JP2625773B2 - 粉末高速度鋼 - Google Patents
粉末高速度鋼Info
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- JP2625773B2 JP2625773B2 JP62276918A JP27691887A JP2625773B2 JP 2625773 B2 JP2625773 B2 JP 2625773B2 JP 62276918 A JP62276918 A JP 62276918A JP 27691887 A JP27691887 A JP 27691887A JP 2625773 B2 JP2625773 B2 JP 2625773B2
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- speed steel
- weq
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、粉末冶金法によって得られる高速度鋼に係
り、特に高硬度および高靱性をもちかつ適切な加工性能
を有する高V高合金粉末高速度鋼に関する。
り、特に高硬度および高靱性をもちかつ適切な加工性能
を有する高V高合金粉末高速度鋼に関する。
(従来の技術) 切削工具鋼を粉末冶金により製造する技術が知られて
いる。例えば特開昭61−6255号には、高硬度かつ高耐摩
耗性の粉末高速度鋼が開示されている。
いる。例えば特開昭61−6255号には、高硬度かつ高耐摩
耗性の粉末高速度鋼が開示されている。
この粉末高速度鋼は、窒化粉末を含有し、かつW+2M
oを重量%で27〜32%含有するもので、耐凝着摩耗性に
優れ、高硬度を有している。一般に、高速度工具鋼は優
れた高温硬さと耐摩耗性をもつ、さらに適当な靱性もあ
る。そして高速度工具鋼は、W系のものとMo系のものが
知られているが、このほか研削砥石の改善に伴い加工材
に適する高C高V系の高速度鋼も実用化されている(鉄
鋼便覧IV、第3版、P、148)。
oを重量%で27〜32%含有するもので、耐凝着摩耗性に
優れ、高硬度を有している。一般に、高速度工具鋼は優
れた高温硬さと耐摩耗性をもつ、さらに適当な靱性もあ
る。そして高速度工具鋼は、W系のものとMo系のものが
知られているが、このほか研削砥石の改善に伴い加工材
に適する高C高V系の高速度鋼も実用化されている(鉄
鋼便覧IV、第3版、P、148)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来の高速度鋼では、W、Mo量が多い
と切削性能は良好であるが焼なまし硬さが十分に硬いた
め加工性が劣り、またW、Mo量が少ないと加工性は良好
であるが焼入れ焼戻し硬さが十分でないため切削性能が
劣るというように、加工性および切削性の両性質に優れ
た材料は見出されていなかった。
と切削性能は良好であるが焼なまし硬さが十分に硬いた
め加工性が劣り、またW、Mo量が少ないと加工性は良好
であるが焼入れ焼戻し硬さが十分でないため切削性能が
劣るというように、加工性および切削性の両性質に優れ
た材料は見出されていなかった。
本発明者らは、炭化物形成元素であるW、Moの量およ
びそのバランスに着目し、これらW、Moの量および配合
量に応じて加工性のよい高強度かつ高靱性をもつ粉末高
速度鋼を見出し、本発明を完成するに至った。
びそのバランスに着目し、これらW、Moの量および配合
量に応じて加工性のよい高強度かつ高靱性をもつ粉末高
速度鋼を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、切削性に優れ、しかも加工性の良好
な粉末高速度鋼を提供することにある。
な粉末高速度鋼を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) そのために、本発明の粉末高速度鋼は、化学組成が重
量%で、 C:1.0〜3.0% Cr:3.0〜5.0% Si:2.0%以下(0%を除く) Mn:0.10〜2.0% V:4.0超〜10.0% Co:5.0〜15.0% W:8.5〜24.0% Mo:12.0%以下(0%を除く) 残部Feおよび不純物からなり、かつ W+2Mo=Weqとするとき、Weqが重量%で21超〜24%
かつ重量比で 0<2Mo/Weq≦0.6 の関係を満たす合金粉末から成形し、焼結してなること
を特徴とする。
量%で、 C:1.0〜3.0% Cr:3.0〜5.0% Si:2.0%以下(0%を除く) Mn:0.10〜2.0% V:4.0超〜10.0% Co:5.0〜15.0% W:8.5〜24.0% Mo:12.0%以下(0%を除く) 残部Feおよび不純物からなり、かつ W+2Mo=Weqとするとき、Weqが重量%で21超〜24%
かつ重量比で 0<2Mo/Weq≦0.6 の関係を満たす合金粉末から成形し、焼結してなること
