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JP3400718B2 - 車両旋回運動制御装置 - Google Patents

車両旋回運動制御装置

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Publication number
JP3400718B2
JP3400718B2 JP20452698A JP20452698A JP3400718B2 JP 3400718 B2 JP3400718 B2 JP 3400718B2 JP 20452698 A JP20452698 A JP 20452698A JP 20452698 A JP20452698 A JP 20452698A JP 3400718 B2 JP3400718 B2 JP 3400718B2
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JP
Japan
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vehicle
yaw rate
rollover
target
braking force
Prior art date
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Application number
JP20452698A
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English (en)
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Inventor
光宏 三村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T2230/00Monitoring, detecting special vehicle behaviour; Counteracting thereof
    • B60T2230/03Overturn, rollover

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の車輪の制
動力を制御し、車両の旋回運動の安定化を計るように旋
回運動を修正する車両旋回運動制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より車両の制動力を制御するシステ
ムとして、アンチスキッドブレーキ、トラクションコン
トロール、スタビリティコントロールシステム等が提案
されている。これらシステムは、制動力を発生するマス
タシリンダ又はモータポンプ等による圧力源と、各車輪
用にホイールシリンダとの間に配置される流体制御用ア
クチュエータ(以下圧力ユニットという)と、各車輪の
速度、アクセルペダルの操作、ヨーレート又は車体加速
度等を検出する各種センサと、これらセンサの情報から
前記圧力ユニットを駆動する信号を出力するコントロー
ルユニット(以下ECUという)とから構成されてい
る。特にECU内部で処理される制御には種々な方法が
ある。
【0003】例えば、従来装置として特開平8ー310
360号公報に記載された旋回制御装置があり、図8に
その動作ブロックを示す。特にECUの動作を図8に沿
って説明する。各種センサで検出された車両情報(例え
ば車輪速、加速度、ヨーレート、ハンドル角等)がEC
Uに入力され、フィルタ処理部70で平滑される。次に
車両運動状態計算部71と運転操作判断部72では、車
輪速Vwi、前後加速度Gx、ヨーレートγ、ハンドル
角θ、アクセルペダルストロークSt等から車体速度V
b、重心スリップ角β、車輪のスリップ率Sl等を算出
する。これらとハンドル角θから、旋回判定部73で旋
回の有無を判定する。次に目標ヨーレート計算部74
で、目標ヨーレートγtを γt=LPF{(Vb/(1+A+Vb2)*(δ/L)} (1) δ=θ/ρ (2) で求める。ここでLPFはローパスフィルタ、Aはスタ
ビリティファクタ、Lはホイールベースを示している。
δは前輪舵角で、ρはステアリングギア比を示してい
る。
【0004】次に要求ヨーモーメント計算部75におい
て、要求ヨーモーメントγdを算出する。それには検出
