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JP3248184B2 - 1,1,1,3,3‐ペンタフルオロプロパンの製造方法,及び1,1,1,3,3‐ペンタフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパンの製造方法 - Google Patents

1,1,1,3,3‐ペンタフルオロプロパンの製造方法,及び1,1,1,3,3‐ペンタフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパンの製造方法

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JP3248184B2
JP3248184B2 JP51501194A JP51501194A JP3248184B2 JP 3248184 B2 JP3248184 B2 JP 3248184B2 JP 51501194 A JP51501194 A JP 51501194A JP 51501194 A JP51501194 A JP 51501194A JP 3248184 B2 JP3248184 B2 JP 3248184B2
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JP
Japan
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reaction
pentafluoro
dichloropropane
hydrogen
catalyst
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JP51501194A
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English (en)
Inventor
征司 田窪
博一 青山
龍夫 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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    • C07C19/12Acyclic saturated compounds containing halogen atoms containing fluorine and chlorine having two carbon atoms
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J27/00Catalysts comprising the elements or compounds of halogens, sulfur, selenium, tellurium, phosphorus or nitrogen; Catalysts comprising carbon compounds
    • B01J27/06Halogens; Compounds thereof
    • B01J27/08Halides
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    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
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    • C07C17/25Preparation of halogenated hydrocarbons by splitting-off hydrogen halides from halogenated hydrocarbons
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷媒、発泡剤、洗浄剤として使用されてい
るCFCやHCFCの代替化合物となりえる有用な化合物であ
る。特にウレタン発泡剤として有用な1,1,1,3,3−ペン
タフルオロプロパンの製造方法、更には、それの合成中
間体となる1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロ
プロパンの製造方法に関するものである。
従来の技術 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法につ
いては、1,2,2−トリクロロペンタフルオロプロパンを
原料として水素還元反応(U.S.P.2,942,036)が知られ
ている。
しかし、この方法では、収率が低く、還元が十分に行
われていない2−クロロペンタフルオロプロペンや、1,
1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンを生成するため、工
業的には適していない。
他方、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−ハロゲノ−
3−クロロプロパンはそれ自身、医農薬中間体として有
用であるとともに、フッ素化または還元を行うことによ
り種々の冷媒、発泡剤、洗浄剤として使われているHCF
C、CFCの代替品としてのハイドロフルオロカーボンに誘
導することができ、また脱塩酸することで種々の樹脂の
モノマーに誘導できる工業的に有用な化合物である。特
に1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパン
は1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの原料として有
用になり得る。
これまで、ハロゲン化プロペンをハロゲン化アンチモ
ンの存在下にHFで液相にてフッ素化させる方法は知られ
ている。例えばE.T.McBeeらは、1,1,1−トリフルオロ−
2,3,3−トリクロロプロペンをアンチモン触媒の存在下
にHFを用いてフッ素化して、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロ−2,3−ジクロロプロパンを得ている(J.Am.Chem.So
c.70,2023,(1948))。
しかしながら、この反応では、原料である1,1,1−ト
リフルオロ−2,3,3−トリクロロプロペン、HF、アンチ
モン触媒を反応器に反応前に一度に仕込んでいるため
に、250℃という高い反応温度が必要なばかりでなく、
1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンの
収率は50%と低く、工業的に行える反応とはいえない。
また、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンは、種々
の医農薬中間体として有用であり、このプロペンの塩素
をHFでフッ素化することにより種々のフッ素化合物の中
間体を合成できる有用な原料である。特に、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパン(HCFC225d
a)の原料として有用である。
一般に、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンは、1,
1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンの脱HClで合成され
る。原料となる1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン
は、安価な工業原料であるクロロホルムとテトラクロロ
エチレンより容易に合成できる安価な工業原料である。
これまで、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンは、
アルコールを溶媒としてKOHなどのアルカリ金属水酸化
物により1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンを脱塩
酸して合成する方法が知られている(J.Am.Ch em.So
c.,63,1438(1941))。
しかし、この方法は、反応溶媒としてアルコールを用
いるために、反応後に生成したアルカリ金属塩化物を濾
過し、その後に蒸留などの操作を用いて生成物をアルコ
ールより分離する必要がある。
また、400℃程度に加熱した反応管に通じることによ
り、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンより得られ
ることも知られているが、この反応は高い温度が必要で
あり、反応によってHClが生成するために反応管の材質
に高価な金属を使うことが必要である。
発明の目的 本発明の第1の目的は、上記のような問題点が生じ
ず、高選択率で十分に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロ
パン(HFC245fa)を製造できる方法を提供することにあ
る。
本発明の第2の目的は、従来の1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロ−2−ハロゲノ−3−クロロプロパンの製造方法
が有していた前述の問題点を解消し、安価にしかも容易
かつ高収率に1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−ハロゲ
ノ−3−クロロプロパン(特に、HCFC225da)を製造で
きる工業的製法を提供することにある。
発明の構成 本発明者は、上記問題点を解決すべく、1,1,1,3,3−
ペンタフルオロプロパンの製造方法について鋭意検討し
た結果、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプ
ロパンを原料として、パラジウム等の貴金属触媒の存在
下に気相法で水素還元反応(接触還元)を行えば、高収
率にて、目的物が得られることを見い出し、第1の発明
を完成するに至った。
即ち、第1の発明の要旨は、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを原料として、パラジウ
ム等の貴金属触媒の存在下に特に30〜450℃の温度にて
気相法で水素還元反応を行うことによって、80%以上の
高選択率にて、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを
製造する方法にある。
第1の発明では、特に、貴金属触媒を用いて、気相法
で水素還元を行うことが重要である。気相反応の方式と
しては、固定床型気相反応、流動床型気相反応などの方
式をとることができる。
貴金属触媒の貴金属としてはパラジウム、白金等が挙
げられ、反応の選択性の点で、つまり副生物の生成量が
少ない点でパラジウムが好ましく、活性炭、シリカゲ
ル、酸化チタン及びジルコニアその他のうちから選ばれ
た少なくとも一種からなる担体に担持されたものが好ま
しい。
また、担体の粒径については反応にほとんど影響を及
ぼさないが、好ましくは0.1〜100mmが好適である。
また、担持濃度としては0.05〜10(重量)%と幅広く
使用可能であるが、通常は0.5〜5%担持品が推奨され
る。
反応温度は、通常、30〜450℃であり、好ましくは70
〜400℃である。
1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパン
の水素還元反応において、水素と原料との割合は大幅に
変動させ得る。しかしながら、通常、少なくとも化学量
論量の水素を使用して水素化を行う。出発物質の全モル
に対して、化学量論量よりかなり多い量、例えば8モル
またはそれ以上の水素を使用し得る。
反応の圧力は特に限定されず、加圧下、減圧下、常圧
下で可能であるが、減圧下では装置が複雑になるため、
加圧下、常圧下で反応を行う方が好ましい。
接触時間は、通常、0.1〜300秒であり、特には1〜30
秒である。
原料である1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロ
ロプロパンは公知の化合物であって、1,1,1−トリフル
オロ−2,3,3−トリクロロプロペンのフッ素化反応によ
り得ることができる(E.T.McBEE,ANTHONY TRUCHAN an
d R.O.BOLT,J.Amer.Chem.Soc.,vol70,2023〜2024(194
8))。
また、本発明者は、上記問題点を解決すべく、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について鋭意
検討した結果、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジク
ロロプロパンを原料として、ジルコニウム及びバナジウ
ムより選ばれた少なくとも一種の元素をパラジウムに添
加した触媒の存在下に、気相法で水素還元反応を行え
ば、高収率にて、目的物が得られることを見出し、第2
の発明を完成させるに至った。
即ち、第2の発明の要旨は、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを原料として、ジルコニ
ウム及びバナジウムより選ばれた少なくとも一種の元素
をパラジウムに添加した触媒の存在下に、特に30〜450
℃の温度にて気相法で水素還元反応を行うことによっ
て、80%以上の高収率にて、1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロプロパンを製造する方法にある。
第2の発明では、特に、ジルコニウム及びバナジウム
より選ばれた少なくとも一種の元素をパラジウムに添加
した触媒を用いて、気相法で水素還元反応を行うことが
重要である。気相反応の方式としては、固定床型気相反
応、流動床型気相反応などの方式をとることができる。
パラジウムに対するジルコニウム及び/又はバナジウ
ムの添加量は、モル比で通常、0.01〜4であり、好まし
くは0.1〜2である。
ジルコニウム及びバナジウムより選ばれた少なくとも
一種の元素を添加した触媒は、活性炭、シリカゲル、酸
化チタン及びジルコニアその他のうちから選ばれた少な
くとも一種からなる担体に担持されたものが好ましい。
この場合、担持させる上記金属は、塩の形態であって
よく、これには、硝酸塩、酸化物塩、酸化物、塩化物等
が使用できる。
また、担体の粒径については反応にほとんど影響を及
ぼさないが、好ましくは0.1〜100mmが好適である。
担持濃度としては、0.05〜10%と幅広いものが使用可
能であるが、通常0.5〜5%担持品が推奨される。
反応温度は、通常30〜450℃、好ましくは70〜400℃で
ある。
1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパン
の水素還元反応において、水素と原料の割合は大幅に変
動させ得る。しかしながら、通常、少なくとも化学量論
量の水素を使用して水素化を行う。出発物質の全モルに
対して、化学量論量よりかなり多い量、例えば8モルま
たはそれ以上の水素を使用し得る。
反応の圧力は特に限定されず、加圧下、減圧下、常圧
下で可能であるが、減圧下では装置が複雑になるため、
加圧下、常圧下で反応を行う方が好ましい。
接触時間は、通常0.1〜300秒、特には1〜30秒であ
る。
また、本発明者は、前述の課題を解決すべく、 一般式I: で表されるハロゲン化プロペン(例えば1,1,1,2,3,3−
ヘキサクロロプロペン)を3ハロゲン化アンチモン及び
/又は5ハロゲン化アンチモンの存在下にフッ化水素で
液相にてフッ素化し、この際、3ハロゲン化アンチモン
及び/又は5ハロゲン化アンチモンに対し5倍モル以上
のフッ化水素を反応系内に存在させることを特徴とす
る、第1及び第2の発明の出発原料としての1,1,1,3,3
−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンの製造方法
を見出し、第3の発明に到達した。
第3の発明は、例えば、上記一般式Iのハロゲン化プ
ロペンを3ハロゲン化アンチモンであるフッ化塩化アン
チモン及びHF共存下にてフッ素化して、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを製造するもの
である。
第3の発明において、反応系に加えられた塩化アンチ
モンはHFの存在下に部分的にフッ素化され、SbClxFy
(x+y=5)となることが知られているが、ハロゲン
化プロペンのように塩素化され得る水素または二重結合
をもつ化合物のフッ素化の触媒として用いる場合には、
フッ素含有量が多いほどフッ素化の反応は速やかに進
み、副反応生成物である塩素化生成物の生成を抑えるこ
とができることを見い出した。
また、加えた3ハロゲン化アンチモン及び/又は5ハ
ロゲン化アンチモンに対し過剰量のHFを共存させること
により、3ハロゲン化アンチモン及び/又は5ハロゲン
化アンチモンのフッ素含有量を高く保ち、また付加反応
を促進し、選択率よく1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3
−ジクロロプロパンを合成できることを見出し、第3の
発明を完成した。
反応器内に仕込むHFの量は、消費されるHFに生成物と
同伴して抜ける量を加えたものである。即ち、これによ
り、反応系内のHF量を一定に保つ。しかしながら、反応
器の容量の許す範囲での変動は、HFの過剰率を維持でき
れば許される。また、反応前に、必要量のHFを全て反応
器内に仕込んでおくこともできる。
反応器内に仕込んでいくハロゲン化プロペンの時間あ
たりの導入量(仕込み速度)は、系内に加えたフッ化塩
化アンチモンに対して少なくしなければならないが、少
なくすることは、反応器の容量あたりの生産量を下げる
ので好ましくない。
しかし、あまり多くすると、フッ化塩化アンチモンの
フッ素含有量の低下が起こり、反応は進行するものの選
択率が低下する。即ち、ハロゲン化プロペンの導入量
は、仕込んだフッ化塩化アンチモンに対し、通常、100
倍モル/Hr以下、2倍モル/Hr以上に設定する。好ましく
は、50倍モル/Hr以下、5倍モル/Hr以上に設定するのが
望ましい。
反応温度は40℃以上であれば反応は進行するが、その
