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JP3334705B2 - ポリスルホン系選択透過性中空糸膜 - Google Patents

ポリスルホン系選択透過性中空糸膜

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Publication number
JP3334705B2
JP3334705B2 JP2000134450A JP2000134450A JP3334705B2 JP 3334705 B2 JP3334705 B2 JP 3334705B2 JP 2000134450 A JP2000134450 A JP 2000134450A JP 2000134450 A JP2000134450 A JP 2000134450A JP 3334705 B2 JP3334705 B2 JP 3334705B2
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JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
polysulfone
hydrophilic polymer
water
Prior art date
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JP2000134450A
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Inventor
和実 田中
拓一 小林
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性高分子を含
有しながらも、架橋されて不溶化し、高度に清浄化され
た高性能中空糸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】疎水性の高分子であるポリスルホン系樹
脂からなる膜は、その良好な機械的特性および耐熱性に
よってこれまで各分野においての応用が展開されてい
る。
【0003】ところが、該素材膜の特徴である強固な撥
水性により、例えば、ある種の膜の様にオキシエチレン
ガス滅菌を実施するために、乾燥した膜の性能を発現さ
せるためには、使用時に水と馴染ませる必要があり、膜
中にグリセリンなどの親水性物質や界面活性剤等を含浸
させるなどの手段がとられていた。また膜自体の親水化
方法としても、これまでに種々の方法が検討され、耐汚
染生の向上や、生体適合生の改善について提案されてき
た。
【0004】一つの方法として、ポリマー自体を化学修
飾によって、親水化しようとする試みが、濃硫酸による
スルホン化(特開昭55-36296)方法として示されてい
る。しかしながら、この方法によってポリマーの親水化
は果せているものの、実際の分離膜の性能・品質は回示
されていず、またその製膜手段も明らかでない。
【0005】ポリスルホンと親水性高分子とのブレンド
に関しては、その紡糸性を向上させるためにポリビニル
ピロリドンやポリエチレングリコール等の添加紡糸が検
討されている(Journal Of Applied Polymer Science
Vol.20,2377-2394)。さらに同様の手法によって、シー
ト状膜ではあるが、製膜後に親水性高分子を抽出・除去
する方法(特開昭55-106243)も示されている。また特開
昭58-104940 には、膜中の親水性高分子を架橋剤や物理
化学的触媒によって架橋固定する方法が示されているが
操作が繁雑なうえに、所期の膜性能を損なう恐れもあ
り、またその効果も十分とはいえない。特開昭61-93801
には、親水性高分子の添加量を削減して、医療用途への
応用を示してあるが、記載されているごとく、親水性高
分子の完全な抽出・除去は困難である。
【0006】さらに、特開昭61-238306 や特開昭63-972
05および特開昭63-97634には親水性高分子を、熱処理や
放射線処理によって架橋固定する方法が示されている
が、孔径の小さな、例えば実質的にアルブミンをリーク
させないような膜を得るに至っていない。
【0007】一方、親水性高分子や化合物を膜表面に固
定する方法が、特開昭62-11503、特開昭63-68646、特開
昭62-125802 などに開示されている。しかしながら、こ
れらの方法は親水化が必ずしも充分でなかったり、実際
の使用時における該膜からの親水性化合物の溶出が抑え
られず、医療や高度な清浄度の要求される工業分野への
適用が果たされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解消し、不要物質の除去・有用物質の分離・回
収など、特に分子量の小さな物質の分離によって、医療
や、食品工業などの分野で、水中への溶出物の少ない、
分子量分画がシャープで、安心して使用できるポリスル
ホン系選択透過性中空糸膜を提供せんとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために、つぎの構成を有する。 「(1)親水性高分子を含有するポリスルホン系中空糸膜
