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JP3289834B2 - 新規遷移金属化合物およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法 - Google Patents

新規遷移金属化合物およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法

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JP3289834B2
JP3289834B2 JP03704291A JP3704291A JP3289834B2 JP 3289834 B2 JP3289834 B2 JP 3289834B2 JP 03704291 A JP03704291 A JP 03704291A JP 3704291 A JP3704291 A JP 3704291A JP 3289834 B2 JP3289834 B2 JP 3289834B2
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olefin
cyclopentadienyl
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政弘 神野
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規遷移金属化合物に関
する。詳しくはポリ−α−オレフィン製造用触媒の一成
分として有用な新規遷移金属化合物に関する。さらにこ
の新規遷移金属化合物を触媒の一成分とするα−オレフ
ィンの重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンタジエニル基、インデニル
基、フルオレニル基、またはそれらの誘導体を配位子と
する遷移金属化合物、いわゆるメタロセン化合物は、助
触媒、例えばアルミノキサンと共に使用してα−オレフ
ィンを重合することにより高活性にポリ−α−オレフィ
ンが製造できることが知られている。特開昭58−19
309号公報には(シクロペンタジエニル) MeRHa
l(ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1 〜C6
アルキル、ハロゲンであり、Meは遷移金属であり、H
alはハロゲンである)で表わされる遷移化合物とアル
ミノキサンからなる触媒の存在下エチレンおよび/また
はα−オレフィンを重合または共重合させる方法が記載
されている。特開昭60−35008号公報には、少な
くとも2種のメタロセン化合物とアルミノキサンから成
る触媒を用いることにより幅広い分子量分布を有するポ
リ−α−オレフィンが製造できることが記載されてい
る。
【0003】特開昭61−130314号公報には、一
般式(化2)
【0004】
【化2】 (式中、R3 は炭素原子数1〜4の環状炭化水素残基ま
たは炭素原子数3〜6の環状炭化水素残基であり、A1
およびA2 は単核または多核の対称炭化水素残基であ
り、その際A1 およびA2 は互いに異なっていてもまた
は同じであってもよく、R1 およびR2 はハロゲン原子
または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、その際R
1 およびR2 は互いに異なっていてもまたは同じであっ
てもよい。)で表わされる立体的に固定したジルコン・
キレート化合物およびアルミノキサンからなる触媒を用
いてポリオレフィンを製造する方法が記載されている。
また、同公報には遷移金属化合物としてエチレン−ビス
−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)
−ジルコニウムジクロリドを使用することにより、アイ
ソタクチック度の高いポリオレフィンが製造できること
が記載されている。特開昭64−66214号公報に
は、少なくとも1つのフルオレニル基またはその誘導体
を配位子とする周期律表IVB族の遷移金属化合物とアル
ミノキサンからなる触媒の存在下、α−オレフィンを重
合または共重合させる方法が開示されている。特開平1
−301704号公報には一般式[I](化3)で表わ
される遷移金属化合物
【0005】
【化3】 (但し、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの
遷移金属、Yはケイ素、ゲルマニウムまたはスズを示
す。R1 n −Cs 4-n 及びR1 q −Cs 4-qは無置
換もしくは置換シクロペンタジエニル基を示し、n及び
qは0〜4の整数であるが、同時には0の値をとらな
い、各R1 は互いに同一でも異なっていてもよく、水
素、シリル基または炭化水素基を示すが、R1のシクロ
ペンタジエニル環上の位置及び種類は、Mを含む対称面
が存在しない配置をとるものとする。各R 2 は互いに同
一でも異なっていてもよく、水素または炭化水素基を示
す。またXは同一でも異なっていてもよく、水素、ハロ
ゲンまたは炭化水素基を示す。)及びアルミノキサンを
有効成分とする立体規則性オレフィン重合体製造触媒が
開示されている。特開平1−501950号公報、特開
平1−502036号公報には、シクロペンタジエニル
金属化合物およびシクロペンタジエニル金属カチオンを
安定化することのできるイオン性化合物とからなる触媒
を用いてオレフィンを重合する方法が記載されている。
【0006】特開平2−41303号公報には下記式 R”(CpRn ) (CpR’m ) MeQx (但し各Cpはシクロペンタジエニル又は置換されたシ
クロペンタジエニル環であり:各Rn は同一または異な
っていてもよく、1〜20の炭素原子を有するヒドロカ
ルビル残基であり:R”は触媒に立体規則性をもたらす
Cp環の間の構造的架橋であり:Meは元素の周期律表
の4b、5b、又は6b族の金属原子を有するヒドロカ
ルビル残基又はハロゲンであり:0≦k≦3:0≦n≦
3:及び1≦m≦4であり、:及びR’m は(Cp
n ) が(CpR’m ) と立体的に相違しているように
選択される、によって表記されるシンジオタクチックポ
リオレフィンを製造するために使用されるメタロセン触
媒。を一成分とする触媒を使用することによってシンジ
オタクティシティーの良好なポリ−α−オレフィンが製
造できることが記載されている。また、同公報には上記
メタロセン化合物を2種以上使用することにより幅広い
分子量分布を有するシンジオタクチックポリ−α−オレ
フィンが製造できることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、いわゆ
るカミンスキー型触媒は遷移金属化合物成分の構造によ
り生成ポリマーの立体構造および分子量が決定され、所
望の立体構造(立体規則性)および分子量を有するポリ
−α−オレフィンを製造するために様々な遷移金属化合
物の合成が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
考慮し、ポリ−α−オレフィンを効果的に製造する遷移
金属化合物について鋭意検討した結果、ヘテロ原子を含
有する特定の遷移金属化合物がポリ−α−オレフィン製
造用触媒成分として有効であることを見い出し、本発明
を完成するに到った。すなわち本発明は、下記一般式
(I)(化4)
【0009】
【化4】 (ここで、A1、A2はシクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、フルオレニル基、またはそれらの基の水素の一
部または全部がアルキル基で置換されたものを示す。A
3、A4エーテル基およびアミノ基から選ばれたヘテロ
原子を有する炭素数1〜20の炭化水素基、または炭素
数1〜20の炭化水素基または水素原子である。但し、
3、A4のうち少なくとも1つはエーテル基およびアミ
ノ基から選ばれたヘテロ原子を有する炭素数1〜20の
炭化水素基である。R1、R2はハロゲン原子、水素原
子、炭素数1〜10のアリール基、アルキル基を示す。
Cは炭素原子、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム
である。)で表される新規遷移金属物を提供することに
ある。
【0010】一般式(I)中、A1、A2はシクロペンタ
ジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、またはそ
れらの基の水素の一部または全部がアルキル基で置換さ
れたものを示す。具体的には、例えばシクロペンタジエ
ニル基、メチルシクロペンタジエニル基、テトラメチル
シクロペンタジエニル基、インデニル基、3−メチルイ
ンデニル基、フルオレニル基、4−メチルフルオレニル
基、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基など
を挙げることができる。A3、A4エーテル基およびア
ミノ基から選ばれたヘテロ原子を有する炭素数1〜20
の炭化水素基、または炭素数1〜20の炭化水素基また
は水素原子である。エーテル基およびアミノ基から選ば
れたヘテロ原子を有する炭素数1〜20の炭化水素基
しては、具体的には例えば2−メトキシビニル基、2,
2−ジメトキシエチル基、ジメチルアミノメチル基、ジ
エチルアミノメチル基、2−ジエチルアミノエチル基、
3−ジエチルアミノプロピル基、o−メトキシフェニル
メチル基、p−メトキシフェニルメチル基、m、p−ジ
メトキシフェニルメチル基、p−メトキシフェニル基な
どを挙げることができる。炭素数1〜20までの炭化水
素基または水素原子としては具体的には例えば、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。
但し、A3、A4のうち少なくとも1つはエーテル基およ
びアミノ基から選ばれたヘテロ原子を有する炭素数1〜
20の炭化水素基である。R1、R2はフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子、水素原子またはメチル
基、エチル基、プロピル基、フェニル基などの炭素数1
〜10のアルキル基、アリール基である。好ましくは塩
素原子、メチル基である。Cは炭素原子、Mはチタン、
ジルコニウム、ハフニウム好ましくはジルコニウム、ハ
フニウムである。さらに本願発明は上記遷移金属化合物
とアルミノキサン又はイオン性化合物より成る触媒を使
用することによってα―オレフィンを重合する方法を提
供することにある。
【0011】本発明の新規遷移金属化合物(I)の合成
経路は例えば下記(化5〜化8)のように略記できる
が、下記の合成方法に限定されるものではない。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】 反応式 (1)で得られるフルベン化合物の製造方法は、例
えば J.Org.Chem., 49,849(1984) などに記載されてい
る公知の方法を採用することができる。反応式 (2)で得
られる新規化合物は、反応式 (1)で得られたフルベル化
合物とシクロペンタジエン、インデン、フルオレンやそ
の誘導体のアルカリ金属塩との反応により得ることがで
きる。
【0016】フルベル化合物と有機アルカリ金属化合物
との反応は公知であり、 ( JustusLiebig ;Arr.Chem.,
511,01(1934), J.Organometal.Chem. 303,213(1986),J.
Am.Chem.Soc., 112 ,030(1990) 、特開平2−4130
3号公報などに記載されている)これらの方法に準じて
反応式 (2)で表わされる反応を行うことができる。上記
(2)の反応を行う際に使用される溶媒としてはジエチル
エーテルテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ンなどのエーテル類が使用される。上記反応式 (2)で得
られた化合物はアルキルリチウム、または金属リチウム
と反応させてジリチウム塩とし次の反応に用いることが
できる。また、同様のカリウム塩、ナトリウム塩も使用
することができる。上記 (3)(化9)の反応を行う際に
使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル
類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素
を使用することができる。
【0017】
【化9】 に対するアルカリ金属または有機アルカリ金属化合物の
使用割合としては、1.5〜5.0、好ましくは2.0
〜4.0モル比、反応温度は−100℃〜150℃、好
ましくは−80℃〜80℃の範囲である。上記反応式
(4)で示される(化10)
【0018】
【化10】 とMx4 との反応において使用される溶媒としては、ク
ロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素化
合物、ヘプタン、ヘキサン、ペンタンなどの飽和炭化水
素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素化合物の他に、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類
を挙げることができる。この反応での(化11)
【0019】
【化11】 に対するMx4 の使用割合は0.5〜5.0、好ましく
は2.0〜3.0モル比、反応温度は−100℃〜10
0℃、好ましくは−90℃〜50℃の範囲である。また
これにより生成した(化12)
【0020】
【化12】 におけるXは、メチルリチウム、メチルマグネシウムブ
ロミドなどのアルキル金属化合物と反応させることによ
り容易にアルキル基に置換することができる。その際に
使用される溶媒としてはヘプタン、ヘキサン、ペンタン
などの飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素化合物、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類が例示される。また(化13)
【0021】
【化13】 に対するアルキル金属化合物の使用割合は0.5〜5.
0、好ましくは1.0〜3.0モル倍、反応温度は−1
00℃〜100℃、好ましくは−90〜80℃の範囲で
ある。生成した一般式(I)の化合物は再結晶あるいは
昇華により精製することができる。
【0022】反応式 (1)で得られるベンジル化合物とし
ては例えば、6−(2,2−ジメトキシエチル)−6−
メチルフルベン、6−(2−ジエチルアミノエチル)−
6−メチルフルベン、6−(p−メトキシトルイル)フ
ルベン、6−(p−メトキシトルイル)−6−メチルフ
ルベン、6−(p−メトキシフェニル)フルベン、6−
(p−メトキシフェニル)−6−メチルフルベン、4−
シクロペンタジエニリデンテトラヒドロフラン、4−シ
クロペンタジエニリデンテトラヒドロチオピラン、4−
シクロペンタジエニリデン−1,1−ジメチル−1−シ
ラシクロヘキサン、4−シクロペンタジエニリデン−1
−メチルピペリジンなどを挙げることができる。
【0023】反応式 (2)で得られる化合物としては例え
ば、2,2−ジシクロペンタジエニル−1−(p−メト
キシフェニル)プロパン、2−シクロペンタジエニル−
2−インデニル−1−(p−メトキシフェニル)プロパ
ン、2−シクロペンタジエニル−2−フルオレニル−1
−(p−メトキシフェニル)プロパン、4,4−ジシク
ロペンタジエニルテトラヒドロピラン、4−シクロペン
タジエニル−4−インデニルテトラヒドロピラン、4−
シクロペンタジエニル−4−フルオレニルテトラヒドロ
ピラン、4,4−ジシクロペンタジエニルテトラヒドロ
チオピラン、4−シクロペンタジエニル−4−インデニ
ルテトラヒドロチオピラン、4−シクロペンタジエニル
−4−フルオレニルテトラヒドロチオピラン、4,4−
ジシクロペンタジエニル−1−メチルピペリジン、4−
シクロペンタジエニル−4−インデニル−1−メチルピ
ペリジン、4−シクロペンタジエニル−4−フルオレニ
ル−1−メチルピペリジン、4,4−ジシクロペンタジ
エニル−1,1−ジメチル−1−シラシクロヘキサン、
4−シクロペンタジエニル−4−インデン−1,1−ジ
メチル−1−シラシクロヘキサン、4−シクロペンタジ
エニル−4−フルオレニル−1,1−ジメチル−1−シ
ラシクロヘキサンなどを挙げることができる。
【0024】さらに本発明の一般式(I)の合成の容易
さなどから好ましい遷移金属化合物の具体例としては例
えば、1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピリデ
ン(ジシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピリデン
(シクロペンタジエニルインデニル)ジルコニウムジク
ロリド、1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピリ
デン(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、テトラヒドロピラン−4−イリデン(ジ
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、テト
ラヒドロピラン−4−イリデン(シクロペンタジエニル
インデン)ジルコニウムジクロリド、テトラヒドロピラ
ン−4−イリデン(シクロペンタジエニルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、テトラヒドロチオピラン
−4−イリデン(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、テトラヒドロチオピラン−4−イリデン
(シクロペンタジエニルインデニル)ジルコニウムジク
ロリド、テトラヒドロチオピラン−4−イリデン(シク
ロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、1−メチルピペリジン−4−イリデン(ジシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1−メチルピ
ペリジン−4−イリデン(シクロペンタジエニルインデ
ン)ジルコニウムジクロリド、1−メチルピペリジン−
4−イリデン(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、1,1−ジメチル−1−シラシ
クロヘキサン−4−イリデン(ジシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、1,1−ジメチル−1−
シラシクロヘキサン−4−イリデン(シクロペンタジエ
ニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、1,1−ジ
メチル−1−シラシクロヘキサン−4−イリデン(シク
ロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ドなどを挙げることができる。また、同様のチタニウム
化合物、ハフニウム化合物も具体例として挙げることが
できる。
【0025】本発明の化合物(I)は助触媒とともに使
用することによりポリ−α−オレフィン製造用触媒とし
