JP3550292B2 - コントローラシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電力プラント等の大規模プラントにおける各種機器の監視制御を行なうコントローラシステムに係り、特に現場側の複数のプログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCと略称する)のうち、異常の発生したPLC、または改造の必要が生じたPLCに代替して、1台のバックアップコントローラにより制御を続行できるようにしたコントローラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、例えば電力プラント等の大規模プラントにおいては、現場側のプラントの各種機器の監視制御を、中央側から複数のコントローラを用いて行なう形態のコントローラシステムが多く用いられてきている。
【0003】
この種の従来のコントローラシステムは、中央側に設けられ、現場側の複数の制御対象である各種機器を操作するための操作指示を与えるヒューマンマシンシステムと、複数の制御対象(各種機器)にそれぞれ対応して現場側に設けられ、ヒューマンマシンシステムからの操作指示に基づき、制御プログラムに従って制御対象を個別に制御する複数のPLCと、ヒューマンマシンシステムと複数のPLCとの間を互いに接続し、情報の伝送を行なうための伝送ラインとを備えて構成されており、中央側のヒューマンマシンシステムから、複数のPLCを介して複数の制御対象の監視制御を行なうようになっている。
【0004】
しかしながら、このような従来のコントローラシステムでは、現場側においてPLCの異常(PLCの本体異常、あるいはPLCと伝送ラインとの間を接続する接続ケーブルの伝送異常)が発生した場合には、中央側のヒューマンマシンシステムから現場側の複数の制御対象(各種機器)の監視制御を行なうことが不可能となる。
【0005】
その結果、保守員が現場に実際に赴き、現場における単独運転となることが多い。
一方、プラントの特性上、PLCの異常に対しても運転の継続が必要な制御対象に対しては、例えばハードウェア(リレー回路等)によるバックアップや、複数のPLCを二重化することによりバックアップする方法が採られている。
しかしながら、特に後者のような方法では、同じコントローラを2台必要とすることから、コストの問題や場所確保の問題等が生じ好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来のコントローラシステムにおいては、現場側におけるPLCに何らかの異常が発生した場合には、中央側から現場側の制御対象(各種機器)の監視制御が事実上不可能になるという問題があった。
【0007】
また、中央側から現場側の制御対象の監視制御を可能とするために、複数のPLCを二重化する必要があり、コストや場所確保の上で問題があった。
本発明の目的は、現場側におけるPLCの何らかの異常発生に対して、そのPLCの機能を1台のバックアップコントローラのみで代替し、システム全体としての統性を保ち、ロバスト性のあるシステムを構築することが可能なコントローラシステムを提供することにある。
【0008】
さらに、本発明の他の目的は、現場側におけるPLCの改造の必要に対して、そのPLCの機能を1台のバックアップコントローラのみで代替し、システム全体としての統性を保ち、ロバスト性のあるシステムを構築することが可能なコントローラシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、中央側に設けられ、現場側の複数の制御対象を操作するための操作指示を与えるヒューマンマシンシステムと、複数の制御対象にそれぞれ対応して現場側に設けられ、ヒューマンマシンシステムからの操作指示に基づき、制御プログラムに従いI/O部を介して制御対象を個別に制御する複数のプログラマブル・ロジック・コントローラと、ヒューマンマシンシステムと複数のプログラマブル・ロジック・コントローラとの間を互いに接続し、情報の伝送を行なうための伝送ラインとを備え、ヒューマンマシンシステムから複数のプログラマブル・ロジック・コントローラを介して複数の制御対象の監視制御を行なうコントローラシステムにおいて、
請求項1の発明では、バックアップコントローラと、バックアップコントローラと複数のプログラマブル・ロジック・コントローラのI/O部との間を互いに接続し、データの伝送を行なうためのプライベートバスとを備え、
