JP3454848B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Description
ファレンシャル装置に関する。 【0002】 【従来の技術】実開昭63−78746号公報と実開昭
62−172842号公報にそれぞれ図6と図7のよう
な差動装置201,203が記載されている。 【0003】差動装置201,203はベベルギヤ式の
差動歯車機構207,209と、差動制限用のビスカス
カップリング211,213及び多板クラッチ215,
217とをそれぞれ備えている。ビスカスカップリング
211,213は差動回転速度が大きい程大きな差動制
限力を発生する速度感応型の差動制限手段である。又、
多板クラッチ215,217はそれぞれサイドギヤ21
9,221のピニオンギヤ223,225に対する噛合
い反力によって締結され、この噛合い反力は差動歯車機
構207,209の伝達トルクが大きい程強くなるから
多板クラッチ215,217はトルク感応型の差動制限
手段である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】図6のように、差動装
置201では図の左のサイドギヤ219はハブ231を
介して左の車軸233に連結され、右のサイドギヤ23
5は右の車軸237に連されている。多板クラッチ21
5はハブ231とデフケース239(ハウジング)との
間に配置されたS−H型(S:シャフト、H:ハウジン
グ)である。又、図7のように、差動装置203では多
板クラッチ217は図の右のサイドギヤ221とデフケ
ース241との間に配置され、ビスカスカップリング2
13は左のサイドギヤ243とデフケース241との間
に配置されており、いずれもS−H型である。 【0005】図6に示す差動装置201において、車両
が直進走行している場合で、かつ左右の車輪の路面抵抗
が等しい場合には、エンジンからの入力トルクTに応じ
て差動歯車機構207により、左右の車軸233、23
7へT/2、T/2ずつ均等に配分される。車両の旋回
方向が異なる又は左右のいずれかの車輪が空転する場合
は、以下のように左右の車軸233、237へトルク伝
達される。 まず、車両が左旋回又は右車軸237が空転
する場合、すなわち、右車輪の路面抵抗が左車輪の路面
抵抗より小さいとき、右車軸237へ伝達されるトルク
T R1 は、差動歯車機構207により分配されたトルク
T SP1 が伝達される。 T R1 =T SP1 ・・・(1) 左車軸233へ伝達されるトルクT L1 は、差動歯車機
構207により分配されたトルクT SP1 に、デフケー
ス239からハブ231を介して左車軸233へクラッ
チトルクTcが加わる。 T L1 =T SP1 +Tc・・・・・(2) 但し、クラッチトルクTcは、差動歯車機構207によ
りトルクT SP1 によって生じるものであり、仮に差動
歯車機構207のギヤの圧力角やピッチ円径な どによっ
て定まる定数αを用いて、次のように示される。 Tc=α・T SP1 ・・・(3) (2)、(3)式により T L1 =T SP1 +α・T SP1 =T SP1 (1+α)・・・(4) 次に、車両が右旋回又は左車軸233が空転する場合、
すなわち、左車輪の路面抵抗が右車輪の路面抵抗より小
さいとき、右車軸237へ伝達されるトルクT R2 は、
差動歯車機構207により分配されたトルクT SP2 が
伝達される。 T R2 =T SP2 ・・・(5) 左車軸233へ伝達されるトルクT L2 は、差動歯車機
構207により分配されたトルクT SP2 から、ハブ2
31からデフケース239へ伝達されるクラッチトルク
Tcが減じられる。 T L2 =T SP2 −Tc ・・・(6) 但し、クラッチトルクTcは、差動歯車機構207によ
り分配されたトルクT SP2 によって生じるものであ
り、仮に差動歯車機構207のギヤの圧力角やピッチ円
径などによって定まる定数αを用いて、次のように示さ
れる。 Tc=α・T SP2 ・・・(7) すなわち、車両が右旋回又は左車軸233が空転する
と、クラッチ装置が締結しクラッチトルクが生じる。ま
た、左右の車軸に伝達されるトルクT SP2 自体はすで
に伝達されるべきクラッチトルクを含めた値である。そ
して、デフケース239へ入力された全トルクは、左右
の車軸に伝達されたT R2 、T L2 を合わせたトルクと