場合、仕込んだフッ化塩化アンチモンに対するハロゲン
化プロペンの導入量を少なくしなければ選択率が低下す
る。
反応温度が高いことは生産性及び選択率の点において
も有利であるが、反応圧力は反応温度に従って高く維持
されなければならない。反応圧力を高く維持することは
設備上のコストを増大させるので、実用上、反応は50℃
から150℃の範囲で行うのが望ましい。
また、反応圧力は反応温度に従って上昇させ、HFと生
成物の分離を行うために、3Kg/cm2から30Kg/cm2の範囲
で適切な圧力を選べる。そして、反応を一定圧力に保ち
ながら、反応系内に原料であるハロゲン化プロペンをゆ
っくり仕込み、かつフッ化水素も仕込み、生成する1,1,
1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを抜き
出していくことによって、目的物を高収率で得ることが
できる。
反応系内のフッ化塩化アンチモンと共存させるHFの量
を多くすることは、反応の選択率には影響を与えない
が、多くすることは反応器容量あたりの生産性を低下さ
せる。少ない場合は、反応は進行するものの、選択率の
低下を避けるためにはハロゲン化プロペンの導入量を少
なくしなければならない。実用的には、フッ化塩化アン
チモンに対しフッ化水素を5倍モル以上にして反応を行
うべきであり、500倍モル以下で行うことが望ましい。
より好ましくは、50倍モル以上、200倍モル以下のHFを
共存させる。
なお、第3の発明において使用可能な3ハロゲン化ア
ンチモン、5ハロゲン化アンチモンとしては上記以外に
も、SbF3及びSbCl5の混合物又はSbF3をCl2により一部Sb
Cl2F3としたもの等が使用可能である。
更に、本発明者は、上述した問題を解決するために鋭
意検討の結果、ヘプタクロロプロパンの脱塩酸反応にお
いて1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンとKOH水溶液
等のアルカリ金属水酸化物の水溶液とを適切な相間移動
触媒の存在下に反応させることにより、穏やかな反応条
件で反応が進行することを見出した。
即ち、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンを相間
移動触媒の存在下にアルカリ金属水酸化物の水溶液と反
応させることを特徴とする、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロ
ロプロペンの製造方法である。
一般的に、アルカリ金属水酸化物のようなイオン性の
化合物はヘプタクロロプロパンには溶解しない。そのた
め、アルコールのような相溶性の溶媒を用いて反応を行
うことが一般に行われる。しかしこの方法は、反応後
に、使用した反応溶媒を生成した目的物から分離しなけ
ればならない。また、アルカリ金属水酸化物の水溶液を
用いて2相系で反応を行うことも考えられるが、2相系
で行うと、一般的に反応は遅く、激しい条件がしばしば
必要になる。
しかし、ここでのアルカリ金属水酸化物の水溶液を用
いて2相系での反応を、相間移動触媒、特に下記に示す
ようなテトラアルキルアンモニウム塩もしくはテトラア
ルキルホスホニウム塩の存在下に行うと、穏やかな条件
ですみやかに反応を進行することを見出した。
反応に用いるテトラアルキルアンモニウム塩のカチオ
ンとしては、ベンジルトリエチルアンモニウム、トリオ
クチルメチルアンモニウム、トリカプリルメチルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウム、などが挙げられ
る。
また、テトラアルキルホスホニウム塩のカチオンとし
ては、テトラブチルホスホニウム、トリオクチルエチル
ホスホニウムなどが挙げられる。
上記のカチオンと塩を構成するアニオンは限定されな
いが、一般的に塩素イオン、硫酸水素イオンなどが挙げ
られる。
しかしながら、上記のものは例示したにすぎず、触媒
の種類を限定するものではない。
また、上記の反応に使用可能なアルカリ金属水酸化物
としては、NaOH、KOHなどが例示される。このアルカリ
金属水酸化物の水溶液の濃度は限定されないが、5〜50
%であってよく、望ましくは20〜40%で反応を行う。
これらの水溶液は、反応後、生成したアルカリ金属塩
化物を沈澱法、濾過などの方法で除去し、再度アルカリ
金属水酸化物を加えて再利用できる。
反応は2相系で行われ、容易に相分離し、目的物であ
る1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペン粗生成物が得ら
れる。得られた粗生成物は蒸留により容易に精製でき、
使用した触媒および未反応のヘプタクロロプロパンを回
収することが可能である。
反応温度は通常、室温〜80℃で行い、望ましくは40℃
〜60℃で行う。
また、原料である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロ
パンは、テトラクロロエチレンとクロロホルムとを塩化
アルミニウム等のルイス酸触媒の存在下に反応させるこ
とにより得ることができる(特開昭61−118333号等参
照)。
上記した第1の発明〜第3の発明に関し、各発明の製
造方法で得られる生成物は次のように使用することがで
きる。
まず、上記の製造方法によって得られた1,1,1,2,3,3
−ヘキサクロロプロペンを原料とし、これを第3の発明
の製造方法によって1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−
ジクロロプロパンに誘導し、これを第1の発明又は第2
の発明の製造方法によって1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
プロパンに導くことができる。この一連の工程によっ
て、容器に入手しうる安価な原料より、高収率にて目的
物が得られ、経済性に優れる。
この場合、上記に得られた1,1,1,2,3,3−ヘキサクロ
ロプロペンを第3の発明の製造方法によって1,1,1,3,3
−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンに導き、こ