上記バックアップコントローラは、複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの個々の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段と、複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの最新のI/Oデータを、プライベートバスを介して取込み保持するデータ保持手段と、複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの状態を伝送ラインを介して監視し、当該プログラマブル・ロジック・コントローラの全てについて異常発生の有無を検知する異常発生検知手段と、異常発生検知手段により異常発生が検知された場合に、当該異常の発生したプログラマブル・ロジック・コントローラに対してプライベートバスを介する制御に切換え、異常の発生したプログラマブル・ロジック・コントローラに代替して制御を続行する制御手段とを有するものとしている。
【0010】
従って、請求項1の発明のコントローラシステムにおいては、現場側におけるプログラマブル・ロジック・コントローラに何らかの異常が発生した場合には、その異常をバックアップコントローラが検知して、そのプログラマブル・ロジック・コントローラの機能を代替することにより、中央側から現場側の制御対象の監視制御を引き続いて行なうことが可能となるため、システム全体としての統性を保つことができる。
【0011】
さらに、現場側におけるプログラマブル・ロジック・コントローラが複数あっても、1台のバックアップコントローラのみでそれらの機能を代替することにより、各プログラマブル・ロジック・コントローラに対するサブコントローラが不要となるため、この1台のバックアップコントローラのみで、ロバスト性のあるシステムを構築することができる。
【0012】
また、請求項2の発明では、上記請求項1の発明のコントローラシステムにおいて、上記バックアップコントローラは、上記異常発生検知手段と、制御手段とに代えて、複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの状態を伝送ラインを介して監視し、当該プログラマブル・ロジック・コントローラの全てについてその制御プログラム変更等の改造の有無を検知する改造検知手段と、改造検知手段により改造が検知された場合に、当該改造の必要が生じたプログラマブル・ロジック・コントローラに対してプライベートバスを介する制御に切換え、改造の必要が生じたプログラマブル・ロジック・コントローラに代替して制御を続行する制御手段とを有するものとしている。
【0013】
従って、請求項2の発明のコントローラシステムにおいては、現場側におけるプログラマブル・ロジック・コントローラの改造(制御プログラム変更等)が生じた場合には、その改造が行なわれることをバックアップコントローラが検知して、そのプログラマブル・ロジック・コントローラの機能を代替することにより、現場側の制御対象の運転を継続したまま、プログラマブル・ロジック・コントローラの改造作業を行なうことができる。
【0014】
さらに、現場側におけるプログラマブル・ロジック・コントローラが複数あっても、1台のバックアップコントローラのみでそれらの機能を代替することにより、各プログラマブル・ロジック・コントローラに対するサブコントローラが不要となるため、この1台のバックアップコントローラのみで、ロバスト性のあるシステムを構築することができる。
【0015】
一方、請求項3の発明では、上記バックアップコントローラは、上記請求項1および請求項2の発明のコントローラシステムにおける、異常発生検知手段と、改造検知手段と、各制御手段とを、全て有するものとしている。
【0016】
従って、請求項3の発明のコントローラシステムにおいては、前述した請求項1および請求項2の発明のコントローラシステムの場合と同様の作用を奏することができる。
【0017】
以上により、現場側におけるプログラマブル・ロジック・コントローラの何らかの異常発生に対して、前述したようなコストの問題や場所確保の問題等を生じることなく対応することができ、システム全体としての統性を保ち、ロバスト性のあるシステムを構築することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態によるコントローラシステムの一例を示す概略構成ブロック図である。
【0019】
図1において、中央側に設けられたヒューマンマシンシステム1と、バックアップコントローラ2と、プラントの複数の制御対象(各種機器)にそれぞれ対応して現場側に設けられた複数(N台)のローカルPLC31,32,…,3Nとの間を、情報の伝送を行なうための伝送ライン4により互いに接続している。
【0020】
また、各ローカルPLC31,32,…,3Nは、コントロール部31a,32a,…,3Naと、I/O部31b,32b,…,3Nbとからそれぞれなり、バックアップコントローラ2と、各ローカルPLC31,32,…,3NのI/O部31b,32b,…,3Nbとの間を、データの伝送を行なうためのプライベートバス5により互いに接続している。
