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JP2652678B2 - 自動車用発電装置の過大電圧防止回路 - Google Patents

自動車用発電装置の過大電圧防止回路

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JP2652678B2
JP2652678B2 JP63213666A JP21366688A JP2652678B2 JP 2652678 B2 JP2652678 B2 JP 2652678B2 JP 63213666 A JP63213666 A JP 63213666A JP 21366688 A JP21366688 A JP 21366688A JP 2652678 B2 JP2652678 B2 JP 2652678B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、自動車のエンジンを駆動源として商用交流
電源を得る自動車用発電装置に用いられる過大電圧防止
回路に関し、特に発電機の界磁コイルに流される界磁電
流を制御するための制御用トランジスタの故障時に発生
する過大電圧を防ぐ自動車用発電装置の過大電圧防止回
路に関する。
〈従来の技術〉 自動車に搭載されたエンジンを駆動源として商用交流
電源を得るようにした自動車用発電装置が、従来より知
られている。
この発電装置に用いられる発電機が商用高電圧の三相
高周波出力と、自動車搭載用のバッテリに供給される直
流出力とを共に発生する一軸二系統発電機であれば、こ
の発電機から出力されるたとえば100Vの三相高周波出力
が、インバータ部に供給され、このインバータ部におい
てたとえば100V、50Hzの商用交流電源に変換されて取り
出される。また発電機から発生する直流側出力は、その
ままバッテリに供給される。
上記発電機で発生する二系統の発電出力は、発電機内
の界磁コイルによって規定の発電電圧に制御され、この
界磁コイルに流される界磁電流は、発電機内のレギュレ
ータ部によって制御される。
このレギュレータ部には、上記バッテリの両端電圧が
発電検出信号として供給され、界磁コイルに直列に設け
られた制御用トランジスタが、レギュレータ部によって
駆動されることで、発電検出信号に基づく界磁電流の制
御が行なわれる。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところで、上記レギュレータ部の制御用トランジスタ
に何かの原因で故障が発生し、コレクタとエミッタ間が
溶着して導通状態となった場合、界磁コイルは通電され
たままの状態となる。
この状態で発電機を回転させると、界磁状態が常に最
大で運転されるので発生する起電力Eは、定数をK、最
大界磁力をφmax、回転数Nとすると、 E=Kφmax N で表わされ、回転数Nが多いほど高い電圧が出力され
る。
自動車用発電装置では大きな負荷が駆動できるよう、
通常自動車に搭載されているオルタネータよりも大容量
の発電機を用いており、上述した故障状態で運転すれ
ば、高速走行時に直流概算で高圧側には1000V以上、低
圧側には20V以上の過大電力が発生するようになる。な
お、従来のオルタネータで同様な故障が発生したとして
も、その発電容量がバッテリ容量とつり合いを保って決
められているので、危険電圧はたとえばDC18V以上には
ならないようになってる。
このような過大電圧が発生すると、商用交流出力を得
る高圧側では、上記インバータ内部の素子が高電圧で破
壊されて電気的に導通状態となり、インバータ部の出力
端子に接続されるたとえばAC100Vの機器に過大電圧が印
加されて、機器を焼損させたり、火災発生の原因とな
る。
また、バッテリ供給用の低圧側では、上述の過大電圧
によって電装品が故障したり、この過大電圧が直接バッ
テリに印加されることで、バッテリへの充電電流が大幅
に増え、供給電線の焼損による車両火災発生の原因とな
る。
そこで、本発明はこのような従来の課題を解決するた
めに提案されたものであり、界磁電流を制御する制御用
トランジスタが故障しても過大電圧の発生を防止できる
自動車用発電装置の過大電圧防止回路を提供することを
目的とする。
従来は、このような過大電圧に対して何ら対策された
事例はない。
〈課題を解決するための手段〉 この目的を達成するために本発明による自動車用発電
装置の過大電圧防止回路は、自動車内に、エンジンによ
り駆動される発電機と、この発電機の発電出力を商用周
波数の交流出力に変換するインバータ部と、上記発電機
の界磁コイルに直列に設けた制御用トランジスタによっ
て界磁電流を制御し該発電機の発電電圧を一定に調整す
るレギュレータ部とを備えた自動車用発電装置におい
て、上記界磁コイルに並列に上記制御用トランジスタよ
りも電流容量の大きい短絡回路を接続し、 上記発電機の発電電圧を検出してこの発電電圧が過大
電圧に達したときに過大電圧検出信号を出力する電圧検
出回路を設け、 この電圧検出回路から出力される上記過大電圧検出信
号によって上記短絡回路を動作させて上記界磁コイルの
両端を短絡させることにより、上記制御用トランジスタ
を破壊して電気的に非導通にすることを特徴とする。
〈作 用〉 上述した構成によれば、制御用トランジスタの故障に
より界磁電流が流れたままとなって発電機から過大電圧
