JP3250833B2 - 白血球選択捕捉フィルター材料 - Google Patents
白血球選択捕捉フィルター材料Info
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Description
し、血小板を通過させる白血球選択捕捉フィルター材料
に関する。詳しくは、輸血や体外循環を行う時に、血液
中の白血球を選択的に捕捉除去したり、血液から濃縮血
小板血漿を調整する際に混入している白血球を選択的に
捕捉除去するための白血球選択捕捉フィルター材料に関
する。
来の全血輸血から患者が本当に必要とする血液成分のみ
を輸血する成分輸血の考え方が普及し実施されてきてい
る。成分輸血に用いられる赤血球濃厚液(CRC)、濃
厚血小板液(PC)、乏血小板血漿(PPP)などの各
種血液製剤は、献血によって得られた血液を遠心操作で
分離、分画して調整される。
れた血液製剤中には多くの白血球が含まれており、この
混入白血球が頭痛、非溶血性発熱反応、悪寒、吐き気な
どの比較的軽微な副作用から、アロ抗原感作、輸血後G
VHD、ウィルス感染などの重篤な副作用を誘発させる
ことが問題視され、血液製剤から白血球を除去する工夫
がなされている。
は、血液成分の比重差を利用した遠心分離方法と不織布
などの極細繊維や連続孔を有する多孔質体をフィルター
材料としたフィルター法に大別されるが、白血球除去効
率の良いこと、操作が簡単なこと、コストが低いことの
理由によりフィルター法が広く用いられている。
水性高分子材料よりなるため、白血球のみならず一般的
に高い粘着能を持つ血小板をも吸着除去してしまうもの
であった。再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、白血
病などの疾患がある患者に対し、血小板を補給する目的
で全血、濃厚血小板、赤血球濃厚液などの血小板を多量
に含む血液製剤を輸血することは不可欠であるが、上記
のフィルターをそのまま用いると白血球は捕捉されるが
患者に必要な血小板も吸着除去されてしまい、また、フ
ィルターを用いず輸血すると輸血後副作用が懸念される
ものであった。このため、血小板損失を抑制し、かつ白
血球を選択的に捕捉するフィルターの開発が切望されて
きた。
質に依存する。こうした考えにのっとって、血小板の粘
着を抑制する手法としては、フィルター材料表面に親水
性のモノマーをグラフト重合したり、親水性のポリマー
をフィルター材料表面にコーティングしたりする方法が
公知の技術として知られている。しかし、こうして得ら
れる材料は血小板の粘着を抑制するのと同時に白血球も
粘着除去されにくくなり、白血球のみを選択的に捕捉す
る本目的のフィルターとしては用いる事のできないもの
であった。
面に抗血栓性材料をコーティングしたフィルターを用い
た、赤血球及び血小板の混入の少ない白血球及びリンパ
球の採取方法が開示されている。しかしながら、このフ
ィルターを用いると血小板の損失は少ないが、白血球の
捕捉力も小さく満足のいくものではなかった。
分が非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基を含有して
いるフィルター材料を用いて血小板捕捉は少なくかつ白
血球を効率的に捕捉する白血球選択除去フィルターが開
示されている。このフィルターを用いると、白血球を選
択的に捕捉除去する事が可能となり、血小板の捕捉を抑
制させ得る効果を有するが、粘着能の高い血小板を更に
高収率で回収できるフィルターの開発が望まれてきた。
は通過させるには、フィルター材料の物理的因子と化学
的因子を考慮する必要がある。物理的因子とは、フィル
ター材料の物理的な構造を示し、不織布などの繊維状媒
体では繊維径、密度、厚み等がこれに当たり、連続孔を
有する多孔質体の場合、孔径、気孔率、密度、厚み等が
これに相当する。一般的に、白血球の捕捉にはフィルタ
ー材料の物理的因子が大きく寄与し、捕捉能を高めるに
は、繊維径の細い極細繊維を用いる、充填密度を高め
る、孔径を小さくすることにより構成されることが知ら
れている。しかしながら、この方法で白血球の捕捉能を
向上させると、血球の目詰まりが起こり易く、濾過の長
時間化を引き起こしかねない上、血小板のフィルター材
料への吸着、付着による血小板損失の増大も生ずるもの