において、該親水性高分子は架橋されて水に不溶化して
おり、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜構造中に存
在し、さらに、モジュールにおけるリン酸のダイアリザ
ンス(0.7m2換算)が、136ml/min以上、145m
l/min以下である医療透析モジュール用ポリスルホン系
選択透過性中空糸膜。
【0010】(2)親水性高分子を含有するポリスルホン
系中空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に
不溶化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜
構造中に存在し、さらに、モジュールにおける尿素のダ
イアリザンス(0.7m2換算)が、166ml/min以
上、172ml/min以下である医療透析モジュール用ポリ
スルホン系選択透過性中空糸膜。
【0011】(3)親水性高分子を含有するポリスルホン
系中空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に
不溶化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜
構造中に存在し、さらに、モジュールにおけるクレアチ
ニンのダイアリザンス(0.7m2換算)が、142ml/
min以上、149ml/min以下である医療透析モジュール
用ポリスルホン系選択透過性中空糸膜。
【0012】(4)親水性高分子を含有するポリスルホン
系中空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に
不溶化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜
構造中に存在し、さらに、モジュールにおけるビタミン
B12のダイアリザンス(0.7m2換算)が、92ml/
min以上、94ml/min以下である医療透析モジュール用
ポリスルホン系選択透過性中空糸膜。
【0013】(5)親水性高分子を含有するポリスルホン
系中空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に
不溶化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜
構造中に存在し、さらに、モジュールにおける生理食塩
水の透水性能が、403ml/hr/mmHg〜955ml/hr/mmHg
である医療透析モジュール用ポリスルホン系選択透過性
中空糸膜。」
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のポリスルホン系選択透過
性中空糸膜は、親水性高分子を含有するポリスルホン系
樹脂で構成されているところに特徴を有する。
【0015】ここでいうポリスルホン系樹脂とは、式
(1)もしくは式(2)から構成される。すなわち、
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】の繰り返し単位からなる樹脂であるが、官
能基を含んでいたり、アルキル系の基を含むものでもよ
く、特に限定されるものではない。
【0019】かかる樹脂からなるポリスルホン系選択透
過性中空糸膜は、製膜原液に親水性高分子を含有させた
後、これを公知の方法により中空糸膜に製膜して製造さ
れる。すなわち、上述のポリスルホン系樹脂および親水
性高分子、さらにそれらを溶解する溶媒、および孔径制
御のために水などの添加剤をくわえて、撹拌溶解し、均
一な紡糸原液を得た後、該紡糸原液を公知の方法で中空
糸に製膜するものである。
【0020】ここで親水性高分子としては、たとえばポ
リビニルピロリドン(以下PVPという)もしくはポリ
エチレングリコールなどの親水性に優れた高分子を使用
することができる。
【0021】また、ポリスルホン系樹脂および親水性高
分子を共に溶解する溶媒としては、たとえば、ジメチル
アセタミド(以下DMAcという)、ジメチルスルホキ
シド(以下DMSOという)あるいはN−メチルピロリ
ドンなどを、単独もしくは混合して使用することができ
る。
【0022】この場合、ポリスルホン系樹脂および親水
性高分子の分子量、濃度あるいは溶媒の種類や組合わせ
または添加剤の量などは、製膜性だけでなく、膜の性能
や機械的性質に大きく影響するため、慎重に選択するこ
とが好ましい。
【0023】本発明のポリスルホン系選択透過性中空糸
膜を構成する際の紡糸原液におけるポリスルホン系樹脂
の濃度は、好ましくは10〜30重量%の範囲にあるの
がよい。
【0024】特に本発明では、親水性高分子を多量に含
みながらも、放射線架橋反応によって膜内部にしっかり
と固定するため、膜に十分な親水性や、高い含水率を付
与することが可能である。ただし、膜中の親水性高分子
の膨潤によって、透過性にも影響してくるため、親水性
高分子の量は、好ましくは膜中に1〜20重量%、さら
