JP2677748B2 - セラミックス銅回路基板 - Google Patents
セラミックス銅回路基板Info
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Description
回路板等を一体に接合したセラミックス銅回路基板に係
り、特に高い信頼性、放熱性および接合強度を要する半
導体パワーモジュール用に好適なセラミックス銅回路基
板に関する。
て、アルミナ(Al2 O3 )、窒化アルミニウム(Al
N)、酸化ベリリウム(BeO)などのセラミックス焼
結体基板表面に導電層としての銅回路板等を一体に接合
したセラミックス銅回路基板が広く使用されている。
2 O3 やAlNなどのセラミックス焼結体基板表面に銅
回路板等を直接配置した状態で加熱し、加熱によって発
生する銅と酸素との共晶化合物を接合材としてセラミッ
クス基板表面に銅板を直接強固に接合するDBC(ダイ
レクトボンディングカッパ法)やAg−Cu−Ti系ペ
ーストなど活性金属を含有した接合材を介してセラミッ
クス基板と銅回路板とを一体に接合する活性金属法など
によって製造されていた。
優れた銅により回路板を形成しているため、回路動作の
遅延が減少するとともに回路配線の寿命も向上する。ま
た半田等の接合材料に対する濡れ性が向上し、セラミッ
クス焼結体表面に半導体素子(ICチップ)や電極板を
高い接合強度で接合することができ、その結果、半導体
素子からの発熱の放散性や素子の動作信頼性を良好に保
つことができる。またセラミックス基板の裏面にも銅板
を接合することにより、セラミックス基板の応力緩和お
よび反り(熱変形)防止の目的も達成できる。
ラミックス銅回路基板のうち、Al2 O3 基板を使用し
た銅回路基板においては、Al2 O3 の熱伝導率が低い
ために良好な放熱性が得られず、半導体素子の高密度集
積化および高出力化に伴う放熱対策に充分対応できない
問題点があった。
した場合においては、特にBeOは酸化物系のセラミッ
クスの中では最も熱伝導率が高い放熱性に優れた材料で
あるが、その毒性のため製造上および取扱い上の難点が
多い。
伝導率が高く充分な放熱性が得られるが、AlN基板自
体の強度が低いため、繰り返して作用する熱負荷によっ
てクラックが生じ易く、いわゆる耐熱サイクル性が小さ
いという問題点があった。その結果、使用中に繰り返し
作用する熱負荷によって銅回路板が剥離して放熱性が急
減し、電子機器の動作信頼性が低下する問題点があっ
た。
板においては、その構造強度をある程度確保するために
AlN基板の厚さを大きく設定する必要があり、高密度
実装化に対する障害となっていた。また厚さが大きいA
lN基板を使用した銅回路基板は靭性に乏しく撓みにく
いため、例えばこの銅回路基板を実装用ボードにねじ止
めする場合、ねじ込み時にAlN基板に作用する曲げ応
力によってAlN基板が容易に割れてしまう結果、製品
歩留りが大幅に低下するという問題点もあった。
れたものであり、特に優れた放熱性・耐熱サイクル性お
よび接合強度を有し、半導体パワーモジュール用部品と
して好適なセラミックス銅回路基板を提供することを目
的とする。
達成するため、種々のセラミックス焼結体を調製すると
ともにその焼結体に銅回路板を接合してセラミックス銅
回路基板を調製し、それらの放熱性、銅回路板の接合強
度、耐熱サイクル性、および撓み量等を比較検討した。
曲げ強度や破壊靭性値(KIC)などの機械的特性に優れ
る窒化けい素は、焼成プロセス条件を最適化することに
より、60〜180W/m・Kという高い熱伝導率を有
する焼結体となることが判明した。そしてこの窒化けい
素焼結体表面に、所定量の活性金属を含有するろう材
(接合材)を介して銅回路板を一体に接合することによ
り、窒化けい素基板に対する銅回路板の接合強度が高
く、耐熱サイクル性が良好な回路基板が得られることも
判明した。
機械的強度が高い窒化けい素基板を使用することによ
り、従来のAl2 O3 基板やAlN基板と同等の強度を
与えるように設定した場合には窒化けい素基板の厚さを
1/2程度に減少させることができる。したがって、厚
さ低減による熱抵抗の減少に伴い、従来の高熱伝導性A
lN基板を使用した場合と同等の放熱性を有する窒化け
い素銅回路基板が得られることが確認された。本発明は
上記知見に基づいて完成されたものである。
基板は、粒界相の20%以上が結晶相で占められ、熱伝
導率が60〜180W/m・Kである窒化けい素基板の
