JP3498142B2 - 壁面衝突式液体微粒化ノズル - Google Patents
壁面衝突式液体微粒化ノズルInfo
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Description
イラ等に用いられる液体燃料、農薬や消毒薬等の液体を
微粒化して噴射する新規なノズルに関する。
る燃料噴射ノズルとして、図6に示すように、螺旋状の
溝53等の構造によって燃料噴射ノズル50の先端に形
成される燃料噴射孔51のすぐ上流の空間52内での燃
料の流れに旋回を与える方式のノズル、即ち、スワール
ノズルが広く用いられてきた。簡易なディーゼルエンジ
ンの燃料ノズルのように、燃料流れに旋回を与えること
のない単純構造に形成された燃料噴射ノズルの場合に
は、噴射される燃料には100MPaを超える噴射圧を
加える必要があるが、スワールノズルでは燃料はその旋
回作用により分裂しやすい薄い液膜として噴出されるの
で、小容量のものでは0.5MPa程度の比較的低い噴
射圧力でも燃料の微粒化を良好に行うことができる。
ンジンの燃料噴射ノズルのみならず、農薬噴霧器のノズ
ルや小型ボイラの燃料ノズルとしても用いられている。
スワールノズルは、最近では、自動車用筒内噴射式のガ
ソリン機関の燃料噴射ノズルとしても使用されている
が、この場合の燃料噴射圧は5MPaを超えている。ス
ワールノズルから噴射される燃料噴霧は燃料粒子が小さ
いことに加え、その旋回作用のために円錐状に発達する
ので、一般に、燃料と空気との混合が良好である。その
ため、噴霧の貫通距離は、ディーゼルエンジンの燃料ノ
ズルの噴霧に比べて短い。
は、図7に示されているような、燃焼器に流入する空気
流により燃料を微粒化する気流微粒化(エアーブラス
ト)燃料ノズル60が使用される傾向にある。燃料はフ
ィルマー(液膜形成器)61と呼ばれる環状の薄肉円筒
内壁面上に供給され、円筒壁面上に形成される燃料液膜
はフィルマー61の先端62から離れるときにそれに接
する気流の剪断作用により微粒化される。多くの場合、
空気流Fはフィルマーの内外両面に沿って流され、それ
らの空気流Fi,Foには旋回羽根63,64により旋
回が与えられている。空気流の速度は、通常、100m
/s程度である。
が使用されるようになった背景として、燃焼圧の上昇に
従ってスワールノズルでの燃料と空気の混合ではスモー
クやNOxの抑制が次第に困難になってきたこと、最大
・最小燃料流量比が広がり、小流量側で噴射圧を低くす
る必要が出てきたため良好な微粒化が困難になったこ
と、タービンの冷却空気量を増大する必要から燃焼器ラ
イナーにそれまでよりも大きな圧力損失が許容され、ラ
イナーに流入する気流の速度が上昇したため、気流微粒
化方式でもスワールノズルと同程度あるいはそれ以上の
微粒化が可能になったことが挙げられる。
らだけでなく地球温暖化防止やオゾン層保護の観点から
も一層の排出削減が求められている。液体燃料を使用す
るガスタービンでは、燃料の予蒸発化予混合化がNOx
の抑制に有効であることは基礎試験で明らかになってい
るが、空気温度が高くなると燃料を空気中に噴射してか
ら着火するまでの時間遅れが急速に短くなるので、燃料
が完全に蒸発する前に着火してしまうという、本質的な
問題がある。この問題は高圧になるほど顕著である。そ
のため、燃料の予蒸発化予混合化は、まだ実用化に至っ
ていない。燃料粒子が十分小さければ、蒸発時間が短く
なり着火する前に蒸発を完了することができるので、こ
の問題の解決には従来の燃料ノズルより格段に微細な噴
霧を発生することができる燃料ノズルが不可欠である。
膜の形成が適切であれば、ほぼ気流速度によって決まる
といってもよい。即ち、細部の設計の改善による微粒化