した実ヨーレートγと(1)式による目標ヨーレートγ
tとの偏差Δγと、偏差微分Δγsを求め、それぞれの
比例ゲインKi、Kpを乗算することにより算出され
る。 γd=(Ki*Δγ+Kp*Δγs)*Cpi (3) ここで、Cpiは補正定数である。
【0005】次に算出された値を用いてヨーモーメント
制御部76において、要求ヨーモーメントγdに応じて
実ヨーレートを目標ヨーレートに一致するように制動力
を制御する信号が出力される。制御信号選択部77では
前記制御信号を各圧力ユニット6にそれぞれ振り分けて
駆動信号を出力する構成である。ここでECUは符号7
0〜77で構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような構成の従
来装置では、目標ヨーレートは前輪操舵角δに比例した
値として算出されるため、運転者が大きく操舵している
場合、目標ヨーレートも大きな値が設定されることにな
る。そのため実ヨーレートが目標ヨーレートより小さい
値をとることがある。このような状況では車両が有する
運動性能を越えて制御を行うことが考えられる。また大
きな実ヨーレートが発生している場合でも、ヨーレート
の減少が遅れる制御又は収束方向の制御ができにくいこ
とがあり、そのため車両の挙動が旋回時に不安定になる
ことがあった。
【0007】この発明は、前記のような問題点を解決す
るためになされたもので、車両の過大なロールを抑制
し、また旋回運動中の車両の不安定性を低減することの
できる旋回運動制御装置を得ることを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る車両旋回
運動制御装置では、車両に発生するヨーレートを検出す
る実ヨーレート検出手段と、車両の操舵角を検出する操
舵角検出手段と、車輪速度を検出する車輪速検出手段
と、前記各手段からの情報を入力し車両の走行に対する
要求制御量を演算する要求制御量設定手段と、この要求
制御量に応じて各車輪の制動力を制御する制動力制御手
段とを有するものにおいて、前記要求制御量設定手段
は、前記各手段からの情報により車両の目標運動量を設
定する目標運動設定部と、前記各手段からの情報により
車両のロール状態を判断するロールオーバー判断部と、
このロールオーバー状態と前記目標運動量より要求ヨー
モーメントを計算する要求ヨーモーメント計算部と、こ
の要求ヨーモーメントに応じて前記制動力制御手段を駆
動する制御信号出力部とにより構成され、前記ロールオ
ーバー判断部は、車両のロールが過大となる又は車両走
行が不安定となるヨーレートを予め記憶したロールオー
バーヨーレート設定部と、この設定されたヨーレートと
実ヨーレートを比較することにより、ロールオーバー状
態判断を行うようにしたものである。 また、他の発明に
係る車両旋回運動制御装置では、車両に発生するヨーレ
ートを検出する実ヨーレート検出手段と、車両の操舵角
を検出する操舵角検出手段と、車輪速度を検出する車輪
速検出手段と、前記各手段からの情報を入力し車両の走
行に対する要求制御量を演算する要求制御量設定手段
と、この要求制御量に応じて各車輪の制動力を制御する
制動力制御手段とを有するものにおいて、前記要求制御
量設定手段は、前記各手段からの情報により車両の目標
運動量を設定する目標運動設定部と、前記各手段からの
情報により車両のロール状態を判断するロールオーバー
判断部と、このロールオーバー状態と前記目標運動量よ
り要求ヨーモーメントを計算する要求ヨーモーメント計
算部と、この要求ヨーモーメントに応じて前記制動力制
御手段を駆動する制御信号出力部とにより構成され、前
記要求ヨーモーメント計算部は、目標運動設定部の目標
運動量と、実ヨーレートとを比較し、この比較値をロー
ルオーバー判断部のロールオーバー状態に応じて変更す
ることによって要求ヨーモーメントを算出するようにし
たものである。 また、前記目標運動設定部は目標ヨーレ
ートを設定し、この目標ヨーレート値を前記ロールオー
バーヨーレート設定部によるロールオーバーヨーレート
値により制限することにより、前記要求ヨーモーメント
計算部の要求ヨーモーメントを変更するようにしたもの
である。 さらに、前記ロールオーバーヨーレート設定部
は、車両のロールが過大となる又は車両走行が不安定と
なる横加速度を予め記憶したロールオーバー横加速度設