て有用である。重合の際、遷移金属触媒成分とともに使
用される助触媒としては公知のアルミノキサン類の他に
本出願人が先に出願した(a)有機金属化合物、および
(b)遷移金属化合物と反応してイオン性化合物を形成
する化合物とからなる助触媒も使用することができる。
アルミノキサン類としては一般式(化14)
【0026】
【化14】 および/または(15)
【0027】
【化15】 (ここでRは炭素数1〜3の炭化水素、nは2以上の整
数を示す) で表わされる化合物であり、特にRがメチル基であるメ
チルアルミノキサンでnが5以上、好ましくは10以上
のものが利用される。上記アルミノキサン類には若干の
アルキルアルミニウム化合物が混入していても差支えな
い。
【0028】上記アルミノキサン類の製造法は公知であ
り、例えば結晶水を含む塩類(硫酸銅水和物、塩化マグ
ネシウム水和物など)に炭化水素溶媒中、トリアルキル
アルミニウムを添加して反応させる方法、あるいは有機
化合物溶媒中でトリアルキルアルミニウムと水を直接反
応させる方法などを例示する。
【0029】本出願人が先に出願した助触媒のうち
(a)成分である有機金属化合物は、アルミニウム、亜
鉛、マグネシウムから選ばれる金属の化合物が用いられ
る。これらの有機金属化合物はハロゲン、酸素、水素、
アルキル、アルコキシ、アリールなどの残基を配位子と
して有し、これらの配位子はそれぞれ同一でも良いし、
異なっていても構わないが、少なくとも1つはアルキル
基を有す。例えば、炭素数1〜12のアルキル残基が1
〜n個結合したアルキル金属化合物、アルキル金属ハラ
イド、アルキル金属アルコキシなどが利用できる。中で
もアルキルアルミニウム化合物が好適に用いられ、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミ
ニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムク
ロライド、ジイソプロピルアルミニウムイソプロポキシ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニ
ウムジイソプロポキシド等が挙げられる。(b)成分で
ある遷移金属化合物と反応してイオン性化合物を形成す
る化合物としては、カチオンとアニオンのイオン対から
形成されるイオン性化合物や親電子性の化合物が挙げら
れる。
【0030】イオン性化合物の例としては、特開平1−
501950号公報、特開平1−502036号公報に
記載されている化合物が挙げられる。また、親電子性化
合物としては、ハロゲン化金属や固体酸として知られて
いる金属酸化物等が挙げられる。
【0031】本発明における遷移金属触媒成分および/
または助触媒は、そのままでもSiO2 、Al23
MgCl2などのチーグラー型触媒を但持する公知の担
体二に但持して使用してもよい。
【0032】本発明における遷移金属化合物に対する助
触媒の使用割合としては、例えばアルミノキサン類と助
触媒として使用した場合には、10〜10000モル
倍、通常50〜5000モル倍、遷移金属化合物と反応
してイオン性化合物を形成する化合物を助触媒として使
用した場合は0.1〜10000モル倍、通常0.5〜
5000モル倍である。
【0033】本発明の方法で行われる重合法及び重合条
件については特に制限はなくα−オレフィンの重合で行
われる公知の方法が用いられ、不活性炭化水素媒体を用
いる溶媒重合法、または実質的に不活性炭化水素媒体の
存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき、重合温
度としては−100〜200℃、重合圧力としては常圧
〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。好まし
くは−50℃〜100℃、常圧〜50kg/cm2 であ
る。
【0034】重合に際し使用される炭化水素媒体として
は例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ンなどの飽和炭化水素の他に、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素も使用することができる。
【0035】重合反応の際に使用されるα−オレフィン
としては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセンなどの炭素数3〜25のα−オレフィ
ンを挙げることができる。
【0036】本発明の遷移金属化合物は、α−オレフィ
ンの単独重合のみならず、例えばプロピレンとエチレ
ン、プロピレンと1−ブテンなどの炭素数2〜25程度
のエチレンまたはα−オレフィンの共重合体を製造する
際にも利用できる。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 〔遷移金属化合物の合成〕4−シクロペンタジエニル−
4−フルオレニルテトラヒドロピラン 6.7gのフルオレンを100mlのTHFに溶解し、
