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JP2648297B2 - カルボジチオアート誘導体の製造方法 - Google Patents

カルボジチオアート誘導体の製造方法

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JP2648297B2
JP2648297B2 JP8179244A JP17924496A JP2648297B2 JP 2648297 B2 JP2648297 B2 JP 2648297B2 JP 8179244 A JP8179244 A JP 8179244A JP 17924496 A JP17924496 A JP 17924496A JP 2648297 B2 JP2648297 B2 JP 2648297B2
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サ・ジョングシン
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/02Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings
    • C07D231/10Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D231/14Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D231/18One oxygen or sulfur atom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C337/00Derivatives of thiocarbonic acids containing functional groups covered by groups C07C333/00 or C07C335/00 in which at least one nitrogen atom of these functional groups is further bound to another nitrogen atom not being part of a nitro or nitroso group
    • C07C337/02Compounds containing any of the groups, e.g. thiocarbazates
    • C07C337/04Compounds containing any of the groups, e.g. thiocarbazates the other nitrogen atom being further doubly-bound to a carbon atom

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルホニルウレア系
除草剤の合成に有用な下記一般式(I):
【化2】 [式中、R1は水素原子、C1−C4アルキル基、アリル基
又はプロパギル基であり;R2は水素原子、C1−C4アル
キル基であるか任意の位置にハロゲン原子、ニトロ基及
びメチル基からなる群から選択される1又は2以上の置
換基を有するフェニル基であり;R3は水素原子、メチル
基、エチル基又はフェニル基である]で示される5−ピ
ラゾールメルカプタン誘導体の製造に有用な出発物質で
ある、下記一般式(II):
【化3】 [式中、RはC1−C4アルキル基、C2−C4アルケニル
基、アリルアルキル基又はアリル基であり、R2は水素
原子、C1−C4アルキル基であるか任意の位置にハロゲ
ン原子、ニトロ基及びメチル基からなる群から選択され
る1又は2以上の置換基を有するフェニルである]で示
されるカルボジチオアート誘導体の製造方法に関するも
のである。
【0002】上記一般式(I)の化合物は公知物質とし
て、その製造方法は例えば、ヨーロッパ公開特許第87
780号、日本国特許公開昭61−210003号、日
本国特許公開昭61−210084号等に記載されてい
る。特に、日本国特許公開昭61−210084号によ
れば下記反応式に従ってジエチルエトキシメチレンマロ
ネートから3段階の工程を経て目的化合物(I')を製造
している。
【化4】
【0003】上記反応式をより具体的に説明すれば、先
ずジエチルエトキシメチレンマロネートとメチルヒドラ
ジンを環化反応させ上記一般式(III')の化合物を生成さ