表面に、活性金属を含有する接合材を介して、銅回路板
を一体に接合したことを特徴とする三点曲げ強度が高い
セラミックス銅回路基板である。
%、Ti,Zr,HfおよびNbから選択される少なく
とも1種の活性金属を1〜10%、残部が実質的にAg
から成る組成物を有機溶媒中に分散してなることを特徴
とする。
板に使用される熱伝導率60〜180W/m・Kの窒化
けい素基板は、下記のように組成およびプロセス条件を
最適化して製造される。すなわち、酸素を1.7重量%
以下、Fe,Ca,Mgなどの不純物陽イオン元素を
0.3重量%以下、α相型窒化けい素を90重量%以上
含有し、平均粒径0.8μm以下の窒化けい素粉末に、
希土類元素を酸化物に換算して2〜7.5重量%と、ア
ルミニウムをアルミナ換算で0.5〜2重量%添加した
原料混合体を成形して成形体を調製し、得られた成形体
を脱脂後、温度1800〜2000℃で雰囲気加圧焼結
し、上記焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に
形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却
速度を毎時100℃以下に設定して製造される。
結晶組織中に希土類元素等を含む粒界相が形成され、気
孔率が1.5%以下、熱伝導率が60W/m・K以上、
三点曲げ強度が室温で80kg/mm2 以上の機械的特性お
よび熱伝導特性が共に優れた窒化けい素基板が得られ
る。
の主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、強度
および熱伝導率を考慮して、酸素含有量が1.7重量%
以下、好ましくは0.5〜1.5重量%、Fe,Mg,
Ceなどの不純物陽イオン元素含有量が0.3重量%以
下、好ましくは0.2重量%以下に抑制され、焼結性が
優れたα相型窒化けい素を90重量%以上、好ましくは
93重量%以上含有し、平均粒径が0.8μm以下、好
ましくは0.4〜0.6μm程度の微細な窒化けい素粉
末を使用するとよい。
末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気
孔率が1.5%以下の緻密な焼結体基板を形成すること
が可能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害するお
それも減少する。またFe,Mg,Caなどの不純物陽
イオン元素も熱伝導性を阻害する物質となるため、60
W/m・K以上の熱伝導率を確保するためには、上記不
純物陽イオン元素の含有量は0.3重量%以下に設定さ
れる。特にβ相型と比較して焼結性に優れたα相型窒化
けい素を90重量%以上含有する窒化けい素原料粉末を
使用することにより、高密度の焼結体基板を製造するこ
とができる。
添加する希土類元素としてはY,La,Sc,Pr,C
e,Nd,Dy,Gdなどの酸化物もしくは焼結操作に
より、これらの酸化物となる物質が単独で、または2種
以上の酸化物を組み合せたものを含んでもよいが、特に
酸化イットリウム(Y2 O3 )が好ましい。これらの焼
結助剤は、窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成
し、焼結促進剤として機能する。
料粉末に対して2〜7.5重量%の範囲に設定される。
この添加量が2重量%未満と過少の場合は、焼結体基板
が緻密化されず低強度で低熱伝導率の焼結体基板が形成
される。一方、添加量が7.5重量%を超える過量とな
ると、過量の粒界相が生成し、熱伝導率の低下や強度が
低下し始めるので上記範囲に設定される。特に好ましく
は3〜6重量%に設定することが望ましい。
としてのアルミナ(Al2 O3 )は、上記希土類元素の
焼結促進剤の機能を助長する役目を果すものであり、特
に加圧焼結を行なう場合に著しい効果を発揮するもので
ある。アルミニウム源としてのAl2 O3 の添加量が
0.5重量%未満の場合においては緻密化が不充分であ
る一方、2重量%を超える過量となる場合には過量の粒
界相を生成したり、または窒化けい素に固溶し始め、熱
伝導の低下が起こるため、添加量は0.5〜2重量%の
範囲に設定される。特に強度、熱伝導率共に良好な性能
を確保するためには添加量を0.7〜1.5重量%の範
囲に設定することが望ましい。
熱伝導率および強度に大きく影響するため1.5%以下