等しい。また、車両のある走行状態のときのクラッチト
ルクTcを見てみると、その走行状態における左右の車
軸に伝達されたトルクT R2 とトルクT L2 との差にク
ラッチトルクTcは常に等しくなっている。この場合、
ハブ231からデフケース239へ伝達されるクラッチ
Tcは、差動歯車機構207を介して左右の車軸に伝達
され、左車軸に伝達されたトルクT L2 から再び、ハブ
231、デフケース239に入力される。このようなト
ルクの内部循環は生じてはいるが、上記のように車両の
ある走行状態のときのクラッチトルクTcと、左右の車
軸に伝達されたトルクT R2 、T L2 との関係は上記 し
た関係となっている。そして、(6)、(7)式により T L2 =T SP2 −α・T SP2 =T SP2 (1−α)・・・(8) 車両が左旋回又は右車軸が空転する場合、すなわち右車
輪の路面抵抗が左車輪よりの路面抵抗より小さいときの
トランスファーレシオ(高トルク側の左車軸233への
伝達トルクと低トルク側の右車輪237への伝達トルク
の比)は、(1)、(4)式により T L1 /T R1 =T SP1 (1+α)/T SP1 =1+α・・・(9) 車両が右旋回又は左車軸233が空転する場合、すなわ
ち左車輪の路面抵抗が右車輪の路面抵抗より小さいとき
のトランスファーレシオ(高トルク側の右車軸237へ
の伝達トルクと低トルク側の左車軸233の比)は、 T R2 /T L2 =T SP2 /T SP2 (1−α)=1/
(1−α)・・(10) 従って、(9)式≠(10)式により、左右車輪のう
ち、いずれかの車輪側が空転するかによってトランスフ
ァーレシオが異なる現象が生じる。 この場合図6におい
て左右の車軸233,237には太線の矢印244で示
す駆動力が入力されるほかに右車軸237には破線の矢
印251の駆動力が加わって強化される。 【0006】このように、差動制限手段をS−Hに配置
すると差動制限力が左右で不均等になり、片利きが生じ
る。片利きが生じると、例えばぬかるみ等に嵌った車輪
が右側か左側かにより車両のぬかるみからの脱出力に差
が生じたり、スラローム走行等を行った場合、左旋回時
と右旋回時の駆動力に差が生じるので操縦安定性に欠け
る。 【0007】図8は差動装置201の差動制限特性を示
すグラフであって、縦軸は左車輪空転時に右車輪に送ら
れる軸トルクであり、横軸は右車輪空転時に左車輪に送
られる軸トルクである。グラフ253とグラフ255は
それぞれ多板クラッチ215による右軸トルクと左軸ト
ルクであって45°の直線257に対して非対称にな
り、上記のように右軸トルクが左軸トルクより大きいこ
とを示している。グラフ253の横軸に対する勾配とグ
ラフ255の縦軸に対する勾配をトランスファーレシオ
(Rt )という。 【0008】従って差動装置201全体の特性はグラフ
253,255にビスカスカップリング211による差
動制限力を均等に加えたグラフ259,261になる。 【0009】図9は差動装置203の差動制限特性を示
すグラフであり、グラフ263,265は多板クラッチ
217による特性である。多板クラッチ217は右サイ
ドギヤ221側にS−H配置されているから左軸トルク
が右軸トルクより大きい。よって差動装置203全体の
特性はグラフ263,265にビスカスカップリング2
13の差動制限力を不均等に加えたグラフ267,26
9となり、直線257に対して非対称である。 【0010】このように、従来はトルク感応型と速度感
応型の特性を合わせて一側と他側とで均等な差動制限特
性を備えたデファレンシャル装置はなかった。又、従来
速度感応型の差動制限手段をS−S配置するためには例
えば差動装置201でビスカスカップリング211と連
結するために右の車軸237を左の車軸233より長く
しなければならないように動力伝達軸が不等長になる。 【0011】そこで、この発明は、トルク感応型と速度
感応型の各差動制限機能を備え、一側のサイドギヤ空転
時と他側のサイドギヤ空転時とで均等な差動制限特性が
得られると共に両動力伝達軸を等長にできるデファレン
シャル装置の提供を目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明のデファレンシ
ャル装置は、デフケースと、デフケースに設けられた収
納孔にギヤ外周部分が支持され摺動回転自在に収納され