せ、次にホスホラスオキシクロライド(POCl3)を使用
して90〜100℃の温度で65時間以上反応させ、化
合物(III')のハイドロキシ基をクロル化してクロロ基に
換えた後、ここで生成された化合物(II')をDMF溶媒
の存在下でナトリウムスルフィド(Na2S)と70〜80
℃で3.5時間反応させ目的化合物(I')を製造してい
る。
【0004】しかし、前述した公知の方法によって、目
的化合物を製造する場合、3段階の複雑な反応工程を経
なければならないことはいうまでもなく、上記反応段階
中、環化反応による生成物中には下記一般式(I")のよ
うな異性体が副生成物として生じ純度を落とすため再結
晶工程のような精製工程を追加に経なければならず、全
体的に高い反応温度と長時間の反応時間を要するのみな
らず収率も80%以下(特に、クロル化段階においては
収率が30〜40%に過ぎない)で低いものしか得られ
ない。
【化5】
【0005】そこで、本発明者等は上記一般式(I)化合
物をより効果的で経済的に合成できる方法につき研究を
進めた結果、エチリデンジチオカルボン酸誘導体を出発
物質として1段階反応工程によって上記一般式(I)化合
物が効果的に合成されることが判明した。
【0006】すなわち、下記一般式(III)のマロネート
化合物を塩基存在下で下記一般式(II)のカルボジチオア
ート化合物と反応させることを特徴として下記一般式
(I)で示される5−ピラゾールメルカプタン誘導体を製
造する方法である。
【化6】 [式中、R1、R2及びR3は前述した通りであり、RはC
1−C4アルキル基(望ましくはメチル基、エチル基)、C
2−C4アルケニル基(望ましくはアリル基)、アリルアル
キル基(望ましくはベンジル基)又はアリル基(望ましく
はフェニル基)を示す。]
【0007】上記反応は下記反応図式(1)に従って先
ず、上記一般式(II)の化合物を一般式(III)の化合物と
反応させて下記一般式(IV)のエチリデンカルボジチオア
ート化合物を得、得られた化合物(IV)は直ちに脱カルボ
キシル化され環を形成して下記一般式(I'")のピラゾー
ルメルカプタン塩基性塩が生成し、これを酸処理すれば
目的の一般式(I)のピラゾールメルカプタン化合物が得
られる。
【化7】 [式中、R、R1、R2及びR3は前述した通りであり、B
+は塩基性基(base radical)を示し、A-は酸基(acid ra
dical)を示す。]
【0008】前述した反応は望ましくは無水条件に窒素
大気下で行うことによって良い合成結果を得ることがで
きる。この反応はほぼ定量的に進行するが、場合によっ
て、反応物質の使用量は上記一般式(II)の化合物に対し
一般式(III)の化合物を通常過剰量使用して反応させる
こともあり、望ましくは1.0当量〜2.0当量、特に望
ましくは1.0〜1.1当量の比率で使用するのが効果的
である。
【0009】上記反応は溶媒を使用しないこともある
が、望ましくは溶媒存在下で反応させるのが良く、8〜
20時間程度反応させれば反応が完了する。この際、使
用する溶媒はメタノール、エタノール、t−ブタノール
等のようなアルコール類、エチレンジクロライド、メチ
レンジクロライド等をアルキルハライド類やベンゼン、
n−ヘキサン、トルエン等、反応に副影響を与えなけれ
ば、いかなる溶媒も使用可能であるが、望ましくはアル
コール類、特にエタノールが最も良く、反応温度は0℃
〜150℃、好ましくは使用する溶媒の還流温度で行
う。
【0010】この反応において、望ましくは使用し得る
塩基としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のよ
うなアルカリ金属の(C1−C5)アルコキサイド、ハイド
ロキサイド又はカボネートを使用するか、ピリジン、ト
リエチルアミン等の3級アミン塩基を使用し得るが、望
ましくはアルカリ金属(C1−C5)アルコキサイド又はア
ルカリ金属ハイドロキサイドであり、特にナトリウムエ
トキサイド又はナトリウムハイドロキサイドが最も望ま
しく、その使用量は出発物質である一般式(II)の化合物
を基準にして1.0当量〜5.0当量が可能であるが、望
ましくは1.1当量〜1.5当量である。
【0011】一方、この反応中生成する上記一般式(IV)
の化合物は公知文献に記載されていない新規の物質とし
て、必要によっては一般式(IV)の化合物を分離して前述
した反応と同一条件にて反応させ一般式(I)の化合物を
製造することができる。
【0012】従って、下記一般式(IV)で示されるエチリ
デンカルボジチオアート化合物は新規であり、一般式(I