を特徴とする。
すなわち、本発明の粉末高速度鋼は、Weqの範囲を重
量%で 21<Weq≦24 − に定めている。これは、上記式に満足するとき、焼な
まし硬さが比較的硬くなくかつ焼入れ焼戻し硬さが十分
に硬いからである。言い換えれば、Weqの値がWeq≦21に
なると、焼入れ焼戻し硬さ(HT硬さ)が68未満になって
切削性が劣り、24<Weqになると、焼なまし硬さ(SA硬
さ)が38を超え加工性が悪くなるからである。
量%で 21<Weq≦24 − に定めている。これは、上記式に満足するとき、焼な
まし硬さが比較的硬くなくかつ焼入れ焼戻し硬さが十分
に硬いからである。言い換えれば、Weqの値がWeq≦21に
なると、焼入れ焼戻し硬さ(HT硬さ)が68未満になって
切削性が劣り、24<Weqになると、焼なまし硬さ(SA硬
さ)が38を超え加工性が悪くなるからである。
またWに対しMo量を所定値以下に定めている。すなわ
ち、重量比で 0≦2Mo/Weq≦0.6 − を満足する。式において、2Mo/Weq≦0.6としたのは、
Moに対しWを相対的に多くすることにより、十分大きな
焼入れ焼戻し硬さ(HT硬さ)68以上が得られ、抗折力35
0kgf/mm2以上が得られるとともに、適切な加工性能を示
す焼なまし硬さ(SA硬さ)35以下が得られるからであ
る。
ち、重量比で 0≦2Mo/Weq≦0.6 − を満足する。式において、2Mo/Weq≦0.6としたのは、
Moに対しWを相対的に多くすることにより、十分大きな
焼入れ焼戻し硬さ(HT硬さ)68以上が得られ、抗折力35
0kgf/mm2以上が得られるとともに、適切な加工性能を示
す焼なまし硬さ(SA硬さ)35以下が得られるからであ
る。
(発明の効果) 本発明の粉末高速度鋼によれば、高硬度、高靱性をも
ちかつ適切な加工性能をもつので、切削性に優れ、切削
工具として苛酷な使用条件に耐えるとともに、工具製造
時の機械加工が容易であるという効果がある。
ちかつ適切な加工性能をもつので、切削性に優れ、切削
工具として苛酷な使用条件に耐えるとともに、工具製造
時の機械加工が容易であるという効果がある。
(実施例) 本発明の実施例について述べる。
第1表に示す合金組成で残部実質的にFeからなる原料
粉を容器に充填して熱間静水圧プレル(HIP)にかけ、
ソーキング(拡散処理)、鍛造後、焼なましした。
粉を容器に充填して熱間静水圧プレル(HIP)にかけ、
ソーキング(拡散処理)、鍛造後、焼なましした。
これについて、焼なまし硬さを測定した。その後、焼
入れ焼戻しし、焼持押し硬さおよび抗折力を測定した。
入れ焼戻しし、焼持押し硬さおよび抗折力を測定した。
上記焼なましの処理条件は、870℃、1時間保持後、
徐冷であり、焼入れ焼戻しの処理条件は、1150℃〜1250
℃より焼入れ、500℃〜600℃で焼戻しである。
徐冷であり、焼入れ焼戻しの処理条件は、1150℃〜1250
℃より焼入れ、500℃〜600℃で焼戻しである。
上述の焼なまし硬さ(SA硬さ)、焼入れ焼戻し硬さ
(HT硬さ)および焼入れ焼戻し後の抗折力は第2表に示
すとおりであった。
(HT硬さ)および焼入れ焼戻し後の抗折力は第2表に示
すとおりであった。
第2表から明らかなように、従来例と本発明を比較し
た場合、Weqと2Mo/Weqの値が所定範囲内にあるとき焼な
まし硬さが適切な加工性能をもつほどに軟らかくかつ焼
入れ焼戻し硬さが十分に硬いことが判る。
た場合、Weqと2Mo/Weqの値が所定範囲内にあるとき焼な
まし硬さが適切な加工性能をもつほどに軟らかくかつ焼
入れ焼戻し硬さが十分に硬いことが判る。
すなわち、MoとWの量および配合量のバランスによっ
て焼なまし硬さが加工しやすい程度に硬くなくなり、焼
入れ焼戻し硬さが硬くなるのである。また本発明では、
抗折力が360kgf/mm2以上であることから、高硬度かつ高
靱性をもつ粉末高速度鋼といえる。
て焼なまし硬さが加工しやすい程度に硬くなくなり、焼
入れ焼戻し硬さが硬くなるのである。また本発明では、
抗折力が360kgf/mm2以上であることから、高硬度かつ高
靱性をもつ粉末高速度鋼といえる。
本発明において、Crを3.0%以上加えるのは耐摩耗性
および耐食性を高めかつ焼きを入りやすくし浸炭を促進
するためであり、Vを40%より多く加えるのは鋼の結晶
粒を細かくし靱性を高めかつ硬い炭化物をつくり耐摩耗
性を向上させるためであり、Coを5.0%以上加えるのは
高温で十分に硬い熱硬化性を発揮させるためである。
および耐食性を高めかつ焼きを入りやすくし浸炭を促進
するためであり、Vを40%より多く加えるのは鋼の結晶
粒を細かくし靱性を高めかつ硬い炭化物をつくり耐摩耗
性を向上させるためであり、Coを5.0%以上加えるのは
高温で十分に硬い熱硬化性を発揮させるためである。
なお、本発明による粉末高速度鋼は、加工時に被削性
を改善するため、必要に応じてS、Pb、Ca、Te、Se、Bi
