JP3219460B2 - 光学素子成形型とその製造方法 - Google Patents
光学素子成形型とその製造方法Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/08—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
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- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/03—Press-mould materials defined by material properties or parameters, e.g. relative CTE of mould parts
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子を押圧成形す
る成形型と、その製造方法に関する。
る成形型と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス素材を加熱軟化して光学素子を加
圧成形する技術は知られている。この加圧成形する成形
型の型形状をガラス素材に正確に転写することが重要と
なるが、肉厚差が大きい成形品などを成形する場合にお
いて、ガラス素材内部の温度分布の差が大きくなり、い
わゆるヒケと称する現象が生じてしまう。このような現
象を防ぐために、従来例として、例えば特開平1−14
8716号公報がある。この公報に記載されている技術
は、型成形面部を同芯にいくつかの部材に分割してそれ
ぞれを独立に温度制御することでガラスの冷却速度に差
をつけるという技術である。なお、詳しくは図8に基づ
いて説明する。
圧成形する技術は知られている。この加圧成形する成形
型の型形状をガラス素材に正確に転写することが重要と
なるが、肉厚差が大きい成形品などを成形する場合にお
いて、ガラス素材内部の温度分布の差が大きくなり、い
わゆるヒケと称する現象が生じてしまう。このような現
象を防ぐために、従来例として、例えば特開平1−14
8716号公報がある。この公報に記載されている技術
は、型成形面部を同芯にいくつかの部材に分割してそれ
ぞれを独立に温度制御することでガラスの冷却速度に差
をつけるという技術である。なお、詳しくは図8に基づ
いて説明する。
【0003】図8は、上記公報に記載された第1図で、
成形用金型の成形中の状態を示す正面よりの断面図であ
る。押圧型30は、上側成形型31と、上側成形型31
に対向して配置されている下側型部材32とから構成さ
れている。下側型部材32は、軸方向に同心円状に分割
された分割型33と分割型34とから構成されている。
上記構成からなる押圧型30にてガラス素材35を押圧
成形する際、各分割型33,34をそれぞれ独立して温
度制御することにより、ガラス素材35に対して同心円
状に温度差をつけているという構成の技術である。
成形用金型の成形中の状態を示す正面よりの断面図であ
る。押圧型30は、上側成形型31と、上側成形型31
に対向して配置されている下側型部材32とから構成さ
れている。下側型部材32は、軸方向に同心円状に分割
された分割型33と分割型34とから構成されている。
上記構成からなる押圧型30にてガラス素材35を押圧
成形する際、各分割型33,34をそれぞれ独立して温
度制御することにより、ガラス素材35に対して同心円
状に温度差をつけているという構成の技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の押圧型によ
る成形方法を実施するに当たっては、成形装置の温度制
御手段やその構成が複雑化して、原価高となるという問
題があった。また、同芯円状に分割された型を製造する
には、極めて困難が伴うという問題があった。即ち、分
割された型同志の間に生ずる隙間や段差が少しでも生ず
れば、そこにガラスが食い込んで成形された光学素子に
バリの発生が生じてしまうという問題があった。
る成形方法を実施するに当たっては、成形装置の温度制
御手段やその構成が複雑化して、原価高となるという問
題があった。また、同芯円状に分割された型を製造する
には、極めて困難が伴うという問題があった。即ち、分
割された型同志の間に生ずる隙間や段差が少しでも生ず
れば、そこにガラスが食い込んで成形された光学素子に
バリの発生が生じてしまうという問題があった。
【0005】また、上記隙間や段差を小さく構成するた
めには、同芯円状に組み合わせる部分の内外径の寸法や
円筒精度などの公差を極めてシビアな寸法に形成しなか
ればならず、非常に加工が難しい。特に、ガラス光学素
子成形用型として利用される耐熱材料は、超硬合金や各
種セラミックスなどであり、これらの難削材を上記した
ようなシビアな公差で加工するということは実質的困難