定部と、この横加速度相当のヨーレートに換算する横加
速度―ヨーレート換算部とを有するようにしたものであ
る。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図に基づいて説明する。図1はこの発明
の実施の形態1による旋回運動制御装置を示す構造図で
あり、車両特に乗用車のブレーキシステム及び電気的接
続を示したものである。タンデム型マスタシリンダ1
は、バキュームブースタ2を介してブレーキペダル3に
接続されている。運転者の操作による制動力は、バキュ
ームブースタ2で倍力されマスタシリンダ1から2系統
のメインブレーキ管路4、5を通って出力される。
【0014】メインブレーキ管路4、5は圧力ユニット
6を介して、一方は左前輪(以下FWLという)11と
右後輪(以下RWRという)12に接続され、他方は右
前輪(以下FWRという)13と左後輪(以下RWLと
いう)14に接続されている。いわゆるクロス配管形式
のブレーキシステムである。ここで圧力ユニット6は制
動力制御手段を示している。圧力ユニット6内は2系統
同一の構成であるため、1系統について説明する。メイ
ンブレーキ管路4はカットオフバルブ24を介し、さら
に2つのブレーキ管路7、8に分岐されている。分岐ブ
レーキ管路7はFWL11のホイールシリンダに、分岐
ブレーキ管路8はRWR12のホイールシリンダにそれ
ぞれ接続されている。
【0015】分岐ブレーキ管路7、8にはそれぞれ入口
バルブ15a、15bと出口バルブ16a、16bが介
挿されている。また出口バルブ16a、16bには戻り
経路17が接続され、その先にはリザーバ18が接続さ
れている。またリザーバ内のブレーキ液を吸い上げ、圧
送するモータ23で回転するポンプ21が接続されてい
る。さらにマスタシリンダ1内のブレーキ液を直接吸い
上げるための吸い込み経路27、及び加圧バルブ29が
配設されている。各バルブ15a、15b、16a、1
6b、24、29は電磁バルブであり、15a、15
b、24は常開弁で、16a、16b、29は常閉弁で
ある。なおカットオフバルブ24にはリリーフメカバル
ブ26aが併設されている。
【0016】次に各バルブの動作を説明する。カットオ
フバルブ24はバルブ駆動信号により、運転者によるブ
レーキ液圧を遮断する機能があり、これにより運転者の
意志と独立に各ホイールシリンダ液圧を制御できる。入
口バルブ15a、15bも同様にカットバルブであり、
ホイールシリンダ液圧を遮断し、そのときの圧力を保持
する機能がある。出口バルブ16a、16bは入口バル
ブ15a、15bと連動して駆動すると、ホイールシリ
ンダ液圧をリザーバ18に抜くことができ、ブレーキ液
圧を減圧できる。またポンプ21により圧送された液圧
を入口バルブ15a、15bを開き、出口バルブ16
a、16bを閉じると、その間ブレーキ液圧を増圧でき
る。以上はいわゆるアンチスキッドブレーキの作動モー
ドである。なお、カットオフバルブ24は、アンチスキ
ッドブレーキ中はオフ(連通状態)である。さらにブレ
ーキペダル3が操作されていないときにブレーキをかけ
る場合、いわゆるトラクション制御又はヨーレート制御
をしたい場合、カットオフバルブ24を閉じ、吸い込み
経路27を介して加圧バルブ29を開き、ポンプ21に
よりマスタシリンダ1から直接ブレーキ液を増圧する。
この液圧を利用し、入口バルブ15、出口バルブ16を
それぞれ作動させて同様に増圧・保持・減圧を選択でき
る。
【0017】これらの各部の作動は、すべてECU31
により駆動される。ECUには各種センサが接続され、
ハンドル角センサ34、マスタシリンダ圧力センサ3
5、各車輪速センサ32a、32b、32c、32d、
ヨーレートセンサ33、前後加速度センサ36、及び横
加速度センサ37が車両の各種情報を検出している。こ
れら情報から制御量を算出し、前述の圧力ユニット6の
バルブを駆動するようにECUは機能する。そのためE
CU31は要求制御量設定手段を示している。ハンドル
角センサ34は運転者のハンドルの操舵角を検出し、マ
スタシリンダ圧力センサ35はマスタシリンダ内の圧力
を検出する。また車輪速センサ32a、32b、32
c、32dは各車輪の回転速度を検出し、ヨーレートセ
ンサ33は車両の上下方向を軸とする角速度を検出す
る。前後加速度及び横加速度センサ36、37は、車両
の前後方向及び横方向に作用するそれぞれの加速度を検
出する。
【0018】次にECU31内部の動作について図2を
基づき説明する。ECU31は各種センサ(32〜3
7)からの情報を入力し、まずフィルタ処理部38で平
滑する。ここでのフィルタ処理は、各センサ毎に定めら
れたフィルタ定数に基づいて処理される。車両運動状態
検出部39では、車輪速度Vwi、横加速度Gy、実ヨ
ーレートγに基づき車体速度Vbが算出される。車体速
度Vbは、例えば基本的には各車輪速度の2番目に高速
で回転しているものを選択し、所定範囲外の加減速度が
発生すると所定の加減速度で増速又は減速させたもので
ある。さらに急旋回中のような特殊状態ではセンサ情報
から補正を加味することもできる。ここでiは各車輪速
度を示すものであり、i=1はFWL、2はFWR、3
はRWL、4はRWRを表すものとする。
【0019】目標運動設定部40では、ハンドル角θに
基づき運転者のハンドル操作が判断され、運転操作に応
じた車両の目標旋回運動として目標ヨーレートγtが設
定される。算出方法としては、従来装置の式(1)と同
様に算出できる。 γt=Vb/(1+A*Vb2)*(δ/L) (4)
【0020】次にロールオーバー判断部41では、車両
のロール状態を判断するロールオーバー状態判定値Rr
v、及び過大なロールに応じた補正量としてロールオー
バー補正量Rlmが算出される。算出方法は後述する。
次に算出した各データ及び実ヨーレートγを入力し、要
求ヨーモーメント計算部45で要求ヨーモーメントMつ
まり要求制御量を算出する。この算出方法は後述する。
【0021】続いてこの要求制御量Mを使用して制御車
輪選択部49では、車両の旋回方向から制御すべき車輪
を選択する。選択方法としては、ロールオーバー判断さ
れていない場合、目標ヨーレートγtに対して実ヨーレ
ートγが過大であると、旋回外側前輪又は旋回外側前輪
と後輪を制動力増加側に選択し、それ以外の一部又は全
部の車輪を制動力減少側として選択する。一方実ヨーレ
ートγが不足しているときは、旋回内側後輪又は旋回内
側前輪と後輪を制動力増加側に選択する。それ以外の一
部又は全部の車輪を制動力減少側として選択する。さら
にロールオーバー判断されている場合、実ヨーレートγ
が過大である場合と同様の車輪を選択する。この車輪選
択結果は、制動力増圧、準増圧、減圧、準減圧、保持、
非制御の6モードとして、車輪毎に車輪モードMDwi
に設定される。また要求ヨーモーメントMが所定値を越
えていない場合は、全車輪を非制御モードとする。
【0022】制御力調整量計算部50は、要求ヨーモメ
ントM及び車輪モードMDwiの基づいて各車輪の制動
力調整量Twdiを算出する。具体的には車輪モードM
Dwiが増圧の場合+M、準増圧の場合+M/2、減圧
の場合−M、準減圧の場合、−M/2、保持の場合零が
割り当てられる。
【0023】次に制動力調整量Twdiを入力した車輪
圧力増減率計算部51では、各車輪のブレーキ液圧の増
減率つまりブレーキ液圧の増減の時間的変化量DPwi
を、制動力調整量Twdiにブレーキ係数及び車両のト
レッド等を考慮した所定値を乗算することにより求め
る。また目標スリップ率計算部52では、各車輪の目標
スリップ率Swiが、それぞれ制動力調整量Twdiを
元に予め設定されたマップにより算出される。
【0024】続いてブレーキ液圧増減率DPwiと目標
スリップ率Swiとがスリップコントローラ53に入力
され、各車輪のブレーキ液圧の増減率DPwiを実現す
るように車輪のブレーキ液圧を調整するためのバルブ駆
動信号を出力する。ここでスリップコントローラ53は
制御信号出力手段を示している。具体的には、車輪のス
リップSiが目標スリップ率Swi以内であれば、ブレ
ーキ液圧増減率DPwiに応じて、ブレーキ液圧を増減
特に増圧方向に制御させる。一方スリップ率Swi以上
である場合、目標スリップ率Swiになるようにブレー
キ液圧を増減、特に減圧方向に制御する。
【0025】このスリップコントローラ53で出力され
たバルブ駆動信号により、圧力ユニット6内の入口バル
ブ15a〜15d、出口バルブ16a〜16d、カット
バルブ24、25、加圧バルブ29、30、及びモータ
23を駆動し、各車輪のブレーキ液圧を制御する。この
ブレーキ液圧制御により各車輪の制動力分配が行われ、
ロールを抑制しながら実ヨーレートを目標ヨーレートに
近づけるように車両の運動を制御できる。これはひいて
は運転者の意志に沿った車両の運動性能を、運転者に技
量、道路状態、車両形状等に独立して制御できるもので
ある。
【0026】ロールオーバー判断部41における演算方
法について、図3に基づき説明する。まずロールオーバ
ーヨーレート設定部42で、車体速度Vbに応じてロー
ル過大又は不安定走行であると考えられるヨーレート閾
値γroをマップで設定する。この閾値は例えば、対象
車両を各車速毎に平地で定常円旋回を行い、車速毎に発
生する最大ヨーレートを計測することで得られる。一方
ABS部43では、実ヨーレートγの絶対値をとり|γ
|を算出する。この|γ|とヨーレート閾値γroとの
偏差が、ロールオーバー補正量Rlmとして算出され
る。またロールオーバー補正量Rlmに基づいて、ロー
ルオーバー状態判定部44でロールオーバー状態である
か否かの判定を行い、ロールオーバー状態判定Rrvを
求める。例えば、ロールオーバ補正量Rlmが正でかつ
予め定められた閾値を越えている場合は、Rrv=1
(ロールオーバー状態)と判定し、閾値を越えていない
場合は、Rrv=0(非ロールオーバー状態)と判定す
る。従ってヨーレートのみでロールオーバー判定を行う
ことができる。
【0027】次の要求ヨーモメント計算部45における
演算方法について、図4に基づき説明する。目標ヨーレ
ートγtと実ヨーレートγとの偏差γer0をまず算出
する。このヨーレート偏差γer0は、旋回方向符号変
換部46で符号処理を施しγerを得る。符号処理は、
前提として右旋回時ヨーレートを正とすると、ヨーレー
ト偏差γer0が負、つまり左旋回時は偏差γer0の
符号を反転する。逆に実ヨーレートが正の場合は符号反
転はしない。これにより旋回方向に無関係に、車両の実
ヨーレートの絶対値が目標ヨーレートの絶対値より大き
く、車両がオーバーステア傾向の場合は正、逆に車両が
アンダーステア傾向の場合は負に設定されることにな
る。
【0028】次にヨーレート偏差γer、ロールオーバ
ー補正量Rlm、及びロールオーバー状態判定Rrvを
制御入力変更部47に入力する。そして入力偏差γpを
算出する。この方法は図5に示すフローチャートで算出
される。図5のフローチャートでまずスタートした後、
ステップS1でロールオーバー状態判定Rrvが1か否
かを調べる。Rrv=1であれば、つまりロールオーバ
ー状態であると、ステップS2でロールオーバー補正量
Rlmがヨーレート偏差γer以上か否かを調べる。R
lm≧γerであれば、ステップS3で、入力偏差γp
にロールオーバー補正量Rlmを適用する。一方ステッ
プS1で、Rrv=1でない又はステップS2でRlm
≧γerでないならば、ステップS4で入力偏差γpに
ヨーレート偏差γerを適用する。このようにして入力
偏差γpを算出する。
【0029】ここで、ロールオーバー状態と判定される
のは、前述のようにロールオーバー補正量Rlmが正の
場合であり、よって入力偏差γ=Rlmとなる場合は、
必ず入力偏差γp≧0となる。逆にγp=γer≧0な
るのは、前述のように車両がオーバーステア傾向の場合
で、制御はヨーレートの絶対値を減少させる方向に行わ
れる。つまりγp=Rlmとすることにより制御は、ヨ
ーレートの絶対値を減少させる方向に行うことができ
る。
【0030】再度図4に戻り、入力偏差γpはPDコン
トローラ部48に入力される。まず時間微分されゲイン
K1を乗じ、入力偏差微分γdが演算される。一方比例
ゲインK2が乗算され、入力偏差微分と加算され、要求
ヨーモーメントMが求まる。 M=K1*γd+K2*γp (5) γd=dγp/dt (6) ここでゲインK1、K2は、車体速度Vb、ハンドル角
θ、ハンドル角速度dθ、マスタシリンダ圧力P、横加
速度Gyによって予め設定されたマップよりその大きさ
を変更できるゲイン係数である。またハンドル角速度d
θは、ハンドル角θを微分したものである。
【0031】以上のようにロールオーバー状態判定部4
4において、車両がロールオーバー状態であると判定さ
れた場合、要求ヨーモーメントMは目標ヨーレートγt
とは無関係にロールオーバー補正量Rlmに基づいて演
算される。またロールオーバー補正量Rlmは必ず正の
値であるので、各車輪の制動力は車両の実ヨーレートの
絶対値を減少させる方向に増減される。またロールオー
バー補正量Rlmはロールオーバーヨーレートγroと
実ヨーレートγの絶対値との偏差であるため、閾値γr
oを越えた値に応じて設定されることになる。つまり車
輪の制動力は、ロールが大きいほど、旋回安定性が少な
いほど車両のヨーレートの絶対値を大きく減少させるべ
く制御され、車両の旋回運動を大きく緩和され、ロール
を抑制し、旋回運動の安定性を増加できる制御となる。
【0032】実施形態2.次に実施の形態2について図
6を用いて説明する。実施の形態1との相違である要求
ヨーモーメントMの算出方法についてのみ説明する。図
中図3又は図4と同一符号は、同一又は相当部分を示
す。ロールオーバー判断部41aでは、車体速度Vbか
らロールオーバーヨーレート設定部42によるγro、
ABS部による実ヨーレートγの絶対値|γ|、及びロ
ールオーバー状態判定部44によるRrvを実施の形態
1と同様に算出する。
【0033】一方目標車両運動設定部40aでは、車体
速度Vbとハンドル角θから定常ゲイン計算部54にお
いて、式(4)を利用し目標ヨーレート定常値γsを算
出する。目標ヨーレート制限部55では、目標ヨーレー
ト定常値γsがロールオーバーヨーレートγroにて制
限され、目標ヨーレート制限値γ1として出力される。
次に目標ヨーレート選択部56で、ロールオーバー状態
Rrvに基づき目標ヨーレート定常値γs又は目標ヨー
レート制限値γ1から目標定常ヨーレートγ2の選択が
行われる。具体的にはロールオーバー状態と判定してい
る場合(Rrv=1)、γ2にγ1が選択され、逆の非
ロールオーバー(Rrv=0)場合はγ2にγsが選択
される。
【0034】次に動的応答性付加部57に目標定常ヨー
レートγ2が入力され、動的な応答性を付加される。具
体的には、時間的遅れ処理と1次ローパスフィルタ処理
を施し、目標ヨーレートγtを下式にて算出する。 γtn=N1γ2n-j+N2γtn-1 (7) ここでN1、N2は定数であり、nは現在の制御周期、
n-1は1制御周期前を意味する。またjは正の整数でj
制御周期前を意味し、固定値でも変数でもよい。
【0035】続いて要求ヨーモーメント計算部45a
で、目標ヨーレートγtと実ヨーレートγが入力され
る。まず両者の偏差であるヨーレート偏差γer0を求
め、旋回方向符号変換部46にて符号を付加する。符号
付加方法は実施の形態1と同様である。PDコントロー
ラ部48も実施の形態1と同様な方法で式(5)、
(6)を用いて、要求ヨーモーメントMを算出する。
【0036】以上のように目標ヨーレートγtはロール
オーバー状態に依存して、最終の要求ヨーモーメントM
を算出する前にその制御量を制限できる。この方法によ
って算出した最終制御量である要求ヨーモーメントに基
づき制動力を制御することにより、車両の旋回時の運動
性能を運転者の技量に関係なく、また過大なロールを発
生させることなく安全に走行させることができる。
【0037】実施の形態3.次に実施の形態3について
説明する。実施の形態1との相違であるロールオーバー
ヨーレート設定部について図7を用いて説明する。図7
のロールオーバーヨーレート設定部42bにおいて、ま
ず車体速度Vbからロールオーバー横加速度設定部59
でロールオーバー横加速度Gyroを設定する。このロ
ールオーバー横加速度Gyroは、車両のロールが過大
である場合横加速度として検出され、車体速度Vbとロ
ールオーバー横加速度マップを用いて演算される。この
マップは例えば制御対象車両において、各車体速度毎に
平地で定常円旋回を行い、車体速度毎に発生する最大横
加速度を計測することによって得られる。またロールオ
ーバー横加速度Gyroは固定値とすることも可能であ
る。
【0038】こうして得られたロールオーバー横加速度
Gyroと車体速度Vbとから横加速度―ヨーレート換
算部60で、ロールオーバーヨーレートγroを算出す
る。その方法としては、 γro=Gyro/Vb (8) を利用する。こうして得られたロールオーバーヨーレー
トγroを使用して実施の形態1又は実施の形態2と同
様な処理を行うことで、車両の旋回運動に起因するロー
ルの大きさに応じた安定性を増加する制御を行うことが
可能である。
【0039】このように車体のロール、又は不安定性の
一要因である横加速度に基づいて、ロールオーバーヨー