に好ましくは3〜15重量%含まれるよう調整するのが
よい。すなわち、紡糸原液中の親水性高分子の量は、好
ましくは3〜30重量%である。これを原液中の全ポリ
マーの割合でいうならば、好ましくは5〜70重量%、
さらに好ましくは15〜50重量%である。かくして得
られる該中空糸膜の吸湿率は好ましくは10〜50重量
%で、特に適当な透過性を兼ね備えた該中空糸膜の場合
には、15〜30重量%というさらに好ましい吸湿率を
示し、なおかつ充分な親水性を有するものとなる。
【0025】次に、本発明に使用される親水性高分子の
分子量について説明すると、一つには親水性高分子の脱
離が、膜の細孔を形成する要因となる。分子量が大きく
なると膜の孔径が大きくなり、特に中空糸内部に封入す
る注入液の凝固性が低い場合にその傾向が強くなる。そ
の一方で分子量が大きい程、架橋反応が進みやすく、膜
への固定が容易になる傾向がある。したがって、その分
子量は、好ましくは1万〜50万、さらに好ましくは3
万〜10万のものを使用するのがよい。
【0026】さらに中空糸内部に封入する注入液の組成
は、その凝固性により、特に孔径制御に大きな役割を果
たす。すなわち、凝固性が低い場合には、中空糸膜の内
表面の孔径が大きくなり、透水性は高くなり、一方で
は、蛋白リークが生じてくる。また、凝固性が高い場合
には、蛋白のリークはなくなるが、透水性が低くなって
くる。したがって、中空糸膜の用途や目的に応じて、注
入液の組成を変更するのが好ましい。
【0027】しかしながら、従来の中空糸膜に比較し
て、本発明による膜は、高い透水性を示すにも拘らず、
蛋白のリークが認められない点に特徴を有する。これ
は、膜内表面近傍の緻密層に集中(偏って分布)させた
親水性高分子によって、膜の透過バランスが改善された
ためである。
【0028】また、本発明のポリスルホン系選択透過中
空糸膜は、高い透水性を有するにも拘らず、そのシャー
プな分子量分画によって、たとえばエンドトキシン除去
フィルターのような、蛋白による目詰まりのない使用法
においては、特にその特性を発揮する。すなわち、小さ
な膜面積のモジュールを用いても、回路の圧力損失を伴
なうことなく高い除去性能を有し、エンドトキシンフリ
ーの瀘過液を供給することが可能になる。
【0029】本発明の中空糸膜は、上述のように設定さ
れた条件下で、環状スリット型口金から、通常は乾湿式
紡糸法によって、吐出・凝固・水洗し、乾燥による膜性
能変化を防ぐため、グリセリンなどの乾燥防止剤を付与
して巻取り、所定の長さに切断した後、中空糸内部の封
入液を脱液して糸束とする。
【0030】かかる中空糸膜を、放射線架橋するには、
以下の方法が好ましく用いられる。
【0031】すなわち、(1)糸束の状態で放射線架橋
処理する方法、(2)一旦モジュール化して放射線架橋
処理する方法、などである。
【0032】この場合、架橋に必要な放射線の照射線量
は10〜50 KGyであり、これより低い場合には、充分
な架橋反応が行なわれない傾向があり、また高すぎる場
合には、中空糸膜の劣化が進行する傾向がある。
【0033】放射線による架橋処理を、糸束の状態で行
なう場合には、付着したグリセリンが架橋反応の促進を
阻害するため、該付着量を極力少なくするか、もしくは
グリセリン処理を行なわずに架橋処理するのが好まし
い。その場合、膜の性能が乾燥劣化してヒドロゲル構造
が破壊されないよう、厳密な付着液管理の下に放射線架
橋処理を行なう。その後、通常の糸束と同様の方法でモ
ジュール化を行なう。
【0034】モジュール化の方法は、公知の手段によっ
て行なう。
【0035】すなわち、通常は、ポリウレタン系のポッ
ティング材を用いて、スチレン樹脂などのケースに糸束
を挿入し、遠心ポッティングを行なうが、耐熱性のある
エポキシ樹脂やシリコン樹脂などのポッティング材で、
AS樹脂やポリカーボネート樹脂などのケースを用いた
り、あるいは糸束を立てた状態でその底部をポッティン
グする、いわゆる静置ポッティングを行なうこともあ
る。いずれにしてもその目的、用途に応じたモジュール
化を行なうのが好ましいが、本発明の特徴である親水性
高分子の架橋・固定に必要な放射線などを透過すること
ができる素材であればよい。その後、モジュールの端面
を切断し、中空糸開孔部を整え、ヘッダー・パッキンな
どを装着して、リークテストを行なう。
【0036】次に、中空糸膜内部に残存する微量の溶媒
や、乾燥防止のために付与したグリセリンなどを水洗す
る。この時、膜中の親水性高分子については、後の架橋
・固定によって不溶化するため、特に留意する必要はな
い。ただし、膜全体を充分な湿潤状態に保持するのが好
ましく、特に好ましくはモジュール内に水を充填した状
態にしておく(飽和含水率以上にする)のがよい。通
常、該中空糸膜の飽和含水率は400%前後であり、含
水率をこれ以上に保持しておくのが好ましい。
【0037】飽和含水率は、中空糸膜を0.5Gで1分
間遠心脱水した時の含水量の、130℃で5時間乾燥し
た後の中空糸膜重量に対する百分率(%)で表わされる
ものであり、後述の実施例では水を充填した状態にして
いるので、いずれも約1000%に保持されている。飽
和含水率未満の状態では、後述の放射線による水溶性高
分子の架橋を充分に行なうことができなくなり、水溶性
高分子の架橋水不溶分が少なくなる傾向を示すので注意
を要する。
【0038】本発明では、このようにモジュールを充分
な湿潤状態に保持した後に、親水性高分子に放射線照
射、特にγ線照射を行ない架橋・固定を行なう。この放
射線による架橋反応は、従来の化学的な方法に比較し
て、格段に確実で均一に施されるものである。
【0039】この時、親水性高分子の架橋と同時にポリ
スルホン系樹脂やポッティング材およびケースなどの劣
化を伴なうこともある。したがって、放射線照射量は、
好ましくは10〜50 KGyの範囲で行なうのが好まし
い。この放射線照射により若干の中空糸の伸度低下やヘ
ッダー・ケースの着色が認められる場合もあるが、特に
問題になる程度ではない。
【0040】かかる放射線照射により、該モジュールの
滅菌を同時に行なうこともできる。この場合の滅菌可能
な放射線照射量も、上述の架橋反応で使用する10〜5
0 KGyの範囲内であるが、実際の滅菌にあたっては、該
モジュールにおいて、照射線量と滅菌効率(照射前の菌
数に対する照射後の菌数の比)との関係を示すD値を測
定して照射線量を設定するのが好ましい。
【0041】上述の放射線としては、γ線またはX線を
用いることができるが、γ線が透過性や架橋のし易さな
どの点から好ましい。X線としては設備的に有利な電子
線変換X線を用いるのが好ましい。ただし変換X線の場
合には、その透過性がγ線より劣るため、対象物の厚
み、配置など、その照射方法を変更するのが好ましい。
【0042】かくして得られる親水性高分子が架橋・固
定された中空糸膜は、透析型人工腎臓装置承認基準に示
された「透析器の品質及び試験法」の透析膜の溶出物試
験(以下人工腎臓基準という)に記載されている方法に
より、溶出物の評価をすると、紫外線吸収スペクトルと
して、層長10mmで波長220〜350nmにおける吸光
度が0.1以下という優れた値を示すものである。
【0043】該モジュールをさらに清浄にする場合に
は、溶出物を含んだ充填液を一旦排出し、該モジュール
を再度水洗する。そしてモジュール内に水もしくは、必
要に応じて生理食塩水などを充填する。この時、滅菌効
果を高めるために充填水中に過酸化水素を添加すること
も可能である。
【0044】このモジュールをポリエチレン袋などに封
入シールを行ない、段ボールケースなどに梱包する。こ
の状態で、放射線(γ線)照射による滅菌を行なうが、
この場合にも、上述のD値を測定して適切な照射線量を
設定する。この場合も照射線量が多すぎると、膜素材や
ケースなどの劣化を来たすため、適切な線量を照射する
のが好ましい。
【0045】以上のように、本発明のポリスルホン系選
択透過性中空糸膜は、高い透水性を有しながら蛋白リー
クしないという優れた性能バランスを保持するために、
原則的にはその製造過程に於いて乾燥は行なわない。
【0046】本発明のポリスルホン系選択透過性中空糸
膜は、上述のような方法で製造されるためか、ヒドロゲ
ル状態という特徴ある形で完成される。すなわち、添加
された親水性高分子が、膜全体に分散し、強固に絡みあ
った状態で架橋・固定されているものである。このこと
は、該中空糸膜をDMAcに浸漬し、膜中のポリスルホ
ン系ポリマーを抽出した後に、架橋された親水性高分子
が中空糸状形態を保持した状態で、光学顕微鏡によって
観察されることから明らかである。
【0047】この様に、親水性高分子を放射線架橋する
ことによって、水に不溶化し、該膜からの溶出物を極端
に減少させるとともに、膜に充分な親水性を付与するこ
とによって、溶質透過性の優れたヒドロゲル状選択透過
中空糸膜として使用することが可能になった。
【0048】図1は、実施例6および比較例6の中空糸
膜からの抽出液を、分光々度計UV-160(島津製作所製)
で測定したときの紫外線吸収スペクトルである。図1の
吸収スペクトルから明らかなように、比較例6の未架橋
の中空膜からの抽出液の吸光度に比して、実施例6の架
橋中空糸膜からの抽出液の吸光度は極めて低く、すなわ
ち目標吸光度より低く、溶出物が格段に低減されている
ことがわかる。
【0049】図2は、架橋PVPを含有する本発明のポ
リスルホン系選択透過性中空糸膜の水中での繊維形状を
示した顕微鏡写真(50倍)である。図2のように、架
橋PVPを含有する本発明の該中空糸膜は、水中でPV
Pが溶出することなく、中空糸形状を保持していること
がわかる。
【0050】図3は、中空糸中に含有するPVPを架橋
する前のポリスルホン系中空糸膜をDMAcに溶解した
ときの繊維形状を示す顕微鏡写真(50倍)である。図
3から、ポリスルホンと同様にPVPも溶出して形態が
くずれていることがわかる。
【0051】図4は、中空糸膜中に存在するPVPをγ
線架橋した後の本発明のポリスルホン系選択透過性中空
糸膜をDMAc中で溶解したときの繊維形状を示す顕微
鏡写真(50倍)である。図4から、ポリスルホンが溶
解された後も、透明の架橋PVPはDMAcに溶解しな
いで中空糸形状を保持していることがわかる。