メチルリチウムを滴下し、室温で4時間反応させること
によりフルオレニルリチウムのTHF溶液を得た。この
溶液に、6.0gのシクロペンタジエニリデンテトラヒ
ドロピラン(J.Org.Chem.,49─849(1984) に記載の方法
に従い合成した) のTHF溶液30mlを−70℃で加
え、室温で10時間反応させた。この反応溶液に1N塩
酸水70mlを加え、エーテル層を水洗し、無水硫酸マ
グネシウムを用いて脱水したのち溶媒を減圧留去するこ
とにより黄色の固体を得た。この固体をさらにエーテル
を用いて再結晶することにより10.3gの4−シクロ
ペンタジエニル−4−フルオレニルテトラヒドロフラン
を得た。
【0038】この化合物の分析値は以下のとおりであっ
た。 1H−NMR スペクトル 図1 テトラヒドロピラン−4−イリデン(シクロペンタジエ
ニルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド 上記合成した4−シクロペンタジエニル−4−フルオレ
ニルテトラヒドロピラン1.0gをTHF20mlに溶
解し、この溶液にブチルリチウム6.4mmolを滴下
した。室温で24時間反応させた後、溶媒を減圧留去
し、得られた赤色固体に1.5gの四塩化ジルコニウム
を含む塩化メチレンスラリー200mlを−78℃で加
えた。−78℃で4時間撹拌した後室温まで昇温し、生
成した沈澱を濾別した。濾液を濃縮、冷却することによ
り生成した。赤色沈澱を乾燥することにより、1.1g
のテトラヒドロピラン−4−イリデン(シクロペンタジ
エニルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを得た。
【0039】この化合物の分析値は以下のようであっ
た。 1H−NMR スペクトル 図2
【0040】実施例2 〔遷移金属化合物の合成〕2−シクロペンタジエニル−
2−フルオレニル−1−(p−メトキシフェニル)プロ
パン 10.0gのフルオレンをメチルリチウムと反応させる
ことにより得たフルオレニルリチウムのTHF溶液に1
3.8gの6−(p−メトキシフェニルメチル)−6−
メチルフルベン(J.Org.Chem.,49─849(1984) に記載の
方法に従い合成した)のTHF溶液50mlを−70℃
で滴下した。室温で10時間撹拌した後、1N塩酸水1
00mlを加え、エーテル層を水洗、乾燥した後減圧蒸
留することにより2−シクロペンタジエニル−2−フル
オレニル−1−(p−メトキシフェニル)プロパン1
9.6gを得た。
【0041】この化合物の分析値を以下に示す。 1H−NMR スペクトル 図3 1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピリデン(シ
クロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド 上記合成した2−シクロペンタジエニル−2−フルオレ
ニル−1−(p−メトキシフェニル)プロパン3.8g
をTHF50mlに溶解し、この溶液にブチルリチウム
12.5mmolを滴下した、室温で24時間撹拌した
後、溶媒を減圧留去することにより赤色固体を得た。こ
の固体に2.3gの四塩化ジルコニウムを含む塩化メチ
レンのスラリー200mlを−78℃で加えた。−78
℃で4時間反応させた後、室温まで昇温し、沈澱を濾
別、濾液を濃縮、冷却することによりオレンジ粉末の1
−(p−メトキシ)−2−プロピリデン(シクロペンタ
ジエニルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド1.6
gを得た。
【0042】この化合物の分析値は以下のようであっ
た。 1H−NMR スペクトル 図4
【0043】実施例3 〔重合検定〕充分窒素置換した2lのオートクレーブに
トルエン1lを装入し、続いて実施例1で合成したテト
ラヒドロピラン−4−イリデン(シクロペンタジエニル
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド2.0mgと、
東ソー・アクゾ社製メチルアルミノキサン(重合度1
7.7)0.4gを加えた。プロピレンを加えて系内を
3kg/cm2 に保ち20℃で1時間重合を行った。未
反応のプロピレンをパージし、濾別、乾燥することによ
りシンジオタクチックポリプロピレンパウダー44.9
gを得た。また、トルエンに可溶な成分は0.3gであ
った。パウダーの135℃のテトラリン溶液で測定した
極限粘度(以下ηと略記する)は0.86dl/g、13
C−NMR測定で約20.2ppmのメチル基に帰属す
るピーク強度より求めたシンジオタクチックペンタッド
分率は0.913であった。
【0044】実施例4 〔重合検定〕遷移金属化合物成分として実施例2で合成
した1−(p−メトキシフェニル)−2−プロピリデン
(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド4.0mgを使用した以外は実施例3と同様に
して重合を行った。得られたシンジオタクチックポリプ
ロピレンパウダーは47.8g、トルエン可溶分は0.
