JP3484793B2 - 電解水生成方法 - Google Patents
電解水生成方法Info
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Description
アルカリイオン水と酸性イオン水とを連続的に生成する
電解水生成方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より図13に示すような電解水生成
装置が提供されている。これは活性炭からなる濾材31
と中空糸膜にて形成された濾材32とを備えた浄水器3
と、電解槽2とからなるもので、電解槽2内には2種の
電極21,22が電解隔膜20で仕切られた状態で配設
されている。 【0003】水道水の蛇口99に取り付けられた切換ユ
ニット98から浄水器3へと送られた水は、浄水器3内
において浄化された後、直流電圧が電極21,22に印
加されている電解槽2へ送られて、この電解槽2内にお
いて、陰極となっている電極側にアルカリイオン水が、
陽極となっている電極側に酸性イオン水が生成される。
この両種イオン水のうち、主利用水(一般には飲料に供
されるアルカリイオン水)は吐出口23から送り出さ
れ、副利用水(酸性イオン水)は吐出口24から排水口
64へと送られる。 【0004】なお、電解槽2の電極21,22への電圧
印加開始は、切換ユニット98と浄水器3との間をつな
ぐ水路に設置されたダイアフラム68を有する圧力検知
用スイッチPSによってなされる。また、浄水器3と電
解槽2とをつなぐ水路は、上記排水口64にもつながっ
ているが、ボール弁66が水圧によって閉じているため
に、電解槽2へと向かう水が排水口64へ直接流れてし
まうことはない。 【0005】切換ユニット98からの水供給を止めたな
らば、圧力検知用スイッチPSがオフとなって電解槽2
の電極21,22への通電が遮断されるとともに、電解
槽2内にある水は、前後に水圧差がないために開いてい
るボール弁66を通じて排水口64へと排出される。こ
こにおいて、上記のものでは、実際に吐出される電解水
のpH値を確認するには、試薬などによる簡易分析を別
途行わなくてはならず、また、求めるpH値の電解水を
得るには、設定電圧や流量などの調整を手動で行わなく
てはならず、上記pH値の確認に要する手間も含めて、
求めるpH値の電解水を確実に得られるものではなかっ
た。 【0006】このために、吐出する電解水のpH値を連
続的に測定するpHセンサーを設けて、このpHセンサ
ーから得られるpH値と目標pH値とを比較して電解槽
に印加する電解電圧をフィードバック制御するものが提
案されている。 【0007】 【0008】【発明が解決しようとする課題】 このものでは、 ミネラ
ル成分の多い水を電解して電解水を得る時、特に弱酸性
イオン水を得る時に問題があった。つまり、カルシウム
成分等のミネラル成分を多く含む水は電流が流れやす
く、このような水を電解して弱酸性イオン水を得る場
合、通常の水に対しての場合よりもはるかに低い電解電
圧で目的とするpH値のイオン水を得られることがあ
る。このような特異な水に対して、pHセンサーから得
られるpH値と目標pH値とを比較して電解電圧のフィ
ードバック制御を行った場合、予め設定した電解電圧−
pH特性曲線から大きくずれていることから、いわゆる
オーバーシュートが生じて、目標pH値に収束せず、表
示pH値がふらついてしまうことがある。 【0009】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところは導電率が高い水に対し
てもオーバーシュートを招くことなく電解電圧制御を行
うことができる電解水生成方法を提供するにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】しかして本発明は、電解
槽による電解にてアルカリイオン水と酸性イオン水とを
生成してこれら電解水を各別に吐出するにあたり、pH
センサーによる電解水のpH値の測定結果に応じて電解
槽に印加する電解電圧を制御する電解水生成方法におい
て、pHセンサーから得られるpH値の目標pH値に対
する偏差ΔpHを求め、予め設定してある電解電圧−p
H特性から上記偏差ΔpH相当分の電圧差ΔVを求めて
現電圧から該電圧差ΔVを引いた電圧を次に印加する電
解電圧とするとともに、上記電解電圧−pH特性とし
て、電解槽印加電圧を変えて実測した電解電圧−pH特
性よりも上記偏差に対する電圧値が小となるものを用い
ることに特徴を有している。 【0011】 【0012】 【作用】本発明によれば、検出pH値を目標pH値に収
束させるにあたり、pHセンサーから得られるpH値の
目標pH値に対する偏差ΔpHを求め、予め設定してあ
る電解電圧−pH特性から上記偏差ΔpH相当分の電圧
差ΔVを求めて現電圧から該電圧差ΔVを引いた電圧を
次に印加する電解電圧とするとともに、上記電解電圧−
pH特性として、電解槽印加電圧を変えて実測した電解
電圧−pH特性よりも上記偏差に対する電圧値が小とな
るものを用いるために、オーバーシュートを招くことが
ないものである。 【0013】 【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述す