【0052】図5は、後述の図6の反対側(内側)の中
空糸膜の繊維構造を超薄切片で観察したときの透過型電
子顕微鏡写真(40000倍)である。図5から明らか
なように、オスミック酸で染色されたPVP成分(黒
色)が、中空糸内表面近傍に集中して存在していること
がわかる。
【0053】図6は、中空糸膜の繊維構造を超薄切片で
観察したときの透過型電子顕微鏡写真(40000倍)
である。図6から、オスミック酸で染色されたPVP成
分(黒色)が、中空糸膜の外表面近傍には稀薄にしか存
在しないことがわかる。なお、灰色部分はポリスルホン
である。
【0054】
【実施例】以下、実施例によって具体的に説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。
【0055】中空糸膜の特性の評価は以下の方法によっ
た。 [溶出物量]人工腎臓基準<透析膜の溶出物試験>によ
る 膜1.5g を水150mLにいれ、70±5℃で1時間加
温した試験液を、予め煮沸冷却した空試験液を対照とし
て、層長10mmで波長220〜350nmにおける紫外線
吸光度を測定した。なお、紫外線吸光度(以下、単に吸
光度と略す)は、通常220nmにおいて最も高くなるの
で、以下の吸光度は220nmでの値を示す。 [DMAc不溶分]120℃で5時間乾燥した膜1g を
DMAc50mLとともに、回転子を用いて5時間充分な
撹拌を行なってから、予め秤量したガラスフィルター
(2G-2)で瀘過し、130℃で8時間乾燥して得られた
固形分量の膜全量に対する割合(重量%)をDMAc不
溶分とした。 [含有PVP量]元素分析計(柳本製作所製:CHNコ
ーダーMT-5)を用いて測定した総窒素量から含有PVP
量を換算した。 [架橋PVP量]含有PVP量のうち、DMAc不溶分
に満たない量を架橋PVP量とした。 [架橋PVPの分散状態]中空糸膜をDMAcに浸漬
し、24時間放置した後の該膜を、光学顕微鏡で観察し
た。
【0056】また中空糸膜をオスミック酸染色し、超薄
切片とした後、透過型電顕観察によって、PVPの分散
状態をしらべた。 [吸湿率]五酸化リンのデシケータ中で恒量にした中空
糸膜を秤量した後、湿度100%・25℃のデシケータ
中で恒量にした中空糸を秤量し、ポリマー量に対する水
分の百分率として算出した。 [中空糸膜の透過性]長さ15cmの中空糸30本を用い
て、小型ガラス管モジュールを作成し、膜の外と内の圧
力差、すなわち膜間圧力差、約100mmHgでの、水の透
過性(水UFRS:ml/hr/mmHg/ m2 )を算出した。
【0057】また、該モジュールに総蛋白濃度7.5 g
/dlの牛血漿を0.6ml/min で循環しながら、膜間圧
力差50mmHgで1時間瀘過し、その平均瀘過量から牛血
漿の透過性(牛血漿UFRS:ml/hr/mmHg/ m2 )を測定
し、瀘液の蛋白質試験(アルブスティックス:マイルス
・三共株式会社製)で、アルブミンのリーク程度を調べ
た。
【0058】さらに同様のモジュールを、ミオグロビン
(分子量:16,800、60ppm )、ペプシン(分子量:3
5,000、300ppm )、牛アルブミン(分子量:67,00
0、300ppm )などの溶質水溶液を1.5ml/min の
流量で循環させ、透過液の溶質濃度を測定して、各溶質
の透過係数を算出した。
【0059】透過係数=(透過液濃度/供給液濃度) [モジュールの透過性能]中空糸5,000〜9,00
0本からなる、膜面積が約0.7〜1.2 m2 のモジュ
ールを用いて、生理食塩水での水の透過性(生理食塩水
UFRP:ml/hr/mmHg)を測定する。
【0060】次に、ヘマトクリット35重量%・蛋白濃
度4.5 g/dlの牛血を、200ml/min で循環しなが
ら、該モジュールの最高透過性(プラトーUFR :ml/mi
n )を測定する。さらに、膜間圧力差を変更して、牛血
での透過性(牛血UFCO:ml/hr/mmHg)を測定する。こ
の時の原血および瀘液のアルブミン濃度をBCG法で測
定し、アルブミンの透過率(%)を測定する。実質的に
アルブミンを透過しないとは、アルブミン透過率が5%
以下であることを意味する。
【0061】一方、同様なモジュールを用いて、生理食
塩水系で、尿素(1000ppm )・クレアチニン(20
0ppm )・リン酸(50ppm )およびビタミンB12(2
0ppm )のダイアリザンスを測定する。血液側の流量は
200ml/min 、透析液側流量は500ml/min とし、
瀘過速度は10ml/min で行なった。
【0062】−透過性能は中空糸・モジュールとも37
℃で評価した。 [エンドトキシン除去性能]膜面積約0.7 m2 のモジ
ュールを作製し、中空糸の外側から内側へ、水道水を約
0.3μのフィルターで瀘過した液を、500ml/min
の割合で供給する。この時の圧力損失を測定し、また供
給液および透過液のエンドトキシン濃度をリムルステス
ト法(和光純薬株式会社製)で測定し、エンドトキシン
(ETと略す)除去率を算出する。
【0063】K(ET)=(A−B)/A×100(%) 式中 K(ET):ET除去率 供給液ET濃度:A 透過液ET濃度:B 実施例1 ポリスルホン(P-3500:AMOCO 社製)18部とPVP
(K-30:分子量4万:BASF社製)9部をDMAc43部
とDMSO29部および水1部に加えて、80℃に保温
しながら15時間撹拌溶解して紡糸原液を作成した。こ
の紡糸原液は、25℃で58ポイズ(落球粘度:JIS-Z8
803 )の均一で澄明であった。
【0064】該紡糸原液を、外径0.35mmφ・内径
0.25mmφ・注入孔径0.15mmφの環状スリット口
金から、2.0 g/min の割合で吐出し、同時に注入孔
から水を1.3 g/min の速度で注入した。乾式部分の
長さは300mmで20℃の凝固浴(DMAc:水=2
0:80)に導き、凝固・水洗を行なった後、中空糸の
抱液を70重量%のグリセリン水溶液に置換して、33
m/min の巻取速度でカセ状に巻取った。
【0065】得られた中空糸の水UFRSは780ml/hr/
mmHg/ m2 であった。牛血漿UFRSは36ml/hr/mmHg/
m2 であり、瀘液の蛋白質試験は−で、全くリークは認
められなかった。
【0066】さらに、該中空糸から膜面積0.7 m2 の
モジュールを作製し、該モジュールを35℃の温水で水
洗した後、水を充填した状態で25KGy の線量でγ線照
射した。このモジュールの中空糸膜からの抽出液の吸光
度は0.048であった。
【0067】さらに該モジュールの充填液を排出し、再
度水洗を行なった後、ポリエチレン袋にシールし、製品
モジュール用の梱包を施してから、線量25KGy のγ線
照射滅菌を行なった。
【0068】得られたモジュールの生理食塩水UFRPは4
03ml/hr/mmHgで、牛血評価によるプラトーUFR は9
0ml/min 、牛血UFCOは50ml/hr/mmHgと高い性能を
示した。この時の瀘液中のアルブミン透過率は0.21
%で実質的にリークは認められなかった。また該モジュ
ールのダイアリザンスは次の様であり、高い透過性能を
有していた。
【0069】 また、該モジュールから取り出した中空糸膜のPVP含
有量は5.8重量%であった。さらに該中空糸膜からの
抽出液の吸光度は0.046でありながら、吸湿率は2
1.3重量%と高い親水性を示していた。 実施例2 ポリスルホン(P-3500)18部とPVP(K-30)18部
をDMAc38部とDMSO25部および水1部に加え
て、80℃に保温しながら15時間撹拌溶解して得られ
た紡糸原液を用いて、実施例1と同様に紡糸した。
【0070】得られた中空糸を試験管に挿入し、水を充
填した状態で25KGy の線量でγ線照射した。照射後の
中空糸の水UFRSは360ml/hr/mmHg/ m2 で、牛血漿
UFRSは23ml/hr/mmHg/ m2 であった。この時の瀘液
の蛋白質試験は±で、ほとんどリークは認められなかっ
た。また中空糸膜中のPVP含有量は8.7重量%と非
常に多いにも拘らず、該中空糸からの抽出液の吸光度は
0.093と高い清浄性を有していた。 実施例3 ポリエーテルスルホン(VICTREX 4800P :ICI 社製)1
8部とPVP(K-30)9部をDMSO72.6部と水
0.4部に加えて、80℃に保温しながら6時間撹拌溶
解して紡糸原液を作成した。この紡糸原液は、25℃で
104ポイズの均一で澄明であった。
【0071】該紡糸原液を用いて、実施例1と同様に水
を注入液として紡糸を行なった。得られた中空糸の水UF
RSは260ml/hr/mmHg/ m2 であった。牛血漿UFRSは
28ml/hr/mmHg/ m2 であり、瀘液の蛋白質試験は−
で、全くリークは認められなかった。さらに、該中空糸
を試験管に挿入し、水を充填した状態で25KGy の線量
でγ線照射した。このγ線照射中空糸膜からの抽出液の
吸光度は0.064であった。この膜のDMAc不溶分
は9重量%、吸湿率は32.7重量%と良好な親水性を
保持していた。 実施例4 ポリスルホン(P-3500)を4部と、同じくポリスルホン
(P-1700:AMOCO 社製)を12部、PVP(K-90:分子
量36万:BASF社製)6部をDMAc47部とDMSO
30部および水1部に加えて、80℃に保温しながら1
5時間撹拌溶解して紡糸原液を作成した。この30℃で
64ポイズの紡糸原液を用いて、実施例1と同様に紡糸
した。
【0072】得られた中空糸の水UFRSは180ml/hr/
mmHg/ m2 であった。牛血漿UFRSは26ml/hr/mmHg/
m2 であり、瀘液の蛋白質試験は±で、ほとんどリーク
は認められなかった。
【0073】この中空糸から膜面積0.72 m2 のモジ
ュールを作製し、該モジュールを35℃の温水で水洗し
た後、水を充填した状態で25KGy の線量でγ線照射し
た。
【0074】このモジュールの中空糸膜からの抽出液の
吸光度は0.047であった。さらに該モジュールの充
填液を排出し、再水洗した後、線量25KGy のγ線照射
滅菌を行なった。
【0075】得られたモジュールの生理食塩水UFRPは1
26ml/hr/mmHgで、牛血評価によるプラトーUFR は8
