JP2770707B2 - AlGaInP系発光素子用チップの製造方法 - Google Patents
AlGaInP系発光素子用チップの製造方法Info
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Description
素子用チップの製造方法に関する。さらに詳しくは、ダ
イシング時に導入される加工歪を完全に除去でき、光取
り出し効率を向上することができるAlGaInP系発
光素子用チップの製造方法に関する。
除くIII-V族化合物半導体混晶中で最大の直接遷移型エ
ネルギーギャップを有し、550〜650nm帯(緑色
〜赤色域)の高輝度可視光発光装置の発光材料として注
目されている。高輝度の発光素子(LED)を製造する
には、AlGaInP系発光材料の発光効率を高めると
ともに、発光光の外部取り出し効率を向上させることが
重要である。
D)を構成するAlGaInP系発光素子用チップ10
の構造断面図を示す。このAlGaInP系発光素子用
チップ10は、n型GaAs基板1上にn型GaAsバ
ッファ層2、n型AlGaInPクラッド層3、AlG
aInP活性層4、p型AlGaInPクラッド層5及
びp型AlGaAs電流拡散層6を順次積層形成し、前
記p型AlGaAs電流拡散層6上にp側電極(上面電
極)7、n型GaAs基板1の下面にn側電極(下面電
極)8を設けた構成になっている。なお、電流拡散層6
の材料としては、AlGaAsの代りにAlGaAsP
を用いる場合もある。
3、AlGaInP活性層4及びp型AlGaInPク
ラッド層5とで構成されるAlGaInPダブルヘテロ
構造層は発光層部9を構成し、AlGaInP活性層4
が発光層となる。
素子用チップ10の従来の製造工程の一例を図2に基づ
いて説明する。図2において12は、n型GaAsバッ
ファ層2、n型AlGaInPクラッド層3、AlGa
InP活性層4、p型AlGaInPクラッド層5及び
p型AlGaAs電流拡散層6からなる積層部を示す。
キシャルウエーハ11に形成されたp型AlGaAs電
流拡散層6上にp側電極7、n型GaAs基板1の下面
にn側電極8を形成する(図2(A))。このようにし
て製造された構造体を、粘着シート13に貼り付けて固
定し、ダイシング分離する(図2(B))。その後、各
チップの間隔を広げ(エキスパンジョン工程、図2
(C))、次いで[硫酸(H2SO4)−過酸化水素水
(H2O2)]系エッチング液でエッチング処理を施し、
ダイシング時に導入された加工歪(以下、「ダイシング
歪」と言う。)を除去する(図2(D))。このように
して図1に示すAlGaInP系発光素子用チップ10
を得る。
(H2SO4)−過酸化水素水(H2O2)]系エッチング
液を用いてダイシング歪除去エッチングを行うと、Al
GaInPのエッチング速度がGaAsやAlGaAs
(またはAlGaAsP)のそれと比べて著しく小さい
ため、所定量のエッチングにおいて、前記n型GaAs
基板1、n型GaAsバッファ層2及びp型AlGaA
s電流拡散層6が主体的にエッチングされ、発光層部9
のダイシング切断面がほとんどエッチングされないとい
う問題があった。発光層部9がほとんどエッチングされ
ないと、ダイシング歪を十分に除去できないため、光取
り出し効率の悪化による輝度の低下、リーク電流の増大
等の発光素子特性の悪化を引き起こす。また、エッチン
グ後の発光素子用チップに発光層部9が鍔状に残り、後
の発光素子組立工程において取扱いが困難となり、歩留
低下の要因となる。
る加工歪を完全に除去でき、光取り出し効率を向上する
ことができるAlGaInP系発光素子用チップの製造
方法を提供することを目的とする。
術の問題を解決するために、[硫酸(H2SO4)−過酸
化水素水(H2O2)]系に代るエッチング液の検討を行
い、[塩酸(HCl)−過酸化水素水(H2O2)]系エ
ッチング液を用いると、AlGaInP、GaAs、A
lGaAs(またはAlGaAsP)のエッチング速度
が同程度であることを見出し、本発明に到達したもので
ある。
As基板上にAlGaInP混晶からなる発光層部とA
lGaAs混晶からなる層が形成されたAlGaInP
系発光素子用エピタキシャルウェーハに、電極を形成
後、ダイシング分離し、その後ダイシング加工歪を除去
するためのエッチング処理を行ってAlGaInP系発
光素子用チップを製造する方法において、前記エッチン