【0021】
さらに、各ローカルPLC31,32,…,3NのI/O部31b,32b,…,3Nbは、コントローラ、デジタルインプット(DI)、アナログインプット(AI)、デジタルアウトプット(DO)、アナログアウトプット(AO)から構成されており、接続ケーブルによりそれぞれ対応する現場側のプラントの制御対象(各種機器)を動作させるリレー接点61,62,…,6Nに接続している。
【0022】
さらにまた、各ローカルPLC31,32,…,3Nには、バックアップ用の無停電電源装置71,72,…,7Nを接続している。
なお、各ローカルPLC31,32,…,3Nには、そのコントロール部32aに格納されている制御プログラムに改造(制御プログラム変更等)を行なう必要が生じた場合に操作される、図示しない改造時使用操作スイッチを備えてある。
【0023】
そして、ローカルPLCの改造が行なわれる場合には、そのローカルPLCの改造時使用操作スイッチの操作信号を、伝送ライン4を通してバックアップコントローラ2へアップロードするようになっている。
【0024】
一方、ヒューマンマシンシステム1は、現場側のプラントの制御対象(各種機器)を操作するための操作指示をオペレータが与えるためのものである。
また、各ローカルPLC31,32,…,3Nのコントロール部31a,32a,…,3Naは、制御プログラムが内部に格納されたメモリをそれぞれ有しており、ヒューマンマシンシステム1からの操作指示に基づき、自己の制御プログラムに従いI/O部31b,32b,…,3Nbを介して制御対象を個別に制御するものである。
【0025】
これにより、ヒューマンマシンシステム1から複数のローカルPLC31,32,…,3Nを介して、複数の制御対象の監視制御を行なうようになっている。一方、バックアップコントローラ2は、コントロール部2aと、2つのメモリ2b,2cとからなる。
【0026】
メモリ2bは、上記各ローカルPLC31,32,…,3Nのコントロール部31a,32a,…,3Naの個々の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムをそれぞれ保持しているものである(制御プログラム保持手段)。
【0027】
また、メモリ2cは、上記各ローカルPLC31,32,…,3NのI/O部31b,32b,…,3Nbの最新のI/Oデータを、プライベートバス5を介して取込み保持するものである(データ保持手段)。
【0028】
さらに、コントロール部2aは、バックアップ用の制御プログラムが内部に格納されたメモリを有している。
このバックアップ用の制御プログラムとしては、
上記各ローカルPLC31,32,…,3Nの状態を伝送ライン4を介して監視し、この各ローカルPLC31,32,…,3Nの全てについて異常発生の有無を検知する異常発生検知機能と、
上記各ローカルPLC31,32,…,3Nの状態を伝送ライン4を介して監視し、この各ローカルPLC31,32,…,3Nの全てについてその制御プログラム変更等の改造の有無を検知する改造検知機能と、
上記異常発生検知機能により異常発生が検知された場合、または上記改造検知機能により改造が検知された場合に、この異常の発生した、または改造の必要が生じたローカルPLCに対してプライベートバス5を介する制御に切換え、異常の発生した、または改造の必要が生じたローカルPLCに代替して制御を続行する制御機能とを、それぞれプログラムしている。
【0029】
次に、以上のように構成した本実施の形態のコントローラシステムの動作について説明する。
(a)各ローカルPLC31,32,…,3Nが健全な場合
図1において、現場側における各ローカルPLC31,32,…,3Nに、何ら異常が発生していない場合には、ヒューマンマシンシステム1からオペレータにより与えられる操作指示が、伝送ライン4を通してローカルPLC31,32,…,3Nのコントロール部31a,32a,…,3Naに取り込まれる。
【0030】
これにより、ローカルPLC31,32,…,3Nのコントロール部31a,32a,…,3Naでは、このヒューマンマシンシステム1からの操作指示に基づき、自己の制御プログラムに従いI/O部31b,32b,…,3Nbを介して、それぞれ対応する現場側のプラントの制御対象(各種機器)が、リレー接点61,62,…,6Nにより個別に制御される。
【0031】
一方、バックアップコントローラ2では、各ローカルPLC31,32,…,3NのI/O部31b,32b,…,3Nbの最新のI/Oデータが、常にプライベートバス5を介して伝送して取り込まれ、メモリ2cに保持されている。
【0032】
