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JP2898640B2 - ムタロターゼの発現 - Google Patents

ムタロターゼの発現

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JP2898640B2
JP2898640B2 JP63226724A JP22672488A JP2898640B2 JP 2898640 B2 JP2898640 B2 JP 2898640B2 JP 63226724 A JP63226724 A JP 63226724A JP 22672488 A JP22672488 A JP 22672488A JP 2898640 B2 JP2898640 B2 JP 2898640B2
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mutarotase
polypeptide
dna sequence
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    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ムタロターゼの生物活性を有するポリペプ
チドをコードする組換えDNA配列および形質転換宿主生
物の提供に関する。
本発明は更に、ムタロターゼの生物活性を有するポリ
ペプチドの調製に用いるためのクローニングおよび発現
ベクター、およびかかるベクターで形質転換された宿主
生物、例えば細菌、酵母、他の真菌(fungi)、動物ま
たは人間の細胞など、に関する。
最後に、本発明は、酵素ムタロターゼの生物活性を有
する前記ポリペプチドをアルドースの酵素検出反応また
は反応の速度を高めるために用いることに関する。
ムタロターゼ(アルドース−1−エピメラーゼ、EC5.
1.3.3)がアルドヘキソースのα−およびβ−アノマー
の間、例えばα−およびβ−グルコースまたはα−また
はβ−ガラクトースの間の平衡への到達速度を高めるこ
とは知られている。この酵素は、分析生化学において、
α−またはβ−体に対し特異的な酵素を用いたアルドー
スの酵素検出反応速度を高めるために主に用いられてい
るが、その場合、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ、
グルコースオキシダーゼまたはガラクトースデヒドロゲ
ナーゼを用いた測定方法においては、それら二つのアノ
マー間の平衡到達が律速段階となる。
ムタロターゼ活性は、自体知られた方法により、例え
ばグルコースデヒドロゲナーゼを用いたグルコース転化
の反応速度増大を測定することにより測定される。この
方法は例えば臨床化学における標準的方法の一つであ
る。それは、ムタロターゼ、グルコースデヒドロゲナー
ゼおよびNADをα−グルコースの用時調製溶液と反応さ
せ、そして形成されたNADH2を366nmでの吸光度測定によ
り測定することにより成っている。ムタロターゼによる
NADH2形成速度増加の測定値を比較値と比較することに
より使用溶液中のムタロターゼ活性を計算することがで
きる。
ムタロターゼは天然に広く存在している。それは様々
な微生物(細菌、酵母、線状真菌)、植物、および動物
組織中に存在する。
工業的規模でのムタロターゼ単離を可能にする合理的
な酵素含量はこれまで哺乳動物(牛、豚)の腎臓に認め
られているに過ぎず、すべての既知の市販品は腎臓から
調製されている。この為の後処理過程は一般に極めて複
雑であり、また大量の出発物質を必要としている。アス
ペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)株からのム
タロターゼの微生物学的調製方法についての最初の記述
は、Biochim.Biophys.Acta.662,285(1981)にある。こ
れによれば、培養ブロス1あたり4.4Uのムタロターゼ
活性が最良株から得られた。
しかしながら、ムタロターゼの収量はこの方法では比
較的低い。更に、アスペルギルス・ニガーからの酵素の
性質は、特に酵素測定に用いる場合には、好ましくな
い。西独特許出願公開第3,531,360号明細書は、アシネ
トバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoa
ceticus)の至適化株を用いた古典的な微生物による方
法により、50〜100U/(培養ブロス)のムタロターゼ
活性を得ることができることを開示している。これとの
比較で、同じ西独特許出願公開明細書は、ムタロターゼ
の生物活性を有し、かつ、好ましくはアシネトバクター
・カルコアセチカスのゲノムに起源するDNAによりコー
ドされるポリペプチドを形質転換大腸菌(E.coil)宿主
で発現させる遺伝子工学的方法を記載している。ここで
は、平均約5000U/(培養ブロス)のムタロターゼ活性
が得られる。しかしながらそれら自体で古典的な方法に
対する大変な改良であるこれらのムタロターゼ活性およ
び収量をもってしてもなお不十分であると思われる。
そこで本発明の目的は、従来よりも一段と高収量で、
しかも良好な酵素特性を有するムタロターゼを遺伝子工
学的方法により製造することを可能にするDNA配列およ
びポリペプチドを提供することにある。
驚くべきことに西独特許出願公開第3,531,360号明細
書(特開昭63−287号公報参照)に示されムタロターゼ
の生物活性を有するポリペプチドをコードするDNA配列
の最初の60個のヌクレオチドを欠失させ、後に続く構造
遺伝子の21個のヌクレオチド内でわずかに改変を行い
(後に詳述)、そしてこの新しい構造遺伝子をテトラサ
イクリン・リプレツサー遺伝子の開始点(start)およ
び有効プロモーター配列(それらはいずれも酵素発現が
行われるものと同じ微生物を起源とするのが好ましい)
と融合することにより、形質転換宿主生物中で安定なム
タロターゼを発現する新しい組換えDNA分子が得られ、
しかも西独特許出願公開第3,531,360号明細書の遺伝子
工学的方法によるムタロターゼの取得よりも10〜50倍も
高い酵素活性を得ることができることを見出した。本発
明方法により調製されるムタロターゼの特性は、西独特
許出願公開第3,531,360号明細書で得られる酵素の有利
な特性と等しい。
従って、本発明は、ムタロターゼ生産性微生物のゲノ
ムからの構造遺伝子、テトラサイクリン・リプレツサー
遺伝子の開始点およびプロモーター配列を含み、該テト
ラサイクリン・リプレツサー配列領域とプロモーター配
列が構造遺伝子の発現が行われる微生物に起源するもの
であることを特徴とする、ムタロターゼの生物活性を有
するポリペプチドをコードする組換えDNA配列に関す
る。
本発明は特に、ムタロターゼの生物活性を有するポリ
ペプチドをコードし、その構造遺伝子に相当し、第1図
(a,b)に示されたヌクレオチド配列を有することを特
徴とするDNA配列に関する。
本発明は更に、第2図(a,b)に示されたアミノ酸配
列を有することを特徴とするムタロターゼの生物活性を
有するポリペプチドに関する。
本発明はまた特に、pWH 1256と呼ばれ、DSM4228Pとい
う受託番号を有する発現プラスミドおよびその突然変異
体および変異体に関する。
本発明は更に、本発明の組換えDNAを含有する宿主生
物、特にDSM4227という受託番号を有する大腸菌WH1256
およびその突然変異株および変異株に関する。
更に、本発明は、微生物を栄養培地中で培養しそして
発現により形成されたポリペプチドを単離することより
成り、そして使用微生物が少くとも一つの本発明の組換
えDNA分子で形質転換された宿主生物であることを特徴
とするムタロターゼの生物活性を有するポリペプチドの
調製方法に関する。
更に、本発明は、ムタロターゼの生物活性、および第
2図(a,b)に示されたアミノ酸配列を有するポリペプ
チドをアルドースの酵素反応速度増大のために用いるこ
とに関する。
「酵素ムタロターゼの生物活性を有するポリペプチ
ド」とは、そのアミノ酸配列がアシネトバクター・カル
コアセチカスからの天然ムタロターゼに相当するか、こ
のアミノ酸配列に類似するか、またはその一セクシヨン
しか含まないポリペプチドまたはタンパクを指称する。
相当する融合タンパクも本発明においては「酵素ムタロ
ターゼの生物活性を有するポリペプチド」として指称さ
れる。
ムタロターゼをコードするDNAを挿入できる適当な宿
主生物は主として微生物であるが、植物、動物または人
間の細胞であってもよい。細胞、酵母および線状真菌な
どといった微生物が好ましい。大腸菌を用いるのが特に
好ましい。
テトラサイクリン−抵抗性遺伝子(テトラサイクリン
・リプレツサーを含む)も同じく知られている(例えば
E.Winnacker:Gene und Klone(遺伝子とクローン)、VC
H(1985))。本発明に用いられるテトラサイクリン・
リプレツサー遺伝子は、ムタロターゼ遺伝子の完全なコ
ーデイング領域がコントロールを受けるプロモーター領
域と同じ生物を起源としている。
従って大腸菌からのプロモーターおよびテトラサイク
リン−リプレツサー遺伝子を用いるのが好ましい。
本発明においては、原則的に、ムタロターゼを有効に
発現するあらゆるプロモーターが発現制御配列として適
している。大腸菌プロモーター系、例えば大腸菌λPL
ロモーター系、大腸菌lac系、大腸菌β−ラクタマーゼ
系、大腸菌trp系または大腸菌リポタンパク・プロモー
ター系などを用いるのが好ましい。例えば、欧州公開明
細書第0,041,767号に開示されているλPLプロモーター
が特に適している。
ムタロターゼの生物活性を有するポリペプチドの調製
のために本発明の遺伝子工学的方法を提供するには、次
の工程をとるのが好ましい。
出発ベクターはプラスミドpWH305およびpWH1372であ
る。プラスミドpWH305およびその構築はOehmichen et a
l.,(1984)EMBO J.,539〜543に十分記載されてい
る。pWH305は大腸菌からのテトラサイクリン・リプレツ
サー(tet R)およびλPLプロモーターの遺伝子を含ん
でいる。pWH1372およびその構築は西独特許出願公開第
3,531,360号に開示されている。pWH1372はムタロターゼ
の生物活性を有するポリペプチドをコードするDNA配列
を含有する。このDNA配列は、アシネトバクター・カル
コアセチカスのゲノムを起源としている。そのDNAのヌ
クレオチド配列、およびポリペプチドのアミノ酸配列は
西独特許出願公開第3,531,360号明細書に記載されてい
る。
まずpWH305を既知の制限酵素を用いた標準的方法によ
り、tet R遺伝子領域の開始点のところ、およびその略
反対側のところで切断する。tet R遺伝子の開始部のと
ころでの切断に適しかつ好ましいのは既知の制限酵素で
あるXba Iである。反対側の切断には制限エンドヌクレ
アーゼNde Iを用いるのが好ましい。それら切断によ
り、特に、λPLプロモーターおよびアンピシリン抵抗性
遺伝子を含むベクター断片が生じる。このベクター断片
を次に配列I を有する日本鎖オリゴヌクレオチドと自体既知の方法で
連結する(実施例1)。これらオリゴヌクレオチドは自
体既知の方法により、また西独特許出願公開第3,531,36
0号明細書に詳述されているような標準的方法によって
合成される。これによって得られる生成物が新プラスミ
ドpWH1260である。次にこのプラスミドを制限エンドヌ
クレアーゼ、好ましくはNde Iを用いて切断開環ないし
線状化する。pWH1372のNde Iによる制限は、大略、ムタ
ロターゼ構造遺伝子の開始点およびその末端からいくつ
かのヌクレオチドのところで行われるので好ましい。2
個のベクター断片を自体既知の方法で連結する。これに
よって本発明による新しい発現プラスミドpWH1256が得
られる(第3図)。発現ベクターpWH1256を構築後、そ
れを、常法により、形質転換可能な宿主生物、好ましく
は大腸菌に挿入する。特に適している一例は、その染色
体に非耐熱性リプレツサーcI857をコードする座位を含
む既知のそして入手し易い大腸菌株No.69(大腸菌K12Δ
H1Δtrp)である。すなわち、この株では、λ−PLプロ
モーターにより制御される転写は32℃で完全に阻害され
るが、40℃では阻害されない。何故ならばこの温度で
は、非帯熱性リプレツサーcI857が不活性な形にあるか
らである。
次に、本発明による形質転換宿主生物を自体既知の方
法により適当な栄養培地中で培養し、そしてムタロター
ゼの生物活性を有し発現中に産生されるポリペプチド
は、標準的方法によりそこから得られる。
本発明によれば、pWH305からのベクター断片の連結、
およびその後の、本発明によるベクターpWH1256に関連
付けられるが特定的には指定されない発現プラスミドの
構築を、第2b図に示された部分配列を有するアミノ酸配
列を部分的にコードする合成二本鎖オリゴヌクレオチド