であった。このため、血小板のフィルター材料への吸着
を抑制する目的で、繊維径を太くしたり、また、多孔質
体の孔径を大きくしたりすることを試みると、血小板の
通過能は向上するが、白血球の捕捉能が低下してしまう
問題があった。このため、本目的の白血球選択捕捉フィ
ルターを開発するためには、白血球は捕捉するが、血小
板は通過させるようにフィルター材料の表面を化学的に
改質する必要があった。しかし、前述したように親水性
のモノマーやポリマーをグラフト重合またはコーティン
グすると血小板の通過能は向上するが、白血球の捕捉能
は低下する恐れがある。従って、本目的の白血球選択捕
捉フィルターの化学的処理には、白血球の捕捉能を維持
しつつ、かつ血小板は通過させる親水化が必要であり、
特殊な構造、組成を有するモノマーあるいはポリマーを
探索する必要があった。
なくとも周囲表面部分に存在すると、フィルター材表面
は正荷電を帯びるようになる。このように正に荷電した
フィルター材料に白血球や血小板が接触すると、白血球
や血小板は負の荷電を有しているため、フィルター材に
よく粘着するようになる。しかしながら、本発明の白血
球選択捕捉フィルター材料は白血球を捕捉し、かつ血小
板は通過させる性質を有するものであらねばならない。
そのため、正荷電を付与する塩基性含窒素官能基の存在
だけでは血小板をも捕捉してしまい、目的のフィルター
材料として使用することはできないものであった。
ると、材料表面の選択によって血栓の有無、細胞崩壊の
有無に差が出てくる。これは未だに解明されていないこ
とであるが血液に含まれている細胞と用いた材料表面と
の複雑な相互作用の大小によるものと考えられている
(「医用高分子材料」、医用高分子材料編集委員会編、
1981)。親水性、疎水性という観点から材料表面を
分類すると、一般的に親水性表面を有する高分子材料は
材料表面と血液との界面エネルギーが小さく、従ってタ
ンパク質や血球細胞との相互作用が小さくなり、血栓の
形成や細胞の変態が抑制される傾向があるといわれてい
る(「バイオマテリアルサイエンス」第2集、135、
1982)。そのため血小板を通過させる性質をフィル
ター材料に付与するためには、フィルター材料が親水性
でなければならず、フィルター材料が疎水性表面である
場合には、フィルター材料に親水性のモノマーやポリマ
ーをグラフト重合やコーティングによって導入する必要
がある。
基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、スルホ
ン酸基などの水との親和性の高い官能基を有する物質の
ことであるが、なかでも、ポリエチレンオキサイド鎖を
有する物質は、ポリエチレンオキサイド鎖が高い極性を
示すため水によく溶ける性質がある。また、ポリエチレ
ンオキサイド鎖を有する物質は抗血栓性を有する優れた
血液適合性材料であることが知られている。例えば、ポ
リエチレンオキサイド鎖が存在する高分子材料表面に血
液を接触させてもアルブミンやグロブミンなどの血漿タ
ンパク質が材料表面に吸着せず、血小板の反応性も低く
なり血栓形成が見られないことが知られている(筏 義
人 医用高分子材料、共立出版、1989)。また、血
漿成分を血液中から分離する際、ポリエチレンオキサイ
ド鎖を有する物質とアクリロニトリルからなる多孔膜を
用いると、白血球、赤血球、血小板の多孔膜表面への吸
着がないため高い透水速度で血漿成分を分離することが
でき、かつ血漿中に含まれているタンパク質も多孔膜表
面に吸着しないため、高収率で回収することができるこ
とが開示されている(特開昭61−176359号)。
リエチレンオキサイド鎖を有する物質をフィルター材料
の少なくとも表面部分に導入すると、上記のような細胞
低付着性、血液適合性が付与され、血小板がフィルター
材料表面に付着することなく通過するようになる。しか
し、白血球も同時に通過するようになり、目的のフィル
ター材料として用いることのできないものであった。こ
のように、白血球の捕捉に重点を置くと、血小板も捕捉
され、血小板の通過性に重点を置くと、白血球も同時に
通過するようになる場合が一般的であった。
できるだけ抑制しかつ白血球を選択的に高収率で捕捉除
去する白血球選択捕捉フィルター材料を提供することを
目的とする。本発明はまた、血小板輸血や血液の体外循