に設定される。気孔率が1.5%を超えると熱伝導の妨
げとなり、焼結体基板の熱伝導率が低下するとともに強
度低下が起こる。
れる粒界相は焼結体基板の熱伝導率に大きく影響するた
め、本発明で使用する窒化けい素基板においては粒界相
の20%以上が結晶相で占めるように調整される。結晶
相が20%未満では熱伝導率が60W/m・K以上とな
るような放熱特性に優れ、かつ高温強度に優れた焼結体
が得られないからである。
率を1.5%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形成
される粒界相の20%以上が結晶相で占めるようにする
ためには、窒化けい素成形体を温度1800〜2000
℃で0.5〜10時間程度、加圧焼結し、かつ焼結操作
完了直後における焼結体の冷却速度を毎時100℃以下
に調整制御することが必要である。
には、焼結体の緻密化が不充分で気孔率が1.5vol%以
上になり機械的強度および熱伝導性が共に低下してしま
う。一方焼結温度が2000℃を超えると窒化けい素成
分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではなく、
常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より窒化
けい素の分解蒸発が始まる。
却速度は粒界相を結晶化させるために重要な制御因子で
あり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却
を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質
(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相と
して粒界相に占める面積割合が20%未満となり、強度
および熱伝導性が共に低下してしまう。
は、所定の焼結温度(1800〜2000℃)から、前
記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するま
での温度範囲で充分である。ちなみに前記のような焼結
助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜15
00℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記
液相凝固温度に至るまでの焼結体基板の冷却速度を毎時
100℃以下、好ましくは50℃以下に制御することに
より、粒界相の大部分が結晶相になり、熱伝導率および
機械的強度が共に優れた焼結体基板が得られる。
なプロセスを経て製造される。すなわち前記所定の粒
径、および不純物含有量の微細な窒化けい素粉末に対し
て所定量の焼結助剤、有機バインダ等の必要な添加剤を
加えて原料混合体を調整し、次に得られた原料混合体を
成形して所定形状の成形体を得る。原料混合体の成形法
としては、汎用の金型プレス法、ドクターブレード法の
ようなシート成形法などが適用できる。上記成形操作に
引き続いて、成形体を非酸化性雰囲気中で温度600〜
800℃で1〜2時間加熱して、予め添加していた有機
バインダを充分に除去し、脱脂する。次に脱脂処理され
た成形体を窒素ガス、水素ガスやアルゴンガスなどの不
活性ガス雰囲気中で1800〜2000℃の温度で所定
時間雰囲気加圧焼結を行なう。
板は気孔率1.5%以下で、60〜180W/m・K
(25℃)の熱伝導率を有し、また三点曲げ強度が常温
で80kg/mm2 以上と機械的特性にも優れている。
される導電層としての銅回路板は、リン脱酸銅、無酸素
銅など、導電性および熱導電性に優れた銅材料から形成
される。そして板状の銅材料をプレス処理したり、エッ
チング処理することにより、所定の回路パターンを有す
る銅回路板が形成される。
素基板に接合するための接合材としては、Ti,Zr,
Hf,Nbなどのような活性金属を含有し、適切な組成
比を有するAg−Cu−Ti系ろう材などが使用され
る。上記活性金属はSi3 N4基板に対するろう材の濡
れ性を改善し銅回路板との接合強度を高める成分であ
り、例えばTi,Zr,Hf,Nbなどがあり、それら
の配合量は、接合材全体に対して1〜10重量%であ
る。この配合量の範囲において、Si3 N4 基板と銅回
路板との接合部の剪断強度が大きな値をとる。またAg
−Cu成分は、Si3 N4 基板とTiとの接合層の形成
を促進する成分として有効であり、Tiを拡散させ強固
な接合体を形成するのに寄与する。
えば次のような手順で製造される。すなわち上記組成を
有する接合材にアクリル樹脂系バインダー、テレピネオ
ールおよびオレイン酸等を添加して接合材ペーストを調
製し、この接合材ペーストをスクリーン印刷法等によっ
て窒化けい素基板表面に所定パターンで印刷する。次に
印刷パターンに沿って銅回路板を配置するとともに、こ
の銅回路板上に重錘を載置して銅回路板を圧着する。こ
の状態で窒化けい素基板全体を加熱炉に収容し、真空中
で温度700〜950℃で5〜30分間昇温加熱して接
合処理する。
ば、活性金属を含有する接合材を介して銅回路板を高熱
伝導性窒化けい素基板表面に一体に接合しているため、
窒化けい素基板と銅回路板との接合強度の経時劣化が少
なく、高い放熱性および接合強度を有する耐久性に優れ
た窒化けい素銅回路基板を得ることができる。
板と比較して機械的強度が極めて大きい窒化けい素基板
を使用しているため、回路基板全体の強度を従来と同等
の強度に設定した場合には窒化けい素基板の厚さを1/
2程度に低減でき、より高密度な実装が可能となる上
に、厚さの減少に比例して熱抵抗が減少し、従来材であ
るAlN基板と同等の放熱性を得ることもできる。
較して1/2程度に減少させることが可能になり、また
靭性値が高く薄いSi3 N4 基板を使用しているため、
銅回路基板全体の弾性率も小さく、撓み許容量も大きく
なる。したがって、銅回路基板を実装ボードにねじ止め
する際に大きな外力を受けた場合においても銅回路基板
に割れを発生することが少なく、製品歩留りを大幅に改
善することもできる。
iを主成分とする半導体素子の熱膨脹係数に近似するこ
とになり、半導体素子を一体に接合し繰り返し熱衝撃を
作用させた場合においても熱膨脹差に起因する応力の発
生が少なく、クラックなどの欠陥が生じにくい利点があ
る。
体的に説明する。
し、α相型窒化けい素97%を含む平均粒径0.55μ
mの窒化けい素原料粉末に対して、焼結助剤として平均
粒径0.7μmのY2 O3 (酸化イットリウム)粉末5
重量%、平均粒径0.5μmのAl2 O3 (アルミナ)
粉末1.5重量%を添加し、エチルアルコール中で24
時間湿式混合した後に乾燥して原料粉末混合体を調整し
た。次に得られた原料粉末混合体に有機バインダを所定
量添加して均一に混合した後に、1000kg/cm2 の成
形圧力でプレス成形し、長さ50mm×幅50mm×厚さ5
mmの成形体を多数製作した。次に得られた成形体を70
0℃の雰囲気ガス中において2時間脱脂した後に、この
脱脂体を窒素ガス雰囲気中7.5気圧にて1900℃で
6時間保持し、緻密化焼結を実施した後に、焼結炉に付
設した加熱装置への通電量を制御して焼結炉内温度が1
500℃まで降下するまでの間における焼結体の冷却速
度が50℃/hrとなるように調整して焼結体を冷却し、
それぞれ実施例1〜5用の高熱伝導性窒化けい素基板を
多数調製した。
よび活性金属粉末を表1左欄に示す組成となるように混
合して5種類の混合体を調製し、各混合体に分散媒とし
てのアクリル樹脂系バインダーおよびオレイン酸を添加
し、さらにテレピネオールを加えたものを擂回機で混合
後、三段ロールで混練してAg−Cu−Ti系他の接合
材ペーストを調製した。
した高熱伝導性窒化けい素基板表面にスクリーン印刷
し、さらに印刷パターンに沿って、厚さ0.3mmのリン
脱酸銅で形成した銅回路板を配置するとともに、この銅
回路板上に重錘を載置して銅回路板を窒化けい素基板上
に圧着した。この圧着状態のまま基板全体を加熱炉に収
容し、10-4Torr以下の真空中で温度850℃で10分
間加熱処理することにより、窒化けい素基板上に上記接
合材を介して銅回路板を一体に接合して実施例1〜5に
係る窒化けい素銅回路基板をそれぞれ製造した。
法のAl2 O3 焼結体基板(比較例1用)、AlN焼結
体基板(比較例2用)およびBeO焼結体基板(比較例
3用)をそれぞれ使用し、各焼結体基板表面に表1に示
す組成を有する接合材ペーストを印刷するとともに、そ
の上部に実施例1〜5と同一寸法の銅回路板をそれぞれ
圧着後、実施例1〜5と同様な条件で銅回路板を加熱接
合してそれぞれ比較例1〜3に係る各種セラミックス銅
回路基板を多数調製した。
例1〜3に係る各セラミックス銅回路基板について、室
温(25℃)における熱伝導率、3点曲げ強度、銅回路
板の接合強度、撓み量等の特性値を計測した。なお、接