たピニオンギヤと、ピニオンギヤとそれぞれ噛み合った
軸方向一側と他側のサイドギヤとを有しデフケースの軸
方向一側にオフセット配置されたトルク感応型の差動制
限機能を備えた差動歯車機構と、デフケースの軸方向他
側にオフセット配置され差動回転速度に感応して差動制
限を行う速度感応型のカップリングと、一側のサイドギ
ヤが形成され動力伝達軸が連結された一側ハブと、他の
動力伝達軸が連結された他側のハブとを備え、他側のハ
ブ及びサイドギヤが前記カップリングの一側部材を介し
て連結されると共に、カップリングの他側部材が他側の
ハブ及びサイドギヤの間を貫通する連結部材を介して一
側のハブ又は一側の動力伝達軸に連結されていることを
特徴とする。 【0013】 【作用】デフケースの軸方向一側には差動歯車機構が設
けられ、他側には差動回転速度に感応して差動制限力を
発生する速度感応型のカップリングが配置されている。
デフケースが回転駆動されると、この駆動力はピニオン
ギヤから各サイドギヤに分配される。分配された駆動力
は一側のハブを介して一側の動力伝達軸に伝達され、カ
ップリングの一側部材と他側のハブとを介して他側の動
力伝達軸に伝達される。又、各動力伝達軸間の駆動抵抗
差に応じてサイドギヤがピニオンギヤを介して差動回転
し、駆動力は各動力伝達軸に差動分配される。 【0014】又、サイドギヤの差動回転はピニオンギヤ
と収納孔との摩擦抵抗により適度に制動され差動歯車機
構の差動回転が制限される。この摩擦抵抗は伝達トルク
に比例するから、差動歯車機構はトルク感応型の差動制
限機能を備えている。 【0015】ピニオンギヤと収納孔との摩擦抵抗はサイ
ドギヤのいずれが空転側になっても同等であり、従って
動力伝達軸の一側が空転したときと他側が空転したとき
とで接地側の動力伝達軸に送られる駆動力が等しく、一
側と他側とで均等な差動制限力が得られる。 【0016】又、カップリングの一側部材と他側部材は
ハブに設けた連結部を介してそれぞれの動力伝達軸に連
結され、S−S配置されている。このように、トルク感
応型差動制限機能の均等な特性にカップリングの特性が
均等に加わるから全体の差動制限特性も一側と他側とで
均等であり、操作性を悪化させるような片利きがない。 【0017】カップリングの一側部材を介して他側のハ
ブとサイドギヤとを連結すると共に、カップリングの他
側部材を他側のハブとサイドギヤ間を貫通する連結部材
を介してカップリングのS−S配置を成立させると共
に、こうして一側部材を一側に延長したことによりカッ
プリングとの連結のために一側の動力伝達軸をカップリ
ング側へ延長する必要がなくなり、両動力伝達軸を等長
にできる。 【0018】 【実施例】図1ないし図4により第1実施例の説明をす
る。図1はこの実施例のデファレンシャル装置を示し、
図4はこのデファレンシャル装置を用いた車両の動力系
を示す。又左右の方向はこの車両及び図1での左右の方
向であり、符号を附していない部材等は図示されていな
い。 【0019】図4のように、この動力系はエンジン1、
トランスミッション3、プロペラシャフト5、リヤデフ
7(後輪側に配置された図1のデファレンシャル装
置)、後車軸9,11(動力伝達軸)、左右の後輪1
3,15、左右の前輪17,19などから構成されてい
る。リヤデフ7において、デフケース21はデフキャリ
ヤ23内に回転自在に配置されており、デフケース21
に固定されたリングギヤ25はドライブピニオンギヤ2
7と噛合っている。ドライブピニオンギヤ27はプロペ
ラシャフト5側に連結されたドライブピニオンシャフト
29と一体に形成されている。こうしてエンジン1の駆
動力はトランスミッション3とプロペラシャフト5とを
介してリヤデフ7に伝達され、デフケース21を回転駆
動する。 【0020】図1のように、デフケース21は本体31
と、この本体31にビス33で固定されたカバー35と
からなり、内部には一対のサイドギヤ37,39が配置
されている。サイドギヤ37の左方には左のハブ41が
配置されており、そのフランジ部43と円筒部材45と
その右側のフランジ47と左のサイドギヤ37とは溶接
で一体にされている。ハブ41はカバー35の軸支部4
9により回転自在に支承されており、フランジ部43と
カバー35との間にはワッシャ51が配置されている。
又、右のサイドギヤ39は右のハブ53に形成されてお
り、このハブ53は本体31の軸支部55により回転自
在に支承されている。左のハブ41には左の後車軸9が
スプライン連結され止め輪57で脱落を防止されてお
り、右のハブ53には右の後車軸11がスプライン連結
され止め輪59で脱落を防止されている。 【0021】本体31には長い収納孔61と、この収納
孔61と周方向に隣接した短い収納孔とが軸方向に設け
られている。収納孔61にはピニオンギヤ63が摺動回
転自在に収納され、短い収納孔には短いピニオンギヤが
摺動回転自在に収納されている。 【0022】長いピニオンギヤ63は左右のギヤ部6
5,67とこれらを連結する軸部69とからなり、軸部
69は右のサイドギヤ39との干渉を避けるために小径
にされている。左のギヤ部65は左のサイドギヤ37と
噛合い、右のギヤ部67は短いピニオンギヤの右端部と
噛合っている。又、短いピニオンギヤは左端部で右のサ
イドギヤ39と噛合っている.本体31にはスラストワ
ッシャ71と止め輪73,73とが装着され長短のピニ
オンギヤの脱落を防止している。こうして、差動歯車機
構75が構成されている。 【0023】デフケース21を回転させるエンジン1の
駆動力は各ピニオンギヤからサイドギヤ37,39に分
配され、後車軸9,11を介して左右の後輪13,15
に伝達される。後輪間に駆動抵抗差が生じると各ピニオ
ンギヤの回転によりエンジン1の駆動力は左右各側に差
動分配される。 【0024】差動歯車機構75の各ギヤはヘリカルギヤ
である。車両の前進時にデフケース21が回転駆動され
ると、各ピニオンギヤとの噛合いにより生じたスラスト
力77,79により各サイドギヤ37,39は互いの間
の摺動部81で押圧されて摺動し、デフケース21が車
両後進時の回転方向に回転駆動されるとサイドギヤ37
の噛合いスラスト力83によりフランジ部43がワッシ
ャ51との摺動部85で摺動し、噛合いスラスト力87
によりサイドギヤ39が本体31との摺動部89で摺動
する。摺動部81の摩擦係数は摺動部85,89の摩擦
係数より大きくしてある。 【0025】又、噛合いスラスト力により長いピニオン
ギヤ63の左端はフランジ47と摺動し、右端はスラス
トワッシャ71と摺動する。短いピニオンギヤの左端は
本体31と摺動し、右端はスラストワッシャ71と摺動
する。これら各摺動部は同一の摩擦係数にしてある。
又、各ピニオンギヤとその収納孔との間で回転摩擦抵抗
が得られる。 【0026】各ピニオンギヤの回転摩擦抵抗と噛合いス
ラスト力による各摺動部の摩擦抵抗により各ピニオンギ
ヤとサイドギヤ37,39の回転が制動され、差動歯車
機構75の差動回転が制限される。この摩擦抵抗は差動
歯車機構75の伝達トルクに比例して変化するから各摺
動部はトルク感応型の差動制限手段を構成している。 【0027】左のサイドギヤ37側のフランジ部43と
フランジ47との間にはハブ91が配置され、ハブ41
の外周で回転自在に支承されている。ハブ91には左の
サイドギヤ37とハブ41との隙間93を右方へ貫通す
る連結部95が設けられており、この連結部95は右の
ハブ53にスプライン連結されている。フランジ部43
と円筒部材45とフランジ47とハブ91との間には作
動室97が形成され、この作動室97には注入孔99か
ら高粘度のシリコンオイルが注入され注入孔99にかし
めたボール101により密封されている。円筒部材45
には多数のアウタープレートが係合し、ハブ91にはア
ウタープレートと交互に配置されたインナープレートが
係合してる。ハブ91とハブ41との間にはXリング1
03(断面がX字状のシール)とバックアップリング1
05とが配置され、サイドギヤ37と連結部95との間
にはXリング107とバックアップリング109とが配
置され、シリコンオイルの漏出を防止している。 【0028】こうして、ビスカスカップリング111
(速度感応型のカップリング)が構成されている。アウ
タープレートはハブ41を介して左の後車軸9に連結さ
れインナープレートはハブ91とハブ53とを介して右
の後車軸11に連結されているから、ビスカスカップリ
ング111はS−S配置で差動歯車機構75の差動回転
を制限する。 【0029】ビスカスカップリング111のフランジ部
43と円筒部材45とフランジ47とを介して左のハブ
41とサイドギヤ37とを連結すると共に、これらのハ
ブ41とサイドギヤ37の間を貫通する連結部95によ
りハブ91がハブ53に連結されているから、図6の従