等を合金元素として加えることもできる。
を改善するため、必要に応じてS、Pb、Ca、Te、Se、Bi
等を合金元素として加えることもできる。
Claims (1)
- 【請求項1】化学組成が重量%で、 C:1.0〜3.0% Cr:3.0〜5.0% Si:2.0%以下(0%を除く) Mn:0.10〜2.0% V:4.0超〜10.0% Co:5.0〜15.0% W:8.5〜24.0% Mo:12.0%以下(0%を除く) 残部Feおよび不純物からなり、かつ W+2Mo=Weqとするとき、Weqが重量%で21超〜24%か
つ重量比で 0<2Mo/Weq≦0.6 の関係を満たす合金粉末から成形し、焼結してなる高速
度鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62276918A JP2625773B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 粉末高速度鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62276918A JP2625773B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 粉末高速度鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01119645A JPH01119645A (ja) | 1989-05-11 |
JP2625773B2 true JP2625773B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=17576207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62276918A Expired - Fee Related JP2625773B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 粉末高速度鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2625773B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104532134A (zh) * | 2014-12-18 | 2015-04-22 | 无锡伊诺永利文化创意有限公司 | 一种高速钢 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2755974B2 (ja) * | 1988-12-06 | 1998-05-25 | 日立金属株式会社 | 粉末高速度工具鋼 |
JP2796895B2 (ja) * | 1990-12-19 | 1998-09-10 | 株式会社クボタ | 高速度鋼系焼結合金 |
JP2796893B2 (ja) * | 1990-12-19 | 1998-09-10 | 株式会社クボタ | 高速度鋼系焼結合金 |
ATE240420T1 (de) * | 1999-01-29 | 2003-05-15 | Crs Holdings Inc | Hochfester pulvermetallurgischer werkzeugstahl und daraus hergestellter gegenstand |
JP5121275B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2013-01-16 | 株式会社クボタ | 高靱性高速度鋼系焼結合金 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58144456A (ja) * | 1982-02-18 | 1983-08-27 | Nachi Fujikoshi Corp | 粉末高速度工具鋼 |
JPH0674486B2 (ja) * | 1987-08-18 | 1994-09-21 | 株式会社神戸製鋼所 | 熱間加工性に優れた高硬度焼結高速度鋼鋼塊 |
-
1987
- 1987-10-30 JP JP62276918A patent/JP2625773B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104532134A (zh) * | 2014-12-18 | 2015-04-22 | 无锡伊诺永利文化创意有限公司 | 一种高速钢 |
Also Published As
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---|---|
JPH01119645A (ja) | 1989-05-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |