JP3037968U - 埋込型反射式照明器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】床面から所定の高さにある起立面を、天井面か
ら均一の照度で照射させる新規な構造の天井埋込設置型
の照明器具を提供する。 【解決手段】中央にランプ等の光源１を配したかさ体の
内方で、光源１を挟むように一対の反射鏡３，３を対向
配置し、一対の反射鏡３，３によって形成される照射投
影面が、照射対象物の被照射面の全体をカバーし、かつ
その照度が均一になるように、それぞれの反射鏡３の反
射面３１の形状と曲率を規定している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、かさ体内に配置した光源から放射される光束を、一対の反射鏡で振 り分けて、それぞれの反射鏡から放射される反射光によって、対向配置された１ 組の照射対象物の被照射面を均一な照度で照射するようにした埋込型反射式照明 器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

かさ体内部の中央にランプなどの光源を配置し、その光源の外方に反射鏡を設 けた埋込型照明器具は、ベースダウン型、ウォールウォッシャー型、ユニバーサ ル型などが存在し、ホテルや店舗、美術館などで使用されている。 図７は、従来のウォールウォッシャー型の埋込型照明器具１００を示しており 、かさ体１０１の中央には、ランプ１０２を光源として取り付け、かさ体１０１ の内方には、ランプ１０２を挟むように一対の反射鏡１０３（図では一方のみを 示す）を配置している。

【０００３】 ところで、このような埋込型照明器具１００は、図８に示したように、店舗、 ホテル、美術館等の狭い通路の天井面Ｃの中央に、埋め込まれるようにして設置 され、特定領域の照度を周囲より高くなるように配光パターンを変化させて光の 明暗によるムード演出を行っている。 例えば、図９はホテルの通路面での利用例を示しており、壁面Ｗを明るい部分Ｗ ａと暗い部分Ｗｂとに意識的に分けて照らしている。また、このような照明器具 は、店舗に陳列されている商品を、より一層美しく見せるためにスポット的に照 らしたり、また、美術館の絵画や彫刻等を、その周辺より明るく照らすため絵画 や彫刻等を浮き立たせるなどの演出を行っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような照明器具では、いずれも、光源から出る光束は放射 状に広がり、照射領域が広くなるようにしているので、光源から遠くなればなる 程、そこでの照度は低くなる。 したがって、このような照明器具は、天井設置であるため設置スペースを採ら ない利点はあるものも、例えば、島状に設けられたパチンコ台の各々のゲーム盤 面を照らす場合には、図１０に示したように、照明器具１００の配灯間隔を短く し、各々の照明器具１００によって形成される照射領域の一部Ｇを重合させる重 合配光設計を行うことによって、照度の低下、ムラを防止する必要がある。

【０００５】 しかしながら、このような配光設計は難しく、単位面積当りの照明器具を多数 設置しなければならず、コスト高になるなどの問題がある。 本考案は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、天井埋 め込み型の利点を活かしながら、従来のベースダウン型、ウォールウォッシャー 型、ユニバーサル型などとは異なり、反射鏡による反射光を照射対象物の被照射 面に照度が均一になるように放射させるようにした新規な構造の埋込型反射式照 明器具を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために提案され、請求項１に記載の埋込型反射 式照明器具では、一対の反射鏡のそれぞれの反射光によって、対向配置された２ つの被照射面を同時に均一に照射することが出来るため、単位面積当りに設ける 照明器具の設置台数を少なくすることができる。

【０００７】 したがって、従来のように、複数の照明器具の配灯間隔を短くして、配向パタ ーンを重ね合わせす必要がなく、配光設計も容易となる。 また、請求項２では、被照射面が方形である場合において好適に使用されるも の、請求項３では、床面から所定の高さで起立する被照射面を照射する照明器具 として使用されるもの、請求項４では、パチンコ店やゲームセンターなどのよう に、所定間隔で島状に整列した遊技台、陳列台などの被照射面を照射するために 、対向配置された遊技台や陳列台の間隙の天井面に埋込んで使用されるものを提 案している。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照しながら、本考案に係る埋込型反射式照明器具の一例につい て説明する。 図１は本考案に係る埋込型反射式照明器具を概略的に示す一部切欠き斜視図、 図２はその半裁断面図、図３は正面図、図４は背面図である。また、図５は、本 考案に係る埋込型反射式照明器具の使用例を説明する図である。

【０００９】 この埋込型照明器具Ａは、先方が広がったメガホン状のかさ体２の中央に、縦 長のランプ１が、光源として収容され、このランプ１の先方には、一対の反射鏡 ３，３がランプ１を挟むように対向配置させている。 かさ体２は、その内奥は、細かい凹凸面を形成した光散乱部２ａを形成し、こ の光散乱部２ａには更に末広がり状に開口した広口反射部２ｂを延設しており、 この広口反射部２ｂはグレアカットに必要な寸法になるまで延設され、かさ体２ は全体として段部を設けたひょうたん形をなしている。

【００１０】 光源１は、光源輝度が高く、寿命が長く、且つ、照度むらを防止するため、寸 法の長い（大きい）ＨＩＤランプを用いており、かさ体２より放射される光束は 光散乱部２ａによってムラなく均一な広がりをもって放射されるようになってい る。 かさ体２は、リング状の底板４１に３本の取付けフレーム４２を固着して形成 される枠体４に取付けられる。このため３本の取付けフレーム４２の上方内面に は先端をく字状に屈曲させた板バネ６を取付け、この板バネ６をかさ体２の基端 に形成した凸部２１に弾性係合させることによって、かさ体２を枠体４に着脱可 能に取付け出来るようにしている。

【００１１】 底板４１の中央に形成された孔部４１ａには、ランプ１の後端に設けたソケッ ト部８を突出させ、このソケット部８は、コ字形フレーム７を底板４１に蝶ネジ ９によってネジ止めすることによって、底板４１に固着されている。 ３本の取付けフレーム４２の先端部には切込口４２ａを開口しており、かさ体 ２を天井面に形成した穴部（不図示）に挿入したとき、この切込口４２ａより取 付具５を突出させて固定する。１０は取付けフレーム４２に、板バネ６によって 弾性係合させたかさ体２の脱落防止用の鎖であり、一端はかさ体２の基部に固着 され、他端は取付けフレーム４２の先端に固着されている。

【００１２】 ついで、一対の反射鏡３，３について説明する。 この一対の反射鏡３，３はいずれも、ランプ１から放射された光を、その反射面 で反射させて、被照射面を照らすものであり、この反射鏡３，３の反射面３１， ３１は、それぞれの反射面３１，３１で反射され、放射される反射光が照射対象 物の被照射面の全体を照らすように、被照射面に応じた輪郭形状に形成されると ともに、被照射面の全体に対して均一な照度が得られるようにするために、それ ぞれの反射面３１，３１の各部の曲率を規定している。

【００１３】 例えば、被照射面の形状が方形である場合には、それぞれの反射鏡から放射さ れる反射光の照射領域が、方形の被照射面の全体をカバーするため、反射面の輪 郭も、方形になっており、更に、このとき被照射面の全体が均一な照度になるよ うに、反射面の横方向の曲率は、その両端側になる程、漸次大きくし、これによ って、反射光の被照射面外方へ拡散する光束を集光させて両側方向の照度が中央 部分に比べて暗くならないようにしており、また反射面の縦方向の曲率は、その 下端側になればなる程、漸次大きくし、これによって、反射光の被照射面下方へ 拡散する光束を集光させて下端部側が中央部に比べて暗くならないようにしてい る。

【００１４】 このように反射鏡の反射面の輪郭形状や曲率は、照明器具から被照射面までの 位置、被照射面の輪郭形状、反射鏡の傾きなどの条件に応じて定められ、被照射 面の全領域が一様な照度で照らされるように、最適値な曲率に設定される。 光の直進性を考慮すれば、反射鏡の反射面の輪郭形状は、被照射面と相似な形 状となるが、反射面によって反射する反射光によって形成される照射領域は、中 央部よりも外周部の照度が一般には暗くなるため、その曲率も外囲側を大きくし て、被照射面における照度が均一になるように設定される。

【００１５】 反射板３の反射面３１の曲面形状は、実際には、照明器具の設置条件を考慮し て、設計した配光曲線、等光曲線に基づいて設定されることになる。 ついで、このような埋込型反射式照明器具Ａの使用例を説明する。 パチンコ台のゲーム盤を照明する場合を例にとれば、照明器具Ａは、複数のパチ ンコ台Ｐ・・・を配列した各島Ｉｓと、これらの各島に対向する隣接した島Ｉｓ との間に形成された天井面Ｃに埋込み設置され、このとき、一対の反射鏡３，３ の各々は、対向配置されたパチンコ台Ｐのそれぞれのゲーム盤面Ｇ，Ｇを被照射 面として、反射光を照射する。

【００１６】 このような照明器具Ａによれば、照明器具Ａの直下を中心とした下方周囲では 、光源１から直接放射された光や、光源１の内奥部の光散乱部２ａで反射された 光がそのまま放射されるが、パチンコ台Ｐのゲーム盤面Ｇには、一対の反射鏡３ の各々より放射された光束が均一な密度で放射されるために、パチンコ台Ｐのゲ ーム盤面Ｇは床面Ｆより垂直に配置されていても、全体として均一な照度で照ら される。

【００１７】 したがって、このような照明器具Ａによれば、図６（ａ），（ｂ），（ｃ）で 示したように、照明器具Ａを通路の天井面に設置する場合、その直下は通路部分 Ｓ３として必要最小限度の照度とし、かつ一対の反射鏡３，３によって形成され る反射光を照射する対向した１組の被照射面Ｓ１，Ｓ２には多くの光束が向かう ように配光パターンを規定することができる。

【００１８】 したがって、配光設計が容易となるとともに、単位面積当りに設ける照明器具 Ａの設置台数も少なくすることができ、床面に対して垂直に配置された起立面を 被照射面とした場合であっても、水平、垂直の双方向から万遍なく、均一に、照 らすことができるので、人の目の疲れ等を防止することができる。 そのため、パチンコ台のゲーム盤面、店舗の商品展示ケースや、美術館等の陳列 棚（例えば、美術館等の陳列棚内に縦方向に掛けられた絵画等）等の照明器具と して、最適である。

【００１９】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、本考案に係る埋込型反射式照明器具は、被照射 面に応じて輪郭形状、曲率の規定された一対の反射鏡を、光源を挟むようにして 対向配置しているので、対向配置された２つの照射対象物の被照射面を均一の照 度で照らすことができる。

【００２０】 このため、従来のように、複数の照明器具の配灯間隔を短くして、各々の照明 器具から照射される照度が低くなる部分を重ね合うように配光設計する必要が無 いので、配光設計が容易となるとともに、複数の照明器具の配灯間隔も長くでき 、単位面積当りに設ける照明器具の設置台数を少なくすることができる。 また、このような照明器具は、床面に対して被照射面を起立させたパチンコ台 のゲーム盤面や、店舗や美術館等の陳列棚の全体または特定部分等を照明する場 合に最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る埋込型反射式照明器具を概略的に
示す一部切欠き斜視図である。

【図２】埋込型反射式照明器具の半裁平面図である。

【図３】埋込型反射式照明器具の正面図である。

【図４】埋込型反射式照明器具の背面図である。

【図５】使用状態を説明する図である。

【図６】（ａ）は埋込型反射式照明器具の配光曲線図、
（ｂ），（ｃ）は使用例の説明図である。

【図７】従来のウォールウォッシャー型の埋込型照明器
具の概略構造を示す一部切欠断面図である。

【図８】従来の埋込型照明器具の配光曲線図である。

【図９】従来の埋込型照明器具の使用例を説明するため
の図である。

【図１０】従来の埋込型照明器具の配光設計で用いられ
る重ね合わせ配光設計を概略的に説明する側面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 埋込型照明器具 １ 光源 ２ かさ体 ３ 反射板 ３１ その光反射面 Ｐ パチンコ台 Ｇ ゲーム盤面

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【手続補正書】

【提出日】平成８年１２月９日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中央にランプ等の光源を配したかさ体の内
   方で、光源を挟むように一対の反射鏡を対向配置し、 上記一対の反射鏡によって形成される照射投影面が、照
   射対象物の被照射面の全体をカバーし、かつその照度が
   均一になるように、反射鏡の反射面の形状と曲率を規定
   していることを特徴とする埋込型反射式照明器具。
2. 【請求項２】上記照射対象物の被照射面が方形である場
   合において、 上記一対の反射鏡の反射面は、横方向の曲率が、その両
   端側になる程、漸次大きくなり、かつ縦方向の曲率が、
   その下端側になる程、漸次大きくなり、且つ、輪郭が方
   形となる曲面に形成されていることを特徴とする埋込型
   反射式照明器具。
3. 【請求項３】上記照射対象物の被照射面が、床面より所
   定の高さに配置された起立面であることを特徴とする埋
   込型反射式照明器具。
4. 【請求項４】上記照射対象物の被照射面が、所定の間隔
   を保持して、対向配列された１組の方形の遊技台あるい
   は陳列台であり、 上記埋込型反射照明器具は、対向配置された１組の照射
   対象物の間の天井面に埋込み設置され、上記一対の反射
   鏡によって上記１組の照射対象物の被照射面を照射する
   構造とされた請求項１または２に記載の埋込型反射式照
   明器具。