の改善効果はそれほど期待できないということである。
これまでの多様な設計の気流微粒化燃料ノズルについて
の噴霧測定の結果、噴霧粒子の代表径(例えば体表面積
平均径)は気流速度の1 〜1.2乗に逆比例して変化
することが分かっている。気流速度は気流微粒化燃料ノ
ズルが取り付けられている燃焼器ライナーの圧力差(差
圧)のほぼ平方根に比例するので、代表粒径を1/2に
しようとすると差圧は略4倍にする必要がある。この差
圧の大部分は差圧エネルギーの損失(圧力損失)とな
り、差圧の増大は燃費の増大に直結するので、微粒化性
能の向上のみの目的のために差圧を増大させることは論
外である。
孔から高速で噴出し、その柱状の噴流を固体壁面に衝突
させることによって液体を霧状に微粒化できることが知
られている。壁面に衝突した液柱は壁面上で膜状に拡が
り、それが壁面の縁から自由空間に飛び出し、分裂す
る。 そこで、壁面衝突による微粒化を利用して、噴出さ
れた液体を噴射ノズルから微粒化して噴射させる点で解
決すべき課題がある。
を利用して液体を微粒化させて噴出させることができる
ノズルを提供すること、特に、ガスタービンに用いた場
合においても、燃焼器の圧力損失を増加することなく、
従来のガスタービン用燃料ノズルでは不可能であったよ
うな液体燃料を微細な粒子に微粒化することを可能にす
る壁面衝突式液体微粒化ノズルを提供することである。
めに、この発明である壁面衝突式液体微粒化ノズルは、
加圧液体を噴出する複数個の噴射孔を具えた筒状の噴射
器と、前記噴射器の外側に前記噴射器と略同軸に配置さ
れ且つ前記噴射孔から噴射された液噴流が衝突する衝突
壁面を具えた円筒体とから成り、前記衝突壁面は噴射孔
から噴射された液噴流方向に対して傾斜していることを
特徴とする構成としている。なお、「衝突壁面は噴射孔
から噴射された液噴流の方向に対して傾斜」とは液噴流
の衝突点における衝突壁面が、その噴流方向と直角でな
く、衝突壁面の法線方向と液噴流方向が所定角度を有す
るように傾斜していることを意味している。この壁面衝
突式液体微粒化ノズルによれば、噴射器に具わる複数個
の噴射孔から噴出された加圧液体の液噴流は、噴射器の
外側に前記噴射器と略同軸に配置されている円筒体に具
わる前記衝突壁面に衝突して噴射器の周囲に同軸状の液
膜を形成し、その液膜から飛散することで噴射器から霧
状に微粒化する。
て、前記噴射器の前記噴射孔は径方向に貫通して形成さ
れており、前記円筒体の前記衝突壁面は、前記円筒体の
先端部に形成された周方向の連続面、又は前記円筒体の
先端部に周方向に切込みを入れること若しくは前記円筒
体の先端部に独立した柱状突起体を形成することで前記
各噴射孔からの前記液噴流が個別に衝突する不連続面と
することができる。壁面衝突式液体微粒化ノズルをこの
ような径方向噴射型に構成した場合、円筒状の噴射器の
壁面に穿設された複数の噴射孔から噴射される径方向の
液噴流は、噴射器の外側に噴射器と略同軸に配置された
円筒体の先端部に周方向の連続面を形成した場合には、
その連続面に衝突し、円筒体の先端部に周方向に切込み
を入れること若しくは円筒体の先端部に独立して加工さ
れた柱状突起体に形成することで分割して不連続面を形
成した場合には、その不連続面に個別に衝突する。
において、前記円筒体に形成された前記衝突壁面を、前
記円筒体の軸線に直交する平面との交線が2次曲線或い
はその一部で表される壁面とすることができる。そのよ
うな衝突壁面の一つとして、連続面の場合には、ノズル
先端方向に向かって外側に広がる円錐内壁面とすること
ができ、このとき、円筒体の軸線に直交する平面との交
線は円となる。また、衝突壁面を柱状突起体に形成する