レートγroが設定され、この値に応じて演算される制
御量は、ロール・不安定走行をより適正に設定でき、引
いては車両の旋回運動を的確に制御できることになる。
【0040】なお実施の形態1〜3では、ロールオーバ
ー状態をロールが過大である状態として説明してきた
が、ロールオーバー状態を車両のスピン状態としてもよ
い。これによりいわゆる尻振りスピン又はカーブ路から
逸脱するスピンアウトを抑制するように制御され、車両
の走行安定性が得られる。また、実施の形態1ではクロ
ス配管ブレーキシステムについて説明したが、前後配管
ブレーキシステムであっても適用可能である。
【0041】
【発明の効果】この発明の車両旋回運動制御装置は、以
上説明したように構成されているので、以下に示すよう
な効果を奏する。
【0042】この発明に係る車両旋回運動制御装置によ
れば、車両の走行に対する要求制御量を演算する要求制
御量設定手段は、実ヨーレート検出手段と、操舵角検出
手段と、車輪速検出手段との各手段からの情報により車
両の目標運動量を設定する目標運動設定部と、前記各手
段からの情報により車両のロール状態を判断するロール
オーバー判断部と、このロールオーバー状態と前記目標
運動量より要求ヨーモーメントを計算する要求ヨーモー
メント計算部と、この要求ヨーモーメントに応じて制動
力制御手段を駆動する制御信号出力部とにより構成さ
、ロールオーバー判断部は、車両のロールが過大とな
る又は車両走行が不安定となるヨーレートを予め記憶し
たロールオーバーヨーレート設定部と、この設定された
ヨーレートと実ヨーレートを比較することにより、ロー
ルオーバー状態判断を行うようにしたので、車両旋回運
動中の車体のロール又は不安定走行を抑制でき、車両旋
回運動中の車体のロールを的確に検出できる効果があ
る。 また、他の発明に係る車両旋回運動制御装置によれ
ば、車両の走行に対する要求制御量を演算する要求制御
量設定手段は、実ヨーレート検出手段と、操舵角検出手
段と、車輪速検出手段との各手段からの情報により車両
の目標運動量を設定する目標運動設定部と、前記各手段
からの情報により車両のロール状態を判断するロールオ
ーバー判断部と、このロールオーバー状態と前記目標運
動量より要求ヨーモーメントを計算する要求ヨーモーメ
ント計算部と、この要求ヨーモーメントに応じて制動力
制御手段を駆動する制御信号出力部とにより構成され、
要求ヨーモーメント計算部は、目標運動設定部の目標運
動量と、実ヨーレートとを比較し、この比較値をロール
オーバー判断部のロールオーバー状態に応じて変更する
ことによって要求ヨーモーメントを算出するようにした
ので、車両旋回運動中の車体のロール又は不安定走行を
抑制でき、車両旋回運動中の車体のロール又は不安定走
行を抑制する制御量を適切に算出できる効果がある。
た、目標運動設定部は目標ヨーレートを設定し、この目
標ヨーレート値をロールオーバーヨーレート設定部によ
るロールオーバーヨーレート値により制限することによ
り、要求ヨーモーメント計算部の要求ヨーモーメントを
変更するようにしたので、車両旋回運動中の車体のロー
ル又は不安定走行を抑制できる効果が ある。 さらに、ロ
ールオーバーヨーレート設定部は、車両のロールが過大
となる又は車両走行が不安定となる横加速度を予め記憶
したロールオーバー横加速度設定部と、この横加速度相
当のヨーレートに換算する横加速度―ヨーレート換算部
と有するようにしたので、車両旋回運動中の車体のロー
ル又は不安定走行を横加速度から抑制できる効果があ
る。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による旋回運動制御
装置全体を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1によるECUの全体ブロック図
である。
【図3】 実施の形態1によるロールオーバー判断部の
ブロック図である。
【図4】 実施の形態1による要求ヨーモーメント計算
部のブロック図である。
【図5】 実施の形態1による制御入力変更部のフロー
チャートである。
【図6】 実施の形態2によるECUの一部分のブロッ
ク図である。
【図7】 実施の形態3によるロールオーバーヨーレー
ト設定部のブロック図である。
【図8】 従来の旋回運動制御装置によるECUの全体
ブロック図である。