環白血球除去療法に有効に用いることのできる血小板吸
着が少なくかつ白血球を効率よく除去する白血球選択捕
捉フィルターに用いられるフィルター材料を提供するこ
とを目的とする。
官能基及び繰り返し単位が2〜15のポリエチレンオキ
サイド鎖を繊維または連続孔を有する高分子多孔質体の
少なくとも周囲表面部分に含有させることにより達成さ
れる。
オキサイド鎖の両方がフィルター材料の少なくとも表面
部分に導入されると、意外なことに白血球の捕捉能は維
持しつつ、かつ血小板はほとんど粘着せず通過する性質
が付与されることが判明し、本発明のフィルター材料を
開発するに至ったのである。
材料とは、塩基性含窒素官能基とポリエチレンオキサイ
ド鎖が繊維または連続孔を有する高分子多孔質体の少な
くとも周囲表面部分に含有されているフィルター材料で
ある。
基性窒素原子の含量は0.2〜4.0重量%、より好ま
しくは0.3〜1.5重量%が望ましい。ポリエチレン
オキサイド鎖の繰り返し単位は2〜15、ポリエチレン
オキサイド鎖部分の含量は2.0〜22.0重量%、よ
り好ましくは3.0〜15.0重量%が望ましい。塩基
性含窒素官能基の含量が0.2重量%未満であるとフィ
ルター材料表面の正荷電量が不足し、白血球の捕捉能が
低下する恐れがあり、4.0重量%を超えると血小板の
フィルター材料表面への粘着が起こり、血小板通過性が
低下する恐れがあるためである。また、ポリエチレンオ
キサイド鎖の繰り返し単位が15を超える、または、2
2.0重量%を超えると白血球の捕捉能が低下する恐れ
があり、2.0重量%未満であると血小板のフィルター
材料への付着が起こりやすくなるためである。また、塩
基性含窒素官能基の含量及びポリエチレンオキサイド鎖
の含量は例えば、元素分析、赤外線吸収スペクトル、核
磁気共鳴スペクトルによって測定することができる。
導入可能な塩基性含窒素官能基を有する材料としては、
第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、4
級アンモニウム基、及びピリジル基、イミダゾイル基等
の含窒素芳香環基等があげられ、具体的には入手のし易
さ、取り扱い性などから、ジメチルアミノエチルメタア
クリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートなど
がある。また、本発明のポリエチレンオキサイド鎖を有
する材料としては、メトキシトリエチレングリコール、
メタクリレート(ポリエチレンオキサイド鎖の繰り返し
単位=3)、メトキシテトラエチレングリコール、メタ
クリレート(ポリエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位
=4)、メトキシペンタエチレングリコール メタクリ
レート(ポリエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位=
5)などがあげられる。
は、塩基性含窒素官能基と繰り返し単位が2〜15のポ
リエチレンオキサイド鎖がフィルター材料の少なくとも
表面部分に含有されている点に特徴を有している。換言
すれば、本発明のフィルター材料はそのボディー部分と
表面部分が別に形成され、表面部分だけが前記の塩基性
含窒素官能基と繰り返し単位が2〜15のポリエチレン
オキサイド鎖を有する物質からなっていてもよいし、ボ
ディー部分と表面部分とが一体的に形成されており、或
いはボディー部分と表面部分の両者、即ちフィルター材
料全体が前記の塩基性含窒素官能基と繰り返し単位が2
〜15のポリエチレンオキサイド鎖を有する物質からな
っていてもよい。
孔を有する多孔質体は疎水性表面を有しており、このよ
うな疎水性表面を有するフィルター材料への前記塩基性
官能基やポリエチレンオキサイド鎖の導入は、塩基性含
窒素官能基と繰り返し単位が2〜15のポリエチレンオ
キサイド鎖を有する重合性単量体のコポリマーをフィル
ター材料にコーティングすることにより、また、該重合
性単量体をフィルター材料にグラフト重合させることに
より達成される。
オキサイド鎖を含むポリマーをコーティングによって材
料表面に導入する場合、塩基性含窒素官能基とポリエチ
レンオキサイド鎖を有しない他の血液適合性に富む重合
性単量体との共重合体を用いることも好ましい。用い得