合強度は、各セラミックス銅回路基板について下記条件
のヒートサイクルを100回繰り返す熱衝撃試験(TC
T)を実施した後における銅回路板のピール強度として
測定した。ヒートサイクルは−50℃で30分間冷却
し、室温で10分間保持し、+150℃で30分間加熱
し、室温で10分間保持する加熱冷却操作を1サイクル
とした。
るセラミックス銅回路基板について上記熱衝撃試験を5
00回(サイクル)繰り返し、各100回終了毎に銅回
路板のピール強度の経時変化を測定し、基板の耐熱サイ
クル性を評価した。また500回の熱衝撃試験終了後に
おいて、エッチングにより各セラミックス基板より銅回
路板および接合材層を除去し、各セラミックス基板につ
いて蛍光探傷検査を実施し、セラミックス基板に微小ク
ラックが発生した割合を計測した。
す。
うに、実施例1〜5に係る窒化けい素銅回路基板によれ
ば、活性金属を含有する接合材を介して銅回路板を高熱
伝導性窒化けい素基板表面に強固に接合しているため、
ヒートサイクル試験後においても銅回路板の接合強度の
経時的な低下が少なく、耐久性(耐熱サイクル性)およ
び放熱性に優れた窒化けい素銅回路基板が得られた。特
に実施例1〜5に係る窒化けい素銅回路基板において
は、500回の熱衝撃試験終了後においても、窒化けい
素基板自体に割れが発生することもなく、いずれも優れ
た耐熱サイクル性を示すことが確認された。
た場合には、比較例2に示すAlN基板を用いた場合よ
り熱伝導率は低下するが、AlN基板と同等の強度を付
与するようにSi3 N4 基板の厚さを設定すると厚さは
AlN基板の1/2程度になる。そのため、60〜18
0W/m・Kの高熱伝導率を有するSi3 N4 基板を使
用することにより、AlN基板を使用した場合と同等の
放熱性を有する銅回路基板が得られた。また基板厚さを
低減できるため、半導体素子をより高密度に実装した半
導体モジュールが実現した。
板によれば、熱伝導率が低く半導体モジュールの高出力
化に対応できず、また比較例2のAlN銅回路基板は熱
伝導率は高いが、熱衝撃試験の繰返し数の増加に伴って
接合強度が経時的に低下し、基板の割れも多くなり、製
品歩留りが低下した。さらに比較例3のBeOメタライ
ズ基板においては、熱伝導率は高いが曲げ強度が小さ
く、薄型化することは困難であった。
銅回路基板は、活性金属を含有する接合材を介して銅回
路板を高熱伝導性窒化けい素基板表面に一体に接合して
いるため、窒化けい素基板と銅回路板との接合強度の経
時劣化が少なく、高い放熱性および接合強度を有する耐
久性に優れた窒化けい素銅回路基板を得ることができ
る。
板と比較して機械的強度が極めて大きい窒化けい素基板
を使用しているため、回路基板全体の強度を従来と同等
の強度に設定した場合には窒化けい素基板の厚さを1/
2程度に低減でき、より高密度な実装が可能となる上
に、厚さの減少に比例して熱抵抗が減少し、従来材であ
るAlN基板と同等の放熱性を得ることもできる。
較して1/2程度に減少させることが可能になり、また
靭性値が高く薄いSi3 N4 基板を使用してるため、銅
回路基板全体の弾性率も小さく、撓み許容量も大きくな
る。したがって、銅回路基板を実装ボードにねじ止めす
る際に大きな外力を受けた場合においても銅回路基板に
割れを発生することが少なく、製品歩留りを大幅に改善
することもできる。
iを主成分とする半導体素子の熱膨脹係数に近似するこ
とになり、半導体素子を一体に接合し繰り返し熱衝撃を
作用させた場合においても熱膨脹差に起因する応力の発
生が少なく、クラックなどの欠陥が生じにくい利点があ
る。
板のピール強度との関係を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 粒界相の20%以上が結晶相で占めら
れ、熱伝導率が60〜180W/m・Kである窒化けい
素基板の表面に、活性金属を含有する接合材を介して、
銅回路板を一体に接合したことを特徴とする三点曲げ強
度が高いセラミックス銅回路基板。 - 【請求項2】 接合材は、重量%でCuを15〜35
%、Ti,Zr,HfおよびNbから選択される少なく
とも1種の活性金属を1〜10%、残部が実質的にAg
から成る組成物を有機溶媒中に分散してなることを特徴
とする請求項1記載のセラミックス銅回路基板。
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