れを生成物として取り出すことができる。この工程で
は、得られた生成物を医農薬中間体や樹脂モノマー中間
体として利用できるという利点が得られる。
また、第3の発明の製造方法によって得られた1,1,1,
3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを原料と
し、これを第1の発明又は第2の発明の製造方法によっ
て1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに導くことがで
きる。この一連の工程によって、高収率にてウレタン発
泡剤として重要な1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
が得られるという利点が得られる。
産業上の利用可能性 第1及び第2の発明は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ
−2,3−ジクロロプロパンを原料として、パラジウム触
媒等の貴金属触媒の存在下に特に30〜450℃の温度にて
水素還元反応を行っているので、80%以上の高選択率に
て、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを製造するこ
とができる。
また、第3の発明は、一般式Iのハロゲン化プロペン
を3ハロゲン化アンチモン及び/又は5ハロゲン化アン
チモンの存在下にこのハロゲン化アンチモンの5倍モル
以上のフッ化水素で液相にてフッ素化しているので、安
価にしかも容易かつ高収率に1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロ−2,3−ジクロロプロパンを製造できる工業的製法を
提供できる。
実施例 以下、本発明の実施例を種々説明するが、これらの実
施例は本発明の技術的思想に基いて様々に変形可能であ
る。
実施例1 内径2cm、長さ40cmのSUS316製反応管に、活性炭に0.5
%濃度で担持されたパラジウム触媒20ccを充填し、窒素
ガスを流しながら、電気炉にて250℃に加熱した。所定
の温度に達した後、窒素ガスを水素ガスに変え、しばら
く流した。
次に、予め気化させておいた1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを16.7cc/分で、水素ガス
を140cc/分で反応管に導入した。反応温度は250℃を保
った。
生成ガスは、水洗し、塩化カルシウムで乾燥後、ガス
クロマトグラフィにより分析を行った。結果を第1表に
示す。
実施例2 水素ガスの流量を140cc/分、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを17cc/分、反応温度を27
0℃にし、他は実施例1と同様に反応を行った。結果を
第1表に示す。
この結果から、第1の発明に基づく反応によって、反
応率100%で80%以上の高選択率で目的とする化合物を
得ることができる。
実施例3 内径2cm、長さ40cmのSUS316製反応管に、活性炭にパ
ラジウムが0.5%、ジルコニウムが0.25%担持された触
媒20ccを充填し、窒素ガスを流しながら、電気炉にて25
0℃に加熱した。所定の温度に達した後、窒素ガスを水
素ガスに変え、しばらく流した。
次に、予め気化させておいた1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを16.7cc/分で、水素ガス
を140cc/分で反応管に導入した。反応温度は250℃を保
った。
生成ガスは、水洗し、塩化カルシウムで乾燥後、ガス
クロマトグラフィにより分析を行った。結果を第2表に
示す。
実施例4 水素ガスの流量を120cc/分、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを35cc/分に変えた以外
は、実施例3と同様に反応を行った。結果を第2表に示
す。
実施例5 内径2cm、長さ40cmのSUS316製反応管に、活性炭にパ
ラジウムが0.5%、バナジウムが0.25%担持された触媒2
0ccを充填し、窒素ガスを流しながら、電気炉にて250℃
に加熱した。所定の温度に達した後、窒素ガスを水素ガ
スに変え、しばらく流した。
次に、予め気化させておいた1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを16.7cc/分で、水素ガス
を140cc/分で反応管に導入した。反応温度は250℃を保
った。
生成ガスは、水洗し、塩化カルシウムで乾燥後、ガス
クロマトグラフィにより分析を行った。結果を第2表に
示す。
実施例6 水素ガスの流量を280cc/分、1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンを32cc/分に変えた以外
は、実施例5と同様に反応を行った。結果を第2表に示
す。
この結果から、第2の発明に基づく反応によって、反
応率100%で80%以上の高選択率で目的とする化合物を
得ることができる。
実施例7 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイ
ブにSbCl5を29.9g(0.1mol)入れ、これを冷却した後
に、HF300g(15mol)を加えた。その後、徐々に温度を
上げ、80℃で3時間反応させた。
温度を80℃に保ったまま、1,1,1,2,3,3−ヘキサクロ
ロプロペンを0.2mol/Hr、HFを1.2mol/Hrで加えた。反応
器の重量が一定になるように、反応圧力を9Kg/cm2から1
1Kg/cm2の範囲に制御した。
反応中、コンデンサー上部より生成した塩酸および生
成物を抜き出し、塩酸を水洗後、生成物をドライアイス
トラップで捕集した。1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロ
ペンを249g(1mol)加えたところで、反応を停止した。
反応後、圧力を徐々に下げていき、内容物を抜き出し
た。生成物として190gの有機物を得た。
生成物中の97%が目的とする、実施例1等で出発原料
として使用可能な(以下、同様)1,1,1,3,3−ペンタフ
ルオロ−2,3−ジクロロプロパンであることをGLCで確認
した(収率91%)。主な副生物は、反応中間体である1,
1,1,3−テトラフルオロ−2,3,3−トリクロロプロパンで
あり、塩素が付加したハロゲン化プロパンは認められな
かった。
参考例1 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイ
ブにSbCl5を29.9g(0.1mol)入れ、これを冷却した後
に、HF300g(15mol)を加えた。その後、徐々に温度を
上げ、80℃で3時間反応させた。
温度を80℃に保ったまま、1,1,1,2−テトラフルオロ
−3,3−ジクロロプロペンを0.2mol/Hr、HFを0.6mol/Hr
で加えた。反応圧力を9Kg/cm2から11Kg/cm2の範囲に制
御した。
反応中、コンデンサー上部より生成した塩酸および生
成物を抜き出し、塩酸を水洗後、生成物をドライアイス
トラップで捕集した。1,1,1,2−テトラフルオロ−3,3−
ジクロロプロペンを183g(1mol)加えたところで、反応
を停止した。
反応後、圧力を徐々に下げていき、内容物を抜き出し
た。生成物として有機物177gを得た。
生成物中の98.5%が目的とする1,1,1,2,3,3−ヘキサ
フルオロ−3−クロロプロパンであることをGLCで確認
した(収率94%)。
主な副生物は、反応中間体である1,1,1,2,3−ペンタ
フルオロ−3,3−ジクロロプロパンであり、塩素が付加
したハロゲン化プロパンは認められなかった。
実施例8 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイ
ブにSbCl5を29.9g(0.1mol)入れ、これを冷却した後
に、HF300g(15mol)を加えた。その後、徐々に温度を
上げ、80℃で3時間反応させた。
温度を80℃に保ったまま、1,1,1−トリフルオロ−2,
3,3−トリクロロプロペンを0.2mol/Hr、HFを0.8mol/Hr
で加えた。反応圧力を10Kg/cm2から12Kg/cm2の範囲に制
御した。
反応中、コンデンサー上部より生成した塩酸および生
成物を抜き出し、塩酸を水洗後、生成物をドライアイス
トラップで捕集した。1,1,1−トリフルオロ−2,3,3−ト
リクロロプロペンを199g(1mol)加えたところで、反応
を停止した。
反応後、圧力を徐々に下げていき、内容物を抜き出し
た。生成物として有機物198gを得た。
生成物中の98%が目的とする1,1,1,3,3−ペンタフル
オロ−2,3−ジクロロプロパンであることをGLCで確認し
た(収率96%)。
主な副生物は、反応中間体である1,1,1,3−テトラフ
ルオロ−2,3,3−トリクロロプロパンであり、塩素が付
加したハロゲン化プロパンは認められなかった。
実施例9 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイ
ブにSbCl5を29.9g(0.1mol)、SbF3を17.9g(0.1mol)
入れた以外は実施例7と同様にして反応を行った。
生成物として有機物196gを得た。生成物中の98%が目
的とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプ
ロパンであることをGLCで確認した(収率94%)。主な
副生成物は1,1,1−テトラフルオロ−2,3,3−トリクロロ
プロパンであり、塩素が付加した化合物は認められなか
った。
上記の結果から、第3の発明に基づく反応によって、
容易かつ高収率に1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−ハ
ロゲノ−3−クロロプロパンを製造することができる。
実施例10 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた500ml丸
底フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン2
85.5g(1.0mol)およびテトラブチルアンモニウムクロ
ライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、20%KOH水
溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌
を止めて、下層の有機層を分析した。原料である1,1,1,
2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンは消失し、有機層は1,
1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンのみであった。
反応液を分液ロートに移し、有機層を分け取った。飽
和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、23
7g(95%)の(実施例7等の出発原料として使用可能
な:以下、同様)粗1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペ
ンを得た。
実施例11 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた500ml丸
底フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン2
85.5g(1.0mol)およびトリカプリルメチルアンモニウ
ムクロライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、20%KOH水
溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時
間反応をさせた。その後、攪拌を止めて、下層の有機層
を分析した。原料である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロ
プロパンは消失し、有機層は1,1,1,2,3,3−ヘキサクロ
ロプロペンのみであった。
反応液を分液ロートに移し、有機層を分け取った。飽
和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、23
2g(93%)の粗1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンを
得た。
実施例12 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた500ml丸
底フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン2
85.5g(1.0mol)およびテトラブチルホスホニウムクロ
ライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、20%KOH水
溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、攪拌
を止めて、下層の有機層を分析した。原料である1,1,1,
2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンは消失し、有機層は1,
1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンのみであった。
反応液を分液ロートに移し、有機層を分け取った。飽
和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、23
9g(96%)の粗1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンを
得た。
実施例13 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた500ml丸
底フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン2
85.5g(1.0mol)およびトリオクチルメチルアンモニウ
ムクロライド0.3g(0.1mmol)を入れた。
これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、20%KOH水
溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時
間反応をさせた。その後、攪拌を止めて、下層の有機層
を分析した。原料である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロ
プロパンは消失し、有機層は1,1,1,2,3,3−ヘキサクロ
ロプロペンのみであった。
反応液を分液ロートに移し、有機層を分け取った。飽
和食塩水で2度洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、23
7g(95%)の粗1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンを
得た。
比較例1 ジムロート冷却管および滴下ロートを付けた500ml丸
底フラスコに、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン2
85.5g(1.0mol)を入れた。
これを40℃に保ち、激しく攪拌しながら、20%KOH水
溶液250mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時
間反応させた。その後、攪拌を止めて、下層の有機層を
分析した。
反応はわずかしか進んでおらず、有機層の63%は原料
である1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパンであり、
反応率は37%であった。
実施例14 用いるアルカリ水溶液を20%KOH水溶液から20%NaOH
水溶液に置き換えた以外は実施例11と同様にして反応を
行ったところ、232g(93%)の粗1,1,1,2,3,3−ヘキサ
クロロプロペンを得た。
実施例15 コンデンサー付きの500mlハステロイ製オートクレイ
ブにSbCl5を29.9g(0.1mol)、SbCl3を22.9g(0.1mol)
入れた以外は実施例7と同様にして反応を行った。
生成物として有機物194gを得た。生成物中の98%が目
的とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプ
ロパンであることをGLCで確認した(収率93%)。主な
副生物は1,1,1−テトラフルオロ−2,3,3−トリクロロプ
ロパンであり、塩素が付加した化合物は認められなかっ
た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 17/20 C07C 17/20 17/35 17/35 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平2−204443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 19/08 C07C 17/00 C07C 17/20 C07C 17/35

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロ
    ロプロパンを貴金属触媒の存在下に気相法で水素と反応
    させ、水素還元を行うことを特徴とする、1,1,1,3,3−
    ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  2. 【請求項2】貴金属触媒は、活性炭、シリカゲル、酸化
    チタン及びジルコニアのうちから選ばれた少なくとも一
    種からなる担体に担持した、請求の範囲の第1項に記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】貴金属触媒の、担体への担持濃度が0.05〜
    10%である、請求の範囲の第2項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】貴金属触媒がパラジウムからなる、請求の
    範囲の第1項〜第3項のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロ
    ロプロパンに対して少なくとも化学量論量の水素を使用
    して水素化を行う、請求の範囲の第1項〜第4項のいず
    れか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】反応を30〜450℃の温度範囲で行う、請求
    の範囲の第1項〜第5項のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロ
    ロプロパンを、ジルコニウム及びバナジウムより選ばれ
    た少なくとも一種の元素がパラジウムに添加されてなる
    触媒の存在下に、気相法で水素と反応させ、水素還元を
    行うことを特徴とする、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプ
    ロパンの製造方法。
  8. 【請求項8】ジルコニウム及びバナジウムより選ばれた
    少なくとも一種の元素がパラジウムに添加されてなる触
    媒は、活性炭、シリカゲル、酸化チタン及びジルコニア
    のうちから選ばれた少なくとも一種からなる担体に担持
    した、請求の範囲の第7項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】ジルコニウム及びバナジウムより選ばれた
    少なくとも一種の元素がパラジウムに添加されてなる触
    媒の、担体への担持濃度が0.05〜10%である、請求の範
    囲の第8項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジク
    ロロプロパンに対して少なくとも化学量論量の水素を使
    用して水素化を行う、請求の範囲の第7項〜第9項のい
    ずれか1項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】反応を30〜450℃の温度範囲で行う、請
    求の範囲の第7項〜第10項のいずれか1項に記載の製造
    方法。
  12. 【請求項12】一般式I: で表されるハロゲン化プロペンを3ハロゲン化アンチモ
    ン及び/又は5ハロゲン化アンチモンの存在下にフッ化
    水素で液相にてフッ素化し、この際、3ハロゲン化アン
    チモン及び/又は5ハロゲン化アンチモンに対し5倍モ
    ル以上のフッ化水素を反応系内に存在させることを特徴
    とする、請求の範囲の第1項又は第7項に記載の1,1,1,
    3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンの製造方
    法。
  13. 【請求項13】反応を一定圧力に保ちながら、反応系内
    に原料であるハロゲン化プロペン及びフッ化水素を仕込
    み、生成する1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2,3−ジクロ
    ロプロパンを抜き出していく、請求の範囲の第12項に記
    載の製造方法。
  14. 【請求項14】一般式Iで表されるハロゲン化プロペン
    が1,1,1,2,3,3−ヘキサクロロプロペンである、請求の
    範囲の第12項又は第13項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン
    を相間移動触媒の存在下にアルカリ金属水酸化物の水溶
    液と反応させることによって得られた1,1,1,2,3,3−ヘ
    キサクロロプロペンを請求の範囲の第12項〜第14項のい
    ずれか1項に記載の製造方法によって1,1,1,3,3−ペン
    タフルオロ−2,3−ジクロロプロパンに誘導し、これを
    請求の範囲の第1項〜第11項のいずれか1項に記載の製
    造方法によって1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに
    導く、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方
    法。
  16. 【請求項16】相間移動触媒がテトラアルキルアンモニ
    ウム塩である、請求の範囲の第15項に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】相間移動触媒がテトラアルキルホスホニ
    ウム塩である、請求の範囲の第15項に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】請求の範囲の第15項〜第17項のいずれか
    1項に記載の製造方法によって得られた1,1,1,2,3,3−
    ヘキサクロロプロペンを1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−
    2,3−ジクロロプロパンに導く、請求の範囲の第12項〜
    第14項のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】請求の範囲の第12項〜第14項のいずれか
    1項に記載の製造方法によって得られた1,1,1,3,3−ペ
    ンタフルオロ−2,3−ジクロロプロパンを請求の範囲の
    第1項〜第11項のいずれか1項に記載の製造方法によっ
    て1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに導く、1,1,1,
    3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
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