1gであった。パウダーの「η」は1.18dl/g、
シンジオタクチックペンタッド分率は0.881であっ
た。 実施例5 〔重合検定〕実施例2で合成した1−(p−メトキシフ
ェニル)−2−プロピリデン(シクロペンタジエニルフ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド10mgをトルエ
ン10mlに溶解し、トリエチルアルミニウム0.25
gを加えた。この溶液にトリフェニルメタンテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸50mgを加え触媒溶液と
した。2lのオートクレーブにトルエン1lおよび上記
調製した触媒溶液装入した。プロピレンを加えて系内を
3kg/cm2 に保ち20℃で1時間重合を行った。
得られたシンジオタクチックポリプロピレンパウダーは
32.6gトルエン可溶分は0.2gであった。パウダ
ーの[η]は1.02dl/gシンジオタクチックペン
タッド分率は0.864であった。 比較例1 遷移金属化合物成分として、特開平2−41303号公
報に記載の方法に従い合成したイソプロピリデン(シク
ロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド2.0mgを使用した以外は実施例3と同様にして重
合を行った。得られたシンジオタクチックポリプロピレ
ンパウダーは56.8g、トルエン可溶分は0.1gで
あった。パウダーのηは1.36dl/g、シンジオタ
クチックペンタッド分率は0.902であった。このよ
うに、異なった遷移金属化合物を使用することにより物
性の異なったポリ−α−オレフィンが製造できる。
【0045】
【発明の効果】本発明の遷移金属化合物を触媒の一成分
として使用することにより効果的にポリ−α−オレフィ
ンを製造することができ工業的に極めて価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成した4−シクロペンタジエニル
−4−フルオレニルテトラヒドロフランの1 H−NMR
スペクトルである。
【図2】実施例1で合成した4−テトラヒドロピラン−
4−イリデン(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリドの1 H−NMRスペクトルであ
る。
【図3】実施例2で合成した2−シクロペンタジエニル
−2−フルオレニル−1−(p−メトキシフェニル)プ
ロパンの1 H−NMRスペクトルである。
【図4】実施例2で合成した1−(p−メトキシ)−2
−プロピリデン(シクロペンタジエニルフルオレニル)
ジルコニウムジクロリドの1 H−NMRスペクトルであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−41303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 17/00,7/00 C08F 4/642,10/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)(化1) 【化1】 (ここで、A1、A2はシクロペンタジエニル基、インデ
    ニル基、フルオレニル基、またはそれらの基の水素の一
    部または全部がアルキル基で置換されたものを示す。A
    3、A4エーテル基およびアミノ基から選ばれたヘテロ
    原子を有する炭素数1〜20の炭化水素基、または炭素
    数1〜20の炭化水素基または水素原子である。但し、
    3、A4のうち少なくとも1つはエーテル基およびアミ
    ノ基から選ばれたヘテロ原子を有する炭素数1〜20の
    炭化水素基である。R1、R2はハロゲン原子、水素原
    子、炭素数1〜10のアリール基、アルキル基を示す。
    Cは炭素原子、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウム
    である。)で表される新規遷移金属物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遷移金属化合物とアルミ
    ノキサン又はイオン性化合物より成る触媒を用いること
    を特徴とするα−オレフィンの重合方法。
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