場合には、円筒面や放物面の一部から成る壁面とするこ
とができ、このとき、円筒体の軸線に直交する平面との
交線は円や放物線のような2次曲線の一部となる。衝突
壁面の円筒体の軸線に直交する平面との交線を2次曲線
とし、円筒体の軸線を含む平面との交線をリニアにする
と、衝突壁面は、いわゆる二次曲面となり、三次元曲面
と比較して製作が格段に容易になる。連続する衝突壁面
の場合、壁面を、円筒体の軸線に直交する平面との交線
が円となる円錐等の曲面とすると、衝突壁面は回転軸対
称曲面であるので、円筒体を回転させ、切削バイトを回
転体の母線に沿って移動させるだけで機械加工を容易に
行うことができ、高精度の製品を安価に製造することが
できる。また、そうして形成された衝突壁面に径方向に
噴射した液噴流を衝突させると、衝突後には軸対称の噴
霧を形成することができる。
体微粒化ノズルにおいて、前記円筒体の外周面を前記円
錐内壁面とエッジで接続し、前記円筒体の前記外周面に
沿って前記エッジ側に向かう気流を流すことが好まし
い。液膜が衝突面から空間に流出する際、時として、液
体が衝突面につながる他の面、例えば円筒体の外周面に
回り込むことがあるが、円筒体の外周面に沿ってエッジ
側に向かう気流を流し衝突面の先端に流れる気流を生じ
させることによって液の回り込みが回避される。この流
れに円筒体の周方向に回る旋回を与えることにより、液
の回り込みを更に回避し衝突した液噴流を更に微粒化す
ることが可能になる。また、円筒体の前記外周面の一部
である少なくとも前記エッジの近傍部分の表面に、疎水
性の材料からなるコーティング層を形成することによ
り、液膜の回り込みが更に回避される。
において、前記噴射器の前記噴射孔を軸方向に貫通して
形成し、前記衝突壁面を、前記円筒体の先端部に形成さ
れた貫通孔の孔壁面とすることもできる。即ち、円筒状
噴射器の先端部壁に形成した噴射孔から噴射された液噴
流が、円筒体の閉じられた端部壁面に斜めに貫通して形
成された貫通孔の孔壁面に衝突することによって、液膜
が形成される。上記の構造では噴霧の前方に衝突壁面を
支持する物体がないので、燃焼器の燃料ノズルとして使
用可能である。この壁面衝突式液体微粒化ノズルでは、
液噴流を多数本配列することが可能で、そうすればスワ
ールノズルと同様、燃焼に適した形状である円錐状の噴
霧を発生することができる。
た貫通孔の孔壁面とした壁面衝突式液体微粒化ノズルに
おいて、前記円筒体の前記先端部には、前記貫通孔に近
接又はエッジによって接続する状態で開口する気流通路
を形成することが好ましい。液膜が衝突面から空間に流
出する際、時として、液体が衝突面につながる他の面、
例えば円筒体の先端面に回り込むことがあるが、貫通孔
に近接又はエッジによって接続する状態で開口する気流
通路を設けることで、気流通路から吹き出る気流によっ
て液の回り込みが回避される。この流れに円筒体の軸回
りに回る旋回を与えることで、液の回り込みを更に回避
し衝突した液噴流を更に微粒化することが可能である。
また、前記貫通孔の前記孔壁面に近接する前記円筒体の
先端面又は前記気流通路の表面には、疎水性の材料から
なるコーティング層を形成すると、液膜の回り込みが更
に回避される。
において、前記液噴流が衝突する前記衝突壁面におい
て、前記衝突壁面の法線方向と前記液噴流の噴出方向と
のなす角を110度から160度の範囲に置くことがで
きる。衝突壁面と液噴流との交差角度をこの角度範囲に
設定することにより、噴射方向への液膜の伸展が効果的
で、薄い膜となり、液体の微粒化を促進することができ
る。
において、前記円筒体の円筒壁には、前記円筒体の内部
に向けて気流が流入する連通孔を形成することができ
る。円筒体の円筒壁に連通孔を形成することで、連通孔