【符号の説明】
6 圧力ユニット(制動力制御手段)、31 ECU
(要求制御量設定手段)、32a〜32d 車輪速検出
手段、33 実ヨーレート検出手段、40 目標運動設
定部、41 ロールオーバー判断部、42 ロールオー
バーヨーレート設定部、45 要求ヨーモーメント計算
部、53 スリップコントローラ(制御信号出力部)、
55 目標ヨーレート制御部、59 ロールオーバー横
加速度設定部、60 横加速度−ヨーレート換算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 B60T 8/32 - 8/96

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に発生するヨーレートを検出する実
    ヨーレート検出手段と、車両の操舵角を検出する操舵角
    検出手段と、車輪速度を検出する車輪速検出手段と、前
    記各手段からの情報を入力し車両の走行に対する要求制
    御量を演算する要求制御量設定手段と、この要求制御量
    に応じて各車輪の制動力を制御する制動力制御手段とを
    有するものにおいて、 前記要求制御量設定手段は、前記各手段からの情報によ
    り車両の目標運動量を設定する目標運動設定部と、前記
    各手段からの情報により車両のロール状態を判断するロ
    ールオーバー判断部と、このロールオーバー状態と前記
    目標運動量より要求ヨーモーメントを計算する要求ヨー
    モーメント計算部と、この要求ヨーモーメントに応じて
    前記制動力制御手段を駆動する制御信号出力部とにより
    構成され 前記ロールオーバー判断部は、車両のロールが過大とな
    る又は車両走行が不安定となるヨーレートを予め記憶し
    たロールオーバーヨーレート設定部と、この設定された
    ヨーレートと実ヨーレートを比較することにより、ロー
    ルオーバー状態判断を行う ことを特徴とする車両旋回運
    動制御装置。
  2. 【請求項2】 車両に発生するヨーレートを検出する実
    ヨーレート検出手段と、車両の操舵角を検出する操舵角
    検出手段と、車輪速度を検出する車輪速検出手段と、前
    記各手段からの情報を入力し車両の走行に対する要求制
    御量を演算する要求制御量設定手段と、この要求制御量
    に応じて各車輪の制動力を制御する制動力制御手段とを
    有するものにおいて、 前記要求制御量設定手段は、前記各手段からの情報によ
    り車両の目標運動量を設定する目標運動設定部と、前記
    各手段からの情報により車両のロール状態を判断するロ
    ールオーバー判断部と、このロールオーバー状態と前記
    目標運動量より要求ヨーモーメントを計算する要求ヨー
    モーメント計算部と、この要求ヨーモーメントに応じて
    前記制動力制御手段を駆動する制御信号出力部とにより
    構成され、 前記要求ヨーモーメント計算部は、目標運動設定部の目
    標運動量と、実ヨーレートとを比較し、この比較値をロ
    ールオーバー判断部のロールオーバー状態に応 じて変更
    することによって要求ヨーモーメントを算出することを
    特徴とする 車両旋回運動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標運動設定部は目標ヨーレートを
    設定し、この目標ヨーレート値を前記ロールオーバーヨ
    ーレート設定部によるロールオーバーヨーレート値によ
    り制限することにより、前記要求ヨーモーメント計算部
    の要求ヨーモーメントを変更することを特徴とする請求
    項1記載の車両旋回運動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロールオーバーヨーレート設定部
    は、車両のロールが過大となる又は車両走行が不安定と
    なる横加速度を予め記憶したロールオーバー横加速度設
    定部と、この横加速度相当のヨーレートに換算する横加
    速度―ヨーレート換算部とを有することを特徴とする請
    求項1または3に記載の車両旋回運動制御装置。
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