V)の化合物を塩基存在下で環化反応を行うことを特徴と
する一般式(I)の化合物の製造方法は下記反応図式(2)
に示す通りである。
【化8】 [式中、R、R1、R2及びR3は前述した通りである。]
【0013】上記反応図式(2)による反応は前述した反
応図式(1)による反応と同一の条件で効果的に行われ、
この反応によって製造される目的化合物は99%程度の
高純度であるのが特徴である。上記で詳細に説明したこ
の方法によれば、いずれの場合も1段階の工程であり、
非常に簡単で、効果的に目的化合物(I)を合成できるこ
とのみならず、公知の方法のように異性体が生成する恐
れが無く、相当に緩和な反応条件で短時間に反応を完了
させることができ、高純度の目的化合物を高収率で得る
ことができる。
【0014】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一
方、本発明の出発物質として使用される上記一般式(II)
及び(III)の化合物等は全て公知の化合物で商業的に容
易に購入して使用することが出来るが、特に、出発物質
(II)化合物は直接合成して使用するのがより経済的であ
る。
【0015】しかし、一般式(II)の化合物を公知の方法
によって製造することになれば、大部分の場合、反応選
択性に問題点が存在する。例えば、一般式(II)の化合物
はモノアルキルヒドラジンをアルコールのような極性溶
媒中でカリウムハイドロキサイド及び二硫化炭素(C
2)と反応させた後、同一溶媒中でよう化メチルとエス
テル化反応させて製造するか[アクタ・ケミカ・スカン
ジナビカ(Acta. Chem.Scand.)23(6),1916−3
4(1969)]又は米国特許第4064262、日本国
特開昭第61−109771号等に記載されている方法
によって製造することができるが、このような公知方法
の場合にはエステル化反応段階で反応選択性が落ちて、
下記構造式(II")のような副産物が生成することがある
ので目的化合物(I)の収率が60〜85%に落ちること
になる問題点がある。
【化9】 [式中、Rは前述した通りである。]
【0016】
【課題を解決するための手段】従って、本発明者等はこ
のような従来の問題点を解決するために研究を重ねた結
果、エステル化反応段階で非極性溶媒と相転移触媒とを
使用する2相系反応を行うことによって反応選択性を顕
著に向上させることができ、高純度及び高収率で目的化
合物(IV)を製造することが出来ることを見出した。
【0017】従って、本発明の目的は次の反応図式(3)
によって本発明の出発物質である化合物(II)の新しい製
造方法を提供することである。
【化10】 [式中、R及びR2は前述した通りであり、Xはハロゲン
を示し、Mはアルカリ金属を示す。] すなわち、本発明の方法は、塩基を溶解した水溶液中で
アルキルハイドラジンを二硫化炭素と反応させた後、こ
れを親電子体(R−Cl、R−Br又はR2SO4)とエステ
ル化反応させ、下記一般式(II):
【化11】 [式中、RはC1−C4アルキル基、C2−C4アルケニル
基、アリルアルキル基又はアリル基であり、R2は水素
原子、C1−C4アルキル基であるか任意の位置にハロゲ
ン原子、ニトロ基及びメチル基からなる群から選択され
る1又は2以上の置換基を有するフェニルである]で示
されるカルボジチオアート誘導体を製造する方法であっ
て、エステル化反応を非極性溶媒及び相転移触媒の存在
下で行うことを特徴とする改良方法である。上記方法を
具体的に説明すれば次の通りである。
【0018】
【発明の実施の形態】先ず塩基を溶媒に完全に溶解させ
た後、二硫化炭素を一括投入し、アルキルヒドラジン
(V)を徐々に滴加した後、反応がさらに進行しない時ま
で十分撹拌する。この際、塩基は金属ハイドロキサイド
を使用するが、特にナトリウムハイドロキサイド又はカ
リウムハイドロキサイドが望ましい。二硫化炭素と塩基
との使用量は化合物(V)を基準に各々1.0〜1.5当
量、望ましくは1.01〜1.05当量である。溶媒とし
て水又はアルコールを使用することができるが、水を
4.0当量以上使用するのが全体的に均一の反応を誘導
することができるので有利である。反応温度は通常0〜
40℃範囲を維持するが、0〜15℃の温度範囲で反応
させるのが反応物質の損失を防止することができるので
望ましい。特に二硫化炭素を投入する前に反応容器の内
部温度を0〜5℃程度に冷却するのが好ましい。アルキ
ル物質である化合物(V)を投入する際は反応器の内部温
度が15℃を越えないように徐々に投入することが好ま
しい。
