.35−7.68(3H,m), 7.63(2H,d,J=8.7Hz), 7.79(2H,d,J=8.4Hz), 8.12(1H,d,J=8.2Hz), 8.32(2H,d,J=8.4Hz)
【0062】
製造例 8
製造例6と同様にして下記化合物を得る。
1−[4−(4−ノニルオキシフェニル)ベンゾイル]−1H−ベンゾトリアゾール−3−オキシド
IR(KBr) : 1774, 1600 cm−1
NMR (CDCl3, δ) : 0.89(3H,t,J=6.8Hz),1.1−1.6(12H,m), 1.83(2H,quint,J=6.5Hz), 4.03(2H,t,J=6.5Hz), 7.03(2H,d,J=8.8Hz), 7.35−7.68(3H,m), 7.64(2H,d,J=6.8Hz), 7.79(2H,d,J=6.8Hz), 8.12(1H,d,J=9.2Hz), 8.32(2H,d,J=6.8Hz)
【0063】
製造例 9
製造例6と同様にして下記化合物を得る。
1−[6−(4−メチルペンチルオキシ)−2−ナフトイル]−1H−ベンゾトリアゾール−3−オキシド
IR(KBr) : 1784, 1628, 1196 cm−1
【0064】
以下の製造例と実施例で用いられる出発化合物と得られる目的化合物は、下記の表に表され、出発化合物の構造式が上段に示されており、目的化合物の構造式が下段に示される。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
製造例 10
出発化合物(2.8g)と、6−ヘプチルオキシ−2−ナフトエ酸スクシンイミド(1.46g)のN,N−ジメチルホルムアミド(28ml)溶液に、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(0.393g)を加え、室温で12時間攪拌する。反応混合物を、酢酸エチル(140ml)で粉砕する。沈殿物を濾取し、溶媒を減圧下で乾燥する。得られた粉末を水(50ml)に入れ、ダウエックス(DOWEX) 50WX4(商標:ダウケミカル社製)(30ml)のイオン交換カラムクロマトグラフィ−に付し、水で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせODS(YMC−gel ODS−AM S−50)(商標:山村化学研究所製)のカラムクロマトグラフィ−に付し、50%のメタノ−ル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でメタノ−ルを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(1.94g)を得る。
IR (Nujol) : 3300, 1620cm−1
NMR (CD3OD,δ) : 0.92(3H, t, J=6.6Hz), 1.06(3H, d, J=6. 8Hz), 1.24(3H, d,J=6.1Hz), 1.3−1.7(8H, m), 1.7−2.3(5H, m), 2.3−2.7(3H, m), 2.8−2.9(1H, m), 3.39(1H, m), 3.7−4.7(16H, m), 4.99(1H, d, J=2Hz), 5.10(1H, d, J=3.7Hz), 5.36(1d, J=2. 9Hz), 6.86(1H, d, J=8.3Hz), 7.05(1H, dd, J=8.3Hz 及び 2Hz), 7.17(1H, dd, J=8.9Hz 及び 1.9Hz), 7.23 (1H, d, J=2Hz), 7.32 (1H, d, J=1.9Hz), 7.7−7.9(3H, m), 8.31(1H, s)
FAB−MS : e/z = 1249 (M++Na)
【0094】
製造例 11
製造例10と同様にして目的化合物を得る。
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.91(3H,t,J=6.6Hz), 0.96(3H,d,J=7.2Hz), 1.09(3H,d,J=5.5Hz), 1.25−1.5(4H,m), 1.6−2.6(9H,m), 3.18(1H,m), 3.6−4.6(15H,m), 4.7−5.4(11H,m), 5.52(1H,d,J=5.8Hz), 6.74(1H,d,J=8.2Hz), 6.83(1H,d,J=8.2Hz), 6.86(1H,s), 7.04(2H,d,J=8.7Hz), 7.06(1H,s), 7.2−7.5(3H,m), 7.68(2H,d,J=8.7Hz), 7.72(2H,d,J=8.4Hz), 7.96(2H,d,J=8.4Hz), 8.12(1H,d,J=7.9Hz), 8.31(1H,d,J=7.1Hz), 8.77(1H,d,J=7.1Hz), 8.84(1H,s)
FAB−MS : e/z=1247(M++Na)
元素分析: C53H69N8NaO22S・6H2Oとして
計算値: C ; 47.74 H ; 6.12 N ; 8.40
実測値: C ; 47.98 H ; 5.92 N ; 8.41
【0095】
製造例 12
製造例10と同様にして目的化合物を得る。
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.85(3H,t,J=6.6Hz), 0.97(3H,d,J=6.6Hz), 1.08(3H,d,J=5.5Hz), 1.2−1.55(12H,m), 1.65−2.1(5H,m), 2.1−2.8(4H,m), 3.18(1H,m), 3.65−4.60(15H,m), 4.7−5.2(10H,m), 5.26(1H,d,J=4.4Hz), 5.53(1H,d,J=5.8Hz), 6.74(1H,d,J=8.2Hz), 6.83(1H,d,J=8.2Hz),6.86(1H,s), 7.04(2H,d,J=8.7Hz), 7.06(1H,s), 7.23−7.55(3H,m), 7.68(2H,d,J=8.7Hz), 7.72(2H,d,J=8.4Hz), 7.96(2H,d,J=8.4Hz), 8.12(1H,d,J=7.9Hz), 8.31(1H,d,J=7.1Hz), 8.77(1H,d,J=7.1Hz), 8.85(1H,s)
FAB−MS : e/z=1304(M++Na)
元素分析: C57H77N8NaO22S・5H2Oとして
計算値: C ; 49.92 H ; 6.39 N ; 8.17
実測値: C ; 49.96 H ; 6.44 N ; 8.23
【0096】
製造例 13
製造例10と同様にして目的化合物を得る。
IR(KBr) : 3300, 1668, 1628, 1271, 1216 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.91(6H,d,J=6.6Hz), 0.96(3H,d,J=6.7Hz), 1.08(3H,d,J=5.5Hz), 1.25−1.45(2H,m), 1.5−2.7(10H,m), 3.18(1H,m), 3.72(2H,m), 3.85−4.6(13H,m), 4.73−5.23(10H,m), 5.26(1H,d,J=4.5Hz), 5.52(1H,d,J=5.9Hz), 6.74(1H,d,J=8.1Hz), 6.83(1H,d,J=8.1Hz), 6.91(1H,s), 7.05(1H,s), 7.19−7.52(5H,m), 7.84(1H,d,J=8.7Hz), 7.9−8.0(2H,m), 8.13(1H,d,J=7.9Hz), 8.33(1H,d,J=7.1Hz), 8.44(1H,s), 8.80(1H,d,J=7.1Hz), 8.85(1H,s)