が出力されたとしても、電圧検出回路によってこの過大
電圧が検出され、この検出出力に基づき短絡回路が動作
して界磁コイルの両端が短絡される。
これにより界磁コイルに流れていた電流は短絡経路を
通って流れてしまうので、界磁コイルには界磁電流が流
れなくなるとともに、このときの大きな短絡電流によっ
て上記制御用トランジスタが破壊されて、電気的に完全
に非導通状態となる。
この制御用トランジスタを故意に破壊することによ
り、短絡電流が継続的に流れるのを遮断するとともに、
界磁コイルが電気的に絶縁されてしまうので何ら界磁電
流は流れず、過大電圧の発生が抑圧される。
〈実 施 例〉 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図に自動車用発電装置の概略的な構成を示すよう
に、発電機1は自動車に搭載されるエンジン2によって
駆動され、この発電機1で発生する高電圧の三相高周波
出力はインバータ部3で商用周波数の交流出力に変換さ
れる。
またアクセルアクチュエータ4は、インバータ部3の
出力端子5a、5bに接続される負荷6の変動に応じて、エ
ンジン2の回転数の制御を行なう。
発電機1の内部で直流に変換されて出力される低電圧
の直流出力は、自動車搭載用のバッテリ7に供給され、
このバッテリ7の端子電圧は、発電検出信号として発電
機1内のインバータ部に供給される。
またこの発電機1内には、本発明に係る過大電圧防止
回路が設けられている。
つぎに、第2図の回路図に基づいて上記自動車発電装
置の構成および過大電圧防止回路の構成を記述する。
上記発電機1は、一軸二系統タイプ(デュアルボルテ
ージタイプ)の高周波発電機であり、それぞれスター結
線された高圧用および低圧用の2つのステータコイル
8、9が設けられている。なお、この発電機1として高
圧用コイルと低圧用コイルを直列した1つのステータコ
イルを備えた構成のものや、ステータコイルがデルタ結
線された構成のものを用いてもよい。
高圧用の上記ステータコイル8に接続されるインバー
タ部3は、たとえば100Vの三相高周波出力を直流に変換
する整流器10と、サージ電圧吸収回路11と、電圧安定化
回路12と、平滑用コンデンサ13と、直流を商用周波数に
変換して商用交流出力を取り出すためのスイッチング用
のトランジスタ群14からなる。このインバータ部3の出
力端子5a、5bには、負荷6としてたとえばAC100Vの交流
機器を接続して使用することができる。
また、低圧用のステータコイル9で発生する交流出力
は、発電機1内の整流器15で整流され、バッテリ7に供
給されるとともに発電機1の内部の界磁コイル16に界磁
電流として供給される。
上記した整流器15は、アノードが共通して接続されて
接地されているダイオード15a,15a,15aのそれぞれのカ
ソードに、ダイオード15b,15b,15bおよびダイオード15
c,15c,15cのアノードを接続した構成となっており、こ
れら接続点にはステータコイル9の各相が接続されてい
る。
共通に接続されたダイオード15b,15b,15bのカソード
は、自動車に搭載したバッテリ7のプラス端子に接続さ
れ、ダイオード15c,15c,15の各カソードは界磁コイル16
の一端に接続されている。界磁コイル16の他端は、レギ
ュレータ部17の制御用トランジスタ18のコレクタに接続
され、このトランジスタ18のエミッタは接地されてい
る。なお、界磁コイル16には誘起された逆起電力を逃が
すためのダイオード19が並列に接続されている。
バッテリ7のプラス端子は、イグニッションスイッチ
20、並列抵抗21を設けたチャージランプ22とを介して、
レギュレータ部17の電圧検出回路23および過大電圧防止
回路24の電圧検出回路25に接続されており、バッテリ7
の端子電圧がこれら電圧検出回路23、25に発電検出信号
として供給される。なお、ダイオード15c,15c,15cの共
通接続されたカソードもこれら電圧検出回路23、25に接
続されている。
電圧検出回路23の検出出力は、駆動回路26に供給さ
れ、この駆動回路26の出力が制御用トランジスタ18のベ
ースに供給される。
ここで、エンジン2の回転数が上昇したり負荷6が軽
減すると、発電機1の発電電圧が上昇するとともにバッ
テリ7の端子電圧も14V以上に上昇するので、この電圧
上昇が電圧検出回路23で検出され、制御用トランジスタ
18の動作で界磁コイル16に流れる界磁電流が制限されて
いる。これにより発電機1の発電状態が制限され、発電
電圧が規定の値に調整されている。また負荷6の増大な
どで発電電圧が降下し、バッテリ7の端子電圧が14V以
下となった場合は、制御用トランジスタ18によって界磁
電流が流れるように制御され、発電電圧が規定値に復帰
される。
また、上記界磁コイル16には、過大電圧防止回路24を
接続する。この過大電圧防止回路24は前記した電圧検出
回路25と、サイリスタ27と、点弧回路28とを有し、界磁
コイル16にはサイリスタ27が並列に接続されており、電
圧検出回路25からの過大電圧検出信号が入力される点弧
回路28の出力端子がこのサイリスタ27のゲートに接続さ
れている。このサイリスタ27は、過大電圧発生時に界磁
コイル16の両端を短絡させてしまうものである。サイリ
スタ27と点弧回路28は、短絡回路を構成する。
つぎに、このように構成される上記過大電圧防止回路