【0019】次に、ジチオカルボン酸誘導体が生成して
いる反応混合物に非極性有機溶媒と相転移触媒を加えた
後、目的化合物に従って適切な親電子体を投入すること
によってエステル化反応を行う。この反応に使用する非
極性有機溶媒は非プロトン性溶媒、具体的にはメチレン
ジクロライド、エチレンジクロライド、n−ヘキサン、n
−ヘプタン又はトルエン等が望ましい。非極性有機溶媒
は通常の反応に使用する溶媒量程度、例えば、5〜40
当量を使用する。
【0020】相転移触媒は四級アンモニウムハライド又
は三級アミンを使用することができるが、四級アンモニ
ウムハライドが望ましく、特に望ましくはテトラブチル
アンモニウムブロマイドである。この使用量は0.00
1〜1.0当量、望ましくは0.01〜0.1当量であ
る。親電子体はアルキルスルフェート(R2SO4)又はア
ルキルハライド(R−X)を使用することができ、その使
用量は1.0〜2.0当量、望ましくは1.01〜1.0
5当量を使用するが、この場合、親電子体は2〜3時間
にわたって一定速度により投入するのが好ましい。ここ
で「アルキル」とは本発明による目的化合物の置換基R
に定義されたもの等を全て含む広い意味で使用される
が、適切に使用されることができる親電子体はメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、t
−ブチル、ベンジル又はp−ニトロベンジル基等のスル
フェート化合物或いはクロライド又はブロマイド化合物
であり、特にジメチルスルフェート、アリルブロマイド
又はベンジルクロライドが最も望ましい。エステル化反
応温度は0℃〜溶媒の還流温度範囲が可能であるが、0
〜25℃範囲で反応させることが副産物の生成を最少に
し、最も良い結果が得られる。
【0021】上述した本発明の方法によれば、95%以
上の純度の目的化合物(II)を95〜99%の高い収率で
得ることができるので工業的な面で多くの利点を有す
る。以上の全ての製造工程を反応式で示すと次の反応図
式(4)の通りである。
【化12】 [式中、R、R1、R2、R3、M及びXは上述した通りで
ある。] 以下、本発明を実施例および製造例によってより具体的
に説明する。しかし、これらの実施例等は本発明につい
て理解を助ける為のもののみで、本発明の範囲を制限す
るものではない。以下の実施例によって生成した化合物
の純度は気体クロマトグラフィにより分析した。
【0022】実施例1 2−メチルジカルボジチオ酸メチルエステルの合成 水5.0gにナトリウムハイドロキサイド420mg(10.
5mM)を入れて完全に溶かした後、冷却して0〜5℃を
維持した。この温度で二硫化炭素799mg(10.5mM)
を一度に投入し、内部温度が10℃を越えないように注
意しながらメチルヒドラジン461mg(10.0mM)を3
0分間にわたって徐々に注入した。10℃程度を維持し
ながら3時間継続撹拌した後、この反応混合物にメチレ
ンジクロライド10.0gとテトラn−ブチルアンモニウ
ムブロマイド42mg(0.15mM)を付加した後、ジメチ
ルスルフェート1274mg(10.1mM)を30分に互っ
て徐々に投入し、さらに1時間反応を進行させる。有機
層を分離して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後濾過し
溶媒を蒸溜して標題化合物1294mg(収率95%)を
得、気体クロマトグラフィで98%の純度を確認した。
【0023】実施例2 2−メチルカルボジチオ酸アリルエステルの合成 親電子体としてジメチルスルフェートの代わりにアリル
ブロマイド1222mg(10.1mM)を使用することを除
いて、実施例1と類似した方法で反応を行って標題化合
物1558mg(収率96%)を収得し、気体クロマトグラ
フィで97%の純度を確認した。
【0024】実施例3 2−メチルカルボジチオ酸ベンジルエステルの合成 エステル化溶媒としてメチレンクロライドの代わりにn
−ヘキサン30.0gを使用し親電子体としてジメチルス
ルフェートの代わりにベンジルクロライド1279mg
(10.0mM)を使用して実施例1に記載と同様の方法に
よって反応を行った後、メチレンジクロライドによって
生成物を抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し
て標題化合物2102mg(収率99%)を得、気体クロマ
トグラフィで95%の純度を確認した。
【0025】実施例4 2−メチルカルボジチオ酸エチルエステルの合成 親電子体としてジエチルスルフェート1555mg(10.