である。また、上記加工することができたとしても、そ
れぞれの部材の隙間が非常に小さいがために、組み合わ
せることが極めて困難であり、作業性が悪く従って、上
記の状態で組み合わせる際に、微かでも傾きがあれば両
部材がコジッテしまうという虞があり、更に全く隙間が
無く組み合わせて造ることは、現実的には無理である。
従って上記公報記載の方法の型にて成形できるのは、少
々のバリが発生しても使用上差しかえないものの光学素
子の成形か、または成形後のおける諸加工を施し大巾に
原価高となってもよい場合の光学素子に限られるという
制約があった。
めには、同芯円状に組み合わせる部分の内外径の寸法や
円筒精度などの公差を極めてシビアな寸法に形成しなか
ればならず、非常に加工が難しい。特に、ガラス光学素
子成形用型として利用される耐熱材料は、超硬合金や各
種セラミックスなどであり、これらの難削材を上記した
ようなシビアな公差で加工するということは実質的困難
である。また、上記加工することができたとしても、そ
れぞれの部材の隙間が非常に小さいがために、組み合わ
せることが極めて困難であり、作業性が悪く従って、上
記の状態で組み合わせる際に、微かでも傾きがあれば両
部材がコジッテしまうという虞があり、更に全く隙間が
無く組み合わせて造ることは、現実的には無理である。
従って上記公報記載の方法の型にて成形できるのは、少
々のバリが発生しても使用上差しかえないものの光学素
子の成形か、または成形後のおける諸加工を施し大巾に
原価高となってもよい場合の光学素子に限られるという
制約があった。
【0006】本発明は、上記諸問題に鑑みてなされたも
ので、簡単な構成で、かつ安価な成形型にてヒケを防止
した高品質の光学素子を成形する光学素子の成形型とそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
ので、簡単な構成で、かつ安価な成形型にてヒケを防止
した高品質の光学素子を成形する光学素子の成形型とそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の成形型は、光学
素子を押圧成形する成形型において、成形する光学素子
の薄肉部と肉厚部に対応して、上記成形型内に設けた気
孔の比率を異ならせた光学素子成形型である。また本発
明の成形型は、光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型の型基材内に設けた気孔の比率を異ならせかつ
上記型基材の成形面側に上記光学素子の成形時の融着防
止用の薄膜を形成した光学素子成形型である。また本発
明の成形型は、光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型の型基材内の熱伝導率を異ならせかつ上記型基
材の成形面側に上記光学素子の成形時の融着防止用の薄
膜を形成した光学素子成形型である。また本発明の成形
型の製造方法は、光学素子を押圧成形する成形型の製造
方法において、型基材内に含有する特定成分を、成形す
る光学素子の形状に対応して、エッチングにてその気孔
率を変化させて形成した光学素子成形型の製造方法であ
る。また本発明の成形型の製造方法は、光学素子を押圧
成形する成形型の製造方法において、成形する光学素子
の形状に対応して、焼結体からなる基材内に含浸剤を含
浸させ、該基材内の焼結部と融合させて気孔率を変化さ
せて成形した光学素子成形型の製造方法である。
素子を押圧成形する成形型において、成形する光学素子
の薄肉部と肉厚部に対応して、上記成形型内に設けた気
孔の比率を異ならせた光学素子成形型である。また本発
明の成形型は、光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型の型基材内に設けた気孔の比率を異ならせかつ
上記型基材の成形面側に上記光学素子の成形時の融着防
止用の薄膜を形成した光学素子成形型である。また本発
明の成形型は、光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型の型基材内の熱伝導率を異ならせかつ上記型基
材の成形面側に上記光学素子の成形時の融着防止用の薄
膜を形成した光学素子成形型である。また本発明の成形
型の製造方法は、光学素子を押圧成形する成形型の製造
方法において、型基材内に含有する特定成分を、成形す
る光学素子の形状に対応して、エッチングにてその気孔
率を変化させて形成した光学素子成形型の製造方法であ
る。また本発明の成形型の製造方法は、光学素子を押圧
成形する成形型の製造方法において、成形する光学素子
の形状に対応して、焼結体からなる基材内に含浸剤を含
浸させ、該基材内の焼結部と融合させて気孔率を変化さ
せて成形した光学素子成形型の製造方法である。
【0008】
【作用】上記構成の光学素子成形型にて成形すると気孔
率が変わり、熱伝導率は大きく変化する。気体の熱伝導
率は、固体の熱伝導率と比較して、例えば、空気=0.
02w/m・k,グラファイト=100w/m・kと、
2〜4桁も小さいため、気孔の存在により熱伝導率は著
しく小さくなる。即ち、気孔率の大きい方が熱伝導率が
小さくなる。従って、光学素子を成形する場合成形品の
薄肉部に対応する部分の気孔率を大きく、厚肉部に対応
する部分の気孔率を小さくすることで、成形品内部の温
度分布を小さくしてヒケを防止するようにした。上記し
た概念に基づいて、型基材の特定成分をエッチング、ま
たは含浸剤を含浸させるという手法を用いて、一体のも
のから内外周で気孔率の異なるもの、「即ち、一体の基
材内でその内外周の気孔率(あるいは熱伝導率)が異な
るもの」を製造することにより、簡単な構造で、かつ安
価に成形型が製造できると共に、その型を用いて光学素
子を成形することにより、ヒケの無い高品質の光学素子
が生産性よく成形できる。
率が変わり、熱伝導率は大きく変化する。気体の熱伝導
率は、固体の熱伝導率と比較して、例えば、空気=0.
02w/m・k,グラファイト=100w/m・kと、
2〜4桁も小さいため、気孔の存在により熱伝導率は著
しく小さくなる。即ち、気孔率の大きい方が熱伝導率が
小さくなる。従って、光学素子を成形する場合成形品の
薄肉部に対応する部分の気孔率を大きく、厚肉部に対応
する部分の気孔率を小さくすることで、成形品内部の温
度分布を小さくしてヒケを防止するようにした。上記し
た概念に基づいて、型基材の特定成分をエッチング、ま
たは含浸剤を含浸させるという手法を用いて、一体のも
のから内外周で気孔率の異なるもの、「即ち、一体の基
材内でその内外周の気孔率(あるいは熱伝導率)が異な
るもの」を製造することにより、簡単な構造で、かつ安
価に成形型が製造できると共に、その型を用いて光学素
子を成形することにより、ヒケの無い高品質の光学素子
が生産性よく成形できる。
【0009】
【実施例1】本発明の光学素子成形型とその製造方法の
具体例を図面に基づいて説明する。図1〜図3は、本発
明の光学素子成形型の製造方法に係わる実施例1の成形
型の製造工程を示す。図1は、溶液を満たした容器内に
型基材を浸した状態を示す正面よりの断面図である。図
2は、図1に続く工程を示した正面よりの断面図であ
る。図3は、本実施例により製造された成形型を成形機
に装着した状態の要部を示す正面よりの断面図である。
具体例を図面に基づいて説明する。図1〜図3は、本発
明の光学素子成形型の製造方法に係わる実施例1の成形
型の製造工程を示す。図1は、溶液を満たした容器内に
型基材を浸した状態を示す正面よりの断面図である。図
2は、図1に続く工程を示した正面よりの断面図であ
る。図3は、本実施例により製造された成形型を成形機
に装着した状態の要部を示す正面よりの断面図である。
【0010】型基材を造るため、SiO276wt%,
B2O313wt%,Na2O6wt%,Al2O34
wt%、その他不可避不純物から成る組成のガラス粉末
をルツボ内に投入し、混合して1100℃にて1時間溶
解したのち、ルツボを傾けて溶解したガラスを水槽内に
投入し、水中にて急冷することにより不定形状のガラス
塊を得る。更に、急冷したガラス塊を加熱炉にて510
℃で100時間熱処理して分相を生じさせる。次に、上
記ガラス塊を所望の寸法に形成すべく研削加工工程に回
送されて研削加工される。本実施例においては、例え
ば、φ8mm,長さ20mm形状の丸棒3に研削形成さ
れる。
B2O313wt%,Na2O6wt%,Al2O34
wt%、その他不可避不純物から成る組成のガラス粉末
をルツボ内に投入し、混合して1100℃にて1時間溶
解したのち、ルツボを傾けて溶解したガラスを水槽内に
投入し、水中にて急冷することにより不定形状のガラス
塊を得る。更に、急冷したガラス塊を加熱炉にて510
℃で100時間熱処理して分相を生じさせる。次に、上
記ガラス塊を所望の寸法に形成すべく研削加工工程に回
送されて研削加工される。本実施例においては、例え
ば、φ8mm,長さ20mm形状の丸棒3に研削形成さ
れる。
【0011】上記研削工程により形成されたガラス素材
(丸棒)3を図1に矢印にて示すように、H2SO4溶
液2を満たした容器1内に投入して吊架にて240時間
浸せきする。この浸せきにより、ガラス塊3内に含まれ
ているB2O3相、Na2O相が溶液内に溶出してい
く。上記溶出方法により製造したガラス棒3を径方向に
切断した断面を観たところ、外周から3mm程度深さの
範囲まで多数の細孔が形成されていた。しかし中心部
(軸中心)からφ2の範囲では、細孔は見られなかっ
た。また、中心部と外周部とをガラス素材1から切り出
して熱伝導率を測定したところ、中心部は、1.13w
/m・k,外周部は0.77w/m・kであった。
(丸棒)3を図1に矢印にて示すように、H2SO4溶
液2を満たした容器1内に投入して吊架にて240時間
浸せきする。この浸せきにより、ガラス塊3内に含まれ
ているB2O3相、Na2O相が溶液内に溶出してい
く。上記溶出方法により製造したガラス棒3を径方向に
切断した断面を観たところ、外周から3mm程度深さの
範囲まで多数の細孔が形成されていた。しかし中心部
(軸中心)からφ2の範囲では、細孔は見られなかっ
た。また、中心部と外周部とをガラス素材1から切り出
して熱伝導率を測定したところ、中心部は、1.13w
/m・k,外周部は0.77w/m・kであった。
【0012】図2に示すように、上記方法により製造さ
れた一対のガラス棒3のうちの一方のガラス棒3に成形
される光学素子の形状に対応した成形面を形成すべく研
削工程に回送される。この研削工程において、まず溶出
したガラス塊3の下端部5を5mm切断し、更に、切断
した下端面8に近軸曲率半径が例えばR10.3mmの
凹面状の非球面6を研削研磨加工される。上記研削研磨
加工された非球面6に、付着力強化のための中間層を介
して、CrN、BNなどのガラス成形の際に融着防止効
果の高い薄膜がコートされて成形型の製造は終了する。
れた一対のガラス棒3のうちの一方のガラス棒3に成形
される光学素子の形状に対応した成形面を形成すべく研
削工程に回送される。この研削工程において、まず溶出
したガラス塊3の下端部5を5mm切断し、更に、切断
した下端面8に近軸曲率半径が例えばR10.3mmの
凹面状の非球面6を研削研磨加工される。上記研削研磨
加工された非球面6に、付着力強化のための中間層を介
して、CrN、BNなどのガラス成形の際に融着防止効
果の高い薄膜がコートされて成形型の製造は終了する。
【0013】上記方法により製造した成形型を用いて平
凸のガラス光学素子を成形する成形装置の構成を図3に
基づいて説明する。上記した方法により製造された一対
の成形型10,14は、それぞれにその基端部7と16
を装置に対向して配設した上型マウント11,下型マウ
ント17に、その成形面を互に対向して固定装着されて
いる。上型10を装着した上型マウント11内には、上
型10を加熱するため上型ヒータ13が埋設されて装置
に固定装着されている。また、下型14を装着した下型
マウント17内にも、下型14を加熱するための下型ヒ
ータ18が埋設されており、下型マウントは、成形され
るガラス素材を載置上昇して、上型10に当接して押圧
成形されるように上下動自在に構成されている。
凸のガラス光学素子を成形する成形装置の構成を図3に
基づいて説明する。上記した方法により製造された一対
の成形型10,14は、それぞれにその基端部7と16
を装置に対向して配設した上型マウント11,下型マウ
ント17に、その成形面を互に対向して固定装着されて
いる。上型10を装着した上型マウント11内には、上
型10を加熱するため上型ヒータ13が埋設されて装置
に固定装着されている。また、下型14を装着した下型
マウント17内にも、下型14を加熱するための下型ヒ
ータ18が埋設されており、下型マウントは、成形され
るガラス素材を載置上昇して、上型10に当接して押圧
成形されるように上下動自在に構成されている。
【0014】即ち、上型10と下型14との間に被ガラ
ス成形素材の転移点近くまでに加熱軟化されたガラス素
材を搬送し、下型14の上昇により、上型10と当接し
押圧成形される。この押圧成形の結果において、ヒケの
無く形状精度の良好な光学素子が得られた。また、本実
施例において、ガラス材料を多孔質化して型として用い
た例を示したが、本実施例はこれに限定するものではな
く、例えばセラミックスなどの耐熱材料であっても本実
施例と同様の結果が得られることが判った。
ス成形素材の転移点近くまでに加熱軟化されたガラス素
材を搬送し、下型14の上昇により、上型10と当接し
押圧成形される。この押圧成形の結果において、ヒケの
無く形状精度の良好な光学素子が得られた。また、本実
施例において、ガラス材料を多孔質化して型として用い
た例を示したが、本実施例はこれに限定するものではな
く、例えばセラミックスなどの耐熱材料であっても本実
施例と同様の結果が得られることが判った。
【0015】上記成形型およびその製造方法によれば、
上型の外周部の気孔率を高くすることによって、成形す
る光学素子の薄肉部(外周部)ほど、冷却速度が遅くな
るので、成形品の肉厚部(中心部)と、成形品の薄肉部
(外周部)の冷却速度差を小さく抑えることが可能とな
り、ヒケの無い光学素子を得ることができる。
上型の外周部の気孔率を高くすることによって、成形す
る光学素子の薄肉部(外周部)ほど、冷却速度が遅くな
るので、成形品の肉厚部(中心部)と、成形品の薄肉部
(外周部)の冷却速度差を小さく抑えることが可能とな
り、ヒケの無い光学素子を得ることができる。
【0016】
【実施例2】図4と図5に基づいて、本発明の光学素子
成形型とその製造方法の実施例2を説明する。図4は、
本発明の光学素子成形型とその製造方法に係わる実施例
2の製造工程を示す正面よりの断面図である。図5は、
実施例2によって製造された光学素子成形型の正面より
の断面図である。なお、本実施例の図中において、上記
実施例1と同一部材、同一形状、同一構成および同一方
法については、同一符号を用いてその説明は省略する。
成形型とその製造方法の実施例2を説明する。図4は、
本発明の光学素子成形型とその製造方法に係わる実施例
2の製造工程を示す正面よりの断面図である。図5は、
実施例2によって製造された光学素子成形型の正面より
の断面図である。なお、本実施例の図中において、上記
実施例1と同一部材、同一形状、同一構成および同一方
法については、同一符号を用いてその説明は省略する。
【0017】本実施例は、上記実施例1に説明したガラ
ス基材の要素の溶解および冷却して不定形状のガラス塊
を得ること、そのガラス塊を加熱炉にて510℃の温度
にて100時間熱処理してガラス塊に分相を生じさせる
こと、このガラス塊を研削工程にて所望の寸法に研削し
てガラス丸棒を得るまでの諸工程は同一であるので省略
する。
ス基材の要素の溶解および冷却して不定形状のガラス塊
を得ること、そのガラス塊を加熱炉にて510℃の温度
にて100時間熱処理してガラス塊に分相を生じさせる
こと、このガラス塊を研削工程にて所望の寸法に研削し
てガラス丸棒を得るまでの諸工程は同一であるので省略
する。
【0018】図4に示すようにガラス丸棒20の上端面
の中心位置から例えば深さ15mmまでφ2の孔21を
穿設し、その孔21の中にH2 So4 溶液22を注入す
る。続いて溶液22を満たしたガラス丸棒20を100
℃に保った箱体内に(図示省略)に収納し、240時間
放置する。この放置にてガラス丸棒20内のB2 O
3相、Na2 O相が溶液22内に溶出する。この溶出に
より、ガラス丸棒20内の中心部(軸心部)近傍の気孔
率が大となり、外周部は気孔率OVo1%のガラス丸棒
2が形成される。上記のガラス丸棒20は、例えば図5
に示すように下端面を近軸R12.1の凸形状の非球面
23に研削研磨加工される。以後の工程は実施例1と同
一に付き省略する。
の中心位置から例えば深さ15mmまでφ2の孔21を
穿設し、その孔21の中にH2 So4 溶液22を注入す
る。続いて溶液22を満たしたガラス丸棒20を100
℃に保った箱体内に(図示省略)に収納し、240時間
放置する。この放置にてガラス丸棒20内のB2 O
3相、Na2 O相が溶液22内に溶出する。この溶出に
より、ガラス丸棒20内の中心部(軸心部)近傍の気孔
率が大となり、外周部は気孔率OVo1%のガラス丸棒
2が形成される。上記のガラス丸棒20は、例えば図5
に示すように下端面を近軸R12.1の凸形状の非球面
23に研削研磨加工される。以後の工程は実施例1と同
一に付き省略する。
【0019】
【実施例3】図6と図7に基づいて、本発明の光学素子
成形型とその製造方法の実施例3を説明する。図6は、
本発明の光学素子成形型とその製造方法に係わる実施例
3の製造工程を示す正面よりの断面図である。図7は、
実施例3により製造された光学素子成形型を示す正面よ
りの断面図である。なお、本実施例の図中において、上
記実施例1および実施例2を同一部材、同一形状、同一
構成については、同一符号を用いてその説明は省略す
る。また、同一方法においても同様に説明を省略する。
成形型とその製造方法の実施例3を説明する。図6は、
本発明の光学素子成形型とその製造方法に係わる実施例
3の製造工程を示す正面よりの断面図である。図7は、
実施例3により製造された光学素子成形型を示す正面よ
りの断面図である。なお、本実施例の図中において、上
記実施例1および実施例2を同一部材、同一形状、同一
構成については、同一符号を用いてその説明は省略す
る。また、同一方法においても同様に説明を省略する。
【0020】図6にて符号24で示す円柱形状の部材は
所望の形状のAl2O3焼結体よりなる基材を研削加工
したものである。例えばφ11長さ20mmに研削加工
されたものである。この研削加工された焼結基材24
を、SiO269%、B2O310%、Na2O9%、
K2O8%、BaO3%と、不可避不純物からなるガラ
ス融液25を満たした容器1内に吊架にて浸せきした状
態を示しているのが図6である。上記焼結基材24を浸
せきしたガラス融液25は、常に1500℃に保たれて
おり、このガラス融液25内に2時間浸せきすることに
より、図6に示す矢印のようにガラス溶融25は、焼結
基材24の内部に浸透していく。浸透したガラス融液2
5と焼結基材24内のAl2O3とが融合して完全に一
体化してガラス丸棒27となる。この一体化したガラス
丸棒27を再度φ11長さ20mm形状に研削加工され
る。
所望の形状のAl2O3焼結体よりなる基材を研削加工
したものである。例えばφ11長さ20mmに研削加工
されたものである。この研削加工された焼結基材24
を、SiO269%、B2O310%、Na2O9%、
K2O8%、BaO3%と、不可避不純物からなるガラ
ス融液25を満たした容器1内に吊架にて浸せきした状
態を示しているのが図6である。上記焼結基材24を浸
せきしたガラス融液25は、常に1500℃に保たれて
おり、このガラス融液25内に2時間浸せきすることに
より、図6に示す矢印のようにガラス溶融25は、焼結
基材24の内部に浸透していく。浸透したガラス融液2
5と焼結基材24内のAl2O3とが融合して完全に一
体化してガラス丸棒27となる。この一体化したガラス
丸棒27を再度φ11長さ20mm形状に研削加工され
る。
【0021】上記本実施例により製造したガラス丸棒2
7の断面形状を見ると、外周部では気孔率が3%、中心
部では24%となっており、外周から中心に向かって徐
々に気孔率が増加していた。また、熱伝導率は中心部が
10w/m.k,最外周部で18w/m.kであった。
上記方法により製造したガラス丸棒27の一端面(符号
27の上端面)をR20.9の凸球面28に研削加工し
た。更にその凸球面28の上面にCrN,BNなどの薄
膜を積層形成して、成形装置にてガラス光学素子を成形
したところヒケ無い形状精度の良好な光学素子を得るこ
とができた。
7の断面形状を見ると、外周部では気孔率が3%、中心
部では24%となっており、外周から中心に向かって徐
々に気孔率が増加していた。また、熱伝導率は中心部が
10w/m.k,最外周部で18w/m.kであった。
上記方法により製造したガラス丸棒27の一端面(符号
27の上端面)をR20.9の凸球面28に研削加工し
た。更にその凸球面28の上面にCrN,BNなどの薄
膜を積層形成して、成形装置にてガラス光学素子を成形
したところヒケ無い形状精度の良好な光学素子を得るこ
とができた。
【0022】
【発明の効果】上記構成と方法による本発明によれば、
成形する光学素子の形状と対応形成した成形型を簡単な
方法で安価に製造することができるので、その成形型に
て成形した光学素子は、ヒケが無い高品質で原価性が良
く、かつ生産性よく成形ができるなどの諸効果を奏す
る。
成形する光学素子の形状と対応形成した成形型を簡単な
方法で安価に製造することができるので、その成形型に
て成形した光学素子は、ヒケが無い高品質で原価性が良
く、かつ生産性よく成形ができるなどの諸効果を奏す
る。
【図1】本発明の光学素子成形型の製造方法に係わる実
施例1の成形型の製造工程を示す正面よりの断面図であ
る。
施例1の成形型の製造工程を示す正面よりの断面図であ
る。
【図2】図1に続く製造工程を示す正面よりの断面図で
ある。
ある。
【図3】実施例1により製造された成形型を成形装置に
装着した状態の要部を示す正面よりの断面図である。
装着した状態の要部を示す正面よりの断面図である。
【図4】本発明の光学素子成形型とその製造方法に係わ
る実施例2の製造工程を示す正面よりの断面図である。
る実施例2の製造工程を示す正面よりの断面図である。
【図5】実施例2により製造された光学素子成形型を示
す正面よりの断面図である。
す正面よりの断面図である。
【図6】本発明の光学素子成形型とその製造方法に係わ