から円筒内部に流入する気流によって噴霧がノズル内の
空間に進入するのを防止することができる。燃料ノズル
から微粒化された液体が燃料であるとき、連通孔からの
流入気流(空気)は、燃料が燃焼器で燃焼されたときに
生じる火焔からの放射熱を取り除き、また高温燃焼ガス
が燃料ノズルの近傍に滞留するのを防止する上でも有効
である。
面衝突式液体微粒化ノズルにおいて、前記連通孔の中心
軸を前記噴射器の軸とねじれの位置の関係に置くことが
できる。連通孔の中心軸を噴射器の軸とねじれの位置に
置くことで、連通孔を通して流入する気流(空気)には
旋回が与えられて、円筒内壁の沿った流れが形成される
ので、噴霧をより効果的に前方に押し出すことができ
る。
による壁面衝突式液体ノズルの実施例について説明す
る。図1はこの発明の実施形態である壁面衝突式液体微
粒化ノズルを示す図であり、(a)はその縦断面、
(b)は燃料の噴射状態を示す端面図である。図1に示
される壁面衝突式液体微粒化ノズル(以下、「微粒化ノ
ズル」と略す)10は、液体を燃料としたガスタービン
燃焼器に適用されており、先端が閉じられ且つ内部に燃
料11用の通路が形成されている円筒状の噴射器12
と、噴射器12の外側に同軸に組み立てられ且つ周方向
に連続な衝突壁面15を端部に具えた円筒体16とを有
している。噴射器12の先端部の周壁には、径方向に延
びる複数(この実施例では6つ)の噴射孔13が穿設さ
れている。噴射孔13は、噴射器12の先端部の周方向
に等間隔に形成するのが好ましい。円筒体16の端部に
形成される衝突壁面15は、円筒の軸と同軸の周方向に
連続する回転体の表面又はその一部であり、円筒体16
の軸を直交する平面との交線が円となっている。衝突壁
面15は、好ましくは、円筒体16の軸と同軸に形成さ
れた周方向に連続する円錐面の一部である。連続する衝
突壁面15を直線状の母線を有する円錐面、或いは母線
を放物線とした回転軸対称な曲面とすることにより、回
転する円筒体素材に切削バイトを当てて加工することで
衝突壁面15の機械加工が容易となり、しかも高精度の
円筒体製品を安価に製造することができる。
液噴流14は、円筒体16の衝突壁面15に衝突する。
衝突壁面15に衝突した燃料は、衝突壁面15が円錐面
であることから、斜め外側に広がる液膜を形成し、その
後、微粒化する。衝突壁面15は同軸の円錐面の一部で
あるので、衝突した後に生じる噴霧は微粒化ノズル10
について軸対称に形成される。燃料の噴霧は衝突壁面1
5に沿って発達するので、衝突壁面15の円錐角度を変
えることによって容易に希望の拡がり角を持った噴霧を
発生させることができる。図1(a)に示すように、衝
突壁面15の衝突点Aにおける方向(面の法線の方向n
で定義)と液噴流の方向iとのなす角度θは、110度
から160度の範囲に設定されている。角度θをこの角
度範囲に設定することにより、液噴流14の衝突後に液
膜の伸展が効果的であり、液膜は薄膜化し、その後更に
微粒化が促進される。
いて、空気を噴射器12と円筒体16との間に形成され
る環状空部に流入させるための連通孔19が穿設されて
いる。連通孔19を通じて流入した空気流Fa1は、衝
突壁面15で衝突することによって霧化した燃料噴霧が
環状空部に侵入するのを防止すると共に、微粒化ノズル
10を燃焼器に用いた場合、火焔からの放射熱に起因し
て壁面の温度上昇を防止し、高温燃焼ガスが微粒化ノズ
ル10の近傍に滞留するのを防止する効果を奏する。連
通孔19の中心軸を噴射器12の軸とねじれの位置の関
係に置くことにより、連通孔19を通して流入する空気
流Fa1に旋回を与えることができる。空気流に旋回を
与えることにより、円筒体16の円筒内壁に沿った空気