1mM)を使用する以外は実施例1又は3に記載と同様の
方法によって反応を行って、標題化合物1425mg(収
率:95%、純度:96%)を得た。
【0026】実施例5 2−メチルカルボジチオ酸プロピルエステルの合成 親電子体としてジプロピルスルフェート1838mg(1
0.0mM)を使用する以外は実施例1又は3に記載と同
様の方法によって反応を行って、標題化合物1591mg
(収率:97%、純度:95%)を得た。
【0027】実施例6 2−メチルカルボジチオ酸イソプロピルエステルの合成 親電子体としてイソプロピルクロライド793mg(10.
1mM)を使用する以外は実施例1又は3に記載と同様の
方法によって反応を行って標題化合物1542mg(収率:
94%、純度:96%)を得た。
【0028】実施例7 2−メチルカルボジチオ酸ブチルエステルの合成 親電子体としてブチルクロライド944mg(10.1mM)
を使用する以外は実施例1又は3に記載と同様の方法に
よって反応を行って標題化合物1718mg(収率:96
%、純度:95%)を得た。
【0029】実施例8 2−メチルカルボジチオ酸t−ブチルエステルの合成 親電子体としてt−ブチルクロライド944mg(10.1m
M)を使用する以外は実施例1又は3に記載と同様の方
法によって反応を行って標題化合物1754mg(収率:9
8%、純度:93%)を得た。
【0030】実施例9 2−メチルカルボジチオ酸p−ニトロベンジルエステル
の合成 親電子体としてp−ニトロベンジルクロライド1732m
g(10.1mM)を使用する以外は実施例1又は3に記載
と同様の方法によって反応を行って標題化合物2442
mg(収率:95%、純度:96%)を得た。
【0031】製造例1〜4 ベンジル3−[2',2'−(ジエトキシカボニル)エチリデ
ン]−2−メチルカルボジチオアートの合成 製造例1〜4では標題化合物を下記表1に記載されてい
る溶媒、塩基及び反応条件に従って下記の反応過程を経
て合成する。窒素大気下で溶媒10mlにジエチルエトキ
シメチレンマロネート882mg(4.08mM)とベンジル
2−メチルカルボジチオアート849mg(4.00mM)を
入れて40℃で加熱して完全な均一溶液を作る。この反
応混合物に塩基を約10分にわたって投入した後、表1
に記載されている反応条件に従って反応を進行させた。
TLC(Rf:0.35、展開液n−ヘキサン/エチルアセ
テート=4/1)によって反応の完了を確認し、反応液
に水を投入する。反応液でメチレンジクロライドで有機
層を抽出し、硫酸マグネシウムによって水を除去した
後、溶媒を溜去して液状の標題化合物を得た。結果を下
記表1に示す。生成物は下記のような物理的性質を有す
ることを確認した。1 H NMR(270MHz,CDCl3/TMS);δ1.24
5−1.385(m,6H),3.766(s,3H),4.161
−4.304(m,4H),4.408(s,2H),7.272−
7.360(m,5H),7.884(d,1H,J=11.1H
z),10.404(d,1H,J=11.1Hz) MS(70eV);m/z382(M+),336,290,25
9,223
【表1】 表(1) 製造例 溶 媒 塩基1) 反応温度 反応時間 収率 純度2) 番 号 (使用当量) (℃) (時間) (%) (%) 1 EtOH NaOEt(1.05) 40 1.5 99 98 2 EtOH NaOEt(2.0) 40 0.5 98 97 3 THF KOEt(1.10) 0 0.5 98 96 4 MDC Et3N(2.0) 還流 72 85
80 ** 注: 1) 塩基の当量は一般式(II)のカルボジチオアート基準 2) 純度はGC面積%
【0032】製造例5 メチル3−[2',2'−(ジエトキシカボニル)エチリデ
ン]−2−メチルカルボジチオアートの合成 窒素大気下で無水エタノール10mlにジエチルエトキシ
メチレンマロネート882mg(4.08mM)とメチル2−
メチルカルボジチオアート545mg(4.00mM)を入
れ、40℃で加熱して完全に溶液状態に作る。ナトリウ
ムエトキサイド327mg(4.80mM)を入れて約40℃
で1時間反応させた後反応液に水を投入する。有機層を
メチレンジクロライドによって抽出し硫酸マグネシウム
によって乾燥し濾過した後、溶媒を完全に溜去して下記
のように確認された標題化合物1213mg(収率:99
%、純度:98%)を得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3/TMS);δ1.30