来例と異なって、左右の後車軸9,11を等長にでき
る。こうして、リヤデフ7が構成されている。 【0030】次に、図2と図3とにより、リヤデフ7の
差動制限特性を説明する。 【0031】図2は、リヤデフ7のトランスファーレシ
オ(Rt )を示すグラフであり、第1象限が前進側の領
域であり、第3象限が後進側(コースティング側)の領
域である。45°の直線113の第1象限上側第3象限
下側は左後輪13が空転したときにリヤデフ7を介して
右後輪15に送られる軸トルクの領域であり、第1象限
下側第3象限下側は右後輪15が空転したときに左後輪
13に送られる軸トルクの領域である。 【0032】グラフ115,117,119,121は
トルク感応型差動制限手段のトランスファーレシオであ
り、これらのグラフにビスカスカップリング111の差
動制限力を加えたグラフ123,125,127,12
9がリヤデフ7全体の差動制限特性となる。 【0033】トルク感応型差動制限手段のピニオンギヤ
と収納孔との摩擦抵抗は左のサイドギヤ37が先行回転
したときと右のサイドギヤ39が先行回転したときと等
しいと共に、噛合いスラスト力による各ピニオンギヤ端
部の摺動摩擦抵抗を前記のように左右等しくしてある。
従って、この差動制限手段は前後進共に左右の片利きが
なくグラフ115とグラフ117及びグラフ119とグ
ラフ121はそれぞれ直線113に対して対称形になっ
ている。又、上記のように、摺動部81の摺動抵抗を摺
動部85,89の摺動抵抗より大きくしてあるから前進
時のグラフ115,117のRt は後進時のRt より大
きい。又、ビスカスカップリング111がS−S配置さ
れているから、その差動制限力を各グラフ115,11
7,119,121に加えたグラフ123,125,1
27,129も直線113に対して対称形であり、リヤ
デフ7は片利きが発生しない。 【0034】図4の車両において、悪路走行時に例えば
左後輪13が空転した左軸トルクがTL1まで低下しても
右後輪15には大きなTR1の軸トルクが送られて悪路走
破性が大幅に向上する。このとき、片利きがないから空
転側が左右いずれでも接地側の後輪に送られる駆動力は
等しくなり操縦性と安全性とが大幅に改善される。又、
このように大きな差動制限力が得られることは大トルク
時の車体の安定性が特に高くなり、スポーティ走行に好
適である。 【0035】又、図2のように、グラフ123,12
5,127,129の勾配はグラフ115,117,1
19,121の勾配によって決まる。従って、ビスカス
カップリング111の差動制限力の効果もグラフ11
5,117,119,121の勾配で決まり、この効果
の差はグラフ123と縦軸との接片である前進時のイニ
シャルトルクTiDと、グラフ129と縦軸との接片であ
る後進時のイニシャルトルクTiCとの差として表われ
る。ここで、グラフ123,129の勾配をそれぞれR
tD,RtCとし、ビスカスカップリング111の単体トル
クをTVCとすると、 TiD=TVC(RtD+1) TiC=TVC(RtC+1) であり、RtD>RtCであるから、TiD>TiCとなる。 【0036】このように、前後進でRt を変えたトルク
感応型差動制限手段と組合わせることにより、ビスカス
カップリング111の特性を加えた全体の特性も前後進
で変えることができる。 【0037】図3はリヤデフ7の入力トルクに対する差
動制限力を示すグラフである。グラフ131は前進時の
差動制限力が図2のグラフ123,125のRt が大き
いことにより改善され、グラフ133は後進時やエンジ
ンブレーキ時の差動制限力が図2のグラフ127,12
9のRt が小さいことにより低減されることを示してい
る。又、破線135はABS(アンチロックブレーキシ
ステム)の限界トルクを示し、エンジンブレーキ時の最
大入力トルクをT1 とすればそのときの差動制限トルク
T2 はABSの限界トルクを超えることがなく、ABS
との干渉が避けられる。 【0038】以上のように、リヤデフ7は左右のトラン
スファーレシオが均等なトルク感応型の差動制限手段に
加えて速度感応型であるビスカスカップリング111を
S−S配置したことにより、全体としても左右対称の差
動制限特性となって車両の操安性が大幅に向上する。
又、本構造を採ることによりトルク感応型差動制限手段
のトランスファーレシオを車両の前進時に大きく後進時