ると、この電解水生成装置は、図2に示すように、電解
槽2と、逆洗ユニット4と、切換弁5,6と、流量調整
弁65、pHセンサー7、カルシウム剤添加筒80等を
ハウジング(図示せず)に納めたものとして構成されて
いる。 【0014】電解槽2は前記従来例と同様に、2種の電
極21,22とこの両者を仕切る電解隔膜20とを備え
たもので、底部側に流入口25,26を、上部側に吐出
口23,24を備えており、これら吐出口23,24
は、切換弁6を介して吐出管17,18に接続されてい
る。ここにおいて、流入口25と吐出口23とは一方の
電極21を囲む空間に連通し、流入口26と吐出口24
とは他方の電極22を囲む空間に連通しているのである
が、流入口25は流入口26よりも細くされていて、電
極21側に流れ込む流量が電極22側に流れ込む流量よ
り1:3乃至1:4位の比率で少なくなるようにされて
いる。また上記切換弁6は、吐出口23と吐出管17と
を連通させる時、吐出口24と吐出管18とを連通さ
せ、吐出口23と吐出管18とを連通させる時、吐出口
24と吐出管17とを連通させる電磁ロータリー弁もし
くはモータ式切換弁で構成されている。 【0015】浄水器3は、活性炭からなる濾材31と中
空糸膜からなる濾材32とを備えたもので、その下端に
設けられた2つの開口部のうちの一方が、逆洗ユニット
4に、他方が切換弁5に接続されている。なお、上記の
2種の濾材31,32は単一のカートリッジに納められ
ており、カートリッジごと交換できるように構成されて
いる。 【0016】逆洗ユニット4は、浄水器3内の濾材3
1,32の目詰まりを、いったん浄水器3を通すことで
濾過した浄水を浄水器3に逆流させる逆洗を行うことで
解消するためのもので、図4に示すように、シリンダー
40と、シリンダー40内に配されたピストン41、ピ
ストン41にスライド自在に係合するとともに、ピスト
ン41の下降に伴って弁体43をばね45に抗して引き
下げる連動ピン42とからなるもので、シリンダー40
の上端には上記浄水器3につながるポート46と、弁体
43の下降で開くとともに弁体43の上昇で閉じられる
吐出口44とが設けられており、シリンダー40におけ
るピストン41の下方空間は、次に述べる切換弁5のポ
ート55に連通している。 【0017】上記逆洗ユニット4の下方に取り付けられ
た切換弁5は、両端にポート51,54を有するととも
に、周面における軸方向にずれたところに3つのポート
52,53,55を備えて、内蔵する可動体56がポー
ト51,54から選択的に流入する水の水圧で移動する
ことで、図4に示すポート51,52間が連通するとと
もに、ポート55,53が可動体56の外周空間57を
通じて連通する状態と、可動体56が図中右方に移動し
て、ポート54,55間が連通するとともに、外周空間
57を通じてポート52,53間が連通する状態とを切
り換える。 【0018】なお、上記浄水器3に接続されているのは
ポート52であり、ポート53は排水管19に接続され
ている。また、ポート51,54が蛇口99に設けられ
た切換ユニット98に接続されており、ポート51と切
換ユニット98との間に流量調整弁65が設けられてい
る。ポート52と浄水器3との間に配された定流量弁6
4は、過剰水圧が浄水器3以降の水路にかかることを防
止するために設けたものである。また、ポート51,5
4と切換ユニット98とをつないでいる配管は、この電
解水生成装置の器体内において、電源部を収めた電源ボ
ックス70の下面に放熱プレートを介して接触している
とともに、この接触部分が銅やアルミニウム等の金属製
管で形成されている。電源部を供給する水によって冷や
すことができるようにして、電源部の発熱に対する安全
性を高めている。 【0019】そして、上記逆洗ユニット4の吐出口44
は、管47によって電解槽2の流入口25,26につな
がっているのであるが、この管47の途中には、流量計
66と、逆止弁67と電磁弁63とが設けられており、
電磁弁63と上記流入口25,26を個別に接続する配
管のうち、流入口25に至る管48の途中に前記カルシ
ウム剤添加筒80が設けられている。上記逆止弁67は
排水口19につながったもので、管47側に水圧がかか
っている時は閉じているものの、管47側に水圧がかか
らなくなった時に開いて、電解槽2内の水及び管47内
の水を排水口19から排出する。 【0020】前記吐出管18の途中にはpHセンサー7
が配設されている。このpHセンサー7としては、ここ
では図5に示すように、飽和KClまたはNaCl溶液
と銀−塩化銀電極からなる比較電極部と、飽和KCl溶
液と特殊ガラス電極からなる作用電極部で構成されたも
のを用いて、測定するイオン水の水素イオン濃度に比例
して両電極間で発生する起電力を増幅させることで、図
5(b)に示すように、pH値に応じた0〜5Vの電圧を
出力するように構成されており、この出力電圧はA/D
変換された後、後述する制御回路Cに取り込まれる。 【0021】このように形成された電解水生成装置は、
前述のように、上記切換弁5における2つのポート5
1,54が切換ユニット98に個別の配管を介して接続
される。この切換ユニット98は、レバー操作によって
電解水生成装置への水供給の停止と、ポート51側への