(b)ローカルPLCの異常が発生した場合
次に、実際に、あるローカルPLC(例えば、ローカルPLC32)に何らかの異常(PLC32の本体(コントロール部32a)異常、あるいはPLC32と伝送ライン4との間を接続する接続ケーブルの伝送異常)が発生した場合には、ローカルPLC32に異常の発生したことが、バックアップコントローラ2の異常発生検知機能により、伝送ライン4を通して検知される。
【0033】
すると、バックアップコントローラ2では、その制御機能により、異常の発生したローカルPLC32に対してプライベートバス5を介する制御に切換え、異常の発生したローカルPLC32に代替して制御が続行される。
【0034】
すなわち、この場合、バックアップコントローラ2による代替制御の続行は、バックアップコントローラ2のメモリ2cに保持されているローカルPLC32のI/O部32bの最新のI/Oデータに基づき、メモリ2bに保持されているローカルPLC32のコントロール部32aの最新の制御プログラムと同一の制御プログラムに従い、ローカルPLC32のI/O部32bを介して制御対象を制御することにより行なわれる。
【0035】
一方、上記において、万が一プライベートバス5を通してのデータの伝送中に、ローカルPLC32に異常の発生したことがバックアップコントローラ2により検知された場合には、そのデータが中途半端になる可能性がある。
【0036】
そこで、このような場合には、最新のI/Oデータに更新されるまで、無停電電源装置72によりローカルPLC32がバックアップされる。そして、最新のI/Oデータがバックアップコントローラ2のメモリ2cに保持された時点で、異常の発生したローカルPLC32に対してプライベートバス5を介する制御に切換え、異常の発生したローカルPLC32に代替して制御が続行されることになる。
【0037】
これにより、現場側におけるローカルPLC32に何らかの異常が発生した場合には、その異常をバックアップコントローラが検知して、そのローカルPLC32の機能を代替することにより、中央側から現場側の制御対象の監視制御を引き続いて行なうことが可能となるため、システム全体としての統性を保つことができる。
【0038】
図2は、ローカルPLC32の異常が発生した場合における、各ローカルPLC31,32,…,3Nとバックアップコントローラ2とのデータの授受の状態の一例を示すタイムチャート図である。
【0039】
なお、図2において、AはローカルPLC31のデータ、BはローカルPLC32のデータ、NはローカルPLC3Nのデータ、BCはバックアップコントローラ2のデータをそれぞれ示している。
【0040】
(c)ローカルPLCの改造(制御プログラム変更等)が生じた場合
あるローカルPLC(例えば、ローカルPLC32)において、そのコントロール部32aに格納されている制御プログラムに改造(制御プログラム変更等)を行なう必要が生じた場合には、ローカルPLC32の改造が行なわれることが、ローカルPLC32の図示しない改造時使用操作スイッチからの操作信号を基に、バックアップコントローラ2の改造検知機能により、伝送ライン4を通して検知される。
【0041】
すると、バックアップコントローラ2では、その制御機能により、改造の必要が生じたローカルPLC32に対してプライベートバス5を介する制御に切換え、改造の必要が生じたローカルPLC32に代替して制御が続行される。
【0042】
すなわち、この場合、バックアップコントローラ2による代替制御の続行は、バックアップコントローラ2のメモリ2cに保持されているローカルPLC32のI/O部32bの最新のI/Oデータに基づき、メモリ2bに保持されているローカルPLC32のコントロール部32aの改造前の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムに従い、ローカルPLC32のI/O部32bを介して制御対象を制御することにより行なわれる。
【0043】
これにより、現場側におけるローカルPLC32の改造(制御プログラム変更等)が生じた場合には、現場側の制御対象の運転を停止させる、あるいは改造を停電時間に対応して行なうといった手間がかかるが、そのローカルPLC32の改造をバックアップコントローラ2が検知して、そのローカルPLC32の機能を代替することにより、現場側の制御対象の運転を継続したまま改造作業を行なうことが可能となる。
【0044】
上述したように、本実施の形態のコントローラシステムでは、バックアップコントローラ2を備えると共に、バックアップコントローラ2と各ローカルPLC31,32,…,3NのI/O部31b,32b,…,3Nbとの間を、データの伝送を行なうためのプライベートバス5により互いに接続し、
