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JP3417529B2 - コネクティングロッド - Google Patents

コネクティングロッド

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JP3417529B2
JP3417529B2 JP34173496A JP34173496A JP3417529B2 JP 3417529 B2 JP3417529 B2 JP 3417529B2 JP 34173496 A JP34173496 A JP 34173496A JP 34173496 A JP34173496 A JP 34173496A JP 3417529 B2 JP3417529 B2 JP 3417529B2
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コネクティングロ
ッド本体に一体成形した大端部が傾斜されているコネク
ティングロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コネクティングロッドの大端部
は、例えば、例えば特開平4−8906号公報に開示さ
れているように、水平分割されており、コネクティング
ロッド本体側に形成された大端部と分割された側の大端
部(以下、「キャップ」と称する)との合わせ面をねじ
を介して締結することで、クランクシャフトのクランク
ピンを挟持する。
【0003】上記合わせ面に螺設されるねじ孔は予め穿
設されている下穴を後加工したもので、この下穴は大端
部を貫通しているものが多い。
【0004】ところが、傾斜型エンジン、V型エンジン
等では、例えば、実開昭61−94613号公報、或い
は実公平3−48416号公報に開示されているよう
に、上記大端部をコネクティングロッド本体に対して傾
斜した状態で形成されているものでは、大端部に形成さ
れるねじ孔を螺設するための下穴の一方がコネクティン
グロッド本体の中心軸線方向に指向されているので、こ
の下穴を貫通させると強度が低下してしまうため貫通さ
せず、必要ねじ山数に対応する設定深さの下穴としてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、下穴が貫通さ
れていないと、ねじ孔加工作業の際に発生する切削屑が
下穴の先端側に堆積しやすく、この切削屑を完全に除去
するには特別な工程が必要となり、製造工数がアツプし
てしまう。
【0006】又、上記切削屑をエアーを吹きかけること
で簡易的に除去しようとすると、吹き返されたエアーに
より切削屑が飛散してしまい、作業環境が悪化する不都
合がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、ねじ孔加工の
際の切削屑を特別な作業工程を設けることなく簡単に除
去することができ、品質管理が容易となり高い信頼性を
得るこのできるコネクティングロッドを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、両端に小端部と大端部とを有するコネクティ
ングロッド本体と、上記大端部にねじを介して締結され
るキャップとを備え、上記大端部の上記キャップに対す
る合わせ面が上記大端部と上記小端部との中心を結ぶ中
心軸線に直交する軸線に対して傾斜され、又上記大端部
の両側に穿設されたねじ孔の一方の先端が上記中心軸線
方向に指向されているコネクティングロッドにおいて、
上記コネクティングロッド本体の側面に上記一方のねじ
孔の先端を露呈する設定深さの凹溝状逃げ孔が一体形成
されていることを特徴とする。又、好ましくは、上記大
端部に穿設されている上記一方のねじ孔の先端が上記コ
ネクティングロッド本体に形成されている肉薄部の方向
へ指向され、上記一方のねじ孔の先端を露呈する上記凹
溝状逃げ孔が上記肉薄部に形成されていることを特徴と
する。
【0009】本発明では、コネクティングロッド本体の
一端に形成した大端部が傾斜されているため、この大端
部の両側に形成したねじ孔の一方の先端が大端部と小端
部との中心を結ぶ中心軸線の方向に指向しているものに
おいて、コネクティングロッド本体の側面に上記一方の
ねじ孔の先端を露呈させる設定深さの凹溝状逃げ孔を一
形成することで、上記ねじ孔内部の切削屑を簡単に除
去することが可能になる。この場合、上記逃げ孔を設定
深さの凹溝状に形成されているので、コネクティングロ
ッド本体の強度を保持することができ、更に、上記逃げ
孔をコネクティングロッド本体の側面から形成されてい
るので、鋳造品による一体成形が可能になる。又、好ま
しくは、上記大端部に穿設されている上記一方のねじ孔
を、上記コネクティングロッド本体に形成されている肉
薄部を貫通させることなく、この肉厚部に指向させた姿
勢とし、この一方のねじ孔の先端を露呈させる上記凹溝
状逃げ孔を上記肉薄部に形成させることで、この肉薄部
の強度低下を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を説明する。図3に本発明によるコネクティ
ングロッドを採用するV型エンジンの要部縦断面側面図
を示す。同図の符号1はクランクケースで、このクラン
クケース1に複数のシリンダ2がV字状に配設され、こ
の各シリンダ2に挿通するピストン3がコネクティング
ロッド4を介して、上記クランクケース1に横設するク
ランクシャフト6のクランクピン6aに連設されてい
る。
【0011】図1に示すように、上記コネクティングロ
ッド4がコネクティングロッド本体4aとキャップ4b
とから成り、このコネクティングロッド本体4aの一端
に小端部4cが形成され、他端に半割状の大端部4dが
形成されている。この大端部4dにキャップ4bが当接
され、ねじ5を介して締結することで、クランクシャフ
ト6のクランクピン6aを挟持する。更に、上記小端部
4cが上記ピストン3にピストンピン7を介して連設さ
れる。
【0012】又、上記小端部4cと上記大端部4dとの
中心が上記コネクティングロッド本体4aの中心軸線L
v上に位置し、更に上記大端部4dと上記キャップ4b
との互いに対向する合わせ面4eが、上記中心軸線Lv
に直行する軸線Lhに対して傾斜した角度に形成されて
いる。
【0013】上記キャップ4bと上記大端部4dとの両
合わせ面4eに挿通孔4fと、該挿通孔4fに対応する