24の動作を説明する。
いま、何らかの原因で、上記制御用トランジスタ18が
故障し、コレクタ、エミッタ間が溶着して、導通するよ
うな不具合が発生したとすると、界磁コイル16には界磁
電流が流れたままとなり、発電機1からは低圧側、高圧
側とも過大電圧が出力されるようになる。
したがって、バッテリ7の端子電圧も大きく上昇し、
電圧検出回路25においてバッテリ電圧が危険電圧以上に
至ったことが検出される。電圧検出回路25からの検出出
力が点弧回路28に供給されると、点弧回路28によってサ
イリスタ27が点弧され、導通状態となる。
これにより、界磁コイル16の両端が強制的に短絡され
て、界磁コイル16には界磁電流が供給されなくなるとと
もに、大きな短絡電流によって制御用トランジスタ18の
コレクタ、エミッタ間の溶着部分が過大に発熱して破壊
され、電気的に完全に非導通にする。
このように制御用トランジスタ18を故意に破壊し、コ
レクタ、エミッタ間を電気的に分離してしまうと、短絡
電流が継続的に流れるのが遮断されるとともに、界磁コ
イル16の他端は電気的に絶縁されてしまうので、界磁電
流はまったく流れることはなく、発電機1から発生して
いた過大電圧出力が抑制されるようになる。
したがってインバータ部3の出力端子5a,5bに接続さ
れる負荷6としての交流機器や、低圧側の電装品が過大
電圧によって故障したり、車両火災を誘発させるような
危険を未然に解消できる。
なお、過大電圧発生時に界磁コイル16を短絡させるた
めにサイリスタ27を用いたのは、サイリスタのピークオ
ン時における耐電流がトランジスタと比較して極めて大
きく、制御用トランジスタ18と同程度の電流容量を持つ
サイリスタ27であれば、確実にトランジスタ18の方が先
に破壊されるからである。したがって、サイリスタ27の
代わりに電流容量の大きなトランジスタ等の素子を用い
てもよく、またリレーを用いて構成することも可能であ
る。
また、上述の実施例では過大電圧防止回路24を発電機
1内に設けているが、発電機1から分離し、たとえばイ
ンバータ部3が組み込まれるケース内に移設してリード
線で接続すれば、従来のレギュレータをそのまま使用す
ることができる。
また発電機1には一軸二系統のデュアルボルテージタ
イプが使用されているが、高圧側のみを出力するシング
ルボルテージタイプの発電機を用いた自動車用発電機装
置にも本発明を適用することができる。
〈発明の効果〉 従来は、界磁電流を制御する制御用トランジスタの故
障時にコレクタ、エミッタ間の接合部に溶着が起きて
も、界磁コイルが負荷となって制御用トランジスタには
大きな電流が流れず、回路が遮断されなかった。したが
って、発電機は故障にもかかわらず発電を続けるので、
回転数の増加とともに過大電圧が出力されるという危険
があった。
本発明によれば、界磁コイルと並列に短絡回路を設け
て、過大電圧検出時にこの短絡回路を動作させて界磁コ
イルの両端を短絡するようにしたので、このとき流れる
大きな短絡電流によって制御用トランジスタが破壊さ
れ、回路が遮断される。
したがって、界磁コイルには界磁電流がまったく流れ
なくなり、過大電圧発生が抑圧される。
このような本発明による過大電圧防止回路を自動車用
発電装置を用いることにより、従来過大電圧の発生によ
りインバータ部の出力に接続される交流機器が故障した
り、低圧系統の電装品の故障や車両火災の発生が誘発さ
れる等の危険を未然に防止でき、しかも既に不良状態に
ある制御用トランジスタを破壊して電気的に非導通状態
にするため、回路的にみても合理的で無駄が無い構成と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る自動車用発電装置の構成を示す概
略的なブロック図、第2図は本発明による一実施例の過
大電圧防止回路を設けた自動車用発電装置の回路図であ
る。 1は発電機、2はエンジン、3はインバータ部、7はバ
ッテリ、8,9はステータコイル、15は整流器、16は界磁
コイル、17はレギュレータ部、18は制御用トランジス
タ、23,25は電圧検出回路、24は過大電圧防止回路、26
は駆動回路、27はサイリスタ、28は点弧回路である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車内に、エンジンにより駆動される発
    電機と、この発電機の発電出力を商用周波数の交流出力
    に変換するインバータ部と、上記発電機の界磁コイルに
    直列に設けた制御用トランジスタによって界磁電流を制
    御し、発電電圧を一定に調整するレギュレータ部とを備
    えた自動車用発電装置において、 上記界磁コイルに並列に上記制御用トランジスタよりも
    電流容量の大きい短絡回路を接続し、 上記発電機の上記発電電圧を検出してこの発電電圧が過
    大電圧に達したときに過大電圧検出信号を出力する電圧
    検出回路を設け、 この電圧検出回路から出力される上記過大電圧検出信号
    によって上記短絡回路を動作させて上記界磁コイルの両
    端を短絡させることにより、上記制御用トランジスタを
    破壊して電気的に非導通状態にすることを特徴とする自
    動車用発電装置の過大電圧防止回路。
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