さらにバックアップコントローラ2には、各ローカルPLC31,32,…,3Nのコントロール部31a,32a,…,3Naの個々の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムをそれぞれ保持すると共に、各ローカルPLC31,32,…,3NのI/O部31b,32b,…,3Nbの最新のI/Oデータを、プライベートバス5を介して取込み保持し、各ローカルPLC31,32,…,3Nの全てについて異常発生の有無を検知すると共に、各ローカルPLC31,32,…,3Nの全てについてその制御プログラム変更等の改造の有無を検知し、ローカルPLCの異常発生が検知された場合、またはローカルPLCの改造が検知された場合に、この異常の発生した、または改造の必要が生じたローカルPLCに対してプライベートバス5を介する制御に切換え、異常の発生した、または改造の必要が生じたローカルPLCに代替して制御を続行するようにしたものである。
【0045】
従って、次のような種々の効果を得ることができる。
(a)現場側におけるローカルPLC(31,32,…,3N)に何らかの異常が発生した場合には、その異常をバックアップコントローラ2が検知して、そのローカルPLCの機能を代替することにより、中央側から現場側の制御対象の監視制御を引き続いて行なうことができるため、システム全体としての統性を保つことが可能となる。
【0046】
(b)現場側におけるローカルPLC(31,32,…,3N)の改造(制御プログラム変更等)が生じた場合には、現場側の制御対象の運転を停止させる、あるいは改造を停電時間に対応して行なうといった手間がかかるが、そのローカルPLCの機能を1台のバックアップコントローラ2が代替することにより、現場側の制御対象の運転を継続したまま改造作業を行なうことが可能となる。
【0047】
(c)現場側におけるローカルPLCが複数(31,32,…,3N)あっても、1台のバックアップコントローラ2のみでそれらの機能を代替することにより、各ローカルPLC(31,32,…,3N)に対するサブコントローラが不要となるため、この1台のバックアップコントローラ2のみで、ロバスト性のあるシステムを構築することが可能となる。
【0048】
以上により、現場側におけるローカルPLC(31,32,…,3N)の何らかの異常発生に対して、前述したようなコストの問題や場所確保の問題等を生じることなく対応することができ、システム全体としての統性を保ち、ロバスト性のあるシステムを構築することが可能となる。
【0049】
(他の実施の形態)
(a)上記実施の形態では、複数のローカルPLC31,32,…,3Nのうちの1台のローカルPLC32に何らかの異常が発生した場合について説明したが、これに限らず、複数のローカルPLC31,32,…,3Nのうちの2台以上のローカルPLC、あるいは全てのローカルPLCに何らかの異常が発生した場合についても、前述の場合と同様にして対応することができる。
【0050】
すなわち、例えば複数のローカルPLC31,32,…,3Nのうちの2台のローカルPLC(例えばローカルPLC31,32)に何らかの異常が発生した場合には、バックアップコントローラ2の制御機能により、異常の発生したローカルPLC31,32に対してプライベートバス5を介する制御にそれぞれ切換え、異常の発生したローカルPLC31,32に代替してそれぞれ制御が続行される。
【0051】
より具体的には、バックアップコントローラ2による代替制御の続行は、バックアップコントローラ2のメモリ2cに保持されているローカルPLC31,32のI/O部31b,32bの最新のI/Oデータに基づき、メモリ2bに保持されているローカルPLC31,32のコントロール部31a,32aの最新の制御プログラムと同一の制御プログラムに従い、ローカルPLC31,32のI/O部31b,32bを介して制御対象をそれぞれ制御することにより行なわれる。
【0052】
以上により、前述した実施の形態の場合と同様の作用効果を得ることが可能である。
(b)上記実施の形態では、複数のローカルPLC31,32,…,3Nのうちの1台のローカルPLC32に改造(制御プログラム変更等)を行なう必要が生じた場合について説明したが、これに限らず、複数のローカルPLC31,32,…,3Nのうちの2台以上のローカルPLC、あるいは全てのローカルPLCに改造を行なう必要が生じた場合についても、前述の場合と同様にして対応することができる。
【0053】
すなわち、例えば複数のローカルPLC31,32,…,3Nのうちの2台のローカルPLC(例えばローカルPLC31,32)に改造を行なう必要が生じた場合には、バックアップコントローラ2の制御機能により、改造を行なう必要が生じたローカルPLC31,32に対してプライベートバス5を介する制御にそれぞれ切換え、改造を行なう必要が生じたローカルPLC31,32に代替してそれぞれ制御が続行される。
【0054】
より具体的には、バックアップコントローラ2による代替制御の続行は、バックアップコントローラ2のメモリ2cに保持されているローカルPLC31,32のI/O部31b,32bの最新のI/Oデータに基づき、メモリ2bに保持されているローカルPLC31,32のコントロール部31a,32aの改造前の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムに従い、ローカルPLC31,32のI/O部31b,32bを介して制御対象をそれぞれ制御することにより行なわれる。
【0055】
以上により、前述した実施の形態の場合と同様の作用効果を得ることが可能である。
(c)上記実施の形態では、バックアップコントローラ2は、異常発生検知機能と、改造検知機能と、制御機能とを、全て有する場合について説明したが、これに限らず、バックアップコントローラ2は、異常発生検知機能、または改造検知機能のうちのいずれか一方のみの機能と、制御機能とを有するものとしてもよいことは言うまでもない。
【0056】
(d)上記実施の形態では、各ローカルPLC31,32,…,3Nに、バックアップ用の無停電電源装置71,72,…,7Nを接続している場合について説明したが、これに限られるものではない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、現場側におけるPLCの何らかの異常発生に対して、またはPLCの改造の必要に対して、そのPLCの機能を1台のバックアップコントローラのみで代替するようにしたので、システム全体としての統性を保ち、ロバスト性のあるシステムを構築することが可能なコントローラシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコントローラシステムの一実施の形態を示す概略構成ブロック図。
【図2】同一実施の形態のコントローラシステムにおける動作を説明するためのタイムチャート図。
【符号の説明】
1…ヒューマンマシンシステム、
2…バックアップコントローラ、
2a…コントロール部、
2b…メモリ、
2c…メモリ、
31,32,…,3N…ローカルPLC、
31a,32a,…,3Na…コントロール部、
31b,32b,…,3Nb…I/O部、
5…プライベートバス、
61,62,…,6N…制御対象(各種機器)を動作させるリレー接点、
71,72,…,7N…無停電電源装置。
Claims (3)
- 中央側に設けられ、現場側の複数の制御対象を操作するための操作指示を与えるヒューマンマシンシステムと、
前記複数の制御対象にそれぞれ対応して現場側に設けられ、前記ヒューマンマシンシステムからの操作指示に基づき、制御プログラムに従いI/O部を介して前記制御対象を個別に制御する複数のプログラマブル・ロジック・コントローラと、
前記ヒューマンマシンシステムと前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラとの間を互いに接続し、情報の伝送を行なうための伝送ラインとを備え、
前記ヒューマンマシンシステムから前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラを介して前記複数の制御対象の監視制御を行なうコントローラシステムにおいて、
バックアップコントローラと、
前記バックアップコントローラと前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラのI/O部との間を互いに接続し、データの伝送を行なうためのプライベートバスとを備え、
前記バックアップコントローラは、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの個々の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの最新のI/Oデータを、前記プライベートバスを介して取込み保持するデータ保持手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの状態を前記伝送ラインを介して監視し、当該プログラマブル・ロジック・コントローラの全てについて異常発生の有無を検知する異常発生検知手段と、
前記異常発生検知手段により異常発生が検知された場合に、当該異常の発生したプログラマブル・ロジック・コントローラに対して前記プライベートバスを介する制御に切換え、前記異常の発生したプログラマブル・ロジック・コントローラに代替して制御を続行する制御手段と、
を有することを特徴とするコントローラシステム。 - 中央側に設けられ、現場側の複数の制御対象を操作するための操作指示を与えるヒューマンマシンシステムと、