6ml/min 、牛血UFCOは43ml/hr/mmHgと高い性能を
示した。この時の瀘液中のアルブミン透過率は0.26
重量%で実質的にリークは認められなかった。また該モ
ジュールのダイアリザンスも下記の様に高い値を示し
た。
【0076】 また、該モジュールから取り出した中空糸膜の、DMA
c不溶分は13.6重量%で、吸湿率も21.3重量%
と高い親水性を示しながらも、該中空糸膜からの抽出液
の吸光度は0.046と溶出物レベルは低く、モジュー
ルの充填液の吸光度は0.115と高い清浄性を有して
いた。 実施例5 ポリスルホン(P-3500)を18部と、PVP(K-30)9
部をDMAc44部、DMSO28部および水1部に加
えて、80℃に保温しながら15時間撹拌溶解して得た
紡糸原液を用いて、注入液組成をDMAc/水=60/
40にした他は実施例1と同様に紡糸した。該中空糸か
ら膜面積が1.14 m2 のモジュールを作製し、水洗し
た後、水を充填した状態で25KGy の線量でγ線照射し
た。さらに該モジュールの充填液を排出し、再水洗した
後、線量25KGy のγ線照射滅菌を行なった。
【0077】得られたモジュールの生理食塩水UFRPは9
55ml/hr/mmHg/ m2 で、牛血によるプラトーUFR は
106ml/min 、牛血UFCOは72ml/hr/mmHgと高い性
能を示した。この時の瀘液中のアルブミン透過率は0.
26%で実質的にリークは認められなかった。また該モ
ジュールのダイアリザンスも高い値を示した。
【0078】 該中空糸膜からの抽出液の吸光度は0.037と溶出物
レベルは低く、モジュールの充填液の吸光度は0.11
9と高い清浄性を有していた。 実施例6 ポリスルホン(P-3500)を15部と、PVP(K-30)9
部をDMAc45部とDMSO30部および水1部に加
えて、溶解して得た紡糸原液を、実施例1と同様に紡糸
した。
【0079】得られた中空糸の水UFRSは950ml/hr/
mmHg/ m2 であった。牛血漿による瀘液の蛋白質試験は
−で、全くリークは認められなかった。
【0080】さらに、該中空糸から膜面積0.67 m2
のモジュールを作製し、水洗した後、水を充填した状態
で25KGy の線量でγ線照射した。
【0081】このモジュールの中空糸膜からの抽出液の
吸光度は0.053であった。さらに該モジュールのE
T除去性能を評価したところ、0.67 m2 と低い膜面
積にも拘らず、500ml/min 通液時の圧力損失は98
mmHgであった。
【0082】また、ET濃度66pg/dlの供給液からE
T濃度0.01pg/dl以下の透過液を得ることができ、
ETフィルターとして優れた性能を示した。 実施例7 実施例6で得られた中空糸を用いて、有効長9cm、膜面
積22cm2 の小型モジュールを作成し、各溶質の透過係
数を測定した。その結果、下表のように極めて分画がシ
ャープな膜が得られていることがわかった。
【0083】 溶 質 (分子量) 濃度(ppm ) 透過係数 ミオグロビン (16,800) 60 0.956 ペプシン (35,000) 300 0.529 牛アルブミン (67,000) 300 0.111 市販のPMMA(ポリメチルメタアクリレート)中空糸
膜を用いて、実施例7と同じモジュールを作成して、同
じ測定をした時の各溶質の透過係数は、それぞれミオグ
ロビン0.77、ペプシン0.23、アルブミン0.1
7であった。 比較例1〜6 実施例1〜6で得られた未架橋の中空糸膜からの抽出液
の吸光度は、それぞれ0.265、1.020、0.3
16、0.749、0.271、0.493と高い値を
示し、膜からのPVP溶出が抑えられず、人工腎臓基準
に不合格であり、清浄性が要求される用途には適さない
ものであった。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、膜からの溶出物流出な
どの懸念なく、膜に対して充分な親水性を与えうる親水
性高分子の添加が可能であり、しかも、本発明の中空糸
膜は、優れた瀘過性能と清浄性を併せて必要とする医療
や医薬・食品などその他の膜分離分野に好適に使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、実施例6および比較例6のそれぞれ
の中空糸膜からの抽出液を、分光々度計UV-160(島津製
作所製)で測定した紫外線吸収スペクトルを示したもの
である。
【図2】この図は、架橋PVPを含有する本発明のポリ
スルホン系選択透過性中空糸膜の水中での繊維形状を示
す顕微鏡写真である。
【図3】この図は、含有PVPをγ線架橋する前のポリ
スルホン系中空糸膜のDMAc中での繊維形状を示す顕
微鏡写真である。
【図4】この図は、含有PVPをγ線架橋した後の本発
明のポリスルホン系選択透過性中空糸膜をDMAc中で
ポリスルホンを溶解したときの、不溶のγ線架橋PVP
からなる中空糸膜の繊維形状を示す顕微鏡写真である。
【図5】この図は、中空糸膜の内表面の繊維構造を超薄
切片で観察した透過型電子顕微鏡写真である。
【図6】この図は、中空糸膜の外表面の繊維構造を超薄