FAB−MS : e/z=1235(M++Na)
元素分析: C52H69N8NaO21S・4H2Oとして
計算値: C ; 48.59 H ; 6.04 N ; 8.72
実測値: C ; 48.53 H ; 6.15 N ; 8.54
【0097】
製造例 14
出発化合物(0.2g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)とアセトン(2ml)の混合物中溶液に、モレキュラ−シ−ブ4Åの存在下で室温でグリオキシル酸(0.155g)を加える。混合物を同温で5時間攪拌する。反応混合物を、酢酸エチル(20ml)で粉砕する。沈殿を濾取し、減圧下で乾燥して、目的化合物(0.14g)を得る。
NMR (CD3OD, δ) : 0.90 (3H, t, J=6.6Hz), 1.05 (3H, d, J=6.7Hz), 1.24(3H, d, J=6.0Hz), 1.2−1.6 (10H, m), 1.7−1.9 ( 2H, m), 1.9−2.2 (3H, m), 2.3−2.6 (3H, m), 2.7−2.9 (1H, m), 3.40(1H, m), 3.7−4.7 (16H, m), 4.98 (1H, s), 5.09 (1H, brs), 5.31(1H, brs), 5.40 (1H, s), 6.8−7.2 (4H, m), 7.33 (1H, s), 7.85 (2H, d, J=8.4Hz).
FAB−MS : e/z = 1287 (M++ Na)
【0098】
製造例 15
製造例14と同様にして目的化合物を得る。
IR (Nujol) : 3250, 1610 cm−1
NMR (CD3OD, δ) : 0.90 (3H, t, J=6, 6Hz), 1.05 (3H, d, J=6.7Hz), 1.24 (3H, d, J=6.1Hz), 1.2−1.6 (10H, m), 1.7−1.9 (2H, m), 1.9−2.2 (3H,m), 2.3−2.6 (3H, m), 2.7−2.9 (1H, m), 3.42 (1H, m), 3.7−4.7 (16H, m), 4.98 (1H, s), 5.09 (1H, d, J=3.8Hz), 5.31 (1H, d, J=2.8Hz), 5.44 (1H, s), 6.60(1H, dd, J=8.1 及び 1.9Hz), 6.72 (1H, d J=8.1Hz), 6.82 (1H, d, J=1.9Hz), 6.95 (2H, d, J=8.8Hz) 7.84 (2H, d, J=8.8Hz).
FAB−MS : e/z = 1185 (M++ Na)
元素分析 : C52H73N8NaO22・7H20 として、
計算値 : C; 47.63 H; 6.76 N; 8.54
実測値 : C; 47,56 H; 6.66 N; 8.35
【0099】
製造例 16
製造例14と同様にして目的化合物を得る。
NMR(DMSO−d6,δ) : 0.88(3H, t, J=6.6Hz), 0.96(3H, d, J=6.7Hz), 1.12(3H, d,J=5.9Hz), 1.2−2.0(13H, m), 2.1−2.7(4H, m ), 3.15( 1H, m), 3.5−4.5(18H, m ), 4.7−5.7(1H, m ), 6.74(1H, d, J=8.2Hz), 6.84(1H, d, J=8.5Hz), 7.03(1H, s ), 7.22(1H, d, J=8.9Hz), 7.36(1H, s ), 7.5(1H, m ), 7.83(1H, d, J=8.8Hz), 7.9−8.0(2H, m), 8.0−8.3( 3H, m), 8.49(1H, s ), 8.65(1H, m ), 8.85(1H, brs )
FAB−MS : e/z=1324(M+)
元素分析 : C55H72N8Na2O25S・7H2O として、
計算値 : C;45.57 H;5.98 N;7.73
実測値 : C;45.72 H;5.87 N;7.69
【0100】
製造例 17
出発化合物(3.15g)のN,N−ジメチルホルムアミド(32ml)溶液にトリフルオロ酢酸(0.37ml)とp−トルエンスルホン酸の水和物(0.5g)の混合物を室温で加え、同温で12時間攪拌する。
【0101】
反応混合物を、酢酸エチル(300ml)で粉砕する。沈殿を濾取し、減圧下で乾燥して、粗生成物(3.3g)を得る。粗生成物(0.6g)を水(100ml)に加え、C18μボンダパック(Bondapak)樹脂(ウオ−タ−アソシエ−ツ社製)を使用する分取HPLCに付し、LC−8Aポンプ(島津製作所製)を使って1分間80mlの流速で、アセトニトリル−pH3リン酸塩緩衝液(38:62)からなる溶媒系で溶出する。そのカラムを240nmで、UV探知機で監視する。 保持時間が20.6分間の目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH6.5に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AM S−50)(商標:山村化学研究所製)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水で洗浄し、80%のメタノ−ル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でメタノ−ルを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(147mg)を得る。
NMR (DMSO−d6,δ) ; 0.88(3H, t, J=6.6Hz), 0.94(2H, t, J=6.7Hz), 1.09(3H, d, J=5.9Hz), 1.2−2.0(13H, m), 2.1−2.7(4H, m), 3.20( 1H, m), 3.6−4.5(18H, m), 4.7−5.2(10H, m), 5.4−5.6(2H, m),6.44( 1H, d,J=8.2Hz), 6.6(1H, d, J=8.2Hz), 6.70(1H, s), 7.1−7.5(3H, m),
7.7−8.2(6H, m), 8.3−8.9(5H, m)
【0102】
実施例1
出発化合物(1g)のトリフルオロ酢酸(5ml)溶液にモレキュラーシーブ4Åの存在下、ナトリウムシアノボロハイドライド(0.285g)を室温で加える。混合物を同温で1時間攪拌する。反応混合物を水(10ml)に氷冷下で入れ、1Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整する。水溶液をダウエックス(DOWEX)−50WX4(Na+型)(商標:ダウケミカル社製)を使用するイオン交換カラムクロマトグラフィー(30ml)に付し、水で溶出する。