を用いて前述と同様の方法で行うこともできる。適切に
形質転換されているが特定的に名付けられていない大腸
菌宿主細胞におけるムタロターゼの発現により、以下お
よび実施例2に第2a図に示されたポリペプチドについて
記載される数値と比較し得る酵素活性、収量および特性
が得られる。
前述の本発明方法の基礎をなすすべての方法、例え
ば、DNA制限、連結、オリゴヌクレオチドの合成、DNAお
よびアミノ酸配列分析、クローニングおよび形質転換、
発現生成物の単離および精製は文献に十分記載され、ま
た西独特許出願公開第3,531,360号明細書に詳細に説明
されている。
高水準発現を呈し、そして第1a図に示される(合成オ
リゴヌクレオチド配列Iから出発する)本発明のムタロ
ターゼ構造遺伝子のヌクレオチド配列は、西独特許出願
公開第3,531,360号に示されたヌクレオチド80(第1a図
の28位)からの配列に対応している。後者の配列に比
べ、本発明の第1a図の配列は25位(西独特許出願公開第
3,531,360号明細書の79位)に、チミン(T)に代えて
シトシン(C)を含んでいる。60位および70位(西独特
許出願公開第3,531,360号明細書)または6位および16
位(第1a図)のヌクレオチドの間の配列は、−GCA−ACG
−TTA−から−TCT−AGA−TTG−に変わっている。最初の
60個のヌクレオチド(西独特許出願公開第3,531,360号
明細書)は、本発明による第1a図の配列においては、ヌ
クレオチド配列−ATGATG−に置き換わっている。
従って、ヌクレオチド位7から出発するアミノ酸配列
は、−Ala−Thr−Leu−Asn−Val−Lys−Tyr−(西独特
許出願公開第3,531,360号明細書に記載されたヌクレオ
チド60位から出発)に代えて−Ser−Arg−Leu−Asn−Va
l−Lys−Pro−(第2a図)として現われる。
同じく本発明による第1b図のDNA配列(合成オリゴヌ
クレオチド配列IIから出発)は、第1a図に示された本発
明のDNA配列とは、6および13位の間においてのみ、−T
CT−AGA−に代えて−GCA−ACG−という配列である点で
異なっている。アミノ酸配列はそれに対応して−Ser−A
rg−から−Ala−Thr−に変わる(第2b図)。一部のこれ
らの相異は第4図にも示してある。
以上記載した変化を加えることにより、本発明の方法
は、ムタロターゼの生物活性を有するポリペプチドを驚
くほどに高い収量で与える。すなわち、例えば、相応に
形質転換された大腸菌宿主において、約40,000〜200,00
0、好ましくは100,000〜150,000、単位/(培養液)
のムタロターゼ活性を得ることができる。これは西独特
許出願公開第3,531,360号明細書に記載の方法に比べ、
約30倍の酵素活性増加である。古典的な微生物による方
法によって得られるアスペルギルス・ニガーおよびアシ
ネトバクター・カルコアセチカスの至適化株(その一部
は今もなお使用されている)におけるムタロターゼ活性
と比較すれば、実際、それぞれ約30,000および3,000倍
の増大であることがわかる。本発明方法により得られる
量は培地1あたりムタロターゼ200〜800、好ましくは
500〜650mgの間で変化する。
本発明方法により大腸菌で発現したムタロターゼは、
丁度、西独特許出願公開第3,531,360号に記載の方法と
同様の簡単かつ効果的な方法により単離・精製すること
ができる。更に、それはほぼ同一の有利な性質を有す
る。
本発明方法により調製されるムタロターゼは、これら
の良好な特性およびその極めて高い活性の故に、アルド
ースの酵素反応速度を高めるのに著しく適している。
実施例 1 発現プラスミドpWH1256の構築と大腸菌の形質転換 19μgのpWH305(Oehmichen et al.,loc.cit.)を制
限エンドヌクレアーゼXba IおよびNde Iを用いて制限
し、そしてベクター断片を電気泳動後アガロースゲルか
ら溶出する。
次の配列 を有する2個のオリゴヌクレオチドを西独特許出願公開
第3,531,360号明細書に記載の如く合成し、そして100倍
モル過剰でベクター断片と連結する。反応生成物を自体
既知の方法により大腸菌W6に転移させる。大腸菌W6は欧
州公開明細書0,041,767号に開示されている。プラスミ