に小さくすることが容易となり、左右対称のままビスカ
スカップリング111の差動制限力が働いた場合でも前
進時は大きな差動制限力が得られると共に、エンジンブ
レーキの際は車両のABSとの干渉を防止できる。又、
これに加えて後車軸9,11を等長にできる。 【0039】次に、図5により第2実施例の説明をす
る。この実施例は第1実施例のリヤデフ7においてビス
カスカップリング111に替えて他の型式のカップリン
グを配置したものに相当する。以下、リヤデフ7との相
異点を主に説明する。なお、図5において図1のものと
同機能の部材には図1と同符号を附してある。左右の方
向は図5での左右の方向であり、符号を附していない部
材は図示されていない。この実施例のデファレンシャル
装置は第1実施例のリヤデフ7と同様に図4の車両のリ
ヤデフ137として用いられている。 【0040】図5のように、デフケース21の右側には
差動歯車機構75が配置され、左側にはオリフィスカッ
プリング139(速度感応型のカップリング)が配置さ
れている。差動歯車機構75は第1実施例と同様に左右
対称で車両の前進時の差動制限力が後進時より大きいト
ルク感応型の差動制限機能を備えている。 【0041】オリフィスカップリング139は、カムケ
ース141と、ロータ143と、ピストン145と、シ
リンダー147と、差動制限力調整機構149などを備
えている。ロータ143はカムケース141の内側に相
対回転自在に配置されている。カムケース141の左端
側には左のハブ151がスプライン連結されており、左
の後車軸9はこのハブ151にスプライン連結され、止
め輪57で脱落を防止されている。ハブ151とカバー
35との間にはワッシャ51が配置されている。又、ハ
ブ151はカバー35の軸支部152に支承されてい
る。ロータ143はハブ151と左のサイドギヤ37と
の間を貫通して右に延設されている。右の後車軸11は
ロータ143の右端部と右のハブ153とにスプライン
連結され、止め輪59によりハブ153との間で脱落を
防止されている。ハブ153には右のサイドギヤ39が
形成されており、右端部をデフケース21の軸支部15
4に支承されると共に、ロータ143との間に形成され
た軸支部155により互いの自由端を支承し合ってい
る。 【0042】シリンダー147はロータ143に複数個
放射状に設けられており、各シリンダー147にはシー
ル157を介してピストン145が係合している。 【0043】カムケース141にはピストン145の頂
部と摺動するカム面159が設けられている。カム面1
59にはカムケース141とロータ143の差動回転に
伴って一対のピストン145を同位相で移動させるよう
なプロフィールが与えられている。又、各シリンダー1
47は径方向の油路161を介して軸方向の油路163
に連通されている。 【0044】差動制限力調整機構149はロータ143
に装着された右のリテーナ165と左のリテーナ167
と、各リテーナ165,167間に装着されたスプリン
グ169,170と、プレートバルブ171と、オリフ
ィスプレート173などを備えている。オリフィスプレ
ート173は2本のボルトでロータ143に固定されて
おり、油路163から油圧を受けるとその外縁部が右方
に撓むようにされている。 【0045】プレートバルブ171とオリフィスプレー
ト173との間にはアキュムレータ175が形成されて
おり、オリフィスプレート173には油路163とアキ
ュムレータ175とを連通するしぼり孔177が設けら
れている。ロータ143にはワンウェイバルブ179を
介してシリンダー147と連通する油路181が設けら
れておりアキュムレータ175はプレートバルブ171
とオリフィスプレート173との隙間183を介して油
路181と連通し、油路163はロータ143とオリフ
ィスプレート173との隙間185を介して油路181
と連通している。シリンダー147、油路161,16
3,181、アキュムレータ175には作動油が充填さ
れている。ワンウェイバルブ179は作動油がシリンダ
ー147から直接隙間183,185側へ移動するのを
防止する。各隙間183,185はスプリング169,
170の付勢力を受けており油圧がある程度上昇しない
と開かないようにされている。左のリテーナ167には
シール187が装着されロータ143にはバルブ孔18
9が設けられており、アキュムレータ175の油圧が過