【0103】
目的化合物を含む画分を合わせ、C18μボンダパック(Bondapak)樹脂(ウオータ・アソシエーツ社製)を使用する分取HPLCに付し、LC−8Aポンプ(島津製作所製)を使って、1分間80mlの流速でアセトニトリル−pH3リン酸緩衝液(39:61)からなる溶媒系で溶出する。そのカラムを240nmでUV探知機で監視する。保持時間が17.1分の最初に溶出される化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。減圧下ではジメチルアミノフェニルの混合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣をODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水で洗浄し、80%のメタノ−ル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でメタノ−ルを留去する。残渣を凍結乾燥して、目的化合物1(318mg)を得る。
IR(Nujol) : 3300, 1610, 1230cm−1
NMR (DMSO−d6,δ) : 0.86(3H, t, J=6.6Hz), 0.95(3H, d, J=6.7Hz), 1.09(3H, d, J=5.9Hz), 1.2−2.0(15H, m), 2.1−2.6(4H, m), 3.00(1H, m), 3.19(1H, m), 3.74(2H, m), 3.8−4.5(14H, m), 4.6−5.4(10H, m), 6.73(1H, d, J=8.2Hz), 6.80(1H, s), 6.84(1H, dd, J=8.2 及び 1.9Hz), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 7.06(1H, d, J=1.9Hz), 7.25(1H, s), 7.44 (2H, m), 7.69(1H, m), 7.83(2H, d, J=8.8Hz), 8.09 (1H, d, J=7Hz), 8.44 (1H, d, J=7Hz), 8.85 (1H, s)
FAB−MS : e/z = 1197 (M+ + Na)
元素分析 :C50H71N8NaO21S・6H2O として、
計算値: C;46.79 H;6.51 N;8.73
実測値 : C;46.84 H;6.27 N;8.73
【0104】
20.2分の保持時間で溶出した化合物を目的化合物1と同様の方法で処理し、目的化合物2(263mg)を得る。
IR(Nujol) : 3250, 1600, 1490, 1240cm−1
NMR (DMSO−d6,δ);0.86(3H, t, J=6.6Hz), 0.95(3H, d, J=6.7Hz), 1.09(3H, d, J=5.9Hz), 1.2−2.0(15H, m), 2.1−2.6(6H, m ), 2.96(1H, m ), 3.21(1H, m ), 3.6−4.5(16H, m, ), 4.6−5.4(8H, m ), 6.73(1H, d, J=8.2Hz), 6.77(1H, dd, J=8.2 及び 1.9Hz), 6.81 (1H, s ), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 6.98(1H, d, J=1.9Hz), 7.25 (1H, s ), 7.39 (2H, m ), 7.39(1H, m ), 7.74 (1H, m ), 7.84(2H, d, J=8.8Hz), 8.14 (1H, d, J=7Hz),8.46(1H, m ), 8.72 (1H, s )
FAB−MS : e/z = 1181 (M++ Na)
元素分析 : C50H71N8NaO20S・6H2O として、
計算値 : C;47.38 H;6.60 N;8.84
実測値 : C;47.46 H;6.62 N;8.83
【0105】
実施例2
出発化合物(10.4g)とのナトリウムシアノボロハイドライド(1.67g)の塩化メチレン(52ml)中懸濁液に、5℃でテトラヒドロフラン(104ml)を徐々に加え、混合物を40℃で1時間攪拌する。反応混合物の溶媒を、減圧下で留去する。残渣に水を加え、1N−水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のアセトニトリル水溶液で溶出する。粗生成物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して、粗粉末(10.1g)を得る。粗粉末をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、混合溶媒(塩化メチレン:酢酸:メタノ−ル:水=4:1:1:1)で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下で溶媒を留去する。残渣に水を加え、1N−水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のアセトニトリル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(2.25mg)を得る。
IR(Nujol) : 3250, 1600, 1490, 1240cm−1
NMR (DMSO−d6,δ) : 0.86(3H, t, J=6.6Hz), 0.95(3H, d, J=6.7Hz), 1.09(3H, d, J=5.9Hz), 1.2−2.0(15H, m), 2.1−2.6(6H, m ), 2.96(1H, m ), 3.21(1H, m ), 3.6−4.5(16H, m,), 4.6−5.4(8H, m ), 6.73(1H, d, J=8.2Hz),6.77(1H, dd, J=8.2 及び 1.9Hz), 6.81 (1H, s ), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 8.14 (1H, d, J=7Hz), 8.46 (1H, m ), 8.72 (1H, s )
FAB−MS : e/z = 1181 (M++ Na)
元素分析 : C50H71N8NaO20S・6H2O として、
計算値 : C;47.38 H;6.60 N;8.84
実測値 : C;47.46 H;6.62 N;8.83
【0106】
実施例3
出発化合物(1g)とナトリウムシアノボロハイドライド(0.256g)の塩化メチレン(10ml)中懸濁液に5℃でテトラヒドロフラン(5ml)を徐々に加える。混合物を5℃で1.5時間攪拌する。反応混合物を、ジイソプロピルエ−テル(200ml)で粉砕する。沈殿を濾取し、減圧下で乾燥する。粉末をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、混合溶媒(塩化メチレン:酢酸:メタノ−ル:水=3:1:1:1)で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下で留去する。