ドDNAは迅速消化によって50個のアンピシリン抵抗性候
補(candidate)から調製し、そしてXba IおよびNde I
を用いた制限により検査する。両方の制限エンドヌクレ
アーゼによって線状化されるプラスミドを持つコロニー
は二本鎖ジデオキシ配列により特徴付けられる(Chenお
よびSeeburg(1985)、DNA ;165〜170)。これにより
前記オリゴヌクレオチドの配列のほか側部ベクター領域
(flanking vector region)の配列も確認される(Post
le et al.(1984),Nucleic Acids Res.12,4849−4863;
Sutcliffe(1979),Cold Spring Harbor Symp.Quant.Bi
ol.43,77−90)。得られたプラスミドは、pWH1260と指
称され、そして1の培養液から調製される。5μgの
pWH1260を制限エンドヌクレアーゼNde Iを用いて線状化
する。10μgのpWH1372(西独特許出願公開第3,531,360
号明細書)を制限エンドヌクレアーゼNde Iで消化し、
そして1350bpの鎖長の断片を常法により1%アガロース
ゲルから溶出する。等モル量の線状化pWH1260DNAおよび
pWH1372からの1350bp断片を連結し、大腸菌W6へ転移す
る。50個のアンピシリン抵抗性候補からのプラスミドDN
Aを迅速消化により調製しそして1%アガロース上で電
気泳動にかけて挿入が行われたかどうかチエツクする。
組換えコロニーにおける挿入方向はEcoR Iで制限するこ
とによってチエツクする。tetR(pWH305)mro(pWH137
2)融合を有するプラスミドはpWH1256と称され、また1
の培養液から調製される。融合タンパクを発現させる
ために、そのプラスミドを大腸菌K12ΔH1Δtrp(西独特
許出願第3,531,360号明細書)に30℃で形質転換する。
得られる株を大腸菌WH1256と指称する。pWH1256の構築
を第3図に概略的に示している。
実施例 2 発現プラスミドpWH1256の大腸菌69におけるムタロター
ゼ発現 大腸菌株No.69(大腸菌K12ΔH1Δtrp)を標準的方法
により組換え発現プラスミドpWH1256で形質転換する。
この宿主細菌株はその染色体に非耐熱性リプレツサーcI
857をコードする座位を含んでいる。従ってこの株で
は、λPLプロモーターにより制御される転写が32℃では
完全に阻害されるが、40℃では阻害されない。何故な
ら、この温度ではその非耐熱性リプレツサーcI857が不
活性な形となるからである。
典型的な発現手順では、発酵槽中の4のLB培地(10
g/のトリプトン、8g/のNaCl、5g/の酵母エキス、
pH7.8、0.1g/のアンピシリン)に大腸菌69/pWH1256の
一夜培養液200mlを接種し、そして培養を28℃で菌体密
度が5OD(650nm)となるまで行う。次に培養液を42℃に
加熱しそして更に通気する。次いで菌体を破砕した後、
ムタロターゼ活性を検出する。
1mlの菌体培養液を取り出し、50mM EDTA濃度となるよ
う調節し、氷上で10分間インキユベートし、100μの
リソチーム(10mg/ml)を添加し、そして氷上インキユ
ベーシヨンを10分間続ける。次に菌体を氷冷しながら溶
解させる。菌体破砕物を次いで遠心分離により除き、そ
して上清のムタロターゼ活性を前述の如く調べる。150,
000U/(培地)という測定発現値は約ムタロターゼ650
mg/(培地)に相当する。
【図面の簡単な説明】
第1図はムタロターゼ(a)および変異物(b)の生物
活性を有するポリペプチドをコードする構造遺伝子領域
のDNA配列を示す図であり、aはプラスミドpWH1256に存
在するDNA配列を示し、bは(A)位および(B)位の
間の代替配列を示す。 第2図はpWH1256(a)および変異物(b)の発現生成
物のアミノ酸配列を示す図であり、aは、pWH1256の発
現生成物のアミノ酸配列を示し、bは、(A)位と
(B)位との間の代替配列を示す。 第3図は、プラスミドpWH305およびpWH1372からの発現
プラスミドpWH1256の構築を示す図であり、pWH305は大
腸菌からのtetR領域およびλPLプロモーターを含み、pW
H1372は、アシネトバクター・カルコアセチカスからの