る実施例3の製造工程を示す正面より断面図である。
る実施例3の製造工程を示す正面より断面図である。
【図7】実施例3により製造された光学素子成形型を示
す正面よりの断面図である。
す正面よりの断面図である。
【図8】従来の光学素子の成形型による成形状態の要部
を示す正面よりの断面図である。
を示す正面よりの断面図である。
1 容器 2 H2 So4 溶液 3,20,27 ガラス棒 4,26 矢印 5 下端部 6,23,28 非球面 7 上端部 8 下端部 11 上型マウント 13 上型ヒータ 14 下型 15 上端面 16 下端面 17 下型マウント 18 下型ヒータ 21 孔 22 H2 So4 溶液 24 Al2 O3 焼結基材 25 ガラス溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−139761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 11/00 - 11/16
Claims (5)
- 【請求項1】 光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型内に設けた気孔の比率を異ならせたことを特徴
とする光学素子成形型。 - 【請求項2】 光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型の型基材内に設けた気孔の比率を異ならせかつ
上記型基材の成形面側に上記光学素子の成形時の融着防
止用の薄膜を形成したことを特徴とする光学素子成形
型。 - 【請求項3】 光学素子を押圧成形する成形型におい
て、成形する光学素子の薄肉部と肉厚部に対応して、上
記成形型の型基材内の熱伝導率を異ならせかつ上記型基
材の成形面側に上記光学素子の成形時の融着防止用の薄
膜を形成したことを特徴とする光学素子成形型。 - 【請求項4】 光学素子を押圧成形する成形型の製造方
法において、型基材内に含有する特定成分を、成形する
光学素子の形状に対応して、エッチングにてその気孔率
を変化させて形成したことを特徴とする光学素子成形型
の製造方法。 - 【請求項5】 光学素子を押圧成形する成形型の製造方
法において、成形する光学素子の形状に対応して、焼結
体からなる基材内に含浸剤を含浸させ、該基材内の焼結
部と融合させて気孔率を変化させて成形したことを特徴
とする光学素子成形型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11799292A JP3219460B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 光学素子成形型とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11799292A JP3219460B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 光学素子成形型とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05294650A JPH05294650A (ja) | 1993-11-09 |
JP3219460B2 true JP3219460B2 (ja) | 2001-10-15 |
Family
ID=14725353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11799292A Expired - Fee Related JP3219460B2 (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 光学素子成形型とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3219460B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-10 JP JP11799292A patent/JP3219460B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05294650A (ja) | 1993-11-09 |
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