旋回流れが形成されるので、円筒体16の先端に形成さ
れる衝突壁面15から噴霧をより効果的に前方に押し出
すことができる。
心状の円筒17が設けられており、円筒体16の外周面
16aと円錐内壁面である衝突壁面15とはエッジ15
aで接続されている。円筒体16の外筒面16aと円筒
17との間に形成されている環状通路には、円筒体16
の外周面16aに沿って、エッジ側15aに向かって空
気等の気流Fa2が流される。液膜が衝突壁面15から
空間に流出する際、時として、液体が衝突壁面15につ
ながる円筒体16の外周面16aに回り込むことがある
が、円筒体16の外周面16aに沿って衝突壁面15の
先端のエッジ15aに向かって気流Fa2を流すこと
で、液の回り込みが回避される。この気流Fa2に適宜
のガイド手段等によって円筒体16の周方向に回る旋回
を与えることにより、衝突した液噴流を更に微粒化する
ことが可能である。円筒体16の外周面16aの一部で
ある少なくともエッジ15aの近傍部分の表面に、疎水
性の材料からなるコーティング層16bを形成すること
により、液膜の回り込みを更に回避することができる。
面衝突式液体微粒化ノズルを示す図であり、(a)はそ
の縦断面、(b)は液体の噴射状態を示す端面図であ
る。図2に示す壁面衝突式液体微粒化ノズル(以下、
「微粒化ノズル」と略す)20は、円筒体16の構造が
異なる以外、同様の構造を有しているので、同じ機能を
奏する構成要素や部位については原則的に同じ符号を付
すことで再度の詳細な説明を省略する。微粒化ノズル2
0は、円筒体16の端部21において、各噴射孔13に
対応して、周方向に等間隔に隔置した位置に軸方向に突
出する断面三角形の複数(噴射孔13と同様に6つ)の
柱状突起体22を備えている。各柱状突起体22は、噴
射器12と同心状に且つ独立して配置されているので、
隣接する柱状突起体22,22間には隙間23が形成さ
れている。柱状突起体22の側面は、各噴射孔13から
噴射された液噴流24に対して傾斜した又は湾曲した衝
突壁面25を形成している。衝突壁面25と円筒体16
の軸線に直交する平面との交線は円(或いはそれに近い
2次曲線)の一部とすることができる。
は、柱状突起体22に形成されている衝突壁面25に衝
突し、隙間23を通して外方に拡がる液膜が発生する。
液膜は、衝突壁面25での衝突によって、図2(a)に
示すように、軸方向にも拡がりを持った噴霧となる。噴
霧は衝突壁面25と同一面内を中心として成長するの
で、衝突壁面25と微粒化ノズル20の軸との傾き角や
位置関係を変えることによって、相当の自由度を持つ形
状の噴霧を形成できるノズルを実現できる。また、噴射
器12に形成される噴射孔13の孔形状についても、図
2(c)及び(d)に示すように、周方向に細長孔26
に形成したり、丸孔27に形成したりすることができ
る。
る壁面衝突式液体微粒化ノズルを示す図であり、(a)
はその縦断面、(b)は燃料の噴射状態を示す端面図で
ある。図3に示す壁面衝突式液体微粒化ノズル(以下、
「微粒化ノズル」と略す)30は、先端部壁31に燃料
11が軸方向に向かって噴出する複数(図示の例では6
つ)の噴射孔33が形成されている円筒状の噴射器32
と、噴射器32の外側に同軸に嵌合された円筒体36と
を備えている。円筒体36の端部壁面37には、各噴射
孔33に対応して、放射状に複数(噴射孔33と同様に
6つ)の断面円形の貫通孔38が形成されている。貫通
孔38の軸線は各噴射孔33から噴射された液噴流34
の方向に対して傾斜しており、それによって、貫通孔3
8の孔壁面は、液噴流34と衝突する衝突壁面35とさ
れている。
は、衝突壁面35の特に円筒体36の径方向内側に位置
する面部分に衝突することによって、薄い液膜となって