水供給と、ポート54側への水供給とを切り換えること
ができるようにされたものである。 【0022】次に電解水を取り出す時の水の流れについ
て説明すると、切換ユニット98において、水を切換弁
5のポート51側へと流せば、切換弁5におけるポート
51に至った水は、その水圧で切換弁5内の可動体56
を押圧するために、図2に示すように、ポート52から
浄水器3に入り、濾材30,31による濾過を受けた
後、逆洗ユニット4のポート46に至る。そしてポート
46から逆洗ユニット4のシリンダー40内に入った水
は、水圧によってまずピストン41を押し下げて、それ
まで弁体43で閉じられていた吐出口44を開き、この
吐出口44から管47を通じて電解槽2の流入口25,
26より電解槽2内に入り、ここで電解される。なお、
電解槽2への通電は、上記管47の途中に配された流量
計66から得られる流量の情報に基づいて開始される。 【0023】そしてアルカリイオン水を得たい旨の指示
がなされているならば、電解槽2の電極21が陽極に、
電極22が陰極となるように電解電圧が印加されるため
に、吐出口23側に酸性イオン水が、吐出口24側にア
ルカリイオン水が得られ、この時、切換弁6は図2に示
す状態とされているために、アルカリイオン水が吐出管
18側に、酸性イオン水は吐出管17側に吐出される。 【0024】酸性イオン水を得たい旨の指示がなされて
いる時には、指示された酸性度に応じて次の2つの水の
流れとなる。まず弱酸性イオン水の場合には、電解槽2
の電極21が陰極に、電極22が陽極となるように電解
電圧が印加されるために、吐出口23側にアルカリイオ
ン水が、吐出口24側に酸性イオン水が得られ、この
時、切換弁6は上記状態と同じとされているために、ア
ルカリイオン水が吐出管17側に、酸性イオン水が吐出
管18側に吐出される。 【0025】強酸性イオン水の場合には、電解槽2の電
極21が陽極に、電極22が陰極となるように電解電圧
が印加されるために、吐出口23側に酸性イオン水が、
吐出口24側にアルカリイオン水が得られ、この時、切
換弁6は図3に示すように上記2状態とは異なる状態に
切り換えられるために、アルカリイオン水が吐出管17
側に、酸性イオン水が吐出管18側に吐出される。この
ように、強酸性イオン水を吐出管18側から吐出させる
場合に、電極21側を陽極とするのは、前述のように、
電極21側への流入口25を電極22側の流入口26よ
り絞って流入量を少なくしているために、強酸性イオン
水を得ることが容易となっているためである。 【0026】そして、切換ユニット98において、水を
切換弁5のポート54側へと流せば、水圧による可動体
56の移動で切換弁5が切り換えられ、ポート54から
入った水は、ポート55を通じて逆洗ユニット4におけ
るピストン41の下方空間に流入し、ピストン41を押
し上げて、弁体43で吐出口44を閉じるとともに、ピ
ストン41の上方空間に溜まっていた濾過済みの浄水を
ポート46から浄水器3側に逆流させる。この逆流水
は、濾材32,31を逆洗して濾材32,31に付着し
ていた不純物を洗い流した後、切換弁5のポート52,
53を経て排水口19から排出される。なお、この時の
切換ユニット98からの水の流入は、逆洗ユニット4に
おけるピストン41を上死点まで移動させた時点で終了
する。そして、このような逆洗時や、切換ユニット98
において止水を行った時、電解槽2内の水は、水圧差が
無いために開いた状態にある逆止弁67を経て排水口1
9から排出される。 【0027】図1は上記電解水生成装置におけるブロッ
ク回路図であって、図中Cは1チップマイクロコンピュ
ータにて構成された前記制御回路、DVは電解電圧を出
力する電源部、Dは操作表示部である。pHセンサー7
や流量計66が接続されている制御回路Cは、電解槽2
の電極21,22に印加する電解電圧を、電源部DVの
PWM制御によって制御することができるように構成さ
れており、また目標pH値と、pHセンサー7から得ら
れる吐出管18を通じて吐出中の電解水のpH値との比
較回路C1を内蔵し、目標pH値に検出したpH値が一
致するように、上記電解電圧のフィードバック制御を行
う。 【0028】なお、電源部DVに挿入された低抵抗値の
抵抗Rの両端電圧が入力されるコンパレータCPは、抵
抗Rでの電圧降下に応じて通電電流の大きさを上限値と
比較するためのもので、通電電流が電極21,22への
印加電圧に応じて規定された上限値を越えた時には、制
御回路Cに対して過電流検知信号を出力し、これを受け
た制御回路Cは電極21,22への印加電圧が低くなる
ように電源部DVに電圧降下指示信号を出力する。電源
部DVが過剰発熱することがないようにしているわけで
ある。 【0029】図6に表示操作部Dの一例を示す。操作部
として、電源スイッチSW1の他に、pH切り替えスイ
ッチSW2,SW3,SW4、リセットスイッチSW5、p
H微調節のためのスイッチSW7を備えるほか、電解動
作中であることを音で示すことを入切するためのスイッ
チSW9、制御回路Cにおいて積算される浄水器3の積
算使用時間のリセット用のスイッチSW10と寿命設定S
W11、pHセンサー7の洗浄のためのスイッチSW12,