大になる前にリテーナ167の右方移動によりこのバル
ブ孔189はアキュムレータ175側と連通して油圧を
逃がすリリーフバルブ機能を行う。 【0046】前記のように、カムケース141が左後車
軸9に連結されロータ143が右後車軸11に連結され
ているから、後輪13,15間に差動回転が生じるとカ
ム面159との摺動によりピストン145の一部が内側
に押し下げられシリンダー147に内圧が生じ、この内
圧によりピストン145がカムケース141に押圧され
る。この押圧力によりカムケース141とロータ143
間の差動回転が制動され、後輪13,15間(差動歯車
機構75)の差動回転が制限される。シリンダー147
の内圧は差動回転数に比例するから、この差動制限機能
は速度感応型である。 【0047】シリンダー147の内圧はしぼり孔177
によって調圧されアキュムレータ175との間に差圧が
生じる。差動回転数の上昇に伴ってアキュムレータ17
5の内圧がスプリング169,170の付勢力より大き
くなると隙間183から油路181に油が流れ、シリン
ダー147の内圧が上昇するとオリフィスプレート17
3が撓み隙間185から油路181に油が流れる。こう
して、差動回転数の上昇に伴ってアキュムレータ175
や油路163から油路181とワンウェイバルブ179
を介してシリンダー147へ戻る油量が増大する。 【0048】こうして、オリフィスカップリング139
が構成されている。 【0049】オリフィスカップリング139の差動制限
特性を開度が一定の固定オリフィスを用いたものと比較
すると、シリンダー内圧が低い低差動回転域ではスプリ
ング169,170の付勢力により隙間183,185
が全閉状態であるから固定オリフィス型より大きな差動
制限力が得られ、固定オリフィス型では差動制限力が過
大に上昇する高差動回転域で隙間183,185が開い
て差動制限力の上昇が適度に抑えられる。こうして、低
差動回転域から高差動回転域まで差動回転数に対して差
動制限力がほぼリニアに変化する差動制限特性が得られ
ると共に、差動回転が0でもピストン145が受ける遠
心力により差動制限力が得られる。又、スプリング16
9,170の付勢力を変えることにより差動制限特性を
容易に変えることができる。 【0050】上記のように、オリフィスカップリング1
39はカムケース141を介して左のハブ151とサイ
ドギヤ37とを連結すると共にロータ143を右のサイ
ドギヤ39側に連結させてS−S配置にしたから、差動
歯車機構75のトルク感応型差動制限機能とオリフィス
カップリング139の両特性を合成したリヤデフ137
の差動制限特性は、前後進時共に差動制限力の左右の片
利きがないと共に、前進時には大きな差動制限力が得ら
れ後進時(コースティング時)には差動制限力を低減で
きるから、車両に優れた操安性とスポーティ走行性とを
与え、エンジンブレーキ使用時にはABSとの干渉が避
けられる。 【0051】又、オリフィスカップリング139のロー
タ143をハブ151とサイドギヤ37との間を貫通さ
せて右後車軸11と連結したから右後車軸11を左側へ
延長させる必要がなく、従って、後車軸9,11を等長
にできる。 【0052】 【発明の効果】この発明のデファレンシャル装置は、デ
フケースの収納孔に摺動自在に収納されたピニオンギヤ
と、ピニオンギヤと噛合った一対のサイドギヤとを有し
一側と他側とで均等なトルク感応型の差動制限機能を備
えた差動歯車機構をデフケースの軸方向一側に配置し、
デフケースの他側に配置した速度感応型の差動制限機能
を備えたカップリングの一側部材を介して他側のハブと
サイドギヤとを連結すると共にカップリングの他側部材
を他側のハブ及びサイドギヤの間を貫通する連結部を介
して延長し一側のハブ又は動力伝達軸と連結させること
によりS−S配置を成立させた。従って、一側と他側と
で均等な差動制限特性が得られると共にトルク感応型差
動制限機能の差動制限特性を差動回転方向で変えること
によりカップリングの効果も一側と他側とで均等を保ち
ながら差動回転方向で変えることができる。又、一側と
他側の動力伝達軸を等長にできる。
る。 【図3】第1実施例の差動制限特性を示すグラフであ
る。 【図4】各実施例を用いた車両の動力系を示すスケルト
ン機構図である。 【図5】第2実施例の断面図である。 【図6】第1の従来例の断面図である。 【図7】第2の従来例の断面図である。 【図8】第1の従来例の差動制限特性を示すグラフであ