切片で観察した透過型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/68 B01D 69/08

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性高分子を含有するポリスルホン系中
    空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に不溶
    化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜構造
    中に存在し、さらに、モジュールにおけるリン酸のダイ
    アリザンス(0.7m2換算)が、136ml/min以上、
    145ml/min以下である医療透析モジュール用ポリスル
    ホン系選択透過性中空糸膜。
  2. 【請求項2】中空糸膜に存在する親水性高分子が、中空
    糸膜の内側表面近傍に偏在する請求項1記載のポリスル
    ホン系選択透過性中空糸膜。
  3. 【請求項3】中空糸膜が、実質上アルブミンを透過させ
    ないことを特徴とする請求項1または2に記載のポリス
    ルホン系選択透過性中空糸膜。
  4. 【請求項4】親水性高分子を含有するポリスルホン系中
    空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に不溶
    化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜構造
    中に存在し、さらに、モジュールにおける尿素のダイア
    リザンス(0.7m2換算)が、166ml/min以上、1
    72ml/min以下である医療透析モジュール用ポリスルホ
    ン系選択透過性中空糸膜。
  5. 【請求項5】中空糸膜に存在する親水性高分子が、中空
    糸膜の内側表面近傍に偏在する請求項4記載のポリスル
    ホン系選択透過性中空糸膜。
  6. 【請求項6】中空糸膜が、実質上アルブミンを透過させ
    ないことを特徴とする請求項4または5に記載のポリス
    ルホン系選択透過性中空糸膜。
  7. 【請求項7】親水性高分子を含有するポリスルホン系中
    空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に不溶
    化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜構造
    中に存在し、さらに、モジュールにおけるクレアチニン
    のダイアリザンス(0.7m2換算)が、142ml/min
    以上、149ml/min以下である医療透析モジュール用ポ
    リスルホン系選択透過性中空糸膜。
  8. 【請求項8】中空糸膜に存在する親水性高分子が、中空
    糸膜の内側表面近傍に偏在する請求項7記載のポリスル
    ホン系選択透過性中空糸膜。
  9. 【請求項9】中空糸膜が、実質上アルブミンを透過させ
    ないことを特徴とする請求項7または8に記載のポリス
    ルホン系選択透過性中空糸膜。
  10. 【請求項10】親水性高分子を含有するポリスルホン系
    中空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に不
    溶化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜構
    造中に存在し、さらに、モジュールにおけるビタミンB
    12のダイアリザンス(0.7m2換算)が、92ml/mi
    n以上、94ml/min以下である医療透析モジュール用ポ
    リスルホン系選択透過性中空糸膜。
  11. 【請求項11】中空糸膜に存在する親水性高分子が、中
    空糸膜の内側表面近傍に偏在する請求項10記載のポリ
    スルホン系選択透過性中空糸膜。
  12. 【請求項12】中空糸膜が、実質上アルブミンを透過さ
    せないことを特徴とする請求項10または11に記載の
    ポリスルホン系選択透過性中空糸膜。
  13. 【請求項13】親水性高分子を含有するポリスルホン系
    中空糸膜において、該親水性高分子は架橋されて水に不
    溶化しており、かつ水を含有してヒドロゲル状態で膜構
    造中に存在し、さらに、モジュールにおける生理食塩水
    の透水性能が、403ml/hr/mmHg〜955ml/hr/mmHgで
    ある医療透析モジュール用ポリスルホン系選択透過性中
    空糸膜。
  14. 【請求項14】中空糸膜に存在する親水性高分子が、中
    空糸膜の内側表面近傍に偏在する請求項13記載のポリ
    スルホン系選択透過性中空糸膜。
  15. 【請求項15】中空糸膜が、実質上アルブミンを透過さ
    せないことを特徴とする請求項13または14に記載の
    ポリスルホン系選択透過性中空糸膜。
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