ムタロターゼをコードする遺伝子領域を含む。 第4図は、ムタロターゼ遺伝子の開始点の領域における
pWH1256からのヌクレオチド配列を示す図であり、好ま
しいものとして使用される制限酵素Xba IおよびNde Iに
より行われる切断、およびそれらに帰属されるアミノ酸
が図示されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 9/90 C12R 1:19) (72)発明者 ウルリケ・ギユラント ドイツ連邦共和国D‐6100ダルムシユタ ツト、フランクフルテル、シユトラーセ 250 (56)参考文献 欧州公開214548(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenSeg EPAT(DIALOG)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムタロターゼ生産性微生物のゲノムからの
    構造遺伝子、テトラサイクリン・リプレツサー遺伝子の
    開始点およびプロモーター配列を含み、該テトラサイク
    リン・リプレツサー配列領域とプロモーター配列とが構
    造遺伝子の発現が行われる微生物に起源するものである
    ことを特徴とする、ムタロターゼの生物活性を有するポ
    リペプチドをコードする組換えDNA配列。
  2. 【請求項2】構造遺伝子が なるヌクレオチド配列を有する、請求項1記載のDNA配
    列。
  3. 【請求項3】上記(A)位と(B)位との間に なるヌクレオチド配列を有する、請求項1または2記載
    のDNA配列。
  4. 【請求項4】 なるアミノ酸配列を有することを特徴とする、ムタロタ
    ーゼの生物活性を有するポリペプチド。
  5. 【請求項5】上記(A)位と(B)位との間に なるポリペプチド配列を有することを特徴とする、請求
    項4に記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】請求項2又は3記載のDNA配列によりコー
    ドされることを特徴とする、酵素ムタロターゼの生物活
    性を有するポリペプチド。
  7. 【請求項7】構造遺伝子がアシネトバクター属のゲノム
    に起源する、請求項1〜3のいずれかに記載のDNA配
    列。
  8. 【請求項8】テトラサイクリン・リプレツサーの配列が
    大腸菌に起源する、請求項1〜3のいずれかに記載のDN
    A配列。
  9. 【請求項9】プロモーター配列が大腸菌に起源する、請
    求項1〜3のいずれかに記載のDNA配列。
  10. 【請求項10】構造遺伝子が請求項2又は3に記載のDN
    A配列の(A)と(B)との間のヌクレオチド配列を有
    するか、特異的又は非特異的改変によりこのDNA配列に
    関係づけられ、又はそれとハイブリダイズするヌクレオ
    チド配列を有することを特徴とする、請求項1に記載の
    DNA配列。
  11. 【請求項11】ムタロターゼの生物活性を有するポリペ
    プチドをコードするDNA配列を含み、pWH1256の呼称およ
    びDSM4228Pの受託番号を有する発現プラスミド。
  12. 【請求項12】請求項1〜3のいずれかに記載のDNA分
    子少くとも一つで形質転換されていることを特徴とする
    宿主生物。
  13. 【請求項13】大腸菌であることを特徴とする請求項12
    記載の宿主生物。
  14. 【請求項14】大腸菌(E.coli)WH1256の呼称およびDS
    M4227の受託番号を有する宿主生物。
  15. 【請求項15】微生物を栄養培地中で培養しそして発現
    により形成されたポリペプチドを単離することよりな
    る、ムタロターゼの生物活性を有するポリペプチドの調
    製方法において、使用微生物が請求項1〜10のいずれか
    に記載の少くとも一つの組換えDNA分子で形質転換され
    た宿主生物であることを特徴とする、前記調製方法。
  16. 【請求項16】請求項4〜6のいずれかに記載のポリペ
    プチドを使用することによる、アルドースの酵素反応速
    度増大方法。
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