ねじ孔4g,4g’とが穿設されている。図1に示すよ
うに、一方のねじ孔4gは貫通されているが、他方のね
じ孔4g’はコネクティングロッド本体4aの中心軸線
Lvの方向に指向されているので、貫通させてしまうと
コネクティングロッド本体4aの強度が低下してしまう
ため、その下穴の先端4iは貫通させることなく、上記
コネクティングロッド本体4aの肉薄部4jに臨む深さ
に設定されている。
【0014】一方、この肉薄部4jには設定深さの凹溝
を成す逃げ孔4kが側面方向から形成されており、この
逃げ孔4kに上記下穴の先端4iが露呈されている。
【0015】尚、符号8は上記クランクケース1に設け
られているオイルパン(図示せず)に貯留されているオ
イルを飛散させるスクレーパ、又、4m,4m’は大端
部4dとキャップ4bとを組み付ける際の位置決め段部
である。
【0016】次に、上記構成による本実施の形態の作用
について説明する。コネクティングロッド本体4aの大
端部4dに螺設されているねじ孔4g,4g’は、予め
穿設されている下穴を後加工したものである。このう
ち、ねじ孔4g’側の下穴の先端4iがコネクティング
ロッド本体4aの中心軸線Lvの方向に指向され、その
先端4iが側面方向から形成された逃げ孔4kに露呈さ
れている。
【0017】従って、上記下穴に上記ねじ孔4g’を後
加工する際に発生する切削屑は上記逃げ孔4kから排出
されるようになり、下穴先端4iに切削屑が堆積せずね
じ孔4g’の加工性が向上する。
【0018】又、上記ねじ孔4g’を所定に螺設した
後、このねじ孔4g’に対して合わせ面4e方向からエ
アーを吹きかけると、該エアーがねじ孔4g’を経て逃
げ孔4kから吹き抜け、このねじ孔4g’内に残留する
切削屑が、上記エアーと共に上記逃げ孔4kから強制的
に排出される。
【0019】その結果、ねじ孔4g’内の切削屑を簡単
でしかも確実に排除することができるようになり品質管
理が容易になる。
【0020】このように本実施の形態によれば、ねじ孔
4g’を後加工したときに発生する切削屑をエアーによ
り簡単に排除することができるため、切削屑除去のため
の特別な工程が不要となり、作業工数が削減できる。
又、上記エアーを吹きかけても吹き返しが無く、従っ
て、切削屑が飛散せず、常に作業環境を清潔に保つこと
ができる。
【0021】尚、コネクティングロッド本体4aをダイ
カスト等を用いた鋳造品にすれば、逃げ溝4kを一体成
形することが可能となり製造が容易になる。
【0022】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
コネクティングロッド本体の一端に形成した大端部の合
わせ面が大端部と小端部との中心を結ぶ中心軸線に直行
する軸線に対して傾斜されているため、この大端部の両
側に形成したねじ孔の一方の先端が大端部と小端部との
中心を結ぶ中心軸線の方向に指向し、貫通することので
きない構造になっている場合であっても、上記コネクテ
ィングロッド本体の側面に上記一方のねじ孔の先端を露
呈させる逃げ孔が形成されているので、エアーの吹き付
けなどにより該逃げ孔から上記ねじ孔内部に残留する切
削屑を特別な作業工程を設けることなく簡単に除去する
ことができる。従って、上記ねじ孔の加工性が向上する
ばかりでなく、品質管理が容易になり、高い信頼性を得
ることができる。又、上記ねじ孔にエアーを吹き付けて
も該エアーが逃げ孔から吹き抜けるため、吹き返しが無
く、従って、常に清潔な作業環境を維持することができ
る。
【0023】更に、上記逃げ孔設定深さの凹溝状に形
成されているため、コネクティングロッド本体の強度を
保持することができる。
【0024】又、上記逃げ孔をコネクティングロッド本
体の側面から形成させるようにしたので、ダイカスト等
の鋳造品による一体成形が可能となり製造が容易にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コネクティングロッドの一部断面正面図
【図2】図1のII−II断面図
【図3】エンジンの縦断面側面図
【符号の説明】
4…コネクティングロッド 4a…コネクティングロッド本体 4b…キャップ 4c…小端部 4d…大端部 4e…合わせ面 4g,4g’…ねじ孔 4i…先端4j…肉薄部 4k…逃げ孔 5…ねじ Lh…(水平)軸線 Lv…中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−4463(JP,A) 特開 平6−147218(JP,A) 特開 平6−129418(JP,A) 特開 平5−340228(JP,A) 特開 昭60−111755(JP,A) 特開 平5−272524(JP,A) 実開 昭58−36623(JP,U) 実開 昭57−136807(JP,U) 特公 昭47−23243(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 7/00 - 7/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端に小端部と大端部とを有するコネクテ
    ィングロッド本体と、上記大端部にねじを介して締結さ
    れるキャップとを備え、 上記大端部の上記キャップに対する合わせ面が上記大端
    部と上記小端部との中心を結ぶ中心軸線に直交する軸線
    に対して傾斜され、 又上記大端部の両側に穿設されたねじ孔の一方の先端が
    上記中心軸線方向に指向されているコネクティングロッ
    ドにおいて、 上記コネクティングロッド本体の側面に上記一方のねじ
    孔の先端を露呈する設定深さの凹溝状逃げ孔が一体形成
    されていることを特徴とするコネクティングロッド。
  2. 【請求項2】上記大端部に穿設されている上記一方のね
    じ孔の先端が上記コネクティングロッド本体に形成され
    ている肉薄部の方向へ指向され、 上記一方のねじ孔の先端を露呈する上記凹溝状逃げ孔が
    上記肉薄部に形成されてい ることを特徴とする請求項1
    記載のコネクティングロッド。
JP34173496A 1996-12-20 1996-12-20 コネクティングロッド Expired - Fee Related JP3417529B2 (ja)

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