SW13を備えている。 【0030】上記スイッチSW9による報知手段のオフ
は、アルカリイオン水を吐出管18から吐出する際に対
してのみ有効であるようにしてある。つまり、酸性イオ
ン水が吐出管18から吐出される時には、スイッチSW
9をオフとしていても、報知手段が作動してメロディや
ブザーによって警告報知を行うようにしてある。現在吐
出中の水が酸性イオン水であり、飲用には適していない
ことを利用者に知らせるためである。同様の理由で、酸
性イオン水の吐出状態からアルカリイオン水の吐出状態
に切り替えた時にも、pHセンサー7による測定値がp
H8を越えるまでは、あるいは所定の流量(たとえば1
000ミリリットル)が吐出されたり所定の時間が経過
するまでは警告を鳴らし続けるようにしてあり、酸性イ
オン水の吐出状態から浄水の吐出状態に切り替えた時に
は、pHセンサー7が酸性を出力しなくなるまで、ある
いは10秒間、あるいは所定の流量が吐出されるまでは
警告を鳴らし続けるようにしてある。更には、電極2
1,22の後述する逆電洗浄中にアルカリイオン水また
は浄水の吐出状態へと切り替えた時も同様に警告を鳴ら
すことが好ましい。 【0031】スイッチSW12,SW13によるpHセンサ
ー7の洗浄は、pHセンサー7に析出したスケールの除
去のために行われる。すなわち、pH10以上のアルカ
リイオン水、殊に地下水のように炭酸成分過多の場合、
炭酸水素イオンHCO3 - より炭酸イオンCO3 2-の存
在比率が多くなり、この場合、炭酸カルシウムとして析
出する現象が多くなる。このスケールの析出でpHセン
サー7のセンシング部分が覆われると、pHセンサー7
のセンシング精度(特に酸性側)が落ちるとともに、立
ち上がり応答性が悪くなる。この点に対処するために上
記洗浄を行う。詳しくは後述する。 【0032】上記表示操作部Dには、図6に示すよう
に、表示部として、pHセンサー7で得られるpH値を
数字で表示する表示部La、前記スイッチSW2,S
W3,SW4の選択状態を表示する表示部Ld1〜Ld7、
電極21,22の洗浄中であることを表示する表示部L
e、浄水器3の濾材31,32の交換を促す表示部L
f、pHセンサー7の洗浄を促す表示部Lp、電源状態
を示す表示部L1等を備えている。 【0033】表示部Leによって動作表示がなされる電
極21,22の洗浄は、電極21,22に生じたスケー
ルを除去するためのもので、流量計66により止水が検
知された時、電解槽2の電極21,22にそれまでとは
逆極性の電圧を短時間印加することによって行われる
が、この洗浄の開始時には電磁弁63が閉じられている
ために、滞水系での逆電洗浄が行われる。この時の陽極
側のpH値は、滞水させることによってpH2程度の強
酸性となるために、付着した炭酸カルシウムや炭酸マグ
ネシウム成分を溶解させて除去することができる。ま
た、逆電洗浄の後期においては、電磁弁63が開かれる
ために、流水系での逆電洗浄も行われるものであり、従
って完全な電極洗浄を期待することができる。なお、こ
の洗浄時に電解槽2にあったスケールを含んだ洗浄水
は、流入口25,26側から排水口19を通じて排出さ
れてしまうために、次回の使用開始時に洗浄水が混ざる
ことはない。 【0034】しかして、上記のような操作表示部Dを備
えたものにおいて、電源スイッチSW1を投入すれば表
示部L1が点灯し、この状態でスイッチSW2を押せば、
その押す回数に応じて「浄水」か「1〜4」のレベル
(レベル4は図では「強アルカリ」と表示)を選択する
ことができるとともに、選択された状態が表示部Ld 3
〜Ld7に表示されるものであり、切換ユニット98を
通じて水を送り込めば、選択された動作がなされる。ス
イッチSW3によっても指示することができる「浄水」
が選択されている時には、表示部Ld3が点灯表示され
るとともに、電解槽2への電解電圧の印加がなされない
ために、吐出管18からは浄水器3によって浄化された
だけの水が吐出され、この時の水の流量及びpH値が表
示部Laに表示される。 【0035】レベル1〜4のいずれかのアルカリイオン
水が選択された時には、流量計66による水流の感知に
よって電解電圧の印加を開始するものであり、この時、
制御回路Cは、pHセンサー7から得られる吐出管18
から吐出する電解水のpH値が、選択されたレベルに応
じて予め設定された目標pH値となるように、電解電圧
のフィードバック制御を行う。目標pH値としては、た
とえばレベル1にpH9.0、レベル2にpH9.5、
レベル3にpH10.0、レベル4(強アルカリ)にp
H10.5といった値がセットされている。検出される
pH値は表示部Laによって数字で表示される。 【0036】スイッチSW4を押せば、その押す回数に
よってアストリンゼント水として使用することができる
弱酸性イオン水の選択がなされたことを表示する表示部
Ld 2と、強酸性イオン水の選択がなされたことを表示
する表示部Ld1とが交互に点灯するとともに、選択さ
れた電解強度に応じた目標pH値がセットされる。ここ
では弱酸性イオン水の場合は目標pH値を5.8とし、
強酸性イオン水の場合は目標pH値を3〜2にセットし
て、目標pH値酸性イオン水が吐出管18に吐出される
ように電解電圧のフィードバック制御を行う。 【0037】なお、弱酸性イオン水の場合の流路は図2
