JP3431347B2

JP3431347B2 - 卓上丸鋸盤

Info

Publication number: JP3431347B2
Application number: JP13817795A
Authority: JP
Inventors: 克彦佐々木; 正弘佐藤
Original assignee: Makita Corp
Current assignee: Makita Corp
Priority date: 1995-06-05
Filing date: 1995-06-05
Publication date: 2003-07-28
Anticipated expiration: 2018-07-28
Also published as: US5927171A; JPH08323706A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被切断材を載置するベ
ースの後方に支持アームを設け、その支持アームの前方
に、鋸刃を備えた本体を上下動可能に枢着した卓上丸鋸
盤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記卓上丸鋸盤においては、前記本体に
おける鋸刃の後方に切断屑の排出口を設け、その排出口
に集塵袋や集塵機等を連結して、鋸刃の後方へ飛散する
切断屑を排出口から集塵袋等へ回収できるようになって
いるが、このときの集塵効率を向上させるため、例えば
実開平３−１０８４０１号公報や実開平３−１１２３０
１号公報には、本体の下部にあって排出口へ切断屑を誘
導する断面コ字状の切屑案内板を回転自在に軸支し、厚
さの大きい被切断材では前記切屑案内板が被切断材と接
触して上昇し、その角度を変更可能とした考案が開示さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の考案
にあっては、切屑案内板が被切断材と接触することか
ら、被切断材を傷つける虞れが大きい。特に本体が前後
へスライドしながら切断するスライド式の卓上丸鋸盤で
は、被切断材へ接触する切屑案内板を引きずりながらス
ライドさせる格好となり、被切断材の損傷はより広がっ
てしまう。更に前記切屑案内板は、断面コ字状であるか
ら、その向きと一致しない角度で飛散する切断屑では、
コ字状の底部で跳ね返って開放側から飛び出し、集塵袋
や集塵機まで誘導されないことがあるため、集塵効率向
上の効果は余り期待できない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、被切断
材を傷つける虞れがなく、良好な集塵効率が得られる卓
上丸鋸盤を提供するもので、その構成は、前記本体にお
ける鋸刃の後方であって、被切断材と接触しない位置
に、切断屑の排出口と、その排出口へ切断屑を誘導し、
前後方向へ任意に角度変更可能な筒体とを設け、前記筒
体の下端の開口を、前方側へ向けた傾斜状に形成したこ
とを特徴とするものである。又前記筒体を、本体に設け
た目盛りに合わせて角度変更可能とすることができる。

【０００５】

【作用】切断屑の飛散方向に合わせて筒体の角度を設定
すれば、切断屑は効率よく筒体に捕捉され、筒体である
から、多少ずれた角度で飛び込んだ切断屑でも排出口ま
で好適に誘導される。又筒体は単独で角度変更できるか
ら、被切断材と接触せず、被切断材を傷つける虞れもな
い。更に筒体の下端の開口を前方側へ向けた傾斜状に形
成すると、切断屑をより広い面積で捕捉できる。更に筒
体を、本体に設けた目盛りに合わせて角度変更可能とす
ると、被切断材の厚さ等に迅速且つ正確に合わせること
ができる。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１はスライド式の卓上丸鋸盤１の側面図で、ベー
ス２へ回動可能に載置されたターンテーブル３には、前
後方向（図１の右側を前、左側を後として説明する）へ
スライド可能にスライドバー４が挿入され、そのスライ
ドバー４の後端には、可動アーム５が、スライドバー４
と一体に前後移動可能且つスライドバー４の円周方向へ
回動可能に取着されており、円周方向の位置決めは、可
動アーム５の後部に設けた固定レバー６の回動操作によ
って、ターンテーブル３に対して任意の角度で行えるよ
うになっている。又前記可動アーム５の前端部には、支
軸７によって本体８が上下動可能に枢着されている。こ
の本体８は、図示しないモータによって回転し、上方を
ブレードケース９に披着される円盤状の鋸刃１０と、安
全カバー１１を備え、前記支軸７に設けたトーションス
プリングによって上方へ付勢されるものである。

【０００７】そして前記ブレードケース９の基端部１２
は、上下に開口してその内部に切断屑の案内通路１４を
形成し、排出口となる上側の開口１４ａには、連結板１
５によって円筒状のエルボ１６が回動自在に取着され
て、集塵袋や集塵機のホース等を接続可能とする一方、
前記案内通路１４には、基端部１２を下方から見た図２
に示すように、左右の幅が基端部１２の左右の壁の間隔
と略等しく、前後の幅が前記エルボ１６の直径と略等し
い断面四角形の案内筒１７が設けられている。この案内
筒１７は、上方位置を基端部１２の一方の壁１３ａと共
に蝶ネジ１８に螺合されており、蝶ネジ１８を緩める
と、蝶ネジ１８を中心として下端を前後方向に回動で
き、蝶ネジ１８を締め付けることで、回動させた任意の
角度で固定できるようになっている。又案内筒１７の下
端は、傾斜状に形成されて、鋸刃１０側へ向けた開口１
９となっているが、これによって鋸刃１０側へ向けてよ
り広い面積を確保できることになり、切断屑が捕捉しや
すくなる。

【０００８】以上の如く構成された卓上丸鋸盤１は、本
体８のハンドル（図示せず）を下方へ操作すると、本体
８が支軸７を中心に下降し、鋸刃１０によってターンテ
ーブル３上の被切断材を切断できるが、前後に幅広の被
切断材の場合は、ハンドルを前方へ操作してスライドバ
ー４と可動アーム５ごと本体８を前方へ移動させて切断
を開始できる。この切断の際、被切断材の厚さによって
切断屑の飛散方向が異なる。即ち比較的薄い被切断材Ｗ
₁ の場合は、図３の如く矢印ａの方向へ、比較的厚い被
切断材Ｗ₂ の場合は、図４の如く矢印ｂの方向へ集中し
て飛散するため、矢印ａの場合は、蝶ネジ１８を緩めて
案内筒１７の下端を案内通路１４の後方いっぱいまで移
動させて、蝶ネジ１８を締め付ければ、切断屑の多くは
開口１９から進入し、案内筒１７によってエルボ１６ま
で誘導され、そのまま集塵袋等へ集塵される。一方矢印
ｂの場合は、案内筒１７の下端を前方へ移動させて、開
口１９を鋸刃１０に最接近させた位置で案内筒１７を固
定すれば、切断屑は開口１９から略飛散方向と一致した
案内筒１７内を通ってエルボ１６まで案内され、集塵袋
等へ集塵されるものとなる。このように本実施例では案
内筒１７を、被切断材と接触しない位置で角度変更可能
に設けたから、切断屑の集中する方向に合わせれば、被
切断材を傷つけることなく効率の良い集塵が行える。特
に案内筒１７を一定の断面の筒体としたことで、開口１
９へ進入した切断屑はその角度に拘わりなく確実に開口
１４ａ、エルボ１６まで誘導されるのである。

【０００９】尚上記実施例では案内筒１７を断面四角形
としたが、筒体であれば他の多角形や円形でも良く、そ
の固定手段も、上記蝶ネジ１８による螺合以外に、図５
のように基端部１２の一方の壁１３ａに螺合させた蝶ネ
ジ等のネジ部材１８ａの先端で案内筒１７ａの一側面を
押圧固定可能とすると共に、他側面に基端部の他方の壁
１３ｂの凹部に嵌合する凸部２０を突設したり、或はリ
ベット等で軸支したりして回転中心を得るものとする
等、種々の固定手段が採用できる。又基端部の壁の一方
又は両方に円弧状のスリットを設け、そのスリットを貫
通する突出片を案内筒の側面に設ければ、案内筒の回動
操作がしやすくなる。更に案内筒をエルボと別体にして
回動可能としたが、案内筒とエルボとを一体にして、上
記に示した手段等で全体を回動可能に構成すれば、上端
のエルボを把持して角度変更を行うことができる上、少
ない部品点数で合理的な構造にもなる。

【００１０】次に上記案内筒の角度変更をより好適に行
える実施例を説明する。尚先の実施例と同じ符号は同部
材を示すため説明を省略する。図６は基端部１２部分の
説明図、図７は図６の矢印Ａの矢視説明図で、基端部１
２に設けられる案内筒２１の側方には、筒部２２が突設
されると共に、その筒部２２の同軸上で基端部１２の外
部には、筒状のノブ２３が配置されている。筒部２２と
ノブ２３とは、筒部２２へ凹設した二面幅の接合凹部２
２ａに、ノブ２３へ凸設した二面幅の接合凸部２３ａが
嵌合することで一体化されており、ノブ２３側から両者
を貫通するネジ２４と、ネジ２４と同軸で案内筒２１の
筒部２２と反対側の側方へ突設され、基端部１２の壁１
３ｂへ遊挿されたボス２９を中心として、ノブ２３の回
転操作と連動して案内筒２１の角度が変更するものとな
っている。又ここではネジ２４と螺合する雌ネジ部は案
内筒２１の筒部２２のみに形成されている。更にノブ２
３には、図８にも示すように針２５ａを備えた鍔部２５
が延設される一方、基端部１２の壁１３ａの外面には、
被切断材の厚さを示す目盛り２６（ここでは板厚１０〜
９０mmまで）が設けられて、ノブ２３の回転位置の目安
となっている。尚図７において２７は本体を上方へ付勢
する圧縮スプリング、２８は安全カバーと連結され、本
体の下降と共に安全カバーを開放させるリンクプレート
である。よって本実施例によれば、案内筒２１の角度を
変更する際、ネジ２４を緩めた状態で、ノブ２３を把持
して被切断材の厚さに対応する目盛り２６の位置まで針
２５ａを回転させれば、案内筒２１も一体に回転して、
厚さに最適な角度が自動的に決定される。そしてネジ２
４を締め付ければ、筒部２２のネジ送りにより案内筒２
１がノブ２３側へ移動し、筒部２２とノブ２３とによっ
て間の壁１３ａを押圧挟持して、当該位置で案内筒２１
とノブ２３とが固定されることとなる。このように、こ
こではノブ２３によって案内筒２１の移動操作が容易に
行えるのに加え、被切断材の厚さに合った角度設定も迅
速且つ正確になされるのである。

【００１１】尚図６〜８で示した実施例においても案内
筒２１の形状は、筒体であれば角筒に限定するものでは
ない。又上記実施例では、全て可動アームを備えたスラ
イド式の卓上丸鋸盤について本発明を採用した例を説明
したが、勿論これらはターンテーブルに固定アームが立
設された卓上丸鋸盤でも適用可能であるのは言うまでも
ない。

【００１２】

【発明の効果】以上本発明によれば、単独で任意に角度
変更できる筒体の採用により、被切断材を傷つけること
なく、常に良好な集塵効率で切断屑の回収が行える。又
筒体の下端の開口を前方側へ向けた傾斜状に形成したた
め、切断屑をより広い面積で捕捉できる。更に筒体を本
体に設けた目盛りに合わせて角度変更可能とすると、筒
体の角度変更が迅速且つ正確に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】卓上丸鋸盤の説明図である。

【図２】案内筒の説明図である。

【図３】案内筒の角度を変更した状態を示す説明図であ
る。

【図４】案内筒の角度を変更した状態を示す説明図であ
る。

【図５】案内筒の変更例を示す説明図である。

【図６】案内筒の変更例を示す説明図である。

【図７】図６の矢視説明図である。

【図８】案内筒の変更例を示す説明図である。

【符号の説明】

１・・卓上丸鋸盤、２・・ベース、３・・ターンテーブ
ル、４・・スライドバー、５・・可動アーム、６・・固
定レバー、７・・支軸、８・・本体、９・・ブレードケ
ース、１０・・鋸刃、１２・・基端部、１６・・エル
ボ、１７，１７ａ，２１・・案内筒、１８・・蝶ネジ、
１９・・開口、２３・・ノブ、２６・・目盛り。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B27G 3/00 B27B 5/20

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】被切断材を載置するベースの後方に支持
アームを設け、その支持アームの前方に、鋸刃を備えた
本体を上下動可能に枢着した卓上丸鋸盤であって、前記
本体における鋸刃の後方であって、被切断材と接触しな
い位置に、切断屑の排出口と、その排出口へ切断屑を誘
導し、前後方向へ任意に角度変更可能な筒体とを設け、
前記筒体の下端の開口を、前方側へ向けた傾斜状に形成
したことを特徴とする卓上丸鋸盤。
【請求項２】前記筒体を、本体に設けた目盛りに合わ
せて角度変更可能とした請求項１に記載の卓上丸鋸盤。