【0107】
残渣に水を加え、1N−水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のアセトニトリル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを減圧下で留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(0.21g)を得る。
IR (Nujol) : 3300,1620,1270cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.88(3H,t,J=6.6Hz),0.96(3H,d,J=6.8Hz),1.12(3H,d,J=5.9Hz),1.2−1.55(8H, m),1.65−2.6(9H, m),2.97(1H, m),3.20(1H, m),3.26−3.52(1H, m),3.73(2H, m),3.86−4.63(14H, m),4.63−5.36(9H, m),6.74(1H,d,J=8Hz),6.83(1H,dd,J=1.5 及び 8Hz),6.92(1H, s),7.06(1H,d,J=1.5Hz),7.2−7.35(2H, m),7.35−7.6(3H, m),7.68(1H, m),7.8−8.0(3H,m),8.09(1H,d,J=8Hz),8.42(1H, s),8.67(1H,d,J=6.9Hz),8.71(1H, s)
FAB−MS : e/z =1233(M++Na)
元素分析: C53H71N8NaO21S・6H2O として、
計算値 : C;48.25 H;6.34 N;8.49
実測値 : C;48.06 H;6.29 N;8.31
【0108】
実施例 4
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.9−1.1(6H,m), 1.11(3H,d,J=5.8Hz), 1.3−1.5(4H,m), 1.7−2.1(5H,m), 2.2−2.4(4H,m), 2.9−3.1(2H,m), 3.4(1H,m), 3.7−4.5(16H,m), 4.7−5.3(9H,m), 6.7−7.1(6H,m), 7.22(1H,s), 7.41(1H,d,J=8.5Hz), 7.6−7.8(5H,m), 7.93(2H,d,J=8.2Hz), 8.08(1H,d,J=8.5Hz), 8.60(1H,d,J=7.1Hz), 8.85(1H,s)
FAB−MS : e/z=1231(M++Na)
元素分析 : C53H69N8NaO21S・3.5H2O として、
計算値 : C ; 50.04 H ; 6.02 N ; 8.87
実測値 : C ; 50.05 H ; 6.25 N ; 8.81
【0109】
実施例 5
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3300, 1635, 1247, 1047 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.86(3H,t,J=6.7Hz), 0.95(3H,d,J=6.7Hz), 1.10(3H,d,J=5.8Hz), 1.2−1.6(12H,m), 1.6−2.6(9H,m), 3.0(1H,m), 3.2(1H,m), 3.4(1H,m), 3.74(2H,m), 3.83−4.6(14H,m), 4.65−5.4(9H,m), 6.73(1H,d,J=8.2Hz), 6.81(1H,dd,J=1.7 及び 8.2Hz), 6.89(1H,s), 7.03(2H,d,J=8.8Hz), 7.05(1H,d,J=1.7Hz), 7.23(1H,s), 7.41(2H,m), 7.6−7.8(1H,m), 7.67(2H,d,J=8.8Hz), 7.71(2H,d,J=8.5Hz), 7.93(2H,d,J=8.5Hz), 8.05(1H,d,J=8Hz), 8.62(1H,d,J=6.7Hz), 8.84(1H,s)
FAB−MS : e/z=1287(M++Na)
元素分析 : C57H77N8NaO21S・8H2O として、
計算値 : C ; 48.57 H ; 6.65 N ; 7.95
実測値 : C ; 48.41 H ; 6.26 N ; 7.89
【0110】
実施例 6
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3300, 1633, 1247, 1047 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.90(6H,d,J=6.5Hz), 0.95(3H,d,J=6.8Hz), 1.10(3H,d,J=5.7Hz), 1.31(2H,q,J=7.5Hz), 1.45−2.6(12H,m), 2.97(1H,m), 3.18(1H,m), 3.40(1H,m), 3.74(2H,m), 3.83−5.4(23H,m),6.72(1H,d,J=8.2Hz), 6.81(1H,d,J=8.2Hz), 6.89(1H,s), 7.03(2H,d,J=8.9Hz),7.06(1H,s), 7.2−7.6(3H,m), 7.6−7.8(1H,m), 7.67(2H,d,J=8.9Hz), 7.71(2H,d,J=8.4Hz), 7.93(2H,d,J=8.4Hz), 8.05(1H,m), 8.61(1H,d,J=6.7Hz), 8.84(1H,s)
FAB−MS : e/z=1245(M++Na)
元素分析 : C54H71N8NaO20S・7H2O として、
計算値 : C ; 48.64 H ; 6.43 N ; 8.40
実測値 : C ; 48.72 H ; 6.25 N ; 8.26
【0111】
実施例 7
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3300, 1625 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.91(6H,d,J=6.6Hz), 0.95(3H,d,J=6.7Hz), 1.10(3H,d,J=5.4Hz), 1.28−1.47(2H,m), 1.5−2.6(10H,m), 2.97(1H,m), 3.18(1H,m), 3.40(1H,m), 3.74(2H,m), 3.87−5.45(23H,m), 6.71(1H,d,J=8.3Hz), 6.79(1H,d,J=8.3Hz), 6.91(1H,s), 7.05(1H,s), 7.18−7.58(5H,m), 7.69(1H,m), 7.8−8.0(3H,m), 8.42(1H,s), 8.60(1H,d,J=6.7Hz)
FAB−MS : e/z=1219(M++Na)
元素分析 : C52H69N8NaO21S・7H2O として、
計算値 : C ; 47.20 H ; 6.32 N ; 8.47
実測値 : C ; 47.43 H ; 6.37 N ; 8.34
【0112】
実施例 8
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3300, 1620, 1272 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.89(3H,t,J=6.7Hz), 0.95(3H,d,J=6.9Hz), 1.11(3H,d,J=5.8Hz), 1.25−1.6(6H,m), 1.65−2.6(9H,m), 2.97(1H,m), 3.20(1H,m), 3.40(1H,m), 3.74(2H,m), 3.87−5.53(23H,m), 6.73(1H,d,J=8.2Hz), 6.82(1H,dd,J=1.7 及び8.2Hz), 6.91(1H,s), 7.04(1H,d,J=1.7Hz), 7.23(1H,dd,J=2及び 8.9Hz), 7.29(1H,s), 7.37(1H,d,J=2Hz), 7.47(2H,m), 7.70(1H,m), 7.8−8.0(3H,m), 8.07(1H,d,J=8Hz), 8.42(1H,s), 8.64(1H,d,J=6.9Hz), 8.85(1H,s)
FAB−MS : e/z=1219(M++Na)
元素分析 : C52H69N8NaO21S・6H2O として、
計算値: C ; 47.85 H ; 6.25 N ; 8.58
実測値 C ; 48.03 H ; 6.01 N ; 8.39
【0113】
実施例 9
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3300, 1620, 1247, 1045 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.89(3H,t,J=6.9Hz), 0.96(3H,d,J=6.8Hz), 1.11(3H,d,J=5.9Hz), 1.2−1.55(6H,m), 1.6−2.1(5H,m), 2.1−2.6(4H,m), 2.99(1H,m), 3.19(1H,m), 3.40(1H,m), 3.74(2H,m), 3.85−4.6(14H,m), 4.65−5.40(9H,m), 6.74(1H,d,J=8.2Hz), 6.83(1H,dd,J=1.7 及び 8.2Hz), 6.89(1H,s), 7.03(2H,d,J=8.8Hz), 7.06(1H,d,J=1.7Hz), 7.23(1H,s), 7.43(2H,m), 7.6−7.8(1H,m), 7.67(2H,d,J=8.8Hz), 7.71(2H,d,J=8.4Hz), 7.93(2H,d,J=8.4Hz), 8.06(1H,d,J=8.0Hz), 8.58(1H,d,J=6.7Hz), 8.84(1H,s)
FAB−MS : e/z=1245(M++Na)
元素分析 : C54H71N8NaO21S・5H2O として、
計算値 : C ; 49.39 H ; 6.22 N ; 8.53
実測値 : C ; 49.51 H ; 6.22 N ; 8.53
【0114】
実施例 10
実施例3と同様にして目的化合物を得る。
IR(KBr) : 3300, 1632, 1249, 1047 cm−1NMR (DMSO−d6, δ) : 0.85(3H,t,J=6.7Hz), 0.94(3H,d,J=6.7Hz), 1.03(3H,d,J=5.7Hz), 1.1−2.6(35H,m), 2.94(1H,m), 3.17(1H,m), 3.4(1H,m), 3.72(2H,m), 3.9−4.5(12H,m), 4.6−5.35(9H,m), 6.72(1H,d,J=8.2Hz), 6.79(1H,s), 6.81(1H,d,J=8.2Hz), 7.04(1H,s), 7.19(1H,s), 7.34(2H,m), 7.67(1H,m), 8.05(2H,m), 8.83(1H,s)
FAB−MS : e/z=1203(M++Na)
元素分析 : C51H81N8NaO20S・4H2O として、
計算値 : C ; 48.87 H ; 7.16 N ; 8.94
実測値 : C ; 49.17 H ; 7.08 N ; 8.81
【0115】
実施例11
出発化合物(3g)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に5℃でナトリウムシアノボロハイドライド(0.461g)を徐々に加える。混合物を40℃で1時間攪拌する。反応混合物を、ジイソプロピルエ−テル(150ml)で粉砕する。沈殿物を濾取し、減圧下で乾燥する。粉末をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、混合溶媒(塩化メチレン:酢酸:メタノ−ル:水=3:1:1:1)で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下で溶媒を留去する。残渣に水を加え、1N−水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のアセトニトリル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(0.28g)を得る。
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.88(3H,t,J=6.8Hz),0.97(3H,d,J=6.7Hz),1.10(3H,d,J=5.9Hz),1.2−1.55(8H,m),1.7−2.6(10H,m),2.98(1H,m),3.22(1H,m),3.46(1H,m),3.64−4.62(15H,m),4.7−5.5(9H,m),6.71(1H,d,J=8.2Hz),6.77(1H,dd,J=1.7 及び 8.2Hz),6.91(1H,s),6.98(1H,d,J=1.7Hz),7.2−7.35(2H,m),7.35−7.52(2H,m),7.6(1H,m),7.74(1H, m),7.82−8.05(3H, m),8.18(1H,d,J=8Hz)8.43(1H,s),8.67(1H,d,J=6.9Hz),8.72(1H,s)
FAB−MS : e/z =1217 (M++Na)
元素分析 : C53H71N8NaSO20・5H2O として、
計算値 : C ; 49.53 H ; 6.35 N ; 8.72
実測値 : C ; 49.66 H ; 6.51 N ; 9.10
【0116】
実施例 12
実施例11と同様にして目的化合物を得る。
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.9−1.2(9H,m), 1.3−1.5(4H,m), 1.7−2.4(10H,m), 2.9−3.4(4H,m), 3.5−3.6(1H,m), 3.7−4.1(7H,m), 4.1−4.5(8H,m), 4.7−4.8(1H,m), 4.8−4.9(2H,d,J=6.4Hz), 5.0−5.1(1H,m), 5.1−5.3(3H,m), 5.3−5.4(1H,m), 6.7−7.1(6H,m), 7.23(1H,s), 7.45(1H,d,J=7.8Hz), 7.5−7.8(5H,m), 7.94(2H,d,J=8.6Hz), 8.17(1H,d,J=7.8Hz), 8.61(1H,d,J=6.4Hz), 8.71(1H,s)
FAB−MS : e/z=1215(M++Na)
【0117】
実施例13
出発化合物(5.31g)のトリフルオロ酢酸(100ml)溶液に室温でナトリウムシアノボロハイドライド(0.92g)を徐々に加える。混合物を同温で1時間攪拌する。反応混合物を、ジイソプロピルエ−テル(750ml)で粉砕する。沈殿を濾取し、減圧下で乾燥する。粉末をシリカゲル(1l)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、混合溶媒(塩化メチレン:酢酸:メタノ−ル:水=3:1:1:1)で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下で溶媒を留去し,目的化合物(2.36g)を得る。
IR(KBr) : 3300, 1628, 1201 cm−1
NMR(DMSO−d6, δ) : 0.86(3H, t, J=6.6Hz), 0.95(3H, d, J=6.7Hz), 1.08(3H, d, J=5.9Hz), 1.2−1.5(10H, m), 1.58−2.6(10H, m), 2.96(1H, m),3.0−3.6(2H, m), 3.65−4.53(15H, m), 4.6−5.46 (9H, m), 6.40(1H, d, J=8.1Hz), 6.59(1H, s), 6.61(1H, d, J= 8.1Hz), 6.87(1H, s), 6.96(2H, d, J=8.9Hz), 7.15−7.75(3H, m) 7.84(2H, d, J=8.9Hz), 8.12(1H, m), 8.43(1H, m)
FAB−MS : e/z=1079(M++Na)
【0118】
実施例14
出発化合物(1.469g)のトリフルオロ酢酸(14.7ml)溶液に室温でナトリウムシアノボロハイドライド(0.452g)を徐々に加える。混合物を同温で1時間攪拌する。反応混合物を、ジエチルエ−テル(400ml)で粉砕する。沈殿を濾取し、減圧下で乾燥する。粉末に水(50ml)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のメタノール水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でメタノールを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(0.85g)を得る。
IR(Nujol) : 3250, 1600, 1060 cm−1
NMR(DMSO−d6, δ) : 0.86( 3H, t, J=6.7Hz), 0.96(3H, d, J=6.6Hz), 1.16(3H, d, J=5.7Hz), 1.23−1.63(8H, m), 1.63−2.1(5H, m), 2.1−2.67(5H, m), 2.95−3.67(3H, m), 3.67−4.78(16H, m), 4.78−6.11(10H, m),6.38(1H, d, J=7.9Hz), 6.5−6.7(2H, m), 7.1−7.7(4H, m), 7.7−8.32(5H, m), 8.32−9.1(5H, m)
FAB−MS:e/z=1115.6(M+−HCOCOOH+Na)
元素分析 : C55H73N8NaO20・5H2O として、
計算値 : C ; 51.63 H ; 6.53 N ; 8.75
実測値 : C ; 51.86 H ; 6.71 N ; 8.86
【0119】
実施例 15
実施例14と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3250, 1600, 1060 cm−1
NMR(DMSO−d6, δ) : 0.86(3H, t, J=6.6Hz), 0.95(3H, d, J=6.7Hz), 1.09(3H, d,J=5.9Hz), 1.2−1.53(10H, m), 1.59−2.1(5H, m), 2.13−2.68(4H,m), 2.96(1H, m), 3.0−3.65(2H, m), 3.7−4.55 (16H,m), 4.6−5.68(10H, m), 6.40(1H, d, J=8.1Hz), 6.59(1H, s), 6.61(1H, d, J=8.1Hz), 6.95(2H, d, J=8.8Hz), 7.4(1H, d, J=7Hz), 7.51(1H, d, J=8Hz), 7.78(brs, 1H), 7.90(2H, d, J= 8.8Hz), 8.13(1H, d, J=7Hz), 8.35−8.6(2H, m), 8.68(1H, s), 8.73(1H, s)
【0120】
実施例16
出発化合物(1.0g)とトリエチルシラン(0.94g)の塩化メチレン(5.0ml)中懸濁液にトリフルオロ酢酸(10ml)を徐々に加え、窒素雰囲気下で30分間攪拌する。反応混合物の溶媒をを減圧下で留去する。残渣にりん酸塩緩衝液を加え、pH6.86に調整し、1N−水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、30%のアセトニトリル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(0.61g)を得る。
IR(KBr) : 3300, 1664, 1631, 1444, 1270, 1247, 1047 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.89(3H,t,J=7.0Hz), 0.96(3H,d,J=6.8Hz), 1.09(3H,d,J=6.3Hz),1.3−1.5(6H,m), 1.6−2.4(10H,m),2.9−3.3(2H,m), 3.4−3.5(1H,m), 3.7−4.1(7H,m), 4.1−5.6(8H,m), 4.7−5.3(7H,m), 5.40(2H,d,J=7.0Hz), 6.7−7.2(7H,m), 7.23(1H,s), 7.42(1H,d,J=8.5Hz), 7.5−7.8(6H,m), 7.94(2H,d,J=8.4Hz), 8.10(1H,d,J=7.0Hz), 8.64(1H,d,J=7.0Hz), 8.72(1H,s)
FAB−MS : e/z=1229(M++Na)
元素分析 : C54H71N8NaO20S・6H2O として、
計算値 : C ; 49.31 H ; 6.40 N ; 8.61
実測値 : C ; 49.38 H ; 6.36 N ; 8.52
【0121】
実施例 17
実施例11と同様にして目的化合物を得る。
NMR(DMSO−d6, δ) : 0.86(3H, t, J=6.8Hz), 0.96(3H, d, J=6.7Hz), 1.09(3H, d, J=6.0Hz), 1.2−1.5(12H, m), 1.6−2.5(8H, m), 2.9−3.5(4H, m), 3.7−4.1(5H,m), 4.1−4.5(8H, m), 4.7−4.5(7H, m), 6.7−7.1(6H, m), 7.24(1H, s), 7.40(1H, d, J=8.4Hz), 7.5−7.8(6H, m), 7.94(2H, d, J=8.4Hz), 8.12(1H, d, J=8.4Hz), 8.61(1H, d, J=7.7Hz), 8.72(1H, s),
FAB−MS : e/z=1271.1(M++Na)
元素分析 : C57H77N8NaO20S・7H2O として、
計算値 : C ; 49.78 H ; 6.67 N ; 8.15
実測値 : C ; 49.94 H ; 6.80 N ; 8.16
【0122】
実施例 18
実施例11と同様にして目的化合物を得る。
IR(KBr−Pelet) : 1631, 1537, 1515, 1494, 1440, 1245, 1045, 804 cm−1
NMR(DMSO−d6, δ) : 0.88−1.07(15H, m),1.10−1.18(4H, d, J=6.3Hz), 1.2−1.4(2H, m), 1.5−1.9(2H, m), 2.2−2.4(2H, m), 2.9−3.1(1H, m), 3.1−3.3(2H,m), 3.7−3.9(1H, m), 3.9−4.1(6H, m),4.2−4.6(7H, m), 5.7−5.8(1H, m), 4.90(2H, d, J=6.4Hz), 5.0−5.1(1H, m), 5.1−5.2(4H, m), 5.3−5.4(1H, m), 6.7−6.8( 2H,m), 6.86(1H,s), 6.99(2H, s), 7.03(2H, d,J=8.8Hz), 7.22(1H, s), 7.4−7.5(1H, m), 7.6−7.8(6H, m), 7.95(3H, d, J=8.8Hz), 8.2(1H, m), 8.6( 1H, d,J=8.2Hz), 8.76(1H, s)
FAB−MS : e/z=1229(M++Na)
元素分析 : C54H71N5NaO20S・6H2O として、
計算値 : C ; 49.31 H ; 6.36 O ; 8.52
実測値 : C ; 49.12 H ; 6.22 O ; 8.48
【0123】
実施例19
出発化合物(10g)とナトリウムシアノボロハイドライド(1.25g)の塩化メチレン(100ml)中懸濁液に5℃でテトラヒドロフラン(50ml)を徐々に加える。混合物を5℃で1時間攪拌する。反応混合物の溶媒をを減圧下で留去する。残渣に水を加え、1N−水酸化ナトリウムでpH8.5に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のアセトニトリル水溶液で溶出する。粗生成物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して粗粉末(9.7g)を得る。粗粉末(1.5g)をC18μボンダパック(Bondapak)樹脂(ウオ−タ−アソシエ−ツ社製)を使用する分取HPLCに付し、LC−8Aポンプ(島津製作所製)を使って、1分間100mlの流速でアセトニトリル/pH7りん酸塩緩衝液(40:60)からなる溶媒系で溶出する。そのカラムを240nmでUV探知機で監視する。保持時間24.1分の主たる化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣をpH8.5に1N水酸化ナトリウムで調整し、(商標:山村化学研究所製)ODS(YMC−gel ODS−AM S−50)のカラムクロマトグラフィ−に付し、60%のアセトニトリル溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して主生成物(0.77mg)を得る。主たる目的化合物の場合と同様にして、保持時間29.86分の副生成物(98mg)を得る。
【0124】
主生成物
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.88(3H,t,J 6.7Hz),0.96(3H,d,J=6.7Hz),1.11(3H,d,J=5.8Hz),1.2−1.6(8H,m),1.62−2.13(5H,m),2.13−2.62(4H,m),2.97(1H,m),3.18(1H,m),3.40(1H,m),3.74(2H,m),3.83−4.63(14H,m),4.63−5.40(9H,m),6.73(1H,d,J=8.2Hz),6.81(1H,dd,J=1.7, 及び 8.2Hz),6.89(1H,s),7.03(2H,d,J=8.9Hz),7.06(1H,d,J=1.7Hz),7.22(1H,s),7.41(2H,m),7.6−7.8(1H,m),7.67(2H,d,J=8.9Hz),7.71(2H,d,J=8.4Hz),7.93(2H,d,J=8.4Hz),8.05(1H,d,J=8Hz),8.61(1H,d,J=6.7Hz),8.84(1H,s)
【0125】
副生成物
IR (Nujol) : 3300,1625,1240,1045 cm−1
FAB−MS : e/z =1259(M++Na)
元素分析 : C55H73N8NaO21S・6H2O として、
計算値 : C ; 49.10 H ; 6.37 N ; 8.33
実測値 : C ; 49.02 H ; 6.32 N ; 8.34
【0126】
29.86分の保持時間の副生成物(98mg)は主生成物と同様の方法に従って得る。
IR (Nujol) : 3300,1620,1245 cm−1
NMR (DMSO−d6, δ) : 0.88(3H,t,J=6.7Hz),0.97(3H,d,J=6.7Hz)1.09(3H,d,J=5.8Hz),1.18−1.52(8H,m),1.6−2.59(10H,m),2.97(1H,m),3.18(1H,m),3.40(1H,m),3.65−4.59(15H,m),4.65−5.45(9H,m),6.71(1H,d,J=8.1Hz),6.76(1H,dd,J=1.7 及び 8.1Hz),6.87(1H,s),6.97(1H,d,J=1.7Hz),7.03(2H,d,J=8.8Hz),7.21(1H,s),7.41(1H,d,J=7.6Hz),7.60(1H,m),7.63−7.8(1H,m),7.67(2H,d,J=8.8Hz),7.71(2H,d,J=8.4Hz),7.94(2H,d,J=8.4Hz),8.10(1H,d,J=8Hz),8.59(1H,d,J=8Hz),8.72(1H,s)
FAB−MS : e/z =1243(M++Na)
元素分析 : C55H73N8NaO20S・7H2O として、
計算値 : C ; 49.03 H ; 6.51 N ; 8.32
実測値 : C ; 49.24 H ; 6.25 N ; 8.44
【0127】
実施例20