に示したように、強酸性イオン水の場合の流路は図3に
示したようになるのは前述の通りであり、このように流
れを切り換えることによって、つまり強酸性イオン水が
得られる陽極電極21側に流れる流量を少なくすること
によって、強酸性イオン水を容易に得られるようにして
いる。 【0038】次にフィードバック制御の詳細について説
明すると、次のアルゴリズムに基づいてフィードバック
制御を行っている。すなわち、目標pH値をpHMとす
ると、図7に示すように、目標pH値に応じて予め設定
してある電圧Vmの印加を、pHセンサー7から得られ
る出力が安定するまで持続する。なお、ここでは変動幅
が±0.1pH以内の状態が2秒間連続する状態を安定
としている。そして、上記の安定した時点でのpH値p
HAと目標pH値pHMとの偏差ΔpHを求め、図8に
示す電圧−pH(pHセンサー出力電圧)特性テーブル
から偏差ΔpHに対応する電圧Vn(Vn=Vm−Δ
V)を求めてこの電圧Vnを印加する。このような印加
電圧の補正を偏差ΔpHが±0.2pH以内に納まるま
でpHセンサー7から得られる出力が安定する度に行
う。そして偏差ΔpHが±0.2pH以内に納まった時
にはその時点での印加電圧をそのまま持続する。 【0039】流量の変化等の外乱が入ったために、pH
が変動して安定した時点での偏差ΔpHが目標pH値に
対して±0.2pHを越えた時には、やはり電圧−pH
特性テーブルから偏差ΔpHに対応する電圧を求めてこ
の電圧を印加することを偏差ΔpHが±0.2pH以内
に納まるまで繰り返す。このようにフィードバック制御
を行う場合、図7に示すpH値変化からも推察されるよ
うに、いわゆるオーバーシュートを招くことが殆どな
く、このために目標pH値への収束に要する時間が短く
てすむものであり、特に偏差ΔpHを上述のように安定
になった時点で求めていることから、偏差ΔpHに基づ
く印加電圧の補正は、外乱が入らない限り、たいてい1
回で済んでしまうものであって、この点においても目標
pH値への収束に要する時間が短いものである。 【0040】更に、目標pH値が異なる場合、つまりア
ルカリイオン水を得たい場合と、弱酸性イオン水を得た
い場合と、強酸性イオン水を得たい場合とでは、夫々の
電解時における副反応(たとえば塩素イオンの酸化反応
等)が異なるために、反応時間に差があることから、目
標pH値毎(ここではアルカリイオン水と弱酸性イオン
水と強酸性イオン水の各生成モード毎)に各々に適した
電圧−pH特性テーブルを用意して、対応するものによ
ってフィードバック制御している。図8に示す曲線イが
アルカリイオン水用、ロが弱酸性イオン水用、ハが強酸
性イオン水用である。目標pH値の電圧変化に対するp
H変化の立ち上がり特性に適した制御も行っているわけ
であり、このために目標pH値がどのような値であって
も、吐出する電解水のpH値を目標pH値に早期に収束
させることができるものであって、求めるpH値の電解
水を確実に且つ迅速に得ることができる。なお、これら
の電圧−pH特性テーブル(曲線イ、ロ、ハ)は、 pHv=A+Blog e V (pHvはpHセンサー出力電圧、Vは電解電圧、A,
Bは各モード毎に異なる定数)の近似式で表すことがで
きる。 【0041】ところで、このようなフィードバック制御
を行うにあたっては、電源部DVの過剰発熱防止のため
に,予め設定してある電解槽電流値の上限値を越える電
流が流れる電解電圧が印加された場合に対処しておく必
要があるために、通常、過電流検知信号を受けた制御回
路Cは、所定時間毎に1ステップずつ電解電圧を下げる
指示を出力するようにしている。 【0042】ここにおいて、上記所定時間がたとえば8
msecであるのに対して、上記指示を受けたスイッチング
電源である電源部DVの応答性が出力整流回路における
コンデンサーの影響で256msec毎に1ステップずつし
か出力電圧を低下させることができないものであると、
過電流検知解除の信号を制御回路Cが受けた時には、ス
イッチング電源に対して不必要な値まで電解電圧を下げ
る指示を出してしまっていることになり、従って上限電
流値ぎりぎりの電流が流れる電解電圧を印加できず、結
果的に目標pH値からほど遠いpH値の電解水が吐出さ
れることになる。 【0043】このために、ここでは電解槽電流が過電流
となった旨の信号を受けた制御回路Cは、電源部DVに
対する電圧降下指示を電源部DVにおける電圧降下速度
に合わせて出力するようにしてある。つまり、電源部D
Vが256msec毎に1ステップずつ出力電圧を低下させ
ることができるものであれば、制御回路Cは出力電圧を
1ステップ降下させるための電源部DVに対する指示
を、256msec毎に出力するようにしてある。従って、
過電流検知の場合の制御に際しても、オーバーシュート
を招くことがなく、上限電流値いっぱいの電解電圧を印
加させることができるものである。電源部DVの出力電
圧降下が確認されてから、次の電圧降下指示信号を出力
するようにしてもよいのはもちろんである。 【0044】また、オーバーシュート防止に関しては、
地下水のように導電率が高くて電流を流しやすい特異な
水を電解する場合にも、次の点についても留意しなくて
はならない。つまり、上記のような水から弱酸性イオン