前記複数の制御対象にそれぞれ対応して現場側に設けられ、前記ヒューマンマシンシステムからの操作指示に基づき、制御プログラムに従いI/O部を介して前記制御対象を個別に制御する複数のプログラマブル・ロジック・コントローラと、
前記ヒューマンマシンシステムと前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラとの間を互いに接続し、情報の伝送を行なうための伝送ラインとを備え、
前記ヒューマンマシンシステムから前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラを介して前記複数の制御対象の監視制御を行なうコントローラシステムにおいて、
バックアップコントローラと、
前記バックアップコントローラと前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラのI/O部との間を互いに接続し、データの伝送を行なうためのプライベートバスとを備え、
前記バックアップコントローラは、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの個々の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの最新のI/Oデータを、前記プライベートバスを介して取込み保持するデータ保持手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの状態を前記伝送ラインを介して監視し、当該プログラマブル・ロジック・コントローラの全てについてその制御プログラム変更等の改造の有無を検知する改造検知手段と、
前記改造検知手段により改造が検知された場合に、当該改造の必要が生じたプログラマブル・ロジック・コントローラに対して前記プライベートバスを介する制御に切換え、前記改造の必要が生じたプログラマブル・ロジック・コントローラに代替して制御を続行する制御手段と、
を有することを特徴とするコントローラシステム。 - 中央側に設けられ、現場側の複数の制御対象を操作するための操作指示を与えるヒューマンマシンシステムと、
前記複数の制御対象にそれぞれ対応して現場側に設けられ、前記ヒューマンマシンシステムからの操作指示に基づき、制御プログラムに従いI/O部を介して前記制御対象を個別に制御する複数のプログラマブル・ロジック・コントローラと、
前記ヒューマンマシンシステムと前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラとの間を互いに接続し、情報の伝送を行なうための伝送ラインとを備え、
前記ヒューマンマシンシステムから前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラを介して前記複数の制御対象の監視制御を行なうコントローラシステムにおいて、
バックアップコントローラと、
前記バックアップコントローラと前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラのI/O部との間を互いに接続し、データの伝送を行なうためのプライベートバスとを備え、
前記バックアップコントローラは、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの個々の最新の制御プログラムと同一の制御プログラムを保持する制御プログラム保持手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの最新のI/Oデータを、前記プライベートバスを介して取込み保持するデータ保持手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの状態を前記伝送ラインを介して監視し、当該プログラマブル・ロジック・コントローラの全てについて異常発生の有無を検知する異常発生検知手段と、
前記複数のプログラマブル・ロジック・コントローラの状態を前記伝送ラインを介して監視し、当該プログラマブル・ロジック・コントローラの全てについてその制御プログラム変更等の改造の有無を検知する改造検知手段と、
前記異常発生検知手段により異常発生が検知された場合、または前記改造検知手段により改造が検知された場合に、当該異常の発生した、または改造の必要が生じたプログラマブル・ロジック・コントローラに対して前記プライベートバスを介する制御に切換え、前記異常の発生した、または改造の必要が生じたプログラマブル・ロジック・コントローラに代替して制御を続行する制御手段と、
を有することを特徴とするコントローラシステム。
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