出発化合物(1g)とメルカプト酢酸(290μl)の混合物にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、混合物を窒素雰囲気下室温で16時間攪拌する。混合物の溶媒を、減圧下で留去する。残渣を水中(10ml)に注ぎ、濾過する。沈殿をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、混合溶媒(塩化メチレン:酢酸:メタノ−ル:水=3:1:1:1)で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下で溶媒を留去する。残渣を1N水酸化ナトリウムでpH8.0に調整し、ODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、混合溶媒(アセトニトリル:水=60:40)で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。残渣を凍結乾燥して目的化合物(515mg)を得る。
IR(Nujol) : 3300,1662,1627,1203 cm−1
FAB−MS : e/z=1205(M+)
元素分析 : C55H73N8NaO19S・5H2O として、
計算値 : C ; 51.00 H ; 6.46 N ; 8.65
実測値 : C ; 51.15 H ; 6.35 N ; 8.56
【0128】
実施例 21
実施例20と同様にして目的化合物を得る。
IR(Nujol) : 3300,1672,1658,1629, 1530,1438,1270,1214cm−1
FAB−MS : e/z=1220(M++1)
元素分析 : C56H87N8NaO25S・6H2O として、
計算値 : C ; 50.67 H ; 6.61 N ; 8.44
実測値 : C ; 50.67 H ; 6.47 N ; 8.38
【0129】
実施例22
出発化合物の(2g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)溶液にモレキュラシ−ブ4Åの存在下にグリオキシル酸(0.744g)を室温で加える。混合物を同温で7時間攪拌する。反応混合物を、酢酸エチルに加えて生じた粉末を濾取し、減圧下で乾燥する。粉末を水に加え、pH7.5に調整する。水溶液をODS(YMC−gel ODS−AMS−50)(商標:山村化学研究所製)を用いたカラムクロマトグラフィ−に付し、20%のアセトニトリル水溶液で溶出する。目的化合物を含む画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを留去する。 残渣を凍結乾燥して、目的化合物(1.26g)を得る。
IR(KBr, Pellet) : 3350, 1658, 1631, 1248 cm−1
NMR(DMSO−d6, δ) : 0.88(3H,t J=6.6Hz), 0.95(3H, d, J=6.6Hz) 1.18(3H, d, J=5.5Hz), 1.23−1.55(8H, m,), 1.55−2.6(9H, m), 3.09(1H, m), 3.1−3.5(2H, m), 3.6−5.8(27H, m), 6.74(1H, d, J=8.2Hz), 6.83(1H, d, J=8.2Hz), 7.03(2H, d, J=8.8Hz), 7.05(1H, s), 7.23−7.55(3H, m), 7.68(2H, d, J=8.7Hz), 7.72(2H,d,J=8.4Hz), 7.96(2H,d,J=8.4Hz), 8.0−8.2(2H, m), 8.45(1H, m), 8.84(1H,s)
FAB−MS : e/z=1259(M++Na)
【0130】
次式の公知の化合物[A]またはその塩は、製造法1、5と同様の方法により、次式の化合物[B]またはその塩に変えることができることに留意すべきである。
(式中、Raはアシル基、
Rb ,Rc ,Rf ,Rg はそれぞれ独立して水素またはヒドロキシ基、
Rd はヒドロキシ基 、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基 またはスルホニルオキシ基、
Re は水素またはメチル基、
Rf 1 は水素または低級アルコキシ基、
Rh は1個以上の好適な置換基をもっていてもよい低級アルキルをそれぞれ意味する)
【0131】
化合物[A]は特開平1−163179,3−163096,4−217694,4−217695,4−217696,4−217697,4−217698,4−217699の公報で公開されている。
Claims (7)
- R2がi)低級アルコキシ、ii)高級アルコキシまたはiii)1個以上の低級アルコキシまたは高級アルコキシを有していてもよいアリール基から選ばれた1個以上の置換基を有していてもよいアロイル基;または高級アルカノイル基である請求項1記載の化合物。
- R2が、それぞれが低級アルコキシ;高級アルコキシ;および1〜3個の高級アルコキシを有していてもよいフェニルからなる基から選ばれた1〜3個の置換基を有していてもよいベンゾイル基またはナフトイル基、
R5が水素である請求項2記載の化合物。 - R2が高級アルコキシを有するベンゾイル基、高級アルコキシを有するフェニルを有するベンゾイル基、低級アルコキシを有するナフトイル基、または高級アルコキシを有するナフトイル基、
R6が水素である請求項3記載の化合物。 - R2が高級アルコキシを有するベンゾイル基、高級アルコキシを有するフェニルを有するベンゾイル基、低級アルコキシを有するナフトイル基、または高級アルコキシを有するナフトイル基、
R6がヒドロキシ基である請求項3記載の化合物。 - (1) 式:
[式中、R2はアシル基、
R3はヒドロキシ基、
R4はヒドロキシ基またはヒドロキシスルホニルオキシ基、
R5は水素またはヒドロキシ、アシル、ジ(低級)アルキルアミノおよび環状のアミノからなる基から選ばれた置換基を1個以上有していてもよい低級アルキル基、および
Ra 6はヒドロキシ基またはアシル(低級)アルキルチオ基をそれぞれ意味する。]
で示される化合物またはその塩を還元反応に付して、式:
[式中、R2、R3、R4、R5はそれぞれ前と同じ意味、
R1は水素、および
R6は水素、またはヒドロキシ基を意味する。]
で示される化合物またはその塩を得るか、または
(2) 式:
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前と同じ意味]で示される化合物
またはその塩を還元反応に付して、式:
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前と同じ意味]
で示される化合物またはその塩を得るか、または
(3) 式:
[式中、R1、R2、R3、R4およびR6はそれぞれ前と同じ意味]
で示される化合物またはその塩をアルキル化反応に付して、式:
[式中、R1、R2、R3、R4およびR6はそれぞれ前と同じ意味、Ra 5はヒドロキシ、アシル、ジ(低級)アルキルアミノおよび環状のアミノからなる基から選ばれた置換基を1個以上有してもよい低級アルキル基を意味する。]
で示される化合物またはその塩を得ることを特徴とする前記ポリペプチド化合物[I]の製造法。 - 有効成分として、請求項1に記載の化合物またはその塩を含有することを特徴とする抗真菌剤。
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