る重合性単量体としては、特に限定はないが、例えば、
アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、アリルアルコ
ール、スチレン誘導体、アクリロニトリル等が挙げられ
る。この中でも、入手のし易さ、取扱い性の点からアク
リル酸またはメタクリル酸エステルが好ましく、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート等は、特にコーティング材を材料表面に安
定的に保持させる効果もあり優れている。
としては不織布などの繊維状媒体や連続孔を有する多孔
質体が好ましい。フィルター材料の物理的な構造は白血
球の捕捉に大きく寄与することが知られており、更に白
血球の捕捉能を向上させるには該フィルター材料の選択
も重要な因子となる。即ち、不織布などの繊維状媒体を
フィルター材料とする場合、平均繊維径は0.3μm以
上、3.0μm未満、より好ましくは1.0μm以上、
2.0μm未満が望ましい。また、容器内に該繊維状媒
体を充填した時の充填密度は0.1g/cm3 以上、
0.3g/cm3未満が好ましい。平均繊維径が0.3
μm未満、充填密度が0.3g/cm3 以上であると、
血球の目詰まりや圧力損失の増大化を引き起こす恐れが
あり、また、平均繊維径が3.0μm以上、充填密度が
0.1g/cm3 未満だと白血球の捕捉能が低下する恐
れがあるためである。
下の手順に従って求められる値をいう。即ちフィルター
を構成する、実質的に均一と認められるフィルター要素
の一部をサンプリングし、走査電子顕微鏡などを用い
て、写真に撮る。サンプリングに際しては、フィルター
要素の有効濾過断面積部分を、1辺が0.5〜1cmの
正方形によって区分し、その中から3ケ所以上、好まし
くは5ケ所以上をランダムサンプリングする。ランダム
サンプリングするには、例えば上記各区分に番地を指定
した後、乱数表を使うなどの方法で、必要ケ所以上の区
分を選べば良い。またサンプリングした各区分につい
て、3ケ所以上好ましくは5ケ所以上を写真に撮る。こ
のようにして得た写真について、写っている全ての繊維
の直径を測定する。ここで直径とは、繊維軸に対して直
角方向の繊維の幅をいう。測定した全ての繊維の直径の
和を、繊維の数で割った値を平均繊維径とする。但し、
複数の繊維が重なり合っており、他の繊維の陰になって
その幅が測定できない場合、また複数の繊維が溶融する
などして、太い繊維になっている場合、更に著しく直径
の異なる繊維が混在している場合、等々の場合には、こ
れらのデータは削除する。以上の方法により、100本
以上、好ましくは1000本以上のデータにより平均繊
維径を求める。
とする場合には、3〜50μmの平均孔径を有している
ことが望ましい。平均孔径が3μm未満だと血球の目詰
まり、圧力損失の増大化、濾過の長時間化が懸念され、
平均孔径が50μmを超えると白血球の捕捉能が低下す
る恐れが生ずるためである。ここで、本発明における平
均孔径とは、容器に充填する前の多孔質体1枚の平均ポ
アサイズであり、コールターポロメーター2(コールタ
ー エレクトロニクス アンド リミテッド、米国)に
よって測定したMFP(Mean Flow Pore
Size)をいう。
素官能基とポリエチレンオキサイド鎖を有するポリマー
をコーティングする場合は、適当な溶媒に該ポリマーを
溶解させた溶液にフィルター材料を浸した後、余分な溶
液をフィルター材料からしぼって除き、次いで熱風乾燥
させるなどの簡単な操作で実施できる。また、フィルタ
ー材料からポリマーが脱落するのを防ぐ目的で、コーテ
ィング後のフィルター材料に熱を加え、フィルター材料
とポリマーとの接着性を更に高めることもできる。ま
た、フィルター材料への上記塩基性含窒素官能基と繰り
返し単位が2〜15のポリエチレンオキサイド鎖を有す
る重合性単量体のグラフト重合は、フィルター材料を重
合性単量体の溶液に含浸後、放射線を照射し、水などの
適当な洗液で洗浄する簡単な方法で実施できる。
例によって説明する。なお、以下の例における白血球除
去率並びに血小板回収率はそれぞれ次式(1)及び
(2)によって求められる値である。 尚、濾過前の白血球濃度の測定はチュルク液にて10倍
に希釈した血液を光学顕微鏡で白血球数をカウントして
求め、濾過後の白血球濃度の測定はアクリジンオレンジ
液で1.1倍に希釈した検体を蛍光顕微鏡で漏出白血球
数をカウントして求めた。血小板濃度の測定は自動血球
カウンターで250,000倍に希釈した検体を測定し
て求めた。
レート(以下MTGMAと略す。ポリエチレンオキサイ
ド鎖の繰り返し単位=3)と2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(以下HEMAと略す)とジメチルアミノエ
チルメタクリレート(以下DMAMAと略す)のコポリ
マーを通常の溶液ラジカル重合によって合成した。重合
条件としては、HEMAとDMAMAとMTGMAのモ
ル分率を0.92、0.03、0.05とし、全量が1
モル/lになるように調節したエタノール溶液に、開始
剤として2.2´−アゾビス(2.4−ジメチルパレロ
ニトリル)(V−65)を1/200モル/1加え、5
5℃で8時間重合反応を行った。ポリマーの精製は反応
後の溶液を水に添加し、ポリマーを析出させることによ
って精製した。
(約0.1g)を有効濾過断面積が21.5×21.5
mmの血液の入口と出口を有する容器内に不織布の充填
密度が0.2g/cm3 になるように充填し、上記ポリ
マーの1%エタノール溶液をこの容器に空気が入らない
ように入れ、窒素を2l/minの流速で20分間流し
て余分なポリマー溶液を取り除いた。更に、40℃で1
5時間コーティング後の容器を真空乾燥させ、その後ポ
リマーと不織布との接着性をあげるために120℃で4
時間熱処理した。得られた白血球選択捕捉フィルターの
フィルター材料表面に含まれる塩基性窒素原子の含量は
0.31重量%であり、ポリエチレンオキサイド鎖の含
量は4.86重量%であった。
に組み込み、シリンジポンプを用いて0.79g/mi
nの一定流速で濃厚血小板液31.6gを処理した。濾
過前及び濾過後の血液の体積、白血球濃度、血小板濃度
を求め、式(1)及び式(2)により白血球除去率及び
血小板回収率を求めたところ、白血球除去率が94.0
%、血小板回収率が92.4%であった。
分率を0.85、0.10、0.05とする以外は実施
例1と同様な操作でポリマーを合成し、実施例1と同様
の不織布からなるフィルター素材に該ポリマーをコーテ
ィングして白血球選択捕捉フィルターを得、同様な血液
回路で濃厚血小板液を処理し、白血球除去率及び血小板
回収率を求めた。結果を表1に示す。
のホモポリマーを実施例1と同様な操作で合成し、実施
例1と同様の不織布からなるフィルター素材に該ポリマ
ーをコーティングして白血球選択捕捉フィルターを得、
同様な血液回路で濃厚血小板液を処理し、白血球除去率
及び血小板回収率を求めた。結果を表1に示す。
Aのモル分率が0.97、0.03のコポリマーを合成
し、実施例1と同様の不織布からなるフィルター素材に
該ポリマーをコーティングして白血球捕捉用フィルター
を得、実施例1と同様な血液回路で濃厚血小板液を処理
し、白血球除去率及び血小板回収率を求めた。結果を表
1に示す。
Aのモル分率が0.90、0.10のコポリマーを合成
し、実施例1と同様の不織布からなるフィルター素材に
該ポリマーをコーティングして白血球捕捉用フィルター
を得、実施例1と同様な血液回路で濃厚血小板液を処理
し、白血球除去率及び血小板回収率を求めた。結果を表
1に示す。
布を用いて、実施例1と同様の血液回路で濃厚血小板液
を処理し、白血球除去率及び血小板回収率を求めた。結
果を表1に示す。
サイド鎖の繰り返し単位数の異なるメトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレート(以下MPGMAと略す)
の三元共重合体を不織布にコーティングし、濃厚血小板
液を処理し、白血球除去率及び血小板回収率を求めた。
MPGMAとしてはポリエチレンオキサイド鎖の繰り返
し単位数が3のものを用い、DMAMAのモル含量%は
10モル%、MPGMAのモル含量%は5モル%で一定
としたコポリマー(以下HDM−3と略す)の重合を上
記の実施例1、2及び比較例1〜4と同じ条件で行っ
た。フィルター材料としては平均繊維径が1.2μmの
不織布を用い、これを有効濾過断面積が30×30mm
の血液の入口と出口を有する容器内に不織布10枚(約
0.6g)の充填密度が0.15g/cm3 になるよう
に充填して白血球選択捕捉フィルターを得た。HDM−
3コポリマーを不織布へコーティングして白血球選択捕
捉フィルターを得た。該フィルターを組み込んだ血液回
路を用いて1.2m落差、5g/minの流速で濃厚血
小板液230gを処理したところ、白血球除去率が9
9.8%、血小板回収率が90.5%であった。結果を
表1に示す。
外は、実施例3と同様な操作でポリマー(以下HDM−
9と略す)を合成して、実施例3と同様の不織布フィル
ター材料をコーティングし、実施例3と同様な血液回路
を用いて濃厚血小板液を処理し、白血球除去率及び血小
板回収率を求めたところ、白血球除去率が98.0%、
血小板回収率が92.7%であった。結果を表1に示
す。
MAをモル含量で33%、67%含み、重合性単量体の
重量%が2.0重量%の水溶液(1000ml)中に平
均繊維径が1.2μmの不織布を浸漬し、窒素を通気し
て脱気した。この水溶液にγ線を3.6kGy(1.2
kGy/時間)照射してグラフト重合させた。不織布を
取り出し、水で充分に水洗し、40℃で15時間熱風乾
燥した後、更に2時間真空乾燥して、不織布を乾燥させ
たところ、グラフト率が12.8%であった。このよう
にして得たグラフト後の不織布を実施例3と同様な血液
回路を用いて濃厚血小板液を処理し、白血球除去率及び
血小板回収率を求めたところ、白血球除去率が98.4
%、血小板回収率が91.3%であった。尚、グラフト
率とは下式(3)に従って求めた値である。結果を表1
に示す。
以外は、実施例3と同様なポリマー(以下HDM−18
と略す)を合成し、実施例3と同様な血液回路を用いて
濃厚血小板を処理し、白血球除去率及び血小板回収率を
求めたところ、白血球除去率が87.2%、血小板回収
率が94.0%であった。結果を表1に示す。
以外は、実施例3と同様なポリマー(以下HDM−30
と略す)を合成し、実施例3と同様な血液回路を用いて
濃厚血小板を処理し、白血球除去率及び血小板回収率を
求めたところ、白血球除去率が80.3%、血小板回収
率が96.4%であった。結果を表1に示す。
マクロマーのみを2.0重量%含む水溶液(1000m
l)中に平均繊維径が1.2μmの不織布を浸漬し、窒
素を通気して脱気した。この水溶液にγ線を3.6kG
y(1.2kGy/時間)照射してグラフト重合させ
た。不織布を取り出し、水で充分に水洗し、40℃で1
5時間熱風乾燥した後、更に2時間真空乾燥して、不織
布を乾燥させたところ、グラフト率が18%であった。
このようにして得たグラフト後の不織布を実施例3と同
様な血液回路を用いて濃厚血小板液を処理し、白血球除
去率及び血小板回収率を求めたところ、白血球除去率が
64.6%、血小板回収率が98.8%であった。結果
を表1に示す。
フィルターに用いることにより、血小板の損失を少なく
抑えつつ白血球を効率良く除去できるので、血小板輸血
及び免疫異常疾患に対する白血球除去療法の分野におい
て有効な手段を提供するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 フィルター材料がボディー部分及び表面
部分からなる繊維または連続孔を有する高分子多孔質体
であって、該フィルター材料の少なくとも表面部分が塩
基性含窒素官能基及び繰り返し単位が2〜15のポリエ
チレンオキサイド鎖を含有することを特徴とする白血球
選択捕捉フィルター材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02591892A JP3250833B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 白血球選択捕捉フィルター材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02591892A JP3250833B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 白血球選択捕捉フィルター材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05194243A JPH05194243A (ja) | 1993-08-03 |
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