水を得る場合、上記実施例で示したものの場合、1〜1
5V程度の電解電圧でpH4〜6のイオン水を得ること
が可能であるのに対して、一般的な水では30V程度の
電解電圧が必要となる。このために、アストリンゼント
モードにおいて、一般的な水を対象として予め設定して
ある電解電圧−pH特性式に基づき、上記のような導電
率が高くて少しの印加電圧で弱酸性を示すことになる水
に対する制御を行うと、図9(a)に示すように、偏差Δ
pHに対しての印加電圧の変動幅ΔV1 が実際に必要な
変動幅ΔV2 に比べて大きすぎるために、オーバーシュ
ートを招いてしまい、表示pH値にふらつきが生じるこ
とになる。これを回避するために、ここでは偏差ΔpH
に対する印加電圧の変動幅ΔV1 を、図9(b)に示すよ
うに、実際の水の特性曲線ホにおける上記変動幅ΔV2
よりも小さくしている。 【0045】また、ここでは変動が±0.1pH以内の
安定状態が10秒以上続く時には、この時の電圧値とp
H値とを制御回路Cが備えるメモリーに書き込むように
してある。このメモリーに書かれた値は、一度止水され
て再度通水された場合に参照されて、この電圧値が直ち
に印加される。通水再開後の目標pH値への収束時間が
より早くなるわけである。なお、上記メモリーは、上記
の条件が整う度に書き換えられる。目標pH値毎に予め
設定してある電圧値を書き換えてしまってもよい。 【0046】ところで、止水時には電解槽2内の水は排
水されているわけであるから、この状態から通水を開始
しても電解槽2に水が満たされて更にpHセンサー7に
至るまでには時間がかかる。目標pH値を通水途中で変
更した時にも電解槽2内の水がある程度入れ替わるのに
時間がかかる。従って、通水の開始時点からすぐにpH
センサー7の出力に変化が生じるわけではなく、このよ
うな時間帯を不感帯(図7でKで示す領域)と呼ぶが、
この不感帯においても上記制御を行うならば、印加した
電圧に対応するイオン水がpHセンサー7に達していな
い時点で上記の補正値を導くための安定点を検出してし
まうおそれがある。このために、上記フィードバック制
御にあたっては、次の不感帯処理を併せて行っている。 【0047】すなわち、止水状態から通水を開始した場
合については、図10に示すように、通水の開始ととも
に目標pH値に応じて予め設定してある電圧Vmの印加
を開始するとともにpHセンサー7の出力の表示とを行
うものの、通水の開始から所定時間T1(たとえば15
秒)が経過するまでは、フィードバック制御は行わずに
上記電圧Vmを維持する。そしてT1時間経過後から目
的の方向にpH値が0.2pH変化したかどうかによっ
て不感帯を脱出したかどうかを判断し、脱出が確認され
た後、上記の2秒間の安定点とその時の目標pH値との
偏差並びに電圧−pH特性テーブルによるフィードバッ
ク制御モードに入るようにしてある。 【0048】通水途中での目標pH値の変更に対して
は、この変更に対して新たな目標pH値に対応する電圧
Vmnの印加をただちに開始するとともにpHセンサー
7の出力の表示とを行うものの、変更から所定時間T2
(たとえば3秒)が経過するまでは、フィードバック制
御は行わずに上記電圧Vmnを維持する。そしてT2時
間経過後から目的の方向にpH値が0.2pH変化した
かどうかによって不感帯を脱出したかどうかを判断し、
脱出が確認された後、上記のフィードバック制御モード
に入るようにしてある。 【0049】なお、不感帯の脱出を目的の方向にpH値
が0.2pH変化したかどうかのみによって判断して行
ったのでは、何らかの原因でpH変化が僅かで0.2p
H以上の変化が見られない時、フィードバック制御モー
ドに入ることができないために、強制脱出用の判断部を
付加しておくことが望ましい。この判断部としては、上
記の所定時間T1,T2より長い時間がセットされたタ
イマーでもよいが、たとえば0.2リットルの水が通水
されたことによって強制脱出してフィードバック制御モ
ードに入るようにするとよく、この場合、フィードバッ
ク制御モードに入れば安定かどうかの判断を待たずにそ
の時点でpH比較を行って補正を行うとよい。 【0050】ところで、酸性イオン水を吐出する場合
で、使用する水が地下水のように炭酸成分が多く含まれ
ている場合には、塩基性炭酸塩Ca(HCO3)2,Mg
(HCO3)2,NaHCO3等が生成されるが、pH
5.0〜6.0程度の弱酸性イオン水を吐出する時、こ
の弱酸性イオン水のpH値をpHセンサー7で検出する
と、上記塩基性炭酸塩は弱酸性イオン水中に溶解した
時、弱アルカリ性を示す性質があるために、検出される
pH値がアルカリ性のものとなる上に、吐水後の安定し
た状態となった時には、塩基性炭酸塩から生成された炭
酸H2CO3が再度解離するために、弱酸性を示すという
問題がある。つまり、弱酸性イオン水を得られているに
もかかわらず、吐出途中のイオン水のpHを調べるpH
センサー7ではアルカリ性という結果を出力するため
に、炭酸成分が多く含まれている水に対しては、上記の
ようなフィードバック制御を行った場合、求めるpH値
のイオン水が得られないということになる。 【0051】このために、ここでは弱酸性イオン水が指
定された場合、制御途中で検出されるpH値がpH7.
0を越えたならば、炭酸成分が多い地下水であると判定
して、pH表示を強制的に設定値(ここでは5.8)に
向けて上記判定時から0.1pH/0.5sec の割合で
移行させるようにしてある。詳しく説明すると、弱酸性
イオン水の生成にあたり、炭酸成分の多い地下水を使用
した場合、図11に示すように、弱酸性イオン水のpH
値に対応したある一定電圧Vaを継続して印加すると、
pHセンサー7はいったん目標pH値付近の値を示すも
のの、その後2〜30秒経過すれば、実際のpH値が
5.0〜6.0であるにもかかわらず、炭酸塩によって
アルカリ性の値を示す。 【0052】このために、pHセンサー7がpH7.0
以上を示すかどうかの判定動作を確実に行うことができ
るように、止水状態から弱酸性イオン水の吐出モードに
移行した時には、前記不感帯に関して述べた所定時間T
1の間は予め設定してある電圧の印加を開始するが、フ
ィードバック制御は行わず、pHセンサー7の出力の表
示は行うものの、通水の開始から所定時間(たとえば2
0秒)が経過しないと、pH7.0を越えたかどうかの
判定はしないものとしている。上述のように、上記時間
中においてはpH7.0を越えても信頼性のあるものか
どうか判断できないからである。 【0053】そして上記時間が経過した時点からpH
7.0を越えた値をpHセンサー7が出力したならば、
地下水であると判定して電解電圧は判定時の電圧のまま
固定し、表示値は設定値pH5.8に0.1pH/0.
5sec の割合で移行させる。pH7.0を越えない場合
は、市水と判定して、前述のように予め設定してある電
解電圧−pH特性式に従って制御を続ける。なお、電圧
−pH特性式としては、 pHv=2.5−αlog e V (α:流量によって異な
る定数)の近似式を用いている。 【0054】他のpH値の水の吐出状態から弱酸性イオ
ン水の吐出モードに切り換えられた時には、時間T1の
不感帯処理は15秒間とし、あとは止水状態から弱酸性
イオン水の吐出モードに移行した時と同様に、pHセン
サー7からの出力がpH7.0を越えたかどうかを判定
して制御を行う。弱酸性イオン水吐出モードにおける上
記判定は、毎回行うことで、水質の変動に対応できるよ
うにしておく。 【0055】次にpHセンサー7の洗浄について説明す
る。pHセンサー7を用いたフィードバック制御では、
pHセンサー7の精度及び立ち上がり特性が常に一定で
あることが期待されるわけであるが、前述のようにスケ
ールの析出によって精度が低下するとともに立ち上がり
応答性も悪くなってしまう。このために、次のような処
理でpHセンサー7の状態を調べることを行っている。 【0056】すなわち、制御回路C内のRAMに、設定
された流量範囲における印加電圧V1〜V8に対するp
Hセンサー7の出力電圧VSiiを記述する次表に示すよ
うな基準テーブルを記憶させる。ここで記憶させる値
は、所要の流量(たとえば300リットル)の通水後で
基準テーブルが空きの時に、pH制御中、同じ電解電圧
を一定時間(たとえば30秒)以上連続出力した場合
に、その電解電圧とその時のpHセンサー7の出力電圧
VSiiとを該当欄に書き込む。なお、上記不感帯の処理
のためのデッドタイムT1,T2は上記一定時間のカウ
ントに含めないものとする。 【0057】 【表1】【0058】このようにして、条件が満たされた欄につ
いて順次書き込んでいった後、積算流量が1000〜2
000リットルに達したならば、上記基準テーブルの内
容と現在のpHセンサー7の出力電圧との比較を使用の
たびに行う。なお、基準テーブルで空きの箇所では比較
を行わない。また空きの箇所に対する書き込みは比較開
始後も行う。そして比較によって現時点でのある流量範
囲で且つある電解電圧の時のpHセンサー7の出力電圧
が、基準テーブル上の該当欄での電解電圧VSiiに対し
て所定の値だけ外れた時、たとえば酸性イオン水吐出時
には+0.3V、アルカリイオン水吐出時には±0.3
V外れた時には表示部Lpを点灯させてpHセンサー7
の洗浄を促す。 【0059】pHセンサー7の洗浄は、前記スイッチS
W12,SW13のいずれか(スイッチSW12は洗浄を促す
表示部Lpが点灯している時にのみ操作可能でスイッチ
SW 13は表示部Lpが点灯していない時でも操作可能と
されている)を押すことで、電磁弁63の閉鎖と切換弁
6の図3に示す状態への切り換えとを行わせ、吐出管1
7に栓をした後、カルシウム添加筒80の部分からクエ
ン酸溶液を所定量流し込み、この状態で1時間または数
時間放置することで行う。電解槽2と切換弁6とを通じ
てpHセンサー7に達するクエン酸溶液は、pHセンサ
ー7に付着しているスケールを溶解させる。もちろん、
電解槽2からpHセンサー7に至る流路内に付着してい
るスケールも溶解させる。上記の放置の後は、たとえば
浄水の出力モードで数10秒〜数分間通水を行うだけ
で、クエン酸は溶解度が非常に高いために、洗い流して
しまうことができる。吐出管17に栓をするのは、上記
の放置の間にサイホンの原理でクエン酸溶液が吐出管1
7から流れ出てしまうことを防ぐためである。カルシウ
ム添加筒8からのクエン酸溶液の注入は、ピストン等の
備品を使用して押し込むようにするとよい。 【0060】クエン酸は粉末様のものを用いてもよい。
この場合、電磁弁63として、閉鎖時にも浄水器3側か
ら電解槽2側への給水が可能なタイプのものを用い、カ
ルシウム添加筒8にクエン酸粉末を入れた後、蛇口99
の切換ユニット98の操作で30秒程度(500〜10
00ミリリットル)の給水を行って、クエン酸粉末を水
に溶解させる。クエン酸は溶解速度が速いために、クエ
ン酸溶液を用いる場合と何ら変わりのないスケール除去
を行うことができる。 【0061】電解槽2からpHセンサー7に至る流路内
のスケール除去は必要とせず、pHセンサー7のみの洗
浄を行うだけで十分であるならば、吐出管18の先端を
pHセンサー7よりも高い位置において、吐出管18か
らクエン酸溶液を流し込むようにしてもよい。また、浄
水器3における濾材31,32を納めたカートリッジ
に、別途洗浄用カートリッジを用意するとともに、この
洗浄用カートリッジには活性炭である濾材31の充填部
にクエン酸の粉末をたとえば50〜100gほど封入し
ておき、pHセンサー7の洗浄にあたっては、浄水器3
のカートリッジをこの洗浄用カートリッジに置き換える
とともに吐出管17に栓をし、スイッチSW12,SW13
のいずれかを押すことで閉鎖時にも浄水器3側から電解
槽2側への給水が可能なタイプの電磁弁63を閉鎖させ
て、しばし通水を行った後、所定時間放置するようにし
てもよい。この場合、切換弁6を図3に示す状態に切り
換えることは不要である。 【0062】浄水器3のカートリッジを利用する場合、
使用するクエン酸の量を多くすることができる上に、電
解槽2へと送られる水すべてにクエン酸を添加すること
ができるために、カルシウムや炭酸成分の多い地下水等
を用いている時に有効である。なお、ここでは洗浄のた
めにクエン酸を用いたが、スケールの溶解にはリンゴ
酸、フマル酸、シュウ酸、ギ酸、マレイン酸などの食品
添加物認定の有機酸であればよい。 【0063】 【発明の効果】以上のように本発明においては、検出p
H値を目標pH値に収束させるにあたり、pHセンサー
から得られるpH値の目標pH値に対する偏差ΔpHを
求め、予め設定してある電解電圧−pH特性から上記偏
差ΔpH相当分の電圧差ΔVを求めて現電圧から該電圧
差ΔVを引いた電圧を次に印加する電解電圧とするとと
もに、上記電解電圧−pH特性として、電解槽印加電圧
を変えて実測した電解電圧−pH特性よりも上記偏差に
対する電圧値が小となるものを用いるために、オーバー
シュートを招くことがなく、表示pH値がふらつく等の
発散現象を防止することができる。 【0064】
吐出時を示す概略図である。 【図3】同上の強酸性イオン水吐出時を示す概略図であ
る。 【図4】同上の逆洗ユニット及び切換弁の断面図であ
る。 【図5】同上のpHセンサーを示すもので、(a)は概略
断面図、(b)は出力特性図である。 【図6】同上の操作表示部の正面図である。 【図7】同上のフィードバック制御のアルゴリズムを示
す動作説明図である。 【図8】同上のフィードバック制御の際の電圧−pH特
性図である。 【図9】(a)は比較例における電圧−pH特性図、(b)は
本発明における電圧−pH特性図である。 【図10】同上の不感帯処理の動作説明図である。 【図11】同上の地下水判定のための動作説明図であ
る。 【図12】同上の動作を示すフローチャートである。 【図13】従来例の概略図である。 【符号の説明】 C 制御回路 DV 電源部 2 電解槽 7 pHセンサー
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 電解槽による電解にてアルカリイオン水
と酸性イオン水とを生成してこれら電解水を各別に吐出
するにあたり、pHセンサーによる電解水のpH値の測
定結果に応じて電解槽に印加する電解電圧を制御する電
解水生成方法において、pHセンサーから得られるpH
値の目標pH値に対する偏差ΔpHを求め、予め設定し
てある電解電圧−pH特性から上記偏差ΔpH相当分の
電圧差ΔVを求めて現電圧から該電圧差ΔVを引いた電
圧を次に印加する電解電圧とするとともに、上記電解電
圧−pH特性として、電解槽印加電圧を変えて実測した
電解電圧−pH特性よりも上記偏差に対する電圧値が小
となるものを用いることを特徴とする電解水生成方法。
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