6(t,3H,J=7.3Hz),1.365(t,3H,J=6.5
Hz),2.557(S,3H),3.775(S,3H),4.21
6(q,2H,J=7.3Hz),4.299(q,2H,J=6.5
Hz),7.898(d,1H,J=11.0Hz),10.424
(d,1H,J=11.0Hz) MS(70eV);m/z306(M+),259,204,187
【0033】製造例6 アリル3−[2',2'−(ジエトキシカボニル)エチリデ
ン]−2−メチルカルボジチオアートの合成 窒素大気下で無水エタノール10mlにジエチルエトキシ
メチレンマロネート882mg(4.08mM)とアリル2−
メチルカルボジチオアート649mg(4.00mM)を入れ
て40℃で加熱して完全に溶液状態にする。ナトリウム
エトキサイド327mg(4.80mM)を入れて約40℃で
30分間反応させた後反応液に水を投入する。有機層を
メチレンジクロライドによって抽出し、硫酸マグネシウ
ムによって乾燥し濾過した後、溶媒を完全に蒸溜して下
記のように確認された標題化合物1263mg(収率:95
%、純度:98%)を得た。1 H NMR(270MHz,CDCl3/TMS);δ1.25
6−1.387(m,6H),3.76(s,3H),3.858(d,
2H,J=6.8Hz),4.175−4.335(m,4H),
5.153−5.336(m,2H),5.824−5.924
(m,1H),7.887(d,1H,J=11.1Hz),10.4
15(d,1H,J=11.1Hz) MS(70eV);m/z332(M+),287,245,217
【0034】製造例7 メチル2−メチルカルボジチオアート化合物から4−エ
トキシカボニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプ
タンの合成 無水エタノール10mlにジエチルエトキシメチレンマロ
ネート882mgとメチル2−メチルカルボジチオアート
545mgを窒素大気下で加熱して反応混合物が均一の溶
液になるようにする。ここにナトリウム110mgと無水
エタノール5mlとを反応させて得たナトリウムエトキサ
イドを室温で10分にわたって投入し、反応混合物を1
0時間程度加熱還流させる。TLC又はGCによって反
応の完了を確認して反応が完了すればここに水10mlと
メチレンジクロライド25mlとを加えた後20%硫酸で
pHを約8程度で調節して層分離する。水層を取ってpH
を2に調整し生成物をメチレンジクロライド25mlで抽
出する。抽出された混合物から溶媒を蒸発させ真空蒸溜
(沸点:107℃、0.1torr)して標題化合物707mg
(収率:95%、純度:95%)を得た。
【0035】製造例8 アリル2−メチルカルボジチオアートから4−エトキシ
カボニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプタンの
合成 無水エタノール10mlにジエチルエトキシメチレンマロ
ネート882mgとアリル2−メチルカルボジチオアート
649mgを窒素大気下で加熱して反応混合物が均一の溶
液になるようにする。ここにナトリウム110mgと無水
エタノール5mlとを反応させて得られたナトリウムエト
キサイドを室温で10分にわたって投入し反応混合物を
10時間程度加熱還流させる。TLC又はGCによって
反応の完了を確認し反応が完了するとエタノールを蒸留
し除去する。以下、製造例7に記載と同様の処理過程を
経て標題化合物700mg(収率:94%、純度:96%)を
得た。
【0036】製造例9 ベンジル2−メチルカルボジチオアートから4−エトキ
シカボニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプタン
の合成 無水エタノール10mlにジエチルエトキシメチレンマロ
ネート882mgとベンジル2−メチルカルボジチオアー
ト545mgとを窒素大気下で加熱して反応混合物が均一
の溶液になるようにする。ここにナトリウム110mgと
無水エタノール5mlとを反応させて得られたナトリウム
エトキサイドを室温で10分にわたって投入し反応混合
物を10時間程度加熱還流させる。TLC又はGCによ
って反応の完了を確認し反応が完了すれぱエタノールを
蒸溜して除去する。以下製造例7に記載と同様の処理過
程を経て標題化合物685mg(収率:92%、純度:97
%)を得た。
【0037】製造例10 メチルカルボジチオアート化合物から4−エトキシカボ
ニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプタンの合成 無水エタノール10mlにメチル3−[2',2'−(ジエト
キシカボニル)エチリデン]−2−メチルカルボジチオア
ート1226mgとナトリウムエトキサイド327mgを入
れて窒素大気下で加熱して10時間程度還流させる。T
LC又はGCによって反応完了を確認して、反応が完了
すればエタノールを蒸溜して除去する。ここに水10ml
とメチルジクロライド25mlとを加えた後、20%硫酸
によってpHを約8程度に調整して層分離する。水層を
取ってpHを2に調整し生成物をメチレンジクロライド
25mlで抽出した後、真空蒸溜(bp.107,0.1torr)
して標題化合物708mg(収率:95%、純度:99%)を
得た。1 H NMR(CDCl3);δ7.87(s,1H),6.45(s,
1H),4.31(q,2H),3.78(s,3H),1.36(t,3
H)
【0038】製造例11 ナトリウムハイドロキサイド塩基を使用した4−エトキ
シカボニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプタン
の合成 製造例10にて塩基としてナトリウムハイドロキサイド
176mgを入れて10時間反応させる。以下同様に行
って標題化合物700mg(収率:94%、純度98%)を
得た。
【0039】製造例12 アリルカルボジチオアート化合物から4−エトキシカボ
ニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプタンの合成 製造例6で合成した化合物1330mgを使用する以外に
は製造例10の方法と同様に行って標題化合物723mg
(収率:97%、純度:99%)以上を得た。
【0040】製造例13 ベンジルカルボジチオアート化合物から4−エトキシカ
ボニル−1−メチル−5−ピラゾールメルカプタンの合
成 製造例1〜4で合成した化合物1532mgを使用する以
外には製造例10の方法と同様に行って標題化合物73
0mg(収率:98%、純度:98%)以上を得た。
フロントページの続き (72)発明者 サ・ジョングシン 大韓民国デジョン、デドッグ、ボッドン 285−1番 ユウォン・アパートメント 5−1306 (72)発明者 ジョ・スンジョング 大韓民国デジョン、ユソング、ドリョン ドン386−4番 ラッキー・アパートメ ント・エイ−307 (72)発明者 チョ・ジンホ 大韓民国デジョン、ユソング、ドリョン ドン381−42番 ラッキー・アパートメ ント6−206

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基を溶解した水溶液中でアルキルハイ
    ドラジンを二硫化炭素と反応させた後、これを親電子体
    (R−Cl、R−Br又はR2SO4)とエステル化反応さ
    せ、下記一般式(II): 【化1】 [式中、RはC1−C4アルキル基、C2−C4アルケニル
    基、アリルアルキル基又はアリル基でありR2は水素原
    子、C1−C4アルキル基であるか任意の位置にハロゲン
    原子、ニトロ基及びメチル基からなる群から選択される
    1又は2以上の置換基を有するフェニルである]で示さ
    れるカルボジチオアート誘導体を製造する方法であっ
    て、エステル化反応を非極性溶媒及び相転移触媒の存在
    下で行うことを特徴とする改良方法。
  2. 【請求項2】 非極性溶媒がメチレンクロライド、エチ
    レンクロライド、n−ヘキサン、n−ヘプタン又はトルエ
    ンであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 相転移触媒が四級アンモニウムハライド
    又は3級アミンであり、その使用量がアルキルハイドラ
    ジンを基準にして0.001〜1.0当量であることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 相転移触媒がテトラブチルアンモニウム
    ブロマイドである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 エステル化反応温度が0〜25℃である
    請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
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