円筒体36の外部に斜め放射状に飛散される。この実施
例の構造では、噴霧の前方に衝突壁面35を支持する物
体がないので、燃焼器の微粒化ノズルとして使用可能で
ある。この実施例では、液噴流34は噴射器32の軸に
平行に噴射されているが、ある角度を持って噴射されて
も良いことは明らかである。
流側において、空気を噴射器32と円筒体36との間に
形成される中空部39aに流入させるための連通孔39
が穿設されている。連通孔39を通じて流入した空気流
Fa1は、衝突壁面35で衝突することによって霧化し
た燃料噴霧が中空部39aに侵入するのを防止すると共
に、微粒化ノズル30を燃焼器に用いた場合、先の各実
施例の場合と同様に壁面の温度上昇と高温燃焼ガスの微
粒化ノズル30近傍における滞留を防止する効果を奏す
る。連通孔39の中心軸を噴射器32の軸とねじれの位
置の関係に置くことにより、連通孔39を通して流入す
る空気流Fa1に旋回を与えることができる。空気流に
旋回を与えることにより、円筒体36の中空部39a内
に空気旋回流れが形成されるので、円筒体36の先端に
形成される衝突壁面35から噴霧をより効果的に前方に
押し出すことができる。
aには、各貫通孔38について、円筒体36の中心軸側
寄りに中空部39aに連なる気流通路としてのスリット
40が設けられている。スリット40は、貫通孔38の
外形に沿う断面円弧状の構造を有しているのが好まし
い。スリット40は、円筒体36の端部壁面37におい
ては、図3(c)に示すように貫通孔38にエッジ40
a状に接続するように開口していても、また図3(d)
に示すように、僅かな弧状の壁面40bを残して開口し
ていてもよい。スリット40は、中空部39a内の気流
(空気)が円筒体36の端部壁面37に開く開口から外
側に向かって噴出するのを許容する。即ち、液膜が衝突
壁面35から空間に流出する際、時として、液体が円筒
体36の端部壁面37に回り込むことがあるが、円筒体
36の端部壁面37に開口するスリット40から気流F
a2を噴出させることにより、端部壁面37への液の回
り込みが回避され、むしろ液の微粒化が促進される。ス
リット40を周方向に傾斜して形成する等により、この
気流Fa2に円筒体36の軸線回りの旋回を与えると、
衝突した液噴流を更に微粒化することができる。また、
円筒体36の端部壁面37やスリット40の内面に、疎
水性の材料からなるコーティング層40cを形成するこ
とにより、液膜の回り込みを更に回避することもでき
る。
14,24,34は6本であるが、より多数の本数とな
るように、噴射孔13,33と衝突壁面15,25,3
5とを構成することが可能であり、そうすることで、ス
ワールノズルと同様、燃焼に適した形状である円錐状の
噴霧を発生することができる。
と図7に示すような一般的な気流微粒化ノズル(エアブ
ラスノズル)との微粒化性能を比較したグラフが、図4
に示されている。微粒化性能の測定は、図5に示すよう
に、壁面衝突式微粒化ノズル(図1に示す微粒化ノズル
10)と気流微粒化ノズルとを空気旋回器41と同軸に
組み付け、ガスタービン燃焼器ライナー42のドーム4
3に取り付けて行われた。図4に示す性能比較グラフの
横軸は、ライナー差圧であり、縦軸は噴霧粒子の代表粒
径(SMD:体表面積平均径)である。微粒化性能に関
し、微粒化ノズル10,20,30は、気流微粒化ノズ
ルよりも、広範囲のライナー差圧に対して代表粒径が小
さくなり、遥かに優れていることは明らかである。この
発明による微粒化ノズルでは、SMDは空気の差圧に関
係なくほぼ一定であることが分かる。特に、この発明に
よる微粒化ノズルは、SMD10ミクロンという、従
来、液流量に対して数倍もの流量で、しかも圧力が0.
5MPa以上の圧縮空気を用いた特殊な微粒化ノズルで
ないと実現できなかった非常に微細な粒子を発生するこ
とができることから、例えば、農薬噴霧器、微水滴発生
器等の燃焼器の燃料ノズル以外にも利用が期待される。
即ち、発明者の実験により、液体を燃料とした場合に
は、噴射孔の大きさをディーゼル燃料噴射ノズルの噴射
孔程度に小さくし燃料噴射流を適切な衝突壁面に衝突さ
せることで、ディーゼル燃料噴射ノズルの数十分の1と
いう小さい噴射圧で、気流微粒化ノズルでは許容圧力損
失の限度内で到底発生できないような微細な粒子を発生
させることができることが明らかになった。
ズルによれば、加圧液体を噴出する噴射孔を具えた筒状
の噴射器と、噴射器の外側に噴射器と略同軸に配置され
且つ噴射孔から噴射された液噴流が衝突する衝突壁面を
具えた円筒体とから成ることを構成とされているので、
噴射器に具わる噴射孔から噴出された加圧液体の液噴流
は、噴射器の外側に噴射器と略同軸に配置されている円
筒体に具わる衝突壁面に衝突して液膜を形成し、その
後、飛散することで微粒化される。従って、この発明に
よる壁面衝突式液体微粒化ノズルを、液体を燃料として
ガスタービンに用いた場合には、燃焼器の圧力損失を増
加することなく、従来のガスタービン用燃料ノズルでは
不可能であった微細な粒子に微粒化できる微粒化ノズル
を提供することができる。
一実施例を示す図である。
別の実施例を示す図である。
他の実施例を示す図である。
来の気流微粒化ノズルと微粒化性能の比較結果を示すグ
ラフである。
壁面衝突式液体微粒化ノズルをガスタービン燃焼器ライ
ナーに取り付けた状態を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 加圧液体を噴出する複数個の噴射孔を具
えた筒状の噴射器と、前記噴射器の外側に前記噴射器と
略同軸に配置され且つ前記噴射孔から噴射された液噴流
が衝突する衝突壁面を具えた円筒体とから成り、前記衝
突壁面は前記噴射孔から噴射された液噴流の方向に対し
て傾斜していることを特徴とする壁面衝突式液体微粒化
ノズル。 - 【請求項2】 前記噴射器の前記噴射孔は径方向に貫通
して形成されており、前記円筒体の前記衝突壁面は、前
記円筒体の先端部に形成された周方向の連続面、又は前
記円筒体の先端部に周方向に切込みを入れること若しく
は前記円筒体の先端部に独立した柱状突起体を形成する
ことで前記各噴射孔からの前記液噴流が個別に衝突する
不連続面であることから成る請求項1に記載の壁面衝突
式液体微粒化ノズル。 - 【請求項3】 前記円筒体に形成された前記衝突壁面
は、前記円筒体の軸線に直交する平面との交線が2次曲
線或いはその一部で表されることを特徴とする請求項1
に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。 - 【請求項4】 前記衝突壁面は、ノズル先端方向に向か
って外側に広がる円錐内壁面であることを特徴とする請
求項3に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。 - 【請求項5】 前記円筒体の外周面は前記円錐内壁面と
エッジで接続しており、前記円筒体の前記外周面に沿っ
て前記エッジ側に向かう気流が流されていることを特徴
とする請求項4に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。 - 【請求項6】 前記噴射器の前記噴射孔は軸方向に貫通
して形成されており、前記衝突壁面は、前記円筒体の先
端部に形成された貫通孔の孔壁面であることを特徴とす
る請求項1に記載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。 - 【請求項7】 前記円筒体の前記先端部には、前記貫通
孔に近接又はエッジによって接続する状態で開口する気
流通路が形成されていることを特徴とする請求項6に記
載の壁面衝突式液体微粒化ノズル。 - 【請求項8】 前記液噴流が衝突する前記衝突壁面にお
いて、前記衝突壁面の法線方向と前記液噴流の噴出方向
とのなす角が110度から160度の範囲にあることか
ら成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の壁面衝突式
液体微粒化ノズル。 - 【請求項9】 前記円筒体の円筒壁には、前記円筒体の
内部に向けて気流が流入する連通孔が形成されているこ
とから成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の壁面衝
突式液体微粒化ノズル。 - 【請求項10】 前記開口の中心軸が前記噴射器の軸と
ねじれの位置の関係にあることから成る請求項9に記載
の壁面衝突式液体微粒化ノズル。
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JP2001234152A JP3498142B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 壁面衝突式液体微粒化ノズル |
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JP2001234152A JP3498142B2 (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 壁面衝突式液体微粒化ノズル |
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