グ処理を、GaAs基板とAlGaInP混晶からなる
発光層部とAlGaAs混晶からなる層とが同程度のエ
ッチング速度でエッチングされる混合比の[塩酸(HC
l)−過酸化水素水(H2O2)]系エッチング液を用
いて行うようにした。また本発明は、GaAs基板上に
AlGaInP混晶からなる発光層部とAlGaAsP
混晶からなる層が形成されたAlGaInP系発光素子
用エピタキシャルウェーハに、電極を形成後、ダイシン
グ分離し、その後ダイシング加工歪を除去するためのエ
ッチング処理を行ってAlGaInP系発光素子用チッ
プを製造する方法において、前記エッチング処理を、G
aAs基板とAlGaInP混晶からなる発光層部とA
lGaAsP混晶からなる層とが同程度のエッチング速
度でエッチングされる混合比の[塩酸(HCl)−過酸
化水素水(H 2 O 2 )]系エッチング液を用いて行うよ
うにした。 前記混合比は、前記発光層部が鍔状に残るこ
とがないように選択されることが望ましい。
s、AlGaAs、AlGaAsPのエッチング速度が
同程度であるので、AlGaInPからなる発光層部の
ダイシング歪が完全に除去され、且つ発光層部が鍔状に
残ることのないAlGaInP系発光素子用チップの製
造が可能となる。
チップの製造方法の実施例について図を参照して説明す
る。まず、図2を参照してAlGaInP系発光素子用
エピタキシャルウエーハ11から図1に示したAlGa
InP系発光素子用チップ10を製造する工程の実施例
を説明する。
0μm)1上に、n型GaAsバッファ層(厚さ0.5
μm)2、n型(Al0.7Ga0.3)0.51In0.49Pクラ
ッド層(厚さ1μm)3、(AlXGa1-X)0.51In
0.49P活性層(厚さ0.6μm、黄色発光の場合はx=
0.35)4、p型(Al0.7Ga0.3)0.51In0.49P
クラッド層(厚さ1μm)5及びp型Al0.7Ga0.3A
s電流拡散層(厚さ10μm)6をMOVPE法(有機
金属気相エピタキシャル成長法)により順次積層形成し
てなるAlGaInP系発光素子用エピタキシャルウエ
ーハ11の前記p型AlGaAs電流拡散層6上にp側
電極7、n型GaAs基板1の下面にn側電極8を形成
する(図2(A))。 工程2:上記のようにして製造された構造体を粘着シ
ート13に貼り付けて固定し、各チップ毎にダイシング
分離する(図2(B))。 工程3:エキスパンジョンして各チップの間隔を広げ
る(図2(C))。 工程4:[塩酸(HCl)−過酸化水素水(H
2O2)]系エッチング液でエッチング処理を施し、ダイ
シング歪を除去する(図2(D))。
プ10を導電性ペーストで支持体に固着し、ワイヤボン
ディング後、封止剤で封止してAlGaInP系発光素
子(LED)が作製される。
で用いるエッチング液として、[塩酸(HCl)−過酸
化水素水(H2O2)]系(実施例1)、[塩酸(HC
l)]系(比較例1)及び[硫酸(H2SO4)−過酸化
水素水(H2O2)]系(比較例2)の各エッチング液を
用いた場合のエッチング特性や得られたLEDの諸特性
を評価した。
び比較例2として、エッチング液及びエッチング条件を
以下の表1に示すように選択した。
H2O2:30%
比較例1及び比較例2の評価結果をまとめたものであ
る。
プの断面形状(ダイシング面形状))図3は歪除去エッ
チング前後のチップの断面形状を示す。エッチング前
(ダイシング後)のチップ断面(ダイシング面)にはダ
イシング跡が形成されているが(図3(a))、実施例
1で1分のエッチング処理をすると、チップ断面に形成
されたダイシング跡が無くなり、表面が綺麗な面になる
(図3(b))。すなわち実施例1では、チップ形状を
ほぼ保ったままダイシング歪が短時間のエッチング処理
で除去できる。
(ダイシング面形状))図4(a)は実施例1で2分の
エッチングをした場合のチップの断面(ダイシング面)
形状、図4(b)は比較例2で1分のエッチングをした
場合のチップの断面形状を示す。比較例2のエッチング
処理の場合、1分のエッチングで発光層部9が鍔状に残
った(図4(b))。一方、実施例1のエッチング処理
の場合には1分のみならず2分のエッチングを行っても
発光層部9が鍔状に残らず、滑らかな表面を有するチッ
プ形状になった(図4(a))。従って、[塩酸(HC
l)−過酸化水素水(H2O2)]系エッチング液でダイ
シング歪除去を行うと、AlGaAs、AlGaIn
P、GaAsが同程度のエッチング速度でエッチングさ
れることが分る。
は、実施例1と比較例2のエッチング処理をしたチップ
のI−V特性、すなわち電圧に対するリーク電流を調べ
た結果を示す。歪除去が不十分であるとリーク電流が多
くなるので、これによりダイシング歪の除去が十分か否
かを確認できる。その結果、比較例2の場合はリーク電
流が多く、従って歪除去が不十分であるが、実施例1に
おいてはリーク電流が極めて少なく、ダイシング歪が有
効に除去されたものと判断できる。
のエッチング処理をしたチップの電流−輝度特性(I−
L特性)を示す。この結果から、実施例1の場合は比較
例2に比べて輝度が高いことが分る。
たが、本発明は上記実施例に限定されることなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であるこ
とは言うまでもない。例えば、本実施例ではn型GaA
s基板上にn型GaAsバッファ層、n型AlGaIn
Pクラッド層、AlGaInP活性層、p型AlGaI
nPクラッド層及びp型AlGaAs電流拡散層が形成
されたダブルヘテロ構造を有するAlGaInP系発光
素子用チップを例に挙げて説明したが、基板及び各層の
導電型が全く逆の場合でもよく、またシングルヘテロ構
造の場合にも適用できる。
シング時に導入される加工歪を完全に除去することがで
きるため、光取り出し効率が向上し、高輝度のAlGa
InP系発光ダイオードが得られる。
るAlGaInP系発光素子用チップの一例を示す構造
断面図である。
プの製造工程の一例を示す工程説明図である。
ッチング前後の断面結晶組織構造を示し、(a)はエッ
チング前、(b)はエッチング後を示す写真である。
のAlGaInP系発光素子用チップの断面結晶構造を
示し、(a)は実施例1の場合、(b)は比較例2の場
合の断面結晶構造を示す写真である。
ップの電流−電圧特性(I−V特性)を示すグラフであ
る。
ップの電流−輝度特性(I−L特性)を示すグラフであ
る。
ーハ 12 積層部
Claims (3)
- 【請求項1】 GaAs基板上にAlGaInP混晶か
らなる発光層部とAlGaAs混晶からなる層が形成さ
れたAlGaInP系発光素子用エピタキシャルウェー
ハに、電極を形成後、ダイシング分離し、その後ダイシ
ング加工歪を除去するためのエッチング処理を行ってA
lGaInP系発光素子用チップを製造する方法におい
て、前記エッチング処理を、GaAs基板とAlGaI
nP混晶からなる発光層部とAlGaAs混晶からなる
層とが同程度のエッチング速度でエッチングされる混合
比の[塩酸(HCl)−過酸化水素水(H2O2)]系
エッチング液を用いて行うことを特徴とするAlGaI
nP系発光素子用チップの製造方法。 - 【請求項2】 GaAs基板上にAlGaInP混晶か
らなる発光層部とAlGaAsP混晶からなる層が形成
されたAlGaInP系発光素子用エピタキシャルウェ
ーハに、電極を形成後、ダイシング分離し、その後ダイ
シング加工歪を除去するためのエッチング処理を行って
AlGaInP系発光素子用チップを製造する方法にお
いて、前記エッチング処理を、GaAs基板とAlGa
InP混晶からなる発光層部とAlGaAsP混晶から
なる層とが同程度のエッチング速度でエッチングされる
混合比の[塩酸(HCl)−過酸化水素水(H
2 O 2 )]系エッチング液を用いて行うことを特徴とす
るAlGaInP系発光素子用チップの製造方法。 - 【請求項3】 前記混合比は、前記発光層部が鍔状に残
ることがないように選択されることを特徴とする請求項
1または請求項2記載のAlGaInP系発光素子用チ
ップの製造方法。
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JP15616293A JP2770707B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | AlGaInP系発光素子用チップの製造方法 |
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1993
- 1993-06-02 JP JP15616293A patent/JP2770707B2/ja not_active Expired - Fee Related
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