る。 【図9】第2の従来例の差動制限特性を示すグラフであ
る。 【符号の説明】 7,137 リヤデフ(デファレンシャル装置) 9 左後車軸(他側の動力伝達軸) 11 右後車軸(一側の動力伝達軸) 21 デフケース 37 サイドギヤ(他側) 39 サイドギヤ(一側) 41,151 ハブ(他側) 43 フランジ部(カップリングの一側部材) 45 円筒部材(カップリングの一側部材) 47 フランジ(カップリングの一側部材) 53,153 ハブ(一側) 63 ピニオンギヤ 75 差動歯車機構 91 ハブ(カップリングの他側部材) 111 ビスカスカップリング(速度感応型のカップリ
ング) 139 オリフィスカップリング(速度感応型のカップ
リング) 141 カムケース(カップリングの一側部材) 143 ロータ(カップリングの他側部材)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 デフケースと、デフケースに設けられた
収納孔にギヤ外周部分が支持され摺動回転自在に収納さ
れたピニオンギヤと、ピニオンギヤとそれぞれ噛み合っ
た軸方向一側と他側のサイドギヤとを有しデフケースの
軸方向一側にオフセット配置されたトルク感応型の差動
制限機能を備えた差動歯車機構と、デフケースの軸方向
他側にオフセット配置され差動回転速度に感応して差動
制限を行う速度感応型のカップリングと、一側のサイド
ギヤが形成され動力伝達軸が連結された一側ハブと、他
の動力伝達軸が連結された他側のハブとを備え、他側の
ハブ及びサイドギヤが前記カップリングの一側部材を介
して連結されると共に、カップリングの他側部材が他側
のハブ及びサイドギヤの間を貫通する連結部を介して一
側のハブ又は一側の動力伝達軸に連結されていることを
特徴とするデファレンシャル装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23463192A JP3454848B2 (ja) | 1992-09-02 | 1992-09-02 | デファレンシャル装置 |
US08/093,051 US5458547A (en) | 1992-07-17 | 1993-07-16 | Differential apparatus with speed and torque sensitive differential limiting forces |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23463192A JP3454848B2 (ja) | 1992-09-02 | 1992-09-02 | デファレンシャル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681909A JPH0681909A (ja) | 1994-03-22 |
JP3454848B2 true JP3454848B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=16974064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23463192A Expired - Fee Related JP3454848B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-09-02 | デファレンシャル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3454848B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2953517B1 (ja) | 1998-05-20 | 1999-09-27 | 日本精機株式会社 | 充填包装機におけるヒートシール装置 |
-
1992
- 1992-09-02 JP JP23463192A patent/JP3454848B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0681